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JP2009172453A - 浮上物除去装置 - Google Patents

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JP2009172453A
JP2009172453A JP2008010563A JP2008010563A JP2009172453A JP 2009172453 A JP2009172453 A JP 2009172453A JP 2008010563 A JP2008010563 A JP 2008010563A JP 2008010563 A JP2008010563 A JP 2008010563A JP 2009172453 A JP2009172453 A JP 2009172453A
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Yoshikazu Kawaguchi
義和 川口
Kiyoji Okano
紀代司 岡野
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OKANO KIKO KK
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OKANO KIKO KK
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Abstract

【課題】切削液等の被処理液中に含まれる浮上物等の軽いものを確実に分離回収できる浮上物除去装置を提供することにある。
【解決手段】浮上物除去装置10は、テーパ状に形成されているサイクロン室12と、流入口13と、排出口14とを有するサイクロン式容器11を備えている。浮上物除去装置10は、さらに、流入口13に接続される供給路15と、浮上物回収タンク部16と、浮上物導入部と、流れ促進部と、浮上物回収タンク部16に開口された浮上物回収口とを備えている。サイクロン式容器11の上側に存在する被処理液の中の浮上物fを浮上物回収タンク部16に回収する。
【選択図】図1

Description

本発明は、被処理液の流れの中にある数ミクロ単位の切屑や油分等の浮上物を除去する浮上物除去装置に関するものである。特に、本発明は、機械加工機等の切削液等に含まれる軽い加工屑や軽い油分を除去するための浮上物除去装置に関するものである。
従来より、工作機械の切削作業時には、機械の摺動部分の潤滑のためや機械の温度上昇を抑制するための水溶性の切削液やクーラントを用いている。そして、切削作業後に、フィルタ等で大きな切削屑を除去した後、切削液とクーラントとが混ざった被処理液が処理タンクに回収される。この回収された被処理液は、一般的に、加工機の循環経路の途中に設けられたフィルタ装置によって回収・除去されている。
フィルタ装置としては、ペーパーフィルタやバグフィルタやカートリッジフィルタ等の膜を用いたろ過式のものや加工屑を沈降させる沈降式のもの等がある。
しかし、ろ過装置は、使用時間が長くなるに従って、加工屑の粒体によってフィルタ膜が目詰まりを起こすので、定期的にあるいは不定期に、フィルタ装置を分解して、フィルタ膜を洗浄するか又は交換する必要があり、メンテナンスに費用がかかる、メンテナンスが面倒である等の問題を有している。また、沈殿式濃縮装置(シックナー)は、装置が大型になる、設備費が高い、微粒子を沈降させるのに時間がかかる等の問題を有している。
ところで、微粒子を捕集するために、遠心力を利用したサイクロンが広く利用されている。
乾式サイクロンでは一般に5μm以上の微粒子が、湿式サイクロンでは一般に10μm以上の微粒子が、それぞれ捕集されている。したがって、大略10μmより粒子径の小さな微粒子を捕集するためには、サイクロンの入口速度を大幅にアップさせる必要がある。しかしながら、入口速度が大きくなるに従って、圧力損失が大きくなるので、エネルギー的に見て無駄の多い現実性の乏しいシステムとなってしまう。
特に、切削加工や研削加工に使用される切削液では、切削液中に含まれる加工屑を完全に除去する必要がある。特に、切削加工や研削加工の切削屑には高硬度の切粉があり、この切粉が切削液に含まれたままであると、被加工物にスクラッチなどの傷を発生させる元となる。この切粉は平均10μm以下のものが多く、サイクロン処理装置では分離できない。そのために、現場では、フィルタと組み合わせ等の対応をしているが、十分でなく、更に別の対策が強く望まれていた。
対策の1例として、磁性粒子の回収方法として、サイクロン式処理装置の側壁の外側に磁石を配設して、この磁石を直径方向或いは、上下方向に移動させて、磁力が作用する状態と作用しなくなる状態とにすることで、サイクロン式処理装置内の磁性スラッジを吸着させて、その後吸着した磁性スラッジを側壁から離してサイクロン式処理装置から排出することが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2005−21835号公報
しかしながら、上記特許文献1に示すものでは、遠心力で半径方向外側に集約する重いものであって、磁石で吸着できる切削屑等しか吸着できず、比重の軽い切削屑や油分等は、上記サイクロン式処理装置では分離除去されずに、クリーン液と共に回収される結果となっている。その上、サイクロン式処理装置の側壁の外側に配設した永久磁石を直径方向外側に移動させるために、即ち、サイクロン処理容器から離れる方向に動かすために、磁力に逆らった大きな力が必要であり、設備が大掛かりとなるばかりでなく、サイクロン処理容器の側壁内面に吸着した磁性粒子を効果的に分離除去できないという問題を有する。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、切削液等の被処理液中に含まれる浮上物等の軽いものを確実に分離回収できる浮上物除去装置を提供することにある。
上述した目的を達成するため、本発明は、サイクロン式容器の上側スペースにおいて被処理液の上昇流を発生させ、被処理液中の浮上物を積極的に浮上させるようにした。
具体的に、請求項1の発明は、被処理液に含まれる浮上物を浮上させて除去する浮上物除去装置であって、下方に向かうほど横断面積が狭くなるテーパ状に形成されているサイクロン室と、該サイクロン室の上方に開口し、被処理液が軸直交する接線方向から導入される流入口と、下端部に排出口とを備えるサイクロン式容器と、一端が前記流入口に接続され、他端から流入させた被処理液を前記流入口を通して該サイクロン室内に供給する供給路と、前記サイクロン式容器の上方に配設され、前記サイクロン式容器の上側に存在する浮上物を回収する浮上物回収タンク部と、前記浮上物回収タンク部の下端部に配設され、前記浮上物を通過させる複数の孔が形成された浮上物導入部と、前記浮上物導入部の下面側で該複数の孔に接近して配設され、該浮上物の上方への流れを促進する流れ促進部と、前記浮上物回収タンク部に開口された浮上物回収口とを備え、該サイクロン式容器の上側に存在する被処理液の中の浮上物を該浮上物回収タンク部に回収することを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の浮上物除去装置において、浮上物導入部が、浮上物回収タンク部とサイクロン式容器とを仕切る仕切板からなり、流れ促進部が、仕切板の下方に存在する被処理液が複数の孔を通って上昇方向への流れになるようにさせる傾斜板からなることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の浮上物除去装置において、複数の孔が半径方向に向いたスリット状のスリット孔からなることを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項2または3に記載の浮上物除去装置において、傾斜板は、流入口からサイクロン式容器に供給される被処理液で生じるサイクロン室内の被処理液の回転方向の流れに対して衝突する方向であって、衝突した被処理液が上方に向くように傾斜して配設されていることを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項4に記載の浮上物除去装置において、傾斜板は、仕切板に形成したスリット孔の一方の側壁を切り起こして形成されていることを特徴とするものである。
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の浮上物除去装置において、浮上物導入部よりも上方位置で浮上物回収タンク部に開口した連通口と、一端が連通口に接続され、他端が供給路に接続された連通路とを備え、供給路内を被処理液が流通することで生じる連通路の一端側と他端側との圧力差により、浮上物回収タンク部内の連通口近傍の被処理液を連通路を介して供給路に流入させることを特徴とするものである。
請求項7の発明は、請求項6に記載の浮上物除去装置において、浮上物導入部の複数の孔から上方へ流れる被処理液が連通口に直接導かれるのを防止する遮蔽板が、連通口より下側で浮上物回収タンク部内に配設されていることを特徴とするものである。
請求項8の発明は、請求項6または7に記載の浮上物除去装置において、浮上物回収口が、連通口より上方位置で浮上物回収タンク部に開口して設けられ、エア抜き部が浮上物回収タンク部に設けられていることを特徴とするものである。
請求項9の発明は、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の浮上物除去装置において、供給路の他端には、磁性粒子分離回収装置が接続され、被処理液中の磁性粒子が磁性粒子分離回収装置で予め除去されてから、供給路を通ってサイクロン式容器に供給されることを特徴とするものである。
請求項10の発明は、請求項9に記載の浮上物除去装置において、磁性粒子分離回収装置は、磁性粒子のサイクロン式処理容器を備え、サイクロン式処理容器の側壁に磁性粒子を吸着する永久磁石部材が配設されていることを特徴とするものである。
請求項1に係る発明によれば、サイクロン式容器の下部を絞っているので、上部に低圧力部分が形成され、比重の軽い浮上物が上方に集約される。この軽い浮上物が、流れ促進部によって、上昇流となって浮上物回収タンク部に導かれ、浮上物が分離された処理液がサイクロン式容器の下部から排出される。
請求項2に係る発明によれば、簡単な構造で、確実に浮上物を分離除去できる。
請求項3に係る発明によれば、簡単な構造で、浮上物の分離回収構造を設けることができる。
請求項4に係る発明によれば、仕切板の下側やサイクロン式容器の上側で旋回している被処理液に対して、確実に上昇流を形成できるので、被処理液中の浮上物を確実に上昇させて分離除去できる。
請求項5に係る発明によれば、傾斜板を簡単に形成でき、簡単な構造で確実に浮上物を上昇流にできる。
請求項6に係る発明によれば、供給路内を被処理液が流通することで生じる連通路の一端側と他端側との圧力差により、浮上物回収タンク部内の連通口近傍の被処理液を該連通路を介して該供給路に流入させることで、浮上物回収タンク部内の処理液を再度循環させることが出来、浮上物とクリーンな液との分離が促進され、簡単な機構で浮上物を除去できる。
請求項7に係る発明によれば、浮上物回収タンク部内の上昇流の流れを乱すことがなく、再度循環させることで、浮上物を更に確実に分離できる。
請求項8に係る発明によれば、浮上物回収タンク部内の浮上物を簡単に且つ確実に回収除去できる。
請求項9に係る発明によれば、被処理液中に含まれる、予め磁性粒子等の比較的重い除去物を磁性粒子分離回収装置で除去しているので、浮上物除去装置で確実に比較的軽い浮上物を分離除去することができ、被処理液をクリーンな液とすることができる。
請求項10に係る発明によれば、磁性粒子分離回収装置で確実に磁性粒子等の比較的重い除去物を確実に分離除去できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
<実施形態1>
図1は、本発明の実施形態1に係る浮上物除去装置の概略構成を示す正面図である。図1に示すように、この浮上物除去装置10は、工作機械の切削作業後の切削液や切削屑を含む被被処理液から比較的軽い浮上物(5ミクロン以下の切削屑、油分等)を除去して、クリーンな液とするものである。
浮上物除去装置10は、下方に向かうほど横断面積が狭くなるテーパ状に形成されているサイクロン室12を備えるサイクロン式容器11を有する。このサイクロン式容器11のサイクロン室12の上方に流入口13が開口され、下端部に排出口14が設けられている。流入口13は、被処理液wがサイクロン室12に軸直交する接線方向から導入されるように設けられている。供給路15の一端が流入口13に接続され、他端は浮上物を含有する被処理液の供給源(図示省略)に接続可能になっている。サイクロン室12に開口する流入口13の上側に円筒状のスペース17が設けられている。サイクロン室12がテーパ形状で下方が徐々に絞られているので、このスペース17は、サイクロン室12の下方に比較して低圧となり、被処理液中の浮上物が集約されている。且つ、流入口13による旋回流になった被処理液(浮上物を多く含有する)が存在する状態となっている。それによって、サイクロン室12内で旋回流が生じ、下流ほど流速が速く、圧力が高くなっており、被処理液wの中の軽い浮上物fがサイクロン室12の上側のスペース17に集約されるようになっている。
サイクロン室12の上側のスペース17に存在する被処理液中wの浮上物fを回収するために、サイクロン式容器11の上方に円筒状の浮上物回収タンク部16が連結されている。浮上物回収タンク部16の側壁の中間位置には、浮上物回収口21が開口され、浮上物回収タンク部16の上端部にはエア抜き部25が設けられている。
浮上物回収タンク部16とサイクロン式容器11との境界部分、即ち、浮上物回収タンク部16の下端部16aに仕切板18からなる浮上物導入部が設けられて、仕切板18が浮上物回収タンク部16とサイクロン式容器11とを仕切っている。仕切板18には、図2に示すように、4つのスリット孔19が90°間隔で、半径方向に設けられている。傾斜板20からなる流れ促進部が、図3に示すように、スリット孔19の一方の側壁19aを、仕切板18の下面側18a方向に切り起こして形成されている。傾斜板20の当接面20aに、流入口13からサイクロン室12に流入した被処理液の旋回流が当接して、被処理液が上昇流になるように設けられている。
また、図1に示すように、浮上物回収タンク部16の側壁の中間位置に連通口22が開口している。連通路23は、一端が連通口22に接続され、他端が供給路15に接続されている。連通路23の他端側は、供給路15内を流れる被処理液の流れで連通路23の他端から連通路23内の被処理液wが吸い出され、循環するように設けられている。すなわち、連通路23の他端側から連通路23内の被処理液wが吸い出されることで、供給路15の流れ、浮上物回収タンク部16内の上昇流、連通路23内の流れによって、循環流が生じ、浮上物回収タンク部16内での上昇流の促進、及び再循環することにより更に浮上物fの浮上・集約化が促進される。
浮上物回収タンク部16内で、連通路23の連通口22の内側位置に、円環状部材24a及びリング状部材24bで形成された断面略L字状の遮蔽板24が設けられている。遮蔽板24によって、仕切板18を通って上昇してきた被処理液wが直接連通口22に導かれることを防止している。また、遮蔽板24によって、浮上物回収タンク部16内を上昇する浮上物fが連通口22から連通路23に流れ込むことを防止している。なお、遮蔽板24の円環状部材24aによって、浮上物が浮上物回収タンク部16内を滑らかに上昇するようになっている。
このように、処理タンク11内で被処理液の上昇流を発生させることで、被処理液中の油分等の浮上物が積極的に浮上物回収タンク部16内に集められ、被処理液から浮上物の分離が促進されることとなり、浮上物分離性能を向上させることができる。
−浮上物除去動作−
次に、浮上物除去装置10での浮上物除去動作について説明する。まず、切削作業後の被処理液をフィルタ等により濾過して大きな切削屑を取り除き(必要な場合には、更に磁性粒子を取り除いて)、供給路15からサイクロン式容器11内に被処理液wを供給する。そして、サイクロン式容器11のサイクロン室12において、被処理液wをサイクロン室12の周壁に沿って回転させ、下方に導く。この時に、前述したように上方が下方に比較して低圧であるので、浮上物fは上方のスペース17に集約するようになっている。浮上物fを多く含む被処理液wは、旋回しながら傾斜板20の当接面20aに当接して、上昇流となって、スリット孔19を通って、浮上物回収タンク部16内に導かれる。このように、スペース17内で旋回している被処理液wが傾斜板20によって、上昇流になると共に、連通路23によって、浮上物回収タンク部16内の被処理液wを循環させることによって、浮上物fが効果的に浮上物回収タンク部16内に集められる。浮上物回収タンク部16内に集められた浮上物fを排出する際には、エア抜き部25で浮上物回収タンク部16内のエアを抜いて、浮上物回収口21から浮上物fを除去して回収する。一方、浮上物fが除去されたクリーンな液が排出口14から排出される。
<実施形態2>
図4は、本発明の実施形態2に係る浮上物除去装置の概略構成を示す正面図である。前記実施形態1との違いは、実施形態1に示す浮上物除去装置に供給される被処理液について、フィルタを用いて予め比重の重い切削屑や大きめの切削屑を除去しただけでなく、50μ〜5μ程度の中程度の大きさの磁性粒子をも予め除去することで、浮上物除去装置に供給される被処理液から、比較的重い屑或いは比較的大きい屑等からなる磁性粒子を除去しておくようにしたことである。以下、実施形態2の浮上物除去装置のサイクロン式容器及び浮上物回収タンク部は、実施形態1と同じであり、この部分の説明は省略し、磁性粒子を予め除去する磁性粒子分離回収装置30について、説明する。なお、磁性粒子分離回収装置30の詳細構造は、特願2008−10312と同じであり、本発明では、詳細な構造の説明を省略する。
磁性粒子分離回収装置30は、研削加工や切削加工や研磨加工等の各種機械加工を行うための機械加工機において、切削液の中に混入する切粉(即ち磁性粒子)、或いは切粉と砥粒との溶着したもの等からなる切削屑と切削液とを分離する。
磁性流体分離装置30は、ステンレス、アルミニウムや樹脂等の非磁性体から構成されたサイクロン式処理容器32を備える。このサイクロン式処理容器32は、略円筒状の本体部分32aを備える。この本体部分32aの側壁の上側部分に流入口33が接線方向に設けられている。本体部分32aの下方には、本体部分32aに連続して略逆円錐形状で下方に向かって径が小さくなる略逆円錐形状部分32bと、この略逆円錐形状部分32bの下端部に設けられた絞り部38から更に下方に向かって逆に径が大きくなる略円錐形状部分32cを備える。さらに、略円錐形状部分32cの下端部に設けられた拡大部39から更に下方に向かって再び径が徐々に小さくなった略円錐形状の排出部分32dを備える。この排出部分32dの下端部に磁性粒子jの排出口34が設けられている。本体部分32a、略逆円錐形状部分32b、略円錐形状部分32c及び排出部分32dの外周に円筒状の円筒外筒35が設けられている。なお、円筒外筒35はステンレス、合成樹脂等の非磁性体で構成するが、永久磁石部材の磁力の作用上で影響が無ければ、鋼管としても良い。本体部分32a、略逆円錐形状部分32b、略円錐形状部分32c及び排出部分32dは別体で構成しているが、全部或いは一部が一体でも良い。本体部分32a、略逆円錐形状部分32b、略円錐形状部分32c、排出部分32d及び円筒外筒35も一体としても良い。本発明で言う側壁とは、円筒外筒35と本体部分32a、略逆円錐形状部分32b、略円錐形状部分32c、排出部分32dを含む。
サイクロン式処理容器32の中心部分には、軸方向に延びて筒状流出通路36が配設されている。筒状流出通路36の下端部に設けられた導入口37は、拡大部39とほぼ同じ高さ位置か、僅かに高めの位置になるように設けられている。その理由は、流入口33から本体部分32aに流入され、略逆円錐形状部分32bに導かれた流体が、その流速を絞り部38で一旦速められた後、略円錐形状部分32cによって、遠心力の作用で重量の重いもの(切削屑等の磁性粒子)は拡大部39に向かい、重量の軽いもの(切削液等)は、中央に残るようになる。そして、排出部分32dでは、拡大部39から排出口34に向かって絞られる構成であり、中央に残るようになった流体が導入口37から筒状流出通路36内に導かれる。その際に、導入口37が拡大部39よりも大きく離れて高い位置にあると、遠心力が十分に作用してない状態の流体(切削屑と切削液が混在した状態)が導入口37近辺に存在する結果となり、重量の重い切削屑も導入口37から筒状流出通路36に導かれる結果となる。また、逆に、導入口37が拡大部39よりも大きく離れて低い位置にあると、拡大部39の高さ位置で、遠心力の作用で重量の重い切削屑が拡大部39に分離集約し、中央部分に重量の軽い切削液に分離集約できるにも関わらず、再度両者が混ざり合う結果となる。そのために、筒状流出通路36の下端部に設けられた導入口37と拡大部39とは、ほぼ同じ高さ位置か僅かに高めに設けられていることが好ましい。
また、導入口37が設けられた下端部は僅かに外側に拡径して設けられており、流体に、より確実に遠心力が作用するようにしてある。しかし、場合によれば、下端部は筒状流出通路36の本体部分と同径のままでもよい。
排出部分32dの外周面に円弧状の凹部に第1永久磁石部材40が収納されている。第1永久磁石部材40の上端部が拡大部39や導入口37とほぼ同じ高さ位置に設けられている。また、円筒外筒35の外周には、ヨークからなるリング状の支持部材42が上下動可能に配設されている。支持部材42の内面側に第2永久磁石部材41が配設されている。これらの第1永久磁石部材40及び第2永久磁石部材41は、複数個の分割片からなる。各分割片は円弧状に配設されており、第1永久磁石部材40の分割片及び第2永久磁石部材41の分割片は互いに異なる磁極となっている。また、第1永久磁石部材40の分割片、第2永久磁石部材41の分割片は、夫々、半径方向に対向する分割片が異なる磁極となって配設されている。支持部材42の下端部が移動手段としてのエアシリンダ43に接続されている。移動手段としては、エアシリンダやモーター等の公知の駆動手段を使用できる。
次に、実施形態2の磁性粒子分離回収装置30の動作について説明する。
磁性粒子jを含む被処理流体rが、高速で、接線方向に流入口33からサイクロン式処理容器32内に導入される。導入された被処理流体rは、本体部分32aの側壁内面に沿うように、旋回運動を行う。本体部分32aの内部では、導入された被処理流体rが本体部分32a内を旋回運動することにより旋回流が生じ、略逆円錐形状部分32bに導かれる。略逆円錐形状部分32bの下端部に設けられた絞り部38によって、旋回流の速度が高くなり、略円錐形状部分32cに導かれる。略円錐形状部分32cにおいて、高速度の旋回運動による遠心力が強く作用する。その結果、比重の大きな磁性粒子jには、より大きな遠心力が作用して、径方向外方に運ばれて拡大部39に集約するようになる。この磁性粒子jは、第1永久磁石部材40及び第2永久磁石部材41の磁力によって、拡大部39方向に引っ張られると同時に排出部分32dの内壁面に保持された状態となる。このことによって、排出部分32dの内壁に向かう磁性粒子jがこの内壁に付着(トラップ)される。
その結果、被処理流体rは、サイクロン式処理容器32の略中央部(筒状流出通路36の外壁付近)に存する液体成分と、拡大部39に偏在した磁性粒子jの層とに分離される。サイクロン式処理容器32の略中央部(筒状流出通路36の外壁付近)に存する液体成分は、排出部分32dにおいて上向き軸方向の力が働いて、導入口37から筒状流出通路36に導かれて、磁性粒子jが除かれ比較的綺麗な被処理液w(即ち、軽い切削屑や油分等の浮上物を含む被処理液w)として磁性粒子分離回収装置30から外部に流出される。
そして、拡大部39の排出部分32dの内壁面に多くの磁性粒子jが付着した後、移動手段であるエアシリンダ43によって、支持部材42を下降させ、第2永久磁石部材41が第1永久磁石部材40と重ならない位置にする。すると、第1永久磁石部材40と第2永久磁石部材41とは個々に磁力が作用することになり、磁性粒子jに作用する磁力が弱くなる。その結果、排出部分32dの内壁面に付着した磁性粒子jの付着力が低下して、磁性粒子jが排出部分32dの内壁面から離れて、落下する。その後、再び、支持部材42を上昇させ、第2永久磁石部材41が第1永久磁石部材40と重なる元の位置関係にする。すると、前述したように再び排出部分32dの内壁面に多くの磁性粒子jが付着するようになる。このように、連続して磁性粒子jをトラップしたり、トラップを解除したりでき、流出口4から磁性粒子jが排出される。
導入口37から筒状流出通路36に導かれた被処理液wは、浮上物除去装置10の供給路15に供給される。これ以降は、実施形態1と同じであり、詳細な説明を省略する。
実施形態2の磁性粒子分離回収装置30では、サイクロン式処理容器32の略逆円錐形状部分32bを通ってから絞り部38に向かって旋回流が高速になり、高速で略円錐形状部分32cで拡がるので、比重の重い磁性粒子jが効率的に拡大部39の方向に移動し、比較的クリーンな液体が中心部に残るようになり、分離が効果的に行われる。特に、支持部材42を上下動させることで、磁性粒子jに作用する磁力の強弱を調整できるので、簡単な構造でよく、且つ確実に安定して磁力を調整できる。
なお、磁性粒子分離回収装置は、被処理流体rから磁性粒子jを効果的に除去できる構造であれば良く、実施形態2の構造に限られるものではない。また、別の手段で、被処理液には、既に磁性流体、切削屑などの比較的重い除去物・比較的大きい除去物が取り除かれていて、軽い浮上物を除去したい被処理液に対しても適用でできるものである。
なお、上記実施形態でのスリット孔19の数は、上記実施形態に限られるものではなく、3個、5個、6個等の他の数量でも良い。また、スリット孔19は、半径方向に直線状で無く、円弧状などの曲線でも、折れ曲がった線でも良い。また、スリット孔19に代えて、多数の円形孔を設けても良い。或いは、碁盤の目の孔を設けた仕切板でも良い。更に、円環状部材24a及びリング状部材24bで形成された断面略L字状の遮蔽板24でなくて、単に連通口22の周囲を取囲む遮蔽板でも良い。
以上説明したように、本発明は、簡単な機構で被処理液中の浮上物を分離・除去することができる浮上物除去装置を提供することができるという実用性の高い効果が得られることから、機械加工機等の切削液等に含まれる軽い加工屑や軽い油分を除去するための浮上物除去装置等にきわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
本発明の実施形態1に係る浮上物除去装置の概略構成を示す正面図である。 本実施形態1に係る浮上物除去装置の仕切板の概略構成を示す平面図である。 図2のA−A断面図である。 本実施形態2に係る浮上物除去装置の概略構成を示す正面図である。
符号の説明
w 被処理液
f 浮上物
10 浮上物除去装置
11 サイクロン式容器
12 サイクロン室
13 流入口
14 排出口
15 供給路
16 浮上物回収タンク部
17 スペース
18 仕切板
19 スリット孔
20 傾斜板
22 連通口
23 連通路
24 遮蔽板

Claims (10)

  1. 被処理液に含まれる浮上物を浮上させて除去する浮上物除去装置であって、
    下方に向かうほど横断面積が狭くなるテーパ状に形成されているサイクロン室と、該サイクロン室の上方に開口し、被処理液が軸直交する接線方向から導入される流入口と、下端部に排出口とを備えるサイクロン式容器と、
    一端が前記流入口に接続され、他端から流入させた被処理液を前記流入口を通して該サイクロン室内に供給する供給路と、
    前記サイクロン式容器の上方に配設され、前記サイクロン式容器の上側に存在する浮上物を回収する浮上物回収タンク部と、
    前記浮上物回収タンク部の下端部に配設され、前記浮上物を通過させる複数の孔が形成された浮上物導入部と、
    前記浮上物導入部の下面側で該複数の孔に接近して配設され、該浮上物の上方への流れを促進する流れ促進部と、
    前記浮上物回収タンク部に開口された浮上物回収口とを備え、
    該サイクロン式容器の上側に存在する被処理液の中の浮上物を該浮上物回収タンク部に回収することを特徴とする浮上物除去装置。
  2. 請求項1に記載の浮上物除去装置において、
    浮上物導入部が、浮上物回収タンク部とサイクロン式容器とを仕切る仕切板からなり、
    流れ促進部が、仕切板の下方に存在する被処理液が複数の孔を通って上昇方向への流れになるようにさせる傾斜板からなることを特徴とする浮上物除去装置。
  3. 請求項1または2に記載の浮上物除去装置において、
    複数の孔が半径方向に向いたスリット状のスリット孔からなることを特徴とする浮上物除去装置。
  4. 請求項2または3に記載の浮上物除去装置において、
    傾斜板は、流入口からサイクロン式容器に供給される被処理液で生じるサイクロン室内の被処理液の回転方向の流れに対して衝突する方向であって、衝突した被処理液が上方に向くように傾斜して配設されていることを特徴とする浮上物除去装置。
  5. 請求項4に記載の浮上物除去装置において、
    傾斜板は、仕切板に形成したスリット孔の一方の側壁を切り起こして形成されていることを特徴とする浮上物除去装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1つに記載の浮上物除去装置において、
    浮上物導入部よりも上方位置で浮上物回収タンク部に開口した連通口と、
    一端が連通口に接続され、他端が供給路に接続された連通路とを備え、
    供給路内を被処理液が流通することで生じる連通路の一端側と他端側との圧力差により、浮上物回収タンク部内の連通口近傍の被処理液を連通路を介して供給路に流入させることを特徴とする浮上物除去装置。
  7. 請求項6に記載の浮上物除去装置において、
    浮上物導入部の複数の孔から上方へ流れる被処理液が連通口に直接導かれるのを防止する遮蔽板が、連通口より下側で浮上物回収タンク部内に配設されていることを特徴とする浮上物除去装置。
  8. 請求項6または7に記載の浮上物除去装置において、
    浮上物回収口が、連通口より上方位置で浮上物回収タンク部に開口して設けられ、エア抜き部が浮上物回収タンク部に設けられていることを特徴とする浮上物除去装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1つに記載の浮上物除去装置において、
    供給路の他端には、磁性粒子分離回収装置が接続され、被処理液中の磁性粒子が磁性粒子分離回収装置で予め除去されてから、供給路を通ってサイクロン式容器に供給されることを特徴とする浮上物除去装置。
  10. 請求項9に記載の浮上物除去装置において、
    磁性粒子分離回収装置は、磁性粒子のサイクロン式処理容器を備え、サイクロン式処理容器の側壁に磁性粒子を吸着する永久磁石部材が配設されていることを特徴とする浮上物除去装置。
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