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JP2009136488A - 吸収性物品の表面シート - Google Patents

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JP2009136488A JP2007315915A JP2007315915A JP2009136488A JP 2009136488 A JP2009136488 A JP 2009136488A JP 2007315915 A JP2007315915 A JP 2007315915A JP 2007315915 A JP2007315915 A JP 2007315915A JP 2009136488 A JP2009136488 A JP 2009136488A
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Hiroko Kawaguchi
宏子 川口
Wataru Saka
渉 坂
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Abstract

【課題】排泄物が着用者の皮膚に付着しづらくなり、また排泄物の漏れ出しが起こりづらい吸収性物品を提供すること。
【解決手段】吸水性繊維1及び熱可塑性繊維5を含む不織布からなり、該吸水性繊維1は、排泄された排泄物中の水分の吸収によってゲル化して、該排泄物を取り込んだヒドロゲル4を形成するものである吸収性物品の表面シート10。熱可塑性繊維が捲縮繊維であることが好ましい。水分の吸収によって形成されたヒドロゲル4が、捲縮繊維の捲縮によるアンカー効果で表面シート10に保持されるようになされていることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品の肌対向面側に用いられる表面シートに関する。
使い捨ておむつや生理用ナプキンなどの吸収性物品の構成部材の一つとして、吸水性繊維を含む不織布等を用いる技術が知られている。例えば特許文献1には、生理食塩水の保水率が1000重量%以上の吸水性繊維を20重量%以上、及び吸水ポリマーを含有し、吸水後、吸水前の厚さの7倍以上に膨張し、吸水ポリマーと吸水性繊維の合計が30%以上である吸水性乾式不織布が開示されている。特許文献2には、吸水性繊維を50重量%以上含有し、生理食塩水の保水率が1800重量%以上あり、かつ吸水ポリマーと吸水性繊維の合計が80%以上である吸水性乾式不織布が開示されている。特許文献1及び2によれば、これらの吸水性乾式不織布は、衛生用品、生理用ナプキン、紙おむつに使用されると記載されている。
また特許文献3には、水膨潤度が10倍以上の高吸収性繊維10〜80重量%とホットメルト接着剤繊維90〜20重量%からなる衛生材料用成形吸収体。同文献の記載によれば、この吸収体は、唾液、体液、血液などの人体から出る水分を素早く吸収させるものであるとされている。
特許文献4には、Z方向に配向されたウエブ内に、少なくとも40重量%の超吸収性繊維と、10〜60重量%のバインダ繊維を含むパーソナルケア製品用不織布が記載されている。パーソナルケア製品としては、おむつ、トレーニングパンツ、水着、吸収性パンツ、成人用失禁製品、包帯、女性用衛生製品などが例示されている。
以上の各特許文献に記載されている、吸水性繊維を含む不織布等は、該吸水性繊維の有する吸水性を利用して、主として吸収体に用いられている。しかし、吸水性繊維を含む不織布等を、吸収性物品の表面シートとして用いることに関しては、これらの文献には言及がなされていない。
特開平8−296162号公報 特開平8−120550号公報 特開平11−200209号公報 特表2005−535789号公報
本発明の目的は、前述した従来技術よりも吸収性物品の性能を向上させ得る吸収性物品の表面シート及びこれを用いた吸収性物品を提供することにある。
本発明は、吸水性繊維及び熱可塑性繊維を含む不織布からなり、
該吸水性繊維は、排泄された排泄物中の水分の吸収によってゲル化して、該排泄物を取り込んだヒドロゲルを形成するものである吸収性物品の表面シートを提供するものである。
本発明によれば、吸水性繊維が、排泄された便等の排泄物中の水分によってゲル化して表面シートにヒドロゲルを形成するので、排泄物が着用者の皮膚に付着しづらくなり、吸収性物品を取り替えるときの手間が少なくなる。また、排泄物の漏れ出しが起こりづらくなる。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の吸収性物品は、主として便、尿、経血等の排泄体液を吸収保持するために用いられるものである。本発明の吸収性物品には例えば使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド等が包含されるが、これらに限定されるものではなく、人体から排出される液の吸収に用いられる物品を広く包含する。
本発明の吸収性物品は、典型的には、表面シート、裏面シート及び両シート間に介在配置された液保持性の吸収体を具備している。裏面シート及び吸収体としては、当該技術分野において通常用いられている材料を特に制限なく用いることができる。例えば裏面シートとしては、熱可塑性樹脂のフィルムや、該フィルムと不織布とのラミネート等の液不透過性ないし撥水性のシートを用いることができる。裏面シートは水蒸気透過性を有していてもよい。吸収体としては、フラッフパルプと高吸収性ポリマー粒子との混合物からなる積繊体を用いることができる。また、レーヨン等のセルロース系繊維からなる多数の長繊維を、一方向に引き揃え、繊維間に高吸収性ポリマーの粒子を担持させてなる繊維集合体を用いることもできる。さらに、パルプ等からなる吸収紙の内部に、高吸収性ポリマー粒子が分散配置されてなる吸収性シートを用いることもできる。
本発明の吸収性物品はさらに、該吸収性物品の具体的な用途に応じた各種部材を具備していてもよい。そのような部材は当業者に公知である。例えば吸収性物品を使い捨ておむつや生理用ナプキンに適用する場合には、表面シート上の左右両側部に一対の立体ガードを配置することができる。
本発明の吸収性物品は、着用者の肌対向面に、液透過性の表面シートを備える。表面シートは、吸水性繊維及び熱可塑性繊維を含む不織布から構成されている。吸水性繊維は、排泄物に含まれている水分を吸収することによってゲル化して、排泄物を取り込んだヒドロゲルに変化して、排泄物を固定化する作用を有する。熱可塑性繊維は、吸水性繊維がゲル化して、繊維の形態を消失した後においても不織布の構造を維持するために用いられる。
図1には本発明の吸収性物品における排泄物の固定のメカニズムが模式的に示されている。同図は、本発明の吸収性物品を使い捨ておむつに適用し、軟便を固定化する場合の例を示している。しかしながら、以下に説明するメカニズムは軟便の固定の場合に適用されるだけでなく、他の排泄物、例えば経血や尿についても同様に適用される。
図1(a)は、吸水性繊維1を含む表面シート10上に軟便2が排泄された状態を示している。軟便2は、水分2aと、未消化物等からなる固形分2bとを含んでいる。なお、簡便のため、同図には熱可塑性繊維は描かれていない。吸水性繊維1は、軟便2中の水分2aと接触すると、これを吸収してゲル化する。詳細には、図1(b)に示すように、水分2aの吸収によるゲル化で、吸水性繊維に動きが生じる。吸水性繊維1が膨潤してそのゲル化が進行すると、図1(c)に示すように、吸水性繊維1は、繊維の形態を消失しながら軟便の固形分2bをヒドロゲル3内に閉じこめる。そして、最終的には図1(d)に示すように、吸水性繊維1がゲル化して軟便2の固形分2bを取り込んだヒドロゲル4が、表面シート上、及び/又は表面シート内に形成される。形成されたヒドロゲル4は、表面シート10の構成繊維である熱可塑性繊維(図示せず)の一部も取り込んだ状態になっているので、ヒドロゲル4は表面シート10に強固に結合している。その結果、ヒドロゲル4が表面シート10から剥離して、着用者の肌に付着することが起こりづらくなる。したがって着用者の肌が、軟便2で汚れづらくなり、おむつを取り替えるときに着用者の肌を清拭する手間が少なくなる。また、軟便2がヒドロゲル4内に取り込まれることで、おむつからの軟便の漏れ出しが起こりづらくなる。
以上の有利な効果を十分に発現させる観点から、表面シート10に含まれる吸水性繊維1の量は、10〜80重量%、特に40〜70重量%であることが好ましい。一方、表面シート10に含まれる熱可塑性繊維の量は、20〜90重量%、特に30〜60重量%であることが好ましい。両繊維の配合量をこの範囲内とすることで、水分の吸収後にあっても不織布の形態を維持しつつ、排泄物を十分に取り込んで保持し得るに足るヒドロゲル4を形成することが可能となる。
吸水性繊維1及び熱可塑性繊維を含む不織布は、その坪量が10〜100g/m2、特に30〜80g/m2であることが、水分の吸収後にあっても不織布の形態を維持しつつ、排泄物を十分に取り込んで保持し得るに足るヒドロゲル4を形成することが可能となる点から好ましい。
吸水性繊維1としては、水分の吸収保持が可能であり、水分の吸収によってゲル化するものが用いられる。吸収性繊維1は、繊維の全部がゲル化するものであってもよく、また、繊維の一部がゲル化するものであってもよい。そのような吸水性繊維1としては、カルボキシル基又はその塩を含む高分子からなる繊維が挙げられる。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、ソルビン酸、ケイ皮酸、クロトン酸、ベータアクリルオキシプロピオン酸、及びこれらのアルカリ金属塩やアンモニウム塩を用いることができる。特に好ましい吸水性繊維1は、アクリル酸及びメタクリル酸並びにそれらの塩を含む高分子からなる。これらの吸水性繊維1は1種又は2種以上を用いることができる。吸水性繊維としては市販品を用いることもできる。そのような市販品としては、例えば英国テクニカルアブソーバント社製の「オアシス」や東洋紡績(株)社製の「ランシール」等が挙げられる。
一方、熱可塑性繊維としては、熱の付与によって融着可能な繊維が好適に用いられる。そのような繊維としては、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、ポリアミド6やポリアミド66等のポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリル繊維などが挙げられる。また、これらの繊維を構成する樹脂の組み合わせからなる2成分系複合繊維を用いることもできる。例えば芯鞘型複合繊維やサイド・バイ・サイド型複合繊維を用いることができる。これらの熱可塑性繊維は1種又は2種以上を用いることができる。これらの繊維には、必要に応じ親水化処理を施してもよい。親水化処理としては、繊維の表面に親水化剤を塗布する方法や、繊維を構成する樹脂中に親水化剤を練り込む方法が挙げられる。
特に、熱可塑性繊維として捲縮繊維を用いると、吸水性繊維1が水分を吸収することによって生じたヒドロゲル4が、捲縮繊維のアンカー効果によって一層確実に表面シート10に結合するので、ヒドロゲル4の剥離及び着用者の肌への付着が一層起こりづらくなるので好ましい。捲縮繊維は通常の熱可塑性繊維と比べて、小さい隙間が多く存在する。このため、後述する水散布による吸水性繊維1との接合時に前記隙間に吸水性繊維1が入り、より多くの接合点が形成される。よって捲縮繊維を用いた場合には、一層確実にヒドロゲル4が表面シート10に結合する。捲縮繊維としては、二次元捲縮したもの及び三次元捲縮したものの双方を用いることができる。捲縮の程度は、JIS L1015に規定される捲縮数で表して10〜50個/25mm、特に20〜40個/25mmであることが好ましい。
捲縮繊維の原料として、熱の付与によってコイル状の三次元捲縮が発現可能な潜在捲縮繊維を用いることも好ましい。潜在捲縮繊維は、熱を付与する前の状態では捲縮が発現しておらず、熱の付与によってはじめてコイル状の三次元捲縮が発現する繊維である。潜在捲縮繊維には、通常の繊維と同様にカード機等の繊維加工機に供給することができるという良好なハンドリング性を有しているという利点がある。したがって、潜在捲縮繊維を吸水性繊維1とともに用いてウエブを形成し、このウエブから不織布を製造する過程で潜在捲縮繊維に三次元捲縮を発現させることで、捲縮繊維を含む不織布を得ることができる。潜在捲縮性繊維は、例えば収縮率の異なる2種類の熱可塑性ポリマー材料を成分とする偏心芯鞘型複合繊維又はサイド・バイ・サイド型複合繊維からなる。その例としては、特開平2−191720号公報や特開平9−296325号公報に記載のものが挙げられる。
吸水性繊維1及び熱可塑性繊維は、その繊維径に特に制限はなく、吸収性物品の表面シート用の繊維として従来用いられている繊維と同様の繊維径とすることができる。具体的には、吸水性繊維1の繊維径は1〜15dtex、特に4〜10dtexであることが好ましい。熱可塑性繊維の繊維径は1〜15dtex、特に2〜10dtexであることが好ましい。
吸水性繊維1及び熱可塑性繊維の繊維長は、表面シート10を構成する不織布の製造方法に応じて、短繊維とすることもでき、あるいは長繊維(連続フィラメント)とすることもできる。短繊維の場合、その繊維長は例えば30〜80mmとすることができる。
表面シート10を構成する不織布は、種々の方法で製造することができる。不織布を構成する吸水性繊維及び熱可塑性繊維が短繊維である場合には、カード機を用いてウエブを形成し、ウエブに対して適量の水を散布することで吸水性繊維に粘性を発現させ、その粘性によって吸水性繊維どうし及び吸水性繊維と熱可塑性繊維とを接合させて不織布を作製することができる。適量の水を散布することで、水の量に応じて接合点の数が制御され、十分な強度のシートを形成することができるので好ましい。また、適量の水を散布することは、吸水性繊維が排泄物中の水分を吸収し、繊維の形態を消失しながら排泄物中の固形分をヒドロゲル内に閉じこめるときに、吸水性繊維が動きやすくなるので、固形分を閉じ込めやすくなる点でも好ましい。散布する水の量は、吸水性繊維100重量部に対して1〜150重量部、特に5〜100重量部、とりわけ10〜50重量部であることが好ましい。水の量をこの範囲にしてシートを作製することで、シート強度が十分になる。また、シートが硬くなることが防止され、使用中に着用者に不快感を与えづらくなる。更に、吸水性繊維が動きやすくなり、固形分を閉じ込めやすくなる。さらに、不織布は、ウエブに対して熱風を付与する方法で得られるエアスルー不織布、該ウエブに対して熱エンボス加工を行う方法で得られるヒートボンド不織布、該ウエブに対してバインダを付与する方法で得られるレジンボンド不織布、該ウエブに対して多数の針で繊維交絡を行う方法で得られるニードルパンチ不織布などを用いることができる。不織布を構成する吸水性繊維及び熱可塑性繊維が長繊維(連続フィラメント)である場合には、スパンボンド不織布を用いることができる。さらには、前述の製法を併用して作られた不織布を用いることもできる。これらの不織布においては、熱可塑性繊維どうしの交点における繊維の接合(例えば融着や接着)で繊維形態が保たれるか、又は繊維の交絡によって繊維形態が保たれる。場合によっては、ウエブに対して、及び/又は不織布に対して適量の水を散布することで吸水性繊維に粘性を発現させ、その粘性によって吸水性繊維どうし及び吸水性繊維と熱可塑性繊維とを接合させてもよい。
上述のとおり、吸水性繊維1を含む不織布からなる表面シート10においては、排泄物中の水分の吸収によって膨潤し、排泄物を取り込んだヒドロゲル4が形成される。このヒドロゲル4は、水分は吸収保持するものの、水分の透過は妨げる傾向にある。したがってヒドロゲル4がひとたび形成された後は、該ヒドロゲル4が形成された領域においては、水分が表面シート10を透過せず、吸収体にまで到達しないことがある。そのような場合には吸収性物品からの液漏れが起こる可能性がある。これを防止する目的で、例えばヒドロゲル4による排泄物の取り込みの主たる対象を軟便とする場合には、図2(a)及び図3(a)に示すように、表面シート10の領域のうち、吸収性物品の股下域Aから背側域Bにわたっての領域13に吸水性繊維1を含ませておき、腹側域Cには吸水性繊維を含ませないことが好ましい。このように吸水性繊維1を含ませることで、ヒドロゲル4によって軟便を取り込み保持することが可能となるとともに、尿等の水分が表面シート10を円滑に透過して、その下に位置する吸収体によって吸収保持される。
表面シート10に部分的に吸水性繊維1を含ませるには、例えば、図2(b)に示すように、吸水性繊維1を含む不織布23と、吸水性繊維1を含まない不織布22とを用意しこれらの不織布をそれらの端部で接合することで一体化させればよい。また、図3(b)に示すように、吸水性繊維1を含まない不織布22の一部をくり抜き、そのくり抜いた部位に吸水性繊維1を含む不織布23を接合させることで一体化させればよい。なお、表面シート10における吸水性繊維1及び熱可塑性繊維の配合量に関しては先に述べたとおりであるところ、表面シート10に部分的に吸水性繊維1が含まれている場合の前記の配合量は、吸水性繊維1が含まれている部位を対象として測定されたものであり、吸水性繊維1が含まれていない部位は、測定の対象の基礎とはされない。
上述の説明は、表面シート10の平面方向における吸水性繊維1及び熱可塑性繊維の分布の状態に関するものであるところ、図4(a)〜(f)には、表面シート10における吸水性繊維1及び熱可塑性繊維5の厚み方向における分布の状態が示されている。したがって、表面シート10の平面方向に関して部分的に吸水性繊維1が含まれている場合には、図4(a)〜(f)は、吸水性繊維1が含まれている部位に関しての説明となる。なお図4(a)〜(f)においては、表面シート10の上側が着用者の肌に対向し、下側が吸収体に対向する。
図4(a)に示す実施形態は、表面シート10が多層構造をしている例である(同図では2層構造)。表面シート10は、着用者の肌に対向する最表面層が吸水性繊維の層11からなり、該層11の下側に隣接する層、すなわち吸収体に対向する層が熱可塑性繊維の層15からなる。吸水性繊維の層11は、吸水性繊維1から実質的に構成されている。熱可塑性繊維の層15は、熱可塑性繊維5から実質的に構成されている。熱可塑性繊維の層15には、必要に応じ、熱可塑性繊維5以外の繊維、例えばレーヨン等のセルロース系繊維が含まれていてもよい。本実施形態の表面シート10によれば、排泄物が最初に接触する部位に吸水性繊維1が存在しているので、吸水性繊維1から生じたヒドロゲル4による排泄物の取り込み及び保持が効率的に行われるという利点がある。
図4(b)に示す実施形態も、表面シート10が多層構造をしている例である(同図では2層構造)。表面シート10は、着用者の肌に対向する最表面層が熱可塑性繊維の層15からなり、該層15の下側に隣接する層、すなわち吸収体に対向する層が吸水性繊維の層11からなる。熱可塑性繊維の層15及び吸水性繊維の層11の詳細は図4(a)に示す実施形態と同様である。本実施形態の表面シート10によれば、その肌対向面が熱可塑性繊維5から構成されており、吸水性繊維1が実質的にシート10の表面に露出していないので、吸水性繊維1に起因するべたつき感が減殺され、表面シート10の肌触りが良好になるという利点がある。また、吸水性繊維1から生じたヒドロゲル4が、熱可塑性繊維5と強固に結合しやすくなるので、ヒドロゲル4が表面シート10から剥離することや、剥離したヒドロゲル4が着用者の肌に付着することが一層効果的に防止される。
図4(c)に示す実施形態は、表面シート10が単層構造の例である。本実施形態においては、表面シート10が、吸水性繊維1と熱可塑性繊維5との混合層から構成されている。両繊維は、表面シート10の厚み方向にわたって均一に分散混合している。本実施形態の表面シート10によれば、排泄物が最初に接触する部位に、吸水性繊維1及び熱可塑性繊維5の双方が存在しているので、吸水性繊維1から生じたヒドロゲル4による排泄物の取り込み及び保持が効率的に行われるとともに、熱可塑性繊維5による良好な肌触りが発現するという利点がある。
図4(d)に示す実施形態は、図4(c)に示す実施形態の変形例である。図4(d)に示す実施形態も、図4(c)に示す実施形態と同様に、表面シート10が単層構造の例である。図4(d)に示す実施形態においては、表面シート10は、吸水性繊維1と熱可塑性繊維5との混合層から構成されている。表面シート10の厚み方向に関し、両繊維の分散混合状態は均一になっていない。詳細には、着用者の肌に対向する面から吸収体に対向する面に向かって、吸水性繊維1の配合比率が漸減している。吸水性繊維1の配合比率の減少は、連続でもよく、ステップ状でもよい。吸水性繊維1の配合比率の減少が連続である場合、着用者の肌に対向する最表面においては、熱可塑性繊維5は実質的に存在しておらず、吸水性繊維1のみが存在していてもよい。一方、吸収体に対向する最裏面においては、吸水性繊維1は実質的に存在しておらず、熱可塑性繊維5のみが存在していてもよい。本実施形態によれば、図4(c)に示す実施形態が有する利点に加えて、ヒドロゲル4による排泄物の取り込み及び保持が一層確実に行われるという利点、及びヒドロゲル4が表面シート10から剥離することが防止されるので、ヒドロゲル4が着用者の肌に付着し難いという利点がある。
図4(e)に示す実施形態も、図4(c)に示す実施形態の変形例である。図4(e)に示す実施形態は、図4(c)に示す実施形態と異なり、表面シート10が多層構造の例である(同図では2層構造)。表面シート10は、着用者の肌に対向する最表面層が、図4(c)に示す実施形態の層から構成されている。すなわち、吸水性繊維1と熱可塑性繊維5との混合層12から構成されている。両繊維は、表面シート10の厚み方向にわたって均一に分散混合している。混合層12の下側に隣接する層、すなわち吸収体に対向する層は吸水性繊維の層11からなる。混合層12の詳細は、図4(c)に示す実施形態と同様である。吸水性繊維の層11の詳細は図4(a)及び(b)に示す実施形態と同様である。本実施形態の表面シート10は、図4(d)に示す実施形態と同様の利点を有する。
図4(f)に示す実施形態の表面シート10は、これまでの実施形態と異なり、3層構造のものである。詳細には、表面シート10は、着用者の肌に対向する最表面層が熱可塑性繊維の層15aからなり、該層15aの下側に位置する層が吸水性繊維の層11からなり、該層11の下側に位置する層、すなわち吸収体に対向する最裏面層が熱可塑性繊維の層15bからなる。熱可塑性繊維の層15a,15b及び吸水性繊維の層11の詳細は図4(a)及び(b)に示す実施形態と同様である。
2つの熱可塑性繊維の層15a,15bは同種の熱可塑性繊維から構成されていてもよく、あるいは異種の熱可塑性繊維から構成されていてもよい。両層15a,15bが同種の熱可塑性繊維から構成される場合には、その熱可塑性繊維の太さや長さは同じでもよく、あるいは異なっていてもよい。また、各層15a,15bの厚みや坪量は同じでもよく、あるいは異なっていてもよい。
図4(f)に示す実施形態の表面シートは、先に説明した図4(b)に示す実施形態と同様の利点を有する。更に本実施形態の表面シートは、吸水性繊維1が水分を吸収し、ゲル化によって繊維形態が消失した後であっても、不織布全体としての構造が確実に維持されるという利点も有する。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記の各実施形態では、本発明を使い捨ておむつに適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明は、使い捨ておむつ以外の吸収性物品、例えば生理用ナプキンや失禁パッドにも同様で適用できる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」及び「部」はそれぞれ「重量%」及び「重量部」を意味する。
〔実施例1〕
(1)表面シートの製造
図4(a)に示す構造の表面シートを製造した。熱可塑性繊維の層15の構成繊維として、捲縮繊維であるポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン芯鞘型複合繊維(捲縮数30個/25mm)を用いた。この繊維は太さが3dtexで、繊維長が51mmである。この熱可塑性繊維を原料として用い、カード機によって坪量16g/m2のウエブを得た。
吸水性繊維の層11の構成繊維として、英国テクニカルアブソーバント社製の吸水性繊維である「オアシス」を用いた。この繊維は太さが9dtexで、繊維長が51mmである。この吸水性繊維を坪量24g/m2の層になるように前記の熱可塑性繊維のウエブ上に均一に散布した。
このようにして得られた積層ウエブの上から吸水性繊維100部に対して15部の水を散布し、次いでローラーで圧着することにより、吸水性繊維どうし及び吸水性繊維と熱可塑性繊維とを接合させた。その後、この積層ウエブに対してエアスルー方式で131℃の熱風を吹き付けて、坪量40g/m2のエアスルー不織布を得た。
(2)使い捨ておむつの製造
吸収体として、坪量200g/m2のフラッフパルプと、坪量186g/m2の高吸収性ポリマー粒子との混合物からなる積繊体を、坪量16g/m2の台紙で被覆したものを用いた。裏面シートとして、ポリエチレン製の多孔性シートを用いた。この多孔性シートは坪量20g/m2であり、透湿性を有するものである。立体ガードとして、坪量20g/m2のスパンボンド不織布を用いた。これらの材料及び上述の表面シートを用い、使い捨ておむつを製造した。
〔実施例2〕
図4(c)に示す構造の表面シートを製造した。吸水性繊維及び熱可塑性繊維としては実施例1と同様のものを用いた。吸水性繊維の坪量は24g/m2、熱可塑性繊維の坪量は16g/m2であった。両繊維を混合してカード機によって混合ウエブを製造した。この混合ウエブの上から吸水性繊維100部に対して15部の水を散布し、ローラーで圧着することにより、吸水性繊維どうし及び吸水性繊維と熱可塑性繊維とを接合させた。その後、この混合ウエブに対してエアスルー方式で131℃の熱風を吹き付けて、坪量40g/m2のエアスルー不織布を得た。これら以外は実施例1と同様にして使い捨ておむつを製造した。
〔実施例3〕
図4(e)に示す構造の表面シートを製造した。吸水性繊維及び熱可塑性繊維としては実施例1と同様のものを用いた。吸水性繊維と熱可塑性繊維をそれぞれ坪量12g/m2、16g/m2になるように両繊維を混合してカード機によって混合ウエブを製造した。この混合ウエブ上に、吸水性繊維を坪量12g/m2の層になるように均一に散布した。このようにして積層ウエブの上から吸水性繊維100部に対して15部の水を散布し、ローラーで圧着することにより、吸水性繊維どうし及び吸水性繊維と熱可塑性繊維とを接合させた。その後、この積層ウエブに対してエアスルー方式で131℃の熱風を吹き付けて、坪量40g/m2のエアスルー不織布を得た。また使い捨ておむつを製造する際に上下層を逆にして使用した。これら以外は実施例1と同様にして使い捨ておむつを製造した。
〔実施例4〕
図4(f)に示す構造の表面シートを製造した。吸水性繊維及び熱可塑性繊維としては実施例1と同様のものを用いた。肌対向面側の熱可塑性繊維のウエブの坪量は6g/m2とした。吸収体対向面側の熱可塑性繊維のウエブの坪量は10g/m2とした。吸水性繊維のウエブの坪量は24g/m2とした。吸収体対向面側の熱可塑性繊維のウエブをカード機によって得た。吸水性繊維を坪量24g/m2の層になるように熱可塑性繊維のウエブ上に均一に散布した。更にその上に、カード機によって得た肌対向面側の熱可塑性繊維のウエブを重ねて積層ウエブを得た。この積層ウエブの上から吸水性繊維100部に対して15部の水を散布し、ローラーで圧着することにより、吸水性繊維どうし及び吸水性繊維と熱可塑性繊維とを接合させた。その後、この積層ウエブに対してエアスルー方式で131℃の熱風を吹き付けて、坪量40g/m2のエアスルー不織布を得た。これら以外は実施例1と同様にして使い捨ておむつを製造した。
〔比較例1〕
実施例1で用いた熱可塑性繊維のみを用いて、坪量40g/m2のエアスルー不織布を製造した。このエアスルー不織布を表面シートとして用いた。これ以外は実施例1と同様にして使い捨ておむつを得た。
〔評価〕
実施例及び比較例で得られたおむつについて、以下の方法で軟便の拡散面積及び軟便の肌付着量を測定した。軟便の拡散面積は、その値が小さいほど、そのおむつが便漏れしにくいことを意味する。また軟便の肌付着量は、その値が小さいほどおむつの取り替えの手間が少なくなることを意味する。
表面シートが上方を向くようにおむつを水平に置き、内径35mmの円筒をおむつの中心に載せた。円筒内に擬似軟便(水とグリセリンを重量比1:7で混合したもの)30gを注入した後、円筒をゆっくり取り外した。次いでおむつの表面シート上に、280mm×200mmで坪量30g/m2の吸収紙を10枚重ねたものを載せた。さらに、その上に3.5×103Paになるように重りを載せて2分間加圧した。吸収紙を載せて加圧するのは、擬似軟便の注入後、5分以内に行うようにする。加圧後、吸収紙10枚を取り出し、加圧前後の吸収紙の重さを測定し、その差を軟便の肌付着量とした。また加圧後のおむつ表面に広がった軟便の面積を測定し、その値を拡散面積とした。
Figure 2009136488
表1に示す結果から明らかなように、各実施例の使い捨ておむつ(本発明品)は、比較例に比べて軟便の拡散面積が小さく、また軟便の肌付着量が少なくことが判る。
本発明の吸収性物品における排泄物の固定のメカニズムを示す模式図である。 表面シートに吸水性繊維が含まれる位置を示す模式図である。 表面シートに吸水性繊維が含まれる位置を示す模式図である。 表面シートの縦断面の構造を示す模式図である。
符号の説明
1 吸水性繊維
4 ヒドロゲル
5 熱可塑性繊維
10 表面シート
11 吸水性繊維の層
15 熱可塑性繊維の層

Claims (9)

  1. 吸水性繊維及び熱可塑性繊維を含む不織布からなり、
    該吸水性繊維は、排泄された排泄物中の水分の吸収によってゲル化して、該排泄物を取り込んだヒドロゲルを形成するものである吸収性物品の表面シート。
  2. 吸水性繊維が、吸収性物品の股下域から背側域にわたっての領域に含まれており、腹側域には吸水性繊維が含まれていない請求項1記載の表面シート。
  3. 多層構造を有しており、着用者の肌に対向する最表面層が吸水性繊維の層からなり、該層の下側に隣接する層が熱可塑性繊維の層からなる請求項1又は2記載の表面シート。
  4. 多層構造を有しており、着用者の肌に対向する最表面層が熱可塑性繊維の層からなり、該層の下側に隣接する層が吸水性繊維の層からなる請求項1又は2記載の表面シート。
  5. 多層構造を有しており、着用者の肌に対向する最表面層が吸水性繊維と熱可塑性繊維の混合層からなり、該層の下側に隣接する層が吸水性繊維の層からなる請求項1又は2記載の表面シート。
  6. 吸水性繊維及び熱可塑性繊維の混合層からなり、着用者の肌に対向する面から吸収体に対向する面に向かって、吸水性繊維の配合比率が漸減している請求項1又は2記載の表面シート。
  7. 熱可塑性繊維が捲縮繊維であり、
    水分の吸収によって形成された前記ヒドロゲルが、前記捲縮繊維の捲縮によるアンカー効果で表面シートに保持されるようになされている請求項1ないし6のいずれかに記載の表面シート。
  8. 吸水性繊維どうし及び吸水性繊維と熱可塑性繊維とが、吸水性繊維100重量部に対して1〜150重量部の水によって接合されている請求項1ないし7のいずれかに記載の表面シート。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の表面シートを用いた吸収性物品。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015159878A1 (ja) * 2014-04-15 2015-10-22 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品
JP2016151077A (ja) * 2015-02-18 2016-08-22 花王株式会社 積層不織布
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WO2025142587A1 (ja) * 2023-12-28 2025-07-03 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品の液透過性シート用の不織布、当該不織布を含む吸収性物品、及び当該不織布の製造方法

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