JP2009128842A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブレードクリーニング方式で、潤滑剤を像担持体の表面に供給する画像形成装置において、像担持体の表面に潤滑剤をできるだけ少量で且つ均一に塗布して像担持体表面を潤滑剤で被覆できるようにして、画像流れ、融着等を発生させず、長期的に安定したクリーニングを達成する。
【解決手段】像担持体の表面には、粒子形状が立方体状及び/又は直方体状であり、1次粒子の粒径が30nm以上300nm以下である研磨剤と、潤滑剤と、が供給され、研磨剤の供給量をA(μg/cm2)、潤滑剤の供給量をB(μg/cm2)、帯電部材から像担持体に流れる放電電流量をΔIac(mA)、像担持体のテーバー磨耗量をT(mg)、とすると、0.5×ΔIac/T≦A+10B≦5×ΔIac/T、1≦A/B≦20、の関係を満たすこと。
【選択図】図1
【解決手段】像担持体の表面には、粒子形状が立方体状及び/又は直方体状であり、1次粒子の粒径が30nm以上300nm以下である研磨剤と、潤滑剤と、が供給され、研磨剤の供給量をA(μg/cm2)、潤滑剤の供給量をB(μg/cm2)、帯電部材から像担持体に流れる放電電流量をΔIac(mA)、像担持体のテーバー磨耗量をT(mg)、とすると、0.5×ΔIac/T≦A+10B≦5×ΔIac/T、1≦A/B≦20、の関係を満たすこと。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば、電子写真プロセスを用いて画像を形成する、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
従来の一般的な電子写真記録方式の画像形成装置においては、帯電ローラなどの帯電手段により像担持体である電子写真感光体を一様に帯電し、これに、像露光、例えば、レーザービームを照射して静電潜像を得ている。この潜像は、現像手段により、トナー像として反転現像又は正規現像されて顕像化される。このトナー像は転写ローラなどの転写手段により静電的に記録媒体に転写された後に、加熱定着装置等の定着手段により熱と圧力が加えられて記録媒体に定着される。記録媒体に対するトナー像転写後の感光体の表面は、残留したトナーがクリーニング装置によって除去されて清掃され、次の画像形成工程に備えられる。
従来、トナー像転写後の感光体の表面から転写残トナーを除去するクリーニング方法としては、クリーニング性の良さから、ポリウレタン等からなる弾性ブレード(クリーニングブレード)によるクリーニングが多く採用されている。
クリーニングブレードの物性や感光体への当接の仕方は、転写残トナーの感光体への付着度合いによるクリーニングのしやすさや感光体の表面性等にも大きく左右される。またトナー形状、粒径、材質などの物性によってもクリーニング性は大きく影響を受ける。そのため、それに適したブレードを選択し、感光体に対して適正な角度、当接荷重に設定する必要がある。実際のクリーニングブレードの選定や設定では、試行錯誤を繰り返して最適条件を見出しているのが現状である。
一方、画像形成装置の実際の動作環境、特に温湿度の変動により、クリーニング性や感光体の表層の磨耗具合は異なるため、耐久寿命を通してクリーニングブレードだけでクリーニングすることが難しい。
このため、クリーニング補助部材として、感光体に接しながら回転するクリーニングブラシを設けているものもある。通常、このクリーニングブラシは、感光体回転方向でクリーニングブレードの上流側に配設され、転写後の感光体上の転写残トナーを掻き取るとともに、クリーニングブレードのクリーニングを容易にする目的も有している。そのため、転写残トナーの感光体との付着力を弱めるために、クリーニングブラシを接地したり、バイアスを印加しているものもある(特許文献1)。
また、近年、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを用いてカラー画像を得る種々の方式の画像形成装置が提案されている。そして、転写性の良さから重合法などによる球形に近い微粒子トナーを用いたものがある。このようなトナーを用いた場合には、感光体に転写残トナーが強固に付着していると、クリーニングブレードをすり抜けやすいために、上述したようなクリーニング補助部材であるクリーニングブラシを設けることは有効である。
しかし、それでもクリーニングブレードの感光体への当接圧を高くするなどして残トナーをクリーニングしている。これにより、感光体表面との摩擦力は高まり、クリーニングブレードの損傷や摩耗はより進行しやすくなっている。また、クリーニングブレードが不規則に振動することにより起こるブレード鳴きや、ブレードめくれ等が発生しやすくなっている。そこで、感光体表面に均一に潤滑剤を塗布し、感光体表面の摩擦係数を低減することが一層重要になってきている。
そのために、クリーニングブラシにステアリン酸亜鉛等の固形潤滑剤を当接し、クリーニングブラシを介して感光体の表面に塗布する機構を持つ装置もある(特許文献2)。
ステアリン酸亜鉛のような固形潤滑剤を感光体の表面に塗布すると、感光体上に固形潤滑剤による薄い膜を成形して、クリーニングブレードによるクリーニング性能が向上したり、トナー外添剤によるフィルミングを防止することが知られている。またこの被膜性能により画像流れに効果があることも知られている。
特開平04−124690号公報
特開平09−090839号公報
しかし、このような潤滑剤を感光体表面に供給する構成においては、適切な量の潤滑剤を均一に塗布することが重要である。
即ち、感光体表面に塗布される潤滑剤の量は、少なすぎると、適切に潤滑剤が塗布されていない感光体表面部分にクリーニング不良/融着/画像流れが発生したり、クリーニングブレードの摩耗が進行したりする。また、潤滑剤の塗布量が多すぎると、帯電部材の表面を汚染したり、粉体塊としてクリーニングブレードに供給され易くなり、ブレードへの負荷を増大させ、ブレード寿命を短くする。
従って、感光体表面にできるだけ少量でかつ均一に被覆できるように潤滑剤を塗布することが重要である。
そこで、本発明は、ブレードクリーニング方式で、潤滑剤を像担持体の表面に供給する画像形成装置において、像担持体の表面に潤滑剤をできるだけ少量で且つ均一に塗布して像担持体表面を潤滑剤で被覆できるようにすることを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、
回転可能な像担持体と、振動電圧が印加され、前記像担持体の表面を帯電する帯電部材と、前記像担持体に形成された潜像を現像剤により顕画像として現像する現像手段と、前記顕画像を記録媒体に転写する転写手段と、前記像担持体とニップ部を形成して前記記録媒体に対する顕画像転写後の像担持体表面から転写残り現像剤を掻き取るクリーニングブレードと、制御手段と、を有する画像形成装置において、
前記像担持体の表面には、粒子形状が立方体状及び/又は直方体状であり、1次粒子の粒径が30nm以上300nm以下である研磨剤と、潤滑剤と、が供給され、
前記研磨剤の供給量をA(μg/cm2)、
前記潤滑剤の供給量をB(μg/cm2)、
前記帯電部材から前記像担持体に流れる放電電流量をΔIac(mA)、
前記像担持体のテーバー磨耗量をT(mg)、
とすると、
0.5×ΔIac/T≦A+10B≦5×ΔIac/T
1≦A/B≦20
の関係を満たすことを特徴とする。
回転可能な像担持体と、振動電圧が印加され、前記像担持体の表面を帯電する帯電部材と、前記像担持体に形成された潜像を現像剤により顕画像として現像する現像手段と、前記顕画像を記録媒体に転写する転写手段と、前記像担持体とニップ部を形成して前記記録媒体に対する顕画像転写後の像担持体表面から転写残り現像剤を掻き取るクリーニングブレードと、制御手段と、を有する画像形成装置において、
前記像担持体の表面には、粒子形状が立方体状及び/又は直方体状であり、1次粒子の粒径が30nm以上300nm以下である研磨剤と、潤滑剤と、が供給され、
前記研磨剤の供給量をA(μg/cm2)、
前記潤滑剤の供給量をB(μg/cm2)、
前記帯電部材から前記像担持体に流れる放電電流量をΔIac(mA)、
前記像担持体のテーバー磨耗量をT(mg)、
とすると、
0.5×ΔIac/T≦A+10B≦5×ΔIac/T
1≦A/B≦20
の関係を満たすことを特徴とする。
上記の構成により、像担持体の表面に潤滑剤が過不足のない適切な量で、且つ均一に塗布される。これにより、長期にわたって、安定した良好なクリーニング性が維持されて、画像流れ、融着等の画像欠陥の発生が防止され、安定した画像特性が高水準に維持される。
次に本発明に係る画像形成装置の実施の形態について図面を参照して説明する。
[画像形成装置例の全体的構成の説明]
図1は本実施の形態における画像形成装置の概略構成を示す模式図である。この画像形成装置は転写式電子写真画像形成装置であり、複写機機能、プリンタ機能、ファクシミリ能機を有する複合機能機である。
図1は本実施の形態における画像形成装置の概略構成を示す模式図である。この画像形成装置は転写式電子写真画像形成装置であり、複写機機能、プリンタ機能、ファクシミリ能機を有する複合機能機である。
Aは画像形成部、Bは画像形成部Aの上部に配設された原稿読取り部(原稿読み取り手段)である。原稿読取り部Bにおいて、21は原稿台ガラス、22は原稿台ガラス21の上面に対して開閉可能な原稿押え板である。原稿台ガラス21の上に原稿Oを画像面を下向きにして所定の載置基準に従って載置し、原稿押え板22を被せることで原稿Oをセットする。原稿押え板22を原稿自動送り装置(ADF・RDF)にしてシート状の原稿を自動的に原稿台ガラス21の上に給送する構成にすることもできる。23は原稿台ガラス21の下面に沿って移動駆動される原稿読取りユニットである。この原稿読取りユニット23により原稿台ガラス21上のセット原稿Oの下向き画像面が走査される。これにより、原稿画像が電気的な画像情報として光電読取りされて、コントローラCの画像処理部に入力する。コントローラCは、画像形成装置の動作を統括的に制御する制御手段(制御回路)であり、画像形成開始信号が入力すると、画像形成動作のシーケンス制御を開始する。
画像形成部Aにおいて、1は回転可能な像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光体と記す)である。この感光体1は駆動機構(不図示)により、矢印の時計方向に所定の速度(プロセススピード)、本実施例では200mm/secで回転駆動される。感光体1は、OPC等の感光材料の層を、アルミニウムなどのシリンダ状基体の外周面に塗布して形成している。
回転駆動される感光体1は、除電手段としての前露光ランプ(イレーザランプ)7による全面露光を受ける。これにより、感光体1の表面が均一に除電されて前の画像形成時の電気的メモリの消去がなされる。そして、その感光体1の除電面が帯電部材2により所定の極性・電位に一様に帯電される。本例において帯電部材2は帯電ローラ(ローラ型帯電部材、ローラ帯電器)である。帯電ローラ2は、接触帯電部材として、感光体1の表面(像担持体表面)に対して接触させて配置されている。本例において、帯電ローラ2は、鉄、ステンレス鋼等の円筒或は円柱状の導電性部材(芯金)2aと、この導電性部材の外回りにローラ状に形成した、体積固有抵抗104〜1012Ω・cmの抵抗層2bより構成される。また、抵抗層の表面を覆うようにして体積固有抵抗104〜1012Ω・cmの表面保護層2cを備えても良い。
帯電ローラ2は感光ドラム1の母線方向にほぼ並行に配置され、感光ドラム1に当接させることにより、感光ドラム1の回転に伴い従動して回転する。この帯電ローラ2の導電性部材に対して帯電バイアス印加電源部S1より所定の帯電バイアスが印加されることで、回転する感光ドラム1の表面が所定の極性・電位に一様に帯電される。
本例においては、帯電バイアスとして、所定の交流電圧に所定の直流電圧を重畳した振動電圧を印加(AC方式)して、感光ドラム1の表面を所定の暗部電位VDに一様に接触帯電させている。具体的には、周波数1850Hzの正弦波交流に−700Vの直流バイアスを重畳した帯電バイアスを用い、帯電ローラ2に流れる交流帯電電流Iacが定電流制御されている。感光ドラム1はこれによって暗部電位VDとして約−600Vに一様帯電される。
感光体1の帯電手段は、帯電ローラ2を感光体1の表面に対して近接配置した近接帯電手段であってもよい。接触帯電手段の帯電部材は被帯電体面に必ず接触させなくとも帯電部材と被帯電体面との間に、ギャップ間電圧とパッシェンカーブで決まる放電可能領域さえ確実に保証されれば、非接触に近接させた配置形態であっても被帯電体の帯電を行わせることができる。近接帯電はこれであり、帯電ローラ2を感光体1の表面に対して数10〜数100μm程度の僅少な空隙部を存在させて非接触に対向配置する。そして、帯電ローラ2に振動電圧を印加(AC方式)して、感光体1の表面を所定の極性・電位に一様に帯電させるものである。
3は画像露光手段(潜像を形成する露光手段)であり、本例では、レーザー発信器、高速で回転するポリゴンミラー、F−θレンズ、偏向ミラー等を含むレーザースキャナ(レーザー走査露光装置)である。コントローラ部Cの画像処理部は、複写機モードの場合は、原稿読取り部Bから入力した原稿画像の電気的画像情報をレーザースキャナ3に入力する。レーザースキャナ3は入力した画像情報に対応してON/OFF制御されたレーザー光Lを出力して、帯電手段2で一様に帯電された感光体1の表面を走査露光する。これにより、感光ドラム1の表面に原稿Oの画像情報に対応した潜像が形成される。本例では、感光体1の表面に明部電位VLとして−200Vの静電潜像が形成される。
プリンタモードの場合は、コンピュータ・イメージスキャナ・ワークステーション等の外部装置(不図示)からコントローラ部Cに入力した電気的画像情報が画像処理部で処理される。そして、レーザースキャナ3に入力して、画像形成部Aがプリンタとして機能する。ファクシミリ受信モードの場合は、相手方ファクシミリ装置(不図示)からコントローラ部Cに入力した電気的画像情報が画像処理部で処理される。そして、レーザースキャナ3に入力して、画像形成部Aがファクシミリ受信装置として機能する。ファクシミリ送信モードの場合は、原稿読取り部Bで光電読取りした原稿画像の電気的画像情報がコントローラ部Cにより相手方ファクシミリ装置に送信される。
感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段である現像装置4にて、現像剤によりトナー像(顕画像)として現像される。イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられることが多い。
上記において、帯電部材2と画像露光手段3と現像手段4とが、感光体1にトナー像を形成するトナー像形成手段である。
現像装置4は、本例では、現像方式として磁性1成分現像法を用いている。41は直径16mmの非磁性の現像スリーブであり、固定のマグネット・ローラ42を内包している。この現像スリーブ41に、粒径(平均粒径)6μmのネガトナーをコートし、感光体1の表面との距離を200μmに固定した状態で、感光体1と等速で回転させ、現像スリーブ41に現像バイアス電源部S2より所定の現像バイアス電圧を印加する。本例では、現像バイアスは、−500Vの直流電圧と、周波数1.8MHz、ピーク間電圧1.6kVの矩形の交流電圧を重畳したものを用い、現像スリーブ41と感光体1の間でジャンピング現像を行わせる。
ここで、トナーの粒度測定法を説明する。測定装置としては、コールターカウンターTA−2型(コールター社製)を用い、個数平均分布、体積平均分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びCX−1パーソナルコンピュータ(キヤノン製)を接続する。電解液は一級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調整する。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくは、アルキリベンゼンスルホン酸塩を、0.1〜5ml加え、更に測定試料を0.5〜50mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−2型により、アパーチャーとして100μアパーチャーを用いて2〜40μmの粒子の粒度分布を測定して、体積平均分布を求める。この体積平均分布より体積平均粒径を得る。
本例で用いた現像剤の外添処方は、トナー100重量部に対して、疎水性シリカ(不定形、平均粒径約20nm)を1.0重量部外添した。
更に、研磨剤と潤滑剤(被覆剤)の少なくとも一方を現像剤に外添する。この外添された研磨剤及び潤滑剤、或いは研磨剤又は潤滑剤は、感光体1に形成された潜像を現像剤によりトナー像として現像する現像工程により感光体1の表面に供給される。
潤滑剤は、クリーニングブレード6aと感光帯1とのニップ部で容易に引き伸ばされて感光体上に薄い膜を成形して、クリーニングブレードによるクリーニング性能を向上させる。また、トナー外添剤によるフィルミングを防止する。また、感光体表面を放電ダメージから守る。被膜性能により画像流れ防止に効果がある。
潤滑剤は、クリーニングブレードによるクリーニング性能を向上させると共に、帯電手段で発生する帯電生成物が感光体表面に直接付着するのを防止するため、感光体表面に実質的に全域に塗り伸ばされる必要がある。また、潤滑剤は帯電生成物が付着し、高湿環境下では、感光体の表面と同様に低抵抗化するため、適宜除去される必要がある。更に感光体の最表面に塗布されることから、像露光や除電光などの光を透過させる透光性、また、帯電、現像、転写、クリーニングの各行程を阻害しないことも必要である。よって、潤滑剤には、いわゆる使い捨ての表面層として、被膜生成容易性(柔らかくて塗り伸ばしやすい)、掻き取り易さ、被膜の透明性、適宜な抵抗を有することが求められる。
これらの物性から、潤滑剤としては、粉末状、粉末状潤滑剤が固形化されたブロック体、或いは液状である、脂肪酸金属塩、フッ素系樹脂、シリコーンオイル等があげられる。中でも、高級脂肪酸金属塩(いわゆる金属石鹸)、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等が好適に用いられる。特にステアリン酸亜鉛は、上記の各特性に優れ、またブロック体への加工容易性も優れて好ましい。また、高級脂肪酸と高級アルコールのエステルを主成分とするワックスも好適に用いられる。本例では、この潤滑剤を現像剤に外添して、感光体表面上に供給する構成とした。
本例では、研磨剤として、粒子形状が立方体状(概略立方体状)及び/又は直方体状(概略直方体状)で、1次粒子の粒径(平均粒径)が30nm以上300nm以下の無機微紛体(無機粉体)を現像剤に外添して、感光体表面上に供給する構成とした。
無機微紛体の平均粒径については、電子顕微鏡にて5万倍の倍率で撮影した写真から100個の粒径を測定して、その平均を求めた。粒径は、1次粒子の最長辺をa、最短辺をbとしたとき、(a+b)/2として求めた。
無機微粉体は硬度が高く優れた研磨性能を持つ。無機微紛体としては、例えばチタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム等が用いられる。
無機微粉体を、粒子形状が立方体状及び/又は直方体状であるペロブスカイト型結晶形にすることで、特に優れた研磨作用を発揮する。これは、粒子形状が粒子形状が立方体状及び/又は直方体状であることで、対象物との接触面積を大きくすることができ、また立方体状又は直方体状の稜線が対象物に当接することで、良好な掻き取り性を得ることができるためだと考えられる。
ペロブスカイト型結晶のチタン酸ストロンチウム等の無機微粉体は、一次粒子の平均粒径が30nm以上300nm以下であるものが好ましい。平均粒径が30nm未満では当該粒子の研磨効果が不十分であり、一方、300nmを超えると上記研磨効果が強すぎるため感光体キズが発生する場合があるため適さない。研磨性能は無機微粉体の粒径にも大きく関わり、粒径が大きいものほど研磨効果が大きくなる。
感光体1の表面に対する上記の無機微粉体を供給する手段としては、本例のように現像剤に外添する方法以外にも、例えば、クリーニング装置6内に無機微粉体供給部材を設ける方法等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
本例では、前記のように、現像装置4の現像剤に、無機微粉体としてペロブスカイト型結晶のチタン酸ストロンチウム(粒径110nm)を外添し、感光体上に供給する手法を用いた。
現像装置4の現像方式、現像剤は、上記に限らず、非磁性1成分現像、2成分現像法等も好適に用いることができる。
一方、給紙部Dの給紙ローラ9が所定の制御タイミングで駆動されて、給紙カセット8に積載して収納されている記録媒体としての記録材(転写用紙、OHPシート等)Pが一枚分離給送されて、レジストローラ(レジスロレーションローラ)10に送られる。レジストローラ10は、記録材Pの斜行修正と、感光体1から記録材Pへのトナー像の転写のタイミングを制御するもので、給紙カセット8から給送された記録材Pの先端を受け止めて一旦停止させる。そして、その記録材Pが、所定の制御タイミングで回転駆動されたレジストローラ10により、感光体1と中抵抗の転写ローラ(転写手段)5との圧接部である転写ニップ部Tに導入される。転写ローラ5には、記録材Pが転写ニップ部Tを挟持搬送される間、転写バイアス電源部S3から、トナーの帯電極性とは逆極性で所定の電位の転写バイアスが印加される。これにより、感光体1の表面に形成されているトナー像が記録材Pの表面に順次に静電的に転写される。
転写ニップ部Tを出た記録材Pは感光体1の表面から分離され、ガイド部材11でガイドされて定着手段としての画像加熱定着装置12の、加熱定着ローラ12aとこれに所定の加圧力にて接触させた加圧ローラ12bとの間の定着ニップ部Nに導入される。その記録材Pは定着ニップ部Nにおいて定着ローラ12aと加圧ローラ12bとで挟持されて搬送され、その搬送過程で熱と圧力を受ける。これにより、トナー像が記録材Pの表面に固着画像として定着される。そして、定着ニップ部Nを出た記録材Pは排出ローラ13により排出トレイ14に画像形成物(コピー、プリント)として排出される。
また、記録材分離後(顕画像転写後)の感光体1の表面に残留した転写残トナーはクリーニング装置(クリーニング手段)6によって除去される。そして、表面がクリーニングされた感光体1は繰り返して画像形成に供される。このクリーニング装置6は、クリーニング部材として、弾性を有するクリーニングブレード(弾性ブレード)を用いたブレードクリーニング装置である。クリーニング装置6は、板金6fに支持されたクリーニングブレード6a、トナー捕集シート6b、廃トナー回収容器6c等から構成されている。クリーニングブレード6aは回転する感光体1に対してカウンターに当接させて、感光体1とニップ部を形成させている。
クリーニングブレード6aは板金6fの先端部に一体的に保持されたポリウレタンゴムからなり、感光体1に対して所定の侵入量、設定角の条件で当接されている。ゴム硬度としては50〜85°(JIS A)が好ましい、より好ましくは、60〜80°である。本例では70°のウレタンゴムを有するクリーニングブレード6aを用い、設定角=22°、侵入量は0.5〜1.3mmの範囲、クリーニングブレード6aの感光体1への当接圧を25g/cmの範囲となるようにした。クリーニングブレード6aの当接圧は、10〜50g/cmであることが好ましい。クリーニングブレード6aの当接圧が10g/cm未満である場合、トナーすり抜けによるクリーニング不良が発生しやすくなり、また、50g/cmを超える場合、クリーニングブレード6aの磨耗により満足な耐久性が得られにくくなった。
なお、本例においては、感光体1と、この感光体1に作用する、いくつかのプロセ手段をプロセスカートリッジ15としてある。具体的には、感光体1と、帯電ローラ2と、現像装置4と、クリーニング装置6を、カートリッジ枠体15a内に一体的に組み付けて、画像形成部Aに対して取り外し可能に装着して使用されるプロセスカートリッジとしてある。
[放電電流量△Iacの算出]
ここで、帯電ローラ2から感光体1に流れる放電電流量△Iacの算出について詳細に説明する。
ここで、帯電ローラ2から感光体1に流れる放電電流量△Iacの算出について詳細に説明する。
前記のように、本例では、周波数1850Hzの正弦波交流に−700Vの直流バイアスを重畳した帯電バイアスを用い、帯電ローラ2に流れる交流帯電電流Iacが定電流制御されている。
本例における帯電ローラ2と感光体1と間のインピーダンスZcは、図2の等価回路によって表されると考えてよい。Rcは帯電ローラ2の抵抗、Ccは帯電ローラ2の静電容量、Cdは感光体1の静電容量、Cairは帯電ローラ2と感光体1と間の微小エアギャップの静電容量である。
放電が起きていない場合は、インピーダンスZcに従って、印加交流電圧Vac(最大振幅値;Vpp)と帯電交流電流Iacの間には以下の関係が成立している。
Iac=Iz ; Iz=α・Vac、 α=1/(√2・Zc)
しかしながら、放電が起きているとき、即ち、
Vac(Vpp)≧2×Vth(V) Vth:放電開始電圧
のときは、図3のグラフに示すように、上記の関係からはずれ、Iac≧Izとなる。
しかしながら、放電が起きているとき、即ち、
Vac(Vpp)≧2×Vth(V) Vth:放電開始電圧
のときは、図3のグラフに示すように、上記の関係からはずれ、Iac≧Izとなる。
ここで、Izは、Iacが線形に伸びている部分(Vac<2×Vth)、またその外挿部(Vac≧2×Vthでは図3の点線部)を示す。
本例の説明では、このIacとIzの差△Iacを放電電流量(μA(mA))と規定する。
放電が起きているときには電気的な過渡現象を含むため、理論的に放電電流量△Iacを求めることは難しい。更には、放電電流量△Iacは、温湿度や帯電ローラ2の当接条件、物性、トナーによる汚れなどに影響されやすく常に一定ではない。よって、放電電流量△Iacは印字動作毎に、もしくは一定時間毎に求める必要がある。
放電電流量△Iacは、以下の式(1)によって算出する。
△Iac=Iac−α・Vac・・・(1)
上記の比例定数αは未放電状態のIac、Vacから求める。放電開始電圧Vth×2(V)未満のピーク間電圧Vppに対して電流Iacの比をαとしたとき、放電による電流以外の、接触部へ流れる電流(以下、ニップ電流)などの交流電流はα・Vppとなる。そして、放電開始電圧Vth×2(V)以上の電圧印加時に測定されるIacと、このα・Vppの差分が放電電流である。
上記の比例定数αは未放電状態のIac、Vacから求める。放電開始電圧Vth×2(V)未満のピーク間電圧Vppに対して電流Iacの比をαとしたとき、放電による電流以外の、接触部へ流れる電流(以下、ニップ電流)などの交流電流はα・Vppとなる。そして、放電開始電圧Vth×2(V)以上の電圧印加時に測定されるIacと、このα・Vppの差分が放電電流である。
本実施形態では、放電電流量△Iacが一定となるように制御している。以下にこの制御方法を述べる。
放電電流量△Iacは、一定電圧又は一定電流での制御下で帯電を行った場合、環境、耐久を進めるにつれ変化する。これは、ピーク間電圧と放電電流量の関係、交流電流値と放電電流量との関係が変動しているからである。
AC定電流制御方式では、帯電部材である帯電ローラ2から被帯電体である感光体1に流れる総電流Iacで制御している。そのため、実際に、放電電流量は制御できていない。定電流制御において同じ電流値で制御していても、帯電ローラ2の材質の環境変動によって、ニップ電流が多くなれば当然放電電流量は減り、ニップ電流が減れば放電電流量は増える。そのため、AC定電流制御方式でも完全に放電電流量の増減を抑制することは不可能であった。
そこで、本発明者らは、常に所望の放電電流量を得るため、以下の要領で制御を行った。
所望の放電電流量をDとしたときに、この放電電流量Dとなるピーク間電圧を決定する方法を説明する。
コントローラCは、印字準備回転時に、図4に示すように、帯電ローラ2に放電領域である交流電流(Iac)を2点、未放電領域である交流電流を1点、順次に印加する。そして、その時のピーク間電圧値をピーク間電圧値測定回路50(図6・図9・図10)で測定する。
ここで、印字準備回転時とは、待機状態の画像形成装置に画像形成開始信号が入力したとき、メインモータを駆動させて感光体1を回転駆動させ、画像形成動作に入る前のしばらくの間、画像形成装置に所定の印字前動作を実行させる期間(前回転行程)である。
ピーク間電圧と交流電流の関係はピーク間電圧がゼロの時、交流電流値もゼロとなるよう予め設定されている。
次に、コントローラCは、放電領域では測定値2点から、未放電領域では測定値と0点とを用いて、ピーク間電圧と交流電流の関係を直線近似し、以下の式2と式3を算出する。
式2・・・放電領域の近似直線 :Yα=αXα+A
式3・・・未放電領域の近似直線 :Yβ=βXβ
その後、放電領域の近似直線Yαと未放電領域の近似直線Yβの差分が、放電電流量Dとなる交流電流(Iac)を式4によって決定する。
式3・・・未放電領域の近似直線 :Yβ=βXβ
その後、放電領域の近似直線Yαと未放電領域の近似直線Yβの差分が、放電電流量Dとなる交流電流(Iac)を式4によって決定する。
Dとなる交流電流値をIac1とし、そのときのピーク間電圧をVppとすると、式2と式3は、
Iac1=αVpp+A・・・式a
Iac2=βVpp ・・・式b
となる。ここで、Iac2は未放電領域の近似直線YβでのVppとなる交流電流値である。
Iac1=αVpp+A・・・式a
Iac2=βVpp ・・・式b
となる。ここで、Iac2は未放電領域の近似直線YβでのVppとなる交流電流値である。
Iac1−Iac2=D・・・式c
式a、b、cから、放電電流量Dとなる交流電流(Iac)は式4で決定される。
式a、b、cから、放電電流量Dとなる交流電流(Iac)は式4で決定される。
式4・・・Iac=(αD−βA)/(α−β)
そして、帯電ローラ2に印加する交流電流を求めたIacに切り替え、Iacで定電流制御し、前記した画像形成動作へと移行する。
そして、帯電ローラ2に印加する交流電流を求めたIacに切り替え、Iacで定電流制御し、前記した画像形成動作へと移行する。
画像形成時には、求めた交流電流を求めたIac1が印加され、その時のピーク間電圧が測定される。
画像形成領域と次の画像形成領域の間の非画像形成領域(紙間)において、未放電領域である交流電流を1点、帯電ローラ2に印加し、その時のピーク間電圧を測定する。
新たに測定されたピーク間電圧と交流電流値の関係と、印字準備回転時に測定したピーク間電圧と交流電流値の関係から、統計的処理を行なうことで、以下の式5と式6を算出する。
式5・・・放電領域の近似直線 :Yα=α’Xα+A’
式6・・・未放電領域の近似直線 :Yβ=β’Xβ
その後、印字時(画像形成動作時)に印加する交流電流Iac1を求める時と同様に、式7を用いて放電領域の近似直線Yαと未放電領域の近似直線Yβの差分である放電電流量Dとなる交流電流Iac3を決定する。
式6・・・未放電領域の近似直線 :Yβ=β’Xβ
その後、印字時(画像形成動作時)に印加する交流電流Iac1を求める時と同様に、式7を用いて放電領域の近似直線Yαと未放電領域の近似直線Yβの差分である放電電流量Dとなる交流電流Iac3を決定する。
式7・・・Iac3=(α’D−βA’)/(α’−β)
そして、帯電ローラ2に印加する交流電流Iac3に切り替え定電流制御し、画像形成を行なう。
そして、帯電ローラ2に印加する交流電流Iac3に切り替え定電流制御し、画像形成を行なう。
次の画像形成時においても、同様に、印字時と紙間時にピーク間電圧と交流電流値の関係を測定し、印加する交流電流を、画像形成動作が行なわれている間常に補正する。
このようにして放電電流△Iacを制御した。
[感光体]
1)感光体製造方法
図5は本例における感光体1の層構成模型図である。この感光体1は、支持体1aの上に、感光層として電荷発生層1dと電荷輸送層1eが順に設けており、更に磨耗レートの小さい(機械的強度が高い)感光体には最表面に保護層1fを設けている。また、支持体1aと電荷発生層1dの間に、結着層1b、更には干渉縞防止などを目的とする下引き層1cを設けてもよい。
1)感光体製造方法
図5は本例における感光体1の層構成模型図である。この感光体1は、支持体1aの上に、感光層として電荷発生層1dと電荷輸送層1eが順に設けており、更に磨耗レートの小さい(機械的強度が高い)感光体には最表面に保護層1fを設けている。また、支持体1aと電荷発生層1dの間に、結着層1b、更には干渉縞防止などを目的とする下引き層1cを設けてもよい。
支持体1aとしては、支持体自身が導電性を持つもの、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金又はステンレスなどを用いることができる。その他に、アルミニウム、アルミニウム合金又は酸化インジウム−酸化スズ合金などを真空蒸着によって被膜形成された層を有する前記支持体やプラスチックを用いることができる。また、導電性微粒子(例えば、カーボンブラック、酸化スズ、酸化チタン及び銀粒子など)を適当な結着樹脂と共にプラスチックや紙に含浸した支持体、導電性結着樹脂を有するプラスチックなどを用いることができる。
また、支持体1aと感光層1d・1eの間には、バリアー機能と接着機能を持つ結着層(接着層)1bを設けることができる。結着層1bは、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、支持体1aの欠陥の被覆、支持体1aからの電荷注入性改良及び感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される。結着層1bは、カゼイン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド、変性ポリアミド、ポリウレタン、ゼラチン又は酸化アルミニウムなどによって形成できる。結着層1bの膜厚は、5μm以下が好ましく、特には0.1〜3μmが好ましい。
電荷発生層1dに用いる電荷発生物質としては、(1)モノアゾ、ジスアゾ及びトリスアゾなどのアゾ系顔料、(2)金属フタロシアニン及び非金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料料が挙げられる。また、(3)インジゴ及びチオインジゴなどのインジゴ系顔料、(4)ペリレン酸無水物及びペリレン酸イミドなどのペリレン系顔料が挙げられる。また、(5)アンスラキノン及びピレンキノンなどの多環キノン系顔料、(6)スクワリリウム色素が挙げられる。また、(7)ピリリウム塩及びチアピリリウム塩類、(8)トリフェニルメタン系色素が挙げられる。また、(9)セレン、セレン−テルル及びアモルファスシリコンなどの無機物質、(10)キナクリドン顔料、(11)アズレニウム塩顔料、(12)シアニン染料が挙げられる。また、(13)キサンテン色素、(14)キノンイミン色素、(15)スチリル色素、(16)硫化カドミウム及び(17)酸化亜鉛などが挙げられる。
電荷発生層1dに用いる結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂が挙げられる。また、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂及び塩過ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂などが挙げられる。しかし、これらに限定されるものではない。
これらは、単独・混合或いは共重合体ポリマーとして1種又は2種以上用いることができる。
電荷発生層用塗料に用いる溶剤は、使用する樹脂や電荷発生物質の溶解性や分散安定性から選択される。有機溶剤としては、アルコール類、スルホキシド類、ケトン類、エーテル類、エステル類、脂肪族ハロゲン化炭化水素類又は芳香族化合物などを用いることができる。
電荷発生層1dは、前記の電荷発生物質を質量基準で0.3〜4倍量の結着樹脂及び溶剤と共に、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター又はロールミルなどの方法でよく分散し、塗布、乾燥されて形成される。その厚みは、5μm以下が好ましく、特には0.01〜1μmの範囲が好ましい。
また、電荷発生層1dには、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤及び公知の電荷発生物質を必要に応じて添加することもできる。
電荷輸送層1eに用いられる電荷輸送物質としては、各種トリアリールアミン系化合物、各種ヒドラゾン系化合物、各種スチリル系化合物、各種スチルベン系化合物が挙げられる。また、各種ピラゾリン系化合物、各種オキサゾール系化合物、各種チアゾール系化合物及び各種トリアリールメタン系化合物などが挙げられる。
電荷輸送層1eを形成するのに用いられる結着樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン系樹脂が好ましい。また、ポリエステル、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリフェニレンオキシド、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂及び不飽和樹脂などから選ばれる樹脂が好ましい。特に好ましい樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリカーボネート樹脂及びジアリルフタレート樹脂が挙げられる。
電荷輸送層1eは、一般的には前記の電荷輸送物質と結着樹脂を溶剤に溶解し、塗布して形成する。電荷輸送物質と結着樹脂との混合割合(質量比)は、2:1〜1:2程度である。溶剤としては、アセトンやメチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸メチルや酢酸エチルなどのエステル類が用いられる。また、トルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、クロロホルム及び四塩化炭素などの塩素系炭化水素類、テトラヒドロフランやジオキサンなどのエーテル類などが用いられる。
この溶液を塗布する際には、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法及びスピンナーコーティング法などのコーティング法を用いることができる。乾燥は10℃〜200℃が好ましく、より好ましくは20℃〜150℃の範囲の温度で、5分〜5時間が好ましく、より好ましくは10分〜2時間の時間で送風乾燥又は静止乾燥下で行うことができる。
電荷輸送層1eは、上述の電荷発生層1dと電気的の接続されており、電界の存在下で電荷発生層1dから注入された電荷キャリアを受け取ると共に、これらの電荷キャリアを保護層1fとの界面まで輸送する機能を有している。この電荷輸送層1eは、電荷キャリアを輸送する限界があるので必要以上に膜厚を厚くすることができないが、5〜40μmが好ましく、特には7〜30μmの範囲が好ましい。
更に、電荷輸送層1f中に酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤及び公知の電荷輸送物質を必要に応じて添加することもできる。
更に、この電荷輸送層1eの上に前記保護層1fを塗布、硬化させて成膜することで、テーバー磨耗試験による磨耗レートが0.1〜2.0mgの感光体を作成することができる。
2)保護層1fの形成方法1
上記条件を満足させる電子写真感光体の保護層1fとして、下記の化学式1で示すような、同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合した化合物を含有する保護層がある。
上記条件を満足させる電子写真感光体の保護層1fとして、下記の化学式1で示すような、同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合した化合物を含有する保護層がある。
式中、Aは正孔輸送性基を示す。P1及びP2は連鎖重合性官能基を示す。P1とP2は同一でも異なってもよい。Zは置換基を有してもよい有機残基を示す。a、b及びdは0又は1以上の整数を示し、a+b×dは2以上の整数を示す。また、aが2以上の場合P1は同一でも異なってもよく、dが2以上の場合P2は同一でも異なってもよく、またbが2以上の場合、Z及びP2は同一でも異なってもよい。
前記同一分子内に二つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合させることで、その保護層1f中において、正孔輸送能を有する化合物は少なくとも二つ以上の架橋点をもって3次元架橋構造の中に共有結合を介して取り込まれる。前記正孔輸送性化合物はそれのみを重合させる、又は他の連鎖重合性基を有する化合物と混合させることのいずれもが可能であり、その種類/比率はすべて任意である。ここでいう他の連鎖重合性基を有する化合物とは、連鎖重合性基を有する単量体又はオリゴマー/ポリマーのいずれもが含まれる。正孔輸送性化合物の官能基とその他の連鎖重合性化合物の官能基が同一の基又は互いに重合可能な基である場合には、両者は共有結合を介した共重合3次元架橋構造をとることが可能である。両者の官能基が互いに重合しない官能基である場合には、感光層は少なくとも二つ以上の3次元硬化物の混合物又は主成分の3次元硬化物中に他の連鎖重合性化合物単量体又はその硬化物を含んだ物として構成される。その配合比率/製膜方法をうまくコントロールすることで、IPN(Inter Penetrating Network)すなわち相互進入網目構造を形成することも可能である。
保護層1fには、潤滑材1gとして、フッ素原子含有樹脂、フッ化カーボン、ポリオレフィン樹脂からなる群のなかから選ばれた少なくとも一種を含有させることができる。その好ましい化合物としては以下の物が挙げられる。ただし、これらの化合物に限定されるものではない。
フッ素原子含有樹脂として好ましいものは、ビニルフルオライド、ビニリデンフルオロライド、クロロトリフルオロエチレンより選ばれる化合物の重合体もしくは共重合体樹脂及び樹脂微粒子が挙げられる。また、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテルより選ばれる化合物の重合体もしくは共重合体樹脂及び樹脂微粒子が挙げられる。
フッ化カーボンは(CF)n、(C2F)nで表される化合物が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂として好ましいものは、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブテン樹脂等のホモポリマー樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体等のコポリマー樹脂及び樹脂粉体が挙げられる。
これらの潤滑材1gはそれぞれ単独でも2種以上を任意の割合で用いることも可能である。
また、保護層1fには前記潤滑材1gの分散剤、分散助剤、その他の各種添加剤、界面活性剤等を含有してもよい。
保護層1fに潤滑材1gとしてフッ素原子含有樹脂、フッ化カーボン、ポリオレフィン系樹脂のうち少なくとも1種を含有させることにより、感光体の表面の滑り性、撥水性を高めることができる。そして、繰り返し使用時の帯電、現像、転写等による保護層1fの化学的劣化に伴う転写効率や滑り性の低下、更には感度低下、電位低下などの電気特性の劣化を防ぐことができる。また、繰り返し使用時においてもフィルミング、融着、クリーニング不良、画像ボケ/流れ等の画像不良の発生を抑えることが可能となる。特に好ましくはフッ素含有樹脂であると更に好適な結果が得られる。
保護層1fに含有させる潤滑材1gの割合は、保護層1fとなる層の全重量に対し、1〜70%が好ましく、より好ましくは5〜50%である。潤滑材1gが70%より多いと保護層1fとなる層の機械的強度が低下しやすく、1%より少ないと保護層1fとなる層の撥水性、滑り性が充分ではなくなることがある。
前記連鎖重合性基を有する正孔輸送性化合物の硬化物を含有する保護層1fに、電荷輸送物質を含有させることも可能である。
前記保護層1fの形成方法は、前記正孔輸送性化合物を含有する溶液を塗布後、重合反応をさせるのが一般的である。前もって該正孔輸送性化合物を含む溶液を反応させて硬化物を得た後に、再度溶剤中に分散又は溶解させて、保護層を形成することも可能である。これらの溶液を塗布する方法は、例えば、浸漬コーティング法、スプレ−コーティング法、カーテンコーティング法及びスピンコーティング法などが知られている。効率性/生産性の点からは浸漬コーティング法が好ましい。
連鎖重合性基を有する正孔輸送性化合物は、放射線により重合させることが好ましい。放射線による重合の最大の利点は重合開始剤を必要としない点であり、これにより非常に高純度な三次元感光層の作製が可能となり、良好な電子写真特性が確保される点である。また、短時間でかつ効率的な重合反応であるがゆえに生産性も高く、更には放射線の透過性のよさから、厚膜時や添加剤などの遮蔽物質が膜中に存在する際の硬化阻害の影響が非常に小さいことなどが挙げられる。ただし、連鎖重合性基の種類や中心骨格の種類によっては重合反応が進行しにくい場合があり、その際には影響のない範囲内での重合開始剤の添加は可能である。この際使用する放射線とは電子線及びγ線である。電子線照射をする場合、加速器としてはスキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型、パルス型及びラミナー型などいずれの形式も使用することができる。電子線を照射する場合に、電気特性及び耐久性能を発現させる上で、照射条件が非常に重要である。加速電圧は250kV以下が好ましく、最適には150kV以下である。また線量は好ましくは10kGy〜1000kGyの範囲である。加速電圧が上記を越えると、感光体特性に対する電子線照射のダメージが増加する傾向にある。また、線量が上記範囲よりも少ない場合には硬化が不十分となりやすく、線量が多い場合には感光体特性の劣化がおこりやすい。
3)保護層1fの形成方法2
更に、保護層1fとして、硬化性フェノール樹脂及び、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルコキシ基又は置換基を有してもよいヒドロキシフェニル基からなる群より選択される基の少なくとも一つを有する電荷輸送物質を含有する保護層がある。
更に、保護層1fとして、硬化性フェノール樹脂及び、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルコキシ基又は置換基を有してもよいヒドロキシフェニル基からなる群より選択される基の少なくとも一つを有する電荷輸送物質を含有する保護層がある。
前記保護層に用いる結着樹脂である硬化性フェノール樹脂は、一般的にフェノール類とホルムアルデヒドの反応によって得られる樹脂である。フェノール樹脂には2つのタイプがあり、フェノール類に対してホルムアルデヒドを過剰にしてアルカリ触媒で反応させて得られるレゾール型と、ホルムアルデヒドに対しフェノール類を過剰にして酸触媒で反応させて得られるノボラック型にわけられる。
レゾール型は、アルコール類及びケトン類の溶媒にも可溶であり、加熱することで3次元的に架橋重合して硬化物となる。一方、ノボラック型は、一般にそのまま加熱しても硬化はしないが、パラホルムアルデヒドやヘキサメチレンテトラミンなどのホルムアルデヒド源を加えて加熱することで硬化物を生成する。
一般的に工業的には、レゾール型は塗料、接着剤、注型品及び積層品用のワニスとして利用され、ノボラック型は主として成形材料や結合剤として利用されている。
結着樹脂として利用されるフェノール樹脂は、上記のレゾール型及びノボラック型のどちらでも利用可能であるが、硬化剤を加えることなく硬化することや、塗料としての操作性などからレゾール型を用いることが好ましい。
これらのフェノール樹脂を1種類又は2種類以上混合して用いることができ、また、レゾール型とノボラック型を混合して用いることも可能である。
例えば、ヒドロキシメチル基2個以上を有するポリヒドロキシメチル化されたビスフェノール化合物を用いて保護層1fを形成させることができる。
上述のビスフェノール化合物の骨格は、下記の化学式2で示される構造を有する。
式中、Xは単結合若しくは2価の結合基を表す。R1及びR2は夫々置換基としてハロゲン原子、アリール基、ビニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよい環状アルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよい複素環基を表す。
このポリヒドロキシメチルビスフェノール化合物は、加熱処理を施すことにより、ヒドロキシメチル基同士の縮合反応によりエーテル結合、若しくは更に縮合反応が進みメチレン結合を形成する。或いはヒドロキシメチル基とフェノール性水酸基のオルト位やパラ位の水素原子との縮合反応によりメチレン結合を形成する。これらの縮合反応が種々の分子間で起こることにより、架橋密度の高い三次元硬化膜を得ることができる。これらの縮合反応は、本質的に空気中の水分や酸素により阻害されることもなく、また電荷輸送材料を添加した系においても十分に進行する反応である。ポリヒドロキシメチルビスフェノール化合物の加熱処理による架橋反応においては、熱硬化性に一般的に用いられるような硬化触媒を特に添加する必要が無いという特徴を有する。従って、このような化合物を電子写真感光体の保護層1f(保護層)として用いる場合には、残留硬化触媒に起因する残留電位の上昇や保護層1fの抵抗低下といった問題も発生しない。
また、ポリヒドロキシメチルビスフェノール化合物は、硬化触媒を加える必要が無いことや、ヒドロキシメチル基自体が、イソシアネートやシリコーン樹脂とは異なり水分に対する安定性も十分にあるため、塗工液の安定性においても優れている。
保護層1fは、硬化性フェノール樹脂を溶剤などで溶解又は希釈して得た塗料を感光層上に塗工して成形するが、塗工後に重合反応が起こり硬化層を形成する。重合の形態として、熱による付加及び縮合反応により進行し、保護層を塗工後、加熱することで重合反応を起こし高分子硬化層を生成する。
また、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルコキシ基又は置換基を有してもよいヒドロキシフェニル基を有する電荷輸送物質は、トリフェニルアミン誘導体であることが好ましい。
なお、上記ヒドロキシフェニル基が有してもよい置換基としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素などのハロゲン原子、置換基を有してもよいメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基などのアルキル基が挙げられる。また、置換基を有してもよいメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基及びブトキシ基などのアルコキシ基、置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル基、アンスリル基及びピレニル基などのアリール基が挙げられる。又は置換基を有してもよいピリジル基、チエニル基、フリル基及びキノリル基などの複素環基が挙げられる。
電荷輸送物質のうち、ヒドロキシアルキル基又はヒドロキシアルコキシ基を有する電荷輸送物質は、下記の化学式3で表される特定の構造を有する化合物であることが好ましい。
式中、R11、R12及びR13はそれぞれ炭素数1〜8の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基を表す。α、β及びγはそれぞれ置換基としてハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基を1つ以上有してもよいベンゼン環を表す。a1、b1及びc1は1又は0であり、m1及びn1は0又は1である。
また、電荷輸送物質は、該保護層1fを作製するための塗料中に均一に溶解又は分散させ、塗布して形成する。電荷輸送物質と硬化性フェノール樹脂の混合割合は、質量比で、電荷輸送物質/硬化性フェノール樹脂=0.1/10〜20/10が好ましく、特には0.5/10〜10/10が好ましい。硬化性フェノール樹脂に対して電荷輸送物質が少なすぎると残留電位低下の効果が小さくなり、多すぎると保護層の強度を弱める可能性がある。
保護層1fは、本質的に抵抗体として電荷の移動をさせるものではなく、保護層中に含有させた電荷輸送物質により電荷を移動させて、保護層を施した電子写真感光体の感度を維持し、残留電位を低下させるものである。したがって、抵抗体としての体積抵抗率は低く設定する必要はなく、その体積抵抗率として、1×1012(Ω・cm)以上にすることにより、形成された静電潜像の流れなどを高い次元で抑制することができる。
上記の保護層1fを有する電子写真感光体において、更にフッ素原子含有樹脂微粒子を含有させることによって、電子写真感光体表面の離型性の向上をより高い次元で達成できる。
フッ素原子含有樹脂微粒子としては、四フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂などが好ましい。及びこれらの共重合体の中から1種或いは2種以上を適宜選択するのが好ましい。特に、四フッ化エチレン樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。樹脂粒子の分子量分布や粒径は、適宜選択することができ、特に制限されるものではない。
保護層1fの塗工液を作製する溶剤としては、ポリヒドロキシメチルビスフェノール化合物並びに電荷輸送材料を十分に溶解し、更に、保護層1fの塗工液と接触する下層の電荷輸送層若しくは電荷発生層等に悪影響を与えない溶剤が好ましい。
従って、溶剤としては、メタノール、エタノール及び2−プロパノール等のアルコール類、アセトン、シクロヘキサノン及びメチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル及び酢酸エチル等のエステル類が使用可能である。また、テトラヒドロフラン及びジオキサン等のエーテル類、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン及びジクロロメタン等のハロゲン系炭化水素類等が使用可能である。また、更にこれらを混合して用いてもよい。これらの中でも最も好適な溶剤は、メタノール、エタノール及び2−プロパノール等のアルコール類である。
従来、公知の電荷輸送材料は一般的にアルコール類の溶剤には不溶又は難溶であり、ポリヒドロキシメチルビスフェノール化合物への均一な溶解は困難である。しかし、電荷輸送材料としてヒドロキシ基を含有する場合には、アルコール類を主成分とする溶剤に可溶であり、電荷輸送層等の下層に対する影響も少ない。
保護層1fの塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法及びブレードコーティング法等の一般的な塗工方法を用いることができる。
前記保護層1f中に、帯電時に発生するオゾンやNOx等の活性物質の付着による保護層1fの劣化等を防止する目的で、酸化防止剤の添加材を加えてもよい。
4)感光体表面の耐磨耗性評価方法
テーバー磨耗試験方法は、テーバー磨耗試験機(Y.S.S.Taber 安田製作所製)の試料台にサンプルを装着する。そして、2個の表面にラッピングテープ(冨士写真フィルム製 品名:C2000)を装着したゴム製の磨耗輪(CS−0)に各々荷重500gを掛け、1000回転後のサンプルの重量減少を精密天秤にて測定した。
テーバー磨耗試験方法は、テーバー磨耗試験機(Y.S.S.Taber 安田製作所製)の試料台にサンプルを装着する。そして、2個の表面にラッピングテープ(冨士写真フィルム製 品名:C2000)を装着したゴム製の磨耗輪(CS−0)に各々荷重500gを掛け、1000回転後のサンプルの重量減少を精密天秤にて測定した。
本例では、3種類の保護層1fを形成させた感光体と、保護層を設けない感光体の計4種類の感光体を得た。
5)感光体製造例1(電子写真感光体a)
長さ260.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS A3003アルミニウム合金)を支持体1aとした。この上に、ポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ製)の5質量%メタノール溶液を浸漬法で塗布し、膜厚が0.5μmの下引き層1cを形成した。
長さ260.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS A3003アルミニウム合金)を支持体1aとした。この上に、ポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ製)の5質量%メタノール溶液を浸漬法で塗布し、膜厚が0.5μmの下引き層1cを形成した。
次に、下記の電荷発生層用塗料を調製し、これを上記の下引き層1c上に浸漬塗布し、90℃で10分間乾燥して、膜厚0.17μmの電荷発生層1dを形成した。
電荷発生層用塗料
a:電荷発生材料としてCuKαのX線回折における回折角2θ±0.2が28.1°に最も強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンの結晶・・・3部
b:ポリビニルブチラール・・・2部
c:シクロヘキサノン・・・100部
上記の材料を1mmφガラスビーズを用いたサンドミルで1時間分散し、これにメチルエチルケトン100部を加えて希釈する。
a:電荷発生材料としてCuKαのX線回折における回折角2θ±0.2が28.1°に最も強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンの結晶・・・3部
b:ポリビニルブチラール・・・2部
c:シクロヘキサノン・・・100部
上記の材料を1mmφガラスビーズを用いたサンドミルで1時間分散し、これにメチルエチルケトン100部を加えて希釈する。
次に下記の電荷輸送層用塗料を調製し、これを上記の電荷発生層1d上に浸漬塗布し、110℃で1時間熱風乾燥し、膜厚が13μmの電荷輸送層1eを形成した。
電荷輸送層用塗料
a:下記の化学式4の電荷輸送材料化合物・・・7部
a:下記の化学式4の電荷輸送材料化合物・・・7部
b:ポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製)・・・10部
c:モノクロロベンゼン・・・105部
d:ジクロロメタン・・・35部
本例では、反転現像を用いており、感光体は直径30mmのアルミシリンダー1a上に前述したように3層1c+1d+1eを重ねた後、保護層1fを下記のように形成した有機感光体である。即ち、保護層1fとして下記の化学式5の正孔輸送性化合物を電子線照射により重合させた化合物を含有する表層を塗工し硬化させた有機感光体である。
c:モノクロロベンゼン・・・105部
d:ジクロロメタン・・・35部
本例では、反転現像を用いており、感光体は直径30mmのアルミシリンダー1a上に前述したように3層1c+1d+1eを重ねた後、保護層1fを下記のように形成した有機感光体である。即ち、保護層1fとして下記の化学式5の正孔輸送性化合物を電子線照射により重合させた化合物を含有する表層を塗工し硬化させた有機感光体である。
下記の化学式5の正孔輸送性化合物45部をn−プロピルアルコール55部に溶解する。
更に、テトラフルオロエチレン微粒子を5重量部添加して、高圧分散機(マイクロフルイタイザー、Microfluidics社製)にて分散させた表面保護層用塗料を調整した。
この塗料を前記4層1a+1c+1d+1eの感光体上に塗布したのち、加速電圧150KV、線量40kGyの条件で電子線を照射し、膜厚3μmの保護層1fを形成し、「電子写真感光体a」を得た。この感光体について、テーバー磨耗試験を行ったところ、0.5(mg/1000回転)であった。
6)感光体製造例2(電子写真感光体b)
感光体製造例1と同じ製造方法で電子線の照射条件のみ変えた。ここでは、電子線の加速電圧を150KV、線量を10kGyとして保護層1fを形成し、「電子写真感光体b」を得た。この感光体について、テーバー磨耗試験を行ったところ、1.0(mg/1000回転)であった。
感光体製造例1と同じ製造方法で電子線の照射条件のみ変えた。ここでは、電子線の加速電圧を150KV、線量を10kGyとして保護層1fを形成し、「電子写真感光体b」を得た。この感光体について、テーバー磨耗試験を行ったところ、1.0(mg/1000回転)であった。
7)感光体製造例3(電子写真感光体c)
感光体製造例1と同じ4層1a+1c+1d+1eの感光体上に、下記の保護層用塗工液を作製し、これを電荷輸送層1eの上に浸漬塗布し、145℃で1時間熱風乾燥し、膜厚が3μmの保護層1fを設けた。ここで、保護層1fの膜厚は、干渉膜厚計(大塚電子(株)製)を用いて行った。
感光体製造例1と同じ4層1a+1c+1d+1eの感光体上に、下記の保護層用塗工液を作製し、これを電荷輸送層1eの上に浸漬塗布し、145℃で1時間熱風乾燥し、膜厚が3μmの保護層1fを設けた。ここで、保護層1fの膜厚は、干渉膜厚計(大塚電子(株)製)を用いて行った。
保護層用塗工液
a:結着樹脂である硬化性フェノール樹脂として、下記の化学式6で示されるビスフェノールのフェノール性水酸基のオルト位水素原子が全てヒドロキシメチル基で置換されたテトラキスヒドロキシメチル−ビスフェノール化合物・・・100部
a:結着樹脂である硬化性フェノール樹脂として、下記の化学式6で示されるビスフェノールのフェノール性水酸基のオルト位水素原子が全てヒドロキシメチル基で置換されたテトラキスヒドロキシメチル−ビスフェノール化合物・・・100部
b:下記の化学式7で表される電荷輸送材料・・・70部
c:テトラフルオロエチレン微粒子・・・42部
d:エタノール・・・150部
を混合し、高圧分散機(マイクロフルイタイザー、Microfluidics社製)にて分散させた溶剤に溶解させたもの。
d:エタノール・・・150部
を混合し、高圧分散機(マイクロフルイタイザー、Microfluidics社製)にて分散させた溶剤に溶解させたもの。
以上のように作製した保護層を有する感光体を「電子写真感光体c」とする。この感光体について、テーバー磨耗試験を行ったところ、1.5(mg/1000回転)であった。
8)感光体製造例4(電子写真感光体d)
感光体製造例1と同じ4層1a+1c+1d+1eで、保護層を設けない「電子写真感光体d」を得た。この感光体でテーバー磨耗試験を行ったところ、3.0(mg/1000回転)であった。
感光体製造例1と同じ4層1a+1c+1d+1eで、保護層を設けない「電子写真感光体d」を得た。この感光体でテーバー磨耗試験を行ったところ、3.0(mg/1000回転)であった。
以下に、実施例1〜34、比較例1〜9を示す。各実施例及び各比較例において用いた潤滑剤は何れも脂肪酸金属塩(金属石鹸)である、粉末状あるいは固形化された粉末のブロック体の「ステアリン酸亜鉛」であり、研磨剤(無機粉体)は「ペロブスカイト型結晶のチタン酸ストロンチウム」である。
ここで、実施例と比較例で使用した研磨剤(ペロブスカイト型結晶のチタン酸ストロンチウム)の1次粒子の粒径(平均粒径)は110nmである。
[実施例1〜5]
本実施例では、潤滑剤と研磨剤とを共に現像装置4の現像剤に外添して感光体表面への供給を行った。
本実施例では、潤滑剤と研磨剤とを共に現像装置4の現像剤に外添して感光体表面への供給を行った。
研磨剤の感光体表面への供給量A(μg/cm2)及び潤滑剤の感光体表面への供給量A(μg/cm2)としては転写効率と転写残トナー(廃トナー)の濃縮率から見積もった。
感光体1は、前記の「電子写真感光体a」(テーバー磨耗量0.5mg)を使用した。帯電ローラ2は感光体1に対して50gr/cm荷重で当接させ、放電電流を50μAとなるように、前述した手法で定電流制御した。
以上の画像形成装置構成で画像評価を行った。評価モードは、印字率5%のチャートを1枚間欠で5万枚の耐久試験を行った。試験環境は高温多湿(30℃・80%)環境と常温低湿(23℃・5%)環境で行い、画像流れとフィルミングを評価した。評価結果を表1に示す。
[実施例6〜8]
感光体1として、前記の「電子写真感光体b」(テーバー磨耗量1.0mg)を用いた以外は実施例1と同じとし、同様に、研磨剤と潤滑剤の供給量を振り評価を行った。評価結果を表1に示す。
感光体1として、前記の「電子写真感光体b」(テーバー磨耗量1.0mg)を用いた以外は実施例1と同じとし、同様に、研磨剤と潤滑剤の供給量を振り評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例9]
感光体1として、前記の「電子写真感光体c」(テーバー磨耗量1.5mg)を用いた以外は実施例1と同じとし、同様に、研磨剤と潤滑剤の供給量を振り評価を行った。評価結果を表1に示す。
感光体1として、前記の「電子写真感光体c」(テーバー磨耗量1.5mg)を用いた以外は実施例1と同じとし、同様に、研磨剤と潤滑剤の供給量を振り評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例10]
感光体1として、前記の「電子写真感光体d」(テーバー磨耗量3.0mg)を用いた以外は実施例1と同じとし、同様に、研磨剤と潤滑剤の供給量を振り評価を行った。評価結果を表1に示す。
感光体1として、前記の「電子写真感光体d」(テーバー磨耗量3.0mg)を用いた以外は実施例1と同じとし、同様に、研磨剤と潤滑剤の供給量を振り評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例11〜14]
本実施例では、帯電ローラ2を感光体1に対して自重当接とした。自重当接とした場合、荷重当接と比べ帯電ローラ2と感光体1が形成するギャップが不安定となるため、局所的な帯電不良(所謂砂地)が発生し易い。それを防ぐ為にはギャップが不安定な部分、つまり放電が不安定な部分でも帯電不良が発生しないように電流量を補わなければならないので、トータルの放電電流量としては多くなる。本実施例では砂地消失には150μAの放電電流を必要とした。その他の構成は、実施例1と同じとし、同様に、研磨剤と潤滑剤の供給量を振り評価を行った。評価結果を表2に示す。
本実施例では、帯電ローラ2を感光体1に対して自重当接とした。自重当接とした場合、荷重当接と比べ帯電ローラ2と感光体1が形成するギャップが不安定となるため、局所的な帯電不良(所謂砂地)が発生し易い。それを防ぐ為にはギャップが不安定な部分、つまり放電が不安定な部分でも帯電不良が発生しないように電流量を補わなければならないので、トータルの放電電流量としては多くなる。本実施例では砂地消失には150μAの放電電流を必要とした。その他の構成は、実施例1と同じとし、同様に、研磨剤と潤滑剤の供給量を振り評価を行った。評価結果を表2に示す。
[実施例15〜17]
感光体1として、前記の「電子写真感光体b」(テーバー磨耗量1.0mg)を用いた以外は、実施例11と同じとし、同様に、研磨剤と潤滑剤の供給量を振り評価を行った。評価結果を表2に示す。
感光体1として、前記の「電子写真感光体b」(テーバー磨耗量1.0mg)を用いた以外は、実施例11と同じとし、同様に、研磨剤と潤滑剤の供給量を振り評価を行った。評価結果を表2に示す。
[実施例18〜19]
感光体1として、前記の「電子写真感光体c」(テーバー磨耗量1.5mg)を用いた以外は、実施例11と同じとし、同様に、研磨剤と潤滑剤の供給量を振り評価を行った。評価結果を表2に示す。
感光体1として、前記の「電子写真感光体c」(テーバー磨耗量1.5mg)を用いた以外は、実施例11と同じとし、同様に、研磨剤と潤滑剤の供給量を振り評価を行った。評価結果を表2に示す。
[実施例20]
感光体1として、前記の「電子写真感光体d」(テーバー磨耗量3.0mg)を用いた以外は、実施例11と同じとし、同様に、研磨剤と潤滑剤の供給量を振り評価を行った。評価結果を表2に示す。
感光体1として、前記の「電子写真感光体d」(テーバー磨耗量3.0mg)を用いた以外は、実施例11と同じとし、同様に、研磨剤と潤滑剤の供給量を振り評価を行った。評価結果を表2に示す。
[実施例21〜23]
本実施例では、感光体1の帯電装置として、図6に示す様に、帯電ローラ2の両端にギャップ保持部材60を設けて、帯電ローラ2を感光体1に対してギャップdをあけて近接配置させる構成とした。即ち、感光体1の帯電装置を近接帯電装置にした。
本実施例では、感光体1の帯電装置として、図6に示す様に、帯電ローラ2の両端にギャップ保持部材60を設けて、帯電ローラ2を感光体1に対してギャップdをあけて近接配置させる構成とした。即ち、感光体1の帯電装置を近接帯電装置にした。
本実施例では、帯電ローラ2を感光体1とギャップd=30μmで保持させる構成とした。非接触帯電ローラによる帯電は接触帯電にくらべて、放電ギャップが安定しないため、実施例11での自重当接よりも更に放電が不安定になり帯電不良が発生しやすい。それを防ぐ為には放電電流を多く流す必要がある。
図7に、均一な帯電性が得られる最近接帯電間隔(ギャップd)と放電電流量の一般的な関係を示す。帯電不良の発生は感光体表面と帯電ローラ表面の間隔に大きく依存する為、帯電ローラ2の円形度等に関わるところも大きいが、本実施例での構成で均一な帯電性を得るには、放電電流量を300μA必要とした。その他の構成は実施例1と同じとし、同様に、ステアリン酸亜鉛/ペロブスカイト型結晶のチタン酸ストロンチウムの供給量を振り評価を行った。評価結果を表3に示す。
[実施例24〜26]
感光体1として、前記の「電子写真感光体b」(テーバー磨耗量1.0mg)を用いた以外は、実施例21と同じとし、同様に、研磨剤と潤滑剤の供給量を振り評価を行った。評価結果を表3に示す。
感光体1として、前記の「電子写真感光体b」(テーバー磨耗量1.0mg)を用いた以外は、実施例21と同じとし、同様に、研磨剤と潤滑剤の供給量を振り評価を行った。評価結果を表3に示す。
[実施例27、28]
感光体1として、前記の「電子写真感光体c」(テーバー磨耗量1.5mg)を用いた以外は、実施例21と同じとし、同様に、研磨剤と潤滑剤の供給量を振り評価を行った。評価結果を表3に示す。
感光体1として、前記の「電子写真感光体c」(テーバー磨耗量1.5mg)を用いた以外は、実施例21と同じとし、同様に、研磨剤と潤滑剤の供給量を振り評価を行った。評価結果を表3に示す。
[実施例29、30]
感光体1として、前記の「電子写真感光体d」(テーバー磨耗量3.0mg)を用いた以外は、実施例21と同じとし、同様に、研磨剤と潤滑剤の供給量を振り評価を行った。評価結果を表3に示す。
感光体1として、前記の「電子写真感光体d」(テーバー磨耗量3.0mg)を用いた以外は、実施例21と同じとし、同様に、研磨剤と潤滑剤の供給量を振り評価を行った。評価結果を表3に示す。
[比較例1]
研磨剤の供給量を0.6μg/cm2、潤滑剤の供給量を0μg/cm2とした以外は、実施例1と同じとし、評価を行った結果を表4に示す。
研磨剤の供給量を0.6μg/cm2、潤滑剤の供給量を0μg/cm2とした以外は、実施例1と同じとし、評価を行った結果を表4に示す。
[比較例2]
研磨剤の供給量を0μg/cm2、潤滑剤の供給量を0.06μg/cm2とした以外は、実施例1と同じとし、評価を行った結果を表4に示す。
研磨剤の供給量を0μg/cm2、潤滑剤の供給量を0.06μg/cm2とした以外は、実施例1と同じとし、評価を行った結果を表4に示す。
[比較例3]
研磨剤の供給量を0.03μg/cm2、潤滑剤の供給量を0.005μg/cm2とした以外は、実施例1と同じとし、評価を行った結果を表4に示す。
研磨剤の供給量を0.03μg/cm2、潤滑剤の供給量を0.005μg/cm2とした以外は、実施例1と同じとし、評価を行った結果を表4に示す。
[比較例4]
研磨剤の供給量を0.3μg/cm2、潤滑剤の供給量を0.01μg/cm2とした以外は、実施例1と同じとし、評価を行った結果を表4に示す。
研磨剤の供給量を0.3μg/cm2、潤滑剤の供給量を0.01μg/cm2とした以外は、実施例1と同じとし、評価を行った結果を表4に示す。
[比較例5]
研磨剤の供給量を0μg/cm2、潤滑剤の供給量を0.15μg/cm2とした以外は、実施例11と同じとし、評価を行った結果を表4に示す。
研磨剤の供給量を0μg/cm2、潤滑剤の供給量を0.15μg/cm2とした以外は、実施例11と同じとし、評価を行った結果を表4に示す。
[比較例6]
研磨剤の供給量を0.1μg/cm2、潤滑剤の供給量を0.11μg/cm2とした以外は、実施例11と同じとし、評価を行った結果を表4に示す。
研磨剤の供給量を0.1μg/cm2、潤滑剤の供給量を0.11μg/cm2とした以外は、実施例11と同じとし、評価を行った結果を表4に示す。
[比較例7]
研磨剤の供給量を0.1μg/cm2、潤滑剤の供給量を0.01μg/cm2とした以外は、実施例11と同じとし、評価を行った結果を表4に示す。
研磨剤の供給量を0.1μg/cm2、潤滑剤の供給量を0.01μg/cm2とした以外は、実施例11と同じとし、評価を行った結果を表4に示す。
[比較例8]
研磨剤の供給量を0.1μg/cm2、潤滑剤の供給量を0.04μg/cm2とした以外は、実施例21と同じとし、評価を行った結果を表4に示す。
研磨剤の供給量を0.1μg/cm2、潤滑剤の供給量を0.04μg/cm2とした以外は、実施例21と同じとし、評価を行った結果を表4に示す。
[比較例9]
研磨剤の供給量を0.6μg/cm2、潤滑剤の供給量を0.25μg/cm2とした以外は、実施例21と同じとし、評価を行った結果を表4に示す。
研磨剤の供給量を0.6μg/cm2、潤滑剤の供給量を0.25μg/cm2とした以外は、実施例21と同じとし、評価を行った結果を表4に示す。
以上の実施例1〜30と比較例1〜9の結果より、
0.5×ΔIac/T≦A+10B≦5×ΔIac/T
1≦ A/B ≦20
の範囲であれば、画像流れ/融着の発生がなく、良好に画像形成が行えた。
0.5×ΔIac/T≦A+10B≦5×ΔIac/T
1≦ A/B ≦20
の範囲であれば、画像流れ/融着の発生がなく、良好に画像形成が行えた。
ここで、表1〜表4の各実施例及び各比較例に記載の供給量の数値設定は、表7・表8のように、現像剤に対する研磨剤(無機微粉体)と潤滑剤(金属石鹸)の外添配合量を違えることで行なっている。
転写効率は、現像での消費量と廃トナーの重量から、転写効率(%)=(消費量−廃トナー)/消費量×100、で求められる。廃トナー中の研磨剤、潤滑剤の濃縮率は、蛍光X線装置により現像トナーに比べそれぞれ何倍に濃縮されているか求められる。単純に耐久後の供給量(総量)を計算する場合は、廃トナー量×現像トナー外添重量部×濃縮率で求められる。耐久中の供給量を見積もる場合は、予め予測できる転写効率と濃縮率、ビデオカウント等により予測される現像トナー消費量から、供給量=トナー消費量×(1−転写効率/100)×現像トナー外添重量部×濃縮率、で求められる。これを単位面積当たりとするには、供給量(μg/cm2)=供給量/(帯電バイアス印加時の感光体表面周方向移動距離×画像形成幅、)により求められる。ここで、感光体表面の総移動距離ではなく、帯電印加時としているのは、感光体表面にダメージを与えるのがバイアス印加時であるからである。供給量は以上のように求める。転写効率等は使用環境により変動する場合があるので、環境テーブルを作成し制御する手段が好ましい。
実施例1〜30、比較例1〜6のように、研磨剤と潤滑剤を現像装置4の現像剤に外添して感光体に供給する系においては、感光体に供給された研磨剤と潤滑剤の一部は転写部において記録材に付着して持ち去られる。研磨剤と潤滑剤の感光体に対する供給量AとBは、転写部からクリーニングニップ部の間における像担持体上の量である。
また、請求項1の関係式でΔIacは様々な使用環境で帯電均一性を満足させる為に決められる値で、Tは感光体の特性で決まる値である。ゆえに、関係式を成り立たせるにはAとBの値を変動させる必要がある。実施例では5%チャートを用いて説明したが、印字率が何%でもこの関係式は成立しなければならない。例えば印字率が極端に低いようなチャートを大量に出力された場合、感光体表面に研磨剤と潤滑剤がほとんど供給されない状態となる。そこで、非画像形成時に黒帯びを打つ等をして、感光体表面上に研磨剤、潤滑剤を供給して関係式を満たすようにすることになる。逆に印字率が高く供給量が過剰になる場合は、前多回転時間を長くするなどして調整することになる。
以下に上記関係式について説明する。
潤滑剤の主機能としては、感光体表面を被膜し放電ダメージから守ることである。そのためには感光体表面にムラ無く均一に塗布する必要がある。潤滑剤の被膜が成されていない所、或いは不十分な所は、直接感光体表面が帯電による放電ダメージを受けるため画像流れ/融着を誘発させる。感光体の磨耗レートが小さい(テーバー磨耗量Tが小さい)ものほど放電ダメージによる感光体表面がリフレッシュされず劣化が蓄積される。そのため、放電ダメージを受けないようにしっかりと潤滑剤による被膜を行う必要がある。また、放電ダメージは先に述べた放電電流量に依存し、放電電流量が多くなるほどそのレベルは悪くなる。そこで、放電電流量ΔIacが多いものほど、感光体表面を被膜して保護しなければならない。つまり、ΔIac/Tの値として大きいものほど、感光体表面を潤滑剤により確実に被膜する必要がある。その為に、潤滑剤を感光体表面に十分に供給させようとして現像剤に大量に潤滑剤を外添した場合、潤滑剤による現像スリーブ汚染により濃度低下する問題が発生する場合がある。
また、後述(実施例32)する固形化された潤滑剤のブロック体(脂肪酸金属塩棒)をブラシ部材により削りとり、感光体表面に塗布する系において、ブロック体の硬度を低くして削れ易くする。又はブラシ部材のブロック体への当接圧を強めて掻き取り能力を上げる等の手段をとって供給量を多くしようとした場合は、潤滑剤が粉体の塊となって感光体表面に供給されやすい状況となる。そのため、均一塗布が出来ないばかりか、クリーニングブレードに局所的なダメージを与え、クリーニング不良を引き起こすおそれがある。また潤滑剤のブロック体の消費が激しくなり、満足な耐久性が得られなくなる。
一方で、研磨剤により感光体表面に付着した放電生成物を研磨し取り除くという手法もある。この研磨剤の中で特に効果があるものとして、上記したペロブスカイト型結晶のチタン酸ストロンチウムが挙げられる。これは粒子形状が概略立方体又は直方体であることで、対象物との接触面積を大きくすることができ、また立方体又は直方体の稜線が対象物に当接することで良好な摺擦性を得ることができるためだと考えられる。
この研磨剤も供給量を多くした方が、放電生成物の掻き取り性は高くなるが、現像剤に大量に外添して用いた場合、現像性が低下するおそれがある。また帯電ローラ表面の汚染レベルを悪化させるおそれもある。
本発明によれば、潤滑剤と研磨剤を併用して用いることによって、トータルの供給量を減らせる事ができる。
例えば、実施例1では、トータルの供給量A+B=0.11で、画像流れ/融着が良好なのに対して、比較例1ではA+B=0.6と供給量が多いに関わらず画像流れ/融着が発生している。
また、本発明者らが鋭意検討した結果、研磨剤の供給量より潤滑剤の供給量の方が微量で効果がある事を見出しており、実際にはA+10Bの値の方が、画像流れ/融着といった現象と相関がある事が分かった。
この観点で見ても、実施例1ではA+10B=0.2、比較例1ではA+10B=0.6、比較例2でもA+10B=0.6であるにも関わらず、値が小さい実施例1では良好であり、比較例1、2では不良であった。
この潤滑剤と研磨剤を併用して用いた場合の相乗効果については以下の様に説明できる。画像流れ/融着の発生を防ぐには感光体表面を潤滑剤で覆う必要があるが、これを少量の潤滑剤で行う為には均一に薄く覆う必要がある。従来の構成では通常潤滑剤の塗り伸ばし作用は主にクリーニングブレードで行われるが、本実施形態の場合、研磨剤も同時に存在することによってより均一な被膜性が得られる。元来、本実施形態で用いる研磨剤はその粒径と形状から、きめ細かい研磨性があると考えられており、その性能が潤滑剤の供給ムラを均し、均一な被膜性を与えていると考えられる。
また、被膜された潤滑剤は放電生成物を吸着した状態で感光体表面上に存在するので、この放電生成物吸着部を除去してやらないと画像流れが発生してしまう。放電生成物吸着部の削り取り作用は主にクリーニングブレードのニップ部で行われ、クリーニングブレードによる摺擦により成されると考えられる。そして、この放電生成物の除去はクリーニングブレードのニップ部に研磨剤が供給されることにより効果的に行われるようになる。つまり研磨剤の併用で潤滑剤の均一塗布/放電生成物吸着部の確実な除去が可能となり、結果として、研磨剤及び潤滑剤を単独で用いるよりも両者のトータル量を減らしても十分な効果が得られるのだと考えられる。
しかしながら、0.5×ΔIac/T>A+10Bの条件まで供給量を減らしてしまうと(比較例3、7、8)、画像流れ/融着が発生してしまった。
また、比較例9では、画像流れ/融着は良好だったが、A+10B>5×ΔIac/Tの条件となるほど潤滑剤の供給量を増やした為、耐久により現像性が低下してしまった。この条件では、潤滑剤のブロック体をブラシ部材によって削り取り塗布する構成でも、上述したようにクリーニングブレードに局所的なダメージを与え、クリーニング不良を引き起こす可能性がある。また、潤滑剤のブロック体の消費が激しくなり満足な耐久性が得られなくなる。
比較例4、6では、0.5×ΔIac/T≦A+10B≦5×ΔIac/Tの範囲内であるが、不良な理由に関しては、1≦A/B≦20の範囲外だからである。
A/Bが1未満(比較例6)であると、研磨剤による潤滑剤均一塗布性/放電生成物吸着部除去性の効果がうすれる。また、逆にA/Bが20超(比較例4)であると、潤滑剤を剥ぎ取りすぎて、感光体表面を保護する目的である潤滑剤による被膜作用が得られなくなる。
[実施例31]
本実施例は、転写ローラ5よりも感光体回転方向(像担持体回転方向)の下流側において、感光体1の表面を感光体長手方向(像担持体長手方向)に摺動する部材を配設した。具体的には、図8に示すように、感光体1のクリーニング装置6の廃トナー回収容器6c内にクリーニング補助部材として非回転のブラシ部材6iを配設した。ブラシ部材6iは、感光体回転方向においてクリーニングブレード6aの上流側で感光体1に接触している。そして、このブラシ部材6iは、駆動手段(不図示)により、感光体長手方向に往復運動して、感光体1の表面を長手方向に摺動する。
本実施例は、転写ローラ5よりも感光体回転方向(像担持体回転方向)の下流側において、感光体1の表面を感光体長手方向(像担持体長手方向)に摺動する部材を配設した。具体的には、図8に示すように、感光体1のクリーニング装置6の廃トナー回収容器6c内にクリーニング補助部材として非回転のブラシ部材6iを配設した。ブラシ部材6iは、感光体回転方向においてクリーニングブレード6aの上流側で感光体1に接触している。そして、このブラシ部材6iは、駆動手段(不図示)により、感光体長手方向に往復運動して、感光体1の表面を長手方向に摺動する。
ブラシ繊維としては、レーヨン、アクリル、ポリエステル等が好適に用いられ、カーボンや金属粉を含ませて導電性を付与してもよい。ブラシ部は、感光体表面及び転写残トナーに均一に接触できるように、太さとしては30デニール以下、密度としては1550〜77500本/cm2(1〜50万本/inch2)以上が好ましい。本実施例では、ブラシ繊維を6デニール、15500本/cm2(10万本/inch2)、毛足の長さ5mmで、ブラシの抵抗は6×103Ω・cmとした。またブラシ部材6iは長手方向に5mm往復運動する構成とした。
その他の構成は実施例1と同じとし、同様の評価を行ったところ、画像流れ/融着の発生が無く良好な画像形成が行えた。
実施例1の構成でも通常問題なく画像形成は行えるが、縦罫線等の同一画像パターンを連続して大量にプリントした場合、画像パターンに影響を受ける場合がある。これは、潤滑剤と研磨剤を現像工程で感光体表面上へ供給しているため、各々の粒子の極性やトナーとの付着性の関係で、画像部/非画像部の供給のされ方に偏りが生じる為である。
本実施例では、潤滑剤と研磨剤が共に画像部(トナー現像部)に供給される特性である。この様な条件では、印字部が極端に少ない領域が続くと、潤滑剤と研磨剤の供給が不足し、画像流れや融着が発生し易い。
本実施例の構成では、転写工程後、感光体表面上の潤滑剤と研磨剤の供給に偏りが生じていた場合でも、長手方向に往復運動するブラシ部材6iにより均一化される。そのため、画像パターンに関係なく、終始安定した画像形成が行える。
[実施例32]
本実施例は、図9に示すように、感光体1のクリーニング装置6の廃トナー回収容器6c内にクリーニング補助部材として回転するクリーニングブラシ(ブラシローラ)6dを配設した。クリーニングブラシ6dは、感光体1の回転方向においてクリーニングブレード6aよりも上流側で感光体1に接触している。また、クリーニングブラシ6dには、固形潤滑剤(固形化された潤滑剤のブロック体)6eを接触させて配設してある。6gは固形潤滑剤6eをクリーニングブラシ6dに対して常時所定の押圧力で接触させる付勢部材である。クリーニングブラシ6dは感光体1との接触部において感光ドラムの回転方向と同方向に回転駆動される。
本実施例は、図9に示すように、感光体1のクリーニング装置6の廃トナー回収容器6c内にクリーニング補助部材として回転するクリーニングブラシ(ブラシローラ)6dを配設した。クリーニングブラシ6dは、感光体1の回転方向においてクリーニングブレード6aよりも上流側で感光体1に接触している。また、クリーニングブラシ6dには、固形潤滑剤(固形化された潤滑剤のブロック体)6eを接触させて配設してある。6gは固形潤滑剤6eをクリーニングブラシ6dに対して常時所定の押圧力で接触させる付勢部材である。クリーニングブラシ6dは感光体1との接触部において感光ドラムの回転方向と同方向に回転駆動される。
クリーニングブラシ6dは、導電性の繊維を基布に織りこみ、それを直径6mmの芯金上に巻き付けて直径16mmのロールブラシ状に構成したものである。本実施例では導電性繊維として、太さ6デニールのアクリルの導電糸を用い、繊維密度が50K本/inch2となるようにW織りで基布に植え込んだものをシート状に形成し、芯金との導通を確保するようにして巻き付けている。そして、感光体1に対する侵入量=1mmで、当接幅=7mmをもって接している。
また、クリーニングブラシ6dは、矢印方向に周速度(第一の周速度)VBで回転駆動されている。即ち、感光体1とクリーニングブラシ6dとは接触部位において同方向に移動して摺擦している。クリーニングブラシ6dは、ステッピングモータ等の駆動源M1により回転駆動される。コントローラCはモータドライバ51を制御して、駆動源M1の回転速度、即ちクリーニングブラシ6dの回転速度を任意に変更することができる。本実施例では、クリーニングブラシ6dと感光体表面との周速比を120%としている。
固形潤滑剤6eは、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等が好適に用いられる。本実施例ではステアリン酸亜鉛を固形化したブロック体(ステアリン酸亜鉛棒)を使用し、クリーニングブラシ6dに当接させている。ブロック体の潤滑剤はクリーニングブラシ6dが回転することで削り取られる。回転する感光体1とクリーニングブラシ6dが擦れあうと、クリーニングブラシ上の潤滑剤は感光体表面に塗布される。潤滑剤の感光体表面上への供給量は、潤滑剤のブロック体6eの消費量より見積もった。
この実施例32においては、潤滑剤(金属石鹸)の感光体に対する供給量Bは、固形潤滑剤の消費量を量る。後は感光体の移動距離を計算して、「消費量/(画像形成時感光体移動距離×画像形成幅)から供給量を見積もる。潤滑剤の供給量Bの調整は、クリーニングブラシの周速を変える、クリーニングブラシの固形潤滑剤に対する当接圧を変える又は侵入量を変える等で調整する。
現像装置4の現像剤には、潤滑剤は外添しない。研磨剤は外添する。その他の構成は実施例1と同じとし、同様の評価を行ったところ、画像流れ/融着の発生が無く良好な画像形成が行えた。
本実施例の構成を用いれば、潤滑剤と研磨剤と併用することで、従来よりも固形潤滑剤6eの塗布量を低減できる。そのため、固形潤滑剤6eの小型化/長寿命化が達成され、長期にわたるクリーニング性能を保証できる画像形成装置の提供が可能となる。
なお、固形潤滑剤6eとしては、本実施例で用いたステアリン酸亜鉛以外の高級脂肪酸金属塩(いわゆる金属石鹸)であってもかまわないし、高級脂肪酸と高級アルコールのエステルを主成分とする固形ワックスでもかまわない。要は、ブロック状の固形潤滑剤6eをクリーニングブラシ6dで削り取って微粉末化したものを感光体1に塗布することで、薄膜を形成させることが出来れば同様の作用を奏することができる。
[実施例33]
本実施例では、上記の実施例32の構成において、放電電流量に応じてクリーニング補助部材6dの動作を制御し、潤滑剤の感光体表面への供給量を可変とする構成とした。
本実施例では、上記の実施例32の構成において、放電電流量に応じてクリーニング補助部材6dの動作を制御し、潤滑剤の感光体表面への供給量を可変とする構成とした。
本実施例においては、コントローラCは、表5に示す様に、放電電流量の設定を、画像形成装置に設けた環境検知手段52(図9)で検知される使用環境により変えている。コントローラCは、環境検知手段53から入力する検知環境情報により、空気中の水分量(茎g/mm3)を演算する。環境1は、水分量が5.0g/m3未満の低湿環境であり、この環境下においては100μmの放電電流を流す設定である。環境2は、空気中の水分量が5.0〜20.0g/m3であり、この環境下においては50μmの放電電流を流す設定である。環境3は、空気中の水分量が20.0g/m3よりも多い高湿環境であり、この環境下においては20μmの放電電流を流す設定である。ここで、表5と表6の放電電流(μA)は放電電流量ΔIacのことである。この放電電流量ΔIacは環境により決められる。請求項1の関係式が成立するようにAとBの値を調整する。放電電流を多く必要とする環境では、研磨剤と潤滑剤の供給量を多くする必要がある。そうすることで関係式は成立する。供給量を多くする手法としては現像供給の場合では非画像形成時に黒帯びを打つ等の処置をする。固形潤滑剤供給の場合はクリーニングブラシの周速UP等の処置が挙げられる。
即ち、低湿環境では、帯電ローラ2の抵抗アップ等の理由から砂地が発生し易いため、放電電流を多く流す設定とした。逆に、高湿環境では、砂地が発生しにくかったため、放電電流を少な目の設定とした。
本実施例では、表5に示す様に、放電電流量の設定に応じて潤滑剤の感光体表面上への供給量をかえる構成とした。潤滑剤の感光体表面上へ供給は、実施例32の構成と同様に固形潤滑剤6eとしてのステアリン酸亜鉛をクリーニングブラシ6dにより削り取り感光体表面上へ供給する構成とした。潤滑剤の供給量の変化はクリーニングブラシ6dの対感光体周速比を変えることで行った。すなわち、クリーニングブラシ6dの対感光体周速比を大きくしていくと潤滑剤の供給量Bは増加する。
その他の構成は実施例32と同じとし、同様の評価を行ったところ、画像流れ/融着の発生が無く良好な画像形成が行えた。
本実施例の構成を用いれば、放電電流量に応じて潤滑剤の供給量を制御している。そのため、潤滑剤の過剰な供給或いは供給不足を防ぎ、適正量の潤滑剤を終始安定して行える。
また、実施例32と同様に研磨剤と併用することで、固形潤滑剤6eの小型化/長寿命化が達成され、長期にわたるクリーニング性能を保証できる画像形成装置の提供が可能となる。
[実施例34]
本実施例では、帯電ローラ2と感光体1の表面の間隔(ギャップ)を可変にして、画像形成装置の使用環境に応じて前記の間隔を適切に変更するようにしている。本実施例では、図10のように、ステッピングモータM2を含むシフト機構53により帯電ローラ2を感光体1に対して接離方向に並行移動可能に配設してある。そして、コントローラCによりモータドライバ54を介してモータM2が制御されることにより、帯電ローラ2を感光体1に当接させた状態と、所定の間隔d(帯電ギャップ:最接近間隔)にて非接触に浮かせた状態と、に制御可能にしている。
本実施例では、帯電ローラ2と感光体1の表面の間隔(ギャップ)を可変にして、画像形成装置の使用環境に応じて前記の間隔を適切に変更するようにしている。本実施例では、図10のように、ステッピングモータM2を含むシフト機構53により帯電ローラ2を感光体1に対して接離方向に並行移動可能に配設してある。そして、コントローラCによりモータドライバ54を介してモータM2が制御されることにより、帯電ローラ2を感光体1に当接させた状態と、所定の間隔d(帯電ギャップ:最接近間隔)にて非接触に浮かせた状態と、に制御可能にしている。
画像形成装置には、装置内部の環境(温湿度)を検知する環境検知手段52が配設されており、その検知情報がコントローラCに入力する。コントローラCはその入力する検知環境情報に応じて、シフト機構53のステッピングモータM2を制御して前記の間隔dを適切に変更するようにしている。
より具体的には、コントローラCは、環境検知手段52から入力する検知環境情報により、装置が使用される空気中の水分量(g/mm3)を演算する。そして、帯電ローラ2と感光体1の表面の間隔dを表6に示す様に使用環境の水分量(環境1、環境2、環境3)により可変とする構成とした。
水分量が多い環境ほど帯電ローラ2と感光体1の表面の間隔dを大きくしているのは、多湿環境であると、液架橋力が発生する為、帯電ローラ2の表面とトナー/外添剤等の粒子との付着力が増して帯電ローラ表面の汚染レベルが悪くなるからである。帯電ギャップを広くすると、均一な帯電性を得るための必要放電電流量も増すため、潤滑剤塗布量も多く必要とする。本実施例では、潤滑剤の塗布量制御を実施例33と同じとした。その他の構成は実施例33と同じとし、同様の評価を行ったところ、画像流れ/融着の発生が無く良好な画像形成が行えた。
本実施例の構成を用いれば、全ての使用環境において帯電ローラ表面の汚染が低減できるので、長期的に良好な帯電性能が得られる。更に、放電電流量に応じて潤滑剤の供給量を制御している為、潤滑剤の過剰な供給或いは供給不足を防ぎ、適正量の潤滑剤を終始安定して行える。
また、実施例33と同様、に研磨剤と併用することで、固形潤滑剤6eの小型化/長寿命化が達成され、長期にわたるクリーニング性能を保証できる画像形成装置の提供が可能となる。
[その他の事項]
1)画像形成装置は電子写真記録方式に限られず、静電記録方式の画像形成装置であってもよい。この場合は、像担持体は、感光体ではなく、静電記録誘電体である。この静電記録誘電体を帯電部材により所定の極性・電位に均一に帯電した後、除電針アレイや、電子銃ユニット等の除電手段により選択的除電がなされて、潜像が形成される。
1)画像形成装置は電子写真記録方式に限られず、静電記録方式の画像形成装置であってもよい。この場合は、像担持体は、感光体ではなく、静電記録誘電体である。この静電記録誘電体を帯電部材により所定の極性・電位に均一に帯電した後、除電針アレイや、電子銃ユニット等の除電手段により選択的除電がなされて、潜像が形成される。
2)像担持体から現像剤により顕画像の転写を受ける記録媒体は、中間転写ベルトや中間転写ドラム等の中間転写体であってもよい。
A・・画像形成部、B・・原稿読取り部、C・・コントローラ(制御手段)、1・・感光体(像担持体)、2・・帯電ローラ(帯電部材)、3・・レーザ露光手段、4・・現像装置、41・・現像スリーブ、5・・転写ローラ、6・・クリーニング装置、7・・前露光ランプ12・・定着装置、60・・ギャップ保持部材
Claims (7)
- 回転可能な像担持体と、振動電圧が印加され、前記像担持体の表面を帯電する帯電部材と、前記像担持体に形成された潜像を現像剤により顕画像として現像する現像手段と、前記顕画像を記録媒体に転写する転写手段と、前記像担持体とニップ部を形成して前記記録媒体に対する顕画像転写後の像担持体表面から転写残り現像剤を掻き取るクリーニングブレードと、制御手段と、を有する画像形成装置において、
前記像担持体の表面には、粒子形状が立方体状及び/又は直方体状であり、1次粒子の粒径が30nm以上300nm以下である研磨剤と、潤滑剤と、が供給され、
前記研磨剤の供給量をA(μg/cm2)、
前記潤滑剤の供給量をB(μg/cm2)、
前記帯電部材から前記像担持体に流れる放電電流量をΔIac(mA)、
前記像担持体のテーバー磨耗量をT(mg)、
とすると、
0.5×ΔIac/T≦A+10B≦5×ΔIac/T
1≦A/B≦20
の関係を満たすことを特徴とする画像形成装置。 - 前記研磨剤が無機粉体であり、前記潤滑剤が脂肪酸金属塩であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記帯電部材は前記像担持体の表面に対して接触又は近接で配置していることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記研磨剤と前記潤滑剤の少なくとも一方が、前記現像剤に外添されていて前記潜像を現像する現像工程により前記像担持体の表面に供給され、前記転写手段よりも像担持体回転方向の下流側において前記像担持体の表面を像担持体長手方向に摺擦する部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記クリーニングブレードよりも像担持体回転方向の上流側において前記像担持体に接触させてクリーニング補助部材が配設されており、前記クリーニング補助部材に接触させて固形化された潤滑剤のブロック体が配設されており、前記ブロック体の潤滑剤が前記クリーニング補助部材により削り取られて前記像担持体の表面に塗布されることにより、前記潤滑剤の前記像担持体の表面への供給が行われることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記放電電流量を制御し、制御した放電電流量に応じて前記クリーニング補助部材の動作を制御して前記潤滑剤の前記像担持体の表面への供給量を変更することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、環境検知手段で検知される環境情報に応じて、前記帯電部材と前記像担持体との間隔を変更することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。
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