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JP2008270013A - プラズマ処理装置 - Google Patents

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好人 神
Masaru Shimada
勝 嶋田
Mikiho Kiuchi
幹保 木内
Tomoo Okubo
友男 大久保
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Abstract

【課題】より安定した状態でプラズマが生成できるようにする。
【解決手段】ECRプラズマ生成のためのマイクロ波を伝搬する矩形導波管106の一部に電磁波導入口112としての開口部を設け、この開口部より導入した電磁波によりプラズマを生成するための電子を供給するようにする。マイクロ波導入窓105を通じてマイクロ波と同時に導入された上記電磁波が、プラズマ生成室102内のガス分子、又はプラズマ生成室102を構成している固体材料に吸収され、電子が放出される。この電子が、ECR条件により加速されプラズマを形成する「火だね」の様な働きをする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プラズマ,イオン,及びラジカルの発生源となるプラズマ生成部を備えたプラズマ処理装置に関わり、特に、薄膜形成,エッチング,クリーニング,及び反応促進処理などの加工処理を行うプラズマ処理装置に関するものである。
一般に、高品質な薄膜の形成、極微細加工や高密度のエッチングなどを実現するために、電子サイクロトロン共鳴(electron cyclotron resonance)プラズマが利用されている。このECRプラズマは、次に示すような優れた特徴を有している。まず、低ガス圧(0.01〜0.001Pa)での放電が可能である。また、無電極放電のため、酸化ガスなどの反応ガスが使用可能である。また、各種反応に適当なイオンエネルギー(10〜30eV)での使用が可能であり、ガス圧や磁場によりイオンエネルギーを制御することが容易である。加えて、高密度のプラズマ生成が可能である。
このようなプラズマを用いる装置として、図26に示すようなECRプラズマ処理装置がある(特許文献1参照)。この装置は、スパッタ装置であり、まず、処理室2601とこれに連通するプラズマ生成室2602とを備えている。処理室2601は、排気口2603を介して図示していない真空排気装置に連通し、真空排気装置によりプラズマ生成室2602とともに内部が真空排気される。また、処理室2601は、Arなどのスパッタガスや反応ガスなどを供給可能とするガス供給部2611を備えている。
また、処理室2601には、処理対象の基板Wが固定される基板ホルダ2604が設けられている。基板ホルダ2604は、図示しない回転機構により回転可能とされている。また、処理室2601内のプラズマ生成室2602からのプラズマが導入される開口領域において、開口領域を取り巻くようにリング状のターゲット2605が備えられている。ターゲット2605は、絶縁体からなる容器2605a内に載置され、内側の面が処理室2601内に露出している。また、ターゲット2605には、高周波電源供給部2621が接続され、例えば、13.56MHzの高周波が印加可能とされている。
一方、プラズマ生成室2602は、石英よりなるマイクロ波導入窓2606を介してテーパ導波管2607及び矩形導波管2608に接続され、矩形導波管2608は、マイクロ波発生源2609に連通している。矩形導波管2608は、矩形導波管である。また、プラズマ生成室2602の周囲には、磁気コイル2610が備えられている。加えて、プラズマ生成室2602は、スパッタガスを供給可能とするガス供給部2612を備えている。
しかしながら、上記ECRプラズマ処理装置を用いて薄膜生成を行う場合、マイクロ波導入窓2606が、生成しているプラズマに直接接触しているため、基板Wの上に形成される膜と同様の膜が、マイクロ波導入窓2606の表面にも形成される。このため、導電性膜を基板W上に形成する場合、マイクロ波導入窓2606にも導電性の膜が付着し、マイクロ波がマイクロ波導入窓2606を通過しにくくなり、ECRプラズマが不安定になり、あるいは、ECRプラズマが発生しなくなる。
この問題を解決するために、図27に示すようなECRプラズマ処理装置が提案されている(特許文献2参照:特許3136387号公報)。このECRプラズマ処理装置は、まず、処理室2701とこれに連通するプラズマ生成室2702とを備えている。処理室2701は、排気口2703を介して図示していない真空排気装置に連通し、真空排気装置によりプラズマ生成室2702とともに内部が真空排気される。また、処理室2701は、Arなどのスパッタガスや反応ガスなどを供給可能とするガス供給部2711を備えている。
処理室2701には、処理対象の基板Wが固定される基板ホルダ2704が設けられている。基板ホルダ2704は、図示しない回転機構により回転可能とされている。また、処理室2701内のプラズマ生成室2702からのプラズマが導入される開口領域において、開口領域を取り巻くようにリング状のターゲット2705が備えられている。ターゲット2705は、絶縁体からなる容器2705a内に載置され、内側の面が処理室2701内に露出している。また、ターゲット2705には、高周波電源供給部2721が接続され、例えば、13.56MHzの高周波が印加可能とされている。
一方、プラズマ生成室2702は、真空導波管2706に連通し、真空導波管2706は、真空を維持するための石英製のマイクロ波導入窓2707を介して矩形導波管2708に接続されている。真空導波管2706は、内部でマイクロ波の進行方向が外部磁界に垂直でマイクロ波電界が外部磁界に平行になるように配置されている。矩形導波管2708は、マイクロ波発生源2709に連通している。マイクロ波発生源2709より供給されたマイクロ波電力は、矩形導波管2708において一旦分岐し、プラズマ生成室2702上部の真空導波管2706に、プラズマ生成室2702の側方からマイクロ波導入窓2707を介して結合させている。
また、図示していないが、マイクロ波のマッチングをとるスリースタブナーの整合器を備える。また、プラズマ生成室2702の周囲及びプラズマ生成室2702の上部には、磁気コイル2710が備えられている。加えて、プラズマ生成室2702は、スパッタガスを供給可能とするガス供給部2712を備えている。
この装置では、マイクロ波発生源2709より生成されたマイクロ波は、矩形導波管2708を伝搬する。生成されたマイクロ波は、矩形導波管2708に導入されると、まず、図示していない整合器を経由して、分岐箇所まで伝搬する。分岐箇所で2つに分けられたマイクロ波は、これに連通する2つの矩形導波管により等しい距離を進んだ後、各々マイクロ波導入窓2707を通過し、真空導波管2706の接続部(中央部)に到達する。この接続部では、マイクロ波電界は、逆位相となり打ち消しあい、マイクロ波磁界は同位相となり強め合う。この磁界によりマイクロ波が励起され、プラズマ生成室2702に放射される。
磁気コイル2710により、プラズマ生成室2702内にECR条件を満足する磁場(マイクロ波の周波数が2.45GHzのとき、87.5mTがECR磁場となる)を形成すると共に、真空導波管2706内にECR磁場より強い磁場を発生させる。プラズマを生成するためのガスをプラズマ生成室2702の内部に導入して、ECR条件を満足する磁場と、マイクロ波を導入することによりプラズマが生成する。
ここで、ECRプラズマの生成原理について図28を用いて説明する。図28(a)に示すように、磁場中の電子2801は、磁力線Bの回りで半径γの回転運動を行う。このとき回転角周波数ωcは、磁場強度により決定され、「γ=mν/eβ・・・(1)」,「ωc=eB/m・・・(2)」が成り立つ。なお、式(1)及び式(2)において、mは電子質量、νは電子の速度、eは電子の電荷である。
一方、磁力線Bと垂直に電磁波による各周波数ωμなる交番電界を付与し、この周波数を電子の各周波数と一致させる、つまり、ωc=ωμとすると、図28(b)に示すように、電子2802は共鳴加速されて高速に円運動する。この高速に円運動する電子が、ガス分子と衝突することで、衝突された分子はイオン化(電離)して電子を放出する。このように放出された電子が、前述同様にECR条件により高速に回転運動を行い、他のガス分子と衝突し電子を放出(分子を電離)させる。これらの衝突と電子の放出・電離は、連鎖的に起き、電子とイオンの数が級数的に増加し、プラズマが生成されるようになる。
なお、同時に、磁気コイル2710は、プラズマ生成室2702内から処理室2701内にかけて磁場強度が適度な勾配で減少する発散磁界を形成する。生成したプラズマは、この発散磁界によりプラズマ流として基板Wに照射され、この上に膜を形成させる。上述した構成では、プラズマ生成室2702内部に生成されているプラズマが、直接マイクロ波導入窓2606と接触することなく形成される。このため、マイクロ波導入窓2606への膜の付着を大きく減少させることができ、安定にプラズマを生成できる。また、真空導波管2706内の磁場強度をECR磁場より高くすることで、マイクロ波の遮断現象とマイクロ波のプラズマによる減衰を抑え、プラズマ生成室2702に対してマイクロ波を高磁場側から導入できる。
特公昭63−9584号公報 特許3136387号公報
しかしながら、上述したECRプラズマ処理装置において、プラズマ生成室2702内のガス圧条件,磁場条件,マイクロ波条件を,ECRプラズマが発生するための最適条件としてもプラズマが生成しない場合があった。
このプラズマが生成しない現象は、例えば、タンタルターゲットを用いた酸化膜の形成時や、酸化物ターゲットを用いた酸化膜の形成時に顕著であった。これは、形成しようとしている酸化膜が、プラズマ生成室2702及び基板が設置されている処理室2701の内壁面を覆うように形成されてしまうために発生する。このように、壁面に形成対象の膜が形成されると、プラズマの発生に必要となる電子の発生が抑制されてしまうためにプラズマが発生しにくい状況と考えられる。
しかし従来では、図29のフローチャートに示すように、プラズマ生成室を減圧(真空に)する工程S2901と、プラズマ生成室にガスを導入する工程S2902と、プラズマ生成室内に磁場を印加する工程S2903と、プラズマ生成室内にマイクロ波を導入する工程S2904の後に、プラズマが生成したかを確認し(工程S2905)、プラズマが生成していない場合、プラズマが生成するまで磁場の調整(工程S2906)を繰り返し、プラズマが生成した後に所定の処理(工程S2907)を行うようにしていた。しかし、磁場を調整するだけでは、プラズマが生成しない場合が多く、プラズマ処理装置を用いた作業の効率と大きく低下させる原因となっていた。
この発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、より安定した状態でプラズマが生成できるようにすることを目的とする。
本発明に係るプラズマ処理装置は、電子サイクロトロン共鳴によるプラズマを発生させるためのマイクロ波を発生するマイクロ波発生源と、マイクロ波発生源により生成されたマイクロ波を導波する矩形導波管と、矩形導波管とマイクロ波導入窓を介して接続し、内部を排気可能とされてプラズマ引き出し口を備えたプラズマ生成室と、プラズマ生成室のプラズマ引き出し口を備えた面に隣接する面の周囲に配置され、電子サイクロトロン共鳴に必要な磁場をプラズマ生成室の内部に印加する磁場発生部と、プラズマ生成室の内部にプラズマガスを供給するガス供給手段と、矩形導波管の側部に設けられた電磁波導入口と、電磁波導入口より矩形導波管にマイクロ波より高い周波数の高周波を供給する電磁波導入手段とを少なくとも備えたものである。この装置によれば、プラズマ生成室に、マイクロ波より高周波の電磁波が供給可能とされている。
上記電磁波導入口の開口径は、マイクロ波の遮断周波数から求められる寸法より小さい値とされていればよい。
また、上記プラズマ処理装置において、プラズマ生成室の一部に設けられた真空導波部を備え、マイクロ波導入窓は、真空導波部の、プラズマ引き出し口を備えた面に隣接する面の側に設けられているようにしてもよい。また、真空導波部は、対向して配置された2つのマイクロ波導入窓を備え、矩形導波管は、マイクロ波発生源に接続する導入部矩形導波管と、この導入部矩形導波管に分岐部で連通する2つの分岐矩形導波管とを備え、2つの分岐矩形導波管は、各々が2つのマイクロ波導入窓に接続しているようにしてもよい。
また、上記プラズマ処理装置において、矩形導波管は、マイクロ波導入窓に直接接続する直線部分と、この直線部分に連続する屈曲部とを備え、電磁波導入口は、屈曲部の外側側面に設けられているようにするとよい。
以上説明したように、本発明によれば、矩形導波管の側部に設けられた電磁波導入口と、電磁波導入口より矩形導波管にマイクロ波より高い周波数の高周波を供給する電磁波導入手段とを備えるようにしたので、より安定した状態でプラズマが生成できるようになるといいう優れた効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。なお、以下に示す実施の形態は、1つの例示であって、本発明の精神を逸脱しない範囲で具体的構造の変更あるいは改良を行い得ることは言及するまでもない。また、以下の説明において、1Pa=0.0076Torrである。また、1T=10000ガウスである。さらに、ガス流量を示すsccmという単位は、0℃・1気圧の流体が1分間に1cm3流れることを示すもので、以下の説明で記載しているガス流量は、窒素ガス換算したものを用いている。また、「周波数」とは、物理学でいう「振動数」の同様の意味で用いている。つまり、等速円運動あるいは単振動などの振動運動や波動が単位時間あたりに繰り返される回数のことである。周波数は、運動の周期の逆数であり、単位はヘルツ(Hz)である。「周波数」が主に電磁波や振動電流などの電気振動を扱う電気工学・電波工学又は音響工学などで用いられる工学用語であるのに対し、「振動数」は、力学的運動など自然科学・理学における物理現象に用いられることが多い。
図1は、本発明の実施の形態におけるプラズマ処理装置の構成を示す構成図である。本実施の形態におけるプラズマ処理装置は、まず、処理室101とこれに連通するプラズマ生成室102とを備えている。処理室101とプラズマ生成室102とは、プラズマ引き出し口103で連通されている。処理室101には、排気部104が設けられ、排気部104によりプラズマ生成室102とともに内部が真空排気される。また、処理室101は、Arなどのスパッタガスや反応ガスなどを供給可能とするガス供給部109を備えている。なお、以下では、プラズマ生成室102のプラズマ引き出し口103の側を下方とし、磁場発生部108の配置側を側方としている。ただし、実際の装置では、プラズマ引き出し口103を、プラズマ生成室102に対して大地とは反対側に配置する場合もある。
一方、プラズマ生成室102は、石英よりなるマイクロ波導入窓105を介して矩形導波管106に接続され、矩形導波管106は、ECRプラズマを発生させるためのマイクロ波を供給(発生)するマイクロ波発生源107に連通している。また、プラズマ生成室102のプラズマ引き出口103を備えた面に隣接する面(側部)の周囲には、磁気コイルなどの磁場発生部108が備えられ、プラズマ生成室102の内部に対して磁場の印加を可能としている。また、プラズマ生成室102には、スパッタガスを供給可能とするガス供給部(ガス供給手段)110を備えている。
本装置は、ECRプラズマを生成するプラズマ処理装置であり、まず、処理室101及びプラズマ生成室102内を真空排気した後、ガス供給部110より不活性ガスであるArガス又はXeガスを導入し、場合によっては、ガス供給部109より反応性ガスを導入し、プラズマ生成室102内を例えば10-5〜10-4Pa程度の圧力にする。この状態で、磁場発生部108よりプラズマ生成室102内に0.0875T(テスラ)の磁場を発生させた後、マイクロ波発生源107より発生させた2.45GHzのマイクロ波を、矩形導波管106を導波させ、この導波させたマイクロ波をマイクロ波導入窓105を介してプラズマ生成室102内に導入すれば、一般には、プラズマ生成室102内のガスがプラズマ化され、プラズマ生成室102内に電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマが生成される。ECRプラズマは、磁場発生部108からの発散磁場により、プラズマ引き出し口103から処理室101の方向へのプラズマ流を形成する。
しかしながら、前述したように、ECRプラズマが発生するための最適条件としてもプラズマが生成しない場合があった。これを解消するために、本実施の形態のプラズマ処理装置では、前述した基本的な構成に加えて、矩形導波管106の側部に電磁波導入口112を設け、ここに電磁波導入部111を接続し、マイクロ波発生源107より供給されるマイクロ波より高周波の電磁波を、矩形導波管106内に導入可能とした。電磁波導入部111は、導入電磁波制御部113の制御により動作する。なお、図1では、よく知られた整合器などのECRプラズマを生成するために必要な一部の構成要素は省略して図示していない。
本実施の形態によるプラズマ処理装置は、ECRプラズマ生成のためのマイクロ波を伝搬する矩形導波管106の一部に電磁波導入口112としての開口部を設け、後述するように、この開口部より導入した電磁波によりプラズマを生成するための電子を供給するようにしたものである。このように、矩形導波管106の一部に電磁波導入部111を設けることで、プラズマ源となるプラズマ生成室102に近く、また、電磁波導入部111が、装置の真空側ではなく大気中(外側)に存在しているため、プラズマ生成室102の内部に発生したプラズマに大きな影響を与えることなく、効率よくプラズマの生成を行うことが可能となる。
電子供給の手段として、例えば、処理室101やプラズマ生成室102に電子銃を入れてプラズマ生成に必要となる電子を供給することも可能である。しかし、この場合、電子源としてタングステンの加熱による電子の供給が考えられるが、クリーニング,スパッタによる成膜、エッチングのプラズマ処理を行う同じ真空中で電子源の動作を行わざるを得ない。このため、電子源からのコンタミ発生や放電など好ましくない影響が多少なりとも発生し、高精度なプロセスが求められる場合には適用することが容易ではなかった。
また、大気中に電磁波発生源を置き、処理室101などの覗き穴(ビューポートという)から減圧されている(真空排気されている)処理室101内部に向かってレーザなどの電磁波を導入する場合がある。しかし、この場合、ECRプラズマを発生するECRポイントから電磁波発生源の距離が離れてしまうため、大出力の電磁波発生源が必要となる。例えば、テスラコイルをビューポートに近づけてプラズマを発生させる場合、プラズマが発生する強度にすると、発生させている電磁波が周辺のコンピュータやモニタに影響して装置の制御できなくなることがあった。また、短波長レーザなどのレーザ光源を用い、ビューポートから電磁波としてのレーザを導入する場合がある。しかし、この場合も、大出力レーザが必要となり、装置そのものが大がかりとなって高額となってしまった。
以上のことに対し、本実施の形態のプラズマ処理装置のように、マイクロ波導入窓105付近の矩形導波管106の側面に電磁波導入口112を設け、電磁波導入口112から電磁波を導入することにより、より効率的に安価に、安定したプラズマの生成を行うことが可能となる。マイクロ波導入窓105を通じてマイクロ波と同時に導入された上記電磁波が、プラズマ生成室102内のガス分子、又はプラズマ生成室102を構成している固体材料に吸収され、電子が放出される。この電子が、ECR条件により加速されプラズマを形成する「火だね」の様な働きをする。
物質が電磁波を吸収した際には、物質内部の電子が励起され、電子が飛び出し、また、光伝導や光起電力が現れることがある。この現象は光電効果と呼ばれ、励起された電子は光電子と呼ばれる。この励起による光電子が、物質の表面から放出される現象を外部光電効果と呼ばれる。
上述した光電効果には、以下に示す特徴がある。
(1)電子の放出は、ある一定以上の大きな周波数の電磁波で発生し、周波数の小さな電磁波(長波長の電磁波)の照射では電子の放出は起きない。
(2)周波数の大きい電磁波を照射すると、電子1つ1つのエネルギーは変わるが、飛び出す電子の数に変化はない。つまり、光のエネルギーはプランク定数hと光の振動数μの積なので、光の周波数が多くなれば、光子一個あたりのエネルギーも、照射される光の周波数に応じて大きくなる。しかし、この場合、周波数を上げただけなので、電子の量は変化しない。
(3)強い電磁波を入射すると、多くの電子が飛び出すが、電子一個あたりのエネルギーに変化はない。つまり、強い光を照射する場合は、多くの光子が物質に当たっているため、はじき出される電子の数は多くなるが、入射する光子は、hνという一定のエネルギーしか持っていないので、電子一個あたりのエネルギーは変わらない。
(4)光電子の放出は、物質に一定の周波数以上の電磁波を照射したときに発生する。この時の周波数を限界振動数ν0という。また、照射により光電子が発生する電磁波の波長を限界波長λ0という。これらの値は物質の種類によって決まり、入射する電磁波の強度にはよらない。この現象の起こりやすさは、物質の仕事関数(ψ)で表すことができ、限界振動数ν0は、「hν0=ch/λ0=eψ・・・(3)」と表される。
ここで、本発明に用いられる電磁波とは、マイクロ波発生源107から発生するマイクロ波よりも周波数が大きい電磁波、つまり、短い波長を持つ電磁波を意味する。一般的にECRプラズマを生成するためのマイクロ波発生源は、2.45 GHzを用いるので、これよりも波長が短い、つまり、周波数の高いマイクロ波(2.5GHz〜30GHz)、ミリ波(30GHz〜300GHz)、テラヘルツ波(300GHz〜3THz)、赤外線(3THz〜400THz)、可視光(400THz〜790THz)、紫外線(790THz〜30PHz)、 X線(30PHz〜3EHz)、ガンマ線(3EHz〜)が対応する。
しかし、前述した限界振動数ν0が存在するため、周波数が低い電磁波では、光電効果の影響は小さいと考えられる。この光電効果現象の起こり易さは、上記式(3)にあるように、電磁波を当てる材料の仕事関数ψで決まり、一義的には決まらず、効率よく電子を発生させるためには、一般的に可視光よりも短い波長の光を当てる必要がある。例えば、X線やガンマ線などを使用することで、容易に電子を供給することが可能となるが、これらの発生源の容積が大きいことが一般的であり、運転時の安定性を確保するのが難しくなる。以上のことを勘案すると、用いる電磁波としては、紫外線が適当である。
また、図2に示すように、屈曲した矩形導波管206の屈曲部(屈曲部の外側)に電磁波導入口112を設け、ここに、電磁波導入部111を配置するとよりよい。矩形導波管206は、マイクロ波導入窓105に直接接続する直線部分206aと、この直線部分206aに連続する屈曲部206bとを備え、電磁波導入口112は、屈曲部206bの外側側面に設けられている。このような構成では、電磁波導入部111の電磁波(紫外線)出射部より、マイクロ波導入窓105を見込めるようになり、出射された電磁波(紫外線)が、直接にマイクロ波導入窓105を介してプラズマ生成室102に導入されるようになるので、さらに効率よくプラズマを生成することが可能となる。
ここで、前述した電磁波導入部111との比較のために、図3に示すように、矩形導波管106の側部に設けた開口部に電子導入部311を接続し、制御部313の制御により、上記開口部より電子を導入することで、プラズマの発生(プラズマの点火)を試みた。しかしながら、導入した電子は、マイクロ波導入窓105を通過することができず、プラズマ生成室102に、プラズマが生成することがなかった。
以上に説明した、マイクロ波を導入するための矩形導波管106の側面(側部)に設けた電磁波導入口112から電磁波を導入することによる安定したプラズマ発生の動作について、図4のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップS401の工程で、プラズマ生成室102の内部を所定の圧力にまで減圧(真空排気)し、ステップS402の工程でプラズマ生成室102の内部に所定のガス(プラズマガス)を導入する。次に、ステップS403での工程で、プラズマ生成室102内にECR条件を満足する磁場を印加するとともに、ステップS404の工程で、プラズマ生成室102内に矩形導波管106を通じてマイクロ波を導入する。次に、ステップS405の工程で、電磁波導入部11により電磁波導入口112から電磁波を導入する。ここで、ステップS406で、電磁波の導入によるプラズマの生成を確認し、プラズマが生成していない場合は、ステップS405の電磁波導入の工程を繰り返す。このようにしてプラズマが生成した後、ステップS407の工程で、生成したプラズマを用いた所定の処理を開始する。
次に、矩形導波管に電磁波を導入する電磁波導入部について説明する。例えば、光線状の電磁波を用いる場合、図5(a)に示すように、電磁波導入部111は、電磁波を発生する電磁波発生源502と発生した電磁波を導入する電磁波導入管501とから構成されていればよい。本例では、電磁波発生源502が、電磁波導入管501の内部に収容できない場合を示している。これに対し、図5(b)に示すように、電磁波導入管501に収容可能な大きさの電磁波発生源503を用いて電磁波導入部111を構成しても良い。
次に、矩形導波管の構成例について説明する。例えば、図6(a)に示すように、矩形導波管106が、テーパ矩形導波管106aを介してマイクロ波導入窓105に接続している場合、電磁波導入管501を矩形導波管106の側に接続するようにしても良い。また、図6(b)に示すように、テーパ矩形導波管106aの方に、電磁波導入管501を接続するようにしても良い。テーパ矩形導波管106aに電磁波導入管501を接続する場合、電磁波導入管501の電磁波出射端(電磁波導入口)が、マイクロ波導入窓105を見込めるような配置となり、マイクロ波導入窓105を介したプラズマ生成室への電磁波の導入をより効率的に行えるようになる。
また、図7(a),図7(b)に示すように、電磁波導入部の電磁波導入管501とともに、プラズマ観測管701を設け、ここに、プラズマ発生の状態を監視するためのフォトディテクタなどの光検出部を設けるようにしても良い。図7(a)では、電磁波導入管501とともに、矩形導波管106にプラズマ観測管701を設け、図7(b)では、テーパ矩形導波管106aにプラズマ観測管701を設けている。プラズマが発生していない場合、プラズマ観測管701の観測口の様子は、図7(c)に示すように、暗状態である。これに対し、プラズマが発生している場合、プラズマ観測管701の観測口の様子は、図7(d)に示すように、明状態である。
また、図2を用いた説明と同様に、図8に示すように、屈曲した矩形導波管806を用い、この屈曲部の外側に電磁波導入管501を設けるようにすると、電磁波導入管501よりマイクロ波導入窓105(プラズマ生成室)が直接見込めるようになり、より高い効率で電磁波の導入が可能となる。
また光線状の電磁波を導入する場合には、図9に示すように、電磁波導入管501に電磁波発生源として短波長レーザ発信器502aなどを設置すればよい。さらに、図10(a)に示す世に、屈曲した矩形導波管806の屈曲部に開口部を設け、プラズマ観測管701設け、この観測口の様子を確認し、図10(b)に示す暗状態、もしくは図1(c)に示す明状態のいずれかを確認することで、プラズマの発生が確認可能である。
次に、マイクロ波が伝搬している矩形導波管に設ける電磁波導入口の開口広さについて説明する。まず、周波数が2GHz以下のUHF帯以下の電磁波の伝搬では、伝送線路としては、同軸ケーブルが一般的に用いられる。しかし、上記周波数以上のマイクロ波回路においては、同軸ケーブルでは伝送損失が大きくなるため、損失が少なく、大電力にも使用可能な矩形導波管が用いられる。矩形導波管106、同軸線路の誘電体損失の原因となっている誘電体を空気にし、導体損失の原因となっている中心導体を取り除いたもので、図11(a)に一部を示すように、中空の金属管の構造となっている。形状としては、断面形状が長方形の矩形導波管が一般的に用いられる。導波路の損失が少ないということは、長距離伝送ができるだけでなく、損失による発熱量も少ないため大電力の伝送も可能となる。
導波路は、ある周波数以上でなければ、伝送することができない。図11(a)では、断面の長辺がa,短辺がbの矩形導波管106を示している。電磁波は、波長λが2倍のaより小さい場合は、b面を反射しながら伝送することができる。しかし、波長λが2aに近づくにつれて、一定区間の反射の数が多くなり、損失が急激に増加する。さらに、λ=2aの条件では、b面を反射するだけで伝搬することができなくなる。この時の波長(λ)を遮断周波数λcという。
市販されている2.45GHzのマイクロ波に用いられる導波管の寸法は、a=96 mmで、b=27mmである。この場合、2.45GHzのマイクロ波の波長から遮断周波数λcは、61mmである。従って、図11(b)に示すように、矩形導波管116の側面に直径Dの電磁波導入口112を開ける場合、この径がD=61mm以下では、原理的にマイクロ波が伝搬できない。従って、上記寸法の矩形導波管106においては、電磁波導入口112の径は、61mm以下としておけばよい。言い換えると、電磁波導入口112の開口径は、マイクロ波の遮断周波数から求められる寸法より小さい値とされていればよい。実際には、他に存在する伝搬モードが存在し、マイクロ波が電磁波導入口112から洩れることを考慮して、D=20mm程度として安全を確保するとよい。
次に、具体的な電磁波導入部について説明する。図12は、電磁波導入部として水銀ランプ503aを用いるようにした場合を示している。図12(a)に示すように、水銀ランプ503aを電磁波導入管501に収容し、水銀ランプ503a発光させることで、矩形導波管106内に電磁波(紫外線)を導入する。この時の水銀ランプ503aのスペクトルを図12(b)に示す。250nmに強い紫外線のピークが得られ、これにより効率の良いプラズマ生成が期待できる。
また、図13に示すように、近赤外ファイバレーザ光源1301より得られる赤外線を、非線型光学結晶の強誘電体結晶の多層膜1302を用いて短波長のレーザとし、これらを電磁波導入部として用いても良い。多層膜1302に長波長の赤外線を入射すると、非線型光学効果による疑似位相整合により二次高調波が発生し、短波長の出力光が得られる。この出力光を電磁波として矩形導波管の電磁波導入口を介してプラズマ生成室に導入することで、プラズマを効率的に発生することができる。多層膜1302の場合、紫外域の波長において、数mW程度の低出力から数Wを超える高出力のコヒーレント光を、理論限界に近い波長変換効率で発生できる。多層膜1302を構成する強誘電体材料としては、LiNbO3が一般的である。
二次高調波の短波長レーザを発生する電磁波源を使用する場合、図14(a)に示すように、電磁波導入部111を、上記構成の電磁波発生源502bを電磁波導入管501の一端に接して配置し、電磁波導入管501の他端を矩形導波管に接続することで、発生された短波長レーザ光を、矩形導波管に導入すればよい。また、図14(b)に示すように、電磁波導入管501に短波長レーザを発生する強誘電体結晶の多層膜からなる電磁波発生源503bを収容して用いるようにしても良い。この場合、必要となるスペースが少なくなりよい。
さらに、電磁波発生源として、テスラコイルを用いても良い。図15(a)に示す等価回路を用いて、大気放電部1501に小さな放電を発生させる。また、テスラコイルによる大気放電を発生させる構造として、図15(b)に示す等価回路を用いても良い。これらの等価回路で示すテスラコイルを用いた大気放電部1501からの放電の中には、電子,イオンの他に、電離放電から発生する紫外線などの波長の短い電磁波が含まれている。従って、このようにして発生した電磁波を、矩形導波管の電磁波導入口を介してプラズマ生成室に導入すれば、前述同様に、より安定した状態でプラズマを生成させることが可能となる。
また、図16(a)の等価回路に示すように、スパークギャップを回路中に導入することにより、大出力の放電も可能となる。なお、図15(a)、図15(b)、及び図16(a)の等価回路に示されているコイル部は、例えば、図16(b)及び図16(c)に示すような一次コイルと二次コイルとを備えたコイルである。図17(a)に示すように、一次コイル1701と二次コイル1702を形成し、これらに配線1703により電圧を印加することにより、二次コイル1702の上部に放電状態1704が形成され、ここより電磁波が発生する。例えば、図17(b)に示すように、電磁波導入管1714の中に上記構成のテスラコイルを収容し、放電状態1704を形成させることで、電磁波を矩形導波管の中に導入できる。ただし、テスラコイルを用いる場合、条件によっては装置を破損する程度の大出力となる場合があり、出力を導入電磁波制御部で制御することが重要となる。
以上に説明した、電磁波導入部(電磁波導入管,電磁波発生源)及び導入電磁波制御部よりなる電磁波導入機構を、実際のECRプラズマ処理装置に適用した場合についてより詳細に説明する。
例えば、図18に示すように、矩形導波管1808の側部に、電磁波導入機構1830を備えればよい。なお、このECRプラズマ処理装置は、処理室1801とこれにプラズマ引き出し口で連通するプラズマ生成室1802とを備えている。処理室1801は、排気口1803を介して図示していない真空排気装置(排気部)に連通し、真空排気装置によりプラズマ生成室1802とともに内部が真空排気される。また、処理室1801には、処理対象の基板Wが固定される基板ホルダ1804が設けられている。基板ホルダ1804は、図示しない回転機構により回転可能とされている。また、処理室1801は、Arなどのスパッタガスや反応ガスなどを供給可能とするガス供給部1811を備えている。
一方、プラズマ生成室1802は、石英よりなるマイクロ波導入窓1806を介してテーパ導波管1807及び矩形導波管1808に接続され、矩形導波管1808は、マイクロ波発生源1809に連通している。また、プラズマ生成室1802の周囲には、磁気コイル1810が備えられている。加えて、プラズマ生成室1802は、スパッタガスを供給可能とするガス供給部1812を備えている。
また、上述同様の構成としたECRプラズマ処理装置において、図19に示すように、テーパ導波管1807の側部に、電磁波導入機構1930を備えるようにしても良い。また、図20に示すように、屈曲した矩形導波管2008を用い、この屈曲部の外側に電磁波導入機構2030を設けるようにしても良い。この場合、電磁波導入機構2030から導入される電磁波が、直接にマイクロ波導入窓1806に照射され、ここを通じてプラズマ生成室1802に導入されるので、電磁波の導入の効率がより上昇する。
また、図21に示すように、プラズマ生成室1802の上部(一部)に真空導波管(真空導波部)となるマイクロ波導入室1802aを設け、マイクロ波導入室1802aの側部にマイクロ波導入窓1806を設け、ここに、屈曲した矩形導波管2108を設け、この屈曲部の外側に電磁波導入機構2130を設けるようにしても良い。本装置では、マイクロ波導入室1802aの上部にも、磁気コイル2110を備えている。この場合においても、電磁波導入機構2130から導入される電磁波が、直接にマイクロ波導入窓1806に照射され、ここを通じてプラズマ生成室1802に導入されるので、電磁波の導入の効率がより上昇する。また、この構成では、マイクロ波導入室1802aは、プラズマ生成室1802のプラズマ引き出し口を備えた面に隣接する面の側に、マイクロ波導入窓1806を備えていることになる。このため、マイクロ波導入窓1806が、プラズマ生成室1802に生成されるプラズマに直接接触することがない。
また、図22に示すように、分岐部を備える矩形導波管2208の屈曲部の外側側部に、電磁波導入機構2230を備えるようにしてもよい。このECRプラズマ処理装置は、まず、処理室2201とこれに連通するプラズマ生成室2202とを備えている。処理室2201は、排気口2203を介して図示していない真空排気装置に連通し、真空排気装置によりプラズマ生成室2202とともに内部が真空排気される。処理室2201には、処理対象の基板Wが固定される基板ホルダ2204が設けられている。基板ホルダ2204は、図示しない回転機構により回転可能とされている。また、処理室2201は、Arなどのスパッタガスや反応ガスなどを供給可能とするガス供給部2211を備えている。
一方、プラズマ生成室2202は、真空導波管(真空導波部)2206に連通し、真空導波管2206は、真空を維持するための石英製のマイクロ波導入窓2207を介して矩形導波管2208に接続されている。真空導波管2206は、対向して配置された2つのマイクロ波導入窓2207を備える。また、真空導波管2206は、プラズマ生成室2202のプラズマ引き出し口を備えた面に隣接する面の側に、2つのマイクロ波導入窓2207を備えている。真空導波管2206は、内部でマイクロ波の進行方向が外部磁界に垂直でマイクロ波電界が外部磁界に平行になるように配置されている。矩形導波管2208は、マイクロ波発生源2209に連通している。マイクロ波発生源2209より供給されたマイクロ波電力は、矩形導波管2208において一旦分岐し、プラズマ生成室2202上部の真空導波管2206に、プラズマ生成室2202の側方からマイクロ波導入窓2207を介して結合している。
また、図示していないが、本装置は、マイクロ波のマッチングをとるスリースタブナーの整合器を備える。また、プラズマ生成室2202の周囲及びプラズマ生成室2202の上部には、磁気コイル2210が備えられている。加えて、プラズマ生成室2202は、スパッタガスを供給可能とするガス供給部2212を備えている。
この装置では、マイクロ波発生源2209より生成(発生)されたマイクロ波は、矩形導波管2208を伝搬する。生成されたマイクロ波は、矩形導波管2208に導入されると、まず、導入部の矩形導波管及び図示していない整合器を経由して、分岐箇所まで伝搬する。分岐箇所で2つに分けられたマイクロ波は、これに連通する2つの分岐矩形導波管により等しい距離を進んだ後、各々マイクロ波導入窓2207を通過し、真空導波管2206の接続部(中央部)に到達する。この接続部では、マイクロ波電界は、逆位相となり打ち消しあい、マイクロ波磁界は同位相となり強め合う。この磁界によりマイクロ波が励起され、プラズマ生成室2202に放射される。本装置においては、マイクロ波導入窓2207が見込める矩形導波管2208の屈曲部に電磁波導入機構2230を備えればよい。この構成では、マイクロ波が、真空導波管2206において再び結合するので、ここで、マイクロ波磁場が強め合うことになり、より安定したプラズマが発生できる。
また、図22を用いて説明したECRプラズマ処理装置は、図23に示すように、スパッタ装置に適用することができる。このスパッタ装置では、処理室2301内のプラズマ生成室2302からのプラズマが導入される開口領域(プラズマ引き出し口)において、開口領域を取り巻くようにリング状のターゲット2305を備える。ターゲット2305は、絶縁体からなる容器2305a内に載置され、内側の面が処理室2301内に露出している。また、ターゲット2305には、高周波電源供給部2321が接続され、例えば、13.56MHzの高周波が印加可能とされている。
プラズマ生成室2202でECRプラズマを生成してこれを処理室2201の側に引き出している状態で、ターゲット2305に高周波電荷を印加することで、引き出されているECRプラズマ流中のイオンを引き込み、スパッタリング現象を起こす。スパッタリングされた原料を基板ホルダ2204に設置されている基板Wの表面上に形成することで薄膜を形成する。
また、図24に示すように、プラズマ生成室2202,真空導波管2206,マイクロ波導入窓2207,矩形導波管2208,マイクロ波発生源2209,磁気コイル2210,電磁波導入機構2230,及びガス供給部2212を含むECRプラズマ発生部が、基板ホルダ2204に対して斜めに配置されているようにしてもよい。この装置では、基板ホルダ2204(基板W)の法線に対してプラズマ源の中心線が傾斜するように、上記構成のプラズマ源を処理室2401に接続している。このようにすることで成膜の均一性を高めることが可能となる。
また、図25に示すように、基板ホルダ2204に対して斜めに配置された複数(2つ)のプラズマ源を処理室2501に設けるようにしても良い。各プラズマ源のプラズマ生成室2202ごとに、異なるターゲット2305,2505を設け、複数のプラズマスパッタ源により多層膜を形成することが可能となる。
なお、上述では、電磁波発生源として短波長レーザ及びテスラコイルを例に説明したが、これに限るものではなく、他の電磁波発生源を用いても良い。
本発明の実施の形態におけるプラズマ処理装置の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態におけるプラズマ処理装置の一部構成を示す構成図である。 プラズマ処理装置の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態におけるプラズマ処理装置を用いた処理方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態におけるプラズマ処理装置の一部構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態におけるプラズマ処理装置の一部構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態におけるプラズマ処理装置の一部構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態におけるプラズマ処理装置の一部構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態におけるプラズマ処理装置の一部構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態におけるプラズマ処理装置の一部構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態におけるプラズマ処理装置の一部構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態におけるプラズマ処理装置の一部構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態におけるプラズマ処理装置の一部構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態におけるプラズマ処理装置の一部構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態におけるプラズマ処理装置の一部構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態におけるプラズマ処理装置の一部構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態におけるプラズマ処理装置の一部構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態におけるプラズマ処理装置の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態におけるプラズマ処理装置の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態におけるプラズマ処理装置の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態におけるプラズマ処理装置の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態におけるプラズマ処理装置の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態におけるプラズマ処理装置の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態におけるプラズマ処理装置の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態におけるプラズマ処理装置の構成を示す構成図である。 従来よりあるプラズマ処理装置の構成を示す構成図である。 従来よりあるプラズマ処理装置の構成を示す構成図である。 ECRプラズマの生成原理を説明するための説明図である。 従来よりあるプラズマ処理装置を用いた処理方法を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
101…処理室、102…プラズマ生成室、103…プラズマ引き出し口、104…排気部、105…マイクロ波導入窓、106…矩形導波管、107…マイクロ波発生源、108…磁場発生部、109,110…ガス供給部(ガス供給手段)、111…電磁波導入部、112…電磁波導入口、113…導入電磁波制御部。

Claims (5)

  1. 電子サイクロトロン共鳴によるプラズマを発生させるためのマイクロ波を発生するマイクロ波発生源と、
    前記マイクロ波発生源により生成されたマイクロ波を導波する矩形導波管と、
    前記矩形導波管とマイクロ波導入窓を介して接続し、内部を排気可能とされてプラズマ引き出し口を備えたプラズマ生成室と、
    前記プラズマ生成室の前記プラズマ引き出し口を備えた面に隣接する面の周囲に配置され、電子サイクロトロン共鳴に必要な磁場を前記プラズマ生成室の内部に印加する磁場発生部と、
    前記プラズマ生成室の内部にプラズマガスを供給するガス供給手段と、
    前記矩形導波管の側部に設けられた電磁波導入口と、
    前記電磁波導入口より前記矩形導波管に前記マイクロ波より高い周波数の高周波を供給する電磁波導入手段と
    を少なくとも備えたことを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 請求項1記載のプラズマ処理装置において、
    前記電磁波導入口の開口径は、前記マイクロ波の遮断周波数から求められる寸法より小さい値とされている
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 請求項1又は2記載のプラズマ処理装置において、
    前記プラズマ生成室の一部に設けられた真空導波部を備え、
    前記マイクロ波導入窓は、前記真空導波部の、前記プラズマ引き出し口を備えた面に隣接する面の側に設けられている
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  4. 請求項3記載のプラズマ処理装置において、
    前記真空導波部は、対向して配置された2つの前記マイクロ波導入窓を備え、
    前記矩形導波管は、
    前記マイクロ波発生源に接続する導入部矩形導波管と、
    この導入部矩形導波管に分岐部で連通する2つの分岐矩形導波管と
    を備え、
    2つの前記分岐矩形導波管は、各々が2つの前記マイクロ波導入窓に接続している
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  5. 請求項1又は2記載のプラズマ処理装置において、
    前記矩形導波管は、前記マイクロ波導入窓に直接接続する直線部分と、この直線部分に連続する屈曲部とを備え、
    前記電磁波導入口は、前記屈曲部の外側側面に設けられている
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
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