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JP2008522760A - おむつに使用するための改質された吸水性樹脂を含む吸収性部材 - Google Patents

おむつに使用するための改質された吸水性樹脂を含む吸収性部材 Download PDF

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JP2008522760A JP2007545662A JP2007545662A JP2008522760A JP 2008522760 A JP2008522760 A JP 2008522760A JP 2007545662 A JP2007545662 A JP 2007545662A JP 2007545662 A JP2007545662 A JP 2007545662A JP 2008522760 A JP2008522760 A JP 2008522760A
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Abstract

使い捨ておむつに使用するための吸収性部材であって、この吸収性部材は改質された吸水性樹脂を含む。改質された吸水性樹脂は、a)エチレン性不飽和モノマーを添加することなく、吸水性樹脂及び水溶性ラジカル重合反応開始剤又は熱分解性ラジカル重合反応開始剤を混合すること、及びb)得られた混合物を活性エネルギー線を用いて照射すること、を含む方法に従って製造される。この方法は、圧力下での吸収性及び塩水流伝導度を特に向上できる。

Description

おむつに使用するための吸収性部材であって、該吸収性部材が改質された吸水性樹脂を含む。該吸水性樹脂は、エチレン性不飽和モノマーを添加することなく、水溶性ラジカル重合反応開始剤又は熱分解性ラジカル重合反応開始剤と混合された吸水性樹脂に活性エネルギー線を照射することによって改質される。
これまで、吸水性樹脂は、生理綿、使い捨ておむつ、及び他の種類の体液用の吸収体のような衛生材料のための構成成分の1つとして使用されてきた。吸水性樹脂の具体的な例として、デンプン−アクリロニトリルグラフトポリマーの加水分解物、中和されたデンプン−アクリル酸グラフトポリマー、鹸化されたビニルアセテート−アクリル酸エステルコポリマー、アクリロニトリルコポリマー又はアクリルアミドコポリマーの加水分解物、及びそれらの架橋生成物、及び部分的に中和された架橋アクリル酸を挙げることができる。これらの吸水性樹脂は、必ず内部架橋構造を有し、水に不溶性である。
これらの吸水性樹脂が有するように期待される特徴的な特性としては、例えば、高い吸収能力、最適な吸収速度、高いゲル強度、及び媒体から水を吸引するのに必要な完全に申し分のない吸引力が挙げられる。吸水特性は架橋密度の影響を受けるので、架橋密度の増大がゲル強度の増大を導くが、吸収される水の量は減少するという事実によって示されるように、それらは必ずしも互いに正の相関関係を示すとは限らない。特に、吸収能力は、例えば吸収速度、ゲル強度、及び吸引力と矛盾する関係にある。そのため、吸収能力を向上させた吸水性樹脂は、吸水性樹脂粒子が水と接触する場合に水の均一な吸収が妨げられ、吸水性樹脂自体が部分的に凝集した部分を形成し、吸水性樹脂粒子の体積全体にわたって水が拡散しないので吸収速度が極度に低下する可能性がある。
こうした現象を緩和させ、高い吸収能力と比較的申し分のない吸収速度とを有する吸水性樹脂を得るために、吸水性樹脂粒子に界面活性剤又は不揮発性炭化水素で表面コーティングを施す方法が利用できる。この方法は、最初に吸収された水の分散性を実際高めるが、個々の樹脂粒子の吸収速度及び吸引力を向上させるという点では十分な効果が得られない。
吸水特性の高いポリアクリル酸系ポリマーを製造する手段として、主要構成成分としてポリアクリル酸の部分的なアルカリ金属塩を有する架橋密度の低い水性組成物を、水溶性の過酸化物ラジカル開始剤の存在下で加熱することによって、その中にラジカル架橋による架橋を導入することを含む方法が、米国特許第4,910,250号に提案されている。ポリマー中に均一に内部架橋を分配するのは困難であり、架橋密度を調整するのは容易なことではない。故に、架橋密度の低い水溶性ポリアクリル酸ゲルを含有するポリマーを調製し、次いで重合反応開始剤としてそこに添加される過硫酸塩と共にポリマーを加熱する手段が採用される。米国特許第4,910,250号は、添加されるべき開始剤の量を調整することによって架橋密度の正確な制御を実現し、ポリマー中に架橋を均一に存在させることで最適な吸水特性を得ると共に、べたつきをもたない吸水性樹脂を得ることを特許請求している。
上述の米国特許第4,910,250号に使用される過硫酸塩は熱によって分解されるが、それは紫外線によっても分解され、ラジカルを発生する。過硫酸塩は重合反応開始剤としての機能を果たすので、水溶性ビニルモノマーの水溶液は、放射線に曝される場合に、重合とラジカル架橋を同時に行い、ヒドロゲルを生成する。親水性ポリマー構成成分、光重合反応開始剤及び架橋剤を共に添加し、それらを紫外線で照射することによって内部架橋を形成する反応系が知られている。
一方、吸水性樹脂を架橋剤で表面処理し、架橋密度の増大した表面を付与する方法も、例えば、米国特許第4,666,983号及び米国特許第5,422,405号から既知である。先行する特許文献に記載されたこうした吸水性樹脂は、それらの表面に反応性の官能基の存在が必要となる。官能基と反応できる表面架橋剤の添加の結果として官能基間に架橋を導入することによって、吸水性樹脂に架橋密度が増大した表面を付与し、圧力下であっても最適な吸収特性を得ることが可能になる。
さらに、上述の表面架橋剤の使用は長期間高温で行われる架橋形成反応を必要とし、架橋剤を不変状態に保たなければならないという問題が伴うので、過酸化物ラジカル開始剤を含有する水溶液を樹脂に接触させ、樹脂を加熱することによって、ラジカル開始剤の分解により樹脂表面近傍のポリマー分子鎖に架橋を導入する方法が、米国特許第4,783,510号に提案されている。この方法の作用例では、高い吸収能力を示す吸水性樹脂は130℃の過熱蒸気で6分間加熱することによって得られた。
本発明の目的は、吸水性樹脂が吸収能力と吸収速度との最適なバランスを有するように吸水性樹脂に表面架橋を導入することである。この吸水性樹脂は、おむつに使用される吸収性部材に使用される。一般に、こうした目的は、吸水性樹脂に作用するために、吸水性樹脂の表面に存在する官能基と反応できる少なくとも2つの官能基を有する架橋剤を必要とする。こうした特質の架橋剤の具体例としては、多価アルコール類、多価のグリシジルエーテル類、ハロエポキシ化合物、多価アルデヒド類、多価アミン類、及び多価金属塩類を挙げることができる。こうした架橋剤は反応性が低いので、高温で行われ、時には長時間加熱された状態を維持させるために関連反応が必要となる。故に、この反応は多量のエネルギーと時間を必要とする。
架橋剤として過酸化物ラジカル開始剤を使用する米国特許第4,783,510号に開示されるような表面処理方法は、反応を効率良く進めるために、高い反応温度と、反応を進行させるために必要な水を保持する目的を果たす加湿とが必要である。故に、製造効率のさらなる向上が必要である。
本発明は、製造効率、並びに圧力下での吸収性、吸収速度、ゲル強度、及び液体透過性のような特性が高まるように改質された吸水性樹脂の製造方法に従って製造される吸水性樹脂を含む吸収性部材を提供することを目的とする。
本発明は、使い捨ておむつに使用するための吸収性部材に関連し、該吸収性部材は、
a)エチレン性不飽和モノマーを添加することなく、吸水性樹脂と水溶性ラジカル重合反応開始剤とを混合すること、及び
b)得られた混合物を活性エネルギー線で照射すること、を含む方法に従って製造される改質された吸水性樹脂を含む。
さらに、本発明は使い捨ておむつに使用するための吸収性部材について言及し、該吸収性部材は、主要構成成分としてアクリル酸(塩)を含むモノマー構成成分を重合することによって得られ、次の特徴を有する粉末状の改質吸水性樹脂を含む。
(i)40(10−7・cm・s・g−1)以上の塩水流伝導度、
(ii)95%以下の固形含有量、及び
(iii)150ppm以下の残存モノマー含有量。
本発明はまた、使い捨ておむつに使用するための吸収性部材に関連し、該吸収性部材は、
a)エチレン性不飽和モノマーを添加することなく、吸水性樹脂と過硫酸塩とを混合すること、
b)該工程(a)と同時又は該工程(a)の前に水以外の混合助剤を添加すること、及び
c)得られた混合物を活性エネルギー線で照射すること、を含む方法に従って製造される改質された吸水性樹脂を含む。
さらなる実施形態では、本発明は、使い捨ておむつに使用するための吸収性部材に関連し、該吸収性部材は、
a)エチレン性不飽和モノマーを添加することなく、吸水性樹脂と過硫酸塩とを混合すること、及び
b)得られた混合物を活性エネルギー線で照射すること、を含む方法に従って製造される改質された吸水性樹脂を含み、
前記吸水性樹脂が、酸基を有し、50〜75モル%の範囲の中和比(該酸基全体のうち中和された酸基のモル%)を有する。
さらに本発明はまた、使い捨ておむつに使用するための吸収性部材に関連し、該吸収性部材は、
a)エチレン性不飽和モノマーを添加することなく、吸水性樹脂と過硫酸塩とを混合すること、
b)該工程(a)と同時又は該工程(a)の前に水以外の混合助剤を添加すること、及び
c)得られた混合物を活性エネルギー線で照射すること、を含む方法に従って製造される改質された吸水性樹脂を含み、
前記吸水性樹脂が、酸基を有し、50〜75モル%の範囲の中和比(該酸基全体のうち中和された酸基のモル%)を有する。
参照番号の説明
31−タンク
32−ガラス管
33−0.69重量%の塩化ナトリウム水溶液
34−コックを備えたL字形管
35−コック
40−容器
41−セル
42−ステンレススチール製のワイヤゲージ
43−ステンレススチール製のワイヤゲージ
44−膨潤ゲル
45−ガラスフィルター
46−ピストン
47−ピストンの穴
48−回収容器
49−パンスケール
改質された表面を有する吸水性樹脂を製造するための方法について詳細に研究した結果、(熱分解性)ラジカル重合反応開始剤として従来から使用されている過硫酸塩を活性エネルギー線に照射する場合、この過硫酸塩がラジカルを生成し、吸水性樹脂の表面に架橋構造を容易に形成できることが明らかになった。さらに、この方法は、従来の方法には必須の構成成分であった表面架橋剤を使用する必要なく表面架橋を導入し、製造された吸水性樹脂は吸水特性のバランスに優れていることを見出した。
従来、表面架橋は、関連組成物に組み込むべき表面架橋剤の種類によって100〜300℃の範囲の高温で処理が必要であった。本発明の吸収性部材に使用するための吸水性樹脂を製造するために使用される方法は、表面架橋剤を使用する必要なく、単に活性エネルギー線を照射することによって表面架橋を導入できる。故に、吸水性樹脂は、高温に曝されることなく改質でき、改質過程の間に熱分解されるのを防止できる。
さらに、この過硫酸塩は水に可溶性であるので、水溶液に溶解して、吸水性樹脂と混合でき、結果として樹脂上に均一な表面架橋を確実に形成できる。結果として、改質された吸水性樹脂は、こうした吸水性樹脂が有することが期待される吸収能力、吸収速度、ゲル強度、及び吸引力のような特徴的な特性に関して真に優れている。
本発明の吸収性部材に使用される改質された吸水性樹脂の製造方法は、活性エネルギー線で照射することによって表面架橋を行う。そのため、従来の方法に比べて短時間に吸水性樹脂を改質できる。
本発明の第1の態様は、本発明の吸収性部材に使用される改質された吸水性樹脂の製造方法を対象とし、この方法は次を含む。
a)エチレン性不飽和モノマーを添加することなく、吸水性樹脂と水溶性ラジカル重合反応開始剤とを混合すること、及び
b)得られた混合物を活性エネルギー線で照射すること。
ここで、本発明に従う改質された吸収性樹脂の製造方法を以下で詳細に記載する。
本発明の第2の態様は、改質された吸水性樹脂の製造方法を対象とし、この方法は次を含む。
a)エチレン性不飽和モノマーを添加することなく、吸水性樹脂と熱分解性ラジカル重合反応開始剤とを混合すること、及び
b)得られた混合物を活性エネルギー線で照射すること。
(a)吸水性樹脂
本発明の吸収性部材に使用できる吸水性樹脂は、水に膨潤する能力を有し、水に不溶性であるためヒドロゲルを形成できる架橋ポリマーである。本発明で使用する時、「水に膨潤できる能力」という用語は、0.9重量%の塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)に対する所与のサンプルの自由膨潤能力のことを指し、すなわち、サンプルが生理食塩水を本質的に2g/g以上、及び好ましくは5〜100g/gの範囲、又は10〜60g/gの範囲で吸収する能力のことを指す。「水に不溶性」という用語は、吸水性樹脂中の架橋していない抽出可能なポリマー(抽出可能ポリマー)が、0〜50重量%、又は25重量%以下、又は15重量%以下、又は10重量%以下の範囲にあるべきことを指す。自由膨潤能力の数値及び抽出可能ポリマーは、本明細書にて以下に記載される作用例に詳述される測定方法によって判明したものである。「改質」という用語は、吸水性樹脂を表面架橋し、そこに孔を形成し、例えば親水特性又は疎水特性の利益を享受できるようにするという目的のもとで、吸水性樹脂に対して行う全ての物理的又は化学的作用を指す。
本発明の吸収性部材に使用できる吸水性樹脂は、特に制限される必要はないが、既知の手段のいずれかによってエチレン性不飽和モノマーを本質的に含有するモノマー構成成分を重合することによって得ることができるということだけが要求される。
エチレン性不飽和モノマーは特に制限されないが、その末端に不飽和二重結合を有するモノマーであるのが好ましい。本明細書のモノマーの具体例として、陰イオン性モノマー類、例えば(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、及びスチレンスルホン酸及びそれらの塩類;非イオン性の親水性基含有モノマー類、例えば(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、及び2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート;及びアミノ基含有不飽和モノマー類、例えばN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、及びN,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド及びそれらの四級化生成物を挙げることができる。これらのモノマー類は、単独で又は2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。上記で列挙されたモノマー類のうち、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、及びそれらの塩類、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及び四級化されたN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、及び(メタ)アクリルアミドが好ましいことが判明し、アクリル酸及び/又はそれらの塩が特に好ましいことが判明している。
アクリル酸塩をモノマーとして使用する場合、アクリル酸のアルカリ金属塩類、アンモニウム塩、及びアミン塩の中から選択されるアクリル酸の一価塩が、水を吸収する吸水性樹脂の能力の点から好ましいことが判明している。アクリル酸のアルカリ金属塩及び/又はアクリル酸塩は、好ましいことが判明しているナトリウム塩、リチウム塩、及びカリウム塩の中から選択されてもよい。
吸水性樹脂の製造において、上記で列挙されたモノマー類以外のモノマー構成成分を、本発明の効果を損なわない量で使用してもよい。こうした他のモノマー構成成分の具体的な例として、疎水性モノマー類、例えば8〜30の範囲の炭素数を有する芳香族エチレン性不飽和モノマー類、2〜20の範囲の炭素数を有する脂肪族エチレン性不飽和モノマー類、5〜15の範囲の炭素数を有する脂環式エチレン性不飽和モノマー類、及び4〜50の範囲の炭素数を有するアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステル類を挙げることができる。こうした疎水性モノマーの割合は、一般に、上述したエチレン性不飽和モノマー100重量部に基づいて0〜20重量部の範囲である。疎水性モノマーの割合が20重量部を超える場合、この過剰により結果として、製造された吸水性樹脂の吸水特性が低下する可能性がある。
本発明の吸収性部材に使用される吸水性樹脂は、内部架橋を形成することによって不溶性になる。この内部架橋は、架橋剤を使用せずに自己架橋によって得られる生成物であってもよい。それは、分子単位あたり2以上の重合可能な不飽和基及び/又は2以上の反応性官能基を有する内部架橋剤を使用することによって形成されてもよい。
本明細書の内部架橋剤は、特に制限される必要がない。内部架橋剤の具体的な例としては、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、(メタ)アクリル酸の多価の金属塩類、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリアリルアミン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールグリシジルエーテル、及びポリエチレングリコールジグリシジルエーテルを挙げることができる。これらの内部架橋剤は、2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
使用されるべき内部架橋剤の量は、0.0001〜1モル%の範囲、又は0.001〜0.5モル%の範囲、又は0.005〜0.2モル%の範囲であってもよい。この量が0.0001モル%より少ない場合、この不足は、結果として内部架橋剤が樹脂内に導入されるのを妨げることになる。逆に、この量が1モル%を超える場合、この超過は、結果として吸水性樹脂のゲル強度を過度に高め、吸収能力を低下させる可能性がある。内部架橋剤を用いることによってポリマーの内部に架橋構造を導入するためには、モノマーの重合前、重合中又は重合後、あるいは製造されるポリマーの中和後に、反応系に内部架橋剤を添加しさえすればよい。
吸水性樹脂を製造するためには、上述のモノマーを含むモノマー構成成分及びその水溶液中の内部架橋剤を重合しさえすればよい。この場合に使用できる重合反応開始剤は、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、及び過硫酸ナトリウムのような過硫酸塩類;過酢酸カリウム、過酢酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過炭酸ナトリウム、及びt−ブチルヒドロペルオキシド;過酸化水素;アゾ化合物、例えば2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)−ジヒドロクロリドを含む水溶性ラジカル重合反応開始剤及び2−ヒドロキシ−2−メチル−1フェニル−プロパン−1−オンを含む光重合反応開始剤である。上述の水溶性ラジカル重合反応開始剤は、酸化還元種の反応開始剤として使用され得るために、還元剤、例えば亜硫酸塩、L−アスコルビン酸、又は第二鉄塩と組み合わせて使用してもよい。
上述のモノマー水溶液中のモノマー濃度は、特に制限される必要はないが、15〜90重量%の範囲、又は35〜80重量%の範囲であってもよい。この濃度が15重量%よりも少ない場合、この不足により、得られたヒドロゲルが過度に多量の水分含有量を有するので、乾燥のための熱及び時間の消費を必要とする点において不利である。
重合のために採用されるべき方法は、特に制限されないが、既知の方法、例えば溶液重合、逆相懸濁重合、沈殿重合、及びバルク重合のうちから選択されてもよい。これらの方法のうち、水溶液中にモノマーを溶解させ、水溶液中でそれを重合することを含む水溶液重合、及び逆相懸濁重合は、重合反応の制御の容易さ、及び製造された吸水性樹脂の性能の点から特に有利であることが判明している。
上述の重合を開始する際、上述の重合反応開始剤はこうした開始を行うために使用される。上述の重合反応開始剤のほかに、紫外線、電子放射線、及びγ線のような活性エネルギー線は、単独で、又は重合反応開始剤と組み合わせて使用されてもよい。重合を開始する際の温度は使用されるべき重合反応開始剤の種類に依存するが、15〜130℃の範囲、又は20〜120℃の範囲であってもよい。重合を開始する際の温度が上述の範囲から逸脱する場合、この逸脱は、製造された吸水性樹脂中の残存モノマーを増大させ、自己架橋反応を過度に進行させて、結果として吸水性樹脂の吸水特性を悪化させる点で不利になる。
「逆相懸濁重合」という用語は、疎水性有機溶媒に懸濁したモノマー水溶液にて行われる重合方法のことを指す。それは、例えば米国特許第4,093,776号、米国特許第4,367,323号、米国特許第4,446,261号、米国特許第4,683,274号、及び米国特許第5,244,735号に開示されている。「水溶液重合」という用語は、分散溶媒を用いることなく、モノマー水溶液を重合する方法のことを指す。それは、例えば米国特許第4,625,001号、米国特許第4,873,299号、米国特許第4,286,082号、米国特許第4,973,632号、米国特許第4,985,518号、米国特許第5,124,416号、米国特許第5,250,640号、米国特許第5,264,495号、米国特許第5,145,906号、米国特許第5,380,808、及び欧州特許第0,811,636号、欧州特許第0,955,086号、及び欧州特許第0,922,717号に開示されている。これらの重合方法において実例として記載されるモノマー類及び反応開始剤は本発明に適用できる。
水溶液重合は、部分的に中和されたアクリル酸を重合する、又は酸形態のアクリル酸を重合し、続いて得られたポリマーを水酸化ナトリウム又は炭酸ナトリウムのようなアルカリ化合物で中和することによって行ってもよい。従って、本発明に使用されるべき吸水性樹脂は、酸基、及び特定の中和比(全体の酸基のうち中和された酸基のモル%)を有していてもよい。この場合、製造された吸水性樹脂の中和比(全体の酸基のうち中和された酸基のモル%)は、25〜100モル%の範囲、又は50〜90モル%の範囲、又は50〜75モル%の範囲、又はさらに60〜70モル%の範囲である。故に、本発明に従う好ましい実施形態は、a)エチレン性不飽和モノマーを添加することなく吸水性樹脂及び水溶性ラジカル重合反応開始剤を混合すること、及びb)得られた混合物を活性エネルギー線で照射することを含む、改質された吸水性樹脂を製造する方法を提供するが、ここで前記吸水性樹脂は、酸基を有し、及び50〜75モル%の範囲の中和比(全体の酸基のうち中和された酸基のモル%)を有する。
重合によって得られるものは、一般にヒドロゲル様架橋ポリマーである。本発明は、吸水性樹脂として不変形態での、こうしたヒドロゲル様架橋ポリマーを許容するが、具体的に本明細書にて以下で記載される水分含有量(%)[100〜(固形含有量)(%)]までポリマーを乾燥させるのが好ましい。
なお、本発明は、本明細書にて以下で具体的に記載される、水溶性ラジカル重合反応開始剤又は熱分解性ラジカル重合反応開始剤(本明細書では、「ラジカル重合反応開始剤」と総称される)、及び活性エネルギー線を使用することによって吸水性樹脂を改質する。この改質は、重合反応開始剤から生じたラジカルのポリマー主鎖上への作用による。故に、こうした改質は、上述の水溶性のエチレン性不飽和モノマーを重合することによって得られる吸水性樹脂に限定される必要はないが、例えば架橋ポリビニルアルコール、架橋ポリエチレンオキシド、架橋ポリアスパラギン酸、及び架橋カルボキシメチルセルロースのような吸水性樹脂にて行われてもよい。
本発明の吸収性部材に使用される吸水性樹脂は、特に主要構成成分としてアクリル酸(塩)を有するモノマーを重合することによって得られる粉末状吸水性樹脂であってもよい。重合によって得られるヒドロゲル様架橋ポリマーは乾燥され、続いて粉砕されて吸水性樹脂を得てもよい。乾燥は、100〜220℃の範囲又は120〜200℃の範囲の温度にて熱風乾燥機のような乾燥機を用いることによって行われてもよい。
粉砕に使用するために、粒子技術ハンドブック(Particle Technology Handbook)(粒子技術協会(Particle Technology Association)編の第1版)の表1.10に分類される粉末化装置の名称に含まれる剪断力一次粉砕機、衝撃シュレッダ、及び高速回転グラインダのうち、切断、剪断、衝撃、及び摩擦のような粉末化機構の少なくとも1つを有する粉末化装置を採用するのが特に好ましい。
上記説明に従う粉末化装置のうち、主要機構として切断及び剪断を有する粉末化装置を特に有利に使用できる。ロールミル(ロール回転種)の粉末化装置を、好ましい例として挙げることができる。
本発明の吸収性部材に使用される吸水性樹脂は、粉末形態であるのが好ましい。それは90〜100重量%の範囲又は95〜100重量%の範囲の割合で、(ふるい分級によって規定される場合に)150〜850μmの範囲の直径を有する粒子を含有する粉末状吸水性樹脂であってもよい。850μmを超える粒径を有する改質された吸水性樹脂が、例えば使い捨ておむつに使用される場合、それは、ユーザーの皮膚に許容できない感触を与え、おむつのトップシート上で破裂する可能性がある。150μmより小さい直径の粒子が吸水性樹脂の重量に基づいて10重量%を超える割合である場合、微粒子は散乱し、使用中に詰まった肌ざわりを与え、改質された吸水性樹脂の吸水特性を低下させる可能性がある。吸水性樹脂の重量平均粒子直径は、10〜1,000μmの範囲、又は200〜600μmの範囲にある。重量平均粒子直径が10μmよりも短い場合、この不足は安全及び健康の点において好ましくない可能性があることが判明している。逆に、1,000μmを超える場合、この超過は、結果として吸水性樹脂が、例えば使い捨ておむつに使用されるのを妨げる可能性がある。上述の粒子直径は、本明細書にて以下に記載される作用例にて説明される粒径分布の測定方法によって測定される値である。
さらに又はあるいは、本発明の吸収性部材に使用されるべき吸水性樹脂は、中和比の低い吸水性樹脂前駆体を生成し、この吸水性樹脂前駆体を塩基と混合することによって得られてもよい。多官能性表面処理剤は、表面処理(表面架橋)のために従来から使用されている。多官能性表面処理剤は、吸水性樹脂中のカルボキシル基(−COOH)と反応するが、それらの塩(例えば、−COONa)とは反応しないような特性を有する。従って、−COOH/COONa比を予め好適な範囲内に調整したエチレン性不飽和モノマー混合物(例えば、アクリル酸とアクリル酸ナトリウムとの混合物)を調製し、得られた混合物を重合して−COOH及び−COONa基が均一に分配された吸水性樹脂を生成し、得られた吸水性樹脂を多官能性表面処理剤を用いて表面架橋に供することによって均一架橋を達成できる。一方、吸水性樹脂が、主要構成成分としてアクリル酸のような酸種のエチレン性不飽和モノマーを含むモノマー混合物を重合し、次いで得られたポリマーを水酸化ナトリウム及び炭酸ナトリウムのようなアルカリ化合物で中和することによって得られる場合、得られた吸水性樹脂は、小さい抽出可能ポリマー含有量及び高いゲル強度を有する。しかし、多官能性表面処理剤を用いて表面架橋に供する場合、吸水性樹脂は、−COOH及び−COONa基が吸水性樹脂に均一に分配されていないので吸水性が悪化することになる。従って、後者の方法によって製造される吸水性樹脂は、多官能性表面処理剤で従来の表面架橋に供されるのは望ましくない。逆に、本発明の吸収性部材に使用するための吸水性樹脂を製造するために使用される方法に従えば、水溶性のラジカル重合反応開始剤又は熱分解性ラジカル重合反応開始剤は、−COOHと反応するのではなく、主鎖の水素を引き抜き、ラジカルを形成して、カップリングのためにこのラジカルを用いることによって架橋を誘導するので、架橋反応は、−COOH基が吸水性樹脂に均一に分配されるかどうかに影響されない。結果として、本発明の吸収性部材に使用するための吸水性樹脂を製造するために使用される方法に従えば、中和比の低い吸水性樹脂前駆体を得るために、主要構成成分としてアクリル酸のような酸種のエチレン性不飽和モノマーを含むモノマー又はモノマー混合物を重合し、次いで吸水性樹脂前駆体を水酸化ナトリウム及び炭酸ナトリウムのようなアルカリ化合物で中和することによって得られる吸水性樹脂を改質でき、この方法によって得られる改質吸水性樹脂は、高いゲル強度及び優れた吸水性を示すことができる。
本発明において、「中和比の低い吸水性樹脂前駆体」という表現により、中和比(全体の酸基のうち中和された酸基のモル%)の低い、又は中和された酸基をもたない(すなわち、中和比が0である)吸水性樹脂前駆体と見なされ、通常、およそ0〜50モル%の範囲、又はおよそ0〜20モル%の範囲の中和比(全体の酸基のうち中和された酸基のモル%)を有する吸水性樹脂前駆体と見なされる。中和比の低いこうした吸水性樹脂前駆体は、主要構成成分としてアクリル酸のような酸基含有モノマーを含むモノマー混合物を用いることによって上述と同じ方法で得ることができ、ここで中和比は上記範囲内に調整されてもよい。故に前駆体の詳細な説明を省く。
吸収性部材に使用するための本発明によって熟考された改質吸水性樹脂の製造方法に使用されるべき吸水性樹脂の水分含有量は、吸水性樹脂が流動性を有する限り特に制限されない。180℃で3時間乾燥した後の吸水性樹脂は、0〜20重量%の範囲、又は0〜10重量%の範囲、又は0〜5重量%の範囲にある水分含有量を有する。
本発明の吸収性部材に使用されるべき吸水性樹脂は、上述の方法の生成物に限定されないが、特定の他の方法によって得られる生成物であってもよい。上述の方法によって得られる吸水性樹脂は表面架橋を行っていない吸水性樹脂であるが、本発明の改質された吸水性樹脂を製造する方法に使用するために、多価アルコール、多価エポキシ化合物、アルキレンカーボネート、又はオキサゾリドン化合物によって予め表面架橋を行った吸水性樹脂を採用してもよい。
(b)水溶性ラジカル重合反応開始剤
本発明の吸収性部材に使用するための改質された吸水性樹脂の製造方法は、エチレン性不飽和モノマーを添加することなく、水溶性のラジカル重合反応開始剤及び上述の吸水性樹脂を混合することを含む。これまで、吸水性樹脂の表面架橋は、一般に表面架橋剤を導入することによって行われてきた。表面架橋剤を導入することによって、樹脂表面に存在する官能基を表面架橋剤と化学的に強く結合させ、結果として樹脂表面に安定な表面架橋構造を導入する。この時、表面架橋剤の鎖長を適切に選択することによって、架橋間の距離が容易に調整可能になる。組み込まれるべき表面架橋剤の量を調整することによって、架橋密度が制御可能になる。しかし、本発明では、吸水性樹脂を改質すること、特に上述の表面架橋剤の組み込みを必要とすることなく、水溶性ラジカル重合反応開始剤を単に用いることによって吸水性樹脂の表面に架橋構造を導入することが示された。本発明は、水溶性ラジカル重合反応開始剤がエチレン性不飽和モノマーと反応するのを防止し、活性エネルギー線で照射されて活性化された水溶性ラジカル重合反応開始剤が吸収性樹脂の表面で作用する前に消費されるのを回避することを目的として、「エチレン性不飽和モノマーを添加することなく」という表現を使用する。
本発明において、水溶性のラジカル重合反応開始剤及び活性エネルギー線によって表面架橋が形成される理由は明白ではないが、架橋構造が架橋化合物の不存在下であっても形成されるという事実から、活性エネルギー線に曝すことによって活性化された水溶性のラジカル重合反応開始剤が、吸水性樹脂の表面上にある主鎖又は側鎖のいくつかの部分に作用し、それら双方を特定の作用又はその他の作用によって共に結合させるという推測が正しいと考えられる。この作用は、例えば、吸水性樹脂の主鎖から水素を引き抜き、炭素原子を活性化し、隣接して存在するこれらの炭素原子を相互に結合させ、最後にランダムに架橋構造を形成する反応によるものであってもよい。
本発明は特に「水溶性ラジカル重合反応開始剤」を指定するが、それは、この開始剤が容易に親水特性及び吸水特性に優れた吸水性樹脂の表面に均一に分散されるからである。故に、吸水特性に優れた吸水性樹脂を製造することが可能になる。
本発明に使用されるべき水溶性ラジカル重合反応開始剤は、水(25℃)に対して1重量%以上、又は5重量%以上、又は10重量%以上の溶解度を有する。この説明に応じた水溶性ラジカル重合反応開始剤の具体例として、過硫酸塩類、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、及び過硫酸カリウム;過酸化水素;及び水溶性アゾ化合物、例えば2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパンジヒドロクロリド及び2,2’−アゾビス[2−2(−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリドを挙げることができる。これらのうち特に過硫酸塩の使用は、改質された吸水性樹脂が、圧力下での生理食塩水の吸収性(本明細書では、単に「圧力下での吸収性」と称される)、塩水流伝導度及び生理食塩水の自由膨潤能力(本明細書では、単に「自由膨潤能力」と称される)に優れる点で好ましいことが判明している。
水溶性ラジカル重合反応開始剤の量は、吸水性樹脂100重量部に基づいて、0.01〜20重量部の範囲、又は0.1〜15重量部の範囲、又は1〜10重量部の範囲であってもよい。混合されるべき水溶性ラジカル重合反応開始剤の量が0.01重量部よりも少ない場合、この不足は、結果として吸水性樹脂が活性エネルギー線に曝されることで一様に改質されるのを妨げる可能性がある。逆に、混合されるべき水溶性ラジカル重合反応開始剤の量が20重量部を超える場合、この過剰により結果として、改質された吸水性樹脂の吸水特性を低下させる可能性がある。
水溶性ラジカル重合反応開始剤を本質的に用いることによる本発明は、水溶性ラジカル重合反応開始剤を全く用いない場合、例えば油溶性ラジカル重合反応開始剤、特に油溶性光重合反応開始剤だけを使用する場合と比較して、優れた特性を有する吸水性樹脂を製造できる。なお、本明細書で使用する時、「油溶性光重合反応開始剤」という用語は、例えば1重量%未満の溶解度を示す化合物を意味する。
本発明は、過硫酸塩類、過酸化水素、及び水溶性アゾ化合物のうちから選択される水溶性ラジカル重合反応開始剤を本質的に使用するが、本発明は水溶性ラジカル重合反応開始剤以外の反応開始剤をさらに使用してもよい。上述のように追加的に使用できるその他の重合反応開始剤の具体的な例として、光重合反応開始剤、例えば油溶性ベンゾイン誘導体、ベンジル誘導体、及びアセトフェノン誘導体、並びに油溶性有機過酸化物類、例えば油溶性ケトン過酸化物、ペルオキシケタール、ヒドロペルオキシド、ジアルキル過酸化物、ペルオキシエステル類、及びペルオキシカーボネートを挙げることができる。これらの光重合反応開始剤は、市販の製品、例えばチバ・スペシャリティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)から商標名イルガキュア(Irgacure)184(ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン)及びイルガキュア(Irgacure)2959(1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン)の下で販売される製品であってもよい。
本発明がその他の反応開始剤の追加的な使用を必要とする場合、使用されるべき反応開始剤の量は、吸水性樹脂100重量部に基づいて0〜20重量部の範囲、又は0〜15重量部の範囲、又はさらに0〜10重量部の範囲である。この使用割合は、水溶性ラジカル重合反応開始剤より少ない量、例えば水溶性ラジカル重合反応開始剤の重量比の1/2以下、さらに1/10以下、及び特に1/50以下に対応する。
(c)熱分解性ラジカル重合反応開始剤
本発明によれば、熱分解性ラジカル重合反応開始剤のうち、特定の10時間半減期分解温度を有するラジカル重合反応開始剤は、上述の水溶性ラジカル重合反応開始剤を用いて達成されるものと同様の効果を示すことができることを見出した。本明細書で使用する時、「熱分解性ラジカル重合反応開始剤」という用語は、加熱によってラジカルを発生する化合物を指す。0〜120℃、又は20〜100℃の範囲の10時間半減期分解温度を有する熱分解性ラジカル重合反応開始剤が本発明で使用されてもよい。活性エネルギー線を用いて照射する間の温度を考慮すれば、40〜80℃の範囲の10時間半減期分解温度を有する熱分解性ラジカル重合反応開始剤は、本発明に使用されるのが特に好ましい。10時間半減期分解温度の下限が0℃未満である場合、熱分解性ラジカル重合反応開始剤は、保管中に不安定過ぎる。逆に、それらの上限が120℃を超える場合、熱分解性ラジカル重合反応開始剤の化学的安定性が非常に高すぎる可能性があり、結果として反応性が低下する。
熱分解性ラジカル重合反応開始剤は、相対的に安価な点で有利である。さらに、それらの製造方法及び装置は、厳格な光遮蔽が必ずしも必要ではないので、光分解性ラジカル重合反応開始剤として市販されている化合物に比べて簡便にできる。熱分解性ラジカル重合反応開始剤の代表的な例としては、過硫酸塩類、例えば過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、及び過硫酸カリウム;過炭酸塩類、例えば過炭酸ナトリウム;過酢酸塩類、例えば過酢酸、及び過酢酸ナトリウム;過酸化水素;及びアゾ化合物、例えば2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−2(−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、及び2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)を挙げることができる。上記で列挙した熱分解性ラジカル重合反応開始剤のうち、40〜80℃の範囲の10時間半減期分解温度を有する、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、及び過硫酸カリウムを含む過硫酸塩類、並びに2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−2(−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、及び2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)を含むアゾ化合物を使用してもよい。特に、過硫酸塩類は、圧力下での生理食塩水の吸収性、及び塩水流伝導度、及び自由膨潤能力に優れている点から使用されてもよい。
本発明の吸収性部材に使用するための改質された吸水性樹脂の製造方法は、エチレン性不飽和モノマーを添加することなく、熱分解性のラジカル重合反応開始剤及び吸水性樹脂を混合することを含む。これまで、吸水性樹脂の表面架橋は、一般に表面架橋剤を導入することによって行われてきた。表面架橋剤を導入することによって、表面架橋剤と樹脂表面に存在する官能基との間に強い化学結合をもたらし、結果として樹脂表面に安定な表面架橋構造を導入する。この時、表面架橋剤の鎖長を適切に選択することによって、架橋間の距離が容易に調整可能になる。導入されるべき表面架橋剤の量を調整することによって、架橋密度が制御できる。しかし、本発明では、吸水性樹脂を改質すること、特に上述の表面架橋剤の導入を必要とすることなく、熱分解性ラジカル重合反応開始剤を単に用いることによって吸水性樹脂の表面に架橋構造を導入することが示された。本発明は、熱分解性ラジカル重合反応開始剤がエチレン性不飽和モノマーと反応するのを防止し、活性エネルギー線で照射されて活性化された熱分解性ラジカル重合反応開始剤が吸収性樹脂の表面で作用する前に消費されるのを回避することを目的として、「エチレン性不飽和モノマーを添加することなく」という表現を使用する。
本発明では、熱分解性のラジカル重合反応開始剤及び活性エネルギー線によって表面架橋が形成される理由は明白ではないが、架橋構造が架橋化合物の不存在下であっても形成されるという事実から、活性エネルギー線に曝すことによって活性化された熱分解性のラジカル重合反応開始剤によるものであると考えられ、それが吸水性樹脂の表面上にある主鎖又は側鎖のいくつかの部分に作用し、それら双方を特定の作用又はその他の作用によって共に結合させる。この作用は、例えば、吸水性樹脂の主鎖から水素を引き抜き、炭素原子を活性化し、隣接して存在するこれらの炭素原子を相互に結合させ、最後にランダムに架橋構造を形成する反応によるものであってもよい。
吸水性樹脂に特定の10時間半減期分解温度を有する重合反応開始剤を添加し、次いで得られた混合物を活性エネルギー線を用いて照射することによって、表面架橋は低温で、短時間で行うことができ、得られた改質吸水性樹脂は、高いゲル強度及び優れた吸水特性を示すことができる。本発明に使用するための熱分解性ラジカル重合反応開始剤は、油溶性又は水溶性のいずれであってもよい。油溶性の熱分解性ラジカル重合反応開始剤の組成比は、水溶性の熱分解性ラジカル重合反応開始剤の組成比に比べてpH及びイオン強度に感応性でない。しかし、吸水性樹脂は親水性であるので、より好ましくは水溶性の熱分解性ラジカル重合反応開始剤が、吸水性樹脂に対する透過性の点から使用されてもよい。
熱分解性ラジカル重合反応開始剤の量は、吸水性樹脂100重量部に基づいて0.01〜20重量部の範囲であってもよく、又は0.1〜15重量部の範囲、又はさらに1〜10重量部の範囲であってもよい。混合されるべき熱分解性ラジカル重合反応開始剤の量が0.01重量部未満である場合、この不足は、結果として吸水性樹脂が活性エネルギー線に曝されてさえ一様に改質されるのを妨げる可能性がある。逆に、混合されるべき熱分解性ラジカル重合反応開始剤の量が20重量部を超える場合、この過剰により結果として、改質された吸水性樹脂の吸水特性を悪化させる可能性がある。
本発明の第2の態様によれば、過硫酸塩、過酸化水素及びアゾ化合物を含む熱分解性ラジカル重合反応開始剤を使用してもよい。この場合、異なる対イオンを有する2以上の過硫酸塩類を組み合わせて使用でき、並びに過硫酸塩単独でも使用できる。さらに、熱分解性ラジカル重合反応開始剤以外の反応開始剤もさらに使用できる。本明細書に使用されるその他の反応開始剤の代表的な例としては、光重合反応開始剤、例えば油溶性ベンゾイン誘導体、ベンジル誘導体、及びアセトフェノン誘導体を挙げることができる。市販の光重合反応開始剤を使用してもよく、こうした市販の光重合反応開始剤としては、例えばチバ・スペシャリティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)から商標名イルガキュア(Irgacure)184(ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン)及びイルガキュア(Irgacure)2959(1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン)の下で販売される製品が挙げられる。
その他の反応開始剤をさらに使用する場合、使用されるべき反応開始剤の量は、吸水性樹脂100重量部に基づいて0〜20重量部の範囲、又は0〜15重量部の範囲、又はさらに0〜10重量部の範囲でなければならない。この量は、熱分解性ラジカル重合反応開始剤より少ない量、例えば熱分解性ラジカル重合反応開始剤の重量比の1/2以下、さらに1/10以下、及び特に1/50以下に対応する。
(d)吸水性樹脂及び水溶性ラジカル重合反応開始剤又は熱分解性ラジカル重合反応開始剤の混合
本明細書において、「水溶性ラジカル重合反応開始剤又は熱分解性ラジカル重合反応開始剤」という用語は、単に「ラジカル重合反応開始剤」と称されてもよい。
ラジカル重合反応開始剤及び上述の吸水性樹脂の混合は、改質されていない形態で混合されるべきラジカル重合反応開始剤を吸水性樹脂と混合することによって達成されてもよいが、水溶液中に反応開始剤を溶解させ、次いで得られた水溶液を吸水性樹脂と混合することによって行われてもよい。吸水性樹脂は水を吸収できるので、ラジカル重合反応開始剤を水溶液に溶解させ、得られた水溶液を供給する手順により、ラジカル重合反応開始剤を吸水性樹脂の表面に均一に分散でき、吸水性樹脂と均一に混合できる。水溶液は、水のほか、ラジカル重合反応開始剤の溶解度を損なわない量で特定の他の溶媒を含有していてもよい。
使用されるべき水溶液の量は、吸水性樹脂100重量部(固形含有量を100重量%にした場合)に対して1〜20重量部の範囲である。水溶液の量が1重量部に満たない場合、この不足は、結果として、ラジカル重合反応開始剤が活性エネルギー線に曝される場合であっても表面架橋が十分に行われるのを妨げる可能性がある。逆に、水溶液の量が20重量部を超える場合、この過剰により、活性エネルギー線への暴露に続く乾燥工程において過度に多量のエネルギーを消費する必要がある点で不利になる。この過剰により、吸水性樹脂の分解を誘導する可能性がある。水溶液は、ラジカル重合反応開始剤を溶解する目的で使用できる。ラジカル重合反応開始剤及び吸水性樹脂を共に混合した後、得られた混合物を上述の範囲にある比で水又は水溶液と混合してもよい。同様に、モノマー構成成分を重合し、次いで0〜20重量%の範囲の水分含有量にまで乾燥させることによって得られる架橋ヒドロゲルは、ラジカル重合反応開始剤と直接混合できる。
水溶液と吸水性樹脂との混合特性を高めるために、水以外の混合助剤を添加してもよい。混合助剤を添加する時は特に制限されないが、混合助剤は、吸水性樹脂とラジカル重合反応開始剤とを混合する工程a)と同時又は工程a)の前に添加されてもよい。故に、本発明の好ましい実施形態は、a)エチレン性不飽和モノマーを添加することなく吸水性樹脂及び過硫酸塩を混合すること、b)水以外の混合助剤を工程a)と同時又は工程a)の前に添加すること、及びc)得られた混合物を活性エネルギー線で照射することを含む、改質された吸水性樹脂を製造する方法を提供する。さらに、本発明のより好ましい実施形態は、a)エチレン性不飽和モノマーを添加することなく吸水性樹脂及び過硫酸塩を混合すること、b)水以外の混合助剤を工程a)と同時に又は工程a)の前に添加すること、及びc)得られた混合物を活性エネルギー線で照射することを含む、改質された吸水性樹脂を製造する方法を提供するが、ここで前記吸水性樹脂は、酸基を有し、50〜75モル%の範囲の中和比(全体の酸基のうち中和された酸基のモル%)を有する。
水以外の混合助剤は、それがエチレン性不飽和モノマー又はラジカル重合反応開始剤以外の水溶性又は水分散性の化合物であり、吸水性樹脂と水とのアグロメレーションを抑制でき、水溶液と吸水性樹脂との混合を改善する限り、特に制限されない。混合助剤は、水溶性又は水分散性化合物であってもよい。そのようなものとして、水溶性又は水分散性化合物、界面活性剤、水溶性ポリマー類、親水性有機溶媒、水溶性無機化合物、無機酸類、無機酸塩類、有機酸類、及び有機酸塩類が、通常、使用できる。本明細書において、「水溶性化合物」という用語により、室温で水100gに対する溶解度が1g以上、又は10g以上である化合物と見なされる。混合助剤の添加が吸水性樹脂と水とのアグロメレーションを抑制でき、水溶液と吸水性樹脂の均一な混合を誘導できるので、後続工程にて照射される場合に、活性エネルギー線を吸水性樹脂に対して等しく均一に照射でき、故に吸水性樹脂全体に均一な表面架橋が達成できる。
使用されるべき混合助剤の形態は特に制限されず、粉末状形態にて使用されてもよく、又は溶液中に溶解、分散又は懸濁させてもよい。水溶液の形態で使用されてもよい。
さらに、混合助剤の添加の順序も特に制限されない。いずれかの方法、例えば混合助剤を吸水性樹脂に添加し、次いで水溶液を混合物に添加して混合することを含む方法、及び水溶液に混合助剤を溶解させ、同時に得られた溶液と吸水性樹脂とを混合することを含む方法が使用できる。
本明細書に使用されるべき界面活性剤として、HLBが7以上である非イオン性界面活性剤又は陰イオン性界面活性剤から成る群から選択される少なくとも1種の界面活性剤が採用されてもよい。こうした界面活性剤の具体的な例として、ソルビタン脂肪族エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪族エステル類、ポリグリセリン脂肪族エステル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル類、ポリオキシエチレンアシルエステル類、スクロース脂肪族エステル類、高級アルコール硫酸エステル類、アルキルナフタレンスルホネート類、アルキルポリオキシエチレンサルフェート、及びジアルキルスルホサクシネート類を挙げることができる。これらの界面活性剤のうち、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類が使用できる。ポリオキシエチレンアルキルエーテルの数平均分子量は、200〜100,000の範囲、又は500〜10,000の範囲であるべきである。数平均分子量が大き過ぎる場合、水に対する溶解度が低下し、故に溶液中の界面活性剤濃度が増加できず、溶液の粘度もまた増加するので吸水性樹脂との混合が不十分になる。逆に、数平均分子量が小さ過ぎると、界面活性剤は混合助剤として有効ではなくなる。
水溶性ポリマーの具体的な例として、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンイミン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、及びデンプンを挙げることができる。これらのポリマー類のうち、ポリエチレングリコールを使用できる。ポリオキシエチレンアルキルエーテルのようなポリエチレングリコールの数平均分子量は、200〜100,000の範囲、又は500〜10,000の範囲であるべきである。
親水性の有機溶媒の具体的な例としては、アルコール類、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、及びt−ブチルアルコール;ケトン類、例えばアセトン及びメチルエチルケトン;エーテル類、例えばジオキサン、アルコキシ(ポリ)エチレングリコール、及びテトラヒドロフラン;アミド類、例えばε−カプロラクタム及びN,N−ジメチルホルムアミド;スルホキシド類、例えばジメチルスルホキシド;及び多価アルコール類、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、グリセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサノール、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロピレン、ペンタエリスリトール、及びソルビトールを挙げることができる。これらの親水性の有機溶媒は、単独で又は2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
水溶性無機化合物の具体的な例として、アルカリ金属塩類、例えば塩化ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、及び硫酸ナトリウム、アンモニウム塩類、例えば塩化アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、及び硫酸アンモニウム、アルカリ金属水酸化物類、例えば水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム、多価の金属類、例えば塩化アルミニウム、塩化ポリアルミニウム、硫酸アルミニウム、カリミョウバン、塩化カルシウム、アルコキシチタン、ジルコニウム炭酸アンモニウム、酢酸ジルコニウム、及び非還元性アルカリ金属塩のpH緩衝剤、例えば炭酸水素塩、二水素リン酸塩、及び水素リン酸塩を挙げることができる。
さらに、無機酸(塩)の具体例として、塩酸、硫酸、リン酸、炭酸、及びホウ酸、並びにそれらの塩類、例えばそれらのアルカリ金属塩類、並びにそれらのアルカリ土類金属塩類を挙げることができる。有機酸(塩)の具体的な例として、酢酸、プロピオン酸、乳酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、及び酒石酸、及びそれらの塩類、例えばそれらのアルカリ金属塩類、並びにそれらのアルカリ土類金属塩類を通常挙げることができる。
上記で列挙された化合物のうち、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリエチレングリコール、水溶性の多価金属、塩化ナトリウム、硫酸水素アンモニウム、硫酸アンモニウム、硫酸、及び塩酸から成る群から選択される少なくとも1つの水溶性又は水分散性化合物は、混合助剤として使用してもよい。
これらの混合助剤は、単独で又は2種以上の混合形態で使用されてもよい。添加されるべき混合助剤の量は、上述したように、それが吸水性樹脂と水とのアグロメレーションを抑制し、水溶液と吸水性樹脂との混合を改善する限り特に制限されない。通常、混合助剤は、吸水性樹脂100重量部に対して0.01〜40重量部、又は0.1〜5重量部の範囲の量で添加されてもよい。あるいは、本発明において、混合助剤は、水溶液の全体量に基づいて、0〜40重量%の範囲、又は0.01〜30重量%の範囲、又はさらに0.1〜10重量%の範囲の濃度にて水溶液の形態で使用されてもよい。
吸水性樹脂及びラジカル重合反応開始剤を混合する方法に関して、通常の混合装置、例えばV型ミキサー、スクリュー型ミキサー、回転円形プレート型ミキサー、空気流型ミキサー、バッチ混練機、連続混練機、パドル型ミキサー、又はスペース型ミキサーを用いることによって混合を行う方法を挙げることができる。
(e)活性エネルギー線
吸水性樹脂の製造において、重合速度は活性エネルギー線に曝すことによって高められるという事実は公知である。例えば、重合可能なモノマー構成成分及び内部架橋剤及び光重合反応開始剤を共にコンパウンドし、得られた混合物を活性エネルギー線、例えば紫外線、電子放射線、又はγ線で照射することによって、内部架橋を有する不溶性の吸水性樹脂を調製可能になる。次いで、吸水性樹脂の表面を架橋するための方法として、表面架橋剤を用い、熱の適用により関連反応を促進して表面架橋形成を達成することは公知である。吸水性樹脂の表面架橋のために、化合物、例えば分子単位で複数の官能基を有する、多価アルコール類、多価グリシジルエーテル類、ハロエポキシ化合物、及び多価アルデヒド類が使用される。一般に、100〜300℃に加熱することによって、これらの官能基は、吸水性樹脂の表面に存在するカルボキシル基と反応し、吸水性樹脂の表面に架橋構造を生じさせることができる。しかし、本発明によれば、ラジカル重合反応開始剤及び活性エネルギー線の暴露を使用することによって、こうした表面架橋剤及び重合可能なモノマーの存在を必要とせずに、吸水性樹脂の表面に架橋構造を形成できる。本明細書に開示される方法によって、さらに、改質された吸水性樹脂の圧力下での吸収性(AAP)及び塩水流伝導度(SFC)を高めることが可能になる。
本明細書において、活性エネルギー線の照射は、吸水性樹脂及びラジカル重合反応開始剤の混合中、又はこれら2つの構成成分の混合後に行われてもよい。しかし、均一な表面架橋を形成する観点から、吸水性樹脂及び水溶性ラジカル重合反応開始剤を含有する水溶液の混合物を調製すること、及び得られた混合物を活性エネルギー線で照射することを含む方法を採用するのが好ましい。
活性エネルギー線の具体例としては、紫外線、電子放射線、及びγ線を挙げることができる。これらの活性エネルギー線は、単独で又は2種以上を組み合わせた形態で使用されてもよい。これらの活性エネルギー線のうち、紫外線及び電子放射線が有利であることが判明している。人体への活性エネルギー線の影響を考慮すると、紫外線が好ましいことが判明しており、紫外線は300nm以下の波長を有し、180〜290nmの範囲であってもよい。
照射条件に関して、紫外線を使用する場合、照射強度は、3〜1000mW/cmの範囲であってもよく、線量は、100〜10000mJ/cmの範囲である。紫外線を照射するための装置の具体例として、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、及びハロゲンランプを挙げることができる。紫外線、例えば300nm以下の波長の紫外線を使用する限り、他の放射線及び波長を含んでいてもよく、手順は特に制限されない。電子放射線を使用する場合、例えば加速電圧は、50〜800kVの範囲であり、吸収される線量は1〜1000kGy(0.1〜100Mrad)の範囲である。
一般に、活性エネルギー線の照射期間は、0.1分以上及び60分未満、又は0.2分以上及び30分未満、又はさらに1分以上及び15分未満であってもよい。この期間は、従来の表面架橋剤を使用する場合は60分を超える可能性がある。固定した架橋密度に関しては、本発明は表面架橋処理の期間を短縮できる。
表面処理を活性エネルギー線の照射によって行う場合、熱の適用は必要でない。しかし、活性エネルギー線の照射は、放射熱の発生を誘導する結果となる可能性がある。一般に、可能性として150℃以下、又は120℃以下、又はさらに室温〜100℃の範囲にある、又はさらに50〜100℃の範囲にある温度にて吸水性樹脂を処理しさえすればよい。故に、本発明は、処理温度を従来の表面処理温度よりも低いレベルに設定できる。
活性エネルギー線の照射中、吸水性樹脂は撹拌し続けなければならない。この撹拌によって、ラジカル重合反応開始剤及び吸水性樹脂の混合物を活性エネルギー線で均一に照射可能になる。活性エネルギー線の照射中に吸水性樹脂を撹拌するための装置の具体例として、振盪ミキサー、振盪供給機、リボン型ミキサー、円錐リボン型ミキサー、スクリュー型混合押出成形機、空気流型ミキサー、バッチ混練機、連続混練機、パドル型ミキサー、高速流動化ミキサー、及び浮力流動化ミキサーを挙げることができる。
活性種としてラジカルを含む反応は酸素によって阻害されることが一般に知られている。しかし、本明細書に開示される製造方法において、表面処理された吸水性樹脂の固体状態の特性は、酸素が系中に存在する場合でも低下しない。この事実から、活性エネルギー線の照射中、反応系を取り囲むために使用される雰囲気は不活性である必要はないと結論する。
(f)他の処理
活性エネルギー線の照射後、吸水性樹脂は、任意に、乾燥のために50〜250℃の範囲の温度にて熱処理に供されてもよい。
さらに、活性エネルギー線の照射後、吸水性樹脂は、多価アルコール類、多価エポキシ化合物、及びアルキレンカーボネート類のような従来から既知の表面架橋剤のいずれかを使用することによって表面架橋を与えられてもよい。
本発明の吸収性部材に使用するために改質された吸水性樹脂を製造する方法において、吸水性樹脂は、活性エネルギー線の照射前又は照射中又は照射後に流体の流れを向上させるための試薬を添加してもよい。流動性向上剤の具体的な例として、鉱物類、例えばタルク、カオリン、フラー土、ベントナイト、活性粘土、重晶石、天然アスファルト、ストロンチウム鉱石、イルメナイト、及びパーライト;アルミニウム化合物、例えば硫酸アルミニウムの14〜18水和物(又は無水物)、硫酸アルミニウムカリウムの12水和物、硫酸アルミニウムナトリウムの12水和物、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、及び酸化アルミニウム、及びそれらの水溶液;他の多価金属塩類;親水性の非晶質シリカ類(例えば、トクヤマ(Tokuyama K.K.)によって製造され、商標名「レオロシル(Reolosil)QS−20」の下で販売される乾燥方法による製品、及びデグサ社(DEGUSSA Corp)によって製造され、商標名「シパーナット(Sipernat)22S及びシパーナット(Sipernat)2200」の下で販売される沈殿方法による製品など);及びオキシド複合物、例えばシリコンオキシド・アルミニウムオキシド・マグネシウムオキシド複合物(例えば、商標名「アッタゲル(Attagel)#50の下で販売されるエンゲルハード(ENGELHARD Corp.)の製品など)、シリコンオキシド・アルミニウムオキシド複合物、及びシリコンオキシド・マグネシウムオキシド複合物を挙げることができる。場合によっては0〜20重量部の範囲、又は0.01〜10重量部の範囲、又はさらに0.1〜5重量部の範囲にある量のこうした流動性向上剤が、改質された吸水性樹脂100重量部に混合される。流動性向上剤は、それが、水溶性である場合は水溶液の形態、若しくは不溶性である場合は粉末又はスラリーの形態で添加できる。流動性向上剤は、ラジカル重合反応開始剤と混合された形態で添加されてもよい。他の添加剤、例えば抗菌剤、防臭剤、及びキレート化剤は、上述の範囲にある量でさらに適切に使用されてもよい。
(g)改質された吸水性樹脂
本発明の吸収性部材に使用するための改質された吸水性樹脂を製造する方法が行われる場合に、製造された吸水性樹脂は、それらの圧力下での吸収性が改善される。表面架橋の形成は、自由膨潤能力をわずかに低下させる結果となるが、圧力を受けた状態であっても吸収された液体を保持する能力、すなわち圧力下での吸収性を高めることが、これまでに知られている。本明細書に開示される方法によって、吸収性樹脂の4.83kPaの圧力下での吸収性は、改質前の樹脂の圧力下での吸収性と比較して1g/g以上改善される。この事実は、本発明の方法により吸収性樹脂の表面に架橋構造が導入されたことを示していると考えられる。改質後の特性として、この改善は、8g/g以上、又は12g/g以上、又は15g/g以上、又はさらに20g/g以上、又はさらに22g/g以上であってもよい。本発明の吸収性部材に使用するための改質された吸水性樹脂は、8〜40g/gの範囲の4.83kPaの圧力下での吸収性を示す。圧力下でのこの吸収性の上限は特に問題ではないが、製造が困難になりコストが上昇するために40g/g付近で十分であり得ることが判明している。
次いで、自由膨潤能力(GV)は、8g/g以上、又は15g/g以上、又は20g/g以上、又はさらに25g/g以上であってもよい。上限は特に制限されないが、それは50g/g以下、又は40g/g以下、又はさらに35g/g以下であるべきである。自由膨潤能力(GV)が8g/gより少ない場合、吸水性樹脂は、吸収性が過度に少ないために使い捨ておむつのような衛生材料に使用するのに適さない。逆に、自由膨潤能力(GV)が50g/gを超える場合、この過剰により、製造された吸収性樹脂が、ゲル強度の欠乏のために流体を通過させる優れた能力を得るのを妨げる結果となる。
本明細書に開示された方法によって得られた改質された吸水性樹脂は、塩水流伝導度(SFC)の特性を有し、それは10(×10−7・cm・s・g−1)以上、又は30(×10−7・cm・s・g−1)以上、又は50(×10−7・cm・s・g−1)以上、又はさらに70(×10−7・cm・s・g−1)以上、又はさらに100(×10−7・cm・s・g−1)以上であってもよい。これらの数値は、本明細書にて以下に記載される作用例に特定される方法によって決定されるべきである。
さらに、本明細書に開示される方法によって得られた改質された吸水性樹脂は、極めて低い残存モノマー含有量を有する。これは、ラジカル重合反応開始剤の紫外線による照射によって形成されるべき反応開始剤ラジカルが吸水性樹脂中の残存モノマーと反応するためであると考えられている。吸水性樹脂が使い捨ておむつに使用される場合、残存モノマー含有量は、臭気及び安全性の点から可能な限り少量であるべきである。ベースポリマーとしての吸水性樹脂の残存モノマー含有量は、一般に200〜500ppmの範囲であるが、本発明によって得られる表面処理された吸水性樹脂の残存モノマー含有量は、大抵200ppm以下(下限は0ppm)である。改質された吸水性樹脂の残存モノマー含有量は、200ppm以下、又は150ppm以下、又は100ppm以下(下限は0ppm)であってもよい。
さらに、本明細書に開示された方法によって得られる改質された吸水性樹脂は、ベースポリマーとしての吸水性樹脂に表面処理剤を添加すること、及び高温にてその混合物を加熱することを含む従来の改質方法によって得られる改質された吸水性樹脂と比較して、固形含有量が小さい。これは、本明細書に開示される方法によれば、反応が高温を必要とせず、故にベースポリマーとしての吸水性樹脂に添加される水溶液中に含有される大部分の水が反応後でも残るためである。吸水性樹脂の水分含有量が多いと、健康の点から望ましくない粒径150μm以下の微粉末の量を減らすことができ、空気圧での運搬中にブロッキングを生じる粒子表面上の静電気の発生を防止でき、及び空気圧での運搬中の物理的損傷による物理的特性の低下を抑制できるという効果を示す。改質された吸水性樹脂の固形含有量は、95%以下、又は93%以下、又は91%以下であってもよい。下限は重要ではないが、70%以下の固形含有量は、こうした場合に、吸水性樹脂の重量あたりの吸収性が低下するので、特定の用途では望ましくない可能性がある。
故に、本発明は、主要構成成分としてアクリル酸(塩)を有するモノマー構成成分を重合することによって得られる、吸収性部材に使用するための粉末状の改質された吸水性樹脂に関し、それは(i)40(10−7・cm・s・g−1)以上の塩水流伝導度、(ii)95%以下の固形含有量、及び(iii)150ppm以下の残存モノマー含有量を特徴とする。この場合、改質された吸水性樹脂は、25g/g以上の生理食塩水の自由膨潤能力、及び/又は22g/g以上の4.83kPaに対する生理食塩水の吸収性を有していてもよい。これらの数値は、本明細書にて以下に記載される作用例に特定される方法によって決定されるべきである。
本明細書に開示される方法によって得られる表面処理された吸水性樹脂の形態は、処理条件、例えば処理前の吸水性樹脂の形態、及びアグロメレーション、及び処理後の処理された吸水性樹脂の成形によって適切に調整できる。しかし、一般に、改質された吸水性樹脂は粉末状の形態を有する。この粉末は、10〜1,000μm、又は200〜600μmの範囲にある重量平均粒子直径(ふるいを用いた分級によって特定される)を有する。この粉末において、150〜850μmの直径を有する粒子の含有量は、吸水性樹脂の重量に基づいて90〜100重量%の範囲、95〜100%の範囲であってもよい。
本明細書に開示される製造方法は、吸水性樹脂の表面架橋過程の間、改質された吸水性樹脂の製造中に生じる微粉末をアグロメレートする効果を示す。故に、改質前の吸水性樹脂が微粉末を含んでしまっている場合であっても、本明細書に開示された改質吸水性樹脂の製造方法は、含有される微粉末をアグロメレートでき、そのため、得られる改質された吸水性樹脂中に含有されるべき微粉末の量を低減できる。製造された改質吸水性樹脂の粒径分布は、改質前の吸水性樹脂に比べてより大きい粒径に移行する。しかし、移行の程度は、吸水性樹脂と混合されるべきラジカル重合反応開始剤の種類及び量、並びにそれが水溶液として添加される場合は水分含有量、活性エネルギー線の照射条件、及び照射中の流動化方法によって変わる。
本明細書に開示される方法によって得られる改質された吸水性樹脂は、吸水性樹脂の表面全体にわたって高密度で均一に形成された表面架橋を有し、吸水性樹脂が有することが期待される吸収能力、吸収速度、ゲル強度、及び吸引力のような特徴的な特性を極めて高いレベルに向上できる。アクリル酸系の吸水性樹脂が、多価アルコール、多価エポキシ化合物、又はアルキレンカーボネートのような表面架橋剤を用いることによって表面架橋された場合、表面架橋の速度及び程度は、中和比に依存していることがわかった。具体的には、中和比が低い場合には表面架橋が速く進み、中和比が高い場合は表面架橋が容易に行われなかった。ポスト中和によって得られる吸水性樹脂を表面架橋するためには、ポスト中和は表面架橋処理後に均一に行う必要があった。しかし、本発明は、吸水性樹脂を改質でき、吸水性樹脂の中和比又はポスト中和の均一性に依存する必要なく、吸水特性に優れる吸水性樹脂を製造できる。表面架橋は、吸水性樹脂の主鎖におけるラジカル重合反応開始剤の作用に依存し、そのためカルボキシル基が酸形態にて存在し続けるか、又は塩に還元されているかどうかに拘わらず、進行すると推論する。
本明細書に開示される方法がエチレン性不飽和モノマーの存在下で実施される場合、この実施は、ラジカル重合反応開始剤がエチレン性不飽和モノマーの重合によって消費されるので、本発明の目的に適合しない。
本発明に従えば、吸水性樹脂の表面処理は、室温付近の反応温度であっても完全に申し分なく行え、結果として得られた表面処理された吸水性樹脂は、吸水性樹脂が有することが期待される吸収能力、吸収速度、ゲル強度、及び吸引力のような特徴的な特性を極めて高いレベルで示すことができる。そのため、本明細書に開示される方法によって得られる吸水性樹脂は、衛生綿、使い捨ておむつ、及び体液を吸収するためのその他の衛生材料、及び農作業のための材料に最適に使用できる。
使い捨ておむつ
本明細書に開示される方法に従って製造される吸水性樹脂は吸収性部材に使用される。これらの吸収性部材は、使い捨ておむつに含まれ、通常、吸収性部材は吸収性コアに含まれる。
本明細書で使用する時、「おむつ」とは、一般に乳幼児及び失禁症状のある人が胴体下部の周囲に着用する吸収性物品を指す。「吸収性物品」とは、液体を吸収かつ収容するデバイスを指し、より具体的には、着用者の身体に当てて又は着用者の身体に近接して設置されて、身体から排泄された様々な滲出物を吸収かつ収容するデバイスを指す。
本発明に従う「おむつ」という用語は、いわゆるテープおむつ、すなわち着用者、好ましくは赤ちゃん、又は5歳未満の幼児に、接着テープ又は機械的テープのような締着装置を用いることによって取り付け、固定されるおむつを含む。本発明に従う「おむつ」という用語はまた、プルオンおむつ及びトレーニングパンツ、すなわち側部が閉じられて、着用者に適用される、従来の下着のようなおむつを含む。「おむつ」という用語はまた、上述の種類のおむつのいかなる組み合わせをも含む。
本発明に特に好適な使い捨ておむつは、液体透過性トップシート、液体不透過性であるのが好ましいバックシート、及び一般には該トップシートとバックシート間に配設された吸収性コアを備えた外側カバーを典型的に含む。吸収性コアには、一般に圧縮可能かつ快適で、着用者の皮膚に刺激を与えず、尿及び他の体の排出物などの液体を吸収及び保持可能な吸収性材料を含有させてもよい。吸収性コアには、本発明の吸水性樹脂に加え、使い捨ておむつと他の吸収性物品で通常使用される、一般にエアフェルトと呼ばれる粉砕木材パルプなどの種々広範な液体吸収性材料を含有させてもよい。
吸収性コアは、通常、少なくとも1つの流体獲得層及び少なくとも1つの流体貯蔵層を含む。流体獲得層は通常トップシートに対向する一方で、流体貯蔵層は通常おむつのバックシートに対向する。
吸収性アセンブリとして使用するための代表的な吸収性構造については、1992年8月11日にヘロン(Herron)らに付与された米国特許第5,137,537号、名称「個別のポリカルボン酸架橋木材パルプセルロース繊維を含有する吸収性構造(Absorbent Structure Containing Individualized, Polycarboxylic Acid Crosslinked Wood Pulp Cellulose Fibers)」;1992年9月15日にヤング(Young)らに付与された米国特許第5,147,345号、名称「失禁管理のための高効率吸収性物品(High Efficiency Absorbent Articles For Incontinence Management)」;1994年8月30日にロウ(Roe)に付与された米国特許第5,342,338号、名称「低粘性の糞便物質のための使い捨て吸収性物品(Disposable Absorbent Article For Low-Viscosity Fecal Material)」;1993年11月9日にデマレ(DesMarais)らに付与された米国特許第5,260,345号、名称「水性体液のための吸収性フォーム材料及び該材料を含有する吸収性物品(Absorbent Foam Materials For Aqueous Body Fluids and Absorbent Articles Containing Such Materials)」;1995年2月7日にダイアー(Dyer)らに付与された米国特許第5,387,207号、名称「湿潤までは薄い、水性体液用の吸収性フォーム材料及びそれらの製造プロセス(Thin-Until-Wet Absorbent Foam Materials For Aqueous Body Fluids And Process For Making Same)」;1995年3月14日にラボン(LaVon)らに付与された米国特許第5,397,316号、名称「拡張可能な吸収性材料で形成された、水性体液のためのスリット付き吸収性部材(Slitted Absorbent Members For Aqueous Body Fluids Formed Of Expandable Absorbent Materials)」;並びに1997年7月22日の米国特許第5,625,222号、名称「水性流体のための吸収性フォーム材料(Absorbent Foam Materials For Aqueous Fluids Made From high In al.)に記載されている。
本発明の実施形態の1つでは、本明細書に開示される方法に従って製造される吸水性樹脂は、吸収性コアの流体貯蔵層に、流体貯蔵層全体の少なくとも80重量%の量で、又は少なくとも85重量%の量で、又は少なくとも90重量%の量で、又はさらに95重量%を超えて含まれる。こうした比較的高濃度の吸水性樹脂の使用を可能にするために、吸水性樹脂は、特定のパラメータ範囲(圧力下での吸収性及び塩水流伝導度の範囲など)を満たさなければならない。そうでなければ、いわゆるゲルブロッキングが生じる。
水溶液の吸収後、改質されていない膨潤吸水性樹脂粒子は非常に柔らかくなり、容易に変形する。変形時に吸水性樹脂粒子間の空隙が封鎖され、これにより、液体に関して流動抵抗性が劇的に増大する。これは一般に「ゲルブロッキング」と呼ばれる。ゲルブロッキングの状況において、液体は、拡散によってのみ膨潤吸水性樹脂粒子を通過でき、これは吸水性樹脂粒子間の隙間を流れるよりもはるかに遅い。
ゲルブロッキングのリスクは、吸収性部材が多量の吸水性樹脂を含み、セルロース繊維のようなその他の液体吸収性材料が少量だけ含まれる場合に特に高い。故に、吸水性樹脂は、多量の吸水性樹脂が適用される場合であってもゲルブロッキングを回避するように改質されなければならず、例えば吸水性樹脂は、相対的に高いSFC値及び圧力下での高い吸収性値を有するように改質されなければならない。本明細書に開示される方法に従って改質される吸水性樹脂は、多量の吸水性樹脂の使用を可能にするように改質される。
吸収性コアの一体性を向上させるために、コアは、本明細書に開示される方法に従って製造され、熱可塑性樹脂のマトリックス又はホットメルト接着剤マトリックスあるいはそれらの混合物にはめ込まれた吸水性樹脂を含んでいてもよい。
流体貯蔵層が本明細書で好ましい比較的多量の吸水性樹脂を含む場合、吸収性コア又は少なくとも1つの流体吸収層は、いわゆるコアラップ、例えば吸水性樹脂粒子が吸収性コアから離散するのを防止するために吸収性コアの周りにラップされる不織布シートに包まれていてもよい。
方法及び実施例
ここで、本発明は、作用例及び比較例を参照して以下でより詳細に説明される。本発明はそれらに限定されない。以降、簡便化のために、「重量部」は単に「部」として、「リットル」は単に「L」として表される場合がある。作用例及び比較例に示される測定方法及び評価方法を以下に示す。
(1)粒径分布
表面処理前と表面処理後との所与の吸水性樹脂のサンプル10グラムを、(飯田製作所(Iida Seisakusho K.K.)によって製造される)75mmの直径、並びに850μm、600μm、300μm、及び150μmのメッシュサイズを有する試験ふるいを用いて分級する。結果として分割された樹脂部分の重量は、各粒径の重量%を知るために測定される。分級は、飯田製作所(Iida Seisakusho K.K.)によって製造され、商標名シーブシェイカー(Sieve Shaker)ES−65として販売されるふるいを用いて5分間サンプルを振盪することによって行われる。吸水性樹脂は、測定に使用する前に減圧(133.3Pa(1mmHg)未満)下で60±5℃にて24時間乾燥される。
(2)固形含有量の測定
底面の直径が4cm及び高さが2cmと計測されたアルミニウムカップに、所与の吸水性樹脂の1gサンプルをそのアルミニウムカップの底面に均一に広げる。カップ中のサンプルを、予め180℃に調整された熱風乾燥機に3時間放置する。吸水性樹脂の固形含有量(%)は、放置中に生じた重量損失に基づいて計算される。
(3)自由膨潤能力(GV)
所与の吸水性樹脂のサンプル0.2gを、不織布の袋(大きさ:60mm×60mm;南国パルプ工業(Nangoku Pulp Kogyo K.K.)製、商標名「ヒートロンペーパー」、モデルGSP−22として販売)に均一に置く。このサンプルを含む袋を、室温(25℃±2℃)にて大過剰の0.9重量%の塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)に含浸させる。溶液中に30分間放置後、袋を取り出し、遠心分離機を用いて250Gの遠心力で3分間排水する。次いで、袋の重量W(g)を測定する。同じ手順を吸水性樹脂を使用することなく繰り返し、その時に使用された袋の重量W(g)を測定する。サンプルの自由膨潤能力(GV)(g/g)は、W及びWを用いて次式に従って計算される。
自由膨潤能力(g/g)=[W(g)−W(g)−吸水性樹脂の重量(g)]/吸水性樹脂の重量(g)。
(4)圧力下での吸収性(AAP)
ステンレススチールの400−メッシュのワイヤゲージ(メッシュサイズ38μm)を内径60mmのプラスチック支持シリンダーの底部に溶接する。室温(25℃±2℃)及び湿度50RH%の条件にて、所与の吸水性樹脂0.900gをワイヤゲージ上に均一に振りまき、吸水性樹脂に4.83kPaの負荷を均一に働かせるように調整され、外側の直径が60mmよりもわずかに小さく、支持シリンダーの内壁に対してギャップが生じるのを防ぎ、垂直動作が妨げられないようにしたピストン及び負荷のそれぞれを記述順に連続的に置き、得られた測定装置全体の重量Wa(g)を測定する。
直径90mmのガラスフィルター(孔直径:100〜120μm:相互理化学硝子製作所(Sogo Rikagaku Glass Manufactory K.K.)製)を直径150mmのペトリ皿の内側に置き、0.9重量%の塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)(20〜25℃)を、ガラスフィルターの上面と同じレベルに上昇するまでペトリ皿に添加する。直径90mmの1枚の濾紙(厚さ0.26mm、及び保持粒子直径5μm;アドバンテック東洋(Advantec Toyo K.K.)製、製品名「JIS P 3801、No.2」として販売)を、表面が完全に濡れるように生理食塩水に置き、過剰の溶液を除去する。
得られた測定装置を濡れた濾紙上に完全に置き、吸水性樹脂が該負荷の下で溶液を所定の時間吸収できるようにする。この吸収時間は測定開始から推定して1時間に設定される。具体的には、1時間の放置後、測定装置全体を持ち上げ、その重量W(g)を測定する。こうした重量の測定は、装置を全く振動させずに、できる限り素早く行わなければならない。圧力下での吸収性(AAP)(g/g)は、W及びWを用いて次式に従って計算される。
AAP(g/g)=[W(g)−W(g)]/吸水性樹脂の重量(g)
(5)塩水流伝導度(SFC)
塩水流伝導度(SFC)は、関連液体で濡れた状態の所与の吸水性樹脂粒子が示す透過性の程度を示す値で表される。SFCは、液体への透過性が増大するにつれて大きくなる指数である。
SFCの測定は、未審査の国際特許公開公報HEI9−509591に記載される塩水流伝導度(SFC)に関する試験に従い、必要な変更をして行われる。
図1に示される装置を使用することによって、所与の吸水性樹脂(0.900g)の粒子を容器40に均一に置き、2.07kPa(0.3psi)の圧力下にて人口尿に60分間膨潤させ、ゲル44層の高さを記録する。続いて、2.07kPa(0.3psi)の圧力下にて、タンク31からの0.69重量%の生理食塩水33を規定の静水圧力の下で膨潤ゲル層を通過させた。SFCのためのこの試験は、室温(20〜25℃)にて行う。コンピュータ及びはかりによって、20秒間隔でゲル層を通過した液体の量を10分間、時間の関数として記録する。膨潤ゲル44を通過する(主に隣接粒子間)流速Fs(T)は、増大した重量(g)を増大した時間(s)で割ることによってg/sの単位で決定される。固定された静水圧力及び安定した流速が得られる時間をTsとして示す。Ts後10分間で得られたデータは流速の計算のためだけに使用される。Fs(T=0)の値、すなわちゲル層を通過する初期流速は、Ts後10分間の間で得られた流速を用いて計算される。Fs(T=0)は、時間に対するFs(T)についての最小二乗法の結果をT=0に外挿することによって計算した。
塩水流伝導度(SFC)
=(Fs(t=0)×L0)/(ρ×A×ΔP)
=(Fs(t=0)×L0)/139506
式中、Fs(t=0)はg/s単位で表される流速を示し、L0はcm単位で表されるゲル層の高さを示し、ρはNaCl溶液の密度(1.003g/cm)を示し、Aはセル41のゲル層の上側の面積(28.27cm)を示し、ΔPは、ゲル層に働く静水圧力(492Pa(4920ダイン/cm))を示し、SFC値の単位は、(10−7・cm・s・g−1)である。
図1に示される装置において、タンク31はその中に挿入されたガラス管32を有し、ガラス管32の下方終端は、0.69重量%の生理食塩水溶液33がセル41に保持された膨潤ゲル44の底部から5cmの高さに維持され得るように配設される。タンク31の0.69重量%の生理食塩水溶液は、コック35を備えたL字形管34を介してセル41に供給される。セル41の下方に、通過した液体を回収するための容器48があり、この回収容器48はパンスケール上に配設される。セル41は、6cmの内径を有する。ステンレススチールのワイヤゲージ(メッシュサイズ38μm)42は、セルの下方部分において底面に配設される。ピストン46は、液体を通過させるのに十分な穴47をその下方部分に備えて提供され、かつ吸水性樹脂の粒子又はそれらの膨潤ゲルが穴47に侵入するのを防止できる良好な透過性を有するガラスフィルター45をその底部部分に備えている。セル41は、セルを取り付けるためのスタンドに置かれる。セルを含むスタンドの表面は、液体の通過を妨げないステンレススチールのワイヤゲージ43上に配置される。
上述の人口尿は、0.25gの塩化カルシウムの二水和物、2.0gの塩化カリウム、0.50gの塩化マグネシウムの六水和物、2.0gの硫酸ナトリウム、0.85gの二水素リン酸アンモニウム、0.15gのリン酸水素ジアンモニウム、及び994.25gの純水を共に添加することによって得られる。
(6)抽出可能ポリマー
250mLの内容積を有する蓋のあるプラスチック容器(直径6cm×高さ9cmと計測)に、別に計量した184.3gの0.900重量%塩化ナトリウム水溶液を入れ、1.00gの顆粒状吸水性樹脂をそこに添加し、直径8mm及び長さ25mmと計測した磁性攪拌器を用いて52.4rad/s(500rpm)の回転周波数にて16時間それらを共に撹拌し、樹脂中の可溶性含有物を抽出する。抽出された溶液は、1枚の濾紙(厚さ0.26mm、及び保持粒子直径5μm;アドバンテック東洋(Advantec Toyo K.K.)製、製品名「JIS P 3801、No.2」として販売)を通し、50.0gの得られた濾液を測定に使用する。
まず、0.900重量%の塩化ナトリウム水溶液単独をpH10まで0.1NのNaOH水溶液で滴定し、続いてpH2.7まで0.1NのHCl溶液で滴定し、一定の滴定量([bNaOH]ml、[bHCl]ml)を得る。
試験下の溶液に同じ滴定操作を行うことによって、滴定量([NaOH]ml、[HCl]ml)を得る。
既知量のアクリル酸及びそれらのナトリウム塩を含む吸水性樹脂の場合、例えばこの吸水性樹脂の抽出可能ポリマーは、モノマーの平均分子量及び上述の操作から得られた、滴定量に基づいた次式に従って計算できる。量が未知である場合、モノマーの平均分子量は、滴定によってわかる中和比を用いて計算される。
抽出可能なポリマー(重量%)=0.1×(平均分子量)×l84.3×100×([HCl]−[bHCl])/1000/1.0/50.0
中和比(モル%)=[1−([NaOH]−[b(NaOH)])/([HCl]−[bHCl])]×100
(7)残存モノマー含有量
0.500gの吸水性樹脂は、1000mLの脱イオン水に分散される。得られた分散液を長さ50mmの磁性攪拌器を用いて2時間撹拌し、残存モノマーを抽出する。次いで、膨潤ゲルはフィルター(東洋濾紙会社(Toyo Roshi Kaisha, Ltd.)製、No.2、JIS P 3801によって規定される保持粒径5μm)を用いて濾過する。濾液はさらに、HPLCサンプルの前処理用フィルタークロマトディスク25A(クラボウ社(Kurabo Industries Ltd.)製、水タイプ、孔径0.45μm)を用いて濾過され、残存モノマー含有量の測定のためにサンプルを調製する。残存モノマー含有量の測定用のサンプルは、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析する。吸水性樹脂の残存モノマー含有量は、所与濃度のモノマー(アクリル酸)を含有する12個の標準溶液を分析することによって測定し、外部標準として較正曲線を用い、希釈割合を考慮して較正曲線を得る。HPLCの操作条件は次の通りである。
キャリア溶液:3mLのリン酸(85重量%、和光純薬株式会社(Wako Junyaku Kabushiki Kaisha)製、特級化学薬品)を1000mLの超純水(比抵抗:15MΩ・cm以上)に希釈することによって得ることができるリン酸水溶液。
キャリア流速:0.7mL/分
カラム:SHODEX RSpak DM−614(昭和電工株式会社(Showa Denko Kabushiki Kaisha)製)
カラム温度:23±2℃
波長:UV205nm
製造例1
2つのシグマタイプブレードを備えた混練機において、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸、及び水から形成されたアクリル酸塩種の水溶液(モノマー濃度:38重量%、中和比75モル%)を調製し、内部架橋剤としてのポリエチレングリコールジアクリレート(平均エチレンオキシド単位数、n=8)を該モノマーに基づいて0.05モル%の比でそこに溶解させる。
次いで、窒素ガスをこの水溶液に吹き込み、水溶液中の酸素濃度を低下させ、反応容器の内側全体を置き換える。続いて、2つのシグマタイプブレードを回転させ続け、重合反応開始剤として0.05モル%(モノマー基準)の過硫酸ナトリウム、及び0.0006モル%(モノマー基準)のL−アスコルビン酸を容器に添加し、混練機中の構成成分を撹拌し、40分間重合する。結果として、2mmの平均粒径を有するヒドロゲル様ポリマーを得る。
こうして得られたヒドロゲル様ポリマーを170℃に設定された熱風乾燥機にて45分間乾燥する。次いで、乾燥したポリマーをロールミル粉末化装置にて粉砕して、850μmのメッシュサイズを有するふるいを用いて分級し、850μmを超える粒径を有する粒子を除去し、ベースポリマーとして粉末状の吸水性樹脂(A)を得る。
結果として得られたベースポリマーとしての吸水性樹脂(A)は、種々の特性について評価される。結果を表1に示す。
ベースポリマーとして得られた吸水性樹脂(A)の粒径分布を表2に示す。
実施例1
石英の分離フラスコにベースポリマーとして10gの吸水性樹脂(A)を入れ、撹拌翼を用いて撹拌し、1.05gの23.8重量%過硫酸アンモニウム水溶液を撹拌ベースポリマーに添加する。撹拌を15分間続けた後、結果として得られた撹拌混合物を紫外線放射装置(ウシオ電機(Ushio Denki K.K.)製、製品コードUV−152/IMNSC3−AA06として販売)から放出される紫外線を用いて照射し、メタルハライドランプ(ウシオ電機(Ushio Denki K.K.)製、製品コードUVL−1500M2−N1として販売)を用いて、60mW/cmの照射強度に10分間付させ、表面処理された吸水性樹脂(1)を得る。表面処理の条件及び吸水特性を表3に示す。
実施例2
表面処理された吸水性樹脂(2)は実施例1の手順に従って得られるが、1.30gの38.5重量%過硫酸アンモニウム水溶液を用いる。
実施例3
表面処理された吸水性樹脂(3)は実施例2の手順に従って得られるが、紫外線を用いる照射期間を5分間に変更する。
実施例4
表面処理された吸水性樹脂(4)は実施例1の手順に従って得られるが、1.30gの38.5重量%過硫酸ナトリウム水溶液を用いる。
比較例1
比較のための表面処理された吸水性樹脂(1)は実施例2の手順に従って得られるが、紫外線の照射に代えて80℃の温水浴での10分間の加熱を利用する。
製造例2
ヒドロゲル様ポリマーは製造例1の手順に従って得られるが、内部架橋剤の量をモノマーに基づいて0.065モル%に変更する。結果として得られたヒドロゲル様ポリマーを175℃に設定された熱風乾燥機にて50分間乾燥する。次いで、乾燥したポリマーをロールミル粉末化装置にて粉砕して、500μmのメッシュサイズを有するふるい及び300μmのメッシュサイズを有するふるいを用いて分級し、500μmより大きい粒子直径を有する粒子、300μmより小さい粒子直径を有する粒子を除去し、ベースポリマーとして吸水性樹脂(B)を得る。
結果として得られたベースポリマーとしての吸水性樹脂(B)は、種々の特性について評価される。結果を表1に示す。
ベースポリマーとして得られた吸水性樹脂(B)の粒径分布を表2に示す。
実施例5
表面処理された吸水性樹脂(5)は実施例1の手順に従って得られるが、ベースポリマーとして10gの吸水性樹脂(B)を用い、1.3gの38.5重量%過硫酸ナトリウム水溶液を用いる。
比較例2
比較のための表面処理された吸水性樹脂(2)は実施例5の手順に従って得られるが、ラジカル重合反応開始剤の使用を省き、代わりに0.8gの脱イオン水を用いる。
比較例3
比較のための吸水性樹脂(3)は実施例5の手順に従って得られるが、紫外線の照射に代えて、予め180℃に調整された熱風乾燥機にて1時間熱を適用する工程を用いる。
実施例6
表面処理された吸水性樹脂(6)は実施例5の手順に従って得られるが、1.3gの38.5重量%過硫酸ナトリウム水溶液及び0.2gの50重量%硫酸アルミニウム水溶液からなる混合溶液を代わりに用いる。
比較例4
比較のための表面処理された吸水性樹脂(4)は実施例5の手順に従って得られるが、代わりに0.2gの50重量%硫酸アンモニウム水溶液を用いる。
比較例5
比較のための吸水性樹脂(5)は実施例6の手順に従って得られるが、紫外線の照射に代えて、予め180℃に調整された熱風乾燥機にて1時間熱を適用する工程を用いる。
製造例3
ヒドロゲル様ポリマーは、内部架橋剤の量をモノマーに基づいて0.09モル%に変更するが、製造例1の手順に従って得られる。こうして得られたヒドロゲル様ポリマーを予め175℃に設定された熱風乾燥機にて50分間乾燥する。乾燥したポリマーは、ロールミル粉末化装置を用いて粉砕される。得られた粉末を、600μmのメッシュサイズを有するふるいを用いて分級し、600μmを超える粒径を有する粒子を除去し、ベースポリマーとして粉末状の吸水性樹脂(C)を得る。
ベースポリマーとして得られた粉末状の吸水性樹脂(C)は、種々の特性について評価される。結果を表1に示す。
ベースポリマーとして得られた粉末状吸水性樹脂(C)の粒径分布を表2に示す。
実施例7
表面処理された吸水性樹脂は実施例5の手順に従って得られるが、ベースポリマーとして10gの吸水性樹脂(C)を用いる。吸水性樹脂(7)は、製造した吸水性樹脂を予め60℃に調整された真空乾燥機に減圧下で12時間置くことで得られる。製造された吸水性樹脂(7)は、(180℃で3時間乾燥することによる重量損失で規定される)固形含有量が94.0重量%であることがわかる。
実施例8
吸水性樹脂(8)は実施例7の手順に従って得られるが、1.3gの38.5重量%過硫酸ナトリウム水溶液及び0.2gの50重量%硫酸アルミニウム水溶液からなる混合溶液を代わりに用いる。製造された吸水性樹脂(8)は、(180℃で3時間乾燥することによる重量損失で規定される)固形含有量が93.3重量%であることがわかる。
実施例9
吸水性樹脂(9)は実施例7の手順に従って得られるが、1.3gの水性38.5重量%過硫酸ナトリウム、及び水性50重量%の硫酸アルミニウム水溶液と50重量%の乳酸ナトリウムとを5:1の比で混合して得られた0.2gの溶液からなる混合溶液を代わりに用いる。製造された吸水性樹脂(9)は、(180℃で3時間乾燥することによる重量損失で規定される)固形含有量が93.7重量%であることがわかった。
実施例10
表面処理された吸水性樹脂(10)は、0.25gの硫酸水素アンモニウムを過硫酸アンモニウム水溶液に添加する以外、実施例1の手順に従って得られる。
実施例11
表面処理された吸水性樹脂(11)は、0.25gの硫酸アンモニウムを過硫酸アンモニウム水溶液に添加した以外、実施例1の手順に従って得られる。
実施例12
表面処理された吸水性樹脂(12)は、0.25gの塩化ナトリウムを過硫酸アンモニウム水溶液に添加する以外、実施例1の手順に従って得られる。
実施例13
表面処理された吸水性樹脂(13)は、0.165gの硫酸アンモニウム及び0.11gの硫酸を過硫酸アンモニウム水溶液に添加する以外、実施例1の手順に従って得られる。
実施例14
表面処理された吸水性樹脂(14)は、0.1gの50重量%硫酸アルミニウム14〜18水和物水溶液、0.0025gのプロピレングリコール、及び0.0167gの60重量%乳酸ナトリウム水溶液を含有する混合溶液を、過硫酸アンモニウム水溶液の添加の前に吸水性樹脂(A)に添加した以外は実施例2の手順に従って得られる。
実施例15
表面処理された吸水性樹脂(15)は、0.05gのポリエチレングリコールモノメチルエーテル(数平均分子量:約2,000)を過硫酸アンモニウム水溶液に添加する以外、実施例2の手順に従って得られる。
実施例16
表面処理された吸水性樹脂(16)は、10gの吸水性樹脂(C)をベースポリマーとして使用する以外、実施例1の手順に従って得られる。
実施例17
表面処理された吸水性樹脂(17)は、0.05gのポリエチレングリコールモノメチルエーテル(数平均分子量:約2,000)を過硫酸アンモニウム水溶液に添加する以外、実施例16の手順に従って得られる。
製造例4
ヒドロゲル様ポリマーは、アクリル酸塩系のモノマー水溶液の中和比を60モル%に変更し、また内部架橋剤の量をモノマーに基づいて0.06モル%に変更するが、製造例1の手順に従って得られる。こうして得られたヒドロゲル様ポリマーを予め175℃に設定された熱風乾燥機にて50分間乾燥する。乾燥したポリマーは、ロールミル粉末化装置を用いて粉砕される。得られた粉末を、600μmのメッシュサイズを有するふるいを用いて分級し、600μmを超える粒径を有する粒子を除去し、ベースポリマーとして粉末状の吸水性樹脂(D)を得る。
ベースポリマーとして得られた粉末状吸水性樹脂(D)は、種々の特性について評価される。結果を表1に示す。
ベースポリマーとして得られた粉末状吸水性樹脂(D)の粒径分布は、粉末状吸水性樹脂(C)と同様である。
実施例18
表面処理された吸水性樹脂(18)は、10gの吸水性樹脂(D)をベースポリマーとして使用する以外、実施例2の手順に従って得られる。
実施例19
表面処理された吸水性樹脂(19)は、0.05gのポリエチレングリコールモノメチルエーテル(数平均分子量:約2,000)を過硫酸アンモニウム水溶液に添加する以外、実施例18の手順に従って得られる。
製造例5
2つのシグマタイプブレードを備えた混練機にて、アクリル酸水溶液(モノマー濃度:30重量%)を調製し、内部架橋剤としてメチレンビスアクリルアミドをモノマーに基づいて0.15モル%の比でそこに溶解させる。
次いで、窒素ガスをこの水溶液に吹き込み、水溶液中の酸素濃度を低下させ、反応容器の内側全体の雰囲気を交換する。続いて、2つのシグマタイプブレードを回転させ続け、重合反応開始剤として0.016モル%(モノマー基準)の2,2’−アゾビス(2−アミノプロパン)−ジヒドロクロリド、及び0.002モル%(モノマー基準)のL−アスコルビン酸及び0.04モル%(モノマー基準)の過酸化水素を容器に添加する。アクリル酸水溶液の粘度が上昇したら、ブレードの回転を停止し、静的重合を混練機にて行う。製造されたゲルの温度がピークに達した後、混練機のジャケットの温度を70℃に設定し、ゲルを1時間放置する。続いて、混練機のブレードを再び回転させてゲルを20分間粉砕する。次いで、20重量%の炭酸ナトリウム水溶液(モノマーに基づいて60モル%に等価なモル)を添加すると同時に、ブレードを回転し続け、混合を60分間継続させる。結果として、2mmの平均粒径を有するヒドロゲル様ポリマーを得る。
こうして得られたヒドロゲル様ポリマーを175℃に設定された熱風乾燥機にて50分間乾燥する。次いで、乾燥したポリマーをロールミル粉末化装置にて粉砕して、600μmのメッシュサイズを有するふるいを用いて分級し、600μmを超える粒径を有する粒子を除去し、ベースポリマーとして粉末状の吸水性樹脂(E)を得る。
結果として得られたベースポリマーとしての吸水性樹脂(E)は、種々の特性について評価される。結果を表1に示す。
ベースポリマーとして得られた粉末状吸水性樹脂(E)の粒径分布は、粉末状吸水性樹脂(C)と同様である。
実施例20
表面処理された吸水性樹脂(20)は、10gの吸水性樹脂(E)をベースポリマーとして使用する以外、実施例2の手順に従って得られる。
実施例21
表面処理された吸水性樹脂(21)は、0.05gのポリエチレングリコールモノメチルエーテル(数平均分子量:約2,000)を過硫酸アンモニウム水溶液に添加する以外、実施例20の手順に従って得られる。
製造された表面処理吸水性樹脂を種々の特性について評価する。その結果を表1〜4に示す。
Figure 2008522760
Figure 2008522760
Figure 2008522760
Figure 2008522760
*:ベースポリマー **:吸水性樹脂 ***:加熱
*)水性50重量%硫酸アルミニウム
**)50重量%硫酸アルミニウム及び50%乳酸ナトリウム=5:1の混合溶液
反応開始剤及びその他の添加剤の量は、ベースポリマーに基づいて重量%で示される。
Figure 2008522760
***)50重量%の硫酸アルミニウム14〜18水和物水溶液/プロピレングリコール/60重量%乳酸ナトリウム水溶液=1.0/0.025/0.167重量%(ベースポリマー基準)
樹脂を改質する目的で吸水性樹脂に与えられる表面処理は、通常の室温付近の反応温度にて完全に申し分なく行うことができ、結果として得られた改質吸水性樹脂は、吸水特性に優れ、そのため使い捨ておむつに利用される。
「発明を実施するための最良の形態」で引用した全ての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれているが、いかなる文献の引用も、それが本発明に対する従来技術であることを認めるものと解釈されるべきではない。
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行えることが当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
本明細書にて値が規定されたそれぞれの寸法は、技術寸法であって、これは本発明の背景において、文字通りには解釈されるべきでない。故に、本明細書に規定される寸法と機能的に等価な寸法を有する全ての実施形態は、本発明の範囲で扱われることを意図し、例えば「40mm」の寸法は「約40mm」を意味すると解釈されるべきである。
本明細書は、本発明を指摘しかつ明白に請求する特許請求の範囲で完結するが、本発明は、同類の構成要素が同じ参照番号を与えられている添付の明細書と併せて、以下の図面によってさらによく理解できると考えられている。
塩水流伝導度(SFC)を決定するのに使用されるべき測定装置の概略図。

Claims (25)

  1. 使い捨ておむつに使用するための吸収性部材であって、該吸収性部材は、
    a)エチレン性不飽和モノマーを添加することなく、吸水性樹脂と水溶性ラジカル重合反応開始剤とを混合すること、及び
    b)得られた混合物を活性エネルギー線で照射すること、を含む方法に従って製造される改質された吸水性樹脂を含む、吸収性部材。
  2. 前記水溶性ラジカル重合反応開始剤は、過硫酸塩、過酸化水素及び水溶性アゾ化合物から成る群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の吸収性部材。
  3. 使い捨ておむつに使用するための吸収性部材であって、該吸収性部材は、
    a)エチレン性不飽和モノマーを添加することなく、吸水性樹脂と熱分解性ラジカル重合反応開始剤とを混合すること、及び
    b)得られた混合物を活性エネルギー線で照射すること、を含む方法に従って製造される改質された吸水性樹脂を含む、吸収性部材。
  4. 前記熱分解性ラジカル重合反応開始剤は、過硫酸塩、過酸化水素及びアゾ化合物から成る群から選択される少なくとも1種である、請求項3に記載の吸収性部材。
  5. 前記吸水性樹脂100重量部に添加されるべき前記ラジカル重合反応開始剤の量は、0.01〜20重量部の範囲である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収性部材。
  6. 前記ラジカル重合反応開始剤は、水溶液の形態で混合される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性部材。
  7. 前記吸水性樹脂及び前記ラジカル重合反応開始剤の混合は、前記吸水性樹脂100重量部に基づいて1〜20重量部の範囲の水をさらに混合することを伴う、請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸収性部材。
  8. 水以外の混合助剤を工程a)と同時に又は工程a)の前に添加する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の吸収性部材。
  9. 前記混合助剤は、界面活性剤、水溶性ポリマー類、親水性有機溶媒、水溶性無機化合物、無機酸類、無機酸塩類、有機酸類、及び有機酸塩類から成る群から選択される少なくとも1つの水溶性又は水分散性化合物である、請求項8に記載の吸収性部材。
  10. 前記混合助剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリエチレングリコール、水溶性の多価金属、塩化ナトリウム、硫酸水素アンモニウム、硫酸アンモニウム、硫酸、及び塩酸から成る群から選択される少なくとも1つの水溶性又は水分散性化合物である、請求項8又は9のいずれか1項に記載の吸収性部材。
  11. 前記混合助剤は、前記吸水性樹脂100重量部に基づいて0.01〜40重量部の範囲の量で添加される、請求項8〜10のいずれか1項に記載の吸収性部材。
  12. 前記吸水性樹脂は、酸基を有し、50〜75モル%の範囲の中和比(前記酸基全体のうち中和された酸基のモル%)を有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の吸収性部材。
  13. 前記活性エネルギー線は、紫外線である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の吸収性部材。
  14. 前記吸水性樹脂は、主要構成成分としてアクリル酸(塩)を有するモノマーを重合することによって得られる粉末状樹脂である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の吸収性部材。
  15. 前記吸水性樹脂は、中和比の低い吸水性樹脂前駆体を製造し、前記吸水性樹脂前駆体を塩基と混合することによって得られる、請求項1〜14のいずれか1項に記載の吸収性部材。
  16. 前記吸水性樹脂は、90〜100重量%の範囲の比にて、150〜850μmの範囲の直径を有する粒子を含有する、請求項1〜15のいずれか1項に記載の吸収性部材。
  17. 改質後の前記吸水性樹脂における4.83kPaの圧力下での生理食塩水の吸収性は、その改質前の該樹脂における圧力下での吸収性と比較して1g/g以上改善される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の吸収性部材。
  18. 改質後の該吸水性樹脂における4.83kPaの圧力下での生理食塩水の吸収性は、8〜40g/gの範囲である、請求項1〜17のいずれか1項に記載の吸収性部材。
  19. 改質後の該吸水性樹脂の塩水流伝導度は、10(10−7・cm3・s・g−1)以上である、請求項1〜18のいずれか1項に記載の吸収性部材。
  20. 使い捨ておむつに使用するための吸収性部材であって、該吸収性部材は、主要構成成分としてアクリル酸(塩)を含むモノマー構成成分を重合することによって得られ、次の特徴を有する粉末状の改質吸水性樹脂を含む、吸収性部材
    (i)40(10−7・cm・s・g−1)以上の塩水流伝導度、
    (ii)95%以下の固形含有量、及び
    (iii)150ppm以下の残存モノマー含有量。
  21. 使い捨ておむつに使用するための吸収性部材であって、該吸収性部材は、請求項20に記載の粉末状の改質吸水性樹脂を含み、これが25g/g以上の生理食塩水の自由膨潤能力を有する吸収性部材。
  22. 使い捨ておむつに使用するための吸収性部材であって、該吸収性部材は、請求項20又は請求項21に記載の粉末状の改質吸水性樹脂を含み、これが22g/g以上の4.83kPaの圧力下での生理食塩水の吸収性を有する吸収性部材。
  23. 使い捨ておむつに使用するための吸収性部材であって、該吸収性部材は、
    a)エチレン性不飽和モノマーを添加することなく、吸水性樹脂と過硫酸塩とを混合すること、
    b)該工程a)と同時又は該工程a)の前に水以外の混合助剤を添加すること、及び
    c)得られた混合物を活性エネルギー線で照射すること、を含む方法に従って製造される改質された吸水性樹脂を含む、吸収性部材。
  24. 使い捨ておむつに使用するための吸収性部材であって、該吸収性部材は、
    a)エチレン性不飽和モノマーを添加することなく、吸水性樹脂と過硫酸塩とを混合すること、及び
    b)得られた混合物を活性エネルギー線で照射すること、を含む方法に従って製造される改質された吸水性樹脂を含み、
    前記吸水性樹脂は、酸基を有し、50〜75モル%の範囲の中和比(該酸基全体のうち中和された酸基のモル%)を有する、吸収性部材。
  25. 使い捨ておむつに使用するための吸収性部材であって、該吸収性部材は、
    a)エチレン性不飽和モノマーを添加することなく、吸水性樹脂と過硫酸塩とを混合すること、
    b)該工程a)と同時又は該工程a)の前に水以外の混合助剤を添加すること、及び
    c)得られた混合物を活性エネルギー線で照射すること、を含む方法に従って製造される改質された吸水性樹脂を含み、
    前記吸水性樹脂は、酸基を有し、50〜75モル%の範囲の中和比(該酸基全体のうち中和された酸基のモル%)を有する、吸収性部材。
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