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JP2009045608A - 単極(モノポーラー)電極および両極(バイポーラー)電極を使用したキャパシターによる淡水化の方法 - Google Patents

単極(モノポーラー)電極および両極(バイポーラー)電極を使用したキャパシターによる淡水化の方法 Download PDF

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JP2009045608A JP2007238487A JP2007238487A JP2009045608A JP 2009045608 A JP2009045608 A JP 2009045608A JP 2007238487 A JP2007238487 A JP 2007238487A JP 2007238487 A JP2007238487 A JP 2007238487A JP 2009045608 A JP2009045608 A JP 2009045608A
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Lih-Ren Shiue
シー リーレン
Masami Goto
正視 後藤
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LINXROSS Inc
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Abstract

【課題】電極による脱イオン(CDI)水浄化方法において、低コストで濃度35,000ppmの海水が数百ppmまで淡水化できる技術を提供する。
【解決手段】イオン吸着物質、流水通過式キャパシタ(FTC)200のセルの構造、稼動電圧、電流の供給、CDIオペレーションの5つをパラメータとして最適値を決定し、システムを構築する。特に、CDIの性能を左右するバイポーラとモノポーラの電極215に供給する電圧と電流値を最適化する。
【選択図】図4

Description

本発明は水浄化を行うため、イオンの表面吸着を使うキャパシターの構造に関する。水中の総電解物質(TDS)の削減をキャパシターで行う。構造的にはモノポーラーとバイポーラーの電極を用いて、静電気により帯電した電極に水を通過させて水中のイオンを取り除く。
海水は地球で最も潤沢に存在するが、高濃度の塩分と様々な溶解物質のため、飲料水レベルまで処理することは非常に困難である。淡水化事業では逆浸透圧(RO)、蒸留(多段フラッシュ蒸留法−−MSF)が最も一般的な2つの方法である。ROは技術的に安定し、商業的にも受け入れられているが、淡水の歩留まりが低い。又、表面活性剤に弱く、処理水の温度範囲が狭いという弱点もある。MSF等の蒸留方式は、処理対象水の成分に関して不問であるという長所があり、処理の精度も高い。しかし、これら熱処理方式の最大の短所は資金規模が大きいこととエネルギー消費が莫大であることである。MSFの循環ポンプの電気消費だけでもRO方式淡水化全体の電気消費量より大きい。また、残念ながらROとMSFの量技術ともに化学物質使用による環境二次汚染をもたらす。
エネルギー消費と二次汚染の観点から、キャパシター電極使用の脱イオン方式(CDI)の方がROとMSFよりは脱塩方法としては優れている。またCDI技術は、処理水の成分に関しては不問である。そのためCDI方式とMSF方式は、水の前処理工程を省くことが出来る。RO方式の場合は水の前処理を省くと処理膜が使い物にならなくなるので不便である。RO方式では、前処理用の薬品と電気代が余計にかかり、二次汚染防止にも費用がかさむ。CDI方式は直流低電圧でイオン吸着を行う。FTC(Flow Through Capacitor)と呼ぶキャパシターで出来た流水通過チューブに処理水を通す。FTCでのイオン吸着はキャパシターを充電することに等しい。より少ない消費電力で急速に行う。同じ条件の水を作る上で、RO方式の淡水化に比べてCDI方式はわずか三分の一のエネルギー消費で済む。そのためCDI方式は上記で述べた淡水化の方法の中で最も省エネである。さらにイオン吸着が飽和したFTCをリフレッシュする場合、キャパシターを放電するだけでよく、同時に放電により電気エネルギーを回収し、貴重な各種イオンも回収できる。そのためCDI方式は淡水製造の目的以外にも付加価値を持つ。
CDI技術自体は30年程前から存在する(米国特許3,515,664および3,658,674)。ここ20年の間、CDI技術はFTC(通過流水)式で、炭素エーロゲルをイオン吸着媒体に使い、円盤と外枠の構造で広く宣伝された。例として米国特許5,192,432,5,425,858,6,096,179,6,309,532と6,569,298である。FTCで吸着媒体として使われたものに酸化金属(米国特許4,072,596)やグラファイト(米国特許6,410,128)、活性炭素(米国特許6,462,935)もある。イオン吸着媒体では活性炭素がFTC用としては最適である。理由は炭素のほうが低コストで大きな表面積を提供するからである。吸着媒体同様に重要なFTC内の液体流通経路およびパターンもCDI性能の決定要因である。同FTCの円盤と外枠構造は蛇行式流水パターンと0.05ミリメートルの電極ギャップを持つ。液体を通過させるにあたり、余りにも長い流通経路と狭いクリアランスは性能の点から望ましくない。CDIオペレーションの間、水圧降下とリセット時のFTC内部の汚染が避けられない。更に同心円状に製造した円筒型FTCロール(米国特許‘432及び‘935)は水の均等通過に難点がある。CDI技術が水処理において一般的になっていない理由は処理量が小さいこと、電極の効率の低いこと、FTCセルのリフレッシュに時間がかかることが挙げられる。
上記の説明ではFTCのセルを構成する電極は、すべてモノポーラー(単極)電極である。つまりFTC組み立てに使われる電極は電源に直接、接続しているのである。そのため電極は一つの極性しか持たない。正極か負極である。円盤と外枠形態のFTCでは100対(100セル)という多数の正極と負極の電極を使用し、直列に接続する。もし、セルひとつが2ボルトの稼動電圧を要するならFTC全体では200ボルト以上になり、管理上、複雑で危険なシステムになる。サイズにかかわらず円筒型FTCにはひとつのセルしか存在しない。なぜなら正極と負極の一対の単極電極しか入っていないからである。それで円筒型FTC全体の稼動電圧はわずか2ボルトであり、全体の電流は有効な電極表面積に比例する。一般のキャパシターに関する理論により、これまでの既存技術は高い静電場エネルギーを得るため電極間のギャップを狭くしてイオン吸着効率を上げようとした。しかしそのためには狭い電極ギャップに加えて大量の電力を、余裕を持って供給する必要があった。本発明では効果的で十分な静電場を得るためにFTCモジュールにモノポーラー電極とバイポーラー電極を混合して組み立てる方法を採り、最適な稼動電圧と電流を維持する。脱塩処理時、電源から一定の電圧をFTCに送る一方、実際の稼動電流は処理水の構成物質とイオン吸着の状態で決定される。電源の電流を一定に設定することにより、充電率は制限され、電場ポテンシャルも下がる。それで本発明はスーパーキャパシター(以下、S/Cと略称する)を“無制限”電流供給者として、FTCセルの電場ポテンシャルを上昇させる。本発明ではCDI技術に対して処理水の処理量を大きくする流水経路についてもユニークな提案をした。
本発明で解決する問題は、通過流水式キャパシター(FTC)モジュールを、複数の電極を使い組み立て、イオン吸着により海水を淡水に変換することである。FTCに電流を流す前の電極はすべて同一である。すなわち3種類の電極(上部、中間部、そして底部)電極である。これらは電源につなげられる。これら三つの電極は極性を持つ。両端の電極が正極(負極)であれば中間部の電極は負極(正極)である。もし両端の電極二枚が正極であれば、二つのサブ・グループに分けることができる中間の電極プレートが複数あり、負極電極を共有する。それぞれのサブ・グループは正極と負極からなる一対の電極を同じ数だけ持つ。これら中間電極は電源との直接接続を必要としない。正極と負極の電極にかけられた電圧と通過する水の電気伝導により、中間電極はそれぞれの表面が正極になると裏面は負極になる。よってそれぞれのグループは複数のバイポーラー電極がつながっていることになる。そしてFTC全体としてはふたつのグループが電源と同じ極であるので並列接続である。FTCは一単位のエレメントとして考えられるので、ここでの構成は直列と並列組み合わせのイントラ・エレメント(エレメント内)接続といえる。
本発明の第二の目的として、FTCモジュールに必要な電力を提供し、多くのイオンを一回の通過で吸着することである。全体の稼動電圧とFTC各セルの電圧がわかれば、サブ・グループのバイポーラー電極の枚数は決定される。例えば、もし各セルの稼動電圧が2ボルトで全体の電圧が20ボルトであれば、9枚のバイポーラー電極が正極電極と負極電極の間に必要で、計10組のセルを形作ることになる。小グループを稼動させる電圧は、グループを形成する電極の枚数に比例する。この電圧がFTCの稼動電圧でもある。なぜならサブ・グループは並列接続であるからだ。稼動電圧、電気接続、そして必要なバイポーラー枚数を決める場合、構築するシステムのニーズから判断する。一方、イオン吸着用の電流値は一つしかない。理由はサブ・グループ内のすべての電極は直列接続だからだ。FTCを駆動させる総電流は、FTCモジュールを構成するサブ・グループの数に比例する。モノポーラー電極で作られる静電場のポテンシャルはバイポーラー電極よりも強いが、モノポーラーのほうが稼動電流は多くを要する。このためFCTモジュールを作る場合、モノポーラーのみで作るのは極めて非実用的である。モノポーラーとバイポーラーを混合することにより、最適な電圧と電流の組み合わせをもたらすことが出来る。産業用としては大規模処理が必要なため、CDI技術もFTC内の表面積を大きくする必要がある。その結果、CDIに必要な電力も莫大である。この電力需要に経済的に対応するために、本発明ではS/Cを電力増幅器として利用し、主電源の負担を削減させる。
本発明ではFTC内の通過水を流体力学の観点から最適化を考慮した。幾つかのパラメーターを最適条件にした。水流率、水の滞留時間、水の分布そして排出の容易さである。流水経路あるいは電極の開口部分が水流率と水保持時間を決定し、それがCDIの処理量とイオン除去率を決定する。広いスペースと大きい開口は水通過量を増やすが、水滞留時間がイオン除去するには短すぎる。そしてFTCのキャパシタンスと静電場ポテンシャルは、電極表面が少ないために削減される。本発明では電極ギャップを1ミリメートル以下と設定し、電極表面積に対する開口部分は7パーセントから15パーセント以内の範囲で設定し、水流率、水滞留時間、キャパシタンス、静電場ポテンシャルを最適に維持する。次に、複数の電極プレート間を通る水が蛇行するように、7パーセントないし15パーセントの開口面積を持つ電極プレートを、開口部が互い違いになるように配列する。通過する処理水は均質に混ざり合う。同時に水滞留時間と電極接触効率が最適になる。水の経路は短く、デッドスペースもないので、FTCリフレッシュ時のリンス用水も容易に通過する。容易で素早いFTCのリフレッシュは、水処理の高速化と処理水の汚染リスクを最小に出来る。
さらに本発明は、S/Cを利用し、CDIオペレーションのエネルギーコストと稼働時間の省エネを実現する。CDI稼動時の脱塩プロセスは、FTCセルを充電することと同意義なので、CDIオペレーションのリフレッシュは、飽和したFTCセルを今度は放電することで達成する。このとき、エネルギーを放出するので、これを回収することが出来るようにする。このエネルギーはダイレクトに、FTCと並列に接続されたスーパーキャパシターに充電できる。脱塩で消費された電力のうち、少なくとも30パーセントは、FTCリフレッシュにより回収でき、回収電力の規模にかかわらず、S/Cが充電を受ける媒体としては最適である。FTCのリフレッシュを促進するために、複数のS/Cを充電することでCDT処理の実働時間を改善できる。S/Cのポテンシャルが飽和FTCのそれよりも低い限り、FTCセルの残存エネルギーは、自動的に数秒でS/Cに移動する。同時に吸着イオンは自動的にFTCセルを去り、イオン化物質はリンス水と共に存在し、あとで資源回収してもよいし、或いは容易な廃棄が出来る。
図1は、イオン吸着用に活性炭素をコーティングしたチタニウムのプレートに、同心円状に孔を開けたものである。プレートの大きさに関わらず、本発明では、表面積の5パーセントないし20パーセント、出来れば7パーセントないし15パーセントの面積分に等しい孔を開ける。この方法が、最も良く性能を引き出す。孔の直径、孔の数、リングの数と間隔は、処理能力(処理量と処理水の純度)に依存する。数学モデルを使うことにより、開口パターンはアプリケーション別に決定される。
図2は、もう一つの最良の開口パターンを示す。電極1と電極2の二種類の開口パターンが、本発明FCTモジュールの基本要素である。FTCモジュールは、電極1と電極2を交互に積み上げる。これら電極の開口パターンは、お互いに上下が重ならない箇所にあるので、二枚の電極で構成するセルは、各電極の開口パターンを塞ぐ格好になる。二枚のお互いに対面する電極の開口部分でないスペースにおいて、CDIオペレーションのイオン吸着脱着を行うキャパシタンスが存在する。よって各電極に開口部分が多ければFTCセルの処理能力は小さくなる。本発明ではプレートの7パーセントないし15パーセントの開口面積が最適であると考える。
図3の通り、FTCモジュールを組み立てる場合、電極1と電極2を複数使い積み上げ、電極間の距離を同一にして同心円の孔を構成する。図3は、重ねた電極を上から見たところで、お互いの同心円孔が重複しないように重ねた。そのため開口部である孔を通る処理水は、FTC内部をジグザグに通過する。通過水はFTCセル内で程よく混ざり合い、均等になって出口へ向かう。更に、水はすべての方向に混ざりながら進むので、電極が十分に水に接触する。お互いに隣り合う列の孔の間隔は、適正に設定されるべきである。理由は、その間隔によって水の通過距離が決まり、通過率、保持時間、リフレッシュ時の電極のリンス容易性が決まるからである。(図3では省略してあるが)電極1・電極2のすべての外延は、O(オー) リングがセットされ電極の端を密閉する。このオーリングは、ゴム、EPDM(ethylene propylene diene monomer),シリコン,ウレタン、ポリプロピレン(PP)等を使い、0.6ミリメートルないしは1ミリメートルの厚さにする。外直径は電極直径より大きくして、内直径は電極直径より小さくする。外直径と内直径の差がオーリングの幅である。どんな化学性質の液体にも対応できるように、FTCモジュールのプレートはチタン製で、厚さ0.3ミリメートル以上で電極を用意する。もし処理水の塩素含有量が少ない場合は、安価なグレード316、314、304等のステンレス鋼でも良い。
電極1・2を垂直に複数枚積み上げて、図4の通り、ポータブルFTCモジュールを構成する。もし、電極1・2を21枚使えば(図では215で集合的に表わす)、第1枚目と第21枚目、すなわち最上部と最下部電極、は正極とする。そして第11枚目は負極にする。(この極は互いに逆でもよい。)これら三つの電極プレートには、図4では表示していないが、端子を設けて、外部電源の相当する極に接続する。図4の通り、先端電極は電源の正極に、中間電極は負極に接続する。これら3つの電極は、符号201と202の通り正極と負極になり、モノポーラー電極を形成する。よって、FTCモジュール200は、複数の電極を同じ枚数からなる、二つのサブ・グループで構成される。各サブ・グループには、正極負極一対のモノポーラー電極を、先端と底部に2枚、その間に電極1と電極2の開口パターンを持つ電極を交互に9枚積み上げた。中間の電極には、主電源と物理的に接触するものは一切存在しないが、先端電極の帯電と電極内を通過する処理水に影響を受けて、片面が正極にもう片面が負極に帯電する。その結果、中間電極は、バイポーラー電極として直列でつながり、2枚のモノポーラー電極と9枚のバイポーラー電極の構成である。電気接続的には、FTCモジュール200は二つのサブ・グループがある。ザブ・グループには、直列接続の11枚の電極があり、二つのサブ・グループは、中央のモノポーラー電極を共有し並列につながる。負極202と正極201につながる(図4)。電極の枚数はそれ以外も可能である。同様に、FTCモジュールのモノポーラー電極の枚数を増やし、直列につながるサブ・グループを、長くも短くも色々構成が可能である。直列につなげる電極の枚数を増やすと、稼動電圧が高くなければならず、但し、稼動電流は低くて済む。反対に、電極を並列につなぐと稼動電流は高いが、稼動電圧は低くて済む。並列型では、電極はモノポーラーで各電極が電源とつながる。電源とつながるポイントが増えれば、余計に材料もかさみ、システムも複雑になる。FTCモジュールをモノとバイの混合式にすることで、バランスのとれた稼動電圧、稼動電流、製造コスト、システムのサイズ等を得ることが出来る。
FTCモジュールは、21枚の電極(215)をオー・リング21個とスペーサー21枚を使い、サンドイッチ状に固定して、更に上部PPプレート(211)と底部PPプレート(213)で固定すれば、密閉用の筐体は必要ない。棒205とナット207で、上部メタルリング209、底部メタルリング(図では省略)を挟む。水受け入れ口220と出口240には、FTCにつながるパイプをつなげる。FTCモジュールは、水漏れと電気ショートがないように確認する。三本の脚260が、FTC底部から出て、床に独立して置けるようになっている。ナイロン、ポリプロピレン(PP)、ウレタンなどで0.5ミリメートルから0.8ミリのメッシュ、スクリーン、格子、網等の形状にして、スペーサーとして、各電極と隣り合うオー・リングに配置し、電気ショートを防ぎ、処理水通過のチャンネルを助ける。
図4のFTCモジュールを、複数、例えば、3台をつなぎ(但し、この場合、脚や上下のパイプ等は省く)、コンパクトな3倍の性能のシステムにインテグレートすることもできる。モジュールの数は需要に応じて何台でも可能である。FTCモジュールは、直列あるいは並列につなぐことができるのは、既存のRO膜のシステムと同様であり、ターン・キーシステムとしてどのようにも構成できる。3台接続システムでは、各モジュールは図4の通りの電極リードを持つが、処理水は3台のFTCを直列に通過する。通過水はFTCを直列に通るが、3台のFTCにかける稼動電圧は並列にする。よって、稼動電圧は一種類である。FTCの台数が何台になっても同様である。FTCモジュールを並列に荷電することで、トータルの稼動電圧は低くてすむ。
CDI処理の脱塩処理で、FTCシステムはイオン吸着のため、飽和状態になる。よって、FTCのリフレッシュ作業が必要になる。最も経済的な方法は、吸着したイオンを、パワー・タンクに放電することである。米国特許6,580,598,6,661,643および6,795,298の通り、CDIオペレーションとは、FTCモジュールの充電放電を繰り返すことである。脱塩中は、DC電源がFTCを充電し、リフレッシュ時に、今度は放電させる。このとき、電源をオフにして、電流は受けない。本発明では、最低でも30パーセントの脱塩に要したエネルギーを、リフレッシュ時に回収できる。海水(濃度35,000ppm)1トンを淡水(濃度250ppm)にする場合、CDI技術では、約1キロワットアワー(kWh)の電極を消費する。そのため、日産1万トン以上の脱塩CDIオペレーションでは、総電力はかなりの量になる。S/Cが、リフレッシュ時のエネルギー回収デバイスとして、最適と考えられる。FTCセルと比べて、S/Cは抵抗もずっと小さい(ESRが小さい)ので、FTCセルから見るとまるでショートしているように感じる。つまり、もしこれらを並列に接続すると、ハングリーなS/Cは、飽和したFTCセルから瞬時に充電を受けてしまう。充電速度は速く、数秒で、90パーセント以上の飽和セルのエネルギーが移動する。FTCに残ったエネルギーはほとんどなく、電圧の低さに現れる。FTCに溜まった電圧は、電極に吸着したイオンの量を示す良い指標になるので、電圧が低くなったということは、FTCのエネルギーがS/Cに移動し、リフレッシュがうまく行ったということである。本発明では、FTCのリフレッシュが、既存の技術の数時間と違い、数秒である。飽和FTCの放電およびリフレッシュで使ったリンス水は、FTCを通り、FTCは、次のイオン吸着の準備が出来たことになる。更に、すべての飽和FTCが、S/Cに放電し、FTCのリフレッシュは促進される。
飽和FTCからのエネルギーを回収するにあたり、S/Cが最良の媒体であるさらなる理由は、エネルギー回収が直接でき、エネルギーを変換する必要が全くないことである。この過程で、機械的処理や化学的処理が必要ない。また、S/Cは寿命が極めて長く、回収システムもシンプルで安価である。他の方法、例えば、LCサーキットやROポンプもある。LCサーキットは、インダクターとキャパシターと騒音のでるフライホィールを使い、モーターとジェネレーターの併用で行ったり、ROポンプは水圧の差を利用したりする。これらは、すべてエネルギー変換時にエネルギー損失がある。S/Cによる回収では、急速の処理で、エネルギー変換なしで損失も無しに行える。飽和FTCの残存エネルギーを、リサイクルする別のアプローチもある(PCT/米国2001−016406)。電気的アレンジにより、残存エネルギーは、飽和FTCからエネルギーを必要とする別のFTCにトランスファーする。飽和FTCの残存エネルギーは、脱塩としてはしばしば不十分なレベルのため、脱塩プロセスも不十分になる。実際、S/Cは、CDIオペレーションに二つの大切な機能を提供するだけでなく、高電力供給用として最適である。産業用の規模について、特にそういえる。産業用で何千ものCMDで水処理をしている。FTCモジュールに必要な表面積は平方メートルで表わすと、もし、脱塩用電流密度を20mA/cmとすると、1mの電極表面積は200アンペアの電流が必要である。15ボルトx40ファラドで内部抵抗(ESR)が10ミリオームのS/Cは、ピーク電流200アンペアを、二秒間供給出来る。電源から20アンペアをコンスタントに受ける場合、上記S/C二個使いで、継続的に安定的に200アンペアを供給できる。この電源システムで、各々のS/Cは、駆動に効果のあるエネルギー、すなわち放電初期のエネルギーのみを放電する。片方のS/Cが、効果のあるエネルギーを放電後、もう片方のS/Cが、直ちに放電を受け継ぎ、同時に、最初の初期放電を終えたS/Cが、再充電を受ける。S/C放電の深度は浅く、電源からのエネルギーは高いので、S/Cモジュールは素早くフル充電になる。次のサイクルでは、二つのS/Cモジュールが、充電と放電の役割をお互いに交代して、このプロセスを、負荷装置が必要の間、ずっと繰り返す。この二つのS/Cが、交互に放電充電を繰り返し、継続的に一貫したピーク電流を流すことをCDスウィングと呼ぶ。このCDスウィングは、効果的エネルギーのみを放出するようにセットするのでエネルギー利用の効果は高い。
脱塩プロセスでのFTCは、必ずしも、電源からのエネルギーを無駄無く利用していないかもしれないが、CDIオペレーションでのイオン除去を失敗なく行う上では、供給電流を過少よりは過大にしたほうが良い。一般の電気キャパシターと同様に、FTCセルも、初期の充電率は非常に早く、フルに近づくとゆっくりとフル充電になり、イオンの吸着が初期で早く、飽和に近づくと率が落ちてくる。そのため、FTCセルの充電中の電流はイオン吸着率の目安になる。CDI処理が、一定の電圧で行われると、電流は、FTC電極表面へのイオン吸着の進み具合で制限を受ける。これが、実際の稼動消費電流である。つまり、電源から供給する電流と異なる場合がある。イオン除去を促進するため、高電流を、FTCに流すこともありえる。しかし、大規模水処理に数百アンペアの電源を準備するのは、極めて非経済的である。よって、本発明でS/Cとその応用、すなわちCDスウィングにより、低コストで、高エネルギー効率のコンパクト電源システムを提案できる。CDI処理は、FTCセル内の静電場を利用して水を脱塩する。イオン吸着物質、FTCのアーキテクチャと、電圧以外に、電流の供給が性能に大きく影響を与える。以下で示す二つの例で、本発明のFTCモジュールでの水処理において、設定によっては必ずしも結果が思わしくないことを示す。
例1として、活性炭素コーティングのチタン製プレートを、21枚重ねて、FTCユニットを組み立て、プラスチックケースに密閉する。各プレートは、直径10センチメートルで、図1、図2の開口パターンを持つ。これら電極プレート片面の実行面積は、約66.7平方センチメートルである。FTCユニットは、内部に20のセルがあるので、1ユニットの層有効表面積は、1,334平方センチメートルである。このユニットを、5台直列につなげて水を通過させるが、各ユニットは上部と底部に端子があり、それぞれ独立して電流を受ける。それで、各FTCユニットには、一対の正極および負極の電極に挟まれた19枚のバイポーラー電極からなる。5台のFTCユニットを並列で充電するため、10の電気端子は、まず二つのグループに分けられ、各グループが5つの端子を持つ。そして一つのグループ外部電源の正極に、もう一つのグループは負極に接続する。
処理水内の粗い粒子等を除去するため、紙フィルターで濾過したあと、TDS濃度36,600ppmの海水2リットルを、FTC5台つなげたシステムに、毎分600ミリリットルの率で通過させる。電源システムは、直流電源と二個のS/C(15ボルトx40ファラド)を組み合わせたものである。図5では、同システムを、海水が一回通過するときのTDSの結果を、二つのカーブで示す。ひとつは、200ミリリットル毎に5回、500ミリリットル毎に2回、TDSのデータを測定した。もう一つのカーブは、採取毎のイオン除去を示す。表1にデータを記録した。
表1の3列目はTDS濃度であり、4列目は、原海水から抽出したTDS除去率である。原海水のTDSと採取時のTDS濃度を比較して、イオン除去率を計算した。表1と図5からわかることは、最初の通過水200ミリリットルの海水は、785ppmの水に変わり、イオン除去率は97.86パーセントであった。FTCユニット内にイオンが累積し、第二回目ではTDSが10倍に跳ね上がり、イオン除去率は急激に落ち込んだ。FTCの急速充電と急速イオン吸収が起きたことがこれでわかる。同時に、FTC電極表面が急速に飽和に向かい、脱塩効果が弱くなったといえる。5台のFTCユニットの総延べ表面積は、6,670平方センチである。脱塩プロセス中、FTCにかけられたDC電源電圧は、40ボルトのままであるので、各セルは、2ボルト直流で稼動していた。電流は、40アンペア設定であるが、稼動電流は、8.5アンペアと記録された。よって、表1の脱塩で消費されたのは340ワットの電力である。これ以外の設定、例えば、20アンペアと30アンペアでは、表1のような好結果は出ない。(データは省略。)本実験では、5台のFTCに電流を流す際、30アンペア以上の電流が、初期に必要かも知れない。そのため、設定を30アンペア以上にして、脱塩をするのが良い。表1では、本発明が明らかに高い性能を持っていることを実証した。化学薬品等による水の前処理なしでの結果である。一方、本テストでは、水の通過回数を一度のみであったが、複数回数を繰り返し、循環処理すれば更なる純水化が可能である。FTCの台数を増加するのも同じ効果がある。
第2の例として、図4のFTCモジュールを作る。21枚の電極を、垂直に重ねる。3枚の電極、すなわち、第1枚目、第11枚目、第21枚目は、モノポーラー電極であり、電源の正極に、第1枚目と第21枚目を接続し、第11枚目は負極に接続する。つまり、正極電極と中間の負極電極の間に、直列につながる9枚のバイポーラー電極がある。すべての電極は、活性炭素コーティング仕上げの直径10センチのステンレス鋼で、図1と図2の開口パターンを持つ。各電極の、片面で実行表面積が267平方センチで、20セルからなるFTCモジュールの総実行表面積は、5,340平方センチである。DC電源と、二個のS/C(15ボルトx40ファラド)からなる電源システムからの、30ボルトx10アンペアを、FTCモジュールに流す。TDS濃度、114ppmの水道水10リットルを、FTC内を、毎分2.4リットルで循環させる。硬度を除去する目的である。処理水のTDSが、表2の通り、一定の時間で測定された。図6で、そのデータを示す。
例1の海水の場合と比べて、水道水はイオン含有量が少ない。イオン含有量の少ない水の場合、イオン吸着の率が遅く、稼動電流も2.6アンペアと低い。この過程の間、FTCセルが飽和したという状態にはなっていない。実際、表2のTDS測定は、ダイナミック・モードといえる。循環水の測定TDSデータが、時間とともに変化しているからだ。更に処理が進むと、つまり時間が経過すると、水はよりきれいな水になっていく。イオン除去率も改善されていく。表2の第三列目は、初期のTDS濃度と比較した、その測定時間経過の濃度である。もし80ppmが、飲料に適した軟水であるとすれば、本システムでは、わずか5分で、10リットルの軟水が製造されたことになる。これは一回の通過の処理に等しい。
FTC電極プレートに設けた処理水通過のための孔の配列 FTC電極プレートに設けた処理水通過のための孔の配列。上記プレート孔と互い違いに配列。 上記二枚の電極プレートを重ねて、処理水が蛇行通過する。 モノポーラー電極とバイポーラー電極を混合で組み合わせをした。FTCユニット。 TDS曲線。直流20ボルト直列接続のFTCモジュール(直径10センチメートル)を5組。海水をモジュール一回通過により脱塩。 TDS曲線。直流20ボルト直列接続のFTCモジュール(直径10センチメートル)を5組。水道水をモジュール一回通過での軟水を製造。

Claims (4)

  1. 水処理のための流水通過式キャパシター(FTC)の構成要件として:
    (1)最低1個のモノポーラー(単極)電極;
    (2)最低1個のバイポーラー(両極)電極;
    (3)上記のモノポーラー電極およびバイポーラー電極に空けられた開口部分。
    (4)上記のモノポーラー電極およびバイポーラー電極すべてに付帯するオー・リング
    (5)上記のモノポーラー電極およびバイポーラー電極すべてに付帯するスペーサー
    (6)最低1個の直流電源;
    (7)最低1個のスーパーキャパシター;
    (8)最低1個のコントローラー(上記直流電源およびスーパーキャパシターをコントロール)。
  2. 請求項1記載の流水通過式キャパシター(FTC)における上記モノポーラー電極は上記直流電源の両極に物理的に接続する仕組み。
  3. 請求項1記載の流水通過式キャパシター(FTC)における上記バイポーラー電極は上記直流電源とは物理的に接続しない仕組み
  4. 請求項1記載の流水通過式キャパシター(FTC)において、モノポーラー電極およびバイポーラー電極の総表面積の7パーセントから15パーセンを開口部分として設定する。
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