JP2009231676A - 熱処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】チャンバー内の滞留部を解消してパーティクルを確実に排出することができる熱処理装置を提供する。
【解決手段】熱処理装置1は、チャンバー6の上側にフラッシュランプFLを配置し、下側にハロゲンランプHLを配置している。上側チャンバー窓63とチャンバー6の内壁上端との間に形成された環状のスリット81の全周から熱処理空間65に窒素ガスを供給するとともに、下側チャンバー窓64とチャンバー6の内壁下端との間に形成された環状のスリット86の全周からチャンバー6内の気体を排気する。チャンバー6内の熱処理空間65の最上部から供給された窒素ガスが下方へ流れて最下部から排気されるような気流が形成されるため、熱処理空間65の全体に窒素ガスの気流が流れることとなり、チャンバー6内の滞留部が解消されてパーティクルが確実かつ速やかに排出される。
【選択図】図1
【解決手段】熱処理装置1は、チャンバー6の上側にフラッシュランプFLを配置し、下側にハロゲンランプHLを配置している。上側チャンバー窓63とチャンバー6の内壁上端との間に形成された環状のスリット81の全周から熱処理空間65に窒素ガスを供給するとともに、下側チャンバー窓64とチャンバー6の内壁下端との間に形成された環状のスリット86の全周からチャンバー6内の気体を排気する。チャンバー6内の熱処理空間65の最上部から供給された窒素ガスが下方へ流れて最下部から排気されるような気流が形成されるため、熱処理空間65の全体に窒素ガスの気流が流れることとなり、チャンバー6内の滞留部が解消されてパーティクルが確実かつ速やかに排出される。
【選択図】図1
Description
この発明は、半導体ウェハーやガラス基板等(以下、単に「基板」と称する)に対して光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置に関する。
従来より、イオン注入後の半導体ウェハーのイオン活性化工程においては、ハロゲンランプを使用したランプアニール装置が一般的に使用されていた。このようなランプアニール装置においては、半導体ウェハーを、例えば、1000℃ないし1100℃程度の温度に加熱(アニール)することにより、半導体ウェハーのイオン活性化を実行している。そして、このような熱処理装置においては、ハロゲンランプより照射される光のエネルギーを利用することにより、毎秒数百度程度の速度で基板を昇温する構成となっている。
一方、近年、半導体デバイスの高集積化が進展し、ゲート長が短くなるにつれて接合深さも浅くすることが望まれている。しかしながら、毎秒数百度程度の速度で半導体ウェハーを昇温する上記ランプアニール装置を使用して半導体ウェハーのイオン活性化を実行した場合においても、半導体ウェハーに打ち込まれたボロンやリン等のイオンが熱によって深く拡散するという現象が生ずることが判明した。このような現象が発生した場合においては、接合深さが要求よりも深くなり過ぎ、良好なデバイス形成に支障が生じることが懸念される。
このため、キセノンフラッシュランプ(以下、単に「フラッシュランプ」とするときにはキセノンフラッシュランプを意味する)を使用して半導体ウェハーの表面に閃光を照射することにより、イオンが注入された半導体ウェハーの表面のみを極めて短時間(数ミリセカンド以下)に昇温させる技術が提案されている。キセノンフラッシュランプの放射分光分布は紫外域から近赤外域であり、従来のハロゲンランプよりも波長が短く、シリコンの半導体ウェハーの基礎吸収帯とほぼ一致している。よって、キセノンフラッシュランプから半導体ウェハーに閃光を照射したときには、透過光が少なく半導体ウェハーを急速に昇温することが可能である。また、数ミリセカンド以下の極めて短時間の閃光照射であれば、半導体ウェハーの表面近傍のみを選択的に昇温できることも判明している。このため、キセノンフラッシュランプによる極短時間の昇温であれば、イオンを深く拡散させることなく、イオン活性化のみを実行することができるのである。
このようなキセノンフラッシュランプを使用した熱処理装置として、特許文献1,2には、半導体ウェハーの表面側にフラッシュランプ等のパルス発光ランプを配置し、裏面側にハロゲンランプ等の連続点灯ランプを配置し、それらの組み合わせによって所望の熱処理を行うものが開示されている。特許文献1,2に開示の熱処理装置においては、ハロゲンランプ等によって半導体ウェハーをある程度の温度まで昇温し、その後フラッシュランプからのパルス加熱によって所望の処理温度にまで昇温している。
しかしながら、特許文献1,2に開示の熱処理装置のように、半導体ウェハーの両面から光照射による加熱を行う構造においては、表面側と裏面側とのそれぞれに石英窓が設けられていて、半導体ウェハーの上下に空間が生じることとなり、この空間が滞留部となってチャンバ内のパーティクルが排出されにくくなる。チャンバー内に残留するパーティクルは半導体ウェハーに付着して処理不良の原因となる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、チャンバー内の滞留部を解消してパーティクルを確実に排出することができる熱処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板に対して光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置において、上下が開口された筒状の内壁面を有するチャンバーと、前記チャンバー内にて基板を水平姿勢に保持する保持手段と、前記チャンバーの上側に設けられ、前記保持手段に保持された基板に光を照射する第1光照射手段と、前記チャンバーの下側に設けられ、前記保持手段に保持された基板に光を照射する第2光照射手段と、前記チャンバーの上側開口を閉塞し、前記第1光照射手段から照射された光をチャンバー内に透過する第1チャンバー窓と、前記チャンバーの下側開口を閉塞し、前記第2光照射手段から照射された光をチャンバー内に透過する第2チャンバー窓と、前記第1チャンバー窓と前記チャンバーの内壁上端との間に環状に形成された隙間を介して前記チャンバー内に対する給排気を行う第1給排機構と、前記第2チャンバー窓と前記チャンバーの内壁下端との間に環状に形成された隙間を介して前記チャンバー内に対する給排気を行う第2給排機構と、を備えることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る熱処理装置において、前記第1給排機構は、前記第1チャンバー窓と前記チャンバーの内壁上端との間に環状に形成された隙間よりも流体抵抗の小さな第1緩衝空間を含み、前記第2給排機構は、前記第2チャンバー窓と前記チャンバーの内壁下端との間に環状に形成された隙間よりも流体抵抗の小さな第2緩衝空間を含むことを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る熱処理装置において、前記チャンバーに対して基板の搬入出を行う搬送開口部を介して前記チャンバー内の気体を排気する炉口排気機構をさらに備えることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかの発明に係る熱処理装置において、前記保持手段に対して基板の受け渡しを行う移載機構と、前記移載機構の駆動部周辺を介して前記チャンバー内の気体を排気する駆動部排気機構と、をさらに備えることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれかの発明に係る熱処理装置において、前記第1給排機構から前記チャンバー内に気体を供給するとともに、前記第2給排機構から前記チャンバー内の気体を排気することを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項1から請求項4のいずれかの発明に係る熱処理装置において、前記第2給排機構から前記チャンバー内に気体を供給するとともに、前記第1給排機構から前記チャンバー内の気体を排気することを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項3または請求項4の発明に係る熱処理装置において、前記第1給排機構および前記第2給排機構から前記チャンバー内に気体を供給することを特徴とする。
また、請求項8の発明は、請求項1から請求項7のいずれかの発明に係る熱処理装置において、前記第1光照射手段はフラッシュランプを備え、前記第2光照射手段はハロゲンランプを備えることを特徴とする。
本発明によれば、チャンバーの上側開口を閉塞する第1チャンバー窓とチャンバーの内壁上端との間に環状に形成された隙間を介してチャンバー内に対する給排気を行うとともに、チャンバーの下側開口を閉塞する第2チャンバー窓とチャンバーの内壁下端との間に環状に形成された隙間を介してチャンバー内に対する給排気を行うため、チャンバー内の全体に気流が形成され、チャンバー内の滞留部を解消してパーティクルを確実に排出することができる。
特に、請求項2の発明によれば、第1給排機構が第1チャンバー窓とチャンバーの内壁上端との間に環状に形成された隙間よりも流体抵抗の小さな第1緩衝空間を含み、第2給排機構が第2チャンバー窓とチャンバーの内壁下端との間に環状に形成された隙間よりも流体抵抗の小さな第2緩衝空間を含むため、環状の隙間の全周から均一な給排気を行うことができ、チャンバー内の滞留部をより確実に解消することができる。
特に、請求項3の発明によれば、チャンバーに対して基板の搬入出を行う搬送開口部を介してチャンバー内の気体を排気する炉口排気機構を備えるため、搬送開口部からチャンバー内に進入するパーティクルを排出することができる。
特に、請求項4の発明によれば、移載機構の駆動部周辺を介してチャンバー内の気体を排気する駆動部排気機構を備えるため、当該駆動部から発生したパーティクルをも排出することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る熱処理装置1の構成を示す側断面図である。本実施形態の熱処理装置1は基板としてφ300mmの円板形状の半導体ウェハーWに閃光(フラッシュ光)を照射してその半導体ウェハーWを加熱するフラッシュランプアニール装置である。
熱処理装置1は、半導体ウェハーWを収容するチャンバー6と、複数のフラッシュランプFLを内蔵するフラッシュ加熱部5と、複数のハロゲンランプHLを内蔵するハロゲン加熱部4と、シャッター機構2と、を備える。チャンバー6の上側にフラッシュ加熱部5が設けられるとともに、下側にハロゲン加熱部4が設けられている。また、熱処理装置1は、シャッター機構2、ハロゲン加熱部4、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6に設けられた各動作機構を制御して半導体ウェハーWの熱処理を実行させる制御部3を備える。
チャンバー6は、筒状のチャンバー側部61の上下に石英製のチャンバー窓を装着して構成されている。チャンバー側部61は上下が開口された概略筒形状を有しており、上側開口には上側チャンバー窓63が装着されて閉塞され、下側開口には下側チャンバー窓64が装着されて閉塞されている。また、チャンバー側部61の内壁面の一部には内側側壁62が装着されている。内側側壁62の内壁面は円筒形状である。すなわち、チャンバー6は上下が開口された円筒状の内壁面を有しており、上下の開口のそれぞれに上側チャンバー窓63および下側チャンバー窓64が装着されている。上側チャンバー窓63、下側チャンバー窓64およびチャンバー側部61によって囲まれる空間が熱処理空間65として規定される。
チャンバー6の天井部を構成する上側チャンバー窓63は、石英により形成された円板形状部材であり、フラッシュ加熱部5から出射された光を熱処理空間65に透過する石英窓として機能する。また、チャンバー6の床部を構成する下側チャンバー窓64も、石英により形成された円板形状部材であり、ハロゲン加熱部4からの光を熱処理空間65に透過する石英窓として機能する。
チャンバー側部61および内側側壁62は、強度と耐熱性に優れた金属材料(例えば、ステンレススチール)にて形成されている。チャンバー6の内壁のうち内側側壁62が装着されていない部分はチャンバー側部61が露出して凹部を形成する。半導体ウェハーWは、その凹部の高さ位置に保持される。また、内側側壁62の内壁面にはニッケルメッキが施されて反射率が高められている。
チャンバー側部61には、半導体ウェハーWの搬入および搬出を行うための搬送開口部(炉口)66が形設されている。搬送開口部66は、ゲートバルブ185によって開閉可能とされている。ゲートバルブ185が搬送開口部66を開放した状態にて半導体ウェハーWが搬送開口部66を介して装置内に搬入および搬出される。また、ゲートバルブ185が搬送開口部66を閉鎖するとチャンバー6内の熱処理空間65が密閉空間とされる。なお、搬送開口部66が形設される部位は上記凹部と同じ高さ位置であり、内側側壁62は装着されていない。
また、チャンバー6においては、熱処理空間65の上部から処理ガス(本実施形態では窒素ガス(N2))を供給するとともに、下部から排気を行うように構成されている。図2は、チャンバー6の上部端縁近傍を拡大した図である。チャンバー6の上部において、チャンバー側部61に装着された上側チャンバー窓63と内側側壁62とは密接しておらず、それらの間には隙間が形成されている。上側チャンバー窓63は円板状であり、内側側壁62は円環状であるため、上側チャンバー窓63と内側側壁62の上端面との間に形成される隙間も円環状のスリット81となる。また、チャンバー側部61と内側側壁62との間に緩衝空間82が形成されている。緩衝空間82も円環状に形成されることとなる。緩衝空間82はスリット81と連通している。
また、緩衝空間82にはガス配管83が連通接続されている。ガス配管83の基端部は窒素ガス供給源85に接続されている(図1)。ガス配管83の経路途中にはバルブ84が介挿されている。バルブ84が開放されると、窒素ガス供給源85から緩衝空間82に窒素ガスが送給される。緩衝空間82に流入した窒素ガスはスリット81を通過してチャンバー6内の熱処理空間65に供給される。
図3は、熱処理空間65への気体供給を示す平面図である。緩衝空間82からスリット81へと至る気体の通過経路において、気体の進行方向に対して垂直となる面の断面積が緩衝空間82の方がスリット81よりも大きい。すなわち、緩衝空間82の方がスリット81よりも流体抵抗が小さい。このため、図3に示すように、ガス配管83から緩衝空間82へ流入した窒素ガスの一部は直ちにスリット81に流れるものの、大部分はより抵抗の小さい緩衝空間82内を拡がるように流れる。そして、緩衝空間82内に満たされた窒素ガスがスリット81を通って熱処理空間65に供給される。従って、環状のスリット81の全周にわたって均一に窒素ガスが供給されることとなる。
一方、チャンバー6の底部においても上部と同様に、下側チャンバー窓64と内側側壁62とは密接しておらず、それらの間には隙間が形成されている。下側チャンバー窓64と内側側壁62の下端面との間に形成される隙間は円環状のスリット86となる。また、チャンバー側部61と内側側壁62との間に形成された円環状の緩衝空間87がスリット86と連通している。緩衝空間87にはガス配管88が連通接続されている。ガス配管88の基端部は排気部90に接続されている。ガス配管88の経路途中にはバルブ89が介挿されている。バルブ89が開放されると、熱処理空間65の気体がスリット86から緩衝空間87を経てガス配管88へと排出される。
スリット86から緩衝空間87へと至る気体の通過経路においても、気体の進行方向に対して垂直となる面の断面積が緩衝空間87の方がスリット86よりも大きい。すなわち、緩衝空間87の方がスリット86よりも流体抵抗が小さい。このため、環状のスリット86の全周にわたって均一に気体が排気される。なお、緩衝空間82,87に接続されるガス配管83,88は一本に限定されるものではなく、複数本であっても良い。複数本のガス配管83,88を緩衝空間82,87に均等に接続すれば、環状のスリット81,86からより均一な給排気を行うことができる。
このように、熱処理装置1は、チャンバー6内に保持された半導体ウェハーWを挟んで概ね上下対称に給排気機構を備えている。すなわち、バルブ84、ガス配管83および緩衝空間82を有する給気機構によって、上側チャンバー窓63とチャンバー6の内壁上端との間に環状に形成された隙間であるスリット81からチャンバー6内の熱処理空間65に処理ガス(窒素ガス)を供給する。それとともに、バルブ89、ガス配管88および緩衝空間87を有する排気機構によって、下側チャンバー窓64とチャンバー6の内壁下端との間に環状に形成された隙間であるスリット86からチャンバー6内の気体を排気する。なお、窒素ガス供給源85および排気部90は、熱処理装置1に設けられた機構であっても良いし、熱処理装置1が設置される工場のユーティリティであっても良い。
また、チャンバー6には、熱処理空間65の内部において半導体ウェハーWを水平姿勢に保持する保持部7と、保持部7と装置外部との間で半導体ウェハーWの受け渡しを行う移載機構10とが設けられている。図4は、半導体ウェハーWの保持位置から見たチャンバー6の平面図である。保持部7は、サセプタ70および均熱リング75を備えて構成される。サセプタ70は、石英により形成され、円環形状のリング部71に複数の爪部72(本実施形態では4本)を立設して構成される。リング部71がチャンバー側部61および内側側壁62によって形成された円環形状の棚に載置されることによって、サセプタ70がチャンバー6に装着される。
均熱リング75は、炭化ケイ素(SiC)によって形成されたリング状部材であり、サセプタ70の爪部72に設けられた支持ピンによって支持される。均熱リング75の内周には図示を省略する複数の爪が突設されており、それら複数の爪によって半導体ウェハーWの周縁部が支持されて半導体ウェハーWが水平姿勢にて保持される。なお、複数の爪に代えて均熱リング75の内周に沿って鍔を設け、それによって半導体ウェハーWを保持するようにしても良い。
図5は、移載機構10の平面図である。また、図6は、移載機構10の側面図である。移載機構10は、2本の移載アーム11を備える。移載アーム11は、概ね半導体ウェハーWの外周に沿うような円弧形状とされている。それぞれの移載アーム11には2本のリフトピン12が立設されている。各移載アーム11は開閉機構13によって回動可能とされている。一対の移載アーム11は開閉機構13によって図5の実線で示す位置と二点鎖線で示す位置との間で開閉する。
また、一対の移載アーム11は、昇降機構14によって開閉機構13とともに昇降移動される。一対の移載アーム11が閉じて上昇すると、計4本のリフトピン12が均熱リング75の内側を通過し、リフトピン12の上端が均熱リング75の上側に突き出る。一方、一対の移載アーム11が下降して開くと、サセプタ70のリング部71の直上に待避する。移載アーム11の待避位置はチャンバー6の内壁凹部の内側となる。
図4に示すように、チャンバー側部61のうち移載機構10の駆動部(開閉機構13および昇降機構14)が設けられている部位には、排気管93が連通接続されている。排気管93は排気部90に接続されている。排気管93の経路途中にはバルブ94が介挿されている。バルブ94を開放することによって、移載機構10の駆動部周辺を介してチャンバー6内の気体が排気される。また、搬送開口部66の先端にも熱処理空間65内の気体を排出する排気管91が接続されている。排気管91はバルブ92を介して排気部90に接続されている。バルブ92を開放することによって、搬送開口部66を介してチャンバー6内の気体が排気される。
以上のように、本実施形態の熱処理装置1は、チャンバー6内に処理ガスを供給する1系統の給気機構に対してチャンバー6内の気体を排気する3系統の排気機構を備えている。なお、本実施形態では3系統の排気機構の排気部90を共通のものとしていたが、これを別個のものとしても良い。
また、図4に示すように、熱処理装置1は、半導体ウェハーWの温度を測定するためのプローブ78,79を備えている。熱電対を使用した接触式温度計のプローブ78は均熱リング75に保持された半導体ウェハーWの裏面に接触し、別置のディテクタによって半導体ウェハーWの温度を測定する。一方、放射温度計のプローブ79は均熱リング75に保持された半導体ウェハーWの裏面から放射された放射光(赤外線)を受光し、別置のディテクタによって半導体ウェハーWの温度を測定する。接触式温度計のプローブ78および放射温度計のプローブ79は、いずれもチャンバー6の内壁凹部に設置されている。
さらに、図1に示すように、熱処理装置1は、ハロゲン加熱部4に放射温度計のプローブ49を備える。プローブ49は、プローブ79と同様に、均熱リング75に保持された半導体ウェハーWの裏面から放射された放射光を受光し、別置のディテクタによって半導体ウェハーWの温度を測定する。プローブ79が保持部7に保持された半導体ウェハーWの斜め下方から放射光を受光してウェハー温度を測温するのに対して、プローブ49は半導体ウェハーWの直下から放射光を受光して測温する。但し、半導体ウェハーWからの距離は直下のプローブ49の方が長い。このように、熱処理装置1は、3つのプローブ78,79,49を備えて半導体ウェハーWの温度を確実に測温する。
チャンバー6の上方に設けられたフラッシュ加熱部5は、筐体51の内側に、複数本(本実施形態では30本)のキセノンフラッシュランプFLからなる光源と、その光源の上方を覆うように設けられたリフレクタ52と、を備えて構成される。また、フラッシュ加熱部5の筐体51の底部にはランプ光放射窓53が装着されている。フラッシュ加熱部5の床部を構成するランプ光放射窓53は、石英により形成された板状部材である。フラッシュ加熱部5がチャンバー6の上方に設置されることにより、ランプ光放射窓53が上側チャンバー窓63と相対向することとなる。フラッシュランプFLはチャンバー6の上方からランプ光放射窓53および上側チャンバー窓63を介して熱処理空間65に閃光を照射する。
複数のフラッシュランプFLは、それぞれが長尺の円筒形状を有する棒状ランプであり、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように平面状に配列されている。よって、フラッシュランプFLの配列によって形成される平面も水平面である。
キセノンフラッシュランプFLは、その内部にキセノンガスが封入されその両端部にコンデンサーに接続された陽極および陰極が配設された棒状のガラス管(放電管)と、該ガラス管の外周面上に付設されたトリガー電極とを備える。キセノンガスは電気的には絶縁体であることから、コンデンサーに電荷が蓄積されていたとしても通常の状態ではガラス管内に電気は流れない。しかしながら、トリガー電極に高電圧を印加して絶縁を破壊した場合には、コンデンサーに蓄えられた電気がガラス管内に瞬時に流れ、そのときのジュール熱でキセノンガスが加熱されて光が放出される。このようなキセノンフラッシュランプFLにおいては、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが0.1ミリセカンドないし10ミリセカンドという極めて短い光パルスに変換されることから、ハロゲンランプHLの如き連続点灯の光源に比べて極めて強い光を照射し得るという特徴を有する。
また、リフレクタ52は、複数のフラッシュランプFLの上方にそれら全体を覆うように設けられている。リフレクタ52の基本的な機能は、複数のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光を保持部7の側に反射するというものである。リフレクタ52はアルミニウム合金板にて形成されており、その表面(フラッシュランプFLに臨む側の面)はブラスト処理により粗面化加工が施されて梨地模様を呈する。
チャンバー6の下方に設けられたハロゲン加熱部4の内部には複数本(本実施形態では40本)のハロゲンランプHLが内蔵されている。複数のハロゲンランプHLはチャンバー6の下方から下側チャンバー窓64を介して熱処理空間65への光照射を行う。本実施形態では、上下2段に各20本ずつのハロゲンランプHLが配設されている。ハロゲンランプHLは、長尺の円筒形状を有する棒状ランプである。上段、下段ともに20本のハロゲンランプHLは、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように配列されている。また、上段、下段ともに保持部7に保持される半導体ウェハーWの中央部に対向する領域よりも周縁部に対向する領域における配設密度が高くなっている。
さらに、上段のハロゲンランプHLと下段のハロゲンランプHLとが井桁状に交差するように構成されている。すなわち、上段のハロゲンランプHLの長手方向と下段のハロゲンランプHLの長手方向とが直交するように計40本のハロゲンランプHLが配設されている。
ハロゲンランプHLは、ガラス管内部に配設されたフィラメントに通電することでフィラメントを白熱化させて発光させるフィラメント方式の光源である。ガラス管の内部には、窒素やアルゴン等の不活性ガスにハロゲン元素(ヨウ素、臭素等)を微量導入した気体が封入されている。ハロゲン元素を導入することによって、フィラメントの折損を抑制しつつフィラメントの温度を高温に設定することが可能となる。したがって、ハロゲンランプHLは、通常の白熱電球に比べて寿命が長くかつ強い光を連続的に照射できるという特性を有する。
また、熱処理装置1は、ハロゲン加熱部4およびチャンバー6の側方にシャッター機構2を備える。シャッター機構2は、シャッター板21およびスライド駆動機構22を備える。スライド駆動機構22は、シャッター板21を水平方向に沿ってスライド移動させる。スライド駆動機構22がシャッター板21を前進させると、チャンバー6とハロゲン加熱部4との間の間隙にシャッター板21が挿入されて下側チャンバー窓64と複数のハロゲンランプHLとを遮断する。これによって、複数のハロゲンランプHLから熱処理空間65へと向かう光は遮光される。逆に、スライド駆動機構22がシャッター板21を後退させると、チャンバー6とハロゲン加熱部4との間からシャッター板21が退出して下側チャンバー窓64の下方が開放される。
シャッター板21には、図示を省略する小孔が貫通して穿設されている。シャッター板21が前進して下側チャンバー窓64の全体を覆ったときに、当該小孔がプローブ49の直上に位置する。従って、シャッター板21が下側チャンバー窓64と複数のハロゲンランプHLとを遮断しても、プローブ49による半導体ウェハーWの測温は可能とされている。
また、制御部3は、熱処理装置1に設けられた上記の種々の動作機構を制御する。制御部3のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部3は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスクを備えている。
上記の構成以外にも熱処理装置1は、半導体ウェハーWの熱処理時にハロゲンランプHLおよびフラッシュランプFLから発生する熱エネルギーによるハロゲン加熱部4、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6の過剰な温度上昇を防止するため、様々な冷却用の構造を備えている。例えば、チャンバー6の壁体には水冷管(図示省略)が設けられている。また、ハロゲン加熱部4およびフラッシュ加熱部5は、内部に気体流を形成して排熱する空冷構造とされている。また、上側チャンバー窓63とランプ光放射窓53との間隙にも空気が供給され、フラッシュ加熱部5および上側チャンバー窓63を冷却する。
次に、熱処理装置1における半導体ウェハーWの処理手順について簡単に説明する。ここで処理対象となる半導体ウェハーWはイオン注入法により不純物(イオン)が添加された半導体基板であり、添加された不純物の活性化が熱処理装置1によるフラッシュ加熱処理により実行される。図7は、熱処理装置1における半導体ウェハーWの処理手順を示すフローチャートである。以下に示す半導体ウェハーWの処理手順は、制御部3が熱処理装置1の各動作機構を制御することによって実行される。
まず、給気のためのバルブ84が開放されるとともに、排気用のバルブ89,92,94が開放されてチャンバー6内に対する給排気が開始される(ステップS1)。バルブ84が開放されると、上側チャンバー窓63とチャンバー6の内壁上端との間に形成された環状のスリット81の全周から均一に熱処理空間65に窒素ガスが供給される。また、バルブ89が開放されると、下側チャンバー窓64とチャンバー6の内壁下端との間に形成された環状のスリット86の全周から均一にチャンバー6内の気体が排気される。これにより、図1の矢印AR1にて示すように、チャンバー6内の熱処理空間65の最上部から供給された窒素ガスが保持部7に保持された半導体ウェハーWの側方を通って下方へ流れ、熱処理空間65の最下部から排気される。なお、半導体ウェハーWの側方においては、爪部72の隙間が大きく開放されており、そこから下方へと窒素ガスが流れる。
また、バルブ92,94が開放されることによって、それぞれ搬送開口部66および移載機構10の駆動部周辺を介してチャンバー6内の気体が排気される。これにより、チャンバー6内の熱処理空間65の最上部から供給された窒素ガスが搬送開口部66および移載機構10の駆動部周辺を流れて排気される。なお、熱処理装置1における半導体ウェハーWの熱処理時には窒素ガスが熱処理空間65に継続的に供給されており、その供給量は図7の処理ステップに応じて適宜変更される。
続いて、ゲートバルブ185が開いて搬送開口部66が開放され、装置外部の搬送ロボットにより搬送開口部66を介してイオン注入後の半導体ウェハーWがチャンバー6内の熱処理空間65に搬入される(ステップS2)。搬送ロボットによって搬入された半導体ウェハーWは保持部7の直上位置まで進出して停止する。そして、移載機構10の一対の移載アーム11が図5の実線で示すように閉じた状態で上昇することにより、リフトピン12が均熱リング75の内側を通って上方に突き出て半導体ウェハーWを受け取る。
半導体ウェハーWがリフトピン12に載置された後、搬送ロボットが熱処理空間65から退出し、ゲートバルブ185によって搬送開口部66が閉鎖される。そして、一対の移載アーム11が下降することにより、半導体ウェハーWは移載機構10から保持部7の均熱リング75に受け渡されて水平姿勢に保持される。均熱リング75の下方にまで下降した一対の移載アーム11は図5の二点鎖線で示すように開いて、チャンバー6の内壁凹部に待避する。
半導体ウェハーWが保持部7の均熱リング75に保持された後、40本のハロゲンランプHLが一斉に点灯して予備加熱(アシスト加熱)が開始される(ステップS3)。ハロゲンランプHLから出射されたハロゲン光は、石英にて形成された下側チャンバー窓64を透過して半導体ウェハーWの裏面から照射される。ハロゲンランプHLからの光照射を受けることによって半導体ウェハーWが予備加熱されて温度が上昇する。
予備加熱の段階においては、より放熱が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部の温度が中央部よりも低下する傾向にあるが、均熱リング75によって周縁部の放熱が補償されるため、半導体ウェハーWの面内温度分布が均一に維持される。また、ハロゲン加熱部4におけるハロゲンランプHLの配設密度は、半導体ウェハーWの中央部に対向する領域よりも周縁部に対向する領域の方が高くなっているため、放熱が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部に照射される光量が多くなり、予備加熱段階における半導体ウェハーWの面内温度分布をより均一なものとすることができる。なお、移載機構10の移載アーム11は、チャンバー6の内壁凹部に待避しているため、ハロゲンランプHLによる均一な予備加熱の障害となることは無い。
予備加熱を行うときには、半導体ウェハーWの温度が接触式温度計および放射温度計によって計測されている。すなわち、接触式温度計のプローブ78が半導体ウェハーWの裏面に接触するとともに、放射温度計のプローブ49,79が半導体ウェハーWの裏面から放射される光を受光している。これら3つのプローブ49,78,79によって半導体ウェハーWが所定の予備加熱温度T1に到達したか否かが監視される(ステップS4)。
本実施の形態においては、予備加熱温度T1は800℃とされる。そして、半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達したことが検知されたら直ちにフラッシュ加熱部5のフラッシュランプFLから半導体ウェハーWへ向けてフラッシュ光が照射される(ステップS5)。このとき、フラッシュランプFLから放射されるフラッシュ光の一部は直接に熱処理空間65内の保持部7へと向かい、他の一部は一旦リフレクタ52により反射されてから熱処理空間65内へと向かい、これらのフラッシュ光の照射により半導体ウェハーWのフラッシュ加熱が行われる。フラッシュ加熱は、フラッシュランプFLからの閃光照射により行われるため、半導体ウェハーWの表面温度を短時間で上昇することができる。
すなわち、フラッシュ加熱部5のフラッシュランプFLから照射されるフラッシュ光は、予め蓄えられていた静電エネルギーが極めて短い光パルスに変換された、照射時間が0.1ミリ秒ないし10ミリ秒程度の極めて短く強い閃光である。そして、フラッシュランプFLからの閃光照射によりフラッシュ加熱される半導体ウェハーWの表面温度は、瞬間的に1000℃ないし1100℃程度の処理温度T2まで上昇し、半導体ウェハーWに添加された不純物が活性化された後、表面温度が急速に下降する。このように、熱処理装置1では、半導体ウェハーWの表面温度を極めて短時間で昇降することができるため、半導体ウェハーWに添加された不純物の熱による拡散を抑制しつつ不純物の活性化を行うことができる。なお、添加不純物の活性化に必要な時間はその熱拡散に必要な時間に比較して極めて短いため、0.1ミリセカンドないし10ミリセカンド程度の拡散が生じない短時間であっても活性化は完了する。
また、本実施形態の熱処理装置1は、ハロゲンランプHLによって半導体ウェハーWを予備加熱温度T1(800℃)にまで予備加熱してからフラッシュランプFLからの閃光照射によってフラッシュ加熱を行っている。半導体ウェハーWの温度が600℃以上になると添加された不純物の熱拡散が生じる可能性があるが、ハロゲンランプHLは比較的急速に半導体ウェハーWを800℃まで昇温することができるため、添加不純物の拡散を最小限に抑制することができる。また、半導体ウェハーWを予備加熱温度T1にまで昇温してからフラッシュランプFLからの閃光照射を行うことにより、半導体ウェハーWの表面温度を処理温度T2まで速やかに上昇させることができる。さらに、予備加熱温度T1から処理温度T2までのフラッシュ加熱による昇温幅が比較的小さいため、フラッシュランプFLから照射する閃光のエネルギーを比較的小さくすることができ、その結果フラッシュ加熱時に半導体ウェハーWに与える熱的衝撃を緩和することができる。
フラッシュ加熱が終了した後に、複数のハロゲンランプHLが一斉に消灯して、半導体ウェハーWの温度が急速に降温する(ステップS6)。また、ハロゲンランプHLが消灯するのと同時に、シャッター機構2がシャッター板21をハロゲン加熱部4とチャンバー6との間に挿入する(ステップS7)。ハロゲンランプHLが消灯しても、すぐにフィラメントや管壁の温度が低下するものではなく、暫時高温のフィラメントおよび管壁から輻射熱が放射され続け、これが半導体ウェハーWの降温を妨げる。シャッター板21が挿入されることによって、消灯直後のハロゲンランプHLから熱処理空間65に放射される輻射熱が遮断されることとなり、半導体ウェハーWの降温速度を高めることができる。
半導体ウェハーWの降温段階においても、3つのプローブ49,78,79によって半導体ウェハーWの温度が計測されている。なお、上述のように、シャッター板21には小孔が形成されているため、シャッター板21が挿入された状態においてもプローブ49による温度計測は可能である。また、シャッター板21が挿入されることによって、消灯直後のハロゲンランプHLから放射される輻射熱が遮断されるため、放射温度計のプローブ79が受ける外乱が少なくなり、温度計測の精度を高めることができる。
その後、半導体ウェハーWの温度が所定以下にまで降温した後、移載機構10の一対の移載アーム11が再び閉じた状態で上昇することにより、リフトピン12が均熱リング75の内側から突き出て熱処理後の半導体ウェハーWを保持部7から受け取る。続いて、ゲートバルブ185により閉鎖されていた搬送開口部66が開放され、リフトピン12上に載置された半導体ウェハーWが装置外部の搬送ロボットにより搬出され(ステップS8)、熱処理装置1における半導体ウェハーWのフラッシュ加熱処理が完了する。
本実施形態の熱処理装置1は、チャンバー6の上方にフラッシュ加熱部5を配置するとともに、下方にハロゲン加熱部4を配置し、半導体ウェハーWの両面から光照射による加熱を行う構造を有している。このため、チャンバー6は、保持部7に保持される半導体ウェハーWの上面側に光を透過する上側チャンバー窓63を設けるとともに、下面側に下側チャンバー窓64を設けており、半導体ウェハーWの上下に空間が形成されている。
本実施形態の熱処理装置1は、上側チャンバー窓63とチャンバー6の内壁上端との間に形成された環状のスリット81の全周から熱処理空間65に窒素ガスを供給するとともに、下側チャンバー窓64とチャンバー6の内壁下端との間に形成された環状のスリット86の全周からチャンバー6内の気体を排気している。このため、チャンバー6内の熱処理空間65の最上部から供給された窒素ガスが下方へ流れて熱処理空間65の最下部から排気されるような気流が形成される。その結果、熱処理空間65の全体に窒素ガスの気流が流れることとなり、チャンバー6内の滞留部が解消されてパーティクルが確実かつ速やかに排出されることとなる。従って、チャンバー6内に残留するパーティクルはほとんど無く、処理対象となっている半導体ウェハーWへのパーティクル付着を防止することができる。また、例えば、チャンバー6内のメンテナンスを行った場合にも、メンテナンス後にチャンバー6内に窒素ガスをパージすることによって迅速にパーティクル数を低下させることができる。
特に、熱処理装置1は、流体抵抗の小さな緩衝空間82を介してスリット81から窒素ガスを供給するとともに、緩衝空間87を介してスリット86からチャンバー6内の気体を排気している。このため、環状のスリット81の全周から均一に窒素ガスを供給してスリット86の全周から均一に排気を行うことができ、より確実にチャンバー6内の滞留部を解消することができる。
また、チャンバー6の形状の特性上、搬送開口部66は滞留部となりやすく、かつゲートバルブ185が開いているときには外部からパーティクルが進入しやすい。このため、熱処理装置1は、搬送開口部66に専用の排気機構を設けており、搬送開口部66が滞留部となるのを防止するとともに、外部から進入したパーティクルをも確実に排出するようにしている。
さらに、移載機構10の駆動部(開閉機構13および昇降機構14)はパーティクルの発生源となる可能性があるが、熱処理装置1は移載機構10の駆動部に専用の排気機構を設けている。よって、移載機構10の駆動部からパーティクルが発生したとしても、それを確実にチャンバー6から排出することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態においては、チャンバー6の上部から窒素ガスを供給するとともに、チャンバー6の下部、搬送開口部66および移載機構10の駆動部から排気を行って滞留部を解消していたが、給排気の態様はこれに限定されるものではない。例えば、窒素ガス供給源85を緩衝空間87を介してスリット86に接続するとともに、排気部90を緩衝空間82を介してスリット81に接続するようにしても良い。このようにすれば、チャンバー6の下部から窒素ガスが供給されるとともに、チャンバー6の上部、搬送開口部66および移載機構10の駆動部から排気が行われることとなる。このようにしても、上記実施形態と同様に、チャンバー6内の滞留部を解消してパーティクルを確実かつ速やかに排出することができる。
また、窒素ガス供給源85を緩衝空間82を介してスリット81に接続するとともに、緩衝空間87を介してスリット86に接続するようにしても良い。このようにすれば、チャンバー6の上下から窒素ガスが供給されるとともに、搬送開口部66および移載機構10の駆動部から排気が行われることとなる。このようにしても、チャンバー6内の滞留部を解消してパーティクルを確実かつ速やかに排出することができる。
また、上記実施形態においては、熱処理空間65に供給する処理ガスを窒素ガス(N2)としていたが、これに限定されるものではなく、例えば、ヘリウム(He)ガス、アルゴン(Ar)ガス等の不活性ガス、あるいは、酸素(02)ガスや清浄エアであっても良い。もっとも、熱処理空間65にて加熱される半導体ウェハーWは数百℃から1000℃以上の高温に昇温されるため、処理ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスが好ましく、特にコスト面からは安価な窒素ガスが好ましい。
また、上記実施形態においては、半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達した時点でハロゲンランプHLを点灯したままフラッシュランプFLからの閃光照射を行うようにしていたが、フラッシュ加熱のタイミングはこれに限定されるものではない。例えば、ハロゲンランプHLによって半導体ウェハーWを予備加熱温度T1を超えて昇温した後、ハロゲンランプHLを消灯するとともにシャッター板21を挿入して半導体ウェハーWが予備加熱温度T1にまで降温した時点で閃光照射を行うようにしても良い。
また、上記実施形態においては、フラッシュ加熱部5に30本のフラッシュランプFLを備えるようにしていたが、これに限定されるものではなく、フラッシュランプFLの本数は任意の数とすることができる。また、フラッシュランプFLはキセノンフラッシュランプに限定されるものではなく、クリプトンフラッシュランプであっても良い。また、ハロゲン加熱部4に備えるハロゲンランプHLの本数も40本に限定されるものではなく、任意の数とすることができる。
また、上記実施形態においては、チャンバー6の上方にフラッシュランプFLを配置し、下方にハロゲンランプHLを配置していたが、本発明はチャンバーの上下にチャンバー窓を備え半導体ウェハーWの両面から光照射を行う装置であれば適用することが可能である。例えば、チャンバー6の上下双方にハロゲンランプHLを配置した熱処理装置であっても本発明を適用することができる。
また、上記実施形態においては、半導体ウェハーに光を照射してイオン活性化処理を行うようにしていたが、本発明にかかる熱処理装置による処理対象となる基板は半導体ウェハーに限定されるものではない。例えば、窒化シリコン膜や多結晶シリコン膜等の種々のシリコン膜が形成されたガラス基板に対して本発明にかかる熱処理装置による処理を行っても良い。一例として、CVD法によりガラス基板上に形成した多結晶シリコン膜にシリコンをイオン注入して非晶質化した非晶質シリコン膜を形成し、さらにその上に反射防止膜となる酸化シリコン膜を形成する。この状態で、本発明にかかる熱処理装置により非晶質のシリコン膜の全面に光照射を行い、非晶質のシリコン膜が多結晶化した多結晶シリコン膜を形成することもできる。
また、ガラス基板上に下地酸化シリコン膜、アモルファスシリコンを結晶化したポリシリコン膜を形成し、そのポリシリコン膜にリンやボロン等の不純物をドーピングした構造のTFT基板に対して本発明にかかる熱処理装置により光照射を行い、ドーピング工程で打ち込まれた不純物の活性化を行うこともできる。
1 熱処理装置
2 シャッター機構
3 制御部
4 ハロゲン加熱部
5 フラッシュ加熱部
6 チャンバー
7 保持部
10 移載機構
11 移載アーム
13 開閉機構
14 昇降機構
21 シャッター板
22 スライド駆動機構
49,78,79 プローブ
61 チャンバー側部
62 内側側壁
63 上側チャンバー窓
64 下側チャンバー窓
65 熱処理空間
66 搬送開口部
70 サセプタ
75 均熱リング
81,86 スリット
82,87 緩衝空間
83,88 ガス配管
91,93 排気管
84,89,92,94 バルブ
FL フラッシュランプ
HL ハロゲンランプ
W 半導体ウェハー
2 シャッター機構
3 制御部
4 ハロゲン加熱部
5 フラッシュ加熱部
6 チャンバー
7 保持部
10 移載機構
11 移載アーム
13 開閉機構
14 昇降機構
21 シャッター板
22 スライド駆動機構
49,78,79 プローブ
61 チャンバー側部
62 内側側壁
63 上側チャンバー窓
64 下側チャンバー窓
65 熱処理空間
66 搬送開口部
70 サセプタ
75 均熱リング
81,86 スリット
82,87 緩衝空間
83,88 ガス配管
91,93 排気管
84,89,92,94 バルブ
FL フラッシュランプ
HL ハロゲンランプ
W 半導体ウェハー
Claims (8)
- 基板に対して光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置であって、
上下が開口された筒状の内壁面を有するチャンバーと、
前記チャンバー内にて基板を水平姿勢に保持する保持手段と、
前記チャンバーの上側に設けられ、前記保持手段に保持された基板に光を照射する第1光照射手段と、
前記チャンバーの下側に設けられ、前記保持手段に保持された基板に光を照射する第2光照射手段と、
前記チャンバーの上側開口を閉塞し、前記第1光照射手段から照射された光をチャンバー内に透過する第1チャンバー窓と、
前記チャンバーの下側開口を閉塞し、前記第2光照射手段から照射された光をチャンバー内に透過する第2チャンバー窓と、
前記第1チャンバー窓と前記チャンバーの内壁上端との間に環状に形成された隙間を介して前記チャンバー内に対する給排気を行う第1給排機構と、
前記第2チャンバー窓と前記チャンバーの内壁下端との間に環状に形成された隙間を介して前記チャンバー内に対する給排気を行う第2給排機構と、
を備えることを特徴とする熱処理装置。 - 請求項1記載の熱処理装置において、
前記第1給排機構は、前記第1チャンバー窓と前記チャンバーの内壁上端との間に環状に形成された隙間よりも流体抵抗の小さな第1緩衝空間を含み、
前記第2給排機構は、前記第2チャンバー窓と前記チャンバーの内壁下端との間に環状に形成された隙間よりも流体抵抗の小さな第2緩衝空間を含むことを特徴とする熱処理装置。 - 請求項1または請求項2記載の熱処理装置において、
前記チャンバーに対して基板の搬入出を行う搬送開口部を介して前記チャンバー内の気体を排気する炉口排気機構をさらに備えることを特徴とする熱処理装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の熱処理装置において、
前記保持手段に対して基板の受け渡しを行う移載機構と、
前記移載機構の駆動部周辺を介して前記チャンバー内の気体を排気する駆動部排気機構と、
をさらに備えることを特徴とする熱処理装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の熱処理装置において、
前記第1給排機構から前記チャンバー内に気体を供給するとともに、前記第2給排機構から前記チャンバー内の気体を排気することを特徴とする熱処理装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の熱処理装置において、
前記第2給排機構から前記チャンバー内に気体を供給するとともに、前記第1給排機構から前記チャンバー内の気体を排気することを特徴とする熱処理装置。 - 請求項3または請求項4に記載の熱処理装置において、
前記第1給排機構および前記第2給排機構から前記チャンバー内に気体を供給することを特徴とする熱処理装置。 - 請求項1から請求項7のいずれかに記載の熱処理装置において、
前記第1光照射手段はフラッシュランプを備え、
前記第2光照射手段はハロゲンランプを備えることを特徴とする熱処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008077294A JP2009231676A (ja) | 2008-03-25 | 2008-03-25 | 熱処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008077294A JP2009231676A (ja) | 2008-03-25 | 2008-03-25 | 熱処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009231676A true JP2009231676A (ja) | 2009-10-08 |
Family
ID=41246723
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008077294A Pending JP2009231676A (ja) | 2008-03-25 | 2008-03-25 | 熱処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009231676A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9449825B2 (en) | 2012-02-03 | 2016-09-20 | SCREEN Holdings Co., Ltd. | Heat treatment apparatus for heating substrate by irradiation with flashes of light, and heat treatment method |
KR20170040841A (ko) * | 2015-10-05 | 2017-04-14 | 삼성전자주식회사 | 기판 처리 장치 |
JP2018534769A (ja) * | 2015-12-30 | 2018-11-22 | マットソン テクノロジー インコーポレイテッドMattson Technology, Inc. | ミリ秒アニールシステムのためのガスフロー制御 |
CN110211896A (zh) * | 2018-02-28 | 2019-09-06 | 株式会社斯库林集团 | 热处理装置及热处理方法 |
-
2008
- 2008-03-25 JP JP2008077294A patent/JP2009231676A/ja active Pending
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