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JP2009184135A - 円柱形状部材の製造方法 - Google Patents

円柱形状部材の製造方法 Download PDF

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JP2009184135A
JP2009184135A JP2008023654A JP2008023654A JP2009184135A JP 2009184135 A JP2009184135 A JP 2009184135A JP 2008023654 A JP2008023654 A JP 2008023654A JP 2008023654 A JP2008023654 A JP 2008023654A JP 2009184135 A JP2009184135 A JP 2009184135A
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Tadaaki Sumiya
忠昭 住谷
Toshio Tokuyasu
敏夫 徳安
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Konica Minolta Business Technologies Inc
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Abstract

【課題】樹脂層の硬化を行う際の作業効率を向上させるとともに、硬化処理を行った部材間で品質にばらつきがない様に硬化を行う円筒形状部材の製造方法を提供する。
【解決手段】複数の円柱形状部材表面に形成された樹脂層を同時に硬化させる際、光源の周りに複数の円柱形状部材を配置し、個々の円柱形状部材を回転させて、あるいは、光源を中心に複数の円柱形状部材を回転させて、硬化を行う円柱形状部材の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、円柱形状(円筒形状)の部材表面に形成された光硬化性樹脂よりなる樹脂層を光照射により硬化させる工程を有する円柱形状部材の製造方法に関する。
各種機器や装置には、ドラムやローラに代表される円柱形状(円筒形状ともいう)の回転可能な部材が搭載されることが多く、部材の回転により目的の作動を実現させている。たとえば、電子写真方式の画像形成装置に目を向けると、感光体ドラム、現像ローラ、帯電ローラ、転写ローラ等の円柱形状部材が使用されている。これらの部材は、いずれも回転状態でローラ面上にトナーを担持し、次工程に担持したトナーを供給するもので、安定した画像形成を実現するには良好なトナー保持性能や転写性、クリーニング性が要求されるものである。
また、前工程あるいは次工程の間でトナーを円滑に授受するために、回転状態でベルトなどの他の部材と接触することもあり、この様な状態におかれてもみだりに減耗することのない強度が要求されている。特に、無機感光体に比べて機械的強度に難点を有する有機感光体におかれては、多数枚のプリント作製を繰り返し行うことがあっても減耗や劣化のおそれのない強度の向上が求められていた。
部材の強度を向上させる手段の1つに光硬化性樹脂製の表面層を設ける方法がある。これは、光反応性の重合性単量体を塗布しておき、これに紫外線や電子線等の放射線あるいは可視光線を照射して重合反応を行うことにより樹脂層を形成するもので、部材表面の耐摩耗性や耐候性を向上させる上でとても有効な手段である。そして、感光層あるいは感光層上の保護層を紫外線照射して硬化させた構造の有機感光体が検討され、転写性やクリーニング性を向上させて良好な機械的強度が得られることが確認された(たとえば、特許文献1、2参照)。
特開平6−308766号公報 特開平6−282092号公報
円柱形状部材表面の光硬化性樹脂を硬化する方法としては、たとえば、図3(b)に示す1本のランプに平行に配置した円柱形状部材を回転させながら硬化を行う方法が挙げられる。この方法は、1本のランプで1本の円筒形状部材しか硬化できないので、1回の硬化作業の効率が悪いことに加え、所定本数の円筒形状部材の硬化を完了させるにあたり途中でランプを交換することもあった。したがって、部材間で硬化の品質にばらつきが生じ易く、硬化が良好に行われた部材が得られた後に不十分な硬化の部材が作製されるといった問題が起こり易かった。
この様に硬化が不十分な円筒形状部材は、有機感光体におかれては硬度や粘弾性にムラのあるものが形成されることで均一な転写が行えず、また、クリーニング不良を発生させる要因にもなった。また、帯電ローラや転写ローラでは、ローラ表面の粘弾性が不均一になると、帯電ニップや放電性、電荷注入にムラが現れ、画像ムラの原因になった。さらに、現像ローラでは、ローラ表面におけるトナー帯電や搬送量にばらつきが生じ易くなり、画像ムラや現像不良の原因となった。
すなわち、本発明は光照射による表面層硬化を行う工程を有する円筒形状部材の製造方法において、1回の硬化作業における作業効率の向上に加え、部材間で品質にばらつきのない硬化処理が行える円筒形状部材の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記課題が下記に記載のいずれかの構成により解消されるものであることを見出した。
請求項1に記載の発明は、
『円柱形状部材表面に形成された樹脂層を光照射して前記樹脂層を硬化させる工程を有する円柱形状部材の製造方法であって、
前記樹脂層を硬化させる工程は、前記光照射を行う光源の周りに複数の円柱形状部材を配置させるとともに、前記複数の円柱形状部材の各々を回転させながら前記光照射を行って前記樹脂層を硬化させるものであることを特徴とする円柱形状部材の製造方法。』というものである。
請求項2に記載の発明は、『前記樹脂層を硬化させる工程は、前記複数の円柱形状部材を前記光源の周囲を回転させながら前記樹脂層を硬化させるものであることを特徴とする請求項1に記載の円柱形状部材の製造方法。』というものである。
請求項3に記載の発明は、
『円柱形状部材表面に形成された樹脂層を光照射して前記樹脂層を硬化させる工程を有する円柱形状部材の製造方法であって、
前記樹脂層を硬化させる工程は、前記光照射を行う光源の周りに複数の円柱形状部材を配置させるとともに、前記複数の円柱形状部材を前記光源の周囲を回転させながら前記光照射を行って前記樹脂層を硬化させるものであることを特徴とする円柱形状部材の製造方法。』というものである。
請求項4に記載の発明は、『前記樹脂層を硬化させる工程は、前記複数の円柱形状部材の各々を回転させながら樹脂層を硬化させるものであることを特徴とする請求項3に記載の円柱形状部材の製造方法。』というものである。
請求項5に記載の発明は、『前記光源より最も遠く配置した円柱形状部材と光源との距離をLmax、前記光源よりも最も近く配置した円柱形状部材と光源との距離をLmin、前記光源と前記複数の円柱形状部材との平均距離をLaveとしたとき、
(Lmax−Lmin)/Lave≦0.2
の関係を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の円柱形状部材の製造方法。』というものである。
請求項6に記載の発明は、『前記円柱形状部材が、電子写真感光体に使用されるものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の円柱形状部材の製造方法。』というものである。
本発明によれば、1回の硬化作業時での作業効率や生産性の向上を実現させるとともに、硬化処理を行った円筒形状部材間で品質にばらつきのないものが得られる様になった。すなわち、光照射を行う光源の周りに複数の円柱形状部材を配置させ、各々の円柱形状部材を回転させながら、あるいは、複数の円柱形状部材を光源の周囲に回転させながら硬化処理を行うことにより、作業効率と生産性を向上させることができる様になった。
また、前記構成の下で円柱形状部材表面の樹脂層を硬化することにより、硬化処理を行った部材間で品質にばらつきがなく、良好な円筒形状部材を安定して提供することが可能になった。その結果、有機感光体におかれては、硬度や粘弾性にムラのないものが安定して提供され、均一な転写が安定して行われ、クリーニング不良の発生のおそれのない有機感光体の提供を可能にした。また、帯電ローラや転写ローラでは、その表面が均一な粘弾性を有するものが得られ、帯電ニップや放電性、電荷注入時のムラの発生がなく、画像ムラのない良好な画像形成を実現させる様になった。さらに、現像ローラでは、ローラ表面において均一なトナー帯電や搬送が実現され、画像ムラや現像不良のない安定した画像形成を可能にした。
本発明は、円柱形状部材表面に形成された樹脂層を光照射して前記樹脂層を硬化させる工程を有する円柱形状部材の製造方法に関する。
ここで、「円柱形状部材」とは、一般にドラムあるいはローラ等と呼ばれるもので、回転運動により部材を構成する曲面で所定の作業を行わせることにより所期目的を達成する様に設計された円筒形状の部材をいうものである。
最初に、本発明で行われる光照射の構成について説明する。
図1に、本発明に係る円柱形状部材の製造方法で用いられる光照射を行って樹脂層を硬化させる装置の構成を示す。図1に示す様に、本発明に係る円柱形状部材の製造方法では、光照射を行う光源2の周りに複数の円柱形状部材10を配置して樹脂層の硬化を行う。また、円柱形状部材10と光源2の間に記された直線の矢印は、光源2より円柱形状部材10に向けて照射される照射光を示すものである。この様に、図1に示す装置は、同じ光源を使って複数本の円柱形状部材表面に塗布された樹脂層を同時に硬化処理することができるものなので、硬化時の作業効率を高め生産性を向上させることができる。そして、同じ光源を用いて硬化処理を行っているので円筒形状部材間で硬化処理を行った樹脂層の品質を揃えることができる様になる。
ここで、図1(a)に示す円柱形状部材表面の樹脂層を硬化させる装置は、複数の円柱形状部材10を各々回転させた状態で光源2からの光照射を行う様にしたことを示すものである。この様に、個々の円柱形状部材10を回転させながら光照射を行っているので、個々の円柱形状部材表面に形成された樹脂層はムラなく均一に硬化されることになり、硬度や粘弾性にムラのない樹脂層が形成される。その結果、円柱形状部材を構成する樹脂層の性能が均一化され、曲面上のあらゆる個所において同一レベルの性能を発現することが可能なローラやドラムを提供することができる。
また、図1(a)には円柱形状部材10を配置した外側に曲線の矢印が示されている。これは、光源2の周りで複数の円柱形状部材10を各々回転させながら光照射を行うとともに、複数の円柱形状部材10を光源2を中心にしてその周囲を回転させながら光照射も行う様にしたものである。この様に、複数の円柱形状部材10を光源2の周囲を回転させて光照射を行うことで、全ての円柱形状部材が光源2に対して同一条件下で照射されることになる。その結果、各円筒形状部材においてはムラのない均一な硬化仕上がりの樹脂層が形成されるとともに、円筒形状部材間で樹脂層硬化の仕上がり品質を揃えることができる様になり、品質の揃った円柱形状部材が効率よく得られる様になる。
また、図1(b)に示す円柱形状部材表面の樹脂層を硬化させる装置は、光照射を行う光源2の周りに配置した複数個の円柱形状部材10を光源2の周囲で回転させた状態で光源2からの光照射を行う様にしたことを示すものである。この様に、全ての円柱形状部材10を光源2の周りで回転させながら光照射を行っているので、円柱形状部材10への照射条件が統一されることになり、いずれの円柱形状部材も同じ照射条件で樹脂層の硬化が行われることになる。その結果、円柱形状部材間での硬化の仕上がり品質を揃えることができる様になり、品質の揃った円柱形状部材が効率よく得られる様になる。
また、図1(b)には、複数の円柱形状部材10の配置個所の外周に反射手段3が設けられているが、上記構成により光照射を行う場合には、光源2からの照射光があたりにくい部分への硬化を補助するためにこの様な反射手段3を設けることが好ましい。すなわち、円柱形状部材10を配置した個所の外周に反射手段3を設けることにより、円柱形状部材の光源からの直接照射を受けにくい部位の硬化を促進させて、円柱形状部材全周の均一硬化を確実に行える様にしている。
また、図1(b)に示す円柱部材表面の樹脂層を硬化させる装置は、光照射を行う際、複数の円柱形状部材10を光源2の周囲を回転させるとともに、円柱形状部材10を各々回転させた状態で光照射を行う様にする構成とすることも可能である。この様に、個々の円柱形状部材10を回転させて光照射を行うことで、個々の円柱形状部材表面の樹脂層がムラなく均一に硬化される様になり、硬度や粘弾性にムラのない樹脂層が形成されることになる。その結果、円筒形状部材間で樹脂層硬化の仕上がり品質を揃えることができる様になるとともに、個々の円筒形状部材ではムラのない均一な硬化仕上がりの樹脂層を形成することができる。
また、本発明では複数の円柱形状部材10を配置した時の距離偏差が0.2以下となる様に、複数の円柱形状部材10を配置することが好ましい。ここで、距離偏差は以下の様に定義する。すなわち、光源2の周囲に複数の円柱形状部材10を配置したとき、光源2より最も遠くに配置されたものと光源2との距離をLmax、光源2より最も近く配置されたものと光源2との距離をLmin、光源2と複数の円柱形状部材との平均距離をLaveとする。このとき、距離偏差は以下の関係式を満足するものが好ましい。
(Lmax−Lmin)/Lave≦0.2
上記関係式を満足する範囲では、光源からの距離に起因する照射条件のばらつきが無視できるものとされ、円筒形状部材間で硬化の仕上がり品質にばらつきのないものを効率よく作製することができる様になる。
なお、図1に示す円柱部材表面の樹脂層を硬化させる装置の光源は、紫外線光(UV光)や電子線の様に光硬化処理を行うことが可能なものであれば特に限定されるものではない。具体的には、高圧・低圧水銀ランプ、パルプキセノンランプ、キセノンフラッシュランプ、メタルハライドランプ、LEDランプ等の市販の光源が挙げられる。
光硬化処理に使用される光源は、たとえば、紫外線光(UV光)では180nm〜450nmに発光強度を有するものである。また、パルスキセノンランプを用いる場合には、個々の円柱形状部材10を回転させる回転手段あるいは複数の円柱形状部材を光源の周囲に回転させる回転手段の回転速度とパルス光の発光周波数を制御することが好ましい。
また、円柱形状部材10表面の樹脂層硬化に要する時間は、使用する樹脂の種類や樹脂層の厚み、前述の回転速度等の影響を受けることになるが、電子写真感光体を作製する場合においては30秒〜120秒で行うことが好ましい。
次に、円柱形状部材表面に使用可能な樹脂について具体的に説明する。本発明で使用可能な樹脂は、円柱形状部材表面の塗膜中に存在する重合性単量体が光照射を受けて共存する重合開始剤により重合反応を行うことにより硬化されて樹脂層を形成するもので、一般に光硬化性樹脂とも呼ばれるものである。
本発明で円柱形状部材表面に樹脂層を形成することが可能な樹脂としては、たとえば、前駆体材料と重合開始剤を有する塗布液を円柱形状部材の外周に塗布した後、当該塗布層を光照射により硬化するものが挙げられる。ここで、前駆体材料とは、1分子中にアクリロイル基またはメタクリロイル基を3個以上有する不揮発成分を50質量%以上含有してなるもので、具体的な化合物として硬化性アクリルモノマーやオリゴマー等が挙げられる。硬化性アクリルモノマーやオリゴマーの具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2009184135
Figure 2009184135
Figure 2009184135
式中、R1、R2、R3は、水素原子、または、炭素原子数が10以下でかつ置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アルケニル基またはアラルキル基を表す。特に、R1とR2が末端にビニル基を有する炭素原子数が10以下でかつ置換基を有していてもよいアルキル、アリール、アルケニル基であるものが好ましい。
具体的な化合物としては、以下のものが挙げられる。すなわち、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ウレタンアクリレートオリゴマー、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート等。
また、重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、チオキサントン、ベンゾブチルエーテル、アシロキシムエステル、ジベンゾスロベン、ビスアシルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
本発明では、光照射を行う光源の周りに複数の円柱形状部材を配置させ、当該複数の円柱形状部材の各々を回転させながら光照射を行うことにより樹脂層を硬化させる。あるいは、光照射を行う光源の周りに複数の円柱形状部材を配置させ、当該複数の円柱形状部材を光源の周囲で回転させながら光照射を行うことにより樹脂層を硬化させる。
光照射により、円柱形状部材表面に均一な硬度を有する樹脂層が形成されたかを確認する方法としては、樹脂層表面のユニバーサル硬度を測定する方法が挙げられる。ここで、電子写真感光体を例に挙げて、ユニバーサル硬度の測定方法を具体的に説明する。
光照射による硬化で形成された電子写真感光体の表面層のユニバーサル硬度は、市販の硬度測定装置により測定が可能であり、市販の硬度測定装置としては、たとえば、超微小硬度計「H−100V(フィッシャーインストルメント社製)」等が挙げられる。超微小硬度計「H−100V(フィッシャーインストルメント社製)」を用いて電子写真感光体表面のユニバーサル硬度を測定する際の条件は下記のとおりである。
測定条件
測定機:微小硬度計「H−100V(フィッシャーインストルメント社製)」
圧子形状:ビッカース圧子(a=136°)
測定環境:20℃、60%RH
最大試験荷重:2mN
荷重速度:2mN/10sec
最大荷重クリープ時間:5秒
除荷速度:2mN/10sec
なお、測定は各試料とも軸方向に均等間隔で5点、周方向に20点測定し、その値をユニバーサル硬度(HU)(N/mm2)とする。
電子写真感光体表面のユニバーサル硬度は、樹脂層の形成に使用する前駆体材料と重合開始剤の種類や添加量等により異なるが、300〜360N/mm2が好ましい。
次に、本発明に係る円筒形状部材の製造方法で作製可能な光硬化性樹脂で形成された表面層を有する電子写真感光体(以下、感光体ともいう)について説明する。図2は、感光体の層構成を示す模式図である。
図2において、10は本発明でいう円筒形状部材に該当する感光体、11は支持体、12は中間層、13は感光層、14は電荷発生層、15は電荷輸送層、16は保護層、18は表面層を示す。
図2の(a)は支持体11の外周上に中間層12を設けその上に感光層13を設けた構造のもので、表面層18を構成する感光層13は光照射により硬化して形成されたもので、本発明でいう円柱形状部材表面に形成された樹脂層に該当するものである。(b)は支持体11の外周上に中間層12を設け、その上に電荷発生層14と電荷輸送層15を設けたもので、表面層18となる電荷輸送層15が光照射により硬化して形成されたもので、本発明でいう円柱形状部材表面に形成された樹脂層に該当する。(c)は支持体11の外周上に中間層12を設けその上に電荷発生層14、電荷輸送層15、保護層16を設けたもので、表面層18となる保護層16が光照射により硬化して形成されたもので、本発明でいう円柱形状部材表面に形成された樹脂層に該当する。
本発明に係る円柱形状部材の製造方法によれば、上記何れの構造の電子写真感光体を作製することが可能であるが、これらの中でも、支持体の外周に、中間層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を設けた(c)の構造のものを好ましく作製することができる。
次に、図2(c)に示す支持体11の外周上に、中間層12、電荷発生層14、電荷輸送層15、光硬化性樹脂で形成した保護層16を有する感光体について説明する。
最初に、支持体11について説明する。感光体に使用可能な支持体11は、円筒状で比抵抗が103Ωcm以下のものが好ましく用いられる。具体例としては、切削加工処理を行った後、表面を洗浄処理した円筒状のアルミニウム管が挙げられる。
電子写真感光体を作製する際、支持体11上に、以下に説明する中間層12、電荷発生層14、電荷輸送層15、保護層16を形成するための塗布液を順次塗布し、乾燥処理していく。これらの層を形成する塗布液の塗布方法としては、たとえば、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布(円形スライドホッパに代表される)等の公知の塗布方法が挙げられる。この中でも均一な塗布層を形成するためにはスプレー塗布または円形量規制型塗布を用いるのが好ましい。なお、スプレー塗布については、たとえば特開平3−269238号公報に、円形量規制型塗布については、たとえば特開昭58−189061号公報に詳細な記載がある。
次に、中間層12について説明する。中間層12は、バインダ、無機粒子、分散溶媒等から構成される中間層用塗布液を支持体11上に塗布、乾燥して形成することが可能である。中間層の膜厚は、0.2〜40μmが好ましく、0.3〜20μmがより好ましい。
中間層12のバインダとして使用可能な樹脂としては、たとえば、ポリアミド樹脂、酢酸ビニル樹脂、これらの樹脂を繰り返し単位とする共重合体樹脂が挙げられる。これら樹脂の中でも、ポリアミド樹脂を用いたものが好ましく、ポリアミド樹脂の存在により画像形成を繰り返し行ったときに発生しがちな残留電位の増加を小さく抑えることができる。
中間層形成用塗布液を作製する際に使用可能な溶媒としては、ポリアミド樹脂をはじめとするバインダ用の樹脂を溶解するものであって、かつ、添加する無機粒子を良好に分散するものが好ましい。具体的には、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数が2〜4のアルコール類がポリアミド樹脂への溶解性と塗布性能に優れていることから好ましい。これらの溶媒は、全溶媒中に30〜100質量%、好ましくは40〜100質量%、さらに50〜100質量%含有させることが好ましい。また、前記溶媒と併用することが可能な溶媒としては、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、メチレンクロライド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
次に、電荷発生層14について説明する。感光層13を構成する電荷発生層14は、電荷発生物質(CGM)を含有するもので、電荷発生物質の他に必要によりバインダ樹脂、その他添加剤を含有することが可能である。また、電荷発生層の膜厚は0.01〜2μmが好ましい。
電荷発生物質(CGM)としては、公知の電荷発生物質(CGM)を使用することが可能で、たとえば、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料等が挙げられる。
電荷発生層14に電荷発生物質の分散媒としてバインダを用いる場合、公知の樹脂をバインダとして使用することが可能である。バインダ樹脂として好ましい樹脂としては、たとえば、ホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。また、バインダ樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダ樹脂100質量部に対し電荷発生物質を20〜600質量部とすることが好ましい。これらの樹脂を用いることにより、画像形成を繰り返し行ったときに発生しがちな残留電位の増加を最も小さく抑えることができる。
次に、電荷輸送層15について説明する。感光層13を構成する電荷輸送層15は、電荷輸送物質(CTM)及びバインダ樹脂から形成されるもので、必要により酸化防止剤等の添加剤を添加して形成することも可能である。電荷輸送層の膜厚は5〜40μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。バインダ樹脂と電荷輸送物質の割合は、バインダ樹脂100質量部に対し電荷輸送物質を10〜200質量部とすることが好ましい。
電荷輸送物質(CTM)としては、公知の電荷輸送物質(CTM)を使用することが可能で、たとえば、トリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物等が使用可能である。
また、電荷輸送層15に使用可能なバインダ樹脂としては、たとえば、以下の絶縁性樹脂が挙げられる。すなわち、スチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂等がある。また、前述した樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂も使用できる。さらに、前述した絶縁性樹脂の他に、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体も使用できる。これら電荷輸送層15用のバインダ樹脂として最も好ましいものは、ポリカーボネート樹脂であり、ポリカーボネート樹脂は電荷輸送物質(CTM)の分散性や良好な電子写真特性を実現する上で最も好ましいものである。
また、電荷輸送層15に使用可能な酸化防止剤としては、公知の化合物を使用することが可能であるが、たとえば、「Irganox1010(日本チバガイギー社製)」等が挙げられる。
次に、保護層16について説明する。保護層16は、光照射による硬化反応を経て形成されるものである。保護層16を形成する樹脂成分としては、前記の前駆体材料と重合開始剤が挙げられる。また、保護層16は、前駆体材料と重合開始剤の他に、必要に応じ電荷輸送物質、酸化防止剤、電気抵抗調整剤、無機微粒子、有機微粒子を添加して形成することも可能である。なお、硬化後の保護層の膜厚は、0.2〜5μmが好ましく、0.3〜4μmがより好ましい。
保護層16は、保護層用塗布液を電荷輸送層15上に前述した様にスプレー塗布等の公知の方法で塗膜を形成し、塗膜の流動性が無くなる程度まで1次乾燥した後、光照射を行って前駆体材料を重合させて硬化することにより形成される。さらに、硬化処理を行った後、希釈溶剤等の不要物を除去する目的で2次乾燥を行うことも可能である。
保護層形成用塗布液は、たとえば、硬化性アクリルモノマーまたはオリゴマー等の前駆体材料と重合開始剤を溶解させて作製するものの他に、以下に挙げる無機微粒子や有機微粒子を分散させたものもある。
無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス等の各種金属酸化物、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウム等が挙げられる。これらの無機微粒子を1種類もしくは2種類以上混合して使用することが可能である。これら無機微粒子の平均粒径は、0.3μm以下が好ましく、0.1μm以下がより好ましい。
有機微粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂、及び、これらの共重合体が挙げられる。これらの有機微粒子を1種類もしくは2種類以上混合して使用することが可能である。これら有機微粒子の平均粒径は、0.3μm以下が好ましく、0.1μm以下がより好ましい。
保護層形成用塗布液を作製する際に、硬化アクリルモノマーまたはオリゴマー等の前駆体材料と重合開始剤を溶解する希釈溶剤を添加することが可能である。希釈溶剤は、前駆体材料と重合開始剤の溶解が可能なものであれば特に限定されるものではなく、たとえば、n−ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
保護層16の硬度は、前駆体材料の種類やその組成比、重合開始剤の種類と量、層の厚さ、光照射条件の他、必要に応じて保護層中に電荷輸送物質、酸化防止剤、電気抵抗調整剤を添加する場合にはこれらの種類や量等の影響を受けることになる。
また、保護層16を形成する際、前述した無機微粒子や有機微粒子を添加して保護層の形成を行う場合には、前述した光源の中でもLEDランプを用いて硬化することが望ましい。
本発明に係る円筒形状部材の製造方法は、前述した電子写真感光体の作製の他に、電子写真方式の画像形成装置で使用される円筒形状部材である現像ローラ、転写ローラ、帯電ローラの表面への硬化処理にも適用することができる。
たとえば、帯電ローラは、バイアス電圧の印加を受けた後、印加電圧の作用で感光体表面を均一に帯電するものであり、また、転写ローラは、帯電ローラと同様、印加されたバイアス電圧の作用で感光体上に形成されたトナー画像を転写紙上に転写するものである。これらのローラ表面を均一に硬化することでローラ表面の粘弾性が均一になり、帯電ニップや転写部を形成するローラ部位の電位はムラのないものになる。その結果、放電性や電荷注入が均一に行われる様になるので、ムラのない良好な画像形成が行える様になる。
また、現像ローラは、ローラ表面に所定量のトナーを担持し、担持したトナーを所定レベルに帯電させ、帯電させたトナーを感光体表面に供給するもので、ローラ表面で行われるトナーの帯電や搬送にばらつきがないことが求められる。現像ローラ表面を均一に硬化することにより、現像ローラ表面の粘弾性が均一化されて同等レベルのトナー帯電とトナー搬送がローラ面上のどの部位でも行えるので、安定した画像形成が促進させる。
ここで、本発明に係る円柱形状部材の製造方法で作製される円柱形状部材の一例として、帯電ローラについて図4を用いて説明する。なお、前述の感光体の説明と以下の帯電ローラの説明から、本発明に係る円柱形状部材の製造方法が電子写真方式の画像形成装置に使用される感光体と帯電ローラに限定されるものではない。
前述した様に、帯電ローラは、回転状態で感光体に接触して感光体表面を帯電するもので、具体的には、シャフト上に弾性部材を用いて形成したベース層より構成された帯電ローラを感光体に接触させ、帯電ローラに電圧を印加して行うものである。
帯電ローラによる接触帯電には、直流電圧をローラに印加して帯電を行う直流帯電方式と、交流電圧をローラに印加して帯電を行う誘導帯電方式の2つの方法が代表的なものであり、いずれの方式でも感光体表面を帯電することができる。帯電ローラによる接触帯電は、磁気ブラシやブレード等の他の接触帯電手段に比べ、感光体表面との間に大きな接触面が得られることから、感光体表面に均一な帯電を行い易い構造を有している。
図4は、帯電ローラの層構造を示す概略図で、帯電ローラ10が導電性のシャフト11と、シャフト11上に弾性層17が設けられ、最表面には硬化処理により形成された表面層18が存在する。ここで、図4(a)に示すものは、弾性層17の上に中間層12が形成され、その上に表面層18が順番に積層形成された構造を有しており、図1(b)に示すものは、弾性層17の上に表面層18を直接形成した構造のものである。さらに、図1(c)に示すものは、中間層12を図1(a)のものよりも厚くしたものである。
シャフト11は、導電性の部材で構成され、具体的には、SUS304等のステンレス鋼、鉄、アルミニウム、ニッケル、アルミニウム合金、ニッケル合金等の金属材料が好ましい。また、前述した金属の粉体物やカーボンブラック等の導電性材料を樹脂中に充填させた導電性樹脂も使用可能である。
弾性層17は、発泡材料やゴム材料中にカーボンブラック等の導電性付与剤を含有した構造のもので、導電性と弾性を発現するものである。つまり、弾性層17は帯電ローラ10が感光体に対して良好な帯電付与性能を発現する上で低抵抗であり、感光体との間に適度な密着性を発現する上で弾性を有する様に設計されている。また、弾性を有することで画像形成時に振動が起きてもこれを吸収して安定した帯電性能を感光体に付与する。
弾性層17を形成する発泡材料はスポンジ構造を形成するもので、オイルや加硫剤等を使用せずに弾性を発現することができることから、弾性層形成に必要な材料数を減らすことができる。弾性層17の形成に使用可能な発泡材料は公知のものが使用でき、たとえば、特開平7−295331号公報に記載の様な発泡剤をポリウレタン樹脂等に混合したもの等が挙げられる。
また、弾性層17を公知のゴム材料で形成することも可能であり、ゴム材料はその種類が発泡材料に比べると多いので材料の選択幅が広くなる。また、オイルや加硫剤等を添加することにより硬度の調整が自由に行える。具体的には、ポリノルボルネンゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。これらのゴム組成物は、単独で使用する他に、2種以上のゴム組成物を混合して混合ゴムとして使用することも可能である。
弾性層17には、アセチレンブラックやファーネスブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、アルミニウム粉末等の金属粉末、酸化アルミニウムや酸化チタン等の金属酸化物粉末等が導電性付与剤として含有されている。この中でもカーボンブラックは良好な分散性を発現し、弾性層中に含まれる添加物の影響を受けにくいことから、安定した導電性を発現し易いものである。
次に、中間層12は、公知のゴム材料で形成され、その中に導電剤や帯電防止剤等が含有されている。中間層12により、帯電ローラ10中に電気的に抵抗の高い領域が形成され、帯電ローラ10の耐電圧性(耐リーク性)の制御を可能にしている。
中間層12に使用可能なゴム材料には、たとえば、エピクロルヒドリンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体ゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム等が挙げられる。また、導電剤には、前述のカーボンブラックや過塩素酸塩等のイオン導電剤が挙げられる。帯電防止剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、リン酸エステル、脂肪族アルコールサルフェート塩、脂肪族多価アルコール、BN錯体等が挙げられる。これらは、それぞれ適宜に選択され、公知技術に基づく適度な配合比率で用いられる。
また、中間層12は、弾性層17からのオイルの浸み出しを防止し、弾性層17表面における抵抗調整を行うことで帯電ローラ10表面の抵抗の均一化に寄与している。さらに、中間層12に使用するゴム材料を選択して帯電ローラ10の硬度を調整することも可能である。
表面層18は、感光体表面に接触する領域で、体積抵抗率は1×107Ωcm〜1×1015Ωcmで、表面層18の体積抵抗率をこの範囲にすることで感光体表面を所定電位レベルに帯電し易くする。また、硬化処理を施すことにより感光体表面への接触を安定化させることができる。
次に、電子写真方式の画像形成装置について説明する。図5は、本発明に係る円柱形状部材の製造方法で作製可能な感光体ドラム、現像ローラ、帯電ローラ、及び、転写ローラが搭載可能な画像形成装置の一例を示す断面図である。
図2の画像形成装置1では、本発明でいう円柱形状部材の1つである帯電ローラ102により帯電された同じく本発明でいう円柱形状部材の1つである感光体ドラム101上に露光光Lが照射されて静電潜像が形成される。感光体ドラム101上に形成された静電潜像は、感光体ドラム101の近傍に配置された現像装置21の現像剤担持体である現像ローラ104より供給されるトナーにより現像されてトナー画像となる。なお、現像ローラ104は本発明でいう円柱形状部材の1つである。
次に、除電ランプ22により感光体ドラム101上の電荷が除電されると、トナー画像は感光体ドラム101と本発明でいう円柱形状部材の1つである転写ローラ103とが近接する転写部で転写紙P上に転写される。転写紙Pは、給紙カセットより搬送ローラ23によって搬送されてきたもので、転写ローラ103によりトナーと逆極性の電荷が付与され、この逆極性の電荷の静電作用により転写紙P上にトナー画像が転写される。
トナー画像が転写された転写紙Pは、感光体ドラム101より分離された後、搬送ベルト24により図示しない定着装置へ搬送される。定着装置はたとえば加熱ローラと押圧ローラ等の定着手段を有し、転写紙P上のトナー画像を溶融後、転写紙Pに定着させる。
この様な手順により、画像形成装置1の感光体ドラム101上に形成された静電潜像はトナー画像に顕像化され、形成されたトナー画像は転写紙P上に転写、定着されることによりプリント物が作製される。
また、帯電ローラ102は、以下の手順により感光体ドラム101を帯電する。すなわち、図5に示す様に、帯電ローラ102は電源27より直流(DC)成分と交流(AC)成分からなるバイアス電圧の印加を受けて感光体ドラム101の帯電が行える。帯電ローラ102を用いるいわゆる接触方式の帯電は、オゾンの発生が極めて少ない状態で感光体ドラム101を帯電させることができる。帯電ローラ102に印加されるバイアス電圧は、通常、直流成分である±500〜1000VのDCバイアスと、交流成分である100Hz〜10kHz、200〜3500V(p−p)のACバイアスとを重畳させてなるものである。
なお、図5中の転写ローラ103も帯電ローラ102と同様、電源28より直流(DC)成分と交流(AC)成分からなるバイアス電圧の印加を受け、転写部位でトナー画像の転写紙Pへの転写を行っている。転写ローラ103に印加されるバイアス電圧も帯電ローラ102に印加されるバイアス電圧と同様、通常、直流成分の±500〜1000VのDCバイアスと、交流成分の100Hz〜10kHz、200〜3500V(p−p)のACバイアスとを重畳させたものである。
帯電ローラ102と転写ローラ103は、感光体ドラム101に圧接した状態で従動あるいは強制回転している。これらのローラの感光体ドラム101への押圧力は、通常、9.8×10-2〜9.8×10-1N/cmであり、また、ローラの回転速度は、通常、感光体ドラム101の周速の1〜8倍とされる。なお、前記ローラの感光体ドラム101への押圧力は、帯電ローラ102の両端に1.0N〜10.0N程度の押圧力を加えることで実現される。
なお、転写紙Pへのトナー画像の転写を終えた感光体ドラム101は、クリーニング装置25に設けられたクリーニングブレード26によりクリーニングされて、次の画像形成に供せられる。
図5に示す電子写真方式の画像形成装置1では、感光体101と帯電ローラ102、像露光ユニット、現像装置21等の構成要素をユニット化したいわゆるプロセスカートリッジ、あるいは、イメージングカートリッジと呼ばれるユニット構造物としてもよい。この様に、複数の構成物をユニット化し、これを画像形成装置本体に対し着脱自在に構成することが可能になる。また、像露光ユニット、現像装置23、転写ローラ103あるいは分離手段の少なくとも1つを感光体ドラム101とともに一体に支持したユニット構造物として、装置本体に着脱自在の単一ユニットとすることも可能である。この様な単一ユニットを装置本体にレール等の案内手段を設けることにより、着脱自在の構成にすることも可能である。
以下、実施例を挙げて本発明の実施形態を具体的に説明するが、本発明は下記実施例のみに限定されるものではない。なお、文中の「部」は「質量部」を表す。
1.「感光体1」の作製
以下の手順で、表面に硬化処理を行う前の保護層を設けた「感光体1」を作製した。
(導電性支持体の作製)
円筒形のアルミニウム支持体の表面を切削加工して、十点表面粗さRzが1.5μm、直径60mm、長さ362mmの導電性支持体を作製した。
(中間層の形成)
ポリアミド樹脂「アミランCM−8000(東レ(株)製)」 60g
メタノール 1600ml
1−ブタノール 400ml
上記成分を混合溶解して中間層用塗布液を調製した。この塗布液を乾燥時の膜厚が0.3μmとなる様に前記導電性支持体上に浸漬塗布法により塗布して中間層を形成した。
(電荷発生層の形成)
チタニルフタロシアニン 60g
シリコーン樹脂溶液(15質量%キシレン−ブタノール溶液)「KR5240(信越化学(株)製)」 700g
2−ブタノン 2000ml
上記成分を混合後、サンドミルを用いて10時間分散処理することにより電荷発生層用塗布液を調製した。この塗布液を乾燥時の膜厚が0.2μmとなる様に前記中間層上に浸漬塗布法で塗布して電荷発生層を形成した。なお、形成された電荷発生層内に含有されるチタニルフタロシアニンのCu−Kα特性X線回折スペクトルを測定したところ、ブラッグ角2θの最大ピークが27.2°に認められた。
(電荷輸送層の形成)
4−メトキシ−4’−(4−メチル−α−フェニルスチリル)トリフェニルアミン
200g
ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂「ユーピロンZ300(三菱ガス化学(株)製)」 300g
酸化防止剤「サノールLS2626(三共(株)製)」 1.7g
テトラヒドロフラン 2000ml
上記成分を混合溶解して電荷輸送層用塗布液を調製した。この塗布液を乾燥時の膜厚が25μmとなる様に前記電荷発生層上に浸漬塗布法で塗布して電荷輸送層を形成した。
(保護層の塗布)
硬化性化合物(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート)「M408(東亜合成(株)製)」 5g
重合開始剤「Irgacure379(チバ・スペシャルティケミカルズ(株)製)」 0.25g
増感色素「フルオレセイン(関東化学(株)製)」 0.6mg
n−プロパノール 20ml
上記成分を混合溶解して保護層用塗布液を調製した。この塗布液を硬化後の膜厚が2μmとなる様に前記電荷輸送層上にスプレー塗布法で塗布した。この様にして、図2(c)に示す構造を有する保護層を塗布した「感光体1」を作製した。
2.評価実験
図1(a)または(b)に示す構造の硬化処理装置を用い、表1に示す条件の下で前記「感光体1」表面に塗布した保護層の硬化処理を行った。照射光源として、パルスキセノンランプ搭載の紫外線照射装置「RC−500B(Xenon社製)」を用い、硬化を行う保護層面における光量が10J/cm2となる様にガラスフィルタ「UV−35(旭テクノグラス(株)製)」を用いて処理を行った。図1(b)の硬化処理装置は「感光体1」の配置個所の外周に反射ミラーを設けた。
「感光体1」の配置方法は、図3に示す様に、上記照射光源の周囲に8本の「感光体1」を、保護層表面での光量が前記の値になるとともに距離偏差が表1に示す値を満足する様にした。そして、表1に示す様に本発明の構成を有するものを「実施例1〜6」とし、本発明の構成を有さないものを「比較例1、2」とした。また、表1では各々の感光体を回転させながら硬化処理することを「自転」、8本の感光体を前記光源の中心に周回させながら硬化処理することを「公転」という用語で表した。「比較例1、2」はいずれも図3に示す様に光源に対して1本の「感光体1」を配置して硬化処理を行ったもので、感光体を回転させて(自転)を処理を行ったものを「比較例1」、反射ミラーを設けて処理を行ったものを「比較例2」とした。
評価は、下記内容の硬化処理作業を5000回行い、生産性の評価として、実施例と比較例における感光体1本あたりの硬化処理作業所要時間を算出して評価した。また、作製された感光体間における品質評価として、初期、500回目、2000回目、5000回目の硬化処理で作製された感光体について、転写性とクリーニング性能を評価した。なお、5000回目の硬化処理作業時では前記光源の光量が初期に比べて20%ダウンしていた。
また、「実施例1〜6」と「比較例1、2」の硬化処理作業所要時間は以下のとおりである。すなわち、
実施例:照射時間60秒、感光体の入れ換え時間45秒、合計作業時間105秒
比較例:照射時間60秒、感光体の入れ換え時間10秒、合計作業時間70秒
作製された感光体間での品質評価については、転写性については、作製画像上での濃度ムラの有無を目視で判定し、8本の感光体について濃度ムラの発生が見られなかったものを合格(○)、発生が見られたものを不合格(×)とした。
また、クリーニング性能の評価については、8本の感光体について以下に示す様に、作製プリント上におけるカブリ発生の有無と感光体表面での残留トナーの有無を目視で観察し、◎及び○を合格とした。
◎;8本の感光体ともカブリ発生と残留トナーは見られなかった
○:若干の残留トナーが見られる感光体があったが、カブリ発生は見られなかった
×:残留トナーの発生が見られ、カブリの発生したものがあった。
なお、比較例については作製した1本の感光体で評価を行った。以上の結果を表1に示す。
Figure 2009184135
表1に示す様に、「実施例1〜6」では感光体を1本作製するのに要する時間が「比較例1、2」の5分の1であり、生産性を大幅に向上できることが確認された。また、「実施例1〜6」では、5000回の硬化処理を行っても、転写性能やクリーニング性能に影響を与えることのない感光体が作製できることが確認された。この様に、本発明の構成により、生産性が向上し、かつ、部材間での品質にばらつきを有さない円筒形状部材が安定して作製できることが実施例の結果からも得られた。
光照射を行って樹脂層を硬化させる装置の構成を示す模式図である。 感光体の層構成を示す模式図である。 評価実験時の光源と感光体の配置関係を示す模式図である。 帯電ローラの層構造を示す概略図である。 感光体ドラム、現像ローラ、帯電ローラ、転写ローラを搭載した画像形成装置の断面図である。
符号の説明
1 画像形成装置
2 光源
3 反射手段
10 円筒形状部材(感光体ドラム、帯電ローラ、転写ローラ、現像ローラ)
101 感光体ドラム
102 帯電ローラ
103 転写ローラ
104 現像ローラ
11 支持体、シャフト
12 中間層
13 感光層
14 電荷発生層
15 電荷輸送層
16 保護層
17 弾性層
18 表面層

Claims (6)

  1. 円柱形状部材表面に形成された樹脂層を光照射して前記樹脂層を硬化させる工程を有する円柱形状部材の製造方法であって、
    前記樹脂層を硬化させる工程は、
    前記光照射を行う光源の周りに複数の円柱形状部材を配置させるとともに、
    前記複数の円柱形状部材の各々を回転させながら前記光照射を行って前記樹脂層を硬化させるものであることを特徴とする円柱形状部材の製造方法。
  2. 前記樹脂層を硬化させる工程は、前記複数の円柱形状部材を前記光源の周囲を回転させながら前記樹脂層を硬化させるものであることを特徴とする請求項1に記載の円柱形状部材の製造方法。
  3. 円柱形状部材表面に形成された樹脂層を光照射して前記樹脂層を硬化させる工程を有する円柱形状部材の製造方法であって、
    前記樹脂層を硬化させる工程は、
    前記光照射を行う光源の周りに複数の円柱形状部材を配置させるとともに、
    前記複数の円柱形状部材を前記光源の周囲を回転させながら前記光照射を行って前記樹脂層を硬化させるものであることを特徴とする円柱形状部材の製造方法。
  4. 前記樹脂層を硬化させる工程は、前記複数の円柱形状部材の各々を回転させながら樹脂層を硬化させるものであることを特徴とする請求項3に記載の円柱形状部材の製造方法。
  5. 前記光源より最も遠く配置した円柱形状部材と光源との距離をLmax、
    前記光源よりも最も近く配置した円柱形状部材と光源との距離をLmin、
    前記光源と前記複数の円柱形状部材との平均距離をLaveとしたとき、
    (Lmax−Lmin)/Lave≦0.2
    の関係を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の円柱形状部材の製造方法。
  6. 前記円柱形状部材が、電子写真感光体に使用されるものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の円柱形状部材の製造方法。
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