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JP2009220318A - 加飾シート、その製造方法、及び、樹脂成形物 - Google Patents

加飾シート、その製造方法、及び、樹脂成形物 Download PDF

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JP2009220318A
JP2009220318A JP2008065266A JP2008065266A JP2009220318A JP 2009220318 A JP2009220318 A JP 2009220318A JP 2008065266 A JP2008065266 A JP 2008065266A JP 2008065266 A JP2008065266 A JP 2008065266A JP 2009220318 A JP2009220318 A JP 2009220318A
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Chikatsu Akisada
千勝 秋定
Takamichi Fujiwara
孝道 藤原
Kiwaki Hosogai
極樹 細貝
Shinya Ishikawa
慎也 石川
Yuki Takahane
祐貴 鷹羽
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Japan Wavelock Co Ltd
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Abstract

【課題】従来のグラビア印刷法、原料着色フィルム法、及び、染色法が持っていた多くの問題点を有せず、かつ、これら従来技術では得られなかった高級感のある艶、深み、てり、発色性、及び、金属光沢を備えた新規な加飾シートを提供する。
【解決手段】厚さが50μm以上でかつ平行光線透過率が90%以上の熱可塑性樹脂フィルム、厚さが10μm以上でかつ着色剤が配合された接着剤からなる第1接着剤層、金属保持用フィルム層、金属層、第2接着剤層、及び、熱可塑性樹脂からなる基材シートがこの順で積層されている加飾シート。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車内外装、家具、建築材料、鞄、家電製品、オーディオ、パソコン、携帯電話、カメラ、ビデオカメラ、看板、ディスプレイ、ネームプレート、額縁、パチンコ−パチスロ等アミューズメント製品等の樹脂製品の表面に新規な質感を付加する加飾シート、その製造方法、及び、かかる加飾シートを用いて成形された樹脂成形物に関する。
樹脂成形品の成形にあたって、加飾シートを金型に挿入して成形品表面に金属調などの外見を付与する方法や、加飾シートを基材樹脂シートに押出ラミネートにより積層したのちに、真空成形等により成形して成形品表面に金属調などの外見を付与する方法は、高級感を減ずることなく、従来の金属材料と置き換えが可能で、かつ、同時に省工程、低コスト、軽量化などを達成することができるために、様々な加飾シートの技術が提案されている。
このようなもののなかで、有色のものは、例えば、グラビア印刷法、原料着色フィルム法、あるいは、特許第3718696号公報(特許文献1)記載の染色法などによって得られるものが知られており、これらは、染色アルマイト法、電解着色法などの金属への直接処理では得られない、新規な色感、艶、光沢、てりなどが得られるとして、高い評価を受けている。
しかし、これら従来技術による製造方法では、以下の問題があった。
<グラビア印刷(裏ベタ印刷)法>
・ピンホールや色むらが不可避的に発生してしまう。
・グラビアの版目が目立ちやすい。特に成形品に成形した際、深く絞った部分に顕著に現れる。
・発色性を向上させるために印刷厚さを厚くしようとする(版のセルを大きくする)と上記の現象がさらに顕著となり成形前の状態でも版目が現れる。
・印刷層の厚さは数μ以下となり、このために鮮鋭性、発色性のある意匠が得られにくい。深絞りをした部分ではその色が極端に薄くなり、商品価値を失う。
・印刷後、印刷面を他のフィルムと積層した場合、印刷層と被印刷フィルム間で層間剥離を起こしやすい。層間剥離は成形時に深絞りをした部分で特に起こりやすい。
・製造中、溶剤の揮発によってインキの濃度が上昇するため、インキの濃度を常に監視しながら溶媒を追加する必要がある。
<原料着色フィルムを使用した場合>
原料着色フィルムは、原料の樹脂組成物に着色剤を添加し、押出し法、あるいは、カレンダー法により製造されるため、さまざまな色調、濃淡に対応できる多種多様な原着フィルムの少量生産は事実上不可能であり、また、大量に生産した場合には大きな在庫負担となる。
<染色法>
本発明者等は、新規な質感を有し、斬新なイメージを付与することができる加飾シートを可能とする加飾シート用フィルムを提供すべく、特許第3718696号公報で、染色による方法を提案しているが、染色法には以下の問題がある。
・フィルムを染色する工程が別に必要であるため高コストとなる。
・染色はフィルムを大容量の染色液槽に長時間浸漬して行うが、通常一回の染色では着色が不充分であり、そのため染色工程を3〜6回繰返し行う必要があり、コストが高く、不良率も高くなる。
・染色条件(温度、時間、濃度等)の調整に高度な熟練が必要で品質管理が難しい。ロット間、ロット内で色ぶれを起こしやすい。
・使用できるフィルムが染色適性のあるポリエステルフィルムやアクリルフィルム等に限定される。
・廃液が大量に発生するために環境負荷が高く、廃液処理コストがかかる。
・溶剤タイプの染色液を使用する場合は、その溶剤に対して耐性のある材料に限定される。
・水性タイプの染色液を使用する場合は、染色液を80℃〜90℃の高温にして処理するため、耐熱性のある材料に限定される。例えば、アクリルフィルムは高透明性と染色適性を有しているが耐溶剤性、耐熱性、引裂性に劣るため加工が難しく、フレアやシワを起こしやすい。
・染色フィルムの在庫を持つ必要があり保管コストが掛かる。在庫リスクを抱える。
・染色後の巻き取りでブロッキングを起こしやすい。
・顔料に比べ染料は耐候性に劣るため、最外層に近い部分に染色されたフィルムを配した場合は退色しやすく、そのために用途が限定される。
・摩擦堅牢度試験で色落ちが発生するために表面に保護フィルムが必要となる。
このように、従来のグラビア印刷法、原料着色フィルム法、及び、染色法ともに、いずれも問題点を有していた。
特許第3718696号公報
本発明は、上記した従来のグラビア印刷法、原料着色フィルム法、及び、染色法が持っていた多くの問題点を有せず、かつ、これら従来技術では得られなかった高級感のある艶、深み、てり、発色性、及び、金属光沢を備えた新規な加飾シートを提供することを目的とする。
本発明の加飾シートは前記課題を解決するために、請求項1に記載の通り、厚さが50μm以上でかつ平行光線透過率が90%以上の熱可塑性樹脂フィルム、厚さが10μm以上でかつ着色剤が配合された接着剤からなる第1接着剤層、金属保持用フィルム層、金属層、第2接着剤層、及び、熱可塑性樹脂からなる基材シートがこの順で積層されていることを特徴とする加飾シートである。
また、本発明の加飾シートは、請求項2に記載の通り、請求項1に記載の加飾シートにおいて、前記第1接着剤層の厚さ方向の濁度が15以下であることを特徴とする。
また、本発明の加飾シートは、請求項3に記載の通り、請求項1または請求項2に記載の加飾シートにおいて、前記第1接着剤層がダイコーターによって形成されたことを特徴とする。
本発明の加飾シートの製造方法は、請求項4に記載の通り、請求項1または請求項2に記載の加飾シートの製造方法において、着色剤が配合された接着剤を前記厚さが50μm以上でかつ平行光線透過率が90%以上の熱可塑性樹脂フィルム、及び/または、金属層が保持された前記金属保持用フィルムに、ダイコーターによって塗布する第1接着剤層形成工程を有することを特徴とする加飾シートの製造方法である。
本発明の樹脂成形物は、請求項5に記載の通り、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の加飾シートを用いて成形されたことを特徴とする樹脂成形物である。
本発明の加飾シートによれば、グラビア印刷法、原料着色フィルム法、及び、染色法が持っていた多くの問題点を有せず、かつ、これら従来技術では得られなかった高級感のある艶、深み、てり、発色性、及び、金属光沢を備えた新規な加飾シートを得ることができる。
また、請求項2に記載の加飾シートによれば、特に戸外などの強い光を受けたときに、より強いてりが得られ、鮮やかな印象を見る人に与えることができる。
また、請求項3に記載の加飾シートによれば、第1接着剤層の厚さを容易に10μm以上とすることができ、かつ、その厚さを10μm以上のより厚いものとすることにより、深み、発色性、及び、金属光沢をより深いものとすることができる。
本発明の加飾シートの製造方法によれば、第1接着剤層を容易に10μm以上の厚いものとすることができる。このとき、深み、発色性、及び、金属光沢をより深いものとすることができる。
本発明の樹脂成形物によれば、従来技術では得られなかった高級感のある艶、深み、てり、発色性、及び、金属光沢を備えた成形物とすることができる。
本発明の加飾シートは上記のように、厚さが50μm以上でかつ平行光線透過率が90%以上の熱可塑性樹脂フィルム、厚さが10μm以上でかつ着色剤が配合された接着剤からなる第1接着剤層、金属保持用フィルム層、金属層、第2接着剤層、及び、熱可塑性樹脂からなる基材シートがこの順で積層されている加飾シートである。
ここで、このような加飾シートの一例Aの断面を図1にモデル的に示す。
図中符号1は厚さが50μm以上でかつ平行光線透過率が90%以上の熱可塑性樹脂フィルムであり、順次厚さが10μm以上でかつ着色剤が配合された接着剤からなる第1接着剤層2、金属保持用フィルム層3、金属層4、第2接着剤層5、及び、熱可塑性樹脂からなる基材シート6がこの順で積層されている。加飾シートAでは金属保持用フィルム層3の金属層側の面がヘアライン加工されており、微細な線状の溝3aが多数形成されている。
平行光線透過率が90%以上の熱可塑性樹脂フィルムを構成する樹脂成分としては、ポリオレフィン系、フッ素系、ポリウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系などの各種樹脂などが挙げられ、このうち、アクリル系樹脂であることが、成形性、耐擦傷性、耐候性に優れているために好ましい。
ここで、フィルムの厚さは平行光線透過率が90%以上を満足する範囲であれば、良いが、あまり厚すぎると成形性が低くなり、薄すぎると加飾シートとしての深みや艶が得られなくなる傾向があるので、通常は50μm以上500μm以下とする。さらに好ましい範囲としては50μm以上250μm以下である。
第1接着剤層としては厚さが10μm以上でかつ着色剤が配合された接着剤からなることが必要である。ここで、用いる接着剤としては、黒や褐色などの濃色の着色剤を併用する場合でなければ無色透明のものを用いることが好ましい。また、少なくとも成形時の熱に耐えられる耐熱性を有していることが必要である。このようなものとしてはウレタン系の接着剤が挙げられる。
また、用いる着色剤としては、着色剤としては一般的な有色のものが用い得る。すなわち、顔料、染料などを単独で、あるいは適宜組み合わせて用いる。
第一接着剤層における接着剤に対する着色剤の配合比は、高すぎても低すぎても深みが得られにくくなる。最適な配合範囲は、着色剤の色、用途にもよるが、通常、接着剤100重量部あたり、0.5部以上、100部以下であることが好ましく、より好ましくは1部以上50部以下である。
着色剤の接着剤への配合はディゾルバーなどで容易に、均一分散させることができる。
本発明では第1接着剤層としては厚さが10μm以上であることが必要である。厚さが10μm未満であると充分に深みがあり、鮮やかな発色を付与することができない。好ましい範囲は15μm以上である。なお、さらに厚く、50μm程度とすることもできるが、このとき、接着剤の希釈溶媒の乾燥不良による品質低下を引き起こしやすく、通常は30μm以下とすることが好ましい。
このような厚い接着剤層は一般的でないが、例えば、ダイコーターによるダイコート法により上記の熱可塑性樹脂フィルムと後述する金属保持用フィルムとの間に、これらの一方の面、あるいは、両者の面に、着色剤が配合された接着剤を塗布することで効率よく、かつ、均一な厚さに形成することができる。
ここで、ダイコーターの製造者としては井上金属工業社やヒラノテクシード社などが知られている。
さらに使用する接着剤の種類、着色剤の種類とその配合量、及び、第1接着剤層の厚さを調整して第1接着剤層の厚さ方向の濁度が15以下となるようにすることが良好なてりを得るために必要である。
金属保持用フィルムとしては、後述する金属層形成時の段取り工程1回あたりの、真空容器内に入れることができる1ロールあたりの巻き長さを著しく長くすることができるので、薄く、かつ、金属との密着性の良好なものを用いことが好ましい。
金属保持用フィルムの厚さとしては100μm以下、好ましくは40μm以下、より好ましくは25μm以下である。厚さの下限としては、金属層形成及びその後の取り扱いに充分であれば良く、3μm以上、好ましくは5μm以上である。
金属保持用フィルムはポリエステル系フィルムあるいはポリオレフィン系フィルムであることが、金属層との密着性が優れているために好ましい。加飾シートとして高い成形自由度を得るために、延伸性を向上させた各種変性ポリエステル系フィルムを用いることもできる。
さらに、金属保持用フィルムは少なくとも1面にヘアライン加工が施されていることが,最終製品としたときに高級感を付与することができるので好ましい。さらに金属層形成側の面にヘアラインを施すことにより金属層との密着性を向上させることができるのでより好ましい。
金属保持用フィルムの金属層は、真空蒸着、CVD、イオンプレーティング、プラズマCVD、スパッタリング等の真空応用技術により形成する。この場合、これら金属膜形成装置の限られた大きさの真空容器部に、より長尺のフィルム(シート)が収納できることが金属層形成ではコスト的に望ましい。
用いる金属としては、たとえば、アルミニウム、クロム、インジウム、錫、ニッケルおよびこれらの合金が挙げられるが、特に、角部でも金属光沢を充分に確保することができ、かつ、耐腐食性が高いので、インジウムであることが望ましい。
金属保持用フィルムに形成する金属層の厚さとしては100Å以上1000Å以下であることが好ましい。100Å未満であると金属層形成の効果が充分に得られず、一方、1000Å超であるとコストアップとなり実用的ではない。
金属保持用フィルムは、金属が形成された面が基材シート側になるように配置される。すなわち、本発明に加飾シートの製造において、積層は、通常、基材シートの片面に対して徐々に上の層を接着して行う。これにより、中間製品の取り扱い性が良好で、歩留まりが向上するが、特に金属保持用フィルムの金属形成面は取り扱い上、傷がつきやすいためである。
第2接着剤層で用いる接着剤としては、充分な接着力及び少なくとも成形時の熱に耐えられる耐熱性を有しているものが使用可能であり、一般にポリウレタン系接着剤などを使用することができる。第2接着剤層の厚さは通常2μm以上20μm以下である。
基材シートを構成する樹脂としては、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリプロピレン、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなどから、最終の成形品を成形する樹脂に合わせて、リサイクル性を考えて適宜選択する。
また、基材シート層の厚さは、取り扱い性、成形性、剛性、コスト等を勘案して決定するが、通常は100μm以上1000μm以下とする。
本発明の加飾シートは特別なことがない限り、上述のように、基材シート層の片面に順次上述の層を接着して形成する。
このようにして形成された加飾シートは、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、などにより、あるいは、これらにより成形されたのち、インサートとしてインサート成形されて、成形物となる。
このように成形された本発明の加飾シート及び成形品は、グラビア印刷での欠点である、ピンホールや色むらの発生、グラビアの版目の視認性、鮮鋭性及び発色性の低さ、深絞り部分での色の薄化、層間剥離、インキの濃度問題などが生じず、原料着色フィルムを使用した場合での、多品種少量生産へ対応困難、在庫負担の問題も生じない。さらに、染色法での工程増加問題、繰り返し処理が必要であることまたそれに伴う歩留まり低下問題、品質(着色)管理の困難さ、フィルム種類の限定、廃液処理、在庫負担、ブロッキング、褪色、色落ちなどの問題も生じない。
特に、中間製品の在庫に関して、本発明の加飾シートにおいては、基材シートに第2接着剤層を介して金属層を保持した金属保持用フィルム層を貼り合わせた段階の中間材は汎用性が高いので、在庫負担となることが少ない。すなわち、この段階の中間材を予め生産しておけば、接着剤に需用者の求めに応じた色の着色剤を配合し、やはり需用者の求めに応じた熱可塑性樹脂フィルムと貼り合わせるだけで、多品種少量生産への対応が可能となる。
ここで、上記基材シートに第2接着剤層を介して金属層を保持した金属保持用フィルム層を第2接着剤層で貼り合わせた段階の中間材と熱可塑性樹脂フィルムとを第1接着剤層により貼り合わせて行う本発明に係る加飾シートの製造について、その製造装置及び方法について、図2を用いて説明する。
図1、破線で囲まれ符号α0を付して示されているのが、ダイコーターであり、サービスタンクα1には、予め調製された第1接着剤β2が容れられており、サービスタンクα1の底部に接続された配管にはポンプα2が接続されており、第1接着剤β2はこのポンプα2によりノズル部α3へ供給される。
一方、熱可塑性樹脂フィルムはロール状に巻かれており(ロールβ1)、上記ダイコーターα0に供給され、その片面には上記ノズル部α3から供給される第1接着剤β2により、第1接着剤層が形成される。
この第1接着剤層の第1接着剤β2は乾燥炉α4によって溶剤成分が除去され、貼り合わせに適切な温度に保たれた1対のラミロールα5のロール間へと供給される。
また、基材シートに第2接着剤層を介して金属層を保持した金属保持用フィルム層を第2接着剤層で貼り合わせた段階の中間材はロール状に巻かれており(ロールβ3)、やはり、1対のラミロールα5のロール間に供給され、第1接着剤層が形成された熱可塑性樹脂フィルムとその第1接着剤層によって貼り合わされる。
これら各層が貼り合わされた後、冷却ロールα6により、冷却された後ロール状に巻き取られ(β4)、本発明に係る加飾シートが得られる。
以下に本発明の加飾シートの実施例について具体的に説明する。
<金属保持用フィルムへの金属層の形成>
厚さが25μmの変性ポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム社製テフレックスFT−3)の片面にヘアライン加工をヘアライン加工機によって施した。
このヘアライン加工面に対して、真空蒸着法により厚さが40nmのインジウム層を形成した。
<基材シートへの金属層が形成された金属保持用フィルムの積層>
基材シートとしては厚さが250μmのアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体製シートを用いた。
第2接着剤層用の接着剤としては、ウレタン系接着剤(東洋インキ社製TM−K51(15重量部)、同CST−RT85(2.25重量部)、酢酸エチル(15重量部)から調製))を用い、井上金属工業社製ダイコーターより、上記基剤シートの片面に溶媒乾燥除去後の厚さが10μmとなるように塗布し、その後加熱により溶媒の酢酸エチルを充分に蒸発除去させて第2接着剤層を形成した。その後、金属層が形成された金属保持用フィルムを、その金属層が基剤シート側になるようにして貼り合わせた。
<第1接着剤の調製、本発明の加飾シートA及び成形品>
第1接着剤層でも第2接着剤層で用いたのと同じウレタン系接着剤に着色剤を配合して用いた。すなわち、接着剤100重量部に対して着色剤として日弘ビックス社製NSP−VG 105D(RED)(赤色顔料。固形分濃度20%)を46.5重量部となるようにディゾルバーを用いて均一配合した。
次いで、この着色剤が配合された接着剤をダイコーターを用いて、上記貼り合わせシートの金属保持用フィルムに溶媒乾燥除去後の厚さが15μmとなるように塗布し、その後加熱により溶媒の酢酸エチルを充分に蒸発除去させて第1接着剤層を形成した。次いで、厚さが50μmでかつ平行光線透過率(日本電色工業社製ND−Σ80で測定)が92%のポリメチルメタクリレートフィルム(住友化学社製S001)を貼り合わせて本発明に係る加飾シートA(実施例1)を得た。
ここで、上記着色剤が配合された接着剤について、その溶媒蒸発除去後の厚さが上記第2接着剤層と同じ15μmになるようにアプリケ−ターを用いてガラス板に塗布した後、溶媒を充分に蒸発除去させて接着剤膜を形成した.このように作製した着色剤が配合された接着剤膜について、日本電色工業社製ND−Σ80で濁度を測定したところ10.93であった。
上記加飾シートAを工業デザイナーの10人の合議体により、室内光で艶、発色性、及び、金属光沢について評価を行い、色の深み、及び、てり、すなわち、底部からの反射光の鮮やかさ(すなわち、色の深みとてりとは一見、相反するもののように考えられるが、宝石級のルビー、サファイヤなどにおいては、深みのある色と底部からの鮮やかなてりとは両立する)に関しては、屋外の太陽光での評価を行った(以下の官能評価は同様の合議体によって行われた)。
その結果、深みのある色調(赤色)であって鮮やかな発色であり、てりもはっきりしており、ルビーを思い起こすような透明感のある全く新しい金属調光沢の外観を有しているとの評価を受けた(以下、官能評価は同様の合議体によって行われた)。
この加飾シートAの基材シート側の面を厚さ3mmのポリカーボネートシートと押出しラミネーション方により積層した後、真空成形により立体形状に成形してスーツケースのシェルを得たが上記新しい金属調外観は損なわれることがなかった。
<加飾シートB:比較例>
加飾シートAと同様に、ただし、加飾シートAでは厚さが50μmでかつ平行光線透過率が92%のポリメチルメタクリレートフィルム(住友化学社製S001)を用いたが、このフィルムの代わりに厚さが25μmと薄いもの(三菱レイヨン社製ポリメチルメタクリレートフィルム。平行光線透過率:92%)用いて、加飾シートBを得た。
この加飾シートBは加飾シートAに比して明らかに色に深みが不足しており、つやも少なく、受ける印象も弱いものであるとの評価を受けた。
<加飾シートC:比較例>
加飾シートAと同様に、ただし、加飾シートAでは厚さが50μmでかつ平行光線透過率が92%のポリメチルメタクリレートフィルム(住友化学社製S001)を用いたが、このフィルムの代わりに平行光線透過率が88%と低い変性ポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム社製テフレックスFT−3。厚さ:50μm)を用いて、加飾シートCを得た。
この加飾シートCは加飾シートAに比して明らかに色に深みがなく、つやも少なく、受ける印象も弱いものであるとの評価を受けた。
<加飾シートD:比較例>
加飾シートAと同様に、ただし、加飾シートAでは15μmの厚さの第1接着剤層を形成したが、これを5μmと薄く、ただし、配合した顔料は加飾シートAの場合よりも多く添加して最終的に加飾シートAと同等の色の濃さとなるよう色目を合わせて、形成し、加飾シートDを得た。
この加飾シートDも加飾シートAに比して明らかに色に深みがなく、つやも少なく、受ける印象も弱いものであるとの評価を受けた。
<<印刷品(加飾シートE)>>
図3にその断面をモデル的に示した、印刷による赤色の着色を行った加飾シートEを作成した。
加飾シートA同様にして基材シートに第2接着剤層を介して金属層を保持した金属保持用フィルム層を第2接着剤層で貼り合わせた段階の中間材を得た。
この中間材の金属保持用フィルム側に、厚さが50μmでかつ平行光線透過率が92%のポリメチルメタクリレートフィルム(住友化学社製S001)の1面(貼り合わせ面)にグラビア印刷法(ヘリオ100線)で赤色のインクにより印刷層7を形成した着色フィルムを、印刷層側を中間材側になるようにして、加飾シートAで用いたものと同じウレタン系接着剤による接着剤層2’(厚さ15μm。ダイコーターにより形成)を介して貼り合わせて加飾シートEを得た。
この加飾シートEの色彩及び色調は加飾シートAと同様のレベルとなるように印刷条件により調整されている。
この加飾シートEについて加飾シートAと比較して評価したところ、艶、深み、てりにおいて加飾シートAに劣り、また、光沢に関しては角部で”いやみがある”との評価結果であった。光沢に対するこのような評価に関しては、グラビアの版目による色のにじみが特に顕著となったものと考えられる。
<<染色品(加飾シートF)>>
ポリフッ化ビニリデンとポリメチルメタクリレートとを共押出しして形成された積層フィルム(クレハ社製KFCフィルム、ポリフッ化ビニリデン層:厚さ5μm、ポリメチルメタクリレート層:厚さ45μm)のポリメチルメタクリレート層のみが染色されるように染色した(染色条件:90℃の染色浴に30分浸漬、その後水洗し、次いで75℃で90秒間乾燥、この染色・水洗・乾燥を計3回繰り返し、染色された透明フィルムの一方の面から他方の面に向かう深さ方向の色の濃度が徐々に高くなるように染色された)複合フィルムを得た。ここで上記染色条件は最終的得られる加飾シートの色彩及び色調が加飾シートAと同様のレベルとなるように設定された。
次いで、この染色された複合フィルムを、その染色面を中間材側になるようにして、加飾シートで用いたものと同じウレタン系接着剤による接着剤層2’(厚さ:15μm。ダイコーターにより形成)を介して、加飾シートA同様にして基材シートに第2接着剤層を介して金属層を保持した金属保持用フィルム層を貼りあわせた段階の中間材と貼り合わせて、特許第3718696号公報に記載の技術にかかる加飾シートFを得た。
この加飾シートFについて加飾シートAと比較して評価したところ、深みにおいて加飾シートAに若干劣り、てりにおいては加飾シートAに劣るとの評価結果を受けた。
この加飾シートFと加飾シートAとの評価結果から考察すると、深みとてりは、表面層近くには透明な層を配置し、そして、着色剤を加飾シート内の金属層にできるだけ近くに配置することにより、より高く発現されるものであろうと考えられた。
<加飾シートG:実施例>
加飾シートAと同様に、ただし、第1接着剤層で用いた着色剤を配合して用いたウレタン系接着剤における、着色剤としての日弘ビックス社製NSP−VG 105D(RED)(赤色顔料)の配合量を46.5重量部ではなく120重量部として加飾シートGを得た。また、このより多く着色剤が添加された接着剤の乾燥後の厚さ15μmの濁度を別途調べたところ、20となっていた。
この加飾シートGについて加飾シートAと比較して評価したところ、深みにおいて加飾シートAと同等であったが、てりにおいては加飾シートAに若干劣るとの評価結果を受けた。
<加飾シートH:実施例>
加飾シートAと同様に、ただし、第1接着剤層で用いた着色剤を配合して用いたウレタン系接着剤における、着色剤としての日弘ビックス社製NSP−VG 105D(RED)の代わりに青色顔料であるNSP−VP 663(D)(BLUE)(青色顔料 固形分濃度20重量%)を用い、46.5重量部となるように配合として加飾シートHを得た。また、このより多く着色剤が添加された接着剤の乾燥後の厚さ15μmの濁度を別途調べたところ、5.58となっていた。
この加飾シートHについて加飾シートAと比較して評価したところ、色こそ違うものの、高級感のある艶、深み、てり、発色性、金属光沢、及び、印象の点で、加飾シートAと同等の評価を受けた
本発明にかかる加飾シートの一例Aを示すモデル断面図である。 基材シートに第2接着剤層を介して金属層を保持した金属保持用フィルム層を第2接着剤層で貼り合わせた段階の中間材と熱可塑性樹脂フィルムとを第1接着剤層により貼り合わせて行う本発明に係る加飾シートの製造工程を示すモデル図である。 比較例の印刷技術を用いてなる加飾シートGのモデル断面図である。 比較例の染色技術を用いてなる加飾シートHのモデル断面図である。
符号の説明
A 本発明に係る加飾シート
B 本発明に係る加飾シート
1 厚さが50μm以上でかつ平行光線透過率が90%以上の熱可塑性樹脂フィルム
2 厚さが10μm以上でかつ着色剤が配合された接着剤からなる第1接着剤層
3 金属保持用フィルム層
3a 微細な線状の溝
4 金属層
5 第2接着剤層
6 熱可塑性樹脂からなる基材シート
α0 ダイコーター

Claims (5)

  1. 厚さが50μm以上でかつ平行光線透過率が90%以上の熱可塑性樹脂フィルム、厚さが10μm以上でかつ着色剤が配合された接着剤からなる第1接着剤層、金属保持用フィルム層、金属層、第2接着剤層、及び、熱可塑性樹脂からなる基材シートがこの順で積層されていることを特徴とする加飾シート。
  2. 前記第1接着剤層の厚さ方向の濁度が15以下であることを特徴とする請求項1に記載の加飾シート。
  3. 前記第1接着剤層がダイコーターによって形成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加飾シート。
  4. 請求項1または請求項2に記載の加飾シートの製造方法において、着色剤が配合された接着剤を前記厚さが50μm以上でかつ平行光線透過率が90%以上の熱可塑性樹脂フィルム、及び/または、金属層が保持された前記金属保持用フィルムに、ダイコーターによって塗布する第1接着剤層形成工程を有することを特徴とする加飾シートの製造方法。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の加飾シートを用いて成形されたことを特徴とする樹脂成形物。
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