JP2009064826A - スピントランジスタ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スピン偏極キャリア注入層とスピンフィルタ層の磁化の向きが平行の場合と反平行の場合における、ソース・ドレイン電極間の抵抗変化率が十分に大きなスピントランジスタ、及びこのようなスピントランジスタの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るスピントランジスタ30は、固定層3、フリー層5、及び固定層3とフリー層5との間に設けられた半導体層4とを有する磁気抵抗効果素子14と、磁気抵抗効果素子14の積層方向の一方の端面14T1に電気的に接続されたソース電極層12と、磁気抵抗効果素子14の積層方向の他方の端面14T2に電気的に接続されたドレイン電極層20と、半導体層4の側面4Lに設けられたゲート絶縁層16を介して半導体層4の横方向に隣接するゲート電極層18とを備えることを特徴とする。
【選択図】図3
【解決手段】本発明に係るスピントランジスタ30は、固定層3、フリー層5、及び固定層3とフリー層5との間に設けられた半導体層4とを有する磁気抵抗効果素子14と、磁気抵抗効果素子14の積層方向の一方の端面14T1に電気的に接続されたソース電極層12と、磁気抵抗効果素子14の積層方向の他方の端面14T2に電気的に接続されたドレイン電極層20と、半導体層4の側面4Lに設けられたゲート絶縁層16を介して半導体層4の横方向に隣接するゲート電極層18とを備えることを特徴とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、スピントランジスタ及びその製造方法に関する。
近年、スピンエレクトロニクスに対する研究が注目されている。スピントランジスタは、電子のスピンを利用したトランジスタであり、新技術のイノベーションを起こすものとして期待されている。スピントランジスタは、新たな構造の記憶素子(特許文献1、特許文献2参照)や、多機能の論理回路(特許文献5参照)として利用することもでき、また、磁性体プロセスを用いて製造されることから、磁性素子の制御素子としての利用も考えられる。
特に、特許文献1の図11、特許文献3の図4及び特許文献4の図4においては、ソース電極及びドレイン電極を構成する2つの強磁性金属間に、非磁性の半導体層を設け、この半導体層上に、ゲート絶縁層を介してゲート電極層を設けた、又は半導体層とショットキー接触させたゲート電極を設けたスピントランジスタが開示されている。
この従来技術のスピントランジスタにおいては、ソース電極によってスピン偏極した電子が半導体層に注入される。即ち、ソース電極は通常の電極としての機能と、スピン偏極電子注入層としての機能とを兼ねている。また、半導体層に注入される電子のスピンの偏極方向はソース電極の磁化方向に依存し、半導体層に注入される電子のスピン偏極率はスピン偏極電子注入層であるソース電極のスピン偏極率に依存する。
そして、半導体層のチャネルを通ってドレイン内に注入される電子は、その偏極の方向に依存して散乱される。換言すれば、ソース電極から半導体チャネルに注入された電子は、ドレイン電極側でスピン依存散乱する。即ち、ドレイン電極は通常の電極としての機能と、特定の方向に偏極した電子を優先的に受け入れるスピンフィルタ層としての機能を兼ねている。そのため、ソース電極とドレイン電極の磁化の向きが平行の場合には、ソース・ドレイン電極間の抵抗は小さくなり、反平行の場合にはその抵抗は大きくなる。
特開2004−111904号公報
国際公開WO2004/079827号パンフレット
米国第6,873,545 B2号明細書
米国第5,654,566号明細書
国際公開WO2004/086625号パンフレット
スピントランジスタの記憶素子等への応用を考えた場合、スピン偏極電子注入層とスピンフィルタ層(上述の従来のスピントランジスタにおいては、ソース電極とドレイン電極)の磁化の向きが平行の場合と反平行の場合における、ソース・ドレイン電極間の抵抗変化率は大きい程好ましい。そして、このソース・ドレイン電極間の抵抗変化率は、ソース電極から半導体層に注入され、ドレイン電極に注入される際の電子のスピン偏極率に依存する。
しかしながら、従来のスピントランジスタにおいては、ソース電極から半導体層に注入されたスピン偏極電子は、ドレイン電極に到達するまでの間にスピン拡散されてスピン偏極率が減少するため、スピン偏極電子注入層とスピンフィルタ層の磁化の向きが平行の場合と反平行の場合における、ソース・ドレイン電極間の抵抗変化率を十分に高くすることが困難であるという問題があった。
即ち、半導体層を通過するスピン偏極電子は、一定の距離を通過すると、半導体層内の電子等によってスピン拡散されてスピン偏極情報を失ってしまう。このようにスピン偏極電子がスピン偏極情報を失うまでに進む平均距離は、スピン拡散長と呼ばれる。このスピン拡散長はスピン偏極電子が通過する領域の電子密度が増加すると急激に減少してしまう。そして、従来のスピントランジスタにおいては、ソース電極から半導体層に注入されたスピン偏極電子は、ゲート電圧の印加によって形成された電子密度の高いチャネル内を通過してドレイン電極に到達する。そのため、ソース電極から半導体層に注入されたスピン偏極電子は、ドレイン電極に到達する前にスピン偏極率が大きく減少してしまうため、スピン偏極電子注入層とスピンフィルタ層の磁化の向きが平行の場合と反平行の場合におけるソース・ドレイン電極間の抵抗変化率が小さくなってしまうという問題があった。
このような問題は、ソース電極とドレイン電極間の距離を短くし、半導体層に形成されるチャネル長を短くすれば軽減することができる。しかし、従来技術におけるスピントランジスタでは、ソース電極とドレイン電極間の距離の短縮化には微細加工技術上の限界があり、上述の問題を十分に解決することはできなかった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、スピン偏極キャリア注入層とスピンフィルタ層の磁化の向きが平行の場合と反平行の場合における、ソース・ドレイン電極間の抵抗変化率が十分に大きなスピントランジスタ、及びこのようなスピントランジスタの製造方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明に係るスピントランジスタは、固定層、フリー層、及び固定層とフリー層との間に設けられた半導体層とを有する磁気抵抗効果素子と、磁気抵抗効果素子の積層方向の一方の端面に電気的に接続されたソース電極層と、磁気抵抗効果素子の積層方向の他方の端面に電気的に接続されたドレイン電極層と、半導体層の側面に設けられたゲート絶縁層を介して半導体層の横方向に隣接するゲート電極層とを備えることを特徴とする。
本発明のスピントランジスタによれば、ゲート電極層に電圧を印加することにより、この電圧に対応して半導体層内にチャネルが形成されるため、ソース電極層から固定層(又はフリー層)を経由して半導体層のチャネル内に流れ込むキャリアが増加する。そのため、通常の電界効果トランジスタと同様の機能を発揮する。また、この際、固定層(又はフリー層)はスピン偏極キャリア注入層として機能するため、固定層(又はフリー層)の磁化方向と同方向にスピン偏極したキャリアが半導体層に注入される。
そして、半導体層に注入されたスピン偏極キャリアは、フリー層(又は固定層)を経由してドレイン電極層に流れ込む。この際、フリー層(又は固定層)は、スピンフィルタ層として機能するため、半導体層に注入されたスピン偏極キャリアは、半導体層とフリー層(又は固定層)との界面において、スピン依存散乱することとなる。
即ち、スピン偏極キャリア注入層の磁化の向きがスピンフィルタ層の磁化の向きとは逆向きの場合、半導体層に注入されたスピン偏極キャリアは半導体層とスピンフィルタ層の界面において大部分が反射され、ドレイン電極層には流れ込まない。一方、スピン偏極キャリア注入層の磁化の向きがスピンフィルタ層の磁化の向きと同一の場合、半導体層に注入されたスピン偏極キャリアは半導体層とスピンフィルタ層の界面を大部分が通過し、ドレイン電極層に流れ込む。そのため、スピン偏極キャリア注入層とスピンフィルタ層の磁化の向きが平行の場合と反平行の場合とでは、ソース・ドレイン電極層間の抵抗値が異なることとなる。
そして、本発明のスピントランジスタでは、ゲート電極層は、半導体層の側面に設けられたゲート絶縁層を介して半導体層の横方向に隣接しているため、半導体層に形成されるチャネル長は半導体層の厚さと同程度となる。そのため、スピン偏極キャリア注入層から半導体層に注入されたスピン偏極キャリアが半導体層内でスピン拡散する確率は低くなり、スピン偏極率の高いキャリアがスピンフィルタ層に到達する。従って、スピン偏極キャリア注入層とスピンフィルタ層の磁化の向きが平行の場合と反平行の場合における、ソース・ドレイン電極層間の抵抗変化率が十分に大きなスピントランジスタを得ることができる。
さらに、ゲート電極層は、半導体層を横方向から挟むように一対設けられていることが好ましい。これにより、一対のゲート電極層に電圧を印加することにより、半導体層に2つのチャネルを形成することができる。その結果、スピン偏極キャリア注入層とスピンフィルタ層の磁化の向きが平行の場合と反平行の場合における、ソース・ドレイン電極層間の抵抗変化率がさらに大きなスピントランジスタを得ることができる。
さらに、本発明に係るスピントランジスタは、ゲート電極層に電圧を印加するためのゲート電圧印加手段と、ドレイン電極層に電圧を印加するためのドレイン電圧印加手段とをさらに備えることが好ましい。これにより、容易にゲート電圧及びドレイン電圧を印加することが可能なスピントランジスタを得ることができる。
さらに、固定層は、非磁性層を介して積層された第一強磁性層及び第二強磁性層を含み、第一強磁性層と第二強磁性層は、それぞれの磁化方向が互いに反平行となるように交換結合していることが好ましい。これにより、固定層の磁化の向きがより安定となるため、スピントランジスタの動作を安定化させることができる。
さらに、本発明に係るスピントランジスタは、磁気抵抗効果素子の積層方向に電流を流すことにより、フリー層の磁化方向を反転させることが可能となっていることが好ましい。これにより、磁気抵抗効果素子に電流を流すだけで出力特性を変化させることが可能なスピントランジスタを得ることができる。また、フリー層の磁化方向を外部磁界によって反転させるための機構が不要となるため、スピントランジスタの小型化を図ることができる。さらに、フリー層の磁化方向と固定層の磁化方向とが平行の状態及び反平行の状態の2状態を1ビットに対応させると、不揮発性半導体メモリとして使用することが可能なスピントランジスタを得ることができる。
さらに、半導体層の厚さが、1〜30nmであることが好ましい。これにより、半導体層に注入されたスピン偏極キャリアは、半導体層内でスピン拡散することが実質的になくなり、スピン偏極キャリアはスピン偏極キャリア注入層からスピンフィルタ層までバリスティック伝導することとなる。そのため、スピンフィルタ層に到達するキャリアのスピン偏極度をより高くすることができるため、スピン偏極キャリア注入層とスピンフィルタ層の磁化の向きが平行の場合と反平行の場合における、ソース・ドレイン電極層間の抵抗変化率がさらに大きなスピントランジスタを得ることができる。また、半導体層の厚さは1nm以上であるため、ゲート電極層に電圧を印加していない場合にはドレイン電流は流れず、スピントランジスタの電界効果トランジスタとしての機能は保持されることとなる。
さらに、半導体層は、Si、Ge及びZnOからなる群から選ばれた少なくとも一種を含むことが好ましい。
さらに、フリー層及び固定層のうち少なくとも一方は、半導体層とショットキー接触していることが好ましい。これにより、スピン偏極キャリアが、フリー層と半導体層の界面、及び固定層と半導体層の界面を通過する際にスピン拡散される確率を減少させることができる。その結果、スピン偏極キャリア注入層とスピンフィルタ層の磁化の向きが平行の場合と反平行の場合における、ソース・ドレイン電極層間の抵抗変化率がさらに大きなスピントランジスタを得ることができる。
また、磁気抵抗効果素子は、フリー層と半導体層との間、及び固定層と半導体層との間のうち少なくとも一方に、トンネルバリア層をさらに有することが好ましい。これにより、スピン偏極キャリアがフリー層と半導体層間及び固定層と半導体層間を通過する際に、スピン偏極キャリアがスピン拡散される確率を減少させることができる。その結果、スピン偏極キャリア注入層とスピンフィルタ層の磁化の向きが平行の場合と反平行の場合における、ソース・ドレイン電極層間の抵抗変化率がさらに大きなスピントランジスタを得ることができる。
本発明に係るスピントランジスタの製造方法は、第一電極層を形成する工程と、固定層、フリー層、及び固定層とフリー層との間に設けられた半導体層とを有する磁気抵抗効果素子を、磁気抵抗効果素子の積層方向の一方の端面が第一電極層と電気的に接続されるように形成する工程と、半導体層の側面にゲート絶縁層を形成する工程と、ゲート絶縁層を介して半導体層の横方向に隣接するようにゲート電極層を形成する工程と、第二電極層を、磁気抵抗効果素子の積層方向の他方の端面と電気的に接続されるように形成する工程とを備えることを特徴とする。
本発明のスピントランジスタの製造方法によれば、第一電極層及び第二電極層のうちの一方をソース電極層、他方をドレイン電極層とした電界効果トランジスタを得ることができる。即ち、ゲート電極層に電圧を印加することにより、半導体層内にチャネルが形成されるため、ソース電極層から固定層(又はフリー層)を経由して半導体層のチャネル内に流れ込むキャリアが増加する。そのため、通常の電界効果トランジスタと同様の機能を発揮する。また、この際、固定層(又はフリー層)はスピン偏極キャリア注入層として機能するため、固定層(又はフリー層)の磁化方向と同方向にスピン偏極したキャリアが半導体層に流れ込む。
そして、半導体層に注入されたスピン偏極キャリアは、フリー層(又は固定層)を経由してドレイン電極層に流れ込む。この際、フリー層(又は固定層)は、スピンフィルタ層として機能するため、半導体層に注入されたスピン偏極キャリアは、半導体層とフリー層(又は固定層)との界面において、スピン依存散乱することとなる。
即ち、スピン偏極キャリア注入層の磁化の向きがスピンフィルタ層の磁化の向きとは逆向きの場合、半導体層内に注入されたスピン偏極キャリアは半導体層とスピンフィルタ層の界面において大部分が反射され、ドレイン電極層にはあまり流れ込まない。一方、スピン偏極キャリア注入層の磁化の向きがスピンフィルタ層の磁化の向きと同一の場合、半導体層内に注入されたスピン偏極キャリアは半導体層とスピンフィルタ層の界面を大部分が通過し、ドレイン電極層に流れ込む。そのため、スピン偏極キャリア注入層とスピンフィルタ層の磁化の向きが平行の場合と反平行の場合とでは、ソース・ドレイン電極層間の抵抗値が異なることとなる。
そして、本発明のスピントランジスタの製造方法によって得られるスピントランジスタにおいては、ゲート電極層は、半導体層の側面に設けられたゲート絶縁層を介して半導体層の横方向に隣接しているため、半導体層に形成されるチャネル長は半導体層の厚さと同程度となる。この半導体層の厚さは半導体層を形成する際の成膜条件によって容易に制御可能であり、薄くすることが可能である。そのため、チャネル長の短縮化が微細加工技術上の制限を受ける従来のスピントランジスタと比較して、チャネル長を短くすることが可能である。これにより、スピン偏極キャリア注入層から半導体層に注入されたスピン偏極キャリアが半導体層内でスピン拡散される確率を低減させ、スピン偏極率の高いキャリアをスピンフィルタ層に到達させることができる。その結果、スピン偏極キャリア注入層とスピンフィルタ層の磁化の向きが平行の場合と反平行の場合における、ソース・ドレイン電極層間の抵抗変化率が十分に大きなスピントランジスタを得ることができる。
本発明によれば、スピン偏極キャリア注入層とスピンフィルタ層の磁化の向きが平行の場合と反平行の場合における、ソース・ドレイン電極間の抵抗変化率が十分に大きなスピントランジスタ、及びこのようなスピントランジスタの製造方法が提供される。
以下、実施の形態に係るスピントランジスタ及びその製造方法について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図面において、同一要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。また、図面中の構成要素内及び構成要素間の寸法比は、図面の見易さのため、それぞれ任意となっている。
図1は、本実施形態に係るスピントランジスタ30の斜視図であり、図2は、図1のII−II線に沿ったスピントランジスタ30の端面図である。なお、図1においては、図面の見易さのため、図2におけるシリコン基板10、ゲート絶縁層16、及び保護層22の図示を省略している。
図1及び図2に示すように、スピントランジスタ30は、Z軸に沿った方向を積層方向とする磁気抵抗効果素子14と、磁気抵抗効果素子14の積層方向の一方の端面14T1に電気的に接続されたソース電極層12と、磁気抵抗効果素子14の積層方向の他方の端面14T2に電気的に接続されたドレイン電極層20と、磁気抵抗効果素子14の側面14Lに設けられたゲート絶縁層16を介して磁気抵抗効果素子14の横方向に隣接するゲート電極層18とを備えている。
磁気抵抗効果素子14は、後述するように複数の層がZ軸に沿った方向に積層された磁気抵抗効果を有する素子である。ソース電極層12及びドレイン電極層20は、それぞれY軸に沿った方向に凸部を有する平面的な形状の電極層であり、それぞれのY軸に沿った方向の凸部間に磁気抵抗効果素子14が配置されている。また、ドレイン電極層20は、Z軸に沿った方向に凹部及び凸部を有しており、このZ軸に沿った方向の凸部が磁気抵抗効果素子14の積層方向の他方の端面14T2と接している。ソース電極層12及びドレイン電極層20は、例えばCu等の金属で形成されており、それぞれ磁気抵抗効果素子14と電気的に接続されている。なお、ソース電極層12及びドレイン電極層20はこのような形状に限られず、例えばZ軸に沿った方向から見て矩形状等であってもよく、ドレイン電極層20は、後述のようにゲート電極層18と電気的に絶縁されていれば、Z軸に沿った方向の凹部及び凸部はなくてもよい。
また、図2に示すように、ソース電極層12、磁気抵抗効果素子14及びドレイン電極層20は、この順にシリコン基板上に積層されている。ゲート絶縁層16は、磁気抵抗効果素子14の側面14L、即ち、磁気抵抗効果素子14の積層方向と直交する直線と交差する側面14Lに設けられている。また、ゲート絶縁層16は、ゲート電極層18をシリコン基板10、ソース電極層12、及び磁気抵抗効果素子14から電気的に絶縁するための下部ゲート絶縁層16aと、ゲート電極層18をドレイン電極層20から電気的に絶縁するための上部ゲート絶縁層16bとから構成されている。下部ゲート絶縁層16a及び上部ゲート絶縁層16bは、それぞれSiO2等の絶縁体で形成されている。なお、上部及び下部という用語は、それぞれ相対的なZ軸の正側の位置及び負側の位置を意味するものであり、重力の方向とは無関係である。
一対のゲート電極層18は、磁気抵抗効果素子14の横方向に隣接するように、即ち、
磁気抵抗効果素子14に対して磁気抵抗効果素子14の積層方向と直交する方向に隣接するようにゲート絶縁層16を介して設けられている。また、ゲート電極層18は、ソース電極層12及びドレイン電極層20と同様の材料で形成されている。
磁気抵抗効果素子14に対して磁気抵抗効果素子14の積層方向と直交する方向に隣接するようにゲート絶縁層16を介して設けられている。また、ゲート電極層18は、ソース電極層12及びドレイン電極層20と同様の材料で形成されている。
そして、ドレイン電極層20及び上部ゲート絶縁層16bを覆うように、SiO2等の絶縁体からなる保護層22が形成されている。
また、図1及び図2に示すように、ソース電極層12、ドレイン電極層20、及びゲート電極層18には、それぞれ一対のソース電極層用パッド24、ドレイン電極層用パッド28、及びゲート電極層用パッド26が電気的に接触するように設けられている。ソース電極層用パッド24、ドレイン電極層用パッド28、及びゲート電極層用パッド26は、それぞれの一部が保護層22の外部に突出しており、その他の部分は保護層22内に埋設されている。
そのため、ゲート電極層用パッド26とソース電極層用パッド24との間に電圧を印加することにより、スピントランジスタ30にゲート電圧を印加することができる。同様に、ドレイン電極層用パッド28とソース電極層用パッド24との間に電圧を印加することより、スピントランジスタ30にドレイン電圧を印加することができる。即ち、ゲート電極層用パッド26とソース電極層用パッド24とでゲート電圧印加手段となり、ドレイン電極層用パッド28とソース電極層用パッド24とでドレイン電圧印加手段となる。
なお、図1においては、ソース電極層用パッド24、ドレイン電極層用パッド28、及びゲート電極層用パッド26のうち保護層22内に埋設されている部分を破線で示している。また、ソース電極層用パッド24及びドレイン電極層用パッド28は、ソース電極層12及びドレイン電極層20にそれぞれ2つ設けられているが、1つ設けられていてもよく、3つ以上設けられていてもよい。
次に、図3を用いて、磁気抵抗効果素子14及びその近傍の構成について詳細に説明する。図3は、図2における磁気抵抗効果素子14付近の拡大断面図である。
図3に示すように、磁気抵抗効果素子14は、固定層3、フリー層5、及び固定層3とフリー層5との間に設けられた半導体層4を有している。具体的には、磁気抵抗効果素子14は、ソース電極層12と接する反強磁性層2と、反強磁性層2と交換結合して磁化の向き3AMがX軸の正方向に固定された下部強磁性層3A(第一強磁性層)と、Ruなどの導電性金属からなる非磁性層3Bと、非磁性層3Bを介して磁化の向き3CMが下部強磁性層3Aの磁化の向き3AMと反対向き(Y軸の負方向)に固定された上部強磁性層3C(第二強磁性層)と、上部強磁性層3Cとショットキー接触する半導体層4と、半導体層4とショットキー接触し強磁性材料で構成されたフリー層5とが、この順に積層されたものである。また、磁気抵抗効果素子14の厚さ14tの範囲は、特に制限されないが、例えば20〜100nmである。なお、反強磁性層2とソース電極層12との間に、Ta等の下地層を挿入してもよく、また、フリー層5とドレイン電極層20との間に、Ta等のキャップ層を挿入してもよい。
強磁性とは、隣り合うスピンが同一の方向を向いて整列し、全体として大きな磁気モーメントを持つ物質の磁性であり、強磁性体は外部磁場が無い場合においても自発磁化を有する。室温で強磁性を示す物質としては、Fe、Co、Ni及びGdがある。下部強磁性層3A、上部強磁性層3C、及びフリー層5を構成する強磁性材料としては、Co、Ni−Fe合金、Co−Fe合金等を好適に用いることができ、また、後述のようにスピン偏極キャリア注入機能又はスピンフィルタ機能を高める観点から、室温におけるスピン分極率がほぼ100%であるハーフメタル、具体的には、NiMnSbやCoMnSiなどのホイスラー合金、CrAsやCrSbなどの閃亜鉛鉱型化合物、La0.7Sr0.3MnO3などのペロブスカイト型化合物等を好適に用いることができる。反強磁性層2を構成する反強磁性体としては、FeMn、IrMn、PtMn、NiMn等を用いることができる。
半導体層4を構成する材料としては、Si、Ge又はZnO、或いはこれらの材料からなる群から選ばれた少なくとも一種を含むものを好適に用いることができる。半導体層4の導電型は、n型及びp型のいずれも可能である。また、半導体層4の厚さ4tの範囲は、後述のように半導体層4内に形成されるチャネル長を十分に短くする観点から、好ましくは1〜30nm、さらに好ましくは1〜20nmである。
また、ゲート絶縁層16は、磁気抵抗効果素子14の側面14Lの一部である半導体層4の側面4L、即ち、半導体層4の積層方向と直交する直線と交差する側面4Lに設けられている。
一対のゲート電極層18は、半導体層4の横方向に隣接するように、即ち、半導体層4に対して半導体層4の積層方向と直交する方向に隣接するようにゲート絶縁層16を介して設けられている。そして、下部ゲート絶縁層16aの幅16aw、即ち、半導体層4とゲート電極層18との離間距離16awは、後述のようにゲート電極層18とソース電極層12との間に電圧を印加した場合に半導体層4内にチャネルが形成される大きさにされており、例えば、1〜10nmとされている。
次に、図1に示した本実施形態のスピントランジスタ30の動作について説明する。
図4は、図2及び図3に示したゲート絶縁層16を介してゲート電極層18に隣接する半導体層4、半導体層4とソース電極層12との間に配置された上部強磁性層3C、及び半導体層4とドレイン電極層20との間に配置されたフリー層5のエネルギーバンド図である。同図では、半導体層4の導電型がn型であって、ゲート電極層18に電圧を印加せず、ドレイン電極層20に電圧を印加した場合を示している。なお、ドレイン電極層20への電圧の印加とは、ドレイン電極層用パッド28及びソース電極層用パッド24を介して、ドレイン電極層20とソース電極層12との間に電圧を印加することを意味する(図1〜図3参照)。また、エネルギーバンド図においては、縦の正方向に大きいほどエネルギーが高く、縦の負方向に大きいほど電位が高い。
ソース電極層12から強磁性材料で構成された上部強磁性層3Cに注入された電子emは、上部強磁性層3Cの磁化の向き3CMと同じ方向(但し、電子の符号は負)の偏極スピンを有する。上部強磁性層3Cと半導体層4との間のショットキー接触SJによって形成されたポテンシャル障壁(空乏層)PBの厚みtは、トンネル効果が生じる厚みよりも大きく、上部強磁性層3C内の電子emは半導体層4内には注入されない。なお、同図中のEcは半導体層4の伝導帯の下端のエネルギー準位、Evは価電子帯の上端のエネルギー準位を示している。
図5は、図4と同じ箇所のエネルギーバンド図である。同図では、ゲート電極層18及びドレイン電極層20に電圧を印加した場合を示している。なお、ゲート電極層18への電圧の印加とは、ゲート電極層用パッド26及びソース電極層用パッド24を介して、ゲート電極層18とソース電極層12との間に電圧を印加することを意味する(図1〜図3参照)。
図1〜図3のゲート電極層18に正電位を印加することにより、この正電位に対応して半導体層4内のゲート電極層18と隣接する部分にn型のチャネルが形成される。即ち、半導体層4内において、その厚さ方向にn型のチャネルが形成される。このチャネルの形成と同時に、上部強磁性層3Cと半導体層4との間のショットキー接触SJによって形成されたポテンシャル障壁PBの厚みtが減少し、半導体層4のチャネル内に流れ込む電子esが増加する。このようにゲート電圧の有無によって、ソース電極層12から上部強磁性層3Cを経由して半導体層4のチャネル内に流れ込む電子数を制御することが可能であるため、本実施形態のスピントランジスタ30は通常の電界効果トランジスタと同様の機能を発揮する。
また、上述のように上部強磁性層3Cから半導体層4内に注入された電子esは、上部強磁性層3Cと同方向にスピン偏極している。即ち、固定層3は、半導体層4と接する上部強磁性層3Cと同方向にスピン偏極した電子を半導体層4内に注入するスピン偏極キャリア注入層3として機能する。なお、磁化の向き3CMに平行なスピンの電子の状態密度と、反平行なスピンの状態密度との比は、磁化の向き3CMに平行な電子の数と、反平行な電子の数との比となる。また、固定層3は上部強磁性層3Cと下部強磁性層3Aの2つの強磁性層を有しているが、固定層3は上部強磁性層3Cと同方向にスピン偏極した電子を半導体層4内に注入するため、スピン偏極キャリア注入層3の磁化方向とは、半導体層4と接する上部強磁性層3Cの磁化方向3CMを意味する。
そして、図5に示すように上部強磁性層3Cの磁化の向き3CMがフリー層5の磁化の向き5Mとは逆向きの場合、この半導体層4内に注入されたスピン偏極電子esは、磁気抵抗効果によって半導体層4とフリー層5の界面で大部分が反射され、ドレイン電極層20にはあまり流れ込まない。
次に、フリー層5の磁化の方向5Mを反転させて上部強磁性層3Cの磁化の向き3CMと同方向とした場合について図6を用いて説明する。図6は、図4と同じ箇所のエネルギーバンド図である。同図では、ゲート電極層18及びドレイン電極層20に電圧を印加し、かつ、フリー層5の磁化の方向5Mを反転させて上部強磁性層3Cの磁化の向き3CMと同方向とした状態を示している。
図6に示す状態の場合、上部強磁性層3Cの磁化の向き3CMがフリー層5の磁化の向き5Mと同一であるため、半導体層4内に注入された電子esは、磁気抵抗効果によって半導体層4とフリー層5の界面で反射されることはなく、大部分がドレイン電極層20に流れ込む。
なお、フリー層5を構成する強磁性材料とは、自発磁化を有するものであり、外部磁場が存在しないときにおいても磁気モーメントを有するものである。磁気モーメントの方向に平行なスピンを持つ電子の状態と、反平行なスピンを持つ電子の状態では、エネルギーが異なる。そのため、スピンの向きによって伝導する電子の数が異なることとなる。
また、上述のように半導体層4からフリー層5にスピン偏極電子esが流れ込む場合には、磁気抵抗効果が生じる。具体的には、スピン偏極電子esが半導体層4とフリー層5の界面を通過してドレイン電極層20に移動するときにおいては、スピン偏極電子esのスピンの方向と、フリー層5の磁化の方向5Mとの相対方向に依存して、スピン偏極電子esが半導体層4とフリー層5の界面を通過する確率が変化する。従って、フリー層5は、その磁化方向5Mと同方向にスピン偏極した電子を優先的に通過させるスピンフィルタ層5として機能する。
そして、スピン偏極電子esの偏極方向は上部強磁性層3Cの磁化の向き3CMで決定されるため、スピン偏極キャリア注入層3(固定層3)とスピンフィルタ層5(フリー層5)の磁化の向き3CM及び5Mが平行の場合と反平行の場合とでは、ゲート電圧値が同じであってもソース電極層12とドレイン電極層20間の抵抗値が異なることとなる。また、スピン偏極キャリア注入層3とスピンフィルタ層5の磁化の向きが平行の場合と反平行の場合における、ソース電極層12とドレイン電極層20間の抵抗変化率は、半導体層4内に注入されたスピン偏極電子esのスピンフィルタ層5に到達する際のスピン偏極率が高い程高くなる。
以上のように、上述のスピントランジスタ30では、上部強磁性層3Cは強磁性体金属であり、半導体層4の導電型はn型であり、この強磁性体金属の仕事関数φm、及び半導体層4の仕事関数φsは、φm>φsの関係を満たしている。
すなわち、上部強磁性層3Cと半導体層4とはショットキー接触SJを形成しており、ショットキー接触SJにより形成されるポテンシャル障壁PBの厚みtは、ゲート電極層18へ印加される電位に応じてトンネル効果が生じる厚み以下に減少可能である。
仕事関数がφm>φsの関係を満たす場合には、上部強磁性層3Cと半導体層4との間にスパイク状のポテンシャル障壁PBが形成される。このポテンシャル障壁PBにより、ゲート電極層18に正電位を印加するまでは、平衡状態においては(図4)、上部強磁性層3Cから半導体層4内には電子emが流れ込みにくくなるが、ゲート電位を上昇させた場合には(図5、図6)、印加された電位に応じて半導体層4のエネルギーが低下するため、スパイク状のポテンシャル障壁PBの厚みtが減少し、トンネル効果によって上部強磁性層3Cから半導体層4内に電子emが流れ込むことができる。
また、図4〜図6を参照すると、フリー層5を構成する金属のフェルミ準位EFと、これに隣接する半導体層4の伝導帯Ecの下端との間には、電位差φDが存在している。ゲート電圧の印加により、半導体層4のエネルギーバンドが曲がる結果、ポテンシャル障壁PBが薄くなるので、電子emが上部強磁性層3Cから半導体層4の伝導帯にトンネルするようになり、スピントランジスタ30に電流が流れる。フリー層5では、拡散伝導または、全く散乱が無い理想的な場合にはバリスティック伝導により、半導体層4からフリー層5に電子esが移動し、この結果としてフリー層5と半導体層4との界面での電位差φDが定まる。
また、上述のスピントランジスタ30においては、磁気抵抗効果素子14の積層方向に電流を流すことにより、下記の原理によりフリー層5の磁化方向5Mを反転させることが可能となっている。即ち、図3において、磁気抵抗効果素子14に対してZ軸の正側から負側に向かう方向に電流を流すと、上部強磁性層3Cからスピン偏極した電子が半導体層4を経由してフリー層5に注入される。図3のように上部強磁性層3Cの磁化の向き3CMと、フリー層5の磁化の向き5Mが反平行の場合、半導体層4内のスピン偏極電子esの大部分は半導体層4とフリー層5の界面で散乱されるが、その一部はフリー層5内に注入される。すると、フリー層5の磁化の向き5Mは、上部強磁性層3Cの磁化の向き3CMと平行となるように回転するようなトルクを受ける。そして、このトルクが一定以上の大きさの場合、フリー層5の磁化の向き5Mは、上部強磁性層3Cの磁化の向き3CMと平行となるように反転する。
その後、さらにフリー層5の磁化の向き5Mを上部強磁性層3Cの磁化の向き3CMと反平行になるように反転させるためには、磁気抵抗効果素子14に流す電流の極性を逆にする。この場合、フリー層5からは上部強磁性層3Cと同方向に偏極する電子が優先的に上部強磁性層3C内に流れ込む。すると、フリー層5内には上部強磁性層3Cと反対方向に偏極する電子が残り、この電子によってフリー層5の磁化の向き5Mは、上部強磁性層3Cの磁化の向き3CMと反平行となるように回転するようなトルクを受ける。そして、このトルクが一定以上の大きさの場合、フリー層5の磁化の向き5Mは、上部強磁性層3Cの磁化の向き3CMと反平行になるように反転する。
実際に磁気抵抗効果素子14に電流を流すことによってフリー層5の磁化方向5Mを反転させられるか否かは、フリー層5の磁化方向5Mが受けるトルクの大きさや、フリー層5の材質、形状等に依存する。また、このトルクの大きさは、磁気抵抗効果素子14に流す電流の大きさや、フリー層5や固定層3に流れる電子のスピン偏極率等に依存する。本実施形態に係るスピントランジスタ30においては、これらの条件が適切に調整されており、磁気抵抗効果素子14に電流を流すことによってフリー層5の磁化方向5Mを反転させることが可能となっている。
次に、半導体層4の導電型がp型である場合について説明する。この場合のスピントランジスタ30の構造は図1等に示したものと同一である。
図7は、図2及び図3に示したゲート絶縁層16を介してゲート電極層18に隣接する半導体層4、半導体層4とソース電極層12との間に配置された上部強磁性層3C、及び半導体層4とドレイン電極層20との間に配置されたフリー層5のエネルギーバンド図である。同図では、半導体層4の導電型がp型であって、ゲート電極層18に電圧を印加せず、ドレイン電極層20に電圧を印加した場合を示している。
上部強磁性層3Cと半導体層4との界面はショットキー接触SJを形成しており、ゲート電圧を印加しないときには、半導体層4内の正孔は上部強磁性層3C及びフリー層5のいずれにも注入されず、上部強磁性層3C内の電子emは、半導体層4のエネルギーバンドの曲がりの山を越えられないため、半導体層4内には注入されない。
図8は、図7と同じ箇所のエネルギーバンド図である。同図では、ゲート電極層18及びドレイン電極層20に電圧を印加した場合を示している。
図1〜図3のゲート電極層18に正電位を印加することにより、この正電位に対応して半導体層4内のゲート電極層18と隣接する部分にn型のチャネルが形成される。即ち、半導体層4内において、その厚さ方向にn型のチャネルが形成される。このチャネルの形成と同時に、半導体層4のエネルギーバンドの山の高さ(エネルギー)が低下し、上部強磁性層3C内の電子emは、半導体層4内に注入される。上部強磁性層3Cは強磁性体からなるため、上部強磁性層3Cから半導体層4内に注入された電子esは、一方向のスピンを有している。
フリー層5の磁化の向き5Mが、上部強磁性層3Cの磁化の向き3CMとは逆向きの場合、この電子esは、磁気抵抗効果によって半導体層4とフリー層5の界面において大部分が反射され、フリー層5にはあまり流れ込まない。
次に、フリー層5の磁化の方向5Mを反転させて上部強磁性層3Cの磁化の向き3CMと同方向とした場合について図9を用いて説明する。図9は、図7と同じ箇所のエネルギーバンド図である。同図では、ゲート電極層18及びドレイン電極層20に電圧を印加し、かつ、フリー層5の磁化の向き5Mを反転させた状態を示している。
図9に示す状態の場合、フリー層5の磁化の向き5Mが上部強磁性層3Cの磁化の向き3CMと同一であるため、半導体層4の反転チャネル内に注入された電子esは、半導体層4とフリー層5の界面を通過して、フリー層5に流れ込む。なお、フリー層5に生じる電位差φDは、フリー層5の磁化の向き5Mが上部強磁性層3Cの磁化の向き3CMと平行の場合には、反平行の場合よりも小さい。
以上のように、半導体層4の導電型がp型のスピントランジスタ30では、上部強磁性層3Cは強磁性体金属であり、上部強磁性層3Cを構成する強磁性体金属の仕事関数φm、及び半導体層4の仕事関数φsは、φm<φsの関係を満たしており、上部強磁性層3Cと半導体層4とはショットキー接触しており、半導体層4の伝導帯の下端の電位は、ゲート電極層18へ印加される電位に応じて、上部強磁性層3Cから半導体層4へ電子が流れるように上昇可能である。
仕事関数がφm<φsの関係を満たす場合には、価電子帯の上端Evと金属との間には、正孔に対するポテンシャル障壁PBが生じる一方で、半導体層4の金属との界面の近傍には電子emに対する緩やかなエネルギー障壁EPが存在するため(図7参照)、キャリアの移動は生じず、平衡状態においては、上部強磁性層3Cから半導体層4内には電子は流れ込まない。ゲート電位を上昇させた場合には、ゲート電位の上昇に応じて半導体層4のゲート電極層18に隣接する部分に電子が集まってくるが、これと共に、印加された電位に応じて緩やかなエネルギー障壁EPは低下し、換言すれば、伝導帯Ecの下端の電位が上昇し、上部強磁性層3Cから半導体層4内に電子emが流れ込むことができるようになる。
次に、本実施形態に係るスピントランジスタ30の製造方法を、図10〜図16を用いて説明する。図10〜図16の(A)はスピントランジスタ30の中間体の平面図である。また、図10〜15の(B)及び図16の(B)(C)及び(D)は、それぞれ各図の平面図(A)における所定の線に沿ったスピントランジスタ30の中間体の端面図である。
まず、図10に示すように、シリコン基板10上に所定形状にパターニングされたCu等の導電性材料からなるソース電極層12(第一電極層)を形成し、全面に磁気抵抗効果素子14をソース電極層12と電気的に接続されるように形成し、将来磁気抵抗効果素子14を残す部分にパターニングされたレジストマスク15を形成する。ここで、ソース電極層12及び磁気抵抗効果素子14は、例えばスパッタリング装置を用いて成膜することができる。
続いて、図11に示すように、磁気抵抗効果素子14のうちレジストマスク15によってマスクされていない部分を、イオンミリング等によって除去する。これにより、磁気抵抗効果素子14のパターンが形成される。
次に、図12に示すように、磁気抵抗効果素子14の側面と、ソース電極層12とシリコン基板10の露出表面に、SiO2等からなる下部ゲート絶縁層16aを形成した後、この下部ゲート絶縁層16aを介して磁気抵抗効果素子14の横方向に隣接するようにパターニングされたCu等の導電性材料からなる一対のゲート電極層18を形成する。ここで、下部ゲート絶縁層16aは、例えばSi(OC2H5)4を用いたCVD装置によって成膜することができる。
そして、図13に示すように、SiO2等からなる上部ゲート絶縁層16bを全面に成膜した後、CMP等によって表面全体を平坦化し、上部ゲート絶縁層16bのうち磁気抵抗効果素子14の上に積層している部分にスルーホールを形成して磁気抵抗効果素子14を露出させる。このスルーホールは、例えば、平坦化された上部ゲート絶縁層16b上のスルーホールの形成予定領域以外をマスクするレジストパターンを形成した後に、上部ゲート絶縁層16bのうちのマスクされていない領域を例えばC4F8等を用いた反応性イオンエッチング装置等によって除去し、レジストパターンを除去することにより形成することができる。
続いて、図14に示すように、所定形状にパターニングされたCu等の導電性材料からなるドレイン電極層20を、磁気抵抗効果素子14と電気的に接続されるように例えばスパッタリング装置を用いて形成する。
次に、図15に示すように、例えばSi(OC2H5)4を用いたCVD装置によって全体にSiO2等からなる保護層22を形成した後に、表面をCMP等によってラッピングして平坦化する。
そして、図16に示すように、保護層22の表面に、将来ドレイン電極層用パッド28、ソース電極層用パッド24、及びゲート電極層用パッド26を形成する領域以外をレジストでマスクし、マスクされていない領域の保護層22を、例えばC4F8等を用いた反応性イオンエッチング装置等によって除去してドレイン電極層20、ソース電極層12、及びゲート電極層18に達するスルーホールを形成し、スパッタ装置等によってAu等の導電性材料を成膜して一対のドレイン電極層用パッド28、ソース電極層用パッド24、及びゲート電極層用パッド26を形成する。
その後、固定層3の上部強磁性層3C及び下部強磁性層3Aの磁化方向3CM及び3AMを固定するために、X軸方向に磁場を印加した状態で反強磁性層2のブロッキング温度程度まで加熱した後に冷却する(図3参照)。これにより、上部強磁性層3C及び下部強磁性層3Aの磁化方向3CM及び3AMが固定されるのと同時に、フリー層5の磁化容易軸がX軸方向に設定される。以上の工程により、本実施形態のスピントランジスタ30が得られる。
上述のような本実施形態のスピントランジスタ30では、ゲート電極層18は、半導体層4の側面4Lに設けられたゲート絶縁層16を介して半導体層4の横方向に隣接しているため、半導体層4に形成されるチャネル長は半導体層4の厚さ4tと同程度となる(図3参照)。この半導体層4の厚さ4tは、半導体層4の積層方向の厚さであるため、半導体層4を形成する際の成膜条件によって容易に制御可能であり、薄くすることが可能である。そのため、チャネル長の短縮化が微細加工技術上の制限を受ける従来のスピントランジスタと比較して、チャネル長を短くすることが可能である。
さらに、本実施形態の場合半導体層4の厚さ4tの範囲は、好ましくは1〜30nm、さらに好ましくは1〜20nmとされているため、半導体層4に注入されたスピン偏極電子esは、半導体層4内でスピン拡散することが実質的になくなり、スピン偏極電子esはスピン偏極キャリア注入層3からスピンフィルタ層5までバリスティック伝導することとなる。これにより、スピン偏極率の高い電子がスピンフィルタ層5に到達する。その結果、スピン偏極キャリア注入層3とスピンフィルタ層5の磁化の向きが平行の場合と反平行の場合における、ソース電極層12及びドレイン電極層20間の抵抗変化率が十分に大きなスピントランジスタを得ることができる。また、半導体層4の厚さは1nm以上であるため、ゲート電極層18に電圧を印加していない場合にはドレイン電流は流れず、スピントランジスタ30の電界効果トランジスタとしての機能は保持されている。
さらに、本実施形態のスピントランジスタ30においては、ゲート電極層18は、半導体層4を横方向から挟むように一対設けられている(図2及び図3参照)。そのため、一対のゲート電極層18に電圧を印加することにより、半導体層4に2つのチャネルを形成することができる。その結果、スピン偏極キャリア注入層3とスピンフィルタ層5の磁化の向き3CMと5Mが平行の場合と反平行の場合における、ソース電極層12とドレイン電極層20間の抵抗変化率がさらに大きなスピントランジスタが得られる。
さらに、本実施形態のスピントランジスタ30は、ゲート電極層18に電圧を印加するためのゲート電圧印加手段であるゲート電極層用パッド26及びソース電極層用パッド24と、ドレイン電極層20に電圧を印加するためのドレイン電圧印加手段であるドレイン電極層用パッド28及びソース電極層用パッド24とを備えている(図1及び図2参照)。そのため、容易にゲート電圧及びドレイン電圧を印加することが可能なスピントランジスタ30が得られる。
さらに、本実施形態のスピントランジスタ30は、固定層3は、非磁性層3Bを介して積層された下部強磁性層3A及び上部強磁性層3Cを含み、下部強磁性層3Aと上部強磁性層3Cは、それぞれの磁化方向が互いに反平行となるように交換結合している(図3参照)。そのため、固定層3の磁化の向き3CMがより安定となるため、スピントランジスタ30の動作が安定化されている。
さらに、本実施形態のスピントランジスタ30は、磁気抵抗効果素子14の積層方向に電流を流すことにより、フリー層5の磁化方向5Mを反転させることが可能となっている。そのため、磁気抵抗効果素子14に電流を流すだけで出力特性を変化させることが可能なスピントランジスタ30が得られる。また、フリー層5の磁化方向5Mを外部磁界によって反転させるための機構が不要となるため、スピントランジスタ30の小型化が図られている。さらに、フリー層5の磁化方向5Mと固定層3の磁化方向3CMとが平行の状態及び反平行の状態の2状態を1ビットに対応させると、不揮発性半導体メモリとして使用することが可能なスピントランジスタ30が得られる。
さらに、本実施形態のスピントランジスタ30は、フリー層5及び固定層3は、それぞれ半導体層4とショットキー接触している。そのため、スピン偏極電子esが、フリー層5と半導体層4の界面、及び固定層3と半導体層4の界面を通過する際にスピン拡散される確率が減少させられている。その結果、スピン偏極キャリア注入層3とスピンフィルタ層5の磁化の向き3CM及び5Mが平行の場合と反平行の場合における、ソース電極層12及びドレイン電極層20間の抵抗変化率が十分に大きなスピントランジスタが得られる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形態様が可能である。
例えば、図17に示すように、磁気抵抗効果素子14aは、フリー層5と半導体層4との間、及び固定層3と半導体層4との間に、それぞれトンネルバリア層8及び7をさらに有してもよい。これにより、上述の実施形態のようにフリー層5及び固定層3をそれぞれ半導体層4とショットキー接触させた場合と同様に、スピン偏極電子がフリー層5と半導体層4間及び固定層3と半導体層4間を通過する際に、スピン偏極電子がスピン拡散される確率を減少させることができる。その結果、スピン偏極キャリア注入層3とスピンフィルタ層5の磁化の向き3CM及び5Mが平行の場合と反平行の場合における、ソース電極層12及びドレイン電極層20間の抵抗変化率が十分に大きなスピントランジスタが得られる。また、磁気抵抗効果素子14aは、トンネルバリア層8及び7のいずれか一方のみを有していてもよい。
また、上述の実施形態においては、フリー層5及び固定層3は、それぞれ半導体層4とショットキー接触しているが、一方のみショットキー接触して他方はオーミック接触する態様であってもよく、或いは両方がオーミック接触する態様であってもよい。
また、上述の実施形態においては、磁気抵抗効果素子14の積層方向に電流を流すことにより、フリー層5の磁化方向5Mを反転させることが可能となっているが、フリー層5に外部磁界を印加することによりフリー層5の磁化方向5Mを反転させてもよい。
また、上述の実施形態においては、固定層3は、非磁性層3Bを介して積層された下部強磁性層3A及び上部強磁性層3Cを含み、下部強磁性層3Aと上部強磁性層3Cは、それぞれの磁化方向が互いに反平行となるように交換結合している(図3参照)が、そのような態様に限られない。例えば、固定層3は、非磁性層3Bと下部強磁性層3Aを含まず、上部強磁性層3Cのみで構成してもよい。さらに、固定層3を上部強磁性層3Cのみで構成した上で、磁気抵抗効果素子14が反強磁性層2を含まない態様も可能である。この場合、上部強磁性層3Cを硬磁性材料で構成したり、形状磁気異方性・誘導磁気異方性等を付与したりすることにより、その磁化方向3CMを固定すればよい。
また、上述の実施形態においては、ゲート電極層18は、半導体層4を横方向から挟むように一対設けられている(図2及び図3参照)が、ゲート電極層18は一つであってもスピントランジスタ30は動作可能である。さらに、ゲート電極層18は、半導体層4を横方向から全体を取り囲むように設けられていてもよい。
また、上述の実施形態においては、磁気抵抗効果素子14の半導体層4よりも固定層3側の端面である一方の端面14T1と接触する電極をソース電極層12とし、磁気抵抗効果素子14の半導体層4よりもフリー層5側の端面である他方の端面14T2と接触する電極をドレイン電極層20としているが(図3参照)、一方の端面14T1と接触する電極をドレイン電極層とし、他方の端面14T2と接触する電極をソース電極層としてもよい。この場合、固定層3はスピンフィルタ層となり、フリー層5はスピン偏極キャリア注入層となる。
なお、従来の半導体MOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field Effect Transistor)においては、通常、キャリアの発生する方を「ソース」と定義しており、ゲート直下の半導体の導電型はソースの導電型とは異なっている。一方、本実施形態のスピントランジスタ30においては、キャリアはスピン偏極した電子または正孔であり、半導体層4の導電型に拘わらず、キャリアが半導体層4に流れ込む方をソース電極層とする。なお、ソース電極層から注入されるのが正孔の場合には、正孔の保持するスピンとしては、抜けた電子の電子状態のスピンと反対のスピンを保持しているものとする。
2・・・反強磁性層、3・・・固定層(スピン偏極キャリア注入層)、4・・・半導体層、4L・・・半導体層の側面、5・・・フリー層(スピンフィルタ層)、12・・・ソース電極層、14・・・磁気抵抗効果素子、16・・・ゲート絶縁層、18・・・ゲート電極層、20・・・ドレイン電極層、30・・・スピントランジスタ。
Claims (10)
- 固定層、フリー層、及び前記固定層と前記フリー層との間に設けられた半導体層を有する磁気抵抗効果素子と、
前記磁気抵抗効果素子の積層方向の一方の端面に電気的に接続されたソース電極層と、
前記磁気抵抗効果素子の積層方向の他方の端面に電気的に接続されたドレイン電極層と、
前記半導体層の側面に設けられたゲート絶縁層を介して前記半導体層の横方向に隣接するゲート電極層と、
を備えることを特徴とするスピントランジスタ。 - 前記ゲート電極層は、前記半導体層を横方向から挟むように一対設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスピントランジスタ。
- 前記ゲート電極層に電圧を印加するためのゲート電圧印加手段と、
前記ドレイン電極層に電圧を印加するためのドレイン電圧印加手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のスピントランジスタ。 - 前記固定層は、非磁性層を介して積層された第一強磁性層及び第二強磁性層を含み、前記第一強磁性層と前記第二強磁性層は、それぞれの磁化方向が互いに反平行となるように交換結合していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のスピントランジスタ。
- 前記磁気抵抗効果素子の積層方向に電流を流すことにより、前記フリー層の磁化方向を反転させることが可能となっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のスピントランジスタ。
- 前記半導体層の厚さが、1〜30nmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のスピントランジスタ。
- 前記半導体層は、Si、Ge及びZnOからなる群から選ばれた少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のスピントランジスタ。
- 前記フリー層及び前記固定層のうち少なくとも一方は、前記半導体層とショットキー接触していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のスピントランジスタ。
- 前記磁気抵抗効果素子は、前記フリー層と前記半導体層との間、及び前記固定層と前記半導体層との間のうち少なくとも一方に、トンネルバリア層をさらに有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のスピントランジスタ。
- 第一電極層を形成する工程と、
固定層、フリー層、及び前記固定層と前記フリー層との間に設けられた半導体層とを有する磁気抵抗効果素子を、前記磁気抵抗効果素子の積層方向の一方の端面が前記第一電極層と電気的に接続されるように形成する工程と、
前記半導体層の側面にゲート絶縁層を形成する工程と、
前記ゲート絶縁層を介して前記半導体層の横方向に隣接するようにゲート電極層を形成する工程と、
第二電極層を、前記磁気抵抗効果素子の積層方向の他方の端面と電気的に接続されるように形成する工程と、
を備えることを特徴とするスピントランジスタの製造方法。
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