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JP2008262764A - 半導体装置の製造方法とそれに用いるアブソーバ - Google Patents

半導体装置の製造方法とそれに用いるアブソーバ Download PDF

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JP2008262764A JP2007103475A JP2007103475A JP2008262764A JP 2008262764 A JP2008262764 A JP 2008262764A JP 2007103475 A JP2007103475 A JP 2007103475A JP 2007103475 A JP2007103475 A JP 2007103475A JP 2008262764 A JP2008262764 A JP 2008262764A
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Abstract

【課題】荷電粒子の打ち込み位置のばらつきを抑制できるとともに、簡単に実施できる半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】表面に凹凸を有する基板10に荷電粒子を打ち込んで半導体装置を製造する方法であって、荷電粒子射出装置100と基板10の間に基板10に接着しない関係でアブソーバ120を配置するアブソーバ配置工程と、荷電粒子射出装置100からアブソーバ120越しに前記基板10に向けて荷電粒子を射出し、アブソーバ120を通過した荷電粒子を基板10に打ち込む打ち込み工程を備えており、基板10の表面が凸となっている位置B1では荷電粒子がアブソーバ120を通過する距離が短く、基板10の表面が凹となっている位置B2では荷電粒子がアブソーバ120を通過する距離が長いという関係で荷電粒子の通過距離が分布しているアブソーバ120を用いることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、表面に凹凸を有する基板に荷電粒子を打ち込んで半導体装置を製造する方法に関する。なお本明細書では、半導体結晶からなる半導体基板とその半導体基板に形成されている付属物(例えば電極膜や絶縁膜等)を含んで「基板」という。したがって、半導体基板に付属物が形成されていれば半導体基板と付属物を含んだものが「基板」であり、半導体基板に付属物が形成されていなければ半導体基板そのものが「基板」である。
基板に荷電粒子を打ち込んで半導体装置を製造する技術が知られている。例えば、基板にドーパント不純物イオンを打ち込むことによって半導体基板の導電性を変化させることができる。また、基板に荷電粒子を打ち込むことによって半導体基板中に結晶欠陥を形成し、製造する半導体装置の特性を調整することができる。
表面に凹凸が形成されている基板に荷電粒子を打ち込む場合がある。例えば、電極膜や絶縁膜等によって表面に凹凸が形成されている基板に荷電粒子を打ち込むことがある。凹凸を有する表面から基板に荷電粒子を打ち込むと、表面が凸となっている部分では、表面が凹となっている部分に比べて、浅い位置までしか荷電粒子が到達することができない。すなわち、荷電粒子の打ち込み位置(深さ)が、基板表面の凹凸に応じて段差状にばらつくこととなる。このように、荷電粒子の打ち込み位置がばらつくと、製造する半導体装置の特性を正確に制御することができない。
特許文献1には、表面に規則的な凹凸が形成されているアブソーバを介して、基板に荷電粒子を打ち込む技術が開示されている。このようにして荷電粒子を基板に打ち込むと、アブソーバに形成されている規則的な凹凸に起因して荷電粒子の打ち込み位置(深さ)が大きくばらつく。すなわち、アブソーバの規則的な凹凸によって、打ち込み深さの範囲が広げられる。この技術によると、基板の表面の凹凸に起因する荷電粒子の打ち込み位置のばらつきの影響を相対的に小さくすることができ、基板の表面の凹凸に抗してほぼ一様な深さの範囲内に荷電粒子を打ち込むことができる。
特許文献2には、凹凸を有する半導体基板の表面に、荷電粒子打ち込み調整材料層(イオン注入調整材料層)を形成することによって基板の表面を平坦化する技術が開示されている。平坦化した表面から基板に荷電粒子を打ち込むことで、荷電粒子(イオン)の打ち込み位置のばらつきを抑制することができる。
特開平10−199894号公報 特開平11−186186号公報
特許文献1の技術では、荷電粒子の打ち込み位置(深さ)を積極的にばらつかせることによって、基板表面の凹凸に起因する荷電粒子の打ち込み位置(深さ)のばらつきの影響を小さくする。しかしながら、基板表面の凹凸に起因する荷電粒子の打ち込み位置のばらつきを根本的に解決するものではなかった。
特許文献2の技術によれば、基板表面の凹凸に起因する荷電粒子の打ち込み位置のばらつきを抑制することができる。しかしながら、この方法では、基板上に荷電粒子打ち込み調整材料層を成長させなければならない。また、荷電粒子打ち込み調整材料層の表面を平坦化するために表面研磨を行う必要がある。さらに、基板の表面を元の形状に戻す場合には、荷電粒子の打ち込み後に、荷電粒子打ち込み調整材料層をエッチング等によって除去し、その後に基板の表面を洗浄する必要がある。このように、荷電粒子の打ち込みのために、基板に多くの加工を施す必要があり、半導体装置の製造効率が著しく低下してしまうという問題があった。
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、荷電粒子の打ち込み位置のばらつきを抑制することができるとともに、簡単に実施できる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の半導体装置の製造方法は、荷電粒子射出装置と基板の間にアブソーバを配置する工程と、荷電粒子射出装置からアブソーバ越しに基板に向けて荷電粒子を射出し、アブソーバを通過した荷電粒子を基板に打ち込む工程を備えている。本方法では、アブソーバを基板に接着しない。また、本方法では、基板の表面が凸となっている位置では荷電粒子がアブソーバを通過する距離が短く、基板の表面が凹となっている位置では荷電粒子がアブソーバを通過する距離が長いという関係で荷電粒子の通過距離が分布しているアブソーバを用いる。
この半導体装置の製造方法では、荷電粒子をアブソーバ越しに基板に向けて射出する。荷電粒子がアブソーバを通過する際に、荷電粒子のエネルギーが減衰する。荷電粒子のエネルギーの減衰量は、アブソーバを通過する距離が長いほど大きくなる。本方法では、基板の表面が凸となっている位置では、アブソーバの通過距離が短く調整されており、アブソーバによる荷電粒子のエネルギーの減衰量が小さい。したがって、その位置のアブソーバを通過した荷電粒子は比較的高いエネルギーで基板に突入する。したがって、荷電粒子は凸となっている表面から基板中を比較的長く侵入して停止する。一方、基板の表面が凹となっている位置では、アブソーバの通過距離が長く調整されており、アブソーバによる荷電粒子のエネルギーの減衰量が大きい。したがって、その位置のアブソーバを通過した荷電粒子は比較的低いエネルギーで基板に突入する。したがって、荷電粒子は、凹となっている表面から基板中を比較的短く侵入して停止する。このように、表面が凸となっている位置では荷電粒子の侵入距離が長くなり、表面が凹となっている位置では荷電粒子の侵入距離が短くなるので、表面が凸となっている位置と表面が凹となっている位置とで、荷電粒子が停止する位置(深さ)の差(ばらつき)を少なくすることができる。すなわち、荷電粒子の打ち込み位置(深さ)のばらつきを抑制することができる。
また、この製造方法では、アブソーバを基板に接着しない。したがって、荷電粒子の打ち込みのために、基板に加工(結晶成長、研磨、エッチング等)を実施する必要がなく、半導体装置を効率的に製造することができる。
上述した半導体装置の製造方法では、基板内に設定されている基準平面から荷電粒子の射出方向に計測した基板の表面までの距離と、過電粒子がアブソーバを通過する距離の和が、基板の表面内で均一となる通過距離の分布を有するアルミニウムのアブソーバを用いることが好ましい。
アルミニウム中を荷電粒子が通過する際の荷電粒子のエネルギーの減衰率は、半導体結晶中を荷電粒子が通過する際の荷電粒子のエネルギーの減衰率と略等しい。上記のようにアブソーバが形成されていると、荷電粒子は基板表面の凹凸によらないで基準平面にまで侵入して停止する。したがって、過電粒子の注入範囲に亘って基板表面の凹凸によらないで荷電粒子の打ち込み位置を均一とすることができる。
本発明で用いるアブソーバ自体も、新規で有用なものである。本発明で創作されたアブソーバは厚みの分布を備えている。すなわち、基板表面に形成されている凸部を覆う位置で薄く、基板表面に形成されている凹部を覆う位置で厚いという分布を備えている。本発明で創作されたアブソーバは、荷電粒子を打ち込む基板と荷電粒子射出装置の間に配置して用いる。
本発明によると、基板表面の凹凸によらないで、荷電粒子の打ち込み位置を均一とすることができる。荷電粒子の注入範囲内に凹凸があっても、過電粒子の注入範囲の全体に亘って、荷電粒子の打ち込み位置を均一とすることができる。これによって、特性のすぐれた半導体装置を製造することが可能となる。
しかも本発明では、基板に簡単に脱着できるアブソーバを利用することから、簡単に実行することができる。
簡単な製造工程で特性の優れた半導体装置を製造することが可能となる。
下記に詳細に説明する実施例の主要な特徴を最初に列記する。
(特徴1)表面に凹凸を有する基板に荷電粒子を打ち込んで結晶欠陥を有する半導体装置を製造する。
(特徴2)ヘリウムイオンを基板に打ち込む。
(特徴3)アブソーバの厚みが、基板表面が凸となっている位置を覆う位置では薄く、基板の表面が凹となっている位置を覆う位置では厚いという関係で分布している。
(特徴4)アブソーバは複数の部材を有しており、荷電粒子が各部材を通過する距離の和が、基板表面が凸となっている位置を覆う位置では短く、基板の表面が凹となっている位置を覆う位置では長いという関係で分布している。
本発明をIGBTの製造方法に適用した実施例を図面を参照しながら説明する。本実施例では、図1に示す基板10に荷電粒子を打ち込む工程を経て、結晶欠陥を積極的に形成したIGBTを製造する。なお基板10は従来公知の技術で製造することができるので、基板10の製造方法については詳細な説明を省略する。
図1に示すように、基板10は、シリコン基板12と、層間絶縁膜44と、エミッタ電極46と、パシベーション膜48を備えている。シリコン基板12にはトレンチ30が形成されており、トレンチ30の壁面はゲート絶縁膜40で覆われており、トレンチ30の内部にゲート電極42が充填されている。
シリコン基板12の下面12bに臨む領域には、p型のコレクタ層14が形成されている。コレクタ層14の上側に、n型のバッファ層16が形成されている。バッファ層16の上側に、n型のドリフト層18が形成されている。バッファ層16中のn型不純物濃度は、ドリフト層18中のn型不純物濃度よりも高い。ドリフト層18の上側の所定領域内に、p型のボディ層20が形成されている。シリコン基板12の上面12aに臨む領域に、n型のエミッタ領域22とp型のボディコンタクト領域24が形成されている。エミッタ領域22は、ゲート絶縁膜40と接する領域に形成されている。ボディコンタクト領域24は、2つのエミッタ領域22の間に形成されている。ボディコンタクト領域24中のp型不純物濃度は、ボディ層20中のp型不純物濃度よりも高い。シリコン基板12の上面12aには、複数のトレンチ30が形成されている。トレンチ30は、ボディ層20を連通してドリフト層18に達する深さまで伸びている。
なお、図示の明瞭化のために、一部の範囲ではハッチングを省略して図示している。
各トレンチ30の壁面(側面及び底面)には、ゲート絶縁膜40が形成されている。各トレンチ30の内部には、ゲート電極42が形成されている。すなわち、ゲート電極42は、ゲート絶縁膜40を介してシリコン基板12に対向している。ゲート電極42の上面は、層間絶縁膜44によって覆われている。ゲート電極42は図示しない位置で外部と接続可能となっている。シリコン基板12の上面12aのうちゲート電極42が分布している範囲には、層間絶縁膜44を覆うようにエミッタ電極46が形成されている。エミッタ電極46は、エミッタ領域22とボディコンタクト領域24に導通し、層間絶縁膜44によってゲート電極42から絶縁されている。シリコン基板12の上面12aのうちのゲート電極42が分布していない範囲は、層間絶縁膜44によって覆われている。その範囲の層間絶縁膜44上には、パシベーション膜48が形成されている。図示するように、パシベーション膜48とエミッタ電極46の境界部においては、パシベーション膜48がエミッタ電極46の外周を覆っている。
図1に示すように、基板10の上面10aは、エミッタ電極46の表面とパシベーション膜48の表面によって形成されている。エミッタ電極46の表面は、パシベーション膜48の表面より低くなっている。したがって、基板10の上面10aは、エミッタ電極46が露出している範囲A1で凹形状となり、パシベーション膜48が形成されている範囲A2で凸形状となっている。
基板10の下面10b(すなわち、シリコン基板12の下面12b)は、研磨により平坦化されている。しかしながら、下面10bは完全な平面とはなっておらず、若干の凹凸を有している。
基板10の下面10bは、上面10aを押圧しながら研磨されることで平坦化されている。下面10bのうちの上面10aの範囲A2に対応する範囲B2は、範囲A2が凸形状であるために研磨時の圧力が比較的高くなり、研磨され易い。一方、下面10bのうちの上面10aの範囲A1に対応する範囲B1は、範囲A1が凹形状であるために研磨時の圧力が比較的低くなり、研磨され難い。したがって、下面10bは、範囲B1で凸形状となっており、範囲B2で凹形状となっている。図示では、範囲B1とB2の境界で不連続に変化する凹凸形状を示しているが、実際にはなだらかに変化している凹凸形状が形成されていることが多い。
次に、基板10からIGBTを製造する方法について説明する。まず、ヘリウムイオン射出装置100から基板10の下面10bにヘリウムイオンを打ち込むことによって、ドリフト層18に結晶欠陥を形成する。
図2に示すように、ヘリウムイオンの打ち込みは、ヘリウムイオン射出装置100とアブソーバ120を用いて行う。アブソーバ120は、アルミニウムの板状部材である。なお図2の点線150は、ヘリウムイオンを打ち込む目標位置(目標平面)を示している。
図示するように、ヘリウムイオン射出装置100を、基板10の下面10b側に配置する。そして、アブソーバ120をヘリウムイオン射出装置100と基板10の間に配置する。
図示するように、アブソーバ120の下面120bは略平坦に形成されている。一方、アブソーバ120の上面120aは、基板10の下面10bに対応した凹凸形状に形成されている。すなわち、アブソーバ120の上面120aは、上面120aを基板10の下面10bに接触させたときに、略全面で下面10bと密着できる形状に形成されている。即ち、アブソーバ120は、基板10の範囲B1に対応する範囲で薄くなっており(薄板部121)、基板10の範囲B2に対応する範囲で厚くなっている(厚板部122)。より詳細には、アブソーバ120は、基板10の範囲B1における下面10bから目標位置150までの垂直距離S1と薄板部121の厚さT1の和が、範囲B2における下面10bから目標位置150までの距離S2と厚板部122の厚さT2の和と等しくなるように形成されている(すなわち、T1+S1=T2+S2の関係を満足している)。なお、アブソーバ120の形状は、基板10の下面10bの設計値(シミュレーション値)の形状に基づいて形成されている。
アブソーバ120は、薄板部121が基板10の範囲B1に対向し、厚板部122が基板10の範囲B2に対向するように、正確に位置を合わせて配置する。
基板10の下面10bになだらかに変化している凹凸形状が形成されている場合には、上面120aになだらかに変化している凹凸形状が形成されているアブソーバ120を用いる。
アブソーバ120を配置したら、ヘリウムイオン射出装置100からヘリウムイオンを射出する。ヘリウムイオンは、アブソーバ120の下面120bに対して垂直な方向(図2の上方向)に射出する。このとき、アブソーバ120の薄板部121を通過したヘリウムイオンが目標位置150で停止するエネルギーEnでヘリウムイオンを射出する。射出されたヘリウムイオンは、アブソーバ120に突入する。以下では、アブソーバ120の薄板部121に突入したヘリウムイオンと、厚板部122に突入したヘリウムイオンを分けて説明する。
アブソーバ120の薄板部121に突入したヘリウムイオンは、アブソーバ120(すなわち、薄板部121)を通過する。したがって、薄板部121においてはヘリウムイオンがアブソーバ120を通過する通過距離はT1となる。ヘリウムイオンは、アブソーバ120を通過する際に、通過距離T1に応じたエネルギー(すなわち、移動速度)を失う。
薄板部121を通過したヘリウムイオンは、基板10の下面10bの範囲B1に突入する。基板10に突入したヘリウムイオンは、基板10中を直進(図2の上方向に移動)する。ヘリウムイオンが基板10中を移動する際には、移動と共にヘリウムイオンのエネルギーが減衰する。したがって、ヘリウムイオンは、基板10への突入時のエネルギーに応じた距離だけ移動して停止する。ヘリウムイオンが停止すると、その位置に結晶欠陥が形成される。上述したように、ヘリウムイオン射出装置100からヘリウムイオンを射出するエネルギーEnは、薄板部121を通過したヘリウムイオンが目標位置150で停止するエネルギーとなっている。したがって、範囲B1に突入したヘリウムイオンは、図2の距離S1と略等しい距離だけ移動し、目標位置150と略一致する位置で停止する。すなわち、目標位置150近傍に結晶欠陥が形成される。
一方、アブソーバ120の厚板部122に突入したヘリウムイオンも、厚板部122を通過する。厚板部122においては、ヘリウムイオンがアブソーバ120を通過する通過距離はT2である。したがって、ヘリウムイオンは、アブソーバ120を通過する際に、通過距離T2に応じたエネルギーを失う。厚板部122を通過したヘリウムイオンは、基板10の下面10bの範囲B2に突入する。そして、基板10中を直進(図2の上方向に移動)する。ヘリウムイオンは、基板10中を移動するとともにエネルギーを失い、停止する。したがって、その停止位置に結晶欠陥が形成される。
上述したように、アブソーバ120は、T1+S1=T2+S2の関係を満たすように形成されている。また、上述したように、アブソーバ120はアルミニウムによって構成されている。ヘリウムイオンがアルミニウム中を移動するときに減衰するエネルギーは、ヘリウムイオンが半導体結晶中を移動するときに減衰するエネルギーと略等しい。すなわち、薄板部121に突入したヘリウムイオンがアブソーバ120中を距離T1だけ移動して基板10中を距離S1だけ移動する間に失うエネルギーは、厚板部122に突入したヘリウムイオンがアブソーバ120中を距離T2だけ移動して基板10中を距離S2だけ移動する間に失うエネルギーと等しい。したがって、厚板部122を通過して基板10の範囲B2に突入したヘリウムイオンも、目標位置150と略等しい位置で停止する。したがって、目標位置150近傍に結晶欠陥が形成される。
すなわち、基板10の下面10bの凹凸形状によらず、基板10の平面方向全域において平面状の目標位置150近傍に結晶欠陥が形成される。
ヘリウムイオンの打ち込みが終了したら、基板10を所定温度(本実施例では、約400℃)で熱処理する。これによって、ヘリウムイオンの打ち込みにより基板10中に形成された結晶欠陥のうち、熱的に不安定な結晶欠陥が消滅する。したがって、熱処理後には、熱的に安定な結晶欠陥だけが基板10中に残存する。
基板10の熱処理が終了したら、基板10の下面10b全域にコレクタ電極を形成する。コレクタ電極は、従来公知の方法により形成することができる。これによって、IGBTが完成する。
以上に説明したように、実施例のIGBTの製造方法では、ヘリウムイオン射出装置100と基板10の間にアブソーバ120を配置する。このとき、アブソーバ120をヘリウムイオンが通過する通過距離(すなわち、アブソーバ120の厚さ)が、基板10の下面10bが凸となっている範囲B1では短く、基板10の下面10bが凹となっている範囲B2では長いという関係で分布しているアブソーバ120を配置する。したがって、ヘリウムイオンが停止する位置のばらつきを少なくすることができる。
特に、ヘリウムイオンの射出方向に対して垂直であって基板10内に設定されている基準平面(例えば、目標平面150)から基板10の下面10bまでの垂直距離(S1,S2)とアブソーバ120をヘリウムイオンが通過する距離(T1,T2)の和が基板10の表面内で均一となるようにアブソーバ120が形成されている。また、アブソーバ120がアルミニウムによって構成されている。したがって、ヘリウムイオンが停止する位置を略平面状に分布させることができる。すなわち、結晶欠陥の形成位置のばらつきが抑制され、結晶欠陥を略平面状に分布させて形成することができる。
したがって、製造するIGBTの特性を正確に制御することができる。
また、上述のIGBTの製造方法では、基板10に接着しない関係でアブソーバ120を配置する。すなわち、ヘリウムイオンを打ち込むために、基板10の下面10b上に打ち込み位置調整材料層を成長させたり、成長させた打ち込み位置調整材料層をエッチングしたりする必要がない。したがって、ヘリウムイオンの打ち込み工程に要する時間が短く、高い製造効率でIGBTを製造することができる。また、結晶欠陥を形成した後にエッチングを実施する必要がないので、形成した結晶欠陥がエッチング時の発熱により消滅(減少)してしまうこともない。また、アブソーバ120を基板10に接触させないので、基板10の下面10bにキズが付いたり、異物が付着したりすることもない。
なお、上述したIGBTの製造方法では、アブソーバ120の厚さを位置によって変化させたが、アブソーバ120を複数の部材で構成しても良い。例えば、図3に示すように、アブソーバ120が2つの部材130、131によって構成されていてもよい。このようなアブソーバ120を使用する場合にも、部材130の通過距離T11と、部材131の通過距離T12と、基板10内に設定した基準平面150から下面10bまでの垂直距離S11の和が、基板10の平面方向の各位置で一定となるように分布させることで、基板10中に略平面状に分布するように結晶欠陥を形成することができる。
また、上述したIGBTの製造方法では、基板10の下面10bにヘリウムイオンを打ち込んだが、上面10aにヘリウムイオンを打ち込んでもよい。この場合、アブソーバ120を、上面10aの凹凸形状に対応した形状に形成することで、結晶欠陥の形成位置のばらつきを抑制することができる。
また、上述したIGBTの製造方法では、アルミニウムのアブソーバ120を用いたが、他の物質のアブソーバを用いてもよい。この場合、アブソーバに用いる物質中をヘリウムイオンが移動するときのエネルギーの減衰率に応じて、アブソーバの通過距離を設定することが好ましい。
また、上述したIGBTの製造方法では、ヘリウムイオンを打ち込んで結晶欠陥を形成したが、電子線等の他の荷電粒子を打ち込んで結晶欠陥を形成しても良い。また、ドーパント不純物イオンを打ち込んで、半導体結晶の導電特性を変化させる場合に本発明を用いてもよい。このように、基板に荷電粒子を打ち込む種々の工程に、本発明を用いることができる。
また、上述したIGBTの製造方法では、基板10の下面10bの形状の設計値(シミュレーション値)に基づいてアブソーバ120が形成していたが、下面10bの形状を実測し、その実測した形状に基づいてアブソーバ120を形成してもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
基板10の断面図。 ヘリウムイオン打ち込み工程の、基板10とアブソーバ120とヘリウムイオン射出装置100の配置を示す図。 変形例のヘリウムイオン打ち込み工程の、基板10とアブソーバ120とヘリウムイオン射出装置100の配置を示す図。
符号の説明
10:基板
12:シリコン基板
14:コレクタ層
16:バッファ層
18:ドリフト層
20:ボディ層
22:エミッタ領域
24:ボディコンタクト領域
30:トレンチ
40:ゲート絶縁膜
42:ゲート電極
44:層間絶縁膜
46:エミッタ電極
48:パシベーション膜
100:ヘリウムイオン射出装置
120:アブソーバ
121:薄板部
122:厚板部

Claims (3)

  1. 表面に凹凸を有する基板に荷電粒子を打ち込んで半導体装置を製造する方法であって、
    荷電粒子射出装置と前記基板の間に前記基板に接着しない関係でアブソーバを配置するアブソーバ配置工程と、
    前記荷電粒子射出装置から前記アブソーバ越しに前記基板に向けて荷電粒子を射出し、前記アブソーバを通過した荷電粒子を前記基板に打ち込む打ち込み工程を備えており、
    前記基板の表面が凸となっている位置では荷電粒子がアブソーバを通過する距離が短く、前記基板の表面が凹となっている位置では荷電粒子がアブソーバを通過する距離が長いという関係で荷電粒子の通過距離が分布しているアブソーバを用いることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記基板内に設定されている基準平面から荷電粒子の射出方向に計測した前記基板の表面までの距離と前記通過距離の和が前記基板の表面内で均一となる前記通過距離の分布を有するアルミニウムのアブソーバを用いることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 荷電粒子を打ち込む基板と荷電粒子射出装置の間に配置するアブソーバであり、
    その厚みが、前記基板の表面に形成されている凸部を覆う位置で薄く、前記基板の表面に形成されている凹部を覆う位置で厚いという分布を備えていることを特徴とするアブソーバ。
JP2007103475A 2007-04-11 2007-04-11 半導体装置の製造方法とそれに用いるアブソーバ Pending JP2008262764A (ja)

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