JP2009193761A - 電池用セパレータのための反応性ポリマー担持多孔質フィルムとそれより得られる電極/セパレータ接合体。 - Google Patents
電池用セパレータのための反応性ポリマー担持多孔質フィルムとそれより得られる電極/セパレータ接合体。 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】電極との間に十分な接着性を有すると共に、耐熱性にすぐれるために、高温での安全性にすぐれた電池を与える電池用セパレータのための反応性ポリマー担持多孔質フィルムを提供する。
【解決手段】反応性ポリマーを多孔質フィルム上に担持させてなる電池用セパレータのための反応性ポリマー担持多孔質フィルムであって、上記多孔質フィルムがポリオレフィンとスチレン−ブタジエン共重合体を含む樹脂組成物の架橋体からなり、5%以上のゲル分率を有するフィルムであり、分子中に3−オキセタニル基とエポキシ基とから選ばれる反応性基を複数有する架橋性ポリマーをその一部の前記反応性基によって、酸無水物とポリカルボン酸とモノカルボン酸から選ばれる少なくとも1種の架橋剤と反応させ、一部、架橋させて得られる架橋ポリマーから上記反応性ポリマーがなることを特徴とする電池用セパレータのための反応性ポリマー担持多孔質フィルム。
【選択図】なし
【解決手段】反応性ポリマーを多孔質フィルム上に担持させてなる電池用セパレータのための反応性ポリマー担持多孔質フィルムであって、上記多孔質フィルムがポリオレフィンとスチレン−ブタジエン共重合体を含む樹脂組成物の架橋体からなり、5%以上のゲル分率を有するフィルムであり、分子中に3−オキセタニル基とエポキシ基とから選ばれる反応性基を複数有する架橋性ポリマーをその一部の前記反応性基によって、酸無水物とポリカルボン酸とモノカルボン酸から選ばれる少なくとも1種の架橋剤と反応させ、一部、架橋させて得られる架橋ポリマーから上記反応性ポリマーがなることを特徴とする電池用セパレータのための反応性ポリマー担持多孔質フィルム。
【選択図】なし
Description
本発明は、電池用セパレータのための反応性ポリマー担持多孔質フィルムとそれより得られる電極/セパレータ接合体に関する。
近年、携帯電話やノート型パーソナルコンピュータ等の小型乃至携帯電子機器のための電源として、高エネルギー密度を有するリチウムイオン二次電池が広く用いられている。このようなリチウムイオン二次電池は、シート状の正、負極と、例えば、ポリオレフィン樹脂多孔質フィルムとを積層し、又は捲回して、例えば、金属缶からなる電池容器に仕込んだ後、この電池容器に電解液を注入し、密封、封口するという工程を経て製造される。
しかし、近年、上記のような小型乃至携帯電子機器の一層の小型化、軽量化への要望が非常に強く、そこで、リチウムイオン二次電池についても、更なる薄型化と軽量化が求められており、従来の金属缶容器に代えて、ラミネートシール型の電池容器も用いられるようになっている。
このようなラミネートシール型の電池容器によれば、従来の金属缶容器に比べて、セパレータと電極の電気的接続を維持するための面圧を電極面に十分に加えることができないので、電池の充放電時の電極活物質の膨張収縮によって、電極間距離が経時により部分的に大きくなり、電池の内部抵抗が増大して、電池特性が低下するほか、電池内部で抵抗のばらつきが生じることによっても、電池特性が低下するという問題が生じる。
また、大面積のシート状電池を製造する場合には、電極間距離を一定に保つことができず、電池内部の抵抗のばらつきによって、電池特性が十分に得られないという問題もあった。
そこで、従来、このような問題点を解決するために、電解液相、電解液を含有する高分子ゲル層及び高分子固層からなる接着性樹脂層によって電極とセパレータを接合することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、ポリフッ化ビニリデン樹脂を主成分とするバインダー樹脂溶液をセパレータに塗布した後、これに電極を重ね合わせ、乾燥して電池積層体を形成し、この電池積層体を電池容器に仕込んだ後、電池容器に電解液を注入して、セパレータに電極を接着した電池を得ることも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
更に、電解液を含浸させたセパレータと正、負の電極を多孔性の接着性樹脂層で接合して、密着させると共に、上記接着性樹脂層中の貫通孔に電解液を保持させて、セパレータに電極を接着した電池とすることも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかし、このような方法によれば、セパレータと電極との間に十分な接着力を得るためには、接着性樹脂層の厚さを厚くしなければならず、また、接着性樹脂に対する電解液量を多くできないので、得られる電池においては、内部抵抗が高くなり、サイクル特性や高レート放電特性が十分に得られない問題があった。
特開平10−177865号公報
特開平10−189054号公報
特開平10−172606号公報
本発明は、セパレータに電極を接着してなる電池の製造における上述した問題を解決するためになされたものであって、電極との間に十分な接着性を有すると共に、耐熱性にすぐれるために、高温での安全性にすぐれた電池を与える電池用セパレータのための反応性ポリマー担持多孔質フィルムを提供することを目的とする。
更に、本発明は、そのような架橋性ポリマー担持多孔質フィルムより得られる電極/セパレータ接合体を提供することを目的とする。
本発明によれば、反応性ポリマーを多孔質フィルム上に担持させてなる電池用セパレータのための反応性ポリマー担持多孔質フィルムであって、上記多孔質フィルムがポリオレフィンとスチレン−ブタジエン共重合体を含む樹脂組成物の架橋体からなり、5%以上のゲル分率を有するフィルムであり、分子中に3−オキセタニル基とエポキシ基とから選ばれる反応性基を複数有する架橋性ポリマーをその一部の前記反応性基によって、酸無水物とポリカルボン酸とモノカルボン酸から選ばれる少なくとも1種の架橋剤と反応させ、一部、架橋させて得られる架橋ポリマーから上記反応性ポリマーが形成されていることを特徴とする電池用セパレータのための反応性ポリマー担持多孔質フィルムが提供される。
更に、本発明によれば、上記反応性ポリマー担持多孔質フィルムに電極を積層して、電極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム積層体を得、この電極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム積層体を電池容器内に仕込んだ後、カチオン重合性触媒を含む電解液を上記電池容器内に注入し、上記電極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム積層体の有する反応性ポリマーを上記電解液と接触させて、上記反応性ポリマーをカチオン重合させることによって得られる電極/セパレータ接合体が提供される。
本発明による電池用セパレータのための反応性ポリマー担持多孔質フィルムは、反応性ポリマーを多孔質フィルム上に担持させてなる電池用セパレータのための反応性ポリマー担持多孔質フィルムであって、上記多孔質フィルムがポリオレフィンとスチレン−ブタジエン共重合体を含む樹脂組成物の架橋体からなり、5%以上のゲル分率を有するフィルムであり、分子中に3−オキセタニル基とエポキシ基とから選ばれる反応性基を複数有する架橋性ポリマーをその一部の前記反応性基によって、酸無水物とポリカルボン酸とモノカルボン酸から選ばれる少なくとも1種の架橋剤と反応させ、一部、架橋させて得られる架橋ポリマーから上記反応性ポリマーが形成されているものである。従って、このような反応性ポリマーは、分子中に未反応の前記反応性基を有している。
そこで、このような反応性ポリマー担持多孔質フィルムに電極を積層して、電極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム積層体とし、これを電池容器内に仕込んだ後、カチオン重合触媒を含む電解液を上記電池容器内に注入し、上記電極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム積層体の有する反応性ポリマーを上記電解液と接触させて、上記反応性ポリマーをその前記反応性基によってカチオン重合させることによって、多孔質フィルムと電極が強固に接着してなる電極/多孔質フィルム接合体を備えた電池を得ることができる。
更に、本発明の反応性ポリマー担持多孔質フィルムによれば、反応性ポリマーが予め、一部、架橋されているので、電極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム積層体の電解液中への浸漬時に、反応性ポリマーの電極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム積層体からの電解液中への溶出、拡散が抑制されると共に、反応性ポリマーが膨潤し、その結果、少量の反応性ポリマーを用いることによって、電極が多孔質フィルム(セパレータ)に強固に接着されてなる電極/セパレータ接合体を得ることができ、また、多孔質フィルムはイオン透過性にすぐれて、セパレータとしてよく機能する。更に、反応性ポリマーが電解液に過度に溶出、拡散して、電解液に有害な影響を与えることもない。
かくして、本発明によれば、電極/セパレータ間に強固な接着を有する電極/セパレータ接合体を電池の製造過程においてその場で形成しつつ、内部抵抗が低く、高レート特性にすぐれた電池を容易に得ることができる。
本発明による電池用セパレータのための反応性ポリマー担持多孔質フィルムは、反応性ポリマーを多孔質フィルム上に担持させてなる電池用セパレータのための反応性ポリマー担持多孔質フィルムであって、上記多孔質フィルムがポリオレフィンとスチレン−ブタジエン共重合体を含む樹脂組成物の架橋体からなり、5%以上のゲル分率を有するフィルムであり、分子中に3−オキセタニル基とエポキシ基とから選ばれる反応性基を複数有する架橋性ポリマーをその一部の前記反応性基によって、酸無水物とポリカルボン酸とモノカルボン酸から選ばれる少なくとも1種の架橋剤と反応させ、一部、架橋させて得られる架橋ポリマーから上記反応性ポリマーが形成されているものである。
本発明による電池用セパレータのための反応性ポリマー担持多孔質フィルムにおいて、基材多孔質フィルムは、ポリオレフィン樹脂とスチレン−ブタジエン共重合体を含む樹脂組成物の架橋体からなる、5%以上のゲル分率を有する多孔質フィルムである。このような多孔質フィルムは、例えば、ポリオレフィン樹脂とスチレン−ブタジエン共重合体を含む樹脂組成物から多孔質フィルム作製し、これを熱処理し、又は電子線や紫外線を照射して、上記二重結合を反応させ、架橋構造を有せしめることによって得ることができる。
上記ポリオレフィン樹脂は、好ましくは、ポリエチレン樹脂であり、例えば、高密度ポリエチレン樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂又はこれらの混合物が好ましく用いられる。上記スチレン−ブタジエン共重合体は、ランダム共重合体でもよいが、好ましくは、ブロック共重合体である。このようなポリオレフィン樹脂とスチレン−ブタジエン共重合体を含む樹脂組成物は、その成形加工性や接着性を高めるために、必要に応じて、その他の樹脂を含んでいてもよい。そのような樹脂として、例えば、無水マレイン酸をポリエチレンやポリプロピレンにグラフト重合してなる変性ポリオレフィン樹脂を挙げることができる。
本発明において、このような多孔質フィルムは、5%以上のゲル分率を有する。ゲル分率が5%よりも少ないときは、高温での耐破膜性が不十分であり、電池が高温に曝された際にセパレータが破膜して、電極の短絡を招く虞がある。本発明においては、多孔質フィルムのゲル分率は、5〜90%の範囲にあり、好ましくは、5〜70%の範囲にある。
また、本発明によれば、多孔質フィルムは、通常、平均孔径が0.01〜5μmの細孔を有し、空孔率が20〜95%の範囲にある。多孔質フィルムの空孔率は、好ましくは、30〜90%の範囲であり、最も好ましくは、40〜85%の範囲である。多孔質フィルム空孔率が余りに低いときは、電池のセパレータとして用いたときに、イオン伝導経路が少なくなり、十分な電池特性を得ることができない。他方、空孔率が余りに高いときは、電池のセパレータとして用いた場合に、強度が不十分であり、所要の強度を得るためには、基材多孔質フィルムとして厚いものを用いざるを得ず、そうすれば、電池の内部抵抗が高くなるので好ましくない。
更に、本発明によれば、多孔質フィルムは、通常、通気度が1500秒/100cc以下であり、好ましくは、1000秒/100cc以下である。通気度が高すぎるときは、電池のセパレータとして用いたときに、イオン伝導性が低く、十分な電池特性を得ることができない。
また、多孔質フィルムの強度は、突刺し強度にて1N以上であることが好ましい。突刺し強度が1Nよりも小さいときは,電極間に面圧がかかった際に基材が破断し、内部短絡を引き起こすおそれがあるからである。
本発明において、架橋性ポリマーは、分子中に3−オキセタニル基とエポキシ基とから選ばれる少なくとも1種の反応性基を複数有するポリマーをいい、従って、このような架橋性ポリマーをその一部の上記反応性基によって、酸無水物とポリカルボン酸とモノカルボン酸から選ばれる少なくとも1種の架橋剤と反応させ、一部、架橋させることによって、反応性ポリマーを得ることができる。この反応性ポリマーを基材多孔質フィルムに担持させることによって、本発明による電池セパレータ用反応性ポリマー担持多孔質フィルムを得ることができる。
本発明によれば、架橋性ポリマーは、好ましくは、3−オキセタニル基を有するラジカル重合性モノマーとエポキシ基を有するラジカル重合性モノマーとから選ばれる少なくとも1種のラジカル重合性モノマーと他のラジカル重合性モノマーとのラジカル共重合によって得ることができる。
特に、好ましくは、本発明において、架橋性ポリマーは、分子中に反応性基として3−オキセタニル基とエポキシ基をそれぞれ複数有するポリマーか、又は分子中に3−オキセタニル基とエポキシ基のいずれかを複数有するポリマーをいい、従って、このような架橋性ポリマーは、好ましくは、3−オキセタニル基を有するラジカル重合性モノマー(3−オキセタニル基含有ラジカル重合性モノマー)とエポキシ基を有するラジカル重合性モノマー(エポキシ基含有ラジカル重合性モノマー)と他のラジカル重合性モノマーとのラジカル共重合か、又は3−オキセタニル基含有ラジカル重合性モノマーとエポキシ基含有ラジカル重合性モノマーのいずれかと他のラジカル重合性モノマーとのラジカル共重合によって得ることができる。
このように分子中に3−オキセタニル基やエポキシ基を有するポリマーは、例えば、特開2002−110245号公報や特開2001−176555号公報に記載されているように、既に、知られている。
特に、本発明によれば、3−オキセタニル基含有ラジカル重合性モノマーとして、好ましくは、一般式(I)
(式中、R1 は水素原子又はメチル基を示し、R2 は水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を示す。)
で表される3−オキセタニル基含有(メタ)アクリレートが用いられる。
で表される3−オキセタニル基含有(メタ)アクリレートが用いられる。
このような3−オキセタニル基含有(メタ)アクリレートの具体例として、例えば、3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3−メチル−3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3−エチル−3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3−ブチル−3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3−へキシル−3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの(メタ)アクリレートは単独で用いられ、又は2種以上が併用される。
また、本発明によれば、エポキシ基含有ラジカル重合性モノマーとして、好ましくは、一般式(II)
(式中、R3 は水素原子又はメチル基を示し、R4 は式(1)
又は式(2)
で表されるエポキシ基含有基を示す。)
で表されるエポキシ基含有(メタ)アクリレートが用いられる。
で表されるエポキシ基含有(メタ)アクリレートが用いられる。
このようなエポキシ基含有(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、具体的には、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの(メタ)アクリレートは単独で用いられ、又は2種以上が併用される。
このような3−オキセタニル基含有ラジカル重合性モノマーやエポキシ基含有ラジカル重合性モノマーと共重合させる前記他のラジカル重合性モノマーは、好ましくは、一般式(III)
(式中、R5 は水素原子又はメチル基を示し、Aは炭素原子数2又は3のオキシアルキレン基(好ましくは、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基)を示し、R6 は炭素原子数1〜6のアルキル基又は炭素原子数1〜6のフッ化アルキル基を示し、nは0〜12の整数を示す。)
で表される(メタ)アクリレートと一般式(IV)
で表される(メタ)アクリレートと一般式(IV)
(式中、R7 はメチル基又はエチル基を示し、R8 は水素原子又はメチル基を示す。)
で表されるビニルエステルから選ばれる少なくとも1種である。
で表されるビニルエステルから選ばれる少なくとも1種である。
上記一般式(III) で表される(メタ)アクリレートの具体例として、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
これら以外にも、例えば、
等を挙げることができる。式中、R5 は水素原子又はメチル基を示し、nは0〜12の整数である。
また、上記一般式(IV)で表されるビニルエステルの具体例として、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等を挙げることができる。
このように、複数の反応性基を分子中に有する架橋性ポリマーは、上述したように、好ましくは、3−オキセタニル基及び/又はエポキシ基含有ラジカル重合性モノマーと他のラジカル重合性モノマーをラジカル重合開始剤を用いてラジカル共重合させることによって、ラジカル共重合体として得ることができる。このラジカル共重合は、溶液重合、塊状重合、懸濁重合、乳化重合等、いずれの重合法によってもよいが、重合の容易さ、分子量の調整、後処理等の点から溶液重合や懸濁重合によるのが好ましい。
上記ラジカル重合開始剤は、特に、限定されるものではないが、例えば、N,N’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルN,N’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等が用いられる。また、このラジカル共重合において、必要に応じて、メルカプタン等のような分子量調整剤を用いることができる。
本発明によれば、上述したような架橋性ポリマーをその一部の前記反応性基によって架橋剤と反応させ、一部、架橋させてなる反応性ポリマーを基材多孔質フィルムに担持させ、これに電極を積層して、電極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム積層体とし、これをカチオン重合触媒を含む電解液、好ましくは、カチオン重合触媒を兼ねる電解質を含む電解液中に浸漬し、上記電極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム積層体の有する反応性ポリマーを上記電解液と接触させて、反応性ポリマーの一部を電解液中で膨潤させ、又は電解液中に溶出、拡散させて、カチオン重合によって架橋させ、多孔質フィルムと電極との界面の近傍で電解液をゲル化させることによって、電極と多孔質フィルムを接着させることができる。
そこで、本発明によれば、3−オキセタニル基及び/又はエポキシ基を含有する架橋性ポリマーを得る際に、3−オキセタニル基含有ラジカル重合性モノマー及び/又はエポキシ基含有ラジカル重合性モノマーは、その合計量が全モノマー量の5〜50重量%、好ましくは、10〜30重量%の範囲となるように用いられる。従って、3−オキセタニル基を含有する架橋性ポリマーを得る場合であれば、3−オキセタニル基含有ラジカル重合性モノマーは、全モノマー量の5〜50重量%、好ましくは、10〜30重量%の範囲で用いられ、同様に、エポキシ基を含有する架橋性ポリマーを得る場合であれば、エポキシ基含有ラジカル重合性モノマーは、全モノマー量の5〜50重量%、好ましくは、10〜30重量%の範囲で用いられる。
また、3−オキセタニル基含有ラジカル重合性モノマーとエポキシ基含有ラジカル重合性モノマーを併用し、これらを他のラジカル重合性モノマーと共重合させて、3−オキセタニル基とエポキシ基とを有する架橋性ポリマーを得る場合には、3−オキセタニル基含有ラジカル重合性モノマーとエポキシ基含有ラジカル重合性モノマーの合計量のうち、エポキシ基含有ラジカル重合性モノマーの割合が90重量%以下であるように用いられる。
3−オキセタニル基含有架橋性ポリマーやエポキシ基含有架橋性ポリマーを得る際に、3−オキセタニル基含有ラジカル重合性モノマーとエポキシ基含有ラジカル重合性モノマーの合計量が全モノマー量の5重量%よりも少ないときは、上述したように、電解液のゲル化に要する反応性ポリマー量の増大を招くので、得られる電池の性能が低下する。他方、50重量%よりも多いときは、形成されたゲルの電解液の保持性が低下して、得られる電池における電極/セパレータ間の接着性が低下する。
本発明において、架橋性ポリマーは、その重量平均分子量が10000以上であることが好ましい。架橋性ポリマーの重量平均分子量が10000よりも小さいときは、電解液をゲル化するために多量の反応性ポリマーを必要とするので、得られる電池の特性を低下させる。他方、架橋性ポリマーの重量平均分子量の上限は、特に制限されるものではないが、電解液をゲルとして保持し得るように、300万程度であり、好ましくは、250万程度である。特に、本発明によれば、架橋性ポリマーは、重量平均分子量が100000〜2000000の範囲にあるのが好ましい。
既に知られているように、3−オキセタニル基やエポキシ基はカルボキシル基や酸無水物基と反応し得ると共に、カチオン重合し得る。本発明によれば、3−オキセタニル基とエポキシ基のこのような反応性を利用して、分子中に3−オキセタニル基とエポキシ基とから選ばれる少なくとも1種の反応性基を有する架橋性ポリマーを先ず、これらの反応性基の一部を利用して架橋剤であるカルボン酸や酸無水物と反応させ、一部、架橋させて、反応性ポリマーとし、これを基材多孔質フィルムに担持させて、電池用セパレータのための反応性ポリマー担持多孔質フィルムとする。
本発明によれば、このようにして、架橋性ポリマーを一部、架橋させて得られる反応性ポリマーは、5〜80%の範囲の不溶分率を有することが望ましい。ここに、上記不溶分率とは、後述するように、反応性ポリマーを担持させた多孔質フィルムをエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート(容量比1/1)混合溶媒に室温で攪拌下に2時間浸漬した後、更に、エチルメチルカーボネートに浸漬したときに多孔質フィルム上に残存する反応性ポリマーの割合をいう。
反応性ポリマーの不溶分率が5%よりも少ないときは、このような反応性ポリマーを担持させた多孔質フィルムに電極を圧着して、電極/多孔質フィルム積層体とし、これを電解液に浸漬したとき、反応性ポリマーの多くが電解液中に溶出、拡散して、反応性ポリマーを更にカチオン重合させ、架橋させても、電極と多孔質フィルムとの間に有効な接着を得ることができない。他方、反応性ポリマーの不溶分率が80%よりも多いときは、電極/多孔質フィルム積層体とし、これを電解液に浸漬したとき、反応性ポリマーの膨潤性が低く、得られる電極/多孔質フィルム接合体を有する電池が高い内部抵抗を有することとなり、電池特性に好ましくない。特に、本発明によれば、反応性ポリマーの不溶分率は、好ましくは、10〜60%の範囲であり、最も好ましくは、10〜50%の範囲である。
本発明において、架橋性ポリマーを一部、架橋させるための架橋剤として、前述したように、モノカルボン酸、ポリカルボン酸及び酸無水物から選ばれる少なくとも1種が用いられる。
このように、架橋性ポリマーをモノ又はポリカルボン酸と反応させ、一部、架橋させて、5〜80%の範囲の不溶分率を有する反応性ポリマーを得るには、限定されるものではないが、通常、架橋性ポリマーの有する反応性基1モル部に対して、モノ又はポリカルボン酸の有するカルボキシル基が0.01〜1.0モル部、好ましくは、0.05〜0.9モル部となるように用いると共に、架橋性ポリマーとモノ又はポリカルボン酸との加熱反応条件を調節すればよく、このようにして、所望の不溶分率を有する反応性ポリマーを得ることができる。
一例として、架橋性ポリマーの有する反応性基1モル部に対して、モノ又はポリカルボン酸の有するカルボキシル基が0.5〜1.0モル部となるように用いると共に、架橋性ポリマーとモノ又はポリカルボン酸とを50℃で10〜500時間、通常、12〜250時間加熱反応させることによって、不溶分率5〜80%の反応性ポリマーを得ることができる。
他方、架橋性ポリマーを酸無水物と反応させ、一部、架橋させて、5〜80%の範囲の不溶分率を有する反応性ポリマーを得るには、限定されるものではないが、通常、架橋性ポリマーの有する反応性基1モル部に対して、酸無水物の有する酸無水物基が0.005〜0.5モル部、好ましくは、0.01〜0.4モル部となるように用いると共に、架橋性ポリマーと酸無水物との加熱反応条件を調節すればよい。
一例として、架橋性ポリマーの有する反応性基1モル部に対して、酸無水物の有する酸無水物基が0.25〜0.1モル部となるように用いると共に、架橋性ポリマーと酸無水物とを50℃で10〜500時間加熱反応させることによって、不溶分率5〜80%の反応性ポリマーを得ることができる。
本発明において、モノカルボン酸は、分子中に1個のカルボキシル基を有する有機酸であり、特に、限定されることなく、どのようなモノカルボン酸でも用いることができる。このようなモルカルボン酸として、例えば、脂肪族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸、脂環式モノカルボン酸等を挙げることができる。このようなモノカルボン酸は、飽和化合物でも、不飽和化合物でもよく、また、分子中に不活性な置換基、例えば、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基等を有していてもよい。
従って、飽和脂肪族モノカルボン酸の具体例として、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、イソカプロン酸、2−メチル吉草酸、2−エチル酪酸、ヘプタン酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、カプリル酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等を挙げることができ、不飽和脂肪族モノカルボン酸の具体例として、例えば、プロピオル酸、アクリル酸、クロトン酸、メタクリル酸、ペンテン酸、ヘキセン酸、ソルビン酸、ヘプテン酸、ウンデシレン酸、リノレン酸、リノール酸、リノエライジン酸、エライジン酸、オレイン酸、リシノール酸、アラキドン酸等を挙げることができる。
更に、芳香族モノカルボン酸の具体例として、例えば、安息香酸、トルイル酸、エチル安息香酸、プロピル安息香酸、イソプロピル安息香酸、ブチル安息番酸、イソブチル安息香酸、第二ブチル安息香酸、第三ブチル安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、アニス酸、エトキシ安息香酸、プロポキシ安息香酸、イソプロポキシ安息香酸、ブトキシ安息香酸、イソプトキシ安息香酸、第二ブトキシ安息香酸、第三ブトキシ安息香酸、アミノ安息香酸、N−メチルアミノ安息香酸、N−エチルアミノ安息番酸、N−プロピルアミノ安息香酸、N−イソプロピルアミノ安息香酸、N−ブチルアミノ安息香酸、N−イソブチルアミノ安息香酸、N−第二プチルアミノ安息香酸、N−第三ブチルアミノ安息香酸、N,N−ジメチルアミノ安息香酸、N,N−ジエチルアミノ安息香酸、ニトロ安息香酸、レゾルシン酸、フェニル酢酸、ベンジル酢酸等を挙げることができる。
また、脂環式モノカルボン酸の具体例として、例えば、シクロプロパンカルボン酸、シクロブタンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸、1−メチルシクロペンタンカルボン酸、2−メチルシクロペンタンカルボン酸、3−メチルシクロペンタンカルボン酸、1−フェニルシクロペンタンカルボン酸、シクロペンテンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、1−メチルシクロヘキサンカルボン酸、2−メチルシクロヘキサンカルボン酸、3−メチルシクロヘキサンカルボン酸、4−メチルシクロヘキサンカルボン酸、4−プロピルシクロヘキサンカルボン酸、4−ブチルシクロヘキサンカルボン酸、4−ペンチルシクロヘキサンカルボン酸、4−ヘキシルシクロヘキサンカルボン酸、4−フェニルシクロヘキサンカルボン酸、1−フェニルシクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキセンカルボン酸、4−ブチルシクロヘキセンカルボン酸、シクロヘプタンカルボン酸、1−シクロヘプテンカルボン酸、1−メチルシクロヘプタンカルボン酸、4−メチルシクロヘプタンカルボン酸、シクロヘキシル酢酸等を挙げることができる。
本発明において、ポリカルボン酸は、分子中に2個以上のカルボキシル基を有し、好ましくは、分子中に2〜6個、特に、好ましくは、分子中に2〜4個のカルボキシル基を有する有機化合物である。
分子中に2個のカルボキシル基を有するジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸等の炭素原子数2〜20の直鎖脂肪族飽和ジカルボン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、n−プロピルマロン酸、n−ブチルマロン酸、メチルコハク酸、エチルコハク酸、2,4−ジエチルグルタル酸、1,1,3,5−テトラメチルオクチルコハク酸等の炭素原子数3〜20の分岐鎖脂肪族飽和ジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、γ−メチルシトラコン酸、メサコン酸、γ−メチルメサコン酸、イタコン酸、グルタコン酸等の直鎖又は分岐鎖脂肪族不飽和ジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、メチルヘキサヒドロキシフタル酸、メチルヘキサイソフタル酸、メチルヘキサヒドロテレフタル酸、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、シクロヘキセン−1,6−ジカルボン酸、シクロヘキセン−3,4−ジカルボン酸、シクロヘキセン−4,5−ジカルボン酸等のテトラヒドロフタル酸、シクロヘキセン−1,3−ジカルボン酸、シクロヘキセン−1,5−ジカルボン酸、シクロヘキセン−3,5−ジカルボン酸等のテトラヒドロイソフタル酸、シクロヘキセン−1,4−ジカルボン酸、シクロヘキセン−3,6−ジカルボン酸等のテトラヒドロテレフタル酸、1,3−シクロヘキサジエン−1,2−ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサジエン−1,6−ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサジエン−2,3−ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサジエン−5,6−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサジエン−1,2−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサジエン−1,6−ジカルボン酸等のジヒドロフタル酸、1,3−シクロヘキサジエン−1,3−ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサジエン−3,5−ジカルボン酸等のジヒドロイソフタル酸、1,3−シクロヘキサジエン−1,4−ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサジエン−2,5−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサジエン−1,4−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサジエン−3,6−ジカルボン酸等のジヒドロテレフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、エンドシス−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸、メチル−エンドシス−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸等の飽和又は不飽和カルボン酸、クロレンディック酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、3−メチルフタル酸、3−エチルフタル酸、3−n−プロピルフタル酸、3−イソプロピルフタル酸、3−n−ブチルフタル酸、3−イソブチルフタル酸、3−s−ブチルフタル酸、3−t−ブチルフタル酸等の3−アルキルフタル酸、2−メチルフタル酸、4−エチルフタル酸、4−n−プロピルフタル酸、4−イソピロピルフタル酸、4−n−ブチルフタル酸、4−イソブチルフタル酸、4−s−ブチルフタル酸、4−t−ブチルフタル酸等の4−アルキルフタル酸、2−メチルイソフタル酸、2−エチルイソフタル酸、2−n−プロピルフタル酸、2−イソピロピルフタル酸、2−n−ブチルフタル酸、2−イソブチルフタル酸、2−s−ブチルフタル酸、2−t−ブチルフタル酸等の2−アルキルフタル酸、4−メチルイソフタル酸、4−エチルイソフタル酸、4−n−プロピルイソフタル酸、4−イソピロピルイソフタル酸、4−n−ブチルイソフタル酸、4−イソブチルイソフタル酸、4−s−ブチルイソフタル酸、4−t−ブチルイソフタル酸等の4−アルキルイソフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−エチルイソフタル酸、5−n−プロピルイソフタル酸、5−イソピロピルイソフタル酸、5−n−ブチルイソフタル酸、5−イソブチルイソフタル酸、5−s−ブチルイソフタル酸、5−t−ブチルイソフタル酸等の5−アルキルイソフタル酸、メチルテレフタル酸、エチルテレフタル酸、n−プロピルテレフタル酸、イソピロピルテレフタル酸、n−ブチルテレフタル酸、イソブチルテレフタル酸、s−ブチルテレフタル酸、t−ブチルテレフタル酸等のアルキルテレフタル酸、ナフタリン−1,2−ジカルボン酸、ナフタリン−1,3−ジカルボン酸、ナフタリン−1,4−ジカルボン酸、ナフタリン−1,5−ジカルボン酸、ナフタリン−1,6−ジカルボン酸、ナフタリン−1,7−ジカルボン酸、ナフタリン−1,8−ジカルボン酸、ナフタリン−2,3−ジカルボン酸、ナフタリン−2,6−ジカルボン酸、ナフタリン−2,7−ジカルボン酸、アントラセン−1,3−ジカルボン酸、アントラセン−1,4−ジカルボン酸、アントラセン−1,5−ジカルボン酸、アントラセン−1,9−ジカルボン酸、アントラセン−2,3−ジカルボン酸、アントラセン−9,10−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、2,2’−ビス(カルボキシキフェニル)ヘキサフルオロプロパン等を具体例として挙げることができる。
分子中に3個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸としては、トリカルバリル酸、クエン酸、イソクエン酸、アコニット酸等の脂肪族トリカルボン酸、ヘミメリト酸、トリメリト酸等の芳香族トリカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸等の炭素原子数4〜13の脂肪族テトラカルボン酸、マレイン化メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸等の脂環式テトラカルボン酸、メロファン酸、プレニト酸、ピロメリト酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の芳香族テトラカルボン酸、ヘキサヒドロメリト酸、ベンゼンペンタカルボン酸、メリト酸等を具体例として挙げることができる。
また、本発明においては、上述したようなポリカルボン酸とポリオールとのポリオールエステル、好ましくは、ジカルボン酸とジオール、特に、(ポリ)アルキレングリコールやポリメチレンジオールとのジオールエステルもポリカルボン酸として用いることができる。このようなジオールエステルとして、例えば、エチレングリコールジアジペート等を挙げることができる。
更に、本発明において、ポリカルボン酸は、分子中の複数のカルボキシル基を有するポリマーカルボン酸であってもよい。このようなポリマーカルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体を挙げることができる。
本発明において、酸無水物は、一般式(V)
(式中、nは1〜3の整数であり、Rは2n価の炭化水素基を示す。)
で表わされる。
で表わされる。
本発明において、酸無水物基とは、上記一般式(V)で表される酸無水物において、括弧内の2価基をいう。また、本発明において、上記炭化水素基は、酸無水物と架橋性ポリマーの有する前記反応性基との反応に有害な影響を与えず、更には、本発明に従って最終的に得られる電池に有害な影響を与えない限りは、任意の置換基を有していてもよい。そのような置換基として、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシル基、アリロキシル基等を挙げることができる。また、上記炭化水素基は、これを構成する炭素原子の一部が酸素原子や窒素原子等のヘテロ原子で置換されていてもよい。更に、本発明によれば、上記炭化水素基は、遊離のカルボキシル基を有していてもよい。
上記一般式で表される酸無水物のうち、nが1である1官能性酸無水物として、例えば、無水マロン酸、無水コハク酸、ドデシル無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、2,4−ジエチルグルタル酸無水物、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水ジグリコール酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドシス−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物(商品名無水ナジック酸)、メチル−エンドシス−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物(商品名無水メチルナジック酸)、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、無水クロレンディック酸、無水フタル酸、無水ニトロフタル酸、無水ジフェン酸、無水ナフタル酸等を挙げることができる。
上記一般式で表される酸無水物のうち、nが2である2官能性酸無水物として、例えば、無水ピロメリト酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメート)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物等を挙げることができる。上記一般式で表される酸無水物のうち、nが3である3官能性酸無水物として、例えば、無水ヘキサヒドロメリト酸、無水メリト酸等を挙げることができる。
更に、遊離のカルボキシル基を有する酸無水物として、例えば、β,γ−無水アコニット酸、無水グリコール酸、無水トリメリト酸、ポリアゼライン酸無水物等を挙げることができる。
このように、本発明に従って、モノカルボン酸、ポリカルボン酸及び酸無水物から選ばれる少なくとも1種の架橋剤を架橋性ポリマーの有する前記反応性基の一部と反応させて、架橋性ポリマー部を一部、架橋させることによって得られる反応生成物、即ち、反応性ポリマーは、電解液に浸漬されたときにも、電解液中への溶出、拡散が抑制される。従って、このような5〜80%の不溶分率を有する反応性ポリマーを多孔質フィルムに担持させ、これに電極を積層して、電極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム積層体とし、これを電池容器内に仕込んだ後、この電池容器にカチオン重合触媒を含む電解質を含む電解液を注入し、上記電極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム積層体の有する反応性ポリマーを上記電解液と接触させれば、多孔質フィルムと電極との界面の近傍にて、上記電極/多孔質フィルム積層体における反応性ポリマーの一部が電解液中で膨潤し、又は電解液中に溶出して、そのカチオン重合性官能基によって、電解液中のカチオン重合触媒、好ましくは、カチオン重合触媒を兼ねる電解質によって更にカチオン重合し、電解液をゲル化して、電極を多孔質フィルムに密着性よく強固に接着し、かくして、電極/多孔質フィルム(即ち、得られる電池におけるセパレータ)接合体を得ることができる。
更に、本発明によれば、反応性ポリマーは、前述したように、5〜80%の不溶分率を有するように、予め、一部、架橋されているので、電解液中に浸漬されても、電解液中への溶出、拡散が防止され、又は低減されて、電極と多孔質フィルムとの接着に有効に用いられるので、比較的少量の反応性ポリマーの使用によって、電極と多孔質フィルムとを安定して、しかも、より強固に接着することができる。
更に、反応性ポリマーを担持させた多孔質フィルムにおいては、反応性ポリマーは、カチオン重合触媒の不存在下では、それ以上は、反応、架橋せず、安定であって、長期間にわたって保存しても、変質することがない。
本発明において、架橋性ポリマーを架橋剤と反応させ、一部、架橋させてなる反応性ポリマーを基材多孔質フィルムに担持させるには、例えば、架橋性ポリマーと架橋剤を含む溶液を用いて基材多孔質フィルムに担持させた後、加熱して、上記架橋性ポリマーを架橋剤と反応させればよいが、しかし、特に、この方法に限定されるものではない。
例えば、架橋性ポリマーの溶液を多孔質フィルムに塗布し、乾燥させた後、この架橋性ポリマーに架橋剤の溶液を接触させてもよく、また、架橋性ポリマーを溶媒中で架橋剤と反応させて、一部、架橋させ、反応性ポリマーとした後、この反応性ポリマーを含む溶液を剥離性シートに塗布し、乾燥させた後、基材多孔質フィルムに転写してもよい。
特に、本発明による好ましい方法の1つは、架橋性ポリマーと架橋剤の両方を含む溶液を剥離性シートに塗布し、乾燥させて、剥離性シート上に架橋性ポリマー/架橋剤層を形成した後、剥離性シートを基材多孔質フィルムに重ねて加熱加圧し、架橋性ポリマー/架橋剤層を基材多孔質フィルムに転写し、その後、この架橋性ポリマー/架橋剤層を適宜の温度に加熱して、多孔質フィルム上に反応性ポリマーを形成するものである。
次に、このようにして得られる反応性ポリマー担持多孔質フィルムを用いる本発明による電池の製造方法について説明する。
先ず、電極を上記反応性ポリマー担持多孔質フィルムに積層し、又は捲回して、電極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム積層体を得、次いで、この積層体を金属缶やラミネートフィルム等からなる電池容器内に仕込み、端子の溶接等が必要な場合にはこれを行なった後、この電池容器内にカチオン重合触媒を溶解させた電解液を所定量注入し、上記電極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム積層体の有する反応性ポリマーを上記電解液と接触させる。次いで、電池容器を密封、封口して、反応性ポリマー担持多孔質フィルムの反応性ポリマーを少なくとも多孔質フィルムと電極との界面の近傍にてその少なくとも一部を電解液中で膨潤させ、又は電解液中に溶出、拡散させて、カチオン重合によって架橋させ、電解液の少なくとも一部をゲル化させて、電極を多孔質フィルムと接着し、かくして、多孔質フィルムをセパレータとし、このセパレータに電極が強固に接着された電池を得ることができる。
本発明においては、反応性ポリマーは、そのカチオン重合による架橋によって、少なくとも多孔質フィルムと電極との界面の近傍にて電解液をゲル化させて、電極と多孔質フィルムとを接着するように機能する。
本発明において、反応性ポリマーは、その構造や多孔質フィルムヘの担持量、カチオン重合触媒の種類や量にもよるが、常温においてもカチオン重合させ、架橋させることもできるが、しかし、加熱することによって、カチオン重合を促進することができる。この場合、電池を構成する材料の耐熱性や生産性との兼ね合いにもよるが、通常、40〜100℃程度の温度で0.5〜48時間程度加熱すればよい。
また、電極を多孔質フィルムに接着させるに足る量のポリマーを膨潤させ、又は溶出、拡散させるために、電池容器内に電解液を注入した後、常温で数時間程度、放置してもよい。
本発明において、電極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム積層体は、反応性ポリマー担持多孔質フィルムに電極が積層されておればよく、従って、電池の構造や形態に応じて、電極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム積層体として、例えば、負極/多孔質フィルム/正極、負極/多孔質フィルム/正極/多孔質フィルム等が用いられる。
上記電解液は、電解質塩を適宜の溶媒に溶解してなる溶液である。上記電解質塩としては、水素、リチウム、ナトリウム、カリウム等アルカリ金属、カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ士類金属、第三級又は第四級アンモニウム塩等をカチオン成分とし、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、ホウフッ化水素酸、フッ化水素酸、ヘキサフルオロリン酸、過塩素酸等の無機酸、カルボン酸、有機スルホン酸又はフッ素置換有機スルホン酸等の有機酸をアニオン成分とする塩を用いることができる。これらのなかでは、特に、アルカリ金属イオンをカチオン成分とする電解質塩が好ましく用いられる。
このようなアルカリ金属イオンをカチオン成分とする電解質塩の具体例としては、例えば、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム等の過塩素酸アルカリ金属、テトラフルオロホウ酸リチウム、テトラフルオロホウ酸ナトリウム、テトラフルオロホウ酸カリウム等のテトラフルオロホウ酸アルカリ金属、ヘキサフルオロリン酸リチウム、ヘキサフルオロリン酸カリウム等のヘキサフルオロリン酸アルカリ金属、トリフルオロ酢酸リチウム等のトリフルオロ酢酸アルカリ金属、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム等のトリフルオロメタンスルホン酸アルカリ金属を挙げることができる。
特に、本発明に従って、リチウムイオンニ次電池を得る場合には、電解質塩としては、例えば、ヘキサフルオロリン酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、過塩素酸リチウム等が好適に用いられる。
更に、本発明において用いる上記電解質塩のための溶媒としては、上記電解質塩を溶解するものであればどのようなものでも用いることができるが、非水系の溶媒としては、エチレンカーポネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−プチロラクトン等の環状エステル類や、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル類や、ジメチルカーボネート、ジエチルカーポネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状エステル類を単独で、又は2種以上の混合物として用いることができる。
また、上記電解質塩は、用いる溶媒の種類や量に応じて適宜に決定されるが、通常、得られる電解液において、1〜50重量%の濃度となる量が用いられる。
本発明において、カチオン重合触媒としては、オニウム塩が好ましく用いられる。そのようなオニウム塩として、例えば、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、アルソニウム塩、スチボニウム塩、ヨードニウム塩等のカチオン成分と、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、過塩素酸塩等のアニオン成分とからなるオニウム塩を挙げることができる。
しかし、本発明によれば、上述した電解質塩のなかでも、特に、テトラフルオロホウ酸リチウムとヘキサフルオロリン酸リチウムは、それ自体、カチオン重合触媒しても機能するので、電解質塩を兼ねるものとして好ましく用いられる。この場合、テトラフルオロホウ酸リチウムとヘキサフルオロリン酸リチウムは、いずれかを単独で用いてもよく、また、両方を併用してもよい。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。多孔質フィルムの特性と得られた電池の特性については以下のようにして評価した。
(多孔質フィルムの厚み)
1/10000mmシックネスゲージによる測定と多孔質フィルムの断面の10000倍走査型電子頭微鏡写真に基づいて求めた。
1/10000mmシックネスゲージによる測定と多孔質フィルムの断面の10000倍走査型電子頭微鏡写真に基づいて求めた。
(多孔質フィルムの空孔率)
多孔質フィルムの単位面積S(cm2)当たりの重量W(g)、平均厚みt(cm)及び多孔質フィルムを構成する樹脂の密度d(g/cm3)から下式にて算出した。
多孔質フィルムの単位面積S(cm2)当たりの重量W(g)、平均厚みt(cm)及び多孔質フィルムを構成する樹脂の密度d(g/cm3)から下式にて算出した。
空孔率(%)=(1−(100W/S/t/d))×100
(多孔質フィルムの通気度)
JIS P 8117に準拠して求めた。
JIS P 8117に準拠して求めた。
(突き刺し強度)
カトーテック(株)製圧縮試験磯KES−G5を用いて突き刺し試験を行った。測定により得られた荷重変位曲線から最大荷重を読みとり、突き刺し強度とした。針は直径1.0mm、先端の曲率半径0.5mmのものを用いて、2cm/秒の速度で行った。
カトーテック(株)製圧縮試験磯KES−G5を用いて突き刺し試験を行った。測定により得られた荷重変位曲線から最大荷重を読みとり、突き刺し強度とした。針は直径1.0mm、先端の曲率半径0.5mmのものを用いて、2cm/秒の速度で行った。
(多孔質フィルムのゲル分率)
10cm四方に切り出した多孔質フィルムを折り畳んで、5cm×10cmの金属メッシュに挟み込み、5cm四方の試料とした。この試料の初期重量P0 を測定した。次いで、この試料をm−キシレン100mL (沸点139℃)中に浸漬した後、加熱し、キシレンを5時間、沸騰させた。この後、試料を取り出し、乾燥させて、このように、沸騰キシレン処理後の重量Pを測定し、これらから次式によってゲル分率Rを測定した。
10cm四方に切り出した多孔質フィルムを折り畳んで、5cm×10cmの金属メッシュに挟み込み、5cm四方の試料とした。この試料の初期重量P0 を測定した。次いで、この試料をm−キシレン100mL (沸点139℃)中に浸漬した後、加熱し、キシレンを5時間、沸騰させた。この後、試料を取り出し、乾燥させて、このように、沸騰キシレン処理後の重量Pを測定し、これらから次式によってゲル分率Rを測定した。
R(%)=(P/P0 )×100
(反応性ポリマーの不溶分率)
既知の量Aの反応性ポリマー層を担持させた反応性ポリマー層担持多孔質フィルムを秤量して、その重量Bを測定した。次に、この反応性ポリマー層担持多孔質フィルムをエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート(1/1容量比)の混合溶媒に室温で2時間浸漬した後、エチルメチルカーボネートに浸漬して、洗浄し、風乾した。この後、このように処理した反応性ポリマー層担持多孔質フィルムを秤量して、その重量Cを測定した。反応性ポリマーの不溶分率は次式にて算出した。
(反応性ポリマーの不溶分率)
既知の量Aの反応性ポリマー層を担持させた反応性ポリマー層担持多孔質フィルムを秤量して、その重量Bを測定した。次に、この反応性ポリマー層担持多孔質フィルムをエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート(1/1容量比)の混合溶媒に室温で2時間浸漬した後、エチルメチルカーボネートに浸漬して、洗浄し、風乾した。この後、このように処理した反応性ポリマー層担持多孔質フィルムを秤量して、その重量Cを測定した。反応性ポリマーの不溶分率は次式にて算出した。
不溶分率(%)=((A−(B−C))/A)×100
(電極/セパレータ接着力の測定)
実施例及び比較例で得られたそれぞれの電池について、充放電試験を行なう前に分解して、電極シート/セパレータ間の接着力を測定した。即ち、電池を分解して、電極シート/セパレータ接合体を取り出し、次に、この電極シート/セパレータ接合体の界面を端部から5mm剥がし、電極シートとセパレータの端部を相互に180°方向に引っ張って、その際の荷重を測定した。この荷重を電極シート/セパレータの幅にて除して、電極シート/セパレータ間の接着力とした。
(電極/セパレータ接着力の測定)
実施例及び比較例で得られたそれぞれの電池について、充放電試験を行なう前に分解して、電極シート/セパレータ間の接着力を測定した。即ち、電池を分解して、電極シート/セパレータ接合体を取り出し、次に、この電極シート/セパレータ接合体の界面を端部から5mm剥がし、電極シートとセパレータの端部を相互に180°方向に引っ張って、その際の荷重を測定した。この荷重を電極シート/セパレータの幅にて除して、電極シート/セパレータ間の接着力とした。
(電池の高温保存試験)
実施例及び比較例で得られたそれぞれの電池を電池ホルダーに固定し、一定の面圧をかけて、160℃の恒温器中に放置した。電池の正負端子を抵抗計に接続し、抵抗計の示す抵抗が急激に低下した時間を測定して、これを短絡時間とした。試験は60分までとした。60分後に電池を恒温器から取り出し、放冷した後、電池を解体し、セパレータの面積を測定して、収縮率を測定した。但し、通常、セパレータは電極シートよりも面積が大きいので、セパレータは電極シートの周縁から外側にはみ出している。そこで、電池を解体したとき、セパレータの面積が電極シートの面積と等しい状態のときを収縮率0%とした。従って、例えば、セパレータの面積が電極シートの面積の80%まで収縮しておれば、この場合のセパレータの収縮率は20%である。
実施例及び比較例で得られたそれぞれの電池を電池ホルダーに固定し、一定の面圧をかけて、160℃の恒温器中に放置した。電池の正負端子を抵抗計に接続し、抵抗計の示す抵抗が急激に低下した時間を測定して、これを短絡時間とした。試験は60分までとした。60分後に電池を恒温器から取り出し、放冷した後、電池を解体し、セパレータの面積を測定して、収縮率を測定した。但し、通常、セパレータは電極シートよりも面積が大きいので、セパレータは電極シートの周縁から外側にはみ出している。そこで、電池を解体したとき、セパレータの面積が電極シートの面積と等しい状態のときを収縮率0%とした。従って、例えば、セパレータの面積が電極シートの面積の80%まで収縮しておれば、この場合のセパレータの収縮率は20%である。
参考例1
(電極シートの調製)
正極活物質であるコバルト酸リチウム(日本化学工業(株)製セルシードC−10)85重量部と導電助剤であるアセチレンブラック(電気化学工業(株)製デンカブラック)10重量部とバインダーであるフッ化ビニリデン樹脂(呉羽化学工業(株)製KFポリマーL#1120)5重量部を混合し、これを固形分濃度15重量%となるようにN−メチル−2−ピロリドンを用いてスラリーとした。
(電極シートの調製)
正極活物質であるコバルト酸リチウム(日本化学工業(株)製セルシードC−10)85重量部と導電助剤であるアセチレンブラック(電気化学工業(株)製デンカブラック)10重量部とバインダーであるフッ化ビニリデン樹脂(呉羽化学工業(株)製KFポリマーL#1120)5重量部を混合し、これを固形分濃度15重量%となるようにN−メチル−2−ピロリドンを用いてスラリーとした。
このスラリーを厚み20μmのアルミニウム箔(集電体)上に厚み200μmに塗布し、80℃で1時間、120℃で2時間乾燥した後、ロールプレスにて加圧して、活物質層の厚みが100μmの正極シートを調製した。
また、負極活物質であるメソカーボンマイクロビーズ(大阪ガスケミカル(株)製MCMB6−28)80重量部と導電助剤であるアセチレンブラック(電気化学工業(株)製デンカブラック)10重量部とバインダーであるフッ化ビニリデン樹脂(呉羽化学工業(株)製KFポリマーL#1120)10重量部を混合し、これを固形分濃度15重量%となるようにN−メチル−2−ピロリドンを用いてスラリーとした。
このスラリーを厚み20μmの銅箔(集電体)上に厚み200μmに塗布し、80℃で1時間乾燥し、120℃で2時間乾燥した後、ロールプレスにて加圧して、活物質層の厚みが100μmの負極シートを調製した。
製造例1
(架橋性ポリマーA(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレートモノマー成分5重量%、3−オキセタニル基含有モノマー成分20重量%、ブチルアクリレートモノマー成分25重量%及びメチルメタクリレートモノマー成分50重量%、重量平均分子量317000)の製造)
メチルメタクリレート40.0g、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート4.0g、3−エチル−3−オキセタニルメチルメタクリレート16.0g、n−ブチルアクリレート20.0g、酢酸エチル10.0g及びN,N’−アゾビスイソブチロニトリル0.10gを重合反応容器に投入し、窒素ガスを導入しながら、30分間攪拌、混合した後、70℃まで昇温した。約2時間経過したとき、混合物の粘度の上昇と共に、ラジカル重合が進行し始めた。そのまま、5時間重合反応を行って、攪拌が不可能な程度まで粘度を上昇させた後、酢酸エチル20.0gを追加し、更に、その後、攪拌が不可能となるまで、2時間重合を行った。
(架橋性ポリマーA(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレートモノマー成分5重量%、3−オキセタニル基含有モノマー成分20重量%、ブチルアクリレートモノマー成分25重量%及びメチルメタクリレートモノマー成分50重量%、重量平均分子量317000)の製造)
メチルメタクリレート40.0g、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート4.0g、3−エチル−3−オキセタニルメチルメタクリレート16.0g、n−ブチルアクリレート20.0g、酢酸エチル10.0g及びN,N’−アゾビスイソブチロニトリル0.10gを重合反応容器に投入し、窒素ガスを導入しながら、30分間攪拌、混合した後、70℃まで昇温した。約2時間経過したとき、混合物の粘度の上昇と共に、ラジカル重合が進行し始めた。そのまま、5時間重合反応を行って、攪拌が不可能な程度まで粘度を上昇させた後、酢酸エチル20.0gを追加し、更に、その後、攪拌が不可能となるまで、2時間重合を行った。
そこで、酢酸エチル20gを追加し、更に、重合を2時間行った後、酢酸エチル70gを加え、攪拌、希釈し、一晩放置し、放冷した後、N,N’−アゾビスイソブチロニトリル0.10gと酢酸エチル120gを追加し、70℃で8時間重合を行って、25重量%濃度の架橋性ポリマーAの酢酸エチル溶液を得た。
このようにして得られた架橋性ポリマーAの酢酸エチル溶液は、微黄色で粘稠透明であって、GPCによる分子量測定の結果、架橋性ポリマーAの重量平均分子量は317000、数平均分子量は98800であった。また、ガラス転移温度は51℃であった。
製造例2
(架橋性ポリマーB(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートモノマー成分5重量%、3−オキセタニル基含有モノマー成分20重量%及びメチルメタクリレートモノマー成分75重量%)の製造)
還流冷却管を取り付けた500mL容量の三つ口フラスコにメチルメタクリレート60.0g、3−エチル−3−オキセタニルメチルメタクリレート16.0g、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート4.0g、炭酸エチレン226.6g及びN,N’−アゾビスイソブチロニトリル0.15gを仕込み、窒素ガスを導入しながら、30分間攪拌混合した後、70℃に加熱して、ラジカル重合を8時間行った。この後、得られた反応混合物を40℃まで冷却した。
(架橋性ポリマーB(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートモノマー成分5重量%、3−オキセタニル基含有モノマー成分20重量%及びメチルメタクリレートモノマー成分75重量%)の製造)
還流冷却管を取り付けた500mL容量の三つ口フラスコにメチルメタクリレート60.0g、3−エチル−3−オキセタニルメチルメタクリレート16.0g、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート4.0g、炭酸エチレン226.6g及びN,N’−アゾビスイソブチロニトリル0.15gを仕込み、窒素ガスを導入しながら、30分間攪拌混合した後、70℃に加熱して、ラジカル重合を8時間行った。この後、得られた反応混合物を40℃まで冷却した。
この反応混合物に炭酸ジエチル226.6gとN,N’−アゾビスイソブチロニトリル0.15gを加え、再度、70℃に加熱して、ラジカル重合を更に8時間行った。この後、得られた反応混合物を40℃まで冷却して、15重量%濃度の架橋性ポリマーBの炭酸エチレン/炭酸ジエチル混合溶媒溶液を得た。
次に、このポリマー溶液100gを高速ミキサーで攪拌しながら、メタノール600mL中に投入して、ポリマーを沈殿させた。沈殿したポリマーを濾別し、メタノールにて数回洗浄した後、乾燥管に入れ、これに液体窒素を気化させた乾燥窒素ガス(露点温度−150℃以下)を流通させて乾燥した後、更に、デシケータ中で6時間真空乾燥して、架橋性ポリマーBを得た。このようにして得られた架橋性ポリマーBは純白の粉末であって、GPCによる分子量測定の結果、重量平均分子量は344400、数平均分子量は174500であった。
製造例3
(架橋性ポリマーC(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレートモノマー成分5重量%、3−オキセタニル基含有モノマー成分20重量%、メチルメタクリレートモノマー成分50重量%及びn−ブチルアクリレートモノマー成分25重量%)の製造)
還流冷却管を取付けた500mL容量の三つ口フラスコに部分ケン化ポリビニルアルコール(重合度2000、ケン化度78モル%)0.05g、完全ケン化ポリビニルアルコール(重合度2000、ケン化度98.5〜99.4モル%)2.0g及びイオン交換水210.0gを仕込み、窒素ガスを導入しながら、攪拌下に95℃まで昇温して、上記ポリビニルアルコールが完全に溶解したことを確認した後、約30℃まで冷却した。
(架橋性ポリマーC(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレートモノマー成分5重量%、3−オキセタニル基含有モノマー成分20重量%、メチルメタクリレートモノマー成分50重量%及びn−ブチルアクリレートモノマー成分25重量%)の製造)
還流冷却管を取付けた500mL容量の三つ口フラスコに部分ケン化ポリビニルアルコール(重合度2000、ケン化度78モル%)0.05g、完全ケン化ポリビニルアルコール(重合度2000、ケン化度98.5〜99.4モル%)2.0g及びイオン交換水210.0gを仕込み、窒素ガスを導入しながら、攪拌下に95℃まで昇温して、上記ポリビニルアルコールが完全に溶解したことを確認した後、約30℃まで冷却した。
この後、これにメチルメタクリレート40.0g、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート4.0g、3−エチル−3−オキセタニルメチルメタクリレート16.0g、n−プチルアクリレート20.0g、N,N’−アゾビスイソブチロニトリル0.4g及び炭酸ジエチルを溶媒とする1.0重量%n−ドデカンチオール溶液6.0gを仕込み、窒素ガスを導入しながら、30分間攪拌混合した後、70℃に加熱して、ラジカル懸濁重合を5時間行った。
このようにして得られた反応混合物を500メッシュの濾過網を用いて、濾過、水洗した後、500mL容量三つ口フラスコに入れ、これにイオン交換水3004mLを加え、攪拌しながら、95℃まで昇温して、残存ポリビニルアルコールを除去するために熱水洗浄を行い、500メッシュの濾過網で濾過、水洗後、再度、この熱水洗浄と水洗を繰り返した。
この後、メタノールで洗浄して、残存水分を除去した後、常温にて真空乾燥を行って、架橋性ポリマーCを得た。このようにして得られた架橋性ポリマーは白色微粒子状であって、GPCによる分子量測定の結果、重量平均分子量は224000、数平均分子量は79800であった。
製造例4
(多孔質フィルムAの作製)
スチレン−ブタジエンブロック共重合体(JSR(株)製JSR−TR2601K、スチレン含有量30重量%)5重量%、変性ポリオレフィン樹脂(日本ポリエチレン(株)製アドテックスDH0200、融点135℃)28.5重量%、重量平均分子量200万の超高分子量ポリエチレン66.5重量%からなる樹脂組成物15重量部と流動パラフィン85重量部とをスラリー状に均一に混合し、160℃で小型ニーダーを用いて、60分間溶解混練した。その後、この混練物を0℃に冷却された金属板に挟み込み、急冷して、樹脂シートを得た。次いで、この樹脂シートを115℃で厚み0.4mmになるまでヒートプレスし、更に、上記厚みを維持したまま、20℃でプレス成形した。
(多孔質フィルムAの作製)
スチレン−ブタジエンブロック共重合体(JSR(株)製JSR−TR2601K、スチレン含有量30重量%)5重量%、変性ポリオレフィン樹脂(日本ポリエチレン(株)製アドテックスDH0200、融点135℃)28.5重量%、重量平均分子量200万の超高分子量ポリエチレン66.5重量%からなる樹脂組成物15重量部と流動パラフィン85重量部とをスラリー状に均一に混合し、160℃で小型ニーダーを用いて、60分間溶解混練した。その後、この混練物を0℃に冷却された金属板に挟み込み、急冷して、樹脂シートを得た。次いで、この樹脂シートを115℃で厚み0.4mmになるまでヒートプレスし、更に、上記厚みを維持したまま、20℃でプレス成形した。
次に、得られた樹脂シートを温度120℃、速度10mm/秒の速度で同時に縦横4.0×4.0倍に二軸延伸した後、ヘプタンにて脱溶媒して、多孔質フィルムを得た。この多孔質フィルムを空気中、85℃で12時間熱処理し、次いで、126℃で3時間熱処理して、多孔質フィルムAを得た。この多孔質フィルムAは膜厚21μm、空孔率44%、通気度186秒/dL、突き刺し強度239gf、ゲル分率12.4%であった。
製造例5
(多孔質フィルムBの作製)
製造例1におけると同じスチレン−ブタジエンブロック共重合体2.5重量%、高密度ポリエチレン(融点135℃)29.3重量%、重量平均分子量200万の超高分子量ポリエチレン68.2重量%からなる樹脂組成物15重量部と流動パラフィン85重量部をスラリー状に均一に混合し、160℃で小型ニーダーを用いて、60分間溶解混練した。その後、この混練物を0℃に冷却された金属板に挟み込み、急冷して、樹脂シートを得た。この樹脂シートを115℃で厚み0.4mmになるまでヒートプレスし、更に、上記厚みを維持したまま、20℃でプレス成形した。
(多孔質フィルムBの作製)
製造例1におけると同じスチレン−ブタジエンブロック共重合体2.5重量%、高密度ポリエチレン(融点135℃)29.3重量%、重量平均分子量200万の超高分子量ポリエチレン68.2重量%からなる樹脂組成物15重量部と流動パラフィン85重量部をスラリー状に均一に混合し、160℃で小型ニーダーを用いて、60分間溶解混練した。その後、この混練物を0℃に冷却された金属板に挟み込み、急冷して、樹脂シートを得た。この樹脂シートを115℃で厚み0.4mmになるまでヒートプレスし、更に、上記厚みを維持したまま、20℃でプレス成形した。
次に、得られた樹脂シートを温度120℃、速度10mm/秒の速度で同時に縦横4.0×4.0倍に二軸延伸した後、ヘプタンにて脱溶媒して、多孔質フィルムを得た。この多孔質フィルムを空気中、85℃で12時間熱処理し、次いで、126℃で3時間熱処理して、多孔質フィルムBを得た。この多孔質フィルムBは膜厚19μm、空孔率50%、通気度167秒/dL、突き刺し強度311gf、ゲル分率5.3%であった。
製造例6
(多孔質フィルムCの作製)
製造例1におけると同じスチレン−ブタジエンブロック共重合体5重量%、変性ポリオレフィン樹脂(日本ポリエチレン(株)製アドテックスDH0200、融点135℃)28.5重量%、重量平均分子量200万の超高分子量ポリエチレン66.5重量%からなる樹脂組成物15重量部と流動パラフィン85重量部をスラリー状に均一に混合し、160℃で小型ニーダーを用いて、60分間溶解混練した。その後、この混練物を0℃に冷却された金属板に挟み込み、急冷して、樹脂シートを得た。この樹脂シートを115℃で厚み0.4mmになるまでヒートプレスし、更に、上記厚みを維持したまま、20℃でプレス成形した。
(多孔質フィルムCの作製)
製造例1におけると同じスチレン−ブタジエンブロック共重合体5重量%、変性ポリオレフィン樹脂(日本ポリエチレン(株)製アドテックスDH0200、融点135℃)28.5重量%、重量平均分子量200万の超高分子量ポリエチレン66.5重量%からなる樹脂組成物15重量部と流動パラフィン85重量部をスラリー状に均一に混合し、160℃で小型ニーダーを用いて、60分間溶解混練した。その後、この混練物を0℃に冷却された金属板に挟み込み、急冷して、樹脂シートを得た。この樹脂シートを115℃で厚み0.4mmになるまでヒートプレスし、更に、上記厚みを維持したまま、20℃でプレス成形した。
次に、得られた樹脂シートを温度120℃、速度10mm/秒の速度で同時に縦横4.0×4.0倍に二軸延伸した後、ヘプタンにて脱溶媒して、多孔質フィルムを得た。この多孔質フィルムを空気中、85℃で12時間熱処理し、次いで、126℃で1時間熱処理した。更に、この多孔質フィルムを0.1重量%濃度にてベンゾフェノン/メタノール溶液に浸漬した後、0.2J/cm2 の照射量で紫外線を照射して、多孔質フィルムCを得た。この多孔質フィルムCは膜厚20μm、空孔率50%、通気度175秒/dL、突き刺し強度229gf、ゲル分率62%であった。
製造例7
(多孔質フィルムDの作製)
製造例1におけると同じスチレン−ブタジエンブロック共重合体10重量%、変性ポリオレフィン樹脂(日本ポリエチレン(株)製アドテックスDH0200、融点135℃)27重量%、重量平均分子量200万の超高分子量ポリエチレン63重量%からなる樹脂組成物15重量部と流動パラフィン85重量部をスラリー状に均一に混合し、160℃で小型ニーダーを用いて、60分間溶解混練した。その後、この混練物を0℃に冷却された金属板に挟み込み、急冷して、樹脂シートを得た。この樹脂シートを115℃で厚み0.4mmになるまでヒートプレスし、更に、上記厚みを維持したまま、20℃でプレス成形した。
(多孔質フィルムDの作製)
製造例1におけると同じスチレン−ブタジエンブロック共重合体10重量%、変性ポリオレフィン樹脂(日本ポリエチレン(株)製アドテックスDH0200、融点135℃)27重量%、重量平均分子量200万の超高分子量ポリエチレン63重量%からなる樹脂組成物15重量部と流動パラフィン85重量部をスラリー状に均一に混合し、160℃で小型ニーダーを用いて、60分間溶解混練した。その後、この混練物を0℃に冷却された金属板に挟み込み、急冷して、樹脂シートを得た。この樹脂シートを115℃で厚み0.4mmになるまでヒートプレスし、更に、上記厚みを維持したまま、20℃でプレス成形した。
次に、得られた樹脂シートを温度120℃、速度10mm/秒の速度で同時に縦横4.0×4.0倍に二軸延伸した後、ヘプタンにて脱溶媒して、多孔質フィルムを得た。この多孔質フィルムを空気中、85℃で12時間熱処理し、次いで、126℃で3時間熱処理して、多孔質フィルムDを得た。この多孔質フィルムは膜厚23μm、空孔率46%、通気度275秒/dL、突き刺し強度273gf、ゲル分率23%であった。
製造例8
(多孔質フィルムXの作製)
変性ポリオレフィン樹脂(日本ポリエチレン(株)製アドテックスDH0200、融点135℃)30.0重量%、重量平均分子量200万の超高分子量ポリエチレン70.0重量%からなる樹脂組成物15重量部と流動パラフィン85重量部をスラリー状に均一に混合し、160℃で小型ニーダーを用いて、60分間溶解混練した。その後、この混練物を0℃に冷却された金属板に挟み込み、急冷して、樹脂シートを得た。この樹脂シートを115℃で厚み0.4mmになるまでヒートプレスし、更に、上記厚みを維持したまま、20℃でプレス成形した。
(多孔質フィルムXの作製)
変性ポリオレフィン樹脂(日本ポリエチレン(株)製アドテックスDH0200、融点135℃)30.0重量%、重量平均分子量200万の超高分子量ポリエチレン70.0重量%からなる樹脂組成物15重量部と流動パラフィン85重量部をスラリー状に均一に混合し、160℃で小型ニーダーを用いて、60分間溶解混練した。その後、この混練物を0℃に冷却された金属板に挟み込み、急冷して、樹脂シートを得た。この樹脂シートを115℃で厚み0.4mmになるまでヒートプレスし、更に、上記厚みを維持したまま、20℃でプレス成形した。
次に、得られた樹脂シートを温度120℃、速度10mm/秒の速度で同時に縦横4.0×4.0倍に二軸延伸した後、ヘプタンにて脱溶媒して、多孔質フィルムを得た。この多孔質フィルムを空気中、85℃で12時間熱処理し、次いで、126℃で3時間熱処理して、多孔質フィルムXを得た。この多孔質フィルムは膜厚20μm、空孔率41%、通気度200秒/dL、突き刺し強度225gf、ゲル分率3%であった。
製造例9
(多孔質フィルムYの作製)
高密度ポリエチレン樹脂(三井化学(株)製3000B、融点135℃)30重量%と重量平均分子量200万の超高分子量ポリエチレン70重量%からなる樹脂組成物15重量部と流動パラフィン85重量部をスラリー状に均一に混合し、160℃で小型ニーダーを用いて、60分間溶解混練した。その後、この混練物を0℃に冷却された金属板に挟み込み、急冷して、樹脂シートを得た。この樹脂シートを115℃で厚み0.4mmになるまでヒートプレスし、更に、上記厚みを維持したまま、20℃でプレス成形した。
(多孔質フィルムYの作製)
高密度ポリエチレン樹脂(三井化学(株)製3000B、融点135℃)30重量%と重量平均分子量200万の超高分子量ポリエチレン70重量%からなる樹脂組成物15重量部と流動パラフィン85重量部をスラリー状に均一に混合し、160℃で小型ニーダーを用いて、60分間溶解混練した。その後、この混練物を0℃に冷却された金属板に挟み込み、急冷して、樹脂シートを得た。この樹脂シートを115℃で厚み0.4mmになるまでヒートプレスし、更に、上記厚みを維持したまま、20℃でプレス成形した。
次に、得られた樹脂シートを温度120℃、速度10mm/秒の速度で同時に縦横4.0×4.0倍に二軸延伸した後、ヘプタンにて脱溶媒して、多孔質フィルムを得た。この多孔質フィルムを空気中、85℃で12時間熱処理し、次いで、126℃で3時間熱処理して、多孔質フィルムYを得た。この多孔質フィルムは膜厚20μm、空孔率41%、通気度200秒/dL、突き刺し強度225gf、ゲル分率0%であった。
製造例10
製造例1で得た架橋性ポリマーAの酢酸エチル溶液を酢酸エチルにて希釈し、10重量%濃度の架橋性ポリマー溶液を得た。別に、5重量%濃度の無水フタル酸の酢酸エチル溶液を調製した。上記架橋性ポリマーAの溶液を攪拌しながら、これに上記無水フタル酸溶液をゆっくりと滴下して、上記架橋性ポリマーAと無水フタル酸との混合溶液を調製した。架橋性ポリマーの有する反応性基のモル数に対する無水フタル酸の酸無水物基のモル数の比率は0.025とした。
製造例1で得た架橋性ポリマーAの酢酸エチル溶液を酢酸エチルにて希釈し、10重量%濃度の架橋性ポリマー溶液を得た。別に、5重量%濃度の無水フタル酸の酢酸エチル溶液を調製した。上記架橋性ポリマーAの溶液を攪拌しながら、これに上記無水フタル酸溶液をゆっくりと滴下して、上記架橋性ポリマーAと無水フタル酸との混合溶液を調製した。架橋性ポリマーの有する反応性基のモル数に対する無水フタル酸の酸無水物基のモル数の比率は0.025とした。
この架橋性ポリマーAと無水フタル酸との混合溶液を剥離紙上に#8のワイヤーバーを用いて塗布した後、50℃に加熱して、酢酸エチルを揮散させ、かくして、剥離紙上に架橋性ポリマーAと無水フタル酸との混合物からなる架橋性ポリマーA/無水フタル酸層を形成させた。この剥離紙をその架橋性ポリマーA/無水フタル酸層が前記多孔質フィルムAに対面するように重ね合わせ、70℃の熱ロールに通した後、剥離紙を除去して、架橋性ポリマーを片面当たりの塗布密度1.1g/m2 にて担持させてなる架橋性ポリマー担持多孔質フィルムを得た。
次いで、この架橋性ポリマー担持多孔質フィルムを50℃の恒温器に48時間投入して、多孔質フィルムに担持させた上記架橋性ポリマーを無水フタル酸と反応させ、上記架橋性ポリマーを一部、架橋させて、かくして、反応性ポリマー担持多孔質フィルム1を得た。この反応性ポリマー担持多孔質フィルムにおいて、反応性ポリマーの不溶分率は40%であった。
製造例11〜13
多孔質フィルムAに代えて、多孔質フィルムB、C又はDを用いた以外は、製造例10と同様にして、それぞれ反応性ポリマー担持フィルム2〜4を作製した。これらの反応性ポリマー担持多孔質フィルムにおいて、反応性ポリマーの不溶分率はいずれも40%であった。
多孔質フィルムAに代えて、多孔質フィルムB、C又はDを用いた以外は、製造例10と同様にして、それぞれ反応性ポリマー担持フィルム2〜4を作製した。これらの反応性ポリマー担持多孔質フィルムにおいて、反応性ポリマーの不溶分率はいずれも40%であった。
製造例14
製造例2で得られた架橋性ポリマーBを酢酸エチルに室温で溶解させて、10重量%濃度の架橋性ポリマー溶液を得た。別に、5重量%濃度の無水フタル酸の酢酸エチル溶液を調製した。上記架橋性ポリマー溶液を攪拌しながら、これに上記無水フタル酸溶液をゆっくり滴下して、上記架橋性ポリマーと無水フタル酸との混合溶液を調製した。架橋性ポリマーの有する反応性基のモル数に対する無水フタル酸の酸無水物基のモル数の比率は0.025とした。
製造例2で得られた架橋性ポリマーBを酢酸エチルに室温で溶解させて、10重量%濃度の架橋性ポリマー溶液を得た。別に、5重量%濃度の無水フタル酸の酢酸エチル溶液を調製した。上記架橋性ポリマー溶液を攪拌しながら、これに上記無水フタル酸溶液をゆっくり滴下して、上記架橋性ポリマーと無水フタル酸との混合溶液を調製した。架橋性ポリマーの有する反応性基のモル数に対する無水フタル酸の酸無水物基のモル数の比率は0.025とした。
この架橋性ポリマーBと無水フタル酸との混合溶液を剥離紙上に#8のワイヤーバーを用いて塗布した後、50℃に加熱して、酢酸エチルを揮散させ、かくして、剥離紙上に架橋性ポリマーBと無水フタル酸との混合物からなる架橋性ポリマーB/無水フタル酸層を形成させた。この剥離紙をその架橋性ポリマーB/無水フタル酸層多孔質フィルムAに対面するように重ね合わせ、70℃の熱ロールに通した後、剥離紙を除去して、架橋性ポリマーを片面当たりの塗布密度1.1g/m2 にて担持させてなる架橋性ポリマー担持多孔質フィルムを得た。
次いで、この架橋性ポリマー担持多孔質フィルムを50℃の恒温器に60時間投入して、多孔質フィルムに担持させた上記架橋性ポリマーを無水フタル酸と反応させ、上記架橋性ポリマーを一部、架橋させて、かくして、反応性ポリマー担持多孔質フィルム5を得た。この反応性ポリマー担持多孔質フィルムにおいて、反応性ポリマーの不溶分率は45%であった。
製造例15
製造例2で得られた架橋性ポリマーBを酢酸エチルに加え、室温で攪拌、溶解させて、10重量%濃度の架橋性ポリマーBの溶液を得た。別に、10重量%濃度のプロピオン酸の酢酸エチル溶液を調製した。上記架橋性ポリマーBの溶液を攪拌しながら、これに上記プロピオン酸の酢酸エチル溶液をゆっくりと滴下して、上記架橋性ポリマーBとプロピオン酸との混合溶液を調製した。架橋性ポリマーの有する反応性基のモル数に対するプロピオン酸のカルボキシル基のモル数の比率は0.85とした。
製造例2で得られた架橋性ポリマーBを酢酸エチルに加え、室温で攪拌、溶解させて、10重量%濃度の架橋性ポリマーBの溶液を得た。別に、10重量%濃度のプロピオン酸の酢酸エチル溶液を調製した。上記架橋性ポリマーBの溶液を攪拌しながら、これに上記プロピオン酸の酢酸エチル溶液をゆっくりと滴下して、上記架橋性ポリマーBとプロピオン酸との混合溶液を調製した。架橋性ポリマーの有する反応性基のモル数に対するプロピオン酸のカルボキシル基のモル数の比率は0.85とした。
この架橋性ポリマーBとプロピオン酸との混合溶液を剥離紙上に#8のワイヤーバーを用いて塗布した後、50℃に加熱して、酢酸エチルを揮散させ、かくして、剥離紙上に架橋性ポリマーBとプロピオン酸との混合物からなる架橋性ポリマーB/プロピオン酸層を形成させた。この剥離紙をその架橋性ポリマーB/プロピオン酸層が多孔質フィルムAに対面するように重ね合わせ、70℃の熱ロールに通した後、剥離紙を除去して、架橋性ポリマーを片面当たりの塗布密度1.1g/m2にて担持させてなる架橋性ポリマー担持多孔質フィルムを得た。
次いで、この架橋性ポリマー担持多孔質フィルムを50℃の恒温器に96時間投入して、多孔質フィルムに担持させた上記架橋性ポリマーをプロピオン酸と反応させ、上記架橋性ポリマーを一部、架橋させて、かくして、反応性ポリマー担持多孔質フィルム6を得た。この反応性ポリマー担持多孔質フィルムにおいて、反応性ポリマーの不溶分率は43%であった。
製造例16
多孔質フィルムAに代えて、多孔質フィルムBを用いた以外は、製造例15と同様にして、架橋性ポリマー担持多孔質フィルム7を得た。この反応性ポリマー担持多孔質フィルムにおいて、反応性ポリマーの不溶分率は43%であった。
多孔質フィルムAに代えて、多孔質フィルムBを用いた以外は、製造例15と同様にして、架橋性ポリマー担持多孔質フィルム7を得た。この反応性ポリマー担持多孔質フィルムにおいて、反応性ポリマーの不溶分率は43%であった。
製造例17
架橋性ポリマーBを酢酸エチルに加え、室温で攪拌、溶解させて、10重量%濃度の架橋性ポリマーBの溶液を得た。別に、10重量%濃度のアジピン酸のエタノール溶液を調製した。上記架橋性ポリマーBの溶液を攪拌しながら、これに上記アジピン酸溶液をゆっくりと滴下して、上記架橋性ポリマーBとアジピン酸との混合溶液を調製した。架橋性ポリマーの有する反応性基のモル数に対するアジピン酸のカルボキシル基のモル数の比率は0.5とした。
架橋性ポリマーBを酢酸エチルに加え、室温で攪拌、溶解させて、10重量%濃度の架橋性ポリマーBの溶液を得た。別に、10重量%濃度のアジピン酸のエタノール溶液を調製した。上記架橋性ポリマーBの溶液を攪拌しながら、これに上記アジピン酸溶液をゆっくりと滴下して、上記架橋性ポリマーBとアジピン酸との混合溶液を調製した。架橋性ポリマーの有する反応性基のモル数に対するアジピン酸のカルボキシル基のモル数の比率は0.5とした。
この架橋性ポリマーBとアジピン酸との混合溶液を剥離紙上に#8のワイヤーバーを用いて塗付した後、50℃で加熱して、酢酸エチルを揮散させ、かくして、剥離紙上に架橋性ポリマーBとアジピン酸との混合物からなる架橋性ポリマーB/アジピン酸層を形成させた。この剥離紙をその架橋性ポリマーB/アジピン酸層が多孔質フィルムAに対面するように重ね合わせ、70℃の熱ロールに通した後、剥離紙を除去して、架橋性ポリマーを片面当たりの塗布密度1.1g/m2にて担持させてなる架橋性ポリマー担持多孔質フィルムを得た。
次いで、この架橋性ポリマー担持多孔質フィルムを50℃の恒温器に48時間投入して、多孔質フィルムに担持させた上記架橋性ポリマーをアジピン酸と反応させ、上記架橋性ポリマーを一部、架橋させて、かくして、反応性ポリマー担持多孔質フィルム8を得た。この反応性ポリマー担持多孔質フィルムにおいて、反応性ポリマーの不溶分率は19%であった。
製造例18
多孔質フィルムAに代えて、多孔質フィルムBを用いた以外は、製造例17と同様にして、架橋性ポリマー担持多孔質フィルム9を得た。この反応性ポリマー担持多孔質フィルム7において、反応性ポリマーの不溶分率は19%であった。
多孔質フィルムAに代えて、多孔質フィルムBを用いた以外は、製造例17と同様にして、架橋性ポリマー担持多孔質フィルム9を得た。この反応性ポリマー担持多孔質フィルム7において、反応性ポリマーの不溶分率は19%であった。
製造例19
製造例3で得られた架橋性ポリマーCを酢酸エチルに加え、室温で攪拌、溶解させて、10重量%濃度の架橋性ポリマー溶液Cの酢酸エチル溶液を得た。別に、10重量%濃度のプロピオン酸の酢酸エチル溶液を調製した。上記架橋性ポリマーCの溶液を攪拌しながら、これに上記プロピオン酸の酢酸エチル溶液をゆっくり滴下して、上記架橋性ポリマーCとプロピオン酸との混合溶液を調製した。架橋性ポリマーの有する反応性基のモル数に対するプロピオン酸のカルボキシル基のモル数の比率は0.17とした。
製造例3で得られた架橋性ポリマーCを酢酸エチルに加え、室温で攪拌、溶解させて、10重量%濃度の架橋性ポリマー溶液Cの酢酸エチル溶液を得た。別に、10重量%濃度のプロピオン酸の酢酸エチル溶液を調製した。上記架橋性ポリマーCの溶液を攪拌しながら、これに上記プロピオン酸の酢酸エチル溶液をゆっくり滴下して、上記架橋性ポリマーCとプロピオン酸との混合溶液を調製した。架橋性ポリマーの有する反応性基のモル数に対するプロピオン酸のカルボキシル基のモル数の比率は0.17とした。
この架橋性ポリマーとプロピオン酸との混合溶液を#7のワイヤーバーを用いて剥離紙上に塗布した後、50℃に加熱して、上記溶媒として用いた酢酸エチルを揮散させ、剥離紙上に架橋性ポリマーC/プロピオン酸層を形成した。このような剥離紙を上記架橋性ポリマーC/プロピオン酸層が多孔質フィルムAに対面するようにその両面に重ね合わせ、70℃の熱ロールに通した後、剥離紙を除去して、架橋性ポリマーを塗布量1.9g/m2にて担持させてなる架橋性ポリマー担持多孔質フィルムを得た。
次いで、この架橋性ポリマー担持多孔質フィルムを50℃の恒温器に96時間投入して、多孔質フィルムに担持させた上記架橋性ポリマーをプロピオン酸と反応させ、上記架橋性ポリマーを一部、架橋させて、かくして、反応性ポリマー担持多孔質フィルム10を得た。この反応性ポリマー担持多孔質フィルムにおいて、反応性ポリマーの不溶分率は35%であった。
製造例20
架橋性ポリマーBに代えて、架橋性ポリマーCを用いると共に、架橋性ポリマーの有する反応性基のモル数に対するアジピン酸のカルボキシル基のモル数の比率を1.0とした以外は、製造例17と同様にして、反応性ポリマー担持多孔質フィルム11を得た。この反応性ポリマー担持多孔質フィルム11において、反応性ポリマーの不溶分率は80%であった。
架橋性ポリマーBに代えて、架橋性ポリマーCを用いると共に、架橋性ポリマーの有する反応性基のモル数に対するアジピン酸のカルボキシル基のモル数の比率を1.0とした以外は、製造例17と同様にして、反応性ポリマー担持多孔質フィルム11を得た。この反応性ポリマー担持多孔質フィルム11において、反応性ポリマーの不溶分率は80%であった。
製造例21及び22
多孔質フィルムAに代えて、多孔質フィルムX又はYを用いた以外は、製造例10と同様にして、それぞれ反応性ポリマー担持多孔質フィルム12及び13を得た。これらの反応性ポリマー担持多孔質フィルムにおいて、反応性ポリマーの不溶分率はいずれも40%であった。
多孔質フィルムAに代えて、多孔質フィルムX又はYを用いた以外は、製造例10と同様にして、それぞれ反応性ポリマー担持多孔質フィルム12及び13を得た。これらの反応性ポリマー担持多孔質フィルムにおいて、反応性ポリマーの不溶分率はいずれも40%であった。
製造例23
多孔質フィルムAに代えて、多孔質フィルムXを用いた以外は、製造例15と同様にして、反応性ポリマー担持多孔質フィルム14を得た。この反応性ポリマー担持多孔質フィルムにおいて、の反応性ポリマーの不溶分率は43%であった。
多孔質フィルムAに代えて、多孔質フィルムXを用いた以外は、製造例15と同様にして、反応性ポリマー担持多孔質フィルム14を得た。この反応性ポリマー担持多孔質フィルムにおいて、の反応性ポリマーの不溶分率は43%であった。
製造例24
多孔質フィルムAに代えて、多孔質フィルムXを用いた以外は、製造例19と同様にして、反応性ポリマー担持多孔質フィルム15を得た。この反応性ポリマー担持多孔質フィルムにおいて、反応性ポリマーの不溶分率は35%であった。
多孔質フィルムAに代えて、多孔質フィルムXを用いた以外は、製造例19と同様にして、反応性ポリマー担持多孔質フィルム15を得た。この反応性ポリマー担持多孔質フィルムにおいて、反応性ポリマーの不溶分率は35%であった。
実施例1〜11
製造例10から20において得られたそれぞれの反応性ポリマー担持多孔質フィルム1から11を参考例1で得られた正極と負極の間に挟み、更に、80℃も熱プレスにて圧着した。反応性ポリマー担持多孔質フィルムの大きさは、電極からはみ出る部分が1mmとなるようにした。
製造例10から20において得られたそれぞれの反応性ポリマー担持多孔質フィルム1から11を参考例1で得られた正極と負極の間に挟み、更に、80℃も熱プレスにて圧着した。反応性ポリマー担持多孔質フィルムの大きさは、電極からはみ出る部分が1mmとなるようにした。
このようにして得られた電極/セパレータ積層体をそれぞれアルミニウムラミネートパッケージに仕込んだ後、パッケージ内に電解液を注入した。この電解液は1.0モル/L濃度でヘキサフルオロリン酸リチウムを溶解させたエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート(容量比1:1)混合溶媒からなる。電解液をラミネートパッケージに注入した後、ラミネートパッケージを封口し、室温で12時間放置した後、50℃で24時間加熱して、反応性ポリマーの反応性基をカチオン重合させて、電極の反応性ポリマー層を接着させ、かくして、電極/セパレータ接合体を有する電池を作製した。これらの電池における電極/セパレータ接着力とこれらの電池の高温保存試験の結果を表1に示す。
本発明による反応性ポリマー担持多孔質フィルムは、その間の接着力の高い電極/セパレータ接合体を与え、しかも、得られる電池は、高温保存性にすぐれており、セパレータには収縮がなく、短絡時間も短い。
比較例1〜4
製造例10から20においてそれぞれ得られた反応性ポリマー担持多孔質フィルム1から11に代えて、製造例22から25においてそれぞれ得られた反応性ポリマー担持多孔質フィルム12から15を用いた以外は、上記実施例と同様にして電池を作製した。これらの電池における電極/セパレータ接着力とこれらの電池の高温保存試験の結果を表2に示す。
製造例10から20においてそれぞれ得られた反応性ポリマー担持多孔質フィルム1から11に代えて、製造例22から25においてそれぞれ得られた反応性ポリマー担持多孔質フィルム12から15を用いた以外は、上記実施例と同様にして電池を作製した。これらの電池における電極/セパレータ接着力とこれらの電池の高温保存試験の結果を表2に示す。
得られた電池はいずれも、電極/セパレータ接合体については、高い接着力を有するが、短絡時間が短い。
比較例5〜8
製造例11〜21で得られた電池用セパレータに代えて、多孔質フィルムA、C、X又はYをそれぞれ用いた以外は、上記実施例と同様にして、電池を作製した。これらの電池における電極/セパレータ接着力とこれらの電池の高温保存試験の結果を表3に示す。
製造例11〜21で得られた電池用セパレータに代えて、多孔質フィルムA、C、X又はYをそれぞれ用いた以外は、上記実施例と同様にして、電池を作製した。これらの電池における電極/セパレータ接着力とこれらの電池の高温保存試験の結果を表3に示す。
得られた電池においては、いずれも電極とセパレータ間に接着がなく、そのうえ、高温保存性に劣っており、セパレータは収縮が著しく、また、短絡時間も短い。
Claims (5)
- 反応性ポリマーを多孔質フィルム上に担持させてなる電池用セパレータのための反応性ポリマー担持多孔質フィルムであって、上記多孔質フィルムがポリオレフィンとスチレン−ブタジエン共重合体を含む樹脂組成物の架橋体からなり、5%以上のゲル分率を有するフィルムであり、分子中に3−オキセタニル基とエポキシ基とから選ばれる反応性基を複数有する架橋性ポリマーをその一部の前記反応性基によって、酸無水物とポリカルボン酸とモノカルボン酸から選ばれる少なくとも1種の架橋剤と反応させ、一部、架橋させて得られる架橋ポリマーから上記反応性ポリマーがなることを特徴とする電池用セパレータのための反応性ポリマー担持多孔質フィルム。
- 架橋性ポリマーが3−オキセタニル基を有するラジカル重合性モノマーとエポキシ基を有するラジカル重合性モノマーとから選ばれる少なくとも1種のラジカル重合性モノマーと他のラジカル重合性モノマーとのラジカル共重合体である請求項1に記載の電池用セパレータのための反応性ポリマー担持多孔質フィルム。
- 反応性ポリマーが不溶分率5%以上を有するものである請求項1又は2に記載の電池用セパレータ用反応性ポリマー担持多孔質フィルム。
- 請求項1から3のいずれかに記載の反応性ポリマー担持多孔質フィルムに電極を積層して、電極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム積層体を得、この電極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム積層体を電池容器内に仕込んだ後、カチオン重合性触媒を含む電解液を上記電池容器内に注入し、上記電極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム積層体の有する反応性ポリマーを上記電解液と接触させて、上記反応性ポリマーをカチオン重合させることによって得られる電極/セパレータ接合体。
- 請求項4に記載の電極/セパレータ接合体を有する電池。
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-
2008
- 2008-02-13 JP JP2008031496A patent/JP2009193761A/ja active Pending
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