JP2008518953A - 連鎖球菌修飾多糖類およびそれらの使用法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、連鎖球菌修飾多糖類および該修飾多糖類の使用法に関する。
Description
関連出願の相互参照
本出願は、2004年11月1日に受理されたUSSN.60/623,907号についての優先権の利益を主張するものであり、該出願の内容を参照として本明細書中に取り入れておく。
本出願は、2004年11月1日に受理されたUSSN.60/623,907号についての優先権の利益を主張するものであり、該出願の内容を参照として本明細書中に取り入れておく。
本明細書に記載している研究は、部分的に、国立衛生研究所(National Institutes of Health)からの研究補助金を受けてなされたものである(補助金番号R37 AI23339およびN01-AI-25495)。故に、合衆国政府は本発明に関して一定の権利を有する。
技術分野
本発明は、細菌の多糖類および修飾多糖類を含む組成物に関し、さらに特定すると、哺乳類の体内で免疫応答を誘導するための該多糖類の使用法に関する。
本発明は、細菌の多糖類および修飾多糖類を含む組成物に関し、さらに特定すると、哺乳類の体内で免疫応答を誘導するための該多糖類の使用法に関する。
B群連鎖球菌は、アメリカ合衆国および世界各地における新生児敗血症および髄膜炎の主因である(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3)。1990年代以前は、事実上すべての侵襲性B群連鎖球菌(GBS)感染は、血清型Ia、Ib、IIおよびIIIによって生じていた。新規な血清型であるV型による新生児の感染報告が小児科関連の文献になされたのは1990年代であった(非特許文献4;非特許文献5;非特許文献6)。V型GBSによる感染は1990年代の半ばにはより多く見られるようになり、現在では、この血清型が新生児および妊婦における感染の一般的な原因であると認識されている(非特許文献7)。V型GBSの夾膜多糖類は、他のGBS夾膜多糖類(CPS)と共通した構造的特徴を有するが、抗原性は異なっている(非特許文献8)。
Anthony and Okada,Annu.Rev.Med.,28:355-369(1977) Baker,Adv.Intern.Med.,25:475-501(1980) Dillion et.al.,J.Pediatr.,110(1):31-36(1987) Greenberg et.al.,J.Pediatr.,123(3):494-495(1993) Hervas and Benedi,J.Pediatr.,123(5):839(1993) Rench and Baker,J.Pediatr.,122(4)638-640(1993) Zaleznik et.al.,Clin.Infect.Dis.,30(2):276-281(2000) Wessels et.al.,J.Biol.Chem.,266(11):6714-6719(1991)
Anthony and Okada,Annu.Rev.Med.,28:355-369(1977) Baker,Adv.Intern.Med.,25:475-501(1980) Dillion et.al.,J.Pediatr.,110(1):31-36(1987) Greenberg et.al.,J.Pediatr.,123(3):494-495(1993) Hervas and Benedi,J.Pediatr.,123(5):839(1993) Rench and Baker,J.Pediatr.,122(4)638-640(1993) Zaleznik et.al.,Clin.Infect.Dis.,30(2):276-281(2000) Wessels et.al.,J.Biol.Chem.,266(11):6714-6719(1991)
本発明は、部分的には、細菌性多糖類の免疫原性は、多糖類の構造を修飾することにより、該多糖類上の免疫優性エピトープを明らかにするなどの方法によって増強できるという知見に基づく。発明者らは、GBSのV型夾膜多糖類(GBS V CPSまたはGBS V PS)のひとつもしくはそれ以上の側鎖残基を除去するように化学修飾した該多糖類が、霊長類において強力なIgG応答を誘起することを発見している。
ひとつの側面においては、本発明は、細菌の修飾多糖類を含む抗原性組成物に関する。細菌の修飾多糖類は、多糖類のひとつの型であり、構造的に修飾を施して免疫原性エピトープ(例えば、免疫優性エピトープなど)を明らかにしたものである。多糖類を修飾することにより、宿主生体中における多糖類の免疫原性を増強し、および/または、免疫応答を刺激することができ、宿主生体内の防御に関しては、非修飾型(例えば、天然型など)の多糖類によって誘導される免疫応答より効果的である。免疫原性を増強することができる修飾としては、多糖類の骨格残基からひとつもしくはそれ以上の側鎖糖残基を除去する修飾などが挙げられる。
ひとつの実施態様においては、修飾多糖類は抗体応答、例えば、天然型の多糖類よりも強い抗体応答など(例えば、霊長類などのほ乳類における防御抗体応答など)を誘導する。ひとつの実施態様においては、多糖類はIgG応答を誘導する。多糖類は、ポリペプチド(例えば、細菌性ポリペプチドなど)などのキャリヤー分子と、共有結合するなどのように物理的に関係できる。修飾多糖類は、本明細書に記載しているような特徴を有する(例えば、修飾多糖類としては、B群連鎖球菌(GBS)修飾V型多糖類などが挙げられ、これは例えば、ひとつもしくはそれ以上の側鎖の糖を除去するように修飾したものであり、該修飾多糖類としては、例えば、GBS脱アミノ化V型多糖類またはGBS脱シアル酸化V型多糖類などが挙げられる)。
別の側面から見ると、本発明は抗原性組成物に関し、該組成物は、(a)GBS修飾V型多糖類;および(b)多糖類と物理的に(例えば、共有結合的に)結合した部分を含む。多糖類は、ひとつもしくはそれ以上の側鎖糖残基を除去するような処理を施すことによって修飾できる。例えば、多糖類は、側鎖末端のシアル酸残基を除去する条件下(例えば、緩和な酸性条件下またはノイラミニダーゼを用いるなど)で処理する。ひとつの実施態様においては、多糖類はGBS脱シアル酸化V型多糖類である。ひとつの実施態様においては、多糖類は、該多糖類の骨格から三糖類側鎖を除去する条件下で処理することによって修飾したものである。多糖類は、続けて、脱シアル酸化、脱アセチル化および脱アミノ化することによって修飾できる。ひとつの実施態様においては、多糖類はGBS脱アミノ化V型多糖類である。
いくつかの実施態様においては、修飾多糖類は、GBS V型細菌などのような細菌内で産生され、そのような細菌は、修飾型の多糖類を合成するように遺伝子操作されている(例えば、細菌が、多糖類に側鎖を付加する酵素の発現を欠失している、あるいは、細菌が、多糖類から側鎖を除去する酵素を発現する、もしくは過剰発現するなど)。
GBS修飾多糖類が結合した部分としては、例えば、抗原呈示細胞への修飾多糖類の結合を増強させる化合物などが挙げられ、そのようなものとしては、細菌性ポリペプチドなどのポリペプチドが挙げられ、例えば、細胞表面細菌性ポリペプチドまたは分泌細胞性ポリペプチドなどがある。ポリペプチドは、多糖類に直接、または結合因子を介して結合できる。多様な実施態様において、ポリペプチドは、GBSポリペプチド(例えば、細胞表面GBSポリペプチドまたは分泌GBSポリペプチドなど)である。多様な実施態様において、GBSポリペプチドは、GBS Cタンパク質αポリペプチド、GBS Cタンパク質βポリペプチド、εポリペプチド、Rタンパク質、α様タンパク質、b群連鎖球菌1の表面タンパク質(spb1)、spb2、ラミニン結合タンパク質(Lmb)、C5aペプチダーゼ、基質接着(Ema)ポリペプチド、および抗原性フラグメントならびにそれらの変異体などより成る群から選択される。GBSポリペプチドは、GBSのIa型、Ib型、II型、III型、IV型、V型、VI型、VII型またはVIII型である。ひとつの実施態様においては、ポリペプチドは、GBS V型ゲノムの配列内で確認された遺伝子産物によってコードされているポリペプチドである(テテリン(Tettelin)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,99(19):12391-12396(2002):この文献の内容を参照として全体的に本明細書中に取り入れておく)。
ひとつの実施態様においては、ポリペプチドは細菌性毒素またはトキソイドであり、例えば、破傷風トキソイド、ジフテリアトキソイド、ジフテリア突然変異タンパク質交差反応物質(CRM197)またはそれらの抗原性フラグメントなどが挙げられる。
組成物は、ひとつ以上の型のキャリヤー部分を有する場合がある。例えば、修飾多糖類は、2個、3個、4個または5個の異なるポリペプチド、例えば、2個もしくはそれ以上の細菌性ポリペプチドに結合でき、そのような細菌性ポリペプチドとしては、細菌性トキソイドおよびGBS Cタンパク質αなどが挙げられる。
組成物中の多糖類構成成分は、分子量が少なくとも1キロダルトン(kD)、5kD、10kD、15kD、20kD、25kDまたは50kDである。組成物は、0.1〜500μgの多糖類(例えば、0.5〜100μg、1〜50μg、または5〜25μgなど)を含む。
ひとつの実施態様においては、組成物は、薬剤学的に許容されるキャリヤーをさらに含む。ひとつの実施態様においては、組成物は、ミョウバンなどのアジュバントをさらに含む。
組成物は、GBS修飾V型多糖類に加え、別のGBS血清型の多糖類もしくはGBS以外の細菌の多糖類などのような第二の多糖類(例えば、GBSのIa型、Ib型、II型、III型、IV型、VI型、VII型もしくはVIII型の多糖類のうちのひとつまたはそれ以上など)をさらに含む場合がある。
別の側面から見ると、本発明は、ほ乳類の体内において免疫応答を誘起する方法に関する。そのような方法としては、例えば、ほ乳類に以下の物質を含む組成物を投与することなどが含まれ、それによってほ乳類の体内において免疫応答を誘起する:(a)B群連鎖球菌(GBS)修飾V型多糖類などのような細菌性修飾多糖類;さらに、追加として(b)該多糖類と物理的に(例えば、共有結合的に)結合した部分。
多糖類は、側鎖末端のシアル酸残基を除去する条件下で処理することによって修飾できる(GBS脱シアル酸化V型多糖類など)。多糖類は、骨格から三糖類側鎖を除去する条件下で処理することによって修飾できる。多糖類は、続けて、脱シアル酸化、脱アセチル化および脱アミノ化することによって修飾できる。ひとつの実施態様においては、多糖類はGBS脱アミノ化V型多糖類である。
GBS修飾多糖類と結合した部分は、細菌性ポリペプチドなどのポリペプチドであり、例えば、細胞表面細菌性ポリペプチドまたは分泌細菌性ポリペプチドなどである。多様な実施態様において、ポリペプチドは、GBSポリペプチド(例えば、細胞表面GBSポリペプチドまたは分泌GBSポリペプチドなど)である。多様な実施態様においては、GBSポリペプチドは、GBS Cタンパク質αポリペプチド、GBS Cタンパク質βポリペプチド、εポリペプチド、Rタンパク質、α様タンパク質、b群連鎖球菌1の表面タンパク質(spb1)、spb2、ラミニン結合タンパク質(Lmb)、C5aペプチダーゼ、マトリックス接着(Ema)ポリペプチド、および抗原性フラグメントならびにそれらの変異体などより成る群から選択される。GBSポリペプチドは、GBSのIa型、Ib型、II型、III型、IV型、V型、VI型、VII型またはVIII型である。
ひとつの実施態様においては、ポリペプチドは細菌性毒素またはトキソイドであり、例えば、破傷風トキソイド、ジフテリアトキソイド、ジフテリア突然変異タンパク質交差反応物質(CRM197)またはそれらの抗原性フラグメントなどが挙げられる。
組成物は、ひとつ以上の型のキャリヤー部分を有する場合がある。例えば、修飾多糖類は、2個、3個、4個または5個の異なるポリペプチド、例えば、2個もしくはそれ以上の細菌性ポリペプチドに結合でき、そのような細菌性ポリペプチドとしては、細菌性トキソイドおよびGBS Cタンパク質αなどが挙げられる。
組成物中の多糖類構成成分は、分子量が少なくとも1キロダルトン(kD)、5kD、10kD、15kD、20kD、25kDまたは50kDである。
ひとつの実施態様においては、組成物は、薬剤学的に許容されるキャリヤーをさらに含む。ひとつの実施態様においては、組成物は、ミョウバンなどのアジュバントをさらに含む。
組成物は、GBS修飾V型多糖類に加え、別のGBS血清型の多糖類もしくはGBS以外の細菌の多糖類などのような第二の多糖類(例えば、GBSのIa型、Ib型、II型、III型、IV型、VI型、VII型もしくはVIII型の多糖類のうちのひとつまたはそれ以上など)をさらに含む場合がある。
組成物は、1回、2回またはそれ以上の回数投与できる。ひとつの実施態様においては、0.1〜500μgの多糖類(例えば、25〜100μgの多糖類)を含む組成物をほ乳類に投与する。
そのような方法により、ほ乳類において抗体応答(例えば、増強された抗体応答)を誘起でき、そのような抗体応答としては、IgG抗体応答またはIgM抗体応答などである。ひとつの実施態様においては、そのような方法により、ほ乳類において防御応答を誘起できる。さらに、そのような方法により、ほ乳類におけるGBS細菌に対する免疫応答の評価(例えば、体液性免疫応答および/または細胞性免疫応答の評価など)を行うこともできる。
ひとつの実施態様においては、ほ乳類は、GBS細菌に感染する危険性を有する(例えば、免疫が低下している、または免疫が低下する危険性があるなど)、または高齢である。
ひとつの実施態様においては、ほ乳類は、ヒトまたはサルなどの霊長類である。ひとつの実施態様においては、組成物は、10歳以上、20歳以上、30歳以上、40歳以上、50歳以上、60歳以上、65歳以上、70歳以上、75歳以上または80歳以上のヒトに投与する。
ひとつの実施態様においては、ほ乳類は妊娠している。
さらに別の側面からみると、本発明は、新生児に抗体を付与する方法に関する。そのような方法は、例えば、妊婦への抗原性組成物の投与を含み、そのような組成物は、(a)B群連鎖球菌(GBS)修飾V型多糖類;および、随意に、(b)該多糖類と物理的に結合した部分を含む。そのような組成物としては、本明細書に記載しているものを用いることができる。
別の側面からみると、本発明は、免疫原性組成物の調製法に関する。そのような方法は、例えば、精製GBS V型多糖類を入手し、該多糖類の構造を修飾する条件下で多糖類を処理することなどを含む。ひとつの実施態様においては、多糖類の側鎖のひとつもしくはそれ以上の残基を除去する条件下において多糖類に修飾を施すが、例えば、多糖類の側鎖末端のシアル酸残基を除去する条件下、または多糖類の三糖類側鎖を除去する条件下などにおいて多糖類を修飾する。
また、本発明は、抗血清を含む組成物に関し、そのような抗血清は、精製GBS V型多糖類を入手し、該多糖類の側鎖の構造を修飾する条件下において多糖類の処理を行うことを含む方法によって得られる。ひとつの実施態様においては、多糖類の側鎖の残基のうちのひとつもしくはそれ以上を除去する条件下において修飾を施すが、そのような方法としては、例えば、多糖類の側鎖末端のシアル酸残基を除去する条件下、または、三糖類側鎖を除去する条件下において多糖類に修飾をする。
本明細書に記載している方法に従って調製された抗体は、例えば、GBSに対してリスクを有する、またはGBSと接触した対象などに投与できる。ひとつの実施態様においては、ヒトなどの1種もしくはそれ以上のほ乳類に対し、(a)細菌性修飾多糖類(例えば、B群連鎖球菌(GBS)修飾V型多糖類など);および(b)該多糖類と物理的に(例えば、共有結合的に)結合した部分を含む組成物を投与する。抗血清などの抗体を含むサンプルは、対象から単離する。複数のサンプルをプールすることもできる。対象内において、例えば、GBSによる感染の症状または感染の程度を軽減するのに十分な量の抗血清を、ヒトなどの第二のほ乳類に対して投与する。
「細菌性修飾多糖類」とは、多糖類の天然型(すなわち、細菌内に見出される多糖類の天然型)とは異なる構造を有するように修飾された細菌性多糖類をさす。
「精製」とは、天然において多糖類に付随している多様なタンパク質および脂質構成成分を実質的に除去した多糖類材料をさす。精製オリゴ糖内に残った外来性構成成分は、抗原として精製材料を使用する際に干渉しない。「精製」という語は、合成の際のアーチファクトを保有している合成オリゴ糖調製物を排除するものではなく、また、そのような調製物が再現性のあるデータ(例えば、分子量、糖残基の含量、糖の結合、クロマトグラフィー応答、および免疫原としての挙動など)を示す限りは、若干の不純物を含むものを排除するものでもない。
本明細書において使用している「薬剤学的に許容されるキャリヤー」とは、任意のおよび全ての溶媒、分散剤、被覆剤、抗細菌剤および抗菌剤、等張化剤および吸収遅延剤、ならびに生理学的に適合性のあるものなどが挙げられる。好ましくは、キャリヤーは、静脈内、筋肉内、皮下、非経口、脊髄または表皮への投与(例えば、注射または輸液など)に適したものである。組成物、すなわち、GBS修飾V CPSコンジュゲート組成物は、該組成物を不活化する酸またはその他の中性化合物の作用から保護する物質に封入することができる。
本発明に従うひとつもしくはそれ以上の実施態様に詳細については、付随した図面および以下の記載中に説明している。本発明のその他の特徴、目的および利点については、請求項、ならびに以下の記載および図面から明らかである。引用している全ての特許出願および参考文献(公的シークエンスデータを含む)は、その全体を参照として本明細書中に取り入れておく。USSN 60/623,907号は、その全体を参照として本明細書中に取り入れておく。
臨床研究から、多糖類−タンパク質コンジュゲートワクチンは、ヒトにおいて安全かつ免疫原性であることが示されている(ベーカー(Baker)ら、J.Infect. Dis.,179:142-150,1999;ベーカー(Baker)ら、J.Infect. Dis.,182:1129-1138,2000;カスパー(Kasper)ら、J.Clin.Invest.,98:2308-2314,1996)。IgG抗体を誘起するワクチンが好ましいが、これは、IgG抗体が長期間持続し、胎盤を通過することにより、新生児に防御を付与するからである。発明者らは、細菌多糖類の修飾型は、天然の多糖類よりも強力なIgG応答を誘起することを既に示している。より特定すると、発明者らは、1個もしくはそれ以上の側鎖残基を欠くGBS修飾V型PSを創出しており、そのような修飾型を含む組成物(例えば、多糖類−ポリペプチドコンジュゲートなど)が、霊長類においてGBS V型特異的IgG抗体を誘起することを確認している。本明細書に記載している修飾多糖類組成物は、ヒトにおける抗体応答の誘起に特に有用である。これらの組成物は、感染に対する危険性が高い亜集団(例えば、高齢者および母体からIgGを受け取っている新生児など)において有益な応答を提供できる。
GBS V型多糖類およびそれらの修飾型:GBS莢膜多糖類は、ガラクトース、グルコース、N−アセチルグルコサミンおよびシアル酸残基を有する反復ユニットからなる高分子ポリマーである。天然GBS V型CPSの反復ユニットは、図1および図2Aに図示しているように、2本の異なる側鎖を有する三糖類骨格を含む七糖類である(ウェッセルズ(Wessels)ら、J.Biol.Chem.,266(11):6714-6719,1991)。GBS V CPSの三糖類骨格は次のような構造を有する:
(Glcpはグルコピラノシル、Galpはガラクトピラノシルである。)以下のような構造を有する三糖類分岐は、O−6を介して「a」と記号を付けたD-Glcpに結合している:
α−D−NeupNAc−(2→3)−β−D−Galp(1→4)−β−D−GlcpNAc(1→。
α−D−NeupNAc−(2→3)−β−D−Galp(1→4)−β−D−GlcpNAc(1→。
D−Glcp残基は、O−3を介して「b」と記号を付けたD−Galpに結合している。
V型多糖類の単離:GBS V型CPSは、既知の方法を用い、GBS V型細菌培養から調製できる。例えば、CPSを単離するためには、化学的に規定された培地中で、GBS V型株(例えば、CJB111など)を連続培養で増殖させる。遠心分離によって細胞を回収し、塩基抽出またはエンド−N−アセチルムラミダーゼミュタノリシン(endo-N-acetylmuramidase mutanolysin)を用いた処理によってCPSを除去する。ミュタノリシンを用いたCPSの精製については、デン(Deng)らが記載している(J.Biol.Chem.,275(11):7497-7504,2000)。抽出物は、RNAse A、DNAse I、RNAse T1およびプロナーゼを用いて処理した。CPSを含む画分は、分子ふるいおよびイオン交換クロマトグラフィーで単離した。精製GBS V CPSの調製法は、GBS III CPSの調製に関する記載と同様に行うことができる(例えば、ウェッセルズ(Wessels)ら、J.Clin.Invest.,86:1428-1433,1990などを参照)。
修飾V型多糖類の作出:GBS多糖類は、当該分野において既知の方法によって修飾できる。例えば、GBS脱シアル酸化V型CPSは、緩和な酸性条件下において(例えば、0.1Mの硫酸を用い、80℃で60分間処理するなど)、またはノイラミニダーゼを用いて、精製V型CPSを処理することによって調製できる。混合物はクロマトグラフィーで精製できる。GBS脱アミノ化V型CPSは、始めに、脱シアル酸化V型CPSを塩基で処理してCPSを脱アセチル化する(例えば、2MのNaOHおよびテトラヒドロホウ酸ナトリウムを用い、100℃で5時間加熱し、その後、酢酸を用いて中和し、凍結乾燥するなど)。次に、脱アセチル化CPSを脱アミノ化する(例えば、水および酸性水溶液に溶解し、次に、硝酸ナトリウム水溶液を用いて室温で1.5時間処理した後、イオン交換クロマトグラフィーで精製するなど;ウェッセルズ(Wessels)ら、J.Biol.Chem.,266(11):6714-6719,1991を参照)。
多様な実施態様においては、修飾多糖類は、細菌内で多糖類を産生させることによって調製されるが、このとき、該細菌においては、多糖類修飾酵素をコードしている核酸配列が遺伝子操作されている(例えば、酵素をコードしている遺伝子が欠失している、機能しないようになっている、または挿入を受けている、もしくは過剰発現される、など)。GBS V型の多糖類修飾酵素をコードしている遺伝子については、例えば、テテリン(Tettelin)らによって記載されている(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,99(19):12391-12396(2002))。
GBS V型コンジュゲートは、他の多糖類(例えば、GBS I型、II型、III型またはIV型など)を含むひとつもしくはそれ以上のコンジュゲートと混合することにより、免疫用の多価組成物が得られる。別の方法としては、免疫用の多価多糖類組成物は、ひとつの反応で複数の型の多糖類をコンジュゲートすることによって調製できる。
修飾V型多糖類のコンジュゲーション:GBS修飾多糖類は、当該分野において既知の方法を用いることにより、キャリヤー分子にコンジュゲートさせることができる。例えば、多糖類は、過ヨウ素酸(または、パラ過ヨウ素酸もしくはメタ過ヨウ素酸カリウムなどの関連反応試薬)を用いて処理することによって酸化し、隣接する水酸基を有する部位においてアルデヒド末端を脱離させることができる。処理した多糖類は、構成成分がコンジュゲートする条件下において、連結反応試薬を用いるか、またはその部分への直接カップリングを介するなどにより、キャリヤー分子と反応させることができる。ポリペプチド部分へのコンジュゲーションは、例えば、還元的アミノ化などによって実施できる(例えば、シュワルツ(Schwarts)およびグレイ(Gray)、Arch.Biochem.Biophys.181:542-549,1977などを参照)。概説すると、シアノボロヒドリドイオンまたはその他の還元剤の存在下、酸化CPSとポリペプチド部分とを反応させるが、このとき、該還元剤は、目的の還元末端を還元しない、または、ポリペプチドもしくは莢膜多糖類に悪影響を及ぼさない。多糖類のコンジュゲート法については、例えば、ウェッセルズ(Wessels)ら、J.Clin.Invest.,86:1428-1433,1990およびワン(Wang)ら、Vaccine,21(11-12):1112-1117,2003などにも記載されている。
適切なキャリヤー部分は、ほ乳類(例えば、若年ほ乳類など)への投与に関して安全であり、かつ、免疫学的に有用である(例えば、多糖類に対するT細胞依存性抗体応答を促進するなど)。キャリヤー部分の例としては、ジフテリアトキソイドおよび破傷風トキソイドなどが挙げられる。
適切なキャリヤー部分は、ほ乳類(例えば、若年ほ乳類など)への投与に関して安全であり、かつ、免疫学的に有用である(例えば、多糖類に対するT細胞依存性抗体応答を促進するなど)。キャリヤー部分の例としては、ジフテリアトキソイドおよび破傷風トキソイドなどが挙げられる。
一般的には、任意の化合物がキャリヤー分子として作用できる。破傷風毒素およびジフテリア毒素などの細菌性毒素は、ほ乳類細胞の表面に結合し、それによって、それらがコンジュゲートしている多糖類は、より効率的に免疫応答を起こすことができる。別のキャリヤーポリペプチドの例としては、CRM197が挙げられるが、これは、天然型ジフテリア毒素からアミノ酸が1個変化したジフテリア毒素であり、その免疫原性は、天然型ジフテリア毒素と遜色がない。CRM197を産生するコリネバクテリウムジフテリア株C7(β197)は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)(メリーランド州ロックヴィル)からATCCアクセッション番号53281として入手できる。
その他の細菌性ポリペプチドをキャリヤー部分として使用することができる。多様な実施態様においては、分泌された、または表面発現された細菌性ポリペプチドを使用する(例えば、GBS細菌などの連鎖球菌性細菌の分泌された、または表面発現されたポリペプチドなど)。例えば、GBS修飾V型多糖類は、GBS Cタンパク質α−ポリペプチドまたはそれらの抗原性フラグメントにコンジュゲートさせることができる。GBS Cタンパク質αは、表面関連ポリペプチドであり、82個のアミノ酸からなるタンデムリピートユニットを最大9ユニット含む(ミッチェル(Michel)ら、Prc. Natl. Acad. Sci. USA., 89: 10060-10064, 1992)。細菌性Cタンパク質αポリペプチドおよびそれらをワクチンに使用する方法については、米国特許第5,968,521号、第5,908,629号、第5,858,362号、第5,847,081号、第5,843,461号、第5,843,444号、第5,820,860号および第5,648,241号に記載されている。抗原性フラグメントは、82個のアミノ酸からなるタンデムリピートユニットをひとつもしくはそれ以上含む。GBS Cタンパク質βまたはεポリペプチド(またはそれらの抗原性フラグメント)は、GBS修飾V型多糖類にコンジュゲートさせることができる。GBS Cタンパク質β、Cタンパク質ε、Rタンパク質(RibおよびR4としても知られている)、α様タンパク質(Alps)、B群連鎖球菌1の表面タンパク質(spb1)、spb2、ならびにLmb(ラミニン結合タンパク質)もキャリヤータンパク質として使用できる(ヘデン(Heden)ら、Eur. J. Immunol., 21(6): 1481-1490, 1991;ミッチェル(Michel)ら、Infect. Immun., 1991, Jun; 59(6): 2023-2028;ラーソン(Larsson)ら、Infect. Immun., 64(9): 3518-3523;ワストフェルト(Wastfelt)ら、J. Biol. Chem., 271(31): 18892-18897, 1996;フェリエリ(Ferrieri)、P., Rev. Infect. Dis., 10(suppl.2): S363-S366, 1988;コング(Kong)ら、J. Clin. Microbiol., 40: 620-626, 2002;ラチェナウアー(Lachenauer)ら、Prc. Natl. Acad. Sci. USA., 97: 9630-9635, 2000;スペラーバーグ(Spellerberg)ら、Infect. Immun., 67(2): 871-878, 1999;アダーソン(Adderson)ら、Infect. Immun., 71(12): 6857-6863, 2003)。細菌性C5aペプチダーゼまたはそれらの抗原性フラグメント(例えば、米国特許第6,355,255号に記載されているような連鎖球菌C5aペプチダーゼなど)も、本明細書に記載している修飾多糖類へのコンジュゲーションに使用できる。連鎖球菌基質接着(Ema)ポリペプチドまたはそれらの抗原性フラグメント(米国特許公報第20040071729号に記載)も、多糖類へのコンジュゲーションに使用できる。GBS多糖類は、1個以上のポリペプチドにコンジュゲートさせることができる。例えば、GBS修飾多糖類は、2個、3個、4個、または5個の異なる細菌性ポリペプチドに結合させることができる。
多糖類組成物は、アジュバントと共に調製できる。アジュバントは、多糖類に対するほ乳類の免疫応答を増強し、例えば、抗体産生を増加させ、および/もしくは、低投与量の多糖類で免疫応答を誘導する。アジュバントとしては次のものが挙げられる:水エマルション(例えば、フロインドの完全および不完全アジュバントなど);油;酸化鉄;アルギン酸ナトリウム;水酸化アルミニウム、アルミニウムおよびカルシウムの塩類(すなわち、ミョウバン);非メチル化CpGモチーフ;グルカン;硫酸デキストラン;細菌抽出物(例えば、マイコバクテリウム属の抽出物など);QS-21(アキラ・バイオファーマシューティカルズ(Aquila Biopharmaceuticals)社、マサチューセッツ州フラミンガム);MPL(商標)(3−O−脱アシル化モノホスホリルリピドA;コリクサ(Corixa)社、モンタナ州ハミルトン);529(アミノアルキルグルコサミンホスフェート化合物;コリクサ(Corixa)社、モンタナ州ハミルトン);N−アセチル−ムラミル−L−テロン−イル−D−イソグルタミン(thr-MDP);N−アセチル−ノル−ムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(CGP 11637、ノル−MDPと称される);およびN−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1'−2'−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ−エチルアミン)(CGP 19835A、MTP-PEと称される)など。IL-12(ジェネティクス・インスティテュート(Genetics Institute)、マサチューセッツ州ケンブリッジ)およびGM-CSF(イムネックス(Immunex)社、ワシントン州シアトル)などのポリペプチドアジュバントを使用して多糖類組成物に対する免疫応答を増強させることもできる。
多糖類組成物の投与:修飾多糖類および多糖類コンジュゲートは、対象への投与を行うために、適切なキャリヤー媒質中で調製できる(例えば、リン酸ナトリウム緩衝生理食塩水(pH7.4)で調製した0.125Mの硫酸アルミニウムゲルをリン酸ナトリウム緩衝生理食塩水(pH6)またはその他の従来から使用されている媒質に懸濁するなど)。適切な薬剤学的キャリヤーは、当該分野において既知である。
対象に投与する組成物は、約0.1〜約500μg(例えば、約10〜50μg)の多糖類組成物を含み、ほ乳類において、莢膜多糖類に対する有効レベルの抗体を誘起できる。正確な投与量は、通常の用量/応答実験によって決めることができる。
多糖類コンジュゲート組成物は、単回、または、連続して(例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月またはより長い間隔をあけて2回、3回または4回投与するなど)投与できる。ブースターは、初回接種または初期連続接種から1年、2年またはそれ以上経過後に投与する。妊婦への免疫スケジュールの例としては、妊娠二期目(4〜6ヶ月目)または三期目(7〜9ヶ月目)の初期に単回投与する。妊娠していない成人への投与に関しては、単回投与を行うことができる。成人におけるブースターに必要な量は、多糖類組成物の免疫原性、および免疫応答を誘起するワクチンの効果に関する進行中のサーベイランスに基づいて決定される。
実施例1:ヒト血清中のGBS V型特異的抗体の特性付け
B群連鎖球菌(GBS)Ia型、Ib型およびIII型に対する非コンジュゲート多糖類ワクチンまたは糖コンジュゲートワクチンは、ヒトにおいて、主にIgG抗体を誘起する。対照的に、V型GBSは、主にIgMおよびIgA抗体を誘導する。IgMアイソタイプもIgAアイソタイプも胎盤を通過できず、侵襲性疾患に対して新生児を防御できない。
B群連鎖球菌(GBS)Ia型、Ib型およびIII型に対する非コンジュゲート多糖類ワクチンまたは糖コンジュゲートワクチンは、ヒトにおいて、主にIgG抗体を誘起する。対照的に、V型GBSは、主にIgMおよびIgA抗体を誘導する。IgMアイソタイプもIgAアイソタイプも胎盤を通過できず、侵襲性疾患に対して新生児を防御できない。
GBSのIa型、Ib型およびIII型多糖類は、強力なIgG応答を誘導し、その構造は、骨格に2個もしくは3個の糖を有し、側鎖の末端にシアル酸残基を有する三糖類側鎖を含む反復ユニットからなるポリマーである。V型多糖類は、IgG抗体の誘導レベルが低く、2本の側鎖を有する三糖類骨格を含む反復ユニットからなるポリマーであるが、このとき、側鎖のひとつはグルコース残基が直接骨格に結合しており、もうひとつの側鎖は、3個の糖からなっており、その末端はシアル酸である。
化学修飾されたV型多糖類を調製することにより、エピトープ呈示を調査し、ヒトにおけるIgG応答の誘導に対して最適なエピトープを決定した。競合酵素標識免疫吸着測定法(競合ELISA)を用い、GBS V−破傷風トキソイドコンジュゲート(GBS V-TT)を用いて免疫した5人のボランティアから採取した血清のIgG画分中の抗体のGBS V PSに対する反応性を多様なGBS修飾型V型PSの存在下で判断した。これらのアッセイにおいては、GBS修飾V型PSは、「阻害剤」(すなわち、天然GBS V型PSへの結合に対する阻害剤)と称された。
GBS PS特異的抗体の検出を目的として、溶液中に多様な量の遊離の多糖類が存在する状態で、プラスチックの96ウェルプレート(ELISAプレート)に塗布した天然GBS V型PS-HSAに抗血清のIgG画分を結合させた。これらの、および以下の実施態様中で報告している全てのELISA実験において、被覆抗原として使用した天然型多糖類は、HSAにコンジュゲートした形である。ELISA以外の方法を用いてPS特異的抗体を検出できる(例えば、液層中または固層上における、抗体−抗原相互作用を評価するための、当該分野において既知のその他の方法など)。
天然GBS V型PS-HSAへのIgG画分の結合の結果は図3に示している。阻害剤の濃度は、X軸にμg/mlの対数で示しており、ELISAプレートに結合しているPSへの抗体の結合の阻害%は、Y軸に直線で示している。阻害を調べた多糖類はつぎのとおりである:(1)約200反復ユニットからなるポリマーを含む天然V型多糖類(▲);(2)多糖類(PS)をオゾン処理することによって得られた分子量の小さいV型オリゴ糖(OS)を表す、化学修飾されたV型PS(△);(3)脱シアル酸化V型PSの全長(●);(4)骨格に単糖側鎖を有する脱アミノ化V型PS(■);(5)単糖側鎖を持たないV型PS(これは、GBS VII型PSの構造と同一)(◆);および(6)GBS IV型PS(○)。
ワクチンに誘導された全ての抗体は、脱アミノ化V型PS(■)および脱シアル酸化V型PS(●)を認識し、これらの化学修飾された多糖類に対して重複阻害曲線を示した。天然V型PSに結合する抗体は、予測されたように、天然V型PSによって阻害された(▲)。単糖側鎖を欠く修飾V型PS(◆)は、結合を阻害しなかった。従って、この側鎖は、抗体に対する重要な優性エピトープ(dominant epitope)である。これらのデータは、優性エピトープがV型PSの大きさに依存し、長い天然V型PS(204kDa、▲)は、短い天然V型PS(7.8kDa、△)よりも強力な阻害剤であることも示している。
GBS多糖類による同様の阻害パターンは、GBS V型に対するヒト血清プール中のワクチン誘導GBS V型特異的抗体のIgM画分に対しても観察され、このとき、脱シアル酸化V型PS、脱アミノ化V型PS、および長い天然V型PS(204kDa)は、短い天然V型PS(7.8kDa)およびIV型PSよりも強力に結合を阻害した(図4)。従って、単糖側鎖は、IgM抗体による認識に対しても優性エピトープである。各多糖類のIC50値を表2に示す。計10人のボランティアから採取したワクチン誘導ヒト血清のIgGおよびIgM画分に対して、同様の結果が得られた。
実施例2:V型特異的抗体の機能
次に、GBS V-TT糖コンジュゲートによって誘導された抗体の機能を調べた。ヒトにおいては、GBSは、抗体依存性補体媒介オプソニン食菌作用(antibody-dependent complement-mediated opsonophagocytic killing)と呼ばれる過程によって排除される。PSに基づくワクチンの場合には、PS特異的ワクチンに誘導された抗体は、GBS細菌の莢膜多糖類上のエピトープまたは結合部位を認識する。抗体結合により、補体活性化、および細菌上への活性化された補体構成成分の堆積が生じる。オプソニン化された細菌上の抗体および補体構成成分は、専用の食細胞によって認識され(例えば、Fcレセプターおよび補体レセプターを介するなど)、オプソニン食菌作用と呼ばれる過程に取り込まれる。多形核白血球(PMNL)などの食細胞に包み込まれたGBSは、酸化的バーストなどの多様なメカニズムによって殺菌される。図5は、補体の存在下において、抗体がPMNLによるオプソニン食菌作用を促進する能力を測定したイン・ビトロ(in vitro)アッセイから得られたデータを示している。このアッセイにおいては、抗体、補体、細菌およびPMNLを体温でインキュベートした。60分間のインキュベーション後における細菌死は、反応混合物からの生きた細菌の消失として記録した。GBS V型特異的抗体は、GBS細菌の殺菌を媒介できる。図5に示すように、ヒト標準血清参照プールのIgG抗体画分(黒塗り棒)およびIgM抗体画分(斜線棒)は、GBSの殺菌を促進した。反応混合物中の90%以上の細菌を殺すためには3μg/mlの濃度のGBS V型特異的IgGが必要であったが、V型特異的IgMでは、0.1μg/mlの濃度で90%以上が殺菌された。従って、殺菌の促進においては、IgM画分の方がより効率的である。対照として、各アッセイには、免疫されたヒトの全血清(白抜き棒)および免疫していないヒト血清(灰色棒)を使用した。
次に、GBS V-TT糖コンジュゲートによって誘導された抗体の機能を調べた。ヒトにおいては、GBSは、抗体依存性補体媒介オプソニン食菌作用(antibody-dependent complement-mediated opsonophagocytic killing)と呼ばれる過程によって排除される。PSに基づくワクチンの場合には、PS特異的ワクチンに誘導された抗体は、GBS細菌の莢膜多糖類上のエピトープまたは結合部位を認識する。抗体結合により、補体活性化、および細菌上への活性化された補体構成成分の堆積が生じる。オプソニン化された細菌上の抗体および補体構成成分は、専用の食細胞によって認識され(例えば、Fcレセプターおよび補体レセプターを介するなど)、オプソニン食菌作用と呼ばれる過程に取り込まれる。多形核白血球(PMNL)などの食細胞に包み込まれたGBSは、酸化的バーストなどの多様なメカニズムによって殺菌される。図5は、補体の存在下において、抗体がPMNLによるオプソニン食菌作用を促進する能力を測定したイン・ビトロ(in vitro)アッセイから得られたデータを示している。このアッセイにおいては、抗体、補体、細菌およびPMNLを体温でインキュベートした。60分間のインキュベーション後における細菌死は、反応混合物からの生きた細菌の消失として記録した。GBS V型特異的抗体は、GBS細菌の殺菌を媒介できる。図5に示すように、ヒト標準血清参照プールのIgG抗体画分(黒塗り棒)およびIgM抗体画分(斜線棒)は、GBSの殺菌を促進した。反応混合物中の90%以上の細菌を殺すためには3μg/mlの濃度のGBS V型特異的IgGが必要であったが、V型特異的IgMでは、0.1μg/mlの濃度で90%以上が殺菌された。従って、殺菌の促進においては、IgM画分の方がより効率的である。対照として、各アッセイには、免疫されたヒトの全血清(白抜き棒)および免疫していないヒト血清(灰色棒)を使用した。
次に、ヒトGBS V-TT誘導性抗体のIgG画分およびIgM画分について、V型PS、脱シアル酸化V型PS、ならびに、無関係な多糖類であるポリガラクツロン酸(PGA)の存在下における殺菌について調べた。抗体は、生きた細菌を90%減少させる濃度(1 log killing)で試験した。本実験には、CJB 111株およびGBS V株を使用した。図6に示すように、反応混合物中において、脱シアル酸化V型PSおよび天然V型PSは、V特異的IgM(白抜き棒)およびV特異的IgG(灰色棒)の存在下においては、増殖(X軸の0.00より左側に伸びる棒)を示し、また、殺菌能(X軸の0.00より右側に伸びる棒)を欠いていたたように、PMNLによるGBSの殺菌が完全に無くなっていた。PGAは、ワクチンに誘導されたV特異的IgM抗体およびV特異的IgG抗体のオプソニン食菌作用の刺激に何ら影響を与えなかった。
実施例3:マウスGBS V型特異的抗体の特性付け
GBS III-TTおよびGBS V-TTの糖コンジュゲートワクチンを用いて免疫したマウスから採取した血清の特性付けを行った。GBS III-TTおよびGBS V-TTの糖コンジュゲートワクチンは、1回の投与でIgM抗体および低レベルのPS特異的IgG抗体を誘導した(データは示していない)。いずれかの糖コンジュゲートワクチンを反復投与することにより、PS特異的抗体のIgGへのアイソタイプスイッチングが同様に増加した。2回目および3回目の接種後のGBS V型特異的応答がより迅速かつ強固であったことから、抗原に対する免疫学的記憶が誘導されたことが示唆される(データは示していない)。
GBS III-TTおよびGBS V-TTの糖コンジュゲートワクチンを用いて免疫したマウスから採取した血清の特性付けを行った。GBS III-TTおよびGBS V-TTの糖コンジュゲートワクチンは、1回の投与でIgM抗体および低レベルのPS特異的IgG抗体を誘導した(データは示していない)。いずれかの糖コンジュゲートワクチンを反復投与することにより、PS特異的抗体のIgGへのアイソタイプスイッチングが同様に増加した。2回目および3回目の接種後のGBS V型特異的応答がより迅速かつ強固であったことから、抗原に対する免疫学的記憶が誘導されたことが示唆される(データは示していない)。
GBS V型特異的マウスモノクローナル抗体について、実施例1に記載した競合ELISAアッセイでの試験を行った。ヒトIgGとは対照的に、マウスIgGは、脱シアル酸化多糖類ではなく、天然型莢膜多糖類を認識した(図7)。図7のグラフは、GBS脱シアル酸化V型PSは、天然型PSと比較して、マウスGBS V誘導性IgGへの結合がかなり弱いことを示している。ヒトでの優性エピトープであるGBS脱アミノ化V型PSは、マウス抗体によっては全く認識されなかった。各多糖類のIC50値を計算し、表3に示している。同様の結果は、試験を行った全てのマウスモノクローナルおよびポリクローナル血清に関して得られている。
これらのデータは、アイソタイプスイッチング、優性B細胞エピトープおよび機能性エピトープに関して、GBS III型およびV型に対するマウスの免疫応答がヒトの免疫応答とは異なることを示している。
実施例4:アカゲザルにおけるGBS III型多糖類特異的応答
一群3匹の妊娠していない若いメスのアカゲザル(Macaca mulatta)について、8週間の間隔をあけてGBS III-TT(多糖類として50μg、筋肉内)を2回投与した。血清は、接種前、および接種後1週間ごとに採取し、ワクチンに誘導されたPS特異的抗体およびキャリヤー特異的(すなわち、破傷風トキソイド特異的)抗体のレベル、アイソタイプおよび機能の評価を行った。ワクチンは、アカゲザルに十分許容された。
一群3匹の妊娠していない若いメスのアカゲザル(Macaca mulatta)について、8週間の間隔をあけてGBS III-TT(多糖類として50μg、筋肉内)を2回投与した。血清は、接種前、および接種後1週間ごとに採取し、ワクチンに誘導されたPS特異的抗体およびキャリヤー特異的(すなわち、破傷風トキソイド特異的)抗体のレベル、アイソタイプおよび機能の評価を行った。ワクチンは、アカゲザルに十分許容された。
III型PSに対するIgM、IgAおよびIgGの各抗体応答を調べた。図8は、3匹のアカゲザルにGBS III-TT糖コンジュゲートワクチンを接種する前および2回接種後におけるGBS III特異的IgM応答を図示しており、各線は、個々の個体由来の抗体レベルを表している。1回目の接種後の週数をX軸に、III型特異的IgM抗体のレベル(μg/ml)をY軸に示している。免疫接種を黒矢印で示している。
GBS III-TTを接種した3匹のうちの2匹は、1回目の接種前には、GBS IIIに対する抗体を持っていなかった。これらの2匹については、1回目の接種から2週間後にGBS III特異的IgM抗体が検出された。GBS III特異的IgM抗体のレベルは2週間後が最高であり、GBS III-TTワクチンの2回目接種によるブースター効果はなかった。
3匹のうちの1匹(個体番号369 92、一番上の線)については、接種前に多糖類ワクチン抗原に対するIgM抗体を持っていた。しかしながら、これらの抗体は、GBS III PS抗原に対して特異的ではなかった。なぜならば、反応混合物に大量の精製GBS III PSを加えてもELISAプレートへの抗体の結合には全く影響がなかったからである。GBS III PSと交差反応する天然の抗体が高レベルで存在することから、さらなる分析においては、接種後に得られた値を無視した。
GBS III PSに対するIgA応答を図9に示す。3匹のうちの2匹は、III型PSに対する低レベルのIgAアイソタイプスイッチ抗体を示した。残りの個体(個体番号369 92、非特異的GBS III反応性IgM抗体を有する個体)は、GBS III特異的IgA抗体に対するアイソタイプスイッチングを示さなかった。
各個体のIgG抗体応答を図10に示す。3匹のうちの2匹は、GBS III-TTコンジュゲートワクチンの初回接種後に、GBS III PS特異的IgGに対する顕著なアイソタイプスイッチングを示した。さらに、ワクチンによってGBS III特異的免疫記憶が準備されることにより、(1)抗体応答が加速され、さらに、(2)GBS III特異的IgG抗体のレベルが実質的に上昇した。ここで、GBS III特異的免疫記憶とは、GBS III-TT糖コンジュゲートワクチンを用いた2回目または「ブースター」接種によって呼び起こされるものである。
結論として、これらのデータは、アカゲザルにおけるGBS III-TT糖コンジュゲートワクチンに対する抗体応答は、ヒトにおいて観察されたものと同様な、IgGへの実質的なアイソタイプスイッチングを含むことを示している。
実施例5:アカゲザルにおけるGBS V型多糖類特異的応答
一群3匹の妊娠していない若いメスのアカゲザル(Macaca mulatta)について、8週間の間隔をあけてGBS V-TT(多糖類として50μg、筋肉内)を2回投与した。血清は、接種前、および接種後1週間ごとに採取し、ワクチンに誘導されたPS特異的抗体およびキャリヤー特異的(すなわち、破傷風トキソイド特異的)抗体のレベル、アイソタイプおよび機能の評価を行った。GBS V-TTワクチンは、アカゲザルに十分許容された。
一群3匹の妊娠していない若いメスのアカゲザル(Macaca mulatta)について、8週間の間隔をあけてGBS V-TT(多糖類として50μg、筋肉内)を2回投与した。血清は、接種前、および接種後1週間ごとに採取し、ワクチンに誘導されたPS特異的抗体およびキャリヤー特異的(すなわち、破傷風トキソイド特異的)抗体のレベル、アイソタイプおよび機能の評価を行った。GBS V-TTワクチンは、アカゲザルに十分許容された。
3匹のアカゲザルにGBS V-TT糖コンジュゲートワクチンを接種する前および2回接種後におけるGBS V特異的IgM抗体応答を図11に示している。各線は、個々の個体由来の抗体レベルを表している。GBS V-TTを接種する前に、GBS V PSに対するIgM抗体を持っていた個体はなかった。全ての個体において、GBS V-TTワクチンの初回接種後に、実質的なGBS V IgM応答を示し、最高レベルを示したのは接種から2〜3週後であった。3匹のうちの1匹においては、GBS V-TTの2回目接種後にさらにV型特異的IgMレベルの上昇が誘起され、V型特異的IgMレベルの最高値は95μg/mlであった。
3匹のうちの1匹は、初回接種後に、血清中のGBS Vに対して低レベルのIgAアイソタイプスイッチ抗体が観察された(図12)。2回目接種後には、全ての個体において、低レベルのGBS VスイッチIgA抗体が観察された。
GBS V-TTの接種前にV型PSに対するIgG抗体を有していた個体はなかった。初回接種後におけるIgGスイッチPS特異的抗体のレベルは非常に低かったが、GBS V-TTの2回目接種後には、顕著なIgG応答が観察された(図13)。これらのデータから、アカゲザルにおけるGBS V-TT糖コンジュゲートワクチンに対するアイソタイプ応答パターンは、(1)実質的なIgM応答であり、さらに、(2)ヒトにおいて観察された応答と同様に、GBS V-TTの1回接種に対しては、最小限のIgGスイッチングを示すことがわかる。
GBS V-TT糖コンジュゲートワクチンをヒトおよびアカゲザルに1回接種および2回接種した後の、ヒト(hu)およびアカゲザル(霊長類)におけるアイソタイプスイッチGBS-V特異的抗体のレベルを比較した(図14)。GBS V-TT糖コンジュゲートワクチンの1回接種では、ヒトおよびヒト以外の霊長類において誘導されたIgGへのアイソタイプスイッチングは非常に低レベルであった。V型特異的IgGスイッチ抗体の平均%は、ヒトでは5%、霊長類では12%であった。GBS V-TTの2回目の接種により、ヒトおよびヒト以外の霊長類におけるIgGへのアイソタイプスイッチングが高まった。しかしながら、ブースター接種後においても、両種におけるV特異的抗体の大部分はIgMアイソタイプであった。
アカゲザルにおいてIII-TTワクチンおよびV-TTワクチンによって誘導されたアイソタイプスイッチ抗体のレベルを比較したところ(図15)、2つの異なるGBS糖コンジュゲートワクチンに対するPS特異的抗体のアイソタイプスイッチングには実質的に差があることが明らかになった。アカゲザルにおいて、GBS V-TTワクチンによって誘導されたIgGへのアイソタイプスイッチングは低レベルであったが、GBS III-TTワクチンでは、IgGへの実質的なアイソタイプスイッチングが誘導された。
実施例6:アカゲザルにおいて、GBS IIIによって誘導されたIgG抗体の特異性
アカゲザルにおいて、GBS III-TTワクチンに誘導された抗体によって認識されるB細胞エピトープを競合ELISAを用いて調べた。GBS III-TTを接種した1匹の個体由来のワクチン誘導性抗体のIgG画分は、多様な量の遊離の多糖類もしくはタンパク質を含む溶液中、プラスチックの96ウェルプレート上に固定した天然GBS III CPSに結合させた。結合の結果は図16に示している。阻害剤の量(μg/ml)は、X軸に対数目盛で表示している。ELISAプレートに固定している多糖類への抗体の結合に対する阻害%は、Y軸に直線目盛で示している。阻害試験を行った多糖類は次のものである:(1)約150の反復ユニットからなるポリマーを含む天然GBS III PS(●);(2)PSをオゾン処理して得られた分子量の小さいIII型オリゴ糖を表す、GBS化学修飾III型PS(△);(3)肺炎球菌14型PSの全長(すなわち、脱シアル酸化III型PS、■);(4)糖が3個からなるIII型と同一の側鎖を有するGBS Ia型PS(○);(5)GBS III-HSA(被覆抗原と同一、▲);および(6)ヒト血清アルブミン(HSA、+)。
アカゲザルにおいて、GBS III-TTワクチンに誘導された抗体によって認識されるB細胞エピトープを競合ELISAを用いて調べた。GBS III-TTを接種した1匹の個体由来のワクチン誘導性抗体のIgG画分は、多様な量の遊離の多糖類もしくはタンパク質を含む溶液中、プラスチックの96ウェルプレート上に固定した天然GBS III CPSに結合させた。結合の結果は図16に示している。阻害剤の量(μg/ml)は、X軸に対数目盛で表示している。ELISAプレートに固定している多糖類への抗体の結合に対する阻害%は、Y軸に直線目盛で示している。阻害試験を行った多糖類は次のものである:(1)約150の反復ユニットからなるポリマーを含む天然GBS III PS(●);(2)PSをオゾン処理して得られた分子量の小さいIII型オリゴ糖を表す、GBS化学修飾III型PS(△);(3)肺炎球菌14型PSの全長(すなわち、脱シアル酸化III型PS、■);(4)糖が3個からなるIII型と同一の側鎖を有するGBS Ia型PS(○);(5)GBS III-HSA(被覆抗原と同一、▲);および(6)ヒト血清アルブミン(HSA、+)。
個体番号369 92から採取した血清に対する阻害結果を図16に示し、3匹の個体の代表とする。図16は、ワクチンに誘導された全ての抗体が天然III型PS(●および▲)を認識したが、脱シアル酸化III型PS(Pn14、■)を認識したのは抗体の一部のみであったことを示している。さらに、優性エピトープは、III型PSの大きさに依存しており、天然III型PS(●)は、短いもの(III型OS、△)よりも良好な阻害剤であった。
脱シアル酸化III型PS(すなわち、Pn14、■)を認識したIII型誘導性抗体の集団は、ヒト血清の場合と同様に、サル血清においてもばらついていた。ヒトにおいては、ワクチン接種を受けたヒトの約50%は、天然III型PSのみを認識するワクチン誘導性抗体を持っていたが、残りの50%は、III型PSの脱シアル酸型も認識する抗体(破傷風トキソイドにコンジュゲートさせて、またはコンジュゲートさせずに投与したGBS III型PSによって誘起された抗体)を有していた。ヒトにおいては、抗体の亜集団がPn14を認識し、または抗体集団の全てが交差反応を起こした。サルに関しても同様であった。1匹は、検出できる程度のPn14交差反応抗体を持っていなかったが(データは示していない)、1匹は、Pn14を認識する抗体の亜集団を持っており(個体番号369 92、図16)、さらに、個体番号543 91においては、ワクチン誘導性抗体は、全てPn14と交差反応した(図17)。 3匹全てのアカゲザルにおいて、III型誘導性抗体のIgM画分は、IgG画分と同様な特異性を有していた(データは示していない)。
結論として、アカゲザルにおいて、III型ワクチン誘導性抗体について観察されたB細胞エピトープパターンは、ヒトのワクチン被接種者において観察されたそれらと同一であった。
実施例7:アカゲザルにおいて、GBS V型によって誘導されたIgG抗体の特異性
ヒト以外の霊長類において、GBS V-TTワクチンに誘導された抗体によって認識されるB細胞エピトープを競合ELISAを用いて調べた。GBS V-TTを接種した1匹のアカゲザル由来のワクチン誘導性抗体のIgG画分は、多様な量の遊離の多糖類もしくはタンパク質を含む溶液中、プラスチックの96ウェルプレート上に固定した天然GBS V PSに結合させた。結合の結果は図18に示しており、阻害剤の量(μg/ml)は、X軸に対数目盛で表示し、ELISAプレートに固定しているPSへの抗体の結合に対する阻害%は、Y軸に直線目盛で示している。
ヒト以外の霊長類において、GBS V-TTワクチンに誘導された抗体によって認識されるB細胞エピトープを競合ELISAを用いて調べた。GBS V-TTを接種した1匹のアカゲザル由来のワクチン誘導性抗体のIgG画分は、多様な量の遊離の多糖類もしくはタンパク質を含む溶液中、プラスチックの96ウェルプレート上に固定した天然GBS V PSに結合させた。結合の結果は図18に示しており、阻害剤の量(μg/ml)は、X軸に対数目盛で表示し、ELISAプレートに固定しているPSへの抗体の結合に対する阻害%は、Y軸に直線目盛で示している。
阻害試験を行った多糖類は次のものである:(1)約200の反復ユニットからなるポリマーを含む天然GBS V型PSをHSAにコンジュゲートさせたもの(▲);(2)コンジュゲートさせていないGBS V型(△);(3)脱シアル酸化V型PS(■);(4)糖が1個からなる側鎖を有するV型骨格を含む脱アミノ化V型PS(○);および(5)PGA(+)。
ワクチンによって誘導された全ての抗体は、脱アミノ化V型PS(○)および脱シアル酸化V型PS(■)を認識したが、このことは、化学修飾されたこれらの多糖類および天然V型PS(▲)に対する阻害曲線が重複していることによって示されている(図18)。
従って、GBS V型PSの骨格は、ヒトの場合と同様に、アカゲザルにおいても優性エピトープである。
アカゲザルにおいては、GBS V型TTワクチンによって誘導された抗体に対する優性B細胞エピトープは、多糖類の骨格であった。三糖類シアル酸含有側鎖は、このエピトープには含まれていなかった。個体番号256 89に対する競合阻害ELISAの結果を図19に示す。この個体については、抗体は、天然PSよりも脱アミノ化V型PSに実質的に強く結合した。
3匹の個体全てに関して、GBS V型によって誘導された抗体のIgM画分は、IgG画分と同様な特異性を有していた。
実施例8:アカゲザルにおけるV型特異的抗体の機能
GBS V-TTワクチンを接種したアカゲザルにおいて誘導された抗体に関して、実施例2に記載しているようなオプソニン食菌作用を調べた。GBS V特異的抗体は、GBS細菌の殺菌を媒介できた(図20)。個体番号256 89から採取した血清のIgG抗体画分(灰色棒)およびIgM抗体画分(斜線棒)は、GBS V型細菌の殺菌を促進した。1μg/mlのGBS V型特異的IgGおよび0.1μg/mlのGBS V特異的IgMは、反応混合物中に存在する細菌の90%以上を殺すことがわかった。従って、細菌の殺菌促進に関しては、IgM画分の方が効率的である。白抜き棒および斑点棒は、実験の質の管理の一環として各アッセイに取り入れた対照である。個体番号256 89由来の血清の存在下における、B群連鎖球菌のオプソニン食菌作用に関するデータは、3匹の個体全てにおいて誘導された抗体を代表するものである。
GBS V-TTワクチンを接種したアカゲザルにおいて誘導された抗体に関して、実施例2に記載しているようなオプソニン食菌作用を調べた。GBS V特異的抗体は、GBS細菌の殺菌を媒介できた(図20)。個体番号256 89から採取した血清のIgG抗体画分(灰色棒)およびIgM抗体画分(斜線棒)は、GBS V型細菌の殺菌を促進した。1μg/mlのGBS V型特異的IgGおよび0.1μg/mlのGBS V特異的IgMは、反応混合物中に存在する細菌の90%以上を殺すことがわかった。従って、細菌の殺菌促進に関しては、IgM画分の方が効率的である。白抜き棒および斑点棒は、実験の質の管理の一環として各アッセイに取り入れた対照である。個体番号256 89由来の血清の存在下における、B群連鎖球菌のオプソニン食菌作用に関するデータは、3匹の個体全てにおいて誘導された抗体を代表するものである。
結論としては、ヒトおよびアカゲザルから得られた結果から、V型多糖類の糖が3個からなる側鎖は、免疫系によって認識されないことが示唆された。ヒトおよびヒト以外の霊長類において、シアル酸を有する側鎖は、V型多糖類の認識可能な免疫優性エピトープを「覆い隠す」ことができる。発明者らは、免疫優性エピトープを作出することにより、免疫系の刺激を強め、防御的PS特異的IgG抗体へのアイソタイプスイッチングを促進することができると仮定した。そこで、化学修飾されたGBS 脱シアル酸化V型PSがタンパク質キャリヤーにコンジュゲートしている新規な実験用GBS V型ワクチンを設計し、このワクチンについて、防御エピトープ(例えば、グルコース残基が骨格に直接結合しているようなV型反復ユニットからなる骨格など)に対するより良好な認識が得られるか否か、さらに、防御的V型特異的IgGへのアイソタイプスイッチングが起こるか否かを調べた。
実施例9:修飾V型多糖類−タンパク質コンジュゲートを用いたアカゲザルの免疫接種
精製GBS V型PSを脱シアル酸化および酸化して反応性アルデヒド基を作出し、還元的アミノ化によってモノマーTTにコンジュゲートした。脱シアル酸化V-TTワクチンは、マウスにおいて非毒性であり、免疫原性であった。次に、ヒト以外の霊長類における該ワクチンの免疫原性を調べた。3匹のアカゲザルに、脱シアル酸化V-TTワクチンを8週間の間隔をあけて2回注射した。個体から血清を採取し、体内で誘導された抗体のエピトープ認識および機能的活性について特性付けを行った。
精製GBS V型PSを脱シアル酸化および酸化して反応性アルデヒド基を作出し、還元的アミノ化によってモノマーTTにコンジュゲートした。脱シアル酸化V-TTワクチンは、マウスにおいて非毒性であり、免疫原性であった。次に、ヒト以外の霊長類における該ワクチンの免疫原性を調べた。3匹のアカゲザルに、脱シアル酸化V-TTワクチンを8週間の間隔をあけて2回注射した。個体から血清を採取し、体内で誘導された抗体のエピトープ認識および機能的活性について特性付けを行った。
GBS脱シアル酸化V-TTワクチンを接種した3匹のアカゲザルにおけるGBS V型特異的IgM抗体応答を図21に示す。各線は、GBS脱シアル酸化V-TTワクチンの接種前および2回接種後における、各個体中のGBS V型特異的IgM抗体のレベルを表している。初回接種後の経過週数をX軸に示し、V型特異的IgM抗体のレベル(μg/ml)をY軸に示している。接種は黒矢印で示している。
GBS脱シアル酸化V-TTワクチンを接種した3匹の個体は、いずれも、接種前には天然V型PSに対するIgM抗体を持っていなかった。3匹の個体全てにおいて、GBS V型特異的IgM応答は、ワクチンの初回接種後に観察され、ピーク値は、接種後3〜5週の間に観察された。GBS V型特異的IgM抗体のレベルは、2回目接種後には上昇しなかった。GBS脱シアル酸化V-TTワクチンによって誘導されたGBS V型特異的IgM抗体のレベルは、天然GBS V-TTワクチンによって誘導されたそれらよりも低く、脱シアル酸化ワクチンによって誘導されたGBS V型特異的IgM抗体レベルの中間値が5μg/mlであったのに対し、天然型ワクチンによって誘導されたそれは30μg/mlであった。脱シアル酸化V-TTワクチンの接種前および2回接種後におけるGBS V型特異的IgA応答を図22に示す。3匹のうちの2匹においては、それぞれの接種後に低レベルのIgA抗体が観察された。
GBS V型特異的IgG抗体応答を図23に示す。脱シアル酸化V-TTワクチンを接種した3匹の個体のいずれにおいても、接種前にはV型多糖類に対するIgGは存在していなかった。V型特異的IgG抗体のレベルは、1回目の接種後にかなり上昇し、ピーク値は接種後3〜8週の間に観察された。さらに、3匹全てにおいて、GBS脱シアル酸化V-TTワクチンを再接種した後に、顕著なブースター効果が観察された。従って、脱シアル酸化V-TTワクチンは、(1)緩和なIgM応答、(2)実質的なIgGスイッチング、(3)2回目投与後のV型特異的IgG応答の強度の加速および増強、ならびに(4)長期間にわたるGBS V型特異的抗体応答を刺激し、2回目接種から10週後のV型特異的IgGの中間値は、約10μg/mlであった。
実施例10:修飾V型多糖類−タンパク質コンジュゲートによって誘導されたIgG抗体の特異性
アカゲザル個体番号259 87において、ワクチンによって誘導された血清抗体のIgG画分の特異性については、GBSの脱シアル酸化、脱アミノ化、または天然のV型多糖類の存在下、GBS V型多糖類への結合阻害を測定することによって調べた。結果は図24に示すが、このとき、阻害剤の濃度をX軸に、阻害%をY軸にとった。GBS脱シアル酸化V-TTワクチンを用いて免疫した個体で産生されたGBS V型特異的抗体は全て、脱アミノ化(■)および脱シアル酸化(□)の多糖類を認識するIgG抗体を誘導し、これらの化学修飾された多糖類および天然V型PS(▲)は同様の阻害曲線を示した。従って、アカゲザルにおいて、GBS脱シアル酸化V-TTワクチンによって誘導された抗体に対する優性B細胞エピトープは、側鎖グルコースを有する多糖類の骨格であった。シアル酸含有三糖類側鎖はこのエピトープの一部ではない。他の2匹の個体からも同じ結果が得られた。
アカゲザル個体番号259 87において、ワクチンによって誘導された血清抗体のIgG画分の特異性については、GBSの脱シアル酸化、脱アミノ化、または天然のV型多糖類の存在下、GBS V型多糖類への結合阻害を測定することによって調べた。結果は図24に示すが、このとき、阻害剤の濃度をX軸に、阻害%をY軸にとった。GBS脱シアル酸化V-TTワクチンを用いて免疫した個体で産生されたGBS V型特異的抗体は全て、脱アミノ化(■)および脱シアル酸化(□)の多糖類を認識するIgG抗体を誘導し、これらの化学修飾された多糖類および天然V型PS(▲)は同様の阻害曲線を示した。従って、アカゲザルにおいて、GBS脱シアル酸化V-TTワクチンによって誘導された抗体に対する優性B細胞エピトープは、側鎖グルコースを有する多糖類の骨格であった。シアル酸含有三糖類側鎖はこのエピトープの一部ではない。他の2匹の個体からも同じ結果が得られた。
アカゲザル由来のIgM抗体に対して実験を繰り返した。個体番号259 87から得られた血清のIgM抗体に関する結果を図25に示す。ワクチン誘導性IgM抗体は、脱アミノ化(○)および脱シアル酸化(□)V型PSを認識し、これらの化学修飾された多糖類および天然V型PS(▲)は同様の阻害曲線を示した。従って、アカゲザルにおいて、GBS脱シアル酸化V-TT糖コンジュゲートワクチンによって誘導された抗体に対する優性B細胞エピトープは、側鎖グルコースを有する多糖類の骨格であった。シアル酸含有三糖類側鎖はこのエピトープの一部ではない。他の2匹の個体からも同じ結果が得られた。
実施例11:アカゲザルにおけるV型特異的抗体の機能
GBS脱シアル酸化V-TTワクチンを接種したアカゲザル由来の抗体のIgG画分およびIgM画分について、イン・ビトロ(in vitro)でのオプソニン食菌作用を調べた。発明者らは、補体およびPMNLsの存在下において、IgG画分およびIgM抗体画分の抗体が生きたGBS Vを殺すことを見出した(図26)。
GBS脱シアル酸化V-TTワクチンを接種したアカゲザル由来の抗体のIgG画分およびIgM画分について、イン・ビトロ(in vitro)でのオプソニン食菌作用を調べた。発明者らは、補体およびPMNLsの存在下において、IgG画分およびIgM抗体画分の抗体が生きたGBS Vを殺すことを見出した(図26)。
多数の実施態様について記載してきたが、本発明の意図および範疇において、多様な修飾を行えることは明かである。従って、その他の実施態様も本発明の請求項の範囲に含まれる。
実施例12:修飾V型多糖類−タンパク質コンジュゲートおよびアジュバントによって誘導されたIgG抗体
天然GBS V-TTワクチンをマウスの腹腔内に投与した。投与1回あたりの多糖類量は、0.625μgおよび6.25μgであった。0.5mgのミョウバンを添加して、または添加せずに、GBS V-TTコンジュゲートを接種した。投与は、一群6匹の129/Jマウスに対し、0日目および21日目に行った。血清は、接種前、1回目と2回目の接種の間(20日目)、および2回目の接種後(31日目)に採取した。各群の個体内で誘導されたV型特異的IgGのレベルはELISAで測定し、図27A〜27Dにまとめた。図27Aに示すように、低投与量のGBS V-TTワクチンによって誘導されたV型特異的IgGのレベルは、接種から31日後において0.01〜1μg/mlであった。対照的に、ミョウバンを添加することにより、V型特異的IgGのレベルは、10〜100μg/mlに上昇した(図27B)。同様に、ミョウバンを添加しない高投与量のGBS V-TTワクチンによって誘導されたV型特異的IgGのレベルは、0.01〜0.05μg/mlであった(図27C)が、ミョウバンを添加した高投与量ワクチンでは、IgGレベルは10〜100μg/mlに達した。これらのデータから、ミョウバンは、ほ乳類体内におけるGBSコンジュゲートワクチンに対する免疫応答を増強できる。
天然GBS V-TTワクチンをマウスの腹腔内に投与した。投与1回あたりの多糖類量は、0.625μgおよび6.25μgであった。0.5mgのミョウバンを添加して、または添加せずに、GBS V-TTコンジュゲートを接種した。投与は、一群6匹の129/Jマウスに対し、0日目および21日目に行った。血清は、接種前、1回目と2回目の接種の間(20日目)、および2回目の接種後(31日目)に採取した。各群の個体内で誘導されたV型特異的IgGのレベルはELISAで測定し、図27A〜27Dにまとめた。図27Aに示すように、低投与量のGBS V-TTワクチンによって誘導されたV型特異的IgGのレベルは、接種から31日後において0.01〜1μg/mlであった。対照的に、ミョウバンを添加することにより、V型特異的IgGのレベルは、10〜100μg/mlに上昇した(図27B)。同様に、ミョウバンを添加しない高投与量のGBS V-TTワクチンによって誘導されたV型特異的IgGのレベルは、0.01〜0.05μg/mlであった(図27C)が、ミョウバンを添加した高投与量ワクチンでは、IgGレベルは10〜100μg/mlに達した。これらのデータから、ミョウバンは、ほ乳類体内におけるGBSコンジュゲートワクチンに対する免疫応答を増強できる。
実施例13:新生児へのチャレンジに対する、受動母性免疫を介した防御
母性免疫および新生児チャレンジのマウスモデルを利用し、GBS脱シアル酸化V型糖コンジュゲートワクチンを接種したアカゲザルから採取した血清を用いた受動免疫により、イン・ビボ(in vivo)での防御効率を調査した。このモデルは、ローデワルド(Rodewald)ら、J.Infect.Dis.,166(3):635-639(1992)に記載されている。概説すると、妊娠しているCD-1マウス(一群3匹)に対し、次の血漿サンプルのうちのひとつを0.5ml、腹腔内に単回投与した:GBS V-TTワクチンを接種して免疫した3匹のアカゲザルから採取した血清をプールしたもの;GBS脱シアル酸化V-TTを接種して免疫した3匹のアカゲザルから採取した血清をプールしたもの;標準ヒト参照血清のプール(SHRSIII;陽性対照);または、接種前のアカゲザル血漿のプール(陰性対照)。各血清/血漿プール中のGBS V型特異的IgGの濃度を表4に示す。
母性免疫および新生児チャレンジのマウスモデルを利用し、GBS脱シアル酸化V型糖コンジュゲートワクチンを接種したアカゲザルから採取した血清を用いた受動免疫により、イン・ビボ(in vivo)での防御効率を調査した。このモデルは、ローデワルド(Rodewald)ら、J.Infect.Dis.,166(3):635-639(1992)に記載されている。概説すると、妊娠しているCD-1マウス(一群3匹)に対し、次の血漿サンプルのうちのひとつを0.5ml、腹腔内に単回投与した:GBS V-TTワクチンを接種して免疫した3匹のアカゲザルから採取した血清をプールしたもの;GBS脱シアル酸化V-TTを接種して免疫した3匹のアカゲザルから採取した血清をプールしたもの;標準ヒト参照血清のプール(SHRSIII;陽性対照);または、接種前のアカゲザル血漿のプール(陰性対照)。各血清/血漿プール中のGBS V型特異的IgGの濃度を表4に示す。
血清は、出産の2〜3日前にマウスに投与した。このモデルにおけるマウスの50%致死量の40倍の量(40×LD50)のGBS(CJB111株)を用い、出生日に、子に対してチャレンジを行った。生後48時間における、GBSチャレンジに対する生存率を表5に示す。表5に示すように、GBS脱シアル酸化V-TTを用いて免疫したアカゲザルから採取した血清を用いて行った妊娠個体への受動免疫は、致死量のGBSからの子の防御に有効であった。脱シアル酸化V-TTで誘導したアカゲザル由来の血清による防御は、V-TTで誘導したアカゲザル由来の血清によるそれと同等であった。
実施例14:新生児へのチャレンジに対する、能動母性免疫を介した防御
上の実施例13に記載した母性免疫および新生児チャレンジのマウスモデルを用い、イン・ビボ(in vivo)での能動免疫効果を評価した。雌のDC-1マウスに、V-TTまたは脱シアル酸化V-TTを0日目および21日目の2回投与した。各回とも、0.8μgのPSを水酸化アルミニウムに吸着させた糖コンジュゲートとして投与した。別の組の雌のマウスには、対照として生理食塩水および水酸化アルミニウムを投与した。免疫されたマウスとして出生した子に対し、出生日に、このモデルにおけるマウスの50%致死量の40倍の投与量(40×LD50)のGBS(CJB111株)を用いてチャレンジを行った。生後48時間における、GBSチャレンジに対する生存率を表6に示す。これらのデータは、GBS脱シアル酸化V-TTを用いた雌を動免疫することにより、致死量のGBSからそれらの子が防御されることを示している。脱シアル酸化V-TTを用いた能動免疫による防御は、V-TTを用いた能動免疫によるそれと同等であった。
上の実施例13に記載した母性免疫および新生児チャレンジのマウスモデルを用い、イン・ビボ(in vivo)での能動免疫効果を評価した。雌のDC-1マウスに、V-TTまたは脱シアル酸化V-TTを0日目および21日目の2回投与した。各回とも、0.8μgのPSを水酸化アルミニウムに吸着させた糖コンジュゲートとして投与した。別の組の雌のマウスには、対照として生理食塩水および水酸化アルミニウムを投与した。免疫されたマウスとして出生した子に対し、出生日に、このモデルにおけるマウスの50%致死量の40倍の投与量(40×LD50)のGBS(CJB111株)を用いてチャレンジを行った。生後48時間における、GBSチャレンジに対する生存率を表6に示す。これらのデータは、GBS脱シアル酸化V-TTを用いた雌を動免疫することにより、致死量のGBSからそれらの子が防御されることを示している。脱シアル酸化V-TTを用いた能動免疫による防御は、V-TTを用いた能動免疫によるそれと同等であった。
その他の実施態様
多数の実施態様について記載してきたが、本発明の意図および範疇において、多様な修飾を行えることは明かである。従って、その他の実施態様も本発明の請求項の範囲に含まれる。
多数の実施態様について記載してきたが、本発明の意図および範疇において、多様な修飾を行えることは明かである。従って、その他の実施態様も本発明の請求項の範囲に含まれる。
多様な図面中の同様な記号は、同様な要素を示している。
Claims (71)
- (a)B群連鎖球菌(GBS)修飾V型多糖類;および
(b)該多糖類と共有結合した部分;を含むことを特徴とする抗原性組成物。 - 前記多糖類は、多糖類から側鎖末端のシアル酸残基を除去する条件下で処理することによって修飾されていることを特徴とする請求項1記載の組成物。
- 前記多糖類は、緩和な酸性条件下で処理することによって修飾されていることを特徴とする請求項2記載の組成物。
- 前記多糖類は、GBS 脱シアル酸化V型多糖類であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
- 前記多糖類は、骨格から三糖類側鎖を除去する条件下で処理することによって修飾されていることを特徴とする請求項1記載の組成物。
- 前記多糖類は、脱シアル酸化、脱アセチル化および脱アミノ化を順に行うことによって修飾されていることを特徴とする請求項5記載の組成物。
- 前記多糖類は、GBS脱アミノ化V型多糖類であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
- 前記部分は、ポリペプチドであることを特徴とする請求項1記載の組成物。
- 前記ポリペプチドは、細菌性ポリペプチドであることを特徴とする請求項8記載の組成物。
- 前記ポリペプチドは、細胞表面のまたは分泌された細胞性ポリペプチドであることを特徴とする請求項9記載の組成物。
- 前記ポリペプチドは、GBSポリペプチドであることを特徴とする請求項9記載の組成物。
- 前記ポリペプチドは、テテリン(Tettelin)ら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA.,99(19):12391-12396,2002)によって確認された遺伝子によってコードされているGBS V型ポリペプチドであることを特徴とする請求項11記載の組成物。
- 前記GBSポリペプチドは、Cタンパク質αポリペプチド、GBS Cタンパク質βポリペプチド、εポリペプチド、Rタンパク質、α様タンパク質、B群連鎖球菌1の表面タンパク質(spb1)、spb2、ラミニン結合タンパク質(Lmb)、C5aペプチダーゼ、基質接着(Ema)ポリペプチド、およびそれらの抗原性フラグメントより成る群から選択されることを特徴とする請求項11記載の組成物。
- 前記組成物が、2個、3個、4個または5個の異なるポリペプチドを含むことを特徴とする請求項8記載の組成物。
- 前記ポリペプチドは、細菌性毒素またはトキソイドであることを特徴とする請求項9記載の組成物。
- 前記ポリペプチドが破傷風トキソイドであることを特徴とする請求項15記載の組成物。
- 前記ポリペプチドがジフテリアトキソイドであることを特徴とする請求項15記載の組成物。
- 前記ポリペプチドは、ジフテリア突然変異タンパク質交差反応物質(CRM197)であることを特徴とする請求項15記載の組成物。
- 前記多糖類は、分子量が少なくとも1キロダルトン(kD)であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
- 前記多糖類は、分子量が少なくとも25kDであることを特徴とする請求項19記載の組成物。
- 前記多糖類は、分子量が少なくとも50kDであることを特徴とする請求項20記載の組成物。
- 0.1〜500μgの多糖類を含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
- 薬剤学的に許容されるキャリヤーをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
- アジュバントをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
- 前記アジュバントは、ミョウバンであることを特徴とする請求項24記載の組成物。
- 少なくともひとつの他の多糖類をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
- 前記少なくともひとつの他の多糖類は、細菌性多糖類であることを特徴とする請求項26記載の組成物。
- 前記細菌性多糖類は、GBS多糖類を含むことを特徴とする請求項27記載の組成物。
- 前記細菌性多糖類は、GBS Ia型、Ib型、II型、III型、IV型、VI型、VII型またはVIII型の多糖類のうちのひとつもしくはそれ以上を含むことを特徴とする請求項28記載の組成物。
- ほ乳類の体内で免疫応答を誘起させる方法であって、該方法は、
(a)B群連鎖球菌(GBS)修飾V型多糖類;および
(b)該多糖類と共有結合した部分
を含む組成物をほ乳類に投与することを含み、それによって、ほ乳類の体内で免疫応答を誘起させることを特徴とする方法。 - 前記多糖類は、多糖類から側鎖末端のシアル酸残基を除去する条件下で処理することによって修飾されていることを特徴とする請求項30記載の方法。
- 前記修飾多糖類は、GBS 脱シアル酸化V型多糖類であることを特徴とする請求項30記載の方法。
- 前記多糖類は、骨格から三糖類側鎖を除去する条件下で処理することによって修飾されていることを特徴とする請求項30記載の方法。
- 前記修飾多糖類は、GBS脱アミノ化V型多糖類であることを特徴とする請求項30記載の方法。
- 前記部分は、ポリペプチドであることを特徴とする請求項30記載の方法。
- 前記ポリペプチドは、細菌性ポリペプチドであることを特徴とする請求項35記載の方法。
- 前記ポリペプチドは、細胞表面のまたは分泌された細胞性ポリペプチドであることを特徴とする請求項36記載の方法。
- 前記ポリペプチドは、GBSポリペプチドであることを特徴とする請求項36記載の組成物。
- 前記GBSポリペプチドは、Cタンパク質αポリペプチド、GBS Cタンパク質βポリペプチド、εタンパク質、Rタンパク質、α様タンパク質、B群連鎖球菌1の表面タンパク質(spb1)、spb2、ラミニン結合タンパク質(Lmb)、C5aペプチダーゼ、基質接着(Ema)ポリペプチド、およびそれらの抗原性フラグメントより成る群から選択されることを特徴とする請求項38記載の方法。
- 前記組成物が、2個、3個、4個または5個の異なるポリペプチドを含むことを特徴とする請求項35記載の方法。
- 前記ポリペプチドは、細菌性毒素またはトキソイドであることを特徴とする請求項36記載の方法。
- 前記ポリペプチドが破傷風トキソイドであることを特徴とする請求項41記載の方法。
- 前記ポリペプチドがジフテリアトキソイドであることを特徴とする請求項41記載の方法。
- 前記ポリペプチドは、CRM197であることを特徴とする請求項41記載の方法。
- 前記多糖類は、分子量が少なくとも1キロダルトン(kD)であることを特徴とする請求項30記載の方法。
- 前記多糖類は、分子量が少なくとも25kDであることを特徴とする請求項45記載の方法。
- 前記組成物を2回またはそれ以上投与することを特徴とする請求項30記載の方法。
- 0.1〜500μgの多糖類を含む前記組成物をほ乳類に投与することを特徴とする請求項30記載の方法。
- 25〜100μgの多糖類を含む前記組成物をほ乳類に投与することを特徴とする請求項48記載の方法。
- 前記組成物は、アジュバントをさらに含むことを特徴とする請求項30記載の方法。
- 前記アジュバントは、ミョウバンであることを特徴とする請求項50記載の方法。
- ほ乳類の体内で抗体応答を誘起することを特徴とする請求項30記載の方法。
- ほ乳類の体内でIgG抗体応答を誘起することを特徴とする請求項52記載の方法。
- ほ乳類の体内で防御応答を誘起することを特徴とする請求項30記載の方法。
- 前記ほ乳類は、GBS細菌感染のリスクを有するものであることを特徴とする請求項30記載の方法。
- 前記ほ乳類は霊長類であることを特徴とする請求項30記載の方法。
- 前記霊長類はヒトであることを特徴とする請求項56記載の方法。
- 前記組成物を成人に投与することを特徴とする請求項57記載の方法。
- 前記組成物を10歳以上のヒトに投与することを特徴とする請求項58記載の方法。
- 前記ヒトは、妊娠していない女性であることを特徴とする請求項59記載の方法。
- 前記組成物を50歳以上のヒトに投与することを特徴とする請求項59記載の方法。
- 前記組成物を70歳以上のヒトに投与することを特徴とする請求項61記載の方法。
- 前記ヒトは妊娠していることを特徴とする請求項59記載の方法。
- 前記組成物は、GBS修飾V型多糖類以外に、少なくともひとつの他の多糖類をさらに含むことを特徴とする請求項30記載の方法。
- 前記少なくともひとつの他の多糖類は、GBS Ia型、Ib型、II型、III型、IV型、VI型、VII型またはVIII型の多糖類を含むことを特徴とする請求項64記載の方法。
- 新生児に抗体を付与する方法であって、該方法は、
(a)B群連鎖球菌(GBS)修飾V型多糖類;および
(b)該多糖類と物理的に結合した部分
を含む抗原性組成物を妊婦に投与することを含むことを特徴とする方法。 - 免疫学的組成物の調製法であって、該方法は、
精製GBS V型多糖類を調製し;
該多糖類の構造を修飾させる条件下において多糖類を処理する
ことを含むことを特徴とする方法。 - 前記多糖類は、多糖類の側鎖の1個もしくはそれ以上の残基を除去する条件下で修飾されたものであることを特徴とする請求項67記載の方法。
- 前記多糖類は、多糖類から側鎖末端のシアル酸残基を除去する条件下で修飾されたものであることを特徴とする請求項68記載の方法。
- 前記多糖類は、多糖類の三糖類側鎖を除去する条件下で修飾されたものであることを特徴とする請求項67記載の方法。
- 請求項66記載の方法に従って得られた抗血清を含む組成物。
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