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JP2009020265A - コロナ帯電装置及び画像形成装置 - Google Patents

コロナ帯電装置及び画像形成装置 Download PDF

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JP2009020265A
JP2009020265A JP2007182089A JP2007182089A JP2009020265A JP 2009020265 A JP2009020265 A JP 2009020265A JP 2007182089 A JP2007182089 A JP 2007182089A JP 2007182089 A JP2007182089 A JP 2007182089A JP 2009020265 A JP2009020265 A JP 2009020265A
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Hitoshi Maruyama
仁志 丸山
Katsuaki Miyawaki
勝明 宮脇
Katsuhiro Aoki
勝弘 青木
Masanori Saito
政範 斉藤
Hiroshi Ikeguchi
弘 池口
Hiroshi Yasutomi
啓 安富
Takeo Tsukamoto
武雄 塚本
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Abstract

【課題】均一帯電性を得ると共に、高速帯電性を向上させたコロナ帯電装置、及び、そのコロナ帯電装置を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】表面移動する被帯電体1,11に近接し、被帯電体1,11と対向する側に開口部を有するケース53と、ケース53の内部に配設され、電圧を印加されることで正極性及び負極性のイオンを同等量発生させる放電電極52と、被帯電体1,11の帯電電位が所定の電位になるように制御する帯電電位制御手段とを備えたコロナ帯電装置2において、帯電電極52よりも被帯電体1,11の表面移動方向上流側のケース53内に、電圧を印加されることで正極性及び負極性のイオンを発生させ、且つ、被帯電体1,11を帯電させる極性と同極性のイオンを、上記帯電させる極性とは逆極性のイオンよりも多く発生させる上流側放電電極51を配設している。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置、及び、これに採用されるコロナ帯電装置に関するものである。
コロナ帯電装置のひとつとして、コロトロン帯電装置が古くから知られている。コロトロン帯電装置は、開放部分をもつ円筒形状あるいは角筒形状に形成されたアルミニウム等の金属製ケースのほぼ中心部分に、コロナ電極として直径50μm程度のタングステンワイヤが架空されたものからなる。コロトロン帯電装置では、直流電圧あるいはグランド(0V)が印加された金属製ケースと電圧が印加されたコロナ電極との間に所謂コロナ放電を発生させる。金属ケースの開放部分に対しては、被帯電体を対向するように配置して、コロナ放電で発生したイオンを被帯電体に供給することで、被帯電体表面を帯電することができる。このようなコロトロン帯電装置は、装置の構成が簡素で安価であるという利点を有する。ところが、コロナ電極に直流電圧を印加した直流型コロトロン帯電装置の場合には、雰囲気環境の温湿度変化によって電位変動が生じてしまう。そのため、被帯電体を狙いの電位に均一帯電させるのが困難である。
上述したような直流型コロトロン帯電装置の欠点を解消するために交流型コロトロン帯電装置が古くから知られている。交流型コロトロン帯電装置では、コロナ電極に交流電圧または直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加することで温湿度変化による電位変動を抑え被帯電体を狙いの電位に帯電させることができる。
また、一般に交流型コロトロン帯電装置では、コロナ電極に印加する交流電圧の絶対値が同じであれば負の放電電流が正の放電電流よりも多くなる、言い換えれば負イオンの方が正イオンよりも多く発生することが知られている。そのため、交流電圧に直流電圧を重畳することによって負の放電電流と正の放電電流とのバランスを変化させ、被帯電体が狙いの帯電電位になるように調整する。ところが、負の放電電流が正の放電電流よりも多くなる比率は、コロナ電極の経時的な汚れなどによって変わるので、同じ電圧条件であっても常に同じ帯電電位に制御できないという不具合がある。
そこで、被帯電体を均一帯電せしめるコロナ帯電装置として、コロナ電極にコンデンサを介して交流電圧を印加し、コロナ電極を囲む金属製ケースに被帯電体を所定の帯電電位に帯電させる電位と同電位の直流電圧を印加するコロナ帯電装置が提案されている(特許文献1及び特許文献2など)。このコロナ帯電装置ではコンデンサを介してコロナ電極に交流電圧を印加することで、コンデンサの静電容量によって流れ得る電流量が制限されるため正の放電電流と負の放電電流とが同等量になり、コロナ電極から正イオンと負イオンとを同等量発生させることができる。コロナ電極から発生した正イオンと負イオンのうち金属製ケースに印加した直流電圧とは逆極性のイオンが金属製ケースに移動し、金属製ケースに印加した直流電圧と同極性のイオンが被帯電体に移動する。そして、上記同極性のイオンによって被帯電体が帯電し被帯電体と金属製ケースとが同電位になると、コロナ電極から発生した正イオンと負イオンとの移動が見かけ上停止する平衡状態となる。このようにして金属製ケースに印加した電圧と等しい電位に被帯電体を帯電することができるので、被帯電体を所定の帯電電位で均一帯電せしめることができる。
特開昭54−108636号公報 特開昭55−117162号公報 特許2098675号公報 特許3646278号公報 特許3385008号公報
しかしながら、交流型のコロナ帯電装置では正イオンと負イオンとが交互に発生することになるため直流型のコロナ帯電装置によりも帯電速度が遅くなってしまう。帯電速度とは狙いの電位にどのくらいの時間で帯電させることができるかということである。このように帯電速度が遅いと、被帯電体の表面移動速度が大きいときなどには狙いの帯電電位まで帯電できなくなってしまうといった問題が生じる。
ここで、コロナ帯電装置を感光体の帯電手段として採用する電子写真プロセスを利用したカラー画像用の複写機やプリンタ等の画像形成装置について説明する。カラー画像形成装置の1つとして、感光体の周囲に、帯電装置、露光装置による露光部、複数色の現像装置、転写装置、クリーニング装置を配置して、帯電、露光、現像工程を色毎に複数回繰り返すことで、感光体の同一領域上に複数色のトナー像を重ね合わせて形成し、その後転写紙に一括転写し、定着してカラー画像を得る、いわゆる感光体上色重ね合わせ方式の画像形成装置が種々知られている(例えば、特許文献3、特許文献4及び特許文献5)。感光体上色重ね合わせ方式は、感光体が1つであり、且つ、中間転写体を用いないため、省スペースで省資源化に寄与する方式である。この中でも、特許文献4に開示される、感光体の周囲に色毎に帯電装置、露光部、現像装置を備え、感光体を複数回回転することなく感光体上色重ね合わせるものは、画像形成スピードを落とすことなく高速画像形成を可能とする有用な画像形成装置である。
また、感光体上色重ね合わせ方式では、すでに感光体上に形成されているトナー像が、あとから重ね合わせるトナー像の現像工程の際にかき乱されないように、トナー担持体上の現像剤と感光体とを非接触で対向させる非接触現像方式の現像装置が採用されている。このような非接触現像装置を採用しても、すでに感光体上に形成されたトナー像の影響により上から重ねようとするトナーの量が低下してしまう、重ねトナー付着量の低下という不具合が発生する。この原因のひとつとして、すでに感光体上に形成されているトナー層が持つ電荷量によって、露光後電位が非トナー付着領域と同じようには低下しないことによる露光後電位の上昇によるものが考えられる。この不具合に対して、特許文献1に記載のような構成のコロナ帯電装置を用いることで、重ねトナー付着量が低下するのを抑制することができる。つまり、すでに感光体上に形成されたトナー像の除電を行いつつ感光体上のトナー層及び非トナー付着領域の電位を金属製ケースに印加する直流電圧と同電位にすることができるので、露光後電位をトナー層と非トナー付着領域とで同じように低下させることができるからである。しかしながら、上述したように交流型のコロナ帯電装置は帯電速度が遅いため、特許文献4に記載の画像形成装置のように高速画像形成を行うものでは、トナー層と非トナー付着領域とを狙いの電位にすることができなくなる恐れがある。
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、均一帯電性を得ると共に、高速帯電性を向上させたコロナ帯電装置、及び、そのコロナ帯電装置を備えた画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、表面移動する被帯電体に近接し、該被帯電体と対向する側に開口部を有するケースと、該ケースの内部に配設され、電圧を印加されることで正極性及び負極性のイオンを同等量発生させる放電電極と、該被帯電体の帯電電位が所定の電位になるように制御する帯電電位制御手段とを備えたコロナ帯電装置において、該放電電極よりも被帯電体表面移動方向上流側の該ケース内に、電圧を印加されることで正極性及び負極性のイオンを発生させ、且つ、該被帯電体を帯電させる極性と同極性のイオンを、該帯電させる極性とは逆極性のイオンよりも多く発生させる上流側放電電極を配設することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のコロナ帯電装置において、上記放電電極にコンデンサを介して交流電圧を印加する第1の電圧印加手段と、上記上流側放電電極に交流電圧または直流電圧を重畳した交流電圧を印加する第2の電圧印加手段とを有することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1のコロナ帯電装置において、交流電圧または直流電圧を重畳した交流電圧を上記放電電極及び上記上流側放電電極に印加する電圧印加手段を有しており、該電圧印加手段は、該放電電極にコンデンサを介して電圧を印加し、該上流側放電電極に直接電圧を印加するものであることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3のコロナ帯電装置において、上記帯電電位制御手段はグリッド電極であり、上記放電電極と上記被帯電体との間に該グリッド電極を設けることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、像担持体と、該像担持体上を帯電せしめる1つ以上の帯電手段と、該帯電手段によって帯電された該像担持体上を露光して各色ごとの潜像を形成する潜像形成手段と、該像担持体上に形成された該潜像を、それぞれ異なる色のトナーによって可視像化する複数の現像手段とを備え、各色ごとに、該像担持体を該帯電手段によって帯電せしめ、その像担持体上を該潜像形成手段が露光して潜像を形成し、その潜像を該現像手段が現像することによって、単一の像担持体上に各色のトナー像を順次形成してカラートナー像を形成する画像形成装置において、該帯電手段として、請求項1、2、3または4のコロナ帯電装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記潜像形成手段は、上記帯電手段によって帯電された上記像担持体上の非画像部を露光して各色ごとの潜像を形成するものであり、上記複数の現像手段は、該帯電手段が該像担持体を帯電せしめる帯電極性とは逆極性のトナーによって各自対応する色の潜像を現像するものであることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項5または6の画像形成装置において、上記現像手段は、現像領域において上記像担持体と非接触で対向するように配置された、上記トナーを担持するトナー担持体と、該トナー担持体の表面に沿うように該トナー担持体に設けられ互いに絶縁された複数の電極とからなり、該複数の電極は、それぞれ印加される電圧の相対的な極性の向きが隣り合う該複数の電極とで互いに異なっていることにより、トナーをホッピングさせるためのホッピング電界発生手段とを有していることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7の画像形成装置において、上記トナー担持体は、該トナー担持体の表面に担持されたトナーを、該トナー担持体の表面を移動させることによって、上記現像領域に搬送する表面移動部材であることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項8の画像形成装置において、上記ホッピング電界発生手段は、上記トナー担持体の表面に担持されているトナーをホッピングさせつつ、該トナーを上記現像領域まで搬送するための進行波電界を、該トナー担持体の表面上に発生させるものであることを特徴とするものである。
本発明においては、まず上流放電電極から発生させた被帯電体を帯電させる極性と同極性のイオンによって被帯電体を上記帯電させる極性に帯電する。そして、その後に上流放電電極よりも被帯電体表面移動方向下流側にある放電電極から被帯電体へイオンを供給しつつ帯電電位制御手段によって被帯電体の帯電電位を制御することで、被帯電体を所定の帯電電位に均一帯電させる。つまり、上流側放電電極から発生されたイオンによって予め上記帯電させる極性に帯電した被帯電体に、上記放電電極から発生されたイオンを供給して被帯電体を所定の帯電電位に帯電する。これにより、被帯電体が予め上記帯電させる極性に帯電していない場合よりも、被帯電体を所定の帯電電位にするのに必要な上記放電電極から発生されたイオンの被帯電体への供給量が少なくて済む。よって、上流放電電極を設けていない構成よりも短時間で被帯電体を所定の帯電電位に均一帯電させることができる。
以上、本発明によれば、均一帯電性を得ると共に、高速帯電性を向上させることができるという優れた効果がある。
[実施形態1]
以下、本発明を、画像形成装置であるプリンタに適用した一実施形態について説明する。まず、本実施形態に係るプリンタの構成及び動作について説明する。
図2は、本実施形態に係るプリンタ全体の概略構成図である。画像形成装置の本体中央部には作像部があり、この作像部に像担持体としての感光体ドラム1を備えている。感光体ドラム1の周辺には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(Bk)の各色のトナー像を形成するためのコロナ帯電装置2と現像装置4とが、上方から反時計回りに4組が配置されている。また、装置の右方には感光体ドラム1にレーザー光Lを照射する露光装置5が設けられており、各コロナ帯電装置2と各現像装置4の間の露光部に各色の潜像形成用のレーザー光Lを照射している。すなわち、イエロー(Y)用のコロナ帯電装置2Y、露光部3Y、現像装置4Y、マゼンタ(M)用のコロナ帯電装置2M、露光部3M、現像装置4M、シアン(C)用のコロナ帯電装置2C、露光部3C、現像装置4C、黒(Bk)用のコロナ帯電装置2Bk、露光部3Bk、現像装置4Bkが順に配置されている。また、これらの下流の感光体ドラム1の周辺には、転写ベルト装置9と、クリーニング装置14とが設けられている。なお、本実施形態の作像部は、感光体1と、コロナ帯電装置2、現像装置4及びクリーニング装置14とを一体とした、装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジとなっている。プロセスカートリッジとしての構成は本実施形態のような構成に限るものではなく、また、作像部をプロセスカートリッジ化しなくても構わない。
なお、コロナ帯電装置2Y、2M、2C、2Bk、露光部3Y、3M、3C、3Bk及び現像装置4Y,4M,4C,4Bkに関しては、構成・動作が同じ部分は、添字のY,M,C,Bkを省略して説明をおこなう。
露光装置5は、レーザー光Lを感光体ドラム1に対して4箇所放射状に入光する、一体化されたユニット構成からなる。露光装置5は、一様に帯電された感光体ドラム1上の露光部3に各色の画像データに基づきレーザー光Lを照射して、各色の潜像を形成する。なお、露光装置5は、色毎にユニット化された4体から構成されても、各LEDアレイから構成されても良い。
現像装置4は、感光体ドラム1と対向する位置に設けられた、静電的にトナーを担持して感光体ドラム1の現像領域にトナーを搬送するトナー担持ローラ61を有している。
転写ベルト装置9は、転写ベルト13と、これを張架する駆動ローラ10、従動ローラ8と、転写ローラ12とを備えている。転写ベルト13が感光体ドラム1周面に接する領域の転写ベルト13内側には転写ローラ12が配設され、感光体ドラム1のトナー像を転写ベルト13の担持する記録用紙上へ転写する転写域を形成する。転写ベルト13は無端状のベルトである。このベルトは、シリコンゴム或いはウレタンゴムからなる体積抵抗値10〜1012[Ω・cm]、厚さ0.5〜2.0[mm]の半導電性基体と、トナーフィルミング防止のため厚さ5〜50[μm]のフッ素コーティングの半導電性表層の2層構成のゴムベルトである。また、上記ゴム状の基体の代わりに、厚さ0.1〜0.5[mm]の半導電性のポリエステルやポリスチレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等を使用することもできる。また、転写ベルト13にはベルト表面を清掃するベルトクリーニング装置(図示なし)が設けられている。
クリーニング装置14は、クリーニングブレード15とファーブラシ16とを備えている。なお、クリーニングブレード15のみの構成でも良い。
記録用紙の搬送方向に関して転写ベルト装置9の下流には、定着装置18が配設されている。定着装置18は、無端状の定着ベルト19とそれを支持する2本のローラとテンションローラ20と定着ベルト19に圧接している加圧ローラから構成されている。
また、画像形成装置本体の下部には、転写材である記録用紙が収納された給紙カセット31と給紙カセット31から記録用紙を送り出す給紙ローラ32とフィードローラ33が配設されている。転写ベルト13までの記録用紙搬送経路には搬送ローラ対34、レジストローラ対35が設けられている。定着装置18後の記録用紙搬送経路には本体上に設けられた記録用紙スタック部に排出する排紙ローラ27、また両面印刷する経路には反転ローラ28、さらにレジストローラ対35までの反転経路には搬送ローラ対が3組設けられている。また、本体左側には手差し給紙部があり、記録用紙を給紙、搬送するピックアップローラ29とフィードローラとが配設されている。
次に、上記構成の画像形成装置の動作を説明する。
原稿画像は本装置とは別体の画像読み取り装置(図示なし)の撮像素子により読み取られた画像或いはコンピュータで編集された画像を、Y,M,C及びBkの各色別の画像信号として一旦メモリに記憶し格納される。画像記録のスタートにより感光体ドラム駆動モータ(図示なし)の始動により感光体ドラム1を反時計方向へと回転し、同時にY用コロナ帯電装置2Yの帯電作用により電位の付与が開始される。感光体ドラム1は電位を付与されたあと、露光装置5より照射されるレーザー光Lにより第1の色信号即ちイエロー(Y)の画像信号に対応する電気信号に基づく露光が開始されドラムの回転走査によってその表面の感光層に原稿画像のイエロー(Y)の画像に対応する潜像を形成する。Y用の潜像は現像装置4Yのトナー担持ローラ61にて、感光体ドラム1との対向部に搬送されてきたトナーにより非接触現像され、感光体ドラム1上にイエロー(Y)のトナー像が形成される。
次いで、感光体ドラム1は上記イエロー(Y)のトナー像の上に、M用コロナ帯電装置2Mの帯電作用により電位を付与され、露光装置5より照射されるレーザー光Lにより第2の色信号即ちマゼンタ(M)の画像信号に対応する電気信号による露光が行われ、原稿画像のマゼンタ(M)の画像に対応する潜像を形成する。M用の潜像は現像装置4Mのトナー担持ローラ61にて、感光体ドラム1との対向部に搬送されてきたトナーにより非接触現像され、上記のイエロー(Y)のトナー像の上にマゼンタ(M)のトナー像が順次重ね合わせて形成していく。同様のプロセスによりC用コロナ帯電装置2C、露光装置5からのレーザー光Lによる露光及び現像装置4Cによって更に第3の色信号に対応するシアン(C)のトナー像が、またコロナ帯電装置2Bk、露光装置5からのレーザー光LBkによる露光及び現像装置4Bkによって第4の色信号に対応する黒色(Bk)のトナー像が順次重ね合わせて形成され、感光体ドラム1の一回転以内にその周面上にカラーのトナー像が形成される。
一方では給紙カセット31から給紙ローラ32、フィードローラ33、搬送ローラ対34の作動により記録用紙が搬出されてレジストローラ対35に搬送され、感光体ドラム1上のカラートナー像の搬送に同期して転写ベルト13の転写域に給紙される。給紙された記録用紙は転写域において転写ローラ12によるトナーと反対極性のバイアス電圧の印加により順次カラートナー像は記録用紙上に転写される。
転写後は感光体ドラム1上の転写残トナーをクリーニング装置14によってクリーニングする。クリーニングは、まずファーブラシ16で残トナーを感光体ドラム1から剥ぎ取り、その下流でクリーニングブレード15によって完全に掻き取る。クリーニングされたトナーはクリーニングスクリュ17によって不図示の廃トナーボトルへ送られる。
また、カラートナー像の転写を受けた記録用紙は転写ベルト13に静電的に貼り付いて駆動ローラ10部まで搬送されると、記録用紙先端は転写ベルト13と曲率分離して定着装置18に搬送され、定着ベルト19と加圧ローラの間に挟着搬送して加熱され、トナーを溶着して定着がなされたのち排紙ローラ28を介して装置スタック部26に排出される。
両面印刷する場合は、記録用紙は反転ローラ28側に搬送され、反転ローラ28の逆回転により、再度、レジストローラ25に送られる。そして感光体ドラム1上に形成されたカラートナー像とタイミングを合わせて、転写ベルト13のニップ部へ送られ、記録用紙裏面に転写され、再度定着装置18を通過して、スタック部26に排出される。
[実施例1]
図1は、本実施形態に係るフルカラー画像形成装置に採用されるコロナ帯電装置2の概略構成図である。本実施例のコロナ帯電装置2は、2つのコロナ電極、シールド53(金属製ケース)、コンデンサ54、2つの高圧電源から構成される。
2つのコロナ電極はタングステンから成る直径60[μm]のワイヤである。コロナ電極には高圧電源55から交流電圧または直流電圧を重畳した交流電圧が印加される。シールド53は厚さ1mmのステンレス鋼の板材を加工して作り、コロナ電極を囲むように配置し、シールド53の感光体ドラム1と対向する側は開放されている。シールド53を構成する素材は導電性を有していればどのようなものであっても構わないが、耐オゾン性のなどの観点からステンレス鋼を採用している。図1では2つのコロナ電極の間をシールド53で仕切っているが、場合によっては2つのコロナ電極間は図3に示すように開放されていも良い。そして、シールド53には高圧電源56から直流電圧を印加する。
図4に本実施例のコロナ帯電装置2の寸法を示す。コロナ電極とシールド53の距離は[4mm]とする。コロナ電極からシールド53開放口までの距離を3[mm]、シールド53開放口から感光体ドラム表面までの距離は2[mm]とし、すなわちコロナ電極から感光体ドラム表面までの距離は5[mm]とする。また、コロナ電極とそれを囲うシールド53の図4に図示しない方向の長さは330[mm]とする。
本実施例のコロナ帯電装置2は帯電速度が大きく帯電電位の制御性に優れている。その原理を以下で説明する。
コロナ電極に交流電圧を印加したときには、放電によって負と正の両方のイオンが発生する。しかし、文献(電子写真プロセス技術p.54、板谷正彦監修、トリケップス、1992年)にも記載されているように、負と正とが同じ電圧のときには負放電の方が強いために、コロナ電極に交流電圧を印加して感光体ドラム1を帯電させると感光体ドラム1は負に帯電する。
そこで、交流電圧に直流電圧を重畳することによって、負放電と正放電とのバランスを変化させて感光体ドラム1が狙いの帯電電位になるように調整することができる。しかし、負放電の方が強い比率は温度や湿度等の諸条件やコロナ電極の経時的な汚れによって変わってきてしまうので、同じ電圧条件であっても常に同じ帯電電位に制御できないという課題がある。
また、コロナ電極にコンデンサ54を介して交流電圧を印加し、シールド53に直流電圧を印加する方式の場合には、シールド53に印加したバイアスにほぼ等しい電位に被帯電体を帯電することができる。コンデンサ54を介しているためにコロナ電極には直流の電流は流れないので、温度や湿度等の諸条件やコロナ電極の経時的な汚れに依存せずに常に正と負のイオンを同等量発生させることになる。シールド53には印加した直流電圧の逆極性のイオンが到達し、被帯電体にはシールド53に印加した直流電圧と同極性のイオンが到達し、被帯電体とシールド53が同電位になった時に正負のイオンの移動が止まる。このような原理であるので、帯電電位を常に狙った値に制御できる。しかし、この方式では正負のイオンを交互に同等量しか発生させないので、帯電速度が遅いという欠点がある。帯電速度とは狙いの電位にどのくらいの時間で帯電させることができるかということである。したがって、感光体ドラム1の移動速度が大きいときや、感光体ドラム1の膜厚が薄くなった時に、狙いの帯電電位まで帯電できなくなってしまう課題がある。
本実施例では、高電圧1から交流電圧または直流電圧を重畳した交流電圧を出力する。そして、感光体ドラム回転方向の上流側のコロナ電極51には直接電圧が印加されるので、感光体ドラム1を帯電させる側の極性のイオンを多く発生させることによって高速に帯電できる。感光体ドラム1を負に帯電させる場合には、元々負放電の方が強いので場合によっては直流電圧を重畳しなくても良い。感光体ドラム1を正に帯電させる場合には、正放電の方が負放電よりも弱いことを補うために大きな直流電圧を重畳しなければならない。
なお、コロナ電極51を通過した後の感光体ドラム表面電位は、感光体ドラム1を帯電させる側の極性のイオン発生量を増やして帯電速度を大きくしたので、狙いの帯電電位よりも大きく帯電されてしまうこともある。
そのため、本実施例では、コロナ電極52によって帯電電位の制御を行う。詳しくは、コロナ電極52にはコンデンサ54を介して高圧電源55から交流電圧または直流電圧を重畳した交流電圧が印加されるが、コンデンサ54によって直流電圧分はカットされるので正と負とのイオンを等量発生させることができ、上述したようにシールド53に高圧電源56から印加した直流電圧と等しい電位に感光体ドラム表面の帯電電位を収束させることができる。
したがって、コロナ電極51を通過した後の感光体ドラム表面電位が狙いの帯電電位よりも大きければ、感光体ドラム1を除電して狙いの帯電電位とすることができる。また、コロナ電極51を通過した後の感光体ドラム表面電位が狙いの帯電電位よりも小さければ、さらに感光体ドラム1を帯電して狙いの帯電電位とすることができる。このようにして感光体ドラム1の帯電電位を常にシールド53に印加した直流電圧に制御できる。
以上の原理によって、本発明は大きな帯電速度を持ちつつ帯電電位の制御性に優れた方式である。さらに、このような能力を持ちつつ、コロナ電極51とコロナ電極52に印加する高圧電源55とシールド53に印加する高圧電源56というように、従来通り2つしか高圧電源は必要なく、低コストである。当然ながら、図5に示すように、コロナ電極51に交流電圧または直流電圧を重畳した交流電圧を印加する高圧電源59と、コロナ電極52にコンデンサを介して交流電圧を印加する高圧電源58と、シールド53に直流電圧を印加する高圧電源56というように、高圧電源を3つ用いても上述したのと同様の効果を得ることができる。
[変形例]
さらに、図6に示すようにコロナ電極52と感光体ドラム表面の間にグリッド57電極を設けてもよい。グリッド57電極とはメッシュ加工されている金属電極のことである。例えば、0.1[mm]の板厚のステンレス鋼板をエッジング加工により、1[mm]ピッチでメッシュ加工したものを用いる。グリッド57電極はシールド53電極と電気的に接続して、やはり高圧電源56から直流電圧を印加する。なお、別の高圧電源からグリッド57電極に直流電圧を印加しても良い。
グリッド57電極を設けると、帯電電位を狙いの値により精度よく制御することができる。よって、さらに帯電電位の均一性に課題がある場合には、これを解決できる。
[比較実験1]
[比較例1]
比較例1のコロナ帯電装置2を図7に示す。コロナ電極とシールド53の距離は8[mm]とする。コロナ電極からシールド53開放口までの距離を5[mm]、シールド53開放口から感光体ドラム表面までの距離は2[mm]とし、すなわちコロナ電極から感光体ドラム表面までの距離は7[mm]とする。コロナ電極にはコンデンサ54を介して高圧電源55から交流電圧を印加して、シールド53には高圧電源56から直流電圧を印加する。
<負帯電の場合>
帯電速度は、感光体ドラム1に移動速度が大きくしていったときにどの程度まで追随して目標の帯電電位に帯電できるかという特性で評価できる。
実施例1または比較例1のコロナ帯電装置2を感光体ドラム1(感光体膜厚=25[μm])の周りに配置し、感光体ドラム1の表面を帯電させる。そこから感光体ドラム回転方向下流側の30[mm]の位置に表面電位計(トレック社製表面電位計Model344)を配置して、感光体ドラム1の帯電電位の測定を行う。そして、感光体ドラム移動速度を50[mm/sec]から400[mm/sec]まで変化させる。その結果を図8に示す。
なお、比較例1の条件は、高圧電源55からはピーク間電圧12[kV]、周波数2[kHz]の交流電圧を出力し、高圧電源56からは−500[V]の直流電圧を出力し、コンデンサ54は1000[pF]のものを用いた。
また、実施例1の条件は、高圧電源55からはピーク間電圧10[kV]、周波数2[kHz]の交流電圧に−500[V]の直流電圧を重畳して出力し、高圧電源56からは−500[V]の直流電圧を出力し、コンデンサ54は1000[pF]のものを用いた。
図8から、比較例1の場合には、感光体ドラム移動速度が大きくなるにつれて、狙いの帯電電位の−500[V]まで帯電できなくなっている。これに対して、実施例1の場合には、感光体ドラム移動速度が大きくなっても、狙いの帯電電位の−500[V]からあまりずれていないのがわかる。つまり、帯電速度が大きいことがわかる。
<正帯電の場合>
負帯電と同様な実験で、感光体ドラム1を正帯電させた時の結果を図9に示す。
なお、比較例1の条件は、高圧電源55からはピーク間電圧10[kV]、周波数2[kHz]の交流電圧を出力し、高圧電源56からは500[V]の直流電圧を出力し、コンデンサ54は1000[pF]のものを用いた。
また、実施例1の条件は、高圧電源55からはピーク間電圧10[kV]、周波数2[kHz]の交流電圧に1.5[kV]の直流電圧を重畳して出力し、高圧電源56からは500[V]の直流電圧を出力し、コンデンサ54は1000[pF]のものを用いた。
図9から、比較例1の場合には、感光体ドラム移動速度が大きくなるにつれて、狙いの帯電電位の500[V]まで帯電できなくなっている。これに対して、実施例1の場合には、感光体ドラム移動速度が大きくなっても、狙いの帯電電位の500[V]からあまりずれていないのがわかる。つまり、帯電速度が大きいことがわかる。
[比較実験2]
次に、感光体ドラム上色重ね方式の課題の1つである、1回の帯電によって前段の電位分布の履歴を消去して均一に帯電することについての実験を行う。これを実現するためには大きな帯電速度が必要である。なぜならば、帯電している部分と帯電していない部分を同時に帯電したときに、帯電している部分をさらに帯電させずに、帯電していない部分だけを大きく帯電しなければならないからである。つまり、帯電電位をすばやく収束させなければならず、それは帯電速度が大きいということである。
本実施形態では、次のような実験で実施例1と上述した比較例1との帯電速度の違いを確認した。図10を用いて実験内容を説明する。
まず、実施例1または比較例1のコロナ帯電装置2によって感光体ドラム1を狙いの帯電電位である−500[V]に帯電させる。これに最大出力の書き込みを行い、露光後電位(本比較実験においては−50[V]だった)まで電位を低下させる。すると、凹凸のある電位分布ができる。この後に、同じコロナ帯電装置2で再帯電を行う。このときに、露光後電位は1回目にほぼ等しい電位に帯電されるが、一回目に帯電されている電位はそれよりも大きく帯電されてしまう。これは1回目の帯電で電位が収束していないために起こる。1回目の帯電で大きな帯電速度で電位が収束していれば、2回目の再帯電でも電位がほとんど変わらないはずである。
本比較実験の結果を表1に示す。なお、感光体ドラム線速は150[mm/s]とし、感光体ドラム膜厚は25[μm]のものを用いた。
Figure 2009020265
また、比較例1の条件は、高圧電源55からはピーク間電圧12[kV]、周波数2[kHz]の交流電圧を出力し、高圧電源56からは−500[V]の直流電圧を出力し、コンデンサ54は1000[pF]のものを用いた。
また、実施例1の条件は、高圧電源55からはピーク間電圧10[kV]、周波数2[kHz]の交流電圧に−500[V]の直流電圧を重畳して出力し、高圧電源56からは−500[V]の直流電圧を出力し、コンデンサ54は1000[pF]のものを用いた。
表1から、比較例1の再帯電後(2回目の帯電後)の電位差(1回目非露光部分の帯電電位と1回目露光部分の帯電電位との電位差)は45[V]であるのに対して、実施例1の再帯電後(2回目の帯電後)の電位差(1回目非露光部分の帯電電位と1回目露光部分の帯電電位との電位差)は10[V]であり、実施例1のほうが均一な帯電ができたといえる。これは、実施例1のコロナ帯電装置2は比較実験1で示したように帯電速度が大きいので、このように、1回の帯電によって前段の電位分布の履歴を消去して均一に帯電することができたと考えられる。
[比較実験3]
[比較例2]
比較例2のコロナ帯電装置2を図11に示す。これは、シールド53開放部にグリッド57を設置した通常のスコロトロン帯電装置である。コロナ電極とシールド53との距離は8[mm]とする。コロナ電極からグリッド57までの距離を5[mm]、グリッド57から感光体ドラム表面までの距離は2[mm]とし、すなわちコロナ電極から感光体ドラム表面までの距離は7[mm]とする。コロナ電極には高圧電源55から直流電圧を印加して、シールド53には高圧電源56から直流電圧を印加する。
本比較実験では、感光体ドラム上色重ね方式の課題の1つである、トナー層電位の問題に対して実施例1と上述した比較例1と比較例2とのコロナ帯電装置2の比較を行う。
なお、感光体ドラム上色重ね方式におけるトナー層電位の問題とは、すでに感光体ドラム1上に形成されているトナー層が持つ電荷量によって、次色のトナー像の形成に係る露光後のトナー層と非トナー付着領域との電位が同じようには低下せず、すで感光体ドラム1上に形成されたトナー像の上に重ねようとする次色のトナーの付着量が低下することである。
実験としては、感光体ドラム1を約−500[V]に帯電させてから全面露光しベタ画像を現像する。なお、トナー付着量がおよそ0.45[mg/cm]になるように調整する。このトナー層が付着した感光体ドラム1に十分に光を当てると、表面電位としてはトナー層電位のみが残るので、表面電位計で現像後のトナー層電位を測定する。
その後に、実施例1、比較例1または比較例2のコロナ帯電装置2を用いて、感光体ドラム表面(トナー層込みで)を再び−500[V]に再帯電する。その後に、同様にトナー層が付着した感光体ドラム1に十分に光を当てると、表面電位としてはトナー層電位のみが残るので、表面電位計で再帯電後のトナー層電位を測定する。
なお、比較例1の条件は、高圧電源55からはピーク間電圧12[kV]、周波数2[kHz]の交流電圧を出力し、高圧電源56からは−550[V]の直流電圧を出力し、コンデンサ54は1000[pF]のものを用いた。
また、比較例2の条件は、高圧電源55からは−5[kV]の直流電圧を出力し、高圧電源56からは−550[V]の直流電圧を出力し、コンデンサ54は1000[pF]のものを用いた。
また、実施例1の条件は、高圧電源55からはピーク間電圧10[kV]、周波数2[kHz]の交流電圧に−500[V]の直流電圧を重畳して出力し、高圧電源56からは−500[V]の直流電圧を出力し、コンデンサ54は1000[pF]のものを用いた。
本比較実験の結果を表2に示す。比較例1と比較例2との場合には、再帯電によってトナー層電位が現像後から増大してしまっているが、実施例1の場合にはトナー層電位を0近くまで小さくできている。
Figure 2009020265
このように実施例1において再帯電後のトナー層電位が0近くまで小さくできたのは、以下に記載するためであると考えられる。つまり、実施例1のコロナ帯電装置2では、コロナ電極51に印加される電圧条件では上述したように感光体ドラム1を−500[V]まで帯電させるのに十分なイオンを供給するので、コロナ電極51を通過後には、感光体ドラム表面は−500[V]以上に一旦帯電される。その後、コロナ電極52を通過するときに上述した理由によって感光体ドラム表面電位は−500[V]まで戻される。このように、一度電位を上げてから下げる経路を経ると、感光体ドラム1上にトナー層が形成されている時に、トナーが持つ電荷の除電が可能である。
[実施形態2]
[実施例2]
以下、本発明を電子写真方式の画像形成装置であるレーザプリンタ(以下、単にプリンタ100という)に適用した実施形態2について説明する。
図12は実施形態2に係るプリンタ100の概略構成図である。図12に示すプリンタ100では、有機感光体をベルト形状に構成した感光体ベルト11を備え、図示を省略した回転駆動機構によって図中矢印E方向に回転されるようになっている。
感光体ベルト11には現像カートリッジである現像装置4K、4M、4C、4Yおよび後述するコロナ帯電装置2が各色ごとに対向しており、感光体ベルト11の移動にしたがって順次トナー像を感光体ベルト11上に重ねていくように構成されている。これは、ワンパスカラーと呼ばれる構成である。また、現像カートリッジとしての現像装置4は、感光体ベルト11が退避する事で開放された空間から着脱可能となっており、ユーザーによる交換が可能となっている。
また、光書込み装置4K、4M、4C、4Yは、画像情報に従って帯電後の感光体ベルト11にそれぞれブラック、マゼンタ、シアン、イエロー色に対応した潜像を書き込むための装置である。ポリゴンを用いた光走査装置やLEDアレイ等、種々のものを使用する事ができる。
感光体ベルト11の下方には、転写紙P等の転写材を格納し、また画像形成時に転写紙Pを搬送開始させる給紙装置5が設けてある。また、感光体ベルト11の上方には転写紙P上に形成された未定着のトナー像を固定するための、加熱ローラ18a及びこれに対向する加圧ローラ18bを備えた定着装置3が設けられてある。
画像形成時には、給紙装置5から送られた転写紙Pが感光体ベルト11と転写装置32との接触部へと搬送され、この接触部において感光体ベルト11上に形成されたフルカラー画像が転写装置32に印加された電圧によって転写紙P上に転写される。その後転写紙Pが定着装置3に到達すると、転写紙P上のトナー像は加熱ローラ18aおよび加圧ローラ18bに挟まれつつ加熱されることで転写紙P上に定着させられ、転写紙P上に可視像が形成される。
転写されずに感光体ベルト11上に残留したトナー(転写残トナー)はクリーニング装置38によって清掃され、清掃後の感光体ベルト11表面は次回の画像形成のために使用される。
図13は感光体ベルト11近傍の拡大概略構成図である。図13では、感光体ベルト11が中央に配置され、その円周上に、4色のコロナ帯電装置2Y、2M、2C、2Kと、図示しない露光装置と、4色の現像装置4Y、4M、4C、4Kと、転写装置32と、クリーニング装置38が配置される。ここでは感光体ベルト11としているが、感光体ドラム1であっても問題ない。
本実施形態では感光体ベルト11上でイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナー像を重ね合わせて、カラー画像を形成する。この機構について説明する。図13では、感光体ベルト11の周回方向(矢印方向)に沿って上流側から下流側に、YMCKの順に4色のコロナ帯電装置2と現像装置が配置され、YMCKの順にトナー像を重ね合わせる。なお、重ね合わせ順はこれに限定されるわけではない。
感光体ベルト11は150[mm/sec]の線速で回転させる。コロナ帯電装置2Yでは感光体ベルト11を−500[V]で一様に帯電させ、露光装置3Yから出力される書き込み光13Yによってイエロー色の画像部を露光して静電潜像を形成し、−300Vの現像バイアスを持つ現像装置4Yによって負に帯電したイエロートナーを現像して、この静電潜像をイエロー色トナー像として感光体ベルト11上に形成する。ここでは、感光体ベルト11を負に帯電させて負に帯電したトナーを現像するが、感光体ベルト11を正に帯電させて正に帯電したトナーを現像してもよい。
次に、イエロー色トナー像が形成されている感光体ベルト11上に、イエロー色と同様の帯電、露光、現像のプロセスによって、マゼンタ色トナー像を重ね合わせる。シアン色、ブラック色に関しても同様である。このようにして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナー像を感光体ベルト11上で重ね合わせる。
そして、転写装置32によって、用紙搬送路15によって搬送されてきた記録用紙に、4色のトナー像を一括して転写する。最後に、定着装置18によって記録紙上にトナー像が定着されて画像が出力される。
書き込み光13Y、13M、13C、13Kを出力する図示しない露光装置は、波長780nmのレーザーダイオード素子を用いる。ただし、これに限定されるわけではない。
本実施例では、コロナ帯電装置2Y、2M、2C、2Kは実施例1に記載のコロナ帯電装置2を用いる。ただし、1色目の帯電装置2Yに関しては、IOI(Image On Image)特有の課題というのは生じないので、どのような帯電装置を用いてもよい。また、場合によっては、2色目のコロナ帯電装置2M、3色目のコロナ帯電装置2C、4色目のコロナ帯電装置2Kのどれか1つだけに、実施例1に記載のコロナ帯電装置2を用いてもよい。
なお、コロナ帯電装置2の条件は、高圧電源55からはピーク間電圧10[kV]、周波数2[kHz]の交流電圧に−500[V]の直流電圧を重畳して出力し、高圧電源56からは−500[V]の直流電圧を出力し、コンデンサ54は1000[pF]のものを用いる。
比較実験3で示したように、実施例1のコロナ帯電装置2を用いることで、感光体ベルト11表面を帯電しつつトナー層電位をほぼ0Vにできる。つまり上述したように、コロナ電極51に印加される電圧条件は感光体ベルト11を−500[V]まで帯電させるのに十分なイオンを供給するので、コロナ電極51を通過後には、感光体ベルト11表面は−500[V]以上に一旦帯電される。その後、コロナ電極52を通過する時に感光体ベルト表面電位は−500[V]まで戻される。
このように、一度電位を上げてから下げる経路を経ると、感光体ベルト11上にトナー層が形成されているときに、トナーが持つ電荷を除電が可能である。さらに、正イオンと負イオンの両方を発生させて除電するので、逆帯電トナーが生じることもなく、トナーの帯電量はほぼ0になり、トナー層電位もほぼ0Vとすることができる。したがって、適正な現像ポテンシャルを作ることができるので、高画質な画像形成装置を実現できる。
次に、本実施形態で用いる現像装置4Y、4M、4C、4Kについて説明する。本実施形態では、前色のトナー像がある上から次色のトナー像を現像するので、前色のトナー像を乱さないように非接触の現像装置を用いている。
本実施形態の現像装置4Yを図14に示す。なお、他の現像装置4M、4C、4Kも同じであるので、ここでは代表して現像装置4Yを用いて説明する。
現像装置4Yは、トナー担持ローラ61と、マグローラ62と、2成分現像剤と攪拌スクリュ63,64を収容するケースからなる。トナー担持ローラ61以外は通常の2成分現像方式と同じである。2成分現像剤は磁性キャリア粉にトナーを重量比で約6[wt%]となるように混合させたものである。この2成分現像剤を永久磁石の内包されたマグローラ62によってトナー担持体まで搬送し、そこでトナーの一部が印加されるバイアス電位によってトナー担時ローラに転移する。トナー担持ローラ61に転移されたトナーは、下で説明する原理によってクラウド状態(トナーが浮遊している状態)を形成し、トナー担持ローラ61の回転によって現像部(像担持体との対向部)へと運ばれる。
トナー担持ローラ61表面の平均電位と像担持体電位との差によってトナー像が形成され、現像に寄与しなかった不要なトナーは再びマグローラ62部に戻ってくる。クラウドが形成されているので、トナーの付着力は非常に低く、トナー担持ローラ61によって現像部から戻ってきたトナーは、マグローラ62の回転に追随した2成分現像剤の穂によって容易に掻き取られたり均されたりする。これを繰り返すことによって、トナー担持ローラ61上には常にほぼ一定量のトナーがクラウド状態として担持される。なお、トナー担持ローラ61へのトナー供給法として2成分現像方式を採用したが、現像装置の構成としてはこれに限定されるわけではない。
トナー担持ローラ61について説明する。図15にトナー担持ローラ61の表面を拡大したものを示す。支持基盤75上に空間周期的なアルミ蒸着電極76を配置して、表面を樹脂コート77で覆っている。
図16で示すように、周期的な電極の交互に、異なる波形の電圧Vaと電圧Vbを印加する。VaとVbは図17に示すように時間的に逆向きである(位相が180度ずれている)ようにする。すると、Vaを印加した電極とVbを印加した電極の間に振動電界が形成される。よって、トナーはVaを印加した電極とVbを印加した電極の間をホッピングして、クラウド状態(トナーが浮遊している状態)が形成される。このようにしてトナー担持体上にトナーをクラウド状態として担持できる。なお、図17ではVaとVbは矩形波として示したが、正弦波で形成される通常の交流電圧であってもよい。また、ここでは周期的な電極を2分割して交互に異なる波形の電圧を印加したが、振動電界が形成されてトナーがホッピングしてクラウド状態を形成できる条件ならば3分割以上に分割してそれぞれに異なる波形の電圧を印加するように構成してもよい。
ここでは、VaとVbには、交流成分がピーク間電圧600[V]、周波数1[kHz]の矩形波で、−300[V]の直流成分を重畳した電圧を印加する。現像領域で潜像へのトナーによる現像のきっかけとなる現像バイアスは、この電圧の時間平均値である。つまり、現像バイアスは−300[V]である。
この現像方式は、クラウド状態を形成して現像するので、トナー担持体とトナーとの付着力の影響を小さくすることができる。したがって、現像領域で小さな現像電界にまでトナーが応答することができ、このような小さい現像バイアスでも十分なトナー付着量を得ることができる。
さらに、トナーとトナー担持体の間の付着量がとても小さいと、潜像ポテンシャルに対して忠実な現像ができるので、ドットの再現性が高く優れた品質の画像を得ることができる。
[実施例3]
実施例3の画像形成装置の全体の構成は実施例2と同じであり、図13で示される。また、動作の仕方も実施例2と同様である。
コロナ帯電装置2は、図1で示す実施例1のコロナ帯電装置2を用いる。実施例2と同様に、逆帯電トナーが生じることもなく、トナーの帯電量はほぼ0になり、トナー層電位もほぼ0[V]とすることができる。したがって、適正な現像ポテンシャルを作ることができるので、高画質な画像形成装置を実現できる。
実施例3が実施例2と異なるのは、現像装置4Y、4M、4C、4Kである。全ての現像装置で同じであるので、代表して現像装置4Yを用いて説明する。
実施例3の現像装置は、実施例2の現像装置とほぼ同様な形状をしており、図14で示される。異なる点はトナー担持ローラ61である。図18に実施例3のトナー担持ローラ61の表面を拡大したものを示す。支持基盤75上に空間周期的なアルミ蒸着電極76を配置して、表面を樹脂コート77で覆っている。
実施例3では、図18のように周期的な電極を3分割(ここでは3分割としたがそれ以上でも良い)にして、図19で示すようにそれぞれの電極に異なる波形の電圧Va、Vb、Vcを印加する。すると、実施例2と同様に、トナーはVaを印加した電極とVbを印加した電極とVcを印加した電極の間をホッピングして、クラウド状態(トナーが浮遊している状態)が形成される。
さらに、図20で示すように、Va、Vb、Vcの位相を適切にずらすことによって、トナーを搬送する進行波電界が生じる。これによってトナーを搬送することができる。したがって、トナー担持ローラ61自体を機械的に回転させることなく、現像部(像担持体との対向部)へクラウド状態のトナーを運ぶことができる。
ここでは、VaとVbとVcには、交流成分がピーク間電圧600[V]、周波数1[kHz]の矩形波で、−300[V]の直流成分を重畳した電圧を印加する。現像領域で潜像へのトナーによる現像のきっかけとなる現像バイアスは、この電圧の時間平均値である。つまり、現像バイアスは−300[V]である。
この現像方式は、クラウド状態を形成して現像するので、トナーとトナー担持体との間の付着量はとても小さい。このため、現像領域にトナーが十分に搬送される条件であれば、感光体ベルト11上にトナーが付着した状態での感光体ベルト電位が現像バイアスと等しくなった時点で現像が終了する。つまり、小さな現像ポテンシャルであっても十分なトナー付着量を得ることができる。
さらに、トナーとトナー担持体との間の付着量がとても小さいと、潜像ポテンシャルに対して忠実な現像ができるので、ドットの再現性が高く優れた品質の画像を得ることができる。
[実施例4]
実施例4の画像形成装置の基本的な構成は実施例2及び実施例3と同じであり、図13で示される。
図13に示すように、感光体ベルト11が中央に配置され、その円周上に、4色のコロナ帯電装置2Y、2M、2C、2Kと、図示しない露光装置と、4色の現像装置4Y、4M、4C、4Kと、転写装置32と、クリーニング装置38が配置される。ここでは感光体ベルト11としているが、感光体ドラム1であっても問題ない。
本実施例では感光体ベルト11上でイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナー像を重ね合わせて、カラー画像を形成する。この機構について説明する。図13では、感光体ベルト11の周回方向(矢印方向)に沿って上流側から下流側に、YMCKの順に4色のコロナ帯電装置2と現像装置4が配置され、YMCKの順にトナー像を重ね合わせる。なお、重ね合わせ順はこれに限定されるわけではない。
感光体ベルト11は150[mm/sec]の線速で回転させる。コロナ帯電装置2Yでは感光体ベルト11を500[V]で一様に帯電させ、図示しない露光装置から出力される書き込み光13Yによってイエロー色の非画像部を露光して静電潜像を形成し、300[V]の現像バイアスを持つ現像装置4Yによって負に帯電したイエロートナーを現像して、この静電潜像をイエロー色トナー像として感光体ベルト11上に形成する。ここでは、感光体ベルト11を正に帯電させて負に帯電したトナーを現像するが、感光体ベルト11を負に帯電させて正に帯電したトナーを現像してもよい。
次に、イエロー色トナー像が形成されている感光体ベルト11上に、イエロー色と同様の帯電、露光、現像のプロセスによって、マゼンタ色トナー像を重ね合わせる。シアン色、ブラック色に関しても同様である。このようにして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナー像を感光体ベルト11上で重ね合わせる。
そして、転写装置32によって、用紙搬送路15によって搬送されてきた記録用紙に、4色のトナー像を一括して転写する。最後に、定着装置18によって記録紙上にトナー像が定着されて画像が出力される。
書き込み光13Y、13M、13C、13Kを出力する露光装置は、波長780[nm]のレーザーダイオード素子を用いる。ただし、これに限定されるわけではない。
実施例4は、次の点で動作の仕方が実施例2及び実施例3と異なる。実施例2及び実施例3では、感光体ベルト11を帯電させて、画像部に露光を行い、画像部に感光体ベルト11の帯電極性と同極性の電荷のトナーを反転現像するという方式である所謂ネガ・ポジ方式を採用している。それに対して、実施例4では、感光体ベルト11を帯電させて、非画像部に露光を行い、画像部を感光体ベルト11の帯電極性と逆極性の電荷のトナーで現像する方式である所謂ポジ・ポジ方式を採用している。
感光体ベルト11上色重ね方式においてポジ・ポジ方式を用いると、トナーの帯電極性と感光体ベルト11の帯電極性とが逆であるので、感光体ベルト11を帯電するときに前段のトナー層を除電して、トナー層電位をほぼ0にすることができるというメリットがある。したがって、2色重ねまではトナー層電位は問題とならないので、一般的なコロナ帯電装置2を用いることができる。しかし、3色以上を重ね合わせようとするとやはりトナー層電位が問題となる。ただし、この場合には、ネガ・ポジ方式のようにトナー層が保持する電荷を除電しつつ感光体ベルト11を帯電するわけではなく、すでに除電されてトナー層が保持する電荷が0に近い状態を維持しつつ感光体ベルト11を帯電すればよいので、ポジ・ポジ方式に求められるコロナ帯電装置2の機能の方が小さくて済む。
本実施例では、コロナ帯電装置2Y、2M、2C、2Kは実施例1に記載のコロナ帯電装置2を用いる。ただし、上述したように、1色目と2色目との帯電時には一般的なコロナ帯電装置2を用いていもよい。特に、実施例1に記載のコロナ帯電装置2を用いると効果的なのは、3色目のコロナ帯電装置2C及び4色目のコロナ帯電装置2Kである。
コロナ帯電装置2の条件は、高圧電源55からはピーク間電圧10[kV]、周波数2[kHz]の交流電圧に−300[V]の直流電圧を重畳して出力し、高圧電源56からは−500[V]の直流電圧を出力し、コンデンサ54は1000[pF]のものを用いる。
比較実験3で示したように、実施例1のコロナ帯電装置2を用いると感光体ベルト表面を帯電しつつトナー層電位をほぼ0[V]にできる。実施例1のコロナ帯電装置2では正イオンと負イオンとの両方を発生させるので、トナー層の保持する電荷が0で収束させることができる。つまり、トナー層が電荷を持っていれば除電され、トナー層の電荷が0であれば0のまま保たれる。
したがって、トナー層電位を常にほぼ0[V]とすることができ、適正な現像ポテンシャルを作ることができるので、高画質な画像形成装置を実現できる。また、逆帯電トナーの問題も生じない。
現像装置4Y、4M、4C、4Kは、実施例2に記載の現像装置を用いて、同様の効果を実現できる。また、実施例3に記載の現像装置を用いてもよい。
以上、各実施形態によれば、表面移動する被帯電体である感光体ドラム1乃至感光体ベルト11に近接し、感光体ドラム1乃至感光体ベルト11と対向する側に開口部を有するケースであるシールド53と、シールド53の内部に配設され、電圧を印加されることで正極性及び負極性のイオンを同等量発生させる放電電極であるコロナ電極52と、感光体ドラム1乃至感光体ベルト11の帯電電位が所定の電位になるように制御する帯電電位制御手段を構成する高圧電源56とシールド53またはグリッド57とを備えたコロナ帯電装置2において、コロナ電極52よりも感光体ドラム表面移動方向上流側乃至感光体ベルト表面移動方向上流側のシールド53内に、電圧を印加されることで正極性及び負極性のイオンを発生させ、且つ、感光体ドラム1乃至感光体ベルト11を帯電させる極性と同極性のイオンを、上記帯電させる極性とは逆極性のイオンよりも多く発生させる上流側放電電極であるコロナ電極51を配設している。まずコロナ電極51から発生させた上記帯電させる極性と同極性のイオンによって感光体ドラム1乃至感光体ベルト11を上記帯電させる極性に帯電する。そして、その後にコロナ電極52から感光体ドラム1乃至感光体ベルト11へイオンを供給しつつ高圧電源56とシールド53またはグリッド57とで構成される帯電電位制御手段によって感光体ドラム1乃至感光体ベルト11の帯電電位を制御することで、感光体ドラム1乃至感光体ベルト11を所定の帯電電位に均一帯電させる。つまり、コロナ電極51から発生されたイオンによって予め上記帯電させる極性に帯電した感光体ドラム1乃至感光体ベルト11に、コロナ電極52から発生されたイオンを供給して感光体ドラム1乃至感光体ベルト11を所定の帯電電位に帯電する。これにより、感光体ドラム1乃至感光体ベルト11が予め上記帯電させる極性に帯電していない場合よりも、感光体ドラム1乃至感光体ベルト11を所定の帯電電位にするのに必要なコロナ電極52から発生されたイオンの感光体ドラム1乃至感光体ベルト11への供給量が少なくて済む。よって、コロナ電極51を設けていない構成よりも短時間で感光体ドラム1乃至感光体ベルト11を所定の帯電電位に均一帯電させることができる。したがって、均一帯電性を得ると共に、高速帯電性を向上させることができる。
また、各実施形態によれば、コロナ電極52にコンデンサ54を介して交流電圧を印加する第1の電圧印加手段である高圧電源58と、コロナ電極51に交流電圧または直流電圧を重畳した交流電圧を印加する第2の電圧印加手段である高圧電源59とを有している。これにより、直流型のコロナ帯電装置のように温湿度変化によって電位変動が生じてしまうのを抑え、感光体ドラム1乃至感光体ベルト11を狙いの電位に帯電させることができる。また、コロナ電極52にはコンデンサ54を介して交流電圧を印加するので、正イオンと負イオンとを同等量発生させることができ、上述したように逆帯電トナーを発生させることなく帯電電位の制御性を高めることができる。
また、各実施形態によれば、交流電圧または直流電圧を重畳した交流電圧をコロナ電極51及びコロナ電極52に印加する電圧印加手段である高圧電源55を有しており、高圧電源55は、コロナ電極52にコンデンサ54を介して電圧を印加し、コロナ電極51に直接電圧を印加するものである。これにより、直流型のコロナ帯電装置のように温湿度変化によって電位変動が生じてしまうのを抑え、感光体ドラム1乃至感光体ベルト11を狙いの電位に帯電させることができる。また、コロナ電極52にはコンデンサ54を介して交流電圧を印加するので、正イオンと負イオンとを同等量発生させることができ、上述したように逆帯電トナーを発生させることなく帯電電位の制御性を高めることができる。さらに、1つの電源でコロナ電極51及びコロナ電極52に電圧を印加することができるので、低コスト化や省スペース化が可能となる。
また、各実施形態によれば、上記帯電電位制御手段にグリッド57電極を用い、コロナ電極52と感光体ドラム1乃至感光体ベルト11との間にグリッド57電極を設けることで、グリッド57電極で帯電電位を制御できるので、より帯電電位の制御性が優れ、帯電均一性も向上する。
また、各実施形態によれば、像担持体である感光体ドラム1乃至感光体ベルト11と、感光体ドラム1上乃至感光体ベルト11上を帯電せしめる1つ以上の帯電手段と、帯電手段によって帯電された感光体ドラム1上乃至感光体ベルト11上を露光して各色ごとの潜像を形成する潜像形成手段である露光装置と、感光体ドラム1上乃至感光体ベルト11上に形成された上記潜像を、それぞれ異なる色のトナーによって可視像化する複数の現像手段である現像装置とを備え、各色ごとに、感光体ドラム1乃至感光体ベルト11を帯電手段によって帯電せしめ、その感光体ドラム1上乃至感光体ベルト11上を露光装置が露光して潜像を形成し、その潜像を現像装置が現像することによって、単一の感光体ドラム1上乃至感光体ベルト11上に各色のトナー像を順次形成してカラートナー像を形成する画像形成装置であるプリンタにおいて、上記帯電手段として本発明のコロナ帯電装置2を用いることで、大きな帯電速度で、前段トナー像に対応した電位分布の履歴を消去でき、逆帯電トナーを生じずにトナーが保持する電荷を除電してトナー層電位を非常に小さくすることができる。よって、小型及び低コストで高画質な画像を形成できるプリンタなどの画像形成装置を得ることができる。
また、実施形態2によれば、露光装置は、コロナ帯電装置2によって帯電された感光ベルトの非画像部を露光して各色ごとの潜像を形成するものであり、上記複数の現像装置は、コロナ帯電装置2が感光体ベルト11を帯電せしめる帯電極性とは逆極性のトナーによって各自対応する色の潜像を現像するものである。これにより、感光体ベルト11を帯電させる極性と現像されるトナーが保持する電荷の極性が逆であるので、帯電時により効率的にトナー層を除電でき、トナー層電位をほぼ0にすることができる。したがって、小型及び低コストでより高画質な画像を形成できるプリンタなどの画像形成装置を得ることができる。
また、実施形態2によれば、現像装置4は、現像領域において感光体ベルト11と非接触で対向するように配置された、トナーを担持するトナー担持体である現像ローラと、トナー担持ローラ61の表面に沿うようにトナー担持ローラ61に設けられ互いに絶縁された複数の電極とからなり、上記複数の電極は、それぞれ印加される電圧の相対的な極性の向きが隣り合う上記複数の電極とで互いに異なっていることにより、トナーをホッピングさせるためのホッピング電界発生手段とを有している。これにより、トナー担持ローラ61上のトナーが浮遊している状態(トナークラウドと呼ぶ)を形成しているので、トナーとトナー担持ローラ61との間の付着量はとても小さい。そのため、小さな現像ポテンシャル(画像部の感光体ベルト電位と現像電位の差)であっても非接触にて十分な現像を行うことができる。また、現像ポテンシャルが小さくて良いと、感光体ベルト11の帯電電位を変えずに現像バイアスと非画像部との電位差を大きくすることができるので、地肌汚れが生じるのを抑制することができる。さらに、トナーとトナー担持ローラ61との間の付着量がとても小さいと、潜像ポテンシャルに対して忠実な現像ができるので、ドットの再現性が高く優れた品質の画像を得ることができる。
また、実施形態2によれば、トナー担持ローラ61は、トナー担持ローラ61の表面に担持されたトナーを、トナー担持ローラ61の表面を移動させることによって、上記現像領域に搬送する表面移動部材である。これにより、トナー担持ローラ61の表面に担持されたトナーを容易に上記現像領域へ搬送することができる。
また、実施形態2によれば、上記ホッピング電界発生手段は、トナー担持ローラ61の表面に担持されているトナーをホッピングさせつつ、上記トナーを上記現像領域まで搬送するための進行波電界を、トナー担持ローラ61の表面上に発生させるものである。これにより、トナー担持ローラ61を回転駆動させることなく、トナー担持ローラ61に担持したトナーを進行波電界によって現像領域まで搬送することができるので、トナー担持ローラ61を駆動させる駆動手段が必要ないために、さらに装置本体の小型化が可能となる。
なお、各実施形態において、各実施例のコロナ帯電装置2には2つのコロナ電極を設けているが、コロナ電極を設ける数が2つ以上であれば上述したような大きな帯電速度を得ることができる。また、各実施形態においては、感光体ドラム1上乃至感光体ベルト11上でトナー像を重ね合わせカラー画像を形成する方式のプリンタの帯電装置として各実施例のコロナ帯電装置2を用いているが、当然ながら上記方式以外のプリンタなどの画像形成装置に用いることができる。つまり、各実施例のコロナ帯電装置2を用いることで感光体ドラム1などの被帯電体を大きな帯電速度で帯電させることができるので、画像形成速度を大きくすることが可能となる。
実施例1におけるコロナ帯電装置の概略構成図。 実施形態1に係るプリンタの概略構成図。 2つのコロナ電極間が開放されたコロナ帯電装置の概略構成図。 実施例1のコロナ帯電装置の各寸法を示した概略構成図。 高圧電源を3つ設けたコロナ帯電装置の概略構成図。 変形例におけるコロナ帯電装置の概略構成図。 比較例1におけるコロナ帯電装置の概略構成図。 負帯電の場合の実施例1及び比較例1における感光体ドラム線速と帯電電位との関係を示したグラフ。 正帯電の場合の実施例1及び比較例1における感光体ドラム線速と帯電電位との関係を示したグラフ。 比較実験2の実験内容を示した模式図。 比較例2におけるコロナ帯電装置の概略構成図。 実施形態2に係るプリンタの概略構成図。 感光体ベルト近傍の拡大概略構成図。 実施例2における現像装置の概略構成図。 実施例2におけるトナー担持ローラの表面部の拡大図。 周期的に配列した電極の交互に異なる波形の電圧を印加した際のトナークラウド状態を示した図。 周期的に配列した電極に印加する電圧の波形図。 実施例3におけるトナー担持ローラの表面部の拡大図。 周期的に配列した電極の交互に異なる波形の電圧を印加した際のトナークラウド状態を示した図。 周期的に配列した電極に印加する電圧の波形図。
符号の説明
1 感光体ドラム
2 コロナ帯電装置
4 現像装置
11 感光体ベルト
51 コロナ電極
52 コロナ電極
53 シールド
54 コンデンサ
55 高圧電源
56 高圧電源
57 グリッド
58 高圧電源
61 トナー担持ローラ
62 マグローラ
63 攪拌スクリュ
64 攪拌スクリュ
75 支持基盤
76 アルミ蒸着電極
77 樹脂コート

Claims (9)

  1. 表面移動する被帯電体に近接し、該被帯電体と対向する側に開口部を有するケースと、
    該ケースの内部に配設され、電圧を印加されることで正極性及び負極性のイオンを同等量発生させる放電電極と、
    該被帯電体の帯電電位が所定の電位になるように制御する帯電電位制御手段とを備えたコロナ帯電装置において、
    該放電電極よりも被帯電体表面移動方向上流側の該ケース内に、電圧を印加されることで正極性及び負極性のイオンを発生させ、且つ、該被帯電体を帯電させる極性と同極性のイオンを、該帯電させる極性とは逆極性のイオンよりも多く発生させる上流側放電電極を配設することを特徴とするコロナ帯電装置。
  2. 請求項1のコロナ帯電装置において、
    上記放電電極にコンデンサを介して交流電圧を印加する第1の電圧印加手段と、
    上記上流側放電電極に交流電圧または直流電圧を重畳した交流電圧を印加する第2の電圧印加手段とを有することを特徴とするコロナ帯電装置。
  3. 請求項1のコロナ帯電装置において、
    交流電圧または直流電圧を重畳した交流電圧を上記放電電極及び上記上流側放電電極に印加する電圧印加手段を有しており、
    該電圧印加手段は、該放電電極にコンデンサを介して電圧を印加し、該上流側放電電極に直接電圧を印加するものであることを特徴とするコロナ帯電装置。
  4. 請求項1、2または3のコロナ帯電装置において、
    上記帯電電位制御手段はグリッド電極であり、
    上記放電電極と上記被帯電体との間に該グリッド電極を設けることを特徴とするコロナ帯電装置。
  5. 像担持体と、
    該像担持体上を帯電せしめる1つ以上の帯電手段と、
    該帯電手段によって帯電された該像担持体上を露光して各色ごとの潜像を形成する潜像形成手段と、
    該像担持体上に形成された該潜像を、それぞれ異なる色のトナーによって可視像化する複数の現像手段とを備え、
    各色ごとに、該像担持体を該帯電手段によって帯電せしめ、その像担持体上を該潜像形成手段が露光して潜像を形成し、その潜像を該現像手段が現像することによって、単一の像担持体上に各色のトナー像を順次形成してカラートナー像を形成する画像形成装置において、
    該帯電手段として、請求項1、2、3または4のコロナ帯電装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項5の画像形成装置において、
    上記潜像形成手段は、上記帯電手段によって帯電された上記像担持体上の非画像部を露光して各色ごとの潜像を形成するものであり、上記複数の現像手段は、該帯電手段が該像担持体を帯電せしめる帯電極性とは逆極性のトナーによって各自対応する色の潜像を現像するものであることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項5または6の画像形成装置において、
    上記現像手段は、現像領域において上記像担持体と非接触で対向するように配置された、上記トナーを担持するトナー担持体と、
    該トナー担持体の表面に沿うように該トナー担持体に設けられ互いに絶縁された複数の電極とからなり、該複数の電極は、それぞれ印加される電圧の相対的な極性の向きが隣り合う該複数の電極とで互いに異なっていることにより、トナーをホッピングさせるためのホッピング電界発生手段とを有していることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項7の画像形成装置において、
    上記トナー担持体は、該トナー担持体の表面に担持されたトナーを、該トナー担持体の表面を移動させることによって、上記現像領域に搬送する表面移動部材であることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項8の画像形成装置において、
    上記ホッピング電界発生手段は、上記トナー担持体の表面に担持されているトナーをホッピングさせつつ、該トナーを上記現像領域まで搬送するための進行波電界を、該トナー担持体の表面上に発生させるものであることを特徴とする画像形成装置。
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