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JP2008530095A - 酢酸プロセスを制御する方法 - Google Patents

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Abstract

酢酸を製造するためのメタノールカルボニル化プロセスを制御する方法を開示する。
前記方法は、次の工程:すなわち、該酢酸の製造速度をモニターする工程;プロセス状態またはプロセス装置状態の変化に応答して該製造速度を低下させる工程;製造速度を低下させた後、その低下した製造速度でプロセスを制御する工程;および、その状態変化に対処した後、少なくとも製造速度が正常な運転範囲に復帰するまで、製造速度を増加させる工程を含み、且つ製造速度を低下させる工程、その低下した製造速度でプロセスを制御する工程、および、製造速度が正常な運転範囲に復帰するまで製造速度を増加させる工程のうちの少なくとも一つの工程中に、プロセスは、プロセスのモデルに基づいて非線形多変数制御によって制御されることを特徴としている。また、酢酸を製造するためのプロセスも開示し、前記プロセスでは、プロセスの非線形モデルに基づく多変数非線形予測制御装置を使用して少なくともプロセスの反応セクションを制御する。プロセスの制御は、正常な運転中、プロセス不調状態中、そして更に不調状態に対処した後の回復中にも、同じモデルに基づいている。

Description

発明の分野
本発明の開示は、メタノールまたはそれらのカルボニル化可能な誘導体をカルボニル化することによって酢酸を製造するプロセスの制御に関するものであり、特に、プロセスの不調中およびその回復中のプロセス制御に関する。
技術的背景
酢酸を合成するために現在使用されているプロセスの中で、最も商業的に有用なものの1つは、1973年10月30日にPaulikらに発行された米国特許第3,769,329号で教示されている一酸化炭素によるメタノールの触媒カルボニル化である。カルボニル化触媒は、ヨウ化メチルのようなハロゲン含有触媒促進剤と一緒に、液体反応媒体中に溶解された若しくは分散された、または不活性固体上に担持されたロジウムを含む。ロジウムは多くの形態のうちのいずれかの形態で反応系に導入できるが、活性触媒錯体内のロジウム部分の正確な性質は不明である。同様に、ハロゲン化物促進剤の性質も重要ではない。特許権者は、極めて多くの適当な促進剤を開示しており、そのほとんどは有機ヨウ化物である。最も典型的には且つ実用的には、反応は、触媒が溶解または懸濁されている液体反応媒体中に一酸化炭素ガスを連続的に泡立てることによって実行する。
ロジウム触媒の存在下で、アルコールに比べて炭素原子が1個多いカルボン酸を製造するためのアルコールをカルボ二ル化する従来プロセスの改良は、1991年3月19日に発行された米国特許第5,001,259号;1991年6月25日に発行された第5,026,908号;1992年9月1日に発行された第5,144,068号および1992年7月1日に発行された欧州特許第EP 0 161 874 B2号で開示されている。それらの特許に記載されているように、酢酸メチル、ハロゲン化メチル、特にヨウ化メチル、および触媒的に有効な濃度で存在するロジウムを含む反応媒体中で、メタノールまたはそのカルボニル化可能な誘導体から酢酸が製造される。これらの特許は、触媒的に有効な量のロジウムと一緒に、水の少なくとも有限な濃度と、ヨウ化メチルまたは他の有機ヨウ化物として存在するヨウ化物含量に加えて、ヨウ化物イオンの特定の濃度とを反応媒体中で維持することによって、反応媒体中の水濃度が極めて低くても、すなわち(一般的な工業的通例では約14重量%〜15重量%の水濃度に維持するのに反して)4重量%以下でも、カルボ二ル化反応器の触媒安定性と生産性とを驚くほど高いレベルで維持できることを開示している。ヨウ化物イオンは単塩として存在し、好ましくはヨウ化リチウムである。上記特許は、酢酸メチルおよびヨウ化物塩の濃度が、特に低い反応器水濃度で酢酸を製造するメタノールのカルボ二ル化速度に影響を及ぼす重要なパラメータであることを教示している。酢酸メチルおよびヨウ化物塩の比較的高い濃度を使用することにより、水の「有限濃度」と単純に規定できるほど低い約0.1重量%程度の濃度で液体反応媒体が水を含むときでも、驚くほどの触媒安定性および反応器生産性が得られる。更に、使用する反応媒体は、特にプロセスの生成物回収工程中に、ロジウム触媒の安定性を向上させる、すなわち、触媒が沈殿することに対する抵抗性を向上させる。これらの工程では、酢酸生成物を回収するための蒸留は、反応器中で維持される環境において、ロジウムに関して安定効果を有する配位子である一酸化炭素を触媒から除去する傾向がある。米国特許第5,001,259号、第5,026,908号および第5,144,068号は、その内容を本明細書に引用したものとする。
あらゆる錯体化学プロセスと同様に、上記カルボニル化法では、多くのプロセス状態を、例えばメタノールおよび一酸化炭素の供給速度、反応器の温度および圧力、フラッシャの温度および圧力、および蒸留状態などをモニターし且つ制御する必要がある。特に、酢酸生成物が極めて純粋であること、詳しくは、水、メタノールおよびプロピオン酸を実質的に含んでいないことを保証するために、プロセス状態を注意深く制御する。その結果として、予期外の出来事、例えば一酸化炭素供給の突然の減少または触媒ポンプの故障などに起因するこれらのプロセス状態のうちの1つ以上が急激に変化するときに、製造速度を調整して(通常は低下するように)、酢酸生成物が品質規格を満たし続けることを保証しなければならない。しかしながら、プロセスの外乱の後に出来る限り迅速に正常な運転状態に戻すことが望ましい。しかしながら、標準的な線形制御アルゴリズムを使用しているプロセス制御装置は、著しい乱れから生じる広範囲な運転状態ではなく狭い範囲の「通常の」運転状態に関する制御を維持するように調整されているので、大きなプロセスの外乱からの充分に迅速な回復を提供しないことが認められた。特に、線形制御装置ゲイン(すなわち、特定の制御変数(単数または複数)と関連がある目標状態からの逸脱の大きさと、操作可能な変数(単数または複数)を使用して達成される補正制御作用の大きさとの関係)は、変更可能なものではなく固定されているという点で有限である。ゲインの例は、プロセス流の温度を1度変化させるのに熱交換器に要求される蒸気流量変化の量である。
速度変化中、例えば不調中、プロセス流の組成は変化し、温度を1度変化させるのに必要とされる蒸気の量が変わる。線形制御装置のこの限界の故に、殆どの多変数予測制御装置は、制御を維持することができず、且つ、大きなプロセスの外乱から迅速に回復することができない。これらの制御装置がプロセスの経験的または理論的モデルに基づいて動作する場合、それらの制御スキームの基本的な前提は、通常は、プロセスゲイン(すなわち、制御動作に対するプロセスの応答の大きさ)が多かれ少なかれ線形であるということである。この前提は、特に、目標状態からの逸脱が非常に大きい化学プロセス、または、多くの相互に関連のある反応が同時に起こる化学プロセスに関してはやや信頼性に欠ける。これは、厳密には、酢酸反応器における状況であり、その場合、前記反応器では、メタノールカルボニル化に加えて、1個のメタノール分子が、酢酸分子と(可逆的に)反応して酢酸メチルと水を形成することができ;2個のメタノール分子が反応して、ジメチルエーテルと水を形成でき;そして、酢酸メチルは、一酸化炭素および水と直接反応して酢酸を形成することもできる。実際、メタノールカルボニル化反応器に関するプロセスゲインのうちの少なくともいくらかは、非線形であるだけでなく、プロセス状態にしたがって兆候を実際に変化させることが分かる。メタノールカルボニル化プロセスにおける重大なプロセス不調中、ゲインは、特に一定である可能性が低く、線形制御の効果は低下する。
酢酸反応系のための線形モデルベースの制御装置の感知される不具合にも関わらず、本出願のための非線形制御装置を使用することが適当であると一般的には考えられていなかった。これまでは、プロセス目標値を故意に変化させ(例えば、生成物のグレードを変えるために)、そしてその目的がグレード間の遷移時間を最小限に抑えるためである環境において、非線形制御装置は、最も好適に使用されると一般的に考えられてきた。既存の非線形制御の用途は、生成物のグレードが頻繁に変化するポリマー製造に集中していた。
これらの用途は、速度関連変化(rate related changes)に関心を向けていなかった。しかしながら、迅速な回復を提供するために予期外の乱れに応答して非線形プロセスを管理することができる制御系に関するニーズが存在する。
現在市販されているそのような1つのシステムは、プロセス不調を管理するために2つの独立した成分を使用しているASPEN Technologyのシステムである。
混乱が対処されるまで制御を維持するための動的制御装置に加えて、ASPENの解決策では、正常な通常の運転状態への復帰を差配するように設計されている独立ゲインスケジューリング成分(separate gain−scheduling component)が使用される。要するに、ゲインスケジューラーは、グレード変化のような異常な状態から正常な状態への復帰を処理し、そして、その復帰時に、一連の実質的に線形な遷移を強制する。にもかかわらず、これらの成分を統合する制御システムに関するニーズが今も存在している。本明細書の開示は、この目的を達成する。
発明の概要
一つの面では、本開示は、次の工程:すなわち、プロセス状態またはプロセス装置状態の変化に応答して製造速度を低下させる工程;製造速度を低下させた後、その低下した製造速度でプロセスを制御する工程;および、前記状態変化に対処した後、少なくとも製造速度が正常な運転範囲に復帰するまで、製造速度を増加させる工程を含み、且つ製造速度を低下させる工程、その低下した製造速度でプロセスを制御する工程、および、製造速度が正常な運転範囲に復帰するまで製造速度を増加させる工程のうちの少なくとも一つの間、プロセスは、プロセスのモデルに基づいて非線形多変数制御によって制御されることを特徴とする、メタノールまたはそれらのカルボニル化可能な誘導体をカルボニル化することによって酢酸を製造するためのプロセスを制御する方法を説明する。開示する方法は:(a)一酸化炭素利用可能性の実質的な低下;(b)触媒ポンプまたは供給ポンプの故障;(c)加熱能力または冷却能力の喪失;(d)下流にある精製塔のフラッディング(flooding);(e)精製塔と関係のある1つ以上の流れの予期される組成からの有意な逸脱(例えば、ライトエンド塔で塔頂における不充分な水または過剰な酢酸、それは相分離の損失を招くことがある);(f)酢酸生成物の貯蔵能力の不足;および同様の変化のうちの1つ以上を含むがそれらに限定されない様々な状態変化中に、制御を維持できる。本方法は、遷移が計画的な製造速度またはグレード変化である制御を維持することもできる。
別の面では、本開示は、プロセスの非線形モデルに基づいて多変数予測制御装置を使用して、少なくともプロセスの反応セクションおよび/またはプロセスの精製セクションを制御する工程を含む、メタノールをカルボニル化することによって酢酸を製造するためのプロセスを説明する。制御装置は、正常な運転中、プロセス不調状態中、そして不調状態に対処した後の回復中にも、プロセスを制御するのと同じプロセスモデルを使用する。
図面の簡単な説明
本発明は、様々な改良および別の形態が可能であるが、特定の態様を、図面において例として示し、また、本明細書で詳述する。しかしながら、本発明が、開示される特定の形態に限定されることを意図していないことを理解すべきである。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲によって規定される発明の範囲内にある全ての改良、等価物および代替物に及ぶことが意図される。
図1は、本発明と共に使用するのに適する代表的なメタノールカルボニル化プロセスの概略図である。
図2は、プロセスの外乱を含む期間と、本開示の一つの面にしたがう非線形モデルに基づく制御装置を使用するときに予期されるその後の回復期間とに関する、時間に対する酢酸製造速度のプロットである。
図3は、プロセスの外乱の後の回復期間に関する、時間に対する酢酸製造速度のプロットである。曲線Aは、オペレータ管理による調節制御と、それに続く標準的な線形モデルベースの制御との組み合わせに関する応答を示している。曲線Bは、本開示の一つの面による非線形モデルベースの制御装置を使用して得られた改良応答を示している。
実施態様の説明
本発明の一つ以上の実施態様を以下に示す。分かり易くするために、本明細書では、実際の実施態様のすべての特徴を説明しない。もちろん、このような実際の実施態様形態の開発においては、実装に特有な多くの決定を行って、システム関連の制約や業務関連の制約にしたがうなど、実装によって変化する開発者の特有の目的を達成しなければならないことが理解されよう。更に、そのような開発努力は、複雑且つ時間が掛かるであろうが、それにも関わらずこの開示の利益を受ける当業者にとって日常的な仕事であるということが理解されるであろう。
図1には、酢酸を製造するために通常使用されるメタノールカルボニル化プロセスが記載してある。その内容を本明細書に引用したものとする米国特許第3,769,329号および第5,001,259号で説明されているように、カルボニル化反応は、上記したように、一酸化炭素と、メタノールおよび/またはそのカルボニル化可能な誘導体を含むフィードとを、触媒、例えばロジウム触媒またはイリジウム触媒、有機ヨウ化物、例えばヨウ化メチル、および(ロジウム触媒の場合)無機ヨウ化物、例えばヨウ化リチウムを有する撹拌反応器中に導入することによって、典型的に行われる。反応器流出液はフラッシュして触媒および無機のヨウ化物を回収する。これは、しばしば、図1に示されていない独立容器で行われ、そこから、残留物は、反応器へと再循環させ、塔頂留出物は更に精製する。フラッシュからの生成物を一連の蒸留にかけて、「ライトエンド」または「スプリッタ」塔中で未反応のメタノール、酢酸メチルおよびヨウ化メチルを除去し且つ再循環させ;乾燥塔中で水を除去し;そして、(必要ならば)「ヘビーエンド」塔中でプロピオン酸、他のカルボニル含有化合物、例えばクロトンアルデヒド、およびより高級のヨウ化アルキル、例えばヨウ化ヘキシルを除去することによって、酢酸生成物を精製する。
多くの更なる精製が知られている;例えば、ライトエンド塔からの塔頂留出物は、典型的には、「デカンタ」容器で分離され、そして、反応器に戻される前に(例えば、アルカンまたはアセトアルデヒドを除去するために)独立に処理される異なる重質相および軽質相から成る。一般的には、この液液相分離を維持することができないことが、矯正されないならば、プロセスの性能を有意に損ない得る特定のプロセス問題を示唆していることは公知である。
同様に、多くの他のプロセスの外乱では、問題が修正されるまで、酢酸の製造速度の一時的な低下が起こる可能性があることも理解される。例えば、反応器に対する一酸化炭素またはメタノールの供給の有意な低下は、明確に製造速度を低下させる。明確ではないが、触媒ポンプの故障または蒸留塔を加熱するための蒸気の喪失によっても一時的に速度が低下する可能性がある。反応システムにおける組成変化を示唆する精製塔のフラッディング(flooding)によっても、速度が低下する可能性がある。実際問題として、酢酸生成物のための利用可能な貯蔵能力が不足する場合、速度低下も必然的に起こり得る。
プロセスの外乱が酢酸製造速度を低下させる場合、速度低下の期間を最小限に抑えることはもちろん極めて重要である。乱れが比較的小さい場合、典型的な線形多変数予測制御装置は、自動的にその乱れを修正することができるが;乱れが大きい場合は、制御装置に提供されている予測モデルは、典型的には、要求される修正動作を正しく計算するには充分な能力を有していない。特に、前記制御装置は、プロセスゲインは線形であると仮定しているので、制御装置出力は、過剰補償を防止するために非常にゆっくりと(且つ一定の速度で)変化する。結果として、プロセスの外乱それ自体が対処された後でも、重大なプロセスの外乱から酢酸プロセスが回復するのに数時間または数日も要する場合がある。需要が多い故にプラントが最大能力でまたは最大能力近くで運転しているときには、最大能力まで復帰するのに掛かる長期遅延により、逸失利益が何百万ドルに達する場合がある。
いくらかの成功を収めた一つの代替法は、「ゲインスケジューリング」である。この方法は、離散していて充分に特徴付けられている運転領域を全体的なプロセス運転範囲内において制御するようにパラメータを調整する制御装置の限定された数の異なるセットを使用する。要するに、この方法は、プロセスゲインがある程度線形である運転領域へとプロセスを細分することによって、非線形プロセスゲインに対応する。この方法を実現しようとする場合の2つの主な課題は、制御パラメータの複数の異なるセットと運転領域間の遷移点の正確な識別の開発である。
また、プロセス制御が、重大なプロセスの外乱の間に確実に維持されることも極めて重要である。全ての有効目的のために、回復期間を複数の線形領域へと細分することは可能ではないかもしれず、または、好適ではないかもしれない。而して、ゲインスケジューリングシステムは、有効とは言えない。ゲインスケジューリングシステムは、2つの運転状態間の計画された遷移を容易にするように第一に設計されていて、運転状態の予期外で且つ有意な変化からの回復を促進しないので、プロセスの外乱を管理するのに特に好適ではない。特に、ゲインスケジューリング法は、起こりそうなそれぞれの外乱から回復するためのプロセス調整パラメータの別々のセットを事実上要求する。対照的に、本発明による非線形モデルをベースとする制御システムは、モデルそれ自体がプロセスの外乱を説明するので、必要な制御パラメータのセットはただ1つである。
上記したように、最近までは、多くの競争反応およびプロセスゲインの複雑な挙動、ならびに非線形制御の実施態様に適する正確なプロセスモデルを開発する高いコストの故に、モデルベースの非線形プロセス制御の使用は、メタノールカルボニル化のような複雑な化学プロセスには適していないと考えられていた。しかしながら、本出願人は、正確なプロセスモデルに基づく非線形制御は、その制御装置が、プロセスに関する制御装置出力変化の効果をより正確に予測できるが故に、ゲインスケジューリングまたは同様な方法に比べて、プロセスの外乱から有意に速い回復を提供できることを発見した。この速い回復は、その最適能力での運転へとより迅速にプロセスが復帰するので、収益性が増す。
この改善された回復時間は、図2に概略示してあり、時間に対する酸製造速度の一般的なプロットである。目標製造速度R1が時間t1まで維持され、そのときプロセスの外乱(例えば一酸化炭素供給の急低下)が時間t2におけるR2までの製造速度の低下をt3まで要求し、そしてそのとき速度低下を要求する状態が修正される。本発明による非線形モデルベースの制御を使用して、非線形多変数制御装置は、時間t4でプロセスを製造速度R1に戻した。対照的に、線形多変数制御装置は狭い運転範囲でのみ動作するので、プロセス回復は、通常は、線形自動制御とオペレータによる直接制御との組み合わせによって管理する。これらの状態下で、プロセスは、製造速度 R1へと更にゆっくりと戻る。
本発明による非線形モデルベースの制御下では、制御装置は、制御装置出力変化の効果をより良好に予測でき、より速い反応が可能である。結果として、プロセスは、より速く定常状態へと戻る。それは図3に記載してあり、オペレータによる直接制御と組み合わせた線形モデルベースの制御を使用して、プロセスは、曲線Aに沿って定常状態へと戻り、時間t5で最初の速度R1に到達する。対照的に、本発明の方法による非線形モデルベースの制御を使用して、プロセスは、より急勾配の(より速い)曲線Bに沿って定常状態に戻り、時間t4で元の速度R1に到達する。制御システムがプロセスの正確な非線形モデルに基づいているとき、プロセスは、はるかに速くプロセスの外乱から回復することが認められる。
本発明による非線形モデルベースの制御は、速度低下を要求する状態が修正されるとき、すなわち時間t2とt3の間で、プロセスを制御するために、様々な実施態様で使用することもできる。低下速度R2は、プロセス不調の個々のタイプにとって、そして実際には、同じプロセス不調の異なる出来事にとって固有であるかもしれないので、非線形モデルベースの制御は、この修正期間中に、線形モデルベースの制御を超える利点を有する。
この時間中に線形モデルベースの制御が使用される場合、制御パラメータの異なるセットを、それぞれ考えられるプロセス不調について開発しなければならない。同様に、本発明による非線形モデルベースの制御も、製造速度が低下している間に、すなわち時間t1とt2の間にプロセスを制御するために、様々な実施態様で使用できると考えられる。
而して、出願人は、メタノールカルボニル化プロセスに関して、非線形制御の利点は、非線形制御の認められる欠点を補ってあまりあることを見出した。特に、プロセスゲインにおける非線形性を完全に説明する予測モデルを開発するコストは、その予測モデルによって可能となる定常状態へのより速い復帰から生じる潜在的なコスト節約によって相殺される。
多変数非線形制御を実行するための適当な制御ソフトウェアとしては、PAS,Inc.製のGalaxy Nonlinear Control systemが挙げられる。PAS NOVA(登録商標)モデリングシステムまたは同様のパッケージを使用して、システムの第一原理モデルを開発できる。このシステムは、反応器における複雑な反応スキームならびに下流の分離プロセスをモデル化することができるので、酢酸プロセスに特に適する。線形モデル予測制御システムとは異なり、Galaxyシステムは、制御装置調整パラメータの単一セットを使用して全プロセスを管理できるように、プロセス非線形性を考慮する。これは、制御パラメータの別々のセットが現在のプロセス状態にしたがって実装される「ゲインスケジューリング」法とは基本的に異なる。
あらゆる特定の酢酸プロセスのために、従属変数、例えば制御変数、および独立変数、例えば操作変数および外部の乱れは、異なっている可能性があることは、本開示の利益を受ける当業者には認識される。様々なプロセスの実施態様は、特定の前記の従属変数および独立変数を共通に有している可能性はあるが、恐らく様々な実施態様間では違っている可能性もある。同様に、プロセス制御に関する第一の興味であるゲインのセットは、メタノールカルボニル化プロセスの各実施態様で異なっている。ある種のゲインはそれぞれのプロセス実施態様と関連があるが、ある種のゲインは、ただ特定のプロセス実施態様のみにとって重要であることが予期できる。同様に、モデリング目的にとって、任意のゲインの重要性は、プロセス間で変わる。
典型的メタノールカルボニル化プロセスは、目標状態と関連のある20〜25の従属変数、そして補正制御を提供する15〜20の独立変数を有することができる。多くのメタノールカルボニル化プロセスに共通していると予期される従属変数としては、一酸化炭素供給バルブ出力―開放パーセント;一酸化炭素供給流;反応器冷却バルブ出力−開放パーセント;反応器レベル;反応器フラッシュ流バルブ出力(reactor to flash flow valve output)−開放パーセント;触媒リサイクル流バルブ出力−開放パーセント;ライトエンド塔差圧;ライトエンド塔オーバーヘッドデカンタ重質相比重;乾燥塔差圧;乾燥塔制御温度;乾燥塔底部水濃度;乾燥塔残留水濃度;
乾燥塔蒸気流バルブ出力;および乾燥塔オーバーヘッドレシーバレベルが挙げられる。
これらの従属変数の全てが特定のプロセスと関連がないかもしれず、また、追加の従属変数は特定のプロセスと関連があるかもしれないことは本開示の利益を受ける当業者によって認められる。
多くのメタノールカルボニル化プロセスに共通していると予期できる独立変数としては、メタノール供給流;反応器温度;反応器フラッシャ流(reactor to flasher flow);乾燥塔制御温度;乾燥塔オーバーヘッドレシーバ還流乾燥塔流(drying column overhead receiver reflux to drying column flow);乾燥剤塔オーバーヘッドレシーバリサイクル反応器流(drying column overhead receiver recycle to reactor flow);および乾燥塔オーバーヘッドレシーバ圧力が挙げられる。これらの独立変数の全てが特定のプロセスと関連がないかもしれず、また、追加の独立変数は特定のプロセスと関連があるかもしれないことは本開示の利益を受ける当業者によって認められる。
任意の特定のプロセス実施態様に関連があるかもしれない従属変数および独立変数の数と共に、非線形多変数制御のために考慮されるかもしれない潜在的ゲインの数は、潜在的にかなりの数である。プロセスのモデリングから決定されるかもしれない場合、多くのメタノールカルボニル化法に共通していると予期されるかもしれないゲイン(独立変数:従属変数として下記してある)としては、a)乾燥塔制御温度:乾燥塔残留水濃度;b)乾燥塔制御温度:乾燥塔蒸気流バルブ出力;c)乾燥塔オーバーヘッドレシーバ圧:乾燥塔差圧;d)乾燥塔オーバーヘッドレシーバリサイクル反応器流:乾燥剤塔オーバーヘッドレシーバレベル;e)乾燥塔オーバーヘッドレシーバ還流乾燥塔流:乾燥塔差圧;f)乾燥塔オーバーヘッドレシーバ還流乾燥塔流:乾燥塔制御温度;g)乾燥塔オーバーヘッドレシーバ還流乾燥塔流:乾燥塔蒸気流バルブ出力;h)乾燥塔オーバーヘッドレシーバ還流乾燥塔流:乾燥塔差圧;i)乾燥塔圧:乾燥塔底部水濃度;j)乾燥塔圧:乾燥塔制御温度;k)乾燥塔圧:乾燥塔残留水濃度;l)乾燥塔圧:乾燥塔蒸気流バルブ出力;m)メタノール供給流:一酸化炭素供給流;n)メタノール供給流:一酸化炭素供給バルブ出力―開放パーセント;o)メタノール供給流 :乾燥塔差圧;p)メタノール供給流:乾燥剤塔オーバーヘッドレシーバレベル;q)メタノール供給流:乾燥塔残留水濃度;r)メタノール供給流:ライトエンド塔差圧;s)メタノール供給流:ライトエンド塔オーバーヘッドデカンタ重質相比重;t)メタノール供給流 :反応器冷却バルブ出力−開放パーセント;u)メタノール供給流:反応器レベル;
v)反応器温度:ライトエンド塔オーバーヘッドデカンタ重質相比重;w)反応器フラッシャ流;反応器リサイクル流バルブ出力−開放パーセント;x)反応器フラッシャ流:ライトエンド塔差圧;y)反応器フラッシャ流:反応器レベル;および、z)反応器フラッシャ流:反応器フラッシュ流バルブ出力−開放パーセントが挙げられる。これらのゲインの全てが特定のプロセスのモデルと関連がないかもしれず、また、追加のゲインは特定のプロセスのモデルと関連があるかもしれないことは本開示の利益を受ける当業者によって認められる。モデルに含まれるゲインの特定の選択は、プロセスごとに変化し、また、制御目標、制御戦略、および他の実用的な考慮すべき事項、例えば信号の信頼性を含むがそれらに限定されない多数のファクタにしたがって変化する。任意の特定のプロセスに関する非線形多変数制御のために使用されるべきゲインの確認は、複雑で且つ時間が掛かるが、本開示の利益を受ける当業者には日常的な仕事であることが理解されるであろう。特に好ましい実施態様では、モデルベースの制御システムは、リアルタイムの経済最適化能力も含む。この特徴によって、プロセスが最も経済的に有益な状態で動作できるように、供給物および有用物(例えば蒸気および電気)のコストを基準にして酢酸の製造速度を最適化する制御変化を認識し且つ実行できる。
本発明のより詳しい理解を容易にするために、いくつかの実施態様の特定の面の実施例を以下に掲げる。以下の実施例によって本発明の範囲が限定または規定されると考えるべきではない。
実施例
実施例1
メタノールカルボニル化プロセス、例えば図1に概略示してある前記プロセスを、メタノール流量に基づいて、目標製造速度R1において、定常状態条件下、低含水モードで運転した。
時間t1で、プロセスは、不調になり、それにより、一酸化炭素流が低下した。時間t2では、プロセスは、R1における速度の32%の低下製造速度R2で運転されていた。
その時、プロセスは、第一原理モデリングから得られた多変数非線形モデルベースの制御下に置かれた。プロセスが時間t2で動作しているとき、プロセスの不調前の各状態との差として、または、プロセスの不調前の各状態のパーセンテージ(100%)として提供される状態は、以下の通りである:すなわち、
温度差:−12℃
反応器圧:94.6%
一酸化炭素流:32%
時間t3では、一酸化炭素流は回復した。そのとき、プロセスは、R1における速度の31%の製造速度で運転されていた。プロセスの不調前の各状態との差として、または、プロセスの不調前の各状態のパーセンテージ(100%)として提供されるt3でのプロセス状態は、以下の通りである:すなわち、
温度差:−20℃
反応器圧:100%
一酸化炭素流:31%
多変数非線形モデルベースの制御下にプロセスを維持して、目標製造速度R1と関連のある前の定常状態条件へと復帰させた。復帰は、時間t4で達成された。時間t4では、プロセスの不調前の各状態との差として、または、プロセスの不調前の各状態のパーセンテージ(100%)として提供されるプロセス状態は、以下の通りである:すなわち、
温度差:<1℃
反応器圧:100%
一酸化炭素流:100%
本実施例による低下製造速度R2からの回復は、図2に示してあり、また、図3の曲線Bでも示してある。
ヨウ化メチルおよび酢酸メチルレベルを含むがこれらに限定されない反応媒体のバルク組成は、時間t2、t3およびt4において、プロセス不調前のそれらのレベルから実質的に変わっておらず、そしてそれにより、不調後に酢酸プロセスを効率的に目標製造速度へと復帰させるための多変数非線形モデルベースの制御能力は証明された。
比較実施例2
時間t3において、オペレータの管理によって管理された調節制御と多変数線形モデルベースの制御との組み合わせの下で、目標製造速度R1と関連のある前の定常状態にプロセスを復帰させ、そしてそれが時間t5で達成された以外は、実施例1に記載したようにメタノールカルボニル化プロセスを運転した。この比較実施例による低下製造速度R2からの回復は、図3の曲線Aによって示してある。
而して、本発明は、対象を実行し、そして、言及した目的および利点ならびに本明細書に固有の目的および利点を達成するのに充分に適合している。本発明の例示的実施態様を参照することによって本発明を記載且つ説明してきたが、そのような参照は、本発明を限定すものではなく、また、そのような限定であると推量すべきではない。本発明は、従来技術に熟達していて且つ本開示の利益を受ける当業者には考えつくような多くの改良、変更および等価物が可能である。例えば、本発明は、触媒としてロジウムを用いるプロセスの使用に限定されない。本発明は、イリジウムを使用するプロセスを含む、他の触媒系を使用するシステムに適用できる。本発明の記載され説明された実施態様は、単に例示であって、本発明の範囲を網羅するものではない。而して、本発明は、全ての点で等価物に対して完全な認識を付与する添付のクレームの趣旨および範囲のみによって限定されることが意図される。
本発明と共に使用するのに適する代表的なメタノールカルボニル化プロセスの概略図である。 プロセスの外乱を含む期間と、本開示の一つの面にしたがう非線形モデルに基づく制御装置を使用するときに予期されるその後の回復期間とに関する、時間に対する酢酸製造速度のプロットである。 プロセスの外乱の後の回復期間に関する、時間に対する酢酸製造速度のプロットである。

Claims (15)

  1. 以下の工程:すなわち、
    酢酸の製造速度をモニターする工程;
    プロセス状態またはプロセス装置状態の変化に応答して製造速度を低下させる工程;
    該製造速度を低下させた後、該低下製造速度で該プロセスを制御する工程;および、
    該状態変化に対処した後、少なくとも該製造速度が正常な運転範囲に復帰するまで、該製造速度を増加させる工程を含み、且つ
    該製造速度を低下させる工程、該低下製造速度で該プロセスを制御する工程、および、該製造速度が正常な運転範囲に復帰するまで該製造速度を増加させる工程のうちの少なくとも一つの工程中に、該プロセスが、該プロセスのモデルに基づいて非線形多変数制御によって制御されることを特徴とする、メタノールまたはそれらのカルボニル化可能な誘導体をカルボニル化することによって酢酸を製造するためのプロセスを制御する方法。
  2. 該プロセスモデルが、該プロセスの少なくとも反応セクションの動的モデルを含む請求項1記載の方法。
  3. 該プロセスモデルが、該プロセスの少なくとも精製セクションの動的モデルを含む請求項1記載の方法。
  4. 該プロセスモデルが、該プロセスの少なくとも反応セクションの第一原理モデルを含む請求項1記載の方法。
  5. 該プロセスモデルが、該プロセスの少なくとも精製セクションの第一原理モデルを含む請求項1記載の方法。
  6. 該状態変化を、(a)一酸化炭素利用可能性の実質的な低下;(b)触媒ポンプの故障;(c)加熱能力または冷却能力の喪失;(d)下流にある精製塔のフラッディング;(e)精製塔と関連のある1つ以上の流れの期待される組成からの有意な逸脱;(f)酢酸生成物の貯蔵能力の不足;およびそれらの組み合わせから成る群より選択する請求項1記載の方法。
  7. 該製造速度が正常な運転範囲内にあるとき、該プロセスモデルに基づいてプロセス状態を連続的に最適化する工程を更に含む請求項1記載の方法。
  8. 該最適化工程が、増加製造速度または低下製造速度と関連がある原料およびエネルギーのコストの変化に対して、該増加製造速度または該低下製造速度と関連がある経済的価値をバランスさせる請求項7記載の方法。
  9. 次の工程:すなわち、該プロセスの第一原理モデルに基づく多変数非線形予測制御装置を使用して該プロセスの少なくとも反応セクションを制御する工程を含み、且つ該制御装置が、正常な運転中に、プロセス不調状態中に、そして不調状態に対処した後の回復中に、該プロセスを制御するのと同じプロセスモデルを使用することを特徴とする、メタノールのカルボニル化によって酢酸を製造するプロセス。
  10. 該プロセス不調状態が、(a)一酸化炭素利用可能性の実質的な低下;(b)触媒ポンプの故障;(c)加熱能力または冷却能力の喪失;(d)下流にある精製塔のフラッディング;(e)精製塔と関連のある1つ以上の流れの期待される組成からの有意な逸脱; (f)酢酸生成物の貯蔵能力の不足;およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む請求項9記載のプロセス。
  11. 該プロセスが正常な運転範囲内で動作しているとき、該プロセスモデルに基づいてプロセス状態を連続的に最適化するために該制御装置を使用する工程を更に含む請求項9記載のプロセス。
  12. 該最適化工程が、増加製造速度または低下製造速度と関連がある原料およびエネルギーのコストの変化に対して、該増加製造速度または該低下製造速度と関連がある経済的価値をバランスさせる請求項11記載のプロセス。
  13. 少なくとも該低下製造速度で該プロセスを制御する工程中に、該プロセスを、該プロセスのモデルに基づく非線形多変数制御によって制御する請求項1記載のプロセス。
  14. 少なくとも該製造速度が正常な運転範囲へと復帰するまで該製造速度を増加させる工程中に、該プロセスを、該プロセスのモデルに基づく非線形多変数制御によって制御する請求項1記載のプロセス。
  15. 以下の工程:すなわち、
    該酢酸の製造速度をモニターする工程;
    プロセス状態またはプロセス装置状態の変化に応答して該製造速度を低下させる工程;
    該製造速度の低下後に、該プロセスのモデルに基づいて非線形多変数制御によって該プロセスを制御する工程;
    該状態変化に対処した後に該製造速度を増加させる工程;および
    少なくとも該製造速度が正常な運転範囲に復帰するまで、該プロセスモデルに基づく非線形多変数制御を維持する工程
    を含む、メタノールのカルボニル化によって酢酸を製造するプロセスを制御する方法。
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