JP2009257355A - 圧力容器及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】前記内殻と外殻を有した二層構造の圧力容器において、内殻を構成するライナの変形することを抑制する圧力容器及びその製造方法を提供する。
【解決手段】樹脂製のライナ構成部材11A,11B同士を接合して樹脂ライナ11を形成し、樹脂ライナ11の外面13A,13Bに補強材を被覆して圧力容器1を製造する方法であって、補強材20が被覆される各ライナ構成部材11A,11Bの表面13A,13Bに、ライナ構成部材11A,11Bの厚さ方向に対して傾斜した多数の溝部15A,15Bを形成する工程と、一方のライナ構成部材11Aの溝部15Aと、他方のライナ構成部材11Bの溝部15Bとが、異なる方向に傾斜するように、複数のライナ構成部材同士を接合面14A,14Bにおいて接合して樹脂ライナ11を形成する工程と、補強材20を、前記溝部15A,15Bに充填すると共に樹脂ライナ11の外面に被覆する工程と、を含む。
【選択図】図1
【解決手段】樹脂製のライナ構成部材11A,11B同士を接合して樹脂ライナ11を形成し、樹脂ライナ11の外面13A,13Bに補強材を被覆して圧力容器1を製造する方法であって、補強材20が被覆される各ライナ構成部材11A,11Bの表面13A,13Bに、ライナ構成部材11A,11Bの厚さ方向に対して傾斜した多数の溝部15A,15Bを形成する工程と、一方のライナ構成部材11Aの溝部15Aと、他方のライナ構成部材11Bの溝部15Bとが、異なる方向に傾斜するように、複数のライナ構成部材同士を接合面14A,14Bにおいて接合して樹脂ライナ11を形成する工程と、補強材20を、前記溝部15A,15Bに充填すると共に樹脂ライナ11の外面に被覆する工程と、を含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、流体を貯留するため圧力容器及びその製造方法に係り、特に、水素などのガスを貯留するに好適な圧力容器及びその製造方法に関する。
従来から、燃料電池システムは、収容性の観点から高圧の状態の燃料ガス(例えば、水素ガスや圧縮天然ガスなど)を圧力容器に貯留し、このガスを減圧して、燃料電池の発電を行なっている。このような圧力容器が車両に搭載される場合には、耐環境性の観点から、より軽量化されることが望ましく、圧力容器は樹脂から製造される場合がある。しかし、樹脂製の圧力容器は、安全性を確保するために、強度を確保することが重要である。
このような樹脂製の圧力容器として、例えば、下記の特許文献1に示すような圧力容器が提案されている。この圧力容器は、容器の内殻として樹脂製のライナと、該ライナの外殻として、ライナの外面に被覆された樹脂製の補強層と、を備えた二層構造の圧力容器である。
ライナは、複数のライナ構成部材を接合した構造である。製造時において、ライナは、複数のライナ構成部材同士を、例えばレーザなどを用いて、接合面で接合することにより形成される。補強層は、容器の耐圧性を確保するために、前述するようにライナに被覆された例えばCFRPなどの繊維強化複合材からなる層である。そして、製造時において、補強層は、ライナの外側表面に、例えば、炭素繊維と未硬化のエポキシ樹脂を含むプリプレグを巻付けて、その後エポキシ樹脂を加熱して硬化させることにより、形成することができる。
ところで、このような圧力容器は、図5に示すように、口金93を介してバルブ95により、圧縮され高圧の燃料ガスが貯留されるが、この高圧ガスを放出した場合、圧力容器90の内部圧力は減圧される。そして、燃料ガスの放出に伴ってその貯留量が減少してきた場合、圧力容器に外部から高圧の燃料ガスが再び充填され、圧力容器90の内部圧力が増圧される。結果、図5に示すように、圧力容器90のライナ91は、容器の内部空間Sに向かって、内側に変形する(凹の形状に変形する)ことがある。
この変形の要因としては、以下のことが考えられる。図6(a)に示すように、容器内部が、ガスが充填された場合など高圧環境下になった場合には、ライナ91である樹脂に高圧の燃料ガス(高圧ガス)が透過する。この結果、ライナ91と補強層97との間に、高圧の燃料ガスが溜まり、残存することがある。この高圧の燃料ガスが残存した状態で、燃料ガスを放出した場合、残存した前記燃料ガスの圧力は、圧力容器90の内部空間Sの燃料ガスの圧力に比べて、相対的に高圧となる。この結果、ライナ91と補強層97との間に残存した燃料ガスは、図6(b)に示すように、圧力容器90の内部空間S側に膨張しようとし、これにより、ライナは内側に変形して、ガス漏れが発生したり、ときには圧力容器が破損したりするおそれもあった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、前記内殻と外殻を有した二層構造の圧力容器において、その内殻を構成するライナが、圧力容器の内部空間に変形することを抑制することができる圧力容器及びその製造方法を提供することにある。
前記課題を解決すべく、本発明に係る圧力容器の製造方法は、複数のライナ構成部材を接合してライナを形成し、該ライナの外面に補強材を被覆して圧力容器を製造する方法であって、前記補強材が被覆される各ライナ構成部材の表面に、該ライナ構成部材の厚さ方向に対して傾斜した多数の溝部を形成する工程と、一方の前記ライナ構成部材の溝部と、他方の前記ライナ構成部材の溝部とが、互いに異なる方向に傾斜するように、前記複数のライナ構成部材をその接合面において接合して前記ライナを形成する工程と、前記補強材を、前記溝部に充填すると共に前記ライナの外面に被覆する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、ライナを構成するライナ構成部材の表面に、該表面に対して傾斜した複数の溝部を形成し、その溝部にも補強材を充填するので、補強材からなる補強層と、ライナとの間のガス溜まりとなる隙間が形成され難くなると共に、溝部のアンカー効果により、ライナと補強層との密着性を向上させることができる。また、製造された圧力容器の一方のライナ構成部材の溝部と、この一方のライナ構成部材に接合された他方のライナ構成部材の溝部とは、いずれも厚さ方向に対して傾斜し、これらの溝部は異なる方向に傾斜しているので、前記アンカー効果をさらに期待することができる。
このように、ライナ(内殻)と補強層(外殻)との間におけるガス溜まりとなる隙間の形成を低減し、さらには、溝部によるアンカー効果を得ることができるので、その内殻となるライナが、圧力容器の内部空間に向かって変形することを抑制することができる。
さらに、本発明では、補強材を被覆する際に、補強材の一部も前記溝部に充填されるが、この場合、補強材の樹脂と同種の樹脂を溝部に充填後、補強材を被覆してもよく、補強材の被覆と同時に溝部に前記樹脂を充填してもよく、確実に溝部に充填することができるものであれば、いずれの方法であってもよい。
また、本発明でいう「厚さ方向に対して傾斜した溝部」とは、ライナ構成部材の表面に形成された溝部の壁面が、少なくとも厚さ方向に対して傾斜する側壁面を有し、溝部断面の溝開口から溝底部に沿った軸線が、ライナ構成部材の厚さ方向の軸線に対して交差している溝部をいう。
また、このような溝部は、傾斜していれば特にその形成方法は、限定されるものではなく、溝部の断面形状は、楔状、台形状、楕円状、矩形状などの形状を挙げることができる。より好ましくは、ライナ構成部材を成形後、そのライナ構成部材の補強材と接する表面に対して所定の角度でレーザを照射して、傾斜した溝部を形成してもよい。レーザ照射によりライナ構成部材の表面に溝部を形成した場合は、楔状の溝部を形成することができる。このような楔状の溝部により、補強材とのアンカー効果をさらに期待することができる。
また、本発明に係る圧力容器の製造方法は、前記厚さ方向に沿って形成された前記接合面を有したライナ構成部材を用い、前記ライナ形成工程において、前記一方のライナ構成部材の溝部と、前記他方のライナ構成部材に形成された溝部とが、前記接合面で対称となるように、前記複数のライナ構成部材を接合することがより好ましい。
本発明によれば、一方のライナ構成部材と他方のライナ構成部材との接合面同士を、接合面を挟んで対称となるように、それぞれのライナ構成部材の溝部を形成するので、少なくとも、ライナ構成部材同士の接合面近傍における前記アンカー効果を一層高めることができる。
さらに、本発明に係る圧力容器の製造方法は、前記複数のライナ構成部材が、2つのドーム状に形成されたライナ構成部材を含むことがより好ましい。なお、ライナ構成部材は、この他に、2つのドーム状に形成されたライナ構成部材の間に位置するライナ構成部材として、筒状のライナ構成部材をさらに含んでよい。
本発明によれば、2つのドーム状のライナ構成部材の接合面を同じ方向に向けて、ライナ補強層と接する表面に、所定の角度で溝部を形成し、ライナ形成工程において、この溝部が形成された一方のドーム状のライナ構成部材を反転して、複数のライナ構成部材を接合することができる。
より好ましくは、ライナ構成部材は、2つの同一形状のドーム状のライナ構成部材からなり、前記溝部を形成する工程において、2つのドーム状のライナ構成部材の接合面を同じ方向に向けたときに、前記溝部として同一の方向に傾斜する溝部を形成する。特に、同一形状の2つのライナ構成部材のみを用いることにより、製造設備の簡素化を図り、安価に圧力容器を製造することができる。
さらに、溝部を形成する工程において、ライナ構成部材にあわせて、形成する溝部の方向を変更しなくても、一方のライナ構成部材の溝部と、他方のライナ構成部材に形成された溝部とが、接合面を挟んで対称となるライナを容易に形成することができる。このようなライナには、接合面を挟んで逆方向に向いた角度を持つ溝部が形成されるので、アンカー効果が高まり、補強材とライナとの接着力を増大させ、ライナの変形を防止することができる。
本発明として、以下に示す圧力容器についても開示する。本発明に係る圧力容器は、複数のライナ構成部材を接合したライナと、該ライナの外面に被覆された補強層とを備えた圧力容器であって、前記各ライナ構成部材の表面に、該ライナ構成部材の厚さ方向に対して傾斜した多数の溝部が形成され、前記一方のライナ構成部材の溝部と、前記一方のライナ構成部材にその接合面において接合されている他方のライナ構成部材の溝部とは、異なる方向に傾斜しており、前記溝部には、前記補強層の一部が充填されていることを特徴とする。
本発明によれば、圧力容器の隣接するライナ構成部材同士の溝部は、いずれも厚さ方向に対して傾斜し、これらの溝部は異なる方向に傾斜しているので、補強層に対してアンカー効果を期待することができる。
本発明に係る圧力容器の前記ライナ構成部材は、前記厚さ方向に沿って形成された前記接合面を有しており、前記ライナ構成部材同士は、前記一方のライナ構成部材の溝部と、前記他方のライナ構成部材に形成された溝部とが、前記接合面で対称となるように接合している。
本発明に係る圧力容器は、一方のライナ構成部材と他方のライナ構成部材との接合面同士を挟んで、対称となるように、それぞれのライナ構成部材の溝部が形成されているので、少なくとも、ライナ構成部材同士の接合面近傍における前記アンカー効果を一層高めることができる。
本発明に係る圧力容器の前記複数のライナ構成部材は、2つのドーム状に形成されたライナ構成部材を含むことがより好ましい。
本発明によれば、内殻であるライナと外殻である補強層を有した二層構造の圧力容器において、その内殻を構成するライナが、圧力容器の内部空間に変形することを抑制することができる。
以下に、図面を参照して、本発明に係る圧力容器及びその製造方法を実施形態に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る圧力容器の製造方法により製造された圧力容器を説明するための図であり、(a)は、圧力容器の模式図であり、(b)は、(a)のA部の部分拡大図の全体構成図を示している。
図1(a)に示すように、圧力容器1は、全体として密閉円筒状の容器本体10と、容器本体10の長手方向の両端部に設けられた口金30,30と、を具備している。容器本体10の内部は、各種のガスを貯留する内部空間Sが形成されている。圧力容器1は、常圧に比して加圧されて、圧力が高められたガスを充填することができる。
例えば、燃料電池システムにおいては、圧力容器1は、高圧の燃料ガスを貯留するのに適用することができ、可燃性の燃料ガスとしての水素や、圧縮天然ガス(CNGガス)などを貯留することができる。圧力容器1に充填される水素の圧力としては、例えば35MPaあるいは70MPaであり、CNGガスの圧力としては、例えば20MPaである。
容器本体10は、二層構造の容器本体であり、内殻を構成する樹脂ライナ11と、樹脂ライナ11の外面(表面)13に配置されて、外殻を構成する補強層20と、を有している。補強層20は、例えば炭素繊維とエポキシ樹脂を含むCFRPからなり、樹脂ライナ11の外表面を被覆するように、CFRPを巻きつけることにより、形成されている。
一方、口金30,30は、例えばステンレスなどの金属で形成され、容器本体10の半球面状をした長手方向の端部の軸中心に設けられており、バルブアッセンブリ35などの部品に接続可能となっている。
樹脂ライナ11は、長手方向の中央で二分割された一対の略同形状からなるドーム状のライナ構成部材11A,11Bを、レーザ溶着により接合して構成されている。すなわち、同一形状の半割り中空体のライナ構成部材11A,11B同士をレーザ溶着により接合することで、中空内部の樹脂ライナ11が構成されている。
双方のライナ構成部材11A,11Bは、胴部の一端側に形成された返し部18aと、返し部18aに開口した連通部18bと、を有しており、胴部の他端側の略円筒状の端部には、厚さ方向Tに沿って形成された接合面14A,14Bが形成されている。
また、ライナ構成部材11A,11Bは、ポリアミド樹脂など熱可塑性樹脂で成形されることが好ましく、後述する接合時において、レーザ等により接合面を加熱することによって接合できるような樹脂であるならば、その材質は限定されるものではない。
このようなライナ構成部材11A,11Bの表面には、図1(b)に示すように、ライナ構成部材の厚さ方向Tに対して傾斜した多数(複数)の溝部15A、15Bが形成されている。そして、一方のライナ構成部材11Aの溝部15Aと、ライナ構成部材11Aの接合面14A,14Bで接合されているライナ構成部材11Bの溝部15Bとは、互いに異なる方向に傾斜している。具体的には、ライナ構成部材11A,11B同士は、一方のライナ構成部材11Aの溝部15Aと、他方のライナ構成部材11Bに形成された溝部15Bとが、その接合面14A,14Bを挟んで対称となるように接合されている。
さらに、ライナ構成部材11A,11Bの溝部15A,15Bには、補強層20の一部が充填されている。この補強層20の一部とは、上述した炭素繊維とエポキシ樹脂を含む強化繊維の一部であってもよく、エポキシ樹脂のみであってもよい。
以下に、圧力容器1の製造方法の概略について説明する。図2は、本実施形態に係るライナ構成部材の溝形成工程を説明するための図であり、(a)は、ライナ構成部材の模式図であり、(b)は(a)のB部の部分拡大図であり、図3は、本実施形態に係る圧力容器のライナ構成部材の接合を説明するために示したライナ構成部材の配置図である。さらに、図4は、本実施形態に係る圧力容器のライナ構成部材の接合を説明するための図である。
まず、図2(a)に示すように、圧力容器1の樹脂ライナ11の半割り構造体である、ドーム状のライナ構成部材11A,11Bを射出成形により形成する。そして、各ライナ構成部材11A,11Bに、口金30,30を取り付ける。なお、ライナ構成部材11A(11B)及び口金30を一体成形(インサート成形)してもよい。
その後、図2(b)に示すように、補強材が被覆される各ライナ構成部材11A,11Bの表面13A,13Bに、ライナ構成部材11A,11Bの厚さ方向Tに対して傾斜した複数の溝部15A,15Bを形成する。具体的には、ライナ構成部材11A,11Bを成形後、ライナ構成部材11A,11Bの補強材20と接する表面13A,13Bに対して所定の角度でレーザLbを照射して、傾斜した楔状の溝部15A,15Bを形成する。
この際に、2つのドーム状のライナ構成部材11A,11Bの接合面14A,14Bを同じ方向に向けて、所定の角度θでレーザLbを照射し、溝部として同一の方向に傾斜する多数(複数)の溝部15A,15Bを、ライナ構成部材11A,11Bの表面13A,13Bの全面に形成する。
溝部15A,15Bの深さは、0.5mm以下が好ましい。このような範囲にすることにより、樹脂ライナ11の強度を確保することができる。また、レーザLbの照射の角度θを45°にして、溝部15A,15Bの傾斜角度を45°にすることにより、後述するアンカー効果を一層高めることができる。また、溝部15A,15Bのピッチは、1.0mmが好ましい。
本実施形態では、レーザにより溝部の形成を行なったが、ライナ構成部材を成形型により成形する際に、この溝部に対応した凸部を成形型の内面に形成することにより、ライナ構成部材の表面に、溝部を形成してもよい。この場合は、ライナ構成部材の成形時に、溝部も同時に形成することができるので、好適である。
この結果、ライナ構成部材11A,11Bの表面13A,13Bに沿って形成された溝部15A,15Bの壁面が、少なくとも厚さ方向Tに対して傾斜する側壁面を有し、溝部断面の溝開口から溝底部に沿った軸線aが、ライナ構成部材13A,13Bの厚さ方向Tの軸線に対して交差した、複数の溝部15A,15Bを得ることができる。
次に、図3に示すように、接合工程において、この溝部が形成された一方のドーム状のライナ構成部材11A,11Bを反転し、ライナ構成部材11A,11B同士の接合面14A,14B同士を接触させ、ライナ構成部材11A,11B同士を突き合わせ、接合する。接合に際しては、接触状態のライナ構成部材11A,11Bの接合面14A,14Bをヒータなどで加熱しながら、ライナ構成部材11A,11Bを共に軸方向に沿って回転させる。そして、図4に示すように、この状態を維持して、接合面14A,14B同士を、レーザトーチを用いてレーザで溶着させる。但し、本実施形態では、レーザにより、ライナ構成部材11A,11Bを接合面14A,14Bにおいて溶着させたが、接合面同士を溶着ができるのであれば、特にその接合方法は限定されるものではない。
そして、補強材の一部を溝部15A,15Bに充填すると共にCFRPからなる補強材を樹脂ライナ11の外面に被覆し、樹脂ライナ11の表面13A,13Bに補強層20を形成し、図1に示す圧力容器1を製造する。具体的には、補強材を構成する樹脂と同じエポキシ樹脂を、補強材(補強層)20の一部として樹脂ライナ11の表面に塗布し、溝部15A,15Bに充填し、その後、炭素繊維とエポキシ樹脂からなる例えばプリプレグなどを巻付けて、ヒータによりエポキシ樹脂を熱硬化させて、補強層20を形成することができる。例えば、フィラメントワインディング法等により樹脂ライナ11の外面に補強層20を形成してもよい。
本実施形態では、樹脂ライナ11を構成するライナ構成部材11A,11Bの表面に、表面に対して傾斜した複数の溝部15A,15Bを形成し、溝部15A,15Bに補強層20(補強材)の一部を充填するので、補強材からなる補強層20と樹脂ライナ11との間のガス溜まりとなる隙間が形成され難くなると共に、溝部のアンカー効果により、樹脂ライナ11と補強層20との密着性を向上させることができる。
溝部15A,15Bを形成する工程において、ライナ構成部材11A,11Bにあわせて、形成する溝部の方向を変更しなくても、一方のライナ構成部材11Aの溝部15Aと、他方のライナ構成部材11Bに形成された溝部15Bとが、接合面14A,14Bを挟んで対称となる樹脂ライナ11を容易に形成することができる。樹脂ライナ11には、接合面14A,14Bを挟んで逆方向に向いた角度を持つ溝部15A,15Bが形成されるので、アンカー効果がさらに高まり、補強層20と樹脂ライナ11との接着力を増大させ、樹脂ライナ11の変形を防止することができる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更があっても、それらは本発明に含まれるものである。
本明細書では、ライナ構成部材として、分割構造の樹脂ライナを構成する部材を用いたが、これらは、少なくとも一端側(一部)が中空状の形状を有するものである。よって、ライナ構成部材の形状として、ドーム状のものを用いたが、その全体の形状が碗状等の形状であってもよく、溝部の条件を満たすのであれば、これらのライナ構成部材の間に、さらに環状、円筒状のライナ構成部材をさらに設けてもよい。
1:圧力容器、10:容器本体、11:樹脂ライナ、11A,11B:ライナ構成部材、13A,13B:ライナ構成部材の表面、15A,15B:溝部、14A,14B:接合面、18a:返し部、18b:連通部、20:補強層(補強材)、30:口金、S:内部空間
Claims (6)
- 複数のライナ構成部材を接合してライナを形成し、該ライナの外面に補強材を被覆して圧力容器を製造する方法であって、
前記補強材が被覆される各ライナ構成部材の表面に、該ライナ構成部材の厚さ方向に対して傾斜した多数の溝部を形成する工程と、
一方の前記ライナ構成部材の溝部と、他方の前記ライナ構成部材の溝部とが、互いに異なる方向に傾斜するように、前記複数のライナ構成部材をその接合面において接合して前記ライナを形成する工程と、
前記補強材を、前記溝部に充填すると共に前記ライナの外面に被覆する工程と、
を含むことを特徴とする圧力容器の製造方法。 - 前記厚さ方向に沿って形成された前記接合面を有したライナ構成部材を用い、前記ライナ形成工程において、前記一方のライナ構成部材の溝部と、前記他方のライナ構成部材に形成された溝部とが、前記接合面で対称となるように、前記複数のライナ構成部材を接合することを特徴とする請求項1に記載の圧力容器の製造方法。
- 前記複数のライナ構成部材は、2つのドーム状に形成されたライナ構成部材を含むことを特徴とする請求項2に記載に圧力容器の製造方法。
- 複数のライナ構成部材を接合したライナと、該ライナの外面に被覆された補強層とを備えた圧力容器であって、
前記各ライナ構成部材の表面に、該ライナ構成部材の厚さ方向に対して傾斜した多数の溝部が形成され、
前記一方のライナ構成部材の溝部と、前記一方のライナ構成部材にその接合面において接合されている他方のライナ構成部材の溝部とは、異なる方向に傾斜しており、
前記溝部には、前記補強層の一部が充填されていることを特徴とする圧力容器。 - 前記ライナ構成部材は、前記厚さ方向に沿って形成された前記接合面を有しており、前記ライナ構成部材同士は、前記一方のライナ構成部材の溝部と、前記他方のライナ構成部材に形成された溝部とが、前記接合面で対称となるように接合していることを特徴とする請求項4に記載の圧力容器。
- 前記複数のライナ構成部材は、2つのドーム状に形成されたライナ構成部材を含むことを特徴とする請求項4又は5に記載に圧力容器。
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