JP2009126167A - 圧電アクチュエータの製造方法、圧電アクチュエータを含む液体吐出ヘッドの製造方法、圧電アクチュエータ、及び、これを含む液体吐出ヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】電気的検査の実施と製造コスト低減とを共に実現可能とする。
【解決手段】圧電アクチュエータを製造するにあたって、先ず、2の圧電セラミック層間に内部共通電極が挟まれ、一方の圧電セラミック層における内部共通電極とは反対側の表面上に個別電極と表面共通電極とが形成され、さらに、当該一方の圧電セラミック層を貫通して内部共通電極に達する貫通孔が形成された、積層体を作製する(S11〜S15)。その後、検査具を貫通孔に挿入し内部電極に接触させることで、積層体の電気的特性を検査する(S16)。検査の結果電気的特性に不具合がないと判断された場合(S16:YES)、個別電極上、表面共通電極上、及び貫通孔内においてCOFから最も離隔した位置のそれぞれに、個別ランド、共通ランド、及び導電体となる導電性ペーストを同一径となるように印刷する(S18)。
【選択図】図10
【解決手段】圧電アクチュエータを製造するにあたって、先ず、2の圧電セラミック層間に内部共通電極が挟まれ、一方の圧電セラミック層における内部共通電極とは反対側の表面上に個別電極と表面共通電極とが形成され、さらに、当該一方の圧電セラミック層を貫通して内部共通電極に達する貫通孔が形成された、積層体を作製する(S11〜S15)。その後、検査具を貫通孔に挿入し内部電極に接触させることで、積層体の電気的特性を検査する(S16)。検査の結果電気的特性に不具合がないと判断された場合(S16:YES)、個別電極上、表面共通電極上、及び貫通孔内においてCOFから最も離隔した位置のそれぞれに、個別ランド、共通ランド、及び導電体となる導電性ペーストを同一径となるように印刷する(S18)。
【選択図】図10
Description
本発明は、圧電アクチュエータの製造方法、圧電アクチュエータを含む液体吐出ヘッドの製造方法、圧電アクチュエータ、及び、これを含む液体吐出ヘッドに関する。
液体吐出ヘッドの一種であるインクジェットヘッドにおいて、ノズル及び圧力室を含む個別インク流路が多数形成された流路ユニットと、流路ユニットにおける圧力室が開口した上面に固定された圧電アクチュエータとを含み、圧電アクチュエータの駆動により選択的に圧力室内のインクに吐出エネルギーを加えることで、流路ユニットの下面に形成された多数のノズルからインクを吐出させるものが知られている(特許文献1参照)。当該文献1によると、圧電アクチュエータは、互いに積層された複数の圧電セラミック層と、これら圧電セラミック層の間に形成された共通電極と、最上層の圧電セラミック層の表面に形成された複数の個別電極と、個別電極と同一面上に形成され且つ貫通導体を介して共通電極と電気的に接続された引出電極とを含むと共に、個別電極及び引出電極それぞれの表面に形成されたランドを介して圧電アクチュエータに駆動電圧を供給する配線部材と電気的に接続されている。
当該圧電アクチュエータを製造するには、先ず、貫通孔が形成された1の圧電セラミックのグリーンシートの略全面に共通電極のパターンで導電性ペーストを印刷し、当該圧電セラミックシートに対して導電性ペーストを挟持するように別の圧電セラミックのグリーンシートを積層することで積層体を形成し、貫通孔に導電性ペーストを充填した後、積層体を焼成する。そして、積層体の表面に引出電極パターンと個別電極パターンとで導電性ペーストを印刷し、個別電極及び引出電極それぞれの表面にランドを形成することにより、圧電アクチュエータが完成する。
一方、インクジェットヘッドの吐出信頼性を保証するため、圧電アクチュエータを流路ユニットに固定する前に、圧電アクチュエータの電気的特性について検査を行うという技術が知られている。
例えば上記圧電アクチュエータにおいては、その製造過程において、個別電極及び引出電極それぞれの表面にランドを形成する工程を行う前に、貫通導体にプローブ等の検査具を接触させることで、電気的特性検査が行われる。そして検査の結果電気的特性に不具合があった場合には、その積層体、即ちランド形成前の圧電アクチュエータの前躯体は破棄され、検査に合格した積層体にはランドが形成され、これにより完成した圧電アクチュエータが流路ユニット上に固定される。このようにランド形成前に検査を行うことで、電気的不具合のある積層体にまでランドを形成して材料を無駄に使用するという事態を回避することができる。
しかしながら、上記のような検査工程を含む圧電アクチュエータの製造方法では、工程数が多いため、製造コストの低減が困難である。
本発明の目的は、電気的検査の実施と製造コスト低減とを共に実現可能な圧電アクチュエータの製造方法、及び、圧電アクチュエータを含む液体吐出ヘッドの製造方法を提供することである。
本発明のその他の目的は、以下の明細書の記載及び図面から明らかになる。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点によると、圧電セラミック層とこれに積層された振動板との間に第1の電極が挟まれ、前記圧電セラミック層における前記第1の電極とは反対側の表面上に、第2の電極と、前記第2の電極から離隔した第3の電極とが形成され、さらに、前記圧電セラミック層を貫通して前記第1の電極に達する貫通孔が形成された積層体を作製する積層体作製工程と、前記貫通孔に挿入した検査具を前記第1の電極と接触させて前記積層体の電気的特性を検査する検査工程と、前記第2の電極上、前記第3の電極上、及び、前記貫通孔内に、配線部材の端子と接続される第1のランド、前記配線部材の別の端子と接続される第2のランド、及び、前記第1の電極と前記第3の電極とを接続する導電体となる導電性ペーストをそれぞれ印刷する印刷工程と、を備えている圧電アクチュエータの製造方法が提供される。
上記第1の観点によると、印刷工程において第1のランド、第2のランド、及び導電体を一度に形成することで、工程数が少なくなり、製造コストを低減することができる。したがって、電気的検査の実施と製造コスト低減とを共に実現可能である。
本発明の第2の観点によると、圧電セラミック層とこれに積層された振動板との間に第1の電極が挟まれ、前記圧電セラミック層における前記第1の電極とは反対側の表面上に、第2の電極と、前記第2の電極から離隔した第3の電極とが形成され、さらに、前記圧電セラミック層を貫通して前記第1の電極に達するように第1の貫通孔と前記第1の貫通孔から離隔し且つ前記第1の貫通孔の径より小さな径を有する第2の貫通孔とが形成された積層体を作製する積層体作製工程と、前記第1の貫通孔に挿入した検査具を前記第1の電極と接触させて前記積層体の電気的特性を検査する検査工程と、前記第2の電極上、前記第3の電極上、及び、前記第2の貫通孔内に、配線部材の端子と接続される第1のランド、前記配線部材の別の端子と接続される第2のランド、及び、前記第1の電極と前記第3の電極とを接続する導電体となる導電性ペーストをそれぞれ印刷する印刷工程と、を備えている圧電アクチュエータの製造方法が提供される。
上記第2の観点によると、上記第1の観点による効果に加えて、印刷工程で使用されるマスクにおける圧電セラミック層に対向する面への導電性ペーストの付着が防止されるという効果が得られる。
上記第1の観点では、前記印刷工程において、前記導電体となる導電性ペーストを、前記貫通孔内において前記配線部材から最も離隔した位置に印刷することが好ましい。この場合、導電体と配線部材との接触が効果的に抑制されるため、圧電アクチュエータと配線部材との電気的接続が保証される。
また、上記第1の観点では、前記印刷工程において、互いに離隔された複数の前記導電体が形成されるよう、印刷を行うことが好ましい。この場合、導電体が複数存在することで、第1の電極と第3の電極との接続の信頼性が向上する。
上記第1及び第2の観点では、前記印刷工程において、前記第1のランド、第2のランド、及び前記導電体が同一径となるように印刷を行うことが好ましい。また、上記第1及び第2の観点では、前記印刷工程において、同一材料からなる導電性ペーストを用いて、前記第1のランド、第2のランド、及び前記導電体の印刷を行うことが好ましい。これにより、印刷工程を容易に行うことができる。
本発明の第3の観点によると、圧電セラミック層とこれに積層された振動板との間に第1の電極が挟まれ、前記圧電セラミック層における前記第1の電極とは反対側の表面上に、第2の電極と、前記第2の電極から離隔した第3の電極とが形成され、さらに、前記圧電セラミック層を貫通して前記第1の電極に達するように第1の貫通孔と前記第1の貫通孔から離隔し且つ前記第1の貫通孔の径より小さな径を有する第2の貫通孔とが形成された積層体を作製する積層体作製工程と、前記第1の貫通孔に挿入した検査具を前記第1の電極と接触させて前記積層体の電気的特性を検査する検査工程と、前記第2の電極上、及び、前記第2の貫通孔内に、配線部材の端子と接続されるランド、及び、前記第1の電極と前記第3の電極とを接続すると共に前記配線部材の別の端子と接続される導電体となる導電性ペーストをそれぞれ印刷する印刷工程と、を備えている圧電アクチュエータの製造方法が提供される。
上記第3の観点によると、上記第2の観点による効果に加えて、導電体が上記第1及び第2の観点における第2のランドの機能をも兼ね備えたものであることから、材料コストの削減及び工程数のさらなる低減が実現されるという効果が得られる。
上記第3の観点では、前記印刷工程において、前記ランド及び前記導電体が同一径となるように印刷を行うことが好ましい。また、上記第3の観点では、前記印刷工程において、同一材料からなる導電性ペーストを用いて、前記ランド及び前記導電体の印刷を行うことが好ましい。これにより、印刷工程を容易に行うことができる。
本発明の第4の観点によると、ノズル及び圧力室を含む個別液体流路が複数形成され、複数の前記圧力室が表面に開口した流路ユニットを作製する工程と、前記流路ユニットの前記表面に、前記圧電セラミック層が前記複数の圧力室に跨るように且つ前記第2の電極が前記圧力室に対応するように、上記第1〜第3の観点のいずれかの製造方法により製造された圧電アクチュエータを配置する工程と、前記圧電アクチュエータの前記第2の電極及び前記第3の電極に、配線部材の端子を接続する工程と、を備えていることを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法が提供される。
上記第4の観点によると、対応する圧電アクチュエータの製造方法についての効果が得られる。
なお、上記第1〜第3の観点に基づく方法によって圧電アクチュエータを製造すると、検査具を挿入可能な貫通孔を有する積層体を作製するので、電気的検査の実施と製造コスト低減とを共に実現可能であるものの、導電体の圧電セラミック層からの高さがランドの当該高さを超えてしまった場合、導電体が配線部材に接触することにより配線部材の端子とランドとの接合を妨害し、圧電アクチュエータと配線部材との電気的接続に不具合が生じ得る。そこでこのような不具合を解消するため、本願発明者は以下のような構成の圧電アクチュエータを考案した。
即ち、本発明の第5の観点によると、圧電セラミック層と、前記圧電セラミック層に積層された振動板と、前記圧電セラミック層と前記振動板との間に配置された第1の電極と、前記圧電セラミック層における前記第1の電極とは反対側の表面に形成された第2の電極と、前記圧電セラミック層の前記表面に前記第2の電極から離隔するよう形成された第3の電極と、前記第1の電極が露出されるように前記第3の電極と前記圧電セラミック層とを貫通した貫通孔と、前記第2の電極上に、前記貫通孔の径より小さな径を有するよう形成された、配線部材の端子と接続される第1のランドと、前記第3の電極上に、前記貫通孔の径より小さな径を有し且つ前記第1のランドと同じ高さになるように形成された、前記配線部材の別の端子と接続される第2のランドと、前記第1の電極の前記貫通孔から露出した領域の一部分だけと接触し、且つ、前記圧電セラミック層からの高さが前記第1及び第2のランド以下となるよう前記貫通孔内に形成された、前記第1の電極と前記第3の電極とを接続する導電体と、を備えていることを特徴とする圧電アクチュエータが提供される。
本発明の第6の観点によると、圧電セラミック層と、前記圧電セラミック層に積層された振動板と、前記圧電セラミック層と前記振動板との間に配置された第1の電極と、前記圧電セラミック層における前記第1の電極とは反対側の表面に形成された第2の電極と、前記圧電セラミック層の前記表面に前記第2の電極から離隔するよう形成された第3の電極と、前記第1の電極が露出されるように前記圧電セラミック層を貫通した第1の貫通孔と、前記第1の電極が露出されるように前記圧電セラミック層を貫通し、前記第1の貫通孔から離隔し、且つ、前記第1の貫通孔の径より小さな径を有する第2の貫通孔と、前記第2の電極上に、前記第1の貫通孔の径より小さな径を有するよう形成された、配線部材の端子と接続される第1のランドと、前記第3の電極上に、前記第1の貫通孔の径より小さな径を有し且つ前記第1のランドと同じ高さになるように形成された、前記配線部材の別の端子と接続される第2のランドと、前記圧電セラミック層からの高さが前記第1及び第2のランド以下となるよう前記第2の貫通孔内に形成された、前記第1の電極と前記第3の電極とを接続する導電体と、を備えていることを特徴とする圧電アクチュエータが提供される。
上記第5及び第6の観点によると、導電体の圧電セラミック層からの高さが第1及び第2ランドの当該高さ以下であるため、圧電アクチュエータと配線部材との電気的接続が保証される。
上記第5の観点では、前記導電体が、前記貫通孔内において前記配線部材から最も離隔した位置に形成されていることが好ましい。この場合、導電体と配線部材との接触が効果的に抑制されるため、圧電アクチュエータと配線部材との電気的接続が確実に保証される。
また、上記第5の観点では、互いに離隔された複数の前記導電体を備えていることが好ましい。この場合、導電体が複数存在することで、第1の電極と第3の電極との接続の信頼性が向上する。
上記第5及び第6の観点では、前記第1のランド、前記第2のランド、及び前記導電体が同一径を有することが好ましい。また、上記第5及び第6の観点では、前記第1のランド、前記第2のランド、及び前記導電体が同一材料からなることが好ましい。これにより、第1のランド、第2のランド、及び導電体をより容易に形成することが可能となることから、低コスト化が実現される。
本発明の第7の観点によると、圧電セラミック層と、前記圧電セラミック層に積層された振動板と、前記圧電セラミック層と前記振動板との間に配置された第1の電極と、前記圧電セラミック層における前記第1の電極とは反対側の表面に形成された第2の電極と、前記圧電セラミック層の前記表面に前記第2の電極から離隔するよう形成された第3の電極と、前記第1の電極が露出されるように前記圧電セラミック層を貫通した第1の貫通孔と、前記第1の電極が露出されるように前記第3の電極と前記圧電セラミック層とを貫通し、前記第1の貫通孔から離隔し、且つ、前記第1の貫通孔より小さな径を有する第2の貫通孔と、前記第2の電極上に、前記第1の貫通孔の径より小さな径を有するよう形成された、配線部材の端子と接続されるランドと、前記圧電セラミック層からの高さが前記ランドと同じになるよう前記第2の貫通孔内に形成された、前記第1の電極と前記第3の電極とを接続すると共に、前記配線部材の別の端子と接続される導電体と、を備えていることを特徴とする圧電アクチュエータが提供される。
上記第7の観点によると、導電体の圧電セラミック層からの高さがランドの当該高さ以下であるため、第5及び第6の観点と同様、圧電アクチュエータと配線部材との電気的接続が保証される。加えて、導電体が上記第5及び第6の観点における第2のランドの機能をも兼ね備えたものであることから、構成の簡略化と共に材料コストの削減及び工程数の低減が実現されるため、低コスト化が可能となる。
上記第7の観点では、前記ランド及び前記導電体が同一径を有することが好ましい。また、上記第7の観点では、前記ランド及び前記導電体が、同一材料からなることが好ましい。これにより、ランド及び導電体をより容易に形成することが可能となることから、さらなる低コスト化が実現される。
本発明の第8の観点によると、ノズル及び圧力室を含む個別液体流路が複数形成され、複数の前記圧力室が表面に開口した流路ユニットと、前記流路ユニットの前記表面に、前記圧電セラミック層が前記複数の圧力室に跨るように且つ前記第2の電極が前記圧力室に対応するように配置された上記第5〜第7の観点のいずれかに係る圧電アクチュエータと、前記圧電アクチュエータの前記第2の電極及び前記第3の電極と接続された配線部材と、を備えていることを特徴とする液体吐出ヘッドが提供される。
上記第8の観点によると、対応する圧電アクチュエータについての効果が得られる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1を参照し、本発明の第1実施形態に係るインクジェットヘッド1を含むインクジェットプリンタ101の全体構成について説明する。インクジェットプリンタ101は、4つのインクジェットヘッド1を有するカラーインクジェットプリンタである。インクジェットプリンタ101には、図1中左方に給紙トレイ11、図1中右方に排紙トレイ12がそれぞれ設けられており、給紙トレイ11から排紙トレイ12に向かって用紙Pが搬送される用紙搬送経路が形成されている。給紙トレイ11のすぐ下流側には、用紙Pを狭持しながら給紙トレイ11から図1中右方へと送り出す一対の送りローラ5a、5bが配置されている。
用紙搬送経路の中間には、ベルト搬送機構13が設けられている。ベルト搬送機構13は、2つのベルトローラ6、7と、両ローラ6、7間に巻回されたエンドレスの搬送ベルト8と、搬送ベルト8によって囲まれた領域内においてインクジェットヘッド1と対向する位置に配置されたプラテン15とを含む。プラテン15は、インクジェットヘッド1と対向する画像形成領域において搬送ベルト8が下方に撓まないように搬送ベルト8を支持する。ベルトローラ7と対向する位置には、給紙トレイ11から送りローラ5a、5bによって送り出された用紙Pを搬送ベルト8の外周面8aに押さえ付けるニップローラ4が配置されている。
搬送モータ(図示せず)によってベルトローラ6を図1中時計回りに回転させると、搬送ベルト8が矢印Xに沿って走行する。これにより、ニップローラ4によって搬送ベルト8の外周面8aに押さえ付けられた用紙Pは、外周面8a上に保持されつつ、排紙トレイ12に向けて搬送される。
用紙搬送経路に沿ってベルトローラ6のすぐ下流側には、剥離板14が設けられている。剥離板14は、搬送ベルト8の外周面8a上に保持されている用紙Pを外周面8aから剥離して排紙トレイ12に向けて送る。
4つのインクジェットヘッド1は、用紙搬送方向に沿って並列されており、それぞれマゼンタ、イエロー、シアン、ブラックのインクを吐出する。つまりインクジェットプリンタ101は、ライン式プリンタである。各インクジェットヘッド1の下端には、用紙搬送方向に直交した方向に長尺な細長い直方体形状を有するヘッド本体2が設けられている。ヘッド本体2はその下面が外周面8aに対向するように配置されており、当該下面はノズル108(図5参照)が多数形成されたインク吐出面となっている。搬送ベルト8によって搬送される用紙Pが4つのヘッド本体2のすぐ下方を順に通過する際に、各ヘッド本体2の下面から用紙Pの表面に向けて各色のインクが吐出されることで、用紙Pの表面に所望のカラー画像が形成される。
次に、インクジェットヘッド1について説明する。
図2に示すように、インクジェットヘッド1の下端に設けられたヘッド本体2は、主走査方向(図1及び図2の紙面に直交する方向)に沿って細長な直方体形状を有する流路ユニット9、及び、流路ユニット9上に固定された平面視台形形状の4つのアクチュエータユニット21(図2は1のアクチュエータユニット21の断面のみを示す)を有する。図4に示すように、流路ユニット9の上面における各アクチュエータユニット21の配置領域には、多数の圧力室110がマトリクス状に形成されている。一方、流路ユニット9の下面におけるアクチュエータユニット21と対応した領域は、多数のノズル108が圧力室110と同様にマトリクス状に形成されたインク吐出領域となっている。各アクチュエータユニット21は、対応する多数の圧力室110の開口を塞ぐように流路ユニット9の上面に固定されていると共に、各圧力室110に対応したアクチュエータを含み、圧力室110内のインクに選択的に吐出エネルギーを付与する。
図2に戻って、各アクチュエータユニット21の上面には、COF(Chip On Film)50の一端近傍が固定されている。COF50はドライバIC52が実装された平型柔軟基板であって、その各端子はアクチュエータユニット21の個別ランド136及び共通ランド146(図7参照)と対向配置され導電性接着剤を介してこれらと電気的に接続されている。COF50におけるアクチュエータユニット21上面と対向する部分、即ち一端近傍は、アクチュエータユニット21と略同様の台形形状である。COF50は、その一端がアクチュエータユニット21の上底近傍に配置されると共に、上底から下底に向けて延在し、さらに上方に引き出されている。COF50の他端は、後述のリザーバユニット71の上方に位置し、コネクタ54aを介して制御基板54と電気的に接続されている。制御基板54は、ドライバIC52を介してアクチュエータユニット21の駆動を制御する。ドライバIC52は、アクチュエータユニット21を駆動する駆動信号を生成する。
ヘッド本体2の上面には、流路ユニット9にインクを供給するリザーバユニット71が固定されている。アクチュエータユニット21、リザーバユニット71、COF50、及び制御基板54は、サイドカバー53及びヘッドカバー55によって覆われている。金属板であるサイドカバー53は、流路ユニット9の長手方向、即ち主走査方向に沿って延在し、流路ユニット9上面の幅方向両端近傍に固定されている。ヘッドカバー55は、2つのサイドカバー53の上端にこれらを跨ぐように固定されている。
リザーバユニット71は、互いに積層された4枚のプレート91,92,93,94を含む。リザーバユニット71の内部には、インクタンク等のインク供給源(図示せず)からインクが流入するインク流入流路(図示せず)、インクを一時的に貯溜するインクリザーバ61、及び10個のインク流出流路62(図2には1つのみ示す)が互いに連通するように形成されている。インク流出流路62は、流路ユニット9の上面に形成された10個のインク供給口105b(図3参照)に対応して形成されており、インク供給口105bを介して流路ユニット9と連通している。インク供給源からのインクは、インク流入流路、インクリザーバ61、及びインク流出流路62を順次通過し、インク供給口105bから流路ユニット9に供給される。プレート94の下面には、図3において二点差線で画定されたインク供給口105bを含む領域に対向する部分が凸部となり、4つのアクチュエータユニット21を含有する領域に対向する部分が凹部となるように、凹凸が形成されている。そして、各アクチュエータユニット21の上面に固定されたCOF50とプレート94の下面との間には、図2に示すように、間隙が形成されている。
COF50は、サイドカバー53とリザーバユニット71との間に挟まれつつ上方に延在し、他端において制御基板54に実装されたコネクタ54aと接続されている。ドライバIC52は、リザーバユニット71の側面に貼り付けられたスポンジ82によってサイドカバー53に向けて付勢されると共に、ヒートシンク81を介してサイドカバー53に固定されている。
次に、ヘッド本体2についてより詳細に説明する。図4では、それぞれ流路ユニット9の内部及び下面に形成されていて破線で描くべきアパーチャ112及びノズル108を実線で描いている。
流路ユニット9は、リザーバユニット71のプレート94と略同じ平面形状の直方体形状を有する。図3に示すように、流路ユニット9の上面9aには、リザーバユニット71のインク流出流路62(図2参照)に対応して、計10個のインク供給口105bが設けられている。流路ユニット9の内部には、インク供給口105bに連通するマニホールド流路105及びマニホールド流路105から分岐した副マニホールド流路105aが形成されている。
図4に示すように、流路ユニット9の上面における各アクチュエータユニット21の配置領域には、主走査方向に沿った圧力室110の列が16個形成されている。各圧力室列に含まれる圧力室110の数は、アクチュエータユニット21の長辺(下底)に近いものほど多く、短辺(上底)に近いものほど少ない。ノズル108についても同様である。
各圧力室110は、角部にアールが施された菱形の平面形状を有しており、その長い方の対角線は副走査方向と平行である。圧力室110の一方の鋭角部に対応した各圧力室110の一端はノズル108に連通しており、圧力室110の他方の鋭角部に対応した他端はアパーチャ112を介して副マニホールド流路105aに連通している。
図5に示すように、流路ユニット9は、上から順に、キャビティプレート122、ベースプレート123、アパーチャプレート124、サプライプレート125、3枚のマニホールドプレート126,127,128、カバープレート129、及びノズルプレート130、という9枚のステンレス鋼等の金属プレートを含む。プレート122〜130は、それぞれ主走査方向に長尺な矩形平面形状を有し、流路ユニット9内に圧力室110毎の個別インク流路132が形成されるよう、互いに位置合わせしつつ積層されている。流路ユニット9の内部には、マニホールド流路105、副マニホールド流路105a、及び、副マニホールド流路105aの出口から絞りとして機能するアパーチャ112さらに圧力室110を経てノズル108に至る流路が形成されている。このうち、個別インク流路132は、副マニホールド流路105aの出口からノズル108に至る部分である。
次に、アクチュエータユニット21について説明する。
図3に示すように、4つのアクチュエータユニット21は、インク供給口105bを避けるよう主走査方向に千鳥状に配置されている。アクチュエータユニット21の平行対向辺は主走査方向に延在している。隣接するアクチュエータユニット21の斜辺同士は、副走査方向に関してオーバーラップしている。
図6(a)に示すように、アクチュエータユニット21は、互いに積層された3枚の圧電セラミック層41,42,43、最上層の圧電セラミック層41の上面において各圧力室110に対応して形成された個別電極135、個別電極135と電気的に接続された個別ランド136、及び、圧電セラミック層41とその下側の圧電セラミック層42との間に全面に亘って形成された内部共通電極134を含む。圧電セラミック層42と圧電セラミック層43との間に電極は配置されていない。圧電セラミック層41〜43は、共に強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミック材料からなり、15μm程度の厚みで、アクチュエータユニット21の外形を画定する台形形状を有する。
個別電極135は、図6(b)に示すように、圧力室110と略相似でこれよりも一回り小さい略菱形の平面形状を有する主電極部135a、及び、主電極部135aにおける鋭角部の一方から主電極部135aの長手方向に延出した延出部135bを含む。主電極部135aは対応する圧力室110に対向する領域内に配置されており、延出部135bは主電極部135aの一端から圧力室110に対向しない領域へと延出している。個別ランド136は、延出部135bの先端の表面上に配置されることで、圧電セラミック層41の表面からの高さが個別電極135より高くなっている(図6(a)参照)。
アクチュエータユニット21はさらに、図7及び図8に示すように、圧電セラミック層41における台形上底の両端近傍の上面に形成された表面共通電極145(図7には上底の一端近傍に形成された表面共通電極145のみ示す)、及び、表面共通電極145上に形成されることで表面共通電極145と電気的に接続された共通ランド146を含む。表面共通電極145は、略L字型であり、アクチュエータユニット21の上底に沿った長尺部と、当該長尺部と直交するよう接続された短尺部とからなる。短尺部の先端近傍に共通ランド146が配置されており、短尺部と長尺部との接続部近傍に、表面共通電極145及び圧電セラミック層41を貫通して内部共通電極134に達する貫通孔140が形成されている。
内部共通電極134は、貫通孔140の底面として露出されていると共に、貫通孔140内に設けられた導電体141を介して表面共通電極145と電気的に接続されている。導電体141は、貫通孔140内全体に形成されるのではなく、内部共通電極134の貫通孔140から露出した領域の一部分だけと接触するように、貫通孔140内においてCOF50から最も離隔した位置に形成されている。より詳細には、第1実施形態の導電体141は、貫通孔140内における、COF50の引出方向(図7及び図8において矢印Aで示された方向)とは反対方向に偏った位置に形成されており、その一部が貫通孔140からその径方向外側にはみ出ている。これにより、導電体141は円柱の一部を切り欠いたような形状となっており、導電体141の圧電セラミック層41からの高さH1は一定であるが、導電体141の厚みは上記はみ出た部分が貫通孔140内に相当する部分より小さい。
個別電極135、内部共通電極134、及び表面共通電極145は共に例えばAg−Pd系の金属材料からなり、これらのうち個別電極135及び表面共通電極145は略1μmという同一の厚みを有し、内部共通電極134は略2μmの厚みを有する。個別ランド136、共通ランド146、及び導電体141は共に、例えばガラスフリットを含む金からなり、略160μmの径D1の略円柱形状を有する。貫通孔140の径D2は、個別ランド136、共通ランド146、及び導電体141の径D1より大きく、後述の検査工程S15で用いられる検査具170(図11参照)が挿入可能なよう、例えば200〜300μmとなっている。図8に示すように、共通ランド146の圧電セラミック層41からの高さH2は、導電体141の圧電セラミック層41からの高さH1より高い。なお、図示していないが、個別ランド136の圧電セラミック層41からの高さは共通ランド146の当該高さH2と略同一である。
共通ランド146はCOF50の端子51、個別ランド136はCOF50の別の端子(図示せず)と、それぞれ対向配置され導電性接着剤を介して電気的に接続されている。これにより、内部共通電極134及び個別電極135はそれぞれCOF50に設けられた配線を介してドライバIC52と接続され、内部共通電極134にはグランド電位に保持された信号、個別電極135には印字すべき画像パターンに応じてグランド電位と正電位とを交互に取る駆動信号が、それぞれドライバIC52から供給される。
ここで、アクチュエータユニット21の駆動方法について説明する。圧電セラミック層41はその厚み方向に分極されている。つまり、アクチュエータユニット21は、圧力室110から最も離れた圧電セラミック層41を活性部が存在する層とし且つこれより下側の圧力室110に近い2枚の圧電セラミック層42,43を非活性層とした、所謂ユニモルフタイプである。個別電極135を正又は負の所定電位にして圧電セラミック層41の個別電極135と内部共通電極134とに挟まれた活性部に対してその分極方向に電界を印加すると、圧電横効果により分極方向と直交する方向、即ち面方向に縮む。一方、圧電セラミック層42,43は電界の影響を受けないため自発的には変形しないので、上層の圧電セラミック層41と下層の圧電セラミック層42,43との間で面方向への歪みに差が生じることとなり、圧電セラミック層41〜43全体が圧力室110に向けて凸となるように変形しようとする(ユニモルフ変形)。ここで、圧電セラミック層41〜43は圧力室110を区画するキャビティプレート122の上面に固定されているので、結果的に圧電セラミック層41〜43の活性部に相当する領域が圧力室110に向かって凸になるように変形する。このような変形が生じることで、圧力室110の容積が低下し、圧力室110内のインクに圧力つまり吐出エネルギーが付与され、ノズル108からインク滴が吐出される。その後、個別電極135を内部共通電極134と同じ電位に戻すと、圧電セラミック層41〜43は元の形状になって圧力室110の容積が元の容積に戻り、マニホールド流路105から圧力室110内にインクが吸い込まれる。
他の駆動方法として、予め個別電極135を内部共通電極134と異なる電位にしておき、吐出要求がある毎に個別電極135を内部共通電極134と一旦同じ電位とし、その後所定のタイミングにて再び個別電極135を内部共通電極134と異なる電位にすることもできる。この場合は、初期状態において、圧電セラミック層41〜43の活性部に相当する領域が圧力室110に向かって凸となるように変形している。そして吐出要求の際、個別電極135が内部共通電極134と同じ電位になるタイミングで、圧電セラミック層41〜43が平坦な形状になり、圧力室110の容積が初期状態と比較して増加することにより、マニホールド流路105から圧力室110内にインクが吸い込まれる。その後、再び個別電極135を内部共通電極134と異なる電位にしたタイミングで、圧電セラミック層41〜43の活性部に相当する領域が圧力室110に向かって凸となるように変形し、圧力室110の容積低下によりインクへの圧力が上昇し、インクが吐出される。
次に、図9及び図10を参照し、インクジェットヘッド1の製造方法について説明する。
インクジェットヘッド1を製造するには、先ず、ヘッド本体2を作製するにあたり、流路ユニット9及び4つのアクチュエータユニット21を別々に作製する(図9のS1及びS2)。なお、流路ユニット作製工程(S1)及びアクチュエータユニット作製工程(S2)は、独立に行われるものであるため、いずれを先に行ってもよいし、並行して行ってもよい。
流路ユニット作製工程(S1)では、先ず、9枚のステンレス鋼等の金属プレートにそれぞれパターニングされたフォトレジストをマスクとしたエッチングを施して孔を形成し、プレート122〜130を作製する。その後、プレート122〜130を、図5に示す個別インク流路132が形成されるように互いに位置合わせしつつエポキシ系の熱硬化性接着剤を介して積層し、熱硬化性接着剤の硬化温度以上の温度に加熱しながら加圧する。これにより、熱硬化性接着剤が硬化してプレート122〜130が互いに固着され、流路ユニット9が完成する。
アクチュエータユニット作製工程(S2)では、先ず、予め焼成による収縮量を見込んで形成された、圧電セラミック層41〜43となるグリーンシートを3枚用意する。そして、圧電セラミック層41となるグリーンシートに、径D2を有する貫通孔140を形成する(図10のS11)。その後、圧電セラミック層41となるグリーンシート上に個別電極135のパターン及び表面共通電極145のパターンで、圧電セラミック層42となるグリーンシート上に内部共通電極134のパターンで、それぞれAg−Pd系の導電性ペーストをスクリーン印刷する(S12)。
その後、治具を用いて位置合わせしつつ、印刷がされていない圧電セラミック層43となるグリーンシート上に、内部共通電極134が印刷された面を上にして圧電セラミック層42となるグリーンシートを重ね、さらにその上に、個別電極135及び表面共通電極145が印刷された面を上にして圧電セラミック層41となるグリーンシートを重ねる(S13)。そして互いに積層されたグリーンシートを、公知のセラミックと同様に脱脂し、所定の温度で焼成する(S14)。これにより、3枚のグリーンシートが圧電セラミック層41〜43となり、導電性ペーストが個別電極135、表面共通電極145、及び内部共通電極134となる。したがって、S11〜S14の工程により、個別ランド136、共通ランド146、及び導電体141が未だ形成されていない、アクチュエータユニット21の前躯体(以下、積層体と称す)が完成する。
しかる後、図11に示すようにプローブ等の検査具170を圧電セラミック層41に形成された貫通孔140に挿入し内部共通電極134に接触させることで、積層体の電気的特性を検査する(S15)。そして検査の結果、電気的特性に不具合があると判断された場合(S16:NO)、当該積層体は、ランド136,146及び導電体141が形成される前に破棄される(S17)。一方、電気的特性に不具合がないと判断された場合(S16:YES)、図12に示すようにパターニングされたマスク180を用いて、各個別電極135の延出部135b上、表面共通電極145上の所定位置、及び貫通孔140内においてCOF50から最も離隔した位置(図7及び図8参照)のそれぞれに、個別ランド136、共通ランド146、及び導電体141となるガラスフリットを含むAu系の導電性ペーストを同一径D1となるように印刷する(S18)。これにより個別ランド136、共通ランド146、及び導電体141が形成され、アクチュエータユニット21が完成する。
そして図9に戻って、上記のようにして作製された4つのアクチュエータユニット21を流路ユニット9の上面に固定する(S3)。ここでは、先ず流路ユニット9上面に熱硬化性接着剤を塗布し、4つのアクチュエータユニット21を図3に示すように千鳥状配置となるよう位置決めして流路ユニット9上面に配置する。このとき各アクチュエータユニット21は、個別電極135が圧力室110と対向するように、位置合わせされる。そして、個別ランド136及び共通ランド146によって支持されるようにセラミックヒータ等の加熱・加圧装置をアクチュエータユニット21上に載置し、流路ユニット9とアクチュエータユニット21とを熱硬化性接着剤の硬化温度以上に加熱しながら加圧した後、自然冷却する。これにより、ヘッド本体2が完成する。
その後、各アクチュエータユニット21にCOF50の一端近傍を接合する(S4)。ここでは、先ず、各アクチュエータユニット21について、個別ランド136及び共通ランド146上にそれぞれ熱硬化性の導電性接着剤を塗布し、COF50の端子51と共通ランド146とが対向するように、且つ、COF50の別の端子(図示せず)と個別ランド136とが対向するように位置合わせした状態で、COF50をヘッド本体2に向けて加圧しつつ加熱する。これにより、アクチュエータユニット21のそれぞれにCOF50の一端近傍が接合される。
さらにその後、流路ユニット9の上面9aにリザーバユニット71を固定する(S5)。これにより、インクジェットヘッド1の主要部分が完成する。
以上に述べたように、第1実施形態に係るアクチュエータユニット21の製造方法によると、S18の印刷工程において、個別ランド136、共通ランド146、及び導電体141を一度に形成することで、工程数が少なくなり、製造コストを低減することができる。したがって、電気的検査の実施と製造コスト低減とを共に実現可能である。
S18の印刷工程において、導電体141となる導電性ペーストを貫通孔140内においてCOF50から最も離隔した位置に印刷することにより、導電体141とCOF50との接触が効果的に抑制されるため、アクチュエータユニット21とCOF50との電気的接続が保証される。
S18において個別ランド136、共通ランド146、及び導電体141が同一径D1となるように印刷を行うことにより、当該工程を容易に行うことができる。また、S18において同一材料からなる(本実施形態ではガラスフリットを含むAu系の)導電性ペーストを用いることによって、当該工程をさらに容易に行うことができる。そしてこのように工程が容易になることによって、さらなる低コスト化が実現される。
第1実施形態に係るアクチュエータユニット21によると、導電体141の圧電セラミック層41からの高さH1が個別ランド136及び共通ランド146の当該高さH2より低いため、アクチュエータユニット21とCOF50との電気的接続がより確実に保証される。
なお、上述した第1実施形態では、貫通孔140内に導電体141を1つのみ形成しているが、これに限定されず、貫通孔140内に互いに離隔された複数の導電体を形成してよい。例えば図13に示すように、導電体141に加えて、貫通孔140の中心に関して導電体141と対称になるように、導電体141と同様の導電体142を貫通孔140内に形成してよい。当該変形例のように導電体を複数形成することで、内部共通電極134と表面共通電極145との接続の信頼性が向上する。
また、アクチュエータユニット21を流路ユニット9の上面に固定する工程(S3)及びアクチュエータユニット21にCOF50を接合する工程(S4)のそれぞれにおいて、加圧力の分布を一様にして良好な接合を実現するという観点から、図13に示す変形例において、導電体141,142の圧電セラミック層41からの高さは、個別ランド136及び共通ランド146の当該高さH2以下となることが好ましく、本変形例では上述のように高さH2より低くなっている。導電体142は、COF50の端部のより近くに配置されることから、その圧電セラミック層41からの高さが個別ランド136及び共通ランド146の当該高さH2より高い場合、COF50の接合時においてCOF50の端部近傍が導電体142上に乗り上がり、COF50が剥がれやすくなるという問題が生じ得る。これに対し、本変形例では、導電体142の圧電セラミック層41からの高さが個別ランド136及び共通ランド146の当該高さH2よりも低いため、上記のような問題が回避される。
次いで、図14及び図15を参照し、第2実施形態について説明する。本実施形態は、アクチュエータユニットの構成及びその作製工程が第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同様である。したがって、上述したものと同じ構成要素については同じ参照番号を付して説明を省略する。
第2実施形態に係るアクチュエータユニット221においては、貫通孔140に加えて、別の貫通孔240が、貫通孔140と同様に表面共通電極145及び圧電セラミック層41を貫通して内部共通電極134に達するように形成されている。貫通孔240は、貫通孔140の径D2より小さく共通ランド146と同一の径D1を有すると共に、貫通孔140と共通ランド146との略中間に形成されている。また本実施形態では、貫通孔140内ではなく貫通孔240内に、内部共通電極134と表面共通電極145とを電気的に接続する導電体241が形成されている。導電体241は、内部共通電極134が貫通孔240から露出されないように、貫通孔240内全体に、即ち貫通孔240を充填するよう形成されている。また図15に示すように、導電体241の圧電セラミック層41からの高さH1は、第1実施形態の導電体141と同一であり、共通ランド146の当該高さH2よりも低い。
第2実施形態に係るアクチュエータユニット221の作製工程は、図10に示す第1実施形態に係るアクチュエータ作製工程のうち、S11及びS18が第1実施形態と異なる。具体的には、本実施形態では、S11において、圧電セラミック層41となるグリーンシートに、径D2を有する貫通孔140に加えて、径D1を有する貫通孔240をさらに形成する。S18においては、貫通孔140内への導電性ペーストの印刷を省略し、各個別電極135の延出部135b上、表面共通電極145上の所定位置、及び貫通孔240内のそれぞれに、個別ランド136、共通ランド146、及び導電体241となるガラスフリットを含むAu系の導電性ペーストを、同一径D1となるように印刷する。
以上に述べたように、第2実施形態に係るアクチュエータユニットアクチュエータユニット221の製造方法によると、上記第1実施形態に係るアクチュエータユニット21の製造方法による効果に加えて、S18の印刷工程で使用されるマスク180(図12参照)における圧電セラミック層41に対向する面への導電性ペーストの付着が防止されるという効果が得られる。例えば、第1実施形態のように貫通孔140内に当該貫通孔140からその径方向外側に一部はみ出るよう不均一な形状に導電体141を形成する場合、マスク180における圧電セラミック層41に対向する面に、上記はみ出た部分に相当する導電体ペーストが付着しやすい。しかし本実施形態のように貫通孔240を充填するよう円柱形の導電体241を形成する場合、上記のような不具合が防止される。
また、第2実施形態に係るアクチュエータユニット221によると、第1実施形態に係るアクチュエータユニット21の効果と同様の効果、即ち、アクチュエータユニット221とCOF50との電気的接続が保証される、という効果が得られる。
なお、上述した第2実施形態では、表面共通電極145が貫通孔140の形成領域に及んでおり、貫通孔140が表面共通電極145及び圧電セラミック層41を貫通しているが、これに限定されない。例えば図16に示すように、貫通孔240の形成領域には及ぶが貫通孔140の形成領域には及ばないように表面共通電極145より小さい表面共通電極245を形成してよい。この場合、貫通孔140は圧電セラミック層41のみを貫通し、貫通孔240は表面共通電極245及び圧電セラミック層41を貫通している。当該変形例のように表面共通電極245を小さくすることで、材料コストの観点から経済的に有利になる。
次いで、図17及び図18を参照し、第3実施形態について説明する。本実施形態は、アクチュエータユニットの構成及びその作製工程が第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同様である。したがって、上述したものと同じ構成要素については同じ参照番号を付して説明を省略する。
第3実施形態に係るアクチュエータユニット321においては、貫通孔140に加えて、別の貫通孔340が、貫通孔140と同様に表面共通電極145及び圧電セラミック層41を貫通して内部共通電極134に達するように形成されている。貫通孔340は、貫通孔140の径D2より小さく第1実施形態の共通ランド146と同一の径D1で、共通ランド146と同じ位置に形成されている。また本実施形態では、貫通孔140内ではなく貫通孔340内に、内部共通電極134と表面共通電極145とを電気的に接続する導電体346が形成されていると共に、共通ランド146が省略されている。換言すると、導電体346は、第1及び第2実施形態に係る導電体141;241の機能及び共通ランド146の機能を兼ね備えたものであり、即ち、内部共通電極134と表面共通電極145とを電気的に接続する機能と、COF50の端子51と接続されるという機能とを有する。導電体346は、内部共通電極134が貫通孔346から露出されないように、貫通孔340内全体に、即ち貫通孔340を充填するよう形成されている。また図18に示すように、導電体346の圧電セラミック層41からの高さH2は、第1実施形態の共通ランド146と同一であり、個別ランド136の当該高さ(図示せず)と略同一である。
第3実施形態に係るアクチュエータユニット321の作製工程は、図10に示す第1実施形態に係るアクチュエータ作製工程のうち、S11及びS18が第1実施形態と異なる。具体的には、本実施形態では、S11において、圧電セラミック層41となるグリーンシートに、径D2を有する貫通孔140に加えて、径D1を有する貫通孔340をさらに形成する。S18においては、貫通孔140内及び表面共通電極145上への導電性ペーストの印刷を省略し、各個別電極135の延出部135b上及び貫通孔340内のそれぞれに、個別ランド136及び導電体346となるガラスフリットを含むAu系の導電性ペーストを、同一径D1となるように印刷する。
以上に述べたように、第3実施形態に係るアクチュエータユニットアクチュエータユニット321の製造方法によると、上記第2実施形態に係るアクチュエータユニット221の製造方法による効果に加えて、導電体346が上記第1及び第2実施形態における共通ランド146の機能をも兼ね備えたものであることから、材料コストの削減及び工程数のさらなる低減が実現されるという効果が得られる。
また、第3実施形態に係るアクチュエータユニット321によると、第1実施形態に係るアクチュエータユニット21の効果と同様の効果、即ち、アクチュエータユニット321とCOF50との電気的接続が保証される、という効果が得られる。さらに、上述のように導電体346が上記第1及び第2実施形態における共通ランド146の機能をも兼ね備えたものであることから、構成の簡略化と共に材料コストの削減及び工程数の低減が実現されるため、低コスト化が可能となる。
なお、上述した第3実施形態では、表面共通電極145が貫通孔140の形成領域に及んでおり、貫通孔140が表面共通電極145及び圧電セラミック層41を貫通しているが、これに限定されない。例えば図19に示すように、貫通孔340の形成領域には及ぶが貫通孔140の形成領域には及ばないように表面共通電極145より小さい表面共通電極345を形成してよい。この場合、貫通孔140は圧電セラミック層41のみを貫通し、貫通孔340は表面共通電極345及び圧電セラミック層41を貫通している。図16に示す変形例では、貫通孔240に加えて共通ランド146の形成領域にも及ぶように表面共通電極245を形成する必要があるが、図19に示す変形例では、貫通孔340の形成領域にのみ及ぶように表面電極345を形成すればよいため、表面電極345をより小さくすることが可能であり、材料コストの観点からより経済的である。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
本発明において、ランドや導電体の形成位置や形状は様々であってよい。例えば、第1実施形態の導電体141は、内部共通電極134と表面共通電極145とを電気的に接続する機能を果たすように貫通孔140内に形成される限り、その形成位置や形状は様々であってよい。つまり導電体141は、貫通孔140内においてCOF50から最も離隔した位置に形成されなくてもよいし、その径はランド136,146の径と同一でなくてもよい。さらに、ランド及び導電体の材料としてはガラスフリットを含む金以外に様々なものを使用してよく、ランドの材料と導電体の材料とは異なってもよい。
図13に示す変形例では、貫通孔140内に2つの導電体141,142を形成しているが、3以上の導電体を形成してよく、また、複数の導電体の位置は貫通孔140の中心に関して対称であることに限定されない。
圧電アクチュエータの構成は上述したものに限定されない。例えば、上述の実施形態では圧電セラミック層42が本発明に係る振動板として機能するが、振動板として圧電セラミック層以外の部材を適用してよい。また、圧電セラミック層43を導電性材料からなる平板に置換したり、圧電セラミック層の数を増加させたり、内部共通電極をさらに設けたり、活性部を含む層の数や非活性層の数を適宜変更したりしてよい。
第3実施形態における貫通孔340及び導電体346は、アクチュエータユニット321とCOF50との電気的接合の信頼性を確保するという観点から、導電体346の圧電セラミック層41からの高さが個別ランド136の当該高さと略同一であればよく、これらのサイズや形状は様々に変更可能である。例えば、導電体346が、貫通孔340内に充填された部分と、表面共通電極145上において貫通孔340の中心から放射状に拡径した部分とを有してよい。
本発明に係るインクジェットヘッドは、ラインプリンタに限定されず、ヘッドが往復移動するシリアルプリンタにも適用可能である。また、プリンタに限定されず、インクジェット式のファクシミリやコピー機等にも適用可能である。
1 インクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)
9 流路ユニット
21;221;321 アクチュエータユニット(圧電アクチュエータ)
41 圧電セラミック層
42 圧電セラミック層(振動板)
50 COF(配線部材)
51 COFの端子(配線部材の別の端子)
101 インクジェットプリンタ
108 ノズル
110 圧力室
132 個別インク流路(個別液体流路)
134 内部共通電極(第1の電極)
135 個別電極(第2の電極)
136 個別ランド(第1のランド;ランド)
140 貫通孔(第1の貫通孔)
145;245;345 表面共通電極(第3の電極)
146 共通ランド(第2のランド)
141,142;241;346 導電体
170 検査具
180 マスク
240;340 貫通孔(第2の貫通孔)
9 流路ユニット
21;221;321 アクチュエータユニット(圧電アクチュエータ)
41 圧電セラミック層
42 圧電セラミック層(振動板)
50 COF(配線部材)
51 COFの端子(配線部材の別の端子)
101 インクジェットプリンタ
108 ノズル
110 圧力室
132 個別インク流路(個別液体流路)
134 内部共通電極(第1の電極)
135 個別電極(第2の電極)
136 個別ランド(第1のランド;ランド)
140 貫通孔(第1の貫通孔)
145;245;345 表面共通電極(第3の電極)
146 共通ランド(第2のランド)
141,142;241;346 導電体
170 検査具
180 マスク
240;340 貫通孔(第2の貫通孔)
Claims (20)
- 圧電セラミック層とこれに積層された振動板との間に第1の電極が挟まれ、前記圧電セラミック層における前記第1の電極とは反対側の表面上に、第2の電極と、前記第2の電極から離隔した第3の電極とが形成され、さらに、前記圧電セラミック層を貫通して前記第1の電極に達する貫通孔が形成された積層体を作製する積層体作製工程と、
前記貫通孔に挿入した検査具を前記第1の電極と接触させて前記積層体の電気的特性を検査する検査工程と、
前記第2の電極上、前記第3の電極上、及び、前記貫通孔内に、配線部材の端子と接続される第1のランド、前記配線部材の別の端子と接続される第2のランド、及び、前記第1の電極と前記第3の電極とを接続する導電体となる導電性ペーストをそれぞれ印刷する印刷工程と、
を備えていることを特徴とする圧電アクチュエータの製造方法。 - 圧電セラミック層とこれに積層された振動板との間に第1の電極が挟まれ、前記圧電セラミック層における前記第1の電極とは反対側の表面上に、第2の電極と、前記第2の電極から離隔した第3の電極とが形成され、さらに、前記圧電セラミック層を貫通して前記第1の電極に達するように第1の貫通孔と前記第1の貫通孔から離隔し且つ前記第1の貫通孔の径より小さな径を有する第2の貫通孔とが形成された積層体を作製する積層体作製工程と、
前記第1の貫通孔に挿入した検査具を前記第1の電極と接触させて前記積層体の電気的特性を検査する検査工程と、
前記第2の電極上、前記第3の電極上、及び、前記第2の貫通孔内に、配線部材の端子と接続される第1のランド、前記配線部材の別の端子と接続される第2のランド、及び、前記第1の電極と前記第3の電極とを接続する導電体となる導電性ペーストをそれぞれ印刷する印刷工程と、
を備えていることを特徴とする圧電アクチュエータの製造方法。 - 前記印刷工程において、前記導電体となる導電性ペーストを、前記貫通孔内において前記配線部材から最も離隔した位置に印刷することを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータの製造方法。
- 前記印刷工程において、互いに離隔された複数の前記導電体が形成されるよう、印刷を行うことを特徴とする請求項1又は3に記載の圧電アクチュエータの製造方法。
- 前記印刷工程において、前記第1のランド、第2のランド、及び前記導電体が同一径となるように印刷を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の圧電アクチュエータの製造方法。
- 前記印刷工程において、同一材料からなる導電性ペーストを用いて、前記第1のランド、第2のランド、及び前記導電体の印刷を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の圧電アクチュエータの製造方法。
- 圧電セラミック層とこれに積層された振動板との間に第1の電極が挟まれ、前記圧電セラミック層における前記第1の電極とは反対側の表面上に、第2の電極と、前記第2の電極から離隔した第3の電極とが形成され、さらに、前記圧電セラミック層を貫通して前記第1の電極に達するように第1の貫通孔と前記第1の貫通孔から離隔し且つ前記第1の貫通孔の径より小さな径を有する第2の貫通孔とが形成された積層体を作製する積層体作製工程と、
前記第1の貫通孔に挿入した検査具を前記第1の電極と接触させて前記積層体の電気的特性を検査する検査工程と、
前記第2の電極上、及び、前記第2の貫通孔内に、配線部材の端子と接続されるランド、及び、前記第1の電極と前記第3の電極とを接続すると共に前記配線部材の別の端子と接続される導電体となる導電性ペーストをそれぞれ印刷する印刷工程と、
を備えていることを特徴とする圧電アクチュエータの製造方法。 - 前記印刷工程において、前記ランド及び前記導電体が同一径となるように印刷を行うことを特徴とする請求項7に記載の圧電アクチュエータの製造方法。
- 前記印刷工程において、同一材料からなる導電性ペーストを用いて、前記ランド及び前記導電体の印刷を行うことを特徴とする請求項7又は8に記載の圧電アクチュエータの製造方法。
- ノズル及び圧力室を含む個別液体流路が複数形成され、複数の前記圧力室が表面に開口した流路ユニットを作製する工程と、
前記流路ユニットの前記表面に、前記圧電セラミック層が前記複数の圧力室に跨るように且つ前記第2の電極が前記圧力室に対応するように、請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法により製造された圧電アクチュエータを配置する工程と、
前記圧電アクチュエータの前記第2の電極及び前記第3の電極に、配線部材の端子を接続する工程と、
を備えていることを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。 - 圧電セラミック層と、
前記圧電セラミック層に積層された振動板と、
前記圧電セラミック層と前記振動板との間に配置された第1の電極と、
前記圧電セラミック層における前記第1の電極とは反対側の表面に形成された第2の電極と、
前記圧電セラミック層の前記表面に前記第2の電極から離隔するよう形成された第3の電極と、
前記第1の電極が露出されるように前記第3の電極と前記圧電セラミック層とを貫通した貫通孔と、
前記第2の電極上に、前記貫通孔の径より小さな径を有するよう形成された、配線部材の端子と接続される第1のランドと、
前記第3の電極上に、前記貫通孔の径より小さな径を有し且つ前記第1のランドと同じ高さになるように形成された、前記配線部材の別の端子と接続される第2のランドと、
前記第1の電極の前記貫通孔から露出した領域の一部分だけと接触し、且つ、前記圧電セラミック層からの高さが前記第1及び第2のランド以下となるよう前記貫通孔内に形成された、前記第1の電極と前記第3の電極とを接続する導電体と、
を備えていることを特徴とする圧電アクチュエータ。 - 圧電セラミック層と、
前記圧電セラミック層に積層された振動板と、
前記圧電セラミック層と前記振動板との間に配置された第1の電極と、
前記圧電セラミック層における前記第1の電極とは反対側の表面に形成された第2の電極と、
前記圧電セラミック層の前記表面に前記第2の電極から離隔するよう形成された第3の電極と、
前記第1の電極が露出されるように前記圧電セラミック層を貫通した第1の貫通孔と、
前記第1の電極が露出されるように前記圧電セラミック層を貫通し、前記第1の貫通孔から離隔し、且つ、前記第1の貫通孔の径より小さな径を有する第2の貫通孔と、
前記第2の電極上に、前記第1の貫通孔の径より小さな径を有するよう形成された、配線部材の端子と接続される第1のランドと、
前記第3の電極上に、前記第1の貫通孔の径より小さな径を有し且つ前記第1のランドと同じ高さになるように形成された、前記配線部材の別の端子と接続される第2のランドと、
前記圧電セラミック層からの高さが前記第1及び第2のランド以下となるよう前記第2の貫通孔内に形成された、前記第1の電極と前記第3の電極とを接続する導電体と、
を備えていることを特徴とする圧電アクチュエータ。 - 前記導電体が、前記貫通孔内において前記配線部材から最も離隔した位置に形成されていることを特徴とする請求項11に記載の圧電アクチュエータ。
- 互いに離隔された複数の前記導電体を備えていることを特徴とする請求項11又は13に記載の圧電アクチュエータ。
- 前記第1のランド、前記第2のランド、及び前記導電体が同一径を有することを特徴とする請求項11〜14のいずれか一項に記載の圧電アクチュエータ。
- 前記第1のランド、前記第2のランド、及び前記導電体が同一材料からなることを特徴とする請求項11〜15のいずれか一項に記載の圧電アクチュエータ。
- 圧電セラミック層と、
前記圧電セラミック層に積層された振動板と、
前記圧電セラミック層と前記振動板との間に配置された第1の電極と、
前記圧電セラミック層における前記第1の電極とは反対側の表面に形成された第2の電極と、
前記圧電セラミック層の前記表面に前記第2の電極から離隔するよう形成された第3の電極と、
前記第1の電極が露出されるように前記圧電セラミック層を貫通した第1の貫通孔と、
前記第1の電極が露出されるように前記第3の電極と前記圧電セラミック層とを貫通し、前記第1の貫通孔から離隔し、且つ、前記第1の貫通孔より小さな径を有する第2の貫通孔と、
前記第2の電極上に、前記第1の貫通孔の径より小さな径を有するよう形成された、配線部材の端子と接続されるランドと、
前記圧電セラミック層からの高さが前記ランドと同じになるよう前記第2の貫通孔内に形成された、前記第1の電極と前記第3の電極とを接続すると共に、前記配線部材の別の端子と接続される導電体と、
を備えていることを特徴とする圧電アクチュエータ。 - 前記ランド及び前記導電体が同一径を有することを特徴とする請求項17に記載の圧電アクチュエータ。
- 前記ランド及び前記導電体が、同一材料からなることを特徴とする請求項17又は18に記載の圧電アクチュエータ。
- ノズル及び圧力室を含む個別液体流路が複数形成され、複数の前記圧力室が表面に開口した流路ユニットと、
前記流路ユニットの前記表面に、前記圧電セラミック層が前記複数の圧力室に跨るように且つ前記第2の電極が前記圧力室に対応するように配置された請求項11〜19のいずれか一項に記載の圧電アクチュエータと、
前記圧電アクチュエータの前記第2の電極及び前記第3の電極と接続された配線部材と、
を備えていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
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JP2007307169A JP2009126167A (ja) | 2007-11-28 | 2007-11-28 | 圧電アクチュエータの製造方法、圧電アクチュエータを含む液体吐出ヘッドの製造方法、圧電アクチュエータ、及び、これを含む液体吐出ヘッド |
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JP2007307169A JP2009126167A (ja) | 2007-11-28 | 2007-11-28 | 圧電アクチュエータの製造方法、圧電アクチュエータを含む液体吐出ヘッドの製造方法、圧電アクチュエータ、及び、これを含む液体吐出ヘッド |
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011073210A (ja) * | 2009-09-29 | 2011-04-14 | Brother Industries Ltd | 液体吐出ヘッドの製造方法及び液体吐出ヘッド |
JP2012071466A (ja) * | 2010-09-28 | 2012-04-12 | Kyocera Corp | 圧電アクチュエータユニット、それを用いた圧電アクチュエータユニット装置、液体吐出ヘッドおよび記録装置 |
US8313175B2 (en) | 2010-02-19 | 2012-11-20 | Seiko Epson Corporation | Liquid ejecting head |
JP2013230580A (ja) * | 2012-04-27 | 2013-11-14 | Brother Industries Ltd | 液滴噴射装置、及び、圧電アクチュエータ |
JP2015069979A (ja) * | 2013-09-26 | 2015-04-13 | 京セラ株式会社 | 圧電アクチュエータ基板、それを用いた液体吐出ヘッドおよび記録装置 |
JP2017011289A (ja) * | 2016-08-24 | 2017-01-12 | 京セラ株式会社 | 圧電アクチュエータ基板、それを用いた液体吐出ヘッドおよび記録装置 |
-
2007
- 2007-11-28 JP JP2007307169A patent/JP2009126167A/ja active Pending
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