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JP2008519614A - 移植可能なコラーゲン組成物 - Google Patents

移植可能なコラーゲン組成物 Download PDF

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JP2008519614A
JP2008519614A JP2007540344A JP2007540344A JP2008519614A JP 2008519614 A JP2008519614 A JP 2008519614A JP 2007540344 A JP2007540344 A JP 2007540344A JP 2007540344 A JP2007540344 A JP 2007540344A JP 2008519614 A JP2008519614 A JP 2008519614A
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ポラレック,ジェームズ,ダブリュ.
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ファイブローゲン、インコーポレーテッド
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Abstract

本発明は様々な組織増大法で用いるのに適したコラーゲン組成物に関する。

Description

本発明は様々な組織増大法で用いるのに適したコラーゲン組成物に関する。
コラーゲンは、軟組織増大法を含め、多数の医学的および美容的用途で広く使われてきた。これらの用途で使われるコラーゲンは、通常は、動物、特にウシおよびブタ、またはヒト組織などの、天然源から抽出された内因性のコラーゲンである。ウシコラーゲンは、特に、軟組織増大用のインプラント材料として広く普及してきた。
持続性は、様々な組織増大法で移植され使用される材料の重要な特徴である。大部分の組織増大製品における主要な充填および構造材料であるコラーゲンは、移植しても宿主コラゲナーゼによる分解を受けやすく、したがってかなり短期間のうちに分解する傾向がある。材料の分解または吸収による持続性の欠如は、所望の結果を弱めまたは損なうことがあり、再処置が必要になることがある。それ故に、連続的処置またはより長時間の効果を必要とするまたは所望する患者は、早ければ注入から2ヶ月または3ヶ月でさらなる注入を受けなければならない。(例えば、L. Baumann and E. Weisberg,「Soft Tissue Augmentation」, 19章, Cosmetic Dermatology Principles and Practice, 155〜172頁中, 2002, McGraw Hill, NY, NYを参照されたく、これは市販の皮膚充填製品の非永続性を論じており、例えば、ZYPLASTおよびZYDERMウシコラーゲン皮膚充填剤(Inamed Corp., Santa Barbara, CA)の持続期間を2〜4ヶ月として記載している。) 自由意志による美容的手法の場合、所望の効果が長続きしないであろうことを知れば、特定の手法に付随する不便さ、費用、および不快感は、見込み患者が再処置を受ける意欲を失わせたり、またはそもそも手法を受けることを選択する意欲を失わせる可能性がある。
組織由来のコラーゲン充填剤の持続性欠如/持続時間の短さを克服することを目的とする様々な改変には、例えば、コラーゲン原料の化学的架橋(抽出されたコラーゲンにさらなる架橋を与える化学剤の使用) (例えば、Narins et al. (2003) Dermatol. Surg. 29:588-595を参照のこと)により、および増量製品または充填製品中のコラーゲン濃度の増加(例えば、米国特許第5,428,024号を参照のこと)により、抽出されたコラーゲンの物理的特性を変化させる両努力が含まれる。しかしながら、これらの製剤は操作性、押出性、および侵入性の損なわれた/低下したコラーゲンをもたらす。それ故に、様々な医学的および美容的用途で用いるために持続性の増加しているコラーゲン材料が当技術分野において必要である。操作性、押出性、および侵入性の付随的低減がないまたは損なわれていない、より増加した持続性を有するコラーゲン材料がさらに必要である。
本発明は、持続性の向上した移植可能なコラーゲン組成物、例えば、市販のコラーゲンに基づく組織増大製品のものよりも高い持続性を有するコラーゲン組成物を提供することにより、これらの要求に応える。変動性の極めて小さいまたはない移植可能なコラーゲン材料も提供される。本発明はさらに、操作性、押出性、および侵入性の向上したコラーゲン組成物を提供する。
本発明は、コラーゲンを含みかつ持続性の促進、操作性と取り扱い簡便性の向上、および均一性と再現性を供与する種々の移植可能な組成物に関する。これらの組成物は様々な医学的および美容的手法で、具体的には、組織増大法で用いるのに適している。これらの移植可能な組成物を製造する方法およびそれを使用する方法が提供され、それらを含むキットも提供される。
本発明の目的のため、移植可能な組成物は、組織に投与して組織を支持できる、増大できる、強化できる、または増大させることができる組成物である。具体的には、移植可能な組成物はインビボ投与のためにおよびインプラントまたは移植可能なデバイスとして用いるために適したものであることが意図される。本発明の移植可能な組成物は、注入可能な組成物、例えば、注入により投与できる組成物を含む。本発明の移植可能な組成物は、皮下の、皮内の、または真皮下の投与に適することや、軟組織増大および硬組織増大において用いるのに適することがさらに意図される。
一つの態様において、本発明は、III型コラーゲンからなるコラーゲンを含む移植可能な組成物を提供する。特定の態様において、III型コラーゲンはヒトIII型コラーゲンである。もう一つの態様において、III型コラーゲンは合成III型コラーゲンである。もう一つの態様において、III型コラーゲンは内因性の架橋を実質的に含まない。さらなる態様において、III型コラーゲンは分子内および分子間の架橋を実質的に含まない。ある種の態様において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。他の態様において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号149からアミノ酸残基番号1221、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。他の態様において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号168からアミノ酸残基番号1196、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。
様々な態様において、III型コラーゲンからなるコラーゲンを含む移植可能な組成物は、注入可能な組成物であり、例えば、注入による送達に適している。ある態様においては送達は皮下、皮内、または真皮下であることが意図される。特定の態様において、移植可能な組成物は、皮膚充填剤、骨間隙充填剤、および歯科インプラントからなる群より選択される。本発明はさらに、移植可能な組成物が組織増大で用いるのに適したものである態様、ならびに組織増大が軟組織増大である特定の態様および組織増大が硬組織増大である特定の態様を包含する。
本発明は特に、少なくとも所定の割合のIII型コラーゲンを含むコラーゲンを含有する組成物を提供する。一つの実施形態において、本発明は、少なくとも60%のIII型コラーゲンを含むコラーゲンを含有する移植可能な組成物を包含する。コラーゲンが少なくとも70%のIII型コラーゲンおよび少なくとも80%のIII型コラーゲンを、それぞれ含む特定の実施形態が企図され、コラーゲンが少なくとも90%、少なくとも95%、および少なくとも98%のIII型コラーゲンを含む実施形態が好ましい。様々な実施形態において、III型コラーゲンが、ヒトIII型コラーゲンであるか、合成III型コラーゲンであるか、分子間および分子内の架橋を実質的に含まないか、または内因性の架橋を実質的に含まないような、所定の割合のIII型コラーゲンを含む移植可能な組成物が提供される。いくつかの実施形態において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。他の実施形態において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号149からアミノ酸残基番号1221、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。他の実施形態において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号168からアミノ酸残基番号1196、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。様々な実施形態において、移植可能な組成物は注入可能な組成物であり、例えば、注入による送達に適している。さらなる態様において、送達は皮下、皮内、または真皮下である。
特定の実施形態において、少なくとも所定の割合のIII型コラーゲンを含む移植可能な組成物は、皮膚充填剤、骨間隙充填剤、および歯科インプラントからなる群より選択される移植可能な組成物である。好ましい実施形態において、移植可能な組成物は組織増大で用いるのに適している。組織増大が軟組織増大である実施形態および組織増大が硬組織増大である実施形態が特に企図される。
分子間および分子内の架橋を実質的に含まないコラーゲンを含有する移植可能な組成物が本明細書において企図される。一つの態様において、コラーゲンはIII型コラーゲンからなる。他の態様において、コラーゲンは少なくとも所定の割合のIII型コラーゲン、例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%のIII型コラーゲンをそれぞれ含む。一つの態様において、コラーゲンは線維状コラーゲンであり、ならびに、特定の態様において、I型コラーゲン、II型コラーゲン、およびIII型コラーゲンからなる群より選択される。好ましい態様において、コラーゲンはヒトコラーゲンであり、最も好ましい態様において、ヒトIII型コラーゲンである。様々な態様において、コラーゲンは合成コラーゲンであることが意図される。特定の態様において、コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。他の態様において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号149からアミノ酸残基番号1221、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。他の態様において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号168からアミノ酸残基番号1196、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。
本発明はさらに、分子内および分子間の架橋を実質的に含まないコラーゲンを含む移植可能な組成物であって、皮膚充填剤、骨間隙充填剤、および歯科インプラントからなる群より選択される移植可能な組成物を提供する。具体的な実施形態において、移植可能な組成物は組織増大において用いるのに適している。組織増大が軟組織増大である実施形態および組織増大が硬組織増大である実施形態が特に企図される。
内因性の架橋を実質的に含まないコラーゲンを含む移植可能な組成物が本発明により企図される。内因性の架橋を実質的に含まないコラーゲンとしては、内因性の架橋を含まないが、コラーゲンが非内因的に与えられた架橋を実際に含むように、内因性の産生の後で架橋剤(化学的架橋剤、例えば、グルテルアルデヒドなど)にまたは架橋条件(例えば、熱、放射線など)に曝露されたコラーゲンが挙げられるが、これに限定されることはない。
一つの実施形態において、内因性の架橋を実質的に含まないコラーゲンは線維状コラーゲンである。様々な実施形態において、コラーゲンはI型コラーゲン、II型コラーゲン、およびIII型コラーゲンからなる群より選択される。他の実施形態において、内因性の架橋を実質的に含まないコラーゲンは、少なくとも所定の割合のIII型コラーゲン、例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%のIII型コラーゲンをそれぞれ含む。特定の実施形態において、コラーゲンは合成コラーゲンである。一つの実施形態において、コラーゲンはヒトコラーゲンである。もう一つの実施形態において、コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。他の実施形態において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号149からアミノ酸残基番号1221またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。他の実施形態において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号168からアミノ酸残基番号1196またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。
本発明はさらに、分子内および分子間の架橋を実質的に含まないコラーゲンを含む移植可能な組成物であって、皮膚充填剤、骨間隙充填剤、および歯科インプラントからなる群より選択される移植可能な組成物を提供する。具体的な実施形態において、移植可能な組成物は組織増大において用いるのに適している。組織増大が軟組織増大である実施形態および組織増大が硬組織増大である実施形態が特に企図される。
一つの態様において、本発明は被験体において軟組織を増大する方法であって、III型コラーゲンからなるコラーゲンを含む組成物を増大部位で被験体に投与し、それにより軟組織を増大させることを含む方法を提供する。一つの態様において、被験体は哺乳類である。好ましい態様において、被験体はヒトである。もう一つの態様において、III型コラーゲンは被験体と同じ種のものである。特定の態様において、III型コラーゲンはヒトIII型コラーゲンであり、被験体はヒトである。もう一つの態様において、III型コラーゲンは合成III型コラーゲンである。好ましい態様において、III型コラーゲンは合成ヒトIII型コラーゲンである。ある種の態様において、III型コラーゲンは配列番号1の配列、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの、断片を含む。他の態様において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号149からアミノ酸残基番号1221、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの、断片を含む。他の態様において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号168からアミノ酸残基番号1196、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの、断片を含む。
様々な態様において、増大部位での被験体への投与は、例えば、注射器および注射針などを使用した、移植または注入によるものである。ある種の態様において、増大部位での被験体への投与は、皮下(subcutaneous)投与、皮内投与、または真皮下(subdermal)投与である。
一つの実施形態において、本発明は被験体において軟組織を増大する方法であって、少なくとも60%のIII型コラーゲンを含むコラーゲンを含有する組成物を増大部位で被験体に投与し、それにより軟組織を増大させることを含む方法を提供する。一つの実施形態において、被験体は哺乳類である。好ましい実施形態において、被験体はヒトである。コラーゲンが少なくとも70%のIII型コラーゲンおよび少なくとも80%のIII型コラーゲンを、それぞれ含む特定の実施形態が企図され、コラーゲンが少なくとも90%、少なくとも95%、および少なくとも98%のIII型コラーゲンを含む好ましい実施形態も企図される。もう一つの実施形態において、III型コラーゲンは被験体と同じ種のものである。特定の実施形態において、III型コラーゲンはヒトIII型コラーゲンであり、被験体はヒトである。もう一つの実施形態において、III型コラーゲンは合成III型コラーゲンである。好ましい実施形態において、III型コラーゲンは合成ヒトIII型コラーゲンである。ある種の実施形態において、III型コラーゲンは配列番号1の配列、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。他の実施形態において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号149からアミノ酸残基番号1221、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。他の実施形態において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号168からアミノ酸残基番号1196またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。
様々な実施形態において、増大部位での被験体への投与は、例えば、注射器および注射針などを使用した、移植または注入によるものである。ある種の態様において、増大部位での被験体への投与は、皮下投与、皮内投与、または真皮下投与である。
一つの態様において、本発明は被験体において軟組織を増大させる方法であって、分子間および分子内の架橋を実質的に含まないコラーゲンを含有する組成物を増大部位で被験体に投与し、それにより軟組織を増大させることを含む方法を提供する。一つの態様において、被験体は哺乳類である。好ましい態様において、被験体はヒトである。もう一つの態様において、コラーゲンは線維状コラーゲンであり、ならびに、特定の態様において、コラーゲンはI型コラーゲン、II型コラーゲン、およびIII型コラーゲンからなる群より選択される。他の態様において、コラーゲンは少なくとも所定の割合のIII型コラーゲン、例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%のIII型コラーゲンをそれぞれ含む。好ましい態様において、コラーゲンはヒトコラーゲンであり、最も好ましい態様においては、ヒトIII型コラーゲンである。様々な態様において、コラーゲンは合成コラーゲンであることが意図される。特定の態様において、コラーゲンは配列番号1の配列、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。他の態様において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号149からアミノ酸残基番号1221、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。他の態様において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号168からアミノ酸残基番号1196、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。
様々な態様において、増大部位での被験体への投与は、例えば、注射器および注射針などを使用した、移植または注入によるものである。ある種の態様において、増大部位での被験体への投与は、皮下投与、皮内投与、または真皮下投与である。
一つの実施形態において、本発明は被験体において軟組織を増大させる方法であって、内因性の架橋を実質的に含まないコラーゲンを含む組成物を増大部位で被験体に投与し、それにより軟組織を増大させることを含む方法を提供する。一つの実施形態において、被験体は哺乳類である。好ましい実施形態において、被験体はヒトである。内因性の架橋を実質的に含まないコラーゲンとしては、内因性の架橋を含まないが、コラーゲンが非内因的に与えられた架橋を実際に含むように、内因性の産生の後で架橋剤(化学的架橋剤、例えば、グルテルアルデヒドなど)にまたは架橋結合条件(例えば、熱、放射線など)に曝露されたコラーゲンが挙げられるが、これに限定されることはない。一つの実施形態において、コラーゲンは線維状コラーゲンであり、ならびに、特定の実施形態において、コラーゲンはI型コラーゲン、II型コラーゲン、およびIII型コラーゲンからなる群より選択される。他の実施形態において、コラーゲンは少なくとも所定の割合のIII型コラーゲン、例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%のIII型コラーゲンをそれぞれ含む。好ましい実施形態において、コラーゲンはヒトコラーゲンであり、最も好ましい実施形態においては、ヒトIII型コラーゲンである。様々な実施形態において、コラーゲンは合成コラーゲンであることが意図される。特定の実施形態において、コラーゲンは配列番号1の配列、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。他の実施形態において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号149からアミノ酸残基番号1221、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。他の実施形態において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号168からアミノ酸残基番号1196、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。
様々な態様において、増大部位での被験体への投与は、例えば、注射器および注射針などを使用した、移植または注入によるものである。ある種の態様において、増大部位での被験体への投与は、皮下投与、皮内投与、または真皮下投与である。
一つの実施形態において、本発明は移植可能なコラーゲン組成物を調製する方法であって、III型コラーゲンからなるコラーゲンを提供し、III型コラーゲンの水溶液を調製し、それにより移植可能なコラーゲン組成物を調製することを含む方法を提供する。一つの実施形態において、III型コラーゲンはヒトIII型コラーゲンである。もう一つの実施形態において、III型コラーゲンは合成III型コラーゲンである。好ましい実施形態において、III型コラーゲンは合成ヒトIII型コラーゲンである。もう一つの実施形態において、III型コラーゲンは分子間および分子内の架橋を実質的に含まない。さらなる実施形態において、III型コラーゲンは内因性の架橋を実質的に含まない。ある種の実施形態において、III型コラーゲンは配列番号1の配列、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。他の実施形態において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号149からアミノ酸残基番号1221、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。他の実施形態において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号168からアミノ酸残基番号1196、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。
一つの態様において、本発明は移植可能なコラーゲン組成物を調製する方法であって、少なくとも60%のIII型コラーゲンを含むコラーゲンを提供し、該コラーゲンの水溶液を調製し、それにより移植可能なコラーゲン組成物を調製することを含む方法を提供する。コラーゲンが少なくとも70%のIII型コラーゲンおよび少なくとも80%のIII型コラーゲンをそれぞれ含む、特定の態様が企図され、コラーゲンが少なくとも90%、少なくとも95%、および少なくとも98%のIII型コラーゲンを含む好ましい態様も企図される。ある種の態様において、コラーゲンはヒトIII型コラーゲンである。他の態様において、コラーゲンは合成III型コラーゲンである。好ましい態様において、コラーゲンは合成ヒトIII型コラーゲンである。もう一つの態様において、コラーゲンは分子間および分子内の架橋を実質的に含まない。さらなる態様において、コラーゲンは内因性の架橋を実質的に含まない。ある種の態様において、III型コラーゲンは配列番号1の配列、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。他の態様において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号149からアミノ酸残基番号1221、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。他の態様において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号168からアミノ酸残基番号1196、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。
一つの実施形態において、本発明は移植可能なコラーゲン組成物を調製する方法であって、分子間および分子内の架橋を実質的に含まないコラーゲンを提供し、該分子間および分子内の架橋を実質的に含まないコラーゲンの水溶液を調製し、それにより移植可能なコラーゲン組成物を調製することを含む方法を提供する。一つの実施形態において、コラーゲンは線維状コラーゲンであり、特定の実施形態において、コラーゲンはI型コラーゲン、II型コラーゲン、およびIII型コラーゲンからなる群より選択される。ある種の実施形態において、コラーゲンはヒトコラーゲンである。他の実施形態において、コラーゲンは合成コラーゲンである。好ましい実施形態において、コラーゲンは合成ヒトコラーゲンである。好ましい実施形態において、コラーゲンは合成ヒトIII型コラーゲンである。さらなる実施形態において、コラーゲンは内因性の架橋を実質的に含まない。特定の実施形態において、コラーゲンは配列番号1の配列またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。他の実施形態において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号149からアミノ酸残基番号1221、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。他の実施形態において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号168からアミノ酸残基番号1196、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。
本発明は同様に、移植可能なコラーゲン組成物を調製する方法であって、分子間および分子内の架橋を実質的に含まないコラーゲンを提供し、該コラーゲンを架橋し、それにより移植可能なコラーゲン組成物を調製することを含む方法を提供する。一つの態様において、コラーゲンは線維状コラーゲンであり、特定の態様において、コラーゲンはI型コラーゲン、II型コラーゲン、およびIII型コラーゲンからなる群より選択される。もう一つの態様において、コラーゲンはヒトコラーゲンである。もう一つの態様において、コラーゲンは合成コラーゲンである。好ましい態様において、コラーゲンは合成ヒトコラーゲンである。特定の態様において、コラーゲンは配列番号1の配列、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。他の態様において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号149からアミノ酸残基番号1221、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。他の態様において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号168からアミノ酸残基番号1196、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。ある種の態様において、コラーゲンの架橋は、コラーゲンを架橋させるのに適した条件の下で該コラーゲンを熱または放射線に曝露することにより生じさせる。他の態様において、コラーゲンの架橋は、コラーゲンを架橋させるのに適した条件の下で該コラーゲンを化学的架橋剤に曝露することにより生じさせる。特定の態様において、化学的架橋剤はアルデヒド、カルボジイミド、エポキシド、およびイミダゾールからなる群より選択される。
一つの実施形態において、本発明は移植可能なコラーゲン組成物を調製する方法であって、内因性の架橋を実質的に含まないコラーゲンを提供し、該コラーゲンを架橋し、その架橋コラーゲンの水溶液を調製し、それにより移植可能なコラーゲン組成物を調製することを含む方法を提供する。一つの実施形態において、コラーゲンの架橋は、コラーゲンを架橋させるのに適した条件の下で該コラーゲンを熱または放射線に曝露することにより生じさせる。一つの実施形態において、コラーゲンは線維状コラーゲンであり、特定の実施形態において、コラーゲンはI型コラーゲン、II型コラーゲン、およびIII型コラーゲンからなる群より選択される。もう一つの実施形態において、コラーゲンはヒトコラーゲンである。もう一つの実施形態において、コラーゲンは合成コラーゲンである。好ましい実施形態において、コラーゲンは合成ヒトコラーゲンである。特定の実施形態において、コラーゲンは配列番号1の配列、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。他の実施形態において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号149からアミノ酸残基番号1221、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。他の実施形態において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号168からアミノ酸残基番号1196、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。もう一つの実施形態において、コラーゲンの架橋は、コラーゲンを架橋させるのに適した条件の下で該コラーゲンを化学的架橋剤に曝露することにより生じさせる。ある種の実施形態において、化学的架橋剤はアルデヒド、カルボジイミド、エポキシド、およびイミダゾールからなる群より選択される。
一つの態様において、本発明は、移植可能なコラーゲン組成物を含む軟組織を増大させるのに有用なキットであって、III型コラーゲン、注射器、および注射針を含むキットを提供する。一つの態様において、III型コラーゲンはヒトIII型コラーゲンである。もう一つの態様において、III型コラーゲンは合成III型コラーゲンである。好ましい態様において、III型コラーゲンは合成ヒトIII型コラーゲンである。もう一つの態様において、III型コラーゲンは分子間および分子内の架橋を実質的に含まない。さらなる態様において、III型コラーゲンは内因性の架橋を実質的に含まない。ある種の態様において、III型コラーゲンは配列番号1の配列、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。他の態様において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号149からアミノ酸残基番号1221、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。他の態様において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号168からアミノ酸残基番号1196、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。
一つの実施形態において、本発明は、移植可能なコラーゲン組成物を含む軟組織を増大させるのに有用なキットであって、少なくとも60%のIII型コラーゲンを含むコラーゲン、注射器、および注射針を含有するキットを提供する。コラーゲンが少なくとも70%のIII型コラーゲンおよび少なくとも80%のIII型コラーゲンをそれぞれ含む特定の実施形態が企図され、コラーゲンが少なくとも90%、少なくとも95%、および少なくとも98%のIII型コラーゲンを含む好ましい実施形態も企図される。ある種の実施形態において、コラーゲンはヒトIII型コラーゲンである。他の実施形態において、コラーゲンは合成III型コラーゲンである。好ましい実施形態において、コラーゲンは合成ヒトIII型コラーゲンである。もう一つの実施形態において、コラーゲンは分子間および分子内の架橋を実質的に含まない。さらなる実施形態において、コラーゲンは内因性の架橋を実質的に含まない。ある種の実施形態において、III型コラーゲンは配列番号1の配列またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。他の実施形態において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号149からアミノ酸残基番号1221、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。他の実施形態において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号168からアミノ酸残基番号1196、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。
一つの態様において、本発明は、移植可能なコラーゲン組成物を含む軟組織を増大させるのに有用なキットであって、分子間および分子内の架橋を実質的に含まないコラーゲン、注射器、ならびに注射針を含むキットを提供する。一つの態様において、コラーゲンは線維状コラーゲンであり、特定の態様において、コラーゲンはI型コラーゲン、II型コラーゲン、およびIII型コラーゲンからなる群より選択される。ある種の態様において、コラーゲンはヒトコラーゲンである。他の態様において、コラーゲンは合成コラーゲンである。好ましい態様において、コラーゲンは合成ヒトコラーゲンである。好ましい態様において、コラーゲンは合成ヒトIII型コラーゲンである。さらなる態様において、コラーゲンは内因性の架橋を実質的に含まない。特定の態様において、コラーゲンは配列番号1の配列、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。他の実施形態において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号149からアミノ酸残基番号1221、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。他の実施形態において、III型コラーゲンは配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸残基番号168からアミノ酸残基番号1196、またはそのコラーゲン様の、例えば、三重らせんの断片を含む。
発明の説明
本発明は組織増大用途に有用な移植可能なコラーゲン組成物を提供する。本発明の移植可能なコラーゲン組成物は、様々な医学的および美容的用途で用いるのに適した、増加した持続性を有する。変動性の極めて小さいかまたはない、ならびに操作性、押出性および侵入性の向上した移植可能なコラーゲン組成物も提供される。
本発明は、部分的には、I型コラーゲンが示すよりも高い持続性をIII型コラーゲンが示すという発見に関する。具体的には、本発明者らは、移植可能なIII型コラーゲン組成物が移植可能なI型コラーゲン組成物のものよりも高い持続性を有し、例えば、III型コラーゲンがI型コラーゲンよりも長く持続し、緩やかな速度で分解することを発見した。したがって、一つの実施形態において、本発明は、III型コラーゲンからなるコラーゲンを含む移植可能な組成物を提供する。他の実施形態において、本発明は、最終製品に対し増加した持続性をもたらすのに十分な、特定かつ所定の量のIII型コラーゲンを含むコラーゲンを含有する移植可能な組成物を提供する。
特定の組成物中のIII型コラーゲンの量がその組成物に増加した持続性をもたらすのに十分であるかどうかの判定は、例えば、世界審美的改善尺度(GAIS)評価を利用した、視覚的なもしくは触知可能な評価による、またはメタロプロテアーゼ分解に対するインビトロでの抵抗性の評価(例えば、実施例2参照)によるなどして、特定の割合のIII型コラーゲンを含有する組成物の寿命を評価することなどによって、測定することができる。GAISは、処置後の患者の外観を処置前のものと比較することによる、処置領域、例えば、鼻唇溝での全般的な改善、例えば、美容的な改善に関する医師の評価に基づく。GAIS評価は以下を含む: 大変よく改善された(患者におけるインプラントについての最適な美容的結果); よく改善された(初期状態から外観が著しく改善したが、しかしこの患者にとって完全に最適ではない); 改善された(初期状態から外観が明らかに改善); 変化なし(外観が元の状態と本質的に同じである); および悪くなった(外観が元の状態よりも悪い)。様々な実施形態において、移植可能なコラーゲン組成物中のIII型コラーゲンの量は、60%のIII型コラーゲンよりも多い、70%のIII型コラーゲンよりも多い、および80%のIII型コラーゲンよりも多い。好ましい実施形態において、移植可能なコラーゲン組成物中のIII型コラーゲンの量は、90%のIII型コラーゲンよりも多い、より好ましくは、95%のIII型コラーゲンよりも多い、および、最も好ましくは、98%のIII型コラーゲンよりも多い。
現行の製品では、III型コラーゲンからなるコラーゲン成分または増加した持続性を供与するのに十分な所定のかつ再現性ある量のIII型コラーゲンからなるコラーゲン成分は供与されない。様々な手法において組織充填・増大材料として使われるコラーゲンは、動物、典型的にはウシ組織から、例えば、分散(組織の機械的剪断)、溶解(酸切断)、酵素消化などによって抽出されたか、または例えば、培養線維芽細胞によって内因的に産生された内因性コラーゲンである。内因性コラーゲンは、典型的には95%のI型コラーゲン(例えば、骨および組織において主要なコラーゲン型)、およそ5%のIII型コラーゲン、および微量のその他のコラーゲン型を含有する、コラーゲン型の変動混合物である。
内因性ヒトコラーゲンは、患者に由来する皮膚からまたは死体から同様に得ることができる。(例えば、米国特許第4,969,912号および米国特許第5,116,389号を参照されたい。) 組織抽出ウシコラーゲンと同じく、抽出ヒトコラーゲンはコラーゲン型の混合物であり、例えば、ヒト皮膚コラーゲンは約95%のI型コラーゲン、5%のIII型コラーゲン、および微量のその他のコラーゲン型を含んでいる。このようにして得られるコラーゲンの量は限定され、費用および消費者の嫌悪がひどく高い。ヒトコラーゲンは同様に、制御された実験室環境で増殖されたヒト線維芽細胞から得られている。(例えば、COSMODERMおよびCOSMOPLAST処方物、Inamed Corp., Santa Barbara CAを参照されたい。) これらの培養線維芽細胞は、それらがヒト体内にいるかのように、天然コラーゲン、例えば、ヒト皮膚内に通常見られるコラーゲン、例えば、およそ95%のI型コラーゲン、5%のIII型コラーゲン、および微量のその他のコラーゲン型の混合物を産生する。このようにして得られるコラーゲンは内因性の材料であり、産生は増殖条件に基づいて変化し、比較的限られた量で生じる。
本発明はさらに、分子間および分子内の架橋を実質的に含まないコラーゲンを含有するコラーゲン組成物が移植可能な材料として有用であるという予想外の発見に関する。
組織増大製品で現在使われている全てのコラーゲンは、動物、例えば、ウシもしくはヒトの組織から抽出された、または例えば、培養線維芽細胞によって内因的に産生された内因性コラーゲンである。内因性コラーゲンは大規模な翻訳後修飾に供される。(Kivirikko (1998) Matrix Biol 16:355-356.) 具体的には、線維状コラーゲン(例えば、I型、II型、およびIII型コラーゲン)などのコラーゲンの会合およびプロセシングは、分子内および分子間の共有結合性架橋、すなわち、三重らせんのコラーゲン分子を形成する個々のコラーゲンα鎖間で分子内に形成される架橋、または三重らせんのコラーゲン分子間で形成される架橋の形成により達成され、それは線維の安定性を増強させる。天然の架橋は、コラーゲン分子のヒドロキシリジンとリジン残基との間に、またはヒドロキシリジンと、リジンと、ヒスチジン残基との間に生じる。
架橋は引張および機械的強度を付与し、組織の完全性に寄与しており、宿主のコラゲナーゼ、プロテアーゼなどによる分解に対するコラーゲンの抵抗性と関係している。したがって、天然のまたは内因性の架橋結合の程度は、コラーゲンが様々な医学的および美容的用途で用いるのに適した量の機械的および構造的機能ならびに持続性を有するインプラント材料として有用であるために必要であると当技術分野において考えられてきた。架橋は架橋コラーゲンの構造的完全性に寄与し、それを長く保つが、同様に流動性および溶解性を含むその他の物理的パラメータに影響を及ぼし、最終的な組織増大製品中のコラーゲンの機能的濃度を制限する。したがって、コラーゲンの操作および取り扱いの簡便性、ならびにその注入の適合性は、存在する架橋結合の程度および性質によって損なわれることがある。
本発明は驚くべきことに、架橋を実質的に含まない、例えば、分子間および分子内の架橋を実質的に含まないコラーゲンが、持続性および分解に対する抵抗性、したがって様々な組織増大用途に用いるための適合性を明らかに示したことを示す。(実施例2および実施例3を参照されたい) それ故、一つの実施形態において、本発明は、分子内および分子間の架橋を実質的に含まないコラーゲンを含有する移植可能な組成物を提供する。これは現在利用可能な製品に比べて独特の利点を供与する。分子間または分子内の架橋を実質的に含まないコラーゲンは、架橋材料の操作性、押出性、および侵入性の喪失または低減を被らないからである。一つの実施形態において、コラーゲンは線維状コラーゲンである。さらなる実施形態において、コラーゲンはI型コラーゲンおよびIII型コラーゲンからなる群より選択される。好ましい実施形態において、コラーゲンはIII型コラーゲンである。様々な実施形態において、コラーゲンは様々な割合のIII型コラーゲンを含む。特定の実施形態において、移植可能な組成物中のIII型コラーゲンの量は、60%のIII型コラーゲンよりも多い、70%のIII型コラーゲンよりも多い、および80%のIII型コラーゲンよりも多い。好ましい実施形態において、移植可能な組成物中のIII型コラーゲンの量は、90%のIII型コラーゲンよりも多い、より好ましくは、95%のIII型コラーゲンよりも多い、および、最も好ましくは、98%のIII型コラーゲンよりも多い。
本発明は、分子内および分子間の架橋を実質的に含まないコラーゲンを含有する移植可能な組成物を提供する一方で、内因性の架橋を含まないが、しかし非内因的に与えられた架橋を含有するコラーゲンを含む移植可能な組成物が特に本明細書において企図される。
架橋は移植コラーゲン材料の安定性や持続性の増加と伝統的に結び付けられてきたので、現在の各種コラーゲン含有製品は、コラーゲン材料の持続性をさらに促進するため、化学的にまたはその他外因的に与えられた架橋の使用を伴う。(McPherson et al. (1986) J Biomed Mater Res 20:93-107を参照されたい。) 例えば、市販の注入可能なウシコラーゲン(すなわち、ZYDERM)を用いた臨床試験により、顔面しわの矯正で効果的であるとはいえ、その臨床的な矯正は一時的であることが実証された。(Burke et al. (1985) Ann Plast Surg 14:515-522; Rapaport et al. (1984) J Am Acad Dermatol 11(2 Pt 1):25-252を参照されたい。) これによってさらに安定な注入可能材料ZYPLAST、つまりグルテルアルデヒド架橋された注入可能なウシコラーゲンの開発が促進された。この材料はZYDERMよりも持続性の高い材料であり、したがってさらに長持ちする審美的効果を供与する。それ故、当技術分野において教示されるように、外因的に与えられた架橋を含有する移植可能な生体材料は、より安定性および耐久性のある材料と、また材料の持続性の増加と関連付けられている。
これらの付加的なまたは非内因性の架橋は、例えば、コラーゲンを化学的架橋剤、放射線などに曝露することによりコラーゲン材料に導入される。上で述べたように、増加した架橋結合度は持続性を促進させうるが、しかし取り扱いの簡便性を含めて、コラーゲン材料の性能のその他の態様を損なうことがあり、その結果、場合により、注入に適するものとなるように、コラーゲンのさらなる加工や処理が必要になる。(例えば、米国特許第4,582,640号を参照されたい。)
一つの態様において、本発明により、分子内または分子間の架橋を実質的に含まない出発コラーゲン材料が提供されることは、本発明の材料の利点である。このコラーゲンを、架橋剤または架橋結合を誘導するのに適した条件(例えば、グルテルアルデヒド、放射線など)に曝露し、持続性を促進させるのに十分であるが、しかし材料の取り扱いの簡便性を損なうことのない架橋度を有するコラーゲンをもたらすことができる。具体的には、内因性の分子間または分子内架橋を実質的に含まず、また例えば、化学剤の使用または放射線などの架橋条件への曝露によって後に架橋されるコラーゲンは、同じ条件下でその後に架橋される内因的に架橋されたコラーゲンよりも低い程度に架橋させることができる。
一つの態様において、本発明は移植可能なコラーゲン組成物の製造に最適な出発材料であって、内因性の架橋を実質的に含まないコラーゲンであるかまたはそのコラーゲンを含有する出発材料を提供する。本発明は、様々な態様において、組織増大法を含む、様々な美容的および医学的手法で用いるのに適した移植可能な組成物の製造がコラーゲンを架橋することを含むことを特に企図するが、与えられる架橋結合の程度および性質が完全にその製造の制御の範囲内であることが本発明の特定の組成物の異なる利点である。対照的に、現在利用可能な内因的に産生された材料は、その天然産生の結果として内因性の架橋を含む。本発明はこのように、ある種の実施形態において、他に類を見ないほど一貫性および再現性のある出発材料を供与し、製造時のあらゆる段階での予測可能で制御された性能を可能にし、現在使われている内因的に産生された材料を超える利点を供与する。
したがって、一つの態様において、本発明は移植可能なコラーゲン組成物を製造する方法であって、分子内または分子間の架橋を実質的に含まないコラーゲンを取得し、コラーゲンを架橋し、それにより移植可能なコラーゲン組成物を製造することを含む方法を企図する。コラーゲンは、熱、放射線によるなどの、当業者に公知の方法を用いて、または例えば、アルデヒド、カルボジイミド、エポキシド、イミダゾールなどのような、当技術分野において利用可能な化学的架橋剤を用いて、架橋することができる。
これは、コラーゲンの架橋結合の性質および程度に関して一層の制御性および予測可能性を与えるという点で有利である。特に、架橋結合の程度は、例えば、架橋剤濃度もしくは放射線強度の調節、または改変条件への曝露の時間により制御することができる。架橋結合の性質(種類を含む)は例えば、特定の架橋剤の使用によって、架橋する溶液中のコラーゲンの濃度を変化させることによってなどのように、分子間の架橋よりも分子内の架橋の形成に好ましいように条件を変えることによって制御することができる。
一つの実施形態において、本発明は、内因性の架橋を有しないコラーゲンを含有する注入可能なコラーゲンを提供する。これは分子間の架橋も分子内の架橋も含有しない材料と、内因性の架橋を含有しないが非内因性環境において導入される架橋は含有する材料との両方を包含しうる。非内因性環境において導入される架橋には、例えば、化学的架橋剤などの架橋剤へのコラーゲンの曝露から生じる架橋、放射線へのコラーゲンの曝露から生じる架橋などを包含する。
好ましい実施形態において、本発明の組成物および方法で使われるコラーゲンは、合成手段により、最も好ましくは組換え手段により産生される。これはいくつかの理由で有利でありうる。本発明の移植可能な組成物中での合成コラーゲンの使用によって、十分な強度、安定性、および持続性を有し、移植時に基本的には免疫反応性、組織応答、または炎症反応を生じないコラーゲン、ならびに病原性がなく、例えば、感染性の因子を含まない、およびその他の混入物質、例えば、動物由来の混入物質などを含まないコラーゲンであって、特徴付けられておりかつ十分に再生産可能なコラーゲンをもたらすからである。
様々な組織増大材料およびインプラント材料の主要な成分としてのウシまたはその他の動物(ブタ、ウマなど)のコラーゲンの使用には、移植/注入による有害反応の可能性が伴う。具体的には、アレルギー反応、および非アレルギー反応、例えば、感染など、を含む免疫応答が、ヒト以外のコラーゲンを含有する製品への曝露の際に確認されている。(例えば、Baumann and Weisberg、前記、157頁を参照されたい。) 例えば、ウシコラーゲンに陽性のアレルギー反応は、皮膚試験を受けた患者の3〜10パーセントに見られる。(Barr and Stegman (1984) J Am Acad Dermatol 10: 652; Charrierre et al. (1989) J Am Acad Dermatol 21:1203を参照されたい。) 1回または2回の陰性であった皮膚試験後でさえもウシコラーゲンに対してアレルギーを発現するアレルギー患者も、少ないが有意な数の一部の群で存在する。これらの反応は治療することが、不可能ではないにせよ、大変であり困難でありうる。
コラーゲン原料に存在するアレルギー性の、免疫原性の、または場合によって毒性でさえある成分への曝露により、炎症反応が刺激される場合、炎症細胞および線維芽細胞の浸潤が生来のおよび移植した両マトリックス成分の再構築を行うことがあり、注入/移植されたコラーゲンは分解され再吸収されうる。それ故、一つの実施形態において、本発明の移植可能な成分は合成コラーゲンを含む。さらなる実施形態において、合成コラーゲンは組換えによって製造され、例えば、実施例1に記述されているようにして産生される。
有害反応の危険性を最小限に抑えることに加えて、本発明の移植可能な組成物中での合成コラーゲンの使用は、コラーゲン材料の均一性と再現性に寄与する点で有利でありうる。上で論じられているように、天然源から抽出されたものを始めとする内因性のコラーゲンは様々なコラーゲン型の不均一な混合物を含有する。(例えば、Byers et al. (1974) Biochemistry 13:5243-5248; およびMiller and Rhodes (1982) Methods Enzymol 82 (Pt A):33-64を参照されたい。) 対照的に、本発明ではその他のコラーゲン型を含まない1つの型のコラーゲンを含有する移植可能な組成物、または特定かつ所定の割合の2つ以上のコラーゲン型を含む組成物が明らかに企図される。好ましい実施形態において、本発明は、III型コラーゲンからなるコラーゲンを含む移植可能な組成物を提供する。他の実施形態において、本発明は、特定かつ所定の割合のIII型コラーゲンを含むコラーゲンを含有する移植可能な組成物を提供する。組換え技術を始めとする合成技術の使用は、個々のコラーゲン型を単離され予め定められた量でおよび再現性のある形で産生するのに有利である。
さらに、合成技術の使用は、特定の用途向けに特に最適化されうるコラーゲンの産生を可能にする。例えば、本発明で用いるのに適した合成コラーゲンをコードする発現構築体は、天然のヒト配列を含むが、所望の特性を有する合成コラーゲンの発現をもたらす特定の改変、例えば、コラゲナーゼ感受性の領域を排除する、例えば、欠失、改変、置換などや、例えば、抗原性のおよびアレルギー性の反応などの免疫原性反応を惹起する様々な領域の欠失、改変、置換などを有していてもよい。
合成コラーゲンは、例えば、組換え生産、ペプチド合成などを含めて、当技術分野において周知の広範な合成技術のいずれかを用いて製造することができる。好ましい組換え法は、例えば、Vuorela et al. (1997) EMBO J 16:6702-6712; Nokelainen et al. (2001) Yeast 18:797-806; およびMyllyharju et al. (2000) Biochem Soc Trans 28:3532-3537に記述されており、これらの文献はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。組換え生産の場合、宿主細胞は制限されることはなく、組換えタンパク質の発現能を有する任意の細胞が包含されうる。発現されると、合成コラーゲンは媒体もしくは局所環境に分泌されるか、および/または宿主細胞がコラーゲンを保持するであろう。保持されたコラーゲンは、例えば、動物細胞内の小胞体、ゴルジ小胞、または付随小胞、植物細胞内の液胞、細菌内の封入体などに区画化されうる。合成コラーゲンを発現する細胞は、培養で増殖させることができ、または当業者に公知の技術によってトランスジェニック植物もしくは動物に挿入し、その後、発現の標的とされた組織から単離することができる。
合成コラーゲンが由来しうるコラーゲン配列としては、動物コラーゲンおよび、好ましい実施形態において、ヒトコラーゲンを包含する。コラーゲンをコードする核酸配列は、当技術分野において利用可能である。(例えば、Fuller and Boedtker (1981) Biochemistry 20:996-1006; Sandell et al. (1984) J Biol Chem 259:7826-34; Kohno et al. (1984) J Biol Chem 259:13668-13673; French et al. (1985) Gene 39:311-312; Metsaranta et al. (1991) J Biol Chem 266:16862-16869; Metsaranta et al. (1991) Biochim Biophys Acta 1089:241-243; Wood et al. (1987) Gene 61:225-230; Glumoff et al. (1994) Biochim Biophys Acta 1217:41-48; Shirai et al. (1998) Matrix Biology 17:85-88; Tromp et al. (1988) Biochem J 253:919-912; Kuivaniemi et al. (1988) Biochem J 252:633-640; Ala-Kokko et al. (1989) Biochem J 260:509-516; 国際公開第WO 01/34647号を参照されたい。) さらに、本発明の製剤で使われるコラーゲンは、コラーゲン断片をコードするポリヌクレオチドの直接的な組換え発現により産生される所定の長さのコラーゲン断片、または完全長のコラーゲンタンパク質の処理により、例えば、酵素消化、熱変性、化学分解などにより、得られるコラーゲン断片を包含しうる。コラーゲン断片はコラーゲンまたはコラーゲン様分子の三重らせんドメインの少なくとも一部分を含有する任意のポリペプチドを包含しうる。好ましい実施形態において、本発明の製剤は、III型コラーゲンに由来する合成コラーゲンまたは合成コラーゲン断片を含み、最も好ましい実施形態において、ヒトIII型コラーゲンに由来する合成コラーゲンまたは合成コラーゲン断片を含む。上記の方法により産生される各合成コラーゲンは、その他のコラーゲン型を含まない単一のコラーゲン型として得ることができる。
一つの実施形態において、本発明は、III型コラーゲンであるコラーゲンを含有する移植可能な組成物を提供する。もう一つの実施形態において、III型コラーゲンはヒトIII型コラーゲンである。一つの実施形態において、本発明は、配列番号1のアミノ酸配列、またはそのコラーゲン様の断片を含むコラーゲンを提供する。一つの実施形態において、コラーゲンは、III型コラーゲンのN-テロペプチドドメイン、α-ヘリックスドメイン、およびC-テロペプチドドメインを含有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。III型コラーゲンのN-テロペプチドは、配列番号1のアミノ酸残基番号149からアミノ酸残基番号167である。III型コラーゲンのα-ヘリックスドメインは、配列番号1のアミノ酸残基番号168からアミノ酸残基番号1196である。III型コラーゲンのC-テロペプチドは、配列番号1のアミノ酸残基番号1197からアミノ酸残基番号1221である。一つの実施形態において、本発明の方法および組成物で有用なコラーゲンは、配列番号1のアミノ酸残基番号149からアミノ酸残基番号1221のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。もう一つの実施形態において、コラーゲンは、配列番号1のおよそアミノ酸残基番号149からアミノ酸残基番号1221のアミノ酸配列を有する。さらに、配列番号1のヒトIII型コラーゲン配列のアミノ酸残基番号1205においてイソロイシンからプロリンへの置換を含む合成ヒトIII型コラーゲンであるコラーゲンを含有する移植可能な組成物が本明細書において特に企図される。
もう一つの実施形態において、コラーゲンは、III型コラーゲンのα-ヘリックスドメインを含有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。一つの実施形態において、本発明の組成物および方法で有用なコラーゲンは、配列番号1のアミノ酸残基番号168からアミノ酸残基番号1196のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。本発明のある種の実施形態において、本発明の方法および組成物で用いるコラーゲンは、配列番号1のおよそアミノ酸残基番号168からアミノ酸残基番号1196のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むことがさらに企図される。
一つの実施形態において、本発明は、I型コラーゲンであるコラーゲンを含有する移植可能な組成物を提供する。一つの実施形態において、I型コラーゲンはヒトI型コラーゲンである。もう一つの実施形態において、本発明は、配列番号2のアミノ酸配列またはそのコラーゲン様の断片を含むコラーゲンを提供する。もう一つの実施形態において、本発明は、配列番号3のアミノ酸配列またはそのコラーゲン様の断片を含むコラーゲンを提供する。もう一つの実施形態において、コラーゲンは、I型コラーゲンのN-テロペプチドドメイン、α-ヘリックスドメイン、およびC-テロペプチドドメインを含有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。α1(I)コラーゲンのN-テロペプチドは、配列番号2のアミノ酸残基番号162からアミノ酸残基番号178である。α1(I)コラーゲンのα-ヘリックスドメインは、配列番号2のアミノ酸残基番号179からアミノ酸残基番号1192である。α1(I)コラーゲンのC-テロペプチドは、配列番号2のアミノ酸残基番号1193からアミノ酸残基番号1218である。一つの実施形態において、本発明の方法および組成物で有用なコラーゲンは、配列番号2のアミノ酸残基番号162からアミノ酸残基番号1218のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。α2(I)コラーゲンのN-テロペプチドは、配列番号3のアミノ酸残基番号180からアミノ酸残基番号190である。α2(I)コラーゲンのα-ヘリックスドメインは、配列番号3のアミノ酸残基番号191からアミノ酸残基番号1102である。α2(I)コラーゲンのC-テロペプチドは、配列番号3のアミノ酸残基番号1103からアミノ酸残基番号1119である。一つの実施形態において、本発明の方法および組成物で有用なコラーゲンは、配列番号3のアミノ酸残基番号180からアミノ酸残基番号1119のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。他の実施形態において、コラーゲンは、配列番号2のおよそアミノ酸残基番号162からアミノ酸残基番号1218と配列番号3のおよそアミノ酸残基番号180からアミノ酸残基番号1119とからなる群より選択されるアミノ酸配列を有する。
もう一つの実施形態において、コラーゲンは、I型コラーゲンのα-ヘリックスドメインを含有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。一つの実施形態において、本発明の組成物および方法で有用なコラーゲンは、配列番号2のアミノ酸残基番号179からアミノ酸残基番号1192のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。一つの実施形態において、本発明の組成物および方法で有用なコラーゲンは、配列番号3のアミノ酸残基番号191からアミノ酸残基番号1102のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。本発明のある種の実施形態において、本発明の方法および組成物で用いるコラーゲンは、配列番号2のおよそアミノ酸残基番号179からアミノ酸残基番号1192と配列番号3のおよそアミノ酸残基番号191からアミノ酸残基番号1102とからなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むことがさらに企図される。
本明細書において提供される移植可能な組成物は、当業者によって公知のまたは考えられる任意の方法で使用することができる。具体的には、本発明の組成物は、コラーゲンが現在使われており、またコラーゲンを含有しかつより高い持続性、取り扱いの向上、および/またはより低い変動性を示す組成物が望まれている、組織増大法を始めとする、多数の医学的および美容的用途のいずれかに使用することができる。本発明の組成物は組織増大法で用いるのに適している。美容的および医学的手法において本発明の組成物を用いることが特に企図される。
一つの態様において、本発明は、コラーゲンを含有し、かつ軟組織増大法で用いるのに適する移植可能な組成物を提供する。本発明の組成物は、真皮の、皮内の、および皮下の注入または移植を始めとする、特定の用途または美容的手法に応じ、皮膚または真皮の様々な領域に移植するかまたは注入することができる。本発明の材料はまた、例えば、真皮の乳頭層内などのように表面的に注入するかまたは移植することができ、あるいは真皮の網状層内に注入するかまたは移植することもできる。
軟組織増大に加え、硬組織増大用のコラーゲンを含有する移植可能な組成物の使用が本発明において企図される。本発明のコラーゲン組成物は、例えば、骨間隙充填剤、歯科インプラントなどとして、様々な硬組織増大用途で有用である。
本発明の組成物の美容的用途は、目立つ線、しわ、および瘢痕の治療だけでなく、細かい表面的な顔面のしわの線、しわ、および瘢痕などの細かい線の治療を含む。いくつかの態様において、本発明の組成物は、横方向の額の線、眉間の線、鼻唇溝、唇紅部、眼窩周囲の線、垂直的な唇の線、口角部などの治療または低減、および唇の輪郭明確化を始めとするその他の美容的用途に使われる。本発明の組成物はまた、輪郭変形および膨張性の座瘡瘢痕の矯正に、あるいは例えば、疾患もしくは外傷による萎縮または外科手術による凹凸などの、その他の組織の不具合の治療に有用である。
ある種の実施形態において、本発明の注入可能な組成物は、組織増大、組織修復、または薬物送達を伴う外科的手法に使用される。いくつかの態様において、組成物は尿失禁、膀胱尿管逆流、および胃食道逆流などの状態において組織増大のために使用される。例えば、本発明の組成物を胃のまたは尿道の括約筋などの括約筋に、組織かさを加えるために使用して、適切な閉鎖および制御をもたらすことができる。女性での緊張性尿失禁または男性での前立腺切除手術後の尿失禁などの尿失禁の事例では、本発明の組成物を、尿道をさらに圧迫するために付与して閉鎖の際に括約筋を補助し、これによって膀胱からの尿漏れを回避することができる。
同様に、胃食道逆流性疾患(GERD、消化性食道炎および逆流性食道炎としても知られる)は、下部食道括約筋、つまり食道を胃とつなぎ合わせる筋肉に影響を及ぼす障害である。GERDは下部食道括約筋が機能不全であるか、衰えているか、または不適切に緩んでいる場合に起こり、胃内容物を食道へ上向きに流入させる(すなわち、逆流させる)。筋肉調性の喪失(muscle tonal loss)から生じるものなどの、下部食道括約筋の機能障害は、下部食道括約筋の不完全な閉鎖をもたらし、胃から食道への酸およびその他の内容物の逆流を引き起こしうる。食事の調整または医学的処置に対して応答不良の場合は、機能不全を修正するために外科手術が必要になることがある。一つの実施形態において、本発明のコラーゲン組成物は、そのような手法で使用され、例えば、下部食道括約筋にかさを供与するため食道括約筋の部位に注入される。
その他の実施形態において、本発明の移植可能なコラーゲン組成物は、体内の間隙および内腔を充填するまたは遮断するために使用される。そのような間隙としては、以下に限定されることはないが、様々な損傷、亀裂、憩室、嚢胞、瘻孔、動脈瘤、または体内に存在しうるその他の望ましくない間隙が挙げられ、また内腔としては、以下に限定されることはないが、動脈、静脈、腸、卵管、および気管が挙げられる。例えば、有効な量の本発明の組成物を内腔または間隙に投与して、部分的なもしくは完全な閉鎖をもたらすことができ、または損傷組織の修復を円滑にすることができる。
その他の態様において、組織修復が本発明のコラーゲン組成物を病気にかかっている、損傷している、または除去された組織部位に供与することにより達成される。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、あばたまたは瘢痕などの軟組織欠損を充填するおよび/または平坦化するために使用される。そのような場合、本発明の製剤は欠陥の真下に注入される。本発明の組成物の持続性の向上は、例えば、満足のいく結果を得るのに必要とされる処置の回数および頻度を減らすことにより有益であろう。ある種の実施形態において、コラーゲン組成物を喉頭の声帯内注入(intracordal injection)に使用し、それによりこの軟組織塊の形状を変化させ、発声機能を促進させる。そのような使用は一側性声帯麻痺の治療に対して特に企図される。さらに、本発明は乳房インプラントでの、または先天異常、後天性欠陥、もしくは美容的欠陥を矯正するためのコラーゲン組成物の使用を企図する。
本発明のコラーゲン組成物はまた、様々な外部または内部特徴の再構成または再構築のための様々な外科的手法またはその他の手法、例えば、矯正手段または美容的手段のための形成術などに使用することができる。
上述の実施形態のいずれかにおいて、本発明の組成物は薬物送達、例えば、薬物を注入部位に送達するために使用することもできる。薬物は、本発明の移植可能な組成物の注入の際にコラーゲンによって形成されたインビボ貯留体から持続的に送達することができる。この方法で送達される薬物はしたがって組織修復を促進することができ、さらなる治療的利益を供与することができよう。
さらなる実施形態において、本発明はさらに、細胞を送達して損傷もしくは病変組織を再増殖するための手段を供与するため、または細胞によって合成された生成物を注入部位の周りの組織に供与するために、移植可能なコラーゲン組成物中に細胞を組み込むことを企図する。
上述の実施形態のいずれかにおいて、本発明の移植可能な組成物は、当業者によって公知のまたは考えられる任意の適当な方法により送達または投与されうる。本発明は、例えば、注射器を用いた、注入による送達を特に企図する。いくつかの実施形態において、コラーゲン組成物は、製剤の注入性を向上させる滑沢剤として機能する生体適合性液体をさらに含んでもよい。本発明のコラーゲン組成物は、例えば、皮内の、真皮下の、または皮下の注入を始めとする注入により組織部位に導入することができる。
本発明の組成物は特定の製剤に適したさらなる成分を含みうることが理解されよう。例えば、ある種の実施形態において、本発明の移植可能な組成物は注入を目的とし、水溶液として製剤化される。組成物は、薬学的に許容される担体および賦形剤を含むように製剤化することができる。そのような担体および賦形剤は、当技術分野において周知であり、例えば、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)溶液、様々な溶媒、および塩など、例えば、ハンクス溶液およびリンゲル溶液などの生理食塩緩衝液を始めとする生理学的に適合性のある緩衝液が挙げられる。
特定の製剤に適切に含まれるコラーゲンの量は、そのような製剤について当技術分野において標準的であるように決定され、使用目的によって変えられる。ある種の実施形態において、本発明は、約20〜約120 mg/mlの濃度の水溶液であるコラーゲンを含む移植可能な組成物を提供する。いくつかの実施形態において、コラーゲンは、約30〜約90 mg/mlの濃度、または約20〜65 mg/mlの濃度、または約25〜40 mg/mlの濃度で水溶液として存在する。好ましい実施形態において、本発明のコラーゲン組成物は、約35 mg/mlのコラーゲン濃度または約65 mg/mlのコラーゲン濃度を有する。
本発明は以下の実施例を参照することによってさらに理解されるはずであり、それらの実施例は純粋に本発明の例示であることが意図される。これらの実施例は、特許請求される本発明を単に例証するために与えられている。本発明は、例示されている実施形態によって範囲が限定されることはなく、それらの実施形態は本発明の単なる一態様のみの例証と意図される。機能的に等価である任意の方法は、本発明の範囲内である。本明細書において記述されるものに加えて本発明の様々な変更は、先の記述および添付の図面から当業者に明らかになろう。そのような変更は添付の特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。
実施例1. 合成コラーゲンの製造
合成コラーゲンは、例えば、Vuorela et al. (1997) EMBO J 16:6702-6712およびNokelainen et al. (2001) Yeast 18:797-806 (これらの文献はその全体が参照により本明細書に組み入れられる)に記述されている公知の方法に下記のように修正を加えた方法を用いて製造された。
本発明の組成物において用いるのに適したその他のコラーゲンの製造は、当業者に公知の分子生物学技術を用いて特異的に遺伝子操作することができる。そのようなコラーゲンを、例えば、欠失、置換、挿入などを含む、ポリペプチドコード配列の改変により修飾して、分解に対する抵抗性を増加させることができる。例えば、特定のプロテアーゼ切断部位でのアミノ酸配列の改変を有する合成コラーゲンを製造することができる。本発明の組成物で用いる例示的なコラーゲンは、配列番号1のヒトIII型コラーゲン配列のアミノ酸残基番号1205でのイソロイシンからプロリンへの置換を含む合成ヒトIII型コラーゲンである。
合成ヒトIII型コラーゲンは、本質的に既報(Vuorela et al. (1997) EMBO J 16:6702-6712)のようにして調製された。ヒトα1(III)プロコラーゲンをコードするポリヌクレオチドが使われた。ヒトα1(III)プロコラーゲンをコードするポリヌクレオチドを含有する線状化プラスミドを脱イオン(di)H2Oに約1μg/mLで再懸濁し、ヒト・プロリルヒドロキシラーゼ(prolyl hydroxlase)のαおよびβサブユニットを発現するピキア・パストリス(Pichia pastoris)菌株へとエレクトロポレーションした(Vuorela et al. (1997) EMBO J 16:6702-6712)。選択された酵母菌株を基礎塩グリセロール培地(pH 5)中にて100 Lの発酵タンク内で増殖させた。湿細胞重量が215 g/Lに達するまで(6時間)、グリセロール上でのフェドバッチ方式で菌株を増殖させた。グリセロール供給は、最終的な湿細胞重量が380 g/Lになるまで、110時間にわたりメタノール供給に変えた。細胞を水で洗浄し、クエン酸緩衝液中で溶解し、48時間インキュベートして、細胞から合成ヒトIII型コラーゲンを放出させた。
ペプシンをコラーゲン(すなわち、プロコラーゲン)溶液に加えて、合成コラーゲンからN-およびC-プロペプチド領域を除去した。ペプシンによるコラーゲン切断の非特異性によって、当技術分野において知られるように様々な長さのN-およびC-テロペプチド領域が得られた。次いで、合成ヒトIII型コラーゲンを酸塩沈殿によって回収した。沈殿したIII型コラーゲンを0.1 M HClに溶解し、遠心分離およびろ過によって清澄化した。次いで、より多くの不純物を沈殿させるため、Tris塩基を用いてコラーゲン溶液をpH 5.8に調整し、その後、遠心分離および0.2 μm膜を通したろ過によって清澄化した。Tris塩基を用いてコラーゲン溶液をpH 9.0におよび1 M尿素の終濃度に調整し、その後、DEAE-Sepharose FFカラム(6 L)に通した。合成ヒトIII型コラーゲンをHClおよびNaClの添加によってDEAE流出液から沈殿させた。沈殿物を遠心分離によって濃縮し、0.1 M HClに溶解した。次いで、コラーゲン溶液を0.2 μm膜ろ過によって清澄化し、10 mM HClへとDiafilterで限外ろ過した。次いで、1/10容量の0.2M Na-PO4(pH 11.2)を加えることによりコラーゲン溶液をpH 7.2に調整し、一晩インキュベートしてコラーゲンを沈殿させた。沈殿した合成ヒトIII型コラーゲンを遠心分離によって回収し、0.1 M HClに溶解し、0.2 μm膜フィルタを通してろ過した。ろ液を10 mM HClへとDiafilterでろ過し、0.2 μm膜フィルタを通して滅菌ろ過し、4〜8℃で保存した。
合成ヒトI型コラーゲンは、本質的に既報(Nokelainen et al. (2001) Yeast 18:797-806)のようにして調製された。ヒトα1(I)プロコラーゲンをコードするポリヌクレオチドおよびヒトα2(I)プロコラーゲンをコードするポリヌクレオチドが使われた。Nokelainenら(上記)に記述されているようにして得られた選択された酵母菌株を基礎塩グリセロール培地(pH 5)中にて100 Lの発酵タンク内で増殖させた。湿細胞重量が170 g/Lに達するまで(18時間)、グリセロール上でのフェドバッチ方式で菌株を増殖させた。グリセロール供給を、350 g/Lの最終的な湿細胞重量になるまで、100時間にわたりメタノール供給に変えた。細胞を水で洗浄し、クエン酸緩衝液中で溶解し、48時間インキュベートして、細胞から合成ヒトI型コラーゲンを放出させた。
ペプシンをコラーゲン(すなわち、プロコラーゲン)溶液に加えて、合成コラーゲンからN-およびC-プロペプチド領域を除去した。ペプシンによるコラーゲン切断の非特異性によって、当技術分野において知られるように様々な長さのN-およびC-テロペプチド領域が得られた。次いで、合成ヒトI型コラーゲンを酸塩沈殿によって回収した。沈殿したI型コラーゲンを0.1 M HClに溶解し、遠心分離およびろ過によって清澄化した。Tris塩基を用いてコラーゲン溶液をpH 9.0におよび1 M尿素の終濃度に調整し、その後、DEAE-Sepharose FFカラム(6 L)に通した。合成ヒトI型コラーゲンをHClおよびNaClの添加によってDEAE流出液から沈殿させた。沈殿物をTFFおよび遠心分離によって濃縮し、0.1 M HClに溶解した。次いで、コラーゲン溶液を0.2 μm膜ろ過によって清澄化し、10 mM HClへとDiafilterでろ過した。合成ヒトI型コラーゲンを0.2 μm膜フィルタを通して滅菌ろ過し、4〜8℃で保存した。
コラーゲン原線維を合成ヒトIII型コラーゲンおよび合成ヒトI型コラーゲンから次のように形成させた。線維形成緩衝液(0.2 M Na2HPO4, pH 11.2)を、合成ヒトIII型コラーゲンの0.3% (3 mg/ml)溶液および合成ヒトI型コラーゲンの0.3% (3 mg/ml)溶液に1:10 (v/v)の比率で加えた。この溶液を室温で4時間〜一晩、インキュベートした。次いで、合成ヒトIII型コラーゲン原線維および合成ヒトI型コラーゲン原線維を10℃で30分間15,000×gでの遠心分離によって回収した。
ペレットをもとの容量にまでPBSに再懸濁し、その後、前述同様に遠心分離した。得られたペレットを10 ccの注射器(Becton, Dickinson and Co., Franklin Lakes NJ)に移し、それを1/5容量の0.9% NaClを含有する第2の10 ccの注射器(Irrigation USP; Braun-McGaw, Detroit MI)にルアロック・ルアロックコネクタ(Baxa, Englewood CO)を介して連結させた。合成コラーゲンを、コネクタを通して第2の注射器に移し、得られたコラーゲン懸濁液から気泡を除去し、その後、合成コラーゲンを注射器間でおよそ20回移動させた。次いで、コネクタを18Gの微細乳化注射針(Popper Precision Instruments, Lincoln RI)に交換し、合成コラーゲンを、およそ20回注射針を通過させて材料をさらに均質化した。次いで、その混合物を、35 mg/mlのコラーゲンおよび3 mg/mlのリドカイン(塩酸リドカイン, USP; Wyckoff Chemical Co, Inc., South Haven MI)を含む0.9% PBS液として調整し、そのコラーゲン混合物を、前述同様に18Gの注射針に通した。最終的な均質化合成コラーゲンを4℃で保存した。
実施例2: インビトロでの合成ヒトコラーゲンの持続性
それぞれ分子間および分子内の架橋を実質的に含まない合成ヒトIII型コラーゲンおよび合成ヒトI型コラーゲンに及ぼすコラゲナーゼの影響を調べた。マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)は、コラゲナーゼとも呼ばれ、三重らせんのコラーゲンを切断できる酵素である。MMP-I (コラゲナーゼ1、線維芽細胞コラゲナーゼ)もMMP-8 (コラゲナーゼ2、好中球コラゲナーゼ)も三重らせんのI型、II型、およびIII型コラーゲンを切断する。
合成ヒトI型コラーゲンおよび合成ヒトIII型コラーゲンは、実施例1で上記のように調製された。MMP-Iプロ酵素およびMMP-8はEMB Biosciences (San Diego, CA)から得た。MMP-Iは、製造業者により供給されたプロトコルにしたがってプロ酵素から活性酵素に変換された。使われる各MMPに対し別個の反応液を準備した。1ミリリットル容量の2 mg/mLコラーゲン、50 mM Tris-HCl (pH 7.0)、300 mM NaCl、5 mM CaCl2、0.001 mM ZnCl2、0.05% Brij-35、および0.05% NaN3を37℃で1時間インキュベートした。200 μL容量を各反応液から取り出し、その後MMP-IまたはMMP-8 (100〜500 mU/mg活性) 0.5 μgを加え、反応液を再度37℃でインキュベートした。1、2、および7日間の各インキュベーション後に、200 μlアリコートを各反応液から取り出した。各200 μlアリコートを20%エタノール/10%トリクロロ酢酸でクエンチングし、その後、ペレットへと遠心分離した。ペレットを10 mM HCl 200 μLに再懸濁し、SDS-PAGEにより分画して合成コラーゲンの分解の程度を判定した。この結果を図1Aおよび1Bに示す。
図1Aおよび1Bで見られるように、合成ヒトI型およびIII型の両コラーゲンをMMP-I (図1A)およびMMP-8 (図1B)によって切断した。ところが、合成ヒトI型コラーゲンのMMP分解の速度および程度は、MMP-IおよびMMP-8のどちらの酵素の場合にも合成ヒトIII型コラーゲンのものよりも実質的に高かった。
合成ヒトIII型コラーゲンの場合、切断の速度は、合成ヒトI型コラーゲンで確認されたものよりも緩やかであった。合成ヒトIII型コラーゲンはMMP-8によるよりも高い程度にまでMMP-Iによって分解された。これはMMP-IがIII型コラーゲンに対してより高い特異性を有するためであると予測される。このデータから、分子間および分子内の架橋を実質的に含まないコラーゲンが、コラゲナーゼによる分解に対してある程度の抵抗性を示すことが明らかにされた。これらの結果により、分子間および分子内の架橋を実質的に含まないコラーゲンを様々な組織増大法で適切に使用できることが示唆された。この結果によってさらに、III型コラーゲンはコラゲナーゼによる分解に対してI型コラーゲンが示すよりも高い抵抗性を示すことが実証され、このことからIII型コラーゲンはI型コラーゲンが有するよりも高い持続度を有することが示唆された。
実施例3: インビボでの合成ヒトコラーゲンの持続性
移植された合成ヒトI型コラーゲンおよび合成ヒトIII型コラーゲンのインビボでの持続性を以下のように調べた。移植の前日にWistar系ラット(Charles River Laboratories, Inc.)を剪毛し、注入部位の8 cm×6 cmに印を付けた。10 mM HCl中の3 mg/mLの濃度の精製コラーゲン調製物を1/10容量の0.2 M NaPO4, pH 11と混合した。コラーゲン原線維を4℃で15分間10,000×gでの遠心分離によって回収し、35 mg/mlのコラーゲン濃度でPBSに再懸濁し、リドカインを3 mg/mlの終濃度まで加えた。
インプラントは、35 mg/mlの合成ヒトI型コラーゲン、合成ヒトIII型コラーゲン、またはウシI型コラーゲン(VITROGEN, Cohesion Technologies) PBS懸濁液0.5 mlの皮下注入によって背側部に作製した。このコラーゲン懸濁液は、28ゲージの注射針の付いた1 ccの注射器を用いて注入された。各動物にコラーゲン材料の3つの別個の注入を行った。試験された各コラーゲン材料について、計9つのインプラント(ラット3匹、3つのインプラント/ラット)が試験の開始時に存在していた。試験材料当たり3匹の動物からなる群を移植後の以下の時点で分析した: 移植後の2日目、ならびに4、8、13、26、39、および52週目。インプラントを外科的に切除し、周辺組織から切り離し、外見と質感を肉眼的に調べた。いずれの合成ヒトコラーゲンの移植後にも本質的に炎症または組織応答は確認されなかった。
当技術分野において標準的であるように、それぞれの時点で注入部位に存在していた最初のインプラントの数を決定することで、コラーゲンインプラントの持続性を評価した。このデータは下記の表1にまとめられており、各時点で、残存する全インプラントの数/最初のインプラントの数として示されている。驚くべきことに、分子内および分子間の架橋を実質的に含まないI型コラーゲンを含有する全ての最初のインプラント、ならびに分子内および分子間の架橋を実質的に含まないIII型コラーゲンを含有する全ての最初のインプラントが、13週目までの間中、存在していた。また驚くべきことに、III型コラーゲンを含有するインプラントは、I型コラーゲンを含有するインプラントのものよりも顕著に高い持続性を示し、52週の時点でこれらのインプラントの半分以上が残存していた。
Figure 2008519614
これらの結果によって、第一に、分子間および分子内の架橋を実質的に含まないコラーゲンは移植の際に予想外の持続性を明らかに示し、したがって様々な組織増大用途で用いるのに適していることが明らかにされた。さらに、これらの結果によって、III型コラーゲンはI型コラーゲンよりも持続性が高いことや、もっぱらIII型コラーゲンのみを含有する組成物、または主にIII型コラーゲンであるコラーゲンが予想外の利益、例えば、増大した持続性をもたらすことができることが実証される。
本明細書において示されるものおよび記述されるものに加えて、本発明の様々な改変が、先の記述から当業者に明らかになろう。そのような改変は添付の特許請求の範囲内であることが意図される。
本明細書において引用される全ての参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
図1Aおよび1Bは、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)-1 (図1A)およびMMP-8 (図1B)による処理後の合成ヒトI型コラーゲンおよび合成ヒトIII型コラーゲンのSDS-PAGE分析を示す。

Claims (25)

  1. III型コラーゲンからなるコラーゲンを含む移植可能な組成物。
  2. III型コラーゲンがヒトIII型コラーゲンである、請求項1に記載の移植可能な組成物。
  3. III型コラーゲンが合成III型コラーゲンである、請求項1に記載の移植可能な組成物。
  4. 皮膚充填剤、骨間隙充填剤、および歯科インプラントからなる群より選択される、請求項1に記載の移植可能な組成物。
  5. 組織増大に用いるのに適している、請求項1に記載の移植可能な組成物。
  6. 組織増大が軟組織増大である、請求項5に記載の移植可能な組成物。
  7. 組織増大が硬組織増大である、請求項5に記載の移植可能な組成物。
  8. 少なくとも60%のIII型コラーゲンを含むコラーゲンを含有する移植可能な組成物。
  9. 分子間および分子内の架橋を実質的に含まないコラーゲンを含有する移植可能な組成物。
  10. コラーゲンが合成コラーゲンである、請求項9に記載の移植可能な組成物。
  11. コラーゲンが線維状コラーゲンである、請求項9に記載の移植可能な組成物。
  12. コラーゲンがI型コラーゲン、II型コラーゲン、およびIII型コラーゲンからなる群より選択される、請求項9に記載の移植可能な組成物。
  13. 内因性の架橋を実質的に含まないコラーゲンを含有する移植可能な組成物。
  14. 被験体において軟組織を増大させる方法であって、III型コラーゲンからなるコラーゲンを含む組成物を増大部位で被験体に投与し、それにより軟組織を増大させることを含む方法。
  15. 被験体がヒトである、請求項14に記載の方法。
  16. 投与が注入によるものである、請求項14に記載の方法。
  17. 投与が皮下投与、皮内投与、および真皮下投与からなる群より選択される、請求項14に記載の方法。
  18. 被験体において軟組織を増大させる方法であって、少なくとも60%のIII型コラーゲンを含むコラーゲンを含有する組成物を増大部位で被験体に投与し、それにより軟組織を増大させることを含む方法。
  19. 被験体において軟組織を増大させる方法であって、分子間および分子内の架橋を実質的に含まないコラーゲンを含有する組成物を増大部位で被験体に投与し、それにより軟組織を増大させることを含む方法。
  20. 移植可能なコラーゲン組成物を調製する方法であって、分子間および分子内の架橋を実質的に含まないコラーゲンを提供し、該コラーゲンを架橋し、それにより移植可能なコラーゲン組成物を調製することを含む方法。
  21. 移植可能なコラーゲン組成物を調製する方法であって、III型コラーゲンからなるコラーゲンを提供し、該III型コラーゲンの水溶液を調製し、それにより移植可能なコラーゲン組成物を調製することを含む方法。
  22. 移植可能なコラーゲン組成物を調製する方法であって、少なくとも60%のIII型コラーゲンからなるコラーゲンを提供し、該コラーゲンの水溶液を調製し、それにより移植可能なコラーゲン組成物を調製することを含む方法。
  23. 移植可能なコラーゲン組成物を調製する方法であって、分子間および分子内の架橋を実質的に含まないコラーゲンを提供し、該コラーゲンの水溶液を調製し、それにより移植可能なコラーゲン組成物を調製することを含む方法。
  24. 移植可能なコラーゲン組成物を調製する方法であって、分子間および分子内の架橋を実質的に含まないコラーゲンを提供し、該コラーゲンを架橋し、その架橋コラーゲンの水溶液を調製し、それにより移植可能なコラーゲン組成物を調製することを含む方法。
  25. 軟組織を増大させるのに有用なキットであって、III型コラーゲンからなるコラーゲン、注射器、および注射針を含むキット。
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