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JP2009182073A - 多層基板 - Google Patents

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JP2009182073A
JP2009182073A JP2008018591A JP2008018591A JP2009182073A JP 2009182073 A JP2009182073 A JP 2009182073A JP 2008018591 A JP2008018591 A JP 2008018591A JP 2008018591 A JP2008018591 A JP 2008018591A JP 2009182073 A JP2009182073 A JP 2009182073A
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polyimide
polyimide film
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film
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JP2008018591A
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Atsushi Okamoto
淳 岡本
Tetsuo Okuyama
哲雄 奥山
Satoshi Maeda
郷司 前田
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

【課題】ポリイミドフィルムと無機基板とが積層された多層基板において、ポリイミドフィルムの剥がれが抑制でき、かつ生産性に優れた多層基板を提供する。
【解決手段】ポリイミドフィルムが接着剤を介して無機基板に積層された構成を有する多層基板において、前記ポリイミドフィルムが芳香族テトラカルボン酸類と芳香族ジアミン類とを反応させて得られるポリイミドを主成分とし、かつ線膨張係数が10ppm/℃以下であるポリイミドフィルムであり、前記接着剤の5%重量減少温度が400℃以上であり、かつ有機溶媒可溶性のポリイミドまたはポリアミドイミドであることを特徴とする多層基板。
【選択図】なし

Description

本発明は、セラミック基板やガラス基板などの無機基板をコアなどに用いた多層構造を有する多層基板に関し、さらに詳しくは、セラミック基板やガラス基板と耐熱フィルムとを、接着剤を用いて積層することにより絶縁層を形成してなる多層基板に関するものである。
ポリイミドフィルムは、その卓越した耐熱性や電気特性・機械的物性・寸法安定性などを有しているために、フレキシブルプリント配線板、TABテープ、半導体実装のための基材をはじめとする各種電子材料や産業機器、航空機などの高性能部品として広範な分野で用いられている。特に、昨今の高密度実装に伴う回路基板や半導体パッケージ用基材においては、信号伝送の高速化を図るために誘電率の低い絶縁樹脂を層間絶縁膜と使用することが主流となってきているが、ポリイミドはその代表的な絶縁材料の一つである。
通常、ポリイミドフィルムは、接着剤を用いて銅箔と貼り合わせたり、蒸着法、メッキ法、スパッタ法、又はキャスト法によりフィルム層と銅箔からなる積層板(銅箔付きポリイミドフィルム)に加工されたりして、フレキシブルプリント多層回路基板のベースフィルム(外層材や内層材)として使用される。多層基板の層間絶縁材として用いられる場合には、ポリイミドフィルム自体は、エポキシの半硬化シートのように接着性を持たないため、なんらかの接着剤と組み合わせて用いられる。
従来のポリイミドフィルムは表面の接着性に乏しいことが問題となっており、そのために接着剤を介して多層積層を行う場合、層間の接着信頼性が乏しく、そのままでは製品の不良が生じる原因となっていた。このため、ポリイミドフィルム表面の接着性を改善することを目的に、コロナ処理やプラズマ処理を施して使用することが提案されてきた。また、接着剤の選択が重要であり、ポリアミド樹脂とエポキシ樹脂を主構成成分とした接着剤を用いた技術が開示されている(特許文献1〜6参照)。
上記技術により、ポリイミドフィルムと銅箔との接着性は実用レベルが確保されたが、近年は、かかる多層基板の半導体パッケージ用基材用途への要求特性が高くなっており、従来のリードフレームを用いたICパッケージ同様の信頼性が求められるようになってきている。半導体パッケージの信頼性試験では高温高湿試験や冷熱衝撃試験など過酷な環境下での安定性が要求され、従来のポリイミドフィルム使用ではこれらの要求をクリアできないことが問題になってきている。
かかる問題に対処するために、温度による寸法変化を抑えた特定のポリイミドフィルムに関する提案がなされている(特許文献7参照)。
また、温度変化に対して安定した基板を提供することを目的とした、ガラス基板も提案されている(特許文献8参照)。
いずれの従来提案技術においても、温度変化に対する安定性は充分に到達されたものではなく、多層基板そのものの温度変化に対する安定と、温度変化による多層基板間の線膨張係数の相互乖離による剥がれなどに対する耐性が共に満足するものは得られていない。
また、今日半導体チップの配線は微細化しており、セラミック基板やガラス基板などの無機基板と接続する場合、微細パターンの描ける再配線層があることが望まれている。しかし、無機基板と物性の違う材料を貼りあわせた場合、この貼り合わせ部分での接続信頼性の低下、剥がれや浮き上がりなどが生じ実用となるものは無かった。
特開平 09−289229号公報 特開平 09−289231号公報 特開平 09−298220号公報 特開平 09−321094号公報 特開平 10−084018号公報 特開平 10−109070号公報 特表平 11−505184号公報 特開2003−204152号公報
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、絶縁層の厚み精度が高く、ひいては、伝送線路の特性インピーダンスが安定しており、温度サイクル下、および高温高湿度下での信頼性を兼ね備え、さらにセラミック基板やガラス基板などの無機基板との線膨張係数差が小さく、ベアチップ実装時の接続信頼性が高い、かつ接着剤がワニス状態で安定であり、そのため歩留まりが向上し、製造工程が簡略化でき(生産性が良い)、イミド化の必要がなく、絶縁層フィルムの品質が良く厚み斑が小さい多層基板を提供することを課題とするものである。
前記課題を解決した本発明は、下記の構成によるものである。
1. ポリイミドフィルムが接着剤を介して無機基板に積層された構成を有する多層基板において、前記ポリイミドフィルムが芳香族テトラカルボン酸類と芳香族ジアミン類とを反応させて得られるポリイミドを主成分とし、かつ線膨張係数が10ppm/℃以下であるポリイミドフィルムであり、前記接着剤の5%重量減少温度が400℃以上であり、かつ有機溶媒可溶性であるポリイミドまたはポリアミドイミドであることを特徴とする多層基板。
2. ポリイミドフィルムが、芳香族テトラカルボン酸無水物類とベンゾオキサゾール構造を有するジアミン類との縮合から得られるポリイミドベンゾオキサゾールを主成分とするポリイミドフィルムである前記1.に記載の多層基板。
3. 接着剤がベンゾフェノン構造を有する芳香族テトラカルボン酸類と芳香族ジアミン類とを反応させて得られるポリイミドを主成分とするものである前記1.又は2.に記載の多層基板。
4. 無機基板が、セラミック基板又はガラス基板である前記1.〜3.のいずれかに記載の多層基板。
本発明では、耐熱フィルムと無機基板とが積層された多層基板におけるフィルムとして、線膨張係数の低い特定構造のポリイミドフィルムを用いて、さらに特定接着剤を使用することで、多層基板を構成した場合の層間の位置精度が高く、高密度の配線を形成可能であり、またフィルムの弾性率が高く、通常のプロセス温度範囲内では熱変形を起こさないことから、プレスにより積層した場合でも、層間の厚み精度を一定に保つことが可能であり、結果として特性インピーダンスのバラツキが少ない良好な伝送線路を形成可能である。さらに多層基板そのものの温度変化に対する安定と、温度変化による多層基板間の線膨張係数の相互乖離による剥がれなどに対する耐性が共に満足するものであり、かつ接着剤がワニス状態で安定であり、そのため歩留まりが向上し、製造工程が簡略化でき(生産性が良い)、イミド化の必要がなく、絶縁層フィルムの品質が良く厚み斑が小さいものとなる。
本発明における低線膨張係数フィルムを無機基板と張り合わせた多層基板は、接続信頼性の高い基板を作製でき、無機基板上でのビルドアップ工法により従来回路基板より高い耐熱性を持つ充分な接着力も得られ、微細な配線、環境安定性、高信頼性を有する多層基板となる。
本発明におけるポリイミドフィルムは、芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリイミドフィルムであって、線膨張係数が10ppm/℃以下のポリイミドフィルムであれば、とくに限定されるものではないが、好ましくは下記の芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸(無水物)類との組み合わせが好ましい例として挙げられる。
A.ピロメリット酸残基を有する芳香族テトラカルボン酸類、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類との組み合わせ。
B.フェニレンジアミン骨格を有する芳香族ジアミン類とビフェニルテトラカルボン酸骨格を有する芳香族テトラカルボン酸類との組み合わせ。
中でも特にA.のベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン残基を有するポリイミドフィルムを製造するための組み合わせが好ましい。
本発明における特に好ましいポリイミドフィルムは、具体的にはベンゾオキサゾール構造を有するジアミン類と芳香族テトラカルボン酸無水物類の縮合により得られるポリイミドを主原料とするフィルムである。
一般にポリイミドは、溶媒中でジアミン類とテトラカルボン酸無水物を反応して得られるポリアミド酸溶液を、支持体に塗布・乾燥してグリーンフィルム(前駆体フィルム、またはポリアミド酸フィルムともいう)と成し、さらに支持体上で、あるいは支持体から剥がした状態でグリーンフィルムを高温熱処理することにより脱水閉環反応(イミド化)を行うことによって得られる。
前記のベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類としては、具体的には以下のものが挙げられ、該ジアミンは、単独であっても二種以上を用いることも可能である。
Figure 2009182073
Figure 2009182073
Figure 2009182073
Figure 2009182073
これらの中でも、合成のし易さの観点から、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールの各異性体が好ましい。ここで、「各異性体」とは、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールが有する2つアミノ基が配位位置に応じて定められる各異性体である(例;上記「化1」〜「化4」に記載の各化合物)。これらのジアミンは、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明で用いるポリイミドフィルムにおいては、前記ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミンを70モル%以上使用することが好ましい。
さらに、前記事項に限定されず下記の芳香族ジアミンを使用してもよいが、好ましくは全芳香族ジアミン類の30モル%未満であれば下記に例示される前記ベンゾオキサゾール構造を有しないジアミン類を一種または二種以上、併用してのポリイミドフィルムである。全ジアミン類の30モル%未満であれば下記に例示されるジアミン類を併用してのポリイミドフィルムであってもよい。
そのようなジアミン類としては、例えば、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、
3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、
1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノシ)フェニル]ブタン、2,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、
1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス[(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、
2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルフォン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−フルオロフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−シアノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−ビフェノキシベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、2,6−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾニトリルおよび上記芳香族ジアミンにおける芳香環上の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基またはアルコキシル基、シアノ基、またはアルキル基またはアルコキシル基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基またはアルコキシル基で置換された芳香族ジアミン等が挙げられる。
前記の芳香族テトラカルボン酸類は、例えば芳香族テトラカルボン酸無水物類である。芳香族テトラカルボン酸無水物類としては、具体的には、以下のものが挙げられるが、ポリイミド中で70モル%以上使用することが好ましく、特にピロメリット酸を70モル%以上使用することが好ましい。
Figure 2009182073
Figure 2009182073
これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
全テトラカルボン酸二無水物の30モル%未満であれば前記限定に係らず下記に例示される非芳香族のテトラカルボン酸二無水物類を一種または二種以上、併用しても構わない。そのようなテトラカルボン酸無水物としては、例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−エチルシクロヘキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
前記芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸(無水物)類とを反応(重合)させてポリアミド酸を得るときに用いる溶媒は、原料となるモノマーおよび生成するポリアミド酸のいずれをも溶解するものであれば特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックアミド、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、スルホラン、ハロゲン化フェノール類等があげられる。 これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。溶媒の使用量は、原料となるモノマーを溶解するのに十分な量であればよく、具体的な使用量としては、モノマーを溶解した溶液に占めるモノマーの質量が、通常5〜40質量%、好ましくは10〜30質量%となるような量が挙げられる。
ポリイミドまたは線状ポリアミド酸の分子末端を炭素−炭素二重結合を有する末端基で封止するために無水マレイン酸等を用いることが出来る。無水マレイン酸の使用量は、芳香族ジアミン成分1モル当たり0.001〜1.0モル比である。
ポリアミド酸溶液は、固形分を好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%を含有するものであって、またその粘度はブルックフィールド粘度計による測定で10〜2000Pa・s、好ましくは100〜1000Pa・sのものが、安定した送液が可能であることから好ましい。重合反応は、有機溶媒中で撹拌および/または混合しながら、0〜80℃の温度範囲で、10分〜30時間連続して進められるが、必要により重合反応を分割するなどして、温度を上下させてもかまわない。この場合に、両反応体の添加順序には特に制限はないが、芳香族ジアミン類の溶液中に芳香族テトラカルボン酸無水物類を添加するのが好ましい。
本発明で用いるポリイミドフィルムの製造方法としては、ポリアミド酸溶液を支持体にフィルム状に連続的に押し出し又は塗布し、次いで乾燥することにより得たグリーンフィルムを、前記支持体から剥離し、延伸、乾燥、熱処理することにより製造されるが、ポリアミド酸の有機溶媒からポリイミドフィルムを製造する代表的な方法としては、閉環触媒および脱水剤を含有しないポリイミド酸の有機溶媒溶液をスリット付き口金から支持体上に流延してフィルムに成形し、支持体上で加熱乾燥することにより自己支持性を有するグリーンフィルムにした後、支持体よりフィルムを剥離し、更に高温下で乾燥熱処理することによりイミド化する熱閉環法、および閉環触媒および脱水剤を含有せしめたポリド酸の有機溶媒をスリット付き口金から支持体上に流延してフィルム状に成形し、支持体上でイミド化を一部進行させて自己支持性を有するフィルムとした後、支持体よりフィルムを剥離し、加熱乾燥/イミド化し、熱処理を行う化学閉環法が挙げられる。
ポリイミドフィルム製造に用いる支持体としては、ポリアミド酸溶液をフィルム状に成形する際に用いられるドラムまたはベルト状回転体を用いることができる。ポリアミド酸溶液は支持体上に塗布され、加熱乾燥により自己支持性を与えられる。支持体の表面は金属、プラスチック、ガラス、磁器などが挙げられ、好ましくは金属であり、更に好ましくは錆びなくて耐腐食に優れるSUS材である。また、Cr、Ni、Snなどの金属メッキをしても良い。本発明における支持体表面は必要に応じて鏡面にすることや、あるいは梨地状に加工することができる。
本発明で用いるポリイミドフィルムは前記したように製造することができるが、これらのフィルムの線膨張係数は10ppm/℃以下であることが前記した理由により必須であり、好ましくは−2〜10ppm/℃、より好ましくは、−2〜8ppm/℃、さらに好ましくは−2〜6ppm/℃である。
本発明の多層基板に使用される接着剤としては、5%重量減少温度が400℃以上であり、かつ有機溶媒可溶性であるポリイミドまたはポリアミドイミドであることが必要である。接着剤が有機溶媒可溶性でないと、ポリアミド酸の状態で有機溶媒に溶解させ、基材に塗工し、その後高温加熱処理(イミド化)する工程が必要であるため、製造コストが高くなるばかりでなく、加熱処理後に欠点が発生し品質が低下する恐れがある。さらに、ポリアミド酸溶液は室温でもゆるやかにイミド化反応が進行するため、ワニス状態での安定性に問題がある。
本発明で用いる接着剤としては、例えば、熱可塑性ポリアミドイミド、熱可塑性ポリイミド、熱可塑性ポリイミドシロキサン、熱可塑性ポリアミドイミドシロキサンなどが挙げられ、またこれら樹脂の一種又は二種以上の樹脂ブレンドが挙げられるが、いずれも有機溶媒可溶性のもでなければならない。特に好ましくは、ベンゾフェノン構造を有する芳香族テトラカルボン酸類と芳香族ジアミン類とを反応させて得られるポリイミドを主成分とする有機溶媒可溶性のものである。
ポリイミドフィルムを接着剤を介して無機基板に積層する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、まず共押し出しによる方法、一方の層であるポリイミドフィルム上に接着剤層のポリイミドのポリアミド酸溶液を流延してこれをイミド化する方法、一方の層であるポリイミドフィルムの前駆体フィルム上に他方のポリイミドの前駆体フィルムを積層し共にイミド化する方法、ポリイミドフィルム層上にポリイミドのポリアミド酸溶液をスプレーコートなどで塗布してイミド化するなどして得た接着剤付き耐熱フィルム層を無機基板に積層する方法、無機基板に前記の接着剤を設けて後にポリイミドフィルムを積層する方法などが挙げられる。
本発明で用いる無機基板におけるガラス基板としては、従来公知のガラス基板が使用できるが、好ましくは感光性ガラスを用いた基板などが使用できる。セラミック基板としては従来公知のセラミック基板が使用でき、アルミナ、ジルコニア、ムライト、コディライト、ステアタイト、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素等のセラミックスからなるものが挙げられる。
また無機基板にスルーホール、導体回路や抵抗やインダクタ、コンデンサを設けたものであってもよい。なお、本発明の多層基板の作製方法は、上記に限定されるものではなく、ビルドアップ、一括積層などの方法も好ましい例として挙げられる。
以下、実施例および比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例における物性の評価方法は以下の通りである。
1.ポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドン(又は、N,N−ジメチルアセトアミド)に溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により30℃で測定した。
2.ポリイミドフィルムの厚さ
測定対象のポリイミドフィルムについて、マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定した。
3.ポリイミドフィルムの厚さ斑
測定対象のポリイミドフィルムについて、幅方向(TD)については、幅方向1cm間隔で全幅測定し、その間の平均厚さ及び最大厚さ、最小厚さを出し、下式を用いて計算した。また、長手方向(MD)については、長手方向5cm間隔で5m分測定し、その間の平均厚さ及び最大厚さ、最小厚さを出し、下式を用いて計算した。
厚さ斑(%)=((最大厚さ−最小厚さ)/平均厚さ)×100
4.ポリイミドフィルムの引張弾性率、引張破断強度、及び引張破断伸
測定対象のポリイミドフィルムについて、下記条件で引張破壊試験を行い、MD方向について、引張弾性率、引張破断強度および引張破断伸度を測定した。
装置名 : 島津製作所社製 オートグラフ
サンプル長さ : 100mm
サンプル幅 : 10mm
引張り速度 : 50mm/min
チャック間距離 : 40mm
5.ポリイミドフィルムの線膨張係数(CTE)
測定対象のポリイミドフィルムについて、下記条件にてMD方向およびTD方向の伸縮率を測定し、90〜100℃、100〜110℃、…と10℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を400℃まで行い、100℃から350℃までの全測定値の平均値をCTE(ppm/℃)として算出した。
装置名 : MACサイエンス社製 TMA4000S
サンプル長さ : 10mm
サンプル幅 : 2mm
昇温開始温度 : 25℃
昇温終了温度 : 400℃
昇温速度 : 5℃/min
雰囲気 : アルゴン
6.ポリイミドフィルムの吸水率
ポリイミドフィルムの吸水率は、フィルムを約10cm×10cmにカットして試験とし、試験片を150℃のドライオーブンにて1時間乾燥し、直後にその質量を測定し初期値とし、ついで25℃のイオン交換水に試験片を24時間入れ、その後に表面の水滴を十分に拭き取って再秤量し吸水値とした。下記式より吸水率を求めた。
吸水率=100×(吸水値−初期値)/(初期値) [質量%]
7.接着剤のガラス転移温度
測定対象の接着剤について、下記条件で粘弾性測定(DMA)を行い、tanδピークの最大値よりガラス転移温度(℃)を求めた。
装置名 : ユービーエム社製 Rheogel−E4000
冶具 : 伸張冶具
試料長さ : 14mm
試料幅 : 5mm
周波数 : 10Hz
昇温開始温度 : 30℃
昇温速度 : 5℃/min
雰囲気 : 窒素
8.接着剤の5%重量減少温度
測定対象の接着剤について、下記条件で熱天秤測定(TGA)を行い、試料の重量が5%減る温度を5%重量減少温度(℃)とした。
装置名 : MACサイエンス社製 TG−DTA2000S
パン : アルミパン(非気密型)
試料重量 : 10mg
昇温開始温度 : 30℃
昇温速度 : 20℃/min
雰囲気 : 窒素
9.剥離強度
サンプルの剥離強度は下記条件で180度剥離試験を行うことで求めた。
装置名 : 島津製作所社製 オートグラフAG−IS
サンプル長さ : 100mm
サンプル幅 : 10mm
測定温度 : 30℃
剥離速度 : 50mm/min
雰囲気 : 大気
〔製造例1〕
(ポリイミドフィルムAの作成)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール223質量部、N,N−ジメチルアセトアミド4416質量部を加えて完全に溶解させた後,コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(登録商標)DMAC−ST30(日産化学工業株式会社製)40.5質量部(シリカを8.1質量部含む)、ピロメリット酸二無水物217質量部を加え、25℃の反応温度で24時間攪拌すると、褐色で粘調なポリアミド酸溶液Aが得られた。この還元粘度は3.9dl/gであった。
このポリアミド酸溶液Aを、ポリエチレンテレフタレート製フィルムA−4100(東洋紡績株式会社製)の無滑剤面上に、コンマコーターを用いてコーティングし、110℃にて5分間乾燥後、支持体から剥がさずにポリアミド酸フィルムを巻き取った。ポリアミド酸フィルムを3つの熱処理ゾーンを有するピンテンターに通し、一段目150℃×2分間、2段目220℃×2分間、3段目475℃×4分間の熱処理を行い、テンター通過後20分間に6本のロールを通過させて両面フリーのプロセスを与え、最終的に500mm幅にスリットして、厚さ25μmのポリイミドフィルムAを得た。
得られたポリイミドフィルムAの物性値を表1に示す。
〔製造例2〕
(ポリイミドフィルムBの作成)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、ジアミノジフェニルエーテル200質量部、N−メチル−2−ピロリドン4170質量部を加えて完全に溶解させた後、コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(登録商標)DMAC−ST30(日産化学工業株式会社製)40.5質量部(シリカを8.1質量部含む)、ピロメリット酸二無水物217質量部を加え、25℃の反応温度で5時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液Bが得られた。この還元粘度は3.6dl/gであった。
このポリアミド酸溶液Bを、ポリエチレンテレフタレート製フィルムA−4100(東洋紡績株式会社製)の無滑剤面上に、コンマコーターを用いてコーティングし、110℃にて5分間乾燥後、支持体から剥がさずにポリアミド酸フィルムを巻き取った。ポリアミド酸フィルムを3つの熱処理ゾーンを有するピンテンターに通し、一段目150℃×2分間、2段目220℃×2分間、3段目400℃×4分間の熱処理を行い、テンター通過後20分間に6本のロールを通過させて両面フリーのプロセスを与え、最終的に500mm幅にスリットして、厚さ25μmのポリイミドフィルムBを得た。
得られたポリイミドフィルムBの物性値を表1に示す。
〔製造例3〕
(ポリイミドフィルムCの作成)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、フェニレンジアミン108質量部、N−メチル−2−ピロリドン4010質量部を加えて完全に溶解させた後、コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(登録商標)DMAC−ST30(日産化学工業株式会社製)40.5質量部(シリカを8.1質量部含む)と、ジフェニルテトラカルボン酸二無水物292.5質量部を加え、25℃の反応温度で12時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液Cが得られた。この還元粘度は4.3dl/gであった。
このポリアミド酸溶液Cを、ポリエチレンテレフタレート製フィルムA−4100(東洋紡績株式会社製)の無滑剤面上に、コンマコーターを用いてコーティングし、110℃にて5分間乾燥後、支持体から剥がさずにポリアミド酸フィルムを巻き取った。ポリアミド酸フィルムを3つの熱処理ゾーンを有するピンテンターに通し、一段目150℃×2分間、2段目220℃×2分間、3段目460℃×4分間の熱処理を行い、テンター通過後20分間に6本のロールを通過させて両面フリーのプロセスを与え、最終的に500mm幅にスリットして、厚さ25μmのポリイミドフィルムCを得た。
得られたポリイミドフィルムCの物性値を表1に示す。
Figure 2009182073
〔製造例4〕
(溶媒可溶ポリイミド系接着剤Aの調製)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、ベンゾフェノン−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸二無水物145g(0.45モル)、ピロメリト酸二無水物10.91g(0.05モル)、及びナトリウムメチレート0.2g(0.0037モル)をDMF597gに溶解した。反応混合物を80℃に加熱し、80%の2,4−異性体、及び20%の2,6−異性体からなるトルエンジイソシアネート87.08g(0.5モル)を、窒素雰囲気中、定速攪拌下に4時間かけて滴加した。その後、最終的重縮合溶液をCO発生が終了するまで80℃で1時間攪拌して、溶媒可溶ポリイミド系接着剤Aを得た。
得られた溶媒可溶ポリイミド系接着剤Aのポリマーのガラス転移温度は340℃、5%重量減少温度は450℃であった。
〔製造例5〕
(溶媒可溶ポリイミド系接着剤Bの調製)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、ポリエーテルイミド(ゼネラル・エレクトリック社製、商品名:Ultem1000)を20質量%になるようジメチルアセトアミドに溶解させ、ポリイミド系接着剤Bを得た。
得られたポリイミド系接着剤Bのポリマーのガラス転移温度は228℃、5%重量減少温度は506℃であった。
〔製造例6〕
(溶媒可溶ポリイミド系接着剤Cの調製)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物73.56g、ジアミノポリシロキサン88g、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン61.58g、及びN−メチル−2−ピロリドン1000gを仕込んだ。60℃で約2時間攪拌させた後、水を除去しながら200℃で3時間攪拌しながら反応させた。反応後、反応液を10リットル水中に添加して、ホモミキサ−を使用して30分間で析出させ、濾過によりポリマー粉末を単離した。このポリマー粉末について5リットルの2−プロパノ−ル中でホモミキサ−を使用して80℃で1時間洗浄を2回行い、120℃で5時間熱風乾燥後、120℃で24時間真空乾燥した後、テトラヒドロフランを加え、固形分濃度が20質量%の溶媒可溶ポリイミド系接着剤Cを得た。
得られた溶媒可溶ポリイミド系接着剤Cのポリマーのガラス転移温度は192℃、5%重量減少温度は495℃であった。
〔製造例7〕
(溶媒可溶ポリイミド系接着剤Dの調製)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物63.2g、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン63.57g、分子量が750のビス( 3−アミノプロピル)ポリメチルシロキサン 62.11g、及びキシレン315gを仕込んだ。150℃で約1時間反応させた後、水を除去しながら165℃で18時間攪拌しながら反応させた。反応後、減圧下で残存するキシレンを留去し、N−メチル−2−ピロリドンを加え、固形分濃度が20質量%の溶媒可溶ポリイミド系接着剤Dを得た。
得られた溶媒可溶ポリイミド系接着剤Dのポリマーのガラス転移温度は186℃、5%重量減少温度は366℃であった。
〔製造例8〕
(溶媒可溶ポリアミドイミド系接着剤Aの調製)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、トリメリット酸無水物190g、及びオキシジアニリンジイソシアネート250gを仕込み、さらにN−メチル−2−ピロリドンをポリマー濃度が40%となるように仕込んだ。120℃で約1時間反応させた後、180℃に昇温して5時間攪拌しながら反応させた。次に加熱を止め、冷却しながら、さらにN−メチル−2−ピロリドンを加え希釈して、固形分濃度が20質量%の溶媒可溶ポリアミドイミド系接着剤Aを得た。
得られた溶媒可溶ポリアミドイミド系接着剤Aのポリマーのガラス転移温度は290℃、5%重量減少温度は495℃であった。
〔製造例9〕
(溶媒可溶ポリアミドイミド系接着剤Bの調製)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、トリメリット酸無水物192g、o−トリジンジイソシアネート211g(80モル%)、2,4−トリレンジイソシアネート35g、及びトリエチレンジアミン1gを仕込み、さらにN−メチル−2−ピロリドンをポリマー濃度が40%となるように仕込んだ。120℃で約1時間反応させた後、さらに180℃で5時間攪拌しながら反応させた。次に加熱を止め、冷却しながら、さらにN−メチル−2−ピロリドンを加え希釈して、固形分濃度が20質量%の溶媒可溶ポリアミドイミド系接着剤Bを得た。
得られた溶媒可溶ポリアミドイミド系接着剤Bのポリマーのガラス転移温度は320℃、5%重量減少温度は485℃であった。
〔製造例10〕
(溶媒可溶ポリアミドイミド系接着剤Cの調製)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、トリメリット酸無水物190g、シクロヘキサンジカルボン酸172g、イソホロンジイソシアネート450g、及び末端アミノ基シリコン7.5gを仕込み、さらにN−メチル−2−ピロリドンをポリマー濃度が40%となるように仕込んだ。120℃で約1時間反応させた後、180℃に昇温して5時間攪拌しながら反応させた。次に加熱を止め、冷却しながら、さらにN−メチル−2−ピロリドンを加え希釈して、固形分濃度が20%の溶媒可溶ポリアミドイミド系接着剤Cを得た。
得られた溶媒可溶ポリアミドイミド系接着剤Cのポリマーのガラス転移温度は237℃、5%重量減少温度は360℃であった。
〔製造例11〕
(溶媒可溶ポリアミドイミド系接着剤Dの調製)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン49.3質量部、反応性シリコーンオイル:X−22−161−A(信越化学工業株式会社製)48.3質量部、無水トリメリット酸60.5質量部、及びN−メチル−2−ピロリドン474質量部を仕込んだ。80℃で30分間反応させた後、トルエン100mlを加えてから160℃に昇温し、2時間還流させた。さらに、190℃まで昇温しトルエンを除去した。その後、溶液を室温に戻し、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート45.1質量部を加え、190℃で2時間反応させ、さらにN−メチル−2−ピロリドンを加え希釈して、固形分濃度が20質量%の溶媒可溶ポリアミドイミド系接着剤Dを得た。
得られた溶媒可溶ポリアミドイミド系接着剤Dのポリマーのガラス転移温度は161℃、5%重量減少温度は373℃あった。
〔実施例1〕
ポリイミドフィルムA上の片面に、溶媒可溶ポリイミド系接着剤Aを塗布し、100℃にて1時間乾燥し、更にTg付近の温度(340℃)にて15分間加熱処理を行い、厚みが20μmとなるよう調整した。このポリイミドフィルムA/溶媒可溶ポリイミド系接着剤Aの2層品とセラミック基板(日本カーバイド工業社製、商品名:アルミナセラミック、厚さ1.0mm)を重ね合わせ、Tg+50℃(390℃)、10MPaにて15分間プレスを行い、テスト用多層基板1を得た。得られたテスト用多層基板を下記に従って評価した。その結果を表2に示す。
〔実施例2〕
ポリイミドフィルムCを使用する以外は、実施例1と同様にして、多層基板2を得た。得られたテスト用多層基板を下記に従って評価した。その結果を表2に示す。
〔実施例3〕
ガラス基板(コーニング社製、商品名:1737ガラス、厚さ1.0mm)を使用する以外は、実施例1と同様にして、多層基板3を得た。得られたテスト用多層基板を下記に従って評価した。その結果を表2に示す。
〔実施例4〜7〕
溶媒可溶ポリイミド系接着剤B、C、溶媒可溶ポリアミドイミド系接着剤A、Bを使用する以外は、実施例1と同様にして、多層基板4〜7を得た。得られたテスト用多層基板を下記に従って評価した。その結果を表3に示す。
〔比較例1〕
ポリイミドフィルムBを使用する以外は、実施例1と同様にして、多層基板8を得た。得られたテスト用多層基板を下記に従って評価した。その結果を表4に示す。
〔比較例2〜4〕
溶媒可溶ポリイミド系接着剤D、溶媒可溶ポリアミドイミド系接着剤C、Dを使用する以外は、実施例1と同様にして、多層基板9〜11を得た。得られたテスト用多層基板を下記に従って評価した。その結果を表4に示す。
《基板の評価》
得られたテスト用多層基板の加速試験を下記試験に供した。
上記で得られた、ポリイミドフィルム、接着剤、無機基板から成る各テストピースにつき、N雰囲気下で400℃1時間加熱処理した後の剥離強度を評価した。また、加熱処理後の品位も合わせて評価した。
なお、得られた剥離強度のうち5N/cm以上のものを○、1N/cm以上5N/cm未満のものを△、1N/cm未満のものを×とした。また、外観観察により、接着剤が変色しなかったものを○、茶色く変色したものを△、黒く変色したものを×とした。また、剥がれ,膨れの全く見られないものを○、剥がれ,膨れが僅か見られるものを△、剥がれ,膨れが見られるものを×とした。
Figure 2009182073
Figure 2009182073
Figure 2009182073
本発明の多層基板は、温度変化に対して安定化するとともに正確な値を維持することができ、ポリイミドフィルム層に導体回路が形成できるため細密回路が形成できるので、基板の実装密度が向上し小型化が可能となり、無機基板をその内部に有しているため多層基板としての湾曲が抑えられかつ、無機基板とポリイミドフィルム層との線膨張係数の乖離がなく、そのために多層基板の反りや基板内での剥がれなどが少ないため多層基板として極めて有用である。さらに接着剤がワニス状態で安定であり、そのため歩留まりが向上し、製造工程が簡略化でき(生産性が良い)、イミド化の必要がなく、絶縁層フィルムの品質が良く厚み斑が小さい多層基板を得ることができる。
さらに温度サイクル下、および高温高湿度下での接着信頼性を兼ね備え、さらに無機基板との線膨張係数差が小さく、ベアチップ実装時の接続信頼性が高いインターポーザ用多層基板を作製することが可能であり、産業上極めて有意義なものである。
無機基板のガスバリア性はきわめて高い為、ガスバリア性を必要とする用途にも最適となり、そこに接着した部分についても、ガス透過が少なくなり、きわめて高い信頼性を有することとなり、産業上極めて有意義なものである。

Claims (4)

  1. ポリイミドフィルムが接着剤を介して無機基板に積層された構成を有する多層基板において、前記ポリイミドフィルムが芳香族テトラカルボン酸類と芳香族ジアミン類とを反応させて得られるポリイミドを主成分とし、かつ線膨張係数が10ppm/℃以下であるポリイミドフィルムであり、前記接着剤の5%重量減少温度が400℃以上であり、かつ有機溶媒可溶性のポリイミドまたはポリアミドイミドであることを特徴とする多層基板。
  2. ポリイミドフィルムが、芳香族テトラカルボン酸無水物類とベンゾオキサゾール構造を有するジアミン類との縮合から得られるポリイミドベンゾオキサゾールを主成分とするポリイミドフィルムである請求項1に記載の多層基板。
  3. 接着剤が、ベンゾフェノン構造を有する芳香族テトラカルボン酸類と芳香族ジアミン類とを反応させて得られるポリイミドを主成分とするものである請求項1又は2に記載の多層基板。
  4. 無機基板が、セラミック基板又はガラス基板である請求項1〜3いずれかに記載の多層基板。
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