JP2008531146A - 表面再建股関節インプラントを構成するセット - Google Patents

Abstract

本発明は、表面再建股関節インプラントを構成するためのセットに関する。このセットは、生来の寛骨臼内にセメントで結合される、薄壁の金属のシェル（１）と、生来の股関節の頭部にセメントで結合される薄壁の金属のキャップ（２）とを有している。本発明のセットは、また、股関節の頭部のキャップのための滑りの相手としての、寛骨臼のシェル（１）内に挿入することができるインレー（３）を有している。

Description

本発明は、表面再建(resurfacing)股関節プラントのためのセットに関する。これは、寛骨臼と大腿骨頭との生来の滑り又は関節面の表面置換(surface replacement)を意味するとして理解される。

近年、いわゆるキャップインプラントが用いられることが増えてきている。これらのキャップインプラントは、直ちに準備される残った大腿骨頭に被せて位置され、続いてこの位置に固定されることができる。キャップインプラントは、生来の球関節の外側形状に基づいて模られたキャップからなり、このキャッププラントを関節の（部分的に）準備され残っている生来の頭部に位置させることができる。このタイプのインプラントを、ＤＥ−Ｃ−１０２ １８ ８０１によるいわゆる、補強インプラントを構成するためのセットから構成することができる。

確実に安定させて２次的な固定を行なうために、残った骨の骨素材が安定していることが必要である。この理由のために、上述の文書では、大腿骨の頭部のためのキャップにピンを接続し、続いて大腿骨頚の対応する陥凹に位置させることが示唆されている。このピンは、中へとそして中を通って、周囲の骨素材の海綿質が成長する、ゆるやかに織り目加工された、蜘蛛の巣状の面を有し、確実に安定させて２次的な固定が行なわれる。

しかしながら、このピンのための場所を作るために、大腿骨頚を切削する必要がないという指摘がある。一例は、一方又は両方の側で、大腿骨頭の骨端(Femurkopfepiphyse)の無菌性骨壊死を起こさせる、いわゆるレッグ・カルベ・ペルテス病であろう。この病気は、主に、４歳から１２歳の少年で発症する（Ｐｓｙｃｈｒｅｍｂｅｌ Ｃｌｉｎｉｃａｌ Ｄｉｃｔｉｏｎａｒｙ，２５９ｔｈ Ｅｄｉｔｉｏｎ，２００２，１２８５ページ）。確かに変形を伴わない完全な回復は可能であるが、股関節ソケットの扁平化、又は比較的にまれに扁平股又は変形性関節症を伴う円筒状又はきのこ形状の大腿骨頭の危険性は残る。

他の指摘の一例は、関節の頭部の表面異常を引き起こす、大腿骨の頭部のシストであろう。

概して、関節の頭部の壊死により、表面異常が引起されうる。しかしながら、このことにより、関節の頭部を完全に除去し、患者に短いステムの体内人工装具(Kurzstielendoprothese)を取付けることは、依然として正当ではない（ＥＰ ０ ８７８ １７６）。

原則として、そして、最近広く認められるようになったことは、可能な限り長く骨の（部分）除去を遅らせ、この結果、見込まれる後日の修正の手術の場合に、短いステムから長いステムの体内人工装具を用いることができる体内人工装具の取付けの段階が比較的多くあることは、価値があるということである。

人工的な股関節の人工装具は、ＵＳ−Ａ−４ １７３ ７９７から良く知られるようになった。しかし、この関節の移植では、フォームカッターを使用することが必要とされ、この結果、生来の骨は新しいものに大きく変えられるという意味で影響を受け、これらの骨から出血が生じうる。これが、この人工装具を最小限に非侵入的な手続きと呼ぶ事ができなかった理由である。
ＤＥ ９４ ０２ ８２８ Ｕ１は、最小限に非侵入的な骨の除去の方向に最初の一歩を踏み出している。これは、ボール形状のキャップと２部品の人工のソケットとからなる人工の股関節を説明している。このキャップは、大腿骨頭ための置換関節として使用される。このため、大腿骨頭の骨の球面切削が必要である。
金属のキャップの形態の人工ソケットを挿入するためには、生来の寛骨臼の切削も必要である。したがって、総じて、この股関節を移植には、言及した他の股関節よりも小さな程度であるとしても、骨をカッターで加工することが依然として必要とされる。この結果、骨素材は、常に新しいものに変えられ、出血がもたらされ、このことは、とりわけ、長期間の固定には、不都合な影響を与えうる。

この背景に対して、本発明の役割は、可能な限り大きな柔軟性を可能とし、インシトゥでのインプラントの長期の持続時間を考慮した、すなわち比較的長期の体内人工装具による治療を遅らせる助けとなる、冒頭で述べた、表面再建股関節インプラントを構成するためのセットを提供することである。

この目的は、請求項１で述べられている特徴を備えたセットにより達成される。有利な他の教示は、それ以下の請求項から生じる。

したがって、このセットは、単に軟骨組織が除去され、生来の寛骨臼に挿入されセメントで結合されるための、外側の輪郭が前記生来の寛骨臼に基づいて模られた、１乃至１．５ｍｍの厚さの金属カップと、生来の、軟骨組織が除去された、大腿骨頭にセメントで接着するための、形状がこの生来の大腿骨頭の形状に基づいて模られた、１乃至１．５ｍｍの厚さの金属キャップと、寛骨臼の前記カップに挿入され、２乃至５ｍｍの素材の厚みを備えた、前記大腿骨頭のキャップのための滑りの相手方となるインレーとを有している。

寛骨臼の骨も大腿骨頭の骨も、股関節全置換と同様に、カッターで作業されない。股関節のソケットと大腿骨頭は、単に軟骨組織と接続組織とが取除かれる。すなわち、軟骨除去される(entknorpelt)。続いて、寛骨臼のための前記カップは、後部にセメントを付けられて、寛骨臼内に位置され、この寛骨臼内で、前記セメントは、結合を形成する。この結果、前記カップがこの寛骨臼にしっかりと位置することが保障される。同様に、前記キャップとセメントとが、大腿骨頭に被せられ、結合を形成する前記セメントによりこの大腿骨頭で固定される。前記カップとキャップとの素材の厚さは、約１乃至約１．５ｍｍである。前記インレーの素材の厚さは、２乃至５ｍｍである。この素材の厚さは、取除かれた軟骨組織と接続組織との厚さとに釣合わせるように取られている。前記インレーを使用することは、このインレーをどんな磨耗の場合にも新しいインレーと交換できることを意味し、この結果、この表面再建インプラントの耐用寿命が著しく延ばされ、これによって、キャップインプラント（ＤＥ−Ｃ−１０２ １８ ８０１，ＤＥ ９４ ０２８ ２８，ＤＥ−Ａ−２０ ３９ ７３１）の移植と、必要になった場合の必要な骨の準備とのような比較的深刻な治療を遅らせる。上で挙げた文献で概説されているインプラントとは対照的に、本発明のインプラントは、置換インプラントではなく、むしろ再生インプラントである。置換の場合には、利用可能な体内人工装具治療のさらに４つの段階がある。すなわち、まず、ＥＰ−Ｂ−０ ８７８ １７６によるキャップインプラント、続いて短いステムの人工装具である。続いて、次の段階で、以前に発行されていないドイツ特許登録１０ ２００４ ０５１ ４３1と同様な、メタ骨幹の(meta-diaphysaere)体内人工装具を使用することができる。体内人工装具が設けられ終わると、患者には、既知の長いステムの体内人工装具の１つが取付けられる。各段階で体内人工装具に対して１５年の平均耐用寿命を考慮する(rechnet mit)ならば、本発明の表面再建股関節インプラントでは、理論的には合わせて人工装具のメインテナンス周期が７５年となる。したがって、この処置システムでは、実際に用いるために十分な空き時間が与えられる。

このセットのインレーが、円錐の押し嵌めで、寛骨臼のカップに挿入されることが、好ましい。これは、着脱可能であり、この結果、このインレーを交換することができる。

大腿骨頭のための前記キャップが、好都合な他の改良により、関節面としてセラミックからなる面を備えているならば、前記インレーを、例えば、ＥＰ−Ｂ−０ ５０２ ０８２で公表されているように、セラミックの複合材料から形成することができるだろう。これら素材の組合わせでは、磨耗が特に低レベルである。

寛骨臼の前記カップの極領域に、位置決め用補助具が中を通って位置することができる開口部を設けることができることは有利である。この位置決め用補助具は、例えば、一旦挿入されると、ソケットの底を長期間捉えることができるめくらねじであってもよい。この位置決め用補助具は、寛骨臼内でカップを正確に位置付けることができる案内の機能を果たす。

大腿骨頭のための前記キャップの内側に、少なくとも２つの回転防止部材がこのキャップの内部に突出しているという他の構成の意義は、特に好ましいであろう。これにより、大腿骨頭での前記キャップの安定性が向上する。これら回転防止部材は、一度移植されると、大腿骨頭の骨内に突出し、この結果、大腿骨頭での前記キャップのどんな回転も防止される。

特定の設計では、これら回転防止部材は、盾の形状である。代わりに、これら回転防止部材は、ピン形状であってもよい。
前記インプラントを挿入するために必要とされる手術は、あまり長く続かないため、患者には極めて穏やかである。経験のある外科医は、ほぼ３５分で、このインプラントを挿入することができる。これを行なうために、ほんの数日で治癒される、わずかな切開だけを必要とする。

本発明は、図示された例により、より詳細に説明される。

図１は、前記セットから構成された股関節インプラントがどのように移植されるのかを概略的に示している。金属のキャップ２が、大腿骨５の大腿骨頭６に位置している。この金属のキャップは、ここにこのキャップの内側の薄い層のセメントで固定されている。金属のカップ１は、生来の寛骨臼７に位置し、ここで薄い層のセメントで固定されている。用いられるセメントは、非常に希薄な液体である。

インレー３は、カップ１内に位置し、金属のキャップ２にとって摺動の際の相手となる。位置決め用補助具が、大腿骨内に突出している。この位置決め用補助具は、例えば、カップ１の極領域の開口部に挿入され、この極領域から大腿骨内に突出するめくらねじ(Blindschraube)でよい。

表面再建股関節インプラントを構成する際、まず、位置決め用補助具４がカップ１の極領域の開口部を介して位置される（図２）。続いて、インレー３がカップ１内に挿入される。このインレー３は、カップ１に（円錐）圧力ばめで固定され、交換可能である。続いて、特別に指定されたキャップ２が選択され、大腿骨頭に位置される。

図３は、大腿骨頭のためのキャップ２の内側の斜視図である。４つの盾の形状の回転防止部材７を、ここで示されている例で明確に見ることができる。一旦キャップ２が大腿骨頭に位置すると、これらの部材は、この大腿骨頭の骨素材を捉え、キャップ２は、回転することなくこの大腿骨頭に確実に位置する。この結果、キャップ２は、大腿骨頭にさらに安定して位置する。

図４は、代わりのデザインを参照して、キャップ２の内側の同様の図を示している。この場合、３つの回転防止部材７は、ピンのような形状である。一旦、このキャップが大腿骨頭に位置されると、これらのピンも大腿骨頭の骨素材を捉え、この結果、このキャップ２は、大腿骨頭でのいかなる回転にも抗して位置する。

寛骨臼に固定されたカップと大腿骨頭に位置するキャップとを備えた、セットから組立てられた股関節インプラントの図である。 セットの個々の構成部材の図である。 大腿骨頭のためのキャップの一設計の内部図である。 大腿骨頭のためのキャップの他の一設計の内部図である。

Claims (9)

1. 生来の寛骨臼に挿入してセメントで結合するための薄壁の金属のカップ（１）と、生来の大腿骨頭にセメントで結合するための薄壁の金属のキャップ（２）と、寛骨臼の前記カップ（１）に挿入され、大腿骨頭の前記キャップ（２）のための摺動の相手方となるインレー（３）とを具備する、表面再建股関節インプラントを構成するためのセット。
2. 前記インレー（３）は、寛骨臼の前記カップ（１）に、円錐の押し嵌めで、挿入されることができる請求項１によるセット。
3. 前記インレー（３）は、高密度のポリエチレンから形成される請求項１又は２によるセット。
4. 大腿骨頭のための前記キャップ（２）は、このキャップの関節面のためのセラミックからなる面を有し、前記インレー（３）は、セラミック複合材料から形成されている請求項１又は２によるセット。
5. 寛骨臼の前記カップ（１）の極領域には、開口部が設けられ、この開口部を介して位置決め用補助具を位置させることができる請求項１乃至４のいずれか１によるセット。
6. 大腿骨頭のための前記キャップ（２）の内側に、前記キャップの内側に突出している、少なくとも２つの回転防止部材（７）がある請求項１乃至５のいずれか１によるセット。
7. 前記回転防止部材（７）は、盾の形状である請求項６によるセット。
8. 前記回転防止部材（７）は、ピン形状である請求項６によるセット。
9. 請求項１乃至８のいずれか１によるセットから構成された表面再建股関節インプラント。

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