JP2009160840A - セラミック基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】セラミックグリーンシートの変形が抑制されるセラミック基板と、その製造方法を提供する。
【解決手段】セラミック基板1は、所定の厚さのセラミックグリーンシート2を積層させて加圧し、焼結することによって形成されたセラミック積層体からなる。セラミック基板1の表面から深さD1まででは、キャビティ5の開口寸法は徐々に大きくなるように設定され、深さD1よりも深い深さD2から深さD3まででは、キャビティ5の開口寸法は徐々に小さくなるように設定されている。深さD1と深さD2との間には、キャビティの開口寸法が最も大きくなるように設定されている。
【選択図】図2
【解決手段】セラミック基板1は、所定の厚さのセラミックグリーンシート2を積層させて加圧し、焼結することによって形成されたセラミック積層体からなる。セラミック基板1の表面から深さD1まででは、キャビティ5の開口寸法は徐々に大きくなるように設定され、深さD1よりも深い深さD2から深さD3まででは、キャビティ5の開口寸法は徐々に小さくなるように設定されている。深さD1と深さD2との間には、キャビティの開口寸法が最も大きくなるように設定されている。
【選択図】図2
Description
本発明はセラミック基板およびその製造方法に関し、特に、所定の厚さのセラミックグリーンシートを積層することにより形成される積層型のセラミック基板と、その製造方法とに関するものである。
積層型のセラミック基板は、積層させたセラミックグリーンシートを加熱状態のもとで加圧して各セラミックグリーンシートを一体化させ、その後、焼成し、そして、めっき処理を施すことによって形成される。セラミックグリーンシートには、あらかじめ金型パンチングあるいはレーザー加工機などによって、スルーホールあるいはビアホールが形成され、また、スクリーン印刷法などによって配線パターン形成される。
そのようなセラミック基板の一形態として、集積回路ICを搭載するためのキャビティが形成されたセラミック基板がある。この種のセラミック基板において、上金型と下金型による加圧を用いる場合は、キャビティの段数毎にセラミックグリーンシートを加圧する必要がある。そのため、プレス後のセラミックグリーンシートと新たに積層されたセラミックグリーンシートとの密度の差や、加熱に伴う変質による基板の反り等によって、セラミック基板の寸法にばらつきが生じる場合がある。
このような寸法のばらつきを低減するために、各種の静水圧プレス法によってセラミックグリーンシートの積層体を加圧する手法が提案されている。この手法では、高圧水槽に真空パック等によって防水処理を施したセラミックグリーンシートの積層体を浸漬させた状態で、セラミックグリーンシートの積層体が加圧される。特に、この静水圧プレス法では、キャビティの有無に関わらずセラミックグリーンシートを加圧することが可能とされる。なお、キャビティがある場合の静水圧プレス方式としては、特許文献1および特許文献2がある。特許文献1では、キャビティに倣うような弾性体を使用してセラミック基板を製造する方法が提案されている。また、特許文献2では、キャビティの底部に向かって開口寸法を小さくする方法が提案されている。
特開2002−76623号公報
特開2003−224360号公報
しかしながら、従来のセラミック基板の製造方法では、次のような問題点があった。セラミックグリーンシートを弾性体にて覆い静水圧プレス法によって加圧する場合、弾性体はセラミックグリーンシートの表面からキャビティの底に向かって変形する。このとき、キャビティの上部(開口端部)とキャビティの底部とにおいて弾性体が大きく屈曲するために、その屈曲する部分において、セラミックグリーンシートと弾性体との間に隙間が形成されることになる。隙間が形成されたセラミックグリーンシートに部分には圧力が作用せず、加圧後ではセラミックグリーンシートの密度に差が生じることになる。その結果、セラミックグリーンシートを焼結する際に、セラミックグリーンシートが変形するおそれがあった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、一つの目的はセラミックグリーンシートの変形が抑制されるセラミック基板を提供することであり、他の目的はそのようなセラミック基板の製造方法を提供することである。
本発明に係るセラミック基板は、セラミック積層体とキャビティとを備えている。セラミック積層体は、所定の厚さのセラミックが積層されている。キャビティはセラミック積層体に形成され、セラミック積層体の最表面から第1の深さまでの開口寸法は徐々に大きくなるように設定され、第1の深さよりも深い第2の深さから第2の深さよりも深い第3の深さまでの開口寸法は徐々に小さくなるように設定されている。
本発明に係るセラミック基板の製造方法は以下の工程を備えている。セラミックグリーンシート毎に大きさの異なる開口部が形成された複数のセラミックグリーンシートを、開口部が徐々に大きくなる態様で積層することにより第1積層体を形成する。セラミックグリーンシート毎に大きさの異なる開口部が形成された他の複数のセラミックグリーンシートを、開口部が徐々に小さくなる態様で第1積層体の上に積層することにより第2積層体を形成する。第1積層体と第2積層体によって形成されるキャビティの表面を含む第2積層体の表面を所定の厚さの弾性体によって覆う。その弾性体に圧力を付加する。第1積層体および第2積層体を焼結する。
本発明に係るセラミック基板によれば、セラミック積層体に形成されるキャビティでは、セラミック積層体の最表面から第1の深さまでの開口寸法は徐々に大きくなるように設定され、第1の深さよりも深い第2の深さから第2の深さよりも深い第3の深さまでの開口寸法は徐々に小さくなるように設定されている。これにより、セラミック積層体となるセラミックグリーンシートを弾性体で覆って加圧する際に、キャビティの内壁を均一に加圧することができて、セラミック基板の変形を抑制することができる。
本発明に係るセラミック基板の製造方法によれば、セラミックグリーンシートの第1積層体では、開口部が徐々に大きくなる態様で積層され、第1積層体の上に形成される第2積層体では、開口部が徐々に小さくなる態様で第1積層体の上に積層されることで、第1積層体と第2積層体によって形成されるキャビティの表面を含む第2積層体の表面を所定の厚さの弾性体によって覆って加圧する際に、キャビティの内壁を均一に加圧することができる。その結果、セラミック基板の変形を抑制することができる。
実施の形態1
本発明の実施の形態に係るセラミック基板について説明する。図1および図2に示すように、キャビティ5を有する本セラミック基板1は、所定の厚さのセラミックグリーンシート2を積層させて加圧し、そして、焼結することによって形成されたセラミック積層体からなる。セラミックグリーンシート2の材料として、たとえば、Al2O3が適用される。キャビティ5の寸法は、たとえばC1=5mm、C2=10mmとされる。また、キャビティ5のコーナーには、キャビティ5を形成する際にセラミックグリーンシートの部分が割れないように、丸み(たとえばR0.5mm)がつけられている。
本発明の実施の形態に係るセラミック基板について説明する。図1および図2に示すように、キャビティ5を有する本セラミック基板1は、所定の厚さのセラミックグリーンシート2を積層させて加圧し、そして、焼結することによって形成されたセラミック積層体からなる。セラミックグリーンシート2の材料として、たとえば、Al2O3が適用される。キャビティ5の寸法は、たとえばC1=5mm、C2=10mmとされる。また、キャビティ5のコーナーには、キャビティ5を形成する際にセラミックグリーンシートの部分が割れないように、丸み(たとえばR0.5mm)がつけられている。
加圧前のセラミックグリーンシートの厚さは、たとえば約0.1mmとされる。キャビティ5は、所定の寸法の開口部が形成されたセラミックグリーンシートを、たとえば9層積層させることによって形成される。そのため、この場合の加圧前のキャビティの深さは約0.9mmとなり、加圧し焼結処理を施した後では、深さはこれよりも少し浅くなる。また、セラミック基板は、たとえば14層のセラミックグリーンシートを積層させることによって形成され、加圧前のセラミック基板の厚さは約1.4mmとなり、加圧し焼結処理を施した後では、厚さはこれよりも少し薄くなる。
本セラミック基板1では、セラミック基板1の表面から深さD1まででは、キャビティ5の開口寸法は徐々に大きくなるように設定されている。一方、深さD1よりも深い深さD2から深さD3まででは、キャビティ5の開口寸法は徐々に小さくなるように設定されている。深さD1と深さD2との間には、キャビティの開口寸法が最も大きくなるように設定されている。このようなキャビティ5は、後述するように、開口寸法が徐々に大きくなる開口部が形成されたセラミックグリーンシートを積層し、そして、開口寸法が徐々に小さくなる開口部が形成されたセラミックグリーンシートを積層することによって形成されることになる。なお、焼結後のセラミック基板1では、セラミックグリーンシートの各層の境界はなくなって判別できないが、図2では、説明の便宜上境界を図示した。
実施の形態2
ここでは、上述したセラミック基板の製造方法について説明する。本セラミック基板は、所定の厚みのセラミックグリーンシートを積層することにより形成される。セラミックグリーンシートの積層に際して、積層治具が使用される。図3に示すように、積層治具11には、位置決めピン12やガイド(図示せず)が所定の位置に配設されている。セラミックグリーンシートには、その位置決めピンが挿通される案内穴が形成されている。セラミックグリーンシートの積層精度は、位置決めピン12の加工精度によって定まり、この場合、セラミックグリーンシートの全面において約5μmとされる。
ここでは、上述したセラミック基板の製造方法について説明する。本セラミック基板は、所定の厚みのセラミックグリーンシートを積層することにより形成される。セラミックグリーンシートの積層に際して、積層治具が使用される。図3に示すように、積層治具11には、位置決めピン12やガイド(図示せず)が所定の位置に配設されている。セラミックグリーンシートには、その位置決めピンが挿通される案内穴が形成されている。セラミックグリーンシートの積層精度は、位置決めピン12の加工精度によって定まり、この場合、セラミックグリーンシートの全面において約5μmとされる。
図4に示すように、セラミックグリーンシート2aの案内穴3を位置決めピン12の位置に合わせ、案内穴3に位置決めピン12が挿通されるように、1層目のセラミックグリーンシート2aが積層治具11に載置される。次に、図5に示すように、その1層目のセラミックグリーンシート2aの上に、2層目のセラミックグリーンシート2bが載置される。以下、同様にして、2層目のセラミックグリーンシート2bの上に、3層目から5層目のセラミックグリーンシート2c,2d,2eが、順次積層される。
次に、セラミックグリーンシートとして、キャビティとなる開口部が形成されたグリーンシートが積層される。図6に示すように、5層目のセラミックグリーンシート2eの上に、開口部4aが形成された6層目のセラミックグリーンシート2fが積層される。その6層目のセラミックグリーンシート2fの上に、開口部4bが形成された7層目のセラミックグリーンシート2gと、開口部4cが形成された8層目のセラミックグリーンシート2hとが順次積層される。
このとき、図7に示すように、セラミックグリーンシート2gの開口部4bの寸法は、直下のセラミックグリーンシート2fの開口部4aの寸法よりも、20μm(片側長さL=10μm)大きく設定され、セラミックグリーンシート2hの開口部4cの寸法は、直下のセラミックグリーンシート2gの開口部4bの寸法よりも、20μm(片側長さL=10μm)大きく設定されている。
次に、図8に示すように、8層目のセラミックグリーンシート2hの上に、開口部4dが形成された9層目のセラミックグリーンシート2iが積層される。セラミックグリーンシート2iの開口部4dの寸法は、直下のセラミックグリーンシート2hの開口部4cの寸法よりも、20μm大きく設定されている。そのセラミックグリーンシート2iの上に、開口部4eが形成された10層目のセラミックグリーンシート2jと、開口部4fが形成された11層目のセラミックグリーンシート2kとが順次積層される。開口部4d〜4fの寸法は同じ寸法とされる。
次に、図9に示すように、11層目のセラミックグリーンシート2kの上に、開口部4gが形成された12層目のセラミックグリーンシート2mが積層される。その12層目のセラミックグリーンシート2mの上に、開口部4hが形成された13層目のセラミックグリーンシート2nと、開口部4iが形成された14層目のセラミックグリーンシート2pとが順次積層される。
このとき、図10に示すように、セラミックグリーンシート2mの開口部4gの寸法は、直下のセラミックグリーンシート2kの開口部4fの寸法よりも、20μm(片側長さL=10μm)小さく設定され、セラミックグリーンシート2nの開口部4hの寸法は、直下のセラミックグリーンシート2mの開口部4gの寸法よりも、20μm(片側長さL=10μm)小さく設定されている。そして、セラミックグリーンシート2pの開口部4iの寸法は、直下のセラミックグリーンシート2nの開口部4hの寸法よりも、20μm(片側長さL=10μm)小さく設定されている。
次に、図11に示すように、最上層のセラミックグリーンシート2pの上に、そのセラミックグリーンシート2pの変形を抑制するための金属プレート13が配設される。金属プレート13には、セラミックグリーンシート2i〜2kに形成されている開口部4d〜4fと同程度の寸法の開口部13aが形成されている。開口部4a〜4iが形成されたセラミックグリーンシート2f〜2pが積層されることでキャビティ5が形成される。
次に、図12に示すように、積層されたセラミックグリーンシート2a〜2pに形成されたキャビティ5の内壁面等と金属プレート13を覆うように、弾性体として厚さ約1mmのシリコンゴム14が積層される。次に、図13に示すように、積層されたセラミックグリーンシート2a〜2p等が、積層治具11とともに所定の真空袋15に入れられ、そして、図14に示すように、その真空袋15内の空気が真空ポンプ(図示せず)によって抜かれて真空パック状態とされる。
次に、真空パック状態とされたセラミックグリーンシート2a〜2p等に静水圧プレス処理が施される。静水圧プレス処理の条件は、一例として、たとえば温度約20℃、圧力約35MPa〜50MPa、水温90℃とされる。なお、水温は、セラミックグリーンシート中のバインダーの材料の軟化温度によって決定され、圧力は、セラミックグリーンシートを焼結させた後の密度や収縮量によって決定される。
静水圧プレスの後、真空袋から積層治具11が取り出される。次に、積層治具11から金属プレート13が取り外され、そして、積層されたセラミックグリーンシートが取り外される。次に、取り出されたセラミックグリーンシートには、焼結処理が施される。その焼結処理のプロセスの一例を図15に示す。図15に示すように、セラミックグリーンシートは、まず、数時間をかけて室温から所定の温度(第1温度)にまで昇温され、その第1温度のもとで数時間保持される。次に、数分から数時間をかけて、第1温度よりも高い所定の温度(第2温度)にまで昇温され、その第2温度のもとで数分から数時間保持される。その後、数時間から数十時間をかけて室温にまで降温される。こうして、図16に示すように、キャビティ5を有するセラミック基板1が製造される。
上述したセラミック基板では、開口寸法が徐々に異なる開口部が形成されたセラミックグリーンシートを積層することによって形成されることで、静水圧プレス処理を施す際に、セラミックグリーンシートのキャビティの内壁をほぼ均一に加圧することができる。このことについて、比較例に係るセラミック基板を例に挙げて説明する。
図17に示すように、比較例に係るセラミック基板101では、まず、キャビティとなる開口部が形成されたセラミックグリーンシートを含む所定のグリーンシートが積層治具111に順次積層される。そして、最上層のセラミックグリーンシート102の上に金属プレートが載置され、さらに、キャビティの内壁と金属プレートを覆うように、シリコンゴムなどの弾性体114が載置される。
比較例に係るセラミック基板では、セラミックグリーンシートとして、キャビティとなる開口部として同じ寸法の開口部が形成されたセラミックグリーンシート102が使用される。そのため、弾性体104はセラミックグリーンシート102の表面からキャビティ105の底に向かって変形する。このとき、特に、キャビティ105の上部(開口端部)と底部とにおいて弾性体104が大きく屈曲することになる。
弾性体104が屈曲した部分では、弾性体104とセラミックグリーンシート102との間に隙間116が生じて、静水圧プレス処理を施す際に圧力がセラミックグリーンシート102に均一に作用しなくなり、セラミックグリーンシート102には、密度の相対的に高い部分と低い部分とが生じる。すなわち、隙間116が形成されているキャビティ105の上部(開口端部)と底部では、密度が相対的に低くなる。そのため、図18に示すように、焼結処理を施すと、キャビティ105の上部(点線丸枠A内)と底部(点線丸枠B内)とにおいて、セラミックグリーンシート102が変形を起こしてしまう。
これに対して、上述したセラミック基板1では、静水圧処理を施す際に、弾性体14がキャビティ5の表面に沿うように寸法調整された開口部4がそれぞれ形成されたセラミックグリーンシート2を積層することによって形成される。そのため、弾性体4とセラミックグリーンシート2との間に隙間が生じるのが抑制されて、静水圧プレス処理を施す際に圧力がセラミックグリーンシート2にほぼ均一に作用し、セラミックグリーンシート2における密度のばらつきが低減される。その結果、セラミックグリーンシート2の変形を抑えることができる。
実際に、キャビティの底の部分において、セラミックグリーンシートが変形している領域を評価し、図19に示すように、これを静水圧力が均一に作用している領域Pの端からキャビティの側壁までの距離Sとして求めた。その結果、比較例に係るセラミック基板では、距離Sが約0.6mmであったのに対して、本セラミック基板では、距離Sは約0.1mmにまで縮められていることが確認された。これは、本セラミック基板では、セラミックグリーンシートの段差に沿うように、キャビティの底部の壁面と底面における加圧領域が広がったことを示していると考えられる。
また、比較例に係るセラミック基板では、キャビティの上部の部分において、セラミックグリーンシートの積層ずれによるセラミックグリーンシートの変形が認められ、また、異物の発生が確認された。これに対して、本セラミック基板では、セラミックグリーンシートにおけるキャビティの開口寸法差が、セラミックグリーンシートを積層する際の最大ずれ量以上となるように設定されている。これにより、セラミックグリーンシートを積層する際のずれに対する、キャビティとなる開口部の位置ずれの影響は相対的に小さく、キャビティの上部におけるセラミックグリーンシートの変形が極めて小さいことが確認された。
これらの結果は、キャビティの上部から底部にいたる領域において、従来の方法では隙間が発生し加圧できない部分についても、弾性体がセラミックグリーンシートの段差に沿うように変形することで、効果的に加圧することが可能となることを示していると考えられる。
また、一つのセラミックグリーンシートにおいてキャビティとなる開口部の寸法と、これに積層される他のセラミックグリーンシートの開口部の寸法との差は、キャビティの開口寸法、弾性体の材質、弾性体の厚み、キャビティを形成するセラミックグリーンシートの層数、加圧力、加圧時間、積層精度等によって変化することになる。
たとえば、厚さ1mmの弾性体を用いて静水圧処理を施す場合に、セラミックグリーンシートを積層ピンを用いて積層する場合では、各セラミックグリーンシートの積層ズレ量は約5μm程度とされる。このことから、図20に示すように、各セラミックグリーンシートにおける開口部の寸法差Lは、約10μm以上必要とされる。一方、開口部の寸法差Lが約30μmを超えると、セラミックグリーンシートが割れる可能性がある。したがって、各セラミックグリーンシートにおける開口部の寸法差Lは、約10μm〜30μm程度が好適とされる。
また、図21に示すように、キャビティの底側の開口部の寸法差L1とキャビティの開口側の開口部の寸法差L2とを変えてもよい。特に、寸法差L1を寸法差L2よりも大きく設定する場合には、寸法差L1を30μm以上に設定してもよい。
なお、上述したセラミック基板の製造方法では、セラミック基板のキャビティの平面形状として、角部が曲線で実質的に矩形の形状を例に挙げて説明した。キャビティの平面としては、図22に示すように、直線と曲線とを組み合わせた形状のキャビティ5であっても、弾性体がセラミックグリーンシート2の段差に沿うように変形することで、セラミックグリーンシート2の変形を抑制することができる。
また、上述したセラミック基板の製造方法では、最上層のセラミックグリーンシートの上に金属プレートを配設する場合を例に挙げて説明した。金属プレートは、セラミックグリーンシートの平坦性を保つことが主目的であるため、必ずしも金属プレートを配設する必要はない。そのため、図23に示すように、金属プレートを配設せずに製造した場合には、キャビティ5の開口周辺の部分6がキャビティ5に向かって傾斜するように変形することになる。
さらに、セラミックグリーンシートの材料として、Al2O3を例に挙げて説明した。セラミックグリーンシートの材料としては、グリーンシート積層法により製造されるセラミック全般、たとえば、TiO2やMgOなどの材料や、これらの材料を混合させた混合材料系であってもよい。これらのセラミックグリーンシートの材料を用いた場合でも、均一に加圧することができてセラミックグリーンシートの変形を抑制することができる。また、低温焼結材料としてのガラスセラミックも適用すること可能である。
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 セラミック基板、2,2a〜2p セラミックグリーンシート、3 案内穴、4,4a〜4i 開口部、5 キャビティ、6 キャビティ開口端周辺部、11 積層治具、12 位置決めピン、13 金属プレート、14 弾性体、15 真空袋、16 隙間。
Claims (6)
- 所定の厚さのセラミックを積層させたセラミック積層体と、
前記セラミック積層体に形成され、前記セラミック積層体の最表面から第1の深さまでの開口寸法は徐々に大きくなるように設定され、前記第1の深さよりも深い第2の深さから前記第2の深さよりも深い第3の深さまでの開口寸法は徐々に小さくなるように設定されたキャビティと
を備えた、セラミック基板。 - 前記第1の深さと前記第2の深さとの間では、前記キャビティの開口寸法が最も大きく設定された部分を含む、請求項1記載のセラミック基板。
- 前記キャビティの開口寸法が最も大きく設定された部分として、所定の厚さの前記セラミックを少なくとも2層積層させた部分を含む、請求項2記載のセラミック基板。
- セラミックグリーンシート毎に大きさの異なる開口部が形成された複数のセラミックグリーンシートを、開口部が徐々に大きくなる態様で積層することにより第1積層体を形成する工程と、
セラミックグリーンシート毎に大きさの異なる開口部が形成された他の複数のセラミックグリーンシートを、開口部が徐々に小さくなる態様で前記第1積層体の上に積層することにより第2積層体を形成する工程と、
前記第1積層体と前記第2積層体によって形成されるキャビティの表面を含む前記第2積層体の表面を所定の厚さの弾性体によって覆う工程と、
前記弾性体に圧力を付加する工程と
前記第1積層体および前記第2積層体を焼結する工程と
を備えた、セラミック基板の製造方法。 - 前記第1積層体を形成する工程と前記第2積層体を形成する工程との間に、大きさの最も大きい開口部が形成されたセラミックグリーンシートを少なくとも2層積層することにより中間層体を形成する工程を備えた、請求項4記載のセラミック基板の製造方法。
- 前記第1積層体を形成する工程および前記第2積層体を形成する工程において、前記開口部の大きさの違いは、セラミックグリーンシートを積層する際の最大のずれ量よりも大きく設定された、請求項4または5に記載のセラミック基板の製造方法。
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JP (1) | JP2009160840A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101303065B1 (ko) | 2011-03-25 | 2013-09-03 | 주식회사 케이씨씨 | 가압 장치 및 이를 이용한 캐비티를 갖는 세라믹 기판의 제조 방법 |
KR20170032016A (ko) | 2015-09-14 | 2017-03-22 | 삼성전기주식회사 | 세라믹 패키지 및 수정 소자 패키지 |
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2008
- 2008-01-08 JP JP2008001259A patent/JP2009160840A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101303065B1 (ko) | 2011-03-25 | 2013-09-03 | 주식회사 케이씨씨 | 가압 장치 및 이를 이용한 캐비티를 갖는 세라믹 기판의 제조 방법 |
KR20170032016A (ko) | 2015-09-14 | 2017-03-22 | 삼성전기주식회사 | 세라믹 패키지 및 수정 소자 패키지 |
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