図1は本発明による無線式の住警器の外観を示した説明図であり、図1(A)に正面図を、図1(B)に側面図を示している。
図1において、本実施形態の住警器10はカバー12と本体14で構成されている。カバー12の中央には、周囲に煙流入口を開口した検煙部16が配置され、火災による煙が所定濃度に達したときに火災を検出するようにしている。
カバー12に設けた検煙部16の左下側には音響穴18が設けられ、この背後にスピーカを内蔵し、警報音や音声メッセージを出力できるようにしている。検煙部16の下側には警報停止スイッチ20が設けられている。警報停止スイッチ20は点検スイッチとしての機能を兼ねている。
警報停止スイッチ20の内部には、点線で示すようにLED22が配置されており、LED22が点灯すると、警報停止スイッチ20のスイッチカバーの部分を透過してLED22の点灯状態が外部から分かるようにしている。
また本体14の裏側上部には取付フック15が設けられており、設置する部屋の壁にビスなどをねじ込み、このビスに取付フック15で取り付けることで、壁面に住警器10を設置することができる。
なお図1の住警器10にあっては、検煙部16を備えた火災による煙を検出する住警器を例に取っているが、これ以外に火災による熱を検出するサーミスタを備えた住警器や、火災以外にガス漏れを検出する住警器についても、本発明の対象に含まれる。
図2は住宅に対する本実施形態の住警器の設置状態を示した説明図である。図2の例にあっては、住宅24に設けられている台所、居間、主寝室、子供部屋のそれぞれに本実施形態の住警器10−1〜10−4が設置され、更に屋外に建てられたガレージ26にも住警器10−5を設置している。
住警器10−1〜10−5のそれぞれは、イベント信号を相互に無線により送受信する機能を備えており、5台の住警器10−1〜10−5で1つのグループを構成して、この住宅全体の火災監視を行っている。
いま住宅24の子供部屋で万一、火災が発生したとすると、住警器10−4が火災を検出して警報を開始する。この火災を検出して警報を開始することを、住警器における「発報」という。住警器10−4が発報すると、住警器10−4は連動元として機能し、連動先となる他の住警器10−1〜10−3,10−5に対し、火災発報を示すイベント信号を無線により送信する。他の住警器10−1〜10−3,10−5にあっては、連動元の住警器10−4からの火災発報を示すイベント信号を受信すると、連動先としての警報動作を行う。
ここで連動元となった住警器10−4の警報音としては、例えば音声メッセージにより「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」を連続して出力する。一方、連動先の住警器10−1〜10−3,10−5にあっては、「「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージを連続して出力する。
住警器10−1〜10−5が警報音を出している状態で、図1に示した住警器に設けている警報停止スイッチ20を操作すると、警報音の停止処理が行われる。
また住警器10−1〜10−5は障害監視機能を備えおり、障害を検知すると、例えば「ピッ」といった警報音を所定時間置きに間欠的に出力し、障害が発生したことを報知する。また障害を検出した障害元の住警器は、他の住警器に障害発生を示すイベント信号を無線送信し、他の住警器においても同じ障害警報が出力される。この結果、任意の住警器で障害が検出されると、連動警報を行うグループを構成している全ての住警器から障害警報が出力されることなる。
住警器から出力されている障害警報は、警報停止スイッチ20を操作することで停止することができる。本発明にあっては、連動警報された障害警報中に警報停止操作を行った場合に、次のいずれかの処理を行う。
(1)任意の住警器で障害を検出すると、グループを構成する全ての住警器で障害警報を出し、任意の住警器で停止操作をすると、障害元の住警器が障害元を報知し、他の住警器の警報音は停止する(第1実施形態)。
(2)任意の住警器で障害を検出すると、グループを構成する全ての住警器が順番に障害警報を出し、任意の住警器で停止操作をすると、障害元の住警器が障害元を報知し、他の住警器の警報音は停止する(第2実施形態)。
(3)任意の住警器で障害を検出すると、予め定めた障害代表の住警器のみで障害警報を出し、任意の住警器で停止操作をすると、障害元の住警器が障害元を報知する(第3実施形態)。
また本実施形態において住警器で検出して警報する障害とは、電池電圧の低下を検出して警報するローバッテリー警報が主なものであり、これ以外に、検煙部などのセンサ障害など適宜の障害警報が含まれる。
ローバッテリーは、電池電圧が住警器として72時間に亘り正常に機能可能な限界電圧に低下したときに検出され、例えば1分に1回、「ピッ」といった短い警報音を出すようにしており、以下の実施形態にあっては、障害警報としてローバッテリー警報を例にとって説明する。
図3は本発明による住警器の第1実施形態を示したブロック図である。図3は図2に示した5台の住警器10−1〜10−5につき、その内の住警器10−1について回路構成を詳細に示している。
住警器10−1はCPU28を備え、CPU28に対してはアンテナ31を備えた無線回路部30、記録回路部32、センサ部34、報知部36、操作部38及び電池電源40を設けている。
無線回路部30には送信回路42と受信回路44が設けられ、他の住警器10−2〜10−5との間でイベント信号を無線により送受信できるようにしている。無線回路部30としては、日本国内の場合には例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステムの無線局の無線設備の標準規格)またはSTD−T67特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備の標準規格)に準拠した構成を備える。
もちろん無線回路部30としては、日本国内以外の場所については、その地域の割当無線局の標準規格に準拠した内容を持つことになる。
記録回路部32にはメモリ46が設けられている。メモリ46には住警器を特定するID(識別子)となる送信元符号50と、図2のように複数の住警器で連動警報を行うグループを構成するためのグループ符号52が格納されている。送信元符号50としては、国内に提供される住警器の数を予測し、例えば同一符号として重複しないように26ビットの符号コードが使用される。
グループ符号52はグループを構成する複数の住警器に共通に設定される符号であり、無線回路部30で受信した他の住警器からのイベント信号に含まれるグループ符号がメモリ46に登録しているグループ符号52に一致したときに、このイベント信号を有効な信号として受信して処理することになる。
なお本実施形態にあっては、記録回路部32にメモリ46を使用しているが、メモリ46の代わりにディップスイッチを設け、ディップスイッチにより送信元符号50やグループ符号52を設定するようにしてもよい。送信元符号50やグループ符号52の符号長(ビット数)が少ない場合には、ディップスイッチを用いた記録回路部32が望ましい。
センサ部34には、本実施形態にあっては検煙部16が設けられている。センサ部34には検煙部16以外に、火災による温度を検出するサーミスタを設けてもよい。またガス漏れ監視用の住警器の場合には、センサ部34にガス漏れセンサが設けられることになる。
報知部36にはスピーカ58とLED22が設けられている。スピーカ58は、図示しない音声合成回路部からの音声メッセージや警報音を出力する。LED22は点滅や明滅、点灯などにより、火災などの異常及び障害を表示する。
操作部38には警報停止スイッチ20が設けられている。警報停止スイッチ20を操作すると、住警器10−1から流している警報音を停止することができる。警報停止スイッチ20は、本実施形態にあっては点検スイッチを兼用している。
警報停止スイッチ20は、報知部36からスピーカ58により警報音を出力しているときに有効となる。一方、警報音を出力していない通常監視状態で警報停止スイッチ20は点検スイッチとして機能し、点検スイッチを押すと、報知部36から点検用の音声メッセージなどが出力される。
電池電源40は、例えば所定セル数のアルカリ乾電池を使用しており、電池容量としては住警器10−1における無線回路部30を含む回路部全体の低消費電力化により、約10年の電池寿命を保証している。
CPU28にはプログラムの実行により実現される機能として、異常監視部58、
障害監視部60及び障害元確認処理部62が設けられている。
異常監視部58は、センサ部34に設けた検煙部16で火災を検出したときに、報知部36のスピーカ58から連動元を示す警報音例えば「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」を繰り返し出力させると共に、火災発報を示すイベント信号を無線回路部30の送信回路42によりアンテナ31から他の住警器10−2〜10−5に向けて送信させる。
また、異常監視部58は、他の住警器10−2〜10−5のいずれかから火災発報を示すイベント信号を無線回路部30の受信回路44により受信したときに、報知部36のスピーカ58から連動先を示す警報音例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」となる音声メッセージを連続的に出力させる。
ここで、異常監視部58で火災発報を検出して連動元警報音を出すときには、報知部36のLED22を例えば明滅させ、一方、連動先警報音を出す場合には、報知部36のLED22を点滅させる。これによって、連動元警報と連動先警報におけるLED22の表示を区別できるようにしている。もちろん、連動元警報と連動先警報のいずれについても、同じLED22の明滅または点滅表示であってもよい。
障害監視部60は、電池電源40の電圧低下によるローバッテリーを障害として検出した時に、例えば1分に1回、「ピッ」といった短いローバッテリー警報音を出すことにより障害警報音を出力させると共に、障害を示すイベント信号を他の住警器10−2〜10−5に送信する。
また、障害監視部60は、他の住警器10−2〜10−5のいずれかから障害を示すイベント信号を受信した時に、ローバッテリー警報音を同様に間欠的に出すことにより、障害警報音の連動出力を行う。このローバッテリーの連動先での警報については、警報音に同期してLED22を点滅させても良い。
障害元確認処理部62は、ローバッテリー障害の警報音の出力中に、警報停止スイッチ20の操作を検出した時、他の住警器10−2〜10−5に障害元確認のイベント信号を送信する。なお、警報停止スイッチ20の操作を検出した時、自己が障害元である場合に、ローバッテリー障害の警報音から障害元を示す報知音の出力に切替え、この場合は、他の住警器10−2〜10−5に障害元確認のイベント信号を送信しない。
一方、障害元確認処理部62は、他の住警器10−2〜10−5から障害元確認のイベント信号を受信した時、自己が障害元である場合に、ローバッテリー障害の警報音から障害元を示す警報音の出力に切替える。
障害元を示す警報音としては「ローバッテリーが検出されました 電池を交換してください」といった音声メッセージを出力する方法、警報音を大きくする方法、LED22を明滅又は点滅させる方法など、ローバッテリー警報とは異なる適宜の報知出力とする。
このような住警器10−1に設けた回路部は他の住警器10−2〜10−5についても同様であり、メモリ46に格納している送信元符号50が各住警器固有の符号となっている。
図4は本実施形態で使用するイベント信号のフォーマットを示した説明図である。図4において、イベント信号48は送信元符号50、グループ符号52及びイベント符号54で構成されている。送信元符号50は例えば26ビットの符号である。またグループ符号52は例えば8ビットの符号であり、同一グループを構成する例えば図3の5台の住警器10−1〜10−5につき同じグループ符号が設定されている。
なおグループ符号52としては、同一グループの住警器に同一のグループ符号を設定する以外に、予め定めたグループを構成する住警器に共通な基準符号と、各住警器に固有な送信元符号との演算から求めた住警器ごとに異なるグループ符号であってもよい。
イベント符号54は、火災、ガス漏れなどの異常や障害といったイベント内容を表す符号であり、本実施形態にあっては3ビット符号を使用しており、例えば「001」で火災、「010」でガス漏れ、「011」で障害、「101」で障害元確認、残りをリザーブとしている。
なおイベント符号54のビット数は、イベントの種類が増加したときには更に4ビット、5ビットと増加させることで、複数種類のイベント内容を表すことができる。
図5は図3の第1実施形態による基本処理を示したフローチャートである。図5において、第1実施形態の住警器の処理は、内蔵電池による電源供給を有効化した電源投入時に、まずステップS1で初期化処理を実行する。
この初期化処理には、図2に示すように、住宅24及びガレージ26に設置している5台の住警器10−1〜10−5をグループ化する処理、例えば図3の住警器10−1〜10−5の住警器10−1に代表して示す記録回路部32のメモリ46に同一のグループ符号52を登録する処理などを行う。続いてステップS2で火災監視処理を実行し、続いてステップS3の障害監視処理を実行し、これを繰り返すことになる。
図6は図5のステップS2における火災監視処理の詳細を示したフローチャートであり、図3の住警器10−1を例に取って説明すると次のようになる。
図6において、火災監視処理は、ステップS4でセンサ部34に設けている検煙部16による煙検出に基づく火災発報の有無を判別しており、火災発報があると、ステップS5に進み、火災発報のイベント信号を無線回路部30の送信回路42から他の住警器10−2〜10−5に送信した後、ステップS6で連動元としての火災警報を報知部36のスピーカ56から例えば「ウーウー、火災が発生しました。確認してください」という音声メッセージを出力し、同時にLED22を明滅させる。
続いてステップS9で警報停止操作の有無をチェックしており、操作部38の警報停止スイッチ20を操作すると、ステップS10に進み、火災警報が停止される。
一方、ステップS4で火災発報がなかった場合には、ステップS7に進み、他の住警器10−2〜10−5から火災発報のイベント信号を受信したか否かチェックしており、イベント信号を受信すると、ステップS2に進み、報知部36のスピーカ56から障害元の火災警報として、例えば「ウーウー、別の火災報知器が作動しました。確認してください」という音声メッセージを連続して出力し、同時にLED22を点滅させる。
この場合にも、ステップS9で警報停止操作を判別すれば、ステップS10で障害元の火災警報を停止することになる。
図7は図3の第1実施形態による障害監視処理を示したタイムチャートであり、図3における3台の住警器10−1〜10−3を例に取って処理を示している。
図7において、いま住警器10−1がステップS1でローバッテリー障害を検出したとすると、ステップS12で障害イベント信号を他の住警器10−2,10−3に送信し、他の住警器10−2,10−3においては、イベント信号に含まれるグループ符号の一致から、イベント信号を有効として受信し、そのイベント内容から、ステップS13,S14でそれぞれローバッテリー障害を受信判別する。
障害元の住警器10−1は、ステップS12で障害イベント信号を送信した後、ステップS15でローバッテリー警報音を出力する。ローバッテリー警報音は、例えば「ピッ」といった警報音を1分間隔で出力し、同時に警報音に同期してLED22を点滅する。他の住警器10−2,10−3においても、障害元からのイベント信号の受信に基づく障害受信の判別で、ステップS16,S17において同様にローバッテリー警報音を出力する。なお、ステップS16,S17のローバッテリー警報音は、例えば「別の住警器でローバッテリーを検出しました」といった、障害元のローバッテリー警報音とは異なるローバッテリー警報音であっても良い。
このように第1実施形態にあっては、住警器10−1でローバッテリー検出が行われると、グループを構成するすべての住警器10−1〜10−3においてローバッテリー警報が出力されることになる。
続いて住警器10−3において人が警報停止スイッチ20を操作して、ステップS18で警報停止操作を行ったとすると、ステップS19で障害元確認のイベント信号を他の住警器10−1,10−2に送信し、ステップS20で自分自身のローバッテリー警報音を停止する。
住警器10−1,10−2にあっては、住警器10−3からの障害元確認のイベント信号を受信し、グループ符号が同一であることからイベント信号を有効として処理し、そのイベント内容から、障害元確認のイベント信号の受信であることをステップS21,S22で判別する。
住警器10−2にあっては、障害元でないことから、ステップS23でローバッテリー警報音を停止する。一方、住警器10−1にあっては、障害元であることから、障害元確認のイベント信号の受信に基づき、ステップS24で、それまでのローバッテリー警報音から障害元を示す報知音に切り替えて出力する。
このローバッテリー警報音から障害元を示す報知音への切替えは、例えばローバッテリー音は「ピッ」といった短い音を1分間隔で出力しているものを、警報音を大きくしたり、障害元であることを示す音声メッセージを出力したり、更にはLED22を1分間隔の間欠点灯から連続または明滅に切り替えて、障害元であることを示す。
したがって、住警器10−3のステップS18においてローバッテリー警報の停止操作を行った人は、住警器10−1から出されている障害元の報知音を聞くことで、障害元の住警器10−1を突き止め、ローバッテリー警報を生じている住警器10−1に対し、バッテリー交換などの適切な障害対策を取ることができる。
図8は図5のステップS3における障害監視処理の詳細を示したフローチャートである。図8において、障害監視処理は、ステップS25でローバッテリー障害を検出すると、ステップS26でローバッテリー障害のイベント信号を他の住警器を送信する。
続いてステップS27で自分自身のローバッテリー警報音を出力し、同時にLEDも表示する。続いてステップS28で警報停止操作を判別すると、ステップS29でローバッテリー警報音を停止し、自分自身が障害元であることから、ステップS29で障害元の報知音を出力する。続いてステップS31で警報停止操作を判別すると、ステップS32で障害元の警報音を停止することになる。
一方、ステップS25でローバッテリー障害でなかった場合には、ステップS33で他の住警器からの障害イベント信号の受信の有無をチェックする。他の住警器から障害のイベント信号を受信した場合には、ステップS34に進み、ローバッテリー警報音を出力し、同時にLEDも表示する。続いてステップS35で警報停止操作を判別すると、ステップS36で障害元確認のイベント信号を他の住警器に送信した後、ステップS37でローバッテリー警報音を停止する。
また、ステップS35で警報停止操作がなかった場合には、ステップS38で他の住警器からの障害元確認のイベント信号の受信の有無をチェックしており、このイベント信号を受信すると、ステップS37でローバッテリー警報音を停止することになる。
図9は本発明による住警器の第2実施形態を示したブロック図であり、この第2実施形態にあっては、ローバッテリーなどの障害を検出した際に、すべての住警器で障害警報を出すが、一斉に障害警報を出さず、予め定めた順番にしたがって障害警報を出すようにしたことを特徴とする。
図9において、住警器10−1〜10−5は、住警器10−1に代表して示す回路構成を備え、住警器10−1は図3の第1実施形態と同様、CPU28、無線回路部30、記録回路部32、センサ部34、報知部36、操作部38及び電池電源40を備えており、CPU28の機能として、同じく図3の第1実施形態と同様、異常監視部58、障害監視部60及び障害元確認処理部62を設けている。
この第2実施形態固有の機能として、障害監視部60には順番設定部64が設けられている。順番設定部64は、他の住警器10−2〜10−5から障害を示すイベント信号を受信したときに、他の住警器とは異なるタイミングで障害警報を出すため、例えば住警器10−1〜10−5ごとに異なる遅延時間を設定している。順番設定部64で使用する遅延時間は、住警器10−1〜10−5の初期化処理でグループ符号を設定した後の処理として行い、その後に監視処理に入ることになる。
順番設定部64による遅延時間の設定は、例えば1グループを構成する最大住警器数に対し、異なる遅延時間を格納した遅延時間テーブルを予め準備しておき、例えば住警器10−1〜10−5に固有なメモリ46の送信元符号50に基づいて、異なる遅延時間T1〜T5を選択する。
送信元符号50による遅延時間の選択としては、例えば下位3ビットの10進で0〜8の値に対応してテーブル番号を決めて遅延時間を選択すればよい。下位3ビットとした場合には、重複して同じ遅延時間が選択される可能性があることから、これを回避するためには例えば下位4ビットの10進の0〜15の値に対応してテーブルを選択するようにしてもよい。この順番設定部64における住警器ごとに異なる遅延時間の選択設定は、それ以外に適宜の手法を取ることができる。
図10は図9の第2実施形態による基本処理を示したフローチャートである。図10において、第2実施形態の住警器にあっては、電池電源による電源投入後、ステップS39で初期化処理を行い、この段階でグループ符号の設定によりグループ構成を行う。続いてステップS40で順番設定部64による遅延時間設定処理を実行する。
この遅延時間の設定処理は、例えば送信符号50の下位複数ビットを使用した値に対応して、予め定めた遅延時間テーブルから対応する番号の遅延時間を選択して設定する。続いてステップS41で火災監視処理を行い、またステップS42で障害監視処理を行い、以降、それを繰り返す。
図11は図9の第2実施形態による障害監視処理を示したタイムチャートであり、3台の住警器10−1〜10−3を例に取って示している。
図11において、住警器10−1がステップS43でローバッテリー障害を検出すると、ステップS44で障害イベント信号を他の住警器10−2,10−3に送信し、ステップS45,S46のそれぞれで受信される。
続いて障害元の住警器10−1は、ステップS47で自分自身に設定されたT1時間後にローバッテリー警報音を出力する。また住警器10−2,10−3は、それぞれに設定された遅延時間T2及びT3後に、ステップS48,S49のようにローバッテリー警報音を出力する。なお、ステップS48,S49のローバッテリー警報音は、例えば「別の住警器でローバッテリーを検出しました」といった、障害元のローバッテリー警報音とは異なるローバッテリー警報音であっても良い。
ここで、T1<T2<T3の関係となっており、このため複数の住警器10−1,10−3において、ローバッテリー警報音を出力する時間が異なり、遅延時間に応じて順番にローバッテリー警報音が出されることになる。
ローバッテリー警報音は例えば1分周期で間欠的に繰り返し出力されることから、住警器10−1,10−2,10−3のそれぞれは、ステップS47,S48,S49の各タイミングで順番にローバッテリー警報音を出力した後、その後はそれぞれ1分後に再びローバッテリー警報を出力し、これを繰り返すことになる。
このローバッテリー警報音の順番出力の状態で、例えば住警器10−3において、ステップS50で警報停止操作が行われると、ステップS51で障害元確認のイベント信号が他の住警器10−1,10−2に送信され、ステップS52で自分自身のローバッテリー警報音を停止する。
住警器10−1,10−2は、ステップS53,S54で障害元確認のイベント信号を受信し、住警器10−2にあっては障害元でないことから、ステップS55でローバッテリー警報音を停止する。一方、住警器10−1は障害元であることから、ステップS56でローバッテリー警報音から障害元報知音への切替えを行い、障害元であることを報知する。
図12は図10のステップS42における障害監視処理の詳細を示したフローチャートである。図12において、障害監視処理は、ステップS57でローバッテリー障害を判別すると、ステップS58でローバッテリー障害のイベント信号を他の住警器に送信した後、ステップS59で自分自身のローバッテリー警報音を出力する。
続いてステップS60で警報停止操作を判別すると、ステップS11でローバッテリー警報音を停止し、自分が障害元であることから、ステップS62で障害元の報知音を出力する。続いてステップS63で警報停止操作を判別すると、ステップS64で障害元の報知音を停止する。
一方、ステップS57でローバッテリー障害でなかった場合には、ステップS65に進み、障害のイベント信号を他の住警器から受信したか否か判別し、受信した場合にはステップS66に進み、設定遅延時間の経過を待って、ステップS67でローバッテリー警報音を出力する。
続いてステップS68で警報停止操作を判別すると、ステップS69で障害元の確認を示すイベント信号を他の住警器に送信した後、ステップS70でローバッテリー警報音を停止する。ステップS68で警報停止操作がなかった場合には、ステップS71で障害元確認のイベント信号の受信の有無をチェックしており、このイベント信号を受信すると、ステップS70でローバッテリー警報音を停止することになる。
なお図11及び図12において、障害元の住警器にあっては、ローバッテリー障害を検出して障害のイベント信号を送信した後、予め設定された遅延時間の経過を待たずにローバッテリー警報音を出力するようにしているが(図11のステップS47及び図12のステップS59)、障害元の住警器についても、予め設定した遅延時間経過後にローバッテリー警報音を出力するようにしてもよい。
このように、全ての住警器で障害警報を出す際に、順番に障害警報を出すようにすることで、住戸内に設置している複数の住警器で一斉に障害警報が出されてうるさくなりすぎるような事態を回避することができ、順番に出力される障害警報の状態で近くにある住警器の警報停止操作を行うことで、障害元の住警器からの報知音を頼りに障害元の住警器を速やかに見つけて、適切な障害対策を取ることができる。
図13は本発明による住警器の第3実施形態を示したブロック図であり、この第3実施形態にあっては、予め定めた代表となる住警器及び障害元の住警器で障害警報を出すようにしたことを特徴とする。
図13において、住警器10−1〜10−5について、その詳細を代表して示す住警器10−1の構成は図3の第1実施形態と基本的に同じであり、CPU28、無線回路部30、記録回路部32、センサ部34、報知部36、操作部38及び電池電源40を備えている。CPU28の機能についても、図3の実施形態と同様、異常監視部58と障害元確認処理部62が設けられ、これに加え、第3実施形態に固有な機能として障害代表設定部66と障害監視部160が設けられている。
障害代表設定部66は、住警器10−1〜10−5のグループ構成を含む初期設定の際に、障害報知の代表の有無を予め設定する。障害代表設定部66による障害代表の設定方法としては、例えば次の方法を取ることができる。
(1) 住宅に設定する際に、例えば最も人がいる時間の多い居間などに設定する住警器など任意に設定する。
(2) 住宅に設定して電源を投入した際に、例えば住警器に固有な送信元符号50などに基づき自動的に設定される。
(3) 最後に音響停止を行った住警器が障害代表に設定される。
(4) 音響停止操作をした回数の多い住警器が障害代表に設定される。
(5) その他
このように、障害代表設定部66により障害代表の有無が設定されると、障害監視部60は障害を検出したときに、代表設定の場合は障害警報音を出力させ、代表設定でない場合には障害を示すイベント信号を他の住警器に送信する。
また障害監視部160は、他の住警器10−2〜10−5から障害を示すイベント信号を受信したときに、代表設定の場合は障害警報音を代表して出力させるが、代表設定でない場合には障害警報音の出力は行わない。
図14は図13の第3実施形態による基本処理を示したフローチャートである。図14において、第3実施形態の住警器にあっては、ステップS72で電池電源の投入に伴いグループ構成を含む初期化処理を行った後、ステップS73で障害代表設定部66の処理により障害代表を決定する処理を実行する。そしてステップS74で火災監視処理、及びステップS75で障害監視処理を行い、これを繰り返す。
図15は図13の第3実施形態による障害監視処理を示したタイムチャートである。図15において、いま住警器10−3がステップS76に示すように障害代表に設定されていたとする。この状態で住警器10−11がステップS77でローバッテリー障害を検出すると、障害元フラグをオンし、ステップS78で障害を示すイベント信号を住警器10−2,10−3に送信し、更に、ステップS79で障害元としてローバッテリー警報音を出力する。
住警器10−2,10−3にあっては、ステップS80,S81のそれぞれでグループ符号の一致から障害を示すイベント信号を受信する。ここで住警器10−3にあっては、ステップS76で障害代表設定が行われていることから、ステップS82でローバッテリー警報音を出力する。なお、ステップS82のローバッテリー警報音は、例えば「別の住警器でローバッテリーを検出しました」といった、障害元のローバッテリー警報音とは異なるローバッテリー警報音であっても良い。
これに対し住警器10−2にあっては、障害代表の設定が行われていないことから、ローバッテリーの出力は行われない。したがって、複数の住警器10−1〜10−3の中で、代表設定がされた住警器10−3及び障害元の住警器10−1がローバッテリー警報音を出力することになる。
続いて住警器10−3において、ステップS83で警報停止操作が行われると、ステップS84で障害元確認を示すイベント信号を他の住警器10−1,10−2に送信した後、ステップS85でローバッテリー警報音を停止する。
障害元確認のイベント信号は、住警器10−1,10−2でステップS85,86に示すように受信されるが、この場合、障害元は住警器10−1であることから、ステップS88で障害元を示す報知音を出力することになる。
図16は図14のステップS75における障害監視処理の詳細を示したフローチャートである。図16において、障害監視処理は、ステップS89でローバッテリー障害を判別すると、ステップS90で障害元フラグをオンし、続いてステップS91で障害代表か否かチェックする。
障害代表であることが判別されると、ステップS92でローバッテリー警報音を出力し、ステップS93で警報停止操作があれば、ステップS94でローバッテリー警報音を停止した後、ステップS95で障害元フラグがオンか否かチェックする。
障害元フラグがオンであれば自分自身が障害元であることから、ステップS96でローバッテリー警報音から障害元の報知音に切替えて出力する。障害元フラグがオフの場合には他の住警器が障害元であることから、ステップS97で障害元の確認を示すイベント信号を他の住警器に送信する。
一方、ステップS91で障害代表でなかった場合には、ステップS97でローバッテリー障害のイベント信号を他の住警器に送信し、障害元であることからローバッテリー警報音を出力する。
またステップS89でローバッテリー障害が判別されなかった場合には、ステップS99で障害のイベント信号を他の住警器から受信したか否かチェックしており、このイベント信号を受信すると、ステップS100に進み、障害代表か否か判別し、障害代表であれば、自分自身が障害元であった場合と同様、ステップS92〜S97の処理を行うことになる。ステップS100で障害代表でなかった場合には、ローバッテリー警報音を出力する処理は行わずに、図14のメインルーチンにリターンする。
またステップS99で障害のイベント信号を他の住警器から受信していない場合には、ステップS101に進み、障害元確認のイベント信号を受信したか否かチェックしている。このイベント信号を受信すると、ステップS102で障害元フラグがオンか否かチェックし、オンであれば障害元であることから、ステップS103で障害元の報知音を出力することになる。
図17は、本発明による住警器の障害イベント発生に対する状態遷移の一覧を示した説明図であり、前述した実施形態における動作も含めて示している。
図17において、左欄には住警器の動作状態を「機器状態」として状態1〜8に分けて示しており、上欄には、各状態で住警器に発生するイベントを発生イベントE1〜E7に分けて示している。
左欄の状態1〜8と上欄の発生イベントE1〜E7の交差する枠内には、現在の状態から発生イベントによって遷移する遷移先の状態1〜8を示している。遷移先の状態は原則として1つであるが、複数の遷移先をもつ場合もある。なお、ブランクは存在しない組合せを示す。
また、図17の状態遷移の動作説明において、住警器は次のような動作を行うことを前提としている。
(1)障害復旧時は、復旧信号を送信する。
(2)障害検出時は、障害信号を送信し、障害継続中は一定時間おきに自動的に障害信号を送信する。
(3)音響停止時は、音響停止信号を送信する。
また、図17の遷移先の状態に対しては符号a〜asを付している場合がある。符号a〜asは、ある状態からイベント発生で他の状態に遷移した場合に、どのような効果が得られるかを示す図18〜図21の効果説明の一覧との対応を示す符号である。
次に図17の状態1〜8の各々において、イベントE1〜E7が発生した場合の遷移動作を説明すると次のようになる。なお、成立しない組合せは説明を省略する。
まず状態1は次のようになる。
(状態1:発生イベントE1) 不成立
(状態1:発生イベントE2)
通常状態で障害検出となった場合であり、状態2の「連動元障害」に遷移する。
(状態1:発生イベントE3) 不成立
(状態1:発生イベントE4) 不成立
(状態1:発生イベントE5)
通常状態で復旧信号受信となった場合であり、状態1を維持する。
(状態1:発生イベントE6)
通常状態で障害信号受信となった場合であり、状態4の「連動先障害」に遷移する
(状態1:発生イベントE7)
通常状態で音響停止信号受信となった場合であり、状態1を維持するか、または状態5の「連動先障害+音響停止」に遷移する。
ここで遷移先の状態5については、効果説明符号aが付されていることから、図18の対応説明として、「本来先に届くはずの障害信号が届かなかったことが想定される。本状態とすることで、音停時間オーバーで連動先報知音が出力されるため、別の場所でも障害が起きていることをユーザーに認識させることができる。」とする効果が得られる。
次に状態2を説明する。
(状態2:発生イベントE1)
連動元障害の状態で障害復旧となった場合であり、状態1の「通常」に遷移する。
(状態2:発生イベントE2)
連動元障害の状態で障害検出となった場合であり、状態2の「連動元障害」を維持する。
(状態2:発生イベントE3)
連動元障害の状態で音響停止操作となった場合であり、状態3の「連動元障害+音響停止」に遷移する。
(状態2:発生イベントE4) 不成立
(状態2:発生イベントE5)
連動元障害の状態で復旧信号受信となった場合であり、状態2の「連動元障害」を維持する。
(状態2:発生イベントE6)
連動元障害の状態で他の住警器からの障害信号受信となった場合であり、状態6の「連動元障害+連動先障害(連動元鳴動)」、状態7の「連動元障害+連動先障害(連動先鳴動)」または状態4の「連動先障害」に遷移する。
このうち、状態6及び状態7への遷移は、住警器のメモリに発生イベントを順次記憶する場合であり、これに対し状態4への遷移は、前回の発生イベントに今回の発生イベントを上書きする場合であり、前回の発生イベントは失われる。
ここで、状態7に遷移した場合は、対応符号bによる図18の参照から、「別の場所でも障害が起きていることをユーザーに認識させることができる。」という効果が得られる。また、状態4に遷移した場合は、対応符号cによる図18の参照から、「別の場所でも障害が起きていることをユーザーに認識させることができる。複数の状態を持たなくて良いため、メモリ容量が削減できる。」という効果が得られる。この場合のメモリ容量の削減はメモリに対する発生イベントの上書きによるものである。
(状態2:発生イベントE7)
連動元障害の状態で他の住警器からの音響停止信号受信となった場合であり、状態2の「連動元障害」の維持、状態3の「連動元障害+音響停止」、状態8の「連動元障害+連動先障害+音響停止」、または状態5の「連動先障害+音響停止」に遷移する。
ここで状態3に遷移した場合は、対応符号dによる図18の参照から、「別の場所での操作により警報音を止められる。ユーザーの利便性を向上できる。」という効果が得られる。また、状態8に遷移した場合は、対応符号eによる図18の参照から、「別の場所での操作により警報音を止められる。ユーザーの利便性を向上できる。」という同じ効果が得られる。
さらに、状態5に遷移した場合は、対応符号fによる図18の参照から、「別の場所での操作により警報音を止められる。ユーザーの利便性を向上できる。連動先障害の状態を持つので、音停時間オーバーで連動先報知音が出力されるため、別の場所でも障害が起きていることをユーザーに認識させることができる。複数の状態を持たなくて良いため、メモリ容量が削減できる。」という同じ効果が得られる。
次に状態3を説明する。
(状態3:発生イベントE1)
「連動元障害+音響停止」の状態で障害復旧となった場合であり、状態1の「通常」に遷移する。
(状態3:発生イベントE2)
「連動元障害+音響停止」の状態で障害検出となった場合であり、状態3の「連動元障害+音響停止」を維持する。
(状態3:発生イベントE3)
「連動元障害+音響停止」の状態で音響停止操作となった場合であり、状態3の「連動元障害+音響停止」を維持するか、または、状態2の「連動元障害」に遷移する。
ここで、状態2に遷移した場合は、対応符号gによる図18の参照から、「障害が継続中であることをユーザーに認識させることができる。」という効果が得られる。
(状態3:発生イベントE4)
「連動元障害+音響停止」の状態で音停時間オーバーとなった場合であり、状態2の「連動元障害」を維持する。
(状態3:発生イベントE5)
「連動元障害+音響停止」の状態で復旧信号受信となった場合であり、状態3の「連動元障害+音響停止」を維持する。
(状態3:発生イベントE6)
「連動元障害+音響停止」の状態で他の住警器からの障害信号受信となった場合であり、状態6の「連動元障害+連動先障害(連動元警報)」、状態7の「連動元障害+連動先障害(連動先警報)」、状態8の「連動元障害+連動先障害+音響停止」、状態4の「連動先障害」、または状態5の「連動先障害+音響停止」に遷移する。
ここで、状態7に遷移した場合は、対応符号hによる図18の参照から、「別の場所でも障害が起きていることをユーザーに認識させることができる。」という効果が得られる。
また、状態8に遷移した場合は、対応符号iによる図18の参照により、「連動先障害の状態を持つので、音停時間オーバーで連動先報知音を出力することもできるため、別の場所でも障害が起きていることをユーザーに認識させることができる。」という効果が得られる。
また、状態4に遷移した場合は、対応符号jによる図18の参照から、「別の場所でも障害が起きていることをユーザーに認識させることができる。複数の状態を持たなくて良いため、メモリ容量が削減できる。」という効果が得られる。
さらに、状態5に遷移した場合は、対応符号kによる図18の参照から、「連動先障害の状態を持つので、音停時間オーバーで連動先報知音が出力されるため、別の場所でも障害が起きていることをユーザーに認識させることができる。複数の状態を持たなくて良いため、メモリ容量が削減できる。」という効果が得られる。
(状態3:発生イベントE7)
「連動元障害+音響停止」の状態で他の住警器からの音響停止信号受信となった場合であり、状態3を維持するか、状態8の「連動元障害+連動先障害+音響停止」、または状態5の「連動先障害+音響停止」に遷移する。
ここで、状態8に遷移した場合は、対応符号lによる図19の参照から、「連動先障害の状態を持つので、音停時間オーバーで連動先報知音を出力することもできるため、別の場所でも障害が起きていることをユーザーに認識させることもできる。」という効果が得られる。
また、状態5に遷移した場合は、対応符号mによる図19の参照から、「連動先障害の状態を持つので、音停時間オーバーで連動先報知音が出力されるため、別の場所でも障害が起きていることをユーザーに認識させることができる。複数の状態を持たなくて良いため、メモリ容量が削減できる。」という効果が得られる。
次に状態4を説明する。
(状態4:発生イベントE1) 不成立
(状態4:発生イベントE2)
「連動先障害」の状態で障害検出となった場合であり、状態6の「連動元障害+連動先障害(連動元警報)」、状態7の「連動元障害+連動先障害(連動先警報)」、または、状態2の「連動元障害」に遷移する。
ここで、状態7に遷移した場合は、対応符号nによる図19の参照から、「別の場所でも障害が起きていることをユーザーに再度認識させることができる。」という効果が得られる。また、状態2に遷移した場合は、対応符号oによる図19の参照から、「自身の障害を優先して報知する。複数の状態を持たなくて良いため、メモリ容量が削減できる。」という効果が得られる。
(状態4:発生イベントE3)
「連動先障害」の状態で音響停止操作となった場合であり、状態5の「連動元障害+音響停止」に遷移する。
(状態4:発生イベントE4) 不成立
(状態4:発生イベントE5)
「連動先障害」の状態で復旧信号受信となった場合であり、状態1の「通常」に遷移する。
(状態4:発生イベントE6)
「連動先障害」の状態で他の住警器からの障害信号受信となった場合であり、状態4の「連動先障害」を維持する。
(状態4:発生イベントE7)
「連動先障害」の状態で他の住警器からの音響停止信号受信となった場合であり、状態5の「連動先障害+音響停止」に遷移する。
次に状態5を説明する。
(状態5:発生イベントE1) 不成立
(状態5:発生イベントE2)
「連動先障害+音響停止」の状態で障害検出となった場合であり、状態6の「連動元障害+連動先障害(連動元警報)」、状態7の「連動元障害+連動先障害(連動先警報)」、状態8の「連動元障害+連動先障害+音響停止」、状態2の「連動元障害」、または状態3の「連動元障害+音響停止」に遷移する。
ここで、状態7に遷移した場合は、対応符号pによる図19の参照から、「別の場所でも障害が起きていることをユーザーに再認識させることができる。」という効果が得られる。
また、状態8に遷移した場合は、対応符号qによる図19の参照により、「音響停止状態を維持するため、ユーザーを混乱させない。」という効果が得られる。
また、状態2に遷移した場合は、対応符号rによる図19の参照から、「自身の障害を優先して報知する。複数の状態を持たなくて良いため、メモリ容量が削減できる。」という効果が得られる。
さらに、状態3に遷移した場合は、対応符号sによる図19の参照から、「自身の障害を優先するが音響は出力しない。音響停止状態を維持するため、ユーザーを混乱させない。複数の状態を持たなくて良いため、メモリ容量が削減できる。」という効果が得られる。
(状態5:発生イベントE3)
「連動先障害+音響停止」の状態で音響停止操作となった場合であり、状態5を維持するか、または、状態4の「連動先障害」に遷移する。
ここで、状態4に遷移した場合は、対応符号tによる図19の参照から、「別の場所の障害が継続中であることをユーザーに認識させることができる。」という効果が得られる。
(状態5:発生イベントE4)
「連動先障害+音響停止」の状態で復旧信号受信となった場合であり、状態4の「連動先障害」に遷移する。
(状態5:発生イベントE5)
「連動先障害+音響停止」の状態で音停時間オーバーとなった場合であり、状態1の「通常」に遷移する。
(状態3:発生イベントE6)
「連動先障害+音響停止」の状態で他の住警器からの障害信号受信となった場合であり、状態5の「連動先障害+警報停止」、または状態4の「連動先障害」に遷移する。
ここで、状態4に遷移した場合は、対応符号uによる図19の参照から、「別の場所の障害が継続中であることをユーザーに認識させることができる。」という効果が得られる。
(状態5:発生イベントE7)
「連動先障害+音響停止」の状態で他の住警器からの音響停止信号受信となった場合であり、状態5を維持するか、または状態4の「連動先障害」に遷移する。
ここで、状態4に遷移した場合は、対応符号vによる図19の参照から、「別の場所の障害が継続中であることをユーザーに認識させることができる。」という効果が得られる。
次に状態6を説明する。
(状態6:発生イベントE1)
「連動元障害+連動先障害(連動元鳴動)」の状態で障害復旧となった場合であり、状態4の「連動先障害」、または状態1の「通常」に遷移する。
ここで、状態1に遷移した場合は、対応符号wによる図19の参照から、「複数の状態を持たなくて良いため、メモリ容量が削減できる。」という効果が得られる。
(状態6:発生イベントE2)
「連動元障害+連動先障害(連動元鳴動)」の状態で障害検出となった場合であり、状態6を維持する。
(状態6:発生イベントE3)
「連動元障害+連動先障害(連動元鳴動)」の状態で音響停止操作となった場合であり、状態8の「連動元障害+連動先障害+音響停止」に遷移するか、または、状態7の「連動元障害+連動先障害(連動先鳴動)」に遷移する。
ここで、状態7に遷移した場合は、対応符号xによる図19の参照から、「別の場所の障害が継続中であることをユーザーに認識させることができる。」という効果が得られる。
(状態6:発生イベントE4) 不成立
(状態6:発生イベントE5)
「連動元障害+連動先障害(連動元鳴動)」の状態で復旧信号受信となった場合であり、状態2の「連動元障害」に遷移する。
(状態6:発生イベントE6)
「連動元障害+連動先障害(連動元鳴動)」の状態で他の住警器からの障害信号受信となった場合であり、状態6を維持するか、または状態7の「連動元障害+連動先障害(連動先鳴動)」に遷移する。
ここで、状態7に遷移した場合は、対応符号yによる図19の参照から、「別の場所の障害が継続中であることをユーザーに認識させることができる。」という効果が得られる。
(状態6:発生イベントE7)
「連動元障害+連動先障害(連動先鳴動)」の状態で他の住警器からの音響停止信号受信となった場合であり、状態6を維持するか、状態8の「連動元障害+連動先障害+音響停止」、または状態7の「連動元障害+連動先障害(連動先鳴動)」に遷移する。
ここで、状態8に遷移した場合は、対応符号zによる図20の参照から、「別の場所での操作により警報音を止められる。ユーザーの利便性を向上できる。」という効果が得られる。また、状態7に遷移した場合は、対応符号aaによる図20の参照から、「別の場所の障害が継続中であることをユーザーに認識させることができる。」という効果が得られる。
次に状態7を説明する。
(状態7:発生イベントE1)
「連動元障害+連動先障害(連動先鳴動)」の状態で障害復旧となった場合であり、状態4の「連動先障害」、または状態1の「通常」に遷移する。
ここで、状態1に遷移した場合は、対応符号abによる図20の参照から、「複数の状態を持たなくて良いため、メモリ容量が削減できる。」という効果が得られる。
(状態7:発生イベントE2)
「連動元障害+連動先障害(連動先鳴動)」の状態で障害検出となった場合であり、状態6の「連動元障害+連動先障害(連動元警報)」に遷移するか、または状態7の「連動元障害+連動先障害(連動先警報)」を維持する。
ここで、状態7を維持した場合は、対応符号acによる図20の参照から、「障害が継続中であることをユーザーに認識させることができる。」という効果が得られる。
(状態7:発生イベントE3)
「連動元障害+連動先障害(連動先鳴動)」の状態で音響停止操作となった場合であり、状態8の「連動元障害+連動先障害+音響停止」に遷移するか、または、状態6の「連動元障害+連動先障害(連動元鳴動)」に遷移する。
ここで、状態6に遷移した場合は、対応符号adによる図20の参照から、「障害が継続中であることをユーザーに認識させることができる。」という効果が得られる。
(状態7:発生イベントE4) 不成立
(状態7:発生イベントE5)
「連動元障害+連動先障害(連動先鳴動)」の状態で復旧信号受信となった場合であり、状態2の「連動元障害」に遷移する。
(状態7:発生イベントE6)
「連動元障害+連動先障害(連動先鳴動)」の状態で他の住警器からの障害信号受信となった場合であり、状態7の「連動元障害+連動先障害(連動先鳴動)」を維持するか、又は状態6の「連動元障害+連動先障害(連動元鳴動)」に遷移する。
ここで、状態6に遷移した場合は、対応符号aeによる図20の参照から、「別の場所の障害が継続中であることをユーザーに認識させることができる。」という効果が得られる。
(状態7:発生イベントE7)
「連動元障害+連動先障害(連動先鳴動)」の状態で他の住警器からの音響停止信号受信となった場合であり、状態7の「連動元障害+連動先障害(連動先鳴動)」を維持するか、状態8の「連動元障害+連動先障害+音響停止」、または、状態6の「連動元障害+連動先障害(連動元鳴動)」に遷移する。
ここで、状態8に遷移した場合は、対応符号afによる図20の参照から、「別の場所での操作により警報音を止められる。ユーザーの利便性を向上できる。」という効果が得られる。また、状態6に遷移した場合は、対応符号agによる図20の参照から、「障害が継続中であることをユーザーに認識させることができる。」という効果が得られる。
次に状態8を説明する。
(状態8:発生イベントE1)
「連動元障害+連動先障害+音響停止」の状態で障害復旧となった場合であり、状態4の「連動先障害」、状態5の「連動先障害+音響停止」、または状態1の「通常」に遷移する。
ここで、状態5に遷移した場合は、対応符号ahによる図20の参照から、「別の場所の障害が継続中であることをユーザーに認識させることができる。」という効果が得られる。また状態1に遷移した場合は、対応符号aiによる図20の参照から、「複数の状態を持たなくて良いため、メモリ容量が削減できる。」という効果が得られる。
(状態8:発生イベントE2)
「連動元障害+連動先障害+音響停止」の状態で障害検出となった場合であり、状態8を維持するか、状態6の「連動元障害+連動先障害(連動元警報)」、または状態7の「連動元障害+連動先障害(連動先警報)」に遷移する。
ここで、状態6に遷移した場合は、対応符号ajによる図20の参照から、「障害が継続中であることをユーザーに認識させることができる。」という効果が得られる。また状態7に遷移した場合は、対応符号akによる図20の参照から、「別の場所の障害が継続中であることをユーザーに認識させることができる。」という効果が得られる。
(状態8:発生イベントE3)
「連動元障害+連動先障害+音響停止」の状態で音響停止操作となった場合であり、状態8を維持するか、状態6の「連動元障害+連動先障害(連動元警報)」、または状態7の「連動元障害+連動先障害(連動先警報)」に遷移する。
ここで、状態6に遷移した場合は、対応符号alによる図20の参照から、「障害が継続中であることをユーザーに認識させることができる。」という効果が得られる。また、状態7に遷移した場合は、対応符号amによる図20の参照から、「別の場所の障害が継続中であることをユーザーに認識させることができる。」という効果が得られる。
(状態8:発生イベントE4)
「連動元障害+連動先障害+音響停止」の状態で音停時間オーバーとなった場合であり、状態6の「連動元障害+連動先障害(連動元警報)」、または状態7の「連動元障害+連動先障害(連動先鳴動)」に遷移する。
ここで、状態7に遷移した場合は、対応符号anによる図20の参照から、「別の場所の障害が継続中であることをユーザーに認識させることができる。」という効果が得られる。
(状態8:発生イベントE5)
「連動元障害+連動先障害+音響停止」の状態で復旧信号受信となった場合であり、状態2の「連動元障害」、または状態3の「連動元障害+音響停止」に遷移する。
ここで、状態3に遷移した場合は、対応符号aoによる図20の参照から、「自身の障害を優先するが音響は出力しない。音響停止状態を維持するため、ユーザーを混乱させない。」という効果が得られる。
(状態8:発生イベントE6)
「連動元障害+連動先障害+音響停止」の状態で他の住警器からの障害信号受信となった場合であり、状態8を維持するか、状態6の「連動元障害+連動先障害(連動元鳴動)」、または状態7の「「連動元障害+連動先障害(連動先鳴動)」に遷移する。
ここで、状態6に遷移した場合は、対応符号apによる図21の参照から、「障害が継続中であることをユーザーに認識させることができる。」という効果が得られる。また、状態7に遷移した場合は、対応符号aqによる図21の参照から、「別の場所の障害が継続中であることをユーザーに認識させることができる。」という効果が得られる。
(状態8:発生イベントE7)
「連動元障害+連動先障害+音響停止」の状態で他の住警器からの音響停止信号受信となった場合であり、状態8を維持するか、状態6の「連動元障害+連動先障害(連動元鳴動)」、または状態7の「「連動元障害+連動先障害(連動先鳴動)」に遷移する。
ここで、状態6に遷移した場合は、対応符号arによる図21の参照から、「障害が継続中であることをユーザーに認識させることができる。」という効果が得られる。また、状態7に遷移した場合は、対応符号asによる図21の参照から、「別の場所の障害が継続中であることをユーザーに認識させることができる。」という効果が得られる。
なお、上記の実施形態に示した住警器は、火災時に発生する煙を観測して火災を検出する煙式の火災住警器であるが、熱を観測する熱式のものや炎からの赤外線や紫外線を観測するもの等であっても良い。
また上記の実施形態にあっては、住警器の障害警報としてローバッテリー警報を例に取るものであったが、センサ障害などの障害や、それ以外の適宜の障害についても、同様に適用することができる。
また上記の実施形態は異常として火災を検出する住警器を例に取るものであったが、これ以外にガス漏れ警報器や防犯用警報器など、それ以外の異常を検出する警報器にそのまま適用することができる。また住宅用に限らずビルやオフィス用など各種用途の警報器にも適用できる。
また、上記の実施形態は警報器にセンサ部と警報出力処理部を一体に設けた場合を例にとるが、他の実施形態として、センサ部と警報出力処理部を別体とした警報器であっても良い。
また上記の実施形態は無線式の住警器における障害警報を例に取るものであったが、有線式の住警器の障害警報についても、同様に適用することができる。
また本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。