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JP2008272923A - 切削インサート - Google Patents

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JP2008272923A
JP2008272923A JP2008012974A JP2008012974A JP2008272923A JP 2008272923 A JP2008272923 A JP 2008272923A JP 2008012974 A JP2008012974 A JP 2008012974A JP 2008012974 A JP2008012974 A JP 2008012974A JP 2008272923 A JP2008272923 A JP 2008272923A
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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
  • Crushing And Pulverization Processes (AREA)

Abstract

【課題】被削材の溝入れや突っ切り加工に用いられる切削インサートにおいて、正面切刃のコーナ部側にも確実に切削油剤を供給するとともに、特に溝加工の際にインサートを横方向に送り出して溝幅を広げるような場合でも、切削抵抗の増大を招くことなく円滑な切屑処理を図る。
【解決手段】軸状をなすインサート本体1の端部に、このインサート本体1の長手方向に延びる一対の横切刃3と、これらの横切刃3の先端同士の間に長手方向に交差する方向に延びる正面切刃4とを備えた四角形状のすくい面5を有する切刃部2を形成し、すくい面5には、一対の横切刃3と正面切刃4とが交差するコーナ部6に向けてそれぞれ延びる一対の突条部11を形成するとともに、これらの突条部11のコーナ部6側の先端部11Dとコーナ部6との間に、突条部11と間隔をあけて突出する突起部12を形成する。
【選択図】図6

Description

本発明は、旋削加工において被削材の溝入れや突っ切りに使用される切削インサートに関するものである。
この種の溝入れや突っ切りに使用される切削インサートとしては、例えば特許文献1に、切削ヘッドの頂面に略縦方向に延在する一対のうねと、これらのうねの間にあるチップブレーカピットと、このチップブレーカピットの前、後位のピット部分の間に延在する折れ目線と、この折れ目線と主切刃の間の前位ピット部分に含まれて配位した一対のバール(こぶ)とを有して、折れ目線とうねとの接点近辺域をスクイージング箇所としてチップを押し込める等の作用を発揮させるようにしたものが提案されている。
特開平9−174308号公報
ところで、この特許文献1に記載の切削インサートにおいては、上記一対のバールが両うねの対面する内面の近傍に配設されている一方、両うねは上記縦方向に延びた後、それぞれその先端部が、前位主切刃すなわち正面切刃と側位切刃すなわち横切刃とが交差するコーナ部に向けて互いに離間して延びるように形成されている。
ところが、そのような特許文献1に記載の切削インサートでは、この切削インサートを上記縦方向に送り出して前位主切刃により被削材に溝入れ加工を行うのに続いて、インサートを横方向に送って上記側位切刃により溝幅を広げるような加工を行おうとした場合、この側位切刃の特に上記コーナ部側で生成される切屑は、上記うねに連続したその先端部に全体的に衝突させられることになる。このため、そのような場合には、切削抵抗の増大を招いたり、切屑詰まりを生じて円滑な切屑処理を図ることができなくなったりするおそれがある。
また、このような被削材の溝入れや突っ切り加工においても、通常は被削材に切刃が切り込まれる切削部位に向けて切削油剤(クーラント)を供給して潤滑や冷却を図るようにしており、このような切削油剤は、流出する切屑によって切削部位への供給が妨げられないように、切削ヘッドの頂面すなわちすくい面に向けてインサートの後端側から供給されることになる。
しかしながら、上記特許文献1に記載の切削インサートでは、上述のように縦方向に延びたうねの先端部が連続してコーナ部に向けて延びるように形成されているので、上記すくい面のうちこのうねと側位切刃との間を通って先端側に供給された切削油剤は、うねの先端部に案内されて側位切刃側に流れ出るだけとなる。従って、前位主切刃の特にコーナ部側に十分に切削油剤を供給することができなくなって、このコーナ部における切刃の熱による損傷や被削材によっては溶着などを生じ易く、また加工された被削材の溝壁面や切断面における精度や品位も損なわれるおそれがある。
一方、切削インサートを縦方向に送り出して前位主切刃により専ら被削材の溝入れ加工や突っ切り加工のみを行う場合、前位主切刃によって生成された切屑は上記一対のバールに衝突して摺接しつつチップブレーカピットに送り込まれることになるが、こうして切屑が摺接し続けるとバール(こぶ)は摩耗してその高さが低くなってゆき、やがては摩滅して無くなってしまう。従って、このバールの摩滅によって切屑の制御ができなくなるため切削インサートの寿命が短寿命で費えてしまうのは勿論、バールが摩耗して低くなってゆく過程でも切屑制御が不安定となるので、円滑な加工を行うことが困難となる。
本発明は、このような背景の下になされたもので、上述のように被削材の溝入れや突っ切り加工に用いられる切削インサートにおいて、正面切刃のコーナ部側にも確実に切削油剤を供給することができて当該部分の熱損傷や溶着の防止および被削材の溝壁面や切断面の精度や品位の向上を図ることができるとともに、溝加工の際にインサートを横方向に送り出して溝幅を広げるような場合でも、切削抵抗の増大を招くことなく円滑な切屑処理を図ることが可能である一方で、専らインサートを縦方向に送り出して溝入れや突っ切りに使用する場合には切屑を常に確実に制御してインサート寿命の延長を図ることが可能な切削インサートを提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸状をなすインサート本体の端部に、このインサート本体の長手方向に延びる一対の横切刃と、これらの横切刃の先端同士の間に上記長手方向に交差する方向に延びる正面切刃とを備えた四角形状のすくい面を有する切刃部が形成されており、上記すくい面には、上記一対の横切刃と正面切刃とが交差するコーナ部に向けてそれぞれ延びる一対の突条部が形成されるとともに、これらの突条部の上記コーナ部側の先端部と該コーナ部との間に、上記突条部と間隔をあけて突出する突起部が形成されていることを特徴とする。
従って、このような切削インサートでは、まず、上記一対の横切刃と正面切刃とが交差するコーナ部に向けてそれぞれ延びる一対の突条部に対して、これらの突条部の上記コーナ部側の先端部と該コーナ部との間に突出する突起部が、間隔をあけるようにして形成されているので、すくい面のうち一対の突条部と横切刃との間を通って先端側に供給された切削油剤は、この突起部と突条部の先端部との間の間隔をあけた部分を通して正面切刃のコーナ部側に流れ込むことになる。このため、かかる正面切刃のコーナ部側にも十分に切削油剤を供給してその潤滑や冷却を図ることが可能となる。
また、こうして突起部が突条部の先端部と間隔をあけて形成されていることにより、上述のような溝幅を広げるような加工を行うときに、横切刃の特にコーナ部側で生成される切屑は、この間隔をあけた部分ではこれら突起部や突条部に衝突することがないため、その全体が抵抗を受けることがなく、従って切削インサート側においても切削抵抗を低減することができる。その一方で、こうして間隔をあけた突起部と突条部の先端部とに衝突する切屑は、その幅方向に折り曲げられるようにして流出しつつ、さらにこの流出方向にカールさせられることになるので容易に分断され易くなり、切屑が受ける抵抗が少なくても円滑かつ確実な切屑処理を促すことが可能となる。
一方、インサート本体をその長手方向すなわち上記縦方向に送り出して被削材の溝入れや突っ切り加工だけを行う場合には、正面切刃により生成された切屑は、専ら上記一対の突条部の先端部に衝突して摺接することにより幅方向に強く丸め込まれて分断され易く処理されるが、これらの突条部は、上述のようにコーナ部に向けて延びるようにある程度の長さを持ってすくい面上に延在するものであるので、切屑が摺接することにより摩耗はしても、摩滅して無くなったりすることはない。また、突条部の先端部における突出高さを一定としておけば、摩耗により高さが変化することもないので、安定して円滑な切屑処理を図ることが可能となる。
ここで、上記突起部は、例えば上記突条部のコーナ部側の先端部と該コーナ部との間に球状や円錐状、あるいは円錐台状に突出する方向性のないものであってもよいが、この突起部を上記突条部の先端部から上記コーナ部に向けて延びるように形成した場合には、上述のようにインサートを横方向に送り出して溝幅を広げるような加工をする場合に、横切刃のコーナ部側で生成される切屑をこの突起部によって切刃部の後端側に案内することができ、かかる切屑が加工された溝の底面に接触して傷を付けたりするような事態を防止することが可能となる。
ただし、このように突起部を突条部の先端部からコーナ部に向けて延びるように形成する場合には、上記長手方向に垂直に上記すくい面に対向する方向から見て、上記突起部が上記長手方向に延びる軸線に対して15°〜75°の範囲で交差する方向に延びるように形成されるのが望ましい。すなわち、この角度が上記範囲を下回るほど小さいと、上述のような切屑を確実に切刃部の後端側に案内することができなくなるおそれがある一方、上記範囲を上回るほど大きいと、突起部への切屑の当たりが点当たりに近くなって安定して切屑を案内することが困難となるとともに、突起部の早期の摩耗を生じるおそれがある。
なお、特にこのように突起部を突条部の先端部から上記コーナ部に向けて延びるように形成するに際して、該突起部は連続して延びるように形成されていてもよいが、それぞれの上記突条部の先端部と上記コーナ部との間に、複数の上記突起部を間隔をあけて形成するようにして、これら複数の突起部が突条部の先端部からコーナ部に向けて不連続に延びるようにすれば、これらの突起部の間からも切削油剤を正面切刃側に供給することができて、一層効率的な潤滑や冷却を図ることができる。
このように、本発明の切削インサートによれば、被削材の溝入れや突っ切り加工を行う場合に、正面切刃のコーナ部側にも確実に切削油剤を供給して潤滑や冷却を図ることができ、この部分の熱による損傷や溶着を防止してインサート寿命を延長させることができるとともに、このような熱損傷や溶着によって被削材の溝壁面や切断面の精度や品位が損なわれるのを防ぐことが可能となる。また、その一方で、溝加工の際にインサートを横方向に送り出して溝幅を広げるような場合でも、切屑の全体が突条部に衝突するのを避けることができて切削抵抗の増大を抑えつつ、突起部と突条部とによって切屑を確実に分断して円滑な処理を図ることが可能となる。さらに、専らインサートを縦方向に送り出して溝入れや突っ切り加工を行う場合でも、切屑が摺接する突条部は摩滅したりすることがないため、切屑を長期に亙って安定して円滑に処理することができて一層長寿命の切削インサートを提供することができる。
図1ないし図8は、本発明の切削インサートの第1の実施形態を示すものである。本実施形態においてインサート本体1は、超硬合金等の硬質材料により形成されて軸線Lに沿って延びる概略方形軸状(方形柱状)をなし、この軸線Lに直交してインサート本体1の長手方向(軸線L方向。図2〜図4における左右方向)の中央に位置する平面Mに関して略対称に形成されるとともに、この平面Mに直交してインサート本体1の幅方向(図2および図4における上下方向。図5においては左右方向)中央に位置し、軸線Lを含んでインサート本体1の厚さ方向(図3および図5における上下方向)に延びる平面Nに関しても対称な形状とされている。
このインサート本体1の長手方向の端部(両端部)には切刃部2が形成されており、この切刃部2には、上記長手方向に延びる一対の横切刃3と、これらの横切刃3の先端同士の間に上記幅方向に延びる正面切刃4とを辺稜部に備えた、上記長手方向に延びる概略長方形状のすくい面5が、上記厚さ方向を向くように形成されている。なお、これら正面切刃4と横切刃3とが交差するコーナ部6は、上記長手方向に直交してすくい面5に対向する方向から見た平面視において、これら正面切刃4と横切刃3に滑らかに接する1/4凸円弧状に形成されている。
また、長手方向両端の切刃部2の間において、上記厚さ方向にすくい面5と同じ側を向くインサート本体1の上面部7は、図3に示すようにこれら切刃部2よりも厚さ方向に一段突出するようにされている。さらに、この上面部7と、該上面部7とは反対のインサート本体1の下面部8とには、その長手方向全長に亙って断面凹V字状をなす取付溝部7A,8Aが形成されており、これらの取付溝部7A,8Aが、インサート着脱式旋削工具のホルダに形成されたインサート取付座の互いに対向して断面凸V字状をなす一対の顎部に当接して挟み込まれることにより、当該切削インサートはこのホルダに保持されて被削材の溝入れ加工や突っ切り加工に使用される。なお、上面部7の上記長手方向を向く端面7Bは、それぞれ切刃部2側に向かうにしたがい下面部8側に向かって傾斜する傾斜面とされている。
さらにまた、切刃部2の上記長手方向を向く先端面と幅方向を向く両側面とは、それぞれ正面切刃4と一対の横切刃3の逃げ面9とされ、本実施形態の切削インサートは、これらの逃げ面9が、上記コーナ部6に連なる交差稜線部も含めてすくい面5から離間して上記下面部8側に向かうに従い漸次後退するように傾斜させられたポジティブタイプのインサートとされている。なお、この切刃部2の逃げ面9以外のインサート本体1の端面および側面は、上記厚さ方向に平行に延びる平面状とされている。
上記一対の横切刃3は、コーナ部6を含めて図3に示すように上記厚さ方向に垂直な平面上に延びるように形成されており、かつコーナ部6から切刃部2の後端側に向かうに従い幅方向に互いに接近するように僅かに傾斜してバックテーパが与えられている。また、正面切刃4は、上記平面視には一直線状に延びるように形成される一方、上記厚さ方向においては、そのコーナ部6側の両端部が該コーナ部6や横切刃3と同じ平面上に延びるように形成されるとともに、幅方向中央部は凹曲線状をなして厚さ方向に僅かに凹むように形成されている。なお、少なくとも上記コーナ部6には図7に示すように幅の極小さなランド10が形成されるとともに、すくい面5は、横切刃3、正面切刃4、およびコーナ部6から離間してその内側に向かうに従い厚さ方向に漸次後退するように傾斜するポジすくい面とされている。
そして、このポジすくい面とされたすくい面5のさらに内側には、上記コーナ部6に向けてそれぞれ延びる一対の突条部11がすくい面5から上記厚さ方向に突出するように形成されるとともに、これらの突条部11のコーナ部6側の先端部と該コーナ部6との間には、突条部11と間隔をあけてやはり上記厚さ方向に突出する突起部12がそれぞれ形成されている。また、これら突条部11と突起部12は、横切刃3、正面切刃4、およびコーナ部6との間にも間隔をあけるように形成されている。
このうち突条部11は、一対の突条部11同士で上記平面視にそれぞれ互いに対向してすくい面5の内側を向く内壁面13と、各々の突条部11が延びるコーナ部6に連なる横切刃3側を向く、すなわち互いに反対側を向く外壁面14とを備え、さらに本実施形態ではこれら内外壁面13,14の交差稜線部であって上記厚さ方向に最も突出した尾根となる部分に突端面15が形成されている。なお、内外壁面13,14は、図8に示すようにこの突端面15からすくい面2側に向かうに従い互いに離間するように傾斜する傾斜面とされていて、突端面15と鈍角の角度をもって交差させられている。
このような一対の突条部11は、上面部7の上記端面7Bに連なる該端面7Bより幅狭の後端部11Aから切刃部2の先端側に向けて2つに分岐して、それぞれ各コーナ部6に向けて該コーナ部6に連なる横切刃3に隣接するように延設されている。そして、このうち後端部11Aから分岐して上記長手方向に横切刃3の全長の略1/2の位置に至る後端側部分11Bでは、上記平面視にコーナ部6に向けてV字状に略真っ直ぐ延びるように形成される一方、この後端側部分11Bから延びる先端側部分11Cは、同平面視にそれぞれ隣接する横切刃3側に向けて凸曲する凸曲線状をなすように形成されている。
より詳しくは、この先端側部分11Cは、上記突端面15が、上記平面視において後端側部分11Bから切刃部2の先端側に向かうに従い、各突条部11に隣接する横切刃3側に一旦接近した後、さらに先端側に向かうに従い該横切刃3から離間するように湾曲する弧状の凸曲線をなすように形成されている。従って、この先端側部分11Cにおいて一対の突条部11の上記内壁面13は、上記平面視において各突条部11が隣接する横切刃3側に向けて凹曲する凹曲面状とされるとともに、上記外壁面14は逆に同横切刃3側に向けて凸曲する凸曲面状とされており、その曲率半径は、内外壁面13,14と突端面15との交差稜線部分において、外壁面14がなす凸曲線よりも内壁面13がなす凹曲線の方が僅かに小さくなるようにされている。
なお、この突条部11の先端部11Dは、上記平面視において概ねコーナ部6がなす凸円弧と並行するように湾曲して、またはこの円弧の弦の方向に平行に延びる直線状に形成されており、その先端は上記幅方向において正面切刃4の中央部が凹曲線状をなして厚さ方向に凹み始める位置に略配置されている。ただし、この先端部11Dにおける突端面15は、同平面視においてそのコーナ部6側の概ね該コーナ部6の二等分線上に位置する部分が、このコーナ部6側に僅かに突き出すように幅広に形成され、この突き出した部分から上記先端に至る部分では該突端面15と外壁面14との交差稜線が直線状に延びて突端面15の幅が漸次小さくなるようにされるとともに、この突き出した部分から先端側部分11Cにおいて外壁面14が凸曲面状をなす部分までの短い範囲では、該外壁面14が凹曲面状をなしてくびれるように形成されている。
さらに、突条部11の上記後端側部分11Bにおいては、内外壁面13,14がいずれも上記平面視において凹曲するように形成されており、このうち内壁面13はその後端側部分11Bが先端側部分11Cに対して鈍角をなして曲折する方向に凹曲するように形成されている。ただし、これら内壁面13の凹曲面状をなす先後端側部分11C,11Bが交差する曲折部13Aは、両凹曲面に滑らかに連なる凸曲面状に形成されており、また一対の突条部11の曲折部13A間の上記幅方向の間隔は、突端面15と交差する部分において、一対の突条部11の突端面15における上記先端同士の幅方向の間隔より小さくされている。また、外壁面14の後端側部分11Bも、同平面視において凸曲面状をなす先端側部分11Cと滑らかに連なるようにされており、横切刃3に対しては凹曲するように形成されることになる。
さらにまた、この突条部11の突端面15は、上記後端部11Aから後端側部分11Bにかけては厚さ方向に垂直で、上面部7に形成された取付溝部7Aの溝底よりも僅かに厚さ方向に後退した位置に配置された平坦面とされるとともに、上記先端側部分11Cでは、略上記曲折部13Aの位置から先端側に向けて図3に示すように凹曲しつつ厚さ方向に一段後退した後、再び厚さ方向に垂直な平坦面をなして突条部11の先端部11Dに至るようにされている。なお、この先端部11Dにおける突端面15は、横切刃3が形成された上記厚さ方向に垂直な平面よりも極僅かに突出するように配置されている。また、これら一対の突条部11の内壁面13よりさらに内側のすくい面2は、これらの内壁面13に滑らかに連なるとともに、上記厚さ方向に沿った幅方向の断面でも長手方向の断面でも滑らかに連続する凹曲線をなすような凹曲面状に形成されている。
一方、上記突起部12は、各コーナ部6の上記二等分線上に略位置して該コーナ部6と突条部11との間に間隔をあけて配置されている。この突起部12も、本実施形態では平坦な突端面16と、その周囲に配置されてこの突端面16と鈍角に交差し、すくい面5側に向かうに従い漸次拡がるように傾斜する周壁面17とを備えており、この突端面16の厚さ方向における高さは図8に示すように上記先端部11Dにおける突条部11の突端面15の高さと等しくされている。また、このような突起部12が突条部11と間隔をあけて形成されることにより、これらの突起部12と突条部11との間には周壁面17と外壁面14とが交差する部分に相対的に厚さ方向に凹んだ凹部18が形成されることになるが、この凹部18の底面は図8に示すように凹曲面状をなしている。
さらに、この突起部12は、本実施形態では上記突条部11の先端部11Dからコーナ部6に向けて延びるように形成されており、より詳しくは上記突端面16が上記平面視において長円状をなしていて、この長円の長軸が切刃部2の先端側に向かうに従い上記幅方向の外側に向かうように傾斜してコーナ部6に向けて延びるようにされている。ここで、上記平面視において、この突起部12がコーナ部6に向けて延びる方向は、インサート本体1の長手方向に延びる上記軸線Lに対して15°〜75°の範囲の角度θで交差するように設定されるのが望ましく、本実施形態では上記長円の長軸と軸線Lとがなす角度θが30°とされて、上記二等分線が軸線Lに対してなす角度よりも小さくされている。
なお、この突起部12は、その軸線L方向の先端、特に上記突端面16の先端が、突条部11よりも正面切刃4側に位置するように配設されている。ただし、突起部12は突条部11と比べて十分小さく形成されており、例えば本実施形態では長円状とされた上記突端面16が、突条部11の上記先端部11Dにおいてコーナ部6側に突き出した部分から先端までの部分の突端面15と略同じ大きさ、またはこれよりも一回り小さくなるようにされている。また、図中に符号19で示すのは、インサート本体1の両端部に形成された一対の切刃部2を識別するための表示であり、本実施形態ではこの表示19は、上記突条部11における後端部11Aの突端面15上に設けられた凹部であって、一対の切刃部2のうち一方の切刃部2のみに形成されている。
このように構成された切削インサートにおいて、インサート本体1を軸線L方向に前進させつつ、切刃部2の正面切刃4とその両端のコーナ部6とにより被削材に溝入れ加工や突っ切り加工を行う場合には、これら正面切刃4とコーナ部6によって生成されて軸線L方向に流れ出る切屑は、まず軸線L方向最先端に位置する上記突起部12に衝突して幅方向内側に案内され、次いで突条部11の先端部11Dに衝突して摺接することにより抵抗を受けて幅方向に丸め込まれるように曲折させられる。また、正面切刃4の幅方向中央部が凹曲させられていることによっても、切屑は幅方向に丸め込まれる。
さらに、こうして幅方向に丸め込まれた切屑は、一対の突条部11の内壁面13内側の凹曲面とされたすくい面5上を擦過するうちに、幅方向にさらに丸め込まれるとともに軸線L方向すなわち流出方向にも丸め込まれてこの突条部11の後端側部分11Bへと送り出される。そして、本実施形態では、これらの突条部11の先端側部分11Cにおける内壁面13が横切刃3側に向けて凹曲する凹曲面状とされていて、後端側部分11Bの内壁面13との曲折部13Aで一対の突条部11の内壁面13同士の間隔が幅狭とされているので、切屑はこの曲折部13Aに衝突することで、上述のように丸め込まれた幅方向と流出方向とにさらに大きな抵抗を受けることにより分断させられて処理される。
しかるに、こうして被削材に溝入れや突っ切り加工を行う際に、正面切刃4やコーナ部6による切削部位の潤滑や冷却のために切刃部2の後端側からすくい面5に向けて切削油剤を供給すると、一対の突条部11の内側は上述のように切屑が擦過しているため、切削油剤は専らこれらの突条部11の外側の横切刃3との間を通って先端側に送られることになるが、上記構成の切削インサートでは、この突条部11の先端部11Dと該コーナ部6との間に形成された上記突起部12が、突条部11との間に間隔をあけて突出させられていて、突条部11と突起部12との間に切刃部2の後端側から先端側に連通する上記凹部18が画成されているので、この凹部18を通して切削油剤を確実に正面切刃4に供給することが可能となる。
従って、上記切削インサートによれば、こうして供給された切削油剤により正面切刃4による切削部位を効果的に潤滑、冷却することが可能となり、切削抵抗の増大を抑えることができるとともに、切削時に発生する熱によって正面切刃4に損傷や溶着が生じたりするのを防ぐことができ、インサート寿命の延長を図ることが可能となる。また、特にこの突条部11と突起部12との間の凹部18は、正面切刃4のコーナ部6側の部分に向けて開口させられるので、かかる部分における損傷や溶着を確実に防止することができ、この正面切刃4のコーナ部6側によって形成される被削材の溝入れ加工の際の溝壁面や突っ切り加工の際の切断面を高精度かつ高品位に仕上げることも可能となる。
さらに、こうしてインサート本体1をその長手方向(軸線L方向)に送り出して溝入れや突っ切り加工を行う場合には、切屑は上述のように突条部11の先端部11Dに衝突して摺接することにより抵抗を受けて丸め込まれ、この抵抗によって突条部11には摩耗が生じることになるが、当該突条部11はコーナ部6に向かって延びるように形成されて、ある程度の長さを持ってすくい面5上に延在するものであるので、こうして摩耗しても摩滅してしまうことはない。すなわち、この切屑によって抵抗を受けるのが、特許文献1に記載されたバール(こぶ)のようなものであると、図9(a)に示すようにこのバールBの摩耗が進行することによってその高さHが漸次小さくなって、やがては摩滅つまりバールBが無くなってしまう。なお、この図9(a)においてバールB以外の部分については図9(b)に示す第1の実施形態と同じ符号を用いて説明を省略する。
ところが、これに対して上記切削インサートのように切屑による抵抗を受けるのが突条部11であれば、図9(b)に示すように摩耗によって先端部11Dが後退はしても、摩滅して無くなってしまうようなことはないのである。しかも、本実施形態ではこの突条部11の先端部11Dにおける突端面15が上記厚さ方向に垂直な平坦面とされているので、同図9(b)に示すように摩耗により後退しても高さは変わることがなく、従って切屑に対して常に一定の抵抗を与えることができて、円滑な切屑処理を図るとともに、長寿命の切削インサートを提供することが可能となる。
一方、上記溝入れ加工の際、インサート本体1を軸線L方向に送り出して所定の深さまで溝を形成した後に、そのままインサート本体1を上記幅方向(横方向)に送って溝幅を広げるような加工を行う場合には、この幅方向に送り出される側の横切刃3とコーナ部6とによって切削が行われることになるが、この場合にも上記構成の切削インサートでは突条部11と突起部12とが間隔をあけていることにより、切削抵抗を低減しつつ、切屑の円滑かつ確実な処理を図ることができる。
すなわち、このように横切刃3とこれに連なるコーナ部6によって生成される切屑は、このコーナ部6から上記所定の深さの幅でインサート本体1の上記幅方向に流れ出て、突条部11の外壁面14と突起部12とに衝突して処理されるが、このとき突条部11と突起部12とが間隔をあけているので、切屑はその全体がこれら突条部11と突起部12、特に突条部11の外壁面14にいわゆるベタ当たりすることがなく、切屑が衝突する際の抵抗を抑えることができる。特に本実施形態では、突条部11の先端側部分11Cの外壁面14が上記平面視において横切刃3側に凸となる凸曲面状とされており、従ってこの外壁面14に切屑が衝突する部分でも、横切刃3側に最も凸となって接近した部分の周辺だけが衝突することになるので、この切屑から受ける切削抵抗の一層の低減を図ることができる。
その一方で、こうして間隔をあけた突起部12と突条部11とに衝突することにより、横切刃3によって生成された切屑は、上記正面切刃4によって切削された切屑が一対の突条部11の先端に衝突する場合と同様にその幅方向(インサート本体1では長手方向)に丸め込まれるように折り曲げられるとともに、すくい面5上に突出したこれら突条部11および突起部12に押し付けられることによって流出方向(インサート本体1では幅方向)にも丸め込まれるようにカールさせられる。従って、こうして幅方向と流出方向とに折り曲げられることにより、切屑は応力を受けて分断されやすくなり、たとえ上述のように突条部11と突起部12に切屑が衝突する際の抵抗が小さくても、確実に切屑を分断して円滑に処理することが可能となるのである。
さらに、突起部12が、コーナ部6に向けて延びる突条部11の先端部11Dと該コーナ部6との間に形成されているので、上述のようにインサート本体1を軸線L方向に前進させて正面切刃4により溝入れ加工や突っ切り加工を行う場合や、インサート本体1を幅方向に送り出して溝幅を拡げるような加工を行う場合以外に、例えばインサート本体1を前進させつつ幅方向にも送り出したり、あるいはインサート本体1を後退させつつ幅方向にも送り出したりして、被削材に形成された溝の壁面や被削材の端面を斜めに切削するような場合でも、切屑を確実に突条部11の先端部11Dの間や突条部11と突起部12との間に案内して処理することができる。
すなわち、インサート本体1を前進させつつ幅方向にも送り出して被削材の溝壁面や端面を斜めに切削する場合、切屑は、この幅方向への送り方向つまり幅送り方向に対して後方側のコーナ部6から正面切刃4の幅送り方向側に延びる部分によって生成されて、正面切刃4から軸線L方向後方側に向かうに従い幅送り方向後方側に向けて斜めに流出することになるが、この幅送り方向後方側のコーナ部6と突条部11の先端部11Dとの間に突起部12が配設されて切屑が衝突することにより、該切屑はその流出方向を軸線Lに沿った方向に向けるように案内されて、幅送り方向後方側の突条部11に摺接し、あるいはこの突条部11の内側に巻き込まれてカールさせられる。
一方、インサート本体1を後退させつつ幅方向にも送り出して溝壁面や端面を斜めに切削する場合は、この幅送り方向側のコーナ部6から軸線L方向後方側に延びる横切刃3の先端側部分により切屑が生成され、その流出方向は軸線L方向先端側に向かうに従い幅送り方向後方側に向けてやはり斜めに傾いた方向となる。ところが、切屑を生成する横切刃3に対してこの流出方向側にも突起部12が上記幅送り方向側のコーナ部6と突条部11との間に形成されているので、この突起部12と衝突することにより切屑は、その流出方向を軸線Lに垂直な幅方向に沿わせるように案内され、単にインサート本体1を横方向に送って切削する場合と同様に該突起部12と突条部11の外壁面14とに衝突して処理される。すなわち、上記構成の切削インサートでは、こうしてインサート本体1を斜めに送り出す場合でも、生成された切屑を確実に処理することが可能となる。
また、本実施形態における突起部12は、その突端面16が上記平面視において長円状をなして、突条部11の先端部11Dからコーナ部6に向けて延びるように形成されており、上述のようにインサート本体1を幅方向だけに送り出して溝幅を広げる場合にこの突起部12に衝突した切屑を、該突起部12が延びる方向に沿って切刃部2の後端側に案内するように流出させることができる。このため、横切刃3によって生成されて上述のようにインサート本体1の幅方向に沿った流出方向に丸め込まれた切屑が、そのまま切削された溝壁面に接触することにより該溝壁面が傷つけられたりするのを防ぐことが可能となり、一層高精度かつ高品位の加工を促すことができる。
なお、本実施形態では、こうしてコーナ部6に向けて延びる突起部12の延設方向、すなわち上記平面視において突起部12の突端面16がなす長円の長軸方向が、同平面視においてインサート本体1の長手方向に延びる軸線Lに対して15°〜75°の角度θの範囲で交差する方向とされているが、これは、この角度θが小さすぎて突起部12がインサート本体1の長手方向に平行な方向に近く、すなわち横切刃3の延びる方向にも平行に近い方向に延びていると、インサート本体1の幅方向に沿って流出した切屑が丸め込まれてそのまま溝壁面に接触するおそれが生じ、逆に角度θが大きすぎて突起部12の延設方向が上記平面視に横切刃3に垂直な方向に近くなると、突起部12と切屑との衝突が点当たりに近くなって安定した案内が困難となるとともに、突起部12が早期に摩耗してしまうおそれがあるからである。
ただし、本実施形態では、上記平面視においてこの突起部12が延びる延設方向が軸線Lに対してなす角度θが、コーナ部6の二等分線が軸線Lに対してなす角度よりも小さくされているが、この角度θが上記範囲内であれば、例えば図10に示す本発明の第2の実施形態のように、突起部21の延設方向が軸線Lに対してなす角度θが、コーナ部6の二等分線が軸線Lに対してなす角度よりも大きくされていてもよい。ちなみに、この第2の実施形態においては、上記角度θは60°とされている。このように角度θを大きくした第2の実施形態によれば、インサート本体1を軸線L方向に送り出して溝入れや突っ切り加工を行うときに、正面切刃4のコーナ部6側の部分は勿論、このコーナ部6自体にも、より広い範囲に上記凹部18を通して切削油剤を供給することが可能となるので、一層の抵抗低減と熱損傷や溶着の防止とを図ることができる。
また、これら第1、第2の実施形態では、突起部12が上記平面視にその突端面16を長円状としてコーナ部6側に連続的に延びるように形成されているが、図11に示す本発明の第3の実施形態のように、突条部11の先端部11Dからコーナ部6側に向けて、複数の例えば円錐台状等の突起部22を間隔をあけて配設して、これらの突起部22が不連続に延びるようにされていてもよい。この場合には、突条部11との間に形成される凹部18のほかに、突起部22同士の間隔部分に形成される凹部18からも正面切刃4側に切削油剤を供給することができ、油剤供給量の増大を図ることができる。
さらに、例えば専ら被削材の溝入れや突っ切り加工に使用されるだけで、溝幅を広げるような加工には用いられない切削インサートであれば、図12に示す本発明の第4の実施形態のように方向性をもたない円錐台状の突起部23、あるいは球面状の突起部を一対の突条部11の先端部11Dと各コーナ部6との間に1つずつ突設するようにしてもよく、この場合には突起部23と先端部11Dあるいはコーナ部6との間隔をより大きくできるので、やはり正面切刃4側への切削油剤の供給量を増大させて効率的な潤滑、冷却を図ることができる。なお、これら図10ないし図12に示した第2ないし第4の実施形態において、突起部21〜23以外の上記第1の実施形態と共通する部分には同一の符号を配して説明を省略してある。
一方、上記第1の実施形態を初め、これら第2ないし第4の実施形態でも、上記平面視において一対の突条部11の先端側部分11Cは、各突条部11が隣接する横切刃3側に向けて、その内壁面13が凹曲する凹曲面状とされるとともに外壁面14は凸曲する凸曲面状とされており、インサート本体1を軸線L方向に送り出して溝入れや突っ切り加工を行うときに正面切刃4によって生成される切屑は、一対の突条部11の互いに対向する内壁面13同士により上述のように分断処理することができるとともに、溝幅を広げる加工において横切刃3により生成される切屑は、外壁面14と突起部12,21〜23とにより処理することができる。
また、こうして外壁面14が凸曲面状をなしていることにより、溝幅を広げる場合でも上述のようなインサート本体1を幅方向に送り出しつつ後退させて傾斜した溝壁面を形成するときのように、切屑がインサート本体1の幅方向内側に向かうに従い切刃部2の先端側に向けても流れ出るような、切屑の流出方向が変化する場合に、外壁面14をこの切屑の流出方向に常に対向するように配設することができ、従ってこの外壁面14に安定的に切屑を衝突させて確実な処理を図ることができる。
さらに、これら第1ないし第4の実施形態では、こうして突条部11の先端側部分11Cにおける外壁面14が上記平面視に凸曲面とされているのに対し、後端側部分11Bの外壁面14は隣接する横切刃3に対して凹曲する凹曲面状とされており、従ってこの後端側部分11Bでは横切刃3と突条部11との間により大きな間隔を確保することができる。そして、この大きな間隔部を介して、切刃部2先端側の上記突起部12,21〜23と突条部11との間の凹部18に向けてより多くの切削油剤を供給することが可能となるので、これらの実施形態によれば、一層確実に正面切刃4の特にコーナ部6側に切削油剤を供給して効率的な潤滑や冷却を図ることができる。
なお、上記第1ないし第4の実施形態では、突条部11の先端部11Dにおける突端面15が、上記平面視においてコーナ部6の二等分線上に位置する部分を該コーナ部6側に僅かに突き出させて幅広となるように形成されているが、突端面15あるいは突条部11自体が、少なくともこの先端部11Dまたは先端部11Dから上記先端側部分11Cも含めた範囲において、先端側に向かうに従い漸次幅狭となるか、もしくは一定幅のまま延びるように形成されていてもよい。
ここで、図13ないし図16にそれぞれ示すのは、突端面15の幅を先端部11Dから先端側部分11Cも含めた範囲において先端側に向かうに従い漸次幅狭とした場合の第1ないし第4の実施形態の変形例であるが、このように突端面15や突条部11において先端部11Dに幅広となる部分が形成されないようにすることにより、突条部11と突起部12,21〜23との間隔をより大きく確保して先端側に多量の切削油剤を供給可能とするとともに、供給される切削油剤の流れもスムーズにして効率的な供給を促すことができる。
ただし、こうして突条部11の先端部11Dにおける突端面15の幅を先端側に向かうに従い幅狭としたり一定幅とした場合でも、突起部12は突条部11よりも小さくされており、すなわち図13および図14に示した変形例のように突起部12,21の突端面16が長円状をなしているときには、その短軸方向の幅は突条部11の先端部11Dにおける突端面15の幅と略同等かこれより小さくされるとともに長軸方向の長さは突端面15より小さくされる。また、図15および図16に示す変形例のように突起部22,23が円錐台状や球面状をなしてその突端面16が円形とされているときには、この円形の突端面16の直径が、先端部11Dにおける突条部11の突端面15の幅と略同等かこれより小さくされる。
本発明の第1の実施形態を示す斜視図である。 図1に示す実施形態をその長手方向に垂直にすくい面5に対向する方向から見た平面図である。 図1に示す実施形態の側面図である。 図1に示す実施形態の底面図である。 図1に示す実施形態の正面図である。 図1に示す実施形態の切刃部2の拡大斜視図である。 図2における切刃部2の拡大平面図である。 図7におけるZZ拡大断面図である。 (a)特許文献1に記載された発明のバール(こぶ)と、(b)第1の実施形態における突条部11とで、摩耗の進行による高さHの変化を示す図(図7におけるYY断面図に相当する図)である。 本発明の第2の実施形態をその長手方向に垂直にすくい面5に対向する方向から見た切刃部2の拡大平面図である。 本発明の第3の実施形態をその長手方向に垂直にすくい面5に対向する方向から見た切刃部2の拡大平面図である。 本発明の第4の実施形態をその長手方向に垂直にすくい面5に対向する方向から見た切刃部2の拡大平面図である。 第1の実施形態の変形例をその長手方向に垂直にすくい面5に対向する方向から見た切刃部2の拡大平面図である。 第2の実施形態の変形例をその長手方向に垂直にすくい面5に対向する方向から見た切刃部2の拡大平面図である。 第3の実施形態の変形例をその長手方向に垂直にすくい面5に対向する方向から見た切刃部2の拡大平面図である。 第4の実施形態の変形例をその長手方向に垂直にすくい面5に対向する方向から見た切刃部2の拡大平面図である。
符号の説明
1 インサート本体
2 切刃部
3 横切刃
4 正面切刃
5 すくい面
6 コーナ部
11 突条部
11A 突条部11の後端部
11B 突条部11の後端側部分
11C 突条部11の先端側部分
11D 突条部11の先端部
12,21〜23 突起部
13 突条部11の内壁面
14 突条部11の外壁面
15 突条部11の突端面
16 突起部12,21〜23の突端面
17 突起部12,21〜23の周壁面
18 突条部11と突起部12,21〜23との間の凹部
L インサート本体1の軸線
θ インサート本体1の長手方向に垂直にすくい面5に対向する方向から見て、突起部12,21〜23が延びる方向がインサート本体1の長手方向に延びる軸線Lに対して交差する角度

Claims (4)

  1. 軸状をなすインサート本体の端部に、このインサート本体の長手方向に延びる一対の横切刃と、これらの横切刃の先端同士の間に上記長手方向に交差する方向に延びる正面切刃とを備えた四角形状のすくい面を有する切刃部が形成されており、上記すくい面には、上記一対の横切刃と正面切刃とが交差するコーナ部に向けてそれぞれ延びる一対の突条部が形成されるとともに、これらの突条部の上記コーナ部側の先端部と該コーナ部との間に、上記突条部と間隔をあけて突出する突起部が形成されていることを特徴とする切削インサート。
  2. 上記突起部は、上記突条部の先端部から上記コーナ部に向けて延びるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の切削インサート。
  3. 上記長手方向に垂直に上記すくい面に対向する方向から見て、上記突起部が上記長手方向に延びる軸線に対して15°〜75°の範囲で交差する方向に延びるように形成されていることを特徴とする請求項2に記載の切削インサート。
  4. それぞれの上記突条部の先端部と上記コーナ部との間には、複数の上記突起部が間隔をあけて形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の切削インサート。
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