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JP2008507258A - 連鎖球菌表面抗原i/iiに特異的に結合する二重特異性抗体および前記の使用の方法 - Google Patents

連鎖球菌表面抗原i/iiに特異的に結合する二重特異性抗体および前記の使用の方法 Download PDF

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Abstract

歯周炎や虫歯などの日常的な口腔疾患は受動免疫により効果的に防ぐことができる。本発明は、ネズミモノクローナル抗体Guy's 13の結合特性をベースにしたヒト単鎖Fv(scFv)および二重特異性抗体断片を提供する。親抗体のように、これらの誘導体は特異的にSAI/II、つまり連鎖球菌の表面付着因子に結合し、ヒト二重特異性抗体誘導体は連鎖球菌細胞の凝集を可能にし、口腔疾患に対する受動免疫のための有用な候補の治療剤とならしめる。

Description

虫歯はヒトの最も日常的な感染病である。主な病原因子はミュータンス連鎖球菌としてまとめて記載される連鎖球菌種の群である。(Balakrishnan, et al. (2000) Aust. Dent. J. 45:235-45)。ミュータンス連鎖球菌は前記疾患の主な病原体として特定されてきた。他の多くの疾患と異なり、虫歯は発展途上国ならびに西側でも流行している、それゆえ、製薬会社ならびに医学や歯学の権威者からも重大な関心を集めている。感染初期の第一段階は、バクテリアの適合した受容体への結合であり、治療には理想的な点である。
ミュータンス連鎖球菌からの2つの群のタンパク質がヒト虫歯ワクチンの第一候補の代表となる、接着グリカンを生成し微生物を蓄積できるようにするグルコシルトランスフェラーゼ酵素、および唾液分泌外皮への接着を媒介する細胞表面繊維状タンパクである(Hajishengallis and Michalek (1999) Oral Microbiol. Immunol. 14:1-20)。分子量190kDaの表面提示たんぱく質であるバクテリア接着因子SAI/II(Russell, et al. (1978) Arch. Oral Biol. 23:7-15)はミュータンス連鎖球菌の歯表面への初期の接着において重要な役割を果たす。
ミュータンス連鎖球菌およびソブリナス連鎖球菌のSAI/IIタンパク質を特異的に認識する(Smith and Lehner (1989) supra)ネズミモノクローナル抗体 Guy's 13(Smith and Lehner (1989) Oral Microbiol. Immunol. 4:153-8)は、ヒトでないの霊長類でのミュータンス連鎖球菌の定着化および虫歯の進展を防ぐために成功的に使用されてきた(Lehner, et al. (1985) Infect. Immun. 50:796-9)。該抗体はヒトでの臨床試験においてもまたバクテリアの定着化を防いだ(Ma, et al. (1990) Infect. Immun. 58:3407-14; Ma, et al. (1989) Clin. Exp. Immunol. 77:331-7)。しかしながら、他のネズミ抗体のように、臨床適用で限定されるのは、主にクリアランス比を上昇させアレルギー反応を開始させることができるヒト抗マウス抗体反応(HAMA)のためであるかもしれない(Saleh, et al. (1990) Cancer Immunol. Immunother. 32:185-90)。
ネズミ抗体と関係する問題は、ネズミでの配列をヒトでの同等物に置換する、例えばキメラ化(Mountain and Adair (1992) Biotechnol. Genet. Eng. Rev. 10:1-142)、相補性決定領域(CDR)移植(Kettleborough, et al. (1991) Protein Eng. 4:773-83)およびファージ提示技術を使ったガイド下選択(Beiboer, et al. (2000) J. Mol. Biol. 296:833-49)により克服することができる。さらに、抗体全体よりむしろ抗体断片を使う方が、免疫反応を起こすかもしれない定常領域のいくつかもまた除去する。
抗SAI/II抗体および該断片は、米国特許第5,518,721号、第5,612,031号、第5,854,402号および 国際特許第88/06455号で公開されてきた。該公開では、練り歯磨き、うがい液、チューイングガム、トローチ剤またはゲルの形の抗SAI/II抗体組成物を使う虫歯への攻撃を教示している。
しかしながら、いくつかの可能性のある抗SAI/I抗体を使った虫歯を攻撃する治療が教示されてきているという事実にもかかわらず、従来の抗体に関連する問題を克服し能率的な虫歯の治療に使用できる可変ヒト抗体の生産と存在は同定されていない。
発明の要約
本発明は二重特異性抗体がヒト重鎖可変領域およびヒト軽鎖可変領域で構成される、特異的に連鎖球菌表面抗原I/II (SAI/II)に結合する単離二重特異性抗体を提供する。1つの態様では、重鎖可変領域は配列番号:3、配列番号:5 または配列番号:7 のアミノ酸配列を有する。もう1つの態様では、軽鎖可変領域は配列番号:4、配列番号:6 または配列番号:8 のアミノ酸配列を有する。特別な態様では、二重特異性抗体は重鎖可変領域と軽鎖可変領域の間に位置するショートリンカー配列を含み、配列は配列番号:9 で表される。
特異的に連鎖球菌SAI/IIに結合する二重特異性抗体をエンコードする核酸配列を含むベクター、ならびに同様の物を含むおよび発現することのできる宿主細胞は、本発明のさらなる態様である。
本発明のもう1つの態様は、連鎖球菌に関連した口腔の疾患の予防または治療の方法である。該方法は少なくとも1つの口腔の疾患の徴候または症状を予防または治療するような特異的に連鎖球菌SAI/IIに結合する有効量の二重特異性抗体の投与を含む。
特異的に連鎖球菌SAI/IIに結合する二重特異性抗体を含む組成物およびキットもまた提供されている。
発明の詳細な説明
口腔の病原体であるミュータンス連鎖球菌を認識する抗体は、虫歯を制御し予防する新規な方法を提供する。特異的にミュータンス連鎖球菌のSAI/II表面接着因子に結合するモノクローナル抗体が単離され(Saleh, et al. (1990) supra)、植物において分泌IgA(sIgA)として発現されてきた(Ma, et al. (1998) Nat. Med. 4:601-6)。第2相臨床試験において、該組換え型抗体は初期のバクテリア暴露のあと歯および歯肉を被覆した場合ミュータンス連鎖球菌による口への再定着を防ぐことが示されてきた。sIgAは天然的に唾液中に見られる優勢な形の抗体であるので、ミュータンス連鎖球菌による歯表面への定着を阻害する抗体の局所投与のための適切な形式である。しかしながら、それぞれのsIgAは4つの異なるタイプの10個のポリペプチド鎖を含み、従来の生産システムで大規模に生産するのを難しくさせていた。
代替として、ヒト抗体可変遺伝子ファージ提示ライブリーをベースにしたチェーンシャッフリング法を使って、ネズミGuy's 13抗体のヒト二重特異性抗体誘導体が現在作り出されている。ヒト抗体断片は、バクテリアにおいてscFvおよび二重特異性抗体誘導体で発現され、in vitroでミュータンス連鎖球菌を集めるのに使用された。二重特異性抗体は該バクテリアを集めることができ、それゆえ虫歯を治療または予防する治療剤として有用であった。
大規模な量で発現するのが容易で、組織を容易に貫通し、しばしば好ましからざる、そして通常は過度のエフェクター機能を推進させる定常領域を欠如するので、本発明の二重特異性抗体誘導体は本分野で知られている他の抗体および抗体断片よりも有利に有用である。さらに、本発明の二重特異性抗体はネズミ由来ではないので、ヒト宿主において、急速なクリアランスとなり長期間乏しい治療効果しか導かない免疫反応を起こさせない。虫歯は急性よりむしろ慢性である傾向があるので、ネズミ抗体は長期間の患者にはわずかな利益でしかない。SAI/IIに対するscFvが作られてきたが(Ma, et al. (1990) supra)、scFvは理想的なsIgAの形式に比較して2つの欠点、一価であることおよび不安定さがある。
scFvは一価である、なぜなら重鎖および軽鎖は可動なペプチドリンカーにより結合しており、2つの部分が折り重なり互いに相互作用できるようにするからである。二重特異性抗体を使うことにより、連鎖しているペプチドは短縮され、それゆえ重鎖および軽鎖の可動領域は二重体を作るよう相互作用し、scFvを使用することによる不利は克服される。さらに、該相互作用の結果として、二重特異性抗体は親イムノグロブリンのように二価であり、それゆえ結合の親和力は増加してきた。
説明した方法により、ネズミモノクローナル抗体Guy's 13を基とするヒトscFv抗体断片を、連続した2周期の可変領域シャッフリングおよびファージライブラリー選択を使って作成した。はじめに、キメラのscFvを、ネズミGuy's 13重鎖可変領域を増幅し、ヒト軽鎖可変領域ファージ提示ライブラリーに挿入することにより作り出した。結果として生じたファージ提示法ライブラリーは5×105の複雑度を有する。適切な結合能を有する一本鎖のFv抗体断片を、精製し固定化したSAI/II抗原で抽出した。3周期の選択を実行し特有の候補となる抗体をELISA法で同定した。その後のシークエンスにより、5つの抗体断片(chimscFvA1、chimscFvA6、chimscFvA9、chimscFvB4およびchimscFvG4)を産生した。
ヒト可変遺伝子のシークエンスにより、chimscFvA6およびchimscFvB4の2つのクローンが、HK137と同一のchimscFvA6クローンおよびL12生殖系列遺伝子ファミリーと同一のchimscFvB4とともにVκ1ファミリーに属することが示された。chimscFvA9はVκ4 DPκ24ファミリーに属する。chimscFvA1およびchimscFvG4はVλ3 DPL16ファミリーに属する。Inhibition ELISA法により、6つ全てのキメラscFvのSAI/IIへの結合がGuy's 13ネズミモノクローナル抗体により阻害されうることが示された。キメラscFv A6、A9、B4およびC6の結合はおよそ80%阻害されており、エピトープ認識が維持されたことを示唆している(図1)。キメラscFv A1およびG4の結合はおよそ30%しか阻害されておらず、該抗体は異なるエピトープを認識したことを示唆している。
選択したヒトVL遺伝子をVHライブラリー(複雑度8×108)に導入し、複雑度1×106の組み合わせのライブラリーを構築した。3周期の選択を溶液中で常磁性ビーズと結合したSAI/II抗原を使って実行した。11のヒトscFvをELISA法で同定した。その後のシークエンス解析により、huscFv B10、huscFv D12およびhuscFv H6クローンの3つのヒトscFvを同定した。図2はヒトscFv抗体断片のアミノ酸配列を示す。キメラscFv A6(Vκ1 HK137)でのヒトVL領域をそれぞれヒトscFvであるB10およびH6を産生する2つの異なるヒト可変重鎖と組み合わせて選択した。
ヒトscFv B10(配列番号:3)のVH領域は、VH1ファミリーのDP10と同一であり、ヒトscFv H6(配列番号:7)のVH領域は、VH3ファミリーのDP35と同一である。キメラscFv B4(Vκ1 L12)(配列番号:6)でのヒトVL領域を、ヒトscFv D12となる1つのヒト可変重鎖と組み合わせて選択した。ヒトscFv D12(配列番号:5)のVH領域はVH5ファミリーであるDP73と同一である。図3は3つのヒトscFvのSAI/II抗原および病原性バクテリアミュータンス連鎖球菌への結合を示す。Inhibition ELISA法により、3つ全てのヒトscFvのSAI/IIへの結合が Guy's 13により阻害されていることが示され、エピトープ認識が維持されていることが示唆された。
組換え抗体断片は高結合能および特異性の安定な多重結合のオリゴマーに集合するように設計することができる (Kortt, et al. (2001) Biomol. Eng. 18:95-108)。3〜12残基のリンカーにより結合したscFv分子は、機能的Fv領域に収めることができず、代わりに第2scFv分子に接着する二価の二量体を形成するように結合する (二重特異性抗体、約60kDa)。細胞表面抗原にクロスリンクするためには、二つ以上の結合部分が必要である。二重特異性抗体は前記の用件を満たすことができる、最小の二価の抗体分子である。ヒトscFv B10、D12およびH6、ならびにネズミscFv Guy's S13からの可変重鎖および軽鎖遺伝子のPCR増幅(表2)、および単位複製配列を2つの連続する段階で10個のアミノ酸残基リンカーをを含むベクターpHenIXdiaに挿入することでヒト二重特異性抗体を構築した。
クローンの完全性はシークエンス配列化により確認し、結合活性はSAI/II抗原およびミュータンス連鎖球菌細胞の両方を使ったELISA法により示された(図4)。F(ab')2誘導体は虫歯に対する保護をするが、一価のFab断片は保護しないため、ネズミGuy's 13 の二価の結合が保護に必要である(Ma, et al. (1990) supra)。ミュータンス連鎖球菌は、マウス二重特異性抗体Guy's 13およびヒト二重特異性抗体D12の存在下で生育する場合は用量依存性の様式で集合するようになったが、しかしながら、ヒト二重特異性抗体は明らかに同様の濃度ではGuy's 13よりも優れていた。それゆえ、連鎖球菌SAI/IIに結合するヒト二重特異性抗体の産生で、結合親和性の明らかな損失はないように見えた。
その結果、本発明はモノクローナル抗体Guy's 13のヒト可変領域を含む二重特異性抗体で、特異的に連鎖球菌SAI/IIに結合し連鎖球菌細胞の集合を容易にする前記二重特異性抗体に関するものである。連鎖球菌SAI/IIに結合する二重特異性抗体は、特にミュータンス連鎖球菌およびソブリナス連鎖球菌からのSAI/IIと生理学的に相互作用してSAI/IIの付着因子機能を遮断し、それゆえ連鎖球菌の宿主へのコロニー化を妨げる、設計された抗体である。本発明の二重特異性抗体はGuy's 13の可変領域に由来するため、前記二重特異性抗体はミュータンス連鎖球菌およびソブリナス連鎖球菌のコロニー化を妨げるのに有用であるということが予期される。
ここで使う二重特異性抗体という用語は、結合抗体の結合領域(重鎖および軽鎖の両方)を分離し、同じポリペプチド鎖の重鎖および軽鎖に結合または作動可能に連鎖する結合部位を提供し結合機能を保持することにより設計された抗体構築を指し、詳細はHolliger et al. (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:6444 and reviewed by Poljak (1994) Structure 2:1121-1123に記載されている。本質的に、本形態は完全に変異した抗体であり、抗原の結合に必要な可変領域のみを有する。短かいために同じ鎖の2つの領域の間を共合できないようなリンカーを使うことにより、領域は余儀なく他のもう1つの鎖の相補的な領域と結合し、2つの抗原接着部位を作る。前記2量体の抗体断片または二重特異性抗体は、二価であり二重特異性である。
例えば Holliger, et al. (1993) supra, Poljak (1994) supra, Zhu, et al. (1996) Biotechnology 14:192-196および米国特許第6,492,123号ならびに該参考文献により本明細書に組み込まれるように、二重特異性抗体を産生するいかなる方法をも使うことができることは明らかである。ひとたび産生されると、結合特異性は例えば均衡論的な方法(例えば、酵素連鎖免疫吸着法(ELISA法)または放射免疫測定(RIA))あるいは動力学(例えばBIACORE(商標)解析)により決定することができる。代替的に、二重特異性抗体を潜在性または薬学的な活性、および治療剤としての潜在的な効能を評価するために、他の生物学的活性法、例えばバクテリア集合またはコロニー化法に図ることができる。前記の方法はここで開示するもの、および当業者によく知られているものである。
ヒト可変領域を含む二重特異性抗体の産生は、本出願の例の章でさらに記述されている。
ここで記述する二重特異性抗体は、モノクローナル抗体Guy's 13の同じエピトープを認識すると限定はせず、米国特許第5,518,721号、第5,612,031号および第5,854,402号ならびに国際特許第88/06455号で記述されている抗SAI/II抗体などの他の抗SAI/II抗体の可変領域を含んでもよいということは明らかである。
本発明の二重特異性抗体は特異的にSAI/IIに結合するのであるが、当業者が享受できるものとして、二重特異性抗体は異なる選択性の2つのscFvもまた含めることができる。例えば、本発明の二重特異性抗体は、一方の結合手でSAI/IIに結合することができ、もう一方の結合手で接着グリカンまたは他のいかなる分子などの他のもう1つの分子を同時に標的してもよい。
本発明の1つの態様で、SAI/IIに結合する二重特異性抗体は、D12と命名された、配列番号:5のヒト重鎖可変領域および配列番号:6の軽鎖可変領域を含む二重特異性抗体である(図2)。もう1つの態様では、SAI/IIに結合する二重特異性抗体は、B10と命名された配列番号:3のヒト重鎖可変領域および配列番号:4の軽鎖可変領域を含む二重特異性抗体である。さらなる態様では、SAI/IIに結合する二重特異性抗体は、H6と命名された配列番号:7のヒト重鎖可変領域および配列番号:8の軽鎖可変領域を含む二重特異性抗体である。
特別な態様において、本発明の二重特異性抗体の重鎖および軽鎖可変領域は、リンカー配列により結合または作動可能に連鎖する。リンカーは、アミノ酸が少なくすぎてある鎖のVL領域がその鎖のVH領域と組み合わされない短いペプチドにすることができる。これは10個未満のアミノ酸、例えば、5個、4個、3個、2個または1個である。ある場合では、9個、8個、7個または6個のアミノ酸が適合する。いくつかの場合では、「−1」であってもよい、例えば、VHおよびVL領域が直接互いに連鎖しているが、それらのうち1つがアミノ酸を欠失している場合である。ある場合では、ひとつまたは両方の領域からの2つ以上のアミノ酸の削除は実行可能であってもよい。本発明の二重特異性抗体での使用に適合したリンカーは、限定こそしないが、Thr-Gly-Gly-Gly-Ser-Ser-Ala-Leu (配列番号:9)、Ser-Val-Asp-Gly-Gly-Gly-Gly-Ser-Val-His (配列番号:10)、Gly-Gly-Gly-Gly-Ser (配列番号:11)および米国特許第6,492,123号で開示されるリンカーを含む。
本発明は、本発明の二重特異性抗体をエンコードする核酸配列を含むベクターおよび宿主細胞もまた含む。
二重特異性抗体の組換え体を生産するために、該二重特異性抗体をエンコードする核酸配列を単離し、さらなるクローニング(該DNAの増幅)または発現のために複製可能なベクターに挿入した。本発明の二重特異性抗体をエンコードする核酸配列は、旧来の手順を使って簡単に単離し、シークエンス化した(例えば、ここで開示する、SAI/II二重特異性抗体の重鎖および軽鎖をエンコードする遺伝子に特定的に接着できるようにするオリゴヌクレオチドプローブを使うことにより)。多くのベクターが使用可能である。ベクター成分は一般的に、限定こそしないが、1つまたは2つ以上の以下に挙げるものを含む:シグナル配列、複製開始点、1つまたは2つ以上のマーカー遺伝子、エンハンサー要素、プロモーターおよび転写終了配列。
本発明の二重特異性抗体は、組換え技術により、直接的にだけでなく、シグナル配列または生成タンパク質もしくはポリペプチドのN末端に特異的な切断部位を持つ他のポリペプチドである、異種のポリペプチドとの融合ポリペプチドとして作ることができる。選択した異種のシグナル配列は、該して、宿主細胞により認識され加工(たとえば、シグナルペプチダーゼにより切断)される。原核生物の宿主細胞では、シグナル配列は、例えば、アルカリホスファターゼ、アルカリホスファターゼ、ペニシリナーゼ、lppまたは熱安定性エンテロトキシンIIの先端部を含んでもよい。酵母の分泌では、酵母インベルターゼ、アルファ因子(サッカロミセス属およびクリヴェロミセス属のアルファ因子先端部を含む)または酸性ホスファターゼから、カンジダ・アルビカンスグルコアミラーゼ先端部もしくは国際特許第90/13646号に記載のシグナルを配列化する。哺乳類細胞発現では、例えば単純ヘルペスgDシグナルのようなウイルス分泌先端部、ならびに、哺乳類シグナル配列が使用可能である。前記前駆体アミノ酸配列の核酸配列は、二重特異性抗体をエンコードする核酸配列に読み枠で束縛されている。
発現およびクローニングベクターの両方は、ベクターが1つまたは2つ以上の選択した宿主細胞において複製できるようにするような核酸配列を含む。一般的に、クローンニングベクターにおいて、前記配列はベクターが宿主染色体DNAから独立して複製できるようにするものであり、複製開始点または自己複製配列を含むものである。前記配列はさまざまなバクテリア、酵母およびウイルスでよく知られている。pBR322プラズミドからの複製開始点は、ほとんどのグラム陰性バクテリアに適合しており、2μプラズミドの複製開始点は酵母に適合しており、さまざまなウイルスの複製開始点(SV40、ポリオーマ、 アデノウイルス、VSV または BPV)は哺乳類細胞でのベクターのクローニングに有用である。一般的に、複製成分開始点は哺乳類発現ベクターでは必要とはされない(初期のプロモーターを含むので、SV40開始点のみを典型的に使ってもよい)。
発現およびクローニングのベクターは、選択マーカーとも呼ばれる選択遺伝子もまた含むことができる。典型的な選択遺伝子は抗生物質や他の毒素、例えばアンピシリン、ネオマイシン、メトトレキサート、またはテトラサイクリン、補体栄養請求性欠陥、に対する耐性を持つタンパク質をエンコードし、もしくは合成物の媒体からは得ることのできない重大な栄養素、例えば病原菌のD-アラニンラセマーゼ、をエンコードする遺伝子を供給する。
選択スキームの1つの例で、宿主細胞の成長を引き止める薬剤を利用している。異種の遺伝子との形質転換に成功した細胞は、薬剤耐性を持つタンパク質を産生し、このようにして選別段階を生き残る。前記優性選択の例では、ネオマイシン、ミコフェノール酸およびハイグロマイシンを使う。
哺乳類細胞に適合した選択可能なマーカーの他の1つの例は、DHFR、チミジンキナーゼ、メタロチオネイン-Iおよび-II、アデノシンデアミナーゼ、オルニチンデカルボキシラーゼなどの二重特異性抗体の核酸配列を持つことができる細胞の識別を可能にするものである。
例えば、DHFR選択遺伝子と形質転換した細胞は、はじめにDHFRの競合的アンタゴニストであるメトトレキセート(Mtx)を含む培養培地中で全ての形質転換体を培養することにより識別される。天然型DHFRを用いた場合の適切な宿主細胞は、DHFR活性を欠失したチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株である。
代替的に、二重特異性抗体、天然型DHFRタンパク質、アミノグリコシド−3’‐ホスホトランスフェラーゼ(APH)などの他の選択可能なマーカーをエンコードする核酸配列と形質転換または同時形質転換した宿主細胞(特に内因性DHFRを含む天然型宿主)を、アミノグリコシドの抗生物質、例えばカナマイシン、ネオマイシンまたはG418などの選択可能なマーカーのための選択剤を含む培地での細胞成長により選択することができる。米国特許第4,965,199号を参照のこと。
酵母での使用に適合した選択遺伝子は、酵母プラズミドYRp7に存在するtrp1遺伝子である(Stinchcomb, et al. (1979) Nature 282:39)。trp1遺伝子はトリプトファンでの成長能力を欠失する、例えばATCC第44076番またはPEP4-1酵母の変異株の選択マーカーを提供する(Jones (1977) Genetics 85:12)。酵母宿主細胞ゲノムでtrp1障害が存在すると、トリプトファンの欠失下での細胞による形質転換を同定するのに効果的な環境が提供される。類似して、Leu2欠失酵母株(ATCC第20,626号または第38,626号)は、Leu2遺伝子を産生する既知のプラズミドにより補完される。
加えて、1.6μmの環状プラズミドpKD1に由来するベクターはキラー酵母の形質転換に使うことができる。代替的に、組換ウシキモシンの大規模産生のための発現系がキラー酵母を対象に発表された(Van den Berg (1990) Bio/Technology 8:135)。キラーの工業用菌株による成熟組換ヒト血清アルブミンの分泌のための安定した多コピー発現ベクターもまた公開されている(例えば、Fleer, et al. (1991) Bio/Technology 9:968-975 を参照のこと)。
発現およびクローニングベクターは、通常、宿主の器官に認識され、二重特異性抗体の核酸配列に作動可能に連鎖するプロモーターを含む。原核生物の宿主との使用に適合したプロモーターは、phoAプロモーター、β−ラクタマーゼおよび乳糖プロモーターシステム、アルカリホスファターゼ、トリプトファン(trp)プロモーターシステムおよびtacプロモーターなどの合成物プロモーターを含む。しかしながら、他の既知のバクテリアのプロモーターが適合する。バクテリア系での使用のためのプロモーターもまた、二重特異性抗体をエンコードするDNAに作動可能に連鎖したShine-Dalgarno配列を含むであろう。
プロモーター配列は、真核生物では既知である。酵母宿主との使用に適合した促進配列は、3−ホスホグリセレートまたは、エノラーゼ、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホ−フルクトキナーゼ、グルコース-6-リン酸イソメラーゼ、3-ホスホグリセリン酸ムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼおよびグルコキナーゼなどの他の解糖作用の酵素のためのプロモーターを含む。
増殖状態により制御した転写に追加的に有利である、誘導可能なプロモーターの他の酵母プロモーターは、アルコール脱水素酵素2、イソシトクロムC、酸性ホスファターゼ、および、窒素代謝、メタロチオネイン、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、ならびに、麦芽糖およびガラクトースの使用に関与する酵素に関連する分解可能な酵素に対するプロモーター領域である。酵母での発現で使用に適合したベクターおよびプロモーターは、さらに欧州特許第73,657号に記述されている。酵母エンハンサーもまた酵母プロモーターとともに有利に使用される。
哺乳類宿主細胞におけるベクターからの抗体の転写は、例えば、ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス 、アデノウイルス(例えばアデノウイルス 2)、ウシ乳頭腫ウイルス、トリ肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルスと最も望ましくはシミアンウイルス40(SV40)などのウイルスのゲノムから得られた、例えばアクションプロモーターおよびイムノグロブリンプロモーターなどの異種の哺乳類のプロモーターからの、熱ショックプロモーターからの、宿主細胞系と適合するようなプロモーターにより制御される。
初期および末期のSV40ウイルスのプロモーターは、SV40ウイルスの複製開始点もまた含むSV40制限断片として都合よく得られる。ヒトサイトメガロウイルスのごく初期のプロモーターは、HindIII制限断片として都合よく得られる。ベクターとしてウシ乳頭腫ウイルスを使ったヒト宿主におけるDNAを発現する系は、米国特許第4,419,446号で公開されている。代替的に、ラウス肉腫ウイルス末端配列反復をプロモーターとして使うことができる。
本発明の二重特異性抗体をエンコードする高次の有核生物からのDNAの転写は、エンハンサー配列をベクターに挿入することによりしばしば増加する。現在哺乳類遺伝子(グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α‐フェトプロテインおよびインシュリン)からの多くのエンハンサー配列が知られている。しかしながら、典型的には真核生物細胞ウイルスからのエンハンサーが使用される。例としては、複製開始点の末期側のSV40エンハンサー(bp 100-270)、サイトメガロウイルスの初期のプロモーターエンハンサー、複製開始点の末期側の乳頭腫エンハンサーおよびアデノウイルスエンハンサーを含む。真核生物のプロモーターの活性化に対するエンハンス要素に関しては、Yaniv (1982) Nature 297:17-18 もまた参照のこと。エンハンサーをベクターに5'または3'部位で二重特異性抗体エンコード配列に継ぎ足すことができるが、しかし、概してプロモーターの5'部位から配置させている。
真核生物の宿主細胞(酵母、菌類、昆虫、植物、動物、人間または他の多細胞生物体からの核のある細胞)で使用される発現ベクターはまた、転写の終結およびメッセンジャーRNAの安定化に必要な配列を含むであろう。前記配列は一般的に5'側、時に3'側の真核生物またはウイルスのDNAまたはcDNAの非翻訳部位から使うことができる。前記部位は抗体をエンコードするメッセンジャーRNAの非翻訳部位におけるポリアデニル化された断片として転写されるヌクレオチド断片を含む。有用な転写終結構成要素の1つは、ウシ成長ホルモンポリアデニル化領域である。国際特許第94/11026号およびそこで開示される発現ベクターを参照のこと。
本発明の二重特異性抗体を植物から発現させ単離できると考えることもまたできる。植物細胞においては、発現系はしばしば組換え体TiまたはRiプラズミドベクター系から由来する。共同結合クラスのシャトルベクターにおいて興味を引く遺伝子は、植物の形質転換に必要とされるシス反応性およびトランス反応性要素の両方を含む非発癌性のTiプラズミドへ遺伝子的な組換えにより挿入されている。例となるベクターは pMLJ1シャトルベクター(DeBlock, et al. (1984) EMBO J. 3:1681-1689)および非発ガン性TiプラズミドpGV2850(Zambryski, et al. (1983) EMBO J. 2:2143-2150)を含む。2元系においては、興味の遺伝子は植物の形質変換に必要なシス反応性要素を含むシャトルベクターへと挿入されている。他の必要な機能は非発ガン性Tiプラズミドによりトランスで提供される。例となるベクターは pBIN19シャトルベクター(Bevan (1984) Nucl. Acids Res. 12:8711-8721)および非発癌性Tiプラズミド pALL4404(Hoekema, et al. (1983) Nature 303:179-180)を含む。
植物発現系で使用されるプロモーターは典型的に植物細胞のゲノム(例えば、熱ショックプロモーター、RUBISCOの小サブユニットに対するプロモーター、クロロロフィルa/b結合タンパク質に対するプロモーター)または植物ウイルス(例えば、CaMVの35S RNAプロモーター、TMVの外殻タンパク質プロモーター)由来である。
該ベクターでの二重特異性抗体の核酸配列のクローニングまたは発現に適合した宿主細胞は、原核生物、酵母または上記で記述した高次の真核生物細胞である。この目的に適合した原核生物は、枯草菌およびリケニホルミス菌(例、DD 266,710で開示されたリケニホルミス菌41P)などの桿菌、緑膿菌などのシュードモナスおよびストレプトミセスならびにグラム陰性またはグラム陽性菌などの真正細菌、エシェリキア属(例、大腸菌)などの腸内細菌科、エンテロバクター属、エルウィニア属、クレブシエラ属、プロテウス、サルモネラ属(例、ネズミチフス菌)、セラシア属(例、霊菌)および赤痢菌を含む。大腸菌B、大腸菌X1776 (ATCC 31,537)および大腸菌W3110 (ATCC 27,325)などの他の株が適合するのではあるが、典型的な大腸菌クローニング宿主は大腸菌294 (ATCC 31,446)である。前記の例は限定というよりは説明的なものである。
原核生物に加えて、糸状菌または酵母などの真核生物の微生物は二重特異性抗体エンコードベクターに適合するクローニングまたは発現の宿主である。サッカロマイセス・セレヴィシエ、または一般的なパン酵母は、低度の真核生物宿主の微生物の間では最も一般的に使用される。しかしながら、シゾサッカロミセス・ポンベ、例えばキラー酵母、K. fragilis(ATCC 12,424)、K. bulgaricus(ATCC 16,045)、K. wickeramii(ATCC 24,178)、 K. waltii(ATCC 56,500)、K. drosophilarum(ATCC 36,906)、K. thermotoleransおよびK. marxianusなどのクリヴェロミセス宿主、yarrowia(EP 402,226)、Pichia pastoris(EP 183,070)、カンジダ菌、Trichoderma reesia(EP 244,234)、Neurospora crassa、Schwanniomyces occidentalisなどのSchwanniomyces、および例えばアカパンカビ, ペニシリウム属, Tolypocladium属などの糸状菌、ならびに A. nidulansおよびA. nigerなどのアスペルギルス属宿主など多くの他の種、属および株が一般的に使用可能であり好都合である。
多細胞生命体における二重特異性抗体の表現に適合する宿主細胞は、植物および昆虫細胞などの無脊椎動物細胞を含む。多数のバキュロウイルスの株および変異体、ならびにSpodoptera frugiperda(毛虫)、Aedes aegypti(蚊)、Aedes albopictus(蚊)、Drosophila melanogaster(ショウジョウバエ)およびカイコなどの宿主からの対応する慣用的な昆虫宿主細胞が同定されてきた。トランスフェクションのためのさまざまなウイルス株、例えばAutographa californica NPVのL-1変異体、およびBm-5株のカイコNPVが世間的に使用可能である。
綿、とうもろこし、イモ、大豆、ツクバネアサガオ、トマト、バナナおよびタバコの植物および植物セルラインもまた、宿主として使うことができる。
しかしながら、脊椎動物細胞への興味が大きくなってきており、培養(組織培養)での脊椎動物細胞の増殖は所定の手順になってきている。便利な哺乳類宿主細胞の例は、SV40で形質転換したサル腎臓CV1ライン(COS-7, ATCC CRL 1651)、ヒト胚腎臓ライン(293または懸濁培養での生育のためにサブクローン化した293、Graham, et al. (1977) J. Gen Virol. 36:59)、幼児ハムスター腎臓細胞(BHK, ATCC CCL 10)、チャイニーズハムスター卵巣細胞/-DHFR (CHO, Urlaub, et al. (1980) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216)、マウスセルトリ細胞(TM4, Mather (1980) Biol. Reprod. 23:243-251)、サル腎臓細胞(CV1 ATCC CCL 70)、アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO-76, ATCC CRL-1587)、ヒト子宮頸癌細胞(HELA, ATCC CCL 2)、イヌ腎臓細胞(MDCK, ATCC CCL 34)、buffalo rat 肝臓細胞(BRL 3A, ATCC CRL 1442)、ヒト肺細胞(W138, ATCC CCL 75)、ヒト肝細胞(Hep G2, HB 8065)、マウス乳腺腫瘍(MMT 060562, ATCC CCL51)、TRI細胞 (Mather, et al. (1982) Annals NY Acad. Sci. 383:44-68)、MRC5細胞、FS4細胞およびヒト肝臓癌ライン(Hep G2)である。
宿主細胞は、上記の二重特異性抗体産生のための発現またはクローニングベクターで形質転換され、プロモーターを誘導する、形質転換体を選択する、または所望の配列をエンコードする遺伝子の増幅に適するように変更した旧来の栄養媒体中で培養される。
本発明の抗体の変異体を産生するために使用される宿主細胞は、多種の媒体中で培養されてもよい。Ham's F10 (Sigma, St. Louis, MO)、Minimal Essential Medium (MEM、(Sigma), RPMI-1640 (Sigma))および Dulbecco's Modified Eagle's Medium (DMEM, Sigma)などの商用的に利用できる媒体は、宿主細胞の培養に適合する。加えて、Ham, et al. (1979) Meth. Enz. 58:44、Barnes, et al. (1980) Anal. Biochem. 102:255、米国特許第4,767,704号、第4,657,866号、第4,927,762号、第4,560,655号または第5,122,469号、国際特許第90/03430号、国際特許第87/00195号、あるいは米国特許第RE 30,985号で述べられる媒体のいずれも宿主細胞の培養の媒体として使うことができる。前記の媒体のいずれも必要に応じて、ホルモンおよび/または他の成長因子(インシュリン、トランスフェリン、または表皮成長因子など)、塩(塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウムおよびリン酸塩)、バッファー(HEPESなど)、ヌクレオチド(アデノシンおよびチミジンなど)、抗生物質(ゲンタマイシンなど)、微量元素(通常、最終濃度がマイクロモラー範囲で存在する無機化合物として定義される)、およびグルコース、あるいは同等のエネルギー源を補充することができる。他のいかなる必要な補充物も、また、当業者の知る適切な濃度で含めることができる。温度、pH、および同様な培養条件は発現のために選択した宿主細胞で以前使用されたものであり、通常の技量を有する者には明らかであろう。
組換え技術を使うとき、二重特異性抗体を細胞内に、ペリプラスムスペースに、または培地へと直接分泌するように産出することができる。二重特異性抗体を細胞内に産出する場合、第一段階として、粒子の破片、宿主細胞または分解した断片が、例えば遠心または限外ろ過により除去される。Carter, et al. (1992) Bio/Technology 10:163-167は大腸菌のペリプラスマスペースに分泌された抗体を分離する手順を述べている。つまり、細胞のペーストは酢酸ナトリウム(pH 3.5)、EDTAおよびphenylmethylsulfonylfluoride(PMSF)の存在下約30分以上で細胞ペーストを融解する。細胞の破片は遠心により取り除くことができる。二重特異性抗体が培地へと分泌された場合、前記発現系からの上澄みは一般的にまず商用的に使用可能なタンパク質濃縮フィルタ、例えば、AmiconまたはMillipore Pellico限定ろ過ユニットを使って濃縮される。PMSFのなどのプロテアーゼ阻害剤をタンパク質分解を阻害するために前記の工程のいずれかに含めることができ、外来の汚染物質を除去するために、抗生物質を含めることができる。
細胞から調製される二重特異性抗体組成物は、例えば水酸燐灰石クロマトグラフィー、ゲルクロマトグラフィー、ゲル電気英同、透析または親和性クロマトグラフィーを使って精製できる。親和性リガンドが接着する基質はほとんどの場合アガロースだが、他の基質も使用可能である。制御された細孔性ガラスまたはポリ(スチレンジビニル)ベンゼンなどの機械的に安定した基質はアガロースで達成できるよりも早い流量およびより短い処理時間を可能にする。イオン交換カラムでの分別、エタノール沈降、逆相HPLC、シリカのクロマトグラフィー、ヘパリンセファロースクロマトグラフィー、陰イオンまたは陽イオン交換樹脂のクロマトグラフィー(ポリアスパラギン酸カラムなどの)、クロマト分画、SDS-PAGEおよび硫酸アンモニウム沈降などの他のタンパク質精製の技術もまた使用可能である。
ここで公開するヒト二重特異性抗体誘導体はミュータンス連鎖球菌を凝集させることができ、口腔疾患に対する受動免疫への有用な候補の治療剤となる。それゆえに、二重特異性抗体の治療的な組成物または剤は本発明のさらなる態様である。本発明の二重特異性抗体を哺乳類の口の中にある歯へ、いかなる便利な方法でも適用することができる。多数の方法がさまざまな素材で、さまざまな目的で歯の治療に使用可能である。治療が歯科手術により実行されるとなる場合、二重特異性抗体は歯の表面に塗ることにより便利に適用されるように製剤化することができる。
二重特異性抗体を自己適用する場合、二重特異性抗体を練り歯磨き、うがい液、チューイングガム、トローチ剤またはジェルに含めることができ、定期的なブラッシングの間に適用され、または二重特異性抗体を個々の治療として製剤化し包装することができ、定期的なブラッシング時間の前、後、および/または実施中に分けて投与することができる。トローチ剤を使用する場合は結果としてより頻繁に二重特異性抗体を適用することができるのであるが、練り歯磨きなどからの自己適用の方法の場合結果としておそらく毎日繰り返し適用される。本目的のためには、チューイングガムおよびゲルはある量の二重特性抗体を1時間半またはそれ以上の期間にわたって供給するとしてもよく、実際、二重特異性抗体の持続した放出が必要な場合、口の中で見受けられる温度または唾液状態などの結果として、剤からの口の中への抗体の遅い放出を起こさせるような適切な剤を使うことができる。
ある場合において、二重特異性抗体の歯へのより形式的な持続した接触が望ましいかもしれなく、そのような場合、二重特異性抗体組成物で被覆した歯を覆い二重特異性抗体が例えば唾液により定められた期間に剥がれるのを防ぐような適切な歯のトレーまたは接着細片を使うことができる。本発明の二重特異性抗体の治療的投与のための剤は、所望の程度の純度を持つ二重特異性抗体を、付加的な生理学的に認容される搬送体、賦活剤あるいは安定剤を確立した方法にしたがって混ぜることにより調製することができる(Remington: The Science and Practice of Pharmacy, Alfonso R. Gennaro, editor, 20th ed. Lippingcott Williams & Wilkins: Philadelphia, PA, 2000)。
認容できる搬送体、賦活剤または安定剤は用いる用量および濃度では被投与者には無害であり、リン酸、クエン酸および他の有機酸などのバッファー;抗酸化剤;保存料;低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチンまたは他のイムノグロブリンなどのタンパク質;親水性ポリマー;アミノ酸;ブドウ糖、単糖類、二糖類およびグルコース、マンノースもしくはデキストリンを含む他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤:糖;塩を形成する対イオン;金属錯体(例えば、亜鉛タンパク質複合体);および/またはTWEEN、PLURONICSまたはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤を含む。
二重特異性抗体組成物は1つより多い活性のある分子を、作動可能に連鎖して、もしくは作動可能に連鎖させないどちらかで、必要に応じて特別な適応症を治療するためとして、特に互いに逆に作用しないような相補的な活性を持つものを含めることができる。例えば、本発明の二重特異性抗体組成物と組み合わせて、もしくは一部としてさらに抗生物質を供給することは望ましいかもしれない。そのような分子は、意図する目的に効果的な量で組み合わせて、適切に存在する。
本発明の他の態様において、ここで公開する二重特異性抗体は治療剤、たとえばグルコースオキシダーゼまたはデフェンシンに作動可能に連鎖できる(例えば、Maisetta, et al. (2003) Antimicrob. Agents Chemother. 47:3349-3351を参照のこと)。ここで使う、作動可能に結合するまたは作動可能に連鎖するということは、二重特異性抗体および治療剤がともに接続するもしくは接合するということを意味する。二重特異性抗体および治療タンパク質の場合、それらは同じ連続的なmRNA配列から翻訳されることにより作動可能に連鎖できる。代わりに、二重特異性抗体および治療剤はここで開示するようなリンカーを介して共有的に接着できる。さらに、抗生物質などの治療剤は、本発明の二重特異性抗体のリシンの側鎖アミノ基にアミド結合を介して結合できる。
本発明のさらなる態様は、ミュータンス連鎖球菌およびソブリナス連鎖球菌などの連鎖球菌に関連した口腔疾患を防ぐ、または治療する方法である。該方法は、少なくとも1つの徴候もしくは症状(細菌定着)、あるいは当業者により決定される疾患の他の指標を改善又は除外することにより口腔疾患を阻害もしくは拮抗して改善を達成する、有効量の本発明の二重特異性抗体の投与を含む。二重特異性抗体または二重特異性抗体組成物は、良い医学的な慣例に従い、個々の患者の臨床的な状態、投与の部位と方法、投与スケジュール、患者の年齢、性別、体重および医療実施者に知られている他の要素を考慮に入れて、投与または投薬される。
二重特異性抗体の局所的投与は、最も実施されている投与の過程である。二重特異性抗体が歯の表面に接触するように提供され、理想的には歯の全ての平滑面および咬合面に投与されることが重要である。
概して、投与される二重特異性抗体の正確な量は重大ではないように思われる、なぜなら、この種類の方法では、二重特異性抗体の繰り返し投与は困難ではなく、実際、特に歯科手術による初期の治療の後は維持または追加療法を所望のいかなる頻度でも使用者により実施することができるためである。説明した方法に従うと、10〜500μグラム単位のどこかの二重特異性抗体をそれぞれの歯に、二重特異性抗体を投与するそれぞれの機会に投与することができるが、この範囲外の量の二重特異性抗体を本課題に対し不利益を起こさずに投与することができる。不十分な量の二重特異性抗体を使用するということは、保護のレベルはそうでない場合に得られるであろうほど大きなものではないということを意味し、一方、過度の量の二重特異性抗体の使用は、保護の改善をせず、単に二重特異性抗体の不必要な使用という結果になるだけである。
二重特異性抗体のための正確な剤は致命的に重大な問題ではないが、用いる投与方法および使用者の利便性に全面的に依存する。全ての場合において、二重特異性抗体を適切なpHおよび他の有害なタンパク質の劣化を起こさせるような素材のない環境で製剤化されることが重要であり、前記製剤はもちろん対象の口腔内で有害であろう微生物の不純物もまたないようにするべきである。例えば、歯科手術での使用のためには、二重特異性抗体は、100μlの液体あたり0.1から10μgの範囲のどこかの二重特異性抗体を含む単純な水性の分散として製剤化することができ、前記濃度の液体は、歯1本あたり1から10μgの割合で歯に適用できる。二重特異性抗体が自己投与のために製剤化される場合、上記のガイドライン、自己投与のそれぞれの機会に普通摂取するような製剤の量、および二重特異性抗体の過投与が有害とならないような事実を考慮して濃度を選ぶことができる。
該二重特異性抗体は、診断方法においても、例えば虫歯でSAI/II発現連鎖球菌細胞の存在を同定するためにもまた有用であるかもしれない。
診断投与のためには、二重特異性抗体は典型的に同定可能な部分とラベル化されるであろう。一般的に以下のカテゴリーにグループ化できるラベルが使用可能である:放射性同位体、蛍光ラベル、またはさまざまな酵素−基質ラベル。
放射性同位体は、35S、14C、125I、3Hおよび131Iなどである。二重特異性抗体は例えばCurrent Protocols in Immunology, Volumes 1 and 2, Coligen et al., Ed. Wiley-Interscience, New York, N.Y., Pubs. (1991)で述べられている技術を使って放射性同位体でラベル化することができ、放射能活動性はシンチレーションカウントを使って測定できる。
希土類のキレート(ユーロピウムキレート)または蛍光色素およびその誘導体、ローダミンおよびその誘導体、ダンシル、リサミン(Lissamine)、フィコエリトリンおよびテキサスレッドなどの蛍光ラベルが使用可能である。例えばCurrent Protocols in Immunology, supraで公開されている技術を使って、蛍光ラベルを二重特異性抗体に結合できる。蛍光性は蛍光色素計を使って定量化できる。
さまざまな酵素−基質ラベルが使用可能であり、米国特許番号4,275,149はこれらのうちいくつかの概説を提供している。酵素は一般的に、さまざまな技術を使って測定できる発色性基質の化学的変性を触媒する。例えば、酵素は基質における色変化を触媒してもよく、分光光度法で測定できる。代替的に、基質の蛍光性または化学発光を変えてもよい。蛍光性の変化を定量化する技術は上に述べられている。
化学発光基質は化学反応により電気的に励起され、測定できる(例えば、化学照度計を使って)光を発してもよく、もしくは蛍光受容体にエネルギーをもたらす。酵素ラベルの例は、ルシフェラーゼ(例えば、ホタルルシフェラーゼおよびバクテリアルシフェラーゼ;米国特許番号4,737,456)、ルシフェリン、2,3−ジヒドロフタルアジネヂオン、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ウレアーゼ、ホースラディッシュペルオキシラーゼ(HRPO)などのペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、リゾチーム、サッカライドオキシダーゼ(例えばブドウ糖オキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼおよびグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ)、複素環オキシダーゼ(ウリカーゼおよびキサンチンオキシダーゼなど)、ラクトペルオキシダーゼ、マイクロペルオキシダーゼ、および同様のものを含む。酵素を抗体に混合する技術はO'Sullivan et al., Methods for the Preparation of Enzyme-Antibody Conjugates for use in Enzyme Immunoassay, in Methods in Enzymology (ed J. Langone & H. Van Vunakis), Academic press, New York, 73:147-166 (1981)で述べられている。
時には、ラベルは二重特異性抗体と間接的に混合する。当業者はこれを達成するためのさまざまな技術に気付くであろう。例えば、該二重特異性抗体をビオチンと結合することができ、上で述べた3つの広い分類をアビジンと結合することができ、逆もまた同様である。ビオチンは選択的にアビジンに結合し、このようにしてラベルを二重特異性抗体とこの間接的な方法で結合できる。代替的に、ラベルの二重特異性抗体との間接的な結合を達成するために、二重特異性抗体を小さなハプテン(例えば、ジゴキシン)と結合し、上で述べた異なる種類のラベルの1つを抗ハプテン抗体変異体(例えば、抗ジゴキシン抗体)と結合する。このようにして、間接的な二重特異性抗体とのラベルの間接的な結合を達成できる。二重特異性抗体は、また、例えば組換えタンパク質としてのアルカリフォスファターゼへと直接融解できる。
本発明のもう1つの態様において、二重特異性抗体はラベル化される必要がなく、その存在は二重特異性抗体に結合するラベル化した抗体を使って同定できる。
本発明の二重特異性抗体は、競合結合法、直接および間接サンドイッチ法、および免疫沈降法などの既知のアッセー方法のいかなるものに用いることができる(Zola, Monoclonal Antibodies: A Manual of Techniques, pp.147-158 (CRC Press, Inc. 1987))。
利便性の問題として、本発明の二重特異性抗体をキットで、つまり診断の分析を実施するための手引きでの規定量のパッケージ化された試薬の組み合わせで提供することができる。二重特異性抗体を酵素でラベル化する場合、キットは酵素により必要とされる基質および補酵素を含むであろう(例えば、同定可能な色素または蛍光を提供する基質前駆体)。加えて、安定剤、バッファー(例えば、ブロックバッファー、またはライシスバッファー)および同類のものなどの添加剤を加えてもよい。さまざまな試薬の相対的な量は検査の感度を十分に最適化する剤の溶液中濃度を提供するために広く異なってもよい。特に、溶解して適切な濃度を有する剤の溶液を提供する、腑活剤を含む、通常は冷凍乾燥した乾燥粉末で剤を提供してもよい。
以下の非限定的な例により、本発明を詳細に記述する。
例1:ミュータンス連鎖球菌の増殖
ミュータンス連鎖球菌20523血清群cをDSMZ(Braunschweig, Germany)から購入し、S2封じ込め研究室でtrypticase soy酵母抽出培養液(30g/L trypticase soy培養液、3g/L酵母抽出液、pH7.0〜7.2)で使用前に2日間37℃で培養した。
例2:spaG遺伝子のクローニング
SAI/II抗原をエンコードするspaG遺伝子のヌクレオチド214-3048(Bleiweis, et al. (1990) Arch. Oral Biol. 35 Suppl:15S-23S)をSfiI/NotI断片であるpUC18から分離し、同じ酵素で分解されるバクテリア表現ベクターpCantab5E(Pharmacia, Freiburg, Germany)およびpSin1(Amersdorfer and Marks (2000) Methods Mol. Biol. 145:219-40)へ挿入した。pCantab5Eベクターは、モノクローナル抗体5E(Pharmacia)を使った発現タンパク質の同定を可能にするE-tagをエンコードする付加的な配列を含有した。pSin1ベクターも同様にネズミモノクローナル抗体9E10(ATCC CRL 1729)での同定を可能にするMYC-tag、ならびに固定化金属キレートアフィニティークロマトグラフィー(IMAC)による表現タンパク質の精製およびネズミPenta-HIS抗体(Qiagen, Hilden, Germany)を使った同定をできるようにするHis6タグをエンコードする配列を含む。pSin1を使って発現したSAI/IIをファージ提示ライブラリーからの抗体の選択に使用した。pCantab5Eで表現したSAI/IIを酵素免疫測定法(ELISAs)に使用した。
例3:常磁性粒子のSAI/IIでのコート
ファージ提示抗体の選択のために、250μLのPBS洗浄したダイナビーズ(Dynabeads) (Dynal Biotech GmbH, Hamburg, Germany)を、500μLの0.1Mのリン酸バッファー(pH7.4)に再懸濁し2分間緩やかに混ぜた。ビーズを磁石で収集し、上澄みを廃棄し、ビーズを250μLの同様のバッファー中で再懸濁し、引き続いて500μLのSAI/II抗原を添加した。遅い傾斜回転で37℃で16時間培養したのち、ビーズを磁石で収集し、上澄みを捨てた。被覆されたビーズを4回、つまり、0.13Mの塩化ナトリウムで2回;0.01Mリン酸バッファー(pH7.4)中の0.1Mミルクパウダーで5分間4℃;0.2M Tris-HCl(pH8.5)で4時間37℃で1回洗い、同様のバッファーで再び5分間4℃で洗浄した。
例4:pSin1中のscFv Guy's 13のクローニング
ネズミモノクローナル抗体Guy's 13の可変領域遺伝子を、オリゴヌクレオチドプライマーLMB3(5'-CAG GAA ACA GCT ATG AC-3'; 配列番号:12)およびfdSeq 1 (5'-GAA TTT TCT GTA TG/AG GG-3'; 配列番号:13)を使って増幅し、引き続いてSfiIおよびNotIで分解した。生成物をファージミドベクターpSin1に挿入し、同様の酵素で処理し、組換えベクターを大腸菌TG1株へ導入した。
例5:ヒトSAI/II特異性scFv抗体
ネズミ抗体Guy's13の可変重鎖領域を、純粋なヒト末梢血リンパ球(8×10)由来の軽鎖抗体ファージ提示ライブラリーを含むバクテリアの表現ベクターpHenIXでのSfiI/SalI断片としてクローン化した。このベクターは、フィラメント状のバクテリオファージM13のマイナーコートタンパク質とのN末端での融合として抗体断片を発現するように作られたファージミドベクターpHen1(Hoogenboom, et al. (1991) Nucl. Acids Res. 19:4133-7)をベースにしている。2つの融合パートナーの間の黄信号のストップコドンにより、可溶な抗体断片およびファージ粒子提示組換え抗体の両方の発現ができた。組換えベクターを大腸菌TG1株に導入した。
確立した方法に従い、不動化したSAI/II抗原を使って3周期の選択を実施した(Marks, et al. (1991) J. Mol. Biol. 222:581-97)。同様のエピトープを認識するバインダーを選択するモノクローナル抗体Guy's 13を使って、溶離は達成された。可溶scFvの発現を標準の方法を使って実行し(Marks, et al. (1991) supra)、SAI/II抗原に対するscFvの仕様をSAI/II抗原を使ったELISA法で同定した。シャッフルしたヒト軽鎖の選択した可変抗体領域遺伝子をヒト可変重鎖ライブラリー(8×10)を含有するpHenIXにおけるApaLIおよびNotI断片としてクローン化し、大腸菌TG1株に導入した。これは、Vκ4 ApaLIプライマー(5'-TGA GCA CAC AGT GCA CTC GAC ATC GTG ATG ACC CAG TCT CC-3'; 配列番号:14)、Vκ1 ApaLIプライマー(5'-TGA GCA CAC AGT GCA CTC GAC ATC CAG ATG ACC CAG TCT CC-3'; 配列番号:15)およびJκ1 NotIプライマー(5'-GAG TCA TTC TCG ACT TGC GGC CGC ACG TTT GAT C/TTC CAC/G CTT GGT CCC-3'; 配列番号:16)を使ったヒト軽鎖遺伝子のPCR増幅により達成された。
ダイナビーズ上に固定化されたSAI/II抗原を使って、3周期の選別を実施した。簡潔には、150μgのSAI/IIコートビーズを1時間2mLの2%ミルクパウダーでブロックした。ビーズを磁石で収集し、PBS中で洗い、1時間のあいだ回転テーブル上で抗体ファージ提示ライブラリーと共に培養した。結合していないファージを除去するために、ビーズを15分間PBS/0.05%TWEEN 20で15回およびPBSで15回洗った。結合したファージを100μLの100mMトリエタノラミンで10分間ターンテーブル上で溶出し、引き続いて200μL、1MTris/HCl(pH8.0)で中和した。溶出したファージを指数関数的に増殖する大腸菌TG1への感染に使用し、100μgmL-1アンピシリン、1%ブドウ糖を含有するTYEプレートで30℃で一晩増殖した。溶解scFv発現の選別、ファージ取り出しおよび誘導を標準の方法(Marks, et al. (1991) supra)を使って実施した。抗原特異性ヒトscFv断片を、SAI/II抗原を使ったELISA法により同定した。
例6:ファージ提示抗体ライブラリーの増殖
1リットルの2x TY(100 μgのmL-1アンピシリン、1%ブドウ糖を添加)をファージ抗体ライブラリーのグリセロールストックの分量で接種した。ファージの取り出しと誘導は原則的に確立された方法で実施した(Marks, et al. (1991) supra)。ファージミド取り出しを1010ユニットのヘルパーファージVCSM13 (Pharmacia)を増殖ファージ抗体ライブラリーに添加して実施した。培養培地を100μg/mLアンピシリンおよび25μg/mLカナマイシンを含有する2xTYに変え、オービタルシェイカー上で一晩30℃および25rpmで培養した。ファージは2度PEG沈降(20% PEG、2.5 M 塩化ナトリウム)で精製し、最終量の2mL PBSで再懸濁した。ファージはさらなる使用までは4℃で貯蔵した。
例7:DNAのシークエンシング
特異なクローンの数はLMB3プライマー(5'-CAG GAA ACA GCT ATG AC-3'; 配列番号:12)およびfdSeq 1プライマー(5'-GAA TTT TCT GTA TG/AG G-3'; 配列番号:13)を使った組換え抗体挿入のPCR増幅により決定し、引き続き制限酵素BstNIで分解した(New England Biolabs, Beverly, MA)。それぞれの制限パターンの2つのクローンからの可変抗体遺伝子は、製造者の指示に従い(LI-COR, Lincoln, NE)赤外線でラベル化したプライマーを使ってPCRサイクル配列化によって解析した。シークエンス化反応をLI-COR自動DNAシーケンサー(4000L)で実施し、配列はSEQUENCHER 3.1(Gene Codes Corporation, Ann Arbor, MI)を使って解析した。VHおよびVL遺伝子の配列はV-BASEデータベース(http://www.mrccpe.cam.ac.uk/vbase-ok.php?menu=901; Tomlinson et al., MRC Centre for Protein Engineering, Cambridge, UK)の生殖細胞系列と比較した。
例8:二重特異性抗体の構築
二重特異性抗体(Holliger, et al. (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:6444-8)の構築は、ヒトscFvクローンの可変重鎖および軽鎖抗体領域のPCR増幅およびpHenIXdiaベクター中のこれらのサブクローニングにより実行した。可変重鎖および軽鎖抗体領域からなる二重特異性抗体構築は10アミノ酸のリンカー(Thr-Gly-Gly-Gly-Ser-Ser-Ala-Leu; 配列番号:9)により連鎖し、溶液中で2つの抗原結合部位を作る相補的な鎖に発現部位を接着させた。二重特異性抗体フォーマットの構築のために使用されるプライマーをTable 1に掲載する。
Figure 2008507258
Figure 2008507258
である。
例9:大規模な組換えタンパク質生産
0.5mMの最終濃度のIPTGでの3〜4時間30℃での誘発(Breitling, et al., (1991) Gene 104:147-153)に引き続き、組換えタンパク質をバクテリアペリプラズマから回収した。遠心(4000 x g、4℃, 30分)ののち、沈殿を20%スクロース、1mM EDTAを含む10mLの30mM Tris-HCl(pH 8.2)で再懸濁し、氷上で15分間培養し、上のように遠心した。沈殿を10mLの5mM MgSO、1mM EDTAに再懸濁し、最終遠心段階前に上のように215分氷上で培養した。上澄みは双方ともに蓄えて、PBSで透析して4℃で貯蔵した。組換えタンパク質はまた浸透圧下、互換性のある溶質の存在下で、ペリプラズマにおいて発現した(Barth, et al. (2000) Appl. Environ. Microbiol. 66:1572-9)。簡潔には、バクテリアは一晩26℃で、100μg/mL アンピシリンおよび0.5 mMZnClを含有するTerrific Broth (TB) (12g/L bacto-tryptone、24g/L bacto-yeast-extract、4mL/L グリセロール)中で増殖した。
培養物は200mLの同様の培地に30倍で希釈した。培養物の光学密度600nmが2.0に達したとき、0.5Mのソルビトール、4%のNaCl、40mMグリシンベタインを補充し、26℃でさらに30〜60分培養した。発現は1mM最終濃度のIPTGおよび6時間26℃での増殖で誘発された。細胞は30,000 x g、10分間の遠心で集めた。組換え抗体断片を上記に記載のペリプラスムスペースから分離した。ペリプラズムおよび浸透圧ショックの分画は、貯蔵してPBSで透析した。フェニルメチルスルフォニルフルオライド(PMSF)を最終濃度1mMで加えた。
例10:組換えタンパク質の精製
ヒトscFvおよび二重特異性抗体の抗体の断片を、既知の方法に従いHis6タグを使ったIMACで精製した(Griffiths, et al. (1994) EMBO J. 13:3245-3260)。簡潔には、10mLのカラム(BIO-RAD Polyprep chromatography columns)に500μLのNi-NTA樹脂(Qiagen)を詰め、組換えタンパク質の充填の前に5カラム用量のPBSで洗浄した。カラムを10mMイミダゾールを含む10カラム用量のPBSで洗浄した。結合タンパク質を250mMイミダゾールで溶出し、1mLの分画で収集した。タンパク質濃度はA 280 nm = 1が0.7mg/mLのscFvまたは二重特異性抗体濃度であると仮定して、光度分析分析により決定した。さらなる精製にはゲルろ過を使用した。SEPHADEX 200カラム(Pharmacia)をPBSで平衡化した。scFvまたは二重特異性抗体の抗体の分画を充填し、1mL/分で流した。アプロチニン(6500 Da)、シトクロムC(12,400 Da)、炭酸脱水酵素(29,000 Da)、BSA (66,000 Da)およびデキストランブルー(2,000,000 Da)を分子量の基準として使用した(Fluka, Buchs, Switzerland)。
例11:酵素免疫測定法(ELISA)
ミュータンス連鎖球菌、SAI/II抗原またはウシ血清アルブミン(BSA)をELISAプレート(Nalge Nunc International, Rochester, NY)上にPBS中1〜10μgの濃度で一晩4℃でコートした。プレートをPBSで3度洗浄し、PBS中2%のミルクパウダーで室温で2時間ブロックした。scFvは1ウェルあたり1μgまたは100μLの濃度でオーバーナイト誘導培養で試験した。MYCタグを含む組換え抗体はネズミ9E10モノクローナル抗体(ATCC CRL1729)で同定した。His6タグを含む抗体はネズミ抗Penta-HIS抗体(Qiagen)を使って同定した。ネズミ抗体はヤギ抗ネズミ(Fc特異性)ペルオキシキシダーゼラベル化抗体で同定した。試験は3,3',5,5'−テトラメチルベンジジン(TMB)(Sigma, St. Louis, MO)で展開した。反応は20分後の硫酸の添加により停止させ、光学密度450nmでの読み取りをした。それぞれの培養の段階の間には、プレートはPBS/0.05%TWEEN 20で3回、PBSで3回洗浄した。
例12:ミュータンス連鎖球菌の凝集
培養したミュータンス連鎖球菌を20μLの分画に分け、細菌で発現された組換え抗体の連続希釈とともに2日間4℃でまたは1時間37℃でLab-Tek IIチャンバースライド(Nagle Nunc International)上で培養した。過剰の培地を捨て、細胞を空気乾燥した。バクテリアはグラム溶液(Diagnostica Merck, Darmstadt, Germany)で対比染色した。スライドはImmunofluor培地(ICN Biomedicals, Inc., Costa Mesa, CA)でマウントし、Zeiss Axioskob免疫蛍光顕微鏡で撮影した。
キメラのscFv(mGuy13VH/huVL; A1, A6, A9, B4, C6, and G4)のSAI/IIへのモノクローナルAb Guy13による結合の阻害を示す図である。 ヒトscFv抗体断片のアミノ酸配列を示す図である。 ヒトscFvのSAI/IIおよびミュータンス連鎖球菌への結合(B10、D12、およびH6)を示す図である。 ヒト二重特異性抗体(B10、D12、およびH6)のSAI/IIおよびミュータンス連鎖球菌への結合を示す図である。

Claims (12)

  1. 連鎖球菌表面抗原I/IIに特異的に結合する単離二重特異性抗体であって、該二重特異性抗体が、ヒト重鎖可変領域およびヒト軽鎖可変領域を含む単離二重特異性抗体。
  2. 重鎖可変領域が配列番号:3、配列番号:5または配列番号:7のアミノ酸配列を有する、請求項1に記載の単離二重特異性抗体。
  3. 軽鎖可変領域が配列番号:4、配列番号:6または配列番号:8のアミノ酸配列を有する、請求項1に記載の単離二重特異性抗体。
  4. さらに重鎖可変領域および軽鎖可変領域の間に位置するショートリンカー配列を含む、請求項1に記載の単離二重特異性抗体。
  5. 該リンカーが配列番号:9を含む、請求項4に記載の単離二重特異性抗体。
  6. さらに前記二重特異性抗体に操作的に連鎖した治療剤を含む、請求項1に記載の単離二重特異性抗体。
  7. 請求項1に記載の二重特異性抗体をエンコードする核酸配列を含むベクター。
  8. 請求項7に記載のベクターを含む宿主細胞。
  9. 請求項7に記載のベクターを含み、同様のものを発現できる宿主細胞。
  10. 請求項1に記載の二重特異性抗体を含む組成物。
  11. ひとつ以上の口腔の疾患の兆候または症状を予防または治療するような有効量の請求項1に記載の二重特異性抗体の投与を含む、連鎖球菌に関連した口腔疾患を予防または治療する方法。
  12. 請求項1に記載の二重特異性抗体を含む、虫歯を診断するキット。
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