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JP2008281153A - Vリブドベルト及びその製造方法 - Google Patents

Vリブドベルト及びその製造方法 Download PDF

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JP2008281153A JP2007127637A JP2007127637A JP2008281153A JP 2008281153 A JP2008281153 A JP 2008281153A JP 2007127637 A JP2007127637 A JP 2007127637A JP 2007127637 A JP2007127637 A JP 2007127637A JP 2008281153 A JP2008281153 A JP 2008281153A
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Satoshi Shimoo
聡 下尾
Yorifumi Hineno
順文 日根野
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

【課題】植毛層がリブ部表面層のみならず、リブゴム内側迄入り込み、短時間走行での摩耗では植毛層が消滅せず、長時間走行後においても発音が起こらないVリブドベルトとその製造方法を提供する。
【解決手段】内周部にベルト長手方向に延在スル複数のリブ部106を有する未研磨のゴムからなるVリブドベルト1において、当接部の表面が立毛し、さらにリブ部106内部に植毛が埋没して植毛ゴム層115となり、その層厚がリブ表面から35μm〜200μmの範囲内であるVリブドベルト。
【選択図】図6

Description

本発明は、動力伝動などに用いられるVリブドベルト及びその製造方法に関する。
動力伝動に用いられるVリブドベルトは、一般的には、ベルト長手方向に平行に延設された複数のリブを有する圧縮ゴム層と、その上部にコードからなる心線を埋設した接着ゴム層を積層し、そしてその背面側に伸張層を配設した構成を有する。このようなVリブドベルトの製造方法として、従来はフラットな加硫スリーブにV溝を研削することによりリブを形成していたが、近年、材料の廃棄量をできる限り少なくすると共に製造工程を簡素化させるような工法の要求がある。
加硫スリーブにV溝を研削する場合は、圧縮ゴム層となるゴムシートに短繊維を配合することによって、研削により短繊維が圧縮ゴムの表面に表出し、Vリブ表面を短繊維が覆っていた。
然しながら、前記製造工程を簡素化させる工法においては、円筒ドラムに装着された可撓性ジャケットの上に、短繊維を含有する未加硫伸張ゴムシートを捲き付け、その上に心線をスピニングし、次いで未加硫圧縮ゴムシートを捲き付けて無端状の未加硫ベルトスリーブを形成した後、ジャケットを膨張させてV型突起を有する外型に該ベルトスリーブを押圧して加硫成形する方法が提案されている。(例えば特許文献1参照)
特開2005‐125742号公報
又、リブ部表面に植毛するために、内型の可撓性ジャケット面に少なくとも心線を巻き付け、その上に焼付け処理した表面層に短繊維を植毛した未加硫のゴムスリーブを積層してベルト成形体に仕上げ、上記内型を、内周面にリブ型若しくはコグ型からなる型部を刻印した型部に密着して加硫したベルトスリーブを作製し、更にゴムスリーブを焼付け処理した表面層に接着剤を塗布し、静電植毛機を用いて、ゴムスリーブの表面層に静電植毛を行っていた。(例えば、特許文献2参照)
特開2006−9946号公報
ところが、特許文献2の方法によると、表面層を焼き付け処理した後に、接着剤を塗布することから、接着剤がゴムスリーブの内部まで浸透することは無く、従って、図10のように、植毛層121も単にリブ部123表面にのみ存在するだけで、ベルトを走行させた場合、短時間で植毛部が摩滅し、短時間での発音が確認された。
本発明は、植毛層がリブ部表面層のみならず、リブゴム内部迄入り込み、短時間走行での摩耗では植毛層が消滅せず、長時間走行後においても発音が起こらないVリブドベルトとその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、内周部にベルト長手方向に延在する複数のリブ部を有する未研磨のゴムからなるVリブドベルトにおいて、当接部の表面が立毛し表面繊維層を形成、さらにリブ部内部に植毛が埋没して植毛ゴム層となり、その層厚がリブ表面から35μm〜200μmの範囲内であるVリブドベルトにある。
請求項2に記載の発明は、内型に伸張層を配置し、撚糸コードをスピニングした後、圧縮ゴム層を配置して形成した未加硫ベルトスリーブを、リブ刻印を有する外型に、内周側から押圧して加硫することによりリブを刻設した加硫ベルトスリーブを形成するVリブドベルトの製造方法において、圧縮ゴム表面に植毛を施す工程を有し、前記圧縮ゴム表面に植毛を施す工程は、液体で希釈し粘度を100〜10000mPa・sとした接着剤を前記圧縮ゴム表面に噴霧し、その後短繊維を付着させ、内周側から押圧してゴムを加硫後、前記短繊維が圧縮ゴム内に入り込み植毛ゴム層を形成するVリブドベルトの製造方法にある。
請求項3に記載の発明は、前記植毛ゴム層の厚みが、リブ表面から35μm〜200μmである請求項2に記載のVリブドベルトの製造方法にある。
本発明によると、内周部にベルト長手方向に延在する複数のリブ部を有する未研磨のゴムからなるVリブドベルトにおいて、当接部の表面が立毛し表面繊維層を形成し、さらにリブ部内部に植毛が埋没して植毛ゴム層となり、その層厚がリブ表面から35μm〜200μmの範囲内であるVリブドベルトであることから、走行初期に発音がしないだけではなく、長時間走行した後でも、植毛が圧縮ゴム層内に留まっていることから、発音を抑制することができる効果がある。
請求項2に記載の発明によると、内型に伸張層を配置し、撚糸コードをスピニングした後、圧縮ゴム層を配置して形成した未加硫ベルトスリーブを、リブ刻印を有する外型に、内周側から押圧して加硫することによりリブを刻設した加硫ベルトスリーブを形成するVリブドベルトの製造方法において、圧縮ゴム表面に植毛を施す工程を有し、前記圧縮ゴム表面に植毛を施す工程は、液体で希釈し粘度を 〜 mPa・sとした接着剤を前記圧縮ゴム表面に噴霧し、その後短繊維を付着させ、内周側から押圧してゴムを加硫後、前記短繊維が圧縮ゴム内に入り込み植毛ゴム層を形成するVリブドベルトの製造方法であることから、圧縮ゴムが外型のV溝へ圧入するときに、ゴムが短繊維を含んだ接着剤と混ざることで、植毛ゴム層を形成し、リブ部表面のみならずリブ内部迄短繊維を入れ込むことができる効果がある。
請求項3に記載の発明によると、前記植毛ゴム層の厚みが、リブ表面から35μm〜200μmである請求項2に記載のVリブドベルトの製造方法であることから、製造されたベルトは、走行初期に発音がしないだけではなく、長時間走行した後でも、植毛が圧縮ゴム層内に留まってることから、発音を抑制することができる効果がある。
以下、本発明のVリブドベルト及びその製造方法について詳細に説明する。本発明では、圧縮ゴム層を形成する短繊維を幅方向に配向させたゴム材を作製するが、その製造方法として押出方法やカレンダーによる圧延方法がある。無論、短繊維を含有させないゴム材も使用することができる。
以下では、その一例として、繊維を幅方向に配向させたシート状のゴム材を押出方法で作製する場合には、予めオープンロールによってポリマー100質量部に10〜40質量部の短繊維を投入して混練した後、混練したマスターバッチをいったん放出し、これを20〜50°Cまで冷却してゴムのスコーチを防止する。
1〜10質量部の軟化剤を投入すると、短繊維とゴムのなじみが良くなり、ゴム中への分散が良くなるばかりか、短繊維自体が絡み合って綿状になるのを防ぐ効果がある。即ち、軟化剤が短繊維に浸透し、素繊維同士の絡み合いがほぐれるための潤滑剤としての役割をはたし、短繊維が綿状になるのを阻止し、かつ短繊維とゴムのなじみが良くなって短繊維の分散が良くなる。
続いて、マスターバッチを押出機におけるシリンダーの押出スクリューで通常40〜100℃に温度調節された状態で混練りした後、短繊維混入ゴムをスムーズに環境拡張ダイからなるゴム通路へ流し、そしてゴム通路の中を通過させながら短繊維を円周方向に配向させた筒状成形体に押出成形する。その後、筒状成形体は短繊維が内層から外層にかけて円周方向に均一に配向した厚さ1〜10mmのものであり、切断手段によって1個所切開しながら一枚のシート状のゴム材にし、続いて該ゴム材を所定間隔で切断する。
ここで使用するゴム材の原料ゴムとしては、天然ゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、アルキル化クロロスルフォン化ポリエチレン、水素化ニトリルゴム、水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩との混合ポリマー、エチレン−プロピレンゴム(EPR)やエチレン−プロピレン−ジエンモノマー(EPDM)からなるエチレン−α−オレフィンエラストマー等のゴム材の単独、またはこれらの混合物が使用される。ジエンモノマーの例としては、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエンなどが挙げることができる。
上記ゴム材には、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、綿等の繊維からなり繊維の長さは繊維の種類によって異なるが、1〜10mm程度の短繊維が用いられ、例えばアラミド繊維であると3〜5mm程度、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、綿であると5〜10mm程度のものが用いられる。その添加量はゴム100質量部に対して10〜40質量部である。
更に、上記ゴム材には、軟化剤、カーボンブラックからなる補強剤、充填剤、老化防止剤、加硫促進剤、加硫剤等が添加される。
上記軟化剤としては、一般的なゴム用の可塑剤、例えばジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)等のフタレート系、ジオクチルアジペート(DOA)等のアジペート系、ジオクチルセバケート(DOS)等のセバケート系、トリクレジルホスフェート等のホスフェートなど、あるいは一般的な石油系の軟化剤が含まれる。
続いて、図1に示すように内型41に装着された加硫ゴム製の可撓性ジャケット42の外周面に、補強布47、接着ゴム49、コードからなる心線48を順次巻き付けた後、短繊維を配向させたシート状のゴム材22を巻き付けて、ラップジョイントして未加硫のゴムスリーブ24を積層してベルト成形体25を作製する。
次いで、上記内型41を回転テーブル30に設置して回転させながらゴムスリーブ24の表面層23に接着剤をスプレー法、ディップ法等の公知の方法で塗布する。接着剤としては、トルエン、メチルエチルケトン等のゴム材22を溶かすことができる有機溶剤、ゴム系接着剤、RFL(レゾリシン−ホルムアルデド−ラテックス)接着剤、ウレタン系エマルジョン、アクリル系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョン、スチレン系エマルジョン等がある。RFL液はレゾルシンとホルムアルデドとの初期縮合体をラテックスに混合したものであり、ここで使用するラテックスとしてはクロロプレン、スチレン・ブタジエン・ビニルピリジン三元共重合体、水素化ニトリル、NBR、エチレン・α−オレフィン−ジエン共重合体ゴムラテックスである。また、RFL液にイソシアネート化合物も添加することができる。ここで、接着剤の粘度が100〜10000mPa・sとなるように、希釈剤とラテックス等との濃度を調節する。ここで、接着剤の粘度が100mPa・sより小さければ液ダレして植毛ムラができるという問題があり、10000mPa・sより大きければベルトのリブ部の摩擦係数が高くなるという問題がある。
尚、接着剤を塗布する前に、ゴムスリーブ24の表面をアルコール拭きなどのクリーニング処理、プライマー処理等の前処理を行うこともできる。
接着剤は極薄く塗布することが好ましい。
続いて、図2に示すように公知の静電植毛機32を用いて、ゴムスリーブ24の表面層23に静電植毛を行う。植毛処理としては、内型41をアースとし、静電植毛機の電極に電圧を印加することにより電界を形成し、この電界内にレーヨン、綿、ポリエステル、ナイロン、アラミド、ビニロン、炭素繊維、ポリテトラフルオロエチレン等などからなる表面を電着処理したパイルを供給し、飛翔させてゴムスリーブ24の表面層23に向けて突き刺すことにより植毛糸26を設ける。
上記パイルの長さは0.1〜5.0mmが好ましく、アスペクト比(長さLmm/太さ直径Dmmは30〜300である。また、植毛糸の密度は摩擦係数や走行時の音に寄与するものであり、今日使用されている伝動ベルトに近時するもので、10,000〜500,000本/cmである。
次いで、図3に示すように上記植毛したゴムスリーブ24を装着した内型41を外型46の内側に一定の空隙を設けて基台上に載置する。内型41は別の成形工程より移動してくる関係上、媒体流通口Aと媒体送入排出路Bとは分離しており、内型41を基台に載置後、媒体流通口AをジョイントJでパイプと連結する。
媒体送入機を作動して高圧空気もしくは高圧蒸気を媒体送入排出路B、媒体流通口Aを経て、可撓性ジャケット42の内部に送入する。可撓性ジャケット42は、その上下部が内型41上に密閉固定されているため、可撓性ジャケット42の内面と内型41の外面の間に空気が充満し、可撓性ジャケット42は次第に膨張する。そして、ベルト成形体25を半径方向に均一に膨張させ、加熱ヒーター若しくは高温蒸気で100〜180℃に加熱した外型46の型部45に密着して加硫し、ベルトスリーブ51を作製する。
加硫後は、図4に示すように可撓性ジャケット42を収縮させ、内型41を外型46から脱型した後、外型46に装着した加硫済みベルトスリーブ51を抜き取る。加硫済みベルトスリーブ51の型付部27の表面では、短繊維(植毛糸26)が型付部27の表面層23に固着して種々の角度で起毛し、露出した状態になっている。
更に、上記加硫済みベルトスリーブ51を他の1軸もしくは2軸ドラムに挿入して回転させながら、円周方向に所定幅に切断し、ドラムより取出し反転することにより、周長が一定で、V形リブが正確に型付形成されたVリブドベルト1を得た。尚、外型46を分割式モールドにした場合、未加硫スリーブの挿入ならびに加硫スリーブの取り外しが容易になり、かつこの分割面が一種の空気抜きの機能を果し、V型リブをより一層正確に形成することができる。
図5は得られたVリブドベルトの断面図である。Vリブドベルト100は、高強度で低伸度のコードよりなる心線102を接着ゴム層103中に埋設し、その下側に弾性体層である圧縮ゴム層104を有している。この圧縮ゴム層104にはベルト長手方向に伸びる断面略三角形の複数のリブ部106(型付部)が設けれ、リブ部の内層110に短繊維109が波状に配置してベルトの耐側圧性を向上させ、更にリブ部の表面層111に植毛短繊維108が固着して露出している。尚、表面層111は接着層107を含んでいる。又、接着剤と加硫ゴムが混ざることにより、リブ部の表面と連続して、植毛ゴム層が一定の厚みを持って形成されている。その結果、リブ側面は、立毛した表面繊維層113と、リブ部内部に植毛が埋没した植毛ゴム層115とを、形成することになる(図6)。前記植毛ゴム層115の厚みは、リブ表面から35μm〜200μmの厚みが好ましい。
心線102としては、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維が使用され、中でもエチレン−2,6−ナフタレートを主たる構成単位とするポリエステル繊維フィラメント群を撚り合わせた総デニール数が4,000〜8,000の接着処理したコードが、ベルトスリップ率を低く抑えることができ、ベルト寿命を延長させるために好ましい。また、心線102にはゴムとの接着性を改善する目的で接着処理が施される。このような接着処理としては繊維をレゾルシン−ホルマリン−ラテックス(RFL)液に浸漬後、加熱乾燥して表面に均一に接着層を形成するのが一般的である。しかし、これに限ることなくエポキシ又はイソシアネート化合物で前処理を行なった後に、RFL液で処理する方法等もある。
心線102は、スピニングピッチ、即ち心線の巻き付けピッチを0.9〜1.3mmにすることで、モジュラスの高いベルトに仕上げることができる。0.9mm未満になると、コードが隣接するコードに乗り上げて巻き付けができず、一方1.3mmを越えると、ベルトのモジュラスが徐々に低くなる。
背面補強材105は、織物、編物、不織布の繊維材料あるいはゴム材料から選択されるが、より好ましいものは不織布である。構成する繊維素材としては、例えば綿、麻、レーヨン等の天然繊維や、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリフロルエチレン、ポリアクリル、ポリビニルアルコール、全芳香族ポリエステル、アラミド等の有機繊維が挙げられる。上記帆布は公知技術に従ってレゾルシン−ホルマリン−ラテックス液(RFL液)に浸漬後、未加硫ゴムを背面補強材105に擦り込むフリクションを行ない、またRFL液に浸漬後にゴムを溶剤に溶かしたソーキング液に浸漬処理する。
このようなVリブドベルトは、リブ部表面に均一に付着した短繊維108がベルト走行時の騒音を軽減し、更にリブ部表面からの亀裂も発生を阻止する。更には、長時間走行後万一リブ部の摩耗が進行した場合でも、植毛ゴム層中の短繊維が持続して表出することより、騒音は長時間に渡って軽減することができる。
尚、以上説明した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。まず、上記実施形態では、圧縮ゴム層が幅方向に配向した短繊維を含有しているタイプにより説明したが、コスト低減のために短繊維を含ませない圧縮ゴム層であってもよい。短繊維を含まない圧縮ゴム層であっても、リブ部に沿った圧縮ゴム層の流動を確保しつつ、心線の整列状態を良好なものに維持したまま、スリーブを積層して加硫成形をすることができる。
短繊維を入れない代わりに、圧縮ゴム層には固体潤滑材を配合することができる。この固体潤滑材は六方晶系又は鱗片状のグラファイト、二流化モリブデン、そしてポリテトラフルオロエチレンから選ばれたものであり、その添加量は原料ゴム100質量部に対して10〜100質量部、好ましくは10〜60質量部であり、10質量部未満の場合にはベルト質量部を超えると、ゴム物性の伸びが小さくなり、ベルト寿命が短くなる。
伝動ベルトの背面補強材について、場合により背面補強材を積層しない形式の伝動ベルトとすることもできる。
また、上述した型装置を用いた伝動ベルトの製造方法により、ローエッジコグベルトも成形することができる。このベルトは、接着ゴム層内にベルト長手方向に沿ってスパイラル状に埋設した心線と、該心線の上側(ベルト外周側)に積層した伸張ゴム層と、前記心線の下側(ベルト内周側)に積層した圧縮ゴム層からなり、圧縮ゴム層は所定間隔で設けた凹部と凸部とを交互に有するコグ部を有している。また伸張ゴム層の背面及び圧縮ゴム層のコグ部表面には補強布を設けている。
このベルトを成形する場合には、外型46は本体内周方向に沿って所定間隔で外型46の長手方向の延びるコグ型に相当する型部45を設けたものを使用することができる。その他の型装置の構造は変わらない。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
表1に示す配合のゴム組成物を用いてVリブドベルトを作製した。本実施例で製造したVリブドベルトでは、伸張部として短繊維をベルト幅方向に配向させた圧縮部を配設し、そしてポリエステル繊維のロープからなる伸張部と圧縮部との間に埋設した構成を有する.尚,圧縮部には3個のリブをベルト長手方向に配してなる。ここで、伸張部、圧縮部を表1に示すゴム組成物から調整し、バンバリーミキサーで混練後、カレンダーロールで圧延したものを用いた。そして、リブ部表面は、ポリアミド繊維が立毛し、ベルトリブ部の断面においては、リブ部表面から植毛ゴム層が形成され、その厚みは約35μmであった。
ベルトの製造方法は、内型に装着された加硫ゴム製の可撓性ジャケットの外周面に、補強布、接着ゴム、コードからなる心線を順次巻き付けた後、短繊維を配向させたシート状のゴム材を巻き付けて、ラップジョイントとして未加硫のゴムスリーブを積層してベルト成形体を作製した。ゴムシートは、表1に示すゴム配合物、心線は、接着処理されたポリエステル繊維コードであった。
次いで、上記内型を回転テーブルに設置して回転させながらゴムスリーブの表面層に接着剤をスプレーにて塗布した。接着剤としては、アクリル樹脂系の接着剤(商品名:ダイアボンド、ノガワケミカル社製)を用い、希釈液として水を用い、希釈し、希釈後の接着剤の粘度が、100〜10000mPa・sになるように調整した。
次に、内型41をアースとし、静電植毛機の電極に電圧を印加することにより電界を形成し、この電界内にポリアミド繊維からなる表面を電着処理したパイルを供給し、飛翔させてゴムスリーブの表面層に向けて突き刺した。このとき、ゴムスリーブ全周にわたってパイルが拡散した。
次に、上記植毛したゴムスリーブを装着した内型を外型の内側に一定の空隙を設けて基台上に載置した。そして、可撓性ジャケットを膨張させ、ベルト成形体を半径方向に均一に膨張させ、高温蒸気で100〜180°Cに加熱した外型の型部に密着して加硫し、ベルトスリーブを作製した。
加硫後は、可撓性ジャケットを収縮させ、内型を外型から脱型した後、外型に装着した加硫済みベルトスリーブを抜き取る。加硫済みベルトスリーブの型付部の表面では、短繊維(植毛糸)が型付部の表面層に固着して種々の角度で起毛し、露出した状態になっている。
更に、上記加硫済みベルトスリーブ51を他の1軸もしくは2軸ドラムに挿入して回転させながら、円周方向に所定幅に切断し、ドラムより取出し反転することにより、周長が一定で、V形リブが正確に型付形成されたVリブドベルト1を得た。尚、外型46を分割式モールドにした場合、未加硫スリーブの挿入ならびに加硫スリーブの取り外しが容易になり、かつこの分割面が一種の空気抜きの機能を果し、V型リブをより一層正確に形成することができる。得られたベルトの断面を見ると、ゴム内に植毛繊維層が埋設しており、リブ部表面とリブ内面に植毛繊維層が存在しているのが確認でき、リブ内面の植毛繊維層は、リブ表面から35μmの範囲まで入り込んでいるのが確認できた。
得られたVリブドベルトを実車に搭載して、走行させ、各走行距離毎の摩擦係数を図6のレイアウトの試験機にて測定した。その結果を図7に示す。
次に、比較例として、最も外側に被着するゴムスリーブは、実施例と同じだが、接着剤として、希釈を行わないものを用いた。静電植毛の方法は、実施例と同じとした。得られたベルトの断面は、リブ表面にのみ植毛繊維層が存在し、リブ内面までは入り込んでいなかった。得られたVリブドベルトを実施例と同様に走行させ、各走行距離毎の摩擦係数を図 のレイアウトの試験機にて測定した。その結果を図8に示す。
図7及び図8によると、実施例は走行距離による摩擦係数の変化はほとんど見られないが、比較例は走行距離が多くなるに従って、摩擦係数の変化も大きい。従って、発音や動力伝達性能が走行初期とある程度走行した後では異なってくることがわかる。
本発明は、ベルト走行時の騒音を軽減したVリブドベルトに適用できる。
予備成型体を成形している状態の縦断面図である。 ゴムスリーブの表面層に短繊維を植毛した状態を示す図である。 ベルト成形体を加硫している状態の断面図である。 ベルト成形体を加硫した後状態の断面図である。 本発明の製造方法で得られたVリブドベルトの断面図である。 本発明のVリブドベルトのリブ部の断面図である。 実施例、比較例の摩擦係数を測定した試験機のレイアウトである。 実施例の摩擦係数の測定結果である。 比較例の摩擦係数の測定結果である。 従来のVリブドベルトのリブ部の断面図である。
符号の説明
1 Vリブドベルト
22 ゴム材
23 表面層
24 未加硫のゴムスリーブ
26 植毛糸
30 回転テーブル
32 静電植毛機
41 内型
42 可撓性ジャケット
45 型部
46 外型
47 補強布
48 心線
49 接着ゴム
51 ベルトスリーブ
100 Vリブドベルト
102 心線
103 接着ゴム層
104 圧縮ゴム層
105 背面補強材
106 リブ部
107 接着層
108 植毛短繊維
109 短繊維
110 内層
111 表面層
113 表面繊維層
115 植毛ゴム層

Claims (3)

  1. 内周部にベルト長手方向に延在する複数のリブ部を有する未研磨のゴムからなるVリブドベルトにおいて、当接部の表面が立毛し表面繊維層を形成し、さらにリブ部内部に植毛が埋没して植毛ゴム層となり、その層厚がリブ表面から35μm〜200μmの範囲内であることを特徴とするVリブドベルト。
  2. 内型に伸張層を配置し、撚糸コードをスピニングした後、圧縮ゴム層を配置して形成した未加硫ベルトスリーブを、リブ刻印を有する外型に、内周側から押圧して加硫することによりリブを刻設した加硫ベルトスリーブを形成するVリブドベルトの製造方法において、
    圧縮ゴム表面に植毛を施す工程を有し、前記圧縮ゴム表面に植毛を施す工程は、液体で希釈し粘度を100〜10000mPa・sとした接着剤を前記圧縮ゴム表面に噴霧し、その後短繊維を付着させ、内周側から押圧してゴムを加硫後、前記短繊維が圧縮ゴム内に入り込み植毛ゴム層を形成することを特徴とするVリブドベルトの製造方法。
  3. 前記植毛ゴム層の厚みが、リブ表面から35μm〜200μmである請求項2に記載のVリブドベルトの製造方法。
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WO2014069588A1 (ja) 2012-10-31 2014-05-08 三ツ星ベルト株式会社 摩擦伝動ベルト及びその製造方法

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