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JP2009190022A - ハニカム構造体及びハニカム構造体の製造方法 - Google Patents

ハニカム構造体及びハニカム構造体の製造方法 Download PDF

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JP2009190022A JP2008232468A JP2008232468A JP2009190022A JP 2009190022 A JP2009190022 A JP 2009190022A JP 2008232468 A JP2008232468 A JP 2008232468A JP 2008232468 A JP2008232468 A JP 2008232468A JP 2009190022 A JP2009190022 A JP 2009190022A
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Masaki Imaeda
雅樹 今枝
Hiroki Sato
寛樹 佐藤
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Ibiden Co Ltd
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Ibiden Co Ltd
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Abstract

【課題】 ハニカムフィルタ又は触媒担体として使用した場合に中央部付近のハニカム焼成体がハニカム構造体から抜けることがないハニカム構造体を提供する。
【解決手段】 多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム焼成体が、接着材層を介して複数個結束されてなるセラミックブロックを含むハニカム構造体であって、上記接着材層は、その接着材層の両側に接着されたハニカム焼成体同士の接着強度が異なる少なくとも2種類の接着材層からなり、上記ハニカム焼成体のうち上記セラミックブロックを長手方向に垂直な断面で切断した面の中央部に位置する中央部ハニカム焼成体同士は互いに一の接着材層を介して接着されており、上記中央部ハニカム焼成体同士の接着強度αは、他の接着材層を介して互いに接着されたハニカム焼成体同士の接着強度βよりも高いことを特徴とするハニカム構造体。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ハニカム構造体及びハニカム構造体の製造方法に関する。
バス、トラック等の車両や建設機械等の内燃機関から排出される排ガス中に含有されるスス等のパティキュレート(以下、PMという)やその他の有害成分が環境や人体に害を及ぼすことが最近問題となっている。
そこで、排ガス中のPMを捕集して排ガスを浄化するハニカムフィルタとして、また、その内部に排ガスを通過させることにより排ガス中の有害成分を浄化する触媒担体として、多孔質セラミックからなるハニカム構造体が種々提案されている。
このようなハニカム構造体としては、長手方向に多数のセルが並設された柱状のハニカム焼成体を複数個組み合わせてなる集合型ハニカム構造体が知られている。このような集合型ハニカム構造体では、各ハニカム焼成体の側面に接着材層が形成されており、上記接着材層を介して各ハニカム焼成体同士が接着されている。
集合型ハニカム構造体の製造工程中、ハニカム焼成体を組み合わせる方法としていくつかの方法が開示されている。
特許文献1には、複数のハニカム焼成体(ハニカムセグメント)を接着材層を介して積層し、さらに積層したハニカム焼成体全体を同時に加圧することによって接着を行うハニカム構造体の接合方法が開示されている。特許文献1には、このハニカム構造体の接合方法を用いると各ハニカム焼成体をその積層順位に拘らず所望の接着強度で均一に接合することが開示されている。
また、特許文献2には、ハニカム焼成体(セラミックス構造体)に押圧力を加えつつ振動を付与することによってハニカム焼成体を接合するハニカム焼成体の接合方法が開示されている。特許文献2には、このように振動を付与することによってハニカム焼成体間の接着強度が高いハニカム構造体とすることが開示されている。
特開2004−262670号公報 特開2000−7455号公報
しかし、長手方向に垂直な断面における断面の長径が比較的大きいハニカム構造体をハニカムフィルタ又は触媒担体として用いた際には、ハニカム構造体の端面の中央部付近に位置するハニカム焼成体がハニカム構造体から抜けてしまうという問題があった。
そして、このような問題は、ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面における断面の長径が200mm以上と大きい場合に特に頻繁に発生していた。
本発明者らがこの問題の原因について検討したところ、この現象は、排ガスの流れによってハニカム構造体の端面に加わる圧力が、ハニカム構造体の端面の中央部付近では高く、周辺部付近では低くなるために起こるものと推測された。
また、ハニカム構造体をハニカムフィルタとして使用すると、ハニカムフィルタ内にPMが堆積するが、所定時間使用した後のハニカムフィルタにおいては上記断面の中央部付近に捕集されるPMの量が外周部付近に溜まるPMの量よりも多くなる。特にハニカム構造体の上記断面の直径が200mm以上と大きい場合には中央部付近と外周部付近に捕集されるPMの量の差が非常に大きくなる。
ハニカム構造体をハニカムフィルタとして使用する際には、一定量のPMを補集した後にハニカムフィルタ内に堆積したPMを燃焼させる再生処理を行う必要があるが、上述のように中央部付近に大量のPMが溜まっているハニカムフィルタの再生処理を行うと、中央部付近で大量のPMが燃焼するために、大量の熱が発生する。
そして、中央部付近で大量の熱が発生すると、中央部のハニカム焼成体同士を接着している接着材層にクラックが生じることがある。
さらに、接着材層に発生したクラックは後にさらに伸展することがあり、最終的には中央部付近のハニカム焼成体の一部がハニカム構造体から抜けてしまうことがある。
本発明は、このような問題に対してなされたものであり、ハニカムフィルタ又は触媒担体として使用した場合に中央部付近の接着材層にクラックが発生しにくく、中央部付近のハニカム焼成体がハニカム構造体から抜けにくいハニカム構造体を提供すること、及び、そのようなハニカム構造体の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明のハニカム構造体は、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム焼成体が、接着材層を介して複数個結束されてなるセラミックブロックを含むハニカム構造体であって、
上記接着材層は、その接着材層の両側に接着されたハニカム焼成体同士の接着強度が異なる少なくとも2種類の接着材層からなり、
上記ハニカム焼成体のうち上記セラミックブロックを長手方向に垂直な断面で切断した面の中央部に位置する中央部ハニカム焼成体同士は互いに一の接着材層を介して接着されており、
上記中央部ハニカム焼成体同士の接着強度αは、他の接着材層を介して互いに接着されたハニカム焼成体同士の接着強度βよりも高いことを特徴とする。
本発明のハニカム構造体の製造方法は、セラミック原料を成形することにより、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製する成形工程と、
上記ハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体を作製する焼成工程と、
複数の上記ハニカム焼成体を接着材層を介して接着させてセラミックブロックを作製する結束工程とを含むハニカム構造体の製造方法であって、
上記結束工程では、上記セラミックブロックを上記長手方向に垂直な断面で切断した面の中央部に中央部ハニカム焼成体を配置し、上記中央部ハニカム焼成体同士を互いに一の接着材層を介して接着し、
上記中央部ハニカム焼成体同士の接着強度αが、他の接着材層を介して互いに接着されたハニカム焼成体同士の接着強度βよりも高くなるように各ハニカム焼成体を接着することによって、
その接着材層の両側に接着されたハニカム焼成体同士の接着強度が異なる少なくとも2種類の接着材層を形成することを特徴とする。
請求項1に記載のハニカム構造体は、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム焼成体が、接着材層を介して複数個結束されてなるセラミックブロックを含むハニカム構造体であって、
上記接着材層は、その接着材層の両側に接着されたハニカム焼成体同士の接着強度が異なる少なくとも2種類の接着材層からなり、
上記ハニカム焼成体のうち上記セラミックブロックを長手方向に垂直な断面で切断した面の中央部に位置する中央部ハニカム焼成体同士は互いに一の接着材層を介して接着されており、
上記中央部ハニカム焼成体同士の接着強度αは、他の接着材層を介して互いに接着されたハニカム焼成体同士の接着強度βよりも高いことを特徴とする。
請求項1に記載のハニカム構造体では、接着材層はその接着材層の両側に接着されたハニカム焼成体同士の接着強度が異なる少なくとも2種類の接着材層からなる。
また、中央部ハニカム焼成体同士が互いに一の接着材層を介して接着されており、中央部ハニカム焼成体同士の接着強度αが他の接着材層を介して接着されたハニカム焼成体同士の接着強度βよりも高くなっている。
ここで、請求項1に記載のハニカム構造体の中央部ハニカム焼成体及び接着材層について説明する。
まず、中央部ハニカム焼成体について説明する。
中央部ハニカム焼成体とは、ハニカム構造体をその長手方向に垂直な断面で切断した切断面の中心に位置するハニカム焼成体及び/又はその近傍に位置するハニカム焼成体のことである。
ハニカム構造体は、縦×横に(1)偶数×偶数、(2)奇数×奇数、(3)偶数×奇数又は奇数×偶数のいずれかの数の複数のハニカム焼成体が接着材層を介して結束されてなる。
以下、中央部ハニカム焼成体の定義をハニカム構造体の上記3つの態様に対してそれぞれ定める。
まず、上記(1)のようにハニカム焼成体が縦と横にそれぞれ偶数個ずつ結束されているハニカム構造体における中央部ハニカム焼成体の定義について、縦に6個、横に6個のハニカム焼成体が結束されてなるハニカム構造体を例にして図面を用いて説明する。
図1は、ハニカム焼成体が縦と横にそれぞれ偶数個ずつ結束されてなる本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示す断面図である。なお、本明細書における各断面図は、単純化のためにハニカム焼成体のセルを省略して示している。
図1に示すハニカム構造体1において、点線で示す円201は角柱状のセラミックブロックに外周加工を施して円柱状とした際の外周加工面を示している。
このハニカム構造体1においては、縦に6個、横に6個のハニカム焼成体50が接着材層20を介して結束されている。そして、この断面図におけるハニカム構造体1の中心は図1中に白抜きの点で示した位置(中心101)であり、この中心101には接着材層20のうちの一の接着材層30が存在している。一の接着材層の定義については後述する。
この場合、ハニカム焼成体50のうち、中心101に最も近接する、図1中に斜線で示す4つのハニカム焼成体60を中央部ハニカム焼成体と定義する。
次に、上記(2)のようにハニカム焼成体が縦と横にそれぞれ奇数個ずつ結束されているハニカム構造体における中央部ハニカム焼成体の定義について、縦に7個、横に7個のハニカム焼成体が結束されてなるハニカム構造体を例にして図面を用いて説明する。
図2は、ハニカム焼成体が縦と横にそれぞれ奇数個ずつ結束されてなる本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示す断面図である。
図2に示すハニカム構造体2において、点線で示す円202は角柱状のセラミックブロックに外周加工を施して円柱状とした際の外周加工面を示している。
このハニカム構造体2においては、縦に7個、横に7個のハニカム焼成体50が接着材層20を介して結束されている。そして、この切断面におけるハニカム構造体2の中心は図2中に白抜きの点で示した位置(中心102)であり、この中心102にはハニカム焼成体61が存在している。
この場合、ハニカム焼成体50のうち、中心102と重なるハニカム焼成体61を中心部ハニカム焼成体と定義する。そして、中心部ハニカム焼成体61と中心部ハニカム焼成体61に隣接するハニカム焼成体62とを合わせて中央部ハニカム焼成体と定義する。
なお、「中心部ハニカム焼成体に隣接するハニカム焼成体」とは、接着材層を介して中心部ハニカム焼成体と接着されているハニカム焼成体である。
従って、図2において中央部ハニカム焼成体60は、斜線で示す5つのハニカム焼成体、すなわち中心部ハニカム焼成体61と、接着材層を介して中心部ハニカム焼成体と接着されている4つのハニカム焼成体62である。
次に、上記(3)のようにハニカム焼成体が縦と横にそれぞれ偶数個×奇数個又は奇数個×偶数個ずつ結束されているハニカム構造体における中央部ハニカム焼成体の定義について、縦に7個、横に6個のハニカム焼成体が結束されてなるハニカム構造体を例にして図面を用いて説明する。
図3は、ハニカム焼成体が縦及び横にそれぞれ奇数個及び偶数個結束されてなる本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示す断面図である。
図3に示すハニカム構造体3において、点線で示す楕円203は角柱状のセラミックブロックに外周加工を施して楕円柱状とした際の外周加工面を示している。
このハニカム構造体3においては、縦に7個、横に6個のハニカム焼成体50が接着材層20を介して結束されている。そして、この切断面におけるハニカム構造体3の中心は図3中に白抜きの点で示した位置(中心103)であり、この中心103には接着材層20のうちの一の接着材層30が存在している。
この場合、ハニカム焼成体50のうち、中心103に最も近接する、2つのハニカム焼成体63と、これらのハニカム焼成体63に隣接するハニカム焼成体のうち中心103により近接する4つのハニカム焼成体64とを合わせて中央部ハニカム焼成体と定義する。
なお、「中心に最も近接するハニカム焼成体」とは、中心と重なる接着材層の両側に位置するハニカム焼成体である。また、「中心により近接するハニカム焼成体」とは、中心に最も近接するハニカム焼成体と接着材層を介して接着されているハニカム焼成体であって、中心により近くに位置するハニカム焼成体のことである。例えば、図3において、中心103の右側に位置するハニカム焼成体63が「中心に最も近接するハニカム焼成体」であり、ハニカム焼成体63の上下でハニカム焼成体63と接着材層を介して接着されているハニカム焼成体64が「中心により近接するハニカム焼成体」である。
そして、ハニカム焼成体63の右側でハニカム焼成体63と接着材層を介して接着されているハニカム焼成体は、「中心により近接するハニカム焼成体」ではない。
従って、図3において中央部ハニカム焼成体60は、斜線で示す6つのハニカム焼成体、すなわち2つのハニカム焼成体63と2つのハニカム焼成体63の上下に位置する4つのハニカム焼成体64である。
続いて、接着材層について説明する。
接着材層は、その両側に接着されたハニカム焼成体同士の接着強度が異なる2種類の接着材層、すなわち一の接着材層及び他の接着材層からなる。
そして、請求項1に記載のハニカム構造体においては、中央部ハニカム焼成体同士は互いに一の接着材層を介して接着されている。
図1において、一の接着材層は中央部ハニカム焼成体である4つのハニカム焼成体60同士を接着している接着材層30であり、図1において黒く塗った十字状の部分に該当する。
同様に、図2においては、一の接着材層は中心部ハニカム焼成体61と他の中央部ハニカム焼成体62を接着している接着材層30であり、図3においては、一の接着材層は6つの各中央部ハニカム焼成体63、64のうち2つを接着している接着材層30である。
一方、他の接着材層は一の接着材層以外の接着材層であり、図1、図2及び図3において黒く塗っていない接着材層40である。
請求項1に記載のハニカム構造体においては、中央部ハニカム焼成体は一の接着材層を介して接着されている。また、中央部ハニカム焼成体以外のハニカム焼成体同士、及び、中央部ハニカム焼成体以外のハニカム焼成体と中央部ハニカム焼成体同士は、他の接着材層を介して接着されているか、一の接着材層を介して接着されている。
そして、請求項1に記載のハニカム構造体においては、互いに一の接着材層を介して接着されたハニカム焼成体同士の接着強度αが、他の接着材層を介して接着されたハニカム焼成体同士の接着強度βよりも高くなっている。
請求項1に記載のハニカム構造体では、中央部ハニカム焼成体同士は必ず一の接着材層を介して接着されているため、その接着強度αが高くなっている。そのため、ハニカム構造体をハニカムフィルタ又は触媒担体として使用した際に排ガスによってハニカム構造体の端面の中央部に高い圧力が加わった場合でも、中央部付近のハニカム焼成体がハニカム構造体から抜けにくいハニカム構造体とすることができる。
また、ハニカム構造体をハニカムフィルタとして使用して中央部ハニカム焼成体に多くのPMが捕集され、PMの燃焼によって大量の熱が発生した場合であっても、中央部ハニカム焼成体同士の接着強度αを高くしているため、接着材層にクラックが発生しにくい。そのため、繰り返しの再生処理を行った後であっても、中央部付近のハニカム焼成体がハニカム構造体から抜けにくいハニカム構造体とすることができる。
請求項2に記載のハニカム構造体では、上記セラミックブロックを長手方向に垂直な断面で切断した面の中心に、中心部ハニカム焼成体が存在し、上記中央部ハニカム焼成体は、上記中心部ハニカム焼成体と上記中心部ハニカム焼成体に隣接するハニカム焼成体とからなる。
また、請求項3に記載のハニカム構造体では、上記セラミックブロックを長手方向に垂直な断面で切断した面の中心に、接着材層が存在し、上記中央部ハニカム焼成体は、上記中心に最も近接する4つのハニカム焼成体からなる。
また、請求項4に記載のハニカム構造体では、上記セラミックブロックを長手方向に垂直な断面で切断した面の中心に、接着材層が存在し、上記中央部ハニカム焼成体は、上記中心に最も近接する2つのハニカム焼成体と上記2つのハニカム焼成体に隣接するハニカム焼成体のうち上記中心に近接する4つのハニカム焼成体とからなる。
請求項2〜4にそれぞれ定める位置に存在する中央部ハニカム焼成体には、排ガスによって高い圧力が加わる。しかしながら、請求項2〜4においては、中央部ハニカム焼成体同士が一の接着材層を介して接着され、中央部ハニカム焼成体同士の接着強度が高くなっているため、中央部付近のハニカム焼成体がハニカム構造体から抜けにくいハニカム構造体とすることができる。
請求項5に記載のハニカム構造体では、上記一の接着材層は、上記セラミックブロックを長手方向に垂直な断面で切断した面の中心からの距離が50mm以内の領域に存在する。
ハニカム構造体の側面のうち切断面の中心から50mm以内の領域は排ガスによって高い圧力が特に加わりやすい領域である。しかしながら、請求項5に記載のハニカム構造体ではこの領域に存在するハニカム焼成体同士が上記一の接着材層によって接着されており、上記一の接着材層によって接着されたハニカム焼成体同士の接着強度が高くなっているため、中央部付近のハニカム焼成体がハニカム構造体から抜けにくいハニカム構造体とすることができる。
また、請求項6に記載のハニカム構造体では、上記切断面における上記一の接着材層の形状は、十字形状を含んでいる。
請求項7に記載のハニカム構造体では、上記接着強度αは、3点曲げ試験により測定した接着強度が0.8〜1.6MPaであり、かつ、上記接着強度βは、3点曲げ試験により測定した接着強度が0.4〜1.2MPaである。
3点曲げ試験により測定した接着強度が0.8〜1.6MPaとなるように、接着強度を強くするためには、従来の工程とは別の接着方法に変更したり、新たな工程を追加したり、接着材の組成を変更する等が必要となり、工程数の増加やコストアップに繋がる。そこで、本発明では、接着強度を強くする必要がある箇所のみを強くして、その他の箇所は従来の方法で接着することにより、工程数増加やコストアップを最小限に抑えることができる。そのため、中央部付近以外の接着材層は、従来の方法で接着を行い、接着強度を0.4〜1.2MPaとしているのである。
接着強度αの3点曲げ試験により測定した接着強度が0.8MPa以上であると、中央部ハニカム焼成体同士がより強く接着されているため、中央部付近のハニカム焼成体がハニカム構造体からより抜けにくいハニカム構造体とすることができる。
また、上記接着強度αが1.6MPaを超えるようにハニカム焼成体同士を接着することは困難である。
また、請求項8に記載のハニカム構造体では、上記接着強度αは、上記接着強度βの1.1〜4.0倍である。接着強度αと接着強度βの関係をこのように定めることによって、中央部付近のハニカム焼成体同士の接着強度αが他の接着材層を介して互いに接着されたハニカム焼成体同士の接着強度βよりも相対的に高くなり、中央部付近のハニカム焼成体がハニカム構造体からより抜けにくいハニカム構造体とすることができる。
請求項9に記載のハニカム構造体は、上記セラミックブロックを長手方向に垂直な断面で切断した面の長径が200mm以上である。
ここで、「切断面の長径」とは、切断面が円の場合はその直径、楕円の場合はその長径、多角形の場合はその最も長い対角線のことをいう。
請求項9のハニカム構造体は、中央部ハニカム焼成体同士の接着強度が高いため、ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面における切断面の長径が200mm以上と大きくても、中央部付近のハニカム焼成体がハニカム構造体から抜けにくい構造とすることができる。一方、従来のハニカム構造体では、ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面における切断面の長径が200mm以上と大きいと、中央部付近のハニカム焼成体がハニカム構造体から抜けやすい構造となる。
請求項10に記載のハニカム構造体は、30個以上のハニカム焼成体が結束されてなる。
30個以上のハニカム焼成体を組み合わせると、その切断面の面積が大きいハニカム構造体となるが、請求項10のハニカム構造体は、中央部ハニカム焼成体同士の接着強度が高いため、30個以上のハニカム構造体が結束されている場合であっても中央部付近のハニカム焼成体がハニカム構造体から抜けにくいハニカム構造体とすることができる。
請求項11に記載のハニカム構造体の製造方法は、セラミック原料を成形することにより、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製する成形工程と、
上記ハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体を作製する焼成工程と、
複数の上記ハニカム焼成体を接着材層を介して接着させてセラミックブロックを作製する結束工程とを含むハニカム構造体の製造方法であって、
上記結束工程は接着材層の両側に接着されたハニカム焼成体同士の接着強度が異なる少なくとも2種類の接着材層を形成する工程であり、
上記接着材層を形成する工程は、上記セラミックブロックを上記長手方向に垂直な断面で切断した面の中央部に中央部ハニカム焼成体を配置する工程と、
上記中央部ハニカム焼成体同士を互いに一の接着材層を介して接着し、上記中央部ハニカム焼成体同士の接着強度αが、他の接着材層を介して互いに接着されたハニカム焼成体同士の接着強度βよりも高くなるように各ハニカム焼成体を接着する工程とを含むことを特徴とする。
請求項11に記載のハニカム構造体の製造方法では、結束工程において、ハニカム焼成同士の接着強度が異なる少なくとも2種類の接着材層を形成する。そして、中央部ハニカム焼成体同士を接着強度の高い一の接着材層を介して接着する。そのため、中央部ハニカム焼成体同士の接着強度が高いハニカム構造体を製造することができる。
そして、このようなハニカム構造体においては、ハニカムフィルタ又は触媒担体として使用した際に排ガスによってハニカム構造体の端面の中央部に高い圧力が加わった場合でも、中央部付近のハニカム焼成体がハニカム構造体から抜けにくくなる。
また、ハニカム構造体をハニカムフィルタとして使用し、繰り返しの再生処理を行った後であっても、中央部付近のハニカム焼成体がハニカム構造体から抜けにくくなる。
請求項12に記載のハニカム構造体の製造方法では、上記セラミックブロックを長手方向に垂直な断面で切断した面の中心に、中心部ハニカム焼成体が存在し、上記中央部ハニカム焼成体は、上記中心部ハニカム焼成体と上記中心部ハニカム焼成体に隣接するハニカム焼成体とからなる。
また、請求項13に記載のハニカム構造体の製造方法では、上記セラミックブロックを長手方向に垂直な断面で切断した面の中心に、接着材層が存在し、上記中央部ハニカム焼成体は、上記中心に最も近接する4つのハニカム焼成体からなる。
また、請求項14に記載のハニカム構造体の製造方法では、上記セラミックブロックを長手方向に垂直な断面で切断した面の中心に、接着材層が存在し、上記中央部ハニカム焼成体は、上記中心に最も近接する2つのハニカム焼成体と上記2つのハニカム焼成体に隣接するハニカム焼成体のうち上記中心により近接する4つのハニカム焼成体とからなる。
請求項12〜14に記載のハニカム構造体の製造方法においては、請求項12〜14にそれぞれ定める中央部ハニカム焼成体同士を接着強度の高い一の接着材層を介して接着している。そのため、中央部ハニカム焼成体同士の接着強度が高いハニカム構造体を製造することができる。
請求項15に記載のハニカム構造体の製造方法は、上記結束工程において、上記2種類の接着材層の原料として、発泡材料の含有量が異なる少なくとも2種類の接着材ペーストをそれぞれ用い、上記少なくとも2種類の接着材ペーストは、上記一の接着材層の原料である接着材ペーストと上記他の接着材層の原料である接着材ペーストとを含み、上記一の接着材層の原料である接着材ペースト中の発泡材料の含有量が、上記他の接着材層の原料である接着材ペースト中の発泡材料の含有量よりも多くなっている。
発泡材料の含有量が異なる少なくとも2種類の接着材ペーストを接着材層の原料として用いることによって、各接着材ペーストを用いて形成される各接着材層を介して接着されるハニカム焼成体同士の各接着強度に差異を設けることができる。
そして、上記一の接着材層の原料である接着材ペースト中の発泡材料の含有量を上記他の接着材層の原料である接着材ペースト中の発泡材料の含有量よりも多くすることによって、上記一の接着材層を介して接着されたハニカム焼成体同士の接着強度を、上記他の接着材層を介して接着されたハニカム焼成体同士の接着強度よりも高くすることができる。
なお、「発泡材料」とは、温度依存性の膨張特性及び消失特性を有する材料であって、未だ膨張状態に至っていない材料を意味する。従って、既に膨張後の、更なる膨張特性を有さない「発泡済」材料は、「発泡材料」には含まれないものとする。
ここで、接着材ペースト中の発泡材料の含有量を多くすることによってハニカム焼成体同士の接着強度を高くすることができる理由について説明する。
接着材ペーストには一般的に水分が多く含まれているが、発泡材料を含まない接着材ペーストを用いた場合には、水分を含む接着材ペーストが多孔質セラミックであるハニカム焼成体と接触すると、接着材ペースト中の水分がハニカム焼成体に向かって浸透する。そのため接着材ペーストの体積は浸透した水分に相当するだけ減少する。そして、接着材ペーストの乾燥により形成される接着材層の中に直径が1mm程度の大気泡が多数形成されることがある。
そして、接着材層の中に大気泡が形成されると大気泡同士が小さな応力によって容易に連結されて大きな亀裂に発展してしまうことがある。そのため、その接着材層を介して接着されるハニカム焼成体同士の接着強度が低くなることがある。
一方、接着材ペースト中に発泡材料が含まれていると、ハニカム焼成体への水分の浸透による接着材ペーストの体積の減少と同時に発泡材料の膨張による接着材ペーストの体積の増加が起こる。従って、発泡材料の膨張によって接着材ペーストの体積減少が補填されることとなる。
発泡材料は加熱によって膨張し、消失するため、発泡材料が消失した後には気泡痕が残ることとなる。この気泡痕は直径が300μm以下の小気泡であり、小気泡が形成された部分では大気泡の形成が防止される。
そして、接着材層中に形成された小気泡は大気泡と異なり容易に連結されることがない。そのため、接着材ペースト中の発泡材料の含有量を多くすることによって接着材層中の大気泡の発生を防止してハニカム焼成体同士の接着強度を高くすることができる。
請求項16に記載のハニカム構造体の製造方法は、上記結束工程において、上記中央部ハニカム焼成体の側面間に上記一の接着材層の原料として接着材ペーストを配置し、上記中央部ハニカム焼成体の上記接着材ペーストを配置した上記側面と反対側の側面に対して加熱及び加圧を行い、上記中央部ハニカム焼成体同士を互いに上記一の接着材層を介して接着する。
接着材ペーストに加熱及び加圧を行うことによって、形成される接着材層が緻密化されるため、接着材層中に含まれる気泡の数を減少させ、かつ、気泡の大きさを小さくすることができる。
接着材層中の気泡の数が少なく、気泡の大きさが小さいと、接着材層中に生じた微小なクラックが気泡を通じて伝播して大きなクラックとなる可能性が小さくなるため、ハニカム焼成体同士の接着強度を向上させることができる。
請求項16に記載のハニカム構造体の製造方法では、接着材ペーストを加圧及び加熱することによって一の接着材層を形成するため、中央部ハニカム焼成体同士の接着強度の高い一の接着材層を形成することができる。
請求項17に記載のハニカム構造体の製造方法は、上記結束工程において、上記中央部ハニカム焼成体の側面間に上記一の接着材層の原料として発泡材料を含有した接着材ペーストを配置し、上記中央部ハニカム焼成体の上記接着材ペーストを配置した上記側面と反対側の側面に対して加熱及び加圧を行い、上記中央部ハニカム焼成体同士を互いに上記一の接着材層を介して接着する。
このようにして発泡材料を含有した接着材ペーストを加圧及び加熱することによって一の接着材層を形成すると、発泡材料の作用によって接着材層中の大気泡の発生を防止してハニカム焼成体同士の接着強度を高くすることができる。さらに接着材ペーストを加熱及び加圧することによって接着材層中の気泡の数を少なくし、気泡の大きさを小さくすることによってもハニカム焼成体同士の接着強度を高くすることができる。そのため、中央部ハニカム焼成体同士の接着強度がより高い一の接着材層を形成することができる。
請求項18に記載のハニカム構造体の製造方法において、上記結束工程は、上記中央部ハニカム焼成体を含む中央部ハニカム集合体を作製する中央部集合工程と、
上記中央部ハニカム集合体に他のハニカム焼成体を接着させる周辺部集合工程とを含む。
請求項18に記載のハニカム構造体の製造方法では、上記中央部ハニカム焼成体を含む中央部ハニカム集合体を作製する中央部集合工程を行う。
この中央部集合工程で中央部ハニカム集合体を最初に作製することによって、中央部ハニカム焼成体同士を接着強度の高い一の接着材層を介して接着させることができる。さらに、その他の高い接着強度を必要としない他の接着材層を介したハニカム焼成体の接着はより簡便な方法を用いて行うことができる。そのため、中央部ハニカム焼成体同士の接着強度が高いハニカム構造体を全体として容易に製造することができる。
また、請求項19に記載のハニカム構造体の製造方法において、上記周辺部集合工程は、複数のハニカム焼成体を接着させて周辺部ハニカム集合体を作製する工程と、
上記中央部ハニカム集合体に上記周辺部ハニカム集合体を接着させる工程とからなる。
このような方法によっても、中央部ハニカム焼成体同士の接着強度が高いハニカム構造体を全体として容易に製造することができる。
請求項20に記載のハニカム構造体の製造方法において、上記結束工程は、複数のハニカム焼成体を接着させてハニカム集合体を作製する工程と、上記ハニカム集合体同士を上記一の接着材層を介して接着させる工程とからなる。
請求項20に記載のハニカム構造体の製造方法では、複数のハニカム焼成体を接着させてハニカム集合体を作製し、上記ハニカム集合体同士を上記一の接着材層を介して接着させる。このようにすると、まず容易な方法でハニカム集合体を作製することができる。さらに上記ハニカム集合体同士の間に接着強度が高い一の接着材層を形成することによって、一の接着材層で接着されたハニカム焼成体のうちの一部を中央部ハニカム焼成体とすることができる。従って、全体として中央部ハニカム焼成体同士の接着強度が高いハニカム構造体を簡便に製造することができる。
請求項21に記載のハニカム構造体の製造方法では、上記結束工程において、上記接着強度αは3点曲げ試験により測定した接着強度が0.8〜1.6MPaとなるように、かつ、上記接着強度βは3点曲げ試験により測定した接着強度が0.4〜1.2MPaとなるように上記少なくとも2種類の接着材層を形成する。
3点曲げ試験により測定した接着強度が0.8〜1.6MPaとなるように、接着強度を強くするためには、従来の工程とは別の接着方法に変更したり、新たな工程を追加したり、接着材の組成を変更する等が必要となり、工程数の増加やコストアップに繋がる。そこで、本発明では、接着強度を強くする必要がある箇所のみを強くして、その他の箇所は従来の方法で接着することにより、工程数増加やコストアップを最小限に抑えることができる。そのため、中央部付近以外の接着材層は、従来の方法で接着を行い、接着強度を0.4〜1.2MPaとしているのである。
また、請求項22に記載のハニカム構造体の製造方法では、上記結束工程において、上記接着強度αが、上記接着強度βの1.1〜4.0倍となるように上記少なくとも2種類の接着材層を形成する。
請求項21又は22に記載のハニカム構造体の製造方法によると、中央部ハニカム焼成体同士の接着強度αが他の接着材層を介して互いに接着されたハニカム焼成体同士の接着強度βよりも相対的に高く、中央部付近のハニカム焼成体がハニカム構造体からより抜けにくいハニカム構造体を製造することができる。
また、請求項23に記載のハニカム構造体の製造方法では、上記結束工程において上記セラミックブロックを長手方向に垂直な断面で切断した面の長径が200mm以上となるように上記ハニカム焼成体を結束してセラミックブロックを形成する。
請求項23に記載のハニカム構造体の製造方法によると、ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面における切断面の長径が200mm以上と大きくても、中央部付近のハニカム焼成体がハニカム構造体から抜けにくい構造とすることができる。一方、従来のハニカム構造体では、ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面における切断面の長径が200mm以上と大きいと、中央部付近のハニカム焼成体がハニカム構造体から抜けやすい構造となる。
請求項24に記載のハニカム構造体の製造方法では、上記結束工程において結束させるハニカム焼成体の数は30個以上である。
30個以上のハニカム焼成体を組み合わせることによって大型のハニカム構造体を製造した場合に、中央部付近のハニカム焼成体がハニカム構造体から抜けにくくすることができる。
請求項25に記載のハニカム構造体の製造方法では、上記セラミックブロックの外周を加工する外周加工工程と、
上記加工されたセラミックブロックの外周にコート層を形成するコート層形成工程とを行う。
外周加工工程を行うことによって、所定の外周形状を有するハニカム構造体を製造することができる。
また、コート層を形成することによって、ハニカム構造体の外周形状を整えることができ、また、排ガスをハニカム構造体に流入させた際に排ガスがハニカム構造体から漏れることのないハニカム構造体を製造することができる。
請求項26に記載のハニカム構造体の製造方法では、上記結束工程において結束させるハニカム焼成体のうち、一部のハニカム焼成体の断面形状が他のハニカム焼成体の断面形状と異なる。
一部のハニカム焼成体の断面形状を他のハニカム焼成体の断面形状と異なる形状とすることによって、外周加工工程を行うことなく所定の外周形状を有するハニカム構造体を製造することができる。
(第一実施形態)
以下、本発明のハニカム構造体及びハニカム構造体の製造方法の一実施形態である第一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図4は、本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図であり、図5(a)は、本発明のハニカム構造体を構成するハニカム焼成体の一例を模式的に示した斜視図であり、図5(b)は、図5(a)のA−A線断面図である。
図4に示すハニカム構造体4では、多孔質炭化ケイ素からなる、図5(a)及び(b)に示すような形状のハニカム焼成体50が接着材層20を介して36個結束されてセラミックブロック304を構成し、さらに、このセラミックブロック304の外周にシール材層(コート層)90が形成されている。
図5(a)及び(b)に示すハニカム焼成体50には、多数のセル51がセル壁53を隔てて長手方向(図5(a)中、aの方向)に並設されており、セル51のいずれかの端部が封止材52によって封止されている。従って、一方の端面が開口したセル51に流入した排ガスGは、必ずセル51を隔てるセル壁53を通過した後、他方の端面が開口した他のセル51から流出するようになっている。
従って、セル壁53がPM等を捕集するためのフィルタとして機能する。
図6は、本発明に係る第一実施形態のハニカム構造体の一例を模式的に示す断面図である。
図6は、図1と同様にハニカム構造体の断面を示しており、点線で示す円204は角柱状のセラミックブロックに外周加工を施して円柱状とした際の外周加工面を示している。
なお、外周加工面を示す円204の直径は200mm以上である。
ハニカム構造体4は、縦に6個、横に6個の計36個のハニカム焼成体50が接着材層20を介して結束されている。そして、断面の中心104に最も近接する位置には斜線で示す中央部ハニカム焼成体60が4つ配置されている。さらに、黒く塗った十字状の部分に一の接着材層30が形成されており、中央部ハニカム焼成体60同士は一の接着材層30を介して接着されている。
図6に示すハニカム構造体4と図1に示すハニカム構造体1との相違点は、図6に示すハニカム構造体4においては一の接着材層30が切断面の上端及び下端並びに右端及び左端に達する十字形状にまで形成されている点である。
そして、ハニカム構造体4においては、一の接着材層30は中央部ハニカム焼成体60同士を接着する位置のみに形成されているわけではなく、中央部ハニカム焼成体60以外のハニカム焼成体50同士を接着する位置にも形成されている。
すなわち、本実施形態に係るハニカム構造体においては、一の接着材層の形成される位置は、中央部ハニカム焼成体のみに限定されるものではなく、中央部ハニカム焼成体を含んでいればよいのである。
そして、接着材層20のうち一の接着材層30以外の位置には他の接着材層40が形成されている。
本実施形態において、一の接着材層30を介して互いに接着された中央部ハニカム焼成体60同士の接着強度αは、他の接着材層40を介して互いに接着されたハニカム焼成体同士の接着強度βよりも高くなっている。
なお、他の接着材層40を介して互いに接着されたハニカム焼成体同士の接着強度βは、中央部ハニカム焼成体60と中央部ハニカム焼成体以外のハニカム焼成体50の間の接着強度と、中央部ハニカム焼成体以外のハニカム焼成体50同士の接着強度とを含む。
ハニカム焼成体同士の接着強度は、例えば、JIS R 1601に準じた方法で行う3点曲げ強さ試験により測定することができる。
すなわち、製造したハニカム構造体より、真ん中の部分の鉛直方向に接着材層が存在するとともに、接着材層を挟んだ両側にハニカム焼成体が存在するようにサンプルを切り出し、接着材層の部分に荷重点がくるように設定し、3点曲げを行う。また、接着材層を挟んだ両側にハニカム焼成体が存在するサンプルを作製して、測定用サンプルとしてもよい。
3点曲げ強さは、下記の(1)式により算出することができる。
σ=3P(L−L)/2Bh・・・(1)
上記(1)式において、σは3点曲げ強さ、Pは荷重、L−Lは支点間距離、Bは試験片の幅、hは試験片の厚さ(高さ)である。
本実施形態に係るハニカム構造体では、3点曲げ試験により測定した接着強度αは0.8〜1.6MPa(荷重20〜40kgf)であり、接着強度βは0.4〜1.2MPa(荷重10〜30kgf)である。なお、この際の支点間距離(L−L)は、57mm、試験片の幅Bは、34.3mm、試験片の厚さ(高さ)hは25mmである。
また、接着強度αは接着強度βの1.1〜4.0倍である。
本実施形態のハニカム焼成体同士を接着する接着材層の主成分は、無機繊維と無機バインダ、無機粒子と無機バインダ、又は、無機繊維と無機粒子と無機バインダである。
各成分の割合に関し、無機繊維と無機バインダ又は無機粒子と無機バインダを主成分として含む場合、無機バインダの固形分5〜30重量%に対して、無機繊維又は無機粒子は、70〜95重量%が好ましく、無機繊維と無機粒子と無機バインダとを主成分として含む場合には、無機バインダの固形分5〜30重量%に対して、無機粒子が35〜65重量%、無機繊維30〜60重量%が好ましい。
上記接着材層は、有機バインダを含んでいてもよいが、ハニカム構造体を車両用排気ガスフィルタとして使用した場合には、高温となるため、分解消失しやすく、接着強度の変動の原因となるため、なるべく少ない量が含有されていることが望ましい。
また、一の接着材層は発泡材料の膨張等によって形成された小気泡を有することが望ましい。
また、接着材層の厚さは、0.5〜2.0mmが望ましい。
接着材層の厚さが0.5mm未満では接着強度が低下するおそれがあり、また、接着材層の厚さが2.0mmを超えると、セルの開口率が低下するため、排気ガス浄化用フィルタとして使用する場合のハニカム構造体の機能が低下してしまう。また、接着材層の厚さが2.0mmを超えると、圧力損失が大きくなることがある。
次に、本実施形態のハニカム構造体の製造方法について説明する。
まず、複数のハニカム焼成体を接着材層を介して接着させてセラミックブロックを作製する結束工程について説明し、その後にハニカム構造体の全製造工程について説明する。
本実施形態に係るハニカム構造体の製造方法は、その結束工程において9つのハニカム焼成体を接着させてハニカム集合体を作製する工程と、4つの上記ハニカム集合体を一の接着材層を介して接着させてセラミックブロックを作製する工程とを含む。
ハニカム焼成体を接着させてハニカム集合体を作製する方法は特に限定されるものではないが、ハニカム焼成体の間に接着材ペースト層を形成し、接着材ペースト層を乾燥固化して接着材層を形成することによってハニカム集合体とすることが望ましい。
ハニカム焼成体の間に接着材ペースト層を形成する方法も特に限定されるものではないが、例えば、以下のような積層法、充填法が挙げられる。
まず、積層法を用いてハニカム焼成体の間に接着材ペースト層を形成する方法について説明する。
図7は、積層法を用いてハニカム焼成体の間に接着材ペースト層を形成する様子を模式的に示す説明図である。
積層法においては、図7に示すように、ハニカム焼成体50が斜めに傾斜した状態で積み上げることができるように、上部の断面がV字形状に構成された台400の上に、ハニカム焼成体50を傾斜した状態で載置する。その後、上側を向いた2つの側面50a、50bに、接着材層となる接着材ペーストを均一な厚さで塗布して接着材ペースト層120を形成する。そして、この接着材ペースト層120の上に順次他のハニカム焼成体50を積層する工程を繰り返すことによって、9個のハニカム焼成体の間に接着材ペースト層が形成されてなるハニカム焼成体の積層体を作製する。
次に、充填法を用いてハニカム焼成体の間に接着材ペースト層を形成する方法について説明する。
図8は、ハニカム焼成体の並列体の長手方向に対して垂直な方向に切断した断面を模式的に示した断面図である。
充填法においては、まず、図8に示すように、ハニカム焼成体同士の間に形成する接着材層の厚さと同等の厚さに設計したスペーサ410を介してハニカム焼成体50を縦横に複数個並列する。従って、ハニカム焼成体の間にはスペーサの厚さ分の空隙420が形成される。
本実施形態では縦横に3列ずつ、9個のハニカム焼成体を並列してハニカム焼成体の並列体180を作製する。
続いて、並列させたハニカム焼成体間の空隙に、充填装置を用いて接着材ペーストを充填する。
図9は、充填装置内にハニカム焼成体の並列体が設置された充填装置を長手方向に平行な方向に切断した断面を模式的に示した断面図である。
充填装置500は、筒状体501とペースト供給器503を備えている。筒状体501は、内部にハニカム焼成体の並列体180を設置し得る内部空間502を備えている。ペースト供給器503は、接着材ペースト120を収容するためのペースト室520と接着材ペースト120をペースト室外に押し出す押出機構525を備えている。
ハニカム焼成体間の空隙に接着材ペーストを充填させる際には、ハニカム焼成体の並列体180を筒状体501の内部空間502内に設置し、ペースト供給器503を筒状体501の端面に取り付ける。そして、押出機構525を用いてペースト供給器503のペースト室520内から接着材ペースト120を押し出して、接着材ペースト120をハニカム焼成体間の空隙420に充填する。
このようにすることによって、9個のハニカム焼成体の間に接着材ペースト層が形成されてなるハニカム焼成体の積層体を作製する。
なお、上記接着材ペーストは、無機バインダ、無機繊維及び無機粒子を主成分として含むことが望ましい。また、上記接着材ペーストには、発泡材料が含まれていてもよい。
これら無機バインダ、無機繊維及び無機粒子、並びに、発泡材料については後述する。
続いて、このハニカム焼成体の積層体を乾燥機等を用いて加熱して接着材ペースト層を乾燥、固化することによって接着材層を形成してハニカム焼成体同士を接着する。
このような工程によって、9個のハニカム焼成体からなる角柱状のハニカム集合体を作製することができる。
なお、この工程によって形成される接着材層は、製造するハニカム構造体においては他の接着材層となる。また、本実施形態においては、36個のハニカム焼成体からなるハニカム構造体を製造することから、このハニカム集合体を4個作製する。
図10は、ハニカム集合体に一の接着材層となる接着材ペースト層を形成する様子を示す説明図である。
また、図11(a)〜(c)は、ハニカム集合体同士を一の接着材層を介して接着させる様子を示す説明図である。
ハニカム集合体を接着させてセラミックブロックとする方法としては、以下の方法が挙げられる。
まず、図10に示すように、V字形状に構成された台400の上に他の接着材層を介してハニカム焼成体同士が互いに接着されたハニカム集合体150を傾斜した状態で載置した後、上側を向いた2つの側面150a、150bに、一の接着材層となる接着材ペーストを均一な厚さで塗布して接着材ペースト層130を形成する。
一の接着材層の形成に用いる接着材ペーストには、上述した接着材ペーストの材料に加えて発泡材料が含まれている。
また、一の接着材層の原料である接着材ペースト中の発泡材料の含有量は、他の接着材層の原料として用いた接着材ペースト中の発泡材料の含有量よりも多くなっている。
発泡材料としては、熱によって膨張する材料と、化学反応によってガスを発生する材料の2種類のものが挙げられる。このうち、熱によって膨張する材料には、マイクロカプセル及び発泡樹脂等が含まれる。一方、化学反応によってガスを発生する材料には、無機質発泡材、膨張材等が含まれる。
続いて、図11(a)及び図11(b)に示すように、その2つの側面に接着材ペースト層130を形成したハニカム集合体150を4つ、その接着材ペースト層130同士が接触するように並べて、並べたハニカム集合体全体の外周を加熱加圧板600で挟む。そして、ハニカム集合体150の接着材ペースト層130を配置した側面と反対側の側面に対して加熱及び加圧を行う。図11(b)には加圧方向を矢印で示している。
なお、加熱加圧板は加熱と加圧を同時に行うことのできる板であれば特に限定されるものでないが、SUS板と温度調節可能なヒータを組み合わせた装置や、ホットプレス装置等を好適に用いることができる。
また、この加熱及び加圧は上下方向及び左右方向から同時に行ってもよく、上下方向及び左右方向から順次別々に行ってもよい。
また、加熱加圧条件としては、加熱温度は150〜500℃が望ましく、200〜400℃がより望ましい。加圧圧力は0.2〜2.0MPaが望ましく、0.4〜1.0MPaがより望ましい。加熱加圧時間は、5〜60分が望ましく、10〜30分がより望ましい。上記加熱加圧条件では、接着材ペースト層を確実に乾燥、固化させることができ、3点曲げ試験により測定した接着強度の高い(0.8〜1.6MPa)接着材層とすることができる。
このようにしてハニカム集合体の側面に加熱及び加圧を行って接着材ペースト層を乾燥、固化することによって、図11(c)に示すように一の接着材層30を十字形状に形成することができ、36個のハニカム焼成体からなるセラミックブロック304を作製することができる。
そして、セラミックブロック304を長手方向に垂直な断面で切断した断面の中心104には接着材層30が存在し、中心104に最も近接する、斜線で示す4つのハニカム焼成体60が中央部ハニカム焼成体となる。
なお、ここまでは、接着材ペースト層を乾燥、固化させた接着材層(他の接着材層)を介してハニカム焼成体同士が互いに接着されたハニカム集合体を用いてセラミックブロックを作製する方法について説明した。しかしながら、接着材ペーストを乾燥、固化させていないハニカム焼成体の積層体を上述したハニカム集合体として用いることによりセラミックブロックを作製してもよい。この方法では、ハニカム集合体を加熱及び加圧する場合において、一の接着材層を形成する接着材ペースト層と他の接着材層を形成する接着材ペースト層とが同時に乾燥、固化されることとなる。
続いて、上記ハニカム構造体を製造する全製造工程について説明する。
まず、セラミック粉末とバインダとを含む原料組成物を押出成形することによってハニカム成形体を作製する成形工程を行う。
まず、セラミック原料として平均粒子径の異なる炭化ケイ素粉末と、有機バインダと液状の可塑剤と潤滑剤と水とを湿式混合機を用いて混合することにより、ハニカム成形体製造用の湿潤混合物を調製する。
続いて、上記湿潤混合物を押出成形機に投入する。
上記湿潤混合物を押出成形機に投入すると、湿潤混合物は押出成形により所定の形状のハニカム成形体となる。
次に、ハニカム成形体を所定の長さに切断し、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機等を用いて乾燥させた後、所定のセルに封止材となる封止材ペーストを充填して上記セルを目封じする封止工程を行う。
なお、切断工程、乾燥工程、封止工程の条件は、従来からハニカム焼成体を作製する際に用いられている条件を適用することができる。
次に、ハニカム成形体中の有機物を脱脂炉中で加熱して除去し、ハニカム脱脂体とする脱脂工程を行い、ハニカム脱脂体を焼成炉に搬送し、焼成工程を行ってハニカム焼成体を作製する。
以上の工程によって、ハニカム焼成体を製造することができる。
なお、脱脂工程及び焼成工程の条件としては、従来からハニカム焼成体を作製する際に用いられている条件を適用することができる。
この後は、複数のハニカム焼成体に対して上述した結束工程を行ってセラミックブロックとし、さらに、セラミックブロックの側面をダイヤモンドカッター等を用いて加工して円柱状にする外周加工工程を行う。
さらに、円柱状としたセラミックブロックの外周に、シール材ペーストを塗布し、乾燥、固化してコート層を形成するコート層形成工程を行う。
なお、上記シール材ペーストを構成する材料としては、上記接着材ペーストと同様の材料を好適に用いることができる。また、異なる材料を用いてもよい。
なお、上記シール材ペーストにも発泡材料が含まれていてもよい。
以上の工程によって、ハニカム焼成体が接着材層を介して複数個接着されてなるセラミックブロックの外周部にコート層が設けられている、円柱形状のハニカム構造体を製造することができる。
なお、コート層は必ずしも設ける必要はなく、必要に応じて設ければよい。
なお、これまで説明したハニカム構造体の製造方法においては、ハニカム焼成体同士の接着強度が異なる少なくとも2種類の接着材層を形成するために、発泡材料の含有量の異なる2種類の接着材ペーストを用いる方法と、一の接着材層を形成する際に加熱及び加圧を行う方法の2つの方法を併用しているが、ハニカム焼成体同士の接着強度が異なる少なくとも2種類の接着材層を形成することができれば、一の接着材層を形成する方法は特に限定されるものではなく、例えば、これら2つの方法のうち1つの方法のみを用いても良い。
すなわち、他の接着材層及び一の接着材層の材料として同じ接着材ペーストを用いて、一の接着材層を形成する際にのみ加熱及び加圧を行ってもよい。
また、一の接着材層の原料である接着材ペースト中の発泡材料の含有量が、他の接着材層の原料である接着材ペースト中の発泡材料の含有量よりも多くなるようにして、一の接着材層及び他の接着材層を加熱及び加圧を行わずに形成してもよい。
また、上述した方法以外の方法を用いて、ハニカム焼成体同士の接着強度が異なる少なくとも2種類の接着材層を形成してもよい。
以下、本実施形態のハニカム構造体及びハニカム構造体の製造方法の作用効果について列挙する。
(1)本実施形態のハニカム構造体においては、一の接着材層を介して互いに接着された中央部ハニカム焼成体同士の接着強度αは、他の接着材層を介して互いに接着されたハニカム焼成体同士の接着強度βよりも高くなっている。
そのため、ハニカム構造体をハニカムフィルタ又は触媒担体として使用した際に排ガスによってハニカム構造体の端面の中央部に高い圧力が加わった場合でも、中央部付近のハニカム焼成体がハニカム構造体から抜けにくいハニカム構造体とすることができる。
また、ハニカム構造体をハニカムフィルタとして使用して中央部ハニカム焼成体に多くのPMが捕集され、PMの燃焼によって大量の熱が発生した場合であっても、中央部ハニカム焼成体同士の接着強度αを高くしているため、接着材層にクラックが発生しにくくなる。そのため、繰り返しの再生処理を行った後であっても、中央部付近のハニカム焼成体がハニカム構造体から抜けにくいハニカム構造体とすることができる。
(2)本実施形態のハニカム構造体においては、3点曲げ試験により測定した接着強度αが0.8〜1.6MPaであり、かつ、接着強度βは、3点曲げ試験により測定した接着強度βが0.4〜1.2MPaである。また、上記接着強度αは、上記接着強度βの1.1〜4.0倍である。
接着強度αと接着強度βの関係をこのように定めることによって、中央部付近のハニカム焼成体同士の接着強度αが他の接着材層を介して互いに接着されたハニカム焼成体同士の接着強度βよりも相対的に高く、中央部付近のハニカム焼成体がハニカム構造体からより抜けにくいハニカム構造体とすることができる。
(3)本実施形態のハニカム構造体においては、セラミックブロックを長手方向に垂直な断面で切断した面の直径が200mm以上である。また、本実施形態では、30個以上(36個)のハニカム焼成体が結束されてなる。
本実施形態のハニカム構造体では、中央部ハニカム焼成体同士の接着強度が高くなっているため、36個のハニカム焼成体が結束されることによってハニカム構造体の長手方向に垂直な断面における切断面の長径が200mm以上と大きくても、中央部付近のハニカム焼成体がハニカム構造体から抜けにくい構造とすることができる。一方、従来のハニカム構造体では、ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面における切断面の長径が200mm以上と大きいと、中央部付近のハニカム焼成体がハニカム構造体から抜けやすい構造となる。
(4)本実施形態のハニカム構造体の製造方法においては、結束工程において、ハニカム焼成同士の接着強度が異なる少なくとも2種類の接着材層を形成する。そして、中央部ハニカム焼成体同士を接着強度の高い一の接着材層を介して接着する。そのため、中央部ハニカム焼成体同士の接着強度が高いハニカム構造体を製造することができる。
そして、このようなハニカム構造体においては、ハニカムフィルタ又は触媒担体として使用した際に排ガスによってハニカム構造体の端面の中央部に高い圧力が加わった場合でも、中央部付近のハニカム焼成体がハニカム構造体から抜けにくくなる。
また、ハニカム構造体をハニカムフィルタとして使用し、繰り返しの再生処理を行った後であっても、中央部付近のハニカム焼成体がハニカム構造体から抜けにくくなる。
(5)本実施形態のハニカム構造体の製造方法においては、結束工程において、発泡材料の含有量が異なる少なくとも2種類の接着材ペーストをそれぞれ用い、一の接着材層の原料である接着材ペースト中の発泡材料の含有量が、他の接着材層の原料である接着材ペースト中の発泡材料の含有量よりも多くなっている。
また、中央部ハニカム焼成体の接着材ペーストを配置した側面と反対側の側面に対して加熱及び加圧を行い、上記中央部ハニカム焼成体同士を互いに一の接着材層を介して接着する。
このようにして発泡材料を含有した接着材ペーストを加圧及び加熱することによって一の接着材層を形成すると、発泡材料の作用によって接着材層中の大気泡の発生を防止してハニカム焼成体同士の接着強度を高くすることができる。さらに接着材ペーストを加熱及び加圧することによって接着材層中の気泡の数を少なくし、気泡の大きさを小さくすることによってもハニカム焼成体同士の接着強度を高くすることができる。そのため、中央部ハニカム焼成体同士の接着強度がより高い一の接着材層を形成することができる。
(6)本実施形態のハニカム構造体の製造方法においては、複数のハニカム焼成体を接着させてハニカム集合体を作製し、ハニカム集合体同士を一の接着材層を介して接着させる。このようにすると、まず容易な方法でハニカム集合体を作製することができる。さらに上記ハニカム集合体同士の間に接着強度が高い一の接着材層を形成することによって、一の接着材層で接着されたハニカム焼成体のうちの一部を中央部ハニカム焼成体とすることができる。従って、全体として中央部ハニカム焼成体同士の接着強度が高いハニカム構造体を簡便に製造することができる。
(7)本実施形態のハニカム構造体の製造方法においては、3点曲げ試験により測定した接着強度αが0.8〜1.6MPaであり、かつ、接着強度βは、3点曲げ試験により測定した接着強度βが0.4〜1.2MPaとなるように、少なくとも2種類の接着材層を形成する。また、上記接着強度αは、上記接着強度βの1.1〜4.0倍となるように2種類の接着材層を形成する。
接着強度αと接着強度βの関係をこのように定めることによって、中央部ハニカム焼成体同士の接着強度αが他の接着材層を介して互いに接着されたハニカム焼成体同士の接着強度βよりも相対的に高く、中央部付近のハニカム焼成体がハニカム構造体からより抜けにくいハニカム構造体を製造することができる。
(8)本実施形態のハニカム構造体の製造方法においては、本実施形態では、30個以上(36個)のハニカム焼成体を結束して、セラミックブロックを長手方向に垂直な断面で切断した面の直径が200mm以上のハニカム構造体を製造する。
本実施形態のハニカム構造体製造方法においては、中央部ハニカム焼成体同士の接着強度が高くなるように接着材層を形成しているため、36個のハニカム焼成体が結束され、セラミックブロックの長手方向に垂直な断面における切断面の長径が200mm以上と大きくても、中央部付近のハニカム焼成体がハニカム構造体から抜けにくい構造とすることができる。一方、従来のハニカム構造体では、ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面における切断面の長径が200mm以上と大きいと、中央部付近のハニカム焼成体がハニカム構造体から抜けやすい構造となる。
以下、本発明の第一実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(ハニカム焼成体の作製工程)
平均粒子径22μmの炭化ケイ素の粗粉末52.8重量%と、平均粒子径0.5μmの炭化ケイ素の微粉末22.6重量%とを混合し、得られた混合物に対して、アクリル樹脂2.1重量%、有機バインダ(メチルセルロース)4.6重量%、潤滑剤(日本油脂社製 ユニルーブ)2.8重量%、グリセリン1.3重量%、及び、水13.8重量%を加えて混練して湿潤混合物を得た後、押出成形する押出成形工程を行い、図5(a)に示した形状と略同様の形状であって、セルの目封じをしていない生のハニカム成形体を作製した。
次いで、マイクロ波乾燥機を用いて上記生のハニカム成形体を乾燥させ、ハニカム成形体の乾燥体とした後、上記生成形体と同様の組成のペーストを所定のセルに充填し、ハニカム成形体の乾燥体を再び乾燥機を用いて乾燥させた。
ハニカム成形体の乾燥体を400℃で脱脂する脱脂工程を行い、常圧のアルゴン雰囲気下2200℃、3時間の条件で焼成工程を行い、気孔率が45%、平均気孔径が15μm、大きさが34.3mm×34.3mm×150mm、セルの数(セル密度)が300個/inch、セル壁の厚さが0.25mm(10mil)の炭化ケイ素焼結体からなるハニカム焼成体を製造した。
(接着材ペーストの調製)
接着材ペーストとして、平均繊維長20μmのアルミナファイバ30重量%、平均粒子径0.6μmの炭化ケイ素粒子21重量%、シリカゾル15重量%(固形分30wt%)、カルボキシメチルセルロース5.6重量%、及び、水28.4重量%を混合、混練して接着材ペーストを調製した。
(発泡材料を含有する接着材ペーストの調製)
上記接着材ペースト100重量部に対して発泡材料としてマイクロカプセルを4.0重量部添加して、発泡材料を含有する接着材ペーストを調製した。
マイクロカプセルとしては、直径が10〜50μmの適正発泡倍率が約4倍の熱可塑性有機材料(アクリロニトリル)の殻材内にイソブタンガスを封入したものを使用した。
(結束工程)
図7に示すような断面がV字形状に構成された台の上に上記台のV字形状に沿ってハニカム焼成体を載置し、ハニカム焼成体の上側を向いた側面に接着材ペーストをスキージを用いて塗布して接着材ペースト層を形成した。そして、この接着材ペースト層の上に順次他のハニカム焼成体を積層する工程を繰り返して、9個のハニカム焼成体からなるハニカム焼成体の積層体を作製した。
さらに、ハニカム焼成体の積層体を120℃に加熱して接着材ペースト層を固化させて接着材層として、9個のハニカム焼成体からなる角柱状のハニカム集合体を作製した。
この工程を繰り返して、ハニカム集合体を4個作製した。
図10に示すように、断面がV字形状に構成された台の上に上記台のV字形状に沿ってハニカム集合体を載置し、ハニカム集合体の上側を向いた側面に、発泡材料を含有する接着材ペーストをスキージを用いて塗布して発泡材料を含有する接着材ペースト層を形成した。
続いて、図11(a)及び図11(b)に示すように、その2つの側面に発泡材料を含有する接着材ペースト層を形成したハニカム集合体を4つ、発泡材料を含有する接着材ペースト層同士が接触するように並べて、並べたハニカム集合体全体の外周を、厚み2cmのSUS板とヒータとからなる加熱加圧板で挟んだ。そして、ハニカム集合体の接着材ペーストを配置した側面と反対側の側面に対して加熱及び加圧を行って、接着材ペーストを固化させて接着材層を形成するとともに発泡材料を発泡させて接着材層中に小気泡を形成させた。
なお、加熱温度(加熱加圧板の温度)は300℃、加圧圧力は0.6MPa、加熱加圧時間は15分間とした。
このような結束工程によって、ハニカム焼成体が36個組み合わされてなるセラミックブロックを作製した。
(外周加工工程及びコート材層形成工程)
次に、セラミックブロックの外周をダイヤモンドカッターを用いて円柱状に研削した。
続いて、上記接着材ペースト(発泡材料を含まない接着材ペースト)と同じ材料からなるシール材ペーストを用いて、セラミックブロックの外周部に厚さ0.2mmのシール材ペースト層を形成した。そして、このシール材ペースト層を120℃で乾燥して、外周にコート層が形成された直径200mm×長さ150mmの円柱状のハニカム構造体を製造した。
(実施例2)
結束工程において、ハニカム集合体に塗布する接着材ペーストを、発泡材料を含有しない接着材ペーストとした他は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。
(実施例3)
結束工程において、ハニカム集合体を4つ並べた後に、加熱加圧板を用いることなく、乾燥機内で120℃で加熱することによって発泡材料を含有する接着材ペーストを固化させて接着材層を形成した他は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。
(参考例1)
結束工程において、ハニカム集合体に塗布する接着材ペーストを、発泡材料を含有しない接着材ペーストとし、加熱加圧板を用いて加熱する際の加熱加圧板の温度を100℃とした他は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。
(参考例2)
接着材ペーストに添加する発泡材料の量を接着材ペースト100重量部に対して0.5重量部とし、結束工程において、ハニカム集合体を4つ並べた後に、加熱加圧板を用いることなく、乾燥機内で120℃で加熱することによって接着材ペーストを固化させて接着材層を形成した他は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。
(比較例1)
結束工程において、断面V字状の台の上でハニカム焼成体に発泡材料を含有しない接着材ペーストを塗布して接着材ペースト層を形成し、この接着材ペースト層の上にハニカム焼成体を1つずつ積層する工程を繰り返して36個のハニカム焼成体からなるハニカム焼成体の積層体を作製した。
そして、このハニカム焼成体の積層体を乾燥機内で120℃に加熱することによって接着材ペースト層を固化させて接着材層として、36個のハニカム焼成体からなる角柱状のセラミックブロックを作製した。
その他は実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。
(ハニカム焼成体同士の接着強度の測定)
製造した各ハニカム構造体について、JIS R 1601に準じた方法で行う3点曲げ試験により、一の接着材層を介して接着された中央部ハニカム焼成体同士の接着強度α、及び、他の接着材層を介して接着されたハニカム焼成体同士の接着強度βを測定した。
すなわち、得られたハニカム構造体から、真ん中の部分の鉛直方向に接着材層が存在するとともに、接着材層を挟んだ両側にハニカム焼成体が存在するようにサンプルを切り出し、接着材層の部分に荷重点がくるように設定し、インストロン試験機を用いて3点曲げ試験を行い、下記の式(1)に基づいて曲げ強度を算出した。
σ=3P(L−L)/2Bh・・・(1)
この際の支点間距離(L−L)は、57mm、試験片の幅Bは、34.3mm、試験片の厚さ(高さ)hは25mmである。
このようにして測定した接着強度α、接着強度β、及び、接着強度αと接着強度βとの比(α/β)を表1に示す。
(サイクル運転に対する耐久性)
まず、各実施例、参考例、比較例で製造したハニカム構造体をエンジンの排気通路に配置し、さらにハニカム構造体よりガス流入側に、市販のコージェライトからなるハニカム構造体の触媒担持体(直径:200mm、長さ:100mm、セル密度:400セル/inch、白金担持量:5g/L)を設置して排気ガス浄化装置とし、エンジンを回転数3000min−1、トルク50Nmでパティキュレートを7時間捕集した。パティキュレートの捕集量は、8g/Lであった。
その後、エンジンを回転数1250min−1、トルク60Nmとし、フィルタの温度が一定となった状態で、1分間保持した後、ポストインジェクションを行い、前方にある酸化触媒を利用して排気温度を上昇させ、パティキュレートを燃焼させた。
上記ポストインジェクションの条件は、開始後1分間にハニカム構造体の中心温度が600℃でほぼ一定になるように設定した。そして、上記工程を10回繰り返し、中央部ハニカム焼成体同士を接着する接着材層にクラックが生じているか否かと、及び、ハニカム構造体から抜けている(ハニカム焼成体が移動している)箇所があるか否かとを目視観察及び拡大顕微鏡(5倍)による観察により検査した。この外観検査の結果を表1に示す。
なお、表1には中央部ハニカム焼成体同士を接着する一の接着材層の形成に用いた接着材ペースト中の発泡材料の添加量(重量%)、加熱加圧板を用いてハニカム集合体同士を接着した際の加熱温度及び加圧圧力(℃/MPa)を合わせて示した。
また、発泡材料を含まない接着材ペーストを用いた場合、又は、加熱加圧板を用いた加熱加圧を行っていない場合、表中には「−」で示した。
Figure 2009190022
表1に示した結果より明らかなように、各実施例及び参考例においては、サイクル運転後に中央部ハニカム焼成体がハニカム構造体から抜けている(ハニカム焼成体が移動している)箇所は観察されなかった。これは、一の接着材層を介して接着された中央部ハニカム焼成体同士の接着強度αが他の接着材層を介して接着されたハニカム焼成体同士の接着強度βよりも高くなっているためであると考えられる。
これに対し、比較例において、一の接着材層を介して接着された中央部ハニカム焼成体同士の接着強度αが他の接着材層を介して接着されたハニカム焼成体同士の接着強度βと同等に低いハニカム構造体は、サイクル運転後に中央部ハニカム焼成体がハニカム構造体から抜けている(ハニカム焼成体が正規の位置から移動している)箇所が存在しているのが確認された。
各実施例、参考例及び比較例の結果より、3点曲げ試験によって得られた接着強度α及び接着強度βの関係と、中央部付近のハニカム焼成体のハニカム構造体からの抜けやすさとに相関があることが分かる。即ち、接着強度αが接着強度βよりも高くなっていると、排ガスの流れによりハニカム構造体の端面に加わる圧力に対する一の接着材層の強度が、他の接着材層の強度よりも相対的に高くなるので、中央部付近のハニカム焼成体がハニカム構造体から抜けにくくなる(正規の位置から移動しにくくなる)と考えられる。
各実施例においては、中央部ハニカム焼成体同士を接着する接着材層にクラックは生じていなかった。また、各参考例においては中央部ハニカム焼成体同士を接着する接着材層の一部にクラックが生じていたが、クラックの伸展はなかった。
これは、各実施例においては接着強度αが0.8MPa以上と高く、また、接着強度αが接着強度βの1.1倍以上となっており、中央部ハニカム焼成体同士の接着強度αが充分に高いためであると考えられる。
(第二実施形態)
以下、本発明の一実施形態である第二実施形態について説明する。
図12(a)〜(d)は、第二実施形態のハニカム構造体の製造方法の一例を模式的に示す説明図である。また、図12(d)は、第二実施形態のハニカム構造体の一例を模式的に示している。
第二実施形態のハニカム構造体は、一の接着材層30が中央部ハニカム焼成体60の間にのみ形成されており、切断面の端部にまで達していない。第二実施形態のハニカム構造体のその他の構成は第一実施形態のハニカム構造体と同様である。
なお、この構成は図1に示したハニカム構造体1と同じである。
第二実施形態のハニカム構造体の製造方法のうち、第一実施形態のハニカム構造体の製造方法と異なる点について、図12(a)〜(d)を用いて説明する。
まず、図12(a)に示すように、完成したハニカム構造体において中央部ハニカム焼成体となる4つのハニカム焼成体50の間に発泡材料を含有する接着材ペーストを塗布して接着材ペースト層130を形成し、加熱加圧板600でこの4つのハニカム焼成体50を挟んで、ハニカム焼成体50の接着材ペーストを配置した側面と反対側の側面に対して加熱及び加圧を行う中央部集合工程を行う。
この中央部集合工程を行うことによって、ハニカム焼成体同士が接着強度の高い一の接着材層30で結束されたハニカム集合体である、中央部ハニカム集合体160を作製する(図12(b)参照)。
そして、図12(b)に示す中央部ハニカム集合体160を1個、図12(c)に示すハニカム焼成体50を32個接着させる周辺部集合工程を行うことによって36個のハニカム焼成体からなるセラミックブロック301を作製する。以下、外周加工面201に沿って外周加工工程を行うこと等によって、図12(d)に示すハニカム構造体1を製造する。
なお、中央部ハニカム集合体160とハニカム焼成体50の間、及び、各ハニカム焼成体50の間に接着材ペースト層を形成する方法は特に限定されるものではないが、例えば上述した積層法や充填法を用いることができる。
本実施形態では第一実施形態において説明した効果(1)〜(5)、(7)及び(8)を発揮することができるとともに、以下の効果を発揮することができる。
(9)本実施形態のハニカム構造体の製造方法においては、中央部ハニカム焼成体を含む中央部ハニカム集合体を作製する中央部集合工程を行う。この中央部集合工程で中央部ハニカム集合体を最初に作製することによって、中央部ハニカム焼成体同士を接着強度の高い一の接着材層を介して接着させることができる。さらに、その他の高い接着強度を必要としない他の接着材層を介したハニカム焼成体の接着はより簡便な方法を用いて行うことができる。そのため、中央部ハニカム焼成体同士の接着強度が高いハニカム構造体を全体として容易に製造することができる。
(第三実施形態)
以下、本発明の一実施形態である第三実施形態について説明する。
図13(a)〜(e)は、第三実施形態のハニカム構造体の製造方法の一例を模式的に示す説明図である。また、図13(e)は、第三実施形態のハニカム構造体の一例を模式的に示している。第三実施形態のハニカム構造体の構成は、第二実施形態のハニカム構造体と同様であり、第二実施形態と第三実施形態では、ハニカム構造体の製造方法の一部が異なる。
第三実施形態のハニカム構造体の製造方法のうち、第一実施形態のハニカム構造体の製造方法と異なる点について、図13(a)〜(e)を用いて説明する。
まず、図13(a)に示すように、第二実施形態のハニカム構造体の製造方法と同様にして中央部集合工程を行い、中央部ハニカム集合体160を作製する(図13(b)参照)。
別途、図13(c)に示すハニカム焼成体50を4つ接着させて、4個のハニカム焼成体からなるハニカム集合体170(図13(d)参照)を作製する。このハニカム集合体を周辺部ハニカム集合体と呼ぶこととする。周辺部ハニカム集合体170の作製には第一実施形態のハニカム構造体の製造方法において説明した方法を用いることができる。
なお、この工程で形成される接着材層は他の接着材層40となる。
そして、中央部ハニカム集合体160を1個、周辺部ハニカム集合体170を8個を接着させる周辺部集合工程を行うことによって36個のハニカム焼成体からなるセラミックブロック301を作製する。以下、外周加工面201に沿って外周加工工程を行うこと等によって、図13(e)に示すハニカム構造体1を製造する。
なお、中央部ハニカム集合体160と周辺部ハニカム集合体170の間、及び、各周辺部ハニカム集合体170の間に接着材ペースト層を形成する方法は特に限定されるものではないが、例えば上述した積層法や充填法を用いることができる。
本実施形態では第一実施形態及び第二実施形態において説明した効果(1)〜(5)及び(7)〜(9)を発揮することができるとともに、以下の効果を発揮することができる。
(10)本実施形態のハニカム構造体の製造方法においては、周辺部集合工程において、複数のハニカム焼成体を接着させて周辺部ハニカム集合体を作製する。そして、別途作製した中央部ハニカム焼成体を含む中央部ハニカム集合体と周辺部ハニカム集合体を接着させる。
このような方法によっても、中央部ハニカム焼成体同士の接着強度が高いハニカム構造体を全体として容易に製造することができる。
(第四実施形態)
以下、本発明の一実施形態である第四実施形態について説明する。
図14(a)〜(d)は、第四実施形態のハニカム構造体の製造方法の一例を模式的に示す説明図である。また、図14(d)は、第四実施形態のハニカム構造体の一例を模式的に示している。図14(d)に示すハニカム構造体5において、一の接着材層30は、中央部ハニカム焼成体60の全ての側面に形成されている。
また、セラミックブロック305の断面の中心105からの距離が50mm以内の領域に存在する接着材層は全て一の接着材層30である。
第四実施形態のハニカム構造体のその他の構成は第一実施形態のハニカム構造体と同様である。
第四実施形態のハニカム構造体の製造方法のうち、第一実施形態のハニカム構造体の製造方法と異なる点について、図14(a)〜(d)を用いて説明する。
まず、図14(a)に示すように、完成したハニカム構造体において中央部ハニカム焼成体となる4個のハニカム焼成体50の間に発泡材料を含有する接着材ペーストを塗布して接着材ペースト層130を形成する。そして、4個のハニカム焼成体50の周囲にも発泡材料を含有する接着材ペーストを塗布して接着材ペースト層130を形成し、4個のハニカム焼成体の周囲の各辺に対してハニカム焼成体50を2個ずつ、計8個配置する。
なお、これら2個ずつ配置されたハニカム焼成体50の間には、接着材ペースト層を形成しない。
続いて、加熱加圧板600でこれら12個のハニカム焼成体を挟んで、周囲のハニカム焼成体50の接着材ペーストを配置した側面と反対側の側面に対して加熱及び加圧を行う中央部集合工程を行う。
この中央部集合工程を行うことによって、中央に配置した4つのハニカム焼成体同士、及び、これら4つのハニカム焼成体とその周囲に配置したハニカム焼成体とが接着強度の高い一の接着材層30で結束されたハニカム集合体である、中央部ハニカム集合体161を作製する(図14(b)参照)。
そして、図14(b)に示す中央部ハニカム集合体161を1個、図14(c)に示すハニカム焼成体50を24個接着させる周辺部集合工程を行うことによって36個のハニカム焼成体からなるセラミックブロック305を作製する。以下、外周加工面205に沿って外周加工工程を行うこと等によって、図14(d)に示すハニカム構造体5を製造する。なお、各ハニカム焼成体50の間に接着材ペースト層を形成する方法は特に限定されるものではないが、充填法を用いることが望ましい。中央部集合工程において中央に配置した4つのハニカム焼成体の周囲に配置したハニカム焼成体の間には接着材ペースト層を形成していないためである。
本実施形態では第一実施形態及び第二実施形態において説明した効果(1)〜(5)及び(7)〜(9)を発揮することができるとともに、以下の効果を発揮することができる。
(11)本実施形態のハニカム構造体では、一の接着材層は、セラミックブロックを長手方向に垂直な断面で切断した面の中心からの距離が50mm以内の領域に存在する。
ハニカム構造体の側面のうち切断面の中心から50mm以内の領域は排ガスによって高い圧力が特に加わりやすい領域であるが、本実施形態のハニカム構造体ではこの領域に存在するハニカム焼成体同士が一の接着材層によって接着されており、一の接着材層によって接着されたハニカム焼成体同士の接着強度が高くなっているため、ハニカム焼成体がハニカム構造体から抜けにくいハニカム構造体とすることができる。
(第五実施形態)
以下、本発明の一実施形態である第五実施形態について説明する。
図15(a)〜(f)は、第五実施形態のハニカム構造体の製造方法の一例を模式的に示す説明図である。また、図15(f)は、第五実施形態のハニカム構造体の一例を模式的に示している。
第五実施形態のハニカム構造体6においては、一の接着材層30が中央部ハニカム焼成体60の間に形成されている。さらに、一の接着材層30は、ハニカム構造体6を縦方向に2分割、横方向に3分割してなる、縦に2列、横に3列のハニカム焼成体6つからなるグループとして考えた場合に各グループの境界となる接着材層の位置に形成されている。第五実施形態のハニカム構造体のその他の構成は第一実施形態のハニカム構造体と同様である。
第五実施形態のハニカム構造体の製造方法のうち、第一実施形態のハニカム構造体の製造方法と異なる点について、図15(a)〜(f)を用いて説明する。
まず、図15(a)に示すように、第二実施形態のハニカム構造体の製造方法と同様にして中央部集合工程を行い、中央部ハニカム集合体160を作製する(図15(b)参照)。
別途、図15(c)に示すハニカム焼成体50を接着させて、第三実施形態のハニカム構造体の製造方法と同様にして4個のハニカム焼成体からなる周辺部ハニカム集合体170(図15(d)参照)を2個、6個のハニカム焼成体からなる周辺部ハニカム集合体171(図15(d)参照)を4個作製する。
そして、第一実施形態のハニカム構造体の製造方法と同様にして、中央部ハニカム集合体160、周辺部ハニカム集合体170、周辺部ハニカム集合体171の側面のうち必要な位置に発泡材料を含有する接着材ペースト層130を形成する。
そして、図15(e)に示すように、発泡材料を含有する接着材ペースト層を形成した面同士を合わせて、中央部ハニカム集合体160を1個、周辺部ハニカム集合体170を2個、周辺部ハニカム集合体171を4個並べて、並べたこれらのハニカム集合体全体の外周を加熱加圧板600で挟む。そして、ハニカム集合体の接着材ペーストを配置した側面と反対側の側面に対して加熱及び加圧を行う。
なお、この加熱及び加圧の際、加熱加圧板としては、接着材ペーストがはみ出す位置に凹部を形成してあるSUS板等を用いることが望ましい。
このようにして中央部ハニカム集合体160を1個、周辺部ハニカム集合体170を2個、周辺部ハニカム集合体171を4個接着させる周辺部集合工程を行うことによって36個のハニカム焼成体からなるセラミックブロック306を作製する。以下、外周加工面206に沿って外周加工工程を行うこと等によって、図15(f)に示すハニカム構造体6を製造する。
なお、本実施形態において中央部ハニカム集合体160と周辺部ハニカム集合体170又は周辺部ハニカム集合体171の間に形成された接着材層は、その接着材層を介して接着されたハニカム焼成体の間の接着強度の高い一の接着材層30となる。
本実施形態では第一実施形態、第二実施形態及び第三実施形態において説明した効果(1)〜(5)及び(7)〜(10)を発揮することができる。
(第六実施形態)
以下、本発明の一実施形態である第六実施形態について説明する。
図16(a)〜(d)は、第六実施形態のハニカム構造体の製造方法の一例を模式的に示す説明図である。また、図16(d)は、第六実施形態のハニカム構造体の一例を模式的に示している。
第六実施形態のハニカム構造体7においては、一の接着材層30が切断面の上端及び下端並びに右端及び左端に達する十字形状に形成されている。
ハニカム構造体7の形状は八角柱形状であり、第一実施形態のハニカム構造体とは異なり、四角柱形状のセラミックブロックの外周を加工して製造されたものではないため、外周加工面を有していない。また、第一実施形態のハニカム構造体1の断面の四角形において四隅に相当する位置には、その長手方向に垂直な断面で切断した断面形状が三角形状である三角柱状のハニカム焼成体80が配置されている。本実施形態のハニカム構造体7は三角柱状のハニカム焼成体80が8個、四角柱状のハニカム焼成体50が24個の計32個のハニカム焼成体からなる。
その他の構成は第一実施形態のハニカム構造体と同様である。
第六実施形態のハニカム構造体の製造方法のうち、第一実施形態のハニカム構造体の製造方法と異なる点について、図16(a)〜(d)を用いて説明する。
まず、ハニカム焼成体を作製するが、作製するハニカム焼成体のうちの8つを、三角柱状のハニカム焼成体80とする。このような三角柱状のハニカム焼成体80を作製するためには、成形工程において使用する押出成形機のダイスの形状を三角形状とすればよい。
従って、結束工程において結束させるハニカム焼成体のうち、一部のハニカム焼成体の断面形状が三角形状であり、他のハニカム焼成体の断面形状(四角形状)と異なることとなる。
次に、図16(b)に示すように、四角柱状のハニカム焼成体50を6つ、三角柱状のハニカム焼成体80を2つ用いて、8個のハニカム焼成体からなるハニカム集合体151を作製する。ここで形成する接着材層は他の接着材層となる接着材層である。
そして、第一実施形態のハニカム構造体の製造方法と同様にして、ハニカム集合体151の側面のうち必要な位置に発泡材料を含有する接着材ペースト層130を形成する。
そして、図16(c)に示すように、発泡材料を含有する接着材ペーストを形成した面同士を合わせて、ハニカム集合体151を4個並べて、並べたこれらのハニカム集合体全体の外周を加熱加圧板600で挟む。そして、ハニカム集合体の接着材ペーストを配置した側面と反対側の側面に対して加熱及び加圧を行う。
このようにしてハニカム集合体151を4個接着させることによって32個のハニカム焼成体からなる八角柱状のセラミックブロック307を作製する。
なお、本実施形態においては、外周加工工程を行う必要はなく、必要に応じてコート層形成工程を行ってもよい。
また、各ハニカム集合体151の間に形成された接着材層は、その接着材層を介して接着されたハニカム焼成体の間の接着強度の高い一の接着材層30となる。
本実施形態では第一実施形態において説明した効果(1)〜(8)を発揮することができる。
また、本実施形態のハニカム構造体の製造方法では、結束工程において結束させるハニカム焼成体のうち、一部のハニカム焼成体の断面形状が他のハニカム焼成体の断面形状と異なる。
一部のハニカム焼成体の断面形状を他のハニカム焼成体の断面形状と異なる形状とすることによって、外周加工工程を行うことなく所定の外周形状を有するハニカム構造体を製造することができる。
(第七実施形態)
以下、本発明の一実施形態である第七実施形態について説明する。
図17(a)〜(d)は、第七実施形態のハニカム構造体の製造方法の一例を模式的に示す説明図である。また、図17(d)は、第七実施形態のハニカム構造体の一例を模式的に示している。第七実施形態のハニカム構造体8においては、4つの中央部ハニカム焼成体60を含む縦2列横6列、縦6列横2列に位置する20個のハニカム焼成体の間を接着する接着材層が全て一の接着材層30となっている。
第七実施形態のハニカム構造体のその他の構成は、第六実施形態のハニカム構造体と同様である。
第七実施形態のハニカム構造体の製造方法のうち、第一実施形態及び第六実施形態のハニカム構造体の製造方法と異なる点について、図17(a)〜(d)を用いて説明する。
本実施形態においては、まず、図17(a)に示すように、完成したハニカム構造体において中央部ハニカム焼成体60を含む、縦2列横6列、縦6列横2列に位置する20個のハニカム焼成体50の間に発泡材料を含有する接着材ペーストを塗布して接着材ペースト層130を形成し、各ハニカム焼成体50を配置する。
続いて、加熱加圧板600でこれら20個のハニカム焼成体を挟んで、最も外側に位置するハニカム焼成体の接着材ペーストを配置した側面と反対側の側面に対して加熱及び加圧を行う中央部集合工程を行う。
この中央部集合工程を行うことによって、これら20個のハニカム焼成体同士が接着強度の高い一の接着材層30で結束された十字形状のハニカム集合体である、中央部ハニカム集合体162を作製する(図17(b)参照)。
そして、図17(b)に示す中央部ハニカム集合体162を1個、図17(c)に示す四角柱状のハニカム焼成体50を4個、三角柱状のハニカム焼成体80を8個接着させる周辺部集合工程を行うことによって32個のハニカム焼成体からなるセラミックブロック308を作製する。
本実施形態においては、外周加工工程を行う必要はなく、必要に応じてコート層形成工程を行ってもよい。
本実施形態では第一実施形態、第二実施形態、第四実施形態及び第六実施形態において説明した効果(1)〜(5)、(7)〜(9)、(11)を発揮することができる。
また、一部のハニカム焼成体の断面形状を他のハニカム焼成体の断面形状と異なる形状とすることによって、外周加工工程を行うことなく所定の外周形状を有するハニカム構造体を製造することができる。
(第八実施形態)
以下、本発明の一実施形態である第八実施形態について説明する。
図18は、第八実施形態のハニカム構造体の一例を模式的に示す断面図である。
第八実施形態のハニカム構造体9は、ハニカム焼成体の数が異なる他は第六実施形態のハニカム構造体7と同様の形状である。
第八実施形態のハニカム構造体9においては、その断面形状が、縦と横にそれぞれ10個のハニカム焼成体が結束されてなる断面が四角形のハニカム構造体の四隅が三角形状に切り取られた八角形状をなしており、断面の中心に対して右上、左上、右下、左下の各位置に三角柱状のハニカム焼成体80が配置されている。
そして、本実施形態のハニカム構造体は、三角柱状のハニカム焼成体80が12個、四角柱状のハニカム構造体50が76個の計88個のハニカム焼成体からなる。
一の接着材層30は第六実施形態のハニカム構造体7と同様に切断面の上端及び下端並びに右端及び左端に達する十字形状に形成されている。
第八実施形態のハニカム構造体の製造方法は、ハニカム集合体を作製する際に接着するハニカム焼成体の数が異なる他は第六実施形態のハニカム構造体の製造方法と同様であるため、その説明は省略する。
本実施形態では第一実施形態及び第六実施形態において説明した効果(1)〜(8)を発揮することができる。
また、一部のハニカム焼成体の断面形状を他のハニカム焼成体の断面形状と異なる形状とすることによって、外周加工工程を行うことなく所定の外周形状を有するハニカム構造体を製造することができる。
(第九実施形態)
以下、本発明の一実施形態である第九実施形態について説明する。
図19は、第九実施形態のハニカム構造体の一例を模式的に示す断面図である。
第九実施形態のハニカム構造体10は、一の接着材層30の形成位置が異なる他は第八実施形態のハニカム構造体9と同様の形状である。
第九実施形態のハニカム構造体10においては、第七実施形態のハニカム構造体8と同様に、4つの中央部ハニカム焼成体60を含む縦2列横10列、縦10列横2列に位置する36個のハニカム焼成体の間を接着する接着材層が全て一の接着材層30となっている。
第九実施形態のハニカム構造体の製造方法は、ハニカム集合体を作製する際に接着するハニカム焼成体の数が異なる他は第七実施形態のハニカム構造体の製造方法と同様であるため、その説明は省略する。
本実施形態では第一実施形態、第二実施形態、第四実施形態及び第六実施形態において説明した効果(1)〜(5)、(7)〜(9)、(11)を発揮することができる。
また、一部のハニカム焼成体の断面形状を他のハニカム焼成体の断面形状と異なる形状とすることによって、外周加工工程を行うことなく所定の外周形状を有するハニカム構造体を製造することができる。
(第十実施形態)
以下、本発明の一実施形態である第十実施形態について説明する。
図20は、第十実施形態のハニカム構造体の一例を模式的に示す断面図である。
第十実施形態のハニカム構造体11においては、4つの中央部ハニカム焼成体60を含む縦2列横6列に位置する12個のハニカム焼成体の間を接着する接着材層が全て一の接着材層30となっている。第十実施形態のハニカム構造体のその他の構成は、第二実施形態のハニカム構造体と同様である。
第十実施形態のハニカム構造体の製造方法においては、第二実施形態のハニカム構造体の製造方法と同様にして、12個のハニカム焼成体を一の接着材層を介して接着させて中央部ハニカム集合体を作製する。その後は第二実施形態又は第三実施形態のハニカム構造体の製造方法と同様にして中央部ハニカム焼成体と他のハニカム焼成体又は周辺部ハニカム集合体を接着させてセラミックブロック311を形成する。以下、外周加工面211に沿って外周加工工程を行うこと等によって、ハニカム構造体11を製造する。
本実施形態では第一実施形態、第二実施形態及び第三実施形態において説明した効果(1)〜(5)及び(7)〜(10)を発揮することができる。
(第十一実施形態)
以下、本発明の一実施形態である第十一実施形態について説明する。
図21は、第十一実施形態のハニカム構造体の一例を模式的に示す断面図である。
第十一実施形態のハニカム構造体12においては、4つの中央部ハニカム焼成体60を含む縦2列横6列、縦6列横2列に位置する20個のハニカム焼成体の間を接着する接着材層が全て一の接着材層30となっている。第十一実施形態のハニカム構造体のその他の構成は、第二実施形態のハニカム構造体と同様である。
第十一実施形態のハニカム構造体の製造方法においては、第七実施形態のハニカム構造体の製造方法と同様にして、20個のハニカム焼成体を一の接着材層を介して接着させて中央部ハニカム集合体を作製する。なお、この中央部ハニカム集合体の形状は図17(b)に示す中央部ハニカム集合体162と同様である。
その後は第二実施形態又は第三実施形態のハニカム構造体の製造方法と同様にして中央部ハニカム焼成体と他のハニカム焼成体又は周辺部ハニカム集合体を接着させてセラミックブロック312を形成する。以下、外周加工面212に沿って外周加工工程を行うこと等によって、ハニカム構造体12を製造する。
本実施形態では第一実施形態、第二実施形態、第三実施形態、第四実施形態において説明した効果(1)〜(5)及び(7)〜(11)を発揮することができる。
(第十二実施形態)
以下、本発明の一実施形態である第十二実施形態について説明する。
図22(a)〜(d)は、第十二実施形態のハニカム構造体の製造方法の一例を模式的に示す説明図である。また、図22(d)は、第十二実施形態のハニカム構造体の一例を模式的に示している。
図22(d)に示す第十二実施形態のハニカム構造体13においては、縦に7個、横に7個の計49個のハニカム焼成体50が接着材層20を介して結束されている。すなわち、ハニカム焼成体が縦と横にそれぞれ奇数個ずつ結束されている。従って、中央部ハニカム焼成体60は斜線で示す計5つのハニカム焼成体である。
そして、一の接着材層30は、これら5つの中央部ハニカム焼成体60の側面のうち最も外側に位置する側面を除く各側面に形成されている。また、一の接着材層は、セラミックブロック313の中心からの距離が50mm以内の領域に存在する。
第十二実施形態のハニカム構造体のその他の構成は第一実施形態のハニカム構造体と同様である。
第十二実施形態のハニカム構造体の製造方法は、中央部ハニカム集合体を作製する際に接着するハニカム焼成体の数が異なり、製造するハニカム構造体を構成するハニカム焼成体の数が異なる他は、第二実施形態のハニカム構造体の製造方法と同様である。
すなわち、図22(a)に示すように、完成したハニカム構造体において中央部ハニカム焼成体となる5つのハニカム焼成体50を含む9つのハニカム焼成体50の間に発泡材料を含有する接着材ペーストを塗布して接着材ペースト層130を形成する。
そして、加熱加圧板600でこの9つのハニカム焼成体を挟んで、ハニカム焼成体の接着材ペーストを配置した側面と反対側の側面に対して加熱及び加圧を行って、図22(b)に示す中央部ハニカム集合体163を作製する中央部集合工程を行う。
続いて、この中央部ハニカム集合体163に対して、図22(c)に示すハニカム焼成体50を40個接着させる周辺部集合工程を行うことによって49個のハニカム焼成体からなるセラミックブロック313を作製する。以下、外周加工面213に沿って外周加工工程を行うこと等によって、ハニカム構造体13を製造する。
本実施形態では第一実施形態、第二実施形態及び第四実施形態において説明した効果(1)〜(5)及び(7)〜(9)、(11)を発揮することができる。
(第十三実施形態)
以下、本発明の一実施形態である第十三実施形態について説明する。
図23(a)〜(d)は、第十三実施形態のハニカム構造体の製造方法の一例を模式的に示す説明図である。また、図23(d)は、第十三実施形態のハニカム構造体の一例を模式的に示している。
図23(d)に示す第十三実施形態のハニカム構造体14は、一の接着材層の形成位置が異なる他は第十二実施形態のハニカム構造体13と同様の形状である。
第十三実施形態のハニカム構造体14においては、5つの中央部ハニカム焼成体60を含む、縦3列横7列、縦7列横3列に位置する33個のハニカム焼成体の間を接着する接着材層が全て一の接着材層30となっている。
第十三実施形態のハニカム構造体の製造方法においては、接着するハニカム焼成体の数が異なる他は第七実施形態のハニカム構造体の製造方法と同様にして中央部ハニカム集合体を作製する。
すなわち、図23(a)に示すように、完成したハニカム構造体において中央部ハニカム焼成体となる5つのハニカム焼成体50を含む33個のハニカム焼成体50の間に発泡材料を含有する接着材ペーストを塗布して接着材ペースト層130を形成する。
そして、加熱加圧板600でこの33個のハニカム焼成体を挟んで、ハニカム焼成体の接着材ペーストを配置した側面と反対側の側面に対して加熱及び加圧を行って、図23(b)に示す中央部ハニカム集合体164を作製する。
そして、この中央部ハニカム集合体164に対して、図23(c)に示すハニカム焼成体50を16個接着させる周辺部集合工程を行うことによって49個のハニカム焼成体からなるセラミックブロック314を作製する。以下、外周加工面214に沿って外周加工工程を行うこと等によって、ハニカム構造体14を製造する。
本実施形態では第一実施形態、第二実施形態及び第四実施形態において説明した効果(1)〜(5)及び(7)〜(9)、(11)を発揮することができる。
(第十四実施形態)
以下、本発明の一実施形態である第十四実施形態について説明する。
図24(a)〜(d)は、第十四実施形態のハニカム構造体の製造方法の一例を模式的に示す説明図である。また、図24(d)は、第十四実施形態のハニカム構造体の一例を模式的に示している。
図24(d)に示す第十四実施形態のハニカム構造体3においては、縦に7個、横に6個の計42個のハニカム焼成体50が接着材層20を介して結束されている。すなわち、ハニカム焼成体が縦と横にそれぞれ奇数個×偶数個ずつ結束されている。従って、中央部ハニカム焼成体60は斜線で示す計6つのハニカム焼成体である。
そして、一の接着材層30は、これら6つの中央部ハニカム焼成体60同士を接着する位置に形成されている。
第十四実施形態のハニカム構造体のその他の構成は第一実施形態のハニカム構造体と同様である。
第十四実施形態のハニカム構造体の製造方法は、中央部ハニカム集合体を作製する際に接着するハニカム焼成体の数が異なり、製造するハニカム構造体を構成するハニカム焼成体の数が異なる他は、第二実施形態のハニカム構造体の製造方法と同様である。
すなわち、図24(a)に示すように、完成したハニカム構造体において中央部ハニカム焼成体となる6つのハニカム焼成体50の間に発泡材料を含有する接着材ペーストを塗布して接着材ペースト層130を形成する。そして、加熱加圧板600でこの6つのハニカム焼成体を挟んで、ハニカム焼成体の接着材ペーストを配置した側面と反対側の側面に対して加熱及び加圧を行って、図24(b)に示す中央部ハニカム集合体165を作製する中央部集合工程を行う。
続いて、この中央部ハニカム集合体165に対して、図24(c)に示すハニカム焼成体50を36個接着させる周辺部集合工程を行うことによって42個のハニカム焼成体からなるセラミックブロック303を作製する。以下、外周加工面203に沿って外周加工工程を行うこと等によって、ハニカム構造体3を製造する。
本実施形態では第一実施形態、第二実施形態において説明した効果(1)〜(5)及び(7)〜(9)を発揮することができる。
(その他の実施形態)
各実施形態において、中央部ハニカム集合体を作製する方法(一の接着材層を形成する方法)としては、接着強度の高い接着材層を形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、第一実施形態において説明したように発泡材料を含有する接着材ペーストを用いる方法のみを用いてもよいし、加熱及び加圧を行う方法のみを用いてもよい。
また、各実施形態において中央部ハニカム集合体と他のハニカム焼成体を接着させる際には、第三実施形態において説明したように周辺部ハニカム集合体を作製して、中央部ハニカム集合体と周辺部ハニカム集合体を接着させてもよいし、第二実施形態において説明したように周辺部ハニカム集合体を作製しなくてもよい。
接着材ペーストに含まれる無機バインダ、無機繊維及び無機粒子、並びに、発泡材料は特に限定されるものではないが、接着材ペーストに含まれる無機バインダとしては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。無機バインダのなかでは、シリカゾルが望ましい。
接着材ペーストに含まれる無機繊維としては、例えば、シリカ−アルミナ、ムライト、アルミナ、シリカ等のセラミックファイバー等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。無機繊維のなかでは、アルミナファイバが望ましい。
接着材ペーストに含まれる無機粒子としては、例えば、炭化物、窒化物等を挙げることができ、具体的には、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素からなる無機粉末等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。無機粒子のなかでは、熱伝導性に優れる炭化ケイ素が望ましい。
なお、接着材ペーストに含まれる発泡材料のうち、マイクロカプセルとしては、インサイト重合法等により塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メラミン、フェノール等の共重合材料の殻壁を形成して、低沸点材料(例えば、ブタン、ペンタン等の炭化水素)又は気体(炭酸ガス等)を上記殻壁でカプセル化した熱膨張性粒子が挙げられる。
一方、発泡樹脂としては、例えば、アクリロニトリル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等が挙げられる。
また、無機質発泡材としては、例えば、パーライト粒子、シラスバルーン等が挙げられる。
また、膨張材としては、塩化アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、酢酸アミル、酢酸ブチル、硫酸アルミニウムアンモニウム、硫酸アルミニウムカリウム、酒石酸水素カリウム、ジアゾジアミノベンゼン等が挙げられる。
これらの発泡材料のなかでは、マイクロカプセルおよび発泡樹脂が望ましい。
マイクロカプセルおよび発泡樹脂を用いると、樹脂成分を乾燥、焼成、燃焼等によって消失させることが可能となる。これに対して、化学反応による発泡材料(例えば、上記膨張材)は、添加時に硬化が始まってしまい、発泡材料として機能しない場合があり、無機質発泡材は、焼成を行っても無機質がボイド(気泡)中に残ってしまう場合があるからである。
これらの発泡材料は、接着材ペースト全体の重量に対して0.5〜10wt%添加されることが望ましい。
0.5wt%未満では、発泡材料の効果が充分に発揮されず、大気泡が形成され、接着強度が低くなってしまう場合があり、10wt%を超えると、小気泡の数が増加し過ぎるために接着強度が低くなってしまう場合があるためである。
本発明のハニカム構造体の形状は、円柱状に限定されるものではなく、楕円柱状、多角柱状等の任意の柱の形状であればよい。
上記ハニカム焼成体の気孔率は特に限定されないが、35〜60%であることが望ましい。
本発明のハニカム構造体をフィルタとして使用した場合、気孔率が35%未満であると、すぐに目詰まりを起こすことがあり、一方、気孔率が60%を超えると、ハニカム焼成体の強度が低下して容易に破壊されることがあるからである。
上記ハニカム焼成体の平均気孔径は5〜30μmであることが望ましい。
ハニカム構造体をフィルタとして使用した場合、平均気孔径が5μm未満であると、パティキュレートが容易に目詰まりを起こすことがあり、一方、平均気孔径が30μmを超えると、パティキュレートが気孔を通り抜けてしまい、該パティキュレートを捕集することができず、フィルタとして機能することができないことがあるからである。
なお、上記気孔率及び気孔径は、例えば、水銀圧入法、アルキメデス法、走査型電子顕微鏡(SEM)による測定等の従来公知の方法により測定することができる。
上記ハニカム焼成体の長手方向に垂直な断面におけるセル密度は特に限定されないが、望ましい下限は、31.0個/cm(200個/in)、望ましい上限は、93個/cm(600個/in)、より望ましい下限は、38.8個/cm(250個/in)、より望ましい上限は、77.5個/cm(500個/in)である。
また、上記ハニカム焼成体のセル壁の厚さは、特に限定されるものではないが、0.1〜0.4mmであることが望ましい。
ハニカム焼成体の構成材料の主成分は、炭化ケイ素に限定されるわけではなく、他のセラミック原料として、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物セラミック、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等の炭化物セラミック、アルミナ、ジルコニア、コージェライト、ムライト、チタン酸アルミニウム等の酸化物セラミック等のセラミック粉末が挙げられる。
これらのなかでは、非酸化物セラミックが好ましく、炭化ケイ素が特に好ましい。耐熱性、機械強度、熱伝導率等に優れるからである。なお、上述したセラミックに金属ケイ素を配合したケイ素含有セラミック、ケイ素やケイ酸塩化合物で結合されたセラミック等のセラミック原料もハニカム焼成体の構成材料として挙げられ、これらのなかでは、炭化ケイ素に金属ケイ素が配合されたもの(ケイ素含有炭化ケイ素)が望ましい。
特に、炭化ケイ素を60wt%以上含むケイ素含有炭化ケイ素質セラミックが望ましい。
また、セラミック粉末の粒径は特に限定されないが、後の焼成工程を経て作製されたハニカム焼成体の大きさが、脱脂されたハニカム成形体の大きさに比べて小さくなる場合が少ないものが好ましい。
湿潤混合物における有機バインダとしては特に限定されず、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール等が挙げられる。これらのなかでは、メチルセルロースが望ましい。有機バインダの配合量は、通常、セラミック粉末100重量部に対して、1〜10重量部が望ましい。
湿潤混合物における可塑剤は、特に限定されず、例えば、グリセリン等が挙げられる。また、潤滑剤は特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン系化合物等が挙げられる。
潤滑剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンモノブチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノブチルエーテル等が挙げられる。
なお、可塑剤、潤滑剤は、場合によっては、湿潤混合物に含まれていなくてもよい。
また、湿潤混合物を調製する際には、分散媒液を使用してもよく、分散媒液としては、例えば、水、ベンゼン等の有機溶媒、メタノール等のアルコール等が挙げられる。
さらに、湿潤混合物中には、成形助剤が添加されていてもよい。
成形助剤としては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等が挙げられる。
さらに、湿潤混合物には、必要に応じて酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加してもよい。
バルーンとしては特に限定されず、例えば、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン(FAバルーン)、ムライトバルーン等が挙げられる。これらのなかでは、アルミナバルーンが望ましい。
ハニカム構造体をフィルタとして使用する場合にセルを封止する封止材ペーストとしては特に限定されないが、後工程を経て製造される封止材の気孔率が30〜75%となるものが望ましく、例えば、湿潤混合物と同様のものを用いることができる。
ハニカム構造体には、排ガスを浄化するための触媒を担持させてもよく、担持させる触媒としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属が望ましく、このなかでは、白金がより望ましい。また、その他の触媒として、例えば、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、バリウム等のアルカリ土類金属を用いることもできる。これらの触媒は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
ハニカム焼成体が縦と横にそれぞれ偶数個ずつ結束されてなる本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示す断面図である。 ハニカム焼成体が縦と横にそれぞれ奇数個ずつ結束されてなる本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示す断面図である。 ハニカム焼成体が縦及び横にそれぞれ奇数個及び偶数個結束されてなる本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示す断面図である。 本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図である。 図5(a)は、本発明のハニカム構造体を構成するハニカム焼成体の一例を模式的に示した斜視図であり、図5(b)は、図5(a)のA−A線断面図である。 本発明に係る第一実施形態のハニカム構造体の一例を模式的に示す断面図である。 本発明のハニカム構造体の製造方法において、積層法を用いてハニカム焼成体の間に接着材ペースト層を形成する様子を模式的に示す説明図である。 本発明のハニカム構造体の製造方法で使用するハニカム焼成体の並列体の長手方向に対して垂直な方向に切断した断面を模式的に示した断面図である。 充填装置内にハニカム焼成体の並列体が設置された本発明に係る充填装置を長手方向に平行な方向に切断した断面を模式的に示した断面図である。 本発明に係るハニカム集合体に一の接着材層となる接着材ペースト層を形成する様子を示す説明図である。 図11(a)〜(c)は、本発明の第一実施形態のハニカム構造体の製造方法において、ハニカム集合体同士を一の接着材層を介して接着させる様子を示す説明図である。 図12(a)〜(d)は、本発明の第二実施形態のハニカム構造体の製造方法の一例を模式的に示す説明図である。 図13(a)〜(e)は、本発明の第三実施形態のハニカム構造体の製造方法の一例を模式的に示す説明図である。 図14(a)〜(d)は、本発明の第四実施形態のハニカム構造体の製造方法の一例を模式的に示す説明図である。 図15(a)〜(f)は、本発明の第五実施形態のハニカム構造体の製造方法の一例を模式的に示す説明図である。 図16(a)〜(d)は、本発明の第六実施形態のハニカム構造体の製造方法の一例を模式的に示す説明図である。 図17(a)〜(d)は、本発明の第七実施形態のハニカム構造体の製造方法の一例を模式的に示す説明図である。 本発明の第八実施形態のハニカム構造体の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の第九実施形態のハニカム構造体の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の第十実施形態のハニカム構造体の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の第十一実施形態のハニカム構造体の一例を模式的に示す断面図である。 図22(a)〜(d)は、本発明の第十二実施形態のハニカム構造体の製造方法の一例を模式的に示す説明図である。 図23(a)〜(d)は、本発明の第十三実施形態のハニカム構造体の製造方法の一例を模式的に示す説明図である。 図24(a)〜(d)は、本発明の第十四実施形態のハニカム構造体の製造方法の一例を模式的に示す説明図である。
符号の説明
1〜14 ハニカム構造体
20 接着材層
30 一の接着材層(接着材層)
40 他の接着材層(接着材層)
50 ハニカム焼成体
51 セル
52 封止材
53 セル壁
60 中央部ハニカム焼成体(ハニカム焼成体)
61 中心部ハニカム焼成体(ハニカム焼成体)
62 中心部ハニカム焼成体に隣接するハニカム焼成体(中央部ハニカム焼成体)
63 中心に最も近接する2つのハニカム焼成体(中央部ハニカム焼成体)
64 中心に最も近接する2つのハニカム焼成体に隣接するハニカム焼成体のうち中心に隣接する4つのハニカム焼成体(中央部ハニカム焼成体)
80 ハニカム焼成体(三角柱状のハニカム焼成体)
90 コート層
101〜114 中心
150〜153 ハニカム集合体
160〜165 中央部ハニカム集合体
170〜172 周辺部ハニカム集合体
301〜314 セラミックブロック
G 排ガス

Claims (26)

  1. 多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム焼成体が、接着材層を介して複数個結束されてなるセラミックブロックを含むハニカム構造体であって、
    前記接着材層は、その接着材層の両側に接着されたハニカム焼成体同士の接着強度が異なる少なくとも2種類の接着材層からなり、
    前記ハニカム焼成体のうち前記セラミックブロックを長手方向に垂直な断面で切断した面の中央部に位置する中央部ハニカム焼成体同士は互いに一の接着材層を介して接着されており、
    前記中央部ハニカム焼成体同士の接着強度αは、他の接着材層を介して互いに接着されたハニカム焼成体同士の接着強度βよりも高いことを特徴とするハニカム構造体。
  2. 前記セラミックブロックを長手方向に垂直な断面で切断した面の中心に、中心部ハニカム焼成体が存在し、前記中央部ハニカム焼成体は、前記中心部ハニカム焼成体と前記中心部ハニカム焼成体に隣接するハニカム焼成体とからなる請求項1に記載のハニカム構造体。
  3. 前記セラミックブロックを長手方向に垂直な断面で切断した面の中心に、接着材層が存在し、前記中央部ハニカム焼成体は、前記中心に最も近接する4つのハニカム焼成体からなる請求項1に記載のハニカム構造体。
  4. 前記セラミックブロックを長手方向に垂直な断面で切断した面の中心に、接着材層が存在し、前記中央部ハニカム焼成体は、前記中心に最も近接する2つのハニカム焼成体と上記2つのハニカム焼成体に隣接するハニカム焼成体のうち前記中心により近接する4つのハニカム焼成体とからなる請求項1に記載のハニカム構造体。
  5. 前記一の接着材層は、前記セラミックブロックを長手方向に垂直な断面で切断した面の中心からの距離が50mm以内の領域に存在する請求項1〜4のいずれかに記載のハニカム構造体。
  6. 前記切断面における前記一の接着材層の形状は、十字形状を含んでいる請求項1〜5のいずれかに記載のハニカム構造体。
  7. 前記接着強度αは、3点曲げ試験により測定した接着強度が0.8〜1.6MPaであり、かつ、前記接着強度βは、3点曲げ試験により測定した接着強度が0.4〜1.2MPaである請求項1〜6のいずれかに記載のハニカム構造体。
  8. 前記接着強度αは、前記接着強度βの1.1〜4.0倍である請求項7に記載のハニカム構造体。
  9. 前記セラミックブロックを長手方向に垂直な断面で切断した面の長径が200mm以上である請求項1〜8のいずれかに記載のハニカム構造体。
  10. 30個以上の前記ハニカム焼成体が結束されてなる請求項1〜9のいずれかに記載のハニカム構造体。
  11. セラミック原料を成形することにより、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製する成形工程と、
    前記ハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体を作製する焼成工程と、
    複数の前記ハニカム焼成体を接着材層を介して接着させてセラミックブロックを作製する結束工程とを含むハニカム構造体の製造方法であって、
    前記結束工程は接着材層の両側に接着されたハニカム焼成体同士の接着強度が異なる少なくとも2種類の接着材層を形成する工程であり、
    前記接着材層を形成する工程は、前記セラミックブロックを前記長手方向に垂直な断面で切断した面の中央部に中央部ハニカム焼成体を配置する工程と、
    前記中央部ハニカム焼成体同士を互いに一の接着材層を介して接着し、前記中央部ハニカム焼成体同士の接着強度αが、他の接着材層を介して互いに接着されたハニカム焼成体同士の接着強度βよりも高くなるように各ハニカム焼成体を接着する工程とを含むことを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
  12. 前記セラミックブロックを長手方向に垂直な断面で切断した面の中心に、中心部ハニカム焼成体が存在し、前記中央部ハニカム焼成体は、前記中心部ハニカム焼成体と前記中心部ハニカム焼成体に隣接するハニカム焼成体とからなる請求項11に記載のハニカム構造体の製造方法。
  13. 前記セラミックブロックを長手方向に垂直な断面で切断した面の中心に、接着材層が存在し、前記中央部ハニカム焼成体は、前記中心に最も近接する4つのハニカム焼成体からなる請求項11に記載のハニカム構造体の製造方法。
  14. 前記セラミックブロックを長手方向に垂直な断面で切断した面の中心に、接着材層が存在し、前記中央部ハニカム焼成体は、前記中心に最も近接する2つのハニカム焼成体と上記2つのハニカム焼成体に隣接するハニカム焼成体のうち前記中心により近接する4つのハニカム焼成体とからなる請求項11に記載のハニカム構造体の製造方法。
  15. 前記結束工程において、前記2種類の接着材層の原料として、発泡材料の含有量が異なる少なくとも2種類の接着材ペーストをそれぞれ用い、前記少なくとも2種類の接着材ペーストは、前記一の接着材層の原料である接着材ペーストと前記他の接着材層の原料である接着材ペーストとを含み、前記一の接着材層の原料である接着材ペースト中の発泡材料の含有量が、前記他の接着材層の原料である接着材ペースト中の発泡材料の含有量よりも多い請求項11〜14のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  16. 前記結束工程において、前記中央部ハニカム焼成体の側面間に前記一の接着材層の原料として接着材ペーストを配置し、前記中央部ハニカム焼成体の前記接着材ペーストを配置した前記側面と反対側の側面に対して加熱及び加圧を行い、前記中央部ハニカム焼成体同士を互いに前記一の接着材層を介して接着する請求項11〜14のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  17. 前記結束工程において、前記中央部ハニカム焼成体の側面間に前記一の接着材層の原料として発泡材料を含有した接着材ペーストを配置し、前記中央部ハニカム焼成体の前記接着材ペーストを配置した前記側面と反対側の側面に対して加熱及び加圧を行い、前記中央部ハニカム焼成体同士を互いに前記一の接着材層を介して接着する請求項11〜14のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  18. 前記結束工程は、前記中央部ハニカム焼成体を含む中央部ハニカム集合体を作製する中央部集合工程と、
    前記中央部ハニカム集合体に他のハニカム焼成体を接着させる周辺部集合工程とを含む請求項11〜17のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  19. 前記周辺部集合工程は、複数のハニカム焼成体を接着させて周辺部ハニカム集合体を作製する工程と、
    前記中央部ハニカム集合体に前記周辺部ハニカム集合体を接着させる工程とからなる請求項18に記載のハニカム構造体の製造方法。
  20. 前記結束工程は、複数のハニカム焼成体を接着させてハニカム集合体を作製する工程と、前記ハニカム集合体同士を前記一の接着材層を介して接着させる工程とからなる請求項11〜17のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  21. 前記結束工程において、前記接着強度αは3点曲げ試験により測定した接着強度が0.8〜1.6MPaとなるように、かつ、前記接着強度βは3点曲げ試験により測定した接着強度が0.4〜1.2MPaとなるように前記少なくとも2種類の接着材層を形成する請求項11〜20のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  22. 前記結束工程において、前記接着強度αが、前記接着強度βの1.1〜4.0倍となるように前記少なくとも2種類の接着材層を形成する請求項21に記載のハニカム構造体の製造方法。
  23. 前記結束工程において前記切断面の長径が200mm以上となるように前記ハニカム焼成体を結束してセラミックブロックを形成する請求項11〜22のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  24. 前記結束工程において結束させるハニカム焼成体の数は30個以上である請求項11〜23のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  25. 前記セラミックブロックの外周を加工する外周加工工程と、
    前記加工されたセラミックブロックの外周にコート層を形成するコート層形成工程とを含む請求項11〜24のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  26. 前記結束工程において結束させるハニカム焼成体のうち、一部のハニカム焼成体の断面形状が他のハニカム焼成体の断面形状と異なる請求項11〜25のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
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