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JP2008286142A - 内燃機関のピストン - Google Patents

内燃機関のピストン Download PDF

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JP2008286142A
JP2008286142A JP2007133436A JP2007133436A JP2008286142A JP 2008286142 A JP2008286142 A JP 2008286142A JP 2007133436 A JP2007133436 A JP 2007133436A JP 2007133436 A JP2007133436 A JP 2007133436A JP 2008286142 A JP2008286142 A JP 2008286142A
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piston
squish
hcosα
dish
upper edge
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Application number
JP2007133436A
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English (en)
Inventor
Kuniaki Murakami
晋亮 村上
Michiyasu Ishida
道靖 石田
Nobuhiko Fukaya
信彦 深谷
Ryuichi Tominaga
隆一 冨永
Hiroshi Yamawaki
宏 山脇
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Osaka Gas Co Ltd
Tokyo Gas Co Ltd
Toho Gas Co Ltd
Japan Gas Association
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Osaka Gas Co Ltd
Tokyo Gas Co Ltd
Toho Gas Co Ltd
Japan Gas Association
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Publication date
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    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】TDCにおけるピストン上縁面とシリンダカバーの下面との間のスキッシュ部が形成されたピストンにおいて、ピストンのキャビティーの形状、キャビティーの終焉部とスキッシュ部に臨む側のピストン上縁面との間を結ぶR部の形状、及びキャビティーの終焉部の接線のなす角等、を特定することによって、燃焼効率の低下、排気ガスの状態の悪化、ノッキングの発生、等を防止した内燃機関のピストンを提供する。
【解決手段】皿状キャビティーの終焉部と前記スキッシュ部に臨む側のピストン上縁面との間をR部(半径R)で形成するとともに、皿状キャビティーの終焉部とR部とを結ぶ接線と前記ピストン上縁面の法線とのなす角αと、前記皿状キャビティーの深さHとの関係Sを、S=R/(Hcosα)で表し、特に前記関係S=R/(Hcosα)が、0.2≦R/(Hcosα)≦2.0(ただしR、Hは同一単位とする)の範囲で表されることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、皿状キャビティーを有する内燃機関のピストンであって、ピストンの上死点(以下TDCという)におけるピストン上縁面とシリンダカバーの下面との間に形成されるスキッシュ部を備えてなる内燃機関に適用されるピストンに関する。
内燃機関(以下エンジンという)は、ピストンのTDCにおけるピストン上縁面と、シリンダカバーの下面との間に形成されるスキッシュ部が形成されているため、かかるスキッシュ部の形成による性能に、ピストン上部の形状が大きく作用する。
図4に示されるような副室式ガスエンジンでは、副室12内で生成された火炎を、副室12の副室噴孔13から燃焼室15内に噴出させるため、副室噴孔13からのトーチ状の火炎ジェット18が、遠くまで到達することを必要とする。
然るに、ピストン1のTDCにおいて、TDCにおけるピストン上縁面1aとシリンダカバー3の下面3aとの間の、シリンダライナ4寄りの部分に、スキッシュ部6が形成され、さらに、ピストンの皿状キャビティー1bの稜線部の形状が滑らかでないため、前記副室噴孔13からのトーチ状の火炎ジェット18がスキッシュ部6の奥まで十分に到達せず、図4のA矢印方向の火炎伝播が十分になされない。
尚、2はピストンリングである。
このため、該スキッシュ部6に溜まった混合気6aが未燃のまま残留することにより、燃焼効率が低下する。
また、スキッシュ部6に溜まった未燃の混合気6aが大気中に放出されるため、排気ガスの状態が悪化する。
また、前記スキッシュ部6への火炎ジェット18が遅れることは、該スキッシュ部6に溜まった未燃の混合気6aが不規則な時期に突然燃焼し易くなり、いわゆるノッキングの発生を誘起する。
一方、図5に示されるような単室式ガスエンジンにおいては、燃焼室15内の中央に設けられた着火手段8によって燃焼室15内に充填された可燃混合気が着火されたのち、火炎面16が伝播することによって皿状キャビティー1bからなる燃焼室15内の燃焼が進行するとともに、ピストン上部に形成されるスキッシュ部6にも火炎伝播する。尚、2はピストンリングである。
前記スキッシュ部6は、ピストン1のTDCにおいて、TDCにおけるピストン上縁面1aとシリンダカバー3の下面3aとの間の、シリンダライナ4寄りの部分に形成される。
この場合、皿状キャビティー1bを有するピストンにおいては、ピストンの皿状キャビティー1bの稜線部の形状が滑らかでないため、図4のA矢印方向の火炎伝播が十分になされず、狭いスキッシュ部6への火炎伝播が遅れるため、スキッシュ部6に溜まった混合気6aが未燃のまま残留し易い。
従って、スキッシュ部6に溜まった混合気6aが未燃のまま残留することにより、燃焼効率が低下する。
また、スキッシュ部6に溜まった未燃の混合気6aがそのまま大気中に放出されるため、排気ガスの状態が悪化する。
また、前記スキッシュ部6への火炎伝播が遅れることは、該スキッシュ部6に溜まった未燃の混合気6aが不規則な時期に突然燃焼し易くなり、いわゆるノッキングの発生を誘起する。
尚、特許文献1(特開平5−106442号公報)には、皿状キャビティーの外周壁をピストンの頂面に対して130〜140°の傾斜角でもって外方に拡がった拡開形状とする一方、ノズルを大噴口ノズルと小噴口ノズルとを並設し、小噴口ノズルをキャビティーよりも円周方向においてキャビティー底部に燃料噴射させるように配置し、大噴口ノズルを小噴口ノズルよりも上方のキャビティー外周に向けて噴射する。
特許文献2(特開2003−286849号公報)には、副室式噴射ガスエンジンにおいて、副室噴孔の中心線と燃焼室底面との交点における当該中心線と燃焼室底面とがなす角度であって、外側の方の角度を90°以上としている。
特開平5−106442号公報 特開2003−286849号公報
図4に示されるような副室式噴射ガスエンジンは、副室12内で生成された火炎を副室噴孔13から燃焼室15内に噴出させるため、副室噴孔13からのトーチ状の火炎ジェット18が遠くまで到達することを必要とする。
然るに、ピストン1のTDCにおいて、TDCにおけるピストン上縁面1aとシリンダカバー3の下面3aとの間の、シリンダライナ4寄りの部分に、スキッシュ部6が形成され、さらに、ピストンの皿状キャビティー1bの稜線部の形状が滑らかでないため、前記副室噴孔13からのトーチ状の火炎ジェット18がスキッシュ部6の奥まで十分に到達せず、図4のA矢印方向の火炎伝播が十分に行われない。
このため、該スキッシュ部6に溜まった混合気6aが未燃のまま残留することにより、燃焼効率が低下する。また、スキッシュ部6に溜まった未燃の混合気6aが大気中に放出されるため、排気ガスの状態が悪化する。
さらに、該スキッシュ部6に溜まった未燃の混合気6aが不規則な時期に突然燃焼し易くなり、いわゆるノッキングの発生を誘起する。
また、前記図5の単室式ガスエンジンにおいては、前述のように、図のA矢印方向の火炎伝播が十分になされず、スキッシュ部6に溜まった混合気6aが未燃のまま残留し易くなるが、該スキッシュ部6に溜まった混合気6aが未燃のまま残留することにより、燃焼効率が低下するとともに、また、スキッシュ部6に溜まった未燃の混合気6aがそのまま大気中に放出されるため、排気ガスの状態が悪化する。
さらにはスキッシュ部6への火炎面16が遅れることは、該スキッシュ部6に溜まった未燃の混合気6aが不規則な時期に突然燃焼し易くなり、いわゆるノッキングの発生を誘起する。
このように、副室式噴射ガスエンジン、単室式ガスエンジン等のエンジンにおいては、ピストン1のTDCにおいて、TDCにおけるピストン上縁面1aとシリンダカバー3の下面3aとの間の、シリンダライナ4寄りの部分にスキッシュ部6が形成され、さらに、ピストンの皿状キャビティー1bの稜線部の形状が滑らかでないため、前記のような主々の不具合が発生する。
しかしながら、かかる不具合が、特にピストンの皿状キャビティー1bの形状、皿状キャビティー1bの終焉部とスキッシュ部6に臨む側のピストン上縁面1aとの間を結ぶR部の形状、及び皿状キャビティー1bの終焉部の接線のなす角α等によって、発生することは関連づけられてはいない。
尚、特許文献1には、皿状キャビティーの外周壁をピストンの頂面に対して130〜140°の傾斜角でもって外方に拡がった拡開形状とする一方、小噴口ノズルをキャビティーよりも円周方向においてキャビティー底部に燃料噴射させるように配置し、大噴口ノズルを小噴口ノズルよりも上方のキャビティー外周に向けて噴射する。
特許文献2には、副室式噴射ガスエンジンにおいて、副室噴孔の中心線と燃焼室底面との交点における当該中心線と燃焼室底面とがなす角度であって、外側の方の角度を90°以上とすることが示めされているに止まっている。
即ち特許文献1、2の双方とも、特にピストンの皿状キャビティー1bの形状、皿状キャビティー1bの終焉部とスキッシュ部6に臨む側のピストン上縁面1aとの間を結ぶR部の形状、及び皿状キャビティー1bの終焉部の接線のなす角α等、とによって発生することは関連づけられてはいない。
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、TDCにおけるピストン上縁面とシリンダカバーの下面との間のスキッシュ部が形成されたピストンにおいて、ピストンのキャビティーの形状、キャビティーの終焉部とスキッシュ部に臨む側のピストン上縁面との間を結ぶR部の形状、及びキャビティーの終焉部の接線のなす角等、を特定することによって、スキッシュ部に混合気が未燃のまま残留するのを回避して、未燃混合気による燃焼効率の低下、未燃の混合気が大気中に放出されるため排気ガスの状態の悪化、該スキッシュ部に溜まった未燃の混合気が不規則な時期に突然燃焼し易くなっていわゆるノッキングの発生、等の発生を防止した内燃機関のピストンを提供することを目的とする。
本発明はかかる課題を解決するもので、皿状キャビティーを有する内燃機関のピストンであって、ピストンの上死点におけるピストン上縁面とシリンダカバーの下面との間に形成されるスキッシュ部を備えた内燃機関において、前記皿状キャビティーの終焉部と前記スキッシュ部に臨む側のピストン上縁面との間をR部(半径R)で形成するとともに、皿状キャビティーの終焉部とR部とを結ぶ接線と前記ピストン上縁面の法線とのなす角αと、前記皿状キャビティーの深さHとの関係Sを、S=R/(Hcosα)で表したことを特徴とする。
かかる発明において、好ましくは次のように構成する。
(1)前記関係S=R/(Hcosα)が、0.2≦R/(Hcosα)≦2.0(ただしR、Hは同一単位とする)の範囲で表される。
(2)前記関係S=R/(Hcosα)が、0.4≦R/(Hcosα)≦0.5で、且つ30°≦α≦60°の範囲で表される。
前記のように、スキッシュ部に溜まった混合気が未燃のまま残留することにより、燃焼効率が低下する。
特に副室式噴射ガスエンジンでは、副室内で生成された火炎を副室噴孔から燃焼室内に噴出させるため、副室噴孔からのトーチ状の火炎ジェットが遠くまで到達することを必要とするのに対して、ピストンの皿状キャビティーの稜線部の形状が滑らかでないため、副室噴孔からのトーチ状の火炎ジェットがスキッシュ部の奥まで十分に到達しないため、スキッシュ部に溜まった混合気が未燃のまま残留することにより、燃焼効率が低下する。
また、スキッシュ部に溜まった未燃の混合気が大気中に放出されるため、排気ガスの状態が悪化する。
さらに、前記スキッシュ部への火炎ジェットの到達が遅れることは、該スキッシュ部に溜まった未燃の混合気が不規則な時期に突然燃焼し易くなり、いわゆるノッキングの発生を誘起する。
然るに、本発明においては、ピストンのTDCにおけるピストン上縁面とシリンダカバーの下面との間に形成されるスキッシュ部を備えた内燃機関において、皿状キャビティーの終焉部と前記スキッシュ部に臨む側のピストン上縁面との間をR部(半径R)で形成するとともに、皿状キャビティーの終焉部とR部とを結ぶ接線と前記ピストン上縁面の法線とのなす角αと、前記皿状キャビティーの深さHとの関係Sを、S=R/(Hcosα)で表すようにしたので、
皿状キャビティーの終焉部とスキッシュ部に臨む側のピストン上縁面との間を結合するR部と、前記皿状キャビティーの深さHと、皿状キャビティーの終焉部とR部とを結ぶ接線と前記ピストン上縁面の法線とのなす角αの関係を、S=R/(Hcosα)を一定に保持し、Hcosαの変動にしたがってS=R/(Hcosα)なるように、R部もHcosαに従って変化させる。
即ち、常時S=R/(Hcosα)となるようにして、Hcosαを大きくすればR部もそれに応じて大きくし、反対にHcosαが小さくなればR部もそれに応じて小さくする。
すなわち、皿状キャビティーの深さHが大きくなる場合や、皿状キャビティーの終焉部とR部とを結ぶ接線と前記ピストン上縁面の法線とのなす角αが小さくなる場合のように、火炎伝播が阻害されやすい場合において、R部が大きくなるように設定される。
これにより、R部とHcosαとを連動して変化させることにより、R部を常時Hcosαに適合した半径に保持することができ、従ってR部を燃焼伝播がスキッシュ部に到達可能な滑らかな形状に構成できる。
副室式噴射ガスエンジンでは、R部を、副室内で生成された火炎を副室噴孔から燃焼室内に噴出させるため、副室噴孔からのトーチ状の火炎ジェットが遠くまで到達するのに必要な、滑らかな形状に構成できる。
また、単室式ガスエンジンにおいては、R部を、図5のA矢印方向の火炎伝播が十分になされ、スキッシュ部に溜まった混合気が未燃のまま排出させることのない、滑らかな形状に構成できる。
そして、前記関係S=R/(Hcosα)が、0.2≦R/(Hcosα)≦2.0(ただしR、Hは同一単位とする)の範囲において、好ましくはR≧0.2(Hcosα)を下限値とする。
即ち、図3は未燃THC排出量〜エンジン熱効率〜R/(Hcosα)の実験データであるが、同図に示すように、R/0.2(Hcosα)を超えると、未燃THC排出量が増大し、且つエンジン熱効率の低下が大きくなる。
従って、R≧0.2(Hcosα)が下限値であり、また、R/(Hcosα)≦2.0の上限値は実用面から2.0以下とする。
さらに、関係S=R/(Hcosα)が、0.4≦R/(Hcosα)≦0.5で、且つ30°≦α≦60°の範囲が最適である。
即ち、前記のうち、図3に示されるように、R≧0.2(Hcosα)のうち、0.4≦R/(Hcosα)≦0.5で且つ30°≦α≦60°が最適である。
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は、本発明の第1実施例に係る副室式ガスエンジンのピストン及び燃焼室周りのピストン軸心線に沿う右半分の断面図である。
まず、図1に示されるような副室式ガスエンジンにおいて、1はピストン、1bはピストン1の上部に形成された深さがHなる皿状キャビティー1b、3はシリンダカバー、4はシリンダライナ、15は皿状キャビティー1b、シリンダカバー3およびシリンダライナ4によって区画形成させる燃焼室である。また、2はピストンリングである。
かかる副室式ガスエンジンにおいては、シリンダ中央部に副室口金11を備え、該副室口金11内に副室12を備えており、該副室12と燃焼室15との間に複数の副室噴孔13を備えている。
従って、図1に示されるような副室式ガスエンジンでは、副室12内で生成された火炎を、副室12の副室噴孔13から燃焼室15内に噴出させるため、副室噴孔13からのトーチ状の火炎ジェット18が、遠くまで到達することを必要とする。
図4に示す従来の副室式ガスエンジンは、前記のように、ピストン1のTDCにおいて、TDCにおけるピストン上縁面1aとシリンダカバー3の下面3aとの間の、シリンダライナ4寄りの部分に、スキッシュ部6が形成され、さらに、ピストンの皿状キャビティー1bの稜線部の形状が滑らかでないため、前記副室噴孔13からのトーチ状の火炎ジェット18がスキッシュ部6の奥まで十分に到達せず、図4のA矢印方向の火炎伝播が十分になされない。
このため、該スキッシュ部6に溜まった混合気6aが未燃のまま残留することにより、燃焼効率が低下する。
また、スキッシュ部6に溜まった未燃の混合気6aが大気中に放出されるため、排気ガスの状態が悪化する。
さらに、前記スキッシュ部6への火炎ジェット18が遅れることは、該スキッシュ部6に溜まった未燃の混合気6aが不規則な時期に突然燃焼し易くなり、いわゆるノッキングの発生を誘起する。等の問題を有している。
然るに、本発明においては、図1に示すように、ピストン1のTDCにおけるピストン上縁面1aとシリンダカバー3aの下面との間に形成されるスキッシュ部6を備えたガスエンジンにおいて、皿状キャビティー1bの終焉部と前記スキッシュ部6に臨む側のピストン上縁面1aとの間をR部(半径R)で形成するとともに、皿状キャビティー1bの終焉部とR部とを結ぶ接線と前記ピストン上縁面1aの法線とのなす角αと、前記皿状キャビティー1bの深さHとの関係Sを、S=R/(Hcosα)で表すようにしている。
即ち、本発明では、皿状キャビティー1aの終焉部とスキッシュ部6に臨む側のピストン上縁面1aとの間を結合するR部と、前記皿状キャビティー1bの深さHと、皿状キャビティー1bの終焉部とR部とを結ぶ接線と前記ピストン上縁面1aの法線とのなす角αの関係を、S=R/(Hcosα)を一定に保持し、Hcosαの変動にしたがってS=R/(Hcosα)なるように、R部もHcosαに従って変化させる。
そして、常時S=R/(Hcosα)となるようにして、Hcosαを大きくすればR部もそれに応じて大きくし、反対にHcosαが小さくなればR部もそれに応じて小さくする。
すなわち、皿状キャビティーの深さHが大きくなる場合や、皿状キャビティーの終焉部とR部とを結ぶ接線と前記ピストン上縁面の法線とのなす角αが小さくなる場合のように、火炎伝播が阻害されやすい場合において、R部が大きくなるように設定される。
このように、R部とHcosαとを連動して変化させることにより、R部を常時Hcosαに適合した半径に保持することができ、従ってR部を火炎ジェット18aがスキッシュ部6の奥まで十分に到達可能な滑らかな形状に構成できる。
また、皿状キャビティー1bの終焉部とスキッシュ部6に臨む側のピストン上縁面1aとの間を結合するR部が、常時R/(Hcosα)=一定となるように変化することにより、R部を、前記のような火炎ジェット18aが流れてスキッシュ部6の奥まで十分に到達して、火炎伝播が十分になされ、スキッシュ部6に溜まった混合気6aが未燃のまま排出させることのない、滑らかな形状に構成できる。
さらに、本発明においては、前記関係S=R/(Hcosα)が、0.2≦R/(Hcosα)≦2.0(ただしR、Hは同一単位とする)の範囲において、0.2≦R/(Hcosα)が最良となるように構成する。
即ち、図3は未燃THC(トータル炭化水素)排出量〜エンジン熱効率〜R/(Hcosα)の実験データであるが、同図に示すように、R/0.2(Hcosα)を超えると、未燃THC排出量が増大し、且つエンジン熱効率の低下が大きくなる。
従って、R≧0.2(Hcosα)が下限値であり、また、R/(Hcosα)≦2.0の上限値は実用面から2.0以下とする。
さらに、前記の関係0.2≦R/(Hcosα)≦2.0が、特に次の点が最適である。
即ち、0.4≦R/(Hcosα)≦0.5で、且つ30°≦α≦60°の範囲が最適である。即ち、前記のうち、図3に示されるように、0.4≦R/(Hcosα)≦0.5で、且つ30°≦α≦60°に採るのが最適である。
図2は、本発明の第2実施例に係る単室式ガスエンジンのピストン及び燃焼室周りのピストン軸心線に沿う右半分の断面図である。
図2に示されるように、単室式ガスエンジンにおいて、1はピストン、1bはピストン1の上部に形成された深さがHなる皿状キャビティー1b、3はシリンダカバー、4はシリンダライナ、15は皿状キャビティー1b、シリンダカバー3およびシリンダライナ4によって区画形成させる燃焼室である。また、2はピストンリングである。
かかるエンジンにおいて、燃焼室15内の中央に設けられた着火手段8によって燃焼室15内に充填された可燃混合気が着火されたのち、火炎面16が伝播することによって皿状キャビティー1bからなる燃焼室15内の燃焼が進行するとともに、ピストン上部に形成されるスキッシュ部6にも火炎伝播する。
前記スキッシュ部6は、ピストン1のTDCにおけるピストン上縁面1aとシリンダカバー3の下面3aとの間の、シリンダライナ4寄りの部分に形成される。
尚、図1、2において、Dはシリンダ内径、Dcは皿状キャビティー1bの終焉部とR部とを結ぶ接線と前記ピストン上縁面1aとの交点の内径である。
そして図5に示される、従来の単室式ガスエンジンにおいては、スキッシュ部6が形成され、さらに、ピストンの皿状キャビティー1bの稜線部の形状が滑らかでないため、火炎面16がスキッシュ部6の奥まで十分に到達せず、図5のA矢印方向の火炎伝播が十分になされず、スキッシュ部6に溜まった混合気6aが未燃のまま残留し易くなる。
そして前記のように、スキッシュ部6に溜まった混合気6aが未燃のまま残留することにより燃焼効率が低下し、あるいは前記スキッシュ部6に溜まった未燃の混合気6aがそのまま大気中に放出されるため、排気ガスの状態が悪化し、あるいはスキッシュ部6への火炎面16が遅れることは、該スキッシュ部6に溜まった未燃の混合気6aが不規則な時期に突然燃焼し易くなり、いわゆるノッキングの発生を誘起、等の問題が発生している。
然るに、本発明においては、図2に示されるように、ピストン1のTDCにおけるピストン上縁面1aとシリンダカバー3aの下面との間に形成されるスキッシュ部6を備えたエンジンにおいて、皿状キャビティー1bの終焉部と前記スキッシュ部6に臨む側のピストン上縁面1aとの間をR部(半径R)で形成するとともに、皿状キャビティー1bの終焉部とR部とを結ぶ接線と前記ピストン上縁面1aの法線とのなす角αと、前記皿状キャビティー1bの深さHとの関係Sを、S=R/(Hcosα)で表すようにしている。
即ち、皿状キャビティー1aの終焉部とスキッシュ部6に臨む側のピストン上縁面1aとの間を結合するR部と、前記皿状キャビティー1bの深さHと、皿状キャビティー1bの終焉部とR部とを結ぶ接線と前記ピストン上縁面1aの法線とのなす角αの関係を、S=R/(Hcosα)を一定に保持し、Hcosαの変動にしたがってS=R/(Hcosα)なるように、R部もHcosαに従って変化させる。
そして、常時S=R/(Hcosα)となるようにして、Hcosαを大きくすればR部もそれに応じて大きくし、反対にHcosαが小さくなればR部もそれに応じて小さくする。
すなわち、皿状キャビティーの深さHが大きくなる場合や、皿状キャビティーの終焉部とR部とを結ぶ接線と前記ピストン上縁面の法線とのなす角αが小さくなる場合のように、火炎伝播が阻害されやすい場合において、R部が大きくなるように設定される。
このように、R部とHcosαとを連動して変化させることにより、R部を常時Hcosαに適合した半径に保持することができ、従ってR部を火炎面16がスキッシュ部6に到達可能な滑らかな形状に構成できる。これにより、スキッシュ部6への未燃混合気6aの溜まり量が低減される。
従って、皿状キャビティー1bの終焉部とスキッシュ部6に臨む側のピストン上縁面1aとの間を結合するR部が、常時R/(Hcosα)=一定となるように変化することにより、R部を、前記のような火炎面16が流れてスキッシュ部6の奥まで十分に到達して、火炎伝播が十分になされ、スキッシュ部6に溜まった混合気6aが未燃のまま排出させることのない、滑らかな形状に構成できる。
以下の作用、効果は前記第1実施例と同様である。
即ち、本発明においては、前記関係S=R/(Hcosα)が、0.2≦R/(Hcosα)≦2.0(ただしR、Hは同一単位とする)の範囲において、0.2≦R/(Hcosα)が最良となるように構成する。
即ち、図3は未燃THC(トータル炭化水素)排出量〜エンジン熱効率〜R/(Hcosα)の実験データであるが、同図に示すように、R/0.2(Hcosα)を超えると、未燃THC排出量が増大し、且つエンジン熱効率の低下が大きくなる。
従って、R≧0.2(Hcosα)が下限値であり、また、R/(Hcosα)≦2.0の上限値は実用面から2.0以下とする。
さらに、前記の関係0.2≦R/(Hcosα)≦2.0において、特に次の点が最適である。
即ち、0.4≦R/(Hcosα)≦0.5で、且つ30°≦α≦60°の範囲が最適である。即ち、前記のうち、図3に示されるように、0.4≦R/(Hcosα)≦0.5で、且つ30°≦α≦60°に採るのが最適である。
本発明によれば、TDCにおけるピストン上縁面とシリンダカバーの下面との間のスキッシュ部が形成されたピストンにおいて、ピストンのキャビティーの形状、キャビティーの終焉部とスキッシュ部に臨む側のピストン上縁面との間を結ぶR部の形状、及びキャビティーの終焉部の接線のなす角等、を特定することによって、スキッシュ部に混合気が未燃のまま残留するのを回避して、未燃混合気による燃焼効率の低下、未燃の混合気が大気中に放出されるため排気ガスの状態の悪化、該スキッシュ部に溜まった未燃の混合気が不規則な時期に突然燃焼し易くなっていわゆるノッキングの発生、等の発生を防止した内燃機関のピストンを提供できる。
本発明の第1実施例に係る副室式ガスエンジンのピストン及び燃焼室周りのピストン軸心線に沿う右半分の断面図である。 本発明の第2実施例に係る単室式ガスエンジンのピストン及び燃焼室周りのピストン軸心線に沿う右半分の断面図である。 未燃THC(トータル炭化水素)排出量〜エンジン熱効率〜R/(Hcosα)の実験データである。 従来の副室式ガスエンジンの一例を示す図1対応図である。 従来の単室式ガスエンジン一例を示す図2対応図である。
符号の説明
1 ピストン
1a ピストン上縁面
1b 皿状キャビティー
2 ピストンリング
3 シリンダカバー
3a シリンダカバーの下面
4 シリンダライナ
6 スキッシュ部
6a 混合気
8 着火手段
12 副室
13 副室噴孔
15 燃焼室
16 火炎面
18 火炎ジェット
A 火炎伝播
H 皿状キャビティーの深さ
R部 半径部
α 傾斜角

Claims (3)

  1. 皿状キャビティーを有する内燃機関のピストンであって、ピストンの上死点におけるピストン上縁面とシリンダカバーの下面との間に形成されるスキッシュ部を備えた内燃機関において、前記皿状キャビティーの終焉部と前記スキッシュ部に臨む側のピストン上縁面との間をR部(半径R)で形成するとともに、皿状キャビティーの終焉部とR部とを結ぶ接線と前記ピストン上縁面の法線とのなす角αと、前記皿状キャビティーの深さHとの関係Sを、S=R/(Hcosα)で表したことを特徴とする内燃機関のピストン。
  2. 前記関係S=R/(Hcosα)が、0.2≦R/(Hcosα)≦2.0(ただしR、Hは同一単位とする)の範囲で表されることを特徴とする請求項1記載の内燃機関のピストン。
  3. 前記関係S=R/(Hcosα)が、0.4≦R/(Hcosα)≦0.5で、且つ30°≦α≦60°の範囲で表されることを特徴とする請求項2記載の内燃機関のピストン。
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