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JP2009109686A - 位相差制御部材、および位相差制御部材を用いた液晶ディスプレイ、位相差制御部材を形成するための液晶材料組成物 - Google Patents

位相差制御部材、および位相差制御部材を用いた液晶ディスプレイ、位相差制御部材を形成するための液晶材料組成物 Download PDF

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JP2009109686A
JP2009109686A JP2007281119A JP2007281119A JP2009109686A JP 2009109686 A JP2009109686 A JP 2009109686A JP 2007281119 A JP2007281119 A JP 2007281119A JP 2007281119 A JP2007281119 A JP 2007281119A JP 2009109686 A JP2009109686 A JP 2009109686A
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Norihisa Moriya
徳久 守谷
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】位相差層に透明保護層の機能と光学補償機能とを効果的に発揮させる位相差制御部材を作成するための液晶材料組成物を提供する。
【解決手段】位相差層4の光軸が位相差層4の厚み方向に法線を有する面に対して起立しており、且つ、位相差層4の表面の段差量Tが500nm未満であり、互いに直交するx軸とy軸を位相差層4の面内方向にとり、位相差層4の法線方向にz軸をとり、位相差層4の屈折率を、x軸方向、y軸方向、z軸方向についてそれぞれnx、ny、nzとした場合に、波長589nmの光に対するnx、ny、nzに基づき係数P=(nz−((nx+ny)/2))にて定義される係数Pと、位相差層4の厚さd(nm)とが下記式1、式2、式3のいずれをも満たしている、ことを特徴とする位相差制御部材1により、上記課題を解決できる。0.06≦P≦0.17 (式1)d≦2000 (式2)120≦P×d≦170 (式3)
【選択図】図1

Description

本発明は、位相差制御部材、この位相差制御部材を用いた液晶ディスプレイ、位相差制御部材を形成するための液晶材料組成物に関する。
一般家庭のテレビや産業用モニターなどとして、IPS(In Plane Switching)モードを表示モードとする液晶ディスプレイ(LCD)(IPS−LCD)が、従来の表示モード(TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vartically Aligned)モード等)の液晶ディスプレイに比べて視野角の広さの点で表示特性に優れることを理由として採用されている。
IPS−LCDとしては、一般家庭のテレビの用途では、カラー表示可能なタイプのLCDが採用されることが多く、また産業用モニターの中でも医療用画像を表示するモニター(レントゲン用のモニターなど)としての用途では、解像度を高める必要から、カラー表示を行うタイプよりも1画素の面積をできるだけ小さくすることができる白黒表示を行うタイプのLCDが採用されることが殆どである。
IPS−LCDがカラー表示可能なタイプである場合の従来の例を図6に示す。この場合、IPS−LCD151は、TFT(Thin Film Transistor)などのスイッチング素子(図示せず)およびITO(Indium Tin Oxide)膜などの電極(図示せず)を透明なガラス基板141上に配した基板(TFTアレイ(TFT Array)基板223)とこれに対向する基板(対向基板222)たるカラーフィルタとで対をなし、その一対の基板225の間に駆動用液晶組成物124を封入して液晶144分子の配向を電場の変化に応じて変更可能な駆動液晶層128を形成してなる構成を備える。一対の基板225の間には、その一対の基板225の間隔に大きな変動を生じないように両基板222,223の間隔を保持する柱としての機能を有する多数の柱体103が介在配置されている。さらに、IPS−LCD151は、一対の基板225の外側に偏光板133,142をその厚み方向に見た場合に互いに透過軸を直交させるように配置しており、対向基板222において透明なガラス基板102と偏光板133との間に光の位相差を制御することで光学補償を行う位相差フィルム130を介在配置している。
カラーフィルタをなす対向基板222は、透明なガラス基板102表面上に、所定のパターンにて形成パターニングされたブラックマトリクス115やR(赤)、B(青)、G(緑)などの各色の色パターン116,117,118を形成して着色層113を形成し、着色層113の表面に透明保護層134を積層して構成されている。ブラックマトリクス115は、黒色顔料と樹脂を含有したフォトレジストや印刷用インキや、クロムなどの金属を用いて構成される。各色の色パターン116,117,118は、各色に対応する顔料と樹脂を含有したフォトレジストや印刷用インキを材料として用いて構成される。透明保護層134は、重合可能な樹脂材料を着色層の表面に塗布して硬化させることで形成することができる。透明保護層134を構成する材料としては、重合反応を示すとともに架橋反応を示すことが可能な有機物を好ましく用いることができる。具体的には、その有機物としては、不飽和二重結合基を有する(メタ)アクリレート基含有化合物、エポキシ基含有化合物、ウレタン基含有化合物などが挙げられる。
IPS−LCD151は、駆動液晶層128に含まれる液晶144の分子を駆動する際、TFTアレイ基板223に配置された電極より駆動液晶層128の面内方向(駆動液晶層128の厚み方向に法線を有する平面に対して平行する方向)に電界を生じさせ、駆動液晶層128の面内方向について液晶144分子の配向状態をスイッチング制御することで駆動液晶層128を通過する光の状態を制御し、制御された光の組み合わせにて液晶表示画面に画像を形成する。
このように、駆動液晶層128に含まれる液晶144の分子の配向状態によって液晶表示画面に形成される画像が決せられるので、液晶144が本来予定されていない方向に配向して好ましくないチルト角を生じてしまうと、液晶表示画面に表示される画像の質に悪影響が及ぶ虞がある。この点、IPS−LCD151では、一対の基板225における互いに対面し合う最表面にあって駆動液晶層128に対して接触する最表面はできるだけ凹凸の抑えられた(段差のないあるいは殆ど段差のない)面をなしていることが好ましい。その最表面が凹凸差の大きさ(段差量)の大きな段差面をなしていると、一対の基板225と駆動液晶層128との接触界面の位置で液晶144分子の配向に乱れを生じ、すなわち液晶144分子の配向性に悪影響が生じる虞がある。このような段差面による液晶144の配向の悪化を考慮して、IPS−LCD151では、図6に示す例のように、対向基板222の着色層113上に透明保護層134が積層されている。すなわち、対向基板222には着色層113が形成されているが、この着色層113は、色パターン116,117,118やブラックマトリクス115が所定のパターンにて設けられてなるので、基板222の着色層113表面に多数の凹凸を生じて段差面が形成されやすい。
なお、図6の例では上記段差面につきブラックマトリクス115の形成された部分で大きな段差が形成されており、段差面上に直接に駆動液晶層128が形成されたところで、ブラックマトリクス115の形成された部分は駆動液晶層128を通過する光の位相差を制御する部分にあたらないことから、液晶144の配向に乱れが生じても特に問題がないように見える。しかしながら、ブラックマトリクス115の形成された部分における段差によって駆動液晶層128に含まれる液晶114分子に配向の乱れが生じると、それにとどまらず、その周囲の液晶144分子にまで配向の乱れが波及してしまい、液晶ディスプレイに表示される画像を形成するための光が十分に制御できなくなってしまう虞がある。
そこで、IPS−LCD151では、着色層113を覆って透明保護層134が積層され、着色層113の形成の際に最表面に段差面が生じても、その段差面の段差が透明保護層134によってある程度解消され、上記したような液晶144分子の配向性に悪影響が及ぶ虞が抑制される。
ところで、一般に、液晶ディスプレイについては視野角の狭さが問題点として指摘されており、その問題点を解決するべく、液晶表示画面の外側方向に向かう光の位相差を制御することで光学補償を行う手段を液晶ディスプレイに施すことが提案されている。その手段としては、例えば、液晶ディスプレイを構成する一対の基板の外面側位置に光学異方性を有するフィルム(位相差フィルム)を粘着材で貼り合わせて配置し、これを通過する光を複屈折させる機能(光学補償機能)を位相差フィルムに発揮させることによって光学補償を行うことが、広く様々な表示モードの液晶ディスプレイにおいて採用されている。
液晶ディスプレイのなかでもIPS−LCDは、そもそも他の表示モードの液晶ディスプレイに比べて視野角の点で優れる。そうすると、IPS−LCDには光学補償を行う手段を施すことは不要であるようにも見えるが、実際には、視野角に優れるがゆえに、より広い視野角を確保したいテレビジョンの受像機の用途に採用される傾向が一層強く、結局、図6に示す例のように、IPS−LCD151にも上記光学補償を行う手段を施されるのが実情であり、光学補償機能を異にする(光を複屈折させる特性を示す屈折率楕円体200,201を異にする)2種類の位相差フィルム130,130を対向基板222内に介在させて光学補償を行う手段が施されている。
光学補償を行う方法としては、位相差フィルムを用いて光学補償を行う方法のほかにも、液晶ディスプレイを構成する基板に液晶材料組成物を用いて光学異方性を有する層(位相差層)を造り込み(インセル化し)、その層(インセルタイプの位相差層)に光学補償機能を発揮させる方法が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
光学補償を行う方法としてインセルタイプの位相差層が用いられる場合には、位相差フィルムが用いられる場合に必要とされる粘着材による位相差フィルムの貼り合わせが不要となり、粘着材の層を減じることができるので、位相差フィルムが用いられる場合よりもの液晶ディスプレイを一層薄型化することができるようになる。また、特に重合性液晶を用いて形成されたインセルタイプの位相差層が液晶ディスプレイに組み込まれる場合には、インセルタイプの位相差層の機能を位相差フィルムにて発揮しようとする場合に比べて、外部からの熱による光学補償機能への影響も少なくなることから液晶ディスプレイを高耐熱性化することが可能となる。さらに、インセルタイプの位相差層を用いる場合には、位相差フィルムが設けられる場合に問題となるフィルム材そのものの経時収縮を心配する必要もなくなって、優れた信頼性をもって光学補償機能を発揮可能な液晶ディプレイを提供することが可能となる。
したがって、IPS−LCDを含め液晶ディスプレイにおいてはインセルタイプの位相差層を設けて光学補償機能に一層優れたものを得ることが切望されている。
液晶ディスプレイにインセル化した位相差層を形成する場合、位相差層自体は、対向基板においてその対向基板の厚み方向に駆動液晶層との距離の近い方の面(インセル側)と遠い方(アウトセル側)の面、および、TFTアレイ基板においてそのTFTアレイ基板の厚み方向に駆動液晶層との距離の近い方(インセル側)の面と遠い方(アウトセル側)の面のいずれにも形成することは可能であるが、特に、位相差層は、対向基板のインセル側に設置されることが好ましい。対向基板がカラーフィルタであるような場合に、位相差層がカラーフィルタのインセル側に設置されることになり、そのカラーフィルタに新たな機能の付加を施すことが容易となる(例えば、特許文献4、特許文献5、特許文献6)。具体的には、上記したようなカラーフィルタの透明保護層をインセルタイプの位相差層とすることで、位相差層に、光学補償機能のみならず、透明保護層としての機能を付加することができる。
特開平5−142531号公報 特開2002−174724号公報 特開2002−174725号公報 特開2004−240102号公報 特開2005−24919号公報 特開2005-003750号公報
しかしながら、IPS−LCDなどの液晶ディスプレイにおいて、インセルタイプの位相差層を設け、この位相差層に光学補償機能のみならず透明保護層の機能を兼ね備えさせようとしても、例えば位相差層に透明保護層の機能を発揮させるために位相差層の膜厚みを厚くしてカラーフィルタなどの段差面に伴う表面段差を平滑化し、基板表面を位相差層の下地をなす層(下地層)よりも平滑にしようとすれば、位相差層は、その位相差層を通過する光に対して必要以上の位相差を生じさせるなどにより光学補償機能に劣るものとなってしまっていた。また、これとは逆に、光学補償機能を効果的に発揮する程度まで位相差層の厚みを薄くしようとすると透明保護層の機能の低下を招く虞が生じていた。したがって、光学補償機能と透明保護層としての機能と両方の機能を効果的に発揮する位相差層を得ることは非常に困難な状況にあった。
本発明は、液晶ディスプレイに組み込み可能な位相差制御部材において、インセルタイプの位相差層に透明保護層の機能と光学補償機能とを効果的に発揮させる位相差制御部材を提供すること、およびそのような位相差制御部材を組み込んだ液晶ディスプレイを提供すること、さらには位相差制御部材を形成するための液晶材料組成物を提供することを目的とする。
本発明は、(1) 基材表面上に下地層を積層して段差面が形成され、且つ、該段差面上に位相差層を積層してなる位相差制御部材において、
位相差層の光軸が位相差層の厚み方向に法線を有する面に対して起立しており、且つ、
位相差層の表面の段差量Tが500nm未満であり、
互いに直交するx軸とy軸を位相差層の面内方向にとり、位相差層の法線方向にz軸をとり、位相差層の屈折率を、x軸方向、y軸方向、z軸方向についてそれぞれnx、ny、nzとした場合に、波長589nmの光に対するnx、ny、nzに基づき係数P=(nz−((nx+ny)/2))にて定義される係数Pと、位相差層の厚さd(nm)とが下記式1、式2、式3のいずれをも満たしている、ことを特徴とする位相差制御部材である。
(数1)
0.06≦P≦0.17 (式1)
d≦2000 (式2)
120≦P×d≦170 (式3)
また、本発明は、(2)下地層は、ブラックマトリクスと色パターンを有する着色層であることを特徴とする、上記(1)に記載の位相差制御部材、(3)下地層は、ブラックマトリクスであることを特徴とする、上記(1)に記載の位相差制御部材、(4)位相差層は、重合性官能基を有する液晶分子を含有する液晶材料組成物を段差面上に塗布して液晶塗布膜を成膜し、該液晶塗布膜に含まれる液晶分子に配向性を付与し、且つ、該液晶塗布膜に活性放射線を照射して液晶分子を重合させることを通じて形成されるものである、上記(1)から(3)のいずれかに記載の位相差制御部材、(5)位相差層は、重合性官能基を有する液晶分子と位相差調整用添加物とを含有する液晶材料組成物を段差面上に塗布して液晶塗布膜を成膜し、該液晶塗布膜に含まれる液晶分子に配向性を付与し、且つ、該液晶塗布膜に活性放射線を照射して液晶分子を重合させることを通じて形成されるものである、上記(1)から(3)のいずれかに記載の位相差制御部材、(6)対面する一対の基板のうち、少なくとも一方の基板に電極を配設するとともに、該一対の基板の間に液晶組成物を封入して電場の変化に応じて液晶の配向性を変えることができる駆動液晶層を形成してなる液晶ディスプレイにおいて、該一対の基板のいずれかに、上記(1)から(5)のいずれかに記載の位相差制御部材が組み込まれてなる液晶ディスプレイ、であってもよい。
本発明は、(7)位相差制御部材の段差面上に形成される位相差層を形成するための液晶材料組成物であって、重合性官能基を有する液晶分子と位相差調整用添加物が含有され、段差面上に塗布されて液晶塗布膜を構成するとともに、液晶塗布膜に含まれる液晶分子に配向性を付与し、且つ、該液晶塗布膜に活性放射線を照射して液晶分子を重合させることを通じてなる位相差層を形成するための液晶材料組成物であり、位相差層の光軸が位相差層の厚み方向に法線を有する面に対して起立しており、且つ、位相差層の表面の段差量Tが500nm未満であり、互いに直交するx軸とy軸を位相差層の面内方向にとり、位相差層の法線方向にz軸をとり、位相差層の屈折率を、x軸方向、y軸方向、z軸方向についてそれぞれnx、ny、nzとした場合に、波長589nmの光に対するnx、ny、nzに基づき係数P=(nz−((nx+ny)/2))にて定義される係数Pと、位相差層の厚さd(nm)とが下記式1、式2、式3のいずれも満たすような位相差層を形成するためのものである、ことを特徴とする液晶材料組成物、であってもよい。
(数2)
0.06≦P≦0.17 (式1)
d≦2000 (式2)
120≦P×d≦170 (式3)
本発明の位相差制御部材によれば、液晶ディスプレイに組み込まれた場合に、位相差制御部材の表面の段差量を抑えて、位相差制御部材に過度に大きな段差を生じる虞を効果的に抑制することができる。したがって、位相差制御部材が液晶ディスプレイに組み込まれるにあたり、位相差層に駆動液晶層が対面する場合においても、駆動液晶層に含まれる駆動液晶の配向に乱れが生じにくく、透明保護層の機能を効果的に発揮させることが可能となり、インセルタイプの位相差層に透明保護層の機能と光学補償機能とを効果的に発揮させることが可能となる。
本発明の位相差制御部材によれば、ブラックマトリクスを下地層となすことができるほか、ブラックマトリクスと色パターンとでなる着色層を下地層となすことができるので、ブラックマトリクスや色パターンの形成に伴って形成される段差面を位相差層で被覆することができ、ブラックマトリクスや色パターンの形成の際に過度に大きな段差を有する段差面が形成されても、位相差制御部材の最表面の段差量を抑えて段差を効果的に解消することができる。
一般的に、液晶ディスプレイでは、基板と駆動液晶層との間に駆動液晶層を構成する液晶分子の配向を規制する配向膜が形成される。すると、位相差制御部材を組み込んだ液晶ディスプレイを製造するにあたっては、位相差制御部材と駆動液晶層との間に配向膜が介在形成されるのが一般的であるということになる。ところが、そのような配向膜は、通常500Å程度であり、位相差層よりも十分に薄く形成されるものであるため、その配向膜では位相差制御部材の最表面の段差を解消することが困難である。この点、本発明の位相差制御部材によれば、位相差層の最表面に生じる段差が段差量Tの値で500nm未満に収まるように構成されているので、配向膜を備える一般的な液晶ディスプレイについてみても、下地層の段差によって駆動液晶層とそれに接触する層との接触界面付近において駆動液晶層に含まれる液晶の分子が予定しない配向を付与される虞を抑制する効果、および駆動液晶層を構成する液晶の配向性に大きな乱れ生じさせてしまう虞を抑制できるという効果を十分に奏する。
本発明の位相差制御部材においては、位相差層は、重合性官能基を有する液晶分子(重合性液晶分子)を含む液晶材料組成物を下地面たる段差面上に塗布して液晶塗布膜を得て、その得られた液晶塗布膜に含まれる重合性液晶分子を重合させて形成されるものであるので、重合性液晶分子の高分子(液晶ポリマー)構造を形成しており、したがって耐熱性に優れ、位相差層の光学特性を示す複屈折率特性が熱による影響をうけにくく、例えば、車内のように比較的高温になりやすい環境下にあっても容易に使用することができる効果を奏する。こうした効果は、重合性液晶分子が、3次元架橋重合可能な重合性液晶分子である場合には、その高分子構造が強固なものとなることから、特に大きい。
また、本発明の位相差制御部材によれば、位相差調整用添加物を添加された液晶材料組成物を用いて成膜された液晶塗布膜を位相差層となしたものでもよく、液晶ディスプレイの設計に応じて位相差層の光学補償機能を適宜調整することが容易となる。
さらに、本発明の位相差制御部材は液晶ディスプレイを構成する基板に組み込まれることで、基板にインセルタイプの位相差層を造り込むことができ、光学補償機能を有する位相差層を備えるフィルム材などの部材を別体にて作成して、それを基材に貼り付けて配設するといった工程を経ることなく液晶ディスプレイを設計することが可能となる。そして本発明によれば、位相差フィルムを用いる場合に必要とされた粘着剤などを要せずに光学補償機能を発揮させる構成を基板に備え付けることが可能となり、粘着剤による光の散乱の虞を低減することが可能となるほか、液晶ディスプレイを一層薄型化できる。
本発明によれば、従来の液晶ディスプレイにおける透明保護層の機能をインセルタイプの位相差層で十分に果たすことができるので、透明保護層を省略することができ、液晶ディスプレイを一層薄型化することができる。
本発明において製造される位相差制御部材1は、基材2の表面に下地層5が積層されて段差面8が形成され、段差面8を覆って位相差層4が積層されて構成されている(図1)。
基材2は、光透過性を有する基材形成材からなり、基材形成材を単層で構成されても、複数種類の基材形成材にて多層に構成されてもよい。基材2の光線透過率は、適宜選定可能である。
基材形成材は、光学的に等方性を有するように構成されていることが好ましい。基材形成材としては、ガラス基板などのガラス材の他、種々の材質からなる板状体を適宜選択できる。具体的には、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロースなどからなるプラスチック基板であってもよいし、またさらにポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリプロプレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルケトンなどのフィルムを用いることもできる。ただし、特に位相差制御部材を液晶ディスプレイ用に用いる場合には、基板形成材は無アルカリガラスであることが好ましい。
本発明の位相差制御部材1においては、基材2の表面に下地層5が積層形成されることで、基材2表面から盛り上がった部分(図1の例では、図1の紙面において位相差制御部材1の上側表面のうち相対的に幅厚な部分に対応する部分)と、その盛り上がった部分に対して相対的に奥方に引っ込んだ部分(図1の例では、図1の紙面において位相差制御部材1の上側表面のうち相対的に幅薄な部分に対応する部分)とが形成され、その盛り上がった部分と引っ込んだ部分とで段差が形成され、こうした段差を基材2の面内方向に多数形成して段差面8が形成されている。下地層5は、位相差制御部材1の設計に応じて適宜基材2全面や部分的に設けられて段差面8を形成する。段差面8は、下地層5と基材2と両者の組み合わせにて形成されてよく、また、段差面8は、下地層5単独で全面的あるいは部分的に形成されてもよい。
下地層5としては、基材2表面上に積層形成可能な層構造を挙げることができ、具体的には、その厚み方向に進行する光を遮断する遮光層をなすブラックマトリクスや、そうした光のうち所定範囲の波長の可視光を通過させる層や、それらを適宜組み合わせてなる着色層、などといった層構造を挙げることができる。
本発明の位相差制御部材1において、下地層5が着色層13である場合について説明する。特に、位相差制御部材1につき、基材2の表面上に、色パターンとブラックマトリクスとを有する着色層が形成されている場合を一例として説明する(図2、3)。図2、図3は、下地層5が着色層13である場合の位相差制御部材1の実施例の一つを説明するための断面を示すそれぞれ概略断面図、概略平面図である。なお、図3では、説明の都合上、位相差層4を省略している。
位相差制御部材1は、基材2の一方の表面に遮光性のブラックマトリクス15が縦横に格子状(格子縞状)に塗工形成され、これによりブラックマトリクス15の非形成領域が開口部20として格子点状に多数形成される。このとき、ブラックマトリクス15の形成領域が遮光部に相当し、開口部20が透過部に相当する。
ブラックマトリクス15は、例えば、金属クロム薄膜やタングステン薄膜等、遮光性又は光吸収性を有する金属薄膜を基材2面にパターニングすることにより、形成することができる。また、ブラックマトリクス15は、黒色顔料を含む樹脂等の有機材料を所定形状に印刷することにより形成することも可能である。
ブラックマトリクス15を配置した基材2の上には、開口部20を覆うように三色の色パターン16,17,18が短冊状に配列されて、これら色パターン16,17,18とブラックマトリクス15とで着色層13が形成されている(図2、図3)。色パターン16,17,18は光透過性を有しており、透過する可視光を分光してそれぞれ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の光となす。したがって図3に二点鎖線で示すように、RGBの三色の色パターン(赤色(R)の色パターン16、緑色(G)の色パターン17、青色(B)の色パターン18)によってそれぞれ被覆された開口部20が形成されてそれぞれ画素をなし、そして三色の色パターン16,17,18によって被覆された三つの開口部20があわさって、一つの絵素21が形成される。
色パターン16,17,18は、色種ごとに、各色種に対応する顔料と樹脂などを配合してなる着色材料を溶媒に分散させた着色材料分散液を基材2に塗布して形成される塗膜を、例えばフォトリソグラフィー法で、例えば短冊状などといった所定形状にパターニングすることで形成されるほか、着色材料分散液を所定形状に基材2に塗布することによっても形成できる。
着色層13においてブラックマトリクス15が形成される場合、このブラックマトリクス15は、遮光部としての機能として、おおよそ短冊状に塗工される色パターン16,17,18の混色を防止する機能と、開口部20を平面視上区画化して、絵素21の輪郭を鮮明化する機能、さらにまた、位相差制御部材1が液晶ディスプレイに組み込まれる際に、基板に通常配置され液晶を駆動させるために用いられるTFTなどといった駆動回路などを、透過光から隠蔽する機能を併せもつ。
位相差制御部材1において、着色層13は、色パターン16,17,18とブラックマトリクス15とで基材2表面を被覆しており、相隣する色パターン16,17,18の間に隙間領域が形成され、その隙間領域ではブラックマトリクス15が表面に露出している。この場合、位相差制御部材1を平面視した場合に、この隙間領域のブラックマトリクス15の部分は色パターン16,17,18よりも奥方に引っ込んだ部分をなし、色パターン16,17,18はブラックマトリクス15上に部分的に乗りあげてブラックマトリクス15よりも盛り上がった部分をなしており、これら引っ込んだ部分と盛り上がった部分とで段差が形成されて段差面8が形成されている。
なお、本発明の位相差制御部材1においては、着色層13を構成する色パターン16,17,18は、色種ごとに、厚みを異にして形成されていてもよい。色パターンが色種ごとに厚みを異にして形成されている場合には、基材2表面からの盛り上がりの程度が色パターン16,17,18について互いに異なることになるので、基材2表面からの盛り上がりの程度を異にする隣あう色パターンが配置されることになる。そうすると、位相差制御部材1が、隣り合う色パターンに隙間領域を形成せず、ブラックマトリクス15と色パターン16,17,18とで段差を形成しないような場合であっても、隣り合う色パターン間で段差が形成され、やはり基材2上に着色層13を積層して得られるものについて最表面に段差面が形成される。
また、位相差制御部材1は、その用途や光学的な仕様によってはブラックマトリクス15を不要とする場合(この場合には、着色層13は、色パターンで構成される。)もある。そのような場合、上記したように色パターンは色種ごとに厚みを異にして形成される場合があるので、やはり段差面が形成される場合がある。
本発明の位相差制御部材1においては、ブラックマトリクス15の配置形状は矩形格子状である場合に限定されず、ストライプ状や三角格子状などに形成してもよい。また着色層13を構成する色パターンについても、RGB方式の三色の場合のほか、その補色系であるCMY方式とすることも可能であり、さらに単色もしくは二色の場合、または四色以上の場合なども採りうる。また色パターンの形状も、短冊状にパターン形成する場合のほか、矩形状や三角形状などの微細パターンを基材2上に多数分散配置するパターンの場合など、目的に応じて種々のパターンを採りうる。
本発明の位相差制御部材1において、下地層5は、ブラックマトリクス15でもよい。その場合、図4に示すように、基材2の一方の表面に、上記着色層13の場合と同様に、遮光性のブラックマトリクス15が縦横に格子状に塗工形成され、これによりブラックマトリクス15の非形成領域が開口部20として格子点状に多数形成されるとともにブラックマトリクス15の形成領域が遮光部をなす。
基材2表面上に形成されたブラックマトリクス15は、ブラックマトリクスの形成領域において基材2の表面が覆われて基材2より盛り上がった部分をなし、ブラックマトリクス15の非形成領域において基材2の表面が露出して、ブラックマトリクス15の形成領域よりも相対的に引っ込んだ部分をなしており、これらブラックマトリクス15にあたる盛り上がった部分と基材2にあたる引っ込んだ部分とで段差を多数形成して、基材2上に段差面8を形成している。
なお、下地層5は、TFTなどのスイッチング素子、ITO膜などの透明電極で構成される層構造とすることもできる。透明電極は、スパッタリング法など公知の手段を適宜選択して基材表面上に適宜パターニングすることで形成できる。
位相差層4は、その厚み方向に位相差層4の内部を進行して一方側の表面から入射されて他方側の表面より出射する光につき、その光が位相差層4の内部を進行する際に光を複屈折させる機能を有する層である。
位相差層4は、その屈折率nx、ny、nzについて、nx<nz、ny<nzを満たし、nxとnyは等しい、もしくは殆ど等しい関係となっており、いわゆる「+Cプレート」(正のCプレート)として機能する。ただし、位相差層4の屈折率につき、位相差層4の厚み方向(位相差層4の法線方向)にz軸(図7においてz)をとり、位相差層4の面内方向(位相差層4の厚み方向に法線を有するような面(平面)についての面内方向(その平面に平行する方向))にx軸(図7においてx)、y軸(図7においてy)を相互に直交するようにとってxyz空間を想定した場合、x軸、y軸、z軸方向の光の屈折率をそれぞれnx、ny、nzとして定義する。
位相差層4は、分子構造中に重合性官能基を有する液晶分子(重合性液晶分子という)を重合反応させてなる高分子構造を形成している。
位相差層4は、液晶分子を特定の方向に配向させた状態にて形成されている。液晶分子は、その分子構造に応じた光軸を有し、その光軸の状態に応じて定まる複屈折特性を備えており、特定の方向に液晶分子を配向させて固定することで、その配向状態に応じた複屈折特性を有する層構造を構成することができ、具体的には、いわゆる正のCプレートの機能を有する層として位相差層4が構成される。
位相差層4を構成する液晶分子は、位相差層4を正のCプレートの機能を有する層となすことができるものから適宜選択できる。そのような液晶分子としては、ネマチック液晶相を形成可能な液晶分子やスメクチック液晶相を形成可能な液晶分子を用いることができる。
位相差層4を構成する液晶分子は、その液晶分子の構造中に不飽和2重結合を重合性官能基として有する重合性液晶分子が好ましい。また、重合性液晶分子には、耐熱性の点から液晶相状態で架橋重合反応可能な重合性液晶分子(架橋重合性液晶分子、あるいは架橋性液晶分子という)がより好ましく用いられ、架橋重合性液晶分子としては分子構造の両末端に不飽和2重結合を有するもの(不飽和2重結合を2以上有するもの)が好ましい。なお、架橋重合性液晶分子を用いて位相差層4が形成される場合、位相差層4には、架橋重合性液晶分子を相互に架橋させてなる架橋高分子構造が形成されることになる。
位相差層4を得るために用いられる架橋性液晶分子としては、架橋性を有するネマチック液晶分子(架橋性ネマチック液晶分子)などをあげることができる。架橋性ネマチック液晶分子としては例えば、1分子中に(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、オキタセン基、イソシアネート基等の重合性基を少なくとも1個有するモノマー、オリゴマー、ポリマー等が挙げられる。また、このような架橋性液晶分子として、より具体的には、下記化1に示す一般式(1)で表される化合物のうちの1種の化合物(化合物(I))もしくは2種以上の混合物、下記化2に示す一般式(2)で表される化合物のうちの1種の化合物(化合物(II))もしくは2種以上の混合物、化3、化4に示す化合物(化合物(III))のうちの1種の化合物或いは2種以上の混合物、またはこれらを組み合わせた混合物を用いることができる。
Figure 2009109686
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化1に示す一般式(1)において、RおよびR2は、それぞれに、水素またはメチル基を示すが、架橋性液晶分子が液晶相を示す温度の範囲をより広くするには少なくともR及びR2のどちらか一方が水素であることが好ましく、両方が水素であることがより好ましい。また一般式(1)におけるX及び一般式(2)のYは、水素、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、シアノ基またはニトロ基のいずれであってもよいが、塩素またはメチル基であることが好ましい。また、一般式(1)の分子鎖両端の(メタ)アクリロイロキシ基と芳香環と間のアルキレン基の鎖長を示すaおよびb並びに、一般式(2)におけるdおよびeは、それぞれ個別に1〜12の範囲で任意の整数をとり得るが、4〜10の範囲であることが好ましく、6〜9の範囲であることがさらに好ましい。a=b=0である一般式(1)の化合物(I)またはd=e=0である一般式(2)の化合物(II)は安定性に乏しく、加水分解を受けやすい上に、化合物(I)または(II)自体の結晶性が高い。また、aやb、あるいはdやeがそれぞれ13以上である一般式(1)の化合物(I)または一般式(2)の化合物(II)は、等方相転移温度(TI)が低い。この理由から、これらの化合物は、どちらについても液晶分子が液晶性を安定的に示す温度範囲(液晶相を維持する温度範囲)が狭いものとなり、位相差層4に用いるには好ましくない。
架橋性液晶分子として、上記した化1、化2、化3、化4では重合性を備える液晶(重合性液晶)のモノマーを例示したが、重合性液晶のオリゴマーや重合性液晶のポリマー等を用いてもよく、これらについても、上記した化1、化2、化3、化4などのオリゴマーやポリマーなどといった公知なものを適宜選択して用いることができる。
位相差層4においては、液晶分子の重合度(架橋重合性液晶分子の場合は、架橋重合度)が80以上程度であることが好ましく、90以上程度であることがより好ましい。位相差層4を構成する液晶分子の重合度が80より小さいと、均一な配向性を十分に維持できない虞がある。なお、上記重合度、架橋重合度は、液晶分子の重合性官能基のうち液晶分子の重合反応に消費された割合を示す。
上記したような液晶分子を用い、位相差層4は、次のように正のCプレートとしての光学補償機能を有する層をなして形成される。
位相差層4は、その光軸が上記にて想定したxyz空間におけるz軸方向を向くように、正の複屈折異方性の液晶分子を配向させて固定することにより形成される。
具体的には、位相差層4は、次のようにして形成することができる。
まず、位相差層4を構成する上記した化合物(I)化合物(II)化合物(III)のような液晶分子と、溶媒とを配合して液晶材料組成物が調整される。液晶材料組成物には、必要に応じて、液晶分子を垂直に配向させる配向助剤(垂直配向助剤ということがある)などを含む添加剤が適宜添加されてもよい。
液晶材料組成物の調整に用いる溶媒としては、位相差層4を構成する液晶分子を溶解させることができるものであれば特に限定されず、具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン、n−ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン等の炭化水素類、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン等のケトン類、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、グリセリン、モノアセチン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等のアルコール類、フェノール、パラクロロフェノール等のフェノール類等の1種又は2種以上が使用可能である。単一種の溶媒を使用しただけでは、架橋性液晶分子等の配合物成分の溶解性が不充分である場合や、液晶材料組成物を塗布する際における塗布の相手方となる素材(基材を構成する素材)が侵される虞がある場合等には、2種以上の溶媒を混合使用することにより、これらの不都合を回避することができる。上記した溶媒のなかにあって、単独溶媒として好ましいものは、炭化水素系溶媒とグリコールモノエーテルアセテート系溶媒であり、混合溶媒として好ましいものは、エーテル類又はケトン類と、グリコール類とを混合した混合系溶媒である。液晶材料組成物溶液の配合物成分の濃度は、液晶材料組成物に用いる配合物成分の溶媒への溶解性や位相差層に望まれる層厚み等により異なるが、通常は1〜60重量%、好ましくは3〜40重量%の範囲である。
液晶材料組成物に含まれる垂直配向助剤としては、ポリイミドや、界面活性剤やカップリング剤が具体的に例示される。
垂直配向助剤としてポリイミドを用いる場合、ポリイミドは、長鎖アルキル基を有するものであることが、位相差制御部材に形成される位相差層4の厚さを広い範囲で選択することができて好ましい。なお、垂直配向助剤がポリイミドである場合、ポリイミドとしては、具体的には、日産化学社製のSE−7511やSE−1211、あるいはJSR社製のJALS−2021−R2等を例示できる。
垂直配向助剤として界面活性剤を用いる場合、界面活性剤は、重合性液晶分子をホメオトロピック配向させることができるものであればよいが、位相差層の形成の際に液晶分子を液晶相への転移温度まで加熱する必要があることから、液晶相への転移温度でも分解されない程度に耐熱性を有していることが要請される。また、位相差層4の形成の際、液晶分子は有機溶媒に溶解させる場合があることから、そのような場合には、液晶分子を溶解させる有機溶媒との親和性が良好であることが要請される。このような要請をみたすものであれば、界面活性剤はノニオン系、カチオン系、アニオン系等の種類を限定されず、1種類の界面活性剤のみを用いてもよいし、複数種の界面活性剤を併用してもよい。
垂直配向助剤としてカップリング剤を用いる場合、カップリング剤としては、具体的には、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、n−ドデシルトリメトキシシラン、n−ドデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシランなどのシラン化合物を加水分解して得られるシランカップリング剤や、アミノ基含有シランカップリング剤、フッ素基含有シランカップリング剤などを例示することができる。これらのカップリング剤は、複数種選択されて、液晶材料組成物に添加されてもよい。
また、液晶材料組成物には、必要に応じて、光重合開始剤、増感剤が添加される。
光重合開始剤としては、例えば、ベンジル(もしくはビベンゾイル)、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’メチルジフェニルサルファイド、ベンジルメチルケタール、ジメチルアミノメチルベンゾエート、2−n−ブトキシエチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、メチロベンゾイルフォーメート、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオサントン等を挙げることができる。
液晶材料組成物に光重合開始剤が配合される場合、光重合開始剤の配合量は、0.01〜10重量%である。なお、光重合開始剤の配合量は、重合性液晶分子の配向をできるだけ損なわない程度であることが好ましく、この点を考慮して、0.1〜7重量%であることが好ましく、0.5〜5重量%であることがより好ましい。
また、液晶材料組成物に増感剤が配合される場合、増感剤の配合量は、重合性液晶分子の配向を大きく損なわない範囲で適宜選択でき、具体的には0.01〜1重量%の範囲内で選択される。光重合開始剤及び増感剤は、それぞれ、1種類のみ用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
このように液晶材料組成物が調整されると、次いで、この液晶材料組成物を、基材2に下地層を積層して形成された段差面上に塗布して液晶塗布膜を作成する。
この液晶材料組成物の塗布方法としては、ダイコート、バーコート、スライドコート、ロールコート等といった各種印刷法やスピンコート方法などを、適宜採用することができる。
次に、基材2の段差面側表面に塗布して作製された液晶塗布膜に含まれる重合性液晶分子には、例えば次に示すように配向性が付与される。ここに位相差制御部材1が正のCプレートであるので、液晶分子はホメオトロピック配向させた位相差層を構成することになる。液晶分子に対する配向性の付与は、液晶塗布膜を加熱して、液晶塗布膜の温度を、液晶塗布膜中に含まれる液晶分子が液晶相となる温度(液晶相温度)以上、液晶塗布膜中に含まれる液晶分子が等方相(液体相)となる温度未満にすることで、実施される。このとき液晶塗布膜の加熱手段は、特に限定されず、液晶塗布膜を形成した基材を加熱雰囲気下におく手段でもよいし、液晶塗布膜に赤外線を照射して加熱する手段でもよい。
なお、重合性液晶分子を配向させる方法は、上記方法による他、液晶塗布膜に含まれる重合性液晶分子やこの液晶塗布膜の状態に応じ、液晶塗布膜を一旦等方相温度まで加熱し、その後に液晶塗布膜を冷却し、その冷却の過程で自発的に液晶分子に配向を誘起させる方法や、液晶塗布膜に対して所定方向から電場や磁場を負荷する方法によっても実現可能である。
また、液晶相となる温度範囲が室温よりも高く、通常室温では液晶相を示さない重合性液晶分子が液晶材料組成物に含有される液晶分子として用いられた場合であっても、室温で過冷却状態の液晶相を示す液晶分子を含有した液晶材料組成物であれば、その液晶材料組成物を、液晶分子が液晶相を示す時間の範囲内で、室温でも、配向性を付与された液晶分子を含有する液晶塗布膜を形成するために使用することが可能である。
このようにして液晶塗布膜中に含まれる液晶分子に配向性が付与された状態が形成されると、液晶分子同士を重合反応(液晶分子が架橋重合性液晶分子の場合は、架橋重合反応)させる。
この重合反応は、液晶材料組成物中に添加された光重合開始剤の感光波長の光(具体的には例えば紫外線)などの活性放射線を、液晶相の状態となっている液晶分子を含有している液晶塗布膜に向けて、その液晶塗布膜全面に照射することで進行する。このとき、液晶塗布膜に照射する光の波長は、この塗膜中に含まれている光重合開始剤の種類に応じて適宜選択される。なお、液晶塗布膜に照射する光は、単色光に限らず、光重合開始剤の感光波長を含む一定の波長域を持った光であってもよい。
また、液晶分子の重合反応は、液晶塗布膜が液晶相を示す状態で、光重合開始剤の感光波長の光などの活性放射線を、遮光パターンを有するフォトマスクなどを介して液晶塗布膜に照射して(露光して)重合反応を部分的に進行させ(部分的重合工程という)、部分的重合工程の後、液晶分子が等方相となる温度(Ti)まで液晶塗布膜を加熱し、この状態でさらに感光波長の光などの活性放射線を液晶塗布膜に照射して重合反応を進行させる方法や、部分的重合工程の後に液晶塗布膜を温度Ti以上に加熱して液晶分子を熱重合させる処理を施すことにより液晶塗布膜に含まれる液晶分子の重合反応を所定の重合度に至るまで進める方法で実施されてもよい。なお、上記した温度Tiは、重合反応を進行させる前の液晶塗布膜において液晶分子が等方相となる温度である。
また、液晶分子の重合反応がフォトマスクを用いた部分的重合工程を経て実施される場合、液晶塗布膜を形成した基材に対して部分的重合工程が実施された後、その基材を、液晶分子の重合反応が不十分で未硬化な状態にある液晶材料組成物を溶解可能な溶液に浸漬することにより、液晶塗布膜において液晶分子の重合反応が進まなかった部分を基材面から除去し、基材上に液晶相の液晶分子を含む層構造を所定のパターンで形成する(パターニングする)ことも可能である。
なお活性放射線を照射して液晶塗布膜中の液晶分子を重合反応させることによる液晶塗布膜の硬化は、空気雰囲気下で実施されるのみならず、不活性ガス雰囲気中でも実施できる。
位相差層4においては、その高分子構造(液晶分子が架橋重合性液晶分子である場合は、架橋高分子構造)を構成する個々の液晶分子のチルト角について、位相差層4の厚さ方向および面内方向に異なる位置に存在する液晶分子のチルト角がおおよそゼロであることが好ましくゼロであることが理想的である。また、液晶分子のチルト角がゼロもしくはおおよそゼロでない場合には、チルト角が等しく且つ方位角(位相差層4の平面視上、液晶分子の光軸の向かう方向)が180°あるいはその前後異なる関係にある液晶分子の数が等しいもしくはほぼ等しいことが好ましい。
すなわち、個々の液晶分子について互いに直交するように3つの軸からなるとともにそのうちの1つの軸が分子の長手方向を向いているような3次元座標系を想定した場合に、その3つの軸の各軸方向についての液晶分子の屈折率(N1,N2,N3とする)のうち屈折率の大きいものを液晶分子の長軸(あるいは液晶分子の光軸)として定めると、例えば、N1からN3のうちN1が最大である場合に、大きさN1且つN1を与える軸が液晶分子の長軸として定められるが、そのような液晶分子の光軸は、位相差層4の厚み方向に揃っていることが理想的である。なお、個々の液晶分子について互いに直交する3つの軸からなる3次元座標系は、上記にて位相差層について想定したx軸、y軸、z軸とは独立した異なる3次元座標系である。
また、位相差層4について、液晶分子のチルト角がゼロもしくはおおよそゼロでない場合には、チルト角が等しく且つ方位角(位相差層4の平面視上、液晶分子の光軸の向かう方向)が180°あるいはその前後異なる関係にある液晶分子の数が等しいもしくはほぼ等しいことが好ましい。
このような場合、位相差層4の光軸としては位相差層4の厚み方向に揃うあるいは略揃うこととなり、位相差層4は、その複屈折特性の均一なものとなり、位相差層4の面内方向にむらの少ないものとなる。
なお、位相差層4は、その屈折率特性を次のように適宜調整して、位相差層4を通過する光に生じる位相差量の調整されたもの、すなわち光学補償機能を調整されたものとすることができる。
例えば、液晶材料組成物に含まれる液晶分子として紫外線重合型のサーモトロピックな液晶分子を使用して、液晶塗布膜に紫外線を照射する際の温度を制御することにより、位相差層4の光学補償機能を適宜調整することができる。これは、サーモトロピックな液晶材料組成物が液晶相を示す温度範囲内において等方相温度により近くなるに従い(すなわち液晶相を示す温度範囲内での温度上昇に従い)液晶分子の熱揺らぎが増大して、液晶材料組成物の屈折率異方性が低下することに由来しているためと思料される。また、この液晶塗布膜に紫外線を照射する際の温度を制御する方法以外にも、液晶分子として紫外線重合型のサーモトロピックな液晶分子を使用し、紫外線照射後の焼成温度や、焼成時間を調整することによっても、位相差層4の光学補償機能の調整が可能となる。
また、液晶材料組成物に、正のCプレートとしての機能を備える位相差層を形成できる範囲で、液晶性を示さない添加物を添加し、その添加物を添加された液晶材料組成物を用いて液晶塗布膜を成膜してこれを位相差層4となすことによっても、効果的に位相差層4の光学補償機能を調整することが可能である。その場合、液晶材料組成物に添加される添加物(位相差調整用添加物)としては、位相差層4の透明性が維持できて、かつ硬化後に十分な硬度が維持できれば、無機物、有機物を問わずに適用が可能であり、具体的には、(メタ)アクリレートや、エポキシアクリレートオリゴマー、反応性エポキシ樹脂、シリカビーズ、硫酸バリウムなどを用いることができる。
液晶材料組成物に位相差調整用添加物を添加する場合にあっては、位相差調整用添加物は、その分子中に重合性官能基を有し、重合性液晶分子の重合により構成される液晶分子の高分子鎖のネットワーク中(高分子鎖中)と分離せずに取り込まれることが可能なものであることが好ましい。このような位相差調整用添加物が用いられる場合、位相差調整用添加物が液晶材料組成物から相分離してしまう虞や、位相差調整用添加物の添加によって位相差層の硬度が過度に低下してしまう虞を抑えることができる。また、このような観点から、位相差調整用添加物は重合性液晶分子と共重合体を構成することがより好ましく、さらに1分子中に複数の重合性官能基を有する事により、3次元架橋が可能であることが特に好ましい。このような位相差調整用添加物によれば、位相差層4の硬度を維持して透明保護層としての機能を維持したまま、屈折率nzをnx、nyの値に適宜近づけるように調整することができ、位相差層4の見かけの屈折率異方性を低く調整することができ、位相差層4の光学補償機能の調整を図ることができる。
重合性液晶分子と共重合体を構成する位相差調整用添加物としては、重合性の多官能アクリレートを好ましく用いることができ、重合性の多官能アクリレートとしては、ジプロピレングリコールジアクリレート、アルコキシ化ヘキサンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、アルコキシ化脂肪族ジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1、4−ブタンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化(4)ペンタエリスリトールテトラアクリレート、などが使用可能であり、具体的な商品名としては、KAYARADシリーズ(日本化薬社製)、ライトエステルシリーズ(共栄社化学社製)、SR&CDシリーズ(サートマー社製)、アロニックスシリーズ(東亜合成社製)などが好適に使用することができるエポキシアクリレートオリゴマーとしは、CN115、CN116、CN118など、CNシリーズ(サートマー社製)を好適に使用することができる。反応性エポキシ樹脂としては、エピコートシリーズ(ジャパンエポキシレジン社製)を好適に使用することができる。シリカビーズとしては、スノーテックスシリーズ(日産化学工業社製)などが好適に使用できる。また、硫酸バリウムとしてはBARIFINE/BFシリーズ(堺化学社製)を用いることができる。
なお、位相差層4の形成にあたり、基材2と位相差層4との間に予め垂直配向膜を介在させ、垂直配向膜の表面に対して直接に位相差層4が積層形成されてもよく、こうすることで、位相差層4の光軸をより均一化しつつz軸方向に向けることができて好ましい。
垂直配向膜は、垂直配向膜を構成する成分を含んだ垂直配向膜組成液をフレキソ印刷やスピンコート等の方法で基材2上に塗布して垂直配向膜形成用塗膜を形成し、この塗膜を硬化させることで形成することができる。垂直配向膜組成液としてはポリイミドを含む溶液が挙げられる。そのようなポリイミドを含む垂直配向膜組成液としては、具体的には、日産化学社製のSE−7511やSE−1211、あるいはJSR社製のJALS−2021−R2等を挙げることができる。
垂直配向膜は、その膜厚みが100Åから1000Å程度の範囲であることが好ましい。垂直配向膜の膜厚が、100Åよりも薄いと、液晶分子をホメオトロピック配向させる効果を発揮させることが困難になる虞が大きくなる。また、垂直配向膜の膜厚が1000Åよりも厚いと、この垂直配向膜による光の散乱の程度が大きくなって位相差制御部材の光透過率の低下を来す虞が大きくなる。したがって、垂直配向膜が介在してもなお、位相差層4は基材2の段差面を解消する効果を奏しうる。
なお、垂直配向膜が撥水性又は撥油性の高いものである場合には、垂直配向膜上に液晶材料組成物を塗布して位相差層4を形成する前に、液晶分子をホメオトロピック配向させることが可能な範囲内でUV洗浄やプラズマ処理を施して、液晶組成液を塗布しようとする垂直配向膜表面の濡れ性を予め高めておいてもよい。
位相差制御部材1は、その最表面の露出される位相差層4について、位相差層4の表面の段差の大きさ(段差量T(例えば、図1,2,4におけるT))が500nm未満であるが、その位相差層4に段差が生じていない(段差量T=0(ゼロ))のが理想的である。
ここに、位相差制御部材1の最表面をなす位相差層4に盛り上がった部分や奥方に引っ込んだ部分が形成されて段差が存在している場合において、段差量Tは、盛り上がった部分と引っ込んだ部分との間にほぼ平坦(あるいは平坦)な領域が存在している場合、位相差制御部材1の厚み方向の間隔として特定される値であって各盛り上がった部分においてその先端部と基底部との差値、もしくは、位相差制御部材1の厚み方向の長さとして特定される値であって各引っ込んだ部分においてその端縁部(稜線を形成する部分)と底部との差値を示すものとする。
また、盛り上がった部分と引っ込んだ部分との間にほぼ平坦(あるいは平坦)な領域が存在せずに盛り上がった部分と引っ込んだ部分とが相互に繋がっている場合、段差量Tは、位相差制御部材1の厚み方向の長さとして特定される値であって盛り上がった部分の先端部と引っ込んだ部分の底部との差値を示すものとする。
例えば、図2に示す例のように、位相差制御部材1が、ブラックマトリクスと色パターンを有する着色層を下地層とし、着色層の表面にて段差面が形成されているような場合においては、位相差層4は、おおよそ平坦な領域Fsの間に引っ込んだ部分Wsを形成しており、すなわち、引っ込んだ部分Wsに対して無視できる程度に段差の小さいおおよそ平坦な領域Fsの間に、引っ込んだ部分Wsが存在している。この場合、段差量Tは、位相差制御部材1の厚み方向の長さとして特定される値であって各引っ込んだ部分Wsにおいてその端縁部9の位置と底部10の位置との差値(図2におけるT)を示す。
位相差制御部材1は、位相差層4の表面に段差を生じていないか、位相差層4の表面に段差が生じたとしてもその段差が段差量Tの値で500nm未満に収まることで、位相差制御部材1を組み込んだ液晶ディスプレイを製造するにあたって位相差制御部材1の位相差層4と駆動液晶層とで接触界面が形成される場合に、接触界面付近において駆動液晶層に含まれる液晶の分子が位相差層4の段差によって予定しない配向を付与される虞を抑制することができ、さらには、駆動液晶層の配向性に大きな乱れを生じさせてしまう虞を抑制することができる。
位相差層4は、下記式(A)にて定義される係数Pが、下記式(B)に示されるように0.06以上0.17以下の範囲にあり、位相差層4の厚みd(nm)が下記式(C)に示されるように2000nm以下であり、且つ、係数Pと位相差層4の厚みdの積が下記式(D)に示されるように120以上170以下の範囲にあるものである。
(数3)
P=nz−((nx+ny)/2) ・・・式(A)
(数4)
0.06≦P≦0.17 ・・・式(B)
d≦2000 ・・・式(C)
120≦P×d≦170 ・・・式(D)
なお、式(C)、式(D)に示される位相差層4の厚みdは、位相差制御部材1の平面視上、位相差制御部材1を液晶ディスプレイ組み込む場合を想定した場合に画素に対応させることを予定された位相差層4の部分における位相差層4の厚みであって、画素に対応させることを予定された部分に対応する位相差層4の表面部分がマクロ的にみておおよそ平坦な面でなり部分的に微細な凹凸を形成する程度である場合には、その平坦な面の部分の厚みであり、画素に対応させることを予定された部分に対応する位相差層4の表面部分がマクロ的に全体的に凹凸面で形成されるような場合には、その部分の厚みの最大値として定義される。
具体的には、上記したdの値は、位相差層4において画素に対応させる部分が盛り上がった部分や奥方に引っ込んだ部分を有しつつもそうした部分の間におおよそ平坦な(あるいは平坦な)領域が存在している場合には、その平坦な領域の厚みとし、位相差層4において画素に対応させる部分が盛り上がった部分と奥方に引っ込んだ部分を有して平坦な領域が認められない場合には、位相差層4の最大の厚みの存在を予定される所定部分のうち厚みの極大値を与える位置もしくはおおよそそれに近接する位置における位相差層4の厚みとすることで定められる。より詳しくは、位相差層4の厚みdは、次のように定められる。
まず、位相差層4の下地をなす段差面8面内から所定の位置(位相差層厚み指定位置(例えば、図2,4において符号Qにて示す位置))が選択される。位相差層厚み指定位置Qは、位相差制御部材1を通過して光に位相差を生じさせる部分に対応する部分より選択され、且つ、段差面8において盛り上がった部分や奥方に引っ込んだ部分との間におおよそ平坦な(あるいは平坦な)領域が存在している場合には、おおよそ平坦な(あるいは平坦な)領域内より選択される。なお、位相差制御部材1を通過して光に位相差を生じさせる部分に対応する部分は、位相差制御部材1を組み込んだ液晶ディスプレイの設計に応じて画素に対応させることを予定された部分として適宜定められる。
そして、選択された位相差層厚み指定位置Qの上に積層された位相差層4の部分の厚みとして位相差層4の厚みdが特定される(例えば、図2,4において符号d)。
ただし、位相差制御部材1について段差面8において盛り上がった部分や奥方に引っ込んだ部分の両者あるいは一方がそれ自体おおよそ平坦な(あるいは平坦な)部分を有している場合、すなわち平坦な部分が複数種類存在する場合においては、位相差層厚み指定位置は、盛り上がった部分や奥方に引っ込んだ部分などのうちの平坦な部分であって位相差制御部材1を通過して光に位相差を生じさせる部分に対応する部分の領域より選択された位置である。なお、盛り上がった部分と奥方に引っ込んだ部分の両者が位相差制御部材1を通過して光に位相差を生じさせる部分に対応する部分に相当している場合には、位相差層厚み指定位置Qは、奥方に引っ込んだ部分より選択される。
なお、通常は、位相差層4の部分のうちdの値を与える位置となることを予想される部分を含みおおよそ平坦な(あるいは平坦な)部分を複数部分選択し、さらに、それぞれの部分においておおよそ中心の位置(あるいは中心位置)が選択され、各位置における位相差層4の厚みを特定することで位相差層4の厚みの値を複数得て、それらの値の平均値を位相差層4の厚みdとする。
より具体的には例えば、図2に示す例のように、位相差制御部材1が、ブラックマトリクス15と色パターン16,17,18を有する着色層13を下地層とし、着色層13の表面にて段差面8が形成されているような場合においては、段差面8は、盛り上がった部分Sを色パターン16,17,18で構成し、奥方に引っ込んだ部分Wをブラックマトリクス15で構成し、盛り上がった部分Sの間におよそ平坦な部分Fを形成している。図2の例の場合では、位相差制御部材1を通過して光に位相差を生じさせる部分に対応する部分は、平坦な部分Fと盛り上がった部分Sの一部とで構成される部分に対応しているが、位相差層厚み指定位置Qが、およそ平坦な部分Fの領域の中央位置に選択されている。
ここで、図2に示す着色層13としては、色パターン16,17,18の3種類があるが、通常、人間の視感度の高い光が550nmやその周囲の波長の光(すなわち緑色の光)であることから、着色層13を備える位相差制御部材1には、550nmやその周囲の波長の光に対応する厳密な位相差制御を強く要請される。そこで、好ましくは、位相差制御部材1が着色層13を備える場合には、着色層13を構成する色パターン16,17,18のうち、緑色に対応する色パターン17を基準にして位相差層4の厚み(d)を与える位置が定められる。
また、例えば、図4に示す例のように、位相差制御部材1について、盛り上がった部分Sがブラックマトリクス15で構成され、奥方に引っ込んだ部分Wが基材2で構成されるような場合には、位相差層厚み指定位置Qは、位相差制御部材1を通過して光に位相差を生じさせる部分に対応する部分として奥方に引っ込んだ部分Wの領域より選択される。
また、位相差制御部材1について、図1の例に示す構成を備え、且つ、盛り上がった部分と奥方に引っ込んだ部分の両者が位相差制御部材1を通過して光に位相差を生じさせる部分に対応する部分に相当している場合には、位相差層厚み指定位置Qは、奥方に引っ込んだ部分より選択される。図1では、位相差層厚み指定位置Qは、奥方に引っ込んだ部分の中央位置に選択され、その位置における厚みとして位相差層の厚みdが定められる。
位相差制御部材1において、位相差層4の厚みdが式(C)に示されるように2000nm以下であると、位相差層4を形成する液晶材料組成物に起因して位相差層4が黄色に着色した状態が目視でも無視できない程度に達してしまう虞を、抑制することができるようになる。
また、位相差制御部材1において、位相差層4の厚みdが式(C)を満たす範囲にあって、係数Pが式(B)、式(D)に示される範囲を満たすことにより、位相差層4を通過する光に適度な位相差を生じさせ、位相差層4に効果的に光学補償機能を発揮させることができる。
なお、位相差制御部材1の段差面8を覆って位相差層4をより厚く形成するほど、位相差層4の形成部分における面内方向全体につき段差量Tの値を小さくすることができ、図2に示す位相差制御部材1の例では、位相差層4は、位相差層4の厚みd(nm)が1000以上(あるいはおおむね1000以上)である場合に、段差量Tの値を500nm未満にすることができる。
位相差層4において、係数Pの値は、波長が589nmの光(ナトリウムD線)対する屈折率nx、ny、nzの値に基づく値である。なお、波長589nmの光を用いるのは、次の理由に基づく。すなわち、位相差制御部材1が液晶ディスプレイに組み込まれた場合、位相差層4による光学補償機能は、観察者の認識する光漏れを効果的に抑えることを主とする機能であるから、観察者たるヒトの視感度の高い波長の光に対する光学補償を効果的に実施できることが光学補償機能を効果的にする点で好ましい。そこで、一般に、ヒトの視感度が高い光は、波長550nmやその周辺付近の波長帯にある緑色の光であるので、その光に注目し、位相差層として、緑色付近の光の光漏れが最も効果的に抑えられるように位相差量が設定されたものを得ることとした。その際、緑色の波長帯に近い波長の光として得やすく、且つ、位相差量の測定を比較的に容易に実施可能であり、波長550nmよりも長波長側では光の屈折率についての相違がほとんどみられない点で、波長589nmの光が採用され、その光を基準として位相差層4についての係数Pが定められた。
ただ、上記式(A)、式(B)、式(C)を満たすような光学補償機能を有する位相差層4を設定する際の基準として上記の波長589nmの光についての屈折率が基準になると、厳密には589nmの周辺付近でのみ正しく光学補償されるため、結果的に緑色の光漏れのみを効果的に抑制する光学補償機能を発揮する位相差層4が得られることになる。すると、斜め方向から観察した場合に、漏れた光を構成する成分としては相対的に青色成分と赤色成分が多くなり紫がかった光の漏れが観察される結果となる。この場合、正面方向から正面に対して徐々に斜めの方向に観察角度を変化させるに従い、正面ではほぼ可視光全域に渡って光漏れが抑えられて無彩色にて暗表示が実現されるが、観察角度を斜め方向に変化させるに従って、紫がかった漏れ光が生じることにより、暗表示時に黒から紫に色あいがシフトすること(色シフト)が問題となり、正面方向から見た場合の画像と斜め方向から見た場合の画像とが大きく異なる色あいになってしまう場合がある。
したがって、位相差制御部材1として、波長589nmの光を基準にして光漏れを防止する光学補償機能を効果的に発揮するような位相差層4を形成したものを得ようとすれば、色シフトの大きなものが得られてしまい、色シフトを防止しつつ光学補償機能を発揮するような位相差層4を形成したものを得ようとすれば、光漏れを効果的に抑制できないものが得られてしまう。したがって、位相差層を組み込む対象物の設計に応じた光漏れと色シフトの両者のバランスを考慮して位相差層に求められる屈折率を決定する必要がある。
さらに、位相差層4に求められる屈折率を決定するにあたっては、液晶ディスプレイを構成する他の部材により、光の位相差が生じる可能性を考慮する必要がある。
例えば、位相差層4を形成した位相差制御部材を組み込んだ液晶ディスプレイには、偏光板が使用されるが、この偏光板には、TACフィルム(トリアセチルセルロースフィルム)からなる保護フィルムが貼り付けられている場合が多く、このTACフィルムは通過する光に位相差を生じさせる性質を有している。すなわち、位相差層4以外に液晶ディスプレイを構成する他の部材にも位相差を生じさせるものが存在している。こうしたことから、位相差層4に求められる光学補償機能を発揮させる屈折率は、TACフィルムや液晶ディスプレイを構成する各部材による光の位相差を考慮して決定される必要がある。
本発明の位相差制御部材1によれば、位相差層4の厚みdが式(C)を満たす範囲にあって、係数Pが式(B)、式(D)に示される範囲を満たしつつ位相差層4が形成されていることにより、液晶ディスプレイ組み込まれた際(特に、IPS−LCDに組み込まれた際)に液晶ディスプレイを構成する位相差層4以外の他の部材によって位相差を生じても、液晶ディスプレイを上記したような光漏れの防止と色シフトの抑制の両者の光学補償機能のバランスのとれたものにすることができる。
位相差層4の係数Pは、次のようにして具体的に定められる。
まず、位相差制御部材1を用い、電子顕微鏡(JEOL社 走査型電子顕微鏡 JSM−5300など)により位相差制御部材1の断面を拡大観察することにより、段差面8における位相差層厚み指定位置上に形成された位相差層4の厚み(d)を測定する。次に、光学干渉式薄膜測定装置(例えば、フィルメトリクス社製 F20など)を用い、上記で求めた位相差層4の膜厚情報(d(nm)の値)を用いて位相差層4の常光屈折率(通常光に対する屈折率)を求める。ここに、通常、nx=nyであり、常光屈折率は、nxおよびnyに対応する。
さらに、位相差測定装置(例えば、王子計測器社製:KOBRA−21ADH)を用い、位相差層厚み指定位置上に形成された位相差層4の部分の表面に向けて、波長589nmの光を照射して位相差の値(Rtilt)を測定する。これを、位相差層4の法線方向に対する傾斜角度(位相差層4に対する入射角)を様々に変化させ、入射角を変数とした位相差の値(Rtilt)のプロファイル(プロファイルa)を得る。ここで、位相差層4は、光軸(図7においてa)が位相差層4の厚み方向を向いた状態(図7においてθの値をゼロとみなせる状態))にあるが、このような位相差層4について、Journal of Applied Physics, 48, 1783-1792(1977)に記載された方法などを参照すると、入射角を変数とした位相差の値のプロファイルは、位相差層の異常光屈折率(異常光に対する屈折率)に応じて定められる。したがって、プロファイルaに対応する異常光屈折率を定めることができる。ここに、この異常光屈折率は、位相差層4についての厚み方向の屈折率に対応しており、すなわち位相差層4についてのnzに対応する。
こうして得られたnx、ny、nzと式(A)に基づき、係数Pが特定される。
位相差層4では、位相差層4の厚み方向に平行な法線を有する平面を想定した場合に、その平面に対して、位相差層4の光軸(図7においてa)が起立している。具体的には、光軸aが、位相差層4の厚み方向(あるいはおおよそ厚み方向)を向いている。
ここで、液晶材料組成物から形成される位相差層4は、正のCプレートとしての機能を有する層であり、位相差層4を構成する液晶分子は、液晶分子の屈折率の長軸を位相差層4の厚み方向に対して平行に配向してなる状態となっていることが理想的である。位相差層4を構成する液晶分子が理想的な配向をなしている場合、すなわち位相差層4を構成する全ての液晶分子の光軸がその位相差層4の厚み方向と完全に平行である場合には、位相差層4の光軸aは位相差層4の厚み方向に一致し(図7において傾斜角θがゼロ)、位相差層4の屈折率異方性と個々の液晶分子自体の屈折率異方性とが一致することになる。しかしながら、そもそも全ての液晶分子の光軸を位相差層4の厚み方向に対して完全に平行に配向させることは事実上困難であり、実際には液晶分子の中には位相差層4の厚み方向からある程度その光軸を傾斜させて配置されているものもあり、一定範囲の揺らぎをもって液晶分子が配列している。ただ、このように液晶分子の光軸に揺らぎがあっても、その揺らぎが所定の範囲内に収まれば、位相差層4の光軸aを見た場合に、光軸aが、位相差層4の厚み方向(あるいはおおよそ厚み方向)を向いていると認められる状態が維持される。この点を考慮して、位相差層4を構成する液晶分子の光軸の方向は、位相差層4の厚み方向に対する傾斜角で5°の範囲を超えないことが好ましい。
本発明の位相差制御部材1では、位相差層4は、基材2に下地層5を積層して最表面に形成される段差面8を覆って積層形成されている。このとき、位相差制御部材1は、位相差層4によって最表面の状態を段差面8よりも平坦化することが可能となる。最表面の状態が平坦化される程度については、位相差制御部材1の設計と位相差層4の構成に応じて適宜設定することができる。また、位相差制御部材1は位相差層4を設けることで、位相差層4の耐熱性が比較的高いことから、位相差層4で被覆される下地層5の耐熱性を向上させることができる。例えば、下地層5が着色層13である場合、位相差層4が形成されることにより着色層13の耐熱性を向上させることができる。このような場合、位相差層4は、これまでの液晶ディスプレイにおいて着色層13表面上に積層された透明保護層の果たす機能を発揮することができる。そのうえで、位相差層4は、正のCプレートとしての光学補償機能を発揮することができる。したがって、位相差制御部材1の位相差層4は、透明保護層としての機能と光学補償機能とを兼ね備えるものとなる。
本発明の位相差制御部材1は、次に示すようにして製造される。
基材2上に下地層5を積層して最表面に段差面8を形成し、段差面8上に、上記に示すように調整された液晶材料組成物を塗工して液晶塗布膜を作成する。
基材2上の下地層5の表面(段差面)に液晶材料組成物を塗工する方法としては、ダイコート、バーコート、スライドコート、ロールコート、スリットコート等といった各種印刷法やスピンコートなどの方法やこれらを組合せた方法を適宜用いることができる。
また、基材2上の下地層5の段差面に液晶材料組成物を塗布して液晶塗布膜が成膜されると、基材2と下地層5と液晶塗布膜の積層体が乾燥されるが、その乾燥は、減圧乾燥によって減圧状態下で行われる他、大気圧下で行われてもよいが、大気圧下で自然乾燥されることが、液晶分子により均一に配向性を付与することができて好ましい。そして、液晶塗布膜に含まれる液晶分子を重合させて位相差層4となし、位相差制御部材1が得られえる。
なお、位相差層4は、段差面8上に全面ベタに形成されている場合に限定されず、部分的に形成されていてもよい。
位相差層4を部分的に形成する方法としては、例えば各種印刷方法やフォトリソグラフィー法を用いて、基材2上にパターニング形成する方法などが具体的に例示できる。これによれば、位相差制御部材1において画素をなす領域など、予め所定の領域を定めて、その領域を狙って位相差層4を所定のパターンにて形成することが可能となる。
このようにして必要に応じた光学補償機能を発揮する位相差層4を形成した位相差制御部材1を製造することができる。
なお、本発明の位相差制御部材1に対しては、液晶塗布膜に含まれる液晶分子を重合させて位相差層4となした後に、重合された液晶分子を含む位相差層4を更に加熱する処理(重合後加熱処理ということがある)が施されることが、位相差層4の硬さを向上させることができて好ましい。ただし、重合後加熱処理を行う場合、基材2は、耐熱性を有することが必要であることから、基材2を構成する基材形成材として耐熱性を有するガラス基板などが好ましく用いられる。
重合後加熱処理を行うにあたり、位相差層4の加熱温度は、150〜260℃であるが、200〜250℃であることが、重合後加熱処理後において位相差層4を、重合後加熱処理の前よりも効果的に硬くすることができる観点から好ましい。重合後加熱処理を行う時間については、5〜90分であるが、重合後加熱処理を行う際の加熱温度についての上記観点と同様の観点から、15〜30分程度であることが好ましい。なお、加熱温度が260℃もしくは加熱時間が90分を超えると、位相差層4の硬度・強度は上がるが位相差層4自体が強く黄変してしまう虞が大きくなり、一方加熱温度が150℃もしくは加熱時間が5分を下回ると、十分な硬度・強度が得られない虞が大きくなる。
そして、位相差層4は、加熱された後、降温される。
重合後加熱処理は、位相差層4を形成した基材2を、オーブン装置などの焼成装置に導入し、圧力が大気圧、空気雰囲気の条件下で焼成することによって具体的に実施できる。その他、赤外線照射による方法でも実施することができる。
また、重合後加熱処理の工程を行うにあたり、位相差層4の加熱の際の昇温、加熱後の降温は徐々に行われることが好ましい。
次に、本発明の位相差制御部材1を用いた液晶ディスプレイについて説明する。
なお、液晶ディスプレイとしては、IPSモードであって、下地層5をなす着色層13を備える位相差制御部材1を組み込んでいる場合(図5)、を例として説明する。図5は、液晶ディスプレイ51を説明するための図である。
本発明の液晶ディスプレイ51は、図5に示すように、対向する一対の基板25(対向基板22、TFTアレイ基板23)の間に、電場に置かれた状態で電場の変化に応じて駆動可能(配向を変動可能)に液晶ディスプレイ駆動用の液晶組成物(駆動用液晶組成物24)を封入して駆動液晶層28を形成している。そして、液晶ディスプレイ51は、TFTアレイ基板23の厚さ方向に、TFTアレイ基板23の外側位置からTFTアレイ基板23に向かって光を照射するバックライト(図示しない)を配設して構成されている。
対向基板22は、基材2上に、ブラックマトリクス15と色パターン16,17,18を備えた着色層13を積層しており、基材2に着色層13を積層して得られる積層体を見た場合に、その積層体の最表面に段差面が形成されている。対向基板22は、その最表面の段差面を被覆して位相差層4を形成している。
さらに位相差層4上には、柱体3が、その基底部(図5において上方側の部分)を、位相差層4表面上所定の位置(柱体形成予定位置)にフォトリソグラフィー法などの公知方法を用いて分散配置されている。柱体形成予定位置は、位相差制御部材1において画素とする部分を除いた部分(非画素部)内に、適宜定められる。
柱体3は、多官能アクリレートを含有するアクリル系、及びアミド系又はエステル系ポリマー等の光硬化可能な感光性を有する樹脂材料から構成されている。
対向基板22には、基板2の厚さ方向の表面のうち着色層13の非形成面の上には、直線偏光板33が配置されている。
TFTアレイ基板23は、透明な基材41のインセル側(駆動用液晶組成物24の封入される側)の面上に、駆動液晶層28の液晶44に対する電圧の印加有無のスイッチング駆動する駆動用回路をなすTFTと、これにより駆動液晶層28への電圧の負荷量が制御される液晶駆動用電極とを設けている(図示せず)。液晶駆動用電極は、駆動液晶層28の面内方向の電場を生じさせるとともに、駆動液晶層28の面内方向に液晶44の配向を変化させる。
さらに、TFTアレイ基板23は、そのインセル側の最表面に、多数の柱体3の先端部(同図における下方)を当接している。そして、バックライト側基板23には、そのアウトセル側(インセル側とは逆側)の面に、直線偏光板42が配置されている。
また、液晶ディスプレイ51において、対向基板22の直線偏光板33と、TFTアレイ基板23の直線偏光板42とは、互いの透過軸が直交するように配されている。なお、図中、直線偏光板33、42の透過軸は矢印にて示す。
この液晶ディスプレイ51では、対向基板22において、基材2と着色層13と位相差層4が積層されてなる層構造が備えられており、この層構造は、本発明における位相差制御部材1を構成する。すなわち、液晶ディスプレイ51には、位相差制御部材1が組み込まれて構成されている。
なお、液晶ディスプレイ51には、必要に応じて、対向基板22における直線偏光板33の内側に、位相差フィルム30が介在配置されていてもよい。図5に示す例では、液晶ディスプレイ51として、位相差層4を正のCプレートの光学補償機能を有する層として形成した位相差制御部材1を組み込み、且つ、位相差フィルム30として、正のAプレートとしての光学補償機能を有するものが示されている。図5中、位相差層4、位相差フィルム30の光学補償機能を規定する複屈折特性は、それぞれ屈折率楕円体100,101にて示す。
液晶ディスプレイ51においては、位相差フィルム30は、必要に応じて複数枚、複数種類介在させていてもよい。したがって、例えば、液晶ディスプレイ51は、位相差層4を正のCプレートの光学補償機能を有する層として形成した位相差制御部材1を組み込み、且つ、位相差フィルム30として、正のAプレートとしての光学補償機能を有するもの、さらにその他の機能を有するものと、2枚以上を積層させて構成されていてもよい。
なお、本明細書において、位相差制御部材1を組み込む液晶ディスプレイがIPSモードである場合について説明したが、このことは、この位相差制御部材1を例えばMVAモードやOCBモード(Optically Compensated Birefringenceモード)などといった他のモードの液晶ディスプレイに使用されることを否定するものではない。
実施例1
基材としてのガラス基板(コーニング社製、1737材)を準備し、着色材料分散液を用いてガラス基板にブラックマトリクスを下地層として形成した。ブラックマトリクスの形成は次に示すようにして実施された。
[ブラックマトリクスの形成]
ブラックマトリクス(BM)の着色材料分散液として、顔料分散型フォトレジストを用いた。顔料分散型フォトレジストは、着色材料として顔料を用い、分散液組成物(顔料、分散剤及び溶剤を含有する)にビーズを加え、分散機で3時間分散させ、その後ビーズを取り除いた分散液とクリアレジスト組成物(ポリマー、モノマー、添加剤、開始剤及び溶剤を含有する)とを混合することにより得られた。得られた顔料分散型フォトレジストは、下記に示すような組成である。尚、分散機としては、ペイントシェーカー(浅田鉄工社製)を用いた。
(ブラックマトリクス用フォトレジスト)
・黒顔料・・・・・14.0重量部
(大日精化工業(株)製、TMブラック#9550)
・分散剤・・・・・1.2重量部
(ビックケミー(株)製、Disperbyk111)
・ポリマー・・・・・2.8重量部
(昭和高分子(株)製、VR60)
・モノマー・・・・・3.5重量部
(サートマー(株)製、SR399)
・添加剤・・・・・0.7重量部
(綜研化学(株)製L−20)
・開始剤・・・・・1.6重量部
(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1)
・開始剤・・・・・0.3重量部
(4,4´−ジエチルアミノベンゾフェノン)
・開始剤・・・・・0.1重量部
(2,4−ジエチルチオキサントン)
・溶剤・・・・・75.8重量部
(エチレングリコールモノブチルエーテル)
洗浄処理を施したガラス基板上面に、上述で調製したBM用フォトレジストをスピンコート法で塗布し、90℃、3分間の条件でプリベーク(予備焼成)し、所定のパターンに形成されたマスクを用いて露光(100mJ/cm)し、続いて0.05%KOH水溶液を用いたスプレー現像を60秒行った後、200℃、30分間ポストベーク(焼成)し、BMを形成したガラス基板(BM形成基材)を作製した。BMは、厚さが1.2μmで平面視上縦横格子状のパターンに形成された。
BMの形成により、ガラス基板表面より盛り上がった部分をなすBMと、BMの形成された部分に対して相対的に奥方へ引っ込んでガラス基板の表面の露出した部分とで段差が形成され、最表面に段差面が形成されていることが確認された。
段差面を形成するBMを下地層に備えたガラス基板が得られると、これをスピンコーター(ミカサ社製、1H−360S)に設置し、BMを含む最表面(段差面)上に、次に示すようにして調整された液晶材料組成物をスピンコーティングすることにより、液晶材料組成物3(mL)を基材上に塗布して液晶塗布膜を作製した。なお、この例では、液晶塗布膜は、BMを含む最表面上(段差面上)に形成されることになる。
[液晶材料組成物の作成]
下記化合物(a)〜(d)に示すような重合性液晶分子、光重合開始剤、シランカップリング剤、溶媒を混合して下記組成の液晶材料組成物を調整した。
Figure 2009109686
<液晶材料組成物の組成>
化合物(a) 8.3 重量部
化合物(b) 4.7 重量部
化合物(c) 5.4 重量部
化合物(d) 5.4 重量部
光重合開始材 1.3 重量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、イルガキュア907)
シランカップリング剤 0.05重量部
(アミン基含有シランカップリング剤(GE東芝シリコーン社製、TSL−8331))
溶媒 75.0 重量部
(クロロベンゼン)
[液晶塗布膜に含まれる液晶について液晶相状態の形成]
液晶塗布膜の形成された基板を、ホットプレート上にて100℃、5分間加熱して、溶媒を除去するとともに液晶塗布膜中に含まれる液晶分子を液晶相に転移させた。この液晶相への転移の確認は、液晶塗布膜が白濁状態から透明状態となったことを目視にて確認することで行われた。なお、この際、液晶分子は、ホメオトロピック配向性を付与される。
[液晶分子の架橋重合反応]
次に、窒素雰囲気下で、透明状態の液晶塗布膜全面に、紫外線照射装置(ハリソン東芝ライティング社製、「商品名TOSCURE751」)を用いて出力が10mW/cmの紫外線(365nm)を60秒間照射して、230℃のホットプレート上に3時間静置して液晶塗布膜中の液晶分子を架橋重合反応させて液晶分子をこれに配向性を付与した状態で固定し、液晶塗布膜を位相差層となし、段差面の上に位相差層を積層された位相差制御部材が得られた。
得られた位相差制御部材の位相差層についてその厚み(d)が測定された。位相差層の厚みを測定するにあたり、段差面における位相差厚み指定位置として、基材面上の位置であって、ブラックマトリクスによって平面視上格子状に区画化された1区画内の中心位置が選択された。
段差面の位相差厚み指定位置上に形成された位相差層の部分について、電子顕微鏡(JEOL社 走査型電子顕微鏡 JSM−5300)を用いて位相差層の厚みを測定し、位相差層の厚み(d)の値を得た。位相差層の厚み(d)は、1.97μm(1970nm)であった。
さらに、位相差制御部材を用いて次のように、位相差層の屈折率nx、ny、nzを計測し、係数Pを導出した。
まず、位相差制御部材を用い、光学干渉式薄膜測定装置(フィルメトリクス社製 F20)を用い、上記で求めた膜厚情報(dの値)を用いて位相差層のnxおよびnyを得た。さらに、位相差測定装置(王子計測器社製:KOBRA−21ADH)を用い、位相差層厚み指定位置上に形成された位相差層4の部分の表面に向けて、波長589nmの光を照射して光の入射角を変数とした位相差の値(Rtilt)のプロファイルを得て、そのプロファイルに基づき、位相差制御部材のnzが定められた。そして、nx、ny、nzに基づき位相差制御部材における位相差層の係数Pが算出された。Pの値は、0.07と定められた。これにより位相差制御部材の厚み方向の位相差量(Rth)は138nmであることになり、正のCプレートとしての光学補償機能を発揮させるに有効な位相差量(120≦Rth≦170)であることが確認された。
位相差制御部材を用いその最表面をなす位相差層の表面に形成されている段差量については、位相差制御部材の厚み方向の断面形状のプロファイル(profile)(断面プロファイル)を測定することで定められる。断面プロファイルの測定は、電子顕微鏡(JEOL社 走査型電子顕微鏡 JSM−5300)による観測にて実施された。この位相差制御部材について、段差量は500nm未満となっていることが確認された。
位相差制御部材を組み込んだ液晶ディスプレイを作製し、駆動用液晶の配向ムラの有無、および光学補償が正しく行われているかを検証した。検証は液晶ディスプレイを暗表示した際における光漏れにより判定した。
[光漏れの測定]
<液晶ディスプレイの作成>
まず、位相差制御部材の位相差層表面上において、平面視上、非画素部の所定の位置を柱体形成予定位置となし、柱体形成予定位置に柱体を配設した。柱体としては、JSR社製、NN770を用いた。
つぎに、液晶ディスプレイに封入される駆動液晶の分子を水平に配向させる水平配向膜を構成する配向膜組成物としてAL1254(JSR社製)が準備された。この配向膜組成物を、フレキソ印刷法を用いて位相差制御部材の位相差層と柱体とを被覆するように塗布して塗布膜を得て、この塗布膜を焼成し、さらにその塗布膜の表面にレーヨン製ラビング布を用いてラビング処理を施して、その塗布膜を水平配向膜(膜厚500Å)となした。
つぎに、表面上に画素ごとにTFTと電極とを配設されたガラス基板(TFTアレイ基板)を用意し、さらにガラス基板のTFTの形成面上に全面に、位相差制御部材と同様にして水平配向膜を形成した。
水平配向膜を形成した位相差制御部材と、水平配向膜やTFTや電極を形成したTFTアレイ基板とについて、位相差制御部材の水平配向膜の形成面とTFTアレイ基板の水平配向膜の形成面とを対面させるとともに、さらにエポキシ樹脂をシール材とし、そのシール材を用いて位相差制御部材とこれに対向するTFTアレイ基板との隙間を、位相差制御部材とこれに対向するTFTアレイ基板の周囲位置にてシールし、150℃で0.3kg/mの圧力をかけることで位相差制御部材とこれに対向するTFTアレイ基板とを接合して、さらに、対面する位相差制御部材とTFTアレイ基板との間に形成された空間部に、電場の変化に応じて配向を変化させる駆動用の液晶(ZLI4792,メルク社製)を封入して駆動液晶層を形成し、一体の構造体(液晶セル)を得た。そして、この液晶セルの厚さ方向外側位置に、2枚の偏光板を、液晶セルを挟みこむとともに透過軸を直交させて配置して貼り付け、液晶ディスプレイが作製された。この液晶ディスプレイは、位相差制御部材を組み込んだ基板(対向基板)と、TFTと電極を配置したTFTアレイ基板とでなる一対の基板の間に駆動液晶層が形成された構造を備えている。
<配向ムラの確認>
得られた液晶ディスプレイのTFTアレイ基板側の外側位置から光を照射するとともに、液晶表示画面を暗表示させて液晶表示画面の光漏れの状態を顕微鏡により観察した。
液晶表示画面を構成する画素の全領域に渡って光漏れは観察されず、良好な黒表示が実現されており、駆動用液晶分子に均一な一軸配向が付与されていることが解った。
<光漏れの測定>
次に対向基板表面の正面方向から液晶表示画面をみた場合の液晶表示画面の状態と、一対の偏光板の透過軸間の中心となる方位角度方向で、正面方向から傾斜した方向から液晶表示画面をみた場合の液晶表示画面の状態とを比較し、光の漏れが観察者に即時に認識可能な状態となって問題のあるレベルであるか否かを判定した。そして、観察者が光漏れは問題のないレベルであると判定した場合には、液晶ディスプレイは光漏れ発生を抑制され、良好なものであるとし、観察者が問題となると判定した場合には、光漏れ発生が十分に抑制されておらず、液晶ディスプレイは不良なものであると評価した。
本実施例1で得られた位相差制御部材を用いた液晶ディスプレイでは、配向むらも光漏も認識されず、その液晶ディスプレイは良好なものであると評価され、位相差制御部材が光学補償機能を良好に発揮することが確認された。
実施例2
実施例1で用いた液晶材料組成物に、位相差調整用添加物として重合性の多官能アクリレート(ペンタエリスリトールトリアクリレート)を3.6重量部さらに添加したもの(位相差調整用添加物含有液晶材料組成物)を調整し、位相差調整用添加物含有液晶材料組成物を、実施例1と同様に下地層上に塗布して液晶塗布膜を成膜し、これに実施例1と同様に紫外線を照射し、230℃のホットプレート上で30分静置して、液晶塗布膜中の液晶分子を架橋重合反応させて、位相差層となしたほかは、実施例1と同様にして位相差制御部材を得た。
この位相差制御部材の位相差層について、膜厚み(d)が1.23μm(1230nm)、係数Pが0.11であった。これにより位相差制御部材の厚み方向の位相差量(Rth)は135nmであることになり、正のCプレートとしての光学補償機能を発揮させるに有効な位相差量(120≦Rth≦170)であることが確認された。また、位相差制御部材について、段差量は500nm未満となっていることが確認された。
位相差制御部材を用いて実施例1と同様に液晶ディスプレイを作成し、その良否について実施例1と同様に評価された。位相差制御部材を用いた液晶ディスプレイでは、配向むらも光漏も認識されず、その液晶ディスプレイは良好なものであると評価され、位相差制御部材が光学補償機能を良好に発揮することが確認された。
比較例1
実施例1で用いた液晶材料組成物を下地層表面上に塗布して液晶塗布膜を成膜し、これに実施例1と同様に紫外線を照射し、200℃のホットプレート上で30分静置して、液晶塗布膜中の液晶分子を架橋重合反応させたほかは、実施例1と同様にして基板に位相差層を備えたもの(比較用部材1)を得た。
比較用部材1の位相差層については、膜厚み(d)が0.89μm(890nm)、係数Pが0.19であった。これにより位相差層の厚み方向の位相差量(Rth)は169nmであることになり、正のCプレートとしての光学補償機能を発揮させるに有効な位相差量(120≦Rth≦170)であることが確認された。しかしながら、比較用部材1について、位相差層の段差量Tが600nmである部分が認められ、すなわち段差量が500nm以上となっている部分が認められた。
また、比較用部材1を用いて実施例1と同様に液晶ディスプレイを作成し、その良否について実施例1と同様に評価された。
この比較用部材1を組み込んだ液晶ディスプレイは、着色層によって生じた段差が位相差層の積層によって抑制されたものとなっており、且つ、配向ムラも確認されず良好なものであると評価され、位相差制御部材が透明保護膜の機能については良好に発揮するものであることが確認された。しかしながら、光漏れが認識され、その液晶ディスプレイは不良であると評価され、位相差制御部材が光学補償機能を十分に発揮するものではなかった。
実施例3
基材としてのガラス基板(コーニング社製、1737材)を準備し、ガラス基板にブラックマトリクスと色パターンを有してなる着色層を下地層として形成したほかは、実施例1と同様にして位相差制御部材を得た。
着色層は、次のようにガラス基板上に形成された。
[着色層の形成]
まず、実施例1と同様にして、ガラス基板表面上に、着色材料分散液を用いてブラックマトリクスを形成し、BM形成基材を得た。
<色パターンの形成に用いる着色材料分散液の調整>
赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の色パターンの着色材料分散液を調整した。赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の色パターンの着色材料分散液としては、顔料分散型フォトレジストが用いられた。
色パターンの顔料分散型フォトレジストの調整は、実施例1に示すBM用フォトレジストの調整と同様に行われ、すなわち、分散液組成物(顔料、分散剤及び溶剤を含有する)にビーズを加え、分散機(ペイントシェーカー(浅田鉄工社製))で3時間分散させ、その後ビーズを取り除いた分散液とクリアレジスト組成物(ポリマー、モノマー、添加剤、開始剤及び溶剤を含有する)とを混合することにより顔料分散型フォトレジストが得られた。なお、各色の色パターンについて、顔料分散型フォトレジストは次に示すような組成のものが用いられた。
(赤色(R)色パターン用顔料分散型フォトレジスト)
・赤顔料・・・・・4.8重量部
(C.I.PR254(チバスペシャリティケミカルズ社製、クロモフタールDPP Red BP))
・黄顔料・・・・・1.2重量部
(C.I.PY139(BASF社製、パリオトールイエローD1819))
・分散剤・・・・・3.0重量部
(ゼネカ(株)製、ソルスパース24000)
・モノマー・・・・・4.0重量部
(サートマー(株)製、SR399)
・ポリマー1・・・・・5.0重量部
・開始剤・・・・・1.4重量部
(チバガイギー社製、イルガキュア907)
・開始剤・・・・・0.6重量部
(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール)
・溶剤・・・・・80.0重量部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
(緑色(G)色パターン用顔料分散型フォトレジスト)
・緑顔料・・・・・3.7重量部
(C.I.PG7(大日精化製、セイカファストグリーン5316P))
・黄顔料・・・・・2.3重量部
(C.I.PY139(BASF社製、パリオトールイエローD1819))
・分散剤・・・・・3.0重量部
(ゼネカ(株)製、ソルスパース24000)
・モノマー・・・・・4.0重量部
(サートマー(株)製、SR399)
・ポリマー1・・・・・5.0重量部
・開始剤・・・・・1.4重量部
(チバガイギー社製、イルガキュア907)
・開始剤・・・・・0.6重量部
(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール)
・溶剤・・・・・80.0重量部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
(青色(B)色パターン用顔料分散型フォトレジスト)
・青顔料・・・・・4.6重量部
(C.I.PB15:6(BASF社製、ヘリオゲンブルーL6700F))
・紫顔料・・・・・1.4重量部
(C.I.PV23(クラリアント社製、フォスタパームRL−NF))
・顔料誘導体・・・・・0.6重量部
(ゼネカ(株)製、ソルスパース12000)
・分散剤・・・・・2.4重量部
(ゼネカ(株)製、ソルスパース24000)
・モノマー・・・・・4.0重量部
(サートマー(株)製、SR399)
・ポリマー1・・・・・5.0重量部
・開始剤・・・・・1.4重量部
(チバガイギー社製、イルガキュア907)
・開始剤・・・・・0.6重量部
(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール)
・溶剤・・・・・80.0重量部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
尚、上記ポリマー1は、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%付加したものであり、重量平均分子量は42500である。
<着色層の形成>
予め赤色の色パターンに対応する位置に対応するように調整した赤色(R)の顔料分散型フォトレジストを上記BM形成基材上にスピンコート法で塗布し、80℃、3分間の条件でプリベークし、各色の色パターンに応じた所定の着色パターン用フォトマスクを用いて、紫外線露光(300mJ/cm)した。さらに、0.1%KOH水溶液を用いたスプレー現像を60秒行った後、200℃、60分間ポストベーク(焼成)し、BMの配置パターンに対して所定の位置に膜厚1.3μmの赤色(R)の色パターンを短冊状に形成した。なお、色パターンの膜厚は、表示画素中心部(ほぼ平坦な部分の中央部分)での膜厚を測定した。このとき、色パターンは、その短冊状の長手方向が、BMの格子状パターンにおける縦横2方向に伸びるフォトレジストのパターンのうち一方向に伸びるパターンに対して平行するように、形成されていた。また、色パターンのうち短冊状の色パターンの長手方向に沿った端縁部分が、色パターンと平行するブラックマトリクスの一方向に伸びるパターンの長手方向に沿った端縁部分に対して重なりあうことで、色パターンとブラックマトリクスとが互いに部分的に重なりあっている部分としてのオーバーラップ部が形成された。
続いて、上記赤色(R)の色パターンのパターン形成方法と同様の方法を用いて、緑色(G)の色パターン(膜厚1.2μm)、青色(B)の色パターン(膜厚1.2μm)それぞれにつき、パターン形成した。色パターンの膜厚については、赤色の色パターンと同様に、表示画素中心部(ほぼ平坦な部分の中央部分)での膜厚を測定した。
こうして、ガラス基板上に、BMおよび、赤色の色パターン、緑色の色パターン、青色の色パターンから構成される着色層が形成された。着色層は、隣り合う色パターンについては互いに重なり合わないように間隔を開けて隙間領域を形成し、その隙間領域からブラックマトリクスの一部が露出するようにパターン形成されていた。
そして、着色層の形成により、隣り合う色パターンと、隣り合う色パターン間の隙間領域より露出したブラックマトリクスとで段差が形成され、着色層の最表面に段差面が形成されていることが確認された。
着色層を備えたガラス基板について、その最表面に形成される段差面の段差は、電子顕微鏡(JEOL社 走査型電子顕微鏡 JSM−5300)を用いて測定された位相差制御部材の断面プロファイルに基づき特定される。結果、色パターンにおけるオーバーラップ部に対応する領域(盛り上がった部分の領域)と、色パターンの間の隙間領域から露出したブラックマトリクスの部分(奥方に引っ込んだ部分)との段差の大きさは、赤色パターンにおけるオーバーラップ部の先端位置と奥方に引っ込んだ部分の底位置とで形成される段差において最大となり、具体的には800nmであった。
こうして段差面を形成する着色層を備えたガラス基板を得て、さらにこの着色層上に実施例1と同様にして位相差層を積層し、位相差制御部材を得た。
得られた位相差制御部材の位相差層について、膜厚み(d)は1.7μm(1700nm)、係数Pが0.072であった。なお、膜厚み(d)を定めるにあたり、位相差層厚み指定位置としては、緑色(G)の色パターンの表示画素中心が選択された。
この結果により、位相差制御部材の位相差層について、厚み方向の位相差量(Rth)は122nmであることになり、正のCプレートとしての光学補償機能を発揮させるに有効な位相差量(120≦Rth≦170)であることが確認された。また、位相差層の段差量Tが、電子顕微鏡(JEOL社 走査型電子顕微鏡 JSM−5300)を用いて測定された位相差制御部材の断面プロファイルに基づき特定された。結果、位相差層の段差量Tは、赤色パターンにおけるオーバーラップ部の先端位置と奥方に引っ込んだ部分の底位置とで形成される段差において最大となっていたが、具体的に800nmから400nmに解消されていた。
この位相差制御部材を用いて、実施例1と同様に液晶ディスプレイを作成し、その良否について実施例1と同様に評価された。位相差制御部材を用いた液晶ディスプレイでは、光漏れが認識されず、その液晶ディスプレイは良好なものであると評価され、位相差制御部材が光学補償機能を良好に発揮することが確認された。
実施例4
基材としてのガラス基板(コーニング社製、1737材)を準備し、実施例3と同様にガラス基板にブラックマトリクスと色パターン(ただし、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の色パターンの膜厚を、それぞれ2.4μm、2.2μm、2.3μmとした)を有してなる着色層を下地層として形成した。下地層をなす着色層表面には、段差面が形成されていた。段差面において、色パターンにおけるオーバーラップ部に対応する領域(盛り上がった部分の領域)と、色パターンの間の隙間領域から露出したブラックマトリクスの部分(奥方に引っ込んだ部分)との段差の大きさは、赤色パターンにおけるオーバーラップ部の先端位置と奥方に引っ込んだ部分の底位置とで形成される段差において最大となり、具体的には1.7μmであった。
そして、実施例3で用いた液晶材料組成物に、位相差調整用添加物として重合性の多官能アクリレート(ペンタエリスリトールトリアクリレート)を3.6重量部さらに添加したもの(位相差調整用添加物含有液晶材料)を調整し、位相差調整用添加物含有液晶材料を着色層上に塗布して液晶塗布膜を成膜し、焼成温度を200℃とした他は実施例3と同様にして、位相差制御部材を得た。
この位相差制御部材の位相差層について、膜厚み(d)が1.97μm(1970nm)、係数Pが0.061であった。なお、膜厚み(d)を定めるにあたり、実施例3と同様に、位相差層厚み指定位置としては、緑色(G)の色パターンの表示画素中心が選択された。
この結果により、位相差制御部材の位相差層について、厚み方向の位相差量(Rth)は120nmであることになり、正のCプレートとしての光学補償機能を発揮させるに有効な位相差量(120≦Rth≦170)であることが確認された。また、位相差層の段差量Tは、実施例3と同様に測定され、赤色パターンにおけるオーバーラップ部の先端位置と奥方に引っ込んだ部分の底位置とで形成される段差において最大となっていたが、具体的に1700nmから400nmに解消されていた。
位相差制御部材を用いて実施例3と同様に液晶ディスプレイを作成し、その良否について実施例3と同様に評価された。位相差制御部材を用いた液晶ディスプレイでは、光漏れが認識されず、その液晶ディスプレイは良好なものであると評価され、位相差制御部材が光学補償機能を良好に発揮することが確認された。
比較例2
基材としてのガラス基板(コーニング社製、1737材)を準備し、実施例3と同様にガラス基板にブラックマトリクスと色パターンを有してなる着色層を下地層として形成した。
実施例3で用いた液晶材料組成物を着色層上に塗布して液晶塗布膜を成膜し、これに実施例3と同様に紫外線を照射し、200℃のホットプレート上で30分静置して、液晶塗布膜中の液晶分子を架橋重合反応させたほかは、実施例3と同様にして基板に位相差層を備えたもの(比較用部材2)を得た。
比較用部材2の位相差層については、膜厚み(d)が0.95μm(950nm)、係数Pが0.175であった。なお、膜厚み(d)を定めるにあたり、位相差層厚み指定位置としては、実施例3と同様に、緑色(G)の色パターンの表示画素中心が選択された。この結果により、位相差制御部材の位相差層について、厚み方向の位相差量(Rth)が166nmであり、正のCプレートとしての光学補償機能を発揮させるに有効な位相差量(120≦Rth≦170)であることが確認された。ただし、位相差層の段差量Tは、実施例3と同様に測定され、赤色パターンにおけるオーバーラップ部の先端位置と奥方に引っ込んだ部分の底位置とで形成される段差において最大となっていたが、具体的に800nmから570nmに解消されているに留まっていた。
また、比較用部材2を用いて実施例3と同様に液晶ディスプレイを作成し、その良否について実施例3と同様に評価された。この比較用部材2を組み込んだ液晶ディスプレイは、光漏れが認識され、その液晶ディスプレイは不良であると評価された。
比較例3
基材としてのガラス基板(コーニング社製、1737材)を準備し、実施例4と同様にガラス基板にブラックマトリクスと色パターンを有してなる着色層を下地層として形成した。
そして、実施例4で用いた液晶材料組成物を着色層上に塗布して液晶塗布膜を成膜し、これに実施例4と同様に紫外線を照射し、210℃のホットプレート上で3時間静置して、液晶塗布膜中の液晶分子を架橋重合反応させたほかは、実施例4と同様にして基板に位相差層を備えたもの(比較用部材3)を得た。
比較用部材3の位相差層については、膜厚み(d)が2.14μm(2140nm)、係数Pが0.058であった。なお、膜厚み(d)を定めるにあたり、位相差層厚み指定位置としては、実施例4と同様に、緑色(G)の色パターンの表示画素中心が選択された。
この結果により、位相差制御部材の位相差層について、厚み方向の位相差量(Rth)が124nmであり、正のCプレートとしての光学補償機能を発揮させるに有効な位相差量(120≦Rth≦170)であることが確認された。位相差層の段差量Tは、実施例3と同様に測定され、赤色パターンにおけるオーバーラップ部の先端位置と奥方に引っ込んだ部分の底位置とで形成される段差において最大となっていたが、具体的に1700nmから400nmに解消されていた。
また、比較用部材3を用いて実施例4と同様に液晶ディスプレイを作成し、その良否について実施例4と同様に評価された。
この比較用部材3を組み込んだ液晶ディスプレイは、着色層によって生じた段差が位相差層の積層によって抑制されたものとなっており、且つ、光漏れも確認されず良好なものであると評価され、位相差制御部材が透明保護膜の機能については良好に発揮するものであることが確認された。しかしながら、比較用部材3では、位相差層はそもそも位相差層の厚み(d)が2000nmを超えて成膜されており、黄色の着色が問題となり、特にディスプレイを青色表示にした場合に液晶表示画面全体に黄色がかった状態が認められ、黄色の着色による悪影響が視認された。
本発明の位相差制御部材の例を説明する概略断面図である。 本発明において下地層が着色層である場合の位相差制御部材の例を説明する概略断面図である。 本発明において下地層が着色層である場合の位相差制御部材の例を説明する概略平面図である。 本発明において下地層がブラックマトリクスである場合の位相差制御部材の例を説明する概略断面図である。 本発明の位相差制御部材を組み込んだ液晶ディスプレイを説明するための概略分解斜視図である。 従来の液晶ディスプレイを説明するための概略分解斜視図である。 本発明の位相差制御部材の位相差層について光軸の状態と、想定されるx軸、y軸、z軸を説明するための図である。
符号の説明
1 位相差制御部材
2 基材
4 位相差層
5 下地層
8 段差面
13 着色層
15 ブラックマトリクス
16,17,18 色パターン
51 液晶ディスプレイ

Claims (7)

  1. 基材表面上に下地層を積層して段差面が形成され、且つ、該段差面上に位相差層を積層してなる位相差制御部材において、
    位相差層の光軸が位相差層の厚み方向に法線を有する面に対して起立しており、且つ、
    位相差層の表面の段差量Tが500nm未満であり、
    互いに直交するx軸とy軸を位相差層の面内方向にとり、位相差層の法線方向にz軸をとり、位相差層の屈折率を、x軸方向、y軸方向、z軸方向についてそれぞれnx、ny、nzとした場合に、波長589nmの光に対するnx、ny、nzに基づき係数P=(nz−((nx+ny)/2))にて定義される係数Pと、位相差層の厚さd(nm)とが下記式1、式2、式3のいずれをも満たしている、ことを特徴とする位相差制御部材。
    (数1)
    0.06≦P≦0.17 (式1)
    d≦2000 (式2)
    120≦P×d≦170 (式3)
  2. 下地層は、ブラックマトリクスと色パターンとを備える着色層であることを特徴とする、請求項1に記載の位相差制御部材。
  3. 下地層は、ブラックマトリクスであることを特徴とする、請求項1に記載の位相差制御部材。
  4. 位相差層は、重合性官能基を有する液晶分子を含有する液晶材料組成物を段差面上に塗布して液晶塗布膜を成膜し、該液晶塗布膜に含まれる液晶分子に配向性を付与し、且つ、該液晶塗布膜に活性放射線を照射して液晶分子を重合させることを通じて形成されるものである、請求項1から3のいずれかに記載の位相差制御部材。
  5. 位相差層は、重合性官能基を有する液晶分子と位相差調整用添加物とを含有する液晶材料組成物を段差面上に塗布して液晶塗布膜を成膜し、該液晶塗布膜に含まれる液晶分子に配向性を付与し、且つ、該液晶塗布膜に活性放射線を照射して液晶分子を重合させることを通じて形成されるものである、請求項1から3のいずれかに記載の位相差制御部材。
  6. 対面する一対の基板のうち、少なくとも一方の基板に電極を配設するとともに、該一対の基板の間に液晶組成物を封入して電場の変化に応じて液晶の配向性を変えることができる駆動液晶層を形成してなる液晶ディスプレイにおいて、該一対の基板のいずれかに、請求項1から5のいずれかに記載の位相差制御部材が組み込まれてなる液晶ディスプレイ。
  7. 位相差制御部材の段差面上に形成される位相差層を形成するための液晶材料組成物であって、
    重合性官能基を有する液晶分子と位相差調整用添加物が含有され、段差面上に塗布されて液晶塗布膜を構成するとともに、液晶塗布膜に含まれる液晶分子に配向性を付与し、且つ、該液晶塗布膜に活性放射線を照射して液晶分子を重合させることを通じてなる位相差層を形成するための液晶材料組成物であり、
    位相差層の光軸が位相差層の厚み方向に法線を有する面に対して起立しており、且つ、位相差層の表面の段差量Tが500nm未満であり、互いに直交するx軸とy軸を位相差層の面内方向にとり、位相差層の法線方向にz軸をとり、位相差層の屈折率を、x軸方向、y軸方向、z軸方向についてそれぞれnx、ny、nzとした場合に、波長589nmの光に対するnx、ny、nzに基づき係数P=(nz−((nx+ny)/2))にて定義される係数Pと、位相差層の厚さd(nm)とが下記式1、式2、式3のいずれも満たすような位相差層を形成するためのものである、ことを特徴とする液晶材料組成物。
    (数2)
    0.06≦P≦0.17 (式1)
    d≦2000 (式2)
    120≦P×d≦170 (式3)
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WO2018061931A1 (ja) * 2016-09-29 2018-04-05 シャープ株式会社 液晶表示装置の設計方法、液晶表示装置の製造方法および液晶表示装置

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