JP2009142382A - X線ct装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、被検体の周囲の対向する位置に配設されたX線源とX線検出器とを被検体の周囲で相対的に回転させ、該回転の周方向の多数の位置で取得した被検体のX線透過像に基づいて該被検体の断層像を生成するX線CT装置を提供する。
【解決手段】 本発明のX線CT装置は、水ファントムのX線透過像に基づいたキャリブレーションデータを取得し記憶する水キャリブレーションデータ記憶手段と、空気層のX線透過像に基づいたキャリブレーションデータを取得し記憶するエアキャリブレーションデータ記憶手段とを有し、これに加え所定の物体のX線透過像に基づいたキャリブレーションデータを取得し記憶する補助キャリブレーションデータ記憶手段を有している。このX線CT装置は、水キャリブレーションデータとエアキャリブレーションデータと補助キャリブレーションデータとを用いてキャリブレーション演算を行う。
【選択図】 図3
【解決手段】 本発明のX線CT装置は、水ファントムのX線透過像に基づいたキャリブレーションデータを取得し記憶する水キャリブレーションデータ記憶手段と、空気層のX線透過像に基づいたキャリブレーションデータを取得し記憶するエアキャリブレーションデータ記憶手段とを有し、これに加え所定の物体のX線透過像に基づいたキャリブレーションデータを取得し記憶する補助キャリブレーションデータ記憶手段を有している。このX線CT装置は、水キャリブレーションデータとエアキャリブレーションデータと補助キャリブレーションデータとを用いてキャリブレーション演算を行う。
【選択図】 図3
Description
本発明は、人体部位の断層像を撮像するX線CT装置に関する。
近年、医療分野および歯科分野において3次元画像診断にニーズが高まっており、X線CT装置も広い医療領域で活用できるものが所望されている。とりわけ歯科分野では、インプラント治療に代表される歯科治療の高度化に伴い、3次元画像診断の必要性が高まっている。
一般にX線CT装置は、X線源とX線検出器とが対向配置された撮影領域内に被検体を侵入させ、X線源からX線ビームを照射して被検体透過後のX線強度をX線検出器で検出する。そして、被検体の周囲を回転しながら繰り返して各方向からの測定データ(生データ)を収集し、各測定データに畳み込み(コンボリューション)、逆投影(バックプロジェクション)等の処理を加えて画像の再構成を行う。このとき得られた画像データを予め取得されたキャリブレーションデータに基づいてCT値に換算処理して画像表示する。
ここでCT値について言及する。CT値は、生体組織のX線吸収係数の値を水を0とした相対値で表したもので、以下の式で求められる。 定数K=1000とした場合のCT値はHounsfield Unit(HU)またはHounsfield Numberと呼ばれ、医科用CTで一般的に用いられており、以下の式で求められるものである。
CT値=(μt−μw)/μw × K
μt: 組織のX線吸収率に比例した値
μw: 水のX線吸収率に比例した値
K : 1000
CT値=(μt−μw)/μw × K
μt: 組織のX線吸収率に比例した値
μw: 水のX線吸収率に比例した値
K : 1000
しかしながら、実際にCT装置で撮影されたX線の透過データ(生データ)の対数はX線吸収率を示したデータであり、CT値として得るには予め水ファントムをスキャンしてキャリブレーションデータを求め、被検体を撮影した生データからキャリブレーションデータを用いて演算、すなわちキャリブレーション(水キャリブレーション)を行う必要がある。また、この水ファントムによるキャリブレーションでは、取得される値が比較的安定しており、かつ、その収集作業に時間を要するので頻繁に取り直しを行うのは困難である。そこで、一般的にはメーカにおけるメンテナンス時に水ファントムを用いてキャリブレーションを行い、通常は空気層のみを透過して得られるキャリブレーションデータ(エアキャリブレーションデータ)を求め、これらに基づいてキャリブレーションを行っている。換言すれば、従来のキャリブレーションでは、CT値の基準値として与えられている水=ゼロ、空気=−1000のCT値に相当する撮影データに基づいてキャリブレーションを行っていると言える。
このように通常、キャリブレーションでは水、空気の2つの撮影対象でのキャリブレーションデータに基づいてX線検出器のばらつきを補正し、画像再構成後に他の被検体部位におけるX線吸収率に対してCT値を予測換算している。具体的には、空気のCT値をー1000、水を0にすると、水の2倍のX線吸収係数を有する物質のCT値は前式で明らかなように1000となり、人体組織ではー1000から1000迄の範囲で充分であり、CT値として±1000が用いられる。しかしながら、空気と水とのみで得られるキャリブレーションデータでのCT値換算では、空気=−1000と水=0の2点から大きく離れたCT値の換算において誤差が多くなることが予想される。従来、医療分野におけるCT撮影画像は内臓等の軟組織が中心であり、水および空気、特に水のCT値から大きくかけ離れた部位を診断することが少なくこの点については特に認識されていなかった。
一方、X線CT装置は工業用のものとしても使用されており、この場合には主に、水、空気から大きく離れたCT値に規定されるべき物体を撮影するが、特にCT値の検出の誤差を検出結果における注目部分としていなかった。
これに対して近年、X線CT装置の使用ニーズが高まっている歯科診断においては上顎洞などの空気層からCT値の大きな骨などまで正確に組織構成を診断する必要があり、従来の水、空気の2点キャリブレーションではX線吸収率の高い組織に近づくにつれ誤差が大きく、CT値によりこれに相当する組織を診断することが困難であることが知得されてきた。
また、医療分野においても心臓血管診断や内耳診断へのX線CT装置の活用が注目されてきており、正確なCT値の測定と広範囲に亘るCT値の測定の2つのニーズが高まってきており、既存のX線CT装置におけるキャリブレーションでは不十分であった。
このような事情に鑑みて本発明のX線CT装置では、広範囲なCT値を高精度に測定することができるX線CT装置、とりわけ歯科用CT装置を提供することを目的としている。
本発明のX線CT装置は、被検体の周囲の対向する位置に配設されたX線源とX線検出器とを被検体の周囲で相対的に回転させ、該回転の周方向の多数の位置で取得した被検体のX線透過像に基づいて該被検体の断層像を生成するX線CT装置である。この装置では、従来のX線CT装置でも要求されているX線透過像を取得可能な範囲内に配設された水ファントムのX線透過像に基づいたキャリブレーションデータを取得し記憶する水キャリブレーション記憶手段と、X線透過像を取得可能な範囲内の空気層のX線透過像に基づいたキャリブレーションデータを取得し記憶するエアキャリブレーションデータ記憶手段と、を有している。このキャリブレーションデータ記憶手段に加え、本発明のX線CT装置では、X線透過像を取得可能な範囲内に配設された目的物体のX線透過像に基づいたキャリブレーションデータを取得し記憶する補助キャリブレーションデータ記憶手段とが付加されている。
上記3つのキャリブレーションデータ手段、具体的には、水キャリブレーションデータ手段とエアキャリブレーションデータ手段と補助キャリブレーションデータ手段とから得られたキャリブレーションデータを用いて、本X線CT装置ではキャリブレーション演算を行っている。
また、X線CT装置では一般に、その性能および測定対象に応じて検出可能なCT値の限界値があり、本発明の一のX線CT装置では、補助キャリブレーションデータ記憶手段においてキャリブレーションデータを取得する目的物体が、少なくともX線CT装置に応じて予め検出可能な最大のCT値(以下、「許容CT値」と称する)以下のCT値に相当する物体であり、最大のCT値とはそれぞれのX線検出器およびX線源と、X線検出器およびX線源の配置とに基づいて決定されることが好ましい。例えば、目的物体が0より大きく許容CT値以下のCT値に相当する材質である。
また、本発明の他のX線CT装置では、補助キャリブレーションデータ手段においてキャリブレーションデータを取得する目的物体は、撮像目的の材質に相当するとして予め設定されたCT値に近いCT値である材質で構成されることが好ましい。また、目的物体が撮像目的の材質に相当するとして予め設定されたCT値が複数存在するときには、該複数のCT値それぞれに近いCT値である材質の複数物体で構成しても良い。
さらに、本発明のX線CT装置の一例として歯科用X線CT装置の場合、目的物体の少なくとも1つは、骨のCT値に近いハイドロキシアパタイト(水酸燐灰石)やアルミニウムを主成分とする物体またはCT撮影用造影剤等で構成されることが好ましい。
従来、CT値算出の基本となる水および空気の2つの物質に基づくキャリブレーションデータにより撮影の生データを修正するキャリブレーションが行われていたが、本発明のX線CT装置によれば、水および空気以外の少なくとも1つの物質に基づくキャリブレーションデータを付加したキャリブレーションを行っている。これにより、水及び/又は空気の2点で行うキャリブレーションよりCT値の誤差が少ない断層像を得ることができる。とりわけ、大きなCT値に相当する物質におけるCT値誤差を少なくすることができる。従って、被検体部位としての骨や歯、医療用および歯科用で使用される外部物質のようにX線吸収率が高い物質を含むCT断層画像においても精緻なCT値を検出させることが可能となる。
また、本発明の一のX線CT装置では、その装置の性能ごとに検出可能な限界の大きなCT値(好ましくは限界の近傍のCT値)に相当する材質の目的物体に基づいてキャリブレーションデータを取得する。ここで言う許容CT値は、X線検出器の感度とダイナミックレンジ(=測定可能な範囲)、X線源に与える電圧・電流、X線検出器とX線源の距離等によって決定される。ただし、医療的な見地から前記決定される値よりも実際の設定値を小さくしても良い。
水のCT値は0であり、空気のCT値は−1000であるため、この範囲内でCT値の誤差があると−1000〜0のCT値の範囲では大きな誤差は生じないが、プラス方向に離れていく、許容CT値に近づくほど検出されるCT値誤差を大きなものとなる。従って、一のX線CT装置では、単に水、空気、以外の他の目的物体に基づくキャリブレーションデータを取得するだけではなく、補助キャリブレーションの目的物体をプラス方向に大きなCT値に相当する物体とすることで広範囲に亘って高精度なCT値検出を可能としている。また、この目的物体はプラス方向に離れるほど好ましいが、その限界として各X線CT装置のCT値検出限界を目的物体に相当するCT値とすることで目的物体の選択を容易にしている。したがって、補助キャリブレーションの目的物体に相当するCT値は水に相当するCT値(=0)よりも大きいことが好ましく、さらに、人体特有のCT値限界としては、歯が最もCT値が大きいと考えた場合、少なくともエナメル質のCT値に相当する目的物体を選択することで所望される範囲内でのCT値を精緻に検出可能としている。
また、上記一のX線CT装置において広範囲の被検体部位でCT値検出の精度を上げることに注目したが、本発明の他のX線CT装置では医師等が特にCT値検出を所望する材質近傍での検出CT値精度を高めることに注目している。本発明の他のX線CT装置では、CT値検出を所望する材質そのものに近いCT値に相当する目的物体のキャリブレーションデータを取得する。これにより医師等が特に見たい部位(又は外部物体)について特に高精度なCT値検出をさせることが可能である。さらに、本発明のX線CT装置を歯科用X線CT装置として用いる場合、例えば歯科で特に注目する歯や骨に近いCT値の物質を選択すると、歯科医師にとって非常に組織構造を理解し易い断層像を提供することが可能となる。
以下、本発明のX線CT装置の一例として歯科用X線CT装置の実施形態を説明する。
まず、前提として一般的な歯科用X線CT装置全体の構成の1つを概説する。図1を参照すれば一般的な歯科用X線CT装置10が例示されている。この歯科用X線CT装置の本体10には、底部に基台12が設けられ、この基台12から上方に支柱14が延びている。支柱14は、上端で屈曲されて水平方向に延びる水平アーム16を設けている。また、水平アーム16の下部には水平アーム16に対して旋回自在な旋回アーム18が取付けられている。また、患者を座らせる椅子29がある。
まず、前提として一般的な歯科用X線CT装置全体の構成の1つを概説する。図1を参照すれば一般的な歯科用X線CT装置10が例示されている。この歯科用X線CT装置の本体10には、底部に基台12が設けられ、この基台12から上方に支柱14が延びている。支柱14は、上端で屈曲されて水平方向に延びる水平アーム16を設けている。また、水平アーム16の下部には水平アーム16に対して旋回自在な旋回アーム18が取付けられている。また、患者を座らせる椅子29がある。
また、旋回アーム18は両端部で下方に屈曲された吊り下げ形状で構成され、両端部下方でそれぞれ互いに対向する位置にX線源20と、X線検出器22とが装着されている。このX線源20は、X線検出器20方向に向かって拡散するコーンビーム状のX線が照射される。また、X線検出器22は、X線源20から照射されたX線をX線源20側の検出面22aで収集する二次元X線検出器(以下、「X線検出器22」を「二次元検出器22」とも称する)である。
また、支柱14に固定アーム24が設けられ、固定アーム24は水平アーム16と並列下方で支柱14から水平に延びている。固定アーム24の先端部には、被写体保持手段が取り付けられ、例えば、患者の前後方向を位置決め固定するための水平バー26や、患者の顎部を下方に位置決め固定するための顎受け器28が取り付けられている。
このX線CT撮像装置10においてCT撮影するときには、まず患者の顎部を水平バー26等の被写体保持手段に固定し、患者の身長を考慮して良好な位置に顎部が位置決めされるよう椅子29を昇降させる。そして、顎部が位置決めされると撮影スタンバイ状態となる。撮影時にはX線源20から被写体保持手段に位置決めされた患者の顎部にX線を照射しながら旋回アーム18が旋回して透過したX線をX線検出器22で検出する。なお、本実施の形態では図1に示すX線CT撮像装置10を例示して説明したので椅子29により患者を位置決めさせているが、患者を中心として、その周囲を旋回アーム18が相対的に回転する位置関係あれば他の構成でも良い。例えば、患者を座らせる椅子29を昇降による位置決め機能だけでなく旋回機能も付与し、患者自体をX線源とX線検出器との間で回転させる構成でも良い。
次に、図2はX線CT撮像装置10の撮像機能の全体構成を示している。上述するようにX線CT撮像装置10は、X線源20と、X線検出器22とが被写体たる患者の顎部30に対して略対向して位置決めされるように配置され、旋回アーム18がX線源20とX線検出器22とのそれぞれを吊り下げ配置している。また、患者の顎部30の固定は、上記水平バー26や顎受け器28等で構成された被写体保持手段で行っている。また、このX線CT撮像装置10は、X線画像の処理を行って表示装置32に表示するが、この制御構成として概ね、X線画像処理制御の全体を制御する画像処理手段34、やオペレータが撮像操作を行うための操作部36とを備えている。この操作部36には、本装置10を操作するための操作ガイドなどを簡易に表示する表示手段36bを備え、この表示手段36bの表示に従って、撮像操作を行うための操作パネル36aを有している。
また、X線源20は、発生するX線ビームのエネルギー等を調整し、所望のビーム幅のX線コーンビーム38が放射できるようにするX線ビームコントローラ40を備えている。ここでX線検出器22は、X線源20から照射され被写体の顎部を透過したX線を受光検知し、このX線透過画像データとしてのX線強度データをアナログ電気データ、又はそれ自身でA/D変換器を備える場合にはデジタルデータとして出力する機能を有している。具体的には、II管とCCD(固体撮像素子)カメラの組み合わせによるものや、FPD、IPを使用するものが存在する。例えば、II管を使用する場合、II管によりX線が可視光に変換され、この可視光を光電変換器により電子に変換して電子増倍され、増倍された電子を蛍光体により可視光に変換してからレンズを通して2次元配列されたCCDカメラで撮影する構成がある。
また、旋回アーム18には、アーム回転モータ42が設けられ、旋回中心18aの周りに等速あるいは可変速で旋回できるようになっている。このアーム回転モータ42は、旋回アーム18の旋回駆動手段を構成しており、サーボモータや、パルスモータなどのように、その回転速度、回転位置を自由に制御することができるモータを用い、また、旋回アーム18のX線旋回中心18aに軸直結で設置されている。従って、旋回アーム18を旋回中心18aの周りに回転をさせることができるとともに、その回転位置も時間軸に沿って知ることができるので、タイミングを合わせて、X線検出器22でX線透過画像を取り出すのに都合がよく、また、芯振れが少ないため本発明のX線CT撮像装置10を有効に実施することができる。
旋回アーム18のX線旋回中心18aの部分は、中空部18bとなっている。この中空部18bは、その内部に旋回アーム18に吊り下げ配置されたX線源20とX線検出器22と、上述する操作部36や画像処理手段34との間の接続線を配置する。
次に、画像処理手段34は、画像処理解析にも高速で作動可能な演算プロセッサで構成される演算処理手段34a、A/D変換手段34c、フレームメモリ34d、演算用メモリ34eを備えている。この表示装置32は、画像処理手段34で得られたX線CT撮影によるX線断層画像を表示すると共に、この表示された曲面X線断層画像上などで、画像上の特定部分の位置指定や選択などを行うことができる。
そして、画像処理手段34は、X線源20、X線検出器22、アーム回転モータ42等、操作部36、表示装置32と接続され、これらからのデータを処理し、制御を行っている。詳細には、X線検出器22から得たX線強度データが、A/D変換手段34cによってデジタル信号に変換され、フレームメモリ34dに格納される。フレームメモリ34dに格納された複数のX線強度データは、演算用メモリ34eに記憶され、その記憶されたX線強度データに対して、断層画像生成のための所定の演算処理が演算処理手段34aによって行われ、撮影関心領域の3次元的なX線吸収係数(CT値)も算出され、この3次元的なX線吸収係数から、種々の画像が再構成されて、表示装置32において表示され、また、必要に応じて、外部記憶手段(図示せず)に記憶されることとなる。なお、本発明で問題とするキャリブレーションデータは、キャリブレーション用の撮影によりフレームメモリ34dを介して外部記憶手段に記憶されているが、キャリブレーション演算過程において外部記憶手段から演算用メモリ34eに記憶され、演算処理手段34aにおいて実行されるキャリブレーション演算に用いられることとなる。
次に、歯科用X線CT装置10における画像再構成の概念について広くX線CT装置として図3を用いて説明する。図3は図2における演算処理手段34aで行われる画像処理フロー図と考える。
まず、被検体(図2における歯顎顔面30に相当:以下、広く「被検体30」として説明する)の撮影し、画像処理手段34(図2参照)によりX線検出器22で取り込まれた投影データ(生データ)を取得する(S1)。次にこの投影データに対してオフセット補正(S2)を行う。オフセット補正(S2)された後は、Log変換(S3)が行われる。
次にLog変換処理(S3)された計測データに対してエアキャリブレーションがかけられる(S3)。このキャリブレーションは、X線検出器22の照射されるX線強度に対する感度がチャンネルごとに異なることを補正するものであり、予め求められた記憶されたキャリブレーションデータにおける各チャンネル値に基づいて補正する演算処理である。
その後、画像再構成が行われ(S4)、最終的な断層像に再構成される。このとき、再構成された断層像データはX線吸収率のデータであるためCT値に換算する補正がなされる。例えばキャリブレーションした三点を通る曲線または直線の補正がなされる(S5)。そして、表示装置32(図2参照)により画像表示が行われる(S6)。
この演算処理の前提としてそれぞれのキャリブレーションデータを取得し記憶しておくキャリブレーションデータ記憶手段が必要となる。ここでは、水ファントム、空気層、所定の目的物体の撮影をもとにして、それぞれ水キャリブレーションデータ記憶手段、エアキャリブレーションデータ記憶手段、補助キャリブレーションデータ記憶手段とが存在することとなる。
まず、水キャリブレーションデータ記憶手段では、撮影範囲内に配設した水ファントムを撮影した際のX線強度データを水キャリブレーションデータとして取得し記憶する。この手段でのデータ取得・記憶工程は、主にメーカメンテナンス時に行われる。また、エアキャリブレーションデータ記憶手段では、撮影範囲内の空気層を撮影した際のX線強度データをエアキャリブレーションデータとして取得し記憶する。この手段でのデータ取得・記憶工程は、通常、ユーザが撮影前に行うものである。さらに、補助キャリブレーションデータ記憶手段では、撮影範囲内に配設した所定の目的物体を撮影した際のX線強度データを補助キャリブレーションデータとして取得し記憶する。
このとき補助キャリブレーションデータ記憶手段で記憶させる撮影対象としては、所定の物体(「目的物体」と称する)を使用する。この目的物体としては、別途、補助キャリブレーション用として選択され撮影範囲内に配置されるものであり、例えば、X線CT装置10の性能ごとに検出可能な限界の大きなCT値、好ましくは限界の近傍のCT値に相当する材質の目的物体が選択され、さらに+1000以上に相当するCT値の材質が選択される。また、他の例の目的物体として医師等が特にCT値検出を所望する材質そのものに近いCT値に相当する材質が選択される。
図1に示す歯科用X線CT装置10の場合、代表的には歯科で特に注目する歯列組織や人工骨に近いCT値の材質として、ハイドロキシアパタイトが選択される。
以上、本発明のX線CT装置おける実施形態として歯科用X線CT装置を例に説明してきた。しかしながら、本発明のX線CT装置は、従来、水及び/または空気のみのキャリブレーションデータでキャリブレーションしていた問題点の解決としてそれ以外のキャリブレーションデータを付加した点、さらにその具体的な撮影対象(目的物体)を提供した点が大きな特徴であり、特に歯科用X線CT装置に限るものでない。本発明のX線CT装置は、X線CT装置個々の規格に応じて撮影可能な最大のCT値に相当する物体、又は医師等が検出を所望する物体のCT値に相当(近似)するCT値の物体、を撮影したキャリブレーションデータを付加した新たなキャリブレーションを実行する種々のX線CT装置の実施形態が存在することは当業者にとって明白であろう。
10 X線CT装置
20 X線源
22 X線検出器
S3 キャリブレーション/Log変換
20 X線源
22 X線検出器
S3 キャリブレーション/Log変換
Claims (6)
- 被検体の周囲の対向する位置に配設されたX線源とX線検出器とを被検体の周囲で相対的に回転させ、該回転の周方向の多数の位置で取得した被検体のX線透過像に基づいて該被検体の断層像を生成するX線CT装置であって、
X線透過像を取得可能な範囲内に配設された水ファントムのX線透過像に基づいたキャリブレーションデータを取得し記憶する水キャリブレーションデータ記憶手段と、
X線透過像を取得可能な範囲内の空気層のX線透過像に基づいたキャリブレーションデータを取得し記憶するエアキャリブレーションデータ記憶手段と、
X線透過像を取得可能な範囲内に配設された少なくとも一つの目的物体のX線透過像に基づいたキャリブレーションデータを取得し記憶する補助キャリブレーションデータ記憶手段と、
前記水キャリブレーションデータ記憶手段と前記エアキャリブレーションデータ記憶手段と前記補助キャリブレーションデータ記憶手段とから得られたキャリブレーションデータを用いてキャリブレーション演算を行う手段と、
を有するX線CT装置。 - 前記補助キャリブレーションデータ記憶手段においてキャリブレーションデータを取得する目的物体は、前記X線CT装置に応じて予め検出可能な最大のCT値以下のCT値に相当する物体であり、前記最大のCT値とは、少なくともそれぞれのX線検出器およびX線源と、該X線検出器およびX線源の配置とに基づいて決定されることを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
- 前記補助キャリブレーション記憶手段においてキャリブレーションデータを取得する目的物体は、撮像目的の材質に相当するとして予め設定されたCT値に近いCT値である材質で構成される、ことを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
- 前記目的物体は、水に相当するCT値よりも大きいCT値に相当する物体である、ことを特徴とする請求項2に記載のX線CT装置。
- 前記目的物体が撮像目的の材質に相当するとして予め設定されたCT値が複数存在するときには、該複数のCT値それぞれに近いCT値である材質の複数物体で構成される、ことを特徴とする請求項3に記載のX線CT装置。
- 前記X線CT装置は歯科用X線CT装置であり、前記目的物体は、ハイドロキシアパタイト(水酸燐灰石)やアルミニウムを主成分とする物体またはCT撮影用造影剤で構成される、ことを特徴とする請求項3又は5のいずれか1項に記載のX線CT装置。
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