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JP2009249526A - 組成物、光学フィルム及びフラットパネル表示装置 - Google Patents

組成物、光学フィルム及びフラットパネル表示装置 Download PDF

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JP2009249526A JP2008100126A JP2008100126A JP2009249526A JP 2009249526 A JP2009249526 A JP 2009249526A JP 2008100126 A JP2008100126 A JP 2008100126A JP 2008100126 A JP2008100126 A JP 2008100126A JP 2009249526 A JP2009249526 A JP 2009249526A
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Abstract

【課題】位相差値の波長依存性をこれまでより一層抑制し、逆波長分散性を発現し得る新規な光学フィルム及び該フィルムを与え得る組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】式(1)で表される化合物と、式(2)で表される化合物とを含む組成物。
【化83】
Figure 2009249526

2-E3-(D5-A4)f-D3-G1-D1-Ar-D2-G2-D4-(A5-D6)g-E4-P3 (2)
(式中、EWGはニトロ基等、R’/R”はアルキル基等、Aは2価の環状炭化水素基等、B〜Bは−O−等、E/E/Eはアルキレン基等、Eはアルキル基等、P〜Pはアクリロイル基含有基等、Arは2価の芳香族性を有する基、D〜Dは、−CO−O−等、A/Aは、2価の脂環式炭化水素基等、p、q、s、tは0〜4の整数、hは1〜4の整数、f及びgは1〜3の整数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、組成物、光学フィルム及びフラットパネル表示装置に関し、より詳細には、液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス表示装置などのフラットパネル表示装置に用いられる偏光板等の光学フィルムに好適な組成物等に関する。
フラットパネル表示装置(FPD)には、偏光板、位相差板などの光学フィルムを用いた部材が含まれている。光学フィルムとしては、たとえば、重合性化合物を溶剤に溶かして得られる溶液を、支持基材に塗布後、重合して得られる光学フィルムなどが挙げられる。そして、波長λnmの光が与える光学フィルムの位相差(Re(λ))は、複屈折率Δnとフィルムの厚みdとの積で決定されることが知られている(Re(λ)=Δn×d)。また、波長分散特性は、通常、ある波長λにおける位相差値Re(λ)を550nmにおける位相差値Re(550)で除した値(Re(λ)/Re(550))で表され、(Re(450)/Re(550))が1に近い波長分散特性、より好ましくは[Re(450)/Re(550)]<1の逆波長分散性を示す光学フィルムによれば、位相差値の波長依存性を抑制することが可能であることが知られている。
たとえば(Re(450)/Re(550))が1に近い波長分散特性を示す光学フィルムを形成する重合性化合物として、LC242(BASF社製)が市販されている(非特許文献1)。
"Paliocolor"、[online]、平成16年10月20日、BASF社、[平成19年12月5日検索]、インターネット〈http://www.inorganics.basf.com/p02/CAPortal/en_GB/portal/Displaychemikalien/content/Produktgruppen/Displaychemikalien/Palicolor/Paliocolor
本発明は、位相差値の波長依存性を一層抑制し、逆波長分散性を発現し得る新規な光学フィルム及び該フィルムを与え得る組成物等を提供することを目的とする。
本発明の組成物は、式(1)で表される化合物と、式(2)で表される化合物とを含むことを特徴とする。
Figure 2009249526
2-E3-(D5-A4)f-D3-G1-D1-Ar-D2-G2-D4-(A5-D6)g-E4-P3 (2)
(式(1)中、
EWGは、それぞれ独立に、ニトロ基、ニトリル基又はトリフルオロメチル基を表す。
p及びqは、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。但し、1≦p+q≦8である。
R’及びR”は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。
s及びtは、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
は、5〜20員環の2価の環状炭化水素基又は5〜20員環の2価の複素環基を表し、該環状炭化水素基及び該複素環基には、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、ニトリル基、ニトロ基又はハロゲン原子が置換されてもよい。
、B及びBは、それぞれ独立に、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−NR−C(=O)−、−OCH−、−O−C(=O)−O−又は単結合を表す。ここで、Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
は、−CR−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH−CH−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−CH=N−、−N=CH−、−C(=O)−NR−、−NR−C(=O)−、−OCH−、−NR−、−CHO−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−又は単結合を表す。ここで、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
hは1〜4の整数を表す。hが2〜4の場合には、A及びBからなる構造単位は、互いに同一でも異なっていてもよい。
は、炭素数1〜12のアルキレン基を表し、該アルキレン基には、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基が置換されていてもよい。
は、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12の不飽和炭化水素基又は炭素数3〜12の環状アルキル基を表し、これらアルキル基には、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基が置換されていてもよい。
は、水素原子又は(P−1)〜(P−5)で表される基である。
Figure 2009249526
ここで、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
式(2)中、
Arは2価の芳香族性を有する基を表し、Arに含まれるπ電子の数Nπは、8以上である。
及びDは、それぞれ独立に、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−CR1112−、−CR1112−CR1112−、−O−CR1112−、−CR1112−O−、−CR1112―O−CR1112−、−CR1112−O−C(=O)−、−O−C(=O)−CR1112−、−CR1112−O−C(=O)−CR1112−、−CR1112−C(=O)−O−CR1112−、−NR11−CR1213−又はCR1213−NR11−を表す。ここで、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
及びGは、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基を表す。
、D、D及びDは、それぞれ独立に、−CR1415−、−CH−CH−、−O−、−S−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−C(=O)−NR14−、−NR14−C(=O)−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−または単結合を表す。ここで、R14及びR15は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
及びAは、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基を表す。該脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基には、ハロゲン原子、フッ素原子が置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基が置換されていてもよい。
f及びgは、それぞれ独立に、1〜3の整数を表す。
及びEは、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキレン基を表す。該アルキレン基は、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基が置換されていてもよく、また、−O−、−C(=O)−を含んでいてもよい。
及びPは、それぞれ独立に、水素原子又は重合性基である。]
また、式(1)中、Aが、式(A−1)〜(A−5)で表されるいずれかの基であることが好ましい。
Figure 2009249526
さらに、式(1)中、Pが、式(P−1)で表される基であることが好ましい。
式(2)の化合物が、式(3)及び式(4)で表される要件を充足することが好ましい。
(Nπ−4)/3<f+g+1 (3)
8≦Nπ≦22 (4)
[式(3)および式(4)中、Nπは、Arに含まれるπ電子の数、fおよびgは上記と同義である。]
式(2)中、Arが式(Ar−1)〜式(Ar−8)で表される基からなる群から選ばれるいずれかの基であることが好ましい。
Figure 2009249526
[式(Ar−1)〜式(Ar−8)中、
は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ニトロキシキド基、スルホン基、スルホキシド基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のチオアルキル基、炭素数1〜4のN−アルキルアミノ基又は炭素数2〜8のN,N−ジアルキルアミノ基を表す。
及びQは、それぞれ独立に、−CR−、−S−、−NR−、−C(=O)−又は−O−を表す。ここで、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
、Q及びUは、それぞれ独立に、−CH=又は−N=を表す。
、Y及びYは、それぞれ独立に、単環系の芳香族炭化水素基又は単環系の芳香族複素環基を表し、該単環系の芳香族炭化水素基又は単環系の芳香族複素環基は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ニトロキシキド基、スルホン基、スルホキシド基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のチオアルキル基、炭素数1〜4のN−アルキルアミノ基又は炭素数2〜8のN,N−ジアルキルアミノ基が置換されていてもよい。
mは、0〜6の整数を表す。
dは、0〜2の整数を表す。]
式(Ar−5)〜式(Ar−8)中、Y、Y及びYが、それぞれ独立に、式(Y−1)〜式(Y−5)で表される基からなる群から選ばれるいずれかの基であることが好ましい。
Figure 2009249526
[式(Y−1)〜式(Y−5)中、
は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ニトロキシキド基、スルホン基、スルホキシド基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のチオアルキル基、炭素数1〜4のN−アルキルアミノ基又は炭素数2〜8のN,N−ジアルキルアミノ基を表す。
aは0〜4の整数、bは0〜3の整数、R20は、水素原子又はメチル基を表す。]
式(2)中、Arが、式(Ar−5)又は式(Ar−6)で表される基であることが好ましい。
Figure 2009249526
[式(Ar−5)及び式(Ar6)中、Z、Q、Q、Y及びdは、上記と同義である。]
式(2)中、GおよびGが、シクロヘキシレン基であることが好ましい。
式(2)中、A及びAが、それぞれ独立に、フェニレン基またはシクロヘキシレン基であり、該フェニレン基またはシクロヘキシレン基には、任意に、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、トリフルオロメチル基、シアノ基またはニトロ基が置換されていることが好ましい。
式(2)中、D及びDのうち、AまたはAのみと連結しているものが、それぞれ独立に、−CH−CH−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−NH−、−NH−C(=O)−、−O−CH−、−CH−O−又は単結合であり、
式(2)中、D及びDのうち、EまたはEと連結しているものが、−O−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−C(=O)−又は単結合であることが好ましい。
式(2)中、P及びPが、それぞれ独立に、水素原子、アクリロイル基又はメタクリロイル基であり、かつE及びEとの結合がエーテル結合を介して行われていることが好ましい。
本発明の光学フィルムは、上記組成物を重合してなることを特徴とする。
このような光学フィルムは、光学フィルムを透過する光の波長550nmにおける位相差値(Re(550))が113〜163nmであるλ/4板として機能するか、光学フィルムを透過する光の波長550nmにおける位相差値(Re(550))が250〜300nmであるλ/2板として機能するものであることが好ましい。
本発明の偏光板は、上記光学フィルム及び偏光フィルムを含むことを特徴とする。
さらに、本発明の光学部材は、上記光学フィルム及びカラーフィルタを含むことを特徴とする。
また、本発明のフラットパネル表示装置は、上記偏光板及び/又は光学部材と、液晶パネル又は有機エレクトロルミネッセンスパネルとを備えることを特徴とする。
さらに、本発明の未重合フィルムの製造方法は、上記組成物を含む溶液を塗布し、乾燥させるか、支持基材上に形成された配向膜上に、請求項1〜11のいずれか1つに記載の組成物を含む溶液を塗布し、乾燥させることを特徴とする。
また、本発明の光学フィルムの製造方法は、上記製造方法で得られた未重合フィルムを、重合により硬化させることを特徴とする。
本発明によれば、位相差値の波長依存性をこれまでより一層抑制し、逆波長分散性を発現し得る新規な光学フィルム及びこのようなフィルムを与えることができる組成物を提供することができる。それにより、高性能のフラットパネル表示装置を提供することが可能となる。
本発明の組成物は、少なくとも1種の式(1)で表される化合物(以下、化合物(1)と記すことがある)と、少なくとも1種の式(2)で表される化合物(以下、化合物(2)と記すことがある)とを含んでなる。
式(1)及び式(2)で表される化合物は、上述した構造で表される。
式(1)及び式(2)における各基において、アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基等が例示される。
2価の環状炭化水素基としては、下記式で表される基が例示される。
Figure 2009249526
2価の複素環基とは、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子と炭素原子とを有する2価の環状基であり、芳香族性を有していても、有していなくてもよい。例えば、芳香族性を有する2価の複素環基としては下記式で表される基が例示される。
Figure 2009249526
芳香族性を有さない2価の複素環基としては下記式で表される基が例示される。
Figure 2009249526
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基、テトラメチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、3−メチルトリメチレン基、1−エチルエチレン基、2−エチルエチレン基等が挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、不飽和結合を含むアルキル基が挙げられ、例えば、ビニル基、プロピニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ブタジエニル基、ペンタジエニル基、エチニル基、プロピニル基等が挙げられる。
環状アルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等が挙げられる。
芳香族性を有する基としては、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環式化合物基等が挙げられ、これについては後に詳細に説明するが、例えば、芳香族炭化水素基としては、ベンゼン、インデン、ペンタレン、ナフタレン、フルオレン、フェナントレン、アントラセン、ナフタセン、ビフェニレン、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン等の任意の位置に2つの結合手を有する2価の基が挙げられ、芳香族複素環式化合物基としては、酸素原子、硫黄原子及び/又は窒素原子と炭素原子とを有する基であり、例えば、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、インダゾール、インドリン、イソインドリン、ピリジン、ピリミジン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、クロメン、キノリン、プリン、キナゾリン、キノキサリン、カルバゾール、アクリジン、フェナントリジン等の任意の位置に2つの結合手を有する2価の基等が挙げられる。
2価の脂環式炭化水素基としては、シクロアルキレン、例えば、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、ビシクロブチレン、ビシクロヘプチレン、ビシクロオクチレン等が挙げられる。
なお、本明細書では、いずれの化学構造式においても、炭素数によって異なるが、特に断りのない限り、アルキル基、アルコキシ基、2価の環状炭化水素基、2価の複素環基、ハロゲン原子、アルキレン基、不飽和炭化水素基、環状アルキル基、芳香族性を有する基、2価の脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基等は、上記と同様のものが例示される。また、直鎖又は分岐の双方をとることができるものは、そのいずれをも含む。
本発明の組成物では、特に、式(1)において、p及びqとして、p=q=1が好ましい。p=q=1の場合、ベンゼン環におけるEWGの結合位置は、特に限定されず、左右異なっていてもよいが、双方とも、下記式のii位の炭素原子の位置に結合することが、合成が容易な点で好ましい。
R’及びR”としては、メチル基、エチル基等が好ましい。
また、s及びtとして、s=t=0又は1が好ましい。特に、s=t=1の場合、ベンゼン環における置換基R’又はR”の結合位置は、特に限定されず、左右異なっていてもよいが、双方とも、下記式の3位の炭素原子の位置に結合することが、合成が容易な点で好ましい。
Figure 2009249526
としては、特に、式(A−1)〜(A−5)で表される基が好ましく、なかでも、合成の容易さから、式(A−2)及び(A−5)で表される基が好ましい。
Figure 2009249526
hは、後述するように、化合物(1)を含む組成物をキャストする際の取り扱いが容易であるとの観点及び化合物の配向性の向上との観点から、2〜4の整数が好ましい。
のアルキレン基は、置換されていてもよいが、無置換のものが好ましい。
としては、化合物(2)のP及びPと互いに反応しやすく、得られる光学フィルム中に化合物(1)に由来する構造単位を固定化しやすい傾向があることから、式(P−1)〜(P−5)で表される基であることが好ましく、特に、容易に光重合させることができることから、式(P−1)で表される基が好ましい。
化合物(1)の具体例としては、例えば、以下の式(I−1)〜(I−3)及び式(II−1)〜(II−3)等が挙げられる。ただし、本明細書においては、rおよびr’は、それぞれ独立に、1〜12の整数を表し、Zは、水素原子またはメチルを表す。
Figure 2009249526
Figure 2009249526
本発明の化合物(1)の製造方法としては、式(1−B)で表されるカルボニル化合物を例にして説明すると、まず、このカルボニル化合物に、例えば、フェノール、オルトクレゾール、2−メトキシフェノール等のフェノール類を反応させて式(1−B−1)及び式(1−B−2)等で表されるビスフェノール誘導体を得る。
Figure 2009249526
Figure 2009249526
続いて、例えば、沃化メチル、沃化エチル、沃化n−プロピル、沃化イソプロピル、沃化n−ブチル、沃化s−ブチル、沃化シクロヘキシル、臭化イソプロピル、臭化シクロプロピル、臭化イソブチル、臭化シクロブチル、臭化n−アミル、臭化s−アミル、臭化n−ヘキシル、臭化シクロヘキシル、臭化シクロヘプチル、臭化n−ヘプチル、臭化n−オクチル、臭化n−デシル、臭化n−ドデシル、臭化n−テトラデカン、塩化n−ヘキシル、塩化n−オクチルなどのEを与える化合物を反応させることにより、モノフェノール中間体を製造する。モノフェノール中間体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー等により、精製してもよい。
本発明の化合物(1)を与えるモノフェノール中間体の具体例としては、式(1−A−1)〜式(1−A−45)などが挙げられる。
Figure 2009249526
Figure 2009249526
Figure 2009249526
モノフェノール中間体に、B−(A−B−E−B−Pの構造を与える化合物を反応させて、本発明の化合物(1)を製造することができる。Bが、B−OC(=O)−であれば、B−(A−B−E−B−Pの構造を与える化合物として対応するカルボン酸、カルボン酸塩化物、カルボン酸無水物又はカルボン酸のメシチル化された化合物などを用いてモノフェノール中間体とエステル化すればよく、Bが、−O−であれば、B−(A−B−E−B−Pの構造を与える化合物として対応するハロゲン化物を用いてエーテル化すればよい。
−(A−B−E−B−Pの構造を与える化合物としては、式(5−A−1)〜式(5−A−124)で表されるカルボン酸及び該カルボン酸の塩化物などが挙げられる。なお、式中kは、それぞれ独立に、1〜12の整数を表す。
Figure 2009249526
Figure 2009249526
Figure 2009249526
Figure 2009249526
Figure 2009249526
Figure 2009249526
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Figure 2009249526
Figure 2009249526
Figure 2009249526
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Figure 2009249526
Figure 2009249526
Figure 2009249526
Figure 2009249526
式(5−A−1)〜(5−A−124)で表される化合物の製造方法としては、A、B〜B、E、E及びPの各構造単位を含む化合物を、例えば、縮合反応、エステル化反応、ウイリアムソン反応、ウルマン反応、ベンジル化反応、薗頭反応、鈴木−宮浦反応、根岸反応、熊田反応、檜山反応、ブッフバルト−ハートウィッグ反応、ウィッティッヒ反応、フリーデルクラフト反応、ヘック反応又はアルドール反応などで結合することにより製造することができる。具体的には、例えば、特開2005−208416号公報に記載の方法([0036〜0040])、特開2005−289980号公報に記載の方法([0185])、Macromolecules、27巻、6722〜6727(1994)に記載の方法、Advanced、Functional、Materials、15巻、1961〜1972に記載の方法等により、製造することができる。
また、式(2)において、芳香族性を有する基であるArに含まれるπ電子の数Nπは、8以上であることが好ましく、式(2)におけるf及びgとの関係が、
(Nπ−4)/3<f+g+1 (3)及び
8≦Nπ≦22 (4)
を満足することが好ましい。また、8≦Nπ≦22、10<Nπ≦22であってもよく、さらに、16≦Nπ≦22であることがより好ましい。
つまり、化合物(2)では、長軸方向と、長軸に垂直な短軸方向との、二通りの配向が生じている。長軸方向の配向性は、長軸上に含まれる環の数に依存し、短軸方向の配向性は、短軸方向に拡張した共役系であるArに含まれるπ電子の数に依存する。従って、式(3)を満たす場合、化合物(2)の長軸方向での配向性、つまり液晶性及び組成物においてはホスト又はゲスト分子との高い相溶性を保つことができる。一方、(Nπ−4)/3≧(f+g+1)である場合、長軸方向と短軸方向との二通りの配向が生じ、液晶性や、組成物においてはホスト又はゲストとなる分子との相溶性が低下する。
また、Arができるだけ長波長で短軸方向の吸収遷移を示すことが、化合物(2)の波長分散特性の制御に必要である。式(4)を満たす場合、Arのπ共役系を拡張することにより、吸収遷移を長波長化させることができ、液晶性や、組成物における高い相溶性を保つことができる。従って、化合物(2)を含む光学フィルムは、より広い波長域において一様の偏光変換が可能になる。一方、8>Nπである場合は、吸収遷移を長波長化させることが困難となる傾向がある。また、Nπ>22である場合は、液晶性や、組成物における高い相溶性を保つことが困難となる傾向がある。
Arとしては、例えば、(Ar−1)〜式(Ar−8)で表されるものが好ましい。
Figure 2009249526
(式中、Z、Q〜Q、U、Y〜Y、d及びmは上記と同義である。)
なお、Zにおけるフルオロアルキル基としては、1以上のフッ素原子が置換されたアルキル基等が挙げられ、チオアルキル基としては、チオメチル、チオエチル、チオプロピル、チオブチル等が挙げられる。N−アルキルアミノ基としては、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−ブチルアミノ基等が挙げられ、N,N−ジアルキルアミノ基としては、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジプロピルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、N,N−メチルエチルアミノ基、N,N−エチルプロピルアミノ基等が挙げられる(本明細書において、これらの置換基は同義である。)
としては、配向を阻害しない比較的小さい置換基又は最小限の共役系の拡張という観点から、それぞれ独立に、電子供与、吸引効果で、芳香環のバンドギャップを狭める効果を有する置換基が好ましい。このようなZの例として、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、シアノ基、ニトロ基、スルホン基、カルボキシル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、チオメチル基、N−メチルアミノ基又はN,N−ジメチルアミノ基等が挙げられる。
特に、式(Ar−5)〜式(Ar−8)においては、Y、Y及びYが、それぞれ独立に、式(Y−1)〜式(Y−5)で表されるいずれかの基であることが好ましい。なかでも、式(Y−1)又は式(Y−3)で表される基であることが、化合物(2)の製造の容易さ及びコストの点で特に好ましい。
Figure 2009249526
[式(Y−1)〜式(Y−5)中、Z、a、b、R20、上記と同義である。]
式(Y−1)〜式(Y−5)中、Zは配向を阻害しない比較的小さい置換基又は最小限の共役系の拡張という観点から、電子供与・吸引効果で、芳香環のバンドギャップを狭める効果を有する置換基が好ましい。このようなZの例として、Zと同様のものが例示される。
なかでも、Arとして、式(Ar−5)及び式(Ar−6)で表されるいずれかの基であることがより好ましい。
Figure 2009249526
[式(Ar−5)及び式(Ar6)中、Z、Q、Q、Y及びdは、上記と同義である。]
Arの具体例を以下の式(ar−1)〜式(ar−99)に示す。なお、本明細書では、*(アスタリスク)は、連結手の位置を示す。
特に、式(Ar−1)〜式(Ar−4)の具体例として、式(ar−1)〜式(ar−24)が挙げられる。
が挙げられる。
Figure 2009249526
Figure 2009249526
式(Ar−4)の具体例として、式(ar−25)〜式(ar−34)が挙げられる。
Figure 2009249526
式(Ar−5)又は式(Ar−6)の具体例として、式(ar−35)〜式(ar−89)が挙げられる。
Figure 2009249526
Figure 2009249526
Figure 2009249526
Figure 2009249526
Figure 2009249526
Figure 2009249526
式(Ar−7)又は式(Ar−8)の具体例として、式(ar−90)〜式(ar−99)が挙げられる。
Figure 2009249526
D1及びD2としては、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−であることが高い液晶性と溶解性を示すことから、より好ましい。製造の容易さから、−O−C(=O)−が特に好ましい。
及びGとしては、DおよびDとDおよびDとの間に導入することにより、−D−Ar−D−とP−E−(D−A−D−又はP−E−(D−A−D−との電子的つながりを好適に抑制することができ、より広い波長域において一様の偏光変換が可能になるものが好ましい。従って、GおよびGとしては、炭素数が3〜8の脂環式炭化水素基が好ましく、特に、式(g1)〜式(g4)で表される5員環および6員環等の脂環式炭化水素基がより好ましい。
Figure 2009249526
及びDは、特に、同じ種類の2価の基であると、化合物(2)の製造が容易なことから好ましい。
およびAにおける2価の脂環式炭化水素基としては、炭素数5〜12程度のシクロアルキレン基、5員環及び6員環等からなる基が好ましい。2価の芳香族炭化水素基としては、炭素数6〜20程度の基が好ましい。これらの2価の基としては、特に、以下の式(a−1)〜式(a−11)で表されるものがより好ましい。
Figure 2009249526
およびAは、いずれも同種類の基であると、化合物(2)の製造が容易であることから好ましい。また、AおよびAは、より広い波長域において一様の偏光変換が可能になるために、吸収遷移が低波長側であることが好ましい。従って、単環の1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基であることがより好ましく、化合物(2)の製造が容易なことから、特に1,4−フェニレン基がさらに好ましい。
及びDは、特に、同じ種類の2価の基であると、化合物(2)の製造が容易なことから好ましい。さらに、化合物(2)の製造がより容易なことから、D及びDのうち、AまたはAのみと連結しているものは、それぞれ独立に、−CH−CH−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−NH−、−NH−C(=O)−、−OCH−、−CHO−又は単結合であることが好ましく、特に高い液晶性と溶解性を示すことから、−C(=O)−O−又は−O−C(=O)−が好ましい。
また、D及びDのうち、D又はDと連結しているものは、−O−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−C(=O)−又は単結合であることがより好ましい。
f及びgは、特に、高い液晶性のみならず溶解性も良好であることから、1又は2であることが好ましい。同様の理由で、f及びgの合計は、5以下が好ましく、4以下がより好ましい。ただし、化合物(2)に液晶性や相溶性を付与させるためには、式(3)及び式(4)を満たさなければならない。
及びEは、特に、同じ種類のアルキレン基であると、製造が容易なことから好ましい。
及びPは双方とも水素原子(非重合性基)であってもよいが、少なくとも一方は重合性基であることが好ましく、P及びPのいずれもが重合性基であると、得られる光学フィルムの膜硬度が優れる傾向があることからより好ましい。ここで重合性基とは、本発明の化合物(1)及び(2)を重合させることのできる置換基を意味する。具体的には、ビニル基、p−スチルベン基、アクリロイル基、メタクロイル基、カルボキシル基、メチルカルボニル基、水酸基、アミド基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、アミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、アルデヒド基、イソシアネート基又はチオイソシアネート基などが例示される。また、重合性基には、D及びDとして示される基が含まれていてもよい。
例えば、光重合させるのに適した、ラジカル重合性、カチオン重合性基が好ましく、特に取り扱いが容易な上、製造も容易であることからアクリロイル基又はメタクロイル基が好ましく、アクリロイル基がより好ましい。
なお、P及びPが、アクリロイル基又はメタクロイル基である場合、さらにそれらにそれぞれ結合するE及びEは、P及びP側に、それぞれ酸素原子(エーテル結合)が配置された置換基であり、P2-E3及び/又はE4-P3間の結合が、エーテル結合を介して行われていることがより好ましい。
2-E3-(D5-A4)-D3-G1-D1-及び-D2-G2-D4-(A5-D6)-E4-P3の具体例としては、以下の式(R−1)〜式(R−131)の化合物群が挙げられる。なお、*(アスタリスク)は、Arとの連結位置を示す。また、式(R−1)〜式(R−128)におけるnは2〜12の整数を表す。
Figure 2009249526
Figure 2009249526
Figure 2009249526
Figure 2009249526
Figure 2009249526
Figure 2009249526
Figure 2009249526
Figure 2009249526
Figure 2009249526
Figure 2009249526
Figure 2009249526
Figure 2009249526
化合物(2)の具体例としては、式(3)及び式(4)を満たす、表1に記載の組み合わせによって得られる化合物(i)〜化合物(xvii)が挙げられる。これらは、化合物の製造の容易さから特に好ましい。表中のRlは、P2-E3-(D5-A4)-D3-G1-D1-を、Rrは-D2-G2-D4-(A5-D6)-E4-P3を表す。
Figure 2009249526
表1中、(ar−90)/(ar−91)とは、互いに異性体である(ar−90)と(ar−91)との純品又は混合物を意味し、(ar−92)/(ar−93)についても同様である。また、Rl=Rrである。
さらに表1の化合物(ii)、化合物(iv)、化合物(v)、化合物(vi)及び化合物(ix)の代表的な構造式を式(ii−1)、式(ii−2)、式(iv−1)、式(iv−2)、式(v−1)、式(v−2)、式(vi−1)及び式(ix−1)に例示する。
Figure 2009249526
Figure 2009249526
また、化合物(2)の製造方法としては、置換基Arに対応する化合物のジオール化合物を形成し、このジオール化合物に、P2-E3-(D5-A4)-D3-G1-D1-及び-D2-G2-D4-(A5-D6)-E4-P3を、D1及びD2に応じて、エステル化、エーテル化などの反応をさせる方法等が挙げられる。
さらに、式(R−1)〜式(R−131)で表される化合物の製造方法としては、上述した式(5−A−1)〜(5−A−124)の製造方法に従って又は準じて、A、A、D〜B、G、G、E、E、P及びPの各構造単位を含む化合物を、例えば、縮合反応等で結合させることにより製造することができる。
本発明の組成物においては、この組成物の合計100重量部に対して、化合物(1)は、通常、1〜50重量部、さらに1〜30重量部含有されることが好ましい。化合物(2)は、通常、1〜95重量部、さらに1〜80重量部含有されることが好ましい。化合物(1)は、50重量部以下であると、得られるフィルムの熱安定性が優れ、30重量部以下であると、得られるフィルムの熱安定性がさらに優れることから好ましい。
なお、本発明の組成物には、必要に応じて、重合開始剤、重合禁止剤、光増感剤、レベリング剤、有機溶媒、架橋剤、他の液晶化合物等の添加剤の1種以上が混合されていてもよい。
〔重合開始剤〕
本発明の組成物は、通常、重合させるための重合開始剤、特に光重合開始剤を用いることが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ベンジルケタール類、α−ヒドロキシケトン類、α−アミノケトン類、ヨードニウム塩又はスルホニウム塩等が挙げられ、より具体的には、イルガキュア(Irgacure)907、イルガキュア184、イルガキュア651、イルガキュア819、イルガキュア250、及びイルガキュア369(以上、全てチバスペシャルティケミカルズ社製)、セイクオールBZ、セイクオールZ、セイクオールBEE(以上、全て精工化学社製)、カヤキュアー(kayacure)BP100(日本化薬社製)、カヤキュアーUVI−6992(ダウ社製)、アデカオプトマーSP−152又はアデカオプトマーSP−170(以上、全て旭電化)などを挙げることができる。
重合開始剤の使用量は、通常、組成物の合計100重量部に対して、0.1重量部〜30重量部であり、好ましくは、0.5重量部〜10重量部である。上記範囲内であれば、組成物の配向性を乱すことなく、組成物を重合させることができる。
〔重合禁止剤〕
重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン又はアルキルエーテル等の置換基を有するハイドロキノン類、ブチルカテコール等のアルキルエーテル等の置換基を有するカテコール類、ピロガロール類、2,2、6,6、−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル等のラジカル補足剤、チオフェノール類、β−ナフチルアミン類又はβ−ナフトール類等を挙げることができる。
重合禁止剤を含有することにより、組成物の重合を制御することができ、得られる光学フィルムの安定性及び塗布前の組成物の安定性を向上させることができる。
重合禁止剤の使用量は、通常、組成物の合計100重量部に対して、0.1重量部〜30重量部であり、好ましくは、0.5重量部〜10重量部である。上記範囲内であれば、組成物の配向性を乱すことなく、組成物を重合させることができる。
〔光増感剤〕
光増感剤としては、例えば、キサントン又はチオキサントン等のキサントン類、アントラセン又はアルキルエーテルなどの置換基を有するアントラセン類、フェノチアジン、ルブレン等を挙げることができる。
光増感剤を用いることにより、組成物の重合を高感度化することができる。
光増感剤の使用量は、組成物の合計100重量部に対して、通常、0.1重量部〜30重量部であり、好ましくは0.5重量部〜10重量部である。上記範囲内であれば、組成物の配向性を乱すことなく、組成物を重合させることができる。
〔レベリング剤〕
レベリング剤としては、例えば、放射線硬化塗料用添加剤(ビックケミージャパン製:BYK−352、BYK−353、BYK−361N)、塗料添加剤(東レ・ダウコーニング社製:SH28PA、DC11PA、ST80PA)、塗料添加剤(信越シリコーン社製:KP321、KP323、X22−161A、KF6001)又はフッ素系添加剤(大日本インキ化学工業製:F−445、F−470、F−479)などを挙げることができる。
レベリング剤を用いることにより、光学フィルムを平滑化することができる。さらに、光学フィルムの製造過程で、組成物溶液の流動性を制御したり、組成物を重合して得られる光学フィルムの架橋密度を調整することができる。
レベリング剤の使用量は、通常、組成物の合計100重量部に対して、0.1重量部〜30重量部であり、好ましくは、0.3重量部〜10重量部である。上記範囲内であれば、組成物の配向性を乱すことなく、組成物を重合させることができる。
〔有機溶媒〕
有機溶媒としては、本発明の組成物、任意に添加剤等を溶解し得る有機溶媒であればどのようなものを用いてもよい。具体的には、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、メチルセロソルブ若しくはブチルセロソルブなどのアルコール;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、ガンマーブチロラクトン若しくはプロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン若しくはメチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;ペンタン、ヘキサン若しくはヘプタンなどの脂肪族炭化水素溶媒;トルエン、キシレン若しくはクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素溶媒、アセトニトリル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、乳酸エチル、クロロホルム又はフェノールなどが挙げられる。これら有機溶媒は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。中でも、本発明の組成物は相溶性に優れ、アルコール、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、非塩素系脂肪族炭化水素溶媒及び非塩素系芳香族炭化水素溶媒などにも溶解し得ることから、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素を用いなくとも、溶解して塗工させることができる。
〔架橋剤〕
架橋剤としては、特に限定されるものではなく、当該分野で公知のもの、例えば、ポリアクリレート類、ポリメタクリレート類、ウレタンアクリレート類、ポリイソシアネート類、エポキシ化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。より具体的には、トリアクリレート類(新中村化学工業株式会社製:CBX−1N、CBX−0、A−TMPT−3EO、A−TMPT−6EO、A−TMPT−9EO、A−TMM−3、A−TMM−3L、A−TMM−3LMN、A−GLY−3E、A−GLY−6E、A−GLY−9E、A−GLY−20E、TM−4EL、SARTOMER社製:SR499、SR502、SR9035、SR368)、テトラアクリレート類(新中村化学工業株式会社製:ATM−4E,ATM−35E)、ペンタアクリレート類(新中村化学工業株式会社製:A−9530、SARTOMER社製:SR399E)、ヘキサアクリレート類(新中村化学工業株式会社製:A−DPH−6E、A−DPH−12E、A−DPH−6P、共栄社化学株式会社製:UA−306H、UA−306I、日本化薬株式会社製:DPCA−60、DPCA−120)などを挙げることができる。
架橋剤を用いることにより、光学フィルムの架橋密度を調整することができる。さらに、光学フィルムの製造過程で、化合物(1)および(2)を含有する混合溶液の流動性を制御したり、化合物(1)および(2)を重合して得られる光学フィルムの耐久性・信頼性を向上することができる。
架橋剤の使用量は、通常、化合物(1)及び(2)の合計100重量部に対して、0.1重量部〜30重量部であり、好ましくは、0.5重量部〜10重量部である。上記範囲内であれば、化合物の配向性を乱すことなく、重合させることができる。
〔液晶化合物〕
他の液晶化合物としては、特に限定されないが、化合物(1)および(2)と共重合するように、化合物(1)および(2)に含まれるP、P及び/又はPの重合性基と反応し得る置換基を有している化合物が挙げられる。
液晶化合物の具体例としては、液晶便覧(液晶便覧編集委員会編、丸善(株)平成12年10月30日発行)の3章 分子構造と液晶性の、3.2 ノンキラル棒状液晶分子、3.3 キラル棒状液晶分子に記載された化合物の中で重合性基を有する化合物が挙げられる。この液晶化合物は、異なる複数の液晶化合物を併用してもよい。
上記液晶化合物としては、例えば、下記式(I)〜下記式(V)で表される化合物などが挙げられる。
P11-E11-B11-A11-B12-A12-B13-A13-B14-A14-B15-A15-B16-E12-P12 (I)
P11-E11-B11-A11-B12-A12-B13-A13-B14-A14-B15-E12-P12 (II)
P11-E11-B11-A11-B12-A12-B13-A13-B14-E12-P12 (III)
P11-E11-B11-A11-B12-A12-B13-A13-B14-F11 (IV)
P11-E11-B11-A11-B12-A12-B13-F11 (V)
式(I)〜式(V)において、A11〜A15は、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基、2価の複素環基、芳香族炭化水素基、フルオレニル基又はチオフェニレン基を表す。A11〜A15には、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、フェニル基、ジメチルアミノ基又はハロゲン原子が置換されていてもよい。
B11〜B16は、それぞれ独立に、−CR2526−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH−CH−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=S)−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CO−NR25−、−NR25−CO−、−O−CH−、−O−CF−、−NR25−、−CH−O−、−CF−O−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−又は単結合を表す。R25及びR26は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し又はR25及びR26が結合した炭素数5〜7のアルキレン基を表していてもよい。
E11及びE12は、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキレン基を表す。このアルキレン基は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよく、また、−O−、−C(=O)−を含んでいてもよい。
P11及びP12は、それぞれ独立に、重合性基を表す。重合性基としては、式(2)の化合物の重合性基と互いに反応し得る重合性基であることが好ましく、例えば、式(2)のP及びPで例示したものと同様のものが例示される。なかでも、アクリロイル基、メタクリロイル基及びビニル基などの重合性基が好ましい。特に、式(2)のP及び/又はP、アクリロイル基であることが、より容易に光重合させることができることから、特に好ましい。さらに、P11及び/又はP12がアクリロイル基、メタクロイル基、ビニル基である場合、さらにそれらにそれぞれ結合するE11及びE12は、P11及びP12側に、それぞれ酸素原子(エーテル結合)が配置された置換基であり、P11−E11及び/又はE12−P12間の結合が、エーテル結合を介して行われていることがより好ましい。
F11は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜13のアルキル基、炭素数1〜13のアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、ジメチルアミノ基又はハロゲン原子を表す。
なお、各置換基は、例えば、式(1)及び式(2)で例示したものが含まれていてもよい。
他の液晶性化合物の使用量は、通常、この組成物の合計100重量部に対して、0〜95重量部とすることができる。
このような液晶化合物を、化合物(1)及び化合物(2)に加えて用いることにより、配向性をより増加させることができ、これを用いてフィルムを作製した場合に、位相差値をより増大させることができる。
液晶化合物の具体例としては、例えば、以下の式(I−1)〜(I−5)、(II−1)〜(II−6)、(III−1)〜(III−19)、(IV−1)〜(IV−14)、(V−1)〜(V−5)で表される化合物などが挙げられる。ただし、式中kは、それぞれ独立に、1〜11のいずれかの整数を表す。
これらの化合物は、合成が容易であったり、市販されているなど、入手が容易であることから好ましい。
Figure 2009249526
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本発明の光学フィルムは、本発明の組成物における化合物(1)及び化合物(2)に由来する構造単位を含有するフィルムであり、この組成物によって、未重合で又は重合して形成することができる。
〔光学フィルムの重合〕
本発明の光学フィルムを重合して製造する方法について以下に説明する。
まず、本発明の組成物、任意に、上述した重合開始剤、重合禁止剤、光増感剤、レベリング剤、有機溶媒、架橋剤、他の液晶化合物等の添加剤の1種以上が混合された組成物の溶液を調製する。ただし、液晶性組成物の溶液を成膜し、乾燥した後に、液晶性を損なわないものを用いることが必要である。特に、有機溶媒は、成膜が容易となることから、重合開始剤は、得られた光学フィルムを硬化する働きをもつことから、含有されていることが好ましい。
組成物の溶液は、塗布しやすいように、通常、10Pa・s以下、好ましくは0.1〜7Pa・s程度の粘度に調整することが好ましい。
また、組成物溶液における固形分の濃度は、通常、5〜50重量%とすることが適している。固形分の濃度をこの程度の範囲とすることにより、光学フィルムの膜厚にムラが生じにくく、適切な膜厚に調整することが容易となり、液晶パネルの光学補償に必要な光学異方性を与えることができる。
続いて、支持基材に、組成物の溶液を塗布し、乾燥、重合させることにより、支持基材上に目的のフィルムを形成することができる。
用いる支持基材は、その表面に配向膜を形成できるものであればどのような材料を用いてもよい。例えば、ガラス、プラスチックシート、プラスチックフィルム、透光性フィルム等を挙げることができる。透光性フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン系ポリマーなどのポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリメタクリル酸エステルフィルム、ポリアクリル酸エステルフィルム、セルロースエステルフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルム、ポリフェニレンオキシドフィルムなどが挙げられる。
本発明の組成物から得られるフィルムは、貼合、運搬、保管等、強度が必要な場合があるため、支持基材を用いることにより、フィルムが破れず、取り扱いが容易となる。
なお、組成物の溶液を、支持基材上に直接塗工してもよいが、より均一な配向を得るため、支持基材上に形成された配向膜上に塗工することが好ましい。
配向膜は、本発明の組成物を含有する溶液の塗工等により溶解しない溶剤耐性を有し、溶媒の除去、液晶の配向の加熱処理による耐熱性を有し、ラビングによる摩擦などによる剥がれ等が起きないこと等が必要であり、ポリマーと、任意に溶媒とを含有する組成物によって形成することができる。
配向膜を形成するポリマーとしては、例えば、分子内にアミド結合を有するポリアミドやゼラチン類、分子内にイミド結合を有するポリイミド及びその加水分解物であるポリアミック酸、ポリビニルアルコール、アルキル変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリオキサゾール、ポリエチレンイミン、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸又はポリアクリル酸エステル類等のポリマーが挙げられる。これらのポリマーは、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合、共重合体したりしてもよい。これらのポリマーは、脱水や脱アミンなどによる重縮合や、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等の連鎖重合、配位重合又は開環重合等で容易に得ることができる。
溶媒は、特に限定されず、具体的には、水、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのアルコール;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、ガンマーブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素溶媒;トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素溶媒、アセトニトリル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、乳酸エチル、クロロホルム等種々のものを用いることができる。これら有機溶媒は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。
また、配向膜を形成するために、市販の配向膜材料をそのまま使用してもよい。市販の配向膜材料としては、サンエバー(登録商標、日産化学社製)、オプトマー(登録商標、JSR製)などが挙げられる。
支持基材上に配向膜を形成する方法としては、例えば、市販の配向膜材料、配向膜の材料となる上述したポリマー又はその構成モノマー等と、任意に溶媒とを、支持基材上に塗布し、その後、アニールする方法が挙げられる。
得られる配向膜の厚さは、通常、10nm〜10000nm程度が適しており、10nm〜1000nm程度が好ましい。上記範囲とすれば、後述する未重合フィルム調製工程において、本発明の組成物から形成されるフィルムを配向膜上で所望の角度に配向させることができる。
また、これら配向膜は、必要に応じてラビング又は偏光紫外線照射を行うことができる。これにより、本発明の組成物から形成されるフィルムを所望の方向に配向させることができる。
配向膜をラビングする方法としては、例えば、ラビング布が巻きつけられ、回転しているラビングロールを、ステージに載せられ、搬送されている配向膜に接触させる方法を用いることができる。
このように、配向膜を用いることにより、容易に液晶の配向をホモジニアス配向、ホメオトロピック配向、ハイブリッド配向など、所望の配向を得ることができるため、延伸による屈折率制御を行う必要がない。そのため、複屈折の面内ばらつきが小さい均一性に優れた光学フィルムが得られる。その結果、支持基材上に、FPDの大型化にも対応可能な大きな光学フィルムを形成することが可能となる。
組成物の溶液を、支持基材上又は配向膜上へ塗布する方法としては、例えば、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、CAPコーティング法、ダイコーティング法などが挙げられる。また、ディップコーター、バーコーター、スピンコーターなどのコーターを用いて塗布してもよい。
溶媒の乾燥は、光重合の場合には、成膜性を向上させるために、光重合前にほとんど溶媒を乾燥させて、未重合フィルムを得ることが好ましい。また、熱重合の場合には、通常、乾燥とともに重合を進行させてもよいが、重合前にほとんどの溶媒を乾燥させて、未重合フィルムを得ることが好ましい。その後、重合させる方法が、成膜性に優れる傾向があることから好ましい。
溶媒の乾燥方法としては、例えば、自然乾燥、通風乾燥、減圧乾燥などが挙げられる。具体的な加熱温度は、10〜120℃程度が適しており、25〜80℃程度が好ましい。加熱時間は、10秒間〜60分間程度が適しており、30秒間〜30分間程度が好ましい。加熱温度及び加熱時間が、上記範囲内であれば、上記支持基材として、耐熱性が必ずしも十分ではない支持基材を用いることができる。
重合は、化合物(1)の置換基P及び化合物(2)の置換基P及びPがラジカル重合性又はカチオン重合性基であれば、可視光、紫外光、レーザー光などの光を照射して硬化させることができる。これらの重合性基が熱重合性であれば、加熱によって重合させることができる。
成膜性の観点から、光重合が好ましく、取り扱い性の観点から、紫外光による重合がより好ましい。
〔未重合光学フィルムの製造〕
本発明の光学フィルムを未重合で製造する方法としては、例えば、配向膜が形成された支持基材の配向膜上に、本発明の組成物の溶液を塗工し、乾燥する方法、液晶セルを作製し、この液晶セルにこの組成物を注入して、液晶層として形成する方法等が挙げられる。特に、支持基材の上に形成した配向膜上に未重合フィルムを得る方法は、生産コストを低減することができ、ロールフィルムでのフィルムの生産が可能となり、製造効率が良好であることから好ましい。
得られた未重合のフィルムにおいて、本発明の組成物はネマチック相などの液晶相を示し、モノドメイン配向による複屈折性を有する。この未重合フィルムは60〜120℃程度、好ましくは、80〜100℃の低温で配向することから、耐熱性に関して必ずしも十分ではない支持基材を用いることができる。
〔未重合光学フィルムの重合〕
なお、上述したように未重合でフィルムを形成した後、そのフィルムを重合して硬化させてもよい。これにより、本発明の組成物に由来する構造単位を有するフィルムの配向性を固定化することができる。
未重合フィルムを重合させる方法は、組成物に含まれる化合物の種類に応じて、適宜調整することができる。例えば、光重合、熱重合が挙げられる。なかでも、光重合が好ましい。これにより、低温で、未重合フィルムを重合させることができるので、支持基材の耐熱性の選択幅が広がる。また、工業的にも製造が容易となる。
未重合フィルムを光重合させる方法は、例えば、未重合フィルムに紫外線を照射することにより、未重合フィルムを重合させる方法などが挙げられる。未重合フィルムの重合工程において、組成物を光重合によって架橋させることにより、その後の工程等における熱による複屈折の変化の影響を受けにくくなる。
〔光学フィルム〕
本発明の光学フィルムは、透明性に優れ、単独での単層又は積層構造(例えば、2〜4層程度)で、上述した支持基板及び/又は配向膜あるいは種々の光学フィルムとともに、光学フィルム等の種々の用途に用いることができる。なお、複数層積層する場合は、同一のフィルムであってもよいし、異なるものを組み合わせて用いてもよい。ここで、光学フィルムとは、光を透過し得るフィルムであって、光学的な機能を有するフィルムを意味し、光学的な機能とは、屈折、複屈折などを意味する。
このような光学フィルムとしては、優れた波長分散特性を有する光学フィルムが挙げられ、アンチリフレクション(AR)フィルムなどの反射防止フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、楕円偏光フィルム、視野角拡大フィルム及び透過型液晶ディスプレイの視野角補償用光学補償フィルムなどが例示される。
例えば、偏光フィルムに本発明のフィルムを貼合して楕円偏光板として用いることができる。また、この楕円偏光板にさらに本発明のフィルムを広帯域λ/4板として貼合して広帯域円偏光板として利用することができる。
特に、本発明のフィルムを、広帯域λ/4板又はλ/2板として使用するためには、本発明の組成物に含まれる化合物(1)及び化合物(2)に由来する構造単位の含有量を適宜調整し、フィルムの膜厚を調整し、位相差値を調整すればよい。
具体的には、λ/4板の場合には、得られるフィルムのRe(550)を113〜163nm、好ましくは135〜140nm、より好ましくは約137.5nm程度に調整すればよい。λ/2板の場合には、得られるフィルムのRe(550)を250〜300nm、好ましくは273〜277nm、より好ましくは約275nm程度となるように調整すればよい。
また、本発明のフィルムをVA(Vertical Alingment)モード用の光学フィルムとして使用するためには、本発明の組成物に由来する構造単位の含有量を適宜調整し、フィルムの膜厚を調整すればよい。具体的には、Re(550)が例えば、40〜100nm、好ましくは60〜80nm程度となるように、膜厚を調整すればよい。
つまり、本発明の組成物において、化合物(1)及び式(2)の置換基を含む化合物の含有量を変化させることにより、得られるフィルムの屈折率の波長依存性、波長分散特性、チルト角等を任意に制御することができ、組成物を塗布する際の量及び有機溶媒の濃度当を調整して、得られるフィルムの膜厚を調整することにより、位相差値を制御することができる。
具体的には、化合物(1)の含有量を増加させることにより、Re(450)/Re(550)等を変化させ、つまり、波長分散を小さくすることができる。また、化合物(3A)もしくは化合物(3B)の含有量を増加させることにより、液晶組成物をフィルム方向に配向させ、チルト角を小さくすることができる。
また、フィルムの位相差値(リタデーション値、Re(λ))は、式(6)のように決定されることから、所望のRe(λ)を得るためには、膜厚dを調整する。
Re(λ)=d×Δn(λ) (6)
(式中、Re(λ)は、波長λnmにおける位相差値を表し、dは膜厚を表し、Δn(λ)は波長λnmにおける屈折率異方性を表す。)
従って、位相差値を大きくするためには膜厚を大きくし、位相差値を小さくするためには、膜厚を小さくすればよい。
本発明の光学フィルムの膜厚は、0.1〜10μmであることが好ましく、光弾性を小さくするという観点から、0.5〜3μmであることが好ましい。
配向膜を用いて複屈折性を有する場合には、通常、位相差値としては、50〜500nm程度であり、好ましくは100〜300nmである。
このように、本発明の光学フィルムは、延伸フィルムで同等の位相差値を有するフィルムと比較して、薄膜とすることができる。また、位相差値の波長依存性を低減することができる。
〔偏光板〕
本発明の光学フィルムの具体的な実施形態として、本発明の光学フィルムと偏光フィルムとを積層して構成される偏光板等について説明する。
偏光板は、本発明のフィルム1と、偏光機能を有するフィルム、すなわち偏光フィルム2とを直接張り合わせたもの(図1(a))、フィルム1と偏光フィルム2とを、接着剤3を介して貼り合わされたもの(図1(b))、フィルム1とフィルム1’と偏光フィルム2とをこの順で直接貼り合わせたもの(図1(c))、フィルム1とフィルム1’とを接着剤3を介して貼り合わせ、さらに、フィルム1’上に偏光フィルム2を直接貼り合わせたもの(図1(d))、フィルム1とフィルム1’と偏光フィルム2とを、この順に、それぞれ接着剤3、3’を介して貼り合せたもの(図1(e))等が挙げられる。
また、別の偏光板として、光学フィルム1及び光学フィルム1’として、液晶層11または液晶層11’と配向膜12または配向膜12’とからなるフィルムを用いてもよい。具体的には、光学フィルム1と偏光フィルム2とが直接貼り合わされたもの(図2(a))、光学フィルム1と偏光フィルム2とが接着剤3を介して貼り合わされたもの(図2(b))、光学フィルム1と光学フィルム1’と偏光フィルム層2とがこの順に直接貼り合わせたもの(図2(c))、光学フィルム1と光学フィルム1’とを接着剤3を介して貼り合わせ、光学フィルム1’上に偏光フィルム2を直接貼り合わせたもの(図2(d))、光学フィルム1と光学フィルム1’と偏光フィルム2とを接着剤層3、3’を介して貼り合せたもの(図2(e))が挙げられる。
さらに、光学フィルム1及び光学フィルム1’として、配向膜12または配向膜12’は含まれず、液晶層11または液晶層11’からなるフィルムが用いられてもよい。具体的には、光学フィルム1と偏光フィルム層2とが接着剤3を介して貼り合わされているもの(図2(f))、光学フィルム1と光学フィルム1’とを接着剤層3を介して貼り合わせ、その外側に、接着剤層3’を介して偏光フィルム層2を貼り合わせているもの(図2(g))が挙げられる。
また、光学フィルム1として、支持基材13と、支持基材13の表面上に形成された配向膜12と、配向膜12の表面上に形成された液晶層11とからなるフィルムが用いられてもよい。具体的には、このようなフィルムにおける支持基材13に、接着剤層3’を介して偏光フィルム層2が貼り合わせているもの(図2(h))が挙げられる。
図2(i)は、光学フィルム1及び光学フィルム1’として、支持基材13または支持基材13’と、支持基材13または支持基材13’の表面上に形成された配向膜12または配向膜12’と、配向膜12または配向膜12’の表面上に形成された液晶層11または液晶膜11’とを含むフィルムが用いられている以外、図2(g)と同様の構造である。
図2(j)では、光学フィルム1’として液晶層11’からなるフィルムを用い、光学フィルム1として液晶層11、配向膜12及び支持基材13からなるフィルムを用いており、図2(k)では、光学フィルム1’として液晶層11’、配向膜12及び支持基材13からなるフィルムを用い、光学フィルム1として液晶層11からなるフィルムを用いている以外、図2(g)と同様の構造である。
偏光フィルムとしては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルムに沃素や二色性色素を吸着させて延伸したフィルム、ポリビニルアルコール系フィルムを延伸して沃素や二色性色素を吸着させたフィルムなどが挙げられる。
接着剤としては、透明性が高く、耐熱性に優れた接着剤であることが好ましい。そのような接着剤としては、例えば、アクリル系、エポキシ系あるいはウレタン系接着剤などが用いられる。
〔光学部材〕
本発明のフィルムの別の実施形態として、本発明のフィルムを備えた光学部材について説明する。
光学部材は、図3に示すように、本発明のフィルムと、カラーフィルタとを含んで構成することができる。
支持基材13上にカラーフィルタ8と、本発明のフィルム1とをこの順に積層したもの(図3(a))、支持基材13上に本発明のフィルム1とカラーフィルタ8とをこの順に積層したもの(図3(b))等が挙げられる。
また、カラーフィルタ8と液晶層11との間、支持基材13と液晶層11との間に、それぞれ配向膜12を積層したもの(図3(c)及び図3(d)参照)等であってもよい。これにより、液晶層11は良好な配向が得られる。
本発明の光学フィルムは、配向膜上に塗布、紫外線照射で重合させることによって形成することができるため、従来よりも簡便にカラーフィルター上に、例えば、広帯域λ/4、λ/2の位相差層、光学フィルムを形成することができる。特に、液晶パネルをカラー化するためには、カラーフィルタが必須であるが、このようなカラーフィルタを含む光学部材を用いれば、液晶パネル自体が備える位相を軽減することができる。
〔フラットパネル表示装置〕
また、本発明のフィルムは、反射型の液晶ディスプレイ及び有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等のフラットパネル表示装置(FPD)において、どのような位置に、どのような態様で、どのように機能させるものとして備えられていてもよい。
例えば、上述した偏光板と、液晶パネルとが貼り合わされた液晶パネルを備える液晶表示装置(LCD)、上述した偏光板と、発光層とが貼り合わされた有機エレクトロルミネッセンスパネルを備える有機エレクトロルミネッセンス表示装置(EL)、さらにカラーフィルタを備えるLCD及びEL等が挙げられる。
〔LCD〕
LCDとしては、例えば、図4に示すように、本発明の偏光板4と液晶パネル6とを、接着層5を介して貼り合わせて構成されるものが挙げられる。
この構成によれば、図示しない電極を用いて、液晶パネルに電圧を印加することにより、液晶分子を駆動させ、光シャッター効果を発揮させることができる。
〔EL〕
ELとしては、例えば、図5に示すように、本発明の偏光板4と、発光層7とを、接着剤層5を介して貼り合わせて構成されるものが挙げられる。有機エレクトロルミネッセンスパネルにおいて、偏光板4は、広帯域円偏光板として機能する。また、発光層7は、導電性有機化合物からなる少なくとも1層の層により構成される。
以下、本発明の組成物の実施例を以下に詳細に説明する。
<式(1)の化合物(J−3)の製造例>
化合物(J−3)は以下の構造である。
Figure 2009249526
(J−3)等に用いられるアクリル酸エステル誘導体(PG−e)は、以下のルートに従い合成した。
Figure 2009249526
(4−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)安息香酸エチル(PG−a)の合成例)
4−ヒドロキシ安息香酸エチル169g(1.02mol)、炭酸カリウム211g(1.53mol)、N,N−ジメチルアセトアミド847gを加え、80℃に昇温した。続いて、6−ブロモヘキサノール277g(1.53mol)を2時間かけて滴下し、その後80℃で2時間攪拌した。冷却後、反応溶液を氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水洗したのち、溶媒を留去することにより4−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)安息香酸エチル(PG−a)を主成分とする無色透明な液体377gを得た。
(4−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)安息香酸(PG−b)の合成例)
前項で得られた(PG−a)を主成分とする無色透明な液体377gにメタノール905gと水181gを添加し攪拌した。次いで、水酸化カリウムを飽和状態で含有するメタノール溶液2092g(溶液中水酸化カリウム397g(7.08mol))を滴下し、約70℃で5時間攪拌した。冷却後、35%塩酸を718gゆっくりと加えた。析出した白色固体を水洗しながら濾別し、50℃の減圧下で、乾燥させることにより4−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)安息香酸(PG−b)の白色固体228gを得た。収率は4−ヒドロキシ安息香酸エチル基準で94%であった。
(4−(6−アクリルオキシヘキシルオキシ)安息香酸(PG−c)の合成例)
前項で得られた(PG−b)の白色固体 228g(0.96mol)とN,N−ジメチルアニリン244g(2.01mol)を格納した容器内を窒素置換した後、1,4−ジオキサン2282gで溶解させた。反応溶液を70℃に昇温し、アクリル酸クロリド173g(1.92mol)を30分かけて滴下し、さらに2時間攪拌させた。冷却後、反応溶液を氷水に注いだ後、酢酸エチルを加えて分液抽出して有機層をとりだした。得られた有機層を水洗した後、減圧下、溶媒を留去させることにより4−(6−アクリロイルヘキシルオキシ)安息香酸(PG−c)の白色固体109g(0.37mol)を得た。収率は(PG−b)基準で39%であった。
(4−ヒドロキシ安息香酸エトキシメチルエステル(PG−d)の合成例)
4−ヒドロキシ安息香酸 166g(1.2mol)とトリエチルアミン121g(1.2mol)とクロロホルム1193gを容器内に入れ攪拌した。室温で、クロロメチルエチルエーテル113g(1.2mol)とクロロホルム298gの混合溶液を30分かけて滴下し、さらに2時間攪拌させた。冷却後、反応溶液を水、塩酸水溶液、炭酸ナトリウム水溶液の順に分液洗浄し、有機層を取り出した。有機層を減圧下、溶媒を留去させることにより4−ヒドロキシ安息香酸エトキシメチルエステル(PG−d)を主成分とする黄色液体を251g得た。
(4−(4−(6−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)ベンジルオキシ)安息香酸(PG−e)の合成例)
前項で得られた4−ヒドロキシ安息香酸エトキシメチルエステル(PG−d)を主成分とする黄色液体124gに、前項で得られた(PG−c)の白色固体 147g(0.50mol)、4−ジメチルアミノピリジン7.7(63mmol)、クロロホルム824gを加えた。続いてN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)123g(0.60mol)をクロロホルム165gに溶解させ、室温で滴下し、24時間攪拌した。その後、濾過して固形物を取り除いて得られた有機層を、2N塩酸989gで2回分液洗浄した。洗浄した有機層は、溶媒を留去し、237gの淡黄色液体を得た。
得られた液体にエタノール474gとパラトルエンスルホン酸ピリジニウム塩12.7g(50mmol)を加え、60℃で3時間攪拌した。その反応溶液を室温まで冷却すると、白色結晶が析出するため、濾過をして、固形物を取り出した。得られた固形物をエタノールで入念に洗浄した後、乾燥すると、(4−(4−(6−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)ベンジルオキシ)安息香酸(PG−e)が180g得られた。収率は(PG−c)基準で86%であった。
(J−3)等に用いられるフルオレン誘導体(J−3A)の構造は、以下のとおりである。
Figure 2009249526
(2,7−ジニトロ−9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの合成例)
容器に、2,7−ジニトロ−9−フルオレノン25.0g(93mmol)、フェノール87g(925mmol)、3−メルカプトプロピオン酸0.49g(5mmol)、硫酸4.5gを混合し、90℃にて3時間攪拌した。その反応溶液を、メタノール35gと水70gが入った容器に添加したところ、結晶が析出した。その結晶を濾別すると、黄色結晶である2,7−ジニトロ−9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンが24.1g(55mmol)収率は2,7−ジニトロ−9−フルオレノン基準で59%であった。
((J−3A)の合成例)
2,7−ジニトロ−9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン15.0g(34mmol)、N,N−ジメチルアセトアミド75g、炭酸カリウム7.1g(51mmol)、沃化エチル5.3g(34mmol)が格納された容器を70℃に加熱し、3時間熟成させた。冷却後、その反応溶液に、メチルイソブチルケトン75gと1N塩酸105gを加え攪拌し、分液を行なった。得られた有機層を1N塩酸105gで2回分液洗浄を行ない、有機層を取り出した。得られた有機層を濃縮し、ノルマルヘプタンを加え晶析させ、黄色結晶を15.7g得た。得られた結晶からをシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにて精製すると、黄色結晶である(J−3A)が、6.5g得られた。収率は2,7−ジニトロ−9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン基準で41%であった。
(J−3の合成例)
容器に、(J−3A)5.6g(12mmol)、(4−(4−(6−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)ベンジルオキシ)安息香酸(PG−e)5.9g(14mmol)4−ジメチルアミノピリジン0.2g(1mmol)及びクロロホルム48gを混合し、続いてN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)3.3g(16mmol)をクロロホルム12gに溶解させ、室温で滴下し、24時間攪拌した。その後、2N塩酸を59g添加した後に、濾過して固形物を取り除き、濾液を分液し、有機層を取り出した。得られた有機層に2N塩酸を59g添加し分液洗浄した後に、溶媒を留去し、メタノールに添加し、固形物を取得した。取得した固形物は、メタノールで入念に洗浄した。淡黄色固体である本化合物(J−3)4.6gを得た。収率は9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン基準で44%であった。
<式(1)の化合物(J−6)の製造例>
化合物(J−6)は以下の構造である。
Figure 2009249526
(J−6)に用いられるアクリル酸エステル誘導体(PG−i)は以下のルートに従い合成した。
Figure 2009249526
((PG−i)の合成例)
前項で得られた4−ヒドロキシ安息香酸エトキシメチルエステル(PG−d)を主成分とする黄色液体19.6gに、前項で得られた(PG−e)の白色固体 30.9g(75mmol)、4−ジメチルアミノピリジン1.2(10mmol)、クロロホルム245gを加えた。続いてN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)20.6g(100mmol)をクロロホルム49gに溶解させ、室温で滴下し、24時間攪拌した。その後、濾過して固形物を取り除いて得られた有機層を、2N塩酸989gで2回分液洗浄した。洗浄した有機層は、溶媒を留去し、88gの淡黄色液体を得た。
得られた液体にテトラヒドロフラン88g、パラトルエンスルホン酸ピリジニウム塩1.9g(8mmol)とエタノール88gを加え、60℃で3時間攪拌した。その反応溶液を室温まで冷却すると、白色結晶が析出するため、濾過をして、固形物を取り出した。得られた固形物をエタノールで入念に洗浄した後、乾燥すると、(PG−i)が19.2g得られた。収率は(PG−e)基準で48%であった。
(J−6の合成例)
(PG−e)に代えて、(PG−i)を用いる以外は、((J−3)の合成例)と同様にして、淡黄色固体である(J−5)7.3gを得た。収率は(J−3A)基準で83%であった。
<式(2)の化合物(ii−1)の製造例>
化合物を以下のスキームで合成した。原料のモノテトラヒドロピラニル保護ヒドロキノン(a)は特許文献(特開2004−262884)に記載されている方法により合成した。
Figure 2009249526
(化合物(b)の合成例)
モノテトラヒドロピラニル保護ヒドロキノン(a)100.1g(515mmol)、炭酸カリウム97.1g(703mmol)、6−クロロヘキサノール64g(468mmol)を取り、ジメチルアセトアミドに溶解・分散させた。窒素雰囲気下、90℃で、その後100℃で撹拌した。その後室温まで冷却し、純水、メチルイソブチルケトンを加え、回収した有機層を水酸化ナトリウム水溶液および純水で洗浄後に脱水し、濾過後に減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて、生成した沈殿を濾過後、真空乾燥させて、化合物(b)を126g(428mmol)得た。収率は6−クロロヘキサノール基準で91%であった。
(化合物(c)の合成例)
化合物(b)を126g(428mmol)、3、5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシトルエン(以下BHTという)1.40g(6.42mmol)、N、N−ジメチルアニリン116.7g(963mmol)、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン1.00gを取り、クロロホルムに溶解した。窒素雰囲気、氷冷下でアクイロイルクロリド58.1g(642mmol)を滴下し、さらに純水を加えて攪拌した。回収した有機層を塩酸水、飽和炭酸ナトリウム水溶液および純水で洗浄した。有機層を乾燥し、濾過後、BHT1gを加えて減圧濃縮して、化合物(c)を得た。
(化合物(d)の合成例)
化合物(c)にテトラヒドロフラン(以下THFという)200mlを加えクロロホルムを去留後、THF200mlを加えた。これに塩酸水および濃塩酸水を加えて、窒素雰囲気下60℃で攪拌した。反応溶液に飽和食塩水500mlを加えて攪拌し、回収した有機層を脱水し、濾過後減圧濃縮した。さらにヘキサンを加えて氷冷下攪拌し、析出した粉末を濾過後真空乾燥して、化合物(d)を90g(339mmol)得た。収率は化合物(c)基準で79%であった。
(化合物(e)の合成例)
トランスシクロヘキサンジカルボン酸24.68g(118mmol)をトルエンに分散させて、二塩化オキサリル74.91g(590mmol)、ジメチルホルムアミド0.5mLを加えて、窒素雰囲気下で攪拌した。トルエンおよび二塩化オキサリルを減圧除去して得られた液体(シクロヘキサンジカルボン酸ジクロリド粗精製物)にクロロホルムを加えて溶解させた。一方、化合物(d)12g(45.4mmol)をクロロホルムに溶解させた。化合物(d)の溶液と、ピリジン12.6g(159mmol)を氷冷下で、シクロヘキサンジカルボン酸ジクロリド粗精製物を含む溶液に滴下した。反応溶液を窒素雰囲気下で攪拌して得られた沈殿を濾過により除去後、減圧濃縮した。これを水/メタノールの混合溶剤(体積比で1/1)に滴下し、生成した沈殿を粉砕後、純水で洗浄して、濾過後真空乾燥した。得られた粉末を再び粉砕後、n−ヘプタンに分散させ、攪拌してトルエンに溶解させた。不溶成分を濾過して、濾液を減圧濃縮後、n−ヘプタンに再沈殿させた。沈殿を真空乾燥させることにより、化合物(e)を7.8g得た。収率は化合物(d)基準で40%であった。
(化合物(ii−a)の製造例)
化合物(ii−a)を以下のスキームで合成した。原料である4,7−ジメトキシ−2−フェニルベンゾチアゾールは、J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1誌、205−210頁(2000年)に記載されている方法により合成した。
Figure 2009249526
4,7−ジメトキシ−2−フェニルベンゾチアゾール10.8g(39.8mmol)と塩化ピリジニウム54.0g(5倍質量)を混合し、220℃に昇温して攪拌した。冷却後、水を加え、得られた沈殿を濾別し、水およびヘキサンで洗浄して、4,7−ジヒドロキシ−2−フェニルベンゾチアゾール(化合物(ii−a))を主成分とする固体8.7gを得た。収率は4,7−ジメトキシ−2−フェニルベンゾチアゾール基準で89%であった。
(化合物(ii−1)の製造例)
化合物(ii−a)2.55g(11mmol)、化合物(e)9.67g(23mmol)、ジメチルアミノピリジン0.28g(2mmol)をクロロホルム50mLに分散させた。分散液にジシクロヘキシルカルボジイミド5.31g(28mmol)のクロロホルム溶液40mLを氷冷下で滴下した。反応溶液を攪拌し、ジシクロヘキシルウレアを濾過したのち、水と分液した。有機層を乾燥後、減圧濃縮した。残渣に酢酸エチルを加えて溶解させ、減圧濃縮後、メタノール200mLに氷冷下で再沈殿させた。沈殿を濾取し、これをn−ヘプタンに分散させて洗浄、濾過後真空乾燥させることにより化合物(ii−1)を6.1g得た。収率は化合物(ii−a)基準で56%であった。
(実施例1)
<光学フィルムの製造例>
ガラス基板にポリビニルアルコール (ポリビニルアルコール1000完全ケン化型、和光純薬工業株式会社製) の2重量%水溶液を塗布したのち、加熱乾燥後、厚さ89nm膜を得た。続いて、表面にラビング処理を施したのち、ラビング処理を施した面に、表1の実施例1の組成の塗布液(混合溶液)をスピンコート法により塗布し、210℃で1分間乾燥した。続いて、180℃で加熱しながら2400mJ/cm紫外線を照射して、光学フィルムを作成した。
表2中、光重合開始剤は、イルガキュア907及びイルガキュア819(チバスペシャリティーケミカルズ社製)、レベリング剤には、BYK361N(ビックケミージャパン製)、溶剤はシクロペンタノンを用いた。また、溶剤以外の表中の重量%は、塗布液を100重量%とした固形分の重量%を意味する。
Figure 2009249526
<波長分散特性の測定>
450nmから700nmの波長範囲において、作成した光学フィルムの位相差値を測定機(KOBRA−WR、王子計測機器社製)を用いて測定し、装置付属プログラムで波長450nmの位相差値Re(450)、波長550nmの位相差値Re(550)を算出した。結果を表2に示す。表中dは液晶層の膜厚、Δnは波長550nmにおける屈折
率異方性を表す。 Re(450)/Re(550)の値が1より小さく、逆波長分散性が得られていることがわかる。
Figure 2009249526
(実施例2)
表1の塗布液を用い、100℃で1分間乾燥後、100℃で加熱しながら1200mJ/cm紫外線を照射した以外は、実施例1と同様にして光学フィルムを製造した。得られた光学フィルムについて、位相差値を測定機(KOBRA-WR、王子計測機器社製)を用いて測定した。結果を表2に示す。Re(450)/Re(550)の値が1により小さく、逆波長分散性が得られていることがわかる。
(比較例1)
表1の塗布液を用い、100℃で1分間乾燥後、100℃で加熱しながら1200mJ/cm紫外線を照射した以外は、実施例1と同様にして光学フィルムを製造した。得られた光学フィルムについて、位相差値を、測定機(KOBRA−WR、王子計測機器社製)を用いて測定した。結果を表2に示す。
本発明は、位相差値の波長依存性をこれまでより一層抑制し、逆波長分散性を発現し得る新規な光学フィルム及び該フィルムを与え得る組成物を提供することができる。
本発明の偏光板を示す断面図である。 本発明の別の偏光板を示す断面図である。 本発明の光学部材を示す断面図である。 本発明の液晶パネルを示す断面図である。 本発明の有機ELパネルを示す断面図である。
符号の説明
1、1’ フィルム
2、2’ 偏光フィルム
3、3’、5 接着剤
4 偏光板
6 液晶パネル
7 発光層
8 カラーフィルタ
11、11’ 液晶層
12、12’ 配向膜
13、13’ 支持基材

Claims (21)

  1. 式(1)で表される化合物と、式(2)で表される化合物とを含む組成物。
    Figure 2009249526
    2-E3-(D5-A4)f-D3-G1-D1-Ar-D2-G2-D4-(A5-D6)g-E4-P3 (2)
    (式(1)中、
    EWGは、それぞれ独立に、ニトロ基、ニトリル基又はトリフルオロメチル基を表す。
    p及びqは、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。但し、1≦p+q≦8である。
    R’及びR”は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。
    s及びtは、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
    は、5〜20員環の2価の環状炭化水素基又は5〜20員環の2価の複素環基を表し、該環状炭化水素基及び該複素環基には、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、ニトリル基、ニトロ基又はハロゲン原子が置換されてもよい。
    、B及びBは、それぞれ独立に、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−NR−C(=O)−、−OCH−、−O−C(=O)−O−又は単結合を表す。ここで、Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
    は、−CR−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH−CH−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−CH=N−、−N=CH−、−C(=O)−NR−、−NR−C(=O)−、−OCH−、−NR−、−CHO−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−又は単結合を表す。ここで、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
    hは1〜4の整数を表す。hが2〜4の場合には、A及びBからなる構造単位は、互いに同一でも異なっていてもよい。
    は、炭素数1〜12のアルキレン基を表し、該アルキレン基には、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基が置換されていてもよい。
    は、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12の不飽和炭化水素基又は炭素数3〜12の環状アルキル基を表し、これらアルキル基には、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基が置換されていてもよい。
    は、水素原子又は(P−1)〜(P−5)で表される基である。
    Figure 2009249526
    ここで、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
    式(2)中、
    Arは2価の芳香族性を有する基を表し、Arに含まれるπ電子の数Nπは、8以上である。
    及びDは、それぞれ独立に、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−CR1112−、−CR1112−CR1112−、−O−CR1112−、−CR1112−O−、−CR1112―O−CR1112−、−CR1112−O−C(=O)−、−O−C(=O)−CR1112−、−CR1112−O−C(=O)−CR1112−、−CR1112−C(=O)−O−CR1112−、−NR11−CR1213−又はCR1213−NR11−を表す。ここで、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
    及びGは、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基を表す。
    、D、D及びDは、それぞれ独立に、−CR1415−、−CH−CH−、−O−、−S−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−C(=O)−NR14−、−NR14−C(=O)−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−または単結合を表す。ここで、R14及びR15は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
    及びAは、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基を表す。該脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基には、ハロゲン原子、フッ素原子が置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基が置換されていてもよい。
    f及びgは、それぞれ独立に、1〜3の整数を表す。
    及びEは、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキレン基を表す。該アルキレン基は、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基が置換されていてもよく、また、−O−、−C(=O)−を含んでいてもよい。
    及びPは、それぞれ独立に、水素原子又は重合性基である。]
  2. 式(1)中、Aが、式(A−1)〜(A−5)で表されるいずれかの基である請求項1に記載の組成物。
    Figure 2009249526
  3. 式(1)中、Pが、式(P−1)で表される基である請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 式(2)の化合物が、式(3)及び式(4)で表される要件を充足する請求項1〜3のいずれか1つに記載の組成物。
    (Nπ−4)/3<f+g+1 (3)
    8≦Nπ≦22 (4)
    [式(3)および式(4)中、Nπは、Arに含まれるπ電子の数、fおよびgは上記と同義である。]
  5. 式(2)中、Arが式(Ar−1)〜式(Ar−8)で表される基からなる群から選ばれるいずれかの基である請求項1〜4のいずれか1つに記載の組成物。
    Figure 2009249526
    [式(Ar−1)〜式(Ar−8)中、
    は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ニトロキシキド基、スルホン基、スルホキシド基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のチオアルキル基、炭素数1〜4のN−アルキルアミノ基又は炭素数2〜8のN,N−ジアルキルアミノ基を表す。
    及びQは、それぞれ独立に、−CR−、−S−、−NR−、−C(=O)−又は−O−を表す。ここで、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
    、Q及びUは、それぞれ独立に、−CH=又は−N=を表す。
    、Y及びYは、それぞれ独立に、単環系の芳香族炭化水素基又は単環系の芳香族複素環基を表し、該単環系の芳香族炭化水素基又は単環系の芳香族複素環基は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ニトロキシキド基、スルホン基、スルホキシド基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のチオアルキル基、炭素数1〜4のN−アルキルアミノ基又は炭素数2〜8のN,N−ジアルキルアミノ基が置換されていてもよい。
    mは、0〜6の整数を表す。
    dは、0〜2の整数を表す。]
  6. 式(Ar−5)〜式(Ar−8)中、Y、Y及びYが、それぞれ独立に、式(Y−1)〜式(Y−5)で表される基からなる群から選ばれるいずれかの基である請求項1〜5のいずれか1つに記載の組成物。
    Figure 2009249526
    [式(Y−1)〜式(Y−5)中、
    は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ニトロキシキド基、スルホン基、スルホキシド基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のチオアルキル基、炭素数1〜4のN−アルキルアミノ基又は炭素数2〜8のN,N−ジアルキルアミノ基を表す。
    aは0〜4の整数、bは0〜3の整数、R20は、水素原子又はメチル基を表す。]
  7. 式(2)中、Arが、式(Ar−5)又は式(Ar−6)で表される基である請求項1〜6のいずれか1つに記載の組成物。
    Figure 2009249526
    [式(Ar−5)及び式(Ar6)中、Z、Q、Q、Y及びdは、上記と同義である。]
  8. 式(2)中、GおよびGが、シクロヘキシレン基である請求項1〜7のいずれか1つに記載の組成物。
  9. 式(2)中、A及びAが、それぞれ独立に、フェニレン基またはシクロヘキシレン基であり、該フェニレン基またはシクロヘキシレン基には、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、トリフルオロメチル基、シアノ基またはニトロ基が置換されていてもよい請求項1〜8のいずれか1つに記載の組成物。
  10. 式(2)中、D及びDのうち、AまたはAのみと連結しているものが、それぞれ独立に、−CH−CH−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−NH−、−NH−C(=O)−、−O−CH−、−CH−O−又は単結合であり、
    式(2)中、D及びDのうち、EまたはEと連結しているものが、−O−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−C(=O)−又は単結合である請求項1〜9のいずれか1つに記載の組成物。
  11. 式(2)中、P及びPが、それぞれ独立に、水素原子、アクリロイル基又はメタクリロイル基であり、かつE及びEとの結合がエーテル結合を介して行われている請求項1〜10のいずれか1つに記載の組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか記載の組成物を重合してなる光学フィルム。
  13. 光学フィルムを透過する光の波長550nmにおける位相差値(Re(550))が113〜163nmであるλ/4板として機能する請求項12に記載の光学フィルム。
  14. 光学フィルムを透過する光の波長550nmにおける位相差値(Re(550))が250〜300nmであるλ/2板として機能する請求項12に記載の光学フィルム。
  15. 請求項12〜14に記載の光学フィルム及び偏光フィルムを含む偏光板。
  16. 請求項12〜14に記載の光学フィルム及びカラーフィルタを含む光学部材。
  17. 請求項15記載の偏光板及び/又は請求項16の光学部材と、液晶パネルとを備えるフラットパネル表示装置。
  18. 請求項15記載の偏光板及び/又は請求項16の光学部材と、有機エレクトロルミネッセンスパネルとを備えるフラットパネル表示装置。
  19. 支持基材に、請求項1〜11のいずれか1つに記載の組成物を含む溶液を塗布し、乾燥させる未重合フィルムの製造方法。
  20. 支持基材上に形成された配向膜上に、請求項1〜11のいずれか1つに記載の組成物を含む溶液を塗布し、乾燥させる未重合フィルムの製造方法。
  21. 請求項19又は20記載の製造方法で得られた未重合フィルムを、重合により硬化させる光学フィルムの製造方法。
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