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JP2009073415A - 車両の姿勢制御装置 - Google Patents

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JP2009073415A
JP2009073415A JP2007245998A JP2007245998A JP2009073415A JP 2009073415 A JP2009073415 A JP 2009073415A JP 2007245998 A JP2007245998 A JP 2007245998A JP 2007245998 A JP2007245998 A JP 2007245998A JP 2009073415 A JP2009073415 A JP 2009073415A
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shock absorber
turning
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Mikihiko Honma
幹彦 本間
Yuichi Mizuta
祐一 水田
Kotaro Okimura
浩太郎 沖村
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】 車高調整に伴う姿勢変化を考慮し、車両旋回時における姿勢変化の挙動を制御することができる車両の姿勢制御装置を提供すること。
【解決手段】 サスペンションECU21は、ステップS12にて各ショックアブソーバのストローク量hfl,hfr,hrf,hrrを入力しステップS13にて基準ストローク量「0」に決定する。ステップS14にて車高調整がされていれば、ステップS15にて基準ストローク量に対応する基準ピッチ角θbを決定するとともに同ピッチ角θbと実ピッチ角θとの差分角度をオフセット量Jとして決定する。そして、ECU21はステップS16におけるロール制御ルーチンの実行により、ロールの挙動を制御するための目標ピッチ角θaをオフセット量Jを用いて補正して目標ピッチ角θahを決定する。これにより、車両旋回時に車高調整がなされていてもロールの挙動を適切に制御できる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車体と車輪との間に配設されて車高を調整する機能を有するショックアブソーバの車高調整機能および減衰力を制御して車体の姿勢を制御する車両の姿勢制御装置に関する。
従来から車体と車輪との間に配設されるショックアブソーバが有する車高調整機能および同ショックアブソーバの減衰力を制御して車両の姿勢を制御する姿勢制御装置は盛んに提案されている。例えば、下記特許文献1には、車体に発生するロールとピッチとの相関関係を考慮したサスペンションの設計指標を提供するサスペンション特性演算方法が示されている。このサスペンション特性演算方法においては、前輪側および後輪側のジオメトリ比例係数とタイヤ横力の二乗との積による前輪側と後輪側の上下力の和としてサスペンションのジオメトリによるピッチモーメントを演算し、減衰力比例係数とロールレートとの積からサスペンションの減衰力によるピッチモーメントを演算するようになっている。そして、この演算した2つのピッチモーメントの和とピッチモーメントに対するピッチ角のゲインおよびピッチ角の位相遅れとの積からピッチ角を演算し、この演算したピッチ角に基づき、ピッチ角とロール角との位相差を演算するようになっている。
このようなサスペンション特性演算方法に従ってサスペンションを設計した場合には、例えば、前輪側に配設されたショックアブソーバと後輪側に配設されたショックアブソーバとの間における伸張差または圧縮差を適切に設定することにより、ロールとピッチの発生タイミングを同期させることができる。その結果、操縦安定性を向上させることができる。
また、例えば、下記特許文献2には、旋回加減速走行状態を正確に判別し、不必要・不適切な車高調整を防止する車高調整装置が示されている。この従来の車高調整装置は、車両の旋回状態量を算出するとともに、この算出した旋回状態量に基づいて加減速状態量を算出するようになっている。そして、算出した旋回状態量と加減速状態量との和が所定値以上となったときに車高調整を禁止するようになっている。これにより、車両が旋回するときに発生する車高変化に対する不必要あるいは不適切な車高調整を防止できるようになっている。
さらに、下記特許文献3には、各車軸と車体の相対的な上下変位量に応じて、制御部へフィードバックする信号量を連続的に加減し、油圧式懸架機構の作動範囲を制限する車体の姿勢制御装置が示されている。この従来の車体の姿勢制御装置は、各車輪の車高変化量から車体のロール量、ピッチ量、上下変位量を求め、ロール制御トルク、ピッチ制御トルクおよび上下変位制御力を求める際のフィードバックゲインを調整するようになっている。また、ロール量とピッチ量と横加速度と前後加速度とから、旋回走行時のロール制御トルクと加減速時のピッチ制御トルクを求めて、車輪の油圧式懸架機構の油量を加減するようになっている。これにより、過大な車高変化量に対して、油圧式懸架機構における作動部の機械的衝突を回避し、乗り心地を改善できるようになっている。
特開2007−8373号公報 実開平2−19604号公報 特開平5−305806号公報
ところで、一般的に、車両旋回時における操縦安定性を確保するためには、上記特許文献1にも示されているように、ロールとピッチの発生タイミングを同期させることが好ましく、さらに、車体が若干前傾となるピッチ角を有することが好ましいといわれている。
ところが、車両旋回時における操縦安定性を確保するために、例えば、ショックアブソーバの減衰力を適宜変更して車体に発生したロールの挙動を制御しているときに、車高調整が行われる状況では、目標とすべき姿勢が車高調整に伴って変化して適切なロール挙動制御が行えない可能性がある。一方で、例えば、乗員が乗車したときの車高変化や重量物を積載したときの車高変化が発生したときは、速やかに目標車高まで復帰できることが望ましい。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、車高調整に伴う姿勢変化を考慮し、車両旋回時における姿勢変化の挙動を制御することができる車両の姿勢制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、車体と車輪との間に配設されて車高を調整する機能を有するショックアブソーバの車高調整機能および減衰力を制御して車体の姿勢を制御する車両の姿勢制御装置において、車両の旋回に伴って車体に発生するロールを制御するために予め設定されたロール角とピッチ角との間の相関関係に基づき、車体に発生した実ロール角に対応する目標ピッチ角を決定する目標ピッチ角決定手段と、前記車高調整機能によって車高が調整されているときに、前記目標ピッチ角決定手段により決定された目標ピッチ角を、前記車高の変化量を用いて補正する目標ピッチ角補正手段と、前記目標ピッチ角補正手段によって補正された目標ピッチ角を実現するために、前記ショックアブソーバの減衰力を変更制御する減衰力制御手段とを備えたことにある。
この場合、前記ショックアブソーバは、例えば、電気的に作動制御されて同ショックアブソーバの減衰力を変更するための電気アクチュエータを備えており、前記減衰力制御手段は、前記電気アクチュエータを電気的に作動制御することにより、ショックアブソーバの減衰力を変更制御するとよい。
また、この場合、前記目標ピッチ角補正手段を、例えば、前記ショックアブソーバのストローク量を検出するストローク量検出手段と、車両が旋回を開始した時点における前記ストローク量検出手段によって検出されたストローク量を基準ストローク量として決定する基準ストローク量決定手段と、前記基準ストローク量決定手段によって決定された基準ストローク量に対応する車体の実ピッチ角を基準ピッチ角として決定する基準ピッチ角決定手段と、前記車両調整機能による車両の調整に伴って変化する実ピッチ角と前記基準ピッチ角決定手段によって決定された基準ピッチ角との差分を、前記目標ピッチ角決定手段によって決定された目標ピッチ角を補正するためのオフセット量として決定するオフセット量決定手段とで構成するとよい。
これらによれば、車両の旋回に伴って発生する姿勢の変化、すなわち、ロールの挙動を制御するための目標ピッチ角を決定し、車高調整に伴って変化する車高の変化量を用いて目標ピッチ角を補正することができる。より具体的には、車両が旋回を開始した時点におけるショックアブソーバのストローク量を基準ストローク量として決定するとともに、この基準ストローク量に対応する実ピッチ角を基準ピッチ角として決定することができる。そして、この基準ピッチ角から車高調整に伴って変化する実ピッチ角の変化量すなわち差分を、目標ピッチ角を補正するためのオフセット量として決定することができる。
このように、オフセット量を決定することにより、車高調整による車高変化に伴う実ピッチ角に合わせて目標ピッチ角を同期的に補正することができる。言い換えれば、車高調整に伴う車高変化に応じて目標ピッチ角を適切に補正することができるため、車両が旋回しているときであっても、車高調整を行うことができるとともに、旋回に伴って発生するロールの挙動をも適切に制御することができる。そして、このように、目標ピッチ角が補正されることにより、ロールの挙動を制御するために必要なショックアブソーバの減衰力を正確に決定して、例えば、電気的に制御することができ、その結果、良好な操縦安定性を確保することができる。
また、この場合、前記減衰力制御手段は、車両の旋回に伴って変化する所定の物理量を検出する物理量検出手段と、前記目標ピッチ角補正手段によって補正された目標ピッチ角を実現するために、車両の前輪側に配設される左右のショックアブソーバおよび車両の後輪側に配設される左右のショックアブソーバが協働して発生すべき総減衰力を計算する総減衰力計算手段と、前記総減衰力計算手段によって計算された総減衰力を、前記物理量検出手段によって検出された所定の物理量に応じて、前記旋回内側に配設されるショックアブソーバと前記旋回外側に配設されるショックアブソーバとに分配するものであって、前記旋回内側に配設されるショックアブソーバの減衰力を前記旋回外側に配設されるショックアブソーバの減衰力よりも大きく分配する総減衰力分配手段とを備えており、前記総減衰力分配手段によって分配された旋回内側に配設されるショックアブソーバの減衰力および旋回外側に配設されるショックアブソーバの減衰力に基づいて、各ショックアブソーバの減衰力を変更制御するとよい。ここで、前記物理量検出手段が検出する所定の物理量は、例えば、車両の旋回に伴って発生する横加速度、車両の旋回に伴って発生するヨーレートおよび運転者によって操作される操舵ハンドルの操作量のうちの少なくとも一つであるとよい。
そして、この場合、前記総減衰力計算手段は、例えば、車体に発生した実ピッチ角を演算し、前記演算した実ピッチ角と前記目標ピッチ角補正手段によって補正された目標ピッチ角の間の差分値を演算し、前記演算した差分値が略「0」となる総減衰力を計算するとよい。
これらによれば、減衰力制御手段は、補正された目標ピッチ角を実現するために、前後左右に配設される各ショックアブソーバが協働して発生すべき総減衰力を計算することができる。そして、減衰力制御手段は、この総減衰力を、所定の物理量(横加速度、ヨーレート、操舵ハンドルの操作量など)に応じて、旋回内側に配設されるショックアブソーバの減衰力が旋回外側に配設されるショックアブソーバの減衰力よりも大きくなるように分配することができる。
これにより、同一方向に旋回している車両においては、所定の物理量の作用方向、具体的には、横加速度またはヨーレートの発生方向や操舵ハンドルの操作方向が旋回状態を通して常に同一方向であるため、常に、旋回内側のショックアブソーバを支点としてロールの挙動を制御することができる。したがって、旋回状態にある車体に発生するロールの発生挙動を同様にする、言い換えれば、ロール角とピッチ角との間の位相をほぼ同じとすることができ、車両旋回時における姿勢変化の挙動を一定とすることができる。そして、このように、車両旋回時における姿勢変化の挙動を一定とすることにより、ロールの挙動を適切に(より自然に)制御することができて、車両の操縦安定性を大幅に向上させることができる。
また、前記総減衰力分配手段は、前記総減衰力計算手段によって計算された総減衰力を、前記物理量検出手段によって検出された所定の物理量に比例して、前記旋回内側に配設されるショックアブソーバの減衰力が前記旋回外側に配設されるショックアブソーバの減衰力よりも大きくなるように分配するとよい。
この場合、より具体的に、前記総減衰力分配手段は、前記総減衰力計算手段によって計算された総減衰力を前記旋回内側に配設されるショックアブソーバと前記旋回外側に配設されるショックアブソーバとに均等に分配するとともに、前記物理量検出手段によって検出された所定の物理量と比例関係にある減衰力分配量を、前記旋回内側に配設されるショックアブソーバに加算する一方、前記旋回外側に配設されるショックアブソーバから減算し、前記旋回内側に配設されるショックアブソーバの減衰力が前記旋回外側に配設されるショックアブソーバの減衰力よりも大きくなるように分配するとよい。
これらによれば、補正された目標ピッチ角を実現するために必要な総減衰力を、所定の物理量の大きさに比例して、旋回内側に配設されるショックアブソーバの減衰力と旋回外側に配設されるショックアブソーバの減衰力とに分配することができる。このとき、所定の物理量の大きさに比例する分配量を計算し、同計算した分配量を、総減衰力が均等に分配された旋回内側に配設されるショックアブソーバに対して加算し、旋回外側に配設されるショックアブソーバから減算することによって、旋回内側に配設されるショックアブソーバの減衰力を旋回外側に配設されるショックアブソーバの減衰力よりも大きくすることができる。
これにより、極めて厳密に旋回内側に配設されるショックアブソーバと旋回外側に配設されるショックアブソーバとが発生すべき減衰力を決定することができる。また、所定の物理量に比例する分配量を加減算することにより、例えば、ロール挙動を制御するために前輪側に配設される左右のアブソーバが要求される総減衰力を発生しつつ、旋回内側に配設されるショックアブソーバの減衰力が旋回外側に配設されるショックアブソーバの減衰力よりも大きくなる状態を維持することができる。したがって、車両旋回時における姿勢変化の挙動を一定とすることにより、ロールの挙動をより正確に制御することができて、車両の操縦安定性を大幅に向上させることができる。
また、前記前輪側および後輪側に配設される左右のショックアブソーバの減衰力は、それぞれ、所定の変化幅を有する複数の切替段数によって段階的に切り替えられるものであり、前記総減衰力分配手段は、前記総減衰力計算手段によって計算された総減衰力を、前記物理量検出手段によって検出された所定の物理量に応じて、前記旋回内側に配設されるショックアブソーバの減衰力が前記旋回外側に配設されるショックアブソーバの減衰力よりも大きくなるように、前記旋回内側に配設されるショックアブソーバおよび前記旋回外側に配設されるショックアブソーバの前記切替段数を決定して分配するとよい。
この場合、前記旋回内側に配設されるショックアブソーバに対して決定される前記切替段数間における減衰力の前記所定の変化幅は、例えば、前記物理量検出手段によって検出された所定の物理量の変化に対して大きな値を有し、前記旋回外側に配設されるショックアブソーバに対して決定される前記切替段数間における減衰力の前記所定の変化幅は、前記物理量検出手段によって検出された所定の物理量の変化に対して小さな値を有するとよい。また、前記切替段数は、前記物理量検出手段によって検出された所定の物理量の変化に対して、線形的または比線形的に変化して決定されるとよい。
これらによれば、所定の物理量に応じて、ショックアブソーバの切替段数を決定することにより、旋回内側に配設されるショックアブソーバの減衰力を旋回外側に配設されるショックアブソーバに減衰力よりも大きくすることができる。これにより、総減衰力を旋回内側と旋回外側に配設される各ショックアブソーバに分配するためのロジックを簡素化することができ、例えば、マイクロコンピュータなどから形成される総減衰力分配手段の演算負荷を大幅に軽減することができる。その結果、例えば、演算に伴う総減衰力分配手段の発熱を大幅に抑制することができ、冷却手段などを設ける必要がなくて小型化することができる。
以下、本発明の実施形態に係る車両の姿勢制御装置について、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態における車両の姿勢制御装置10の構成を概略的に示している。この車両の姿勢制御装置10は、車体と車両の各輪すなわち左右前後輪とをそれぞれ連結するショックアブソーバ11,12,13,14を備えている。
ショックアブソーバ11,12,13,14は、それぞれ、例えば、作動流体(油や高圧ガスなど)の流路径を無段階に変更する電気アクチュエータとしてのロータリーバルブ11a,12a,13a,14aを備えている。なお、詳細な説明は省略するが、各ロータリーバルブ11a,12a,13a,14aは、図示しない電気駆動手段(例えば、電動モータやソレノイドなど)を備えている。そして、各ロータリーバルブ11a,12a,13a,14aは、電気的に制御されることによって作動流体の流路径を変更し、その結果、各ショックアブソーバ11,12,13,14の減衰力特性が無段階に変更されるようになっている。
また、ショックアブソーバ11,12,13,14は、車高を調整するためのエアチャンバ11b,12b,13b,14bを備えている。エアチャンバ11b,12b,13b,14bは、電気的に作動が制御されるバルブやコンプレッサなどから構成される圧縮空気給排装置15によって圧縮空気が給排されるとその容積が変化し、車高を変更して調整するようになっている。なお、エアチャンバ11b,12b,13b,14bの構造や圧縮空気を給排する圧縮空気給排装置15の構造については、本発明に直接関係せず、また、周知の構造を採用することができるため、その詳細な説明を省略する。
また、本実施形態においては、ショックアブソーバ11,12,13,14が圧縮空気によって車高を調整するためのエアチャンバ11b,12b,13b,14bを備えるように実施する。しかし、車高を調整する機構として、例えば、油圧を給排することによって車高を調整する油圧車高調整機構などを採用して実施することも可能である。
次に、車両の姿勢を制御する電気制御装置20を説明する。電気制御装置20は、図2に示すように、ショックアブソーバ11,12,13,14の減衰力を変更することにより、車両旋回時における姿勢変化を制御するサスペンション電子制御ユニット21(以下、単にサスペンションECU21という)と、圧縮空気給排装置15を作動させることにより、車高を調整するハイトコントロール電子制御ユニット22(以下、単にハイトコントロールECU22という)とを備えている。ここで、サスペンションECU21とハイトコントロールECU22とは、互いに通信回線Aを介して接続されている。
サスペンションECU21は、CPU、ROM、RAMなどを主要構成部品とするマイクロコンピュータである。そして、サスペンションECU21は、後述する姿勢制御プログラムを含む各種プログラムを実行することによってショックアブソーバ11,12,13,14の減衰力を制御するものである。ハイトコントロールECU22も、CPU、ROM、RAMなどを主要構成部品とするマイクロコンピュータである。そして、ハイトコントロールECU22は、各種プログラムを実行することによって圧縮空気給排装置15の作動を制御し、エアチャンバ11b,12b,13b,14bに圧縮空気を給排して車高を調整制御ものである。
そして、サスペンションECU21の入力側には、車両に発生する所定の物理量としての横加速度を検出する物理量検出手段としての横加速度センサ23と、車高に対応するショックアブソーバ11,12,13,14の各ストローク量を検出するストロークセンサ24,25,26,27とが接続されている。また、ハイトコントロールECU22の入力側には、ストロークセンサ24,25,26,27が接続されている。
横加速度センサ23は、車両に発生する横加速度Gを検出し、同検出した横加速度GをサスペンションECU21に出力するようになっている。ここで、横加速度センサ23は、車両が直進状態から左方向に旋回(以下、単に左旋回という)するときに発生する横加速度Gを正の値として出力し、直進状態から右方向に旋回(以下、単に右旋回という)するときに発生する横加速度Gを負の値として出力する。
ストロークセンサ24,25,26,27は、図1に示すように、各ショックアブソーバ11,12,13,14に組み付けられている。そして、ストロークセンサ24,25,26,27は、図2に示すように、各ショックアブソーバ11,12,13,14の各ストローク量hfl,hfr,hrl,hrrを検出し、同検出した各ストローク量hfl,hfr,hrl,hrrをサスペンションECU21およびハイトコントロールECU22に出力するようになっている。
また、サスペンションECU21の出力側には、各ロータリーバルブ11a,12a,13a,14aを作動制御するための駆動回路28a,28b,28c,28dが接続されている。また、ハイトコントロールECU22の出力側には、圧縮空気給排装置15を作動制御するための駆動回路29が接続されている。この構成により、サスペンションECU21はショックアブソーバ11,12,13,14におけるそれぞれの減衰力特性を制御できるとともに、ハイトコントロールECU22は車高を調整制御できるようになっている。
次に、上記のように構成した車両の姿勢制御装置10の作動を詳細に説明する。
車両の姿勢制御装置10は、車両が旋回状態にあるときに発生するロールの挙動を安定化、言い換えれば、操縦安定性を向上させるために、ショックアブソーバ11,12,13,14の減衰力を変更制御する。すなわち、サスペンションECU21は、車体に発生する実ロール角φと実ピッチ角θとの間に所定の相関関係が成立するように、より具体的には、実ピッチ角θが後述する補正された目標ピッチ角θahとなるまで変更するためにショックアブソーバ11,12,13,14の減衰力を変更制御する。
また、車両の姿勢制御装置10は、車高が変化したとき、例えば、車両に設けられたトランクに重量物を積載したときや乗員が車両に乗車したときには、予め設定された車高となるように姿勢を制御する。すなわち、ハイトコントロールECU22は、図示省略の所定のプログラムを実行することにより、駆動回路29を介して、圧縮空気給排装置15を作動させて、エアチャンバ11b,12b,13b,14bに圧縮空気を給排する。このとき、ハイトコントロールECU22は、ストロークセンサ24,25,26,27から各ショックアブソーバ11,12,13,14のストローク量hfl,hfr,hrl,hrrを入力し、予め設定されている目標車高となるまで圧縮空気給排装置15を作動させる。なお、車高を目標車高まで変化させる場合においては、予め設定された車高調整速度により、車高を変化させる。
ところで、サスペンションECU21とハイトコントロールECU22とが互いに協調することなく、独立的に、実ピッチ角θを後述する目標ピッチ角θaとなるまで変更したり、車高を調整したりする場合には、サスペンションECU21が実ピッチ角θを変更するための基準点が変化する可能性がある。このため、サスペンションECU21は、実ピッチ角θを目標ピッチ角θaまで適正に変更することができず、その結果、操縦安定性の向上が達成できない可能性がある。このことを、以下に具体的に説明する。
例えば、車両のトランクに重量物が積載された場合を考えると、後輪側に設けられたショックアブソーバ13,14が圧縮されて車体は後部が沈んだ状態、所謂、後傾状態となる。このため、ハイトコントロールECU22は、ショックアブソーバ13,14の圧縮方向へのストローク量に応じて、圧縮空気給排装置15を作動させ、ショックアブソーバ13,14に設けられたエアチャンバ13b,14bに圧縮空気を供給させる。これにより、車体は、所定の車高調整速度によって後部が上昇し始める。そして、ハイトコントロールECU22は、ストロークセンサ24,25,26,27から入力したストローク量hfl,hfr,hrl,hrrに基づいて、車体の傾きが予め設定された車高として水平から若干前傾となるまで、圧縮空気給排装置15を作動させる。
一方、このように、車高を調整している最中において車両が走行を開始し、さらに、車両が旋回走行を開始すると、サスペンションECU21は、車両の旋回に伴って発生するロールの挙動を制御するために、ショックアブソーバ11,12,13,14の減衰力を変更制御する。すなわち、サスペンションECU21は、実ピッチ角θが目標ピッチ角θaとなるように減衰力を変更制御する。このとき、ハイトコントロールECU22は、独立的に、後輪側の車高を調整しているため、サスペンションECU21が減衰力を変更すると、実ピッチθが目標ピッチθaよりも大きくなって、例えば、車体がより大きな前傾姿勢となってしまう。一般的に、車両旋回時における車体の姿勢として、前傾姿勢が好ましいといわれているが、前傾姿勢が大きくなりすぎることは好ましくない。
このため、サスペンションECU21は、ハイトコントロールECU22による車高調整によって変化する車高を考慮してロールの挙動を安定化するために、所定の短い時間間隔により、図3に示す姿勢制御プログラムを繰り返し実行する。以下、この姿勢制御プログラムを詳細に説明する。
姿勢制御プログラムは、所定の初期化プログラムの実行後、ステップS10においてその実行が開始される。そして、サスペンションECU21は、ステップS11にて、車両が旋回状態であるか否かを判定する。すなわち、サスペンションECU21は、例えば、横加速度センサ23によって検出された横加速度Gを入力し、同入力した横加速度Gの値に基づいて、車両が旋回状態であるか否かを判定する。
そして、サスペンションECU21は、車両が旋回状態であれば、「Yes」と判定してステップS12以降の各ステップ処理を実行する。一方、サスペンションECU21は、車両が旋回状態でなければ、言い換えれば、車両が直進状態であれば、「No」と判定してステップS18に進み、姿勢制御プログラムの実行を一旦終了する。そして、所定の短時間の経過後、サスペンションECU21は、ふたたび、姿勢制御プログラムの実行をステップS10にて開始する。
ステップS12においては、サスペンションECU21は、旋回開始時点において、ストロークセンサ24,25,26,27によって検出されたショックアブソーバ11,12,13,14のストローク量hfl,hfr,hrl,hrrを入力する。そして、サスペンションECU21は、ストローク量hfl,hfr,hrl,hrrを入力すると、ステップS13に進む。
ステップS13においては、サスペンションECU21は、前記ステップS12にて入力したストローク量hfl,hfr,hrl,hrrを基準ストローク量すなわちストローク基準点として「0」に設定する。すなわち、サスペンションECU21は、車両の旋回が開始された時点におけるショックアブソーバ11,12,13,14のストローク量hfl,hfr,hrl,hrrを今回の姿勢制御におけるストローク基準点として設定する。これにより、ストロークセンサ24,25,26,27は、今回の姿勢制御において、設定されたストローク基準点を基準としてショックアブソーバ11,12,13,14のストローク量hfl,hfr,hrl,hrrを検出する。
続いて、サスペンションECU21は、ステップS14にて、ハイトコントロールECU22が車高を調整制御しているか否かを判定する。すなわち、サスペンションECU21は、ハイトコントロールECU22に対し、通信回線Aを介して、現在、車高調整制御を実行しているか否かを確認する。ハイトコントロールECU22は、車高調整制御の実行状態を表す所定の制御情報をサスペンションECU21に対して出力する。サスペンションECU21は、取得した制御情報に基づき、現在、ハイトコントロールECU22が車高調整制御を実行していれば、「Yes」と判定してステップS15に進む。一方、ハイトコントロールECU22が車高調整制御を実行していなければ、「No」と判定してステップS16に進む。
ステップS15においては、サスペンションECU21は、後述するステップS16にて演算される目標ピッチ角θaの基準点(原点)のオフセット量Jを決定する。すなわち、前記ステップS13にて設定したストローク基準点から、ハイトコントロールECU22による車高調整制御によって変化したショックアブソーバ11,12,13,14のストローク量hfl,hfr,hrl,hrr言い換えれば実ピッチ角θの変化に合わせて後述する目標ピッチ角θaの基準点(原点)を変更するためのオフセット量Jを決定する。以下、このことを図4を用いて具体的に説明する。
図4(a)は、ハイトコントロールECU22が車高調整制御を行った場合の車高変化状態を概略的に示し、(b)は、車高調整制御によって車高が変化している状態で、サスペンションECU21がオフセット量Jを変更する状態を概略的に示している。今、図4(a)に示すように、車両が走行を開始する前に車体が後傾した状態であれば、ハイトコントロールECU22は、所定の車高調整速度により車体が略水平となるまで後輪側を上昇させる。この場合、例えば、走行開始前の車体がYo゜だけ後輪側が沈んだ後傾状態から略水平状態まで上昇させるために、車高調整速度がZmm/秒でW秒かかるとする。
このように、車高が調整される状況において、車両がy秒後に旋回を開始したとすると、図4(b)に示すように、y・Zmmに相当する角度Y゜だけ後輪側が上昇し、この時点で車体は(Yo−Y)゜だけ後輪側が沈んだ後傾状態となっている。ここで、サスペンションECU21は、車両が走行を開始して旋回状態となったy秒経過の時点で、前記ステップS13の処理によってストローク基準点を「0」に設定する。そして、サスペンションECU21は、この時点における車体の傾き(Yo−Y)゜を仮想的に実ピッチ角θが「0」の状態とする(以下、この仮想的に「0」とした実ピッチ角を基準ピッチ角θbという)。
一方、ハイトコントロールECU22は、引き続き車両調整制御を実行しており、(W−y)秒に車体を略水平状態とする。すなわち、ハイトコントロールECU22は、(Yo−Y)/(W−y)となる上昇速度で車高を調整する。このため、車体の実ピッチ角θも、ハイトコントロールECU22の車高調整制御によって、(Yo−Y)/(W−y)の変化速度で変化する。
したがって、サスペンションECU21は、ハイトコントロールECU22の車高調整制御によって変化する実ピッチ角θと基準ピッチ角θbとの間の差分角度(θ−θb)をオフセット量Jとして決定する。このように、オフセット量Jを決定することにより、オフセット量Jは、ハイトコントロールECU22の車高調整制御に合わせて、より具体的には、(Yo−Y)/(W−y)で表される変化速度で変化するものとなる。このように、オフセット量Jを決定すると、サスペンションECU21は、ステップS16に進む。
ステップS16においては、サスペンションECU21は、旋回に伴って発生したロールの挙動を制御するため、図5に示すロール制御ルーチンを実行する。以下、このロール制御ルーチンを詳細に説明する。
ロール制御ルーチンは、その実行がステップS100にて開始される。そして、サスペンションECU21は、ステップS101にて、車体に発生した実ロール角φおよび実ピッチ角θを演算する。ここで、サスペンションECU21が演算する実ロール角φおよび実ピッチ角θの演算方法については、周知の演算方法を採用することができるため、その詳細な説明を省略するが、例示的に簡単に説明しておく。
実ロール角φは、ロール角の基本周波数(例えば、操舵ハンドルの操舵周波数に相当する)をωとすると、一般的に下記式1により表すことができる。
φ=A・sinωt …式1
ただし、前記式1中のAは所定の比例定数を表し、ωはロール角の基本周波数を表す。
また、実ピッチ角θは、一般的に、実ロール角φの2乗に比例するため、前記式1に従って計算した実ロール角φを用いた下記式2により表すことができる。
θ=B・φ2 …式2
ただし、前記式2中のBは所定の比例定数を表す。
そして、サスペンションECU21は、前記式1および式2に従って実ロール角φおよび実ピッチ角θを計算すると、ステップS102に進む。なお、この実ロール角φおよび実ピッチ角θについては、上述したような演算処理あるいは推定演算処理することに代えて、例えば、車両に発生した実ロール角φを検出するロール角センサおよび実ピッチ角θを検出するピッチ角センサを用いて、直接的に、実ロール角φおよび実ピッチ角θを検出するように実施可能であることはいうまでもない。
ステップS102においては、サスペンションECU21は、車両旋回時における操縦安定性が良好となるロール角とピッチ角との間の相関関係を表す目標マップを用いて、目標ピッチ角θahを決定する。以下、このことを具体的に説明する。
一般的に、車両旋回時における操縦安定性を向上させるためには、旋回状態にある車体に発生するロールとピッチの発生タイミングを同期させることが有効であるといわれている。すなわち、旋回状態において、操縦安定性に優れた車両ではロールとピッチがほぼ同時に車体に発生する傾向にあり、操縦安定性に劣る車両ではロールとピッチが時間差を有して車体に発生する傾向にある。このことは、旋回状態で操縦安定性に優れた車両ほど、車体に発生するロール角とピッチ角の間の位相差がより小さいともいえる。
すなわち、操縦安定性に優れた車両においては、ロール角とピッチ角との間の位相差が小さくなる傾向にあるため、例えば、ピッチ角は、ロール角の変化に対して極めて小さなヒステリシスを有する変化特性となるといえる。一方、操縦安定性に劣る車両においては、ロール角とピッチ角との間の位相差が大きくなる傾向にあるため、ピッチ角は、ロール角の変化に対して大きなヒステリシスを有する変化特性となるといえる。
このため、車両の操縦安定性を向上させるためには、ロール角とピッチ角との間の相関関係が、図6に示すように、極めて小さなヒステリシスを有する変化特性に基づいて変化することが望ましい。ところで、一般的に、旋回状態にある車両は、旋回外側のバネ上(すなわち車体)を沈み込込ませることによってロールを発生させて走行する。したがって、この発生するロール角の変化に対して良好な操縦安定性を得るためには、ピッチ角を制御することが有効となる。
この場合、サスペンションECU21は、図6に示した関係を目標マップとして採用し、旋回状態にある車体に発生した実ロール角φに対して、実ピッチ角θをこの目標マップにおける目標ピッチ角θaと一致させることができれば、良好な操縦安定性を確保するためのロール制御を行うことができる。
ところで、上述したように、ハイトコントロールECU22が車高調整制御を実行している状況では、この車高調整制御によっても実ピッチ角θが変化する。このため、車高調整制御が行われている状況下で単に実ロール角φに基づき目標ピッチ角θaを決定すると、車高調整制御に伴う実ピッチ角θの変化の影響が考慮されないため、正確な目標ピッチ角θaを決定することができない。したがって、前記ステップS15にて決定したオフセット量Jを考慮する必要がある。このため、サスペンションECU21は、図6にて破線で示すように示すように、車高調整に伴って変化するオフセット量Jに合わせて目標マップの原点を変更することによって目標ピッチ角θaを補正し、この補正した目標ピッチ角θahに対して実ピッチ角θが一致するようにする。なお、この場合、下記式3に従って、目標ピッチ角θaをオフセット量Jで補正し、この補正した目標ピッチ角θahを算出するようにしてもよい。
θah=θa+J …式3
したがって、サスペンションECU21は、例えば、オフセット量Jに合わせて原点が移動した目標マップの座標上にて、図7に示すように、実ロール角φに対する目標ピッチ角θahと実ピッチ角θの差分値Δθを計算する。そして、サスペンションECU21は、差分値Δθを計算すると、ステップS103に進む。
ステップS103においては、サスペンションECU21は、差分値Δθを「0」、すなわち、実ピッチ角θを目標ピッチ角θahに一致させるために必要となる前輪側の左右ショックアブソーバ11,12および後輪側の左右ショックアブソーバ13,14に対する総要求減衰力Fを計算する。以下、この総要求減衰力Fの計算について説明するが、この計算に関しても、周知の種々の方法を採用することができるため、詳細な説明を省略し、例示的に簡単に説明する。
車体に発生するピッチ角は、車体の前後方向におけるピッチモーメントMによって発生する。したがって、車体に発生するピッチ角を制御するために必要な総要求減衰力Fは、ピッチモーメントMを用いて計算することができる。
すなわち、ピッチモーメントMは、下記式4により計算することができる。
M=I・(Δθ)''+C・(Δθ)'+K・(Δθ) …式4
ただし、前記式4中のIは慣性モーメントを表し、Cは減衰係数を表し、Kはバネ定数を表す。また、前記式3中の(Δθ)''は前記ステップS102にて計算した差分値Δθの2階微分値を表し、(Δθ)'は差分値Δθの微分値を表す。
そして、総要求減衰力Fは、前記式4によって表される車体前後方向のピッチモーメントMを車両のホイールベースLで除算することによって計算することができる。すなわち、総要求減衰力Fは、下記式5に従って計算することができる。
F=M/L …式5
このように、総要求減衰力Fを計算すると、サスペンションECU21は、ステップS104に進む。
ステップS104においては、サスペンションECU21は、前記ステップS103にて計算した総要求減衰力Fを前輪側の左右ショックアブソーバ11,12間および後輪側の左右ショックアブソーバ13,14間で分配するための分配演算を実行する。なお、以下の説明においては、前輪側と後輪側とで同様に計算することができるため、前輪側の左右のショックアブソーバ11,12を代表的して説明する。
総要求減衰力Fを左右のショックアブソーバ11,12に分配するにあたり、サスペンションECU21は、旋回状態にある車両に発生した横加速度Gの大きさに比例する分配量Xを用いる。具体的に説明すると、今、車両の前輪側に対して総減衰力Fが要求される状況を想定すると、まず、各ショックアブソーバ11,12には、総要求減衰力Fが均等に分配される。
そして、サスペンションECU21は、各ショックアブソーバ11,12に均等に分配された要求減衰力(F/2)に対して、分配量Xを加算する。このとき、サスペンションECU21は、横加速度センサ23から入力した横加速度Gの向きに基づき、旋回内側のショックアブソーバ11(ショックアブソーバ12)の要求減衰力(F/2)に対して、正の分配量Xを加算する。一方、サスペンションECU21は、旋回外側のショックアブソーバ12(ショックアブソーバ11)の要求減衰力(F/2)に対して、負の分配量Xを加算する。
すなわち、旋回内側に対応するショックアブソーバ11(ショックアブソーバ12)に要求される減衰力Fiと旋回外側に対応するショックアブソーバ12(ショックアブソーバ11)に要求される減衰力Foは、下記式6,7で示される。
Fi=(F/2)+X …式6
Fo=(F/2)−X …式7
ここで、上述したように、分配量Xは、横加速度Gの大きさに比例するため、下記式8により表すことができる。
X=α・(F/2) …式8
ただし、前記式8におけるαは、横加速度Gの大きさに比例して変化する変数であり、下記式9により表される。
α= (1+|G|・K) …式9
なお、前記式9中のKは、サスペンションECU21によるロール制御に関し、例えば、運転者によって選択される乗り心地優先制御やスポーツ走行優先制御などにより変化し得る正の変数である。
ところで、前記式6〜9の関係に基づけば、旋回内側のショックアブソーバ11(ショックアブソーバ12)に要求される減衰力Fiは常に正の値となり、旋回外側のショックアブソーバ12(ショックアブソーバ11)に要求される減衰力Foは常に負の値となる関係が成立する。また、旋回内側のショックアブソーバ11(ショックアブソーバ12)に対する要求減衰力Fiと旋回外側のショックアブソーバ12(ショックアブソーバ11)に対する要求減衰力Foとを互いに加算すると、前輪側に要求される総要求減衰力Fとなる。このように、旋回内側と旋回外側とで、要求される減衰力の符号が異なることにより、車両旋回時において、ショックアブソーバ11,12は、それぞれ、適切に減衰力を発生させることができる。
すなわち、横加速度Gに比例して変化する変数αを用いて分配量Xを計算することによって、同一方向に車両が旋回している状態では、旋回内側に対応するショックアブソーバ11(ショックアブソーバ12)の要求減衰力Fiは絶対値が大きな正の値となり、旋回外側に対応するショックアブソーバ12(ショックアブソーバ11)の要求減衰力Foは絶対値が小さな負の値となる。
そして、横加速度Gに比例する変数αを用いることにより、前輪側に要求されるトータルの総要求減衰力Fは変動しないものの、左右のショックアブソーバ11,12に要求されるそれぞれの要求減衰力Fi,Foは変数αの大きさに応じて適宜変更することができる。したがって、車両旋回時において、ショックアブソーバ11,12は、それぞれ、適切に減衰力を発生させることができ、車体に発生した実ピッチ角θを目標ピッチ角θahまで確実に変更することができる。
このように、左右のショックアブソーバ11,12,13,14に対して、車両の旋回内側に対応するショックアブソーバに要求減衰力Fiを分配し、旋回外側に対応するショックアブソーバに要求減衰力Foを分配すると、サスペンションECU21は、ステップS105に進む。
ここで、上述したように左右のショックアブソーバ間で総要求減衰力Fが分配される状況では、車両に発生する横加速度Gが同一方向に作用している限り、前記式6〜9からも明らかなように、旋回内側に対応するショックアブソーバ11(または、ショックアブソーバ12)の要求減衰力Fiが常に大きくなり、旋回外側に対応するショックアブソーバ12(または、ショックアブソーバ11)の要求減衰力Foが常に小さくなる関係が成立する。これにより、車両が旋回状態から直進状態に戻ったときの実ピッチ角θが大きくなることを防止することができる。
すなわち、旋回内側に対応するショックアブソーバ11(または、ショックアブソーバ12)の要求減衰力Fiが常に大きいため、同一方向への旋回状態においては、常に旋回内側を支点として車体はロールする。したがって、ロール挙動に伴う車高変化を小さくすることができるため、車両が旋回状態から直進状態に戻ったときの実ピッチ角θが大きくなることを防止することができる。
ステップS105においては、サスペンションECU21は、旋回内側に対応するショックアブソーバが前記ステップS104にて分配した要求減衰力Fiを発生するように、また、旋回外側に対応するショックアブソーバが前記ステップS14にて分配した要求減衰力Foを発生するように、駆動回路28a,28b,28c,28dを駆動制御する。これにより、ショックアブソーバ11,12,13,14のロータリーバルブ11a,12a,13a,14aがそれぞれ作動流体の流路径を変更する。したがって、ショックアブソーバ11,12,13,14が発生する減衰力が、車両の旋回方向に応じて、それぞれ要求減衰力Fiまたは要求減衰力Foと一致するようになる。
そして、サスペンションECU21は、ショックアブソーバ11,12,13,14の減衰力を適宜変更すると、ステップS106に進み、ロール制御ルーチンの実行を終了する。
ふたたび、図3に示す姿勢制御プログラムに戻り、サスペンションECU21は、ステップS17にて、車両が旋回状態を継続しているか否かを判定する。すなわち、サスペンションECU21は、前記ステップS11と同様に、例えば、横加速度センサ23によって検出された横加速度Gを入力し、同入力した横加速度Gの値に基づいて、車両が旋回状態を継続しているか否かを判定する。
そして、サスペンションECU21は、車両が旋回状態を継続していれば、「Yes」と判定し、ふたたび、前記ステップS14以降の各ステップ処理を実行する。一方、サスペンションECU21は、車両が旋回状態でなければ、言い換えれば、車両が直進状態となっていれば、「No」と判定してステップS18に進み、姿勢制御プログラムの実行を一旦終了する。そして、所定の短時間の経過後、サスペンションECU21は、ふたたび、姿勢制御プログラムの実行をステップS10にて開始する。
以上の説明からも理解できるように、この第1実施形態によれば、車両が旋回を開始した時点における各ショックアブソーバ11,12,13,14のストローク量hfl,hfr,hrl,hrrを基準ストローク量すなわちストローク基準点として決定するとともに、このストローク基準点に対応する実ピッチ角θを基準ピッチ角θbとして決定することができる。そして、この基準ピッチ角θbから車高調整に伴って変化する実ピッチ角θの変化量すなわち差分角度(θ−θb)を、目標ピッチ角θaを補正するためのオフセット量Jとして決定することができる。
このように、オフセット量Jを決定して用いることにより、車高調整による車高変化に伴う実ピッチ角θの変化に合わせて目標ピッチ角θaを同期的に変化させて、補正した目標ピッチ角θahを決定することができる。言い換えれば、車高調整に伴う車高変化に応じて目標ピッチ角θahを適切に決定することができるため、車両が旋回しているときであっても、車高調整を行うことができるとともに、旋回に伴って発生するロールの挙動をも適切に制御することができる。そして、このように、目標ピッチ角θahを決定することにより、ロールの挙動を制御するために必要なショックアブソーバ11,12,13,14の減衰力Fi,Foを正確に決定して、ロータリーバルブ11a,12a,13a,14aを電気的に制御することができ、その結果、良好な操縦安定性を確保することができる。
また、サスペンションECU21は、車両の旋回に伴って変化する横加速度Gの大きさに応じて、旋回内側に配設されるショックアブソーバの減衰力Fiが旋回外側に配設されるショックアブソーバの減衰力Foよりも大きくなるように制御することができる。
より具体的に説明すると、サスペンションECU21は、補正した目標ピッチ角θahを実現するために、前後左右に配設される各ショックアブソーバ11,12,13,14が協働して発生すべき総要求減衰力Fを計算することができる。そして、サスペンションECU21は、この総要求減衰力Fを、横加速度Gの大きさ応じて、旋回内側に配設されるショックアブソーバの減衰力Fiが旋回外側に配設されるショックアブソーバの減衰力Foよりも大きくなるように分配することができる。
このように、旋回内側のショックアブソーバの減衰力Fiと旋回外側のショックアブソーバの減衰力Foを決定すると、サスペンションECU21は、各ショックアブソーバ11,12,13,14に設けられたロータリーバルブ11a,12a,13a,14aを電気的に制御する。これにより、旋回内側に配設されたショックアブソーバおよび旋回外側に配設されたショックアブソーバが、それぞれ、決定された減衰力Fi,Foを発生することができる。
これにより、同一方向に旋回している車両においては、横加速度Gの発生方向が旋回状態を通して常に同一方向であるため、常に、旋回内側のショックアブソーバを支点としてロールの挙動を制御することができる。したがって、旋回状態にある車体に発生するロールの発生挙動を同様にする、言い換えれば、実ロール角φと実ピッチ角θとの間の位相をほぼ同じとすることができ、車両旋回時における姿勢変化の挙動を一定とすることができる。そして、このように、車両旋回時における姿勢変化の挙動を一定とすることにより、ロールの挙動を適切に(より自然に)制御することができて、車両の操縦安定性を大幅に向上させることができる。
また、ロールの挙動を制御するために必要な総要求減衰力Fを、横加速度Gの大きさに比例して、旋回内側に配設されるショックアブソーバの減衰力Fiと旋回外側に配設されるショックアブソーバの減衰力Foとに分配することができる。このとき、横加速度Gの絶対値の大きさに比例する分配量Xを計算し、同計算した分配量Xを、総要求減衰力Fが均等に分配された旋回内側に配設されるショックアブソーバに対して加算し、旋回外側に配設されるショックアブソーバから減算することによって、旋回内側に配設されるショックアブソーバの減衰力Fiを旋回外側に配設されるショックアブソーバの減衰力Foよりも大きくすることができる。
これにより、極めて厳密に旋回内側に配設されるショックアブソーバと旋回外側に配設されるショックアブソーバとが発生すべき減衰力Fi,Foを決定することができる。また、横加速度Gの大きさに比例する分配量Xを加減算することにより、例えば、ロールの挙動を制御するために前輪側に配設される左右のアブソーバ11,12が要求される総要求減衰力Fを発生しつつ、旋回内側に配設されるショックアブソーバの減衰力Fiが旋回外側に配設されるショックアブソーバの減衰力Foよりも大きくなる状態を維持することができる。したがって、車両旋回時における姿勢変化の挙動を一定とすることにより、ロールの挙動をより正確に制御することができて、車両の操縦安定性を大幅に向上させることができる。
b.第2実施形態
上記第1実施形態においては、サスペンションECU21が、ロール制御ルーチンを実行することにより、前記式8,9に従って車両に発生した横加速度Gに比例する分配量Xを演算し、前記式6,7に従って旋回内側に対応するショックアブソーバの要求減衰力Fiおよび旋回外側に対応するショックアブソーバの要求減衰力Foを演算するように実施した。そして、サスペンションECU21は、演算した要求減衰力Fiおよび要求減衰力Foが対応するショックアブソーバによって発生するように駆動回路28a,28b,28c,28dを介してロータリーバルブ11a,12a,13a,14aをそれぞれ連続的に作動させて、各ショックアブソーバ11,12,13,14の減衰力を制御するように実施した。
これに対して、より簡易的に、ショックアブソーバ11,12,13,14の減衰力を制御して実施することも可能である。以下、この第2実施形態を詳細に説明する。
この第2実施形態においても、サスペンションECU21は、横加速度センサ23によって検出される車両に発生した横加速度Gの大きさに応じて各ショックアブソーバ11,12,13,14の減衰力を変更して制御する。ただし、この第2実施形態においては、サスペンションECU21は、各ショックアブソーバ11,12,13,14の減衰力を所定の変化幅を有するように段階的に変更して制御する、すなわち、減衰力を変更するために設けられたロータリーバルブ11a,12a,13a,14aが段階的に作動流体の流路径の大きさを切り替える切替段数を決定し、この決定した切替段数となるようにショックアブソーバ11,12,13,14のロータリーバルブ11a,12a,13a,14aを制御する。
ここで、ロータリーバルブ11a,12a,13a,14aの切替段数について説明する。切替段数は、図8に概略的に示すように、複数の切替段数(例えば、9段階)を有し、検出横加速度Gの絶対値の増大に伴って、減衰力が小さくなる切替段数から減衰力が大きくなる切替段数に変化する。さらに、各切替段数間の減衰力の変化幅は、旋回内側に対応するショックアブソーバの変化幅が大きく設定され、旋回外側に対応するショックアブソーバの変化幅が小さく設定される。すなわち、旋回内側に対応するショックアブソーバにおいては、検出横加速度Gの絶対値が小さい場合であっても、減衰力が最大となる最大切替段数となり、旋回外側に対応するショックアブソーバにおいては、検出横加速度Gが大きい場合に最大切替段数となる。
なお、この第2実施形態においては、切替段数が検出横加速度Gの変化に対して比例するすなわち線形的に変化するように実施する。しかし、この場合、切替段数が検出横加速度Gの変化に対して非線形的に変化するように実施することも可能である。
そして、サスペンションECU21は、横加速度センサ23によって検出された横加速度Gを入力すると、図8に示したように、横加速度Gの大きさに応じて変化する切替段数が予め設定された切替段数マップを参照し、旋回内側および旋回外側に対応する各ショックアブソーバの切替段数すなわち要求減衰力を決定する。
なお、旋回内側に対応するショックアブソーバの切替段数によって発生する減衰力と旋回外側に対応するショックアブソーバの切替段数によって発生する減衰力との和が、上述した第1実施形態におけるトータルの総要求減衰力Fとなるように、切替段数間の減衰力の変化幅が決定される。これにより、サスペンションECU21が旋回内側のショックアブソーバに対する切替段数と旋回外側のショックアブソーバに対する切替段数とを決定することにより、総要求減衰力Fは、左右のショックアブソーバに対して分配される。
次に、上述した切替段数の決定について、具体的に前輪側のショックアブソーバ11,12を例示して説明する。サスペンションECU21は、横加速度センサ23によって検出された横加速度Gを入力すると、同入力した横加速度Gの符号に基づき、車両の旋回方向を決定する。すなわち、入力した横加速度Gの符号が正であれば、現在、車両が左旋回状態であるため、サスペンションECU21は、ショックアブソーバ11が旋回内側に対応し、ショックアブソーバ12が旋回外側に対応すると決定する。
そして、サスペンションECU21は、図8に示した切替段数マップを参照し、入力した横加速度Gの絶対値に基づき、旋回内側のショックアブソーバ11の切替段数Niを決定し、旋回外側のショックアブソーバ12の切替段数Noを決定する。このとき、旋回内側の切替段数Niは、旋回外側の切替段数Noよりも大きな切替段数となる。言い換えれば、サスペンションECU21は、旋回内側のショックアブソーバ11に対して大きな減衰力を要求し、旋回外側のショックアブソーバ12に対して小さな減衰力を要求する。
したがって、この第2実施形態においても、車体に発生したロール角φを制御するために、実ピッチ角θを目標ピッチ角θahと一致させるために必要な総要求減衰力Fを、車両に発生する横加速度Gに応じて、左右のショックアブソーバ11,12(またはショックアブソーバ13,14)間で適切に分配することができる。これにより、旋回状態と旋回戻し状態との間で、位相差を同様に変化させることができるため、上記第1実施形態と同様の効果が期待できる。
また、この第2実施形態においては、サスペンションECU21は、横加速度センサ23から検出横加速度Gを入力すると、同入力した横加速度Gに基づいて切替段数マップを参照することのみで旋回内側のショックアブソーバおよび旋回外側のショックアブソーバの切替段数Ni,Noを決定することができる。すなわち、上記第1実施形態で説明したように、逐次、要求減衰力Fi,Foを演算処理によって決定する必要がない。したがって、サスペンションECU21の負担を軽減することができ、例えば、処理負担が増大することによる発熱などの問題を解決することができる。さらに、この場合、例えば、サスペンションECU21に冷却手段などを設ける必要がなく、装置自体を小型化することもできる。
本発明の実施にあたっては、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
例えば、上記各実施形態においては、サスペンションECU21が横加速度センサ23によって検出された横加速度Gに応じて、各ショックアブソーバ11,12,13,14の要求減衰力Fi,Foまたは切替段数Ni,Noを決定して減衰力を制御するように実施した。これに対して、例えば、車両に発生するヨーレートに応じて各ショックアブソーバ11,12,13,14の要求減衰力Fi,Foまたは切替段数Ni,Noを決定して減衰力を制御するように実施することも可能である。この場合には、発生したヨーレートを検出し、同検出したヨーレートをサスペンションECU21に出力するヨーレートセンサを設けるとよい。なお、ヨーレートセンサは、車両が左旋回するときに発生するヨーレートを正の値として出力し、右旋回するときに発生するヨーレートを負の値として出力するとよい。
このように、車両に発生するヨーレートを用いる場合においても、サスペンションECU21がヨーレートの絶対値の大きさに比例する変数αを用いて分配量Xを計算する。そして、サスペンションECU21が旋回内側に対応するアブソーバの要求減衰力Fiおよび旋回外側に対応するアブソーバの要求減衰力Foを計算することにより、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、サスペンションECU21が、ヨーレートの絶対値の大きさに応じて切替段数Ni,Noを決定することにより、上記第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、例えば、運転者によって回動操作される操舵ハンドルの回動操作量としての操舵角の大きさに応じて各ショックアブソーバ11,12,13,14の要求減衰力Fi,Foまたは切替段数Ni,Noを決定して減衰力を制御するように実施することも可能である。この場合には、運転者による操舵ハンドルの回動操作に伴って変化する操舵角を検出し、同検出した操舵角をサスペンションECU21に出力する操舵角センサを設けるとよい。なお、操舵角センサは、車両を左旋回させるために操舵ハンドルが左方向に回動されたときの操舵角を正の値として出力し、右旋回させるために右方向に回動されたときの操舵角を負の値として出力するとよい。
このように、操舵ハンドルの操舵角を用いる場合においても、サスペンションECU21が操舵角の絶対値の大きさに比例する変数αを用いて分配量Xを計算する。そして、サスペンションECU21が旋回内側に対応するアブソーバの要求減衰力Fiおよび旋回外側に対応するアブソーバの要求減衰力Foを計算することにより、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、サスペンションECU21が、操舵角の絶対値の大きさに応じて切替段数Ni,Noを決定することにより、上記第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、上記実施形態においては、決定したオフセット量Jを用いて、目標マップ、すなわち、目標ピッチ角θaをオフセットさせて目標ピッチ角θahを決定するように実施した。しかし、例えば、実ピッチ角θを決定したオフセット量Jを用いてオフセットさせる場合であっても、実質的に同一であり、上記実施形態と同様の効果が得られることはいうまでもない。
本発明の実施形態に共通する車両の姿勢制御装置の構成を示す概略図である。 図1の電気制御装置の構成を説明するための図である。 図2のサスペンションECUによって実行される姿勢制御プログラムのフローチャートである。 オフセット量の決定を説明するための図である。 図2のサスペンションECUによって実行されるロール制御ルーチンのフローチャートである。 ロール角とピッチ角との関係におけるオフセットを説明するためのグラフである。 補正した目標ピッチ角の決定を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係り、旋回内側および旋回外側のショックアブソーバにおける横加速度の変化に対する切替段数の変化を説明するための図である。
符号の説明
10…姿勢制御装置、11,12,13,14…ショックアブソーバ、11a,12a,13a,14a…ロータリーバルブ、11b,12b,13b,14b…エアチャンバ、20…電気制御装置、21…サスペンションECU、22…ハイトコントロールECU、23…横加速度センサ、24,25,26,27…ストロークセンサ、28a,28b,28c,28d,29…駆動回路

Claims (11)

  1. 車体と車輪との間に配設されて車高を調整する機能を有するショックアブソーバの車高調整機能および減衰力を制御して車体の姿勢を制御する車両の姿勢制御装置において、
    車両の旋回に伴って車体に発生するロールを制御するために予め設定されたロール角とピッチ角との間の相関関係に基づき、車体に発生した実ロール角に対応する目標ピッチ角を決定する目標ピッチ角決定手段と、
    前記車高調整機能によって車高が調整されているときに、前記目標ピッチ角決定手段により決定された目標ピッチ角を、前記車高の変化量を用いて補正する目標ピッチ角補正手段と、
    前記目標ピッチ角補正手段によって補正された目標ピッチ角を実現するために、前記ショックアブソーバの減衰力を変更制御する減衰力制御手段とを備えたことを特徴とする車両の姿勢制御装置。
  2. 請求項1に記載した車両の姿勢制御装置において、
    前記目標ピッチ角補正手段を、
    前記ショックアブソーバのストローク量を検出するストローク量検出手段と、
    車両が旋回を開始した時点における前記ストローク量検出手段によって検出されたストローク量を基準ストローク量として決定する基準ストローク量決定手段と、
    前記基準ストローク量決定手段によって決定された基準ストローク量に対応する車体の実ピッチ角を基準ピッチ角として決定する基準ピッチ角決定手段と、
    前記車両調整機能による車両の調整に伴って変化する実ピッチ角と前記基準ピッチ角決定手段によって決定された基準ピッチ角との差分を、前記目標ピッチ角決定手段によって決定された目標ピッチ角を補正するためのオフセット量として決定するオフセット量決定手段とで構成したことを特徴とする車両の姿勢制御装置。
  3. 請求項1に記載した車両の姿勢制御装置において、
    前記減衰力制御手段は、
    車両の旋回に伴って変化する所定の物理量を検出する物理量検出手段と、
    前記目標ピッチ角補正手段によって補正された目標ピッチ角を実現するために、車両の前輪側に配設される左右のショックアブソーバおよび車両の後輪側に配設される左右のショックアブソーバが協働して発生すべき総減衰力を計算する総減衰力計算手段と、
    前記総減衰力計算手段によって計算された総減衰力を、前記物理量検出手段によって検出された所定の物理量に応じて、前記旋回内側に配設されるショックアブソーバと前記旋回外側に配設されるショックアブソーバとに分配するものであって、前記旋回内側に配設されるショックアブソーバの減衰力を前記旋回外側に配設されるショックアブソーバの減衰力よりも大きく分配する総減衰力分配手段とを備えており、
    前記総減衰力分配手段によって分配された旋回内側に配設されるショックアブソーバの減衰力および旋回外側に配設されるショックアブソーバの減衰力に基づいて、各ショックアブソーバの減衰力を変更制御することを特徴とする車両の姿勢制御装置。
  4. 請求項3に記載した車両の姿勢制御装置において、
    前記総減衰力計算手段は、
    車体に発生した実ピッチ角を演算し、
    前記演算した実ピッチ角と前記目標ピッチ角補正手段によって補正された目標ピッチ角の間の差分値を演算し、
    前記演算した差分値が略「0」となる総減衰力を計算することを特徴とする車両の姿勢制御装置。
  5. 請求項3に記載した車両の姿勢制御装置において、
    前記総減衰力分配手段は、
    前記総減衰力計算手段によって計算された総減衰力を、前記物理量検出手段によって検出された所定の物理量に比例して、前記旋回内側に配設されるショックアブソーバの減衰力が前記旋回外側に配設されるショックアブソーバの減衰力よりも大きくなるように分配することを特徴とする車両の姿勢制御装置。
  6. 請求項5に記載した車両の姿勢制御装置において、
    前記総減衰力分配手段は、
    前記総減衰力計算手段によって計算された総減衰力を前記旋回内側に配設されるショックアブソーバと前記旋回外側に配設されるショックアブソーバとに均等に分配するとともに、前記物理量検出手段によって検出された所定の物理量と比例関係にある減衰力分配量を、前記旋回内側に配設されるショックアブソーバに加算する一方、前記旋回外側に配設されるショックアブソーバから減算し、前記旋回内側に配設されるショックアブソーバの減衰力が前記旋回外側に配設されるショックアブソーバの減衰力よりも大きくなるように分配することを特徴とする車両の姿勢制御装置。
  7. 請求項3に記載した車両の姿勢制御装置において、
    前記前輪側および後輪側に配設される左右のショックアブソーバの減衰力は、それぞれ、所定の変化幅を有する複数の切替段数によって段階的に切り替えられるものであり、
    前記総減衰力分配手段は、
    前記総減衰力計算手段によって計算された総減衰力を、前記物理量検出手段によって検出された所定の物理量に応じて、前記旋回内側に配設されるショックアブソーバの減衰力が前記旋回外側に配設されるショックアブソーバの減衰力よりも大きくなるように、前記旋回内側に配設されるショックアブソーバおよび前記旋回外側に配設されるショックアブソーバの前記切替段数を決定して分配することを特徴とする車両の姿勢制御装置。
  8. 請求項7に記載した車両の姿勢制御装置において、
    前記旋回内側に配設されるショックアブソーバに対して決定される前記切替段数間における減衰力の前記所定の変化幅は、前記物理量検出手段によって検出された所定の物理量の変化に対して大きな値を有し、前記旋回外側に配設されるショックアブソーバに対して決定される前記切替段数間における減衰力の前記所定の変化幅は、前記物理量検出手段によって検出された所定の物理量の変化に対して小さな値を有することを特徴とする車両の姿勢制御装置。
  9. 請求項7に記載した車両の姿勢制御装置において、
    前記切替段数は、
    前記物理量検出手段によって検出された所定の物理量の変化に対して、線形的または比線形的に変化して決定されることを特徴とする車両の姿勢制御装置。
  10. 請求項3に記載した車両の姿勢制御装置において、
    前記物理量検出手段が検出する所定の物理量は、
    車両の旋回に伴って発生する横加速度、車両の旋回に伴って発生するヨーレートおよび運転者によって操作される操舵ハンドルの操作量のうちの少なくとも一つであることを特徴とする車両の姿勢制御装置。
  11. 請求項1に記載した車両の姿勢制御装置において、
    前記ショックアブソーバは、
    電気的に作動制御されて同ショックアブソーバの減衰力を変更するための電気アクチュエータを備えており、
    前記減衰力制御手段は、
    前記電気アクチュエータを電気的に作動制御することにより、ショックアブソーバの減衰力を変更制御することを特徴とする車両の姿勢制御装置。
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