JP2009166708A - 車両用フード構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】歩行者保護性能の確保とフードの閉まり性の確保とを両立することができる車両用フード構造を得る。
【解決手段】ストライカブラケット40の縦壁部44A、44Bによってフード14を閉める際の荷重伝達経路の距離が短くなる。また、ストライカ34の固定端部38は、ストライカブラケット40の底壁部42に設けられたストライカカラー50によって保持されており、ストライカカラー50は、ストライカブラケット40に対してフード下方側へ所定値以上の荷重が入力された場合にストライカ34の固定端部38の保持状態を解除する。
【選択図】図2
【解決手段】ストライカブラケット40の縦壁部44A、44Bによってフード14を閉める際の荷重伝達経路の距離が短くなる。また、ストライカ34の固定端部38は、ストライカブラケット40の底壁部42に設けられたストライカカラー50によって保持されており、ストライカカラー50は、ストライカブラケット40に対してフード下方側へ所定値以上の荷重が入力された場合にストライカ34の固定端部38の保持状態を解除する。
【選択図】図2
Description
本発明は、フードアウタパネルとフードインナパネルとを備えると共にフードインナパネル側にストライカが配設された車両用フード構造に関する。
車両用フードにおいては、歩行者保護性能の観点からフード剛性を低く設定する構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような構造では、例えば、フードアウタパネルとフードインナパネルとの間のスペースを変形ストローク(変形可能なストローク)として有効に確保している。
しかし、この従来構造では、フードを閉める際の荷重伝達経路の距離が長くなるため、ストライカへの力の伝達効率が悪くなり、フードが閉まりにくくなってしまう。
特開2007−98963公報
本発明は、上記事実を考慮して、歩行者保護性能の確保とフードの閉まり性の確保とを両立することができる車両用フード構造を得ることが目的である。
請求項1に記載する本発明の車両用フード構造は、エンジンルームを開閉可能に覆うフードの外板を構成するフードアウタパネルと、前記フードアウタパネルに対してフード下方側へ配置され、フードの内板を構成するフードインナパネルと、前記フードインナパネル側に配設されてフード下方側へ突出し、車体骨格部材側のロック手段が係止可能なストライカと、前記フードインナパネル側に配設されて前記ストライカの取付用とされた底壁部を備えると共に、前記ストライカの近傍位置で前記底壁部から略フード上方側へ屈曲された縦壁部を備えて前記フードインナパネル側と前記フードアウタパネル側とを略フード上下方向に連結するストライカブラケットと、前記ストライカブラケットの前記底壁部に設けられ、前記ストライカの端部を保持すると共に、前記ストライカブラケットに対するフード下方側への所定値以上の荷重入力時に前記ストライカの端部の保持状態を解除するストライカ保持部と、を有することを特徴とする。
請求項1に記載する本発明の車両用フード構造によれば、ストライカブラケットは、その縦壁部がストライカの近傍位置で底壁部から略フード上方側へ屈曲され、フードインナパネル側とフードアウタパネル側とを略フード上下方向に連結しているので、フードを閉める際の荷重伝達経路の距離が短くなる。すなわち、フードを閉める際にストライカの略フード上方側のフードアウタパネルに対して静的に押下げる力が加えられると、この力が縦壁部を介して効率良くストライカに伝達される。このため、比較的小さな力によってストライカが押し下げられ、当該ストライカに車体骨格部材側のロック手段が係止される。
また、ストライカの端部は、ストライカブラケットの底壁部に設けられたストライカ保持部によって保持されており、ストライカ保持部は、ストライカブラケットに対するフード下方側への所定値以上の荷重入力時にストライカの端部の保持状態を解除する。このため、例えば、衝突体がフード上方からフードに当接したことによって、ストライカブラケットにフード下方側への所定値以上の荷重が入力された場合には、ストライカの端部の保持状態が解除され、ストライカ及びロック手段等を介しての車体骨格部材側によるフードの前端部の支持状態も解除される。その結果、ストライカが外れたフードには、フード下方側への変形ストローク(変形可能なストローク)がもたらされる。これによって、ストライカが外れたフードは、フード下方側へ変形しながらストロークする。
請求項2に記載する本発明の車両用フード構造は、請求項1記載の構成において、前記ストライカ保持部は、前記ストライカブラケットに対するフード下方側への所定値以上の荷重入力時に前記ストライカの端部から反力を受けて変形することによって前記ストライカの端部の保持状態を解除することを特徴とする。
請求項2に記載する本発明の車両用フード構造によれば、ストライカ保持部は、ストライカブラケットに対するフード下方側への所定値以上の荷重入力時にストライカの端部から反力を受けて変形することによってストライカの端部の保持状態を解除するので、例えば、衝突体がフード上方からフードに当接した際には、ストライカ保持部が変形してストライカの端部の保持状態が解除される。これによって、ストライカが外れたフードには、変形ストロークがもたらされる。
請求項3に記載する本発明の車両用フード構造は、請求項2記載の構成において、前記ストライカ保持部は、フード上下方向に略直交する方向へ屈曲された前記ストライカの端部を挿通させた状態で保持すると共に、前記ストライカの端部が挿通された空間に連通してフード上方側へ向けて開口しており、前記ストライカブラケットに対するフード下方側への所定値以上の荷重入力時に前記ストライカの端部によって開口側が押し広げられるように変形することを特徴とする。
請求項3に記載する本発明の車両用フード構造によれば、ストライカ保持部は、フード上下方向に略直交する方向へ屈曲されたストライカの端部を、挿通した状態で保持しており、ストライカブラケットに対するフード下方側への所定値以上の荷重入力時には、ストライカ保持部におけるフード上方側へ向けて開口した側がストライカの端部によって押し広げられるように変形するので、この変形によってストライカの端部の保持状態が解除される。このため、例えば、衝突体がフード上方からフードに当接した際には、ストライカの端部の保持状態が解除され、ストライカが外れたフードには、変形ストロークがもたらされる。
以上説明したように、本発明に係る請求項1に記載の車両用フード構造によれば、歩行者保護性能の確保とフードの閉まり性の確保とを両立することができるという優れた効果を有する。
請求項2に記載の車両用フード構造によれば、比較的簡素な構成でありながら、衝突時にストライカをフードから外すことができ、その結果、フードの変形ストロークを確保することができるという優れた効果を有する。
請求項3に記載の車両用フード構造によれば、通常時にストライカの端部を良好に保持しながら、衝突時にはストライカの端部からの反力を有効に利用してストライカをフードから外すことができるという優れた効果を有する。
(実施形態の構成)
本発明の一実施形態に係る車両用フード構造について図1〜図5を用いて説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示している。また、フードの閉止状態においては、フードの前方向側は車両前方側と同じ方向とし、フードの上方向側は車両上方側と同じ方向とする。
本発明の一実施形態に係る車両用フード構造について図1〜図5を用いて説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示している。また、フードの閉止状態においては、フードの前方向側は車両前方側と同じ方向とし、フードの上方向側は車両上方側と同じ方向とする。
図1に示されるように、自動車(車両)10における車両前部10Aには、エンジンルーム12を開閉可能に覆うフード(エンジンフード)14が配設されている。フード14の車両前後方向における後端部には、ヒンジ(図示省略)が配設されており、これによって、フード14は、ヒンジ(図示省略)における車幅方向の軸回りに回転移動可能、すなわち開閉可能となっている。
図2に示されるように、フード14は、フード14の外板を構成すると共に略車両前後方向に沿って延設されるフードアウタパネル16と、このフードアウタパネル16に対してフード下方側に配置されてフード14の内板を構成するフードインナパネル18と、を含んで構成されている。フードアウタパネル16及びフードインナパネル18は、いずれも金属板(例えば、鋼板、アルミニウム合金板等)をプレス成形することにより形成されている。なお、図2及び図4では、フードアウタパネル16及びフードインナパネル18の断面を太線で示している。
図2に示されるように、フードインナパネル18は、フード前端側でフード前後方向に延在した前端部18Bと、前端部18Bのフード前後方向における後端から屈曲されてフード後方へ向けてフードアウタパネル16に接近する側へ立ち上がる立壁部18Cと、を備えている。フードアウタパネル16の前端縁部16Aとフードインナパネル18の前端縁部18Aとは、ヘミング加工にて結合されている。
フードアウタパネル16とフードインナパネル18との間には、フード14を閉止する際のフードアウタパネル16の変形を抑制するために、デントリインフォース22(「デントレインフォース」ともいい、広義には「フード補強用の補強部材」として把握される要素である。)が配置されてフード幅方向(図2の紙面に垂直な方向)に延在している。デントリインフォース22は、板状とされ、フードアウタパネル16にほぼ沿って延在すると共にマスチック(図示省略)を介してフードアウタパネル16に接合されている。
閉止状態のフード14における前端部14Aのフード幅方向(車幅方向と同じ方向)の中央部に対応してフードロック部30が配設されている。フードロック部30は、エンジンルーム12内で車体骨格部材としてのラジエータサポートアッパ28側に配設されたフードロック装置32と、フード14側(フードインナパネル18側)に配設されてかつフードロック装置32の一部を構成するロック手段としてのラッチ32Aが係止可能なストライカ34と、を含んで構成されている。
フードインナパネル18の前端部18Bにおける立壁部18C寄りには、貫通孔20が貫通形成されており、この貫通孔20には、ストライカ34がフード上方側から挿入されている。ストライカ34は、ストライカブラケット40を介してストライカリインフォース24(「ストライカレインフォース」、「フードロックリインフォース」ともいい、広義には「フード補強用の補強部材」として把握される要素である。)の下壁部24Aに支持され、フードインナパネル18に対してフード下方側へ突出している。
図3に示されるように、ストライカ34は、高強度の鉄鋼製で丸棒状とされ、ベンディングマシンで折り曲げられることで、車両側面視でフード上方側が開放された屈曲形状(略U字形状)とされている。より具体的には、ストライカ34は、フード下方側へ突出してラッチ32A(図2参照)が係止される被係止部36を備えており、この被係止部36は、フード前後方向に並びフード14側から立設するように配設される前後一対の脚部36Aと、これらの脚部36Aを連結する下軸部36Bと、を含んで構成されている。また、ストライカ34は、一対の脚部36Aにおいて下軸部36Bとは反対側の端部から延出してフード幅方向(フード上下方向に略直交する方向)でかつ互いに反対方向となる向きへ屈曲された固定端部38を備えている。
図1のフード14の前端部14Aにおける部分拡大図(フードアウタパネル16を透視して示した部分拡大図)及び図2に示されるように、フード14におけるストライカ取付部周辺の剛性を補強するストライカリインフォース24は、板状とされ、フード幅方向に沿って延在してフードインナパネル18(図2参照)の上面側に固定されている。図2に示されるように、ストライカリインフォース24の下壁部24Aは、フードインナパネル18の前端部18Bにほぼ沿って配置され、フードインナパネル18の前端部18Bに接合されている。この下壁部24Aには、ストライカ34が挿通される貫通孔26が貫通形成されている。また、下壁部24Aは、フードインナパネル18の前端部18Bの後端付近において屈曲されている。この屈曲部からフード後方へ向けてはフードアウタパネル16に接近する側へ傾斜した傾斜壁部24Bとなっている。さらに、傾斜壁部24Bのフード上下方向における上端側は、略フード後方側へ屈曲された後端末部24Cとなっており、後端末部24Cは、デントリインフォース22に接合されている。
図1の部分拡大図及び図2に示されるように、ストライカリインフォース24の下壁部24Aには、ストライカブラケット40の底壁部42が接合されている。ストライカブラケット40は、板状とされて側断面視形状が略U字形状(上方側が開放されたコ字形状)となっており、フードインナパネル18側に配設された底壁部42は、ストライカ34の取付用とされ、ストライカ34が挿通される貫通孔48が貫通形成されている。なお、図2では、ストライカ34の取付部構造の理解を容易にするために、貫通孔48付近の切断面を図3の2A−2A線に沿う切断面で示している(図4も同様)。
図2及び図3に示されるように、ストライカブラケット40は、ストライカ34の前側の近傍位置で底壁部42の前端からフード前方斜め上方側(略フード上方側、フードアウタパネル16側)へ屈曲された縦壁部44A(足部)を備えている。縦壁部44Aの上端側は、略フード前方側へ屈曲された端末部46Aとなっており、端末部46Aは、マスチック(図示省略)を介してデントリインフォース22(図2参照)に接合されている。また、ストライカブラケット40は、ストライカ34の後側の近傍位置で底壁部42の後端からフード後方斜め上方側(略フード上方側、フードアウタパネル16側)へ屈曲された縦壁部44B(足部)を備えている。縦壁部44Bの上端側は、略フード後方側へ屈曲された端末部46Bとなっており、端末部46Bは、マスチック(図示省略)を介してデントリインフォース22(図2参照)に接合されている。すなわち、図2に示されるように、ストライカブラケット40は、フードインナパネル18側とフードアウタパネル16側とを略フード上下方向に連結している。
縦壁部44A、44Bには、そのフード上下方向の略中央部に脆弱部144、244(広義には「(衝突時に座屈のきっかけとなる)変形起点部」として把握される要素である。)が設けられている。図3に示されるように、脆弱部144、244は、本実施形態では、フード幅方向に沿って延在し、ストライカブラケット40に対してフード上方側から荷重が入力された場合(図4参照)には、縦壁部44A、44Bが潰れるように曲げ変形する起点となるように設定されている。すなわち、脆弱部144、244は、衝撃荷重入力時に座屈のきっかけとなる。なお、本実施形態では、縦壁部44A、44Bに脆弱部144、244を設けているが、脆弱部144、244に代えて孔を形成してもよい。
ストライカ取付構造を図示した図3に示されるように、ストライカ34の前側上部及び後側上部は、ストライカブラケット40における底壁部42の貫通孔48をフード上下方向に貫通している。ストライカ34の固定端部38は、ストライカブラケット40における底壁部42の上面側に配設されており、底壁部42に設けられたストライカ保持部としてのストライカカラー50にフード幅方向に差し込まれて(圧入されて)いる。
ストライカカラー50は、金属製(本実施形態では、アルミニウム合金製)でストライカブラケット40における底壁部42の(フード上下方向における)上面側にアーク溶接によって固定されており、略円筒状(より正確には、長手方向に垂直な断面形状が所謂C字断面形状)とされてストライカ34の固定端部38を挿通させた状態で保持している。ストライカカラー50の上部には、フード幅方向に延在するスリット52が形成されており、これにより、ストライカカラー50は、ストライカ34の固定端部38が挿通された空間に連通してフード上方側へ向けて開口している。
ここで、ストライカカラー50は、ストライカブラケット40に対するフード下方側への所定値以上の荷重入力時にストライカ34の固定端部38によってスリット52側(開口側)が押し広げられるように塑性変形(すなわち、ストライカ34の固定端部38から反力を受けて塑性変形)することによってストライカ34の固定端部38の保持状態を解除(図4及び図5参照)するように設定されている。
(実施形態の作用・効果)
次に、上記実施形態の作用及び効果について説明する。
次に、上記実施形態の作用及び効果について説明する。
図2に示されるように、ストライカブラケット40は、その縦壁部44A、44Bがストライカ34の近傍位置で底壁部42から略フード上方側へ屈曲され、フードインナパネル18側とフードアウタパネル16側とを略フード上下方向に連結しているので、この部分でのフード上下方向の剛性が確保されると共に、縦壁部44A、44Bによってフード14を閉める際の荷重伝達経路(矢印A1〜A3、矢印B1〜B3参照)の距離が短くなる。すなわち、フード14を閉める際にストライカ34の略フード上方側のフードアウタパネル16に対して静的に押下げる閉力fが加えられると、この閉力fが縦壁部44A、44Bを介して効率良くストライカ34に伝達される(力が伝わり易い)。このため、比較的小さな閉力fによってストライカ34が押し下げられ、ストライカ34にラジエータサポートアッパ28側のラッチ32Aが係止される(静的閉力の低減)。
また、ストライカ34の固定端部38は、ストライカブラケット40の底壁部42に設けられたストライカカラー50によって保持されており、例えば、図4に示される衝突体(インパクタ)60がフード上方からフード14に当接したことによって(衝突方向を矢印Fで示す)ストライカブラケット40に対してフード下方側へ所定値以上の荷重が入力された場合には、ストライカカラー50は、ストライカ34の固定端部38の保持状態を解除する。
より具体的には、図3及び図5(A)に示されるように、ストライカカラー50は、ストライカ34の固定端部38を挿通した状態で保持しており、ストライカブラケット40(図3参照)に対するフード下方側への所定値以上の荷重入力時には、図5(B)に示されるように、ストライカカラー50のスリット52側がストライカ34の固定端部38によって押し広げられるように塑性変形する。すなわち、ストライカカラー50は、フードロック装置32のラッチ32Aが係止された状態にあるストライカ34の固定端部38から反力を受けてスリット52を起点としてストライカカラー50の上部が割れるように開き変形する。
この変形によって、図4に示されるように、ストライカ34の固定端部38の保持状態が解除され、ストライカ34が外れる。このとき、ストライカ34及びフードロック装置32を介してのラジエータサポートアッパ28によるフード14の前端部14Aの支持状態も解除される。その結果、ストライカ34が外れたフード14には、フード下方側への変形ストロークS(変形可能なストローク)がもたらされ(ストローク量の確保)、フード14は、フード下方側へ変形しながらストロークする。
なお、本実施形態では、ストライカ34が外れたフード14が所定量ストロークした後(底付きした後)には、ストライカブラケット40の縦壁部44A、44Bが脆弱部144、244を起点として曲げ変形(座屈変形)して(図4の二点鎖線参照、デントリインフォース22及びフードアウタパネル16の変位位置は図示省略)衝突体60のストロークがさらに延ばされると共に衝突エネルギー(衝撃エネルギー)が吸収される。
ここで、対比構造と対比しながら、さらに補足説明すると、例えば、歩行者保護性能を確保する観点から、ストライカブラケットを設けないような対比構造では、フードアウタパネルとフードインナパネルとの間のスペースを変形ストロークとして有効に確保できるが、フードを閉める際における力の作用点からストライカまでの荷重伝達経路の距離が長くなる(この対比構造の場合、フードアウタパネル、デントリインフォース、ストライカリインフォース、ストライカの順に荷重が伝達される。)。このため、フード前端側(先端側)が撓んで荷重が逃げ、ストライカへの力の伝達効率が悪くなり、フードが閉まりにくくなってしまう。特に、フード前端(先端)の意匠が長い場合には、この問題が顕著に現れてしまう。これに対して、本実施形態に係る車両用フード構造では、このような問題がない。
一方、例えば、ストライカブラケットの底壁部にストライカの固定端部が強固に固定されてかつストライカブラケットの縦壁部に脆弱部が形成されないような他の対比構造では、閉力を縦壁部によってストライカへ効率良く伝達すること(荷重伝達性を良好すること)ができるために、フードの閉まり性を確保することはできるが、衝突体がフード上方からフードに当接した場合には、構造によってはフードの変形ストローク(ひいては衝突体のストローク)を十分には確保できない可能性もある。これに対して、本実施形態に係る車両用フード構造では、フード14の変形ストローク(ひいては衝突体60のストローク)を十分に確保することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る車両用フード構造によれば、比較的簡素な構成によって、歩行者保護性能の確保とフード14の閉まり性の確保とを両立することができる。また、通常時にストライカ34の固定端部38を良好に保持しながら、衝突時にはストライカ34の固定端部38からの反力を有効に利用してストライカ34をフード14から外すことができる。
(実施形態の補足説明)
なお、上記実施形態では、図2等に示されるストライカ保持部としてのストライカカラー50は、ストライカブラケット40に対するフード下方側への所定値以上の荷重入力時にストライカ34の固定端部38から反力を受けて変形することによってストライカ34の固定端部38の保持状態を解除しているが、ストライカ保持部は、例えば、ストライカブラケットの底壁部に設けられてストライカの端部を保持すると共に、ストライカブラケットに対するフード下方側への所定値以上の荷重入力時に(例えば、衝撃センサによって所定値以上の荷重が検知されたという情報に基づいて)スイッチがオンされて電気的に作動することによってストライカの端部の保持状態を解除するような他のストライカ保持部であってもよい。
なお、上記実施形態では、図2等に示されるストライカ保持部としてのストライカカラー50は、ストライカブラケット40に対するフード下方側への所定値以上の荷重入力時にストライカ34の固定端部38から反力を受けて変形することによってストライカ34の固定端部38の保持状態を解除しているが、ストライカ保持部は、例えば、ストライカブラケットの底壁部に設けられてストライカの端部を保持すると共に、ストライカブラケットに対するフード下方側への所定値以上の荷重入力時に(例えば、衝撃センサによって所定値以上の荷重が検知されたという情報に基づいて)スイッチがオンされて電気的に作動することによってストライカの端部の保持状態を解除するような他のストライカ保持部であってもよい。
また、ストライカ保持部の他の例として、例えば、ストライカブラケットの底壁部に設けられてストライカの端部を保持すると共に、ストライカブラケットに対するフード下方側への所定値以上の荷重入力時にストライカの端部から反力を受けて破断することでストライカの端部の保持状態を解除するような他のストライカ保持部であってもよい。
また、ストライカ保持部の他の例として、例えば、ストライカブラケットの底壁部に設けられてストライカの端部を保持すると共に、ストライカの端部が挿通された空間に連通して側方側(上記実施形態と同様にストライカを配置する場合にはフード前後方向側)へ向けて開口し、かつ、ストライカブラケットに対するフード下方側への所定値以上の荷重入力時にストライカの端部から反力を受けて(ストライカの端部によって)上部側が捲られるように変形するような他のストライカカラーであってもよい。
また、ストライカ保持部の他の例として、例えば、通常時にストライカの端部の上方側に配設されてかつストライカの端部を保持する半円筒状の保持部材を備えると共に、前記半円筒状の保持部材がヒンジによって回転移動可能(開閉可能)とされ、ストライカブラケットに対するフード下方側への所定値以上の荷重入力時には、ストライカの端部から反力を受けて前記半円筒状の保持部材が開くことでストライカの端部の保持状態を解除するような他のストライカ保持部であってもよい。
さらにまた、上記実施形態では、ストライカ保持部としてのストライカカラー50は、ストライカブラケット40に対するフード下方側への所定値以上の荷重入力時に、ストライカ34の固定端部38によって押し広げられるように塑性変形するようになっているが、ストライカ保持部は、例えば、ストライカブラケットに対するフード下方側への所定値以上の荷重入力時に、ストライカの端部によって押し広げられるように弾性変形するような他のストライカ保持部であってもよい。
なお、上記実施形態では、ストライカカラー50は、その外周面が円弧面状とされているが、ストライカカラー(ストライカ保持部)の外周面は、長手方向に直角な断面形状が角部を備えるような形状であってもよい。また、上記実施形態では、ストライカカラー50は、ストライカブラケット40における底壁部42の上面側にアーク溶接によって固定されているが、例えば、ストライカカラーからフランジ部を延設させて該フランジ部をストライカブラケットの底壁部にボルト締結させてもよい。
また、上記実施形態では、ストライカブラケット40に対するフード下方側への所定値以上の荷重入力時には、ストライカ保持部としてのストライカカラー50がストライカ34の固定端部38の保持状態を解除し、その後、ストライカブラケット40の縦壁部44A、44Bが脆弱部144、244を起点として曲げ変形するように設定(チューニング)されているが、例えば、まず、ストライカブラケットの縦壁部が脆弱部を起点として曲げ変形し、その後、ストライカ保持部がストライカの端部の保持状態を解除するように設定されてもよい。
12 エンジンルーム
14 フード
16 フードアウタパネル
18 フードインナパネル
28 ラジエータサポートアッパ(車体骨格部材)
32A ラッチ(ロック手段)
34 ストライカ
38 固定端部(ストライカの端部)
40 ストライカブラケット
42 底壁部
44A 縦壁部
44B 縦壁部
50 ストライカカラー(ストライカ保持部)
14 フード
16 フードアウタパネル
18 フードインナパネル
28 ラジエータサポートアッパ(車体骨格部材)
32A ラッチ(ロック手段)
34 ストライカ
38 固定端部(ストライカの端部)
40 ストライカブラケット
42 底壁部
44A 縦壁部
44B 縦壁部
50 ストライカカラー(ストライカ保持部)
Claims (3)
- エンジンルームを開閉可能に覆うフードの外板を構成するフードアウタパネルと、
前記フードアウタパネルに対してフード下方側へ配置され、フードの内板を構成するフードインナパネルと、
前記フードインナパネル側に配設されてフード下方側へ突出し、車体骨格部材側のロック手段が係止可能なストライカと、
前記フードインナパネル側に配設されて前記ストライカの取付用とされた底壁部を備えると共に、前記ストライカの近傍位置で前記底壁部から略フード上方側へ屈曲された縦壁部を備えて前記フードインナパネル側と前記フードアウタパネル側とを略フード上下方向に連結するストライカブラケットと、
前記ストライカブラケットの前記底壁部に設けられ、前記ストライカの端部を保持すると共に、前記ストライカブラケットに対するフード下方側への所定値以上の荷重入力時に前記ストライカの端部の保持状態を解除するストライカ保持部と、
を有することを特徴とする車両用フード構造。 - 前記ストライカ保持部は、前記ストライカブラケットに対するフード下方側への所定値以上の荷重入力時に前記ストライカの端部から反力を受けて変形することによって前記ストライカの端部の保持状態を解除することを特徴とする請求項1記載の車両用フード構造。
- 前記ストライカ保持部は、フード上下方向に略直交する方向へ屈曲された前記ストライカの端部を挿通させた状態で保持すると共に、前記ストライカの端部が挿通された空間に連通してフード上方側へ向けて開口しており、前記ストライカブラケットに対するフード下方側への所定値以上の荷重入力時に前記ストライカの端部によって開口側が押し広げられるように変形することを特徴とする請求項2記載の車両用フード構造。
Priority Applications (1)
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JP2008007828A JP2009166708A (ja) | 2008-01-17 | 2008-01-17 | 車両用フード構造 |
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ID=40968401
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011094475A (ja) * | 2009-10-28 | 2011-05-12 | Audi Ag | 特にボンネット用の、車両ロックのストライカ装置 |
JP2011184016A (ja) * | 2010-03-11 | 2011-09-22 | Toyota Motor Corp | 車両用フード構造 |
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-
2008
- 2008-01-17 JP JP2008007828A patent/JP2009166708A/ja active Pending
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RU2607132C2 (ru) * | 2011-12-16 | 2017-01-10 | Рено С.А.С. | Автотранспортное средство, содержащее средство усиления переднего капота |
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