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JP2008262784A - 燃料電池システム及びハイブリッド車両システム - Google Patents

燃料電池システム及びハイブリッド車両システム Download PDF

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JP2008262784A JP2007103952A JP2007103952A JP2008262784A JP 2008262784 A JP2008262784 A JP 2008262784A JP 2007103952 A JP2007103952 A JP 2007103952A JP 2007103952 A JP2007103952 A JP 2007103952A JP 2008262784 A JP2008262784 A JP 2008262784A
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Abstract

【課題】燃料電池の温度を上昇させてフラッディング状態の防止あるいは解消を可能とすることである。
【解決手段】燃料電池システム30は、燃料電池スタック42を備える燃料電池システム本体部40と制御部70とを含んで構成される。制御部70は、燃料電池システム30の運転停止が所定温度に達する前に停止した昇温途上停止か否かを判断する昇温途上停止判断モジュール72と、昇温途上停止であると判断された場合、燃料電池システム30の次回始動時に低効率発電制御を行う始動時発電制御モジュール76とを含んで構成される。また、昇温途上停止判断モジュール72に代えて、燃料電池システム30の始動前の経過履歴に基づいて、始動時の燃料電池がフラッディング状態であるか否かを推定するフラッディング推定モジュール74を含む構成とすることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池システム及び燃料電池を搭載するハイブリッド車両システムに関する。
環境に与える影響が少ないことから、車両に燃料電池の搭載が行われている。燃料電池は、例えば燃料電池スタックのアノード側に水素等の燃料ガスを供給し、カソード側に酸素を含む酸化ガス、例えば空気を供給し、電解質膜を通しての電気化学反応によって必要な電力を取り出す。この電気化学反応は、適当な湿度を要する。例えば、酸化ガスが乾きすぎて湿度が低すぎると、十分な電気化学反応が進行せず、逆に酸化ガスの湿度が高すぎると、いわゆるフラッディングが生じて、電気化学反応の進行が低下する。
ここでフラッディングとは、狭義では、燃料電池を構成するガス拡散層が水で覆われることを指すことが多いが、広義では、ガス拡散層のほかに触媒層、セパレータ等も含み、燃料電池のカソード側またはアノード側の少なくとも一方において、ガス流路が水で覆われることを指す。フラッディングの状態になると、ガス流路が水で覆われることから、酸化ガスあるいは燃料ガスが十分に電解質膜等に供給されず、電気化学反応が低下し、燃料電池の単セルにおける端子電圧が低下する。したがって、例えば、単セルの端子電圧が予め定めた規定値以下になることを目安に、フラッディング状態か否かを判断することができる。
このようにフラッディングが生じると、燃料電池の電気化学反応が十分に行われなくなるので、フラッディング状態になることの防止またはフラッディング状態の除去のために、燃料電池の湿度等の管理が行われる。
例えば、特許文献1には、燃料電池の起動開始前の経過履歴に応じて、湿分調整手段によってガスを燃料電池に供給し、燃料電池内部の湿分を調整することが開示されている。起動開始前の経過履歴には、燃料電池の運転中、運転終了時、次の運転再開までの期間の濡れ状態等である。燃料電池の濡れ状態の判定は、燃料電池スタックの寸法変化、重量変化、湿度センサ、セル電圧の統計処理、大気温度等から行われる。湿分調整は、ガス流量、燃焼排気ガスによる熱交換器、冷却水の熱等によって行われる。
特開2005−276763号公報
特許文献1によれば、燃料電池がフラッディング状態で運転停止したときに、次回始動時のガス供給によって、あるいは熱交換器、冷却水の熱等による加熱によって、燃料電池の湿分調整を行うことができる。しかし、ガス供給の方法では水分を吹き飛ばすことは可能であるが、燃料電池の温度を上昇させることができない。冷却水の熱を利用する方法では、冷却水の温度が低いときに燃料電池の温度を上昇させることが不十分となる。
なお、特許文献1においては、ガス供給のためのエアコンプレッサ等の駆動、熱交換器における加熱等のために電力を消費するが、その電力は燃料電池とは別の2次電池等から消費することになる。したがって、これらの処理のために2次電池の充電状態が十分ではなくなり、例えば、車両の次回走行の際に駆動モータを作動させるための電力が不足することが生じ得る。
上記のように、従来技術においては、フラッディング状態の解消のために、燃料電池の発電を伴わないガス供給を行い、その燃料電池の発電を伴わないガス供給を行うために、2次電池電力により、ブロワ、ファン、コンプレッサ等のガス搬送源を駆動する。したがって、ブロワ、ファン、コンプレッサ等のガス搬送源の駆動のために蓄電装置である2次電池の充電状態の低下が生じて、例えば車両の次回始動のときに支障が出る場合がある。
本発明の目的は、燃料電池の温度を上昇させてフラッディング状態の抑制あるいは解消を可能とする燃料電池システム及び燃料電池を搭載したハイブリッド車両システムを提供することである。また、他の目的は、フラッディングを抑制しつつ、始動直後から燃料電池の発電が行うことを可能とする燃料電池システム及び燃料電池を搭載したハイブリッド車両システムを提供することである。また、他の目的は、このようにして発電した燃料電池の電力で車両を駆動することを可能とするハイブリッド車両システムを提供することである。以下の手段は、これらの目的の少なくとも1つに貢献する。
本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池と、燃料電池の運転を制御する制御部とを備え、制御部は、燃料電池の始動前の経過履歴に基づいて、始動時の燃料電池がフラッディング状態であるか否かを推定する推定手段と、推定手段によって始動時にフラッディング状態であると推定されたときに、燃料電池の次回始動時に低効率発電制御を行う始動時発電制御手段と、を含むことを特徴とする。ここで低効率発電制御とは、燃料電池の発電効率を犠牲にして、燃料電池自体の発熱量を大きくし、燃料電池自体の温度上昇を迅速に行うことができる燃料電池運転制御のことである。
また、本発明に係る燃料電池システムにおいて、制御部は、燃料電池の運転停止が所定温度に達する前に停止した昇温途上停止か否かを判断する判断手段を有しており、推定手段は、燃料電池の始動前の経過履歴として、判断手段の判断結果に基づいて、始動時の燃料電池がフラッディング状態であるか否かを推定することが好ましい。
また、本発明に係る燃料電池システムにおいて、推定手段は、燃料電池の始動前の経過履歴として、燃料電池が前回に運転を停止した時の状態と、燃料電池が始動する前における運転停止中の状態の少なくとも1つに基づいて、フラッディング状態であるか否かを推定することが好ましい。
また、本発明に係る燃料電池システムにおいて、燃料電池の始動前の経過履歴として、前回に運転を停止したときの燃料電池の温度と、燃料電池が前回に運転を停止してから始動時までの経過時間とに基づいて、フラッディング状態であるか否かを推定することが好ましい。
また、本発明に係るハイブリッド車両システムは、蓄電装置と電圧変換器と駆動モータと燃料電池と燃料電池の運転を制御する制御部とを備え、駆動モータは蓄電装置と燃料電池との間に設けられて蓄電装置と燃料電池の少なくとも一方によって駆動モータが駆動され、さらに電圧変換器が蓄電装置と駆動モータとの間に接続されて配置されるハイブリッド車両システムであって、制御部は、燃料電池の始動前の経過履歴に基づいて、始動時の燃料電池がフラッディング状態であるか否かを推定する推定手段と、推定手段によって始動時にフラッディング状態であると推定されたときに、燃料電池の次回始動時に、駆動モータを駆動できる電圧以上の電圧で、低効率発電制御を行う始動時発電制御手段と、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係るハイブリッド車両システムは、燃料電池と、燃料電池の運転を制御する制御部とを備え、制御部は、燃料電池の始動前の経過履歴に基づいて、始動時の燃料電池がフラッディング状態であるか否かを推定する手段と、推定手段によって始動時にフラッディング状態であると推定されたときに、燃料電池の次回始動時に駆動モータを駆動できる電圧以上の電圧で低効率発電制御を行う始動時発電制御手段と、を含み、始動時に低効率発電制御によって発電された電力を用いて車両が駆動されることを特徴とする。
上記構成の少なくとも1つによれば、燃料電池システムは、燃料電池の始動前の経過履歴に基づいて、始動時の燃料電池がフラッディング状態であるか否かを推定する推定手段を有し、始動時にフラッディング状態であると推定されたときに、燃料電池の次回始動時に低効率発電制御を行う。したがって、燃料電池の温度を上昇させてフラッディング状態の解消が可能となる。また、燃料電池の次回発電直後から発電できる。
また、上記構成の少なくとも1つによれば、燃料電池システムは、燃料電池の運転停止が所定温度に達する前に停止した昇温途上停止か否かを判断する判断手段を有し、推定手段は、燃料電池の始動前の経過履歴として、判断手段の判断結果に基づいて、始動時の燃料電池がフラッディング状態であるか否かを推定する。昇温途上停止の場合には、燃料電池がフラッディング状態になる可能性がある。上記構成によれば、燃料電池の温度を上昇させてフラッディング状態の防止あるいは解消が可能となる。また、燃料電池の次回発電直後から発電できる。
また、上記構成の少なくとも1つによれば、ハイブリッド車両システムは、燃料電池を搭載し、燃料電池の始動前の経過履歴に基づいて、始動時の燃料電池がフラッディング状態であるか否かを推定する推定手段を有し、推定手段によって始動時にフラッディング状態であると推定されたときに、燃料電池の次回始動時に、駆動モータを駆動できる電圧以上の電圧で、低効率発電制御を行う。このことで、例えば、蓄電装置の充電状態が低下していても、始動時に燃料電池の低効率発電制御で発電された電力を用いて駆動モータを駆動できる。また、電圧変換器を介した蓄電装置の電力供給で駆動モータを駆動することに比較し、蓄電装置の電力の使用を抑制でき、エネルギ損失を抑制することができる。
また、上記構成の少なくとも1つによれば、ハイブリッド車両システムは、燃料電池の始動前の経過履歴に基づいて、始動時の燃料電池がフラッディング状態であるか否かを推定し、始動時にフラッディング状態であると推定されたときに、燃料電池の次回始動時に駆動モータを駆動できる電圧以上の電圧で低効率発電制御を行い、これによって発電された電力を用いて車両が駆動される。したがって、フラッディングを抑制しつつ、始動直後から発電し、車両を駆動できる。
以下では、図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下において、燃料電池システムの構成として、燃料電池スタックと2次電池パックとの間に電力のやり取りを行うために電圧変換を行うものとして電圧変換器を設けるものとするが、電圧変換器を設ける代わりに、電力分配機能を有する要素を燃料電池スタックと2次電池パックの間に設け、その電力分配機能を有する電力分配器から負荷に電力を供給する構成としてもよい。かかる電力分配器としては、燃料電池スタックの発電状態と2次電池パックの充電状態に基づいて、負荷に必要な電力を燃料電池スタック側から供給するか、2次電池パック側から供給するか、あるいは一方のみでは不足する電力を他方側からの電力で補うか等の電力供給元切換機能を有する電力回路等を用いることができる。
また、2次電池パックとしては、リチウムイオン組電池あるいはニッケル水素組電池を用いるものとして説明するが、これ以外の構成であっても充電及び放電可能な蓄電装置であればよい。例えば、キャパシタを蓄電装置として用いることができる。なお、以下で説明する電圧等の値は説明のための例示であって、用途に応じ適当に変更することが可能である。
なお、以下では、ハイブリッド車両の電源システムとして、2次電池パック、平滑コンデンサ、電圧変換器、燃料電池スタック、インバータ回路を有する構成として説明するが、これら以外に低電圧用DC/DCコンバータ、低電圧バッテリ、システムメインリレー等を含むものとしてもよい。
図1は、ハイブリッド車両システム10の構成図である。ハイブリッド車両システム10は、燃料電池を搭載して走行可能なハイブリッド車両における電源システムである。ハイブリッド車両システム10は、2次電池12と、2次電池側平滑コンデンサ14と、電圧変換器16と、燃料電池側平滑コンデンサ18と、燃料電池システム30と、インバータ回路20を含んで構成される。インバータ回路20には、車両走行用のモータ・ジェネレータ(M/G)22が接続される。
2次電池12は、リチウムイオン単電池を複数組み合わせ、またはニッケル水素単電池を複数組み合わせて、200Vから400V程度、例えば、約288Vの高電圧バッテリとした2次電池パックである。
2次電池側平滑コンデンサ14は、2次電池12の側の正極母線、負極母線の間の電圧等の変動を吸収し、直流電力として脈動を抑制する機能を有する大容量コンデンサである。
電圧変換器16は、2次電池12側の電力と、燃料電池システム30側の高電圧電力との間で電圧変換を行って、電力のやり取りを行う機能を有するもので、例えばDC/DCコンバータ、リアクトルを用いて昇圧及び降圧が可能な双方向電圧変換器を用いることができる。このように、電力変換器16は、2次電池12の電圧を昇圧して、高電圧に変換し、高電圧の正極母線と負極母線とを用いてインバータ回路20に入力する機能を有する。
燃料電池側平滑コンデンサ18は、燃料電池側の正極母線、負極母線の間の電圧等の変動を吸収し、直流電力として脈動を抑制する機能を有する大容量コンデンサである。
インバータ回路20は、高電圧の正極母線と負極母線の間に接続され、直流電力と三相交流電力との間で電力変換を行う機能を有する回路である。図1に示されるように、インバータ回路20は、電圧変換器16と燃料電池スタック30との間において、高電圧の正極母線と負極母線の間に接続される。つまり、モータ・ジェネレータ22は、インバータ回路20を介し、電圧変換器16と燃料電池スタック30との間において接続されるように配置される。インバータ回路20は、モータ・ジェネレータ22を駆動するときには、2次電池12または燃料電池システム30からの直流電力を三相交流電力に変換して駆動モータとして機能するモータ・ジェネレータ22に供給し、モータ・ジェネレータ22の制動時には、発電機として機能するモータ・ジェネレータ22からの回生電力を直流電力に変換し、電圧変換器16を介し2次電池12を充電する。
モータ・ジェネレータ22は、高圧三相交流駆動信号によって電動モータとして機能する電動回転機である。上記のように、車両が制動時には発電機として機能する。モータ・ジェネレータ22は、車両が低速走行の場合と高速走行の場合とで消費する電力の大きさが異なる。例えば、自転車の走行速度程度の低速走行と、他の車両を追い越すときとでは消費する電力が2倍から3倍異なる。これを交流電圧の大きさで例示すると、モータ・ジェネレータ22が始動して車両を走行させるための駆動電圧は約220Vから約260V程度であり、通常走行時では約330Vから約380Vである。
燃料電池システム30は、電気化学反応によって発電する燃料電池スタックと、燃料電池スタックの作動に必要なガス源、補機、その他の装置と、これらの要素の作動を全体として制御する制御装置とを含むシステムである。図2に燃料電池システム30の構成を示す。燃料電池システム30は、燃料電池システム本体部40と、制御部70とを含んで構成される。
燃料電池システム本体部40は、燃料電池セルが複数積層されて燃料電池スタック42と呼ばれる燃料電池本体及び、燃料電池スタック42のアノード側に配置される水素ガス供給のための各要素と、カソード側に配置される空気供給のための各要素を含んで構成される。
燃料電池スタック42は、電解質膜の両側に触媒電極層を配置したMEA(Membrane Electrode Assembly)の両外側にセパレータを配置して挟持した単電池を複数個組み合わせて積層したものである。燃料電池スタック42は、アノード側に水素等の燃料ガスを供給し、カソード側に酸素を含む酸化ガス、例えば空気を供給し、電解質膜を通しての電気化学反応によって発電し、必要な電力を取り出し、負荷24に供給する機能を有する。負荷24は、図1の例では、インバータ回路20、モータ・ジェネレータ22等である。なお、発電電力の電圧は、電圧検出部64によって検出され、検出された発電電圧のデータは、制御部70に伝送される。
アノード側の水素ガス源44は、燃料ガスとしての水素を供給するタンクである。水素ガス源44に接続されるレギュレータ46は、制御部70の制御の下で、水素ガス源44からのガスを適当な圧力と流量に調整する機能を有する。レギュレータ46の出力口は燃料電池スタック42のアノード側入口に接続され、適当な圧力と流量に調整された燃料ガスが燃料電池スタック42に供給される。
燃料電池スタック42のアノード側出口に設けられる排気バルブ50は、アノード側出口からの排出ガスの不純物ガス濃度が高まってきたときに、希釈器58に流すためのものである。このときの排気ガスは、窒素の他に反応生成物の水も含む水素ガスである。また、アノード側出口とアノード側入口との間に設けられる循環昇圧器48は、アノード側出口から戻ってくるガスの水素分圧を高めて再びアノード側入口に戻し再利用する機能を有する水素ポンプである。
カソード側の酸化ガス源52は、実際には大気を用いることができる。酸化ガス源52である大気はフィルタを通してからカソード側に供給される。フィルタの後に設けられる エアコンプレッサ(ACP)54は、図示されていないモータによって酸化ガスを容積圧縮してその圧力を高める気体昇圧機である。またACP54は、制御部70の制御の下で、その回転速度(毎分当りの回転数)を可変して、所定量の酸化ガスを提供する機能を有する。すなわち、酸化ガスの所要流量が大きいときは、モータの回転速度を上げ、逆に酸化ガスの所要流量が小さいときは、モータの回転速度を下げる。
加湿器56は、酸化ガスを適度に湿らせ、燃料電池スタック42での燃料電池反応を効率よく行わせる機能を有するものである。加湿器56により適度に湿らせられた酸化ガスは、燃料電池スタック42のカソード側入口に供給され、カソード側出口から排気される。このときに、排気とともに反応生成物である水も排出される。燃料電池スタック42は反応により高温になるので、排出される水は水蒸気となっており、この水蒸気が加湿器56に供給され、酸化ガスを適度に湿らせる。このように、加湿器56は、酸化ガスに水蒸気の水分を適当に与える機能を有するもので、いわゆる中空糸を用いたガス交換器を用いることができる。
ここで、上記の酸化ガス源52と、燃料電池スタック42のカソード側入口とを接続する流路のことを入口側流路と呼ぶことができる。これに対応して、燃料電池スタック42のカソード側出口から排気側へ接続される流路を出口側流路と呼ぶことができる。酸化ガスの経路である酸化ガス経路55は、酸化ガス源52から加湿器56を経由して入口側流路より燃料電池スタック42の内部に入り、出口側流路から加湿器56を経由して外気へと延びる。
希釈器58は、アノード側の排気バルブ50から排出されるアノード側排気と、カソード側から排気されるカソード側排気とを混合し、適当な水素濃度に希釈して外部に排出するためのバッファ容器である。
燃料電池スタック42には、循環冷却水路60が設けられ、例えば、LLC(Long Life Coolant)等の適当な冷媒を循環させ、これによって燃料電池スタック42の温度を適当な範囲にすることができる。循環冷却水路60には冷却水温度検出部62が設けられ、冷却水の温度を検出し、そのデータを制御部70に伝送する。
制御部70は、燃料電池システム本体部40の上記の各要素をシステム全体として制御するもので、いわゆる燃料電池CPUと呼ばれることがある。例えば、制御部70は、要求発電量と、電圧検出部64等から伝送される発電電力のデータとに基づいて、ACP54の回転数制御を行い、また、レギュレータ46の開度制御を行う機能を有する。
特にここでは、イグニッションスイッチのオン・オフ(IG ON/OFF)66に関連して、燃料電池システム30の始動と停止の際のフラッディング防止または除去制御を行う機能を有する。具体的には、燃料電池システム30の運転停止が所定温度に達する前に停止した昇温途上停止か否かを判断する昇温途上停止判断モジュール72と、昇温途上停止であると判断された場合、燃料電池システム30の次回始動時に低効率発電制御を行う始動時発電制御モジュール76とを含んで構成される。
また、昇温途上停止判断モジュール72に代えて、燃料電池システム30の始動前の経過履歴に基づいて、始動時の燃料電池がフラッディング状態であるか否かを推定するフラッディング推定モジュール74を含む構成とすることもできる。これらの機能はソフトウェアで実現でき、具体的には、対応する燃料電池システム制御プログラム等を実行することで実現できる。これらの機能の一部をハードウェアで実現することもできる。
制御部70と交信可能に接続される記憶装置80は、燃料電池システム制御プログラム等を記憶し、また必要なデータを記憶する機能を有する。特にここでは、燃料電池システム30が停止するときに判断された昇温途上停止か否かの情報を、フラグ82のデータとして少なくとも次回の燃料電池システム30の始動時まで記憶する機能を有する。フラグ82のデータは、燃料電池システム30が停止している期間中も保存されるので、フラグ82の記憶には、不揮発性書換可能メモリが用いられる。あるいは適当なバックアップ電源によって動作するメモリを用いるものとしてもよい。
上記構成のハイブリッド車両システム10、燃料電池システム30の動作、特に制御部70の各機能について、図3のフローチャートを用いて詳細に説明する。図3のフローチャートは、燃料電池システム30の始動と停止の際のフラッディング防止または除去制御に関する手順を示すもので、各手順は、燃料電池システム制御プログラムの各処理手順に対応する。なお、以下では、図1、図2における符号を用いて説明する。
図3では、燃料電池システム30が運転中の状態から運転を停止し、再び始動を行う際の手順が示されている。ここで、燃料電池システム30の運転停止と始動は、図2で説明した(IG ON/OFF)66で指示されるものとする。すなわちイグニッションスイッチがオンされると燃料電池システム30が始動し、イグニッションスイッチがオフされると燃料電池システム30が停止する。勿論、イグニッションスイッチ以外の操作子によって燃料電池システム30のオン・オフの指示が行なわれるものとしてもよい。
S10からS16の手順は、燃料電池スタック42の停止処理の手順であり、これらの処理は、制御部70の昇温途上停止判断モジュール72の機能によって実行される。
燃料電池システム30においては、(IG ON/OFF)の状態が適当なサンプリング間隔等の下で常時監視されている。すなわち、燃料電池システム30が運転中は、IG OFFか否かが常時判断され(S10)、IG OFFであると判断されると次に燃料電池温度が所定の閾値温度θ0未満か否かが判断される(S12)。図3においてFCとあるのは、Fuel Cellの略称で、ここでは燃料電池スタック42を指している。燃料電池スタック42の温度は、図2の例では、冷却水温度検出部62によって検出されたデータに基づいて決定される。例えば、冷却水温度と燃料電池スタック42の適当な部位の温度との相関を予め求めておき、冷却水温度に基づいて燃料電池スタック42の温度を求めることができる。勿論、冷却水温度検出以外の適当な手段によって燃料電池スタック42の温度を決定するものとすることができる。例えば、燃料電池スタック42に直接取り付けられた燃料電池温度計を用い、あるいは燃料電池スタック42の近傍に設置された外気温度計を用い、これらの検出データに基づいて燃料電池温度が所定の閾値温度θ0未満か否かを判断するものとしてもよい。
閾値温度θ0は、燃料電池スタック42の動作上から見て適当な温度に暖機されているか否か、の観点から設定される。すなわち、閾値温度θ0は、燃料電池スタック42の暖機閾値温度である。例えば、θ0を、約65℃とすることができる。十分に暖機されたこの温度以上においては、燃料電池スタック42が適切に電気化学反応を行うことができ、したがって、燃料電池スタック42において、フラッディングは生じていない。この閾値温度θ0未満の状態では、フラッディング状態となる可能性がある。その意味で、S12におけるFC温度がθ0未満か否かの判断は、フラッディングの観点から、燃料電池スタック42が、まだ昇温途上であるときにIG OFFされたのか、もう既に十分暖機された後にIG OFFされたのか、の判断をしていることにもなる。
FC温度がθ0未満であると判断されると、IG OFFが昇温途上で行われたものとして、昇温途上停止フラグが「1」に立てられる。なお、昇温途上停止フラグは、通常は「0」に設定されている。また、昇温途上停止フラグのデータは、上記のように、記憶装置80のフラグ82として、燃料電池システム30の運転停止中も保存されている。
なお、S12において、FC温度によって昇温途上停止の判断を行い、昇温途上停止の場合には、昇温途上停止フラグを「1」にするものとしたが、FC温度以外の判断に基づくこともできる。例えば、FCの運転時間が所定時間未満のときに昇温途上停止と判断して、昇温途上停止フラグを「1」にするものとしてもよい。また、FCの運転時間に代えて、車両の連続走行距離が所定距離未満の場合に昇温途上停止と判断して、昇温途上停止フラグを「1」にするものとしてもよい。
S14の処理の後、S16に進んで、通常の終了処理が実行される。なお、S12における判断が否定の場合には、S14の処理を行わず、すなわち昇温途上停止フラグを「1」とせずに「0」のままでS16に進み、通常の終了処理が実行される。通常の終了処理とは、例えば、ACP54等に指示し、酸化ガスの供給を止め、またレギュレータ46等に指示し、燃料ガスの供給を止めることなどである。
このようにして、燃料電池システム30の停止処理が実行される。S18からS26の手順は、燃料電池スタック42の再始動の手順を示すもので、これらの手順は、制御部70の始動時発電制御モジュール76の機能によって実行される。
上記のように、燃料電池システム30は、(IG ON/OFF)の状態を常時監視しているので、停止処理の後は、IG ONか否かが常時判断され(S18)、IG ONであると判断されると、次に、記憶装置80のフラグ82が検索され、昇温途上停止フラグの状態が「1」か否かが判断される(S20)。
昇温途上停止フラグの状態が「1」と判断されると、低効率発電制御が実行される(S22)。ここで、低効率発電について説明する。図4は、燃料電池の出力電力Pfcと燃料電池電流(FC電流)Ifcの関係と、燃料電池電流(FC電流Ifcと燃料電池電圧(FC電圧)Vfcとの関係とを、共通の横軸としてFC電流Ifcにとって示したものである。ここで燃料電池における運転動作の際の動作点は、FC電流とFC電圧の関係であるIVライン上で移動することになる。
図4に示されるように、一般的に、燃料電池の出力電力特性は、FC電流に対し、2次曲線に似た特性を示し、あるFC電流で最大の出力電力が得られる。これをIVラインのFC電圧について述べると、最大出力電量Pfcmaxが得られる最大出力運転動作点(Ifcmax,Vfcmax)を中心に、図4の左側に示すIVライン上の運転動作点ではFC電圧Vfcの低下に伴って出力電力Pfcは増大するが、図4の右側に示すIVライン上の運転動作点ではFC電圧Vfcの低下に伴って出力電力Pfcは減少する。
また、一般的に、燃料電池における電力損失は、FC電圧Vfcが低下するにつれ増大することが知られている。このため、燃料電池を運転して同一の出力電力を出力する場合であっても、最大出力運転動作点の右側に示すIVライン上の運転動作点、例えば、運転動作点(Ifc2,Vfc2)で運転する方が、最大出力運転動作点の左側に示すIVライン上の運転動作点、例えば、運転動作点(Ifc1,Vfc1)で運転するよりも、電力損失が大きくなる。そこで、同じ出力電力であって電力損失の少ない方、つまりFC電圧Vfcの低下に伴って出力電力Pfcが増大するIVライン上の運転動作点を通常運転動作点とし、同じ出力電力であって電力損失の大きい方、つまりFC電圧Vfcの低下に伴って出力電力Pfcが減少するIVライン上の運転動作点を低効率運転動作点とすることができる。
すなわち、通常運転動作点(Ifc,Vfc)は、次式で表される。
fc≦Ifcmax
fcmax≦Vfc
同様に、低効率運転動作点(Ifc,Vfc)は、次式で表される。
fcmax<Ifc
fc<Vfcmax
低効率発電は、この低効率運転動作点で運転することである。
ここで低効率発電制御は、発電効率を犠牲にして燃料電池スタック42の温度を上昇させる制御であればどのようなものでもよいが、例えば、酸化ガス流量を、最適流量と異ならせるものとしてACP54に指示を与えることができる。この他に、例えば、酸化ガスの圧力を通常運転の条件と異なるものとして、図2には図示されていない制御弁等に指示を与えるものとできる。酸化ガスの条件制御のほかに、燃料ガスの条件制御を行うものとしてもよい。このように、低効率発電制御は、通常の燃料電池発電制御の条件を変更するものであるので、燃料電池スタック42の温度上昇を行うことができる。
低効率発電制御は、例えば、冷却水温度検出部62のデータに基づき、燃料電池スタック42の温度が所定の温度に到達するまで継続されることが好ましい。この場合の所定の温度は、閾値温度θ0と同じとすることもでき、θ0に適当な温度差を増減した温度としてもよい。
また、燃料電池スタック42においてフラッディング状態が解消されたか否かを判断して、フラッディング状態が解消されるまで低効率発電制御を継続するものとすることもできる。フラッディング状態の解消判断には、例えば、燃料電池スタック42を構成する単電池の膜抵抗の測定に基づいて行うことができる。すなわち、膜抵抗の値が所定の範囲内に納まることで、フラッディング状態が解消したものと判断することができる。また、低効率発電制御を、所定の時間継続することで、フラッディング状態が解消したものと判断してもよい。この場合の所定の時間については、予め、対象となる燃料電池スタック42の構成、低効率発電制御の内容に基づいて、いくつかの初期条件を想定し、フラッディング状態の解消に必要な時間を求めておき、その結果に従って設定することが好ましい。
また、低効率発電制御として、発電電圧を、モータ・ジェネレータ22を駆動できる最低限の閾値電圧以上となるように、条件を設定することが好ましい。モータ・ジェネレータ22を駆動できる閾値電圧とは、モータ・ジェネレータ22によって車両が低速走行できる程度の電圧であって、通常走行に要する電圧よりも低い値である。閾値電圧は、用途に応じて設定できるが、たとえば、平地において、自転車の走行速度程度の低速走行が可能であるが、他の車両を追い越すことができない程度の走行速度に対応する電圧とすることができる。上記の例で、モータ・ジェネレータ22が始動して車両を走行させるための駆動電圧として、約220Vから約260V程度である場合には、閾値電圧を約220Vから約260Vの間の値として設定することができる。
これによって、始動時に、燃料電池スタック42の低効率発電によって発電された電力によってモータ・ジェネレータ22を駆動できる。たとえば、2次電池12の充電状態を示すSOC(State Of Charge)が低下しているときは、この燃料電池スタック42によって発電された電力によって不足分を補って、モータ・ジェネレータ22を駆動できる。SOCが十分であるときでも、2次電池12の電力を用いずに燃料電池スタック42による発電電力を用いることで、2次電池12の電力消耗を抑制することができる。
再び図3に戻り、低効率発電制御が十分に行われて、燃料電池スタック42の温度が十分に上昇し、あるいはフラッディング状態が十分に解消されたと判断されると、通常運転制御に移行する(S26)。通常運転制御とは、要求発電量に応じて酸化ガス及び燃料ガスの供給を行い電圧検出部64のデータを監視しながら、最適の効率で運転する制御である。なお、S20において昇温途上停止フラグが「0」であると判断されるときは、低効率発電制御を実行せず、そのままS26の通常発電制御が行われる。
このようにして、燃料電池スタック42の停止が昇温途上停止である場合には、暖機が十分でない状態で運転停止が行われ、再始動の際にフラッディング状態にある可能性があるので、フラッディング状態の防止あるいは解消のために低効率発電制御が実行される。
上記では、S12においてFC温度が閾値温度θ0未満であるか否かの判断に従って、昇温度途上停止フラグを「1」に立てるものとした。これに代えて、燃料電池スタック42の始動前の経過履歴に基づいて、始動時の燃料電池スタック42がフラッディング状態であるか否かを推定し、始動時にフラッディング状態であると推定されたときに、低効率発電制御を行うものとしてもよい。
具体的には、再始動のときに、燃料電池スタック42の始動前の経過履歴に基づいて、始動時の燃料電池スタック42がフラッディング状態であるか否かを推定する。したがって、処理手順としては、IG OFFか否かを判断して、IG OFFのときは通常通り終了処理を行い、次にIG ONか否かを判断して、IG ONのときに、燃料電池スタック42の始動前の経過履歴に基づいて、始動時の燃料電池スタック42がフラッディング状態であるか否かを推定する。そして、推定結果がフラッディング状態であるとするときは、低効率発電制御を実行する。低効率発電制御の継続条件は、図3のS22に関連して説明した内容と同じとすることができ、また、低効率発電制御の後に通常運転制御に移行することもS24に関連して説明したものと同様である。
再始動時の燃料電池スタック42がフラッディング状態であるか否かを推定するために用いられる燃料電池スタック42の始動前の経過履歴としては、燃料電池スタック42が前回に運転を停止した時の状態と、燃料電池が始動する前における運転停止中の状態の少なくとも1つを用いることができる。前者における運転停止した時の状態には、燃料電池スタック42の温度、酸化ガスの湿度、単電池の膜抵抗等を含むことができる。後者における始動する前の運転停止中の状態には、運転停止時間、外気温度等を含むことができる。
図5は、運転停止した時の燃料電池スタックの初期温度θ1と、運転停止時間Tとに基づいて、再始動時の燃料電池スタックがフラッディング状態であるか否かを推定する様子を説明する図である。以下では、図1、図2における符号を用いて説明する。図5は、横軸に燃料電池スタック42が停止した時から起算した経過時間をとり、縦軸に燃料電池スタック42の温度θをとって、時間経過に伴う燃料電池スタック42の温度θの温度変化特性92を示す図である。燃料電池スタック42の温度θは、上記のように、冷却水温度検出部62のデータに基づいて定めることができる。温度変化特性92は、外気温度等の影響を受けるので、その影響の様子を破線で示してある。図5に示されるように、温度変化特性92の特性は、燃料電池スタック42の構成、初期温度θ1、外気温度等を与えることで、予め求めておくことができる。
図5には、図3のS12で説明した閾値温度θ0が示されている。温度変化特性92は初期温度θ1が時間経過と共に低下するが、閾値温度θ0となる時間はt0として示されている。燃料電池スタック42の運転停止からの経過時間がt0を超えて、その後に再始動されると、燃料電池スタック42の温度が閾値温度θ0未満となるので、再始動の際に、フラッディング状態になる可能性がある。図5において斜線で示した領域は、再始動時にフラッディング状態にあると推定される領域94である。このように、時間t0を超える時間で再始動が行われると、再始動時にフラッディング状態にあると推定される。例えば、図5において、運転停止時間Tとして示される時間において再始動が行われるとすれば、運転停止時間Tは領域94に含まれるので、再始動時にフラッディング状態にあると推定される。
このように、燃料電池スタック42が前回に運転を停止した時の状態と、燃料電池が始動する前における運転停止中の状態の少なくとも1つを用いることで、再始動時にフラッディング状態にあることの推定を行うことができる。
再始動時にフラッディング状態か否かを推定するために、燃料電池スタック42が前回に運転を停止した時の状態と、燃料電池が始動する前における運転停止中の状態の少なくとも1つを用いる例としては、このほかに次のことを用いることができる。すなわち、運転停止時間が長期に及ぶ場合、あるいは、外気温度が高い場合には、逆に電解質膜等が乾燥してしまうことが生じ、昇温途上停止した次回始動時においてもフラッディング状態でないことがある。したがって、長期の運転停止時間、高い外気温度等を、再始動時にフラッディング状態か否かを推定するために、燃料電池スタック42が前回に運転を停止した時の状態と、燃料電池が始動する前における運転停止中の状態の少なくとも1つを用いる例とすることができる。
本発明に係る実施の形態において、燃料電池を搭載したハイブリッド車両システムの構成図である。 本発明に係る実施の形態において、燃料電池システムの構成を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、燃料電池システムの始動と停止の際のフラッディング防止または除去制御に関する手順を示すフローチャートである。 本発明に係る実施の形態において、低効率発電を説明する図である。 本発明に係る実施の形態において、再始動時の燃料電池スタックがフラッディング状態であるか否かを推定する様子を説明する図である。
符号の説明
10 ハイブリッド車両システム、12 2次電池、14 2次電池側平滑コンデンサ、16 電圧変換器、18 燃料電池側平滑コンデンサ、20 インバータ回路、22 モータ・ジェネレータ、24 負荷、30 燃料電池システム、40 燃料電池システム本体部、42 燃料電池スタック、44 水素ガス源、46 レギュレータ、48 循環昇圧器、50 排気バルブ、52 酸化ガス源、54 ACP、55 酸化ガス経路、56 加湿器、58 希釈器、60 循環冷却水路、62 冷却水温度検出部、64 電圧検出部、66 IG ON/OFF、70 制御部、72 昇温途上停止判断モジュール、74 フラッディング推定モジュール、76 始動時発電制御モジュール、80 記憶装置、82 フラグ、92 温度変化特性、94 領域。

Claims (6)

  1. 燃料電池と、燃料電池の運転を制御する制御部とを備え、
    制御部は、
    燃料電池の始動前の経過履歴に基づいて、始動時の燃料電池がフラッディング状態であるか否かを推定する推定手段と、
    推定手段によって始動時にフラッディング状態であると推定されたときに、燃料電池の次回始動時に低効率発電制御を行う始動時発電制御手段と、
    を含むことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
    制御部は、
    燃料電池の運転停止が所定温度に達する前に停止した昇温途上停止か否かを判断する判断手段を有しており、
    推定手段は、
    燃料電池の始動前の経過履歴として、判断手段の判断結果に基づいて、始動時の燃料電池がフラッディング状態であるか否かを推定することを特徴とする燃料電池システム。
  3. 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
    推定手段は、燃料電池の始動前の経過履歴として、
    燃料電池が前回に運転を停止した時の状態と、燃料電池が始動する前における運転停止中の状態の少なくとも1つに基づいて、フラッディング状態であるか否かを推定することを特徴とする燃料電池システム。
  4. 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
    燃料電池の始動前の経過履歴として、前回に運転を停止したときの燃料電池の温度と、燃料電池が前回に運転を停止してから始動時までの経過時間とに基づいて、フラッディング状態であるか否かを推定することを特徴とする燃料電池システム。
  5. 蓄電装置と電圧変換器と駆動モータと燃料電池と燃料電池の運転を制御する制御部とを備え、駆動モータは蓄電装置と燃料電池との間に設けられて蓄電装置と燃料電池の少なくとも一方によって駆動モータが駆動され、さらに電圧変換器が蓄電装置と駆動モータとの間に接続されて配置されるハイブリッド車両システムであって、
    制御部は、
    燃料電池の始動前の経過履歴に基づいて、始動時の燃料電池がフラッディング状態であるか否かを推定する推定手段と、
    推定手段によって始動時にフラッディング状態であると推定されたときに、燃料電池の次回始動時に、駆動モータを駆動できる電圧以上の電圧で、低効率発電制御を行う始動時発電制御手段と、
    を含むことを特徴とするハイブリッド車両システム。
  6. 燃料電池と、燃料電池の運転を制御する制御部とを備え、
    制御部は、
    燃料電池の始動前の経過履歴に基づいて、始動時の燃料電池がフラッディング状態であるか否かを推定する手段と、
    推定手段によって始動時にフラッディング状態であると推定されたときに、燃料電池の次回始動時に駆動モータを駆動できる電圧以上の電圧で低効率発電制御を行う始動時発電制御手段と、
    を含み、始動時に低効率発電制御によって発電された電力を用いて車両が駆動されることを特徴とするハイブリッド車両システム。
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