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JP2009001748A - 半導体等製造用物品 - Google Patents

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JP2009001748A
JP2009001748A JP2007166275A JP2007166275A JP2009001748A JP 2009001748 A JP2009001748 A JP 2009001748A JP 2007166275 A JP2007166275 A JP 2007166275A JP 2007166275 A JP2007166275 A JP 2007166275A JP 2009001748 A JP2009001748 A JP 2009001748A
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Japan
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ptfe
powder
crosslinkable
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crosslinked
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Application number
JP2007166275A
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English (en)
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Atsuko Tanaka
温子 田中
Yoshinori Nanba
義典 難波
Matahiko Sawada
又彦 澤田
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Daikin Industries Ltd
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

【課題】圧縮成形などの通常の方法により成形可能な、変形しにくい半導体等製造用物品を提供すること。
【解決手段】シアノ基(−CN)、一般式(1)で表される第1官能基:一般式(2)で表される第2官能基:
Figure 2009001748

Figure 2009001748

より成る群から選択される反応性官能基を有するポリテトラフルオロエチレンを架橋反応させて得られる架橋体から成る。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体等製造用物品、特にポリテトラフルオロエチレン架橋体から成る半導体等製造用物品に関する。
ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと略する)樹脂は、耐薬品性や、耐候性、電気絶縁性、難燃性などに優れており、半導体等製造装置等の分野において広く利用されている。しかし、PTFE樹脂は高温での圧縮環境下においてクリープが大きいという問題がある。このため、産業界ではPTFE樹脂のクリープ特性などの一層の向上が望まれている。この問題を解決する手法としては、「PTFE樹脂に添加剤を配合する」という手法や「PTFE樹脂に電離性放射線を照射してPTFE樹脂を架橋化させる(例えば、特許文献1および2参照)」という手法などが当業者に広く知られている。また、他にも「カルボキシル基などが導入されているPTFE樹脂を熱処理することによりPTFE樹脂を架橋する(例えば、特許文献3参照)」という手法や、「フッ化ピッチとPTFE樹脂とを混合した後、加熱または電離性放射線の照射によりPTFE樹脂を架橋化させる(例えば、特許文献4参照)」という手法、「PTFE樹脂に、比表面積が1.0〜2.0m2/gの炭素繊維を配合する(例えば、特許文献5参照)」という手法などが報告されている。
特開平7−118423号公報 特開2001−329069号公報 特開平3−234753号公報 特開平2003−119293号公報 特開2003−41083号公報
ところが、「添加剤や炭素繊維を配合する」という手法ではPTFE樹脂の成形体の諸物性に異方性が生じるおそれがある。また、「PTFE樹脂に電離性放射線を照射して架橋化させる」という手法によれば低摩耗性を有するPTFE樹脂が得られると報告されているが、この手法により得られるPTFE樹脂成形体には電離性放射線によるPTFE主鎖の切断に起因する強度低下や結晶性低下が見られるという問題があるに加え、非結晶部分が先に架橋されることによる架橋の不均一性といった放射線架橋物そのものに由来する問題もある。また、この手法では、PTFEの融点以上の高温下におけるPTFE成形体の熱処理が必要となり、それに加えて、その上下20℃、好ましくは5℃といった精密な温度管理が必要となり、さらに、良好な架橋効率を得るためには熱処理を低酸素濃度下で行う必要がある。このため、この手法を採用するためには必然的に高価な装置が必要となるという問題がある。また、この手法では、装置の構成上、PTFE成形体に電離性放射線を均一に照射することが困難であるため、粉末の場合は不均一に架橋構造が導入されるという問題があり、フィルムの場合はしわが生じる等の問題がある。なお、熱による架橋の場合では、性能向上効果が乏しい。また、「フッ化ピッチを利用してPTFE樹脂を架橋させる」という手法では、架橋反応中において有毒なHFガスやF2ガスが生じるという問題がある。さらに、上記のようにして得られる架橋PTFEの粉末(以下、架橋PTFE粉末という)の圧縮成形には、特開平2001−240682号公報、特開2002−114883号公報などに示されるように、架橋PTFE粉末のみでの圧縮成形は困難であるため圧縮成形前に未架橋PTFEと混合することが必要であるという問題、架橋PTFEの含有率が向上すると圧縮成形が困難となるという問題、および圧縮成形時に融点温度以上から加圧冷却するホットコイニング法を用いる必要があるため生産性が悪いという問題などが存在する。
本発明の課題は、高価な装置や生産性の悪いホットコイニング法などを必要とすることなく圧縮成形などの通常の成形方法により製造可能であり、かつ、製造中に有毒な物質を生じず、かつ、従来の強度、結晶性、および表面特性などを維持しており、かつ、異方性も不均一性もなく、かつ、従来の摺動性シール材よりも変形しにくい半導体等製造用物品を提供することにある。
本発明に係る半導体等製造用物品は、シアノ基(−CN)、一般式(1)で表される第1官能基:
Figure 2009001748
(R1およびR2は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、−OR3,−N(R32,−R3であり、R3は炭素数1〜10のフッ素を含んでもよいアルキル基または水素原子である)、および一般式(2)で表される第2官能基:
Figure 2009001748
(R1は水素原子、ハロゲン原子、−OR3,−N(R32,−R3であり、R3は炭素数1〜10のフッ素を含んでもよいアルキル基または水素原子である)より成る群から選択される少なくとも1種の反応性官能基を有する架橋性ポリテトラフルオロエチレンを架橋反応させて得られるポリテトラフルオロエチレン架橋体から成る。なお、ここにいう「半導体等製造用物品」とは、例えば、ウェハーキャリアや、一体成形角槽、溶接角槽、オーバーフロー槽、硝子基板キャリア、プロセス装置のシール材、クリーンルーム内の駆動軸受け、ウェハーチャック、大型の角槽、ターンテーブル等である。
本願発明者等は、半導体等製造用物品の改良について鋭意検討した結果、上記のようなポリテトラフルオロエチレン架橋体から成る半導体等製造用物品が従来の半導体等製造用物品よりも変形しにくいことを見出した。また、このような半導体等製造用物品は、従来の半導体等製造用物品の強度、結晶性及び表面特性などを維持しており、かつ、異方性も不均一性も見られなかった。そして、このような半導体等製造用物品は、高価な装置や生産性の悪いホットコイニング法などを必要とすることなく圧縮成形などの通常の成形方法により製造可能であった。つまり、このような半導体等製造用物品の製造工程では、HFガスやF2ガスを生じない。
なお、本発明において、特に高純度かつ非汚染性が要求されない分野では、必要に応じてPTFE成形体に配合される通常の添加物、例えば充填剤、加工助剤、可塑剤、着色剤、安定剤、接着助剤、導電剤などを配合することができ、常用の架橋剤や架橋助剤を1種またはそれ以上配合してもよい。
本発明に係る半導体等製造用物品は、高価な装置や生産性の悪いホットコイニング法などを必要とすることなく圧縮成形などの通常の成形方法により製造可能であり、かつ、製造中に有毒な物質を生じず、かつ、従来の強度、結晶性、および表面特性などを維持しており、かつ、異方性も不均一性もなく、かつ、従来の半導体等製造用物品よりも変形しにくい。
本発明の実施の形態に係るウェハキャリアを図1に示す。
このウェハキャリア1は、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと略する)架橋体から形成されている。以下、PTFE架橋体の前駆体である架橋性PTFEについて詳述するとともに、架橋性PTFEからPTFE架橋体を製造する方法について詳述する。
<架橋性PTFE>
本実施の形態に係る架橋性PTFEとしては、架橋反応可能な部位として、シアノ基(−CN基)ならびに下記一般式(1)および(2)で表される架橋性反応基を有するものが好ましく挙げられる。
Figure 2009001748
(R1およびR2は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、−OR3,−N(R32,−R3であり、R3は炭素数1〜10のフッ素を含んでもよいアルキル基または水素原子である)
Figure 2009001748
(R1は水素原子、ハロゲン原子、−OR3,−N(R32,−R3であり、R3は炭素数1〜10のフッ素を含んでもよいアルキル基または水素原子である)
これらの中でも、反応性の点からはシアノ基あるいは一般式(1)で表される官能基がより好ましい。また、製造が容易な点からは一般式(2)で表される官能基がより好ましく、特にカルボキシル基であることが好ましい。
また、一般式(1)で示される官能基における置換基R3は、反応性の観点から、水素原子であることがより好ましい。
また、この官能基は、架橋性PTFEの分子内または分子間の1または複数の官能基と反応して架橋構造を形成する。
架橋反応としては以下の2種類が考えられる。
(1)π電子欠乏型複素環環化反応
このタイプの架橋反応では、アゾール、トリアゾール、アジン、ジアジン、トリアジン等が形成される。このような架橋反応としてはトリアジン環化反応を経て形成される架橋構造が一例として挙げられる(化学反応式(A)参照)。
Figure 2009001748
また、例えば、官能基としてシアノ基および下式のシアノ基誘導体
Figure 2009001748
の2種が共存する場合には、下記の化学反応式(B)で示されるイミダゾール環化反応を経て形成される架橋構造が一例として挙げられる。なお、化式4および5において−OMeが−OR3や−N(R32であってもかまわない。
Figure 2009001748
(2)ラジカル的脱炭酸・脱CO反応
COOHやCOOMeは150℃以上に加熱すれば脱CO2を起こしてラジカルを生成する。また、COHやCOClの場合は、脱COを起こしてラジカルを生成する。そして、これらのラジカルがカップリングすることにより架橋構造が形成される(化学反応式(C)および(D)参照)。
Figure 2009001748
Figure 2009001748
上記2つの架橋反応を適宜利用することによりPTFE架橋体を得ることができる。
複素環環化反応を利用する場合、重合性の観点、架橋反応性の鑑定、官能基の安定性の観点からシアノ基を用いたトリアジン環化反応を利用することが好ましく、脱炭酸・脱CO反応を利用する場合、重合性、架橋反応性、官能基の安定性の観点からカルボン酸を用いた脱炭酸/カップリングによる架橋反応が好ましい。
架橋反応可能な部位はPTFEへ高分子反応により導入されるものであってもよいし、テトラフルオロエチレン(以下、TFEと略する)と、架橋反応可能な部位を与える単量体との共重合により導入されるものであってもよい。高分子反応によりPTFEに官能基を導入する手法としては、PTFEを放射線や、レーザー、電子線、プラズマ、コロナ放電などにより処理して官能基を導入する乾式法や、電気化学的に又はLi金属/ナフタレン錯体により還元する湿式法などが従来より知られている。なお、製造容易であることから後者の手法を採用することが好ましい。
架橋性PTFEにおいて、架橋部位を与える単量体の含有量は、必須の単量体となるTFEに対して、好ましくは0.01モル%以上、より好ましくは0.03モル%以上、更に好ましくは0.06モル%以上、好ましくは20モル%以下、更に好ましくは10モル%以下、更に好ましくは5モル%以下である。架橋反応可能な部位を与える単量体の含有量が0.01モル%以下であれば十分な効果が得られず、単量体の含有量が20モル%以上であれば重合体を得るのが困難になるからである。
本実施の形態において、架橋部位を与える単量体としては、エチレン性不飽和結合をもち、かつ、官能基としてシアノ基(−CN基)ならびに下記一般式(1)および(2)で表される官能基を有するものであり、かつ、TFEと共重合性をもつものであれば任意の化合物を用いることができる。
Figure 2009001748
(R1およびR2は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、−OR3,−N(R32,−R3であり、R3は炭素数1〜10のフッ素を含んでもよいアルキル基または水素原子である)
Figure 2009001748
(R1は水素原子、ハロゲン原子、−OR3,−N(R32,−R3であり、R3は炭素数1〜10のフッ素を含んでもよいアルキル基または水素原子である)
単量体としては、鎖状および環状のいずれの化合物も用いることができる。単量体が環状化合物であれば、上記官能基を有するシクロペンテンおよびその誘導体、ノルボルネンおよびその誘導体、多環ノルボルネンおよびその誘導体、ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ならびにこれらの化合物の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子、特にはフッ素原子や、含フッ素アルキル基に置換した化合物などを一例として挙げることができる。なお、重合性の観点から、単量体は鎖状化合物であるのが好ましい。また、鎖状化合物の中でも特に、下記の一般式(3)で示される単量体が好ましい。
CY12=CY3(O)m(R8n−Z1 (3)
(式中、Y1〜Y3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、−CH3、または−CF3であり、R8は2価の有機基であり、nは0または1であり、mは、nが0である場合は0、nが1である場合は0または1であり、Z1は上記官能基のいずれかである)
上記の中でも、重合性の観点から、Y1〜Y3が水素原子またはハロゲン原子であるものが望ましく、ハロゲン原子の中でも特にフッ素原子が好ましい。具体的には、CH2=CH−、CH2=CF−、CFH=CF−、CFH=CH−、CF2=CF−が好ましい構造として挙げられる。特に、CH2=CH−、CH2=CF−、CF2=CF−の構造がより好ましい。なお、n=0の場合、CH2=CHCN、CH2=CHCOOR、
Figure 2009001748
、CF2=CFCN、CF2=CFCOOR、
Figure 2009001748
といった化合物が架橋可能な単量体として例示し得る。
n=0の場合はm=0であるが、n=1の場合はmは0であっても1であってもよい。mが1である場合は、CH2=CHO−、CH2=CFO−、CFH=CFO−、CFH=CHO−、CF2=CFO−が好ましい構造として挙げられる。特に、CH2=CHO−、CH2=CFO−、およびCF2=CFO−が好ましい構造として挙げられる。
8としては、2価の有機基から任意のものを選ぶことができるが、合成や重合の容易性の観点から、炭素数1〜100のエーテル結合を含んでいてもよいアルキレン基が好ましい。なお、炭素数は、1〜50であることがより好ましく、1〜20であることがさらに好ましい。そのようなアルキレン基は、水素原子の一部または全部がハロゲン原子、特にはフッ素原子に置換されていてもよい。炭素数が100以上であれば、重合が困難になり、架橋を行っても好ましい特性を得ることができないからである。上記アルキレン基は、直鎖型や分岐型のアルキレン基でよい。そのような直鎖型や分岐型のアルキレン基を構成する最小構造単位の一例を下記に示す。
(i)直鎖型の最小構造単位:
−CH2−、−CHF−、−CF2−、−CHCl−、−CFCl−、−CCl2
(ii)分岐型の最小構造単位:
Figure 2009001748
8で表されるアルキレン基がエーテル基を含有しない場合、R8で表されるアルキレン基は、これらの最小構造単位単独で、または、直鎖型(i)同士、分岐鎖型(ii)同士、もしくはこれらを適宜組み合わせて構成される。また、R8で表されるアルキレン基がエーテル基を含有する場合、R8で表されるアルキレン基は、これらの最小構造単位単独と酸素原子で、または、直鎖型(i)同士、分岐鎖型(ii)同士と酸素原子で、もしくはこれらを適宜組み合わせて構成することができるが、酸素原子同士が結合することはない。なお、R8で表されるアルキレン基は、以上の例示のなかでも、塩基による脱HCl反応が起こらず、より安定なことから、Clを含有しない構成単位から構成されることが好ましい。
また、R8は、−R10−、―(OR10)−、または−(R10O)−(R10は炭素数1〜6のフッ素を含んでいてもよいアルキレン基)で示される構造を有することがさらに好ましい。R10の好ましい具体例としては、つぎの直鎖型または分岐鎖型のものが例示できる。
直鎖型のものとしては、−CH2−、−CHF−、−CF2−、−CH2CH2−、−CF2CH2−、−CF2CF2−、−CH2CF2−、−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CF2−、−CH2CF2CH2−、−CH2CF2CF2−、−CF2CH2CH2−、−CF2CF2CH2−、−CF2CH2CF2−、−CF2CF2CF2−、―CH2CF2CH2CF2−、―CH2CF2CF2CF2−、―CH2CH2CF2CF2−、―CH2CH2CH2CH2−、―CH2CF2CH2CF2CH2−、―CH2CF2CF2CF2CH2−、―CH2CF2CF2CH2CH2−、―CH2CH2CF2CF2CH2−、―CH2CF2CH2CF2CH2−、―CH2CF2CH2CF2CH2CH2−、―CH2CH2CF2CF2CH2CH2−、―CH2CF2CH2CF2CH2CH2−などが例示でき、分岐鎖型のものとしては、
Figure 2009001748
などを挙げることができる。また、上記の構成から、下記の化合物が一例として例示し得る。
CH2=CH−(CF2n−Z2 (4)
(式中、nは2〜8の整数)
CY4 2=CY4(CF2n−Z2 (5)
(式中、Y4は水素原子またはフッ素原子、nは1〜8の整数である)
CF2=CFCF2f 4−Z2 (6)
(式中、
Figure 2009001748
であり、nは0〜5の整数である)
CF2=CFCF2(OCF(CF3)CF2m
(OCH2CF2CF2nOCH2CF2−Z2 (7)
(式中、mは0〜5の整数であり、nは0〜5の整数である)
CF2=CFCF2(OCH2CF2CF2m
(OCF(CF3)CF2nOCF(CF3)−Z2 (8)
(式中、mは0〜5の整数であり、nは0〜5の整数である)
CF2=CF(OCF2CF(CF3))mO(CF2n−Z2 (9)
(式中、mは0〜5の整数であり、nは1〜8の整数である)
CF2=CF(OCF2CF(CF3))m−Z2 (10)
(式中、mは1〜5の整数である)
CF2=CFOCF2(CF(CF3)OCF2nCF(−Z2)CF3 (11)
(式中、nは1〜4の整数である)
CF2=CFO(CF2nOCF(CF3)−Z2 (12)
(式中、nは2〜5の整数である)
CF2=CFO(CF2n−(C64)−Z2 (13)
(式中、nは1〜6の整数である)
CF2=CF(OCF2CF(CF3))nOCF2CF(CF3)−Z2 (14)
(式中、nは1〜2の整数である)
CH2=CFCF2O(CF(CF3)CF2O)nCF(CF3)−Z2 (15)
(式中、nは0〜5の整数である)、
CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)m(CF2n−Z2 (16)
(式中、mは0〜5の整数、nは1〜3の整数である)
CH2=CFCF2OCF(CF3)OCF(CF3)−Z2 (17)
CH2=CFCF2OCH2CF2−Z2 (18)
CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)mCF2CF(CF3)−Z2 (19)
(式中、mは0以上の整数である)
CF2=CFOCF(CF3)CF2O(CF2n−Z2 (20)
(式中、nは1以上の整数である)
CF2=CFOCF2OCF2CF(CF3)OCF2−Z2 (21)
CF2=CF−(CF2C(CF3)F)n−Z2 (22)
(式中、nは、1〜5の整数である)、
CF2=CFO−(CFY5n−Z2 (23)
(式中、Y5はFまたは−CF3であり、nは1〜10の整数である)
CF2=CFO−(CF2CFY6O)m−(CF2n−Z2 (24)
(式中、Y6はFまたは−CF3であり、mは1〜10の整数であり、nは1〜3の整数である)
CH2=CFCF2O−(CF(CF3)CF2O)n−CF(CF3)−Z2 (25)
(式中、nは0〜10の整数である)
CF2=CFCF2O−(CF(CF3)CF2O)n−CF(CF3)−Z2 (26)
(式中、nは1〜10の整数である)
(一般式(4)〜(26)中、Z2は、上記官能基のいずれかである)
なお、上記Z2がCOOR1である場合、−COOR1基が架橋部位として作用するためには、−COOR1基が架橋剤の反応性官能基と反応しやすい構造であることが好ましい。つまり、R1が脱離しやすいことが好ましい。そのようなR1としては、トルエンスルホン酸、ニトロトルエンスルホン酸、およびトリフルオロメタンスルホン酸などのスルホニルエステル、リン酸エステル、ならびに有機リン酸エステルなどが挙げられる。しかし、スルホニルエステルは、脱離するスルホン酸の酸性度が高く金属(例えば成形器の金型)を腐食するおそれがあるため好ましくない。したがって、R1はエーテル結合や芳香環を含んでもよいアルキル基であることが好ましい。この場合、炭素数は1〜20であることが好ましく、1〜10であることがより好ましく、1〜6であることがさらに好ましい。また、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されているものは脱離性が高いことから好ましい。R1がエーテル結合や芳香環を含んでもよいアルキル基である場合、R1としては、具体的に、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、フェニル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、1,1,1,2,2―ヘプタフルオロプロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル基などが挙げられる。ただし、低温で脱CO2し、連鎖移動することなく効率良くカップリングできることから−COOHであることが好ましい。また、反応性が高い点では―COXで示される酸ハライド基が好ましい。しかし、架橋性PTFEの重合は水系で行われる場合、酸ハライド基は水中では不安定であるため好ましくない。なお、架橋性PTFEの重合が非水溶液系で行われる場合、酸ハライド基は好ましい。
一般式(4)〜(26)で示される単量体では、上記官能基のいずれかが、架橋部位となり、架橋反応が進行する。
一般式(5)で示される単量体としては、具体的には、
CF2=CF−CF2−CN、CF2=CF−CF2CF2−CN、
Figure 2009001748
Figure 2009001748
、CF2=CF−CF2−COOH、CF2=CF−CF2CF2−COOH、
CF2=CF−CF2−COOCH3、CF2=CF−CF2CF2−COOCH3
などが挙げられるが、架橋反応性の点で、
CF2=CF−CF2−CN、CF2=CF−CF2CF2−CN
Figure 2009001748
Figure 2009001748
であることが好ましく、重合反応性が優れている点で、
CF2=CF−CF2−COOH、CF2=CF−CF2CF2−COOH、
CF2=CF−CF2−COOCH3、CF2=CF−CF2CF2−COOCH3であることが好ましい。
一般式(22)で示される単量体としては、具体的には、
CF2=CFCF2C(CF3)FCN、CF2=CF(CF2C(CF3)F)2CN、
Figure 2009001748
Figure 2009001748
、CF2=CFCF2C(CF3)FCOOH、
CF2=CF(CF2C(CF3)F)2COOH、
CF2=CFCF2C(CF3)FCOOCH3
CF2=CF(CF2C(CF3)F)2COOCH3
などが挙げられるが、重合反応性という点で、CF2=CFCF2C(CF3)FCOOHであることが好ましい。
一般式(23)で示される単量体としては、具体的には、
CF2=CFOCF2CF2CF2CN、CF2=CFOCF2CF2CN、
CF2=CFOCF2CN、
Figure 2009001748
Figure 2009001748
Figure 2009001748
、CF2=CFOCF2CF2CF2COOH、CF2=CFOCF2CF2COOH、
CF2=CFOCF2COOH、
CF2=CFOCF2CF2CF2COOCH3
CF2=CFOCF2CF2COOCH3、CF2=CFOCF2COOCH3
などが挙げられるが、架橋反応性、重合反応性という点で、
CF2=CFOCF2CF2CF2COOH、CF2=CFOCF2CF2COOH、
CF2=CFOCF2CF2CF2COOCH3
CF2=CFOCF2CF2COOCH3であることが好ましい。
一般式(24)で示される単量体としては、具体的には、
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2CN、
Figure 2009001748
、CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2COOH、
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2COOCH3
などが挙げられるが、反応性の点で、
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2CN、
Figure 2009001748
であることが好ましく、製造が容易な点で、
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2COOH、
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2COOCH3
であることが好ましい。
一般式(25)で示される単量体としては、具体的には、
CH2=CFCF2OCF(CF3)CN、
CH2=CFCF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CN、
CH2=CFCF2O(CF(CF3)CF2O)2CF(CF3)CN、
Figure 2009001748
Figure 2009001748
Figure 2009001748
、CH2=CFCF2OCF(CF3)COOH、
CH2=CFCF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COOH、
CH2=CFCF2O(CF(CF3)CF2O)2CF(CF3)COOH、
CH2=CFCF2OCF(CF3)COOCH3
CH2=CFCF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COOCH3
CH2=CFCF2O(CF(CF3)CF2O)2CF(CF3)COOCH3
などが挙げられるが、重合反応性という点で、CH2=CFCF2OCF(CF3)CN、
CH2=CFCF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CN、
Figure 2009001748
Figure 2009001748
、CH2=CFCF2OCF(CF3)COOH、
CH2=CFCF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COOH、
CH2=CFCF2OCF(CF3)COOCH3
CH2=CFCF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COOCH3
であることが好ましい。
一般式(26)で示される単量体としては、具体的には、
CF2=CFCF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CN、
Figure 2009001748
、CF2=CFCF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COOH、
CF2=CFCF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COOCH3
などが挙げられるが、反応性の点で、
CF2=CFCF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CN、
Figure 2009001748
であることが好ましく、製造が容易な点で、
CF2=CFCF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COOH、
CF2=CFCF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COOCH3であることが好ましい。
また、一般的に、上記反応性官能基は、−CF(CF3)−CNや−CF(CF3)−COORのように分岐アルキレン基に結合しているよりも、−CF2−CNや−CF2−COORのように直鎖アルキレン基に結合している方が高い反応性を示すため好ましい。
なお、本実施の形態に係る架橋性PTFEでは、上述の反応性官能基含有単量体を共重合成分として用いると同時に、任意の単量体も共重合成分として用いることができる。架橋部位を与える単量体以外の単量体は、特に限定されず、例えば、TFE以外のフッ素含有単量体やフッ素非含有単量体などが挙げられる。このような共重合可能な単量体は架橋剤と反応しない官能基を有していてもよい。架橋剤と反応しない官能基としては、ヒドロキシル基、スルホン酸基、リン酸基、スルホン酸イミド基、スルホン酸アミド基、リン酸イミド基、リン酸アミド基、カルボン酸アミド基、およびカルボン酸イミド基などが挙げられる。架橋剤と反応しない官能基を有する単量体を共重合成分に用いた場合は、接着性改善、分散性改善などの効果が期待される。また、このような官能基を含有しない単量体を共重合成分として導入した場合は、粒径の調整、融点の調整、および力学特性の調整などを行うことができる。また、上記「フッ素含有単量体」としては、例えば、フルオロオレフィン、環式のフッ素化された単量体、およびフッ素化アルキルビニルエーテル等が挙げられる。上記フルオロオレフィンとしては、例えば、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン(VDF)、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロイソブチレン、パーフルオロブチルエチレン等が挙げられる。また、上記環式のフッ素化された単量体としては、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール(PDD)、パーフルオロ−2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン(PMD)等が挙げられる。また、上記フッ素化アルキルビニルエーテルとしては、例えば、一般式CY7 2=CY8OR12又はCY7 2=CY8(OR13nOR12(Y7は同一若しくは異なってHまたはFであり、Y8はH又はFであり、R12は水素原子の一部又は全てがフッ素原子で置換されてもよい炭素数1〜8のアルキル基または末端に官能基をもつアルキル基であり、R13は同一若しくは異なって、水素原子の一部又は全てがフッ素原子で置換されてもよい炭素数1〜8のアルキレン基であり、nは0〜10の整数である)で表されるものが挙げられる。なお、上記フッ素化アルキルビニルエーテルとしては、例えば、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)が好ましい。また、上記「フッ素非含有単量体」としては、上記TFEと共重合性を有するものであれば特に限定されず、例えば炭化水素系単量体等が挙げられる。上記炭化水素性単量体は、フッ素以外のハロゲン原子、酸素、窒素等の元素、各種置換基等を有するものであってもよい。上記炭化水素系単量体としては、例えば、アルケン類、アルキルビニルエーテル類、ビニルエステル類、アルキルアリルエーテル類、アルキルアリルエステル類等が挙げられる。
なお、「フッ素含有単量体」や「フッ素非含有単量体」としては、上述したものの中でも、通常PTFEの変性に用いられるフルオロオレフィンやパーフルオロビニルエーテルがより好ましく、HFP、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロイソブチレン、VDF、PMVE、PEVE、PPVEが特に好ましい。変性量は、架橋性PTFEとしての基本特性を損なわない限りの量であれば任意の量でよいが、フルオロオレフィンの場合、必須の単量体となるTFEに対して、好ましくは0.01モル%以上、より好ましくは0.1モル%以上、好ましくは7モル%以下、より好ましくは5モル%以下、特に好ましくは2モル%以下であり、パーフルオロビニルエーテルの場合、必須の単量体となるTFEに対して、好ましくは0.01モル%以上、より好ましくは0.1モル%以上、好ましくは1モル%以下である。
本発明に用いられる架橋性PTFEは、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法などの通常の重合法により製造することができる。重合時の温度、時間などの重合条件としては、モノマーの種類などを考慮して適宜決定すればよい。
乳化重合に使用される乳化剤としては、広範囲なものが使用可能であるが、重合中におこる乳化剤分子への連鎖移動反応を抑制する観点から、フルオロカーボン鎖または、フルオロポリエーテル鎖を有するカルボン酸の塩類が好ましい。
重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム(APS)等の過硫酸塩や、ジコハク酸パーオキシド(DSP)、ジグルタル酸パーオキシド等の有機過酸化物を、単独で又はこれらの混合物の形で使用することができる。また、上記重合開始剤として、亜硫酸ナトリウム等の還元剤と共用し、レドックス系にしたものを用いてもよい。好ましくはカルボキシル基またはカルボキシル基を生成し得る基(例えば、酸フルオライド、酸クロライド、−CF2OHなどが挙げられる。これらはいずれも水の存在下、カルボキシル基を生ずる)を主鎖末端に存在させ得るものが好ましい。具体例としては、過硫酸アンモニウム(APS)、過硫酸カリウム(KPS)などが挙げられる。
また、分子量の調整に通常使用される連鎖移動剤を使用してもよい。そのような連鎖移動剤として作用する化合物は、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、および水溶性有機化合物の少なくとも1つから成るものである。上記連鎖移動剤は、炭化水素から成りハロゲン化炭化水素を含まないもの、ハロゲン化炭化水素から成り炭化水素を含まないもの、および、炭化水素とフッ化炭化水素とから成るもののいずれであってもよく、また、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、および水溶性有機化合物は、それぞれ1種又は2種以上を用いることができる。上記連鎖移動剤としては、反応系内で分散性および均一性が良好である点で、メタン、エタン、ブタン、HFC−134a、HFC−32、メタノール、およびエタノールより成る群から選択される少なくとも1つから成るものであることが好ましい。
また、さらには、ヨウ素や臭素原子をもつ化合物を利用することにより、分子量分布が狭いものが得られ、分子量の調整が容易になる。そのようなヨウ素原子をもつ連鎖移動剤としては一般式(27)〜(35)で表される下記の化合物が一例として例示し得る。
I(CF2CF2nI (27)
ICH2CF2CF2(OCF(CF3)CF2mOCF(CF3)−Z3 (28)
ICH2CF2CF2(OCH2CF2CF2mOCH2CF2−Z3 (29)
I(CF2n3 (30)
I(CH2CF2n3 (31)
ICF2CF2OCF2CF(CF3)OCF2CF2−Z3 (32)
ICH2CF2CF2OCH2CF2−Z3 (33)
ICF2CF2OCF2CF2−Z3 (34)
ICF2CF2O(CF2nOCF2CF2−Z3 (35)
(式中、Z3は上記官能基のいずれかであり、mは0〜5の整数であり、nは1以上の整数である)で示される化合物などを用いることができる。これらの中でも、架橋剤と反応可能な架橋部位を有する点から、一般式(28)〜(35)で示される連鎖移動剤が好ましい。
乳化重合で得られた重合反応混合物から重合生成物を単離する方法としては、酸処理により凝析する方法や、凍結乾燥または超音波などにより凝析する方法などが採用できるが、工程の簡略化の点から機械力により凝析する方法が好ましい。機械力により凝析する方法では、通常水性分散液が、10〜20重量%のポリマー濃度になるように希釈され、場合によってはpH調整された後、攪拌機付きの容器中で激しく攪拌される。また、インラインミキサー等を使用して連続的に凝析を行ってもよい。さらに、凝析前や凝析中に着色のための顔料や機械的性質を改良するための充填材を添加すれば、顔料や充填材が均一に混合された架橋性PTFEのファインパウダーを得ることができる。
凝析された架橋性PTFEの乾燥は、湿潤粉末をあまり流動させない状態、好ましくは静置の状態を保ちながら、減圧や、高周波、熱風等の手段を用いて行う。粉末同士の、特に高温での摩擦は、一般にPTFEファインパウダーに好ましくない影響を与える。これは、この種のPTFE粒子が小さなせん断力でも簡単にフィブリル化して、元の安定な粒子構造の状態を失う性質を持っているからである。乾燥温度は10〜250℃好ましくは100〜200℃である。
本発明で用いる架橋性PTFEは、重合生成物を酸処理することにより、重合生成物に存在しているカルボン酸の金属塩やアンモニウム塩などの基をカルボキシル基に変換することができる。酸処理法としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸などにより洗浄するか、これらの酸で重合反応後の混合物の系をpH3以下にする方法が適当である。
また、ヨウ素や臭素を含有するPTFEを発煙硝酸により酸化してカルボキシル基を導入することもできる。
さらに、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基の導入方法としては、国際公開第00/05959号パンフレットに記載の方法も用いることができる。
なお、本発明に係る架橋性PTFEは、上記化学構造を有するものの内、熱処理前の引張弾性率が100MPa以上、あるいは溶融粘度が108ポアズ以上であるものに限定される。
<PTFE架橋体粉末の調製方法>
PTFE架橋体粉末は、架橋性PTFEの粉末を適宜適切であると思われる条件下で処理されて得られる。シアノ基およびシアノ基誘導体を用いる場合は、200℃以上で熱処理してPTFE架橋体粉末を得ることができる。この場合、架橋反応処理としては、架橋性PTFE粉末を空気循環炉等にて270℃以上で長時間加熱することが好ましく、反応速度を速めるために270℃〜320℃で1〜50時間加熱することがより好ましい。また、あらかじめPTFE架橋体粉末を得る工程を経ずとも、成形・焼成工程において架橋反応を進行させることができる。また、カルボン酸およびカルボニル誘導体を用いる場合も200℃以上で熱処理することによりPTFE架橋体粉末を得ることができる。この場合、架橋反応処理としては、架橋性PTFE粉末を空気循環炉等にて250℃以上で長時間加熱することが好ましく、反応速度を速めるために250℃〜320℃で1〜30時間加熱することがより好ましい。あらかじめPTFE架橋体粉末を得る工程を経ずに成形・焼成工程において架橋反応を進行させることも可能である。
なお、加熱温度は一定でなく、段階的に変化させるようにしてもよい。
<成形体の調製方法>
架橋性PTFEあるいはPTFE架橋体粉末から成形体を得る方法は通常の方法でよく、例えば、圧縮成形法や、ラム押出成形法、ペースト押出成形法などの公知の方法が挙げられる。圧縮成形法により成形体を得る場合は、ホットコイニング法での成形も可能であるが、ホットコイニング法よりも生産性の高いフリーベーキング法での成形も可能である。上記架橋性PTFEあるいはPTFE架橋体粉末を金型に充填し、2〜100MPa、好ましくは10〜70MPaの圧力で圧縮して予備成形体を得た後に、得られた予備成形体を空気循環炉中において融点〜420℃、好ましくは融点〜380℃の温度で10分間〜10日間、好ましくは30分〜5時間焼成すればよい。この際、昇温速度、冷却速度は、任意であってもかまわないが、10〜100℃/hrが好ましく、20〜60℃/hrがより好ましい。また、例えば、300℃までは昇温速度を高くし、300℃以上で昇温速度を低くし、300℃までは冷却速度を低くし、300℃以下で冷却速度を高めるといった段階的な温度調整方法を採用することもできる。
架橋性PTFEを架橋成形することにより、ウェハキャリア1を得ることができる。ウェハキャリア1は、従来の強度、結晶性、および表面特性などを維持しており、かつ、異方性も不均一性もなく、かつ、従来のPTFE樹脂よりも変形しにくいものである。また、このウェハキャリア1は、耐熱性や耐薬品性にも優れる。
以下に、PTFE架橋体についての検証結果を示す。
<実施例>
(1)架橋性PTFEの製造方法
(合成例1)
内容量6Lの撹拌機付きステンレススチール製反応器に、3560gの脱イオン水、94gのパラフィンワックス及び5.4gのパーフルオロオクタン酸アンモニウム分散剤を入れた。次いで反応器の内容物を70℃まで加熱しながら吸引すると同時にTFE単量体でパージして反応器内の酸素を除いた。その後、0.17gのエタンガスと15.2gのパーフルオロ[3−(1−メチル−2−ビニルオキシ−エトキシ)プロピオニックアシッド](以下、CBVEと略する)とを反応器に加え、内容物を280rpmで攪拌した。反応器中にTFE単量体を0.73MPaの圧力となるまで加えた。20gの脱イオン水に溶解した0.36gの過硫酸アンモニウム(APS)開始剤を反応器に注入し、反応器を0.83MPaの圧力にした。開始剤の注入後に圧力の低下が起こり重合の開始が観測された。TFE単量体を反応器に加えて圧力を保ち、約1.1KgのTFE単量体が反応し終わるまで重合を続けた。その後に、反応器を排気し、内容物を反応器から取り出して冷却した。さらにその後に、その水性分散液から上澄みのパラフィンワックスを取り除いた。
得られた架橋性PTFE水性分散液の固形分濃度は23.5重量%であり、平均一次粒子径は0.08μmであった。なお、この平均一次粒子径は、固形分0.15重量%に調製された架橋性PTFE水性分散液が注入された所定のセルに550nmの光を入射したときの透過率と、透過型電子顕微鏡写真により定方向径を測定して算出した数平均一次粒子径との相関関係を求めた後に、得られた試料について測定した上記の透過率を上記の相関関係に当てはめることにより求めた(検量線法)。
得られた架橋性PTFE水性分散液を脱イオン水で固形分濃度が約15重量%となるように希釈し、高速撹拌条件下で凝固させた。凝固した粉末を145℃で18時間乾燥した。このときの架橋性PTFE粉末のCBVE変性量は0.26mol%であった。なお、変性量は、プローブ直径:4.0mm、測定時回転数:13〜15KHz、測定雰囲気:窒素、測定温度:150℃の測定条件を採用した19F−MASNMR(BRUKER社製)測定法により、TFE由来のピークと変性剤由来のピーク(−77〜−88ppmのピーク)とを検出し、それらのピークの面積比から求めた。また、この架橋性PTFE粉末を380℃まで加熱したが、架橋性PTFE粉末は流動性を示さなかった。
(合成例2)
合成例1における15.2gのCBVEを14.6gのパーフルオロ[3−(1−メチル−2−ビニルオキシ−エトキシ)プロピオニトニル](以下、CNVEと略する)とした以外は合成例1と同様に重合を行った。
このとき得られた架橋性PTFE水性分散液の固形分濃度は23.1重量%であり、平均一次粒子径は0.17μmであった。また、このときの架橋性PTFE粉末のCNVE変性量は0.14mol%であった。また、この架橋性PTFE粉末を380℃まで加熱したが、架橋性PTFE粉末は流動性を示さなかった。
(合成例3)
内容量6Lの撹拌機付きステンレススチール製反応器に、3380gの脱イオン水を入れた。次いで反応器の内容物を70℃まで加熱しながら吸引すると同時にTFE単量体でパージして反応器内の酸素を除いた。その後、0.51gのエタンガスと15.2gのCBVEとを反応器に加え、内容物を700rpmで攪拌した。反応器中にTFE単量体を0.73MPaの圧力となるまで加えた。20gの脱イオン水に溶解した0.68gのAPS開始剤を反応器に注入し、反応器を0.83MPaの圧力にした。開始剤の注入後に圧力の低下が起こり重合の開始が観測された。TFE単量体を反応器に加えて圧力を保ち、約0.8KgのTFE単量体が反応し終わるまで重合を続けた。そして、反応器を排気し室温まで冷却した後、得られた架橋性PTFE粉末を脱イオン水で洗浄した上で濾別した。
得られた架橋性PTFE粉末を145℃で18時間乾燥した。このときの架橋性PTFE粉末のCBVE変性量は0.45mol%であった。また、この架橋性PTFE粉末を380℃まで加熱したが、架橋性PTFE粉末は流動性を示さなかった。
(合成例4)
合成例1における0.17gのエタンガスを0.03gのエタンガスに代え、15.2gのCBVEを15.7gのパーフルオロ[3−(1−メチル−2−ビニルオキシ−エトキシ)プロピオン酸メチル](以下、RVEEと略する)とした以外は合成例1と同様に重合を行った。
このとき得られた架橋性PTFE水性分散液の固形分濃度は23.8重量%であり、平均一次粒子径は0.18μmであった。また、このときの架橋性PTFE粉末のRVEE変性量は0.20mol%であった。また、この架橋性PTFE粉末を380℃まで加熱したが、架橋性PTFE粉末は流動性を示さなかった。
(合成例5)
合成例3におけるエタンガスを添加せず、15.2gのCBVEを14.6gのCNVEに代えた以外は合成例3と同様に重合を行った。得られた架橋性PTFE粉末は粗く粉砕した後に135℃で18時間乾燥した。その後にフリッチュ・ジャパン(株)社製ロータースピードミルP−14型を用いて平均粒径が10〜150μmになるまで粉砕して、架橋性PTFE粉末を得た。このときの架橋性PTFE粉末のCNVE変性量は0.15mol%であった。
(合成例6)
合成例3におけるエタンガスを添加せず、15.2gのCBVEを30.4gのCBVEとし、0.68gのAPSを0.07gに代えた以外は合成例3と同様に重合を行った。得られた架橋性PTFE粉末は粗く粉砕した後に145℃で18時間乾燥した。その後にフリッチュ・ジャパン(株)社製ロータースピードミルP−14型を用いて平均粒径が10〜150μmになるまで粉砕して、架橋性PTFE粉末を得た。このときの架橋性PTFE粉末のCBVE変性量は0.98mol%であった。
(合成例7)
合成例3におけるエタンガスを添加せず、15.2gのCBVEを15.7gのRVEEとし、0.68gのAPSを0.07gに代えた以外は合成例3と同様に重合を行った。得られた架橋性PTFE粉末は粗く粉砕した後に160℃で18時間乾燥した。その後にフリッチュ・ジャパン(株)社製ロータースピードミルP−14型を用いて平均粒径が10〜150μmになるまで粉砕して、架橋性PTFE粉末を得た。このときの架橋性PTFE粉末のRVEE変性量は0.36mol%であった。
(2)PTFE架橋体粉末およびPTFE成形体の調製ならびに物性測定
合成例1で得られた架橋性PTFE粉末を300℃の空気循環炉に入れ、24時間保持した後に取り出して室温まで冷却し、PTFE架橋体粉末を得た。
(耐摩耗性の測定)
42gのPTFE架橋体粉末を直径32mmの円筒形の金型に室温で充填した。次に徐々に加圧し19.6MPaで5分間保持した後、金型から取り出して予備成形体を得た。この予備成形体を200℃の空気循環炉に入れ、25℃/時間の昇温速度で365℃まで加熱して1時間焼結した後、60℃/時間の冷却速度で200℃まで冷却して炉内から取り出し室温までゆっくりと冷却した。得られた成形体から、外径25.6mm、内径20.0mm、高さ15.0mmの摺動試験片を削り出した。
オリエンテック(株)社製EFM−III―Fを使用し、相手材はSUS304を用い、圧力0.4MPa、速度1m/sec、試験時間10時間の条件下で摩擦摩耗試験を行い、摩擦係数および比摩耗量を調べた。結果は表1に示す。
(耐クリープ性の測定)
15gのPTFE架橋体粉末を直径29.0mmの円筒形の金型に室温で充填した。次に徐々に加圧し14.0MPaで2分間保持した後、金型から取り出して予備成形体を得た。この予備成形体を、290℃の空気循環炉に入れ、120℃/時間の昇温速度で365℃まで加熱して30分間焼結した後、60℃/時間の冷却速度で294℃まで冷却し、294℃で24分間保持した後、炉内から取り出して室温までゆっくりと冷却した。得られた成形体から、直径11.3mm、高さ10.0mmの円筒状の圧縮クリープ試験片を削り出した。
そして、得られた試験片の室温(23±2℃)、100℃及び150℃における圧縮クリープをASTM D621−64に準拠して調べた。
室温(23±2℃)下の圧縮クリープ測定では、試験片を圧力13.7MPaで24時間加重した後の変形量を全変形とし、次に荷重を開放して24時間経過した後の変形率を永久歪みとした。結果は表1に示す。
100℃下での圧縮クリープ測定では、100℃の雰囲気中に2時間放置して予熱した後の試験片を圧力13.7MPaで24時間加重した後の変形量を全変形とし、次に荷重を開放して24時間経過した後の変形率を永久歪みとした。結果は表1に示す。
150℃下での圧縮クリープ測定では、150℃の雰囲気中に2時間放置して予熱した後の試験片を圧力6.9MPaで24時間加重した後の変形量を全変形とし、次に荷重を開放して24時間経過した後の変形率を永久歪みとした。結果は表1に示す。
(引張試験)
12gのPTFE架橋体粉末を直径29.0mmの円筒形の金型に室温で充填した。次に徐々に加圧し14.0MPaで2分間保持した後、金型から取り出して予備成形体を得た。この予備成形体を、290℃の空気循環炉に入れ、120℃/時間の昇温速度で365℃まで加熱して30分間焼結した後、60℃/時間の冷却速度で294℃まで冷却し、294℃で24分間保持した後、炉内から取り出して室温までゆっくりと冷却した。得られた成形体を厚み0.5mmのフィルム状に切削加工した後、空気循環炉中380℃で5分間アニ−ル処理を行い、60℃/時間の冷却速度で250℃まで冷却し5分間保持した後炉内から取り出し、室温まで冷却した。得られたフィルムからASTM D 4895−94に記載のミクロダンベルを用いて成形圧力方向と直角の方向に打ち抜き、引張試験片とした。
引張試験は(株)島津製作所社製オートグラフAG−300kNIを用いて引張速度50mm/分で行い、弾性率を求めた。結果は表1に示す。
実施例1における架橋性PTFE粉末を合成例2で得られたものに代え、実施例1で行ったPTFE架橋体粉末の調製を行わずに、実施例1と同様に試験片を作製して試験を行った。結果は表1に示す。
実施例1における架橋性PTFE粉末を合成例3で得られたものに代え、実施例1と同様にPTFE架橋体粉末を調製し、実施例1と同様に試験片を作製して試験を行った。結果は表1に示す。
実施例1における架橋性PTFE粉末を合成例4で得られたものに代え、実施例1と同様にPTFE架橋体粉末を調製し、実施例1と同様に試験片を作製して試験を行った。結果は表1に示す。
合成例5で得られた架橋性PTFE粉末210gを直径50mmの金型に充填し、成形圧力が29.4MPaになるまで徐々に圧力を加え、さらに5分間その圧力を保持し予備成形体を作製した。得られた予備成形体を金型から取り出して電気炉に入れ、50℃/hrの昇温速度で室温から300℃まで昇温し、続いて25℃/hrの昇温速度で365℃まで昇温した。そして、その予備成形体を365℃で5時間保持した後、25℃/hrの降温速度で300℃まで冷却し、続いて50℃/hrの降温速度で冷却した。得られた成形体から実施例1と同様に各測定用の試験片を作製し、試験を行った。結果は表3に示す。
合成例6で得られた架橋性PTFE粉末210gを直径50mmの金型に充填し、成形圧力が29.4MPaになるまで徐々に圧力を加え、さらに5分間その圧力を保持し予備成形体を作製した。得られた予備成形体を金型から取り出して電気炉に入れ、50℃/hrの昇温速度で室温から300℃まで昇温した。次いで、その予備成形体を300℃で24時間保持した後、25℃/hrの昇温速度で365℃まで昇温した。さらに、その予備成形体を365℃で5時間保持した後、25℃/hrの降温速度で300℃まで冷却し、続いて50℃/hrの降温速度で冷却した。得られた成形体から実施例1と同様に各測定用の試験片を作製し、試験を行った。結果は表3に示す。
実施例6における架橋性PTFE粉末を合成例7で得られたものに代えた以外は実施例6と同様にして成形体を得た。得られた成形体から実施例1と同様に各測定用の試験片を作製し、試験を行った。結果は表3に示す。
合成例2で得られたPTFE架橋体粉末210gを直径50mmの金型に充填し、成形圧力が29.4MPaになるまで徐々に圧力を加え、さらに5分間その圧力を保持し予備成形体を作製した。得られた予備成形体を金型から取り出して電気炉に入れ、50℃/hrの昇温速度で室温から300℃まで昇温し、続いて25℃/hrの昇温速度で365℃まで昇温した。そして、その予備成形体を365℃で5時間保持した後、25℃/hrの降温速度で300℃まで冷却し、続いて50℃/hrの降温速度で冷却した。得られた成形体から実施例1と同様に各測定用の試験片を作製し、試験を行った。結果は表4に示す。
ダイキン工業社製PTFE粉末(M−111)100重量部に対し、合成例2で得られたPTFE架橋体粉末100重量部を加え、カッターミキサー(愛工舎製作所社製 K−55型)を用いて3000回転/分で1分間十分に混合した。得られた混合粉末210gを直径50mmの金型に充填し、成形圧力が29.4MPaになるまで徐々に圧力を加え、さらに5分間その圧力を保持し予備成形体を作製した。得られた予備成形体を金型から取り出して電気炉に入れ、50℃/hrの昇温速度で室温から300℃まで昇温し、続いて25℃/hrの昇温速度で365℃まで昇温した。さらにその予備成形体を365℃で5時間保持した後、25℃/hrの降温速度で300℃まで冷却し、続いて50℃/hrの降温速度で冷却した。得られた成形体から実施例1と同様に各測定用の試験片を作製し、試験を行った。結果は表4に示す。
ダイキン工業社製PTFE粉末(M−111)400重量部に対し、合成例2で得られたPTFE架橋体粉末100重量部を加えたこと以外は実施例9と同様に行った。得られた成形体から実施例1と同様に各測定用の試験片を作製し、試験を行った。結果は表4に示す。
(比較例1)
実施例1におけるPTFE架橋体粉末をダイキン工業社製PTFE粉末(F−104)に代えた以外は実施例1と同様に各測定用の試験片を作製し、試験を行った。結果は表2に示す。
(比較例2)
実施例1におけるPTFE架橋体粉末をダイキン工業社製PTFE粉末(F−104)に代え、実施例1と同様に各測定用の試験片を作製した後、その試験片に真空下で100kGyのガンマ線を照射した。その後、実施例1と同様に試験を行った。結果は表2に示す。
(比較例3)
実施例1におけるPTFE架橋体粉末をダイキン工業社製PTFE粉末(F−104)に代え、実施例1と同様に各測定用の試験片を作製した後、その試験片に真空下で1000kGyのガンマ線を照射した。その後、実施例1と同様に試験を行った。結果は表2に示す。
(比較例4)
ダイキン工業社製PTFE粉末(M−111)210gを直径50mmの金型に充填し、成形圧力が29.4MPaになるまで徐々に圧力を加え、さらに5分間その圧力を保持し予備成形体を作製した。得られた予備成形体を金型から取り出して電気炉に入れ、50℃/hrの昇温速度で室温から365℃まで昇温した。そして、その予備成形体を365℃で5時間保持した後、50℃/hrの降温速度で冷却した。得られた成形体から実施例1と同様に各測定用の試験片を作製し、試験を行った。結果は表3に示す。
Figure 2009001748
Figure 2009001748
Figure 2009001748
Figure 2009001748
表1〜4から明らかなように、本発明に係るPTFE成形体は、従来の表面特性を維持している。また、本発明に係るPTFE成形体は、従来のPTFE樹脂と比べると、クリープ特性が向上しており、変形しにくくなっていることが窺える。
なお、表2には電離性放射線で架橋処理されたポリテトラフルオロエチレンの諸物性も併せて記載されているが(比較例2および3参照)、電離性放射線による架橋処理方法は、高価な専用装置が必要であるという問題、大面積や粉末を均一に架橋することができないという問題、また、架橋処理される部分が表面に偏るという問題を抱えており、必ずしも好ましい架橋処理方法であるとは言えない。
<ウェハキャリアの特徴>
(1)
本願発明者等は、ウェハキャリア1の改良について鋭意検討した結果、上記のような架橋性PTFEを架橋反応させて得られるウェハキャリア1が従来のウェハキャリアよりも変形しにくいことを見出した。また、このようなウェハキャリア1は、従来のウェハキャリアの強度、結晶性及び表面特性などを維持しており、かつ、異方性も不均一性も見られなかった。そして、このようなウェハキャリア1は、高価な装置や生産性の悪いホットコイニング法などを必要とすることなく圧縮成形などの通常の成形方法により製造可能であった。つまり、このようなウェハキャリア1の製造工程では、副生成物を生じない。
(2)
本実施の形態に係るウェハキャリア1は、高温(一般的に摂氏150度以上)において優れた耐荷重変形性を示し、しかもフッ素樹脂本来の良好な耐薬品性等の特性を保持している。このため、このウェハキャリア1は、従来のウェハキャリアよりも優れている。
<変形例>
(A)
先の実施の形態では特に言及しなかったが、架橋性PTFEは、架橋剤との反応により架橋されてもよい。なお、かかる場合、架橋部位を与える単量体の含有量は、必須の単量体となるTFEに対して、好ましくは0.01モル%以上、より好ましくは0.03モル%以上、更に好ましくは0.06モル%以上、好ましくは50モル%以下、より好ましくは20モル%以下、更に好ましくは5モル%以下である。架橋部位を与える単量体の含有量が0.01モル%以下であれば十分な効果が得られず、単量体の含有量が50モル%以上であれば重合体を得るのが困難になるからである。
以下、架橋剤について詳述する。
(1)架橋剤
架橋剤は、1または複数の反応性官能基と反応して環状構造を形成可能なものである。この架橋剤は、架橋反応可能な官能基のなかでも、1または複数の反応性官能基と反応して複素環を形成することが好ましい。なお、この架橋剤としては、特にπ電子欠乏型複素環環化反応を引き起こすものが好ましい。そして、この場合、架橋反応中に、耐酸化性および耐薬品性などに優れたπ電子欠乏型複素環(アゾ―ル、トリアゾール、アジン、ジアジン、トリアジンなど)が形成される。このような、π電子欠乏型複素環を形成する架橋反応としては、例えば、「新編へテロ環化合物 基礎編、応用編、山中ら、講談社サイエンテイフィック 2004」に記載の公知の反応が利用できる。最終的に形成される架橋構造としては、例えば、シアノ基を含有する架橋性PTFEとシアノ基を複数個含有する架橋剤とからトリアジン環化反応を経て形成される架橋構造、シアノ基を含有する架橋性PTFEとヒドラジン基を複数個含有する架橋剤とからトリアゾール環化反応を経て形成される架橋構造、酸ハライド基、カルボキシル基、あるいはアルコキシカルボニル基を含有する架橋性PTFEとグアニジンを複数個含有する架橋剤とからトリアゾール環化反応を経て形成される架橋構造、酸ハライド基、カルボキシル基、あるいはアルコキシカルボニル基を含有する架橋性PTFEとアミドラゾンを複数個含有する架橋剤とから成るトリアゾール環化による架橋構造などが挙げられる。この中でもとりわけ、1,2結合形成による閉環反応を利用した1,3アゾ―ルの環合成反応を架橋反応として利用することが好ましい。また、複素環を架橋点として導入することにより、PTFE架橋体の他材との密着性が向上するという効果もある。
そのような架橋剤としては、下記の一般式(51)で示される架橋性反応基を少なくとも2個含むビスジアミノフェニル系化合物、ビスアミノフェノール系化合物、およびビスアミノチオフェノール系化合物、ならびに一般式(52)で示されるビスアミドラゾン系化合物およびビスアミドキシム系化合物、一般式(53)で示されるビスアミドラゾン系化合物、一般式(54)で示されるビスアミドキシム系化合物より成る群から選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
Figure 2009001748
(式中、R1は、同じかまたは異なり、−NH2、−NHR2、−OHまたは−SHであり、R2は、フッ素原子または1価の有機基である)
Figure 2009001748
Figure 2009001748
(式中、Rf 1は炭素数1〜10のパーフルオロアルキレン基である)
Figure 2009001748
(式中、nは1〜10の整数である)
一般式(51)で示される架橋性反応基を少なくとも2個有する化合物は、架橋性反応基を2〜3個有することが好ましく、より好ましくは2個有するものである。一般式(51)で示される架橋性反応基が2個未満であると、架橋することができない。
一般式(51)で示される架橋性反応基における置換基R2は、水素原子以外の1価の有機基またはフッ素原子である。N−R2結合は、N−H結合よりも耐酸化性が高いため好ましい。
1価の有機基としては、限定されるものではないが、脂肪族炭化水素基、フェニル基またはベンジル基が挙げられる。具体的には、例えば、R2の少なくとも1つが−CH3、−C25、−C37などの炭素数1〜10、特に1〜6の低級アルキル基;−CF3、−C25、−CH2F、−CH2CF3、−CH225などの炭素数1〜10、特に1〜6のフッ素原子含有低級アルキル基;フェニル基;ベンジル基;−C65、−CH265などのフッ素原子で1〜5個の水素原子が置換されたフェニル基またはベンジル基;−C65-n(CF3n、−CH265-n(CF3n(nは1〜5の整数)などの、−CF3で1〜5個の水素原子が置換されたフェニル基またはベンジル基などが挙げられる。
これらのうち、耐熱性が特に優れており、架橋反応性が良好であり、さらに合成が比較的容易である点から、フェニル基、−CH3が好ましい。
また、架橋剤としては、下記の一般式(55)で示される化合物が、合成が容易な点から好ましい。
Figure 2009001748
(式中、R1は上記R1と同じ、R5は、−SO2−、−O−、−CO−、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数1〜10のパーフルオロアルキレン基、単結合手、または、
Figure 2009001748
で示される基である)
炭素数1〜6のアルキレン基の好ましい具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基などを挙げることができ、炭素数1〜10のパーフルオロアルキレン基としては、
Figure 2009001748
などが挙げられる。なお、これらの架橋剤は、特公平2−59177号公報、特開平8−120146号公報などで、ビスジアミノフェニル化合物の例示として知られているものである。
これらの中でもより好ましい架橋剤としては、一般式(56)で示される化合物である。
Figure 2009001748
(式中、R6は、同一であるか又は相違し、いずれも水素原子、炭素数1〜10のアルキル基;フッ素原子を含有する炭素数1〜10のアルキル基;フェニル基;ベンジル基;フッ素原子および/または−CF3で1〜5個の水素原子が置換されたフェニル基またはベンジル基である)
なお、架橋剤としては、上述したような、1,2結合形成による閉環反応を利用した1,3ベンゾアゾ―ルの環合成反応を架橋反応として利用できるものが特に好ましい。ベンゾアゾ―ルおよび芳香環が導入されることにより、PTFEの他材との密着性が向上するからである。
具体例としては、限定的ではないが、例えば、2,2−ビス(3,4−ジアミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−メチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−エチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−プロピルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−フェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−パーフルオロフェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−ベンジルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンなどが挙げられる。これらの中でも、耐熱性が優れており、架橋反応性が特に良好である点から、2,2−ビス(3,4−ジアミノフェニル)ヘキサフルオロプロパンがさらに好ましい。
これらのビスアミドキシム系架橋剤、ビスアミドラゾン系架橋剤、ビスアミノフェノール系架橋剤、ビスアミノチオフェノール系架橋剤、またはビスジアミノフェニル系架橋剤などは、本発明に用いられるPTFEが有するシアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、酸ハライド基と反応し、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環を形成し、PTFE架橋体を与える。
上記説明した架橋剤は、従来の強度、結晶性、および表面特性などを維持しており、かつ、異方性も不均一性もなく、かつ、従来のPTFE樹脂よりも変形しにくいPTFE架橋体を与えるものである。また、本実施の形態では、上述の架橋剤を採用することにより、PTFE架橋体と他材との密着性が向上するという効果もある。
架橋剤の添加量は、PTFE100重量部に対して、0.01〜20重量部であることが好ましく、0.03〜10重量部であることがより好ましい。架橋剤が、0.01重量部未満であると、実用上充分な機械的強度、耐熱性、耐薬品性が得られない傾向があり、20重量部を超えると、架橋に多大な時間がかかる上、PTFE架橋体が脆くなる傾向があるからである。また、架橋剤の添加量を調整することにより、PTFE成形体の物性を変化させることができる。例えば、架橋性PTFEに導入されている反応性官能基の全てと反応し得る量の架橋剤を添加してもよいし、架橋性PTFEに導入されている反応性官能基の全てと反応させることなく未架橋部位を残し他材との密着性改善など、官能基由来の効果を意図した量の架橋剤を添加するようにしてもよい。
なお、かかる場合、PTFE架橋体粉末は、架橋性PTFE組成物から得られる。以下、架橋性PTFE組成物の調製方法について詳述する。
(2)架橋性PTFE組成物の調製方法
架橋性PTFE組成物は、架橋性PTFEと架橋剤とを、密閉式混合機などを用いて混合する等の乾式の混合方法により調製することができる。また、この架橋性PTFE組成物は、架橋剤を水もしくは有機溶媒に溶解もしくは分散させた液に架橋性PTFEを浸漬させる若しくは浸漬した後に溶液を攪拌する、または水もしくは有機溶媒に分散した架橋性PTFEディスパージョン液と架橋剤を混合して攪拌する等の湿式の混合方法により調製することも可能である。なお、湿式の混合手法を採用する場合には、さらに架橋剤と架橋性PTFEの接触性を高めるため、超音波振動を利用することが好ましい。また、重合後、一次粒子を保持したデイスパージョン溶液を攪拌しつつ、NMP、DMF、あるいはDMSOといった極性の高い有機溶媒に溶解させた架橋剤溶液を滴下することにより、架橋密度を向上させることができる。
(3)PTFE架橋体粉末の調製方法
PTFE架橋体粉末は、適宜適切であると思われる条件下で処理されて得られる。例えば、オキサゾール架橋を行なう場合は、架橋性PTFE組成物あるいはPTFE架橋体粉末を空気循環炉に入れ、120〜320℃で1〜300分間保持することによってPTFE架橋体を得ることができる。また、イミダゾール架橋行なう場合は、比較的低い架橋温度(例えば、120〜280℃、好ましくは120〜250℃)で良好な物性をもつPTFE架橋体を得ることができる。なお、加熱温度は一定でなく、段階的に変化させるようにしてもよい。例えば、架橋剤の融点付近の温度で保持して架橋剤を架橋性PTFEに十分含浸させた後に昇温し架橋反応を行わせる手法なども考えられる。また、生成したPTFE架橋体粉末を100℃以上で一定時間保持することにより、内在する未反応の架橋剤や架橋反応時の副生物などの不純物を除去することができる。かかる場合、200℃以上で1時間以上保持することが好ましい。
(4)成形体の調製方法
架橋性PTFE組成物あるいはPTFE架橋体粉末から成形体を得る方法は通常の方法でよく、例えば、圧縮成形法や、ラム押出成形法、ペースト押出成形法などの公知の方法が挙げられる。圧縮成形法により成形体を得る場合は、ホットコイニング法での成形も可能であるが、ホットコイニング法よりも生産性の高いフリーベーキング法での成形も可能である。上記架橋性PTFE組成物あるいはPTFE架橋体粉末を金型に充填し、2〜100MPa、好ましくは10〜70MPaの圧力で圧縮して予備成形体を得た後に、得られた予備成形体を空気循環炉中において融点〜420℃、好ましくは融点〜380℃の温度で10分間〜10日間、好ましくは30分〜5時間焼成すればよい。この際、昇温速度、冷却速度は、任意であってもかまわないが、10〜100℃/hrが好ましく、20〜60℃/hrがより好ましい。また、例えば、300℃までは昇温速度を高くし、300℃以上で昇温速度を低くし、300℃までは冷却速度を低くし、300℃以下で冷却速度を高めるといった段階的な温度調整方法を採用することもできる。
本発明に係る架橋性PTFE組成物を架橋成形することにより、本発明に係るPTFE成形体を得ることができる。本発明に係るPTFE成形体は、従来の強度、結晶性、および表面特性などを維持しており、かつ、異方性も不均一性もなく、かつ、従来のPTFE樹脂よりも変形しにくいものである。また、このPTFE成形体は、耐熱性や耐薬品性にも優れる。
以下に、架橋剤を利用して得られたPTFE架橋体についての検証結果を示す。
<実施例>
(1)架橋性PTFEの製造方法
(合成例8)
内容量6Lの撹拌機付きステンレススチール製反応器に、3560gの脱イオン水、94gのパラフィンワックス及び5.4gのパーフルオロオクタン酸アンモニウム分散剤を入れた。次いで反応器の内容物を70℃まで加熱しながら吸引すると同時にTFE単量体でパージして反応器内の酸素を除いた。その後、0.17gのエタンガスと16.6gのパーフルオロブテン酸(PFBA)とを反応器に加え、内容物を280rpmで攪拌した。反応器中にTFE単量体を0.73MPaの圧力となるまで加えた。20gの脱イオン水に溶解した0.36gの過硫酸アンモニウム(APS)開始剤を反応器に注入し、反応器を0.83MPaの圧力にした。開始剤の注入後に圧力の低下が起こり重合の開始が観測された。TFE単量体を反応器に加えて圧力を保ち、約1.1KgのTFE単量体が反応し終わるまで重合を続けた。その後に、反応器を排気し、内容物を反応器から取り出して冷却した。さらにその後、架橋性PTFE水性分散液から上澄みのパラフィンワックスを取り除いた。
得られた架橋性PTFE水性分散液の固形分濃度は23.7重量%であり、平均一次粒子径は0.22μmであった。なお、この平均一次粒子径は、固形分0.15重量%に調製された架橋性PTFE水性分散液が注入された所定のセルに550nmの光を入射したときの透過率と、透過型電子顕微鏡写真により定方向径を測定して算出した数平均一次粒子径との相関関係を求めた後に、得られた試料について測定した上記の透過率を上記の相関関係に当てはめることにより求めた(検量線法)。
得られた架橋性PTFE水性分散液を脱イオン水で固形分濃度が約15重量%となるように希釈し、高速撹拌条件下で凝固させた。凝固した架橋性PTFE粉末を145℃で18時間乾燥した。このときの架橋性PTFE粉末のPFBA変性量は0.28mol%であった。なお、変性量は、プローブ直径:4.0mm、測定時回転数:13〜15KHz、測定雰囲気:窒素、測定温度:150℃の測定条件を採用した19F−MASNMR(BRUKER社製)測定法により、TFE由来のピークと変性剤由来のピーク(PFBAの場合は−179〜−190ppmのピーク、CBVEおよびCNVEの場合は−77〜−88ppmのピーク)とを検出し、それらのピークの面積比から求めた。
(合成例9)
合成例8におけるPFBAの量を6.6gとした以外は合成例8と同様に重合を行った。
このとき得られた架橋性PTFE水性分散液の固形分濃度は23.8重量%であり、平均一次粒子径は0.20μmであった。また、このときの架橋性PTFE粉末のPFBA変性量は0.14mol%であった。
(合成例10)
合成例8におけるPFBAの量を6.6gとし、エタンの量を3.0mlとした以外は合成例8と同様に重合を行った。
このとき得られた架橋性PTFE水性分散液の固形分濃度は23.7重量%であり、平均一次粒子径は0.23μmであった。また、このときの架橋性PTFE粉末のPFBA変性量は0.12mol%であった。
なお、本合成例では、連鎖移動剤としてのエタンの添加量が合成例8および9のそれよりも少ないため、本合成例で得られるPTFEは合成例8および9で得られるPTFEの分子量よりも大きいものになる。ちなみに、このことはASTM D 4895−89に準拠して作製されたサンプルを用いて水中置換法により測定した標準比重〔SSG〕により確認されている。
(合成例11)
合成例8におけるPFBAの量を1.7gとし、エタンの量を3.0mlとした以外は合成例8と同様に重合を行った。
このとき得られた架橋性PTFE水性分散液の固形分濃度は23.2重量%であり、平均一次粒子径は0.20μmであった。また、このときの架橋性PTFE粉末のPFBA変性量は0.03mol%であった。
(合成例12)
内容量6Lの撹拌機付きステンレススチール製反応器に、3380gの脱イオン水を入れた。次いで反応器の内容物を70℃まで加熱しながら吸引すると同時にTFE単量体でパージして反応器内の酸素を除いた。その後、0.51gのエタンガスと6.6gのPFBAとを反応器に加え、内容物を700rpmで攪拌した。反応器中にTFE単量体を0.73MPaの圧力となるまで加えた。20gの脱イオン水に溶解した0.68gのAPS開始剤を反応器に注入し、反応器を0.83MPaの圧力にした。開始剤の注入後に圧力の低下が起こり重合の開始が観測された。TFE単量体を反応器に加えて圧力を保ち、約0.8KgのTFE単量体が反応し終わるまで重合を続けた。そして、反応器を排気し室温まで冷却した後、得られた架橋性PTFE粉末を脱イオン水で洗浄した上で濾別した。
得られた架橋性PTFE粉末を145℃で18時間乾燥した。このときの架橋性PTFE粉末のPFBA変性量は0.20mol%であった。
(合成例13)
合成例12における6.6gのPFBAを15.2gのCBVEとした以外は合成例12と同様に重合を行った。
このとき得られた架橋性PTFE粉末を145℃で18時間乾燥した。また、このときの架橋性PTFE粉末のCBVE変性量は0.45mol%であった。
(合成例14)
合成例12における6.6gのPFBAを15.2gのCBVEとし、APS開始剤の量を0.07gとし、エタンを用いなかった以外は合成例12と同様に重合を行った。
このとき得られた架橋性PTFE粉末を粗く粉砕した後に145℃で18時間乾燥した。その後、微粉砕機で平均粒径が10〜150μmになるまで粉砕して、成形用の架橋性PTFE粉末を得た。このときの架橋性PTFE粉末のCBVE変性量は0.35mol%であった。
(合成例15)
合成例8における16.6gのPFBAを14.6gのパーフルオロ[3−(1―メチルー2−ビニルオキシーエトキシ)プロピオニトリル](以下、CNVEと略する)とした以外は合成例8と同様に重合を行った。
このとき得られた架橋性PTFE水性分散液の固形分濃度は23.1重量%であり、平均一次粒子径は0.17μmであった。また、このときの架橋性PTFE粉末のCNVE変性量は0.14mol%であった。
(合成例16)
合成例8における16.6gのPFBAを15.7gのパーフルオロ[3−(1―メチルー2−ビニルオキシーエトキシ)プロピオン酸メチル](以下、RVEEと略する)、エタンガスの量0.17gを0.07gとした以外は合成例8と同様に重合を行った。
このとき得られたPTFE水性分散液の固形分濃度は23.5重量%であり、平均一次粒子径は0.18μmであった。また、このときのPTFE粉末のRVEE変性量は0.25mol%であった。
(2)架橋性PTFE組成物、PTFE架橋体粉末、およびPTFE成形体の調製、ならびに物性測定
合成例8で得られた100gの架橋性PTFE粉末と0.12gの2,2−ビス(3,4−ジアミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン(以下、BDHFと略する)とを200gのTHF溶媒中で混合し、室温下でよく攪拌した。THF溶媒を30℃で減圧下7時間静置することにより取り除き、架橋性PTFE組成物を調製した。
得られた架橋性PTFE組成物を空気循環炉に入れ、220℃で2時間加熱処理した後ゆっくり室温まで冷却してPTFE架橋体粉末を得た。
(耐摩耗性の測定)
42gのPTFE架橋体粉末を直径32mmの円筒形の金型に室温で充填した。次に徐々に加圧し19.6MPaで5分間保持した後、金型から取り出して予備成形体を得た。この予備成形体を200℃の空気循環炉に入れ、25℃/時間の昇温速度で380℃まで加熱して1時間焼結した後、60℃/時間の冷却速度で200℃まで冷却して炉内から取り出し室温までゆっくりと冷却した。得られた成形体から、外径25.6mm、内径20.0mm、高さ15.0mmの摺動試験片を削り出した。
オリエンテック(株)社製EFM−III―Fを使用し、相手材はSUS304製を用い、圧力0.4MPa、速度1m/sec、試験時間7時間の条件下で摩擦摩耗試験を行い、摩擦係数および比摩耗量を調べた。結果は表1に示す。
(耐クリープ性の測定)
15gのPTFE架橋体粉末を直径29.0mmの円筒形の金型に室温で充填した。次に徐々に加圧し14.0MPaで2分間保持した後、金型から取り出して予備成形体を得た。この予備成形体を、290℃の空気循環炉に入れ、120℃/時間の昇温速度で380℃まで加熱して30分間焼結した後、60℃/時間の冷却速度で294℃まで冷却し、294℃で24分間保持した後、炉内から取り出して室温までゆっくりと冷却した。得られた成形体から、直径11.0mm、高さ10.0mmの円筒状の圧縮クリープ試験片を削り出した。
そして、得られた試験片の室温(23±2℃)、100℃及び150℃における圧縮クリープをASTM D621−64に準拠して調べた。
室温(23±2℃)下の圧縮クリープ測定では、試験片を圧力13.7MPaで24時間加重した後の変形量を全変形とし次に荷重を開放して24時間経過した後の変形率を永久歪みとした。結果は表5に示す
100℃下での圧縮クリープ測定では、100℃の雰囲気中に2時間放置して予熱した後の試験片を圧力13.7MPaで24時間加重した後の変形量を全変形とし、次に荷重を開放して24時間経過した後の変形率を永久歪みとした。結果は表5に示す。
150℃下での圧縮クリープ測定では、150℃の雰囲気中に2時間放置して予熱した後の試験片を圧力6.9MPaで24時間加重した後の変形量を全変形とし、次に荷重を開放して24時間経過した後の変形率を永久歪みとした。結果は表5に示す。
(引張試験)
12gのPTFE架橋体粉末を直径29.0mmの円筒形の金型に室温で充填した。次に徐々に加圧し14.0MPaで2分間保持した後、金型から取り出して予備成形体を得た。この予備成形体を、290℃の空気循環炉に入れ、120℃/時間の昇温速度で380℃まで加熱して30分間焼結した後、60℃/時間の冷却速度で294℃まで冷却し、294℃で24分間保持した後、炉内から取り出して室温までゆっくりと冷却した。得られたPTFE成形体を厚み0.5mmのフィルム状に切削加工した後、空気循環炉中380℃で5分間アニ−ル処理を行い、60℃/時間の冷却速度で250℃まで冷却し5分間保持した後炉内から取り出し、室温まで冷却した。得られたフィルムからASTM D 4895−94に記載のミクロダンベルを打ち抜き、引張試験片とした。
引張試験は(株)島津製作所社製オートグラフAG−300kNIを用いて、引張速度50mm/分で行い、降伏点強度および弾性率を求めた。結果は表5に示す。
(接着性試験)
PTFE架橋体粉末を圧縮成形してシート状にした後、そのシート状の成形体を2枚のアルミ箔にはさみ、350℃に設定したプレス機にセットし、3MPaで10分間加圧した。得られた積層体を幅1cmに切断し、T字剥離試験を行った。結果は表5に示す。
実施例11におけるBDHFの量を0.24gとして架橋性PTFE組成物を調製した以外は実施例11と同様にPTFE架橋体粉末を調製し、試験を行った。結果は表5に示す。
実施例11におけるBDHFの量を0.48gとして架橋性PTFE組成物を調製した以外は実施例11と同様にPTFE架橋体粉末を調製し、試験を行った。結果は表5に示す。
実施例11におけるPTFE粉末を合成例9で得られたものに代えた以外は実施例11と同様にPTFE架橋体粉末を調製し、試験を行った。結果は表6に示す。
実施例11におけるPTFE粉末を合成例9で得られたものに代え、さらにBDHFの量を0.24gとして架橋性PTFE組成物を調製した以外は実施例11と同様にPTFE架橋体粉末を調製し、試験を行った。結果は表6に示す。
実施例11におけるPTFE粉末を合成例9で得られたものに代え、さらにBDHFの量を0.48gとして架橋性PTFE組成物を調製した以外は実施例11と同様にPTFE架橋体粉末を調製し、試験を行った。結果は表6に示す。
実施例11におけるPTFE粉末を合成例10で得られたものに代え、さらにBDHFの量を0.24gとして架橋性PTFE組成物を調製した以外は実施例11と同様にPTFE架橋体粉末を調製し、試験を行った。結果は表7に示す。
実施例11におけるPTFE粉末を合成例11で得られたものに代え、さらにBDHFの量を0.24gとして架橋性PTFE組成物を調製した以外は実施例11と同様にPTFE架橋体粉末を調製し、試験を行った。結果は表7に示す。
(3)架橋性PTFEと架橋性PTFE組成物と混合成形体の調製および物性測定
ダイキン工業社製PTFE粉末(F−104)100重量部に対し、実施例12で得られたPTFE架橋体粉末4.7重量部を加え、ロッキングミキサーにより十分に混合させた後、実施例11と同様に各測定用の試験片を作製し、試験を行った。結果は表8に示す。
ダイキン工業社製PTFE粉末(F−104)100重量部に対し、実施例12で得られたPTFE架橋体粉末25.0重量部を加え、ロッキングミキサーにより十分に混合させた後、実施例11と同様に各測定用の試験片を作製し、試験を行った。結果は表8に示す。
ダイキン工業社製PTFE粉末(F−104)100重量部に対し、実施例12で得られたPTFE架橋体粉末42.9重量部を加え、ロッキングミキサーにより十分に混合させた後、実施例11と同様に各測定用の試験片を作製し、試験を行った。結果は表8に示す。
(比較例5)
実施例11におけるPTFE架橋体粉末をダイキン工業社製PTFE粉末(F−104)に代えた以外は実施例11と同様に各測定用の試験片を作製し、試験を行った。結果は表9に示す。
(比較例6)
実施例11におけるPTFE架橋体粉末をダイキン工業社製PTFE粉末(F−104)に代え、実施例11と同様に各測定用の試験片を作製した後、その試験片に真空下で100kGyのガンマ線を照射した。その後、実施例11と同様に試験を行った。結果は表9に示す。
(比較例7)
実施例11におけるPTFE架橋体粉末をダイキン工業社製PTFE粉末(F−104)に代え、実施例11と同様に各測定用の試験片を作製した後、その試験片に真空下で1000kGyのガンマ線を照射した。その後、実施例11と同様に試験を行った。結果は表9に示す。
実施例13で得られたPTFE架橋体粉末210gを直径50mmの金型に充填し、成形圧力が29.4MPaになるまで徐々に圧力を加え、さらに5分間その圧力を保持し予備成形体を作製した。得られた予備成形体を金型から取り出して電気炉に入れ、50℃/hrの昇温速度で室温から300℃まで昇温し、続いて25℃/hrの昇温速度で340℃まで昇温した。340℃で5時間保持した後、25℃/hrの降温速度で300℃まで冷却し、続いて50℃/hrの降温速度で冷却した。得られた成形体から実施例11と同様に各測定用の試験片を作製し、試験を行った。結果は表10に示す。
ダイキン工業社製PTFE粉末(M−111)100重量部に対し、実施例13で得られたPTFE架橋体粉末100重量部を加え、カッターミキサー(愛工舎製作所社製 K−55型)を用いて3000回転/分で1分間十分に混合した。得られた混合粉末210gを直径50mmの金型に充填し、成形圧力が29.4MPaになるまで徐々に圧力を加え、さらに5分間その圧力を保持し予備成形体を作製した。得られた予備成形体を金型から取り出して電気炉に入れ、50℃/hrの昇温速度で室温から300℃まで昇温し、続いて25℃/hrの昇温速度で365℃まで昇温した。365℃で5時間保持した後、25℃/hrの降温速度で300℃まで冷却し、続いて50℃/hrの降温速度で冷却した。得られた成形体から実施例11と同様に各測定用の試験片を作製し、試験を行った。結果は表10に示す。
ダイキン工業社製PTFE粉末(M−111)100重量部に対し、実施例13で得られたPTFE架橋体粉末400重量部を加えたこと以外は実施例13と同様に行った。得られた成形体から実施例11と同様に各測定用の試験片を作製し、試験を行った。結果は表10に示す。
実施例11におけるPTFE粉末を合成例12で得られたものに代え、さらにBDHFの量を0.35gとして架橋性PTFE組成物を調製した以外は実施例11と同様にPTFE架橋体粉末を調製した。
実施例11におけるPTFE粉末を合成例13で得られたものに代え、さらにBDHFの量を0.80gとして架橋性PTFE組成物を調製した以外は実施例11と同様にPTFE架橋体粉末を調製した。
実施例11におけるPTFE粉末を合成例14で得られたものに代え、さらにBDHFの量を0.62gとして架橋性PTFE組成物を調製した後、実施例11と同様にPTFE架橋体粉末を調製した。
(比較例8)
ダイキン工業社製PTFE粉末(M−111)210gを直径50mmの金型に充填し、成形圧力が29.4MPaになるまで徐々に圧力を加え、さらに5分間その圧力を保持し予備成形体を作製した。得られた予備成形体を金型から取り出して電気炉に入れ、50℃/hrの昇温速度で室温から365℃まで昇温した。そして、365℃で5時間保持した後、50℃/hrの降温速度で冷却した。得られた成形体から実施例11と同様に各測定用の試験片を作製し、試験を行った。結果は表10に示す。
実施例13で得られた架橋性PTFE組成物500gをカッターミキサー(愛工舎製作所社製K−55型)を用いて3000回転/分の回転速度で1分間十分に粉砕した後、目開き300ミクロンのメッシュを用いて篩い、篩上に残った粉末を除去して架橋性PTFE組成物を調製した。
そして、得られた架橋性PTFE組成物210gを直径50mmの金型に充填し、成形圧力が29.4MPaになるまで徐々に圧力を加え、さらに5分間その圧力を保持し予備成形体を作製した。その後、得られた予備成形体を金型から取り出して電気炉に入れ、50℃/hrの昇温速度で室温から220℃まで昇温した。次いで、220℃で2時間保持した後、50℃/hrの昇温速度で300℃まで昇温し、続いて、25℃/hrの昇温速度で365℃まで昇温した。そして、365℃で5時間保持した後、25℃/hrの降温速度で300℃まで冷却し、引き続いて50℃/hrの降温速度で冷却した。得られた成形体から実施例11と同様に各測定用の試験片を作製し、試験を行った。結果は表11に示す。
実施例18における成形圧力を49.0MPaとした以外は実施例18と同様に予備成形体を作製し、試験を行った。結果は表11に示す。
実施例11におけるPTFE粉末を合成例15で得られたものに代え、さらにBDHFの量を0.25gとして架橋性PTFE組成物を調製した後、実施例11と同様にPTFE架橋体粉末を調製した。
実施例11におけるPTFE粉末を合成例16で得られたものに代え、さらにBDHFの量を0.44gとして架橋性PTFE組成物を調製した後、実施例11と同様にPTFE架橋体粉末を調製した。
実施例11における0.12gのBDHFを0.72gの6,6−ジアニリノー3,3−[2,2,2−トリフルオロー1−(トリフルオロメチル)エチリデン]ジアニリンとして架橋性PTFE組成物を調製した以外は実施例11と同様にPTFE架橋体粉末を調製した。
実施例11における0.12gのBDHFを0.50gの2,2−ビス(3−アミノー4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンとして架橋性PTFE組成物を調製した以外は実施例11と同様にPTFE架橋体粉末を調製した。
実施例11における0.12gのBDHFを0.30gの3,3´−ジアミノベンジジンとして架橋性PTFE組成物を調製した以外は実施例11と同様にPTFE架橋体粉末を調製した。
実施例11における0.12gのBDHFを0.26gの2,3,6,7―テトラアミノナフタレンして架橋性PTFE組成物を調製した以外は実施例11と同様にPTFE架橋体粉末を調製した。
Figure 2009001748
Figure 2009001748
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Figure 2009001748
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Figure 2009001748
表5〜9から明らかなように、PTFE成形体は、従来の表面特性を維持している。また、PTFE成形体は、従来のPTFE樹脂と比べると、引張弾性率やクリープ特性が向上しており、変形しにくくなっていることが窺える。
なお、表9には電離性放射線で架橋処理されたポリテトラフルオロエチレンの諸物性も併せて記載されているが(比較例6および7参照)、電離性放射線による架橋処理方法は、高価な専用装置が必要であるという問題、大面積や粉末を均一に架橋することができないという問題、また、架橋処理される部分が表面に偏るという問題を抱えており、必ずしも好ましい架橋処理方法であるとは言えない。
また、表10および表11から明らかなように、PTFE架橋体粉末は、未改質のPTFEの改質剤として有効に作用することが窺える。
(B)
先の実施の形態では、本発明がウェハキャリア1に適用されたが、本発明は、図2に示されるような一体成形角槽2や、図3に示されるようなオーバーフロー槽3、図4に示されるような溶接角槽4、図5に示されるような硝子基板キャリア5、その他プロセス装置のシール材、配管材、配管材の部品、継ぎ手、継ぎ手の部品、パッキン、バルブ、コック、コネクタ、ナット、ウェハボックス、ビーカー、フィルターハウジング、流量計、ポンプなどに適用されてもよい。なお、配管材等はチューブ状、ホース状のものが好ましい。
なお、これらの半導体等製造用物品がPTFE架橋体により形成されると、このような半導体等製造用物品は、高温(一般的に摂氏150度以上)において優れた耐荷重変形性を示し、しかもフッ素樹脂本来の良好な耐薬品性等の特性を保持する。
本発明に係る半導体等製造用物品は、高価な装置や生産性の悪いホットコイニング法などを必要とすることなく圧縮成形などの通常の成形方法により製造可能であり、かつ、製造中に有毒な物質を生じず、かつ、従来の強度、結晶性、および表面特性などを維持しており、かつ、異方性も不均一性もなく、かつ、従来の半導体等製造用物品よりも変形しにくいという特徴を有し、その他、耐クリープ性や耐薬品性が必要とされる技術分野に応用することができる。
本発明の実施の形態に係るウェハキャリアの外観斜視図である。 変形例(B)に係る一体成形角槽の外観斜視図である。 変形例(B)に係るオーバーフロー槽の外観斜視図である。 変形例(B)に係る溶接角槽の外観斜視図である。 変形例(B)に係る硝子基板キャリアの外観斜視図である。
符号の説明
1 ウェハキャリア(半導体等製造用物品)
2 一体成形角槽(半導体等製造用物品)
3 オーバーフロー槽(半導体等製造用物品)
4 溶接角槽(半導体等製造用物品)
5 硝子基板キャリア(半導体等製造用物品)

Claims (1)

  1. シアノ基(−CN)、一般式(1)で表される第1官能基:
    Figure 2009001748
    (R1およびR2は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、−OR3,−N(R32,−R3であり、R3は炭素数1〜10のフッ素を含んでもよいアルキル基または水素原子である)、および一般式(2)で表される第2官能基:
    Figure 2009001748
    (R1は水素原子、ハロゲン原子、−OR3,−N(R32,−R3であり、R3は炭素数1〜10のフッ素を含んでもよいアルキル基または水素原子である)より成る群から選択される少なくとも1種の反応性官能基を有する架橋性ポリテトラフルオロエチレンを架橋反応させて得られるポリテトラフルオロエチレン架橋体から成る、半導体等製造用物品(1,2,3,4,5)。
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