JP2008310160A - 眼鏡レンズ及び眼鏡レンズの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】乱視軸Xと、乱視軸Xと直交する交差軸Yとでピッチが異なる回折構造4を眼鏡レンズ1に設けた。この回折構造4を同心上に形成された複数の楕円形から構成した。眼鏡レンズ1の乱視合成面における乱視軸Xの方向と乱視軸Xに直交する交差軸Yの方向との曲率半径の差異を、回折構造4により付与された非点収差分小さくすることができる。そのため、乱視補正のために、眼鏡レンズ1に大きな非点収差を付与する場合でも眼鏡レンズ1の周縁部の厚みの差を減少させることができる。
【選択図】図1
Description
この眼鏡レンズでは、矯正すべき乱視の程度を大きくするために、互いに直交する2方向の曲率の相違を大きくするが、この曲率の相違に伴って眼鏡レンズの縁部分の厚みが大きく相違することになる。
この従来例の眼鏡レンズは、光軸に対して回転対称な段差からなる回折構造を有するものである。
この回折構造は、同心円上に形成された段差から構成されており、この段差のピッチはレンズの中心から離れるに従って小さくなる。
つまり、特許文献1で示される従来例では、回折構造は全て光軸に対する同心輪帯で構成されており、局所的に非点収差を付与した乱視の補正には対応できないという課題がある。
この構成の発明では、レンズの乱視合成面における乱視軸方向と乱視軸に交差する交差軸方向との曲率半径の差異を、回折構造により付与された非点収差分小さくすることができる。そのため、レンズの周縁部の差異が減少し、外観が改善され、レンズの薄型・軽量化が達成される。
この構成の発明では、乱視軸と交差軸との間での度数変化が滑らかになるので、眼鏡の使用者に目の疲れを生じさせることがない。
この構成の発明では、通常、眼球側面は球面、非球面、トーリック面、累進面が別途、加工されることがあるので、物体側面に回折構造を設ければ、眼球側面の加工の有無にかかわらず非点収差の補正を行うことができる。
この構成の発明では、回折構造によって凹レンズ効果が生じるために、大きな非点収差を付与することができる。そのため、乱視軸と交差軸とのレンズ周縁部の差異をより小さくすることができる。
この構成の発明では、所定形状の山形形状を眼鏡レンズに形成するだけで非点収差を補正できる眼鏡レンズを容易に製造することができる。
この構成の発明では、乱視を補正するように眼鏡レンズに非点収差を付与する。
この構成の発明では、回折構造の上にコーティング層を形成したから、回折構造がコーティング層により保護されることになり、眼鏡レンズの耐久性を確保することができる。
この構成の発明では、リソグラフィという簡易な手法でレンズ型に転写形状を形成し、この転写形状をレンズ型でレンズを製造する際に眼鏡レンズ自体に転写させて回折構造を容易に成形することができる。
この構成の発明では、予め回折構造を眼鏡レンズブランクの物体側面に形成しておくので、処方にかかわらず、眼鏡レンズブランクの共通化を図ることができる。
まず、本実施形態にかかる眼鏡レンズ1の構造を図1から図4に基づいて説明する。本実施形態は乱視補正用であって、図1及び図2は眼鏡レンズ1を凹レンズとした例であり、図3及び図4は眼鏡レンズ1を凸レンズとした例である。
図1と図3は、それぞれ眼鏡レンズ1を正面から見た模式図である。図2と図4は、眼鏡レンズ1の断面図であって、(A)は全体を示す断面図であり、(B)は(A)の矢視Bで示される部分の拡大断面図である。
プラスチックレンズ基材2は、そのコーティング層3と面する面、つまり、物体側面に回折構造4が形成され、眼球側面にトーリック面5が形成されている。なお、図2及び図4において、左側が物体側であり、右側が眼球側である。図2は凹レンズを示すものであるため、プラスチックレンズ基材2の眼球側面のカーブが物体側面のカーブに比べて深く形成されている。図4は凸レンズを示すものであるため、プラスチックレンズ基材2の眼球側面のカーブが物体側面のカーブに比べ浅く形成されている。
コーティング層3はアリルジグリコールカーボネート、その他の合成樹脂材料であって屈折率がn1であり、この屈折率n1はプラスチックレンズ基材2の屈折率n2とは同一ではない。
このコーティング層3の表面には必要に応じて図示しないプライマー層、ハードコート層、並びに反射防止層が形成されている。これらの層は、公知の素材を使用することができる。
隣り合う山形形状部4Aのピッチは乱視軸Xに沿ったピッチPsとこの乱視軸Xと直交する交差軸Yに沿ったピッチPs+cとでは異なるものであり、これらのピッチPs,Ps+cは光軸Zに近い部位より光軸Zから離れてレンズ周縁部に向かうに従って小さくなる。そのため、回折構造4の平面視は光軸Zを同心とする複数の楕円形の輪帯格子である。
回折構造4を構成する山形形状部4Aは、それぞれ光軸Zと略平行な立上面4A1と、この立上面4A1と連続して形成される傾斜面4A2とから構成されている。
回折構造4が光軸Zと平行に入射した光束が光軸Zから離隔するような凹レンズ効果を生じるようにするために、傾斜面4A2は、その垂直線分と光軸Zとの交点が眼鏡レンズ1より物体側(図2及び図4中左側)になるように形成されている。
そして、コーティング層3の材料をアリルジグリコールカーボネート(n1=1.50)とし、プラスチックレンズ基材2をチオウレタン系樹脂(三井化学株式会社MR-8、n2=1.60)とする。回折構造4で与える光路長差mを1波長(m=1)とする。
以上の条件での具体的な格子厚dは、d≒5.46μmである。
また、コーティング層3の材料をアリルジグリコールカーボネート(n1=1.50)とし、プラスチックレンズ基材2をエビスルフィド系樹脂(三井化学株式会社MR-174、n2=1.74)とする。回折構造4で与える光路長差を1波長(m=1)とする。
以上の条件での具体的な格子厚dは、d≒2.28μmである。
Ps:乱視軸方向のピッチ
Ps+c:乱視軸と直交する方向のピッチ
λ0=546.07nm(基準波長として水銀灯e線)
Ax:乱視軸方向
Φs:乱視軸方向の回折構造による度数
Φs+c:乱視軸と直交する方向の回折構造による度数
Φs=−0.50ディオプター、Φs+c=−1.00ディオプター
なお、「レンズの光軸からの距離」と「その位置におけるピッチの逆数」とをグラフ表示すると図5及び図6のようになる。図5は乱視軸方向における「レンズの光軸からの距離」と「その位置におけるピッチの逆数」との関係を示すグラフであり、図6は乱視軸と直交する方向における「レンズの光軸からの距離」と「その位置におけるピッチの逆数」との関係を示すグラフである。
ここで、乱視軸方向のピッチと乱視軸と直行する方向のピッチは各輪帯において式5の関係にある。
[レンズ型への回折構造形成工程]
後述するように、一対のレンズ型10を備えたモールド15に熱硬化性樹脂を注入してプラスチックレンズ基材2が重合されるが、一対のレンズ型10のうち一方のレンズ型10に、回折構造4と反転する転写形状40を形成しておく。そのため、レンズ型10の内面に感光材を薄く均一に塗付し、パターンを光で焼き付けて転写する。
レンズ型10を用いて組み立てられるモールド成形工程について、図7に基づき説明する。
図7において、チャック12,13で保持された一対のレンズ型10を回転させながらテープ14を一対のレンズ型10の周縁部に巻き付け、このテープ14が一対のレンズ型10の全周面に巻き付けられたら図示しないカッタで所定位置を切断する。これにより、モールド15が成形される。
なお、図7中、符号16はレンズ型10の周面にテープ14を押さえつけるロールである。
プラスチック重合工程を図8に基づいて説明する。図8にはプラスチックレンズ製造装置が示されている。
図8において、プラスチックレンズ製造装置は、モールド15の内部に熱硬化性樹脂を注入する樹脂注入機構20を備えており、この樹脂注入機構20は、モールド15の内部に樹脂原料を供給する供給部21と、供給される樹脂原料の量を制御する制御部22とを有する。
供給部21は、モールド15の内部に樹脂原料を注入するノズル211と、このノズル211の基端部に下端部が接続される樹脂原料流通管212と、この樹脂原料流通管212の上端に接続される原料貯蔵部213とを備えており、樹脂原料流通管212に設けられた注入制御バルブ214で開口量を制御することでノズル211から供給される樹脂原料の量が制御される。
制御部22は、注入制御バルブ214を制御する流量調節部221と、モールド15の内部に樹脂原料が所定位置まで注入されたことを検知するセンサ222及び樹脂原料の流量を切り換えるセンサ224と、これらのセンサ222,224からの信号を受けて流量調節部221を制御する制御部本体223とを備えている。
これにより、プラスチックが重合されるとともにレンズ型10に形成された転写形状40がプラスチックレンズ基材2に転写される。
炉から取り出されたモールド15は、一対のレンズ型10の周面からテープ14が剥がされ、一対のレンズ型10が剥離されてプラスチックレンズ基材2が形成される。このプラスチックレンズ基材2の表面には回折構造4が形成されることになる。
[コーティング層形成工程]
プラスチックレンズ基材2の回折構造4が形成された面にコーティング層3を形成する。そのため、プラスチックレンズ基材2の回折構造4が形成された面に対向して図示しないレンズ型を配置し、このレンズ型とプラスチックレンズ基材2との間にコーティング層3を形成する合成樹脂を流入する。この合成樹脂が硬化した後、レンズ型を外す。
[眼球側面形成工程]
回折構造4とコーティング層3が予め設けられた眼鏡レンズブランクを用意しておき、プラスチックレンズ基材2の回折構造4が設けられた面の反対側、つまり、眼球側面に処方に応じて球面、非球面、トーリック面、累進面を加工する。この加工工程は従来と同様であり、例えば、研削等によって行われる。
その後、眼鏡レンズ1の表面にプライマー層、ハードコート層及び反射防止層を従来と同様の方法で形成する。
(1)乱視軸Xと交差軸Yとでピッチが異なる回折構造4を眼鏡レンズ1に設けたから、大きな非点収差を付与するために乱視軸と交差軸とで曲率の差を大きくする必要がないので、レンズ周縁部の厚さの相違を小さくすることができる。そのため、眼鏡レンズ1にフレームを取り付けたとしても、フレームから眼鏡レンズ1の周縁部の一部がはみ出すことが少なくなり、眼鏡レンズ1の外観が改善される。しかも、眼鏡レンズ1自体の薄型化や軽量化も達成することができる。
(3)回折構造4が物体側面に設けられるから、眼球側面の加工の有無にかかわらず非点収差を付与することができる。
(5)回折構造4は、光軸Zと平行に入射した光束が光軸から離隔するような凹レンズ効果を生じる構成としたので、大きな非点収差を効率的に付与することができる。そのため、乱視軸Xと交差軸Yとのレンズ周縁部の厚みの差をより小さくすることができる。
眼鏡レンズ1の最小厚み条件を表2に示す。ここで、CTは中心厚さであり、単位をmmで示す。minEdgeは最小レンズ縁厚であり、単位をmmで示す。
実施例1は、レンズ全体として負の度数を持つマイナスレンズの場合であり、図1及び図2の眼鏡レンズ1に相当する。
まず、従来と同様に設計した球面設計乱視レンズについて説明する。この球面設計乱視レンズでは、処方度数(S−3.00、C−2.00、Ax180°)を、レンズ外径50mm、ベースカーブ2.00、屈折率1.60(MR-8)のプラスチックレンズ基材を用いて作製する。この際、プラスチックレンズ基材は、その中心厚1.300mm、最小レンズ縁厚2.891mm、最大レンズ縁厚3.985mmとなりレンズ縁厚差が1.094mmとなる。
回折構造4よる凹レンズ効果としてS−0.50、C−0.50、Ax180°を得るため、レンズの度数はS−2.50、C−1.50、Ax180°とした。その時の各部の厚さは、レンズ中心厚が1.400mm、最小レンズ縁厚が2.723mm、最大レンズ縁厚が3.534mmとなり、レンズ縁厚差が0.811mmとなった。つまり、レンズ縁厚差は1.094mmから0.811mmとなり、0.283mmだけ減少する。この結果を表3に示す。
回折構造4の上に形成されるコーティング層3を構成する材料としてアリルジグリコールカーボネート(n1=1.50)を用い、プラスチックレンズ基材2を三井化学株式会社MR-8(チオウレタン系樹脂、n2=1.60)とする。また、回折構造で与える光路長差を一波長とし、基準波長として水銀灯e線 λ0=546.07nm(JIS T7330)を用いる。
この場合、格子厚dは式1から導き出せる。その数値を式7に示す。
実施例2は、レンズ全体として正の度数を持つプラスレンズの場合であり、図3及び図4の眼鏡レンズ1に相当する。
まず、従来と同様に設計した球面設計乱視レンズについて説明する。この球面設計乱視レンズの場合、処方度数(S+3.00、C−2.00、Ax180°)を、レンズ外径50mm、ベースカーブ5.00、屈折率1.60(MR-8)のレンズ基材を用いて作製する。この際、プラスチックレンズ基材は、その中心厚が2.800mm、最小レンズ縁厚が1.234mm、最大レンズ縁厚が2.288mmとなり、レンズ縁厚差が1.054mmとなる。
回折構造4よる凹レンズ効果としてS−0.50、C−0.50、Ax180°を得るため、レンズの度数はS+3.50、C−1.50、Ax180°とした。その時、各部の厚さはレンズ中心厚が3.000mm、最小レンズ縁厚が1.174mm、最大レンズ縁厚が1.961mm、レンズ縁厚差が0.787mmとなった。つまり、レンズ縁厚の差は1.054mmから0.787mmとなって0.267mmだけ減少した。その結果を表4に示す。
回折構造4の上に形成されるコーティング層3を構成する材料としてアリルジグリコールカーボネート(n1=1.50)を用い、プラスチックレンズ基材2を三井化学株式会社MR-8(チオウレタン系樹脂、n2=1.60)とする。また、回折構造で与える光路長差を一波長とし、基準波長として水銀灯e線 λ0=546.07nm(JIS T7330)を用いる。
この場合、格子厚dは式7に示されるものである。
実施例3は、レンズの一方の軸上で正の度数を持ち、直交する他方の軸上では負の度数を持つミックスレンズの場合である。
まず、従来と同様に設計した球面設計乱視レンズについて説明する。この球面設計乱視レンズの場合、処方度数(S+3.00、C−4.00、Ax180°)を、レンズ外径50mm、ベースカーブ5.00、屈折率1.60(MR-8)のレンズ基材を用いて作製する。この際、プラスチックレンズ基材は、その中心厚が2.800mm、最小レンズ縁厚が1.234mm、最大レンズ縁厚が3.366mm、レンズ縁厚差が2.132mmとなる、
回折構造4による凹レンズ効果としてS−0.50、C−0.50、Ax180°を得るため、レンズの度数はS+3.50、C−3.50、Ax180°とした。その時、各部の厚さはレンズ中心厚が3.000mm、最小レンズ縁厚が1.174mm、最大レンズ縁厚が3.025mm、レンズ縁厚差が1.851mmとなった。つまり、レンズ縁厚の差は2.132mmから1.851mmとなって、0.281mmだけ減少した。その結果を表5に示す。
この場合、格子厚dは式7に示されるものである。
例えば、前記実施形態では、回折構造4を同心上に形成された複数の楕円形から構成したが、本発明では、同心上に形成された複数の三角形や同心上に形成された複数の矩形を回折構造としてもよい。
また、必ずしもコーティング層3を設けることを要しない。
さらに、基材はプラスチック以外、例えば、ガラスから成形するものでもよい。
そして、回折構造4をプラスチックレンズ基材2に形成する方法としてはリソグラフィによりレンズ型10に転写形状40を形成するものに限定されるものではなく、例えば、レーザを用いてレンズ基材に回折構造4を直接形成するものでもよい。
Claims (10)
- 回折構造が設けられ、この回折構造のピッチが乱視軸とこの乱視軸と交差する交差軸とで異なることを特徴とする眼鏡レンズ。
- 請求項1に記載された眼鏡レンズにおいて、前記回折構造は同心上に形成された複数の楕円形から構成されることを特徴とする眼鏡レンズ。
- 請求項1又は請求項2に記載された眼鏡レンズにおいて、前記回折構造は物体側面に設けられることを特徴とする眼鏡レンズ。
- 請求項3に記載された眼鏡レンズにおいて、眼球側面に球面、非球面、トーリック面、累進面のいずれかの加工がされていることを特徴とする眼鏡レンズ。
- 請求項1から請求項4のいずれかに記載された眼鏡レンズにおいて、前記回折構造は、光軸と平行に入射した光束が光軸から離隔するような凹レンズ効果を生じることを特徴とする眼鏡レンズ。
- 請求項5に記載された眼鏡レンズにおいて、前記回折構造は断面が連続した複数の山形形状とされ、光軸から離れるに従って山形形状のピッチが小さくなるか、山形形状の傾斜が光軸と直交する平面に対して大きくなることを特徴とする眼鏡レンズ。
- 請求項1から請求項6のいずれかに記載された眼鏡レンズにおいて、乱視補正に用いられることを特徴とする眼鏡レンズ。
- 請求項1から請求項7のいずれかに記載された眼鏡レンズにおいて、前記回折構造はレンズ基材に形成され、このレンズ基材に形成された回折構造の上に前記レンズ基材と屈折率の異なる材料からなるコーティング層が形成されていることを特徴とする眼鏡レンズ。
- 請求項1から請求項8のいずれかに記載された眼鏡レンズを製造する方法であって、前記回折構造と反転する転写形状をリソグラフィでレンズ型に形成し、このレンズ型を用いてレンズ基材を製造することを特徴とする眼鏡レンズの製造方法。
- 請求項8又は請求項9に記載された眼鏡レンズの製造方法において、前記回折構造が予め物体側面に設けられた眼鏡レンズを用意しておき、処方に応じて眼球側面に球面、非球面、トーリック面、累進面のいずれかを加工することを特徴とする眼鏡レンズの製造方法。
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