JP2009252788A - Euvリソグラフィ用反射型マスクブランク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板11上に、EUV光を反射する反射層12と、EUV光を吸収する吸収体層14と、マスクパターンの検査光(波長190〜260nm)に対する低反射層15が、この順に形成されたEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクであって、前記低反射層が、ハフニウム(Hf)、窒素(N)および酸素(O)を合計含有率で80at%以上含有する。
【選択図】図1
Description
EUVマスクブランクの場合、ガラス等の基板上にEUV光を反射する反射層と、EUV光を吸収する吸収体層とがこの順で形成された構造を有している。反射層としては、高屈折層と低屈折層とを交互に積層することで、EUV光を層表面に照射した際の光線反射率が高められた多層反射膜が通常使用される。吸収体層には、EUV光に対する吸収係数の高い材料、具体的にはたとえば、TaやCrを主成分とする材料が用いられる。
また、特許文献2には、マスクパターンの検査光の波長域(190nm〜260nm)に対する反射率を調整するために、吸収体層上に金属、珪素(Si)、酸素(O)および窒素(N)からなる低反射層を設けることが好ましいとされている。
前記低反射層が、ハフニウム(Hf)、窒素(N)および酸素(O)を合計含有率で80at%以上含有することを特徴とするEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク(以下、「本発明のEUVマスクブランク」という。)を提供する。
本発明のEUVマスクブランクにおいて、前記低反射層は、タンタル(Ta)の含有率が10at%以下であることが好ましい。
本発明のEUVマスクブランクにおいて、前記低反射層が、Zrを0.1〜1.0at%を含有してもよい。
本発明のEUVマスクブランクにおいて、前記低反射層表面の表面粗さ(rms)が、0.5nm以下であることが好ましい。
本発明のEUVマスクブランクにおいて、前記低反射層の結晶構造が、アモルファスであることが好ましい。
本発明のEUVマスクブランクにおいて、前記低反射層の膜厚が、3〜30nmであることが好ましい。
本発明のEUVマスクブランクにおいて、前記吸収体層が、タンタル(Ta)を主成分とし、ハフニウム(Hf)、珪素(Si)、ジルコニウム(Zr)、ゲルマニウム(Ge)、硼素(B)および窒素(N)から選ばれる少なくとも1種類の元素を含んでも良い。
本発明のEUVマスクブランクにおいて、前記吸収体層は、酸素(O)の含有率が25at%未満であることが好ましい。
本発明のEUVマスクブランクにおいて、前記吸収体層の膜厚が、50〜200nmであることが好ましい。
前記マスクパターンの検査光の波長(190〜260nm)に対する前記保護層表面での反射光と、前記低反射層表面での反射光と、のコントラストが、60%以上であることが好ましい。
本発明のEUVマスクブランクにおいて、反射層と吸収体層との間に保護層が形成されている場合、前記保護層が、Ru、Ru化合物、SiO2およびCrNのいずれか1つで形成されることが好ましい。
ここで前記Hfターゲットが、Zrを0.1〜5.0at%含有してもよい。
前記低反射層が、窒素(N)及び酸素(O)を含む不活性ガス雰囲気中でHfターゲットを用いたスパッタリング法を行うことにより形成されることを特徴とするEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクの製造方法を提供する。
ここで、前記Hfターゲットが、Zrを0.1〜5.0at%含有してもよい。
図1は、本発明のEUVマスクブランクの1実施形態を示す概略断面図である。図1に示すマスクブランク1は、基板11上にEUV光を反射する反射層12と、EUV光を吸収する吸収体層14とがこの順に形成されている。反射層12と吸収体層14との間には、吸収体層14へのパターン形成時に反射層12を保護するための保護層13が形成されている。吸収体層14上には、マスクパターンの検査光に対する低反射層15が形成されている。但し、本発明のEUVマスクブランク1において、図1に示す構成中、基板11、反射層12、吸収体層14および低反射層15のみが必須であり、保護層13は任意の構成要素である。
以下、マスクブランク1の個々の構成要素について説明する。
そのため、基板11は、低熱膨張係数(具体的には、20℃における熱膨張係数が0±0.05×10-7/℃であることが好ましく、特に好ましくは0±0.03×10-7/℃)を有し、平滑性、平坦度、およびマスクブランクまたはパターン形成後のフォトマスクの洗浄等に用いる洗浄液への耐性に優れたものが好ましい。基板11としては、具体的には低熱膨張係数を有するガラス、例えばSiO2−TiO2系ガラス等を用いるが、これに限定されず、β石英固溶体を析出した結晶化ガラスや石英ガラスやシリコンや金属などの基板を用いることもできる。
基板11は、表面粗さ(rms)0.15nm以下の平滑な表面と100nm以下の平坦度を有していることがパターン形成後のフォトマスクにおいて高反射率および転写精度が得られるために好ましい。
基板11の大きさや厚みなどはマスクの設計値等により適宜決定されるものである。後で示す実施例では外形6インチ(152mm)角で、厚さ0.25インチ(6.3mm)のSiO2−TiO2系ガラスを用いた。
基板11の反射層12が形成される側の表面には欠点が存在しないことが好ましい。しかし、存在している場合であっても、凹状欠点および/または凸状欠点によって位相欠点が生じないように、凹状欠点の深さおよび凸状欠点の高さが2nm以下であり、かつこれら凹状欠点および凸状欠点の半値幅が60nm以下であることが好ましい。
保護層13の厚さは1〜60nmであることが好ましい。
本発明のEUVマスクブランク1においては、EUV光の波長領域の光線を低反射層15表面に照射した際にも、波長13.5nm付近の最大光線反射率が0.5%以下であることが好ましく、0.1%以下であることがより好ましい。
吸収体層14に用いるTaを主成分とする材料は、Ta以外にハフニウム(Hf)、珪素(Si)、ジルコニウム(Zr)、ゲルマニウム(Ge)、硼素(B)および窒素(N)から選ばれる少なくとも一つの元素を含んでも良い。Ta以外の上記の元素を含有する材料の具体例としては、例えば、TaN、TaHf、TaHfN、TaBSi、TaBSiN、TaB、TaBN、TaSi、TaSiN、TaGe、TaGeN、TaZr、TaZrNなどが挙げられる。
例えば、吸収体層14として、マグネトロンスパッタリング法を用いてTaHf膜を形成する場合、以下の条件で実施すればよい。
スパッタリングターゲット:TaHf化合物ターゲット(Ta=30〜70at%、Hf=70〜30at%)
スパッタガス:Arガス等の不活性ガス(ガス圧1.0×10-1Pa〜50×10-1Pa、好ましくは1.0×10-1Pa〜40×10-1Pa、より好ましくは1.0×10-1Pa〜30×10-1Pa)
成膜前真空度:1×10-4Pa以下、好ましくは1×10-5Pa以下、より好ましくは10-6Pa以下
投入電力:30〜1000W、好ましくは50〜750W、より好ましくは80〜500W
成膜速度:2.0〜60nm/min、好ましくは3.5〜45nm/min、より好ましくは5〜30nm/min
また、吸収体層14として、マグネトロンスパッタリング法を用いてTaN層を形成する場合、以下の条件で実施すればよい。
スパッタリングターゲット:Taターゲット
スパッタガス:Arガス等の不活性ガスで希釈したN2ガス(ガス圧1.0×10-1Pa〜50×10-1Pa、好ましくは1.0×10-1Pa〜40×10-1Pa、より好ましくは1.0×10-1Pa〜30×10-1Pa)
成膜前真空度:1×10-4Pa以下、好ましくは1×10-5Pa以下、より好ましくは10-6Pa以下
投入電力:30〜1000W、好ましくは50〜750W、より好ましくは80〜500W
成膜速度:2.0〜60nm/min、好ましくは3.5〜45nm/min、より好ましくは5〜30nm/min
本発明のEUVマスクブランク1では、吸収体層14上に低反射層15を形成することにより、マスクパターンの検査光の全波長域(190〜260nm)に対して光線反射率が極めて低くなる。具体的には、マスクパターンの検査光の波長域(190〜260nm)の光線を低反射層15表面に照射した際に、該検査光の全波長域(190〜260nm)に対して、低反射層15表面の光線反射率が15%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましく、8%以下であることがさらに好ましい。
マスクパターンの検査光の全波長域(190〜260nm)に対して低反射層15表面の最大光線反射率が15%以下であれば、マスクパターンの検査光の波長を問わず、検査時のコントラストが良好である。具体的には、マスクパターンの検査光の全波長域(190〜260nm)に対して、反射層12表面における反射光(反射層12上に保護層13が形成されている場合は保護層13表面における反射光)と、低反射層15表面における反射光と、のコントラストが60%以上となる。
コントラスト(%)=((R2−R1)/(R2+R1))×100
ここで、R2は検査光の波長に対する反射層12表面での反射率である。但し、反射層12上に保護層13が形成されている場合は保護層13表面での反射率である。R1は検査光の波長に対する低反射層15表面での反射率である。なお、上記R1およびR2は、図2に示すように、図1に示すEUVマスクブランク1の吸収体層14および低反射層15にパターンを形成した状態で測定する。上記R2は、図2中、パターン形成によって吸収体層14および低反射層15が除去され、外部に露出した反射層12表面または保護層13表面で測定した値であり、R1はパターン形成によって除去されずに残った低反射層15表面で測定した値である。
本発明において、上記式で表されるコントラストが65%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましい。
本発明のEUVマスクブランク1の低反射層15では、ハフニウム(Hf)、酸素(O)および窒素(N)を合計含有率で80at%以上含有することにより上記の特性を達成する。
低反射層15は、これらの元素を以下に述べる特定の比率で含有することが好ましい。
また、EUVマスクブランクの低反射層においては、199nm、193nmに対する反射率の観点から、Taの含有量は10at%以下、特に5at%以下であることが好ましい。Taの含有量を減らすことで、Hfの特性を十分に発揮できるようになるため好ましい。
低反射層15がアモルファス構造の膜または微結晶構造の膜であることにより、低反射層15表面の表面粗さ(rms)が0.5nm以下であることが好ましい。ここで、吸収体層15表面の表面粗さは原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope)を用いて測定することができる。低反射層15表面の表面粗さが大きいと、低反射層15に形成されるパターンのエッジラフネスが大きくなり、パターンの寸法精度が悪くなる。パターンが微細になるに従いエッジラフネスの影響が顕著になるため、低反射層15表面は平滑であることが要求される。
低反射層15表面の表面粗さ(rms)が0.5nm以下であれば、低反射層15表面が十分平滑であるため、エッジラフネスの影響によってパターンの寸法精度が悪化するおそれがない。低反射層15表面の表面粗さ(rms)は0.4nm以下であることがより好ましく、0.3nm以下であることがさらに好ましい。
上記した構成の低反射層15は、アルゴン(Ar)等の不活性ガスで希釈した酸素(O2)・窒素(N2)混合ガス雰囲気中でHfターゲットを放電させることによって形成する。または、アルゴン(Ar)等の不活性ガスで希釈した窒素(N2)雰囲気中でHfターゲットを放電させることによってHfおよびNを含有する膜を形成した後、例えば酸素プラズマ中にさらしたり、酸素を用いたイオンビームを照射することによって、形成された膜を酸化することにより、Hf、OおよびNを含有する低反射層15としてもよい。
Hfターゲットは、Zrを0.1〜5.0at%含有してもよい。
低反射層15(HfON膜)の成膜条件
スパッタガス:ArとO2とN2の混合ガス(Arガス濃度3〜80vol%、好ましくは5〜70vol%、より好ましくは10〜60vol%、O2ガス濃度3〜80vol%、好ましくは5〜70vol%、より好ましくは10〜60vol%、N2ガス濃度3〜80vol%、好ましくは5〜70vol%、より好ましくは10〜60vol%;ガス圧好ましくは1.0×10-2Pa〜40×10-1Pa、より好ましくは1.0×10-1Pa〜30×10-1Pa)
投入電力:30〜1000W、好ましくは50〜750W、より好ましくは80〜500W
成膜速度:0.1〜60nm/min、好ましくは0.5〜45nm/min、より好ましくは1〜30nm/min
なお、Ar以外の不活性ガスを使用する場合、その不活性ガスの濃度が上記したArガス濃度と同じ濃度範囲にする。
高誘電性コーティングは、公知の成膜方法、例えば、マグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法といったスパッタリング法、CVD法、真空蒸着法、電解メッキ法を用いて形成することができる。
実施例1
本実施例では、図1に示すEUVマスクブランク1を作製した。
成膜用の基板11として、SiO2−TiO2系のガラス基板(外形6インチ(152mm)角、厚さが6.3mm)を使用した。このガラス基板の熱膨張率は0.2×10-7/℃、ヤング率は67GPa、ポアソン比は0.17、比剛性は3.07×107m2/s2である。このガラス基板を研磨により、表面粗さ(rms)が0.15nm以下の平滑な表面と100nm以下の平坦度に形成した。
平板形状をした通常の静電チャックに、形成したCr膜を用いて基板11(外形6インチ(152mm)角、厚さ6.3mm)を固定して、該基板11の表面上にイオンビームスパッタリング法を用いてSi膜およびMo膜を交互に成膜することを40周期繰り返すことにより、合計膜厚272nm((4.5nm+2.3nm)×40)のSi/Mo多層反射膜(反射層12)を形成した。
さらに、Si/Mo多層反射膜(反射層12)上に、イオンビームスパッタリング法を用いてRu膜(膜厚2.5nm)と成膜することにより、保護層13を形成した。
Si膜の成膜条件
ターゲット:Siターゲット(ホウ素ドープ)
スパッタガス:Arガス(ガス圧0.02Pa)
電圧:700V
成膜速度:0.077nm/sec
膜厚:4.5nm
Mo膜の成膜条件
ターゲット:Moターゲット
スパッタガス:Arガス(ガス圧0.02Pa)
電圧:700V
成膜速度:0.064nm/sec
膜厚:2.3nm
Ru膜の成膜条件
ターゲット:Ruターゲット
スパッタガス:Arガス(ガス圧0.02Pa)
電圧:500V
成膜速度:0.023nm/sec
膜厚:2.5nm
吸収体層14(TaHf膜)は以下の方法で成膜した。膜組成は、X線光電子分光装置(X−ray Photoelectron Spectrometer)(PERKIN ELEMER−PHI社製:番号5500)を用いて測定する。吸収体層の組成は、Ta:Hf=55:45である。吸収体層におけるO含有率は0.05at%以下である。
吸収体層14(TaHf膜)の成膜条件
ターゲット:TaHf化合物ターゲット(組成比:Ta55at%、Hf45at%)
スパッタガス:Arガス(ガス圧:0.3Pa)
投入電力:150W
成膜速度:17.4nm/min
膜厚:70nm
成膜前真空度:4×10-6Pa
低反射層15(HfON膜)の成膜条件は以下の通りである。
低反射層15(HfON膜)の成膜条件
ターゲット:Hfターゲット
スパッタガス:ArとN2とO2の混合ガス(Ar:45vol%、N2:23vol%、O2:32vol%、ガス圧:0.3Pa)
投入電力:150W
成膜速度:7.8nm/min
膜厚:10nm
(1)膜組成
低反射層15(HfON)の組成を、X線光電子分光装置(X−ray Photoelectron Spectrometer)(PERKIN ELEMER−PHI社製:番号5500)を用いて測定する。低反射層の組成比(at%)は、Hf:N:O=50:15:35である。
吸収体層15(HfON膜)の結晶状態を、X線回折装置(X−Ray Diffractmeter)(RIGAKU社製)で確認した。得られる回折ピークにはシャープなピークが見られないことから、低反射層15(HfON膜)の結晶状態がアモルファス構造または微結晶構造であることを確認した。
低反射層15(HfON膜)の表面粗さは、原子間力顕微鏡(SII製、SPI−3800)を用いて、dynamic force modeで測定する。表面粗さの測定領域は1μm×1μmであり、カンチレバーには、SI−DF40(SII製)を用いる。
低反射層の表面粗さ(rms)は0.30nmである。
本実施例では、保護層13(Ru膜)まで形成した段階で、該保護層13表面におけるマスクパターンの検査光(波長257nm、199nm、193nm)の反射率を分光光度計(HITACH UV−4100)を用いて測定した。また、低反射層15(HfON膜)を形成した後、該低反射層表面におけるマスクパターンの検査光の反射率を測定した。その結果、保護層13層表面での波長257nm、199nm、193nmに対する反射率は、それぞれ56.0%、53.6%、55%であった。一方、低反射層15(HfON膜)表面の各波長に対する反射率は、6.2%、4.7%および5.9%であり、いずれも15%以下であった。これらの結果と上記した式を用いてコントラストを求めたところ、各波長におけるコントラストは下記のとおりであった。
波長257nmにおけるコントラスト:79.9%
波長199nmにおけるコントラスト:83.8%
波長193nmにおけるコントラスト:80.6%
マスクパターンの検査光の全ての波長域に対して、保護層13表面と低反射層15表面のコントラストは70%以上であり、十分なコントラストが得られた。得られたEUVマスクブランク1について、低反射層15(HfON膜)表面にEUV光(波長13.5nm)を照射してEUV光の反射率を測定する。その結果、EUV光の反射率は0.4%である。
本実施例では、吸収体層14をタンタル(Ta)と窒素(N)を含むTaN膜を、マグネトロンスパッタリング法を用いて形成した以外は、実施例1と同様の手順で実施した。
吸収体層14(TaN膜)は以下の方法で成膜した。膜組成は、実施例1と同様に調べた。吸収体層14の組成は、Ta:N=57:43であった。吸収体層におけるO含有率は0.05at%以下であった。
吸収体層14(TaN膜)の成膜条件
ターゲット:Taターゲット
スパッタガス:ArとN2(Ar:86vol%、N2:14vol%、ガス圧:0.3Pa)
投入電力:150W
成膜速度:17.4nm/min
膜厚:70nm
成膜前真空度:4×10-6Pa
低反射層15(HfON膜)表面での波長257nm、199nm、193nmに対する反射率は、6.4%、4.2%および4.5%であり、いずれも15%以下であった。これらの結果および保護層13表面の反射率から、上記した式を用いてコントラストを求めたところ、各波長におけるコントラストは下記のとおりであった。
波長257nmにおけるコントラスト:79.4%
波長199nmにおけるコントラスト:85.5%
波長193nmにおけるコントラスト:84.9%
マスクパターンの検査光の全ての波長域に対して、保護層13表面と低反射層15表面のコントラストは70%以上であり、十分なコントラストが得られた。得られたEUVマスクブランク1について、低反射層15(HfON膜)表面にEUV光(波長13.5nm)を照射してEUV光の反射率を測定する。その結果、EUV光の反射率は0.5%である。
比較例1は、低反射層がタンタルハフニウム合金の酸窒化物(TaHfON膜)であること以外は、実施例1と同様の手順で実施した。すなわち吸収体層14にTaHf膜、低反射層15にTaHfONの構成とした。TaHfON膜は、TaHfターゲット(Ta:Hf=55at%:45at%)を用いて以下の条件で作製した。低反射層15の組成比(at%)は、実施例1と同様の方法で測定する。低反射層15の組成比(at%)は、Ta:Hf:N:O=35:15:15:35である。
低反射層15(TaHfON膜)の成膜条件は以下の通りである。
低反射層15(TaHfON膜)の成膜条件
ターゲット:TaHf化合物ターゲット(組成比:Ta55at%、Hf45at%)
スパッタガス:ArとN2とO2の混合ガス(Ar:45vol%、N2:23vol%、O2:32vol%、ガス圧:0.3Pa)
投入電力:150W
成膜速度:6.8nm/min
膜厚:10nm
波長257nmにおけるコントラスト:97.8%
波長199nmにおけるコントラスト:52.1%
波長193nmにおけるコントラスト:55.1%
波長257nmに対しては、保護層13表面と低反射層15表面のコントラストは90%以上と優れたコントラストを有していたが、波長193および199nmに対しては、コントラストは60%以下であり、十分なコントラストが得られなかった。
比較例2は、低反射層がタンタル(Ta)の酸窒化物(TaON膜)であること以外は、実施例2と同様の手順で実施した。すなわち吸収体層14にTaN膜、低反射層15にTaONの構成とした。TaON膜は、Taターゲットを用いて以下の条件で作製した。低反射層の組成は、実施例1と同様の方法で測定する。低反射層の組成比(at%)は、TaN:O=50:15:35である。
低反射層15(TaON膜)の成膜条件は以下の通りである。
低反射層15(TaON膜)の成膜条件
ターゲット:Taターゲット
スパッタガス:ArとN2(Ar:86vol%、N2:14vol%、ガス圧:0.3Pa)
投入電力:150W
成膜速度:8.6nm/min
膜厚:10nm
波長257nmにおけるコントラスト:72.3%
波長199nmにおけるコントラスト:41.8%
波長193nmにおけるコントラスト:41.0%
波長257nmに対しては、保護層13表面と低反射層15表面のコントラストは70%以上と十分な反射コントラストを有していたが、波長193および199nmに対しては、反射コントラストは50%以下であり、十分なコントラストが得られなかった。
11:基板
12:反射層(多層反射膜)
13:保護層
14:吸収体層
15:低反射層
Claims (18)
- 基板上に、EUV光を反射する反射層と、EUV光を吸収する吸収体層と、マスクパターンの検査光(波長190〜260nm)に対する低反射層と、が、この順に形成されたEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクであって、
前記低反射層が、ハフニウム(Hf)、窒素(N)および酸素(O)を合計含有率で80at%以上含有することを特徴とするEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。 - 前記低反射層において、Hfの含有率が10〜80at%であり、NおよびOの合計含有率が20〜90at%であり、NとOの組成(原子)比がN:O=9:1〜1:9であることを特徴とする請求項1に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
- 前記低反射層は、タンタル(Ta)の含有率が10at%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
- 前記低反射層が、Zrを0.1〜1.0at%含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
- 前記低反射層表面の表面粗さ(rms)が、0.5nm以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
- 前記低反射層表面の結晶構造が、アモルファスであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
- 前記低反射層の膜厚が、3〜30nmであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
- 前記吸収体層が、タンタル(Ta)を主成分とすることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
- 前記吸収体層が、タンタル(Ta)を主成分とし、ハフニウム(Hf)、珪素(Si)、ジルコニウム(Zr)、ゲルマニウム(Ge)、硼素(B)および窒素(N)から選ばれる少なくとも1種類の元素を含むことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
- 前記吸収体層は、酸素(O)の含有率が25at%未満であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
- 前記吸収体層の膜厚が、50〜200nmであることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
- 前記反射層と前記吸収体層との間に、前記吸収体層へのパターン形成時に前記反射層を保護するための保護層が形成されており、
前記マスクパターンの検査光の波長(190〜260nm)に対する前記保護層表面での反射光と、前記低反射層表面での反射光と、のコントラストが、60%以上であることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。 - 前記保護層が、Ru、Ru化合物、SiO2およびCrNのいずれか1つで形成されることを特徴とする、請求項12に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
- 前記マスクパターンの検査光の波長(190〜260nm)に対する、前記低反射層表面の反射率が15%以下であることを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
- 前記低反射層が、窒素(N)及び酸素(O)を含む不活性ガス雰囲気中でHfターゲットを用いたスパッタリング法を行うことにより形成されることを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
- 前記Hfターゲットが、Zrを0.1〜5.0at%含有する請求項15に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
- 基板上に、EUV光を反射する反射層、EUV光を吸収する吸収体層、および、マスクパターンの検査光(波長190〜260nm)に対する低反射層をこの順に形成することによりEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクを製造する方法であって、
前記低反射層が、窒素(N)及び酸素(O)を含む不活性ガス雰囲気中でHfターゲットを用いたスパッタリング法を行うことにより形成されることを特徴とするEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクの製造方法。 - 前記Hfターゲットが、Zrを0.1〜5.0at%含有する請求項17に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクの製造方法。
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2008
- 2008-04-01 JP JP2008095049A patent/JP2009252788A/ja active Pending
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