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JP2008531546A - エナンチオマー性インダニルアミン誘導体の合成のための改良されたプロセス - Google Patents

エナンチオマー性インダニルアミン誘導体の合成のための改良されたプロセス Download PDF

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JP2008531546A
JP2008531546A JP2007556689A JP2007556689A JP2008531546A JP 2008531546 A JP2008531546 A JP 2008531546A JP 2007556689 A JP2007556689 A JP 2007556689A JP 2007556689 A JP2007556689 A JP 2007556689A JP 2008531546 A JP2008531546 A JP 2008531546A
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リー・テレンス・ボルトン
イアン・キャンベル・レノン
エリーザー・バハー
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テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド
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Abstract

(R)−プロピニルアミノインダン又は(S)−プロピニルアミノインダンの製造方法を提供する。キラルなプロピニルアミノインダンはアルコキシ及びアルキルカルバメート誘導体を含む。光学活性触媒の存在下、転移水素化又は加圧水素化により1−インダノンを還元する。(S)−又は(R)−のキラルな生成物であるインダノールは、求核置換反応を受けてエナンチオマー性インダニルアミン誘導体となる。他の態様では、本発明は、新規な誘導体及び化合物、すなわち、置換インダノン、置換(S)−インダノール、及び、置換(R)−インダノールに関する。

Description

本願は2006年2月20日に、イスラエル国の法人であるテバ・ファーマシューティカル・インダストリーズの名義で出願されたPCT出願であり、米国以外では同社が出願人であり、米国では、英国市民であるリー・テレンス・ボルトン、イアン・キャンベル・レノン、並びに、イスラエル市民であるエリーザー・バハーが出願人である。本願は2005年2月22日に出願された米国特許出願第60/656362号に基づく優先権を有する。
本発明はインダニルアミン誘導体の製造方法に関する。
米国特許第5532415号はR(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダン(R(+)PAI)、その製造方法、及び、その薬学的に許容可能な様々な塩を開示する。R(+)PAI及びその塩はMAO−Bの選択的阻害剤であることが示されており、パーキンソン病及び他の様々な状態の治療に有用である。
また、WO98/27055では、下記式I
(式中、
bは1又は2であり;mは0〜3であり;YはO又はSであり;Xはハロゲンであり;Rは水素又はC1−4アルキルであり;Rは水素、C1−4アルキル又は置換されてもよいプロパルギルであり;R及びRは、それぞれ独立して、水素、C1−8アルキル、C6−12アリール、及び、C6−12アラルキルであり、それぞれハロゲンで置換されてもよい)のようなインダニルアミン及びアミノテトラリン誘導体の化合物が、うつ病、注意欠陥性障害(ADD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、トウレット症候群、アルツハイマー病及び他の認知(痴呆)症の治療に有用であるとされている。記載されているインダニルアミン誘導体は動物モデルにおいて神経系疾患に生物学的効果を有することが示されている。
前記PCT出願に記載されたある化合物は(R)−6−(N−メチル,N−エチル−カルバモイルオキシ)−N’−プロパルギル−1−アミノインダンであり、これは、(3R)−3−(プロプ−2−イニルアミノ)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル エチルメチルマルバメートでもある。この塩も開示されており、1/2酒石酸塩も記載されている。この塩には、一般に開放された名称として、酒石酸ラドスチジル(ladostigil tartrate)という名前が与えられており、そのCAS登録番号は209394−46−7である。
WO98/27055は、上記式Iのインダニルアミン及びアミノテトラリン誘導体の調製方法も開示しており、それは、例えば出発物質として3−アミノインダン−5−オール又は6−メトキシインダン−1−イルアミンを使用する。これらの出発物質の調製方法も記載されている。6−メトキシインダン−1−イルアミンは、6−メトキシインダン−1−オンを6−メトキシインダン−1−オンのオキシムに変換し、6−メトキシインダン−1−イルアミンに還元することによって調製される。或いは、6−メトキシ−1−アミノインダンは6−メトキシインダン−1−オンの還元的アミノ化(NaCNBH及びNHOAc)によって6−メトキシインダン−1−イルアミンとすることによっても調製できる。3−アミノインダン−5−オールはN保護3−アミノインダンのフリーデルクラフツ−アシル化と、その後のバイヤーヴィリガー酸化、そして、加水分解によって調製することができる。
なお、シリカ担持Ru-TsDPEN触媒を使用する転移水素化による1−インダノンの小規模な不整還元がLiu et al., Org. Lett., Vol. 6, 2004(Efficient Heterogeneous Asymmetric Transfer Hydrogenation of Ketones Using Highly Recyclable and Accessible Silica-immobilized Ru-TsDPEN Catalysts)に記載されている。

米国特許第5532415号明細書 WO98/27055 Liu et al., Org. Lett., Vol. 6, 2004(Efficient Heterogeneous Asymmetric Transfer Hydrogenation of Ketones Using Highly Recyclable and Accessible Silica-immobilized Ru-TsDPEN Catalysts)
3−アミノインダン−5−オール及び6−メトキシインダン−1−イルアミン等の出発物質のこれらの調製方法は収率が低い。したがって、アミノインダン誘導体、特に式Iの化合物、を調製するための中間体として、インダニルアミン及びアミノテトラリン誘導体を高い収率で製造する、工業的生産に好適で、信頼できるプロセスへのニーズが存在する。
また、エナンチオマーが豊富化されたインダニルアミン誘導体を製造する効率的な方法へのニーズも存在する。上述の先行技術はエナンチオマー精製について十分に有効な方法を開示していない。出発物質又は最終生成物がジアステレオマー塩として生成したとき、上述の先行技術の方法における光学分割方法では、不要なエナンチオマーは「廃棄」されており、そのために、収率が低下している。上述の先行技術に記載の別法では、キラルなクロマトグラフィーカラムを使用して光学分割を行っているが、これは大規模な合成には不向きである。
本発明は下記式:
{式中、
はH、−OR又は式:
(式中、
はC−Cアルキルであり、
はH又はC−Cアルキルである)である}の化合物の製造方法に関する。
本発明の製造方法のある態様の最初の工程では、1−インダノンが光学活性触媒及び水素供与体の存在下で転移水素化又は加圧水素化によって還元されて好ましくは(S)−インダノールとなる。前記光学活性触媒はRu等の遷移金属、並びに、1以上の光学活性な配位子を含む。次の工程では、−OHを脱離基に変換して、(S)−インダノールの−OH置換ベンジル位の炭素を活性化し、次に、プロパルギルアミン等の求核剤と反応させて式Vのアミノインダン誘導体を得る。
また、本発明は、下記式:
(式中、
、R、及び、Rは上記のとおりである)の化合物の製造方法にも関する。
本発明の製造方法の他の態様の最初の工程では、1−インダノンが光学活性触媒及び水素供与体の存在下で転移水素化又は加圧水素化によって還元されて好ましくは(R)−インダノールとなる。前記光学活性触媒はRu等の遷移金属、並びに、1以上の光学活性な配位子を含む。次の工程では、−OHを脱離基に変換して、(R)−インダノールの−OH置換ベンジル位の炭素を活性化し、次に、プロパルギルアミン等の求核剤と反応させて式VIIの(S)−アミノインダン誘導体を得る。
更に他の態様では、本発明は新規な中間体、すなわち置換インダノン、置換(S)−インダノール及び置換(R)−インダノールにも関する。これらの改良された製造方法及び新規な中間体は既述したような中枢神経系疾患の治療に有用な、治療的に活性な化合物の調製に有用である。
本発明の製造方法は、容易に入手可能な前キラル出発物質からキラルなインダニルアミン誘導体を製造する。本発明の製造方法は僅かな工程しか必要とせず、大規模に工業的に適用可能である。本発明の製造方法の1つの利点は、ジアステレオマー塩の形成により出発物質を「廃棄」する必要がない点である。更に、クロマトグラフィー分離に必要な大量の溶媒を必要としない。本発明の製造方法により製造される化合物は医薬として、又は、例えば上記式Iに示される様々な医薬の調製用の出発物質若しくは中間体として好適に使用できる。
本発明の様々な態様において、ハロゲンとはフッ素、塩素、臭素又はヨウ素を含む。したがって、ハロゲン化物はフッ素、塩素、臭素又はヨウ素等のハロゲン基を含む。アルキル、アルコキシ等は直鎖及び分岐を有する基の両方を含むが、「プロピル」等の個々の基は直鎖基のみを意図しており、「イソプロピル」等の分岐鎖の異性体は具体的に示される。
「アルキル」は直鎖アルキル、分岐アルキル及びシクロアルキルを含む。更に、アルキル基はアルコキシ、ハロゲン等の置換基で置換されてもよい。幾つかの態様ではアルキルはC1−10アルキル基であり、他の態様ではアルキルはC1−4アルキル基である。例えば、アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル等のC1−4アルキル基;メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、3−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等のC1−10アルキル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロオクチル、式:
等の二環式又は多環式置換基等のC3−12シクロアルキル基を含む。
「アルコキシ」は−O−アルキルを含み、ここでアルキルとは上記のとおりである。アルコキシの例は、これらに限定されるものではないが、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、n-ブトキシ、n-ペントキシ、ヘキシルオキシ及びヘプチルオキシである。
「アシル」は−C(=O)Rを含み、例えば、−C(=O)H、−C(=O)アルキル、及び、−C(=O)ハロゲンであり、ここでアルキルとは上記のとおりである。−C(=O)アルキルの例は、これらに限定されるものではないが、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、4−メチルペンタノイル、ヘキサノイル及びヘプタノイルである。
「アリール」は、フェニル基、又は、オルト位で縮合した二環式炭素環基であって約9〜20の環原子を有し少なくとも1つの環は芳香環である基を含む。アリール(Ar)は1〜5の置換基を有するフェニル基等の置換アリール基を含むことができ、ここで置換基とは例えばアルキル、アルコキシ、ハロゲン等の基である。幾つかの態様では、アリールは置換又は非置換のC6−18アリールである。アリールの例は、これらに限定されるものではないが、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、フルオレニル、テトラヒドロナフチル及びインダニルである。
「アルキルアリール」は、アルキル−アリールを含み、ここでアルキル及びアリールとは上記のとおりである。アルキルアリールの例は、これらに限定されるものではないが、ベンジル、2−フェネチル及びナフチレンメチルである。
様々な炭化水素含有部位又は基の炭素原子含量は当該部位の添え字によって表され、その添え字は炭素原子の下限数及び上限数を指定する。すなわち、Ci−jの添え字は、整数i以上から整数j以下の炭素原子を有する部位又は基を表す。したがって、例えば、(C−C10)アルキル又はC10アルキルとは、1以上10以下の炭素原子を有するアルキル基を意味しており、(C−C)アルキル又はC1−4アルキルとは、1以上4以下の炭素原子を有するアルキル基を意味する。
本明細書における化合物は一般にIUPAC命名法によって名付けられる。当業者には周知であるが、短縮形(例えば、「Ph」はフェニル、「Me」はメチル、「Et」はエチル、「h」は時間、「g」又は「gm」はグラム、「mL」はミリリットル、「rt」は室温(room temperature))が使用されうる。
本明細書中の実施態様の記載において、例えば、組成物中の成分量、濃度、体積、処理温度、処理時間、収量、流速、圧力、類似の値及びその範囲を若干変更する「約」とは、発生しうる数量の変動を意味しており、それは、例えば、化合物、組成物、濃縮物又は使用処方の生成に使用される典型的な測定及び取り扱い手順によって;これらの手順における不可避の誤りによって;前記手順を実行するために使用される出発物質又は成分の製造、供給源又は純度の差異によって;並びに、同様の事情によって発生しうる。「約」の用語は、特定の初期の濃縮物又は混合物の組成の老化によって変動する量、並びに、特定の初期の濃縮物又は混合物の組成物を混合し、処理することによって変動する量を包含しうる。特許請求の範囲に記載の量に「約」の用語が付くと、特許請求の範囲は、その量の均等の範囲を含みうる。
本明細書(原文)における「a」又は「an」の不定冠詞及び「the」の定冠詞は、特に断らない限り、少なくとも1つの、或いは、1つ以上の、の意味を有する。
生成物のエナンチオ純度(enantiopurity)は、過剰エナンチオマー%(% e.e.)の形式で表現でき、これは下記のように計算される。ここで、「maj」とは量の多い(メジャーな)エナンチオマーの相対量であり、「min」とは量の少ない(マイナーな)エナンチオマーの相対量である。
基、置換基及び範囲に関して下記に示される具体量及び好ましい量は、説明のためのみであり、他の値、又は、基及び置換基の定義された範囲内の他の値を排除するものではない。本明細書に記載の化合物は式IIから式Vの化合物、並びに、ここに記載された値、具体的な値、より具体的な値、及び、好ましい値の如何なる組み合わせを有する類似の化合物をも包含する。
本発明の1つの方法がスキームとして以下に表される。本発明の製造方法は幾つかのステップに分割することができる。すなわち、(1)光学活性触媒の存在下での1−インダノン又はその誘導体の水素添加により、対応する(S)−インダノールを得て、(2)当該インダノールのヒドロキシル部位を誘導化して適当な脱離基とし、(3)これにより、プロピルガリルアミンによるベンジル位炭素でのSN2置換が容易となる。
他の態様では、本発明の製造方法は、(R)−インダノール中間体(VI)、及び、下記式VIIで表される誘導体を含む(S)−インダニルアミン誘導体を製造する。
式IIから式VIIにかけて、RはH、−OR又は式:
(式中、
はC−Cアルキルであり、RはH又はC−Cアルキルである)であり、Rはスルホン酸エステル又はハロゲン化物である。ある態様では、RはHである。他の態様では、Rは−O(C=O)NR(式中、Rはメチルであり、Rはエチルである)である。更に他の態様では、R及びRはメチルである。
本発明の改良された方法の最初の段階は、適当な溶媒中、光学活性触媒及び水素供与体の存在下でインダノンを還元することに関する。幾つかの態様では、インダノンは式IIの化合物で、R、R及びRは上記のとおりである。
ある態様では、インダノンは転移水素化によって還元される。本発明において、転移水素化とは、二重結合、例えば、炭素−酸素間の二重結合を、有機分子、水素ガス以外の水素供与体、及び、触媒の存在下で、水素化する方法である。反応体は、有機非プロトン性溶媒等の適当な溶媒中で組み合わされる。光学活性触媒は転移水素化反応におけるエナンチオマー選択性を達成するために使用される。エナンチオマー選択性の性質は使用される光学活性触媒によって影響される。表1を参照のこと。ある態様では、水素供与体及びトリエチルアミン等の有機塩基を含む共沸混合物の存在下で水素化が行われる。ある態様では、転移水素化は蟻酸−トリエチルアミン共沸混合物の存在下で行われる。
水素供与体は水素を被還元分子に供与することによって二重結合を還元する作用を有する分子である。転移水素化方法での使用に好適な水素供与体は有機酸及びその塩を含む。転移水素化での使用に好適な水素供与体は、これらに限定されるものではないが、蟻酸、蟻酸アンモニウム、イソプロパノール、シクロヘキセン、及び、1,3−シクロヘキサジエンを含む。
本発明では、有機非プロトン性溶媒とはプロトン供与体又は受容体として作用しない有機溶媒である。非プロトン性溶媒の例には、これらに限定されるものではないが、アセトニトリル、ジクロロメタン、トルエン及びアルキルエーテルを含む。ある態様では、有機非プロトン性溶媒はジクロロメタンである。
他の態様では、インダノンは加圧水素化によって還元される。加圧水素化とは、二重結合、例えば、炭素−酸素間の二重結合を、水素供与体としての水素ガス、及び、触媒の存在下で、水素化する方法である。光学活性触媒が加圧水素化反応におけるエナンチオマー選択性を達成するために使用される。
この反応は、0.1〜15バール(10〜1500kPa)の圧力、10〜80℃の温度範囲下の水素ガス下で1〜24時間の時間内で行われる。ある態様では、約8〜12バール(800〜1200kPa)の圧力の水素ガス下で行われる。幾つかの態様では、反応温度は約30〜40℃の範囲内に維持される。ある態様では、約10バール(1000kPa)の水素ガス下、約40℃の温度で、約18時間反応が行われる。
触媒転移水素化及び触媒加圧水素化の有利な点は少量の触媒を必要とすることである。触媒の有効量は、出発物質であるインダノン(モル)に対する触媒(モル)の量比で1:100〜1:1000でありうる。ある態様では、光学活性触媒の量は、出発物質のインダノンに対して約1:100〜約1:250モル/モルである。
本発明では、光学活性触媒は転移水素化又は加圧水素化のいずれかで共に使用される。光学活性触媒とは、アキラル中心、例えば炭素−酸素二重結合をキラル中心に変換する触媒であり、適切な反応条件では、生成物は単一のエナンチオマーか、又は、一方のエナンチオマーが過剰のエナンチオマー混合物である。幾つかの適切な光学活性配位子及び触媒の構造及び名称が図1及び図2に示されている。光学活性触媒は、一般に、1つ以上のキラルな配位子と複合化された遷移金属を含む。適切な遷移金属の例は、Ru、Rh及びIrである。ある態様では、光学活性触媒はRuを含む。
本発明で「触媒」とは、プレ触媒をも含む。プレ触媒とは、反応混合物に添加される前の安定な形態では活性な触媒ではないが、特定の条件下で、反応混合物中で活性な触媒となる分子又は複合体である。
本発明の方法に好適に使用される光学活性触媒又はプレ触媒は、これらに限定されるものではないが、[(R)-HexaPHEMP RuCl2 (R,R)-DACH]、[(R)-HexaPHEMP RuCl2 (R,R)-DPEN]、[(R)-PhanePhos RuCl2 (S,S)-DACH]、[(S)-PhanePhos RuCl2-(R,R)-DPEN]、[(S)-MeO-Xylyl-PhanePhos RuCl2 (R,R)-DPEN]、[(R)-MeO-Xylyl-PhanePhos RuCl2 (S,S)-DACH]、[(S)-SynPhos RuCl2 (S,S)-DPEN]、[(S)-Xylyl-BINAP RuCl2 (S,S)-DPEN]、[(S)-F-Phenyl-PhanePhos RuCl2 (R,R)-DPEN]、[(S)-MeO-Phenyl-PhanePhos RuCl2 (R,R)-DPEN]、[(S)-MeO-Phenyl-PhanePhos RuCl2 (R,R)-DACH]、[(R,R)-Me-DuPhos RuCl2 (R,R)-DPEN]、[(R)-BINAP RuCl2 (R)-DAIPEN]、[(R,R)-Et-DuPhos RuCl2 (R,R)-DACH]、[R,R-TsDPEN (Ru) (p-cymene)Cl]及び[S,S-TsDPEN (Ru)(p-cymene)Cl]を含む。ある態様では、本発明の方法は、S,S-TsDPEN(Ru)(p-cymene)Clを光学活性触媒として含む。
第2段階では、(S)-又は(R)-インダノールは−OH置換ベンジル炭素において求核置換のために活性化される。ある態様では、ヒドロキシル部位は求核置換に好適な脱離基に誘導化される。ある態様では、求核置換はS2反応である。第2段階は適当な溶媒中での、文献(Michael B. Smith及びJerry MarchのMarch’s Advanced Organic Chemistry第5版、第10章を参照)に記載された求核置換方法に基づく。ある態様では、求核剤はプロパルギルアミンである。
本発明では、脱離基は、電子吸引性を有し、結合電子を引き抜いて安定種となる原子(又は原子団)である。ある態様では、脱離基は、置換ベンジル位の炭素とプロパルギルアミンとの間のS2反応を容易とする。適当な脱離基の例は、これらに限定されるものではないが、スルホン酸エステル及びハロゲン化物を含む。ある態様では、脱離基はメタンスルホン酸エステルである。
本発明の方法は、生成物を薬学的に許容可能な塩に変換する工程を更に含んでよい。本発明の実施態様では、薬学的に許容可能な塩は、これらに限定されるものではないが、メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、塩酸塩、臭酸塩、エシレート、p−トルエンスルホン酸塩、安息香酸塩、酢酸塩、リン酸塩、及び、硫酸塩を含む。本発明は、付加的に、薬学的に許容可能な塩としての生成物を含む。
適当な出発物質のインダノン及び他の原料は市販されている。本発明の方法で使用される置換された出発物質を形成するための、6−ヒドロキシ−1−インダノン等のインダノン出発物質の誘導体化について以下に記載する。
[実施例1] ジメチルカルバミン酸 3−オキソインダン−5−イル エステル
6−ヒドロキシ−1−インダノン(10.290g、69.4mmol)及び炭酸カリウム(12.48g、90.3mmol)のDMF(50mL)懸濁液に、撹拌しつつ、0℃(外)でジメチルカルバミルクロライド(7.7mL、83.3mmol)を30分かけて滴下した。滴下完了1時間後に、冷浴を除去し、反応物を2時間かけて室温までゆっくりと温めた。反応混合物をメチルtert−ブチルエーテル(50mL)及び水(100mL)で希釈し、得られた固体を濾過して収集し、水(50mL)、そしてメチルtert−ブチルエーテル(50mL)で洗浄した。収集した物質は真空下で一晩乾燥された。この粗生成物をメチルtert−ブチルエーテル(50mL)の溶媒スラリーで精製し、濾過後に、更にメチルtert−ブチルエーテル(20mL)で洗浄し、乾燥して上記タイトル名の化合物(16)を得た(14.877g、98%)。
[実施例2] ジメチルカルバミン酸 3−ヒドロキシインダン−5−イル エステル
実施例2a − 転移水素化
ジメチルカルバミン酸 3−オキソインダン−5−イル エステル(5.00g、22.8mmol)、(R,R)−TsDPEN Ru(p−cymene)Cl(58mg、0.1mmol)及びトリエチルアミン(15.9mL、114.0mmol)のジクロロメタン(21mL)溶液に、撹拌しつつ、35℃(外)で、蟻酸(4.3mL、114.0mmol)を50分かけて滴下した。20時間後、追加の(R,R)−TsDPEN Ru(p−cymene)Cl(58mg、0.1mmol)、蟻酸(0.9mL、22.8mmol)及びトリエチルアミン(3.2mL、22.8mmol)を反応物に添加し、19時間加熱した。反応物を冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150mL)に注いで、ジクロロメタン(150mL+100mL)で抽出した。この有機物を乾燥(MgSO)し、濾過して減圧下で濃縮して上記タイトル名の化合物のR−エナンチオマー(5.114g、quant.)を得た。この物質のキラルLCによる分析は98%e.e.である。
実施例2b − 加圧水素化
[(R,R)−Me−DuPhos RuCl(R,R)−DPEN](1.7mg、0.002mmol)及びジメチルカルバミン酸 3−オキソインダン−5−イル エステル(110mg、0.5mmol)をアルゴノートエンデバー(Argonaut Endeavor)加圧容器中のガラスライナー内に配置し、容器を組み立てた。容器を窒素で10バールに加圧し、次に、圧力を開放した。これを更に2回繰り返した。次に、カリウムtert−ブトキシド溶液[3ml(市販の1.0Mのカリウムtert−ブトキシドのtert−ブタノール溶液0.25mlを無水・脱気済み2−プロパノールで30mlとした)、0.025mmol]を容器に添加した。容器を窒素で10バールに加圧し、次に、圧力を開放した。これを更に1回繰り返した。撹拌しつつ容器を40℃(内)に加熱し、水素で10バールに加圧した。18時間後、容器を室温に冷却し、脱気して、反応溶液を減圧下で濃縮して上記タイトル名の化合物のR−エナンチオマーを得た。この物質のキラルLCによる分析は73%e.e.である。
同様の作業を下記表1に挙げられたプレ触媒を用いて実施した。転換率及びエナンチオマー過剰率が各例について表中に記載されている。
比較例2c − ラセミ体
ジメチルカルバミン酸 3−オキソインダン−5−イル エステル(381mg、1.7mmol)のTHF(5mL)及び水(0.5mL)混合物懸濁液に水素化ホウ素ナトリウム(66mg、1.7mmol)を撹拌しつつ0℃(外)で添加した。この温度で2時間撹拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)及び酢酸エチル(20mL)を添加した。有機層を乾燥(MgSO)し、濾過して、減圧下濃縮して上記タイトル名の化合物のラセミ混合物(343mg、89%)を得た。
実施例3 エチルメチルカルバミン酸 3−オキソインダン−5−イル エステル
6−ヒドロキシ−1−インダノン(17.2g、116.1mmol)及び炭酸カリウム(31.8g、188mmol)のアセトニトリル(800mL)懸濁液に、撹拌しつつ、室温でエチルメチルカルバミルクロライド(15.5g、127.57mmol)を15分かけて滴下した。反応混合物を加熱環流させ、18時間環流させた。反応混合物を室温まで冷却し、溶媒を蒸発除去して、残留物を水(250mL)で希釈して、トルエン(250mL)で3回抽出した。有機相を合わせてMgSO上で乾燥し、回転蒸発機でトルエンを蒸発除去した。粗結晶生成物を2−プロパノール(200mL)から結晶化させて精製し、濾過収集し、50℃で真空乾燥させて、上記タイトル名の化合物(22g、81.5%)を得た。
実施例4 エチルメチルカルバミン酸 3−ヒドロキシインダン−5−イル エステル
実施例4a − 転移水素化
エチルメチルカルバミン酸 3−オキソインダン−5−イル エステル(8.33g、35.7mmol)、(R,R)−TsDPEN Ru(p−cymene)Cl(114mg、0.2mmol)及びトリエチルアミン(24.9mL、178.6mmol)のジクロロメタン(31mL)溶液に、撹拌しつつ、35℃(外)で、蟻酸(6.7mL、178.6mmol)を30分かけて滴下した。18時間後、追加の(R,R)−TsDPEN Ru(p−cymene)Cl(114mg、0.2mmol)、蟻酸(1.3mL、35.7mmol)及びトリエチルアミン(5.0mL、35.7mmol)を反応物に添加し、24時間加熱した。反応物を冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)に注いで、ジクロロメタン(200mL+150mL)で抽出した。この有機物を食塩水(100mL)で洗浄して乾燥(MgSO)し、濾過して減圧下で濃縮した。粗生成物を、メチルtert−ブチルエーテルを展開液としてシリカのパッドを通過させて精製し、上記タイトル名の化合物のR−エナンチオマー(8.462g、quant.)を得た。この物質のキラルLCによる分析は99%e.e.である。
実施例4b − 転移水素化
(R,R)−TsDPEN Ru(p−cymene)Clに代えて(S,S)−TsDPEN Ru(p−cymene)Clを使用して実施例4aを繰り返した。上記タイトル名の化合物のS−エナンチオマーを得た。
比較例4c − ラセミ体
エチルメチルカルバミン酸 3−オキソインダン−5−イル エステル(306mg、1.3mmol)のメタノール(5mL)懸濁液に水素化ホウ素ナトリウム(50mg、1.3mmol)を撹拌しつつ室温で添加した。この温度で2時間撹拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)、水(10mL)及び酢酸エチル(20mL)を添加した。層を分離し、水層を追加の酢酸エチル(20mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO)し、濾過して、減圧下濃縮して上記タイトル名の化合物のラセミ混合物(330mg、quant.)を得た。
[実施例5] 1−インダノール
1−インダノン(5.09g、38.5mmol)、(S,S)−TsDPEN Ru(p−cymene)Cl(231mg、0.36mmol)及びトリエチルアミン(26mL、186.5mmol)のジクロロメタン(50mL)溶液に、撹拌しつつ、30℃(内)で、窒素雰囲気下、蟻酸(7.2mL、190.7mmol)を30分かけて滴下した。滴下中、内部温度は35℃に達した。30℃で19時間撹拌後、HNMR分析したところ、80%の転換率であった。追加の(S,S)−TsDPEN Ru(p−cymene)Cl(47mg、0.07mmol)を反応混合物に添加し、更に、蟻酸(3mL、79.5mmol)を30分かけて滴下した。35℃(内)で21時間撹拌後、HNMR分析したところ、完全に転換していた。反応混合物を室温へ冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)を添加した。2層を分離後、水層をジクロロメタン(80mL)で更に抽出した。有機層を合わせて水(80mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、濾過して、減圧下濃縮した。粗生成物を、メチルtert−ブチルエーテルを展開液としてシリカのパッドを通過させて精製し、上記タイトル名の化合物のS−エナンチオマー(5.06g、98%)を赤色固体として得た。この物質のキラルLCによる分析は98%e.e.である。
[実施例6] (S)−ジメチルカルバミン酸 3−プロプー2−イルアミノインダン−5−イル エステル
(R)−ジメチルメチルカルバミン酸 3−ヒドロキシインダン−5−イル エステル(188mg、0.8mmol、実施例1aの生成物)及びトリエチルアミン(0.47mL、3.4mmol)のジクロロメタン(2mL)溶液に、撹拌しつつ、−78℃(外)で、メタンスルホニルアンハイドライド(296mg、1.7mmol)のジクロロメタン(1.5mL+0.5mL)溶液を10分かけて滴下した。この温度で1時間反応を維持し、プロパルギルアミン(1.20mL、17.0mmol)を添加した。反応物を室温まで一晩かけてゆっくりと温め、酢酸エチル(20mL)及び氷水(20mL)の間で区分した。有機層を減圧下濃縮して褐色油を得て、これをメチルtert−ブチルエーテル(10mL)及び塩酸(1M、10mL)の間で区分した。水層を水酸化ナトリウム水溶液(2M、16mL)で塩基性化し、酢酸エチル(10mL)で抽出した。この最終有機抽出物を乾燥(MgSO)し、濾過し、減圧下濃縮して上記タイトル名の化合物を得た(175mg、80%)。この物質のキラルLCによる分析は70%e.e.である。
[実施例7a] (S)−エチルメチルカルバミン酸 3−プロプー2−イルアミノインダン−5−イル エステル
(R)−エチルメチルカルバミン酸 3−ヒドロキシインダン−5−イル エステル(1.04g、4.4mmol)及びトリエチルアミン(2.5mL、17.7mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、撹拌しつつ、−35℃(外)で、メタンスルホニルアンハイドライド(1.544g、8.9mmol)のジクロロメタン(7.5mL+2.5mL)溶液を10分かけて滴下した。この温度で45分間反応を維持し、プロパルギルアミン(3.0mL、44.3mmol)を添加した。反応物を室温まで一晩かけてゆっくりと温め、酢酸エチル(100mL)及び氷水(100mL)の間で区分した。有機層を減圧下濃縮して褐色油を得て、これをメチルtert−ブチルエーテル(50mL)及び塩酸(1M、50mL)の間で区分した。水層を水酸化ナトリウム水溶液(2M、40mL)で塩基性化し、酢酸エチル(50mL)で抽出した。この最終有機抽出物を乾燥(MgSO)し、濾過し、減圧下濃縮して上記タイトル名の化合物を得た。この物質のキラルLCによる分析は62%e.e.である。
[実施例7b] (R)−エチルメチルカルバミン酸 3−プロプー2−イルアミノインダン−5−イル エステル(ladostigil)
(R)−エチルメチルカルバミン酸 3−ヒドロキシインダン−5−イルエステルに代えて(S)−エチルメチルカルバミン酸 3−ヒドロキシインダン−5−イルエステルを使用して実施例7aを繰り返した。上記タイトル名の化合物のR−エナンチオマーを得た。
[実施例8] N−プロパルギル−1−(R)−アミノインダン(Rasagiline)
(S)−1−インダノール(1.02g、7.6mmol)及びトリエチルアミン(4.4mL、31.5mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液に、撹拌しつつ、−26℃(内:−35℃(外))で、メタンスルホニルアンハイドライド(3.0g、17.2mmol)のジクロロメタン(8mL+4mL)溶液を10分かけて滴下した。滴下中、内部温度は−20℃に上昇した。−29℃(内:−35℃(外))でこの反応を45分間維持し、プロパルギルアミン(5mL、78mmol)を2分間かけて添加した。反応物を室温まで一晩かけてゆっくりと温め、酢酸エチル(50mL)及び氷水(50mL、溶液のpHは9.7)の間で区分した。有機層を減圧下濃縮して褐色油を得て、これをメチルtert−ブチルエーテル(50mL)及び塩酸(1M、50mL、溶液のpHは<1)の間で区分した。水層を水酸化ナトリウム水溶液(2M、30mL)で塩基性化し、酢酸エチル(50mL+30mL)で抽出した。この合わされた最終有機抽出物を乾燥(MgSO)し、濾過し、減圧下濃縮して上記タイトル名の化合物を褐色の液体として得た。この物質のキラルGCによる分析は46%e.e.である。
本出願中、様々な刊行物及び公開された特許出願が引用されている。これらの刊行物及び公開特許出願の全体の開示は、本発明が関与する技術水準をより完全に記述するために、本出願に参照として取り込まれる。
本発明に使用可能な様々な配位子と触媒の構造式を示す。 本発明に使用可能な様々な配位子と触媒の構造式を示す。

Claims (30)

  1. 下記式:
    {式中、
    はH、−OR又は式:
    (式中、
    はC−Cアルキルであり、
    はH又はC−Cアルキルである)である}の化合物の製造方法であって、
    (a)光学活性触媒及び水素供与体の存在下で、式:
    (式中、Rは上記のとおりである)のインダノン誘導体を還元して、式:
    の化合物を生成し、
    (b)−OHを脱離基に変換する工程により、生成物の−OH置換ベンジル位の炭素原子を活性化し、
    (c)(b)の生成物を式:
    と反応させて、上記の目的とする化合物を製造する方法。
  2. 前記還元工程(a)が転移水素化又は加圧水素化を介して行われる、請求項1記載の製造方法。
  3. 前記水素供与体が水素ガスの形態である、請求項2記載の製造方法。
  4. 前記還元工程(a)が転移水素化を介して行われる、請求項1記載の製造方法。
  5. 前記光学活性触媒が少なくとも1つの光学活性配位子と複合化した遷移金属を含む、請求項1記載の製造方法。
  6. 前記遷移金属がRu、Rh及びIrからなる群から選択される1つである、請求項2記載の製造方法。
  7. 前記遷移金属がRuである、請求項6記載の製造方法。
  8. 前記光学活性触媒が
    [(R)-HexaPHEMP RuCl2 (R,R)-DACH]、[(R)-HexaPHEMP RuCl2 (R,R)-DPEN]、[(R)-PhanePhos RuCl2 (S,S)-DACH]、[(S)-PhanePhos RuCl2-(R,R)-DPEN]、[(S)-MeO-Xylyl-PhanePhos RuCl2 (R,R)-DPEN]、[(R)-MeO-Xylyl-PhanePhos RuCl2 (S,S)-DACH]、[(S)-SynPhos RuCl2 (S,S)-DPEN]、[(S)-Xylyl-BINAP RuCl2 (S,S)-DPEN]、[(S)-F-Phenyl-PhanePhos RuCl2 (R,R)-DPEN]、[(S)-MeO-Phenyl-PhanePhos RuCl2 (R,R)-DPEN]、[(S)-MeO-Phenyl-PhanePhos RuCl2 (R,R)-DACH]、[(R,R)-Me-DuPhos RuCl2 (R,R)-DPEN]、[(R)-BINAP RuCl2 (R)-DAIPEN]、[(R,R)-Et-DuPhos RuCl2 (R,R)-DACH]、[R,R-TsDPEN (Ru) (p-cymene)Cl]及び[S,S-TsDPEN (Ru)(p-cymene)Cl]
    からなる群から選択される1つである、請求項7記載の製造方法。
  9. 前記光学活性触媒がS,S-TsDPEN(Ru)(p-cymene)Clである、請求項8記載の製造方法。
  10. 前記工程(a)が有機非プロトン性溶媒の存在下で行われる、請求項4記載の製造方法。
  11. 前記有機非プロトン性溶媒がジクロロメタンである、請求項10記載の製造方法。
  12. 前記水素供与体が蟻酸、蟻酸アンモニウム及び1,3−シクロヘキサジエンからなる群から選択される1つである、請求項4記載の製造方法。
  13. 前記水素供与体が蟻酸である、請求項12記載の製造方法。
  14. 前記還元工程(a)が有機塩基及び水素供与体の共沸混合物の存在下で行われる、請求項4記載の製造方法。
  15. 前記有機塩基がトリエチルアミンである、請求項14記載の製造方法。
  16. 前記脱離基がスルホン酸エステル及びハロゲン化物からなる群から選択される、請求項1記載の製造方法。
  17. 前記脱離基がメタンスルホン酸エステルである、請求項16記載の製造方法。
  18. 前記RがHである、請求項1記載の製造方法。
  19. 前記R
    (式中、R及びRは上記のとおりである)である、請求項1記載の製造方法。
  20. 前記Rがメチル基であり、Rがエチル基である、請求項19記載の製造方法。
  21. 前記工程(a)のインダノン誘導体が式:
    の化合物である、請求項20記載の製造方法。
  22. 下記式:
    {式中、
    はH、−OR又は式:
    (式中、
    はC−Cアルキルであり、
    はH又はC−Cアルキルである)である}の化合物の製造方法であって、
    (a)光学活性触媒及び水素供与体の存在下で、式:
    (式中、Rは上記のとおりである)のインダノン誘導体を還元して、式:
    の化合物を生成し、
    (b)−OHを脱離基に変換する工程により、生成物の−OH置換ベンジル位の炭素原子を活性化し、
    (c)(b)の生成物を式:
    と反応させて、上記の目的とする化合物を製造する方法。
  23. 前記工程(c)の生成物を薬学的に許容可能な塩に変換することを更に含む、請求項1乃至22のいずれかに記載の製造方法。
  24. 前記薬学的に許容可能な塩がメタンスルホン酸塩又は酒石酸塩である、請求項23記載の製造方法。
  25. 下記式:
    (式中、
    はH又はC−Cアルキルであり、
    はC−Cアルキルであり、
    点線は単結合又は二重結合のいずれかであり、
    点線が単結合のときRはOHであり、点線が二重結合のときRはOである)の化合物。
  26. がメチル、Rがエチルである、請求項25記載の化合物。
  27. がOH、点線が単結合である、請求項26記載の化合物。
  28. S−エナンチオマーである、請求項27記載の化合物。
  29. R−エナンチオマーである、請求項27記載の化合物。
  30. がO、点線が二重結合である、請求項26記載の化合物。
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