JP2009231028A - 照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】アンビエント照明をするために上方及び下方を照明するLEDモジュールの発光効率の低下を抑制できる照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置2は、天井1に吊持して設置される金属製の灯具本体(装置本体)11と、複数の第1のLEDモジュール(下方照明用LEDモジュール)21と、複数の第2のLEDモジュール(上方照明用LEDモジュール)22を具備する。灯具本体11は、斜状又は鉛直状で露出する境界壁部12、この境界壁部12の上端部に一体に連続した第1の壁部13、境界壁部12の下端部に一体に連続して第1の壁部13と反対側でかつ第1の壁部13より低く配置された第2の壁部14を備える。第1のLEDモジュール21は、第1の壁部13に配設されて灯具本体11の下側に光を照射する。第2のLEDモジュール22は、第2の壁部14に配設されて灯具本体11の上側に光を照射することを特徴としている。
【選択図】 図2
【解決手段】照明装置2は、天井1に吊持して設置される金属製の灯具本体(装置本体)11と、複数の第1のLEDモジュール(下方照明用LEDモジュール)21と、複数の第2のLEDモジュール(上方照明用LEDモジュール)22を具備する。灯具本体11は、斜状又は鉛直状で露出する境界壁部12、この境界壁部12の上端部に一体に連続した第1の壁部13、境界壁部12の下端部に一体に連続して第1の壁部13と反対側でかつ第1の壁部13より低く配置された第2の壁部14を備える。第1のLEDモジュール21は、第1の壁部13に配設されて灯具本体11の下側に光を照射する。第2のLEDモジュール22は、第2の壁部14に配設されて灯具本体11の上側に光を照射することを特徴としている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、LED(発光ダイオード)が発する光を用いて照明をする照明装置に関する。
従来、天井を照らしつつ下方にも光を照射するアンビエント照明をする照明装置として、天井面から離間して配設される装置本体に、上方に向けて開放する上側光照射口と、下方に向けて開放する下側光照射口を設けると共に、これらの照射口に向けて光を照射する光源を内蔵した照明装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この照明装置では、光源として、直管型蛍光ランプを一本用いることができるとともに、上下に並べられた二本の直管型蛍光ランプを用いることができる。そして、二本の直管型蛍光ランプを用いる場合には、上側の直管型蛍光ランプからの下向きの光を上側光照射口に向けて反射する第1反射板が組み合わされると共に、下側の直管型蛍光ランプからの上向きの光を下側光照射口に向けて反射する第2反射板が組み合わされている。
又、白熱電球に代替する照明装置として、口金と反射笠が設けられたケースに、このケースにおいて口金側と対向する側に設けられた開口部にLED光源を設けた照明装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
この照明装置のLED光源は、金属板をベースとした多層プリント基板の絶縁層上にLEDベアチップをマトリックス状に搭載し、これらLEDベアチップの周囲を、このLEDベアチップが発した青色ないし紫外光を白色光に変換する蛍光体で被覆し、更に各LEDベアチップを封止樹脂で封止してなる。このLED光源は、各LEDベアチップを一斉に発光させて面状光源として用いられ、その点灯時に各LEDベアチップから発生する熱がプリント基板の金属ベースに伝導されるようになっている。
特開2003-217335号公報(段落0012-0019,0033-0035、図1−図4、図15−図16)
特開2004-193357号公報(段落0012-0014,0022,0024,0027,0030、図1−図4、図7−図8)
特許文献1のように光源に直管型蛍光ランプを使用する照明装置の厚みは大きく、しかも、この厚みは直管型蛍光ランプを上下に二本使用する照明装置では更に大きくなる。
そのため、本発明者は、近時、照明光源として活発に研究されているLEDを使用することにより、照明装置を薄型化して天井に吊下げ設置してアンビエント照明をする照明装置を試作した。この照明装置では、下方を照明する複数のLEDモジュールと、上方を照明する複数のLEDモジュールとを用いるが、以下の改善すべき課題があることが分かった。
LEDモジュールが有したLEDベアチップはその点灯状態で光だけではなく熱を発する。この熱が速やかに放出されずにLEDベアチップの温度が高くなると、LEDベアチップの発光効率は低下する。
ところで、特許文献2は、LEDベアチップの熱を、このチップが実装されたプリント基板の金属ベースに放出する技術を示しているが、金属ベースに伝導された熱が、いかにして外部に放出されるのかということについては言及していない。金属ベースの熱が、プリント基板が取付けられる部材に伝導するにしても、この部材からの放熱性が良くなければ、結局のところ、LEDベアチップの温度が上がることになる。したがって、複数のLEDモジュールで照明する照明装置でLEDベアチップを効率よく発光させるには、十分な放熱ができるように構成しなければならない。
本発明の目的は、アンビエント照明をするために上方及び下方を照明するLEDモジュールの発光効率の低下を抑制できる照明装置を提供することにある。
請求項1の発明は、斜状又は鉛直状で露出する境界壁部、この境界壁部の上端部に一体に連続した第1の壁部、前記境界壁部の下端部に一体に連続して前記第1の壁部と反対側でかつ前記第1の壁部より低く配置された第2の壁部を備え、かつ天井に吊持して設置される金属製の装置本体と;前記第1の壁部に配設されて前記装置本体の下側に光を照射する複数の下方照明用LEDモジュールと;前記第2の壁部に配設されて前記装置本体の上側に光を照射する複数の上方照明用LEDモジュールと;を具備したことを特徴としている。
この請求項1の発明で、装置本体をなす金属には、アルミニウム又はその合金を好適に用いることができるが、これに代えて鉄系材料を用いることも可能である。又、請求項1の発明で、複数の下方照明用LEDモジュールは、これらのモジュールが発する光によるグレアを緩和するとともに、各下方照明用LEDモジュールが互いに異なる色の光を発する複数の発光部を有している場合、これら発光部からの光がより混ざるように、乳白色のアクリル板等の拡散透光性の材料からなるセード等の制光体で覆われていることが好ましいが、この制光体は省略しても良い。
請求項1の発明では、下方照明用LEDモジュールの点灯により装置本体の下方が照明されるとともに、上方照明用LEDモジュールの点灯により装置本体の上方が照明される。このアンビエント照明において、下方照明用LEDモジュールが発する熱は金属製の装置本体の第1の壁部に伝導し、上方照明用LEDモジュールが発する熱は装置本体の第2の壁部に伝導するので、これら第1の壁部と第2の壁部の境をなした装置本体の境界壁部の温度が上昇する。それに伴い、露出している境界壁部に沿って上昇する気流が形成されて、この気流が境界壁部の熱を奪い去るため、装置本体から大気中へ良好に放熱できる。これにより、下方照明用LEDモジュール及び上方照明用LEDモジュールの温度過昇が抑制されて、これらモジュールの発光効率の低下を抑制できる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記上方照明用LEDモジュールから発する光の一部が入射されるように前記境界壁部が設けられていて、この境界壁部が反射面をなしていることを特徴としている。
この発明において、境界壁部を白色にすることで反射面を形成できる。この白色の反射面とするには、装置本体がアルミニウム系材料で作られる場合、白色アルマイト層を境界壁部の露出面に形成する処理をすることで白色反射面を設けることができる他、装置本体をなす金属材料の種類を問わず、境界壁部の露出面に白色塗料を塗装すること等により白色反射面を設けることができる。
請求項2の発明では、境界壁部が上方照明用LEDモジュールで照らされて、このLEDモジュールが発した光と同じ色となり装置本体にアクセントを与えられる。このため、境界壁部が在室者から視認される高さに装置本体が吊下げ設置されている場合、照明装置が視認された際の見栄えを向上できる。更に、上方照明用LEDモジュールが発する光は直進性が強いが、境界壁部での天井側への反射により天井に対する配光の広がりを与えることができる。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、柱状で上向きに突出するとともに相互間に空隙を設けて隣接する複数の放熱凸部が、前記第1の壁部の上面略全域に林立して設けられていることを特徴としている。
この請求項3の発明で、装置本体がアルミニウム系材料で作られる場合、各放熱凸部を第1の壁部と一体に形成することが熱抵抗を最小にできる点で好ましい。しかし、装置本体をなす金属材料の種類を問わず、装置本体とは別にベースに放熱凸部を一体に突設して作られた放熱部材を、それが有したベースを第1の壁部の上面に面接触させて熱伝導可能に接続することで、各放熱凸部を第1の壁部の上面に設けることもできる。
請求項3の発明では、下方照明用LEDモジュールが発する熱を、このモジュールが配設された第1の壁部を経由して各放熱凸部から大気中に放出できる。この場合、柱状をなした複数の放熱凸部が第1の壁部の上面略全域に林立していることにより、ヒートシンクからの放熱による第1の壁部の各部に対する冷却のばらつきが起き難く、第1の壁部全域の温度が略均等となる。このために、点灯中における複数の下方照明用LEDモジュールの温度がばらつき難くなるに伴い、複数の下方照明用LEDモジュールの発光色がばらつくことも抑制されて、略均質な色の光で下方照明ができる。
しかも、既述のように各放熱凸部が、リブ状ではなく柱状で林立していることで、放熱凸部相互間の空隙を通る空気の通り抜け方向が多様となり、放熱性能がよい。しかも、各放熱凸部が第1の壁部の上面略全域に設けられているので、第1の壁部の上面に上方照明用LEDモジュールや点灯制御のための制御装置が配設された場合に比較して、放熱凸部が数多く確保されるので、この点でも放熱性能がよい。したがって、複数の下方照明用LEDモジュールの温度上昇がより抑制されて、これらモジュールを高い効率で発光させることができる。
更に、装置本体は照明装置の吊下げ荷重の大部分を担うが、既述のように各放熱凸部が柱状で林立していることにより、放熱凸部をリブで形成した場合よりも、これら柱状の放熱凸部が林立された装置本体を軽量にできる。
請求項4の発明は、請求項1から3の内のいずれか一項の発明において、前記下方照明用のLEDモジュールが、基板と;この基板に設けられた第1の発光部であって、青色光を発する複数の第1の青色発光ダイオード、これら青色発光ダイオードを封止した透光性の第1の封止部材、及びこの封止部材に混ぜられ前記青色光により励起される蛍光体を有して、緑色ないし黄色の光を発する前記第1の発光部と;この第1の発光部に隣接して前記基板に設けられるとともに前記第1の発光部よりも発光面積が小さい第2の発光部であって、青色光を発する複数の第2の青色発光ダイオード、及びこれら第2の青色発光ダイオードを封止した透光性の第2の封止部材を有した前記第2の発光部と;前記第1の発光部に隣接して前記基板に設けられるとともに前記第1の発光部よりも発光面積が小さい第3の発光部であって、赤色光を発する複数の赤色発光ダイオード、及びこれら赤色発光ダイオードを封止した透光性の第3の封止部材を有した前記第3の発光部と;を具備していることを特徴としている。
この請求項4の発明において、第1の発光部に第2、第3の発光部を隣接する態様には、前記第2、第3の発光部が、前記第1の発光部を挟むように配設された態様を含んでいる。又、請求項4の発明において第1の発光部は、黄色光又は緑色光の内の少なくとも一方を発するものであり、第1の発光部が黄色光と緑色光の双方を発する場合には、黄色光を発する長方形の黄色発光領域と、この黄色発光領域の長手方向中央部から突出するように連続し緑色光を発する緑色発光領域とに分けられていることが好ましい。
請求項4の発明の照明装置は、第1の青色発光ダイオードが発した青色光で励起される蛍光体により得た緑色光ないし黄色光と、第2の青色発光ダイオードが発した青色光と、赤色発光ダイオードが発した赤色光とを混ぜて白色光を形成し、この白色光で装置本体の下方の被照射面を照明できる。
この場合、第1の発光部において、青色光で励起された蛍光体の発光は、第2の発光部での青色発光ダイオードの青色光の単色発光及び第3の発光部での赤色発光ダイオードの赤色光の単色発光よりも効率が高い。そして、この第1の発光部の蛍光体の発光スペクトルは、青色及び赤色の発光ダイオードの発光スペクトルに比べて半値幅が広いブロードな広帯域の発光スペクトルであるから、この蛍光体の発光により、青色光の波長帯域と赤色光の波長帯域との間の波長帯域の発光強度を補うことができる。これとともに、緑色光ないし黄色光は、比視感度が高く、又、演色性の向上にも寄与できる。しかも、蛍光体を有した第1の発光部の発光面積は、第2、第3の発光部の発光面積より夫々大きい。したがって、被照射面の明るさと演色性を向上できる。
更に、既述のように第2、第3の発光部は、これらより発光面積が大きい第1の発光部に隣接して設けられているので、青色光及び赤色光の夫々が、照明の主体をなす高効率の緑色光ないし黄色光に混じり易い。したがって、被照射面で、互いに異なる色を発する各発光部の発光色が分離してまだらになることが抑制されて、被照明面の照明品質を改善できる。
しかも、請求項4の照明装置は、既述のように形成される白色光で下方照明をするが、この白色光を得るために用いる発光ダイオードの種類は、青色発光ダイオードと赤色発光ダイオードの二種類だけである。したがって、発光特性や寿命特性による発光のばらつきが抑制されて、色のばらつきが少ない安定した白色光で下方照明ができる。しかも、使用する発光ダイオードの種類がニ種類であるので、前記白色光の相関色温度を可変する場合は、その調整対象が最小であることに伴い、その調整を容易に行うことができる。
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記第1の発光部が長方形の発光領域を有し、この長方形の発光領域の長手方向を複数の前記下方照明用LEDモジュールの並び方向に一致させて、これら複数の下方照明用LEDモジュールが列状に配設されていることを特徴としている。
この請求項5の発明で、複数の下方照明用LEDモジュールが列状に配設されているとは、これらのLEDモジュールが、直線状又は環状に並べられていることを指しており、したがって、下方照明用LEDモジュールの並び方向とは、複数の下方照明用LEDモジュールが並んだ列が伸びる方向を指している。
請求項5の発明では、第1の発光部の長方形の発光領域を、この発明の配置とは90度異なる配置となるように複数の下方照明用LEDモジュールが配設された場合と比較して、隣接した下方照明用LEDモジュールの第1の発光部の長方形の発光領域を近付けることができる。これにより、照明装置の下向き発光面の輝度むらを軽減できるので、装置本体の下方の被照射面での明るさのむらが抑制されて、被照明面の照明品質を改善できる。
請求項6の発明は、請求項5の発明において、隣接した前記下方照明用LEDモジュールの電気的接続を担う電気コネクタが、前記長方形の発光領域をその長手方向両側から挟むように前記基板に搭載されていることを特徴としている。
この請求項5の発明では、隣接した下方照明用LEDモジュールの電気コネクタが近付けられるので、隣接した下方照明用LEDモジュールの電気コネクタにわたる電気配線を短くできる。
請求項7の発明は、請求項1から6の内のいずれかの発明において、前記上方照明用LEDモジュールが赤色、緑色、青色に発光する三種類の発光部を有しているとともに、前記上方照明用LEDモジュールの発光色及び前記下方照明用LEDモジュールの色温度を可変する制御装置を備えていることを特徴としている。
この請求項7の発明では、天井側を照明する赤色、緑色、青色の光を発する三種類の発光部が有する発光ダイオードの発光強度を制御装置により調整することで、単色から任意の混合比率に従う光色にして天井側を照明できる。この場合、上方照明用LEDモジュールから発する光は直進性が高いにも拘らず、天井を経由しての間接照明となるので、上方照明用LEDモジュールのグレアを在室者に与えることがない。更に、下方照明用LEDモジュールの第1〜第3の発光部から発光される光を混ぜて得られる光色の相関色温度を制御装置で可変することで、在室者が所望とする相関色温度で装置本体の下方を照明できる。
請求項8の発明は、請求項7の発明において、前記制御装置が、前記下方照明用LEDモジュール及び上方照明用LEDモジュールヘの電源投入からこれら照明用LEDモジュールが有した赤色に発光する発光部に設けられた赤色発光ダイオードの発光状態が安定するまでの期間において、前記下方照明用LEDモジュール及び上方照明用LEDモジュールが有した前記赤色発光ダイオードに対する印加電流値又は時比率の少なくとも一方を変化させて、前記下方照明用LEDモジュール及び上方照明用LEDモジュールが夫々有した前記赤色発光ダイオードの明るさが、前記発光状態が安定したときの明るさと同じとなるように制御することを特徴としている。
下方照明用LEDモジュール及び上方照明用LEDモジュールの赤色発光ダイオードはその点灯に伴って温度が上昇する過程で、この赤色発光ダイオードの明るさ(光出力)が電源投入時から発光状態が安定するまで次第に低下する特性がある。それにも拘らず、この請求項8の発明では、制御装置で赤色発光ダイオードに対する印加電流値又は時比率の少なくとも一方を変化させることにより、前記赤色発光ダイオードの光出力が、電源投入時から発光状態が安定するまで間で変化しないように抑制できる。そのため、下方照明用LEDモジュール及び上方照明用LEDモジュールが発する光の色の混ざり方が、電源投入時から発光状態が安定するまで間において、発光状態が安定した場合と比較して変化しないようになるので、装置本体の下方の被照射面での色が、電源投入時から発光状態までの間と発光状態が安定した以降とで変化することを抑制できる。
請求項1に係る発明の照明装置によれば、アンビエント照明をするために上方及び下方を照明するLEDモジュールの発光効率の低下を抑制できる。
請求項2に係る発明の照明装置によれば、請求項1の発明において、更に、境界壁部が在室者から視認された際の見栄えを向上できるとともに、境界壁部での反射によって天井に対する配光の広がりを与えることができる。
請求項3に係る発明の照明装置によれば、請求項1の発明において、更に、複数の下方照明用LEDモジュールの温度上昇がより抑制されるので、このモジュールを高い効率で発光させることができるとともに、リブで放熱凸部を形成した場合よりも装置本体を軽量にできる。
請求項4に係る発明の照明装置によれば、請求項1から3の内のいずれかの発明において、更に、装置本体の下方の被照射面での明るさと照明品質を改善できるとともに、発光ダイオードの使用種類数を二種類と少なくできる。
請求項5に係る発明の照明装置によれば、請求項4の発明において、更に、照明装置の下向き発光面の輝度むらを軽減できるので、被照明面の照明品質を改善できる。
請求項6に係る発明の照明装置によれば、請求項5の発明において、更に、隣接した下方照明用LEDモジュールの電気コネクタにわたる電気配線を短くできる。
請求項7に係る発明の照明装置によれば、請求項1から6の内のいずれかの発明において、更に、赤色、緑色、青色の単色から任意の混合比率に従う光色で在室者に上方照明用LEDモジュールのグレアを与えることなく天井側での間接照明ができるとともに、下方照明用LEDモジュールが発する各色の光を混ぜて得られる光色の相関色温度を在室者が所望とするように変えて装置本体の下方を照明できる。
請求項8に係る発明の照明装置によれば、請求項7の発明において、更に、下方照明用LEDモジュール及び上方照明用LEDモジュールが発する光の色の混ざり方に基づく装置本体の下方の被照射面での色が、電源投入時から発光状態が安定するまでの間と発光状態が安定した以降とで変化することを抑制できる。
図1〜図14を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
図1(A)は被設置部である天井1に吊下げて設置される吊下げ型の照明装置2の側面図である。この照明装置2は、ペンダントベース3と、灯具4と、吊下げ部材例えばチェーン5等を具備している。なお、図1(A)中符号6はペンダントベース3と灯具4とを電気的に接続した電源コードを示している。
ペンダントベース3は天井1に固定され、これには点灯及び調光等を担う制御装置7が内蔵されている。制御装置7は、図示しないリモートコントローラからの無線送信による指令、又は図示しない壁スイッチに設けられた操作部の手動操作による指令で、灯具4の点灯及び調光等を実行する。
図2に示すように灯具4は、金属製の装置本体例えば灯具本体11に、発光装置として灯具本体11の下側に光を照射する複数の第1のLEDモジュール(下方照明用LEDモジュール)21と、灯具本体11の上側に光を照射する複数の第2のLEDモジュール(上方照明用LEDモジュール)22を配設するとともに、第1のLEDモジュール21を覆う透光性の制光体19と、第2のLEDモジュール22を覆う透光性のカバー20を取付けて形成されている。各LEDモジュール21と制御装置7とは、電源コード6を介して電気的に接続されている。
灯具本体11は、例えばアルミニウム又はその合金の一体成形品であり、照明装置2の吊下げ荷重の大部分を担っている。図1(B)〜図1(D)に示すように灯具本体11を正面及び背面から見た形状は例えば円形である。この灯具本体11は、図2に示すように境界壁部12と、第1の壁部13と、第2の壁部14と、背面放熱部としてのヒートシンク15を有している。
境界壁部12は、例えば円環状であって、その上端部から下端部に向かうに従い次第に径が大きく作られていて、その外周面は大気中に露出する側面であり気流生成面12aをなしている。そのため、本実施形態では気流生成面12aが斜状である。気流生成面12aを有した境界壁部12は、斜状ではあるが、後で詳しく説明する第2のLEDモジュール22から発する光の一部が入射される角度で設けられている。灯具本体11の少なくとも気流生成面12aには白色アルマイト処理が施されていて、それにより、気流生成面12aは反射面をなしている。
第1の壁部13は、モジュール取付け部をなすものであって、境界壁部12の上端部から内側に一体に連続して形成されていて、灯具本体11の上端部を閉じている。それにより、第1の壁部13は灯具本体11の中央部を占めている。したがって、境界壁部12と第1の壁部13とは下面が開口された円形の容器部を形成している。
図2中符号13aは第1の壁部13の周部を示しており、この周部13aが境界壁部12の上端部に連続している。周部13aは第1の壁部13の中で最も肉厚で、その外面に斜状面13bを有している。斜状面13bは気流生成面12aの上端に連続しているとともに、この斜状面13bは気流生成面12aより遥かに浅い角度で設けられている。なお、第1の壁部13の肉厚をその周部13aを含めて同じとして、斜状面13bを省略しても良い。
第2の壁部14は、境界壁部12の下端部から外側に一体に張り出すように連続して設けられていて、灯具本体11の周部をなしている。第2の壁部14は第1の壁部13とは高さ位置が異なるモジュール取付け部をなしており、具体的には第1の壁部13より低く第2の壁部14が配置されている。したがって、第1の壁部13と第2の壁部14とは境界壁部12を境に互いに反対側に設けられていて、段違いとなっている。第2の壁部14は境界壁部12の周方向に連続していて、境界壁部12の下端部と共同して上方に開放する環状でかつ浅い凹部を形成している。したがって、この凹部と前記容器部とは境界壁部12で仕切られている。
灯具4の背面放熱部をなすヒートシンク15は第1の壁部13の背面(上面)の略全域に設けられている。ここに、略全域とは、本実施例の場合には第1の壁部13の周部13aを除いた部位を指しているが、この部位から周部13aにわたる範囲も「略全域」の概念に含まれる。したがって、周部13aにも以下説明する放熱凸部15aを設けることも可能である。
ヒートシンク15は、第1の壁部13から一体に上向きに突出する複数の放熱凸部15aにより形成されている。これら放熱凸部15aは、柱状例えば角柱状であり、図3(A)に示すように第1の壁部13の略全域を埋め尽くすように縦横に整列して設けられている。縦横に隣接した放熱凸部15aの相互間には夫々空隙が形成されている。空隙は天井1と灯具4の背面との間に開放していて、そこに空気が流通できるようになっている。個々の放熱凸部15aの表面積(つまり、放熱面積)をより大きくするとともに、前記空隙に空気がより流通し易くするために、本実施形態においては図3(B)に示すように放熱凸部15aが先細に形成されている。既述のように各放熱凸部15aが柱状で林立した状態に縦横に整列されていることにより、各放熱凸部15aをリブで形成した場合よりも、これら柱状の放熱凸部15aが林立された灯具本体11を軽量にできる。
各放熱凸部15aの高さはいずれも同じであるとともに、それらの上端の高さ位置は前記肉厚の周部13aの上面と同じ高さとしてある。これは、放熱凸部15aの加工において、これらの高さに差を付ける工夫を要さないので、加工が容易となる点で好ましい。しかし、本発明においては、複数の第1のLEDモジュール21の配置に更に適合して放熱むらができないように、複数の放熱凸部15aの配設ピッチや高さは異ならせてもよい。又、本実施形態の場合、第1の壁部13の直径は375mmであり、各放熱凸部15aは、その縦横の最大幅が3mm、高さが6mmで、かつ、縦横6mmピッチで設けられている。
図2に示すように複数の第1のLEDモジュール21は、下向き照明を担うために第1の壁部13のヒートシンク15が背面に形成された第1の壁部13の平坦な下面に、下向きに投光するように取付けられている。これら第1のLEDモジュール21の配置は図1(D)に示され、第1の壁部13の中心部に1個、その周りに周方向に等間隔に7個、更に第2の壁部14寄りに周方向に等間隔に8個配設されている。したがって、前記7個の第1のLEDモジュール21は図1(D)中に一点鎖線で示した小径円S1に沿って列状に配設され、同様に前記8個の第1のLEDモジュール21は図1(D)中に一点鎖線で示した大径円S2に沿って列状に配設されている。
制光体19は境界壁部12の下面開口に嵌合して配置されている。この制光体19は第1のLEDモジュール21のまぶしさを緩和するために拡散透光性の材料、例えば乳白色の合成樹脂で形成されているとともに、図1(C)及び図2に示すように例えば中央部に孔19aを有している。
図2に示すように複数の第2のLEDモジュール22は、天井側の上向き照明を担うために第2の壁部14に、上向きに投光するように取付けられている。これら第2のLEDモジュール22の配置は図1(B)に示され、第2の壁部14にその周方向に等間隔に例えば8個配設されている。
カバー20は透明な樹脂板等からなる。カバー20は第2のLEDモジュール22と同数用意され、これらのカバー20は図1(B)及び図2に示すように第2のLEDモジュール22を個別に上方から覆って第2の壁部14に取付けられている。
第1のLEDモジュール21の構成を図4〜図10等を参照して説明する。第1のLEDモジュール21は、基板23、仕切り28、第1の発光部31、第2の発光部37、及び第3の発光部41を備えている。
基板23はセラミックや合成樹脂等の電気絶縁物からなり、図5〜図8に示すように例えば縦横各30mmの大きさで四角形の凹部23aを有している。凹部23aの奥面(図6〜図8では凹部23aの底面)には熱拡散層24が設けられている。熱拡散層24は銅箔や銀箔等の金属箔からなる。この熱拡散層24は、基板23が金属ベース基板である場合等には省略することもできるが、後述する各LEDから第1の壁部13へ放熱面積をより大きく確保して放熱性能を高めるために設けることが好ましい。基板23はその凹部23aの周りに開けた固定孔23bを通るねじ等の固定部品(図示しない)によって灯具本体11に既述の配置で固定される。
凹部23aに仕切り28が収容されている。それにより、凹部23aが複数の領域に区画され、夫々の領域を占めて第1の発光部31と第2の発光部37と第3の発光部41が設けられている。仕切り28は合成樹脂や金属の板からなる。
第1の発光部31は、四角な凹部23aを、その互いに平行な二辺に沿って平行に三等分した場合に、中央部に長方形に仕切られた領域A1と、この領域A1の長手方向中央部から両側(図5において上下両側)に突出した領域A2とに設けられている。したがって、本実施形態の第1の発光部31は十字状をなしている。領域A1の面積は仕切り28により区画された領域の中では最大であり、この領域A1に対して領域A2の面積は小さく例えば略1/3である。
第1の発光部31は、複数の第1の青色発光ダイオードと、第1の封止部材と、蛍光体とを有して、緑色光ないし黄色光を発する構成となっている。
即ち、図5及び図6に示すように領域A1には、複数例えば8個の第1の青色発光ダイオード(以下、青色LED32と略称する)が設けられているとともに、これら青色LED32を封止して透光性の第1の封止部材33が設けられていて、この第1の封止部材33に蛍光体(図示しない)が混ぜられている。
各青色LED32には、図10から分かるようにピーク波長が435〜475nmの間にある発光をするチップ状のLEDが用いられている。これらチップ状の青色LED32は、サファイア等の透光性でかつ電気絶縁性の素子基板の一面に青色発光をする半導体発光層を設けてなり、その素子基板の前記一面と平行な他面を図示しないダイボンド材により前記熱拡散層24に接着することによって、所定の配置で基板23に実装されている。間隔的に配置された複数の青色LED32は電気的に直列接続されている。そのために、隣接した青色LED32は図示しないボンディングワイヤ等の電気的接続要素を介して接続されている。
第1の封止部材33は透明シリコーン樹脂等からなり、これには図示しない蛍光体が好ましくは均一に分散して混ぜられている。この蛍光体には、青色LED32が発する青色の光により励起されて、青色光と異なる波長の光である黄色の光を放射する黄色蛍光体が用いられている。黄色蛍光体の発光波長は550〜600nmの間にピーク波長を有する。このような黄色蛍光体が混ぜられた第1の封止部材33で青色LED32が封止された領域A1を本明細書では黄色発光領域Yと称し、この黄色発光領域Yを括弧書きして図4、図6、図7において第1の発光部31と併記する。
更に、図5及び図7に示すように一対の前記領域A2の夫々には、他の第1の青色発光ダイオード(以下、青色LED34と略称する)が複数例えば4個ずつ設けられているとともに、これら青色LED34を封止して透光性の他の第1の封止部材35が設けられている。他の第1の封止部材35に蛍光体(図示しない)が混ぜられている。
各青色LED34には、前記青色LED32と同じチップ状の青色LEDが用いられている。これらチップ状の青色LED34は、図示しないダイボンド材により前記熱拡散層24に接着することによって、所定の配置で基板23に実装されている。一対の領域A2の夫々に配置された他の青色LED34は電気的に直列接続されている。
他の第1の封止部材35は透明シリコーン樹脂等からなり、これには図示しない蛍光体が好ましくは均一に分散して混ぜられている。この蛍光体には、青色LED34が発する青色の光により励起されて、青色光と異なる波長の光である緑色の光を放射する緑色蛍光体が用いられている。緑色蛍光体の発光波長は495〜535nmの間にピーク波長を有する。このように緑色蛍光体が混ぜられた他の第1の封止部材35で青色LED34が封止された領域A2を本明細書では緑色発光領域Gと称し、この緑色発光領域Gを括弧書きして図4、図7、図8において第1の発光部31と併記する。
したがって、十字形状の領域を占めて基板23の中央部に設けられた第1の発光部31は、図10から分かるように黄色蛍光体によって550〜600nmの波長をピーク波長とする黄色光を発光し、緑色蛍光体によって459〜535nmの波長をピーク波長とする緑色光を発する。
第2の発光部37と第3の発光部41は、第1の発光部31に沿って隣接してこの第1の発光部31の周りにこの第1の発光部31を挟むように配設されている。
即ち、図4に示すように第2の発光部37は、四角な凹部23aの対角線線上に位置して区画された領域C(図5参照)の夫々に設けられて、第1の発光部31の領域A1を斜めに挟んでいる。第3の発光部41は、前記対角線と直交する凹部23aの他の対角線線上に位置して区画された領域D(図5参照)の夫々に設けられて、第1の発光部31の領域A1を斜めに挟んでいる。したがって、第2の発光部37と第3の発光部41は、図4において黄色発光領域Yの長手方向一端部と他端部を図4において上下から挟むように設けられているとともに、緑色発光領域Gを図4において左右から挟むように設けられている。言い換えれば、一対の第2の発光部37と一対の第3の発光部41との夫々は、第1の発光部31の黄色発光領域Yと緑色発光領域Gとで挟まれるようにこれらに隣接して設けられている。
第2の発光部37は、領域Cに配設された複数の第2の青色発光ダイオード(以下、青色LED38と略称する)と、第2の封止部材39とを有している。
詳しくは、青色LED38には、前記青色LED32,34と同じくピーク波長が435〜475nmの間にある発光をするチップ状の青色LEDが用いられている。これらチップ状の青色LED38は、図示しないダイボンド材により前記熱拡散層24に接着することによって、所定の配置で基板23に実装されている。一対の領域Cの夫々に配置された青色LED38は電気的に直列接続されている。第2の封止部材39は透明シリコーン樹脂等からなり、これには蛍光体は混ぜられていない。この第2の封止部材39で青色LED38が封止された領域Cを本明細書では青色発光領域Bと称し、この青色発光領域Bを括弧書きして図4及び図8において第2の発光部37と併記する。
同様に、第3の発光部41は、複数の赤色発光ダイオード(以下、赤色LED42と略称する)と、第3の封止部材43とを有している。
詳しくは、赤色LED42には、図10から分かるようにピーク波長が610nm以上である発光をするチップ状の赤色LEDが用いられている。これら赤色LED42は、サファイア等の透光性でかつ電気絶縁性の素子基板の一面に赤色発光をする半導体発光層を設けてなり、その素子基板の前記一面と平行な他面を図示しないダイボンド材により前記熱拡散層24に接着することによって、所定の配置で基板23に実装されている。一対の領域Dの夫々に配置された赤色LED42は電気的に直列接続されている。第3の封止部材43は透明シリコーン樹脂等からなり、これには蛍光体は混ぜられていない。この第3の封止部材43で赤色LED42が封止された領域Dを本明細書では赤色発光領域Rと称し、この赤色発光領域Rを括弧書きして図4及び図8において第3の発光部41と併記する。
前記構成の第1のLEDモジュール21で、その黄色発光領域Yから発する黄色光の発光効率は72lm/W、緑色発光領域Gから発する緑色光の発光効率は70lm/W、青色発光領域Bから発する青色光の発光効率は12lm/W、赤色発光領域Rから発する赤色光の発光効率は25lm/Wである。
こうした各発光領域Y,G,B,Rを有した第1のLEDモジュール21において、図5に示すように前記領域A2,C,Dの面積は同じであり、これらに対して前記領域A1の面積は大きく、その面積は領域A2,C,Dの合計面積に等しい。こうした条件において、既述のように領域A2,C,Dの夫々に4個ずつ青色又は赤色のLEDが配設され、領域A1に8個の青色LEDが配設されている。したがって、黄色発光領域Yに配設された複数の青色LED32の単位面積当たりの配置数は、その他の領域、つまり、緑色発光領域G、青色発光領域B、及び赤色発光領域Rの夫々に配設されたLEDの単位面積当たりの配置数より少ない。そのため、複数の青色LED32の相互間隔は、その他のLED(青色LED34同士、青色LED38同士、赤色LED42同士)の相互間隔より広い。
更に、前記構成の第1のLEDモジュール21は図1(D)に示した配列において、図9に示したように第1の発光部31の長方形の黄色発光領域Yの長手方向を、前記小径円S1又は大径円S2に沿った第1のLEDモジュール21の並び方向に一致させて配設されている。なお、図9符号Lは、前記円に沿って隣接した第1のLEDモジュール21が有した黄色発光領域Y間の離間寸法を示している。
又、図4及び図9中符号29は電気コネクタを示している。電気コネクタ29は、黄色発光領域Yをその長手方向両側から挟むように基板23に搭載されている。前記並び方向に隣接した第1のLEDモジュール21は、それらの電気コネクタ29間にわたって配線される図示しない絶縁被覆電線を介して電気的に接続される。
第2のLEDモジュール22は第1のLEDモジュール21と同じ構成である。したがって、この第2のLEDモジュール22、赤色発光ダイオードが発した赤色光をそのまま利用する赤色発光部と、青色発光ダイオードが発した光を緑色蛍光体により波長変換して緑色の光を発光する緑色発光部と、青色発光ダイオードが発した青色光をそのまま利用する青色発光部とを有している。なお、第2のLEDモジュール22において、緑色発光部は、緑色の光を発光する緑色発光ダイオードを用いて、このダイオードが発した緑色の光をそのまま利用する緑色発光部としてもよい。
前記制御装置7は、照明装置2の点灯中において、第1のLEDモジュール21について、黄色発光領域Yに配置された各青色LED32、緑色発光領域Gに配置された青色LED34、青色発光領域Bに配置された各青色LED38、赤色発光領域Rに配置された赤色LED42の内の少なくとも一つ、好ましくは全ての発光色のLEDに対する入力を制御して、該当するLEDの発光強度を調整する。この調整により、所望する照明環境が得られる。これとともに、制御装置7は、その入力調整(発光強度の調整)に拘らず、黄色発光領域Yと緑色発光領域Gの内で少なくとも黄色発光領域Yの発光状態を連続して維持するようになっている。
更に、制御装置7は、照明装置2の点灯中において、第1のLEDモジュール21とは別に第2のLEDモジュール22を制御する。具体的には、緑色発光領域Gに配置された青色LED34、青色発光領域Bに配置された各青色LED38、赤色発光領域Rに配置された赤色LED42の内の少なくとも一つ、好ましくは全ての発光色のLEDに対する入力を制御して、該当するLEDの発光強度を調整する。本実施形態では、制御装置7が第2のLEDモジュール22の黄色発光領域Yを常に消灯状態に維持するように制御するが、これに代えて黄色発光領域Yを適宜な発光強度で点灯させるようにしても良い。したがって、第2のLEDモジュール22は少なくとも三色の色の光を天井1側に照射できる。
制御装置7による第2のLEDモジュール22の赤色、緑色、青色の光の混ざり具合の制御(調光)によって、図14の色度範囲図において、符号C〜Eで示した三点で囲まれる略三角形状の内側の色を任意に形成して天井側を照明できる。
又、第1のLEDモジュール21及び第2のLEDモジュール22での赤色、緑色、青色の各発光を制御する制御装置7の点灯回路51を図11に示す。この点灯回路51は、ノイズフィルタ回路52、整流回路53、力率改善回路54、赤色発光用の定電流回路55、緑色発光用の定電流回路56、青色発光用の定電流回路57、赤色用の温度センサー58、緑色用の温度センサー59、青色用の温度センサー60、及び制御部61を備えている。
ノイズフィルタ回路52には商用電源62の交流電源が供給される。整流回路53はノイズフィルタ回路52を通った電源電流を整流する。力率改善回路54は、例えば昇圧チョッパ回路で作られていて、整流回路53から出力される直流出力を昇圧して直流電源を生成する。
定電流回路55〜57には力率改善回路54の直流出力が入力される。定電流回路56は直列接続された赤色LED42に流れる電流が一定値となるように制御し、定電流回路57は緑色発光を得るための青色LED34に流れる電流が一定値となるように制御し、同様に定電流回路57は青色発光を得るための青色LED38に流れる電流が一定値となるように制御する。
これら定電流回路55〜57は同じ構成であるので、赤色発光用の定電流回路55で代表して説明する。定電流回路55は、オペアンプ65、電流検出抵抗R1、第1のトランジスタQ1、及び第2のトランジスタQ2等を有していて、その第1のトランジスタQ1のベースに固定電圧を発生させて、直列接続された赤色LED42に流れる電流を一定化するものである。
直列接続された赤色LED42に第1のトランジスタQ1を介して接続された電流検出抵抗R1の端子間電圧は、オペアンプ65の出力電圧値により決定されるので、この電圧値により赤色LED42に対して印加される電流を調節できる。第1のトランジスタQ1のベース・エミッタ間に接続された第2のトランジスタQ2のオン・オフにより赤色LED42に流される平均電流が調節される。
第2のトランジスタQ2のオン・オフは、そのベースに制御部61からハイ信号とロー信号が供給されることによりなされる。そして、第2のトランジスタQ2がオンされると、第1のトランジスタQ1がオフされて赤色LED42に対する印加電流が断たれ、この逆に、第2のトランジスタQ2がオフされると、第1のトランジスタQ1がオンされて赤色LED42に対して電流が印加される。制御部61は温度センサー58の検出信号に応じて第2のトランジスタQ2をオン・オフ制御する。赤色LED42の温度を検出する温度検出手段の一例として用いた温度センサー58は、感温抵抗例えばサーミスタであり、赤色LED42の近傍に配置されて、この赤色LED42の温度を検出する。なお、温度センサー58は基板23の温度又はこの基板23に接続される図示しない放熱器の温度を検出することで、赤色LED42の温度を間接的に検出するようにしてもよい。
点灯回路51は温度検出手段で検出された赤色LED42の温度に応じて定電流回路55を制御することで、赤色LED42に印加される電流のオン時間を変化させることができる。図12の電流波形図で、符号Eはオン時間、Fはオフ時間を示しており、これらの比率(時比率)を前記制御で変えることによって、赤色LED42の明るさが制御されるようになっている。
又、点灯回路51は、電源投入時から点灯状態が安定するまでの明るさの変化が最も大きい赤色LED42の明るさを補正する他、これと同様に、緑色用の温度センサー59の温度検出に従い制御部61で緑色発光用の定電流回路56を制御することで緑色発光に用いられる青色LED34についても、これに印加される電流の時比率を変化させて明るさの制御を実施するとともに、青色用の温度センサー60の温度検出に従い制御部61で、青色発光用の定電流回路57を制御することで青色発光に用いられる青色LED38についても、これに印加される電流の時比率を変化させて明るさの制御を実施する。
なお、この点灯回路51による明るさの制御は、時比率の調節に代えて、赤色LED42に印加される電流値ARを変化させて実施することもでき、或いはこれら時比率と電流値ARの双方を変化させることで実行してもよい。又、赤色LED42の温度を検出する温度検手段は、温度センサー58に代えて、赤色LED42の温度特性を有する順方向電圧を検出する電圧センサーを用いることができ、これを採用する場合には、検出位置などに制約がないので、構造上簡素に赤色LED42の温度を直接検出できる。
又、点灯回路51による明るさの制御は、赤色LED42の温度検出に従って実施されることに制約されず、赤色LED42に対する電源投入からの時間を計測するタイマーを制御部61に設け、電源投入時から赤色LED42の点灯状態が安定するまでの間、赤色LED42に印加される電流値AR又は時比率の少なくとも一方を変化させて実施することもできる。そして、これらの代替例は、緑色発光に用いられる青色LED34及び青色発光に用いられる青色LED38の明るさの制御についても適用できる。
前記構成の照明装置の第1のLEDモジュール21を点灯させることにより、この第1のLEDモジュール21の黄色発光領域Yからは550〜600nmの間にピーク波長(一例として図10に示すように570nmのピーク波長)を有した黄色光が発光され、緑色発光領域Gからは495〜535nmの間にピーク波長(一例として図10に示すように515nmのピーク波長)を有した緑色光が発光され、青色発光領域Bからは435〜475nmの間にピーク波長(一例として図10に示すように455nmのピーク波長)を有した青色光が発光され、赤色発光領域Rからは610nm以上のピーク波長(一例として図10に示すように630nmのピーク波長)を有した赤色光が発光される。
そのため、これら四色の光が混じって白色光が形成され、この白色光で照明装置2の下方に被照射面を照明できる。
この照明において、第2の発光部37から発した光は青色LED38が発した青色光そのものであり、同様に第3の発光部41から発した光も赤色LED42が発した赤色光そのものである。これら単色の光は、発光強度は高いが、半値幅が狭いので、被照射面の明るさを得るには適していない。
それにも拘らず、第1のLEDモジュール21の点灯により被照射面を明るく照明できる。即ち、第1の発光部31では、青色LED32が発した青色光で第1の封止部材33に混ぜられた黄色蛍光体が励起されて黄色光を発するとともに、青色LED34が発した青色光で他の第1の封止部材35に混ぜられた緑色蛍光体が励起されて緑色光を発する。
これら黄色蛍光体及び緑色蛍光体での発光は、第2の発光部37での青色LED38の発光及び第3の発光部41での赤色LED42の発光よりも効率が高い。そして、黄色蛍光体及び緑色蛍光体の発光スペクトルは、図10に示すように青色LED38及び赤色LED42の発光スペクトルに比べて半値幅が広いブロードな広帯域の発光スペクトルであるから、これら黄色蛍光体及び緑色蛍光体での発光により、青色光の波長帯域と赤色光の波長帯域との間の波長帯域の発光強度を補うことができる。これとともに、第1の発光部31において発光する495〜600nmの波長の光(緑色光ないし黄色光)は、比視感度が高く、又、演色性の向上にも寄与できる。その上、第1の発光部31の発光面積は、第2の発光部37及び第3の発光部41の発光面積より夫々大きい。したがって、被照射面の明るさと演色性を向上できる。
更に、第1のLEDモジュール21の構成によれば、その第2の発光部37及び第3の発光部41は、これらより発光面積が大きいとともに、第1のLEDモジュール21の発光部の中で最大の発光面積を有した第1の発光部31に隣接して設けられている。このため、青色光及び赤色光の夫々が、既述のように照明の主体をなす高効率の緑色光ないし黄色光に混じり易く、被照明面の照明品質を改善できる。つまり、互いに異なる色を発する第1〜第3の発光部の各発光色が被照射面で分離して被照射面がまだらに照明されることが抑制される。
その上、複数の第1のLEDモジュール21が有した第1の発光部31の黄色発光領域Yは、長方形状であり、この黄色発光領域Yを図9に示すように複数の第1のLEDモジュール21の並び方向に一致させて、複数の第1のLEDモジュール21が円環形の列状に配設されている。そのため、被照明面の照明品質を改善できる。
即ち、図9に示した配置によれば、この配置とは90度異なる配置となるように複数の第1のLEDモジュール21が配設された場合と比較して、これら複数の第1のLEDモジュール21の配設ピッチが前記の場合と同じであっても、隣接した第1のLEDモジュール21の黄色発光領域Yが近付けられる。つまり、黄色発光領域Y同士の離間距離Lが短くなって、離間距離Lに応じた非発光部からなる暗所の領域が狭くなる。これにより、照明装置2の下向き発光面の輝度むらが軽減されるに伴い、それが灯具本体11の下方の被照射面に反映されることによる明るさのむらを抑制できる。
しかも、被照射面の明るさを主として確保する第1の発光部31の黄色発光領域Yは他の発光領域より面積が大きいので、黄色蛍光体の量がばらつく割合が小さくなり、このばらつきに基づく色ずれが抑制されて、所定の光色を得ることができる。ちなみに、製造工程において、封止部材を溶媒とした緑色蛍光体が領域A2にポッテングにより塗布されて第1の発光部31の緑色発光領域Gが形成される場合、領域A2が小さいことに起因して、ポッテングで塗布される緑色蛍光体総量が少ないので、この緑色蛍光体がばらつく割合が増えて、所定の色に対する色合いのずれ(色ずれ)が大きくなる。したがって、既述のように黄色発光領域Yの面積が他の発光領域より面積が大きいことに伴い、それに応じて黄色蛍光体塗布量のばらつきの影響が軽減されて、色ずれを抑制できるものである。
以上の照明では、既述のように四色の光によって形成される白色光で照明するが、この白色光を得るために用いる発光ダイオードの種類は、青色LED32,34,38と赤色LED42の二種類だけである。したがって、発光特性や寿命特性による発光のばらつきが抑制されて、安定した白色光を発して照明ができる。しかも、使用する発光ダイオードの種類がニ種類であるので、前記白色光の相関色温度を可変する場合の調整対象が最小であることに伴い、その調整を容易に行うことができる。
又、図9に示した複数の第1のLEDモジュール21の配置に関連して、隣接した第1のLEDモジュール21の電気的接続を担う電気コネクタ29を、長方形の黄色発光領域Yをその長手方向両側から挟むように基板23に搭載したので、隣接した第1のLEDモジュール21の電気コネクタ29同士が近付けられる。そのため、隣接した第1のLEDモジュール21の電気コネクタ29にわたる電気配線を短くできる。
照明装置2は、下方照明用の第1のLEDモジュール21を点灯させて、灯具本体11の下方を照明するだけではなく、これと同時に、上方照明用の第2のLEDモジュール22を点灯させて灯具本体11の上方を照明できる。
このアンビエント照明において、第2のLEDモジュール22が発する光は、赤色、緑色、青色の単色光又はこれらを所望比率で混ぜた光であり、こうした色の選択(可変色)は制御装置7で該当するLEDを選択することやLEDの発光強度を変える制御をすることによって実現される。これとともに、第1のLEDモジュール21での照明の相関色温度も制御装置7で青色LED 38及び赤色LED42の発光強度を調整する制御をすることによって変えることができる。
このように制御装置7によって上方照明と下方照明と異なる色の光を照射すアンビエント照明では、天井1に照射する光は室内空間の光環境演出用として使用し、下方に照射する光は明るく演色性の良い光とする等、照明の目的に応じて光色を選択することができる。
一例として、灯具本体11の下側方向への光は、通常、食事の際に料理を照らしたリ、読書等をする時に本等の活字媒体を照らす等、照明対象を明るく照らす目的に使用されることが多く、例えば、演色性がよく、かつ、色がきれいに見えるような光が求められる。よって、第1のLEDモジュール21から下方に照射される光は、黒体放射軌跡に近い光色とすることが望ましい。これに対して、天井1に照射される光は、室内の雰囲気を演出する目的に使用されることが多く、例えば、青い海や緑の森林或いは紅葉などをイメージさせる光色を作成して、天井をカラフルに染めることが求められる。
このような照明上の要請に対して、第1のLEDモジュール21及び第2のLEDモジュール22は、制御装置7により少なくとも赤、緑、青の3色の光を夫々調光して、図14の色度範囲図において赤、緑、青の色の三点で囲まれる略三角形状の内側の色を任意に形成できるので、前記要請を満たしたアンビエント照明ができる。この場合、天井1が白色系でない場合、この天井の分光反射率によって単色の照明では、照明光で天井が染まり難いことがある。しかし、調光により任意の色を選択できるので、非白色系の天井でもそれを染め易い光色で天井を照らすことが可能である。
更に、このアンビエント照明において、第2のLEDモジュール22から天井1側に向けて発する光は直進性が高いにも拘らず、この光は、天井1を経由しての間接照明光となるので、第2のLEDモジュール22のグレアを在室者に与えることがない。
しかも、第2のLEDモジュール22から天井1側に発した光の一部によって、境界壁部12の反射面をなした気流生成面12aが照らされて、第2のLEDモジュール22が発した光と同じ色となり灯具本体11に外観上のアクセントを与えることができる。
このため、天井1に吊持された灯具本体11の境界壁部12が在室者から視認される場合、照明装置2の見栄えを向上できる。
更に、第2のLEDモジュール22が発する光は直進性が強く、その真上は明るく照らされるが配光の広がりは得られない。しかし、境界壁部12は斜状の反射面である気流生成面12aを有しているから、ここに入射した第2のLEDモジュール22の光を、気流生成面12aで天井1側へ反射させて天井1に対する配光の広がり与えて、室内の雰囲気を演出する目的の光を広範囲に確保できる。
既述のようにアンビエント照明をする照明装置2の点灯状態で、第1のLEDモジュール21の各LED32,34,38,42が発する熱は、主として熱拡散層24で拡散されて、この熱拡散層24の広さに見合った面積で灯具本体11の第1の壁部13に伝導して境界壁部12に至る。同様に、点灯された第2のLEDモジュール22の各LEDが発する熱は、第2の壁部14に伝導して境界壁部12に至る。
こうして環状の境界壁部12の温度が上昇するに伴い、この境界壁部12に形成されて灯具本体11の外部に露出する気流生成面12aに沿って上昇する気流(図2中点線矢印で示す。)が形成されて、この気流が境界壁部12の熱を奪い去る。このように灯具本体11から大気中への放熱が良好であることにより、下方照明用の第1のLEDモジュール21及び上方照明用の第2のLEDモジュール22の温度過昇が抑制されて、これらモジュールでの発光効率の低下を抑制できる。
更に、複数の第1のLEDモジュール21から第1の壁部13に伝導した熱は、第1の壁部13の上面に設けられたヒートシンク15をなす複数の放熱凸部15aの全側面からも外部に放出される。
既述のように第1のLEDモジュール21は、黄色光、緑光、赤色光、及び青色光を混ぜて白色光を作るが、これらの色の発光は温度特性が異なっている。このため、照明装置2の点灯に伴い灯具本体11等の温度が上昇するに伴い、温度特性の違いによって、各色の光の混色比が変化すると、その結果として複数の第1のLEDモジュール21の発光色が夫々変化し、こうした発光色のずれにより設計通りの白色光で下方照明ができなくなる可能性が考えられる。
しかし、ヒートシンク15をなす複数の放熱凸部15aが、上向きに突出する柱状であって、第1の壁部13に連続してこの第1の壁部13の上面略全域に林立し、かつ、相互間に空隙を開けて設けられていることによって、前記複数の第1のLEDモジュール21間の発光色のずれを生じ難い。
即ち、柱状をなした複数の放熱凸部15aが第1の壁部13の上面略全域に略一定間隔で林立していることにより、ヒートシンク15からの放熱による第1の壁部13の各部に対する冷却のばらつきが起き難く、第1の壁部13全域の温度が略均等となる。これに対して、第1の壁部13の上面に制御装置7が設けられた場合、又は上方照明用の第2のLEDモジュール22が設けられた場合、或いは第1の壁部13の一部の領域に放熱凸部15aがない場合には、第1の壁部13全域の温度が不均等となり易い。したがって、第1の壁部13の下面に支持された複数の第1のLEDモジュール21の温度がばらつき難くなるので、各第1のLEDモジュール21の発光色がばらつくことが抑制されて、略均質な色の光で下方照明ができる。
更に、既述のように第1のLEDモジュール21が発する熱を大気中に放出する複数の放熱凸部15aが、リブ状ではなく柱状で林立していることで、放熱凸部15a相互間の空隙を通る空気の通り抜け方向が多様となり、放熱性能がよい。しかも、各放熱凸部15aが第1の壁部13の上面略全域に設けられているので、第1の壁部13の上面に上方照明用の第2のLEDモジュール22や制御装置7を配設する場合に比較して、放熱凸部15aが数多く確保されるので、この点でも放熱性能がよい。
ちなみに、第1のLEDモジュール21への入力が64Wで、かつ、既述のように第1の壁部13の直径が375mmで、高さが6mmで縦横の最大幅が3mmの各放熱凸部15aが縦横6mmピッチで設けられている条件下での基板23の温度は、約50℃であった。
そして、以上のように複数の第1のLEDモジュール21の温度上昇がより抑制されるので、これら第1のLEDモジュール21を高い効率で発光させることができる。しかも、記述のように複数の放熱凸部15aが第1の壁部13の上面略全域に林立していることで、所定の放熱面積及び放熱性能を得て、灯具本体11の小形化を実現できる。これに対して、第1の壁部13の上面に上方照明用の第2のLEDモジュール22や制御装置7を配設する場合、所定の放熱凸部を得るために灯具本体11を大形にする必要がある。
ところで、第1のLEDモジュール21の主発光を担う第1の発光部31の黄色発光領域Yでは、その第1の封止部材33に混ぜられた黄色蛍光体が、照明装置2の点灯状態で励起されて発熱する。その影響により、第1の発光部31の青色LED32の方が、蛍光体が混ぜられていない第2の封止部材39で覆われた青色LED38、及び第3の封止部材43で覆われた赤色LED42より温度が上がり易い条件にある。
しかし、既述のように黄色発光領域Yに配置された青色LED32の単位面積当たりの配置数は、第2の発光部37に配置された青色LED38、及び第3の発光部41に配置された赤色LED42の単位面積当たりの配置数より少なくなっている。言い換えれば、黄色発光領域Yに配置された青色LED32の配置密度が、他の位置のLEDの配置密度より粗くなっていて、黄色発光領域Yに配置された各青色LED32の周囲の熱拡散面積が増やされている。
このため、黄色発光領域Yに配置された各青色LED32から基板23への熱伝導において、互いに隣接した青色LED32から基板23への放熱が干渉し難くなり、基板23への熱伝導が良好となる。加えて、面積が大きい黄色発光領域Yの表面からの放熱も期待できる。したがって、黄色発光領域Yに配置された各青色LED32の温度過昇による発光効率の低下が抑制されるに伴い、被照射面の明るさの向上に寄与する波長帯域の光を、第1の発光部31の黄色発光領域Yで持続して発光させることができる。
又、前記構成の照明装置2では、その制御装置7で第1のLEDモジュール21が有した各発光領域に含まれるLEDが発する光の発光強度を調整することができ、それにより、第1〜第3の発光部31,37,41から発した光を混ぜて得られる光色の相関色温度を変えることができる。例えば、涼しげな光色でさわやかな雰囲気の照明環境とする場合には、青色LED38の発光強度を強めればよく、暖かい光色で落ち着いた雰囲気の照明環境とする場合には、赤色LED42の発光強度を強めればよい。これとともに、制御装置7による制御で前記四色の発光色を混ぜて目的とする光色を得るときの光束比は複数存在し、各発光色を適宜混ぜることにより、Ra(平均演色評価数)を最大限に高める光束比や、Ra90以上或いはRa80以上となる光束比の範囲を得ることができる。
ところで、下方照明用の第1のLEDモジュール21及び上方照明用の第2のLEDモジュール22の赤色LED42はその点灯に伴って温度が上昇を始めて安定するまでの過程で、この赤色LED42の明るさ(光出力)が電源投入時から発光状態が安定するまで次第に低下する特性が、図13(A)に示すように他の発光色のLEDより大きい。このような特性で赤色の光が照射される場合には、赤色、緑色、青色を発するLEDの立ち上がり特性が図13(B)のようになるから、赤、緑、青の三原色を混ぜて作られる光の色が変化してしまう。それにも拘らず、この照明装置2では、赤色LED42の光出力が、電源投入時から発光状態が安定するまで間で変化しないように抑制できる。
即ち、図12の点灯回路51で既に説明したように、電源投入時から発光状態が安定するまで間において制御装置7は、温度検出に基づいて赤色LED42に対する印加電流値又は時比率の少なくとも一方を変化させる制御を行う。これにより、図13(D)に示すように第1のLEDモジュール21及び第2のLEDモジュール22の赤色LED42に対する印加電流値又は時比率が図13(D)に示すように制御される。言い換えれば、赤色LED42への入力が、電源投入時からの時間の経過又は赤色LED42の温度上昇の変化にしたがって調整されることにより、電源投入時から発光状態が安定するまで間、赤色LED42の発光効率が変化しないように補正される。
こうした補正による赤色LED42の立ち上がり特性は、図13(C)に示され、赤色LED42の光出力が一定化される。そのため、電源投入時から発光状態が安定するまで間での赤色、緑色、青色の光の混ざり方が、発光状態が安定した場合と比較して変化しないようになる。これにより、電源投入時から発光状態が安定するまでの間における灯具本体11の下方の被照射面での色が変わることが抑制されて、安定した発光状態に移行することができる。
なお、緑色及び青色の光色を得る発光部についても、同様の制御が点灯回路51により行われる。又、本実施形態では、サーミスタからなる温度センサー58〜60で対応するLEDの温度を検出しているので、照明装置2の周囲温度の変化を受け難く、前記赤色光等の明るさの変化を抑制する補正を実行できる。
図15を参照して本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態は以下説明する事項以外は、図15に示されない構成を含めて第1実施形態と同じであるので、第1実施形態と同じ構成には第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
第2実施形態は境界壁部12の気流生成面12aを鉛直面で形成した点が第1実施形態と異なり、その他の構成は図15に示されない構成を含めて第1実施形態と同じである。
したがって、第2実施形態でも、第1実施形態で説明した理由によって本発明の課題を解決できる。しかも、鉛直面からなる気流生成面12aは、そこに入射した上方照明用の第2のLEDモジュール22の光を、灯具本体11の中央部側上方に向けて反射することがなく、図15中矢印方向に主に反射する。これにより、天井1に対する灯具本体11の投影領域から外れた領域に入射される反射光の量及び配光の広がりを増やすことができる利点がある。
図16を参照して本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態は以下説明する事項以外は、図16に示されない構成を含めて第1実施形態と同じであるので、第1実施形態と同じ構成には第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
第3実施形態では、境界壁部12を浅い角度で傾斜させて設けて、第1の壁部13の周部13aに形成した斜状面13bを気流生成面として利用している。これとともに、境界壁部12と略同角度で第2の壁部14が設けられている。そのため、この第2の壁部14に配設される上方照明用の第2のLEDモジュール22も同様に傾斜されている。境界壁部12及び第2のLEDモジュール22の傾斜角度は10度以内であることが好ましい。したがって、第2のLEDモジュール22の光は気流生成面として利用される斜状面13bには差し込まないので、この第3実施形態において斜状面(気流生成面)13bを反射面とする工夫は施されていない。
更に、第3実施形態では、境界壁部12の下側に下方に一体に突出する支持部11aを設けている。この支持部11aは、灯具本体11の周方向に連続する環状であっても、灯具本体11の周方向に間隔的に設けられる複数の凸部であってもよい。支持部11aに制光体19が嵌合して支持されている。制光体19はその外周部19bが第2の壁部14を下側から覆うことができる大きさに作られている。なお、支持部11aが間隔的に設けられている場合には、第1のLEDモジュール21から発した光の一部が、制光体19の外周部19bに差し込むことができるので、外周部19b全体が暗く視認されない点で好ましい。
以上説明した以外の第3実施形態の構成は図16に示されない構成を含めて第1実施形態と同じである。そのため、第1実施形態で既に説明した理由によって、第3実施形態においても本発明の課題を解決できる。
1…天井、2…照明装置、7…制御装置、11…灯具本体(装置本体)、12…境界壁部、13…第1の壁部、14…第2の壁部、15…ヒートシンク、15a…放熱凸部、21…第1のLEDモジュール(下方照明用LEDモジュール)、22…第2のLEDモジュール(上方照明用LEDモジュール)、23…基板、29…電気コネクタ、31…第1の発光部、32,34…青色LED(第1の青色発光ダイオード)、33,35…第1の封止部材、37…第2の発光部、38…青色LED(第2の青色発光ダイオード)、39…第2の封止部材、41…第3の発光部、42…赤色LED、43…第3の封止部材、Y…黄色発光領域、G…緑色発光領域、B…青色発光領域、R…赤色発光領域
Claims (8)
- 斜状又は鉛直状で露出する境界壁部、この境界壁部の上端部に一体に連続した第1の壁部、前記境界壁部の下端部に一体に連続して前記第1の壁部とは反対側でかつ前記第1の壁部より低く配置された第2の壁部を備え、かつ天井に吊持して設置される金属製の装置本体と;
前記第1の壁部に配設されて前記装置本体の下側に光を照射する複数の下方照明用LEDモジュールと;
前記第2の壁部に配設されて前記装置本体の上側に光を照射する複数の上方照明用LEDモジュールと;
を具備したことを特徴とする照明装置。 - 前記上方照明用LEDモジュールから発する光の一部が入射されるように前記境界壁部が設けられていて、この境界壁部が反射面をなしていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
- 柱状で上向きに突出するとともに相互間に空隙を設けて隣接する複数の放熱凸部が、前記第1の壁部の上面略全域に林立して設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明装置。
- 前記下方照明用のLEDモジュールが、
基板と;
この基板に設けられた第1の発光部であって、青色光を発する複数の第1の青色発光ダイオード、これら青色発光ダイオードを封止した透光性の第1の封止部材、及びこの封止部材に混ぜられ前記青色光により励起される蛍光体を有して、緑色ないし黄色の光を発する前記第1の発光部と;
この第1の発光部に隣接して前記基板に設けられるとともに前記第1の発光部よりも発光面積が小さい第2の発光部であって、青色光を発する複数の第2の青色発光ダイオード、及びこれら第2の青色発光ダイオードを封止した透光性の第2の封止部材を有した前記第2の発光部と;
前記第1の発光部に隣接して前記基板に設けられるとともに前記第1の発光部よりも発光面積が小さい第3の発光部であって、赤色光を発する複数の赤色発光ダイオード、及びこれら赤色発光ダイオードを封止した透光性の第3の封止部材を有した前記第3の発光部と;
を具備していることを特徴とする請求項1から3の内のいずれか一項に記載の照明装置。 - 前記第1の発光部が長方形の発光領域を有し、この長方形の発光領域の長手方向を複数の前記下方照明用LEDモジュールの並び方向に一致させて、これら複数の下方照明用LEDモジュールが列状に配設されていることを特徴とする請求項4に記載の照明装置。
- 隣接した前記下方照明用LEDモジュールの電気的接続を担う電気コネクタが、前記長方形の発光領域をその長手方向両側から挟むように前記基板に搭載されていることを特徴とする請求項5に記載の照明装置。
- 前記上方照明用LEDモジュールが赤色、緑色、青色に発光する三種類の発光部を有しているとともに、前記上方照明用LEDモジュールの発光色及び前記下方照明用LEDモジュールの色温度を可変する制御装置を備えていることを特徴とする請求項1から6の内のいずれか一項に記載の照明装置。
- 前記制御装置が、前記下方照明用LEDモジュール及び上方照明用LEDモジュールヘの電源投入からこれら照明用LEDモジュールが有した赤色に発光する発光部に設けられた赤色発光ダイオードの発光状態が安定するまでの期間において、前記下方照明用LEDモジュール及び上方照明用LEDモジュールが有した前記赤色発光ダイオードに対する印加電流値又は時比率の少なくとも一方を変化させて、前記下方照明用LEDモジュール及び上方照明用LEDモジュール夫々が有した前記赤色発光ダイオードの明るさが、前記発光状態が安定したときの明るさと同じとなるように制御することを特徴とする請求項7に記載の照明装置。
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