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JP2009019748A - エネルギ回生装置 - Google Patents

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JP2009019748A JP2007184778A JP2007184778A JP2009019748A JP 2009019748 A JP2009019748 A JP 2009019748A JP 2007184778 A JP2007184778 A JP 2007184778A JP 2007184778 A JP2007184778 A JP 2007184778A JP 2009019748 A JP2009019748 A JP 2009019748A
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Masaya Fujimura
真哉 藤村
Shuji Moriyama
修司 森山
Hiroyuki Shioiri
広行 塩入
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】圧油のエネルギを蓄圧器に蓄える場合に、そのエネエルギの回生効率を高めることの可能なエネルギ回生装置を提供する。
【解決手段】動力源1により駆動されて圧油を吐出するオイルポンプ52と、オイルポンプ52から吐出された圧油が供給され、かつ、その圧油により潤滑および冷却がおこなわれる潤滑対象部72と、オイルポンプ52から吐出された圧油が供給され、かつ、その圧油のエネルギを蓄える蓄圧器78,79,80とを備えたエネルギ回生装置において、オイルポンプ52から潤滑対象部72に供給される圧油の油圧を増圧する増圧装置67,88と、増圧された圧油のエネルギを蓄圧器78,79,80に蓄えさせる制御装置86,74,75,76,88とを有している。
【選択図】図1

Description

この発明は、動力源の運動エネルギを圧油の流体エネエルギに変換し、その流体エネルギを蓄圧器に蓄えることの可能なエネルギ回生装置に関するものである。
従来、動力源の動力にオイルポンプを駆動し、そのオイルポンプから吐出された圧油の一部を蓄圧器に供給し、圧油の油圧を蓄圧するエネルギ回生装置が知られており、そのエネルギ回生装置の一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載されているエネルギ回生装置は車両用であり、この車両には、エンジンの回転力によって駆動されるオイルポンプが設けられている。このオイルポンプから吐出された圧油が供給される油路が設けられている。この油路は圧力調整弁に接続されており、圧力調整弁により調圧された圧油が変速機およびクラッチ装置に供給されるように構成されている。また、オイルポンプから油路に吐出された圧油の一部が、電磁弁を介してアキュムレータに供給されて、圧油の油圧がアキュムレータに蓄圧されるように構成されている。さらに、アキュムレータに蓄圧された油圧を、前記オイルポンプの吸い込み口に伝達する油路が設けられている。この特許文献1に記載されているエネルギ回生装置においては、エンジンの一時停止時にオイルポンプが停止した場合は、アキュムレータの油圧により、変速機およびクラッチ装置の油圧を確保することができる。したがって、捨てていたエネルギを再利用することができ、エネルギの高効率な有効利用を図ることができるとされている。
特開2006−37820号公報
上記の特許文献1に記載されているエネルギ回生装置においては、アキュムレータに蓄圧された油圧を有効利用できるが、変速機やクラッチ装置で必要とされる油圧に対して、アキュムレータから供給可能な圧油が不足する虞があり、この点で改善の余地が残されていた。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、圧油のエネルギ回生効率を高めることの可能なエネルギ回生装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、動力源により駆動されて圧油を吐出するオイルポンプと、このオイルポンプから吐出された圧油が供給され、かつ、その圧油により潤滑および冷却がおこなわれる潤滑対象部と、前記オイルポンプから吐出された圧油が供給され、かつ、その圧油のエネルギを蓄える蓄圧器とを備えたエネルギ回生装置において、前記オイルポンプから吐出された圧油が前記潤滑対象部に到達する前に、その圧油の油圧を増圧する増圧装置と、この増圧装置で増圧された圧油のエネルギを前記蓄圧器に蓄えさせる制御装置とを有していることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記蓄圧器が複数個設けられており、前記制御装置は、前記蓄圧器に蓄えられた圧油のエネルギを前記オイルポンプの吸い込み口に伝達する装置を含み、前記増圧装置で増圧された圧油のエネルギを前記蓄圧器に蓄える制御と、前記蓄圧器に蓄えられた圧油のエネルギを前記オイルポンプの吸い込み口に伝達する制御とを、各蓄圧器毎に別個におこなわせる第1の切り替え手段を備えていることを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項2の構成に加えて、前記複数の蓄圧器に供給された圧油を、各蓄圧器毎に別個に加熱する加熱装置が設けられており、前記蓄圧器に蓄えられた圧油を加熱装置で加熱する制御と、加熱された圧油を蓄圧器から排出して前記オイルポンプの吸い込み口に供給する制御とを、各蓄圧器毎に別個におこなわせる第2の切り替え手段を備えていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、動力源によりオイルポンプが駆動されて圧油を吐出する。このオイルポンプから吐出された圧油が潤滑対象部に供給される。また、オイルポンプから吐出された圧油が潤滑対象部に到達する前に、その圧油の油圧が増圧装置で増圧される。さらに、増圧された圧油のエネルギを蓄圧器に蓄えることができる。つまり、増圧された圧油が蓄圧器に蓄えられ、エネルギの低下した圧油が潤滑対象部に供給される。したがって、圧油のエネルギを蓄圧器で回収する効率が向上する。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、増圧装置で増圧された圧油のエネルギを蓄圧器に蓄える「蓄圧制御」と、蓄圧器に蓄えられた圧油のエネルギをオイルポンプの吸い込み口に伝達する「排出制御」とをおこなうことができる。また、蓄圧制御および排出制御を、各蓄圧器毎に別個におこなうことができる。
請求項3の発明によれば、請求項2の発明と同様の効果を得られる他に、蓄圧器に蓄えられた圧油を加熱装置で加熱する制御と、加熱された圧油を蓄圧器から排出して前記オイルポンプの吸い込み口に供給する制御とを、各蓄圧器毎に別個におこなわせることができる。
この発明において、オイルポンプは、動力によって駆動されて圧油を吸入・吐出する流体機械であり、このオイルポンプには、回転式のオイルポンプ、往復式のオイルポンプが含まれる。回転式のオイルポンプには、歯車式ポンプ、平衡形ベーンポンプ、ねじポンプが含まれる。往復式のオイルポンプには、アキシャルピストンポンプ、ラジアルピストンポンプが含まれる。また、動力源はオイルポンプを駆動する動力を発生する動力装置であり、動力源には、熱エネルギを運動エネルギに変換して出力するエンジン、電気エネルギを運動エネルギに変換して出力する電動機、慣性エネルギ動力として出力するフライホイールシステムなどが含まれる。この発明における潤滑対象部は、オイルポンプから吐出された圧油が供給されて、その潤滑油により潤滑・冷却される部位である。この潤滑対象部は、要素同士の摺動・転動・接触により、発熱・摩耗・焼き付きなどが発生する部分であり、例えば、回転要素を支持する軸受、歯車伝動装置における歯車同士の噛み合い部分、巻き掛け伝動装置におけるベルトとプーリとの接触部分、トラクション伝動装置におけるディスクとパワーローラとの接触部分などが含まれる。
この発明における蓄圧器は、ピストン式、ダイヤフラム式、ブラダ式のいずれでもよい。この発明における増圧装置には、入力油圧に対して出力油圧を高める(増圧する)ことの可能な増圧器(コンバータ)が含まれる。この増圧器は、増圧率が一定であるコンバータ、または増圧率を変更可能なコンバータのいずれでもよい。増圧率を変更可能な増圧器を用いる場合、その増圧率を電子制御装置により制御する。つまり、増圧装置が、増圧器および電子制御装置により構成されることとなる。また、この発明の制御装置は、増圧装置で増圧された圧油を蓄圧器に供給する装置であり、制御装置には、増圧装置に接続された油路、油路を切り替える切替弁、切替弁を制御する電子制御装置(コントローラ)が含まれる。この発明における加熱装置には、ガスまたは温水の熱を圧油に伝達する装置、電熱器などが含まれる。また、この発明における「蓄圧制御」には、蓄圧器に蓄える圧油のエネルギ(油圧)を増加する制御に加えて、蓄圧器に蓄える圧油のエネルギを増加する制御を終了し、かつ、蓄圧器に蓄えた圧油のエネルギを保持する制御が含まれる。この発明において、「各蓄圧器で制御を個別(別個)におこなうこと」には、各制御をおこなう蓄圧器と、各制御をおこなわない蓄圧器とを区別することができることが含まれる。また、「各蓄圧器で制御を個別(別個)におこなうこと」には、各制御を各蓄圧器でおこなうタイミングを異ならせることが含まれる。
つぎに、この発明の具体例を、図面を参照しながら具体的に説明する。図2は、この発明を適用した車両Veのギヤトレーン図である。図2において、符号1は車両Veの動力源としての内燃機関1である。この内燃機関1は燃料を燃焼させてその熱エネルギを運動エネルギに変換する動力装置であり、内燃機関1としては、具体的にはガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、LPGエンジンなどを用いることができる。なお、以下の説明においては、動力源1を便宜上「エンジン1」と記す。このエンジン1の燃焼室に燃料が供給されて燃焼し、燃焼室から排出される排気ガスは、排気管(図示せず)、排気浄化触媒(図示せず)などを経由して大気中に放出される。また、エンジン1を冷却水により冷却する冷却装置(図示せず)が設けられている。
前記エンジン1のクランクシャフト2、すなわち出力軸2が車両Veの幅方向に配置されている。そして、そのエンジン1の出力軸2に、トルクコンバータ3が動力伝達可能に連結されている。また、トルクコンバータ3に前後進切換機構4が動力伝達可能に連結され、この前後進切換機構4に無段変速機5が動力伝達可能に連結されている。これらのトルクコンバータ3および前後進切換機構4および無段変速機5は、ケーシング12の内部に設けられている。前記エンジン1の出力側に連結されたトルクコンバータ3は、流体の運動エネルギにより動力伝達をおこなう伝動装置である。このトルクコンバータ3は、中空のケーシング6およびポンプインペラ7およびタービンランナ8を有している。前記エンジン1の出力軸2が前記ケーシング6に動力伝達可能に連結されている。また、ケーシング6とポンプインペラ7とが一体回転するように接続されている。前記タービンランナ8は、ケーシング6の内部に配置されている。このタービンランナ8はポンプインペラ7と相対回転可能に設けられており、このタービンランナ8にはインプットシャフト40が動力伝達可能に、具体的には、一体回転するように連結されている。前記ケーシング6の内部には作動油が供給される。このポンプインペラ7とおよびタービンランナ8には、多数のブレード(図示せず)が設けられており、前記ポンプインペラ7が回転することにより作動油の螺旋流が生じる。その螺旋流の運動エネルギをタービンランナ8に伝達することにより、ポンプインペラ7とタービンランナ8との間で、動力伝達がおこなわれるように構成されている。
また、ポンプインペラ7およびタービンランナ8の内周側には、ステータ9が配置されている。このステータ9は、タービンランナ8から送り出された作動油の流動方向を選択的に変化させてポンプインペラ7に流入させる機構である。このステータ9は、一方向クラッチ10および中空軸11を介してケーシング12に固定されている。前記ケーシング6の内部にはロックアップクラッチ13が設けられている。このロックアップクラッチ13は、ケーシング6とインプットシャフト40との間で摩擦力により動力伝達をおこなうための伝動装置である。このロックアップクラッチ13は、ポンプインペラ7とタービンランナ8とにより形成される動力伝達経路に対して、並列な動力伝達経路を構成するものである。このロックアップクラッチ13は、インプットシャフト40を一体回転する摩擦材41を有しており、その摩擦材41をケーシング6に押し付けることによりケーシング6とインプットシャフト40との間で摩擦力により動力伝達をおこなうことが可能となる。
前後進切換機構4は、エンジン1の回転方向が一方向に限られていることに伴って採用されている機構であって、インプットシャフト40の回転方向に対して、駆動プーリ(後述する)の回転方向を正・逆に切り替える機構である。この具体例では、前後進切換機構4として、遊星歯車機構、特に、ダブルピニオン型の遊星歯車機構を用いている。この前後進切換機構4は、同軸上に配置したサンギヤ18およびリングギヤ19を有している。また、前後進切換機構4は、前記サンギヤ18に噛合したピニオンギヤ20と、そのピニオンギヤ20およびリングギヤ19に噛合した他のピニオンギヤ21とを有している。さらに、これらのピニオンギヤ20,21を自転、かつ、公転可能に支持するキャリヤ22が設けられている。前記サンギヤ18は前記インプットシャフト40と一体回転するように構成されている。さらに、サンギヤ18とキャリヤ22とを選択的に接続・解放し、かつ、リングギヤ19の回転・停止を制御するアクチュエータが設けられている。このアクチュエータとしては、油圧を動作力に変換する油圧式アクチュエータ、電磁力を動作力に変換する電磁式アクチュエータが挙げられる。
この具体例では、アクチュエータとして油圧式アクチュエータを用いる場合について説明する。具体的には、前進用クラッチ23および後進用ブレーキ24が設けられている。前進用クラッチ23は、クラッチ用油圧室の油圧により動作部材が動作して、サンギヤ18とキャリヤ22とが選択的に接続・解放される摩擦係合装置である。後進用ブレーキ24は、ブレーキ用油圧室の油圧により動作部材が動作して、後進リングギヤ19の回転・停止が制御される摩擦係合装置である。そして、車両Veを前進させるシフトポジションが選択された場合は、クラッチ用油圧室の油圧が高められ、かつ、ブレーキ用油圧室の油圧が低下される。その結果、前進用クラッチ23が係合され、後進用ブレーキ24が解放される。これに対して、車両Veを後退させるシフトポジションが選択された場合は、クラッチ用油圧室の油圧が低下され、かつ、ブレーキ用油圧室の油圧が高められる。その結果、前進用クラッチ23が解放され、後進用ブレーキ24が係合される。なお、車両Veを停車させておくシフトポジション(パーキングポジション)が選択された場合は、クラッチ用油圧室およびブレーキ用油圧室の油圧が共に低下されて、前進用クラッチ23および後進用ブレーキ24が共に完全に解放される。
前記無段変速機5は、駆動(プライマリ)プーリ25と従動(セカンダリ)プーリ26とを有している。駆動プーリ25の回転軸線(図示せず)と従動プーリ26の回転軸線(図示せず)とが平行に配置されている。また、駆動プーリ25および従動プーリ27には、無端状のベルト29が巻き掛けられている。このように、無段変速機5は、いわゆるベルト式無段変速機である。駆動プーリ25は固定片および可動片を有しており、駆動プーリ25からベルト29に与える挟圧力を制御する油圧制御式のアクチュエータ27が設けられている。アクチュエータ27は、プライマリ油圧室およびピストンを有している。従動プーリ26は固定片および可動片を有しており、従動プーリ26からベルト29に与える挟圧力を制御する油圧制御式のアクチュエータ28が設けられている。アクチュエータ28は、セカンダリ油圧室およびピストンを有している。そして、駆動プーリ25からベルト29に与えられる挟圧力を制御することにより、無段変速機5の変速比が制御され、従動プーリ26からベルト29に与えられる挟圧力を制御することにより、無段変速機5の伝達トルクが制御される。
例えば、無段変速機5の変速比を大きくする変速をおこなう場合は、プライマリ油圧室の油圧を低下させる制御がおこなわれる。これに対して、無段変速機5の変速比を小さくする変速をおこなう場合は、プライマリ油圧室の油圧を上昇させる制御がおこなわれる。さらに、無段変速機5の変速比を一定にする場合は、プライマリ油圧室の油圧を一定に制御する。また、無段変速機5の伝達トルクを高める場合は、セカンダリ油圧室の油圧を高める制御がおこなわれる。これに対して、無段変速機5の伝達トルクを低下させる場合は、セカンダリ油圧室の油圧を低下させる制御がおこなわれる。さらに、無段変速機5の伝達トルクを一定にする場合は、セカンダリ油圧室の油圧を一定にする制御がおこなわれる。さらに、前記無段変速機5の出力部材である従動プーリ26が、伝動装置30に動力伝達可能に連結されている。伝動装置30としては、歯車伝動装置、巻き掛け伝動装置などが挙げられる。この伝動装置30には、終減速機31を介在させて駆動輪32が動力伝達可能に連結されている。
つぎに、前記エンジン1から駆動輪32に至る動力伝達経路における動力伝達状態を制御する圧油必要部に、圧油を供給する油圧制御装置50の構成を、図1に基づいて説明する。この具体例では、圧油必要部51として、例えば、クラッチ用油圧室、ブレーキ用油圧室、プライマリ油圧室、セカンダリ油圧室などが挙げられる。そして、圧油必要部51に供給する圧油を吐出するオイルポンプ52が設けられている。このオイルポンプ52は動力源、この具体例1においては、エンジン1の動力により駆動されるように構成されている。具体的には、オイルポンプ52は、ロータ15およびボデー17を有しており、ロータ15が前記ポンプインペラ7に動力伝達可能に接続されている。ボデー15はケーシング12に固定されており、ボデー15は回転不可能である。このオイルポンプ52は、吸入口53および吐出口54を有しており、オイルパン55から吸入口53に至る油路56には逆止弁(チェック弁)57が設けられている。この逆止弁57は、オイルパン55からオイルポンプ52にオイルが吸入される場合に開放され、オイルポンプ52からオイルパン55にオイルが戻ろうとすると閉じられる構成を有している。
前記オイルポンプ52の吐出口54にはプライマリ油路58が接続され、このプライマリ油路58が前記圧油必要部51に接続されている。また、プライマリ油路58の油圧を制御する圧力制御弁として、プライマリレギュレータバルブ59が設けられている。このプライマリレギュレータバルブ59は、入力ポート60およびドレーンポート61を有しており、入力ポート60が前記プライマリ油路58に接続されている。また、ドレーンポート61にはセカンダリ油路62が接続されている。そして、プライマリ油路58からセカンダリ油路62に排出するオイル量を調整することにより、プライマリ油路58の油圧が制御される。また、セカンダリ油路62のオイルがトルクコンバータ3に供給され、そのトルクコンバータ3から排出されたオイルが油路63に供給されるように構成されている。セカンダリ油路62の油圧を制御する圧力制御弁として、セカンダリレギュレータバルブ64が設けられている。
このセカンダリレギュレータバルブ64は、入力ポート65およびドレーンポート66を有しており、入力ポート65が前記セカンダリ油路62に接続されている。また、ドレーンポート66には油路63が接続されている。そして、セカンダリ油路62から油路63に排出するオイル量を調整することにより、セカンダリ油路62の油圧が制御される。つまり、圧油の流通系統としては、セカンダリレギュレータバルブ64とトルクコンバータ3とが並列に配置されている。さらに、油路63には増圧回路67が接続されている。この増圧回路67は、入力ポート68および出力ポート69およびドレーンポート70などを有しており、入力ポート68が油路63に接続され、出力ポート69が油路71に接続され、ドレーンポート70が油路71に接続されている。増圧回路67は入力ポート68の油圧を増圧して出力ポート69から出力する機構であり、その増圧時にオイルの一部が油路71に排出される。なお、油路71に排出されるオイルの圧油は増圧されない。この増圧回路67としては、例えば、公知の油圧連続吐出式コンバータを用いることが可能である。この油圧連続吐出式コンバータは、チェックバルブ、高圧チェックバルブ、油圧シリンダ、増圧ピストンなどを有する。そして、入力油圧により油圧シリンダの低圧早送りがおこなわれ、油圧シリンダに負荷が発生すると増圧スプールが作動し、増圧ピストンが作動し、その増圧ピストンが連続的に往復作動する。その増圧ピストンの連続的な作動により、油圧シリンダの圧力が自動的に増圧される。なお、増圧回路67としては、このような構成のものの他に、実開平5−64507号公報などに記載された構造を採用することも可能である。この油路71は潤滑対象部72に接続されている。このように、オイルポンプ52から吐出された圧油の供給方向で、潤滑対象部72よりも上流に増圧回路67が配置されている。言い換えれば、オイルポンプ52と潤滑対象部72とを接続する油路に、増圧回路67が配置されている。前記潤滑対象部72とは、潤滑油により潤滑・冷却される部位であり、例えば、ギヤ同士の噛み合い部分、摩擦係合装置を構成する摩擦材とプレートとの接触部分、プーリとベルトとの接触部分などが挙げられる。
つぎに、オイルポンプ52から吐出された圧油の流体エネルギ、具体的には油圧を蓄える機構について説明する。まず、プライマリ油路58には油路73を介在させて切替弁74,75,76が接続されている。この油路73には絞り部77が設けられている。絞り部77はチョークまたはオリフィスのいずれでもよい。さらに、切替弁74にはアキュムレータ78が接続され、切替弁75にはアキュムレータ79が接続され切替弁76にはアキュムレータ80が接続されている。これらのアキュムレータ78,79,80は、圧油の油圧を蓄圧する蓄圧器であり、例えば、ピストン式のアキュムレータを用いることが可能である。このピストン式のアキュムレータは、中空の容器と、容器内に軸線に沿った方向に動作可能に配置されたピストンと、このピストンに押圧力を与える圧縮コイルばねと、を有する公知の装置である。
前記切替弁74は、4つのポートを有しており、ポート81が油路73に接続され、ポート82がアキュムレータ78に接続されている。また、ポート83は、油路84を経由してオイルポンプ52の吸入口53に接続されている。さらに、ポート85には油路86を介在させて、増圧回路67の出力ポート69が接続されている。油路86には逆止弁87が設けられている。この切替弁74はソレノイドバルブにより構成されている。この切替弁74の制御により、アキュムレータ78に接続されたポート82を遮断する制御をおこなえる。また、切替弁74を用いて、ポート82を油路86またはプライマリ油路73の少なくとも一方に接続し、かつ、ポート81を遮断する制御をおこなえる。さらに、切替弁74を用いて、アキュムレータ78に接続されたポート82を油路84に接続しかつ、2つのポート81,85を共に遮断する制御をおこなえる。
前記切替弁75は、4つのポートを有しており、ポート89が油路73に接続され、ポート90がアキュムレータ78に接続されている。また、ポート92は、油路84に接続されている。さらに、ポート93には油路86が接続されている。この切替弁75はソレノイドバルブにより構成されている。切替弁75を用いて、アキュムレータ79に接続されたポート90を遮断する制御をおこなえる。また、切替弁75を用いて、ポート90を油路86またはプライマリ油路73の少なくとも一方に接続し、かつ、ポート89を遮断する制御をおこなえる。さらに、切替弁75を用いて、アキュムレータ79に接続されたポート90を油路84に接続しかつ、2つのポート92,93を共に遮断する制御をおこなえる。
前記切替弁76は、4つのポートを有しており、ポート94が油路73に接続され、ポート95がアキュムレータ80に接続されている。また、ポート96は、油路84に接続されている。さらに、ポート97には油路86が接続されている。この切替弁76はソレノイドバルブにより構成されている。この切替弁76を用いて、アキュムレータ80に接続されたポート95を遮断する制御をおこなえる。また、切替弁76を用いて、ポート95を油路86またはプライマリ油路73の少なくとも一方に接続し、かつ、ポート96を遮断する制御をおこなえる。さらに、切替弁76を用いて、アキュムレータ80に接続されたポート95を油路84に接続し、かつ、2つのポート94,97を共に遮断する制御をおこなえる。
さらに、アキュムレータ78,79,80に蓄えられた圧油を、一括して、または別個に加熱することの可能な加熱装置98が設けられている。加熱装置98は、熱源99および熱交換器101,102,103を有している。ここで、熱源99としては、前述した排気管、または前述した冷却装置のように、廃棄する熱を保持または流通させる機構が挙げられる。また熱交換器101は、熱源99の熱をアキュムレータ78内のオイルに伝達する伝熱装置である。この熱交換器101は、熱源99と圧油との間で熱交換をおこなわせる機能と、熱交換を遮断する機能とを有している。また、熱交換器102は、熱源99の熱をアキュムレータ79内のオイルに伝達する伝熱装置であり、また、熱交換器102は、熱源99とオイルとの間における熱交換をおこなわせる機能と、熱交換を遮断する機能とを有している。さらに、熱交換器103は、熱源99の熱をアキュムレータ80内のオイルに伝達する伝熱装置であり、また、熱交換器103は、熱源99とオイルとの間における熱交換をおこなわせる機能と、熱交換を遮断する機能とを有している。熱交換器101,102,103としては、例えば、プレート式熱交換器、ガラス式熱交換器、チューブ式熱交換器などのいずれを用いてもよい。前記逆止弁87は、増圧回路67で増圧された圧油が切替弁74,75,76に供給される場合に開放され、切替弁74,75,76のポートから出た圧油が増圧回路67に流れ込もうとすると閉じられる構成を有している。
上記の車両1を制御するコントローラとして、電子制御装置88が設けられており、この電子制御装置88には各種の信号が入力される。例えば、エンジン回転数、駆動プーリ25の回転数、従動プーリ26の回転数、車両1に対する加速要求、車両1に対する制動要求を示す信号、アキュムレータ78,79,80内における圧油の量および圧油のエネルギ(油圧)を示す信号、アキュムレータ78,79,80内の圧油の温度を示す信号、排気ガスの温度を示す信号、冷却水の温度を示す信号、シフトポジションを示す信号、エンジン2を始動・停止させるスイッチの信号などが入力される。ここで、シフトポジションを示す信号には、エンジン2のトルクを駆動輪32にトルクを伝達する駆動ポジション、エンジン2のトルクを駆動輪32に伝達しない非駆動ポジションが含まれる。また、エンジン2を始動・停止させるスイッチには、イグニッションキーの操作によりオン・オフするスイッチの他に、ボタンの操作によりエンジン1の始動・停止を制御するスイッチが含まれる。これらの信号および電子制御装置88に記憶されているデータに基づいて、エンジン出力を制御する信号、前進用クラッチ23および後進用ブレーキ24を制御する信号、ロックアップクラッチ13の係合・解放を制御する信号、無段変速機5の変速比および伝達トルクを制御する信号、熱交換器101,102,103における熱交換・熱交換の停止を個別に制御する信号、切替弁74,75,76におけるポート同士の接続・遮断を個別に制御する信号、増圧回路67の増圧率を制御する信号などが出力される。
つぎに、図1に示された油圧制御装置50の作用を説明する。エンジン1が運転され、そのエンジントルクによりオイルポンプ52が駆動されると、オイルパン55のオイルがオイルポンプ52に吸入され、かつ、プライマリ油路58に吐出される。プライマリ油路58に吐出された圧油は、圧油必要部51に供給される。また、プライマリ油路58の油圧がプライマリレギュレータバルブ59により制御されて、プライマリ油路58のオイルの一部がセカンダリ油路62に排出される。ここで、セカンダリ油路62の油圧は、プライマリ油路58の油圧よりも低い。また、セカンダリ油路62の油圧はセカンダリレギュレータバルブ64により制御され、トルクコンバータ3に供給される。セカンダリ油路62から油路63に排出されたオイルは、増圧回路67で増圧されて油路86に供給される。また、油路63のオイルの一部は、油路71を経由して潤滑対象部72に送られる。なお、油路63の油圧は、セカンダリ油路62の油圧よりも低い。
さらに、前記切替弁74,75,76の制御例を、図3のフローチャートに基づいて説明する。まず、回生制御をおこなう条件が成立したか否かが判断される(ステップS1)。回生制御とは、オイルポンプ54から吐出された圧油の流体エネルギ、つまり、油圧を、アキュムレータ78,79,80の少なくとも1つに蓄圧する制御である。この回生制御をおこなう条件は、エンジン1の運転状態、車両Veの車速、加速要求(アクセルペダルの踏み込み状態)、制動要求(ブレーキペダルの踏み込み状態)、さらには、アキュムレータ78,79,80の蓄圧状態などに基づいて判断される。
まず、回生制御をおこなう前提条件として、圧油必要部51に供給する圧油の油圧を低下させることが可能であることが挙げられる。例えば、車両Veの制動時、具体的には、車両Veが所定の車速以上で走行中に、アクセルスイッチがOFF、かつブレーキスイッチがONとなった場合は、前提条件が成立する。すなわち、車両Veの制動時には、車速およびアクセル開度から求められる要求駆動力が低下するため、エンジン2から無段変速機5に伝達されるトルクが低下し、かつ、無段変速機5の変速比が小さい。また、前後進切換機構4に入力されるトルクが低下する。このため、圧油必要部51の油圧を低下させることが可能である。この前提条件が成立していることに加えて、アキュムレータ78,79,80のうち、少なくとも1つのアキュムレータへの蓄圧が可能である場合に、「回生制御をおこなう条件」が成立する。
そして、ステップS1で肯定的に判断された場合は、蓄圧可能なアキュムレータにおいて回生制御を実行し(ステップS2)、この制御ルーチンを終了する。例えば、アキュムレータ78が蓄圧可能である場合は、ポート82を、油路73または油路86の少なくとも一方に接続し、かつ、ポート83を遮断するように、切替弁74を制御する。また、アキュムレータ79が蓄圧可能である場合は、ポート90を、油路73または油路86の少なくとも一方に接続し、かつ、ポート92を遮断するように、切替弁75を制御する。さらに、アキュムレータ78が蓄圧可能である場合は、ポート95を、油路73または油路86の少なくとも一方に接続し、かつ、ポート96を遮断するように、切替弁74を制御する。このような制御により、油路73の圧油または油路86の圧油のうち、少なくとも一方の圧油のエネルギが、アキュムレータ74,75,76の少なくとも1つに蓄圧される。特に、油路63の圧油が潤滑対象部72に到達する前に、その圧油の油圧を増圧回路67で増圧し、その圧油のエネルギをアキュムレータに蓄えることができる。なお、増圧回路67に供給された圧油の一部は、増圧されることなく潤滑対象部72に供給される。したがって、圧油のエネルギを回収する効率が一層向上する。
前記ステップS1において否定的に判断された場合は、力行制御をおこなう条件が成立したか否かが判断される(ステップS3)。力行制御とは、アキュムレータに蓄積されているエネルギを、前記オイルポンプ52の吸入口53に供給する制御である。この力行制御をおこなう条件が成立したか否かは、エンジン1の運転状態、車両Veの車速、アクセルペダルの踏み込み状態、ブレーキペダルの踏み込み状態などの他、アキュムレータの蓄圧状態に基づいて判断される。
まず、力行制御をおこなう前提条件として、圧油必要部51に供給する圧油の油圧を高める必要があることが挙げられる。例えば、車両Veの発進・加速時、具体的には、アクセルスイッチがOFF、かつブレーキスイッチがONの状態から、アクセルスイッチがON、かつブレーキスイッチがOFFの状態に変化した場合に、前提条件が成立する。すなわち、車両Veの発進時には、エンジン1から無段変速機5に伝達されるトルクが高く、かつ、無段変速機5の変速比が大きく、前後進切換機構4で伝達するトルクも高いため、圧油必要部51における油圧を高める必要がある。この前提条件が成立したことに加えて、アキュムレータ78,79,80のうち、少なくとも1つのアキュムレータの圧力が、予め電子制御装置88に記憶された所定圧以上である場合に、「力行制御をおこなう条件」が成立する。ここで、電子制御装置88に記憶された所定圧は、アキュムレータのうちの少なくとも1つの油圧が、圧油必要部51の油圧を高めることに寄与するか否かを判断するものであり、予め実験的に求められた所定圧が、電子制御装置88に記憶されている。
このステップS3で肯定的に判断された場合は、力行制御を実行し(ステップS4)、この制御ルーチンを終了する。例えば、アキュムレータ78の圧力が、電子制御装置88に記憶された所定圧力以上である場合は、ポート82とポート83とを接続し、かつ、ポート81,85を共に遮断するように、切替弁74が制御される。また、アキュムレータ79の圧力が、電子制御装置88に記憶された所定圧以上である場合は、ポート90とポート92とを接続し、かつ、ポート93,89を共に遮断するように、切替弁75が制御される。さらに、アキュムレータ80の圧力が、電子制御装置88に記憶された所定圧以上である場合は、ポート95とポート96とを接続し、かつ、ポート94,97を共に遮断するように、切替弁76が制御される。このようにして、アキュムレータ78,79,80のうち、少なくとも1つのアキュムレータの油圧エネルギが、オイルポンプ52の吸入口53に供給される。したがって、オイルポンプ52の吸入効率が向上する。
一方、ステップS3で否定的に判断された場合には、「アキュムレータにエネルギを蓄圧した状態を維持する遮断制御」をおこなう条件が成立したか否かが判断される(ステップS6)。この「遮断制御をおこなう条件」は、例えば、エンジン1の運転状態、車両Veの車速、アクセルペダルの踏み込み状態、ブレーキペダルの踏み込み状態などの他、アキュムレータにおける蓄圧状態に基づいて判断される。まず、遮断制御をおこなう前提条件として、圧油必要部51の油圧をほぼ一定に維持してもよいことが挙げられる。例えば、車両Veが一定車速で走行する場合に、前提条件が成立する。具体的には、前後進切換機構4に入力されるトルクは一定であり、かつ、無段変速機5の変速比が一定であり、かつ、無段変速機5で伝達するトルクも一定であり、圧油必要部51の油圧をほぼ一定に維持してもよい。
この前提条件を満たしていることに加えて、アキュムレータの圧力が、予め電子制御装置88に記憶されている所定値以上である場合に、「遮断制御をおこなう条件」が成立したと判断される。このステップS5で肯定的に判断された場合は、遮断制御を実行し(ステップS6)、この制御ルーチンを終了する。例えば、アキュムレータ78の圧力が、予め電子制御装置88に記憶されている所定値以上である場合はポート82を遮断するように、切替弁74が制御される。また、アキュムレータ79の圧力が、予め電子制御装置88に記憶されている所定値以上である場合はポート90を遮断するように、切替弁75が制御される。さらに、アキュムレータ80の圧力が、予め電子制御装置88に記憶されている所定値以上である場合はポート95を遮断するように、切替弁76が制御される。
一方、ステップS5で否定的に判断された場合は、「エンジン1の自動停止条件」が成立したか否かが判断される(ステップS7)。例えば、エンジン2を始動・停止させるスイッチの操作に変更がなく、かつ、エンジン2が運転されている状態で、アクセルペダルが踏み込まれておらず、かつ、ブレーキペダルが踏み込まれており、かつ、車速が予め電子制御装置88に記憶された低車速以下である場合に、「エンジ1の自動停止条件」が成立し、エンジン2が停止される。ステップS7で肯定的に判断された場合は、停止されたエンジン1を再始動する場合、および車両Veを発進する場合に備えて、プライマリ油圧室およびセカンダリ油圧室に圧油を供給しておく必要がある。また、前後進切換機構4の前進用クラッチ23が完全に解放されない程度に、トルク容量を確保しておく必要がある。
そこで、ステップS7で肯定的に判断された場合は、いずれかのアキュムレータに蓄圧された油圧をプライマリ油路58に供給することにより、プライマリ油圧室およびセカンダリ油圧室における油圧を確保する制御がおこなわれ(ステップS8)、この制御ルーチンを終了する。すなわち、ステップS8において、アキュムレータ78の油圧を油路58に伝達する場合は、ポート81とポート82とを接続し、かつ、ポート83,85を共に遮断するように、切替弁74が制御される。また、ステップS8において、アキュムレータ79の油圧を油路58に伝達する場合は、ポート89とポート90とを接続し、かつ、ポート92,93を共に遮断するように、切替弁75が制御される。さらに、ステップS8において、アキュムレータ80の油圧を油路58に伝達する場合は、ポート94とポート95とを接続し、かつ、ポート96,97を共に遮断するように、切替弁76が制御される。
つぎに、ステップS2またはステップS6の処理と並行して実行可能なサブルーチンの一例を、図4に基づいて説明する。まず、アキュムレータ内の圧油の温度が検知され、その温度が第1の所定値以下であるか否かが判断される(ステップS11)。このステップS1で用いる第1の所定値の技術的意味は、圧油を加熱する制御をおこなうか否かを判断するための基準温度である。例えば、圧油の粘度は温度に依存しており、温度が低下すると粘度が高まり、流動性が低下する特性を有する。そこで、温度と粘度との関係を予め実験的に求めて、所期の流動性を確保することの可能な温度が、所定値として電子制御装置88に記憶されている。
このステップS11で肯定的に判断された場合は、「アキュムレータ内の圧油を加熱する制御」がおこなわれる(ステップS12)。この「アキュムレータ内の圧油を加熱する制御」とは、「熱源99の熱を、熱交換器によりアキュムレータ内の圧油に伝達して圧油を加熱する制御」である。このステップS12についで、アキュムレータ内の圧油の温度が、第2の所定値以上になったか否かが判断される(ステップS13)。このステップS13で用いる第2の所定値は、圧油の機能が低下する可能性のある温度まで加熱される前に、加熱を終了させるための温度である。圧油の機能低下とは、例えば、圧油が劣化して、潤滑性能が低下することを意味する。このステップS13で用いる第2の所定値も実験的に求められて、予め電子制御装置88に記憶されている。なお、第2の所定値は第1の所定値よりも高温である。
このステップS13で肯定的に判断された場合は、「アキュムレータ内の圧油を加熱する制御」を終了し(ステップS14)、この制御ルーチンを終了する。また、前記ステップS13で否定的に判断された場合は、「アキュムレータ内の圧油を加熱する制御」を継続し、この制御ルーチンを終了する。さらに、ステップS11で肯定的に判断された場合は、「アキュムレータ内の圧油を加熱する制御」をおこなわずに、この制御ルーチンを終了する。この図4の制御を、図1の制御に組み合わせておこなうと、アキュムレータ内で加熱された圧油を、油路84またはプライマリ油路73に排出することができる。したがって、圧油必要部51において、圧油の流動性を確保することができ、動作部材、例えばピストンの作動応答性が向上する。また、トルクコンバータ3に圧油が供給されると、そのトルクコンバータ3の暖機が促進される。したがって、熱源99の熱を効率的に回生させることができる。また、この具体例においては、各アキュムレータ78,79,80毎に、回生制御、力行制御、遮断制御を個別におこなうことができる。したがって、各アキュムレータにおけるエネルギの回生効率が一層向上する。
ここで、図1および図2に示された構成と、この発明の構成との対応関係を説明すると、エンジン1が、この発明の動力源に相当し、オイルポンプ52が、この発明におけるオイルポンプに相当し、潤滑対象部72が、この発明の潤滑対象部に相当し、アキュムレータ78,79,80が、この発明の蓄圧器に相当し、増圧回路67が、この発明の増圧装置に相当し、油路86および切替弁74,75,76および電子制御装置88が、この発明の制御装置に相当する。
図3に示された機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明すると、ステップS1,S2,S3,S4,S5,S6が、この発明における第1の切り替え手段に相当する。図3および図4に示された機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明すると、図3のステップS1,S2,S3,S4,S5,S6、および図4のS11,S12が、この発明の第2の切り替え手段に相当する。また、図3のステップS1,S2,S5,S6でおこなわれる制御が、この発明の「蓄圧制御」に相当する。すなわち、この発明における「蓄圧制御」には、アキュムレータに蓄える圧油のエネルギを増加する制御に加えて、アキュムレータに蓄える圧油のエネルギを増加する制御を終了し、かつ、アキュムレータに蓄えた圧油のエネルギを保持する制御が含まれる。
なお、この発明は上記の具体例に限定されないのであって、上記の具体例では、オイルポンプを駆動する動力源としてエンジンが挙げられているが、電動機またはフライホイールの動力で、オイルポンプを駆動する構成の車両であってもよい。また、車両に搭載する変速機として、ベルト式の無段変速機を搭載した車両を説明したが、他の無段変速機、具体的にはトロイダル型無段変速機であってもよい。このトロイダル型無段変速機は、パワーローラの傾転角度を制御する油圧室と、入力ディスクおよび出力ディスクに対して、軸線に沿った方向の挟圧力を与える油圧室とを有する。この場合、前記圧油必要部には、パワーローラの傾転角度を制御する油圧室、入力ディスクおよび出力ディスクに対して、軸線に沿った方向の挟圧力を与える油圧室が含まれる。また、車両に搭載された油圧制御装置を例としているが、建設機械、産業機械の油圧アクチュエータに圧油を供給する油圧制御装置にも適用可能である。また、この具体例において、アキュムレータの数は、2個でもよいし、4個以上設けられていてもよい。この具体例ではアキュムレータが複数設けられているが、アキュムレータは単数でもよい。
この発明のエネルギ回生装置の構成を示す模式図である。 この発明のエネルギ回生装置を有する車両の構成を示す模式図である。 この発明のエネルギ回生装置の制御例を示すフローチャートである。 図3のフローチャートと並行して実行可能なサブルーチンを示す図である。
符号の説明
1…エンジン、 52…オイルポンプ、 72…潤滑対象部、 78,79,80…アキュムレータ、 67…増圧回路、 86…油路、 74,75,76…切替弁、 88…電子制御装置。

Claims (3)

  1. 動力源により駆動されて圧油を吐出するオイルポンプと、このオイルポンプから吐出された圧油が供給され、かつ、その圧油により潤滑および冷却がおこなわれる潤滑対象部と、前記オイルポンプから吐出された圧油が供給され、かつ、その圧油のエネルギを蓄える蓄圧器とを備えたエネルギ回生装置において、
    前記オイルポンプから吐出された圧油が前記潤滑対象部に到達する前に、その圧油の油圧を増圧する増圧装置と、
    この増圧装置で増圧された圧油のエネルギを前記蓄圧器に蓄えさせる制御装置と
    を有していることを特徴とするエネルギ回生装置。
  2. 前記蓄圧器が複数個設けられており、前記制御装置は、前記蓄圧器に蓄えられた圧油のエネルギを前記オイルポンプの吸い込み口に伝達する装置を含み、
    前記増圧装置で増圧された圧油のエネルギを前記蓄圧器に蓄える制御と、前記蓄圧器に蓄えられた圧油のエネルギを前記オイルポンプの吸い込み口に伝達する制御とを、各蓄圧器毎に別個におこなわせる第1の切り替え手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のエネルギ回生装置。
  3. 前記複数の蓄圧器に供給された圧油を、各蓄圧器毎に別個に加熱する加熱装置が設けられており、
    前記蓄圧器に蓄えられた圧油を加熱装置で加熱する制御と、加熱された圧油を蓄圧器から排出して前記オイルポンプの吸い込み口に供給する制御とを、各蓄圧器毎に別個におこなわせる第2の切り替え手段を備えていることを特徴とする請求項2に記載のエネルギ回生装置。
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