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JP2009246635A - コンデンサーマイクロホンユニットおよびコンデンサーマイクロホン - Google Patents

コンデンサーマイクロホンユニットおよびコンデンサーマイクロホン Download PDF

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Abstract

【課題】音響系を含む制御系に用いるのに適したコンデンサーマイクロホンユニットを得るために、例えば、1kHz以下というような比較的低い周波数帯で用いるのに適し、高い周波数帯域の信号レベルをフィルタによって減衰させることを不要とする。
【解決手段】音波を受けて振動する振動板3と、振動板3と対向させて配置され振動板3とともにコンデンサーを構成する対向電極4と、ハウジング1内に振動板3と対向電極4を保持する絶縁ホルダ5と、対向電極4の背面側に形成されている前側空気室81と、絶縁ホルダ5の背面側に形成されている後ろ側空気室82と、絶縁ホルダ5に形成されていて前側空気室81と後ろ側空気室82を連通する音響端子51と、音響端子51に付加された音響抵抗部材9と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンデンサーマイクロホンユニットおよびコンデンサーマイクロホンに関するもので、特に、音響系を含む制御系に用いるのに適したものである。
音響系を含む制御系にマイクロホンを用いる場合がある。例えば、ノイズキャンセルシステム、ノイズキャンセルヘッドホンなどに用いられるアクティブ(能動)・ノイズ・コントロールはその一つである。また、主としてスピーカシステムに用いられるモーショナルフィードバック(MFB)もその一つである。このような、電気音響変換器であるマイクロホンを用いた制御系では、音波の伝播速度が遅いことから、可聴周波数帯域では主に1kHz以下の比較的低い周波数帯で用いられる。
上記制御系は主として音圧制御に用いられることから、無指向性コンデンサーマイクロホンが用いられる。無指向性コンデンサーマイクロホンの制御方式は弾性制御方式であり、主要な周波数帯域での周波数応答は平坦で、位相回転も極めて少ない、というのがその理由である。一般的には、上記無指向性コンデンサーマイクロホンとして、市販の無指向性エレクトレットコンデンサーマイクロホンユニットが用いられる。しかしながら、小口径のエレクトレットコンデンサーマイクロホンユニットの場合、周波数応答は良好であるが、有効面積が小さく、浮遊容量が大きいことから、固有雑音の等価音圧レベルが高い、すなわち、S/N比が悪い、という問題がある。
上記の問題を解消するために、振動板の後部にある空気室の容積を大きくして感度を高くすることが考えられる。しかし、かかる構成によれば、感度が向上する反面、高域共振周波数が低い周波数になることから、位相回転の問題で制御系の安定性が損なわれ、制御系の発振などが発生しやすいという難点がある。また、1kHz以上の周波数まで平坦な周波数応答が得られることから、1kHz以下の比較的低い周波数帯で用いるためには、高い周波数の信号レベルを電気的にフィルタで低下させる必要がある。
図5は、音響系を含む制御系に用いられる単一無指向性コンデンサーマイクロホンユニットの従来例を示す。図5において、円筒形状のユニットケース1は前端(図5において左端)に内向きのフランジ11を有する。ユニットケース1内には、その前端側から順に、振動板ホルダ2、振動板3、スペーサ(図示を省略)、対向電極4、絶縁ホルダ5、固定板7が嵌められている。振動板3は例えば樹脂製の薄膜からなり、音波を受けることによって振動する。振動板ホルダ2はリング状の部材で、このホルダ2の後面に、振動板3が適宜の張力をもってその周縁部が固着されている。振動板3と対向電極4の間には上記スペーサが介在してこのスペーサの厚さ分の空間が生じている。振動板3または対向電極4はこれらの対向面にエレクトレット素子すなわち半永久的に電荷を蓄えた高分子化合物による薄層が形成され、振動板3と対向電極4とでコンデンサーを構成している。
固定板7は、絶縁ホルダ5の後面から後方に伸びて固定板7に嵌まっている筒部52を前方に押し、絶縁ホルダ5は対向電極4、上記スペーサ、振動板3、振動板リング2を順に前方に押し、振動板リング2をユニットケース1の内向きフランジ11に押し付けている。この状態で固定板7がユニットホルダ1の後端開口部内周に嵌められて固定され、各構成部材が上記の順にユニットケース1内に固定されている。絶縁ホルダ5の筒部52には円柱状の引き出し電極6が挿入され、引き出し電極6の前端が対向電極4に当接して対向電極4と電気的に一体につながり、振動板3と対向電極4とで構成される上記コンデンサーの一方の端子を構成している。振動板3は、振動板ホルダ2を介してユニットホルダ1と電気的につながっていて、ユニットホルダ1は上記コンデンサーの他方の端子を構成している。対向電極4には適宜数の孔が形成されていて、これらの孔は音響端子41を構成している。この音響端子41は、振動板3と対向電極4との間に形成されている隙間と、対向電極4と絶縁ホルダ5の前面との間に形成されている空気室8とを連通させている。
周知のとおり、振動板3が音波を受けて振動すると、振動板3と対向電極4とで構成されるコンデンサーの容量が変化し、FETなどからなるインピーダンス変換回路を含む電気回路を経て電圧の変化による音声信号が出力される。ここで、振動板3に加わる音圧をP、振動板3のスティフネスをs、振動板3の質量をm、振動板3と対向電極4との間に形成されている狭い隙間の抵抗をr、対向電極4と絶縁ホルダ5の前面との間に形成されている空気室8のスティフネスをsとすると、上記コンデンサーマイクロホンユニットは、図6に示すように、Pに対し、m、s、r、sが直列に接続されたのと等価となる。
図7は上記従来のコンデンサーマイクロホンユニットの周波数応答すなわち周波数に対する出力のレベルの実測値を示す。図7(a)は実測時のイメージを示しており、スピーカから周波数を変えながら一定の音圧の音波を発生させ、これを所定距離離れた位置に設置したコンデンサーマイクロホンで受けて電気信号に変換し、その出力レベルを測定した。測定した結果を図7(b)に示す。図7(b)において、「0°」の曲線は、図7(a)に示すようにマイクロホンをスピーカに正対させて測定して得られた曲線、「90°」の曲線はマイクロホンを図7(a)において紙面と平行な面内で90°回転させ測定して得られた曲線、「180°」の曲線は、マイクロホンを図7(a)において180°回転させて測定して得られた曲線をそれぞれ示す。180°で使用することは考えられないが、参考までに測定してその結果を示している。図7(b)に示すとおり、また、これを後述の本願発明の実施例にかかるコンデンサーマイクロホンの実測値と比較すれば明らかなとおり、低周波数帯での出力レベルが低下傾向にある。
前述のとおり、音響系を含む制御系では、主に1kHz以下の比較的低い周波数帯で用いられるが、上記従来のコンデンサーマイクロホンユニットによれば、1kHz以下の低い周波数帯での出力レベルが低下傾向にあるため、音響系を含む制御系のセンサとして好ましいものではない。よって、前述のように、高い周波数の信号レベルをフィルタで電気的に低下させる必要がある。
音響系を含む制御系に無指向性コンデンサーマイクロホンを用いた例が、特許文献1および特許文献2に記載されている。特許文献1記載のものはバイオリン類から音をピックアップするために無指向性コンデンサーマイクロホンを用いたものである。特許文献2記載のものは、車両のガラス破損時に生ずる急激な負圧を検出する圧力センサとして無指向性コンデンサーマイクロホンを使用したものである。これらの特許文献は、無指向性コンデンサーマイクロホンの使用例として挙げたもので、本願発明の技術内容とは無関係である。
本発明と技術的に関連のある先行技術として、特許文献3および特許文献4記載の発明がある。特許文献3記載の発明は、コンデンサーマイクロホンユニットを、対向状態に設けた一対の音波入り口を備えたケーシング内に収納し、上記一対の音波入り口に対応する外部連通路の一方にこの連通路を開閉するスイッチを設け、このスイッチの開閉操作によって、指向性と無指向性とを選択的に可変とした携帯電話用マイクロホンに関するものである。
特許文献4記載の発明は、振動板と対向する対向電極(バックプレート)の背部と外部とを連通する通路を形成し、この通路に、例えばボルトをねじ込んで、このボルトのねじ込み量を変えることによって上記通路の音響インピーダンスを変えるといった調整機構を設けてなるエレクトレットコンデンサーマイクロホンユニットに関するものである。
特開2007−310042号公報 特開2005−128620号公報 特開平10−290491号公報 特開平6−339182号公報
特許文献3記載の発明は、騒音の多い場所でより明瞭な通話を可能とするとともに公共の場所で小声での通話を可能にするために、マイクロホンユニットを、指向性のあるものと、指向性を持たないものとに切り替えることを可能にしたものであって、本願発明のように、音響系を含む制御系に用いるのに適したコンデンサーマイクロホンユニットを得るというものではない。
特許文献4記載の発明は、無指向性のエレクトレットコンデンサーマイクロホンユニットにおいて、個々のマイクロホンユニットにおける音響インピーダンス特性のばらつきを所定の特性に容易に調整できるようにするために、対向電極の背部と外部とを連通する通路の音響インピーダンスを調整する機構を設けたものであって、本願発明のように、音響系を含む制御系に用いるのに適したコンデンサーマイクロホンユニットを得るというものではない。
本発明は、音響系を含む制御系に用いるのに適したコンデンサーマイクロホンユニットを得るために、例えば、1kHz以下というような比較的低い周波数帯で用いるのに適し、高い周波数帯域の信号レベルをフィルタによって減衰させる必要のないコンデンサーマイクロホンユニットおよびこれを用いたコンデンサーマイクロホンを提供することを目的とする。
本発明はまた、感度および周波数応答を変えることができるコンデンサーマイクロホンユニットおよびこれを用いたコンデンサーマイクロホンを提供することを目的とする。
本発明は、音波を受けて振動する振動板と、振動板と対向させて配置され上記振動板とともにコンデンサーを構成する対向電極と、ハウジング内に上記振動板と対向電極を保持する絶縁ホルダと、上記対向電極の背面側に形成されている前側空気室と、上記絶縁ホルダの背面側に形成されている後ろ側空気室と、上記絶縁ホルダに形成されていて前側空気室と後ろ側空気室を連通する音響端子と、上記音響端子に付加された音響抵抗部材と、を備えていることを最も主要な特徴とする。
コンデンサーマイクロホンユニットにおいて、対向電極の背面側に空気室を形成することは普通に行われているが、本発明は、これに加えて上記空気室の後ろ側に別の空気室を形成し、絶縁ホルダに形成した音響端子を介して前側の空気室と連通させている。つまり、対向電極の背面側に音響端子を介して連通した複数の空気室が形成されていることになる。後ろ側空気室を付加することによって、対向電極の背面側の空気室が実質的に拡大され、例えば、1kHz以下というような比較的低い周波数帯の周波数応答が向上し、音響系を含む制御系用として望ましい特性のコンデンサーマイクロホンユニットを得ることができる。それのみでなく、本願発明によれば、絶縁ホルダの音響端子に付加されている音響抵抗を適宜の値のものに変更可能であり、これによって周波数応答特性を変えることができる。また、後ろ側空気室の容量を可変とすることにより、周波数応答特性を調整することもできる。
以下、本発明にかかるコンデンサーマイクロホンユニットおよびコンデンサーマイクロホンの実施例を、図面を参照しながら説明する。
図1において、円筒形状のユニットケース1は前端(図1において左端)に内向きのフランジ11を有する。ユニットケース1内には、その前端側から順に、振動板ホルダ2、振動板3、スペーサ(図示を省略)、対向電極4、絶縁ホルダ5、固定板7が嵌められている。振動板3は例えば樹脂製の薄膜からなり、音波を受けることによって振動する。振動板ホルダ2はリング状の部材で、このホルダ2の後面に、振動板3が適宜の張力をもってその周縁部が固着されている。振動板3と対向電極4の間には上記スペーサが介在してこのスペーサの厚さ分の空間が生じている。スペーサは、薄い膜状の絶縁体を、振動板ホルダ2の寸法にほぼ合わせて打ち抜くなどの加工法によってリング状に形成されている。スペーサは薄いため、図面上では明確な描写はされていない。振動板3または対向電極4はこれらの対向面にエレクトレット素子すなわち半永久的に電荷を蓄えた高分子化合物による薄層が形成され、振動板3と対向電極4とでコンデンサーを構成している。
絶縁ホルダ5はその背面中央から後方に伸びた筒部52を一体に有している。固定板7は、絶縁ホルダ5の上記筒部52に嵌まって絶縁ホルダ5と一体的に結合されている。固定板7は、絶縁ホルダ5の上記筒部52を前方に押し、絶縁ホルダ5は対向電極4、上記スペーサ、振動板3、振動板リング2を順に前方に押し、振動板リング2をユニットケース1の内向きフランジ11に押し付けている。この状態で固定板7がユニットホルダ1の後端開口部内周に嵌められて固定され、各構成部材が上記の順にユニットケース1内に位置決めされて固定されている。絶縁ホルダ5の筒部52には円柱状の引き出し電極6が挿入され、引き出し電極6の前端が対向電極4に当接して対向電極4と電気的に一体につながり、振動板3と対向電極4とで構成される上記コンデンサーの一方の端子を構成している。振動板3は、振動板ホルダ2を介してユニットホルダ1と電気的につながっていて、ユニットホルダ1は上記コンデンサーの他方の端子を構成している。
上記対向電極4には適宜数の孔が形成されていて、これらの孔は音響端子41を構成している。この音響端子41は、振動板3と対向電極4との間に形成されている隙間と、対向電極4と絶縁ホルダ5の前面との間に形成されている空気室81とを連通させている。対向電極4の背面側には、上記空気室81のほかに空気室82が形成されていて、この実施例の一つの特徴的な構成になっている。以下、上記空気室81を「前側空気室」、空気室82を「後ろ側空気室」という。
前側空気室81は、絶縁ホルダ5の前面側に凹陥部が形成されることにより形成されている。対向電極4には複数の孔からなる音響端子41が形成されていて、上記前側空気室81は、上記音響端子41を通じて、振動板3と振動板ホルダ2との間に形成されている隙間と連通している。上記後ろ側空気室82は、絶縁ホルダ5の背面側に形成されている。絶縁ホルダ5には、前側空気室81と後ろ側空気室82を連通する複数の孔が形成されていて、これらの孔は音響端子51を構成している。絶縁ホルダ5の背面側には、上記各音響端子51を塞ぐ態様で音響抵抗部材9が添えられている。音響抵抗部材9は、マイクロホンユニットの製造過程において、またはメンテナンス時に、適宜の音響抵抗値を有するものに交換可能である。
前記固定板7はハウジング1の後端開口部内周に嵌められ、この固定板7には、前述のように、絶縁ホルダ5の筒部52が固定板7を貫通した態様で一体に嵌められている。後ろ側空気室82は、ハウジング1の内周面と絶縁ホルダ5と固定板7により区画されて形成されている。ハウジング1に対する固定板7の相対位置関係を調整可能にすることにより、後ろ側空気室82の容積ないしは容量を調整し、後述の周波数応答特性を調整することができるようになっている。固定板7は例えばプリント配線基板で構成してもよいし、固定板7にプリント配線基板を固着してもよい。プリント配線基板には、図示されないFETなどを含むインピーダンス変換回路などを組み込むことができる。上記インピーダンス変換回路は、振動板3と対向電極4とで構成されるコンデンサーで電気音響変換された音声信号の出力インピーダンスを低インピーダンスに変換して出力する。
以上説明したコンデンサーマイクロホンユニットの実施例によれば、低い周波数帯域においては、対向電極3の背部に直列的に複数の空気室81,82を設け、音響回路の構成を、上記複数の空気室81,82が音響抵抗9を介して直列的に接続された構成にしたため、低い周波数帯域では複数の空気室81,82の容積を合わせた容積で作動することから、低い周波数帯域での感度を向上させることができる。高い周波数帯域に対しては、振動板3に近い側の空気室81だけで動作するため、高い周波数帯域の感度は相対的に低くなる。
図2は上記実施例の等価回路を示す。図2において、Pは振動板3に加わる音圧を、sは振動板3のスティフネスを、mは振動板3の質量を、rは振動板3と対向電極4との間に形成されている狭い隙間の抵抗を、sは対向電極4と絶縁ホルダ5の前面との間に形成されている空気室81のスティフネスを、rは音響抵抗9の抵抗値を、sは後ろ側空気室82のスティフネスをそれぞれ示している。図2を、図6に示す従来例の等価回路と比較すれば明らかなように、rとsからなる直列回路がsに対し並列的に接続された回路構成になっている。つまり、等価回路においても、前側空気室81が音響抵抗を介して後ろ側空気室82と並列的に付加された形になっている。
図2に示す等価回路において、高域の周波数の音波については、破線の矢印Aで示すように、空気室81のスティフネスsのみが動作するが、高域の周波数の音波については、破線の矢印Cで示す空気室81のスティフネスsと破線の矢印Bで示す空気室82のスティフネスsの両者が動作するため、前述のとおり、低い周波数帯域での感度が向上し、高い周波数帯域の感度は相対的に低くなる。図3は、コンデンサーマイクロホンユニットの周波数応答すなわち周波数に対する出力のレベルの実測値を、本発明の上記実施例の場合と前記従来例の場合とを比較して示す。曲線Xが本発明の上記実施例の場合、曲線YとZが従来例の場合で、曲線Yは0°すなわちマイクロホンを測定用スピーカに正対させた場合、曲線Zはマイクロホンを90°回転させた場合の測定値を示す。
図4は、コンデンサーマイクロホンユニットの周波数応答を無指向性成分のみについて実測した結果を、本発明の上記実施例の場合と前記従来例の場合とを比較して示す。曲線Xが本発明の上記実施例の場合、曲線Zが従来例の場合である。測定用スピーカに対しマイクロホンを90°回転させた態様で測定した。後ろ側空気室82を付加したことによって、5kHz付近から1kHz付近まで音波の周波数が低下するに従い、6dB/oct程度の割合で感度が向上し、500Hz以下ではほぼフラットになっている。図3および図4に示す曲線から明らかなように、本発明の上記実施例によれば、低い周波数帯域での感度が向上していることが明らかであり、音響系を含む制御系の音波センサとして好適であることが分かる。
なお、図3、図4、図7に示す曲線は、いずれも直径10mmの単一指向性マイクロホンユニットを用いた実測値である。固有雑音はマイクロホンユニットの音響抵抗が発生する抵抗雑音とインピーダンス変換器を構成するFETが発生する雑音であり、前側空気室81に後ろ側空気室82を追加しただけでは固有雑音のレベルは変化しない。このことから、低域周波数帯においては、感度が向上した分S/N比が改善されたことになる。また、低域周波数帯において感度が向上することにより、相対的に高域周波数帯の周波数応答が低くなることから、電気回路によるフィルタ回路が不要になる利点がある。
図示の実施例では、対向電極4の背後の空気室が、前側空気室81と後ろ側空気室82の二つの空気室からなっているが、対向電極4の背後の空気室は複数であればよく、三つでも、四つでも、それ以上でもよい。これらの空気室は、音響抵抗を介して相互に連通する。前記音響抵抗部材9は、マイクロホンユニットの製造工程またはメンテナンス時に適宜の音響抵抗値のものに交換することにより、周波数応答特性を調整することができる。
本発明にかかるコンデンサーマイクロホンは、図1に示すコンデンサーマイクロホンユニットをマイクロホンケースに組み込み、さらに、回路基板、マイクロホンコネクタなどを組み込むことによって得ることができる。
本発明にかかるコンデンサーマイクロホンユニットの実施例を示す縦断面図である。 上記実施例の音響等価回路図である。 マイクロホンユニットの周波数応答について示すもので、(a)は周波数応答の測定態様を示すモデル図、(b)は上記実施例にかかるマイクロホンユニットと従来のマイクロホンユニットの周波数応答特性を比較して示す特性線図である。 マイクロホンユニットの無指向性成分の周波数応答について示すもので、(a)は測定態様を示すモデル図、(b)は上記実施例にかかるマイクロホンユニットと従来のマイクロホンユニットの周波数応答特性を比較して示す特性線図である。 従来のコンデンサーマイクロホンユニットの例を示す縦断面図である。 上記従来例の音響等価回路図である。 従来のコンデンサーマイクロホンユニットの周波数応答について示すもので、(a)は周波数応答の測定態様を示すモデル図、(b)は周波数応答特性を示す特性線図である。
符号の説明
1 ユニットケース
2 振動板ホルダ
3 振動板
4 対向電極
5 絶縁ホルダ
6 引き出し電極
7 固定板
8 空気室
9 音響抵抗部材
41 音響端子
51 音響端子
81 前側空気室
82 後ろ側空気室

Claims (11)

  1. 音波を受けて振動する振動板と、
    上記振動板と対向させて配置され上記振動板とともにコンデンサーを構成する対向電極と、
    ハウジング内に上記振動板と対向電極を保持する絶縁ホルダと、
    上記対向電極の背面側に形成されている前側空気室と、
    上記絶縁ホルダの背面側に形成されている後ろ側空気室と、
    上記絶縁ホルダに形成されていて前側空気室と後ろ側空気室を連通する音響端子と、
    上記音響端子に付加された音響抵抗部材と、を備えているコンデンサーマイクロホンユニット。
  2. 前側空気室は、絶縁ホルダの前面側に凹陥部が形成されることにより形成されている請求項1記載のコンデンサーマイクロホンユニット。
  3. 前側空気室は、対向電極に形成されている音響端子を通じて振動板と振動板ホルダとの間に形成されている隙間と連通している請求項1記載のコンデンサーマイクロホンユニット。
  4. ハウジングの前端部には内向きのフランジが形成されていて、絶縁ホルダは上記フランジに向かって対向電極を押している請求項1記載のコンデンサーマイクロホンユニット。
  5. ハウジングの後端開口部には固定板が嵌められ、この固定板には絶縁ホルダが一体に嵌められている請求項1記載のコンデンサーマイクロホンユニット。
  6. ハウジングの内周面と絶縁ホルダと固定板によって後ろ側空気室が形成されている請求項5記載のコンデンサーマイクロホンユニット。
  7. 音響抵抗部材は、音響抵抗値が異なるものに交換可能である請求項1記載のコンデンサーマイクロホンユニット。
  8. 後ろ側空気室は一つの空気室からなる請求項1記載のコンデンサーマイクロホンユニット。
  9. 後ろ側空気室は複数の空気室からなり、各後ろ側空気室は音響端子を介して連通している請求項1記載のコンデンサーマイクロホンユニット。
  10. 固定板はハウジングに対して位置調整可能であり、位置調整によって後ろ側空気室の容量を調整可能である請求項5記載のコンデンサーマイクロホンユニット。
  11. マイクロホンケース内にコンデンサーマイクロホンユニットが組み込まれてなるコンデンサーマイクロホンであって、上記コンデンサーマイクロホンユニットは請求項1乃至10のいずれかに記載されているコンデンサーマイクロホンユニットであるコンデンサーマイクロホン。
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