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JP2009174399A - 燃料噴射弁 - Google Patents

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JP2009174399A
JP2009174399A JP2008012930A JP2008012930A JP2009174399A JP 2009174399 A JP2009174399 A JP 2009174399A JP 2008012930 A JP2008012930 A JP 2008012930A JP 2008012930 A JP2008012930 A JP 2008012930A JP 2009174399 A JP2009174399 A JP 2009174399A
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JP2008012930A
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Yukio Yamaguchi
幸雄 山口
Takashi Makiyama
隆史 牧山
Kenta Hisada
健太 久田
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Denso Corp
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Abstract

【課題】使用時における燃料の噴射量特性の低下を抑制することができ、信頼性に優れた燃料噴射弁を提供すること。
【解決手段】インジェクタ(燃料噴射弁)1は、パイプ(収容部材)10と、コイルと、パイプ10の内周側に配設された固定コア21と、固定コア21と軸方向に対向して配設された可動コア22と、燃料を噴射する噴孔を開閉するニードル(弁部材)とを有し、固定コア21の上流側と可動コア22の下流側とを連通する燃料通路6を形成してなる。パイプ10の内周面11には、固定コア21の及び可動コア22の外周面212、222に沿った円弧状の面を有する円弧面111と、円弧面111から外方に凹んだ複数の凹溝112とが形成されている。パイプ10の凹溝112と可動コア21及び固定コア22の外周面212、222との間には、燃料通路6の一部を構成する溝燃料通路64が形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関等に燃料を噴射供給する燃料噴射弁に関する。
従来から、内燃機関等に燃料を噴射供給する燃料噴射弁が知られている(特許文献1等参照)。
燃料噴射弁は、例えば、円筒状の収容部材と、収容部材の外周側に配設されたコイルと、収容部材の内周側に配設された固定コアと、収容部材の内周側に固定コアと軸方向に対向して配設される可動コアと、可動コアと共に軸方向へ移動し、燃料を噴射する噴孔を開閉する弁部材とを有するものがある。そして、燃料噴射弁は、収容部材内に、固定コアの内部、弁部材の内部及び外部を含み、固定コアの上流側と可動コアの下流側とを連通する燃料通路を形成してなる。
特開2006−57572号公報
しかしながら、上記構造の燃料噴射弁は、次のような問題があった。
すなわち、燃料噴射弁の使用時において、コイルの温度は、通電による発熱や内燃機関からの受熱により上昇する。コイルの温度が上昇すると、抵抗が大きくなり、電流値が小さくなる。そのため、固定コアと可動コアとの間に発生する磁気吸引力が低下し、弁部材の応答性が悪化する。これにより、噴射量特性が低下するという問題が生じていた。また、燃料噴射弁が高温になると、燃料中にベーパー(エア)が発生し、そのベーパーが燃料通路の下流側に溜まって噴射量特性が低下するという問題も生じていた。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、使用時における燃料の噴射量特性の低下を抑制することができ、信頼性に優れた燃料噴射弁を提供しようとするものである。
本発明は、磁性材料からなる円筒状の収容部材と、該収容部材の外周側に配設されたコイルと、上記収容部材の内周側に配設された磁性材料からなる固定コアと、上記収容部材の内周側に上記固定コアと軸方向に対向して配設され、上記コイルへの通電によって上記固定コアとの間に発生する磁気吸引力により上記固定コアに吸引される磁性材料からなる可動コアと、該可動コアと共に軸方向へ移動し、燃料を噴射する噴孔を開閉する弁部材とを有し、上記収容部材内に上記固定コアの上流側と上記可動コアの下流側とを連通する燃料通路を形成してなる燃料噴射弁であって、
上記収容部材の内周面には、上記固定コア及び上記可動コアの外周面に沿った円弧状の面を有する円弧面と、該円弧面から外方に凹んだ1又は複数の凹溝とが形成されており、
上記収容部材の内周面における上記凹溝と上記固定コア及び上記可動コアの少なくともいずれか一方の外周面との間には、上記燃料通路の一部を構成する溝燃料通路が形成されていることを特徴とする燃料噴射弁にある(請求項1)。
本発明の燃料噴射弁は、上記収容部材の内周面における上記凹溝と上記固定コア及び上記可動コアの少なくともいずれか一方の外周面との間に、上記固定コアの上流側と上記可動コアの下流側とを連通する上記燃料通路の一部を構成する溝燃料通路を備えている。この溝燃料通路を備えていることにより、上記燃料噴射弁が高温となり発生した燃料中のベーパー(エア)が上記燃料通路の上流側へ抜け易くなる。そのため、上記燃料通路の下流側にベーパーが溜まり、噴射量特性が低下することを抑制することができる。
また、本発明では、上記溝燃料通路を上記収容部材の内周面における上記円弧面よりも外側に設けている。つまり、上記収容部材の外周側に配設された上記コイルに対して、より近い位置に上記溝燃料通路を設けている。そのため、上記溝燃料通路を流れる燃料によって上記コイルを冷却することができ、該コイルの温度上昇を抑制することができる。これにより、従来、上記コイルの温度上昇によって生じていた問題を回避することができ、噴射量特性の低下を抑制することができる。
また、上記固定コアは、通常、上記収容部材の内周側に圧入して固定される。そのため、上記溝燃料通路を上記収容部材の上記凹溝と上記固定コアの外周面との間に設けた場合には、上記収容部材と上記固定コアとの接触面積を小さくすることができる。これにより、上記固定コアにおける圧入荷重の低減等によって組み付けを容易にすることができるという効果も得られる。
また、上記収容部材が薄肉であったとしても、後述するように、該収容部材の外周面を外方に突出させる構成とすることによってリブ形状とすることができ、上記収容部材の剛性を高め、高精度の組み付けが可能となる。
このように、本発明によれば、使用時における燃料の噴射量特性の低下を抑制することができ、信頼性に優れた燃料噴射弁を提供することができる。
本発明において、上記燃料噴射弁は、上記コイルに通電されると、上記コイルによって発生した磁界により、磁性材料よりなる上記の収容部材、固定コア、可動コア等に形成された磁気回路に磁束が流れ、上記可動コアと上記固定コアとの間に磁気吸引力が発生するよう構成されている。そして、上記可動コアと上記固定コアとの間に発生した磁気吸引力により、上記可動コアが上記固定コアに吸引され、それに伴い上記弁部材が移動し、上記噴孔から燃料が噴射されるよう構成されている。
また、上記収容部材の内周面における上記凹溝と上記固定コア及び上記可動コアの両方の外周面との間には、上記溝燃料通路が形成されていることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記溝燃料通路は、上記固定コアの上流側と上記可動コアの下流側との間を上記固定コアの外周面と上記可動コアの外周面とを連続的に通るルートで連通する通路となる。そのため、燃料中のベーパーが上記燃料通路の上流側へより一層抜け易くなる。
なお、上記溝燃料通路は、上述のごとく、上記凹溝と上記固定コア及び上記可動コアの両方の外周面との間に設ける構成とすることが好ましいが、上記凹溝と上記固定コアの外周面との間のみ、又は上記凹溝と上記可動コアの外周面との間のみに設ける構成とすることもできる。
また、上記溝燃料通路は、上述のごとく、上記固定コアの上流側と上記可動コアの下流側との間を連通する通路となる。そのため、従来のように、上記固定コア及び上記可動コアの内部に上記燃料通路を設ける必要がなくなる。つまり、上記収容部材内における上記固定コア及び上記可動コアが配設されている部分の上記燃料通路を上記溝燃料通路によって確保することができる。これにより、上記固定コア及び上記可動コアの内部に上記燃料通路を形成するために行っていた加工を不要とすることができ、生産性の向上及びコスト低減を図ることができる。
また、上記収容部材における上記固定コアを収容している部分の外周面には、上記コイルへの通電により上記収容部材及び上記固定コアと共に磁気回路を形成する磁気回路形成部材が配設されており、
上記溝燃料通路は、上記収容部材を介して上記磁気回路形成部材と対向しない位置に形成されていることが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記溝燃料通路と上記磁気回路形成部材とが上記収容部材を介して対向する位置に配置されないようにすることにより、隣接する上記固定コア、上記収容部材及び上記磁気回路形成部材によって形成される磁気回路において磁気損失を抑制することができる。これにより、磁気特性を充分に確保した上で、上記溝燃料通路を設けたことによる効果を得ることができる。
また、上記凹溝及び上記溝燃料通路を形成する位置や個数は、使用状況等に合わせて変更することができる。
また、上記凹溝及び上記溝燃料通路の形状も、様々な形状を採用することができる。例えば、軸方向に直線状に設けることもできるし、螺旋状に設けることもできる。
また、上記収容部材は、上記凹溝が形成されている部分に対応する外周面において、該外周面を外方に突出させてなる突出部を有することが好ましい(請求項4)。
この場合には、上記収容部材の上記突出部をリブ形状とすることができる。そのため、上記収容部材の剛性を高めることができ、高精度の組み付けが可能となる。
また、上記収容部材の外周面に上記突出部を形成することにより、上記収容部材の外周面に段差が生じるため、その段差を利用して上記収容部材に対して組み付ける部材の位置決めを行うことができる。例えば、上記突出部の軸方向端面を上記収容部材に対して組み付ける部材の当接面(座)として利用することにより、その部材の位置決めが容易となり、組み付けを高精度に行うことができる。
また、上記収容部材の内周面における上記凹溝は、例えば、上記収容部材の一部をプレス加工等により外方へ変形させることによって内周面を凹ませて形成することができる。このとき、上記収容部材の外周面には、該外周面を外方に突出させてなる上記突出部が形成される。
そして、上記のような突出部を設ける構成は、上記収容部材が比較的厚みが小さい薄肉タイプの場合に特に有効である。例えば、上記収容部材の厚みが0.1〜0.3mmの場合に有効である(請求項5)。
薄肉タイプの上記収容部材では、上記固定コアの組み付けに対して充分な剛性を確保しなければならない。そのため、上記凹溝をプレス加工等により形成し、剛性を高めておくことが好ましい。
なお、上記収容部材の厚みが0.1mm未満の場合には、上記突出部を設ける構成とした場合でも、上記収容部材の剛性を充分に確保することができなくなり、該収容部材内への上記固定コアの組み付けが困難となるおそれがある。
また、上記収容部材の厚みが0.3mmを超える厚肉タイプの上記収容部材では、剛性を充分に確保することができるため、上記凹溝をプレス加工等により形成してもよいし、上記収容部材を変形させることなく、その内周面を切削加工等することにより形成してもよい。
なお、上記収容部材の厚みが0.7mmを超える場合には、上記収容部材へ流れる磁束が増え、上記可動コアへの磁束の流れが減るため、磁気特性が低下するおそれがある
(実施例1)
本発明の実施例にかかる燃料噴射弁(以下、インジェクタという)について、図1〜図3を用いて説明する。
本例のインジェクタ1は、図1に示すごとく、例えばポート噴射式のガソリンエンジンに適用される。インジェクタ1は、図示しないエンジンヘッドに搭載される。なお、インジェクタ1は、ポート噴射式のガソリンエンジンに限らず、直噴式のガソリンエンジン等に適用してもよい。
また、本例のインジェクタ1においては、噴孔34が設けられている側を先端側(燃料に関しては下流側)、その反対側を後端側(上流側)とする。
同図に示すごとく、インジェクタ1は、筒状のパイプ(収容部材)10を備えている。パイプ10は、磁性材料により形成されている。また、パイプ10は、厚みが0.1〜0.3mmである薄肉タイプのものである。
パイプ10の内周側には、固定コア21が圧入により収容されている。固定コア21は、磁性材料により筒状に形成されている。固定コア21の内周側には、後述するアジャスティングパイプ28及びスプリング26が収容されている。
パイプ10の後端部102の開口端には、燃料入口191が形成されている。燃料入口191には、図示しない燃料ポンプにより燃料タンクから燃料が供給される。
また、パイプ10の後端部102の内周側には、燃料に含まれる異物を除去するためのフィルタ部材18が配設されている。
パイプ10の先端部101には、ノズルボディ31が収容されている。ノズルボディ31は、筒状に形成され、例えば圧入、溶接等によりパイプ10の先端部101に固定されている。
ノズルボディ31は、先端に近づくにつれて内径が小さくなる円錐状の内壁面に弁座32を有している。ノズルボディ31の先端部311には、噴孔プレート33が配設されている。また、噴孔プレート33には、噴孔34が形成されている。噴孔34は、噴孔プレート33の内側と外側とを連通して設けられている。噴孔34は、単数又は複数のいずれであってもよい。
パイプ10の内周側には、可動コア22が収容されている。可動コア22は、磁性材料により筒状に形成されている。可動コア22は、パイプ10の内周側を軸方向へ往復移動可能である。
また、パイプ10及びノズルボディ31の内周側には、ニードル(弁部材)40が軸方向へ往復移動可能に収容されている。ニードル40は、ノズルボディ31と同軸上に配置されている。ニードル40は、後端部が可動コア22に接合されている。そのため、可動コア22及びニードル40は、一体的に軸方向に往復移動可能である。ニードル40は、先端部にシール部42を有している。シール部42は、ノズルボディ31の弁座32に着座可能である。
また、ニードル40は、後端部において弾性部材であるスプリング26と接している。スプリング26は、一方の端部がニードル40の後端部に接しており、他方の端部がアジャスティングパイプ28に接している。なお、上記弾性部材は、スプリングに限らず、例えば板ばね、又は気体や液体のダンパ等を適用可能である。
また、同図に示すごとく、アジャスティングパイプ28は、上述のごとく、固定コア21の内周側に圧入されている。アジャスティングパイプ28の圧入量を調整することにより、スプリング26の荷重は調整される。スプリング26は、軸方向へ伸びる力を有している。そのため、一体のニードル40及び可動コア22は、スプリング26によりシール部42が弁座32に着座する方向へ押し付けられている。
また、同図に示すごとく、パイプ10の外周側には、コイル51が配設されている。コイル51は、樹脂よりなる筒状に形成されたスプール52に巻かれている。コイル51は、樹脂よりなるコイル樹脂モールド53によって覆われている。
コイル51の先端側及び外周側には、ハウジングホルダー14が配設されている。また、コイル51の後端側には、ハウジングプレート(磁気回路形成部材)15が配設されている。ハウジングプレート15は、パイプ10における固定コア21を収容している部分の外周側に隣接して配設されている。コイル51は、ハウジングホルダー14及びハウジングプレート15によってパイプ10の外周側に保持されている。
また、パイプ10、ハウジングホルダー14及びハウジングプレート15は、樹脂よりなる樹脂モールド54によって覆われている。コイル51は、配線部材55により電気コネクタ56のターミナル57と接続している。電気コネクタ56は、樹脂モールド54と一体に形成されている。
また、ハウジングホルダー14及びハウジングプレート15は、磁性材料により筒状に形成されており、コイル51への通電によりパイプ10、可動コア22及び固定コア21と共に磁気回路を形成する。
また、同図に示すごとく、インジェクタ1は、パイプ10内に固定コア21の上流側と可動コア22の下流側とを連通する燃料通路6を有する。
本例では、燃料通路6は、固定コア21の上流側にある上流側燃料通路61と、アジャスティングパイプ28の内周側、固定コア21の内周側、可動コア22の内周側及びニードル40の内部を連通して形成された通常燃料通路62と、可動コア22の下流側にあり、ニードル40とノズルボディ31との間に形成された下流側燃料通路63とを有する。
そして、本例においては、図3(a)〜(c)に示すごとく、円筒状のパイプ10の内周面11には、パイプ10の内周側に配設する固定コア21の外周面212及び可動コア22の外周面222に沿った円弧状の面を有する円弧面111と、円弧面111から外方に凹んだ凹溝112とが形成されている。凹溝112は、パイプ10における固定コア21及び可動コア22を収容する部分において、軸方向に直線状に2箇所設けられている。
また、同図に示すごとく、パイプ10は、凹溝112が形成されている部分に対応する外周面12において、外周面12を外方に突出させてなる突出部121を有する。
本例では、パイプ10の一部をプレス加工により外方へ変形させることによって内周面11を凹ませて凹溝112を形成すると同時に、パイプ10の外周面12に突出部121を形成してある。
また、図2に示すごとく、パイプ10の内周面11における凹溝112と固定コア21の外周面212及び可動コア22の外周面222との間には、燃料通路6の一部を構成する溝燃料通路64が形成されている。すなわち、本例のインジェクタ1は、燃料通路6として、上流側燃料通路61、通常燃料通路62、下流燃料通路63に加えて、さらに溝燃料通路64を有している。溝燃料通路64は、パイプ10を介してハウジングプレート15と対向しない位置に形成されている。
また、図1に示すごとく、溝燃料通路64は、上流側燃料通路61と下流側燃料通路63との間を連通するように設けられている。
なお、本例において、図2は、図1のA−A線断面を示した図であるが、コイル51、スプール52、コイル樹脂モールド53、樹脂モールド54等を省略してある。後述の図5、図6、図8、図10も同様である。
次に、上記構成のインジェクタ1の作動について説明する。
コイル51への通電が停止されているとき、固定コア21と可動コア22との間には磁気吸引力は発生しない。そのため、可動コア22はスプリング26の押し付け力により固定コア21から離れている。その結果、コイル51への通電が停止されているとき、ニードル40のシール部42は弁座32に着座している(閉弁状態)。よって、燃料は噴孔34から噴射されない。
コイル51に通電されると、コイル51に発生した磁界によりハウジングホルダー14、パイプ10、可動コア22、固定コア21及びハウジングプレート15に形成された磁気回路に磁束が流れる。そのため、互いに離れている固定コア21と可動コア22との間には磁気吸引力が発生する。これにより、固定コア21と可動コア22との間に発生する磁気吸引力がスプリング26の押し付け力よりも大きくなると、一体の可動コア22及びニードル40は固定コア21方向へ移動する。その結果、ニードル40のシール部42は弁座32から離座する(開弁状態)。
パイプ10の燃料入口191から流入した燃料は、フィルタ部材18、上流側燃料通路61、通常燃料通路62を経由し、燃料孔45からニードル40の外側の下流側燃料通路63へ流入する。また、本例では、上流側燃料通路61から溝燃料通路64を経由して下流側燃料通路63へも流入する。そして、下流側燃料通路63に流入した燃料は、弁座32から離座したニードル40とノズルボディ31との間を経由して噴孔プレート33の噴孔34から噴射される。
コイル51への通電を停止すると、固定コア21と可動コア22との間の磁気吸引力は消滅する。これにより、一体の可動コア22及びニードル40は、スプリング26の押し付け力により固定コア21とは反対方向へ移動する。その結果、ニードル40のシール部42は再び弁座32に着座する(閉弁状態)。よって、噴孔34からの燃料の噴射は終了する。
次に、本例のインジェクタ(燃料噴射弁)1における作用効果について説明する。
本例のインジェクタ1は、パイプ10の内周面11における凹溝112と固定コア21の外周面212及び可動コア21の外周面222の少なくともいずれか一方との間に固定コア21の上流側と可動コア22の下流側とを連通する燃料通路6の一部を構成する溝燃料通路64を備えている。溝燃料通路64を備えていることにより、インジェクタ1が高温となり発生した燃料中のベーパー(エア)が燃料通路6の上流側へ抜け易くなる。そのため、燃料通路6の下流側にベーパーが溜まり、噴射量特性が低下することを抑制することができる。
また、本例では、溝燃料通路64をパイプ10の内周面11における円弧面111よりも外側に設けている。つまり、パイプ10の外周側に配設されたコイル51に対して、より近い位置に溝燃料通路64を設けている。そのため、溝燃料通路64を流れる燃料によってコイル51を冷却することができ、コイル51の温度上昇を抑制することができる。これにより、従来、コイル51の温度上昇によって生じていた問題を回避することができ、噴射量特性の低下を抑制することができる。
また、固定コア21は、通常、パイプ10の内周側に圧入して固定される。そのため、本例のように、溝燃料通路64をパイプ10の凹溝112と固定コア22の外周面222との間に設けた場合には、パイプ10と固定コア21との接触面積を小さくすることができる。これにより、固定コア21における圧入荷重を低減することができ、固定コア21の組み付けを高精度に行うことができる。
また、本例のように、薄肉タイプのパイプ10であったとしても、パイプ10の外周面12を外方に突出させる構成とすることによってリブ形状とすることができ、パイプ10の剛性を高め、高精度の組み付けが可能となる。
また、本例では、パイプ10の内周面11における凹溝112と固定コア21の外周面212及び可動コア22の外周面222との間には、溝燃料通路64が形成されている。そのため、溝燃料通路64は、固定コア21の上流側と可動コア22の下流側との間を固定コア21の外周面212と可動コア22の外周面222とを連続的に通るルートで連通する通路となる。そのため、燃料中のベーパーが燃料通路6の上流側へより一層抜け易くなる。
また、パイプ10における固定コア21を収容している部分の外周側には、コイル51への通電によりパイプ10及び固定コア21と共に磁気回路を形成する磁気回路形成部材としてのハウジングプレート15が配設されており、溝燃料通路64は、パイプ10を介してハウジングプレート15と対向しない位置に形成されている。すなわち、溝燃料通路64とハウジングプレート15とがパイプ10を介して対向する位置に配置されないようにすることにより、隣接する固定コア21、パイプ10及びハウジングプレート15によって形成される磁気回路において生じる磁気損失を抑制することができる。これにより、磁気特性を充分に確保した上で、溝燃料通路64を設けたことによる効果を得ることができる。
また、パイプ10は、凹溝112が形成されている部分に対応する外周面12において、外周面12を外方に突出させてなる突出部121を有する。そのため、上述したように、パイプ10の突出部121をリブ形状とすることができる。これにより、パイプ10の剛性を高めることができ、高精度の組み付けが可能となる。
また、パイプ10の外周面12に突出部121を形成することにより、パイプ10の外周面12に段差が生じる。そのため、突出部12の軸方向端面をパイプ10に対して組み付ける部材、例えばハウジングホルダー14の当接面(座)として利用することにより、パイプ10に対するハウジングホルダー14の位置決めが容易となり、組み付けを高精度に行うことができる。
また、パイプ10は、厚みが0.1〜0.3mmの範囲内にある薄肉タイプのものである。薄肉タイプのパイプ10では、固定コア21の組み付けに対して充分な剛性を確保しなければならない。そのため、本例のように、凹溝112をプレス加工等により形成し、パイプ10の剛性を高めておくことにより、パイプ10の内周側に固定コア21を容易かつ高精度に組み付けることができる。
このように、本例によれば、使用時における燃料の噴射量特性の低下を抑制することができ、信頼性に優れたインジェクタ(燃料噴射弁)を提供することができる。
(実施例2)
本例は、実施例1のインジェクタ1において、燃料通路6の溝燃料通路64の構成を変更した例である。
本例では、図4〜図6に示すごとく、凹溝112は、パイプ10における固定コア21及び可動コア22を収容する部分においては、軸方向に直線状に2箇所設けられている。なお、図4、図6に示すごとく、パイプ10における固定コア21の先端部を収容する部分においては、周方向全周に渡って帯状間隙113が設けられている。
そして、図4に示すごとく、パイプ10の内周面11における凹溝112と固定コア21の外周面212及び可動コア22の外周面222との間に形成された溝燃料通路64は、上流側燃料通路61と下流側燃料通路63との間を連通するように設けられている。また、溝燃料通路64は、帯状間隙113に連通しており、帯状間隙113は、燃料通路6の一部として構成されている。
その他は、実施例1と同様の構成であり、同様の作用効果を有する。
(実施例3)
本例は、実施例1のインジェクタ1において、燃料通路6の構成を変更した例である。
本例では、図7、図8に示すごとく、実施例1と異なり、アジャスティングパイプ28、固定コア21及びニードル40の内部に、通常燃料通路62を形成する縦孔が設けられていない。また、ニードル40の燃料孔45も設けられていない。すなわち、本例のインジェクタ1は、燃料通路6の通常燃料通路62が設けられていない。
その他は、実施例1と同様の構成である。
本例の場合には、アジャスティングパイプ28、可動コア22及びニードル40の内部に燃料通路6(通常燃料通路62)を形成するために行っていた孔加工を不要とすることができ、生産性の向上及びコスト低減を図ることができる。なお、上流側燃料通路61と下流側燃料通路63との間の燃料の流通は、溝燃料通路64を設けたことによって充分に確保することができる。
その他は、実施例1と同様の作用効果を有する。
(実施例4)
本例は、実施例1のインジェクタ1において、パイプ10の凹溝112の構成を変更した例である。
本例では、図9に示すごとく、パイプ10は、厚みが0.7mmである厚肉タイプのものである。パイプ10は、第1磁性部10a、非磁性部10b及び第2磁性部10cにより構成されており、例えばレーザ溶接等により一体的に接続されている。
第1磁性部10a及び第2磁性部10cは、磁性材料により筒状に形成されている。また、非磁性部10bは、非磁性材料により筒状に形成されている。非磁性部10bは、磁性材料により形成されている第1磁性部10aと第2磁性部10cとの間の磁気的な短絡を防止している。
また、図10に示すごとく、パイプ10の内周面11には、円弧面111と凹溝112とが形成されている。凹溝112は、実施例1と異なり、パイプ10を変形させることなく、その内周面11を切削加工することによって形成されている。
その他は、実施例1と同様の構成である。
本例の場合には、パイプ10は、厚みが0.3mm超え0.7mm以下の厚肉タイプである。そのため、パイプ10の内周面11を切削加工して凹溝112を形成しても、パイプ10の剛性を充分に確保することができる。これにより、固定コア21の組み付けを高精度に行うことができる。
その他は、実施例1と同様の作用効果を有する。
(実施例5)
本例は、実施例1のインジェクタ1において、パイプ10の凹溝112の形状を変更した例である。
本例では、図11、図12に示すごとく、パイプ10の内周面11には、円弧面111と凹溝112とが形成されている。凹溝112は、軸方向に螺旋状に設けられている。
なお、図11は、パイプ10が薄肉タイプのものであり、凹溝112がプレス加工により形成されている。また、図12は、パイプ10が厚肉タイプのものであり、凹溝112が切削加工等により形成されている。
その他は、実施例1と同様の構成であり、同様の作用効果を有する。
実施例1における、インジェクタの構造を示す説明図。 図1のA−A線断面を示す説明図。 実施例1における、(a)パイプの外周面を示す説明図、(b)(a)のB−B線断面を示す説明図、(c)(b)のC−C線断面を示す説明図。 実施例2における、インジェクタの構造を示す説明図。 図4のD−D線断面を示す説明図。 図4のE−E線断面を示す説明図。 実施例3における、インジェクタの構造を示す説明図。 図7のF−F線断面を示す説明図。 実施例4における、インジェクタの構造を示す説明図。 図9のG−G線断面を示す説明図。 実施例5における、螺旋状の凹溝が形成されたパイプを示す説明図。 実施例5における、螺旋状の凹溝が形成されたパイプを示す説明図。
符号の説明
1 インジェクタ(燃料噴射弁)
10 パイプ(収容部材)
11 内周面
111 円弧面
112 凹溝
21 固定コア
212 外周面(固定コアの外周面)
22 可動コア
222 外周面(可動コアの外周面)
6 燃料通路
64 溝燃料通路

Claims (5)

  1. 磁性材料からなる円筒状の収容部材と、該収容部材の外周側に配設されたコイルと、上記収容部材の内周側に配設された磁性材料からなる固定コアと、上記収容部材の内周側に上記固定コアと軸方向に対向して配設され、上記コイルへの通電によって上記固定コアとの間に発生する磁気吸引力により上記固定コアに吸引される磁性材料からなる可動コアと、該可動コアと共に軸方向へ移動し、燃料を噴射する噴孔を開閉する弁部材とを有し、上記収容部材内に上記固定コアの上流側と上記可動コアの下流側とを連通する燃料通路を形成してなる燃料噴射弁であって、
    上記収容部材の内周面には、上記固定コア及び上記可動コアの外周面に沿った円弧状の面を有する円弧面と、該円弧面から外方に凹んだ1又は複数の凹溝とが形成されており、
    上記収容部材の内周面における上記凹溝と上記固定コア及び上記可動コアの少なくともいずれか一方の外周面との間には、上記燃料通路の一部を構成する溝燃料通路が形成されていることを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 請求項1において、上記収容部材の内周面における上記凹溝と上記固定コア及び上記可動コアの両方の外周面との間には、上記溝燃料通路が形成されていることを特徴とする燃料噴射弁。
  3. 請求項1又は2において、上記収容部材における上記固定コアを収容している部分の外周面には、上記コイルへの通電により上記収容部材及び上記固定コアと共に磁気回路を形成する磁気回路形成部材が配設されており、
    上記溝燃料通路は、上記収容部材を介して上記磁気回路形成部材と対向しない位置に形成されていることを特徴とする燃料噴射弁。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、上記収容部材は、上記凹溝が形成されている部分に対応する外周面において、該外周面を外方に突出させてなる突出部を有することを特徴とする燃料噴射弁。
  5. 請求項4において、上記収容部材の厚みは、0.1〜0.3mmであることを特徴とする燃料噴射弁。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014163278A (ja) * 2013-02-25 2014-09-08 Denso Corp 燃料噴射制御装置および燃料噴射システム

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