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JP2009235237A - 生分解性発泡粒子成形体及びその製造方法 - Google Patents

生分解性発泡粒子成形体及びその製造方法 Download PDF

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登志夫 宮川
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
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Abstract

【課題】 容易に崩壊し、優れた緩衝性能を有する生分解性の発泡成形体およびその製造方法を提供すること。また、該発泡成形体をフラワーアレンジメント用台座として使用できるような物性を有するように調整すること。
【解決手段】 式(1)
[−O−CHR−CH−CO−] (1)
(ここでRはC2n+1で表されるアルキル基で、nは1〜15の整数)
で示される一種以上の単位からなる重合体(以下、ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート):略称はP3HA)を基材樹脂とするPHA系発泡粒子を融着してなる発泡成形体からなり、該発泡体の10%圧縮応力が0.04〜0.14MPaであり、圧縮弾性率が0.48〜1.2MPaであり、任意の直交する方向で測定した10%圧縮応力の比が0.95〜1.05であり、且つ任意の直交する方向で測定した圧縮弾性率の比が0.95〜1.05であることを特徴とするPHA系発泡粒子成形体を用いること。
【選択図】 なし

Description

本発明は、容易に崩壊し、優れた緩衝性能を有するPHA系発泡粒子成形体およびその製造方法に関する。
近年、軽量性、緩衝性、断熱性、成形性等の点に特徴を有する樹脂発泡体は機能性、取り扱い性等が良く、主に包装容器、緩衝材等に多く用いられている。一方、樹脂は分解しないか分解しても長い年月が必要であり、これらが自然界に放置された場合、自然環境汚染に繋がる可能性を有し、社会問題となっている。このために自然環境中で微生物により分解処理される生分解性樹脂が研究され、これまでにポリ乳酸やポリブチレンサクシネート等の脂肪族ポリエステル発泡体や、澱粉発泡体等が商品化されている。
その中でも、植物由来の原料を用いた生分解性樹脂は、石油資源を使用せず、且つ、植物の成長に伴い二酸化炭素の吸収や固定化ができるため、地球温暖化防止策の手段の一つとして期待されている。
その植物由来の生分解性樹脂としては、(1)ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)(略称:P3HA)に代表される微生物産生系脂肪族ポリエステル、(2)とうもろこし等の植物から得られる乳酸の重合により得られるポリ乳酸等の半合成ポリマーが挙げられる。特に、(1)の中でもポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)は好気性、嫌気性何れの環境下でも分解性に優れ、通常の使用条件下での耐水性、耐水蒸気透過性、耐熱性に優れる。又、P3HAの中でもポリ(3−ヒドロキシブチレート)―コ─(3−ヒドロキシヘキサノエート)(以下、PHBHともいう)の場合、構成するモノマーの組成比を制御することで、融点、耐熱性、柔軟性といった物性を変化させることが可能であり、比較的軟質系の素材を得ることができ、植物由来の軟質系素材として、その発泡製品開発が強く望まれている。適用用途としては、例えば、弁当箱、食器、コンビニエンスストアで販売される弁当や惣菜の容器、カップラーメンのカップ、保冷箱、植木鉢、テープやステレオ等家庭電化製品の輸送時に使用するための緩衝材、コンピューター・プリンター・時計等の精密機械輸送時に使用するための緩衝材、ガラス・陶磁器等の窯業製品の輸送時に使用するための緩衝材、カメラ・眼鏡・望遠鏡・顕微鏡等の光学機械の輸送時に使用するための緩衝材、自動車バンパーやラゲージボックス等の自動車用内装部材、その他、遮光材、断熱材、防音材、医療用途、衛生用途、農業・漁業・林業・工業・建築土木・運輸交通を包含する一般産業用用途及びレジャー、スポーツを包含するレクリエーション用途等に使用可能である。
本発明者らは、PHBHの発泡粒子及びその成形体について検討してきており、例えば、架橋剤としてイソシアネート化合物を用いる事で、成形性、耐熱性良好な発泡粒子及び、軟質系発泡粒子成形体を得ることができた(特許文献1)。
また、一般に発泡成形体の緩衝性(圧縮応力)は発泡倍率に依存しており、発泡倍率が高いほど圧縮応力が小さい。本発明者らはPHBH樹脂を用い、30倍程度の高発泡化した比較的低い圧縮応力を有する発泡粒子成形体を得ることができた(特許文献1)。しかし、更に低い圧縮応力が要求される用途への展開は難しい状況にあった。そのような用途の例としてフラワーアレンジメント用の台座がある。現在、主に台座に用いられる発泡体として、フェノール樹脂発泡体があるが、フェノール樹脂発泡体は熱硬化性樹脂であるため再生(リサイクル)使用ができず、また、廃棄された際、環境ホルモンの疑いがあるビスフェノールを発生するおそれがあった。特に、このようなフェノール発泡体製の使い捨て製品は、近年問題となっている環境保護の観点から望ましくない。
生分解性を有する樹脂発泡体の例示は幾つかあるが、発泡倍率が低い事や適正圧縮応力を満足しない等実用に適するものはなく、そのような技術が期待されている。
特願2005−116275号公報
容易に崩壊し、優れた緩衝性能を有する生分解性の発泡成形体およびその製造方法を提供すること。また、該発泡成形体をフラワーアレンジメント用台座として使用できるような物性を有するように調整すること。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリヒドロキシアルカノエート(略称:PHA)系樹脂を基材樹脂とするPHA系発泡粒子を融着してなる高倍率発泡体を作製してから加水分解処理をすれば、圧縮応力をコントロールできることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第一は、
式(1)
[−O−CHR−CH−CO−] (1)
(ここでRはC2n+1で表されるアルキル基で、nは1〜15の整数)
で示される一種以上の単位からなる重合体(以下、ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート):略称はP3HA)を基材樹脂とするPHA系発泡粒子を融着してなる発泡成形体からなり、該発泡成形体の10%圧縮応力が0.04〜0.14MPaであり、圧縮弾性率が0.48〜1.2MPaであり、任意の直交する方向で測定した10%圧縮応力の比が0.95〜1.05であり、且つ任意の直交する方向で測定した圧縮弾性率の比が0.95〜1.05であることを特徴とするPHA系発泡粒子成形体に関する。本発明の第二は、PHA系樹脂を基材樹脂とするPHA系発泡粒子を融着してなる発泡体を加水分解処理して脆化させることを特徴とするPHA系発泡粒子成形体の製造方法に関する。好ましい実施態様は、加水分解処理して脆化させた後、さらに加圧処理して独立気泡を脆性破壊させることを特徴とする上記記載のPHA系発泡粒子成形体の製造方法に関する。本発明の第三は、上記記載のPHA系発泡粒子成形体からなるフラワーアレンジメント用台座に関する。
容易に崩壊し、優れた緩衝性能を有する生分解性の発泡成形体およびその製造方法を提供することができる。また、該発泡成形体をフラワーアレンジメント用台座として使用することができる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明のPHA系発泡粒子成形体は、一旦高倍率のPHA系発泡粒子成形体を作製してから、加水分解処理をすることで、該発泡体の10%圧縮応力が0.04〜0.14MPaであり、圧縮弾性率が0.48〜1.2MPaであり、任意の直交する方向で測定した10%圧縮応力の比が0.95〜1.05であり、且つ任意の直交する方向で測定した圧縮弾性率の比が0.95〜1.05に調整することが好ましい。
本発明のPHA系発泡粒子成形体は、PHAを主たる成分とする基材樹脂に、必要に応じて架橋剤やその他添加剤を溶融混練した後、カッティングして得られるPHA系樹脂粒子に、分散剤と発泡剤を混合して発泡粒子を得、該発泡粒子を金型に充填し、成形加工することで得られる。さらに所望の圧縮応力や圧縮弾性率になるよう加水分解処理を行う。
該樹脂粒子には、本発明の効果を阻害しない程度であれば、溶融混練時に、上記物質以外に添加剤として、たとえば、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、結晶化核剤、無機充填剤、気泡調整剤などを添加できる。
前記PHA系樹脂粒子の機材樹脂の主たる成分であるPHAは、所望の物性が得られる限り特に限定はないが、
式(1)
[−O−CHR−CH−CO−] (1)
(ここでRはC2n+1で表されるアルキル基で、nは1〜15の整数)
で示される一種以上の単位からなる重合体(以下、ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート):以下、P3HAともいう)が好ましく、環境への負荷の観点から微生物から生産される脂肪族ポリエステルであることがより好ましい。P3HAとしては、前記3−ヒドロキシアルカノエートのホモポリマー、またはnの異なる2種以上の3−ヒドロキシアルカノエートの組み合わせからなる共重合体、前記ホモポリマー及び共重合体の群から選ばれる2種以上をブレンドした混合物が挙げられ、中でもn=1の3−ヒドロキシブチレート単位、n=2の3−ヒドロキシバリレート単位、n=3の3−ヒドロキシヘキサノエート単位、n=5の3−ヒドロキシオクタノエート単位、n=15の3−ヒドロキシオクタデカノエート単位からなる群より構成されるホモポリマー、共重合体及び混合物が好ましく、n=1の3−ヒドロキシブチレート単位とn=3の3−ヒドロキシヘキサノエート単位の共重合体であるポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)(以下、PHBHともいう)がより好ましく、さらにその組成比が、3−ヒドロキシブチレート/3−ヒドロキシヘキサノエート=99/1〜80/20(mol/mol)であることが更に好ましい。3−ヒドロキシブチレート/3−ヒドロキシヘキサノエート組成比が99/1より大きいと、ホモポリマーであるポリヒドロキシブチレートと融点に差がなく、高温で加熱加工する必要があり、加熱加工時の熱分解による分子量低下が激しく品質の制御が困難となり、発泡倍率が上げられない場合がある。また3−ヒドロキシブチレート/3−ヒドロキシヘキサノエート組成比が80/20より小さいと、加熱加工時の再結晶化に時間がかかるため生産性が悪くなる場合がある。P3HAの含有量は、基材樹脂全体中70〜80重量%が好ましい。
PHA系樹脂以外の樹脂と混合あるいは共重合させても良い。その中でも生分解性を有するものが好ましく、例えば、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリブチレンサクシネート・カーボネート等の多価アルコールと多価カルボン酸またはその酸無水物とを重縮合して得られるポリエステル、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、エナントラクトンや4−メチルカプロラクトン、2,2,4−トリメチルカプロラクトン、3,3,5−トリメチルカプロラクトンなどの各種ラクトンの単独重合体、又は共重合体、ポリ乳酸、ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)(略称:P3HA)等が挙げられる。
本発明の架橋剤としては、発泡成形しやすい溶融特性に適宜調整可能であれば特に限定されるものではないが、反応性の点では、イソシアネート化合物が好ましい。
本発明におけるイソシアネート化合物は、例えば、1分子中にイソシアネート基を2個以上有するものが挙げられ、種類としては芳香族、脂環族、脂肪族系のイソシアネート等がある。芳香族イソシアネートとしては、トリレン、ジフェニルメタン、ナフチレン、トリジン、キシレン、トリフェニルメタンを骨格とするイソシアネート化合物、脂環族イソシアネートとしてはイソホロン、水素化ジフェニルメタンを骨格とするイソシアネート化合物、脂肪族イソシアネートとしてはヘキサメチレン、リジンを骨格とするイソシアネート化合物等が例示できる。更に、これらイソシアネート化合物を2種類以上組み合わせたものも使用可能であるが、汎用性、取扱い性、耐候性等からトリレン、ジフェニルメタンの使用が好ましく、ジフェニルメタンのポリイソシアネートの使用がより好ましい。イソシアネート化合物の含有量は、PHAを主たる成分とする基材樹脂100重量部に対して1.5〜5.5重量部が好ましい。
本発明の着色剤としては、例えば、黒、灰色、茶色、青色、緑色等の着色顔料又は染料が挙げられ、各々に有機系、無機系のものがある。このような、顔料及び染料としては、従来公知の各種のものを用いることができ、それらの群より選ばれる少なくとも1種を用い得る。
本発明の酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系、ホスファイト系、硫黄系、リン系酸化防止剤などが挙げられ、それらの群より選ばれる少なくとも1種を用い得る。
本発明の紫外線吸収剤としては、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート等のサリチル酸誘導体、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、酸化亜鉛系紫外線安定剤、ヒンダードアミン類などが挙げられ、それらの群より選ばれる少なくとも1種を用い得る。
本発明の可塑剤としては、PHAを主たる成分とする基材樹脂との相溶性との観点から、グリセリン誘導体、エーテルエステル誘導体、グリコール酸誘導体、クエン酸誘導体、アジピン酸誘導体、ロジン誘導体、テトラヒドロフルフリルアルコール誘導体などが挙げられ、それらの群より選ばれる少なくとも1種を用い得る。
本発明の滑剤としては、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムやステアリン酸バリウム等の脂肪酸金属塩、流動パラフィン、オレフィン系ワックス、ステアリルアミド系化合物などが挙げられ、それらの群より選ばれる少なくとも1種を用い得る。
本発明の結晶化核剤としては、PHAを主たる成分とする基材樹脂に対し結晶化促進効果が得られるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、PHB、アミド系化合物等の有機物、タルク等の無機物などが挙げられ、PHAを主たる成分とする基材樹脂との相溶性、結晶化促進効果及び生分解性の点から、PHBが好ましい。又、結晶化促進効果を最大限得るためには、結晶化核剤の粒径が微小であることが、より好ましい。
本発明の無機充填剤としては、シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレー、マイカ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化珪素等の無機化合物などが挙げられ、それらの群より選ばれる少なくとも1種を用い得る。
本発明の気泡調整剤としては、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、珪藻土、クレー、重曹、アルミナ、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、ベントナイトなどの無機造核剤が挙げられ、それらの群より選ばれる少なくとも1種を用い得る。気泡調整剤の使用量は、PHAを主たる成分とする基材樹脂粒子100重量部に対して通常0.005〜2重量部である。
本発明のPHA系発泡粒子成形体は、特に限定はないが、例えば以下のようにして製造できる。
(PHA系樹脂粒子の作製)
本発明において、PHA系発泡粒子を好ましく製造するには、まずPHA系樹脂粒子を作製する。このPHA系樹脂粒子は従来公知の方法で作ることができる。例えば、基材樹脂であるP3HA、イソシアネート化合物、さらには必要に応じて染料、顔料などの着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、結晶化核剤、無機充填剤、気泡調整剤などの添加剤を押出機、ニーダ−、バンバリーミキサー、ロールなどを用いて加熱溶融混錬し、次いで本発明の発泡に利用しやすい粒子形状、例えば円柱状、楕円柱状、球状、立方体状、直方体状などに成形することにより得られる。樹脂粒子1個当たりの重量は0.1〜30mgが好ましく、0.5〜20mgがより好ましい。0.1mg未満では樹脂粒子自体の製造が困難な場合がある。また、30mgより大きくなると、発泡粒子が大きくなり、それを用いて成形する際、発泡粒子の充填性が悪くなり、得られる成形体の外観及び物性を悪化する場合がある。
(PHA系発泡粒子製造工程)
本発明で用いるPHA系発泡粒子を製造する方法としては、従来公知の方法が採用できる。上記で得られた樹脂粒子を、分散剤とともに密閉容器内で水系分散媒に分散後、発泡剤を密閉容器内に導入し、該樹脂粒子の軟化温度以上に加熱し、必要であれば発泡させる温度付近で一定の時間保持した後、密閉容器の一端を解放し、前記樹脂粒子と水系分散媒とを密閉容器の圧力よりも低圧の雰囲気下に放出して発泡粒子が得られる。
前記分散剤としては、第3リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、カオリン、塩基性炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、塩基性炭酸亜鉛等の無機物と、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、α−オレフィンスルホン酸ソーダ、ノルマルパラフィンスルフォン酸ソーダ等のアニオン界面活性剤とを組み合わせて使用される。無機物の使用量は、樹脂組成物100重量部に対して0.1〜3.0重量部が好ましく、アニオン界面活性剤の使用量は、樹脂粒子100重量部に対し0.001〜0.2重量部が好ましい。また、分散媒としては経済性及び取り扱い性の観点から通常は水が好ましいが、水系であればこれに限られたものではない。
前記の発泡剤としては、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタン等の炭素数3〜5の飽和炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、及びメチルエチルエーテル等のエーテル、モノクロルメタン、ジクロロメタン、ジクロロジフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素、二酸化炭素、窒素、空気などの無機ガス、水等が挙げられるが、これらを少なくとも1種使用すればよい。環境適合性を考えるとハロゲン化炭化水素以外の発泡剤が好ましい。発泡剤の添加量は、目的の予備発泡粒子の発泡倍率、発泡剤の種類、樹脂の種類、樹脂粒子と分散媒の比率、容器の空間容積、含浸または発泡温度などによって異なるが、樹脂粒子100重量部に対し、通常2〜10000重量部の範囲である。
なお、上記方法で得られた発泡粒子は、必要であれば加圧空気で加圧熟成し、発泡粒子に発泡能を付与しうる事が可能である。
(PHA系発泡粒子成形体の製造工程)
本工程では、上記で得られたPHA系発泡粒子を型内成形することでPHA系発泡粒子成形体を得る。上記方法で得られた発泡粒子を加圧熟成後、金型に充填し、次いで、金型内に水蒸気を導入することにより、発泡粒子同士を加熱融着させ、PHA系発泡粒子成形体が得られる。成形は通常発泡スチロールの成形に用いられる成形機やポリオレフィン系発泡粒子の成形に用いられる成形機を用いることができる。
(湿熱処理)
このようにして得られたPHA系樹脂発泡粒子成形体を適切な温度、適切な相対湿度で適切な時間処理することによって、所望の圧縮応力のPHA系樹脂発泡粒子成形体を得ることができる。
本発明のPHA系樹脂発泡粒子成形体は、例えばフラワーアレンジメント用台座に用いることができる。フラワーアレンジメント用台座は切花植物等を用いた生花、西洋フラワーアレンジメント、近代フラワーアート、冠婚葬祭の装飾用生花等において使用される植物の支持及び延命化のために好適に用いられる。また、本発明のフラワーアレンジメント用台座は、微生物により分解されることにより、生花等の植物と共に土中に廃棄して処分することができる。また、生花等の植物と分別することなくコンポスト化が可能である。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。また、実施例において「部」は重量基準である。
なお、本発明で使用した物質は以下の様に略した。
P3HA:ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)
PHBH:ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)
PHB:ポリ(3−ヒドロキシブチレート)
HH率:PHBH中のヒドロキシヘキサノエートのモル分率(mol%)
<P3HA系樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)及び結晶融解温度(Tm)>
示差走査熱量測定は、実施例及び比較例にある樹脂粒子約5mgを精秤し、示差走査熱量計(セイコー電子工業(株)製、SSC5200)にて10℃/分の昇温速度で0℃から200℃まで昇温を実施し、DSC曲線より、ガラス転移温度(Tg)及び結晶融解温度(Tm)を得た。
<P3HA系樹脂粒子の重量平均分子量測定法>
GPC測定により、実施例及び比較例にある樹脂組成物のポリスチレン換算Mwを求めた。GPC装置はCCP&8020システム(東ソー製)のものを使用し、カラムはGPCK−805L(昭和電工製)、カラム温度40℃とし、PHBH樹脂粒子A及び、PHBH樹脂発泡粒子B20mgをクロロホルム10mlに溶解したものを、200μl注入し、Mwを求めた。
<P3HA系樹脂発泡粒子及び成形体の発泡倍率測定法>
23℃のエタノールの入ったメスシリンダーを用意し、該メスシリンダーに相対湿度50%、23℃、1atmの条件にて7日間放置した500個以上のP3HA系樹脂発泡粒子(発泡粒子群の重量W(g))及び、適当な大きさに切り出したP3HA系樹脂発泡粒子成形体を金網などを使用して沈め、エタノール液面上昇分より読みとられる、発泡粒子群及び成形体の容積をV(cm)としたときに、樹脂密度ρ(g/cm)から次式で算出した。
発泡倍率=V/(W/ρ)
(実施例1)
3HH率7mol%のPHBH(Tm135℃、Mw70万、比重1.2g/ml)100重量部、及びポリイソシアネート化合物2重量部(日本ポリウレタン製、ミリオネートMR-200(イソシアネート基2.7〜2.8当量/モル))とをハンドブレンドした後、30mmφ二軸押出機(池貝製作所製、PCM30)でシリンダー温度150℃にて溶融混練し、押出機先端に取り付けられた3mmφの小孔ダイより押し出されたストランドを、ペレタイザーでカットして粒重量5mg、融点138℃のPHBH樹脂粒子を作製した。
該樹脂粒子100重量部を、4.5L耐圧容器に仕込んだ後、発泡剤としてイソブタン25重量部を添加、攪拌し、容器内温度が119℃となるまで昇温(発泡温度とする)後、容器内圧が2.5MPaの状態で1時間保持したのち、耐圧容器下部に設けた小孔ノズルを通して大気圧下に放出発泡し、発泡倍率が30倍のPHBH樹脂発泡粒子を得た。
該PHBH樹脂発泡粒子を300×400×20mmの金型に充填し、0.10〜0.32MPa(ゲージ)の水蒸気を金型に導入し、樹脂発泡粒子を加熱、融着させ、発泡倍率が30倍のPHBH樹脂発泡粒子成形体を得た。更にPHBH樹脂発泡粒子成形体を80℃/95%(温度/湿度)下、高温高湿機の中に約3〜5週間静置し加水分解処理する事で、脆化したPHBH樹脂発泡粒子成形体を得た。ここで得たPHBH樹脂発泡粒子成形体に切花の茎を挿すと、容易に茎を挿す事ができ、脆性が高い為茎の固定性にも優れていた。また、PHBH樹脂発泡粒子成形体の生分解性は良好であった。
(比較例1)
加水分解処理しない事以外は、実施例1と同様のPHBH樹脂発泡粒子成形体を得た。しかし、ここで得たPHBH樹脂発泡粒子成形体に切花の茎を挿すと、容易に茎を挿す事ができなかった。一方、PHBH樹脂発泡粒子成形体の生分解性は良好であった。

Claims (4)

  1. 式(1)
    [−O−CHR−CH−CO−] (1)
    (ここでRはC2n+1で表されるアルキル基で、nは1〜15の整数)
    で示される一種以上の単位からなる重合体(以下、ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート):略称はP3HA)を基材樹脂とするPHA系発泡粒子を融着してなる発泡成形体からなり、該発泡成形体の10%圧縮応力が0.04〜0.14MPaであり、圧縮弾性率が0.48〜1.2MPaであり、任意の直交する方向で測定した10%圧縮応力の比が0.95〜1.05であり、且つ任意の直交する方向で測定した圧縮弾性率の比が0.95〜1.05であることを特徴とするPHA系発泡粒子成形体。
  2. PHA系樹脂を基材樹脂とするPHA系発泡粒子を融着してなる発泡成形体を加水分解処理して脆化させることを特徴とするPHA系発泡粒子成形体の製造方法。
  3. 加水分解処理して脆化させた後、さらに加圧処理して独立気泡を脆性破壊させることを特徴とする請求項2に記載のPHA系発泡粒子成形体の製造方法。
  4. 請求項1に記載のPHA系発泡粒子成形体からなるフラワーアレンジメント用台座。
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