[go: up one dir, main page]

JP2008260903A - 水性接着剤 - Google Patents

水性接着剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2008260903A
JP2008260903A JP2007106475A JP2007106475A JP2008260903A JP 2008260903 A JP2008260903 A JP 2008260903A JP 2007106475 A JP2007106475 A JP 2007106475A JP 2007106475 A JP2007106475 A JP 2007106475A JP 2008260903 A JP2008260903 A JP 2008260903A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
mass
resin
meth
aqueous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007106475A
Other languages
English (en)
Inventor
Takemasa Yoshino
剛正 吉野
Yoshito Shiba
賢人 志波
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unitika Ltd filed Critical Unitika Ltd
Priority to JP2007106475A priority Critical patent/JP2008260903A/ja
Publication of JP2008260903A publication Critical patent/JP2008260903A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

【課題】 ABS樹脂基材同士やABS樹脂基材と他の基材とをヒートシール法によって積層化する場合に、高い接着強度を得ることができる水性接着剤を提供する。
【解決手段】 酸変性ポリオレフィン樹脂(A)と、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(B)または粘着付与剤(C)を含有し、(A)/(B)または(A)/(C)が100/5〜100/50の範囲であることを特徴とする水性接着剤。さらにブロッキング防止剤や架橋剤を含んでいてもよい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(以下、ABSまたはABS樹脂という)に特に良好な接着性を有する水性の接着剤に関する。
ABS樹脂は、加工が容易でかつ模様や色彩等の意匠性にも優れていることから、建材や自動車部品等として広く用いられている。しかしながら、近年、要求性能の多様化、高度化によって、他の材料との貼合せ技術が検討されはじめている。
ABS基材に使用されている接着剤として、ポリウレタン樹脂分散体にイソシアネートを添加した接着剤、溶剤系アクリル樹脂接着剤、溶剤系ポリエステル樹脂接着剤等が用いられている。特許文献1には、ポリウレタン樹脂分散体にイソシアネートを添加した接着剤が開示されている。
特開2006−347089号公報
特許文献1記載の接着剤は、ABS樹脂基材と貼り合せた場合、一般に行われるようなヒートシール法を採ると、十分な強度(ヒートシール強度)が得られないという問題があった。
本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意検討した結果、酸変性ポリオレフィン樹脂と特定組成のアクリル樹脂または粘着付与剤を特定の割合で含有する水性接着剤は、ABS樹脂等の樹脂基材に対して、良好なヒートシール強度を発現することを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、下記の通りである。
(1)酸変性ポリオレフィン樹脂(A)およびポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(B)を含有し、(A)と(B)の質量比が100/5〜100/50の範囲であることを特徴とする水性接着剤。
(2)酸変性ポリオレフィン樹脂(A)および粘着付与剤(C)を含有し、(A)と(C)の質量比が100/5〜100/50の範囲であることを特徴とする水性接着剤。
(3)さらにブロッキング防止剤を含有することを特徴とする(1)または(2)に記載の水性接着剤。
(4)さらに架橋剤を含有することを特徴とする(1)または(2)に記載の水性接着剤。
(5)アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂基材用である(1)〜(4)いずれかに記載の水性接着剤。
本発明の水性接着剤は、各種樹脂基材への密着性に優れ、特にABS樹脂基材同士の貼り合せやABS樹脂基材と他の基材に対する良好な接着性を示す。特に、ABS樹脂基材上にポリエチレンテレフタレート基材またはポリオレフィン樹脂基材を接着するのに有利である。さらに、前記各基材をヒートシール法によって積層化する場合に、従来の接着剤に比べて高い接着強度を得ることができる。ブロッキング防止剤を添加することにより、耐ブロッキング性が向上し、また、架橋剤を添加することにより耐水性が向上する。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の水性接着剤においては、酸変性ポリオレフィン樹脂を用いることが必要である。この成分により、種々の熱可塑性樹脂との密着性、ヒートシール性を向上させることができる。なかでも、ポリオレフィン樹脂基材への密着性、ヒートシール性が特に良好になる。
酸変性ポリオレフィン樹脂(A)は、ポリオレフィン樹脂を不飽和カルボン酸で酸変性したしたものである。酸変性することで水性媒体中に安定に分散することができる。酸変性されていないポリオレフィン樹脂を用いると、水性媒体に樹脂が十分に分散しない。
酸変性ポリオレフィン樹脂(A)は、塗膜と基材との接着性の点から不飽和カルボン酸成分(A1)を0.1〜25質量%含有していることが好ましく、0.5〜15質量%がより好ましく、1〜8質量%がさらに好ましく、1〜5質量%が特に好ましい。(A1)成分は、不飽和カルボン酸や、その無水物により導入され、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、特にアクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。また、不飽和カルボン酸成分(A1)は、ポリオレフィン樹脂中に共重合されていればよく、その形態は限定されず、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等が挙げられる。
酸変性ポリオレフィン樹脂(A)のオレフィン成分(A2)としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、ノルボルネン等が挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。これらの中で、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜6のアルケンが好ましく、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン等の炭素数2〜4のアルケンがより好ましく、特にエチレンが好ましい。オレフィン成分の含有量は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。オレフィン成分の含有量が50質量%未満では、基材密着性等のポリオレフィン樹脂由来の特性が失われてしまう。
酸変性ポリオレフィン樹脂(A)は、熱可塑性樹脂基材、特にポリプロピレン等のポリオレフィン基材との接着性を向上させる理由から、(メタ)アクリル酸エステル成分(A3)を含有していることが好ましい。(A3)成分の含有量は、0.5〜40質量%であることが好ましく、様々な熱可塑性樹脂基材との良好な接着性を持たせるために、この範囲は1〜35質量%であることがより好ましく、3〜30質量%であることがさらに好ましく、5〜25質量%であることが特に好ましく、10〜25質量%であることが最も好ましい。(A3)成分の比率が0.5質量%未満では、基材フィルムとの接着性が低下するおそれがあり、一方、(A3)成分の含有量が40質量%を超えてもオレフィン由来の樹脂の性質が失われ、基材との密着性が低下するおそれがある。
(メタ)アクリル酸エステル(A3)成分としては、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜30のアルコールとのエステル化物が挙げられ、中でも入手のし易さの点から、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルコールとのエステル化物が好ましい。そのような化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの混合物を用いてもよい。この中で、基材フィルムとの接着性の点から、(メタ)アクリル酸メチル(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチルがより好ましく、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルがより好ましく、アクリル酸エチルが特に好ましい。なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸〜」とは、「アクリル酸〜またはメタクリル酸〜」を意味する。
また、上記成分以外に他の成分をポリオレフィン樹脂全体の10質量%以下程度含有していてもよい。他の成分としては、ジエン類、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル類、(メタ)アクリル酸アミド類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル類、ぎ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類ならびにビニルエステル類を塩基性化合物等でケン化して得られるビニルアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、置換スチレン、一酸化炭素、二酸化硫黄などが挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。
酸変性ポリオレフィン樹脂(A)としては、たとえば、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸−無水マレイン酸共重合体、酸変性ポリエチレン、酸変性ポリプロピレン、酸変性エチレン−プロピレン樹脂、酸変性エチレン−ブテン樹脂、酸変性プロピレン−ブテン樹脂、酸変性エチレン−プロピレン−ブテン樹脂、あるいはこれらの酸変性樹脂にさらにアクリル酸エステル等でアクリル変性したもの等が挙げられる。また、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)は5〜40質量%の範囲で塩素化されていてもよい。
酸変性ポリオレフィン樹脂(A)としては、分子量の目安となる190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが、通常0.01〜5000g/10分、好ましくは0.1〜1000g/10分、より好ましくは1〜500g/10分、さらに好ましくは2〜300g/10分、特に好ましくは2〜200g/10分のものを用いることができる。ポリオレフィン樹脂(A)のメルトフローレートが0.01g/10分未満では、基材との密着性が低下する。一方、ポリオレフィン樹脂のメルトフローレートが5000g/10分を超えると、塗膜は硬くてもろくなり、接着性や熱可塑性樹脂基材との密着性が低下する場合がある。
本発明の水性接着剤は、前述の酸変性ポリオレフィン樹脂(A)とともに、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(B)または粘着付与剤(C)を含有するものである。
ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(B)について説明する。
本発明の水性接着剤は、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル樹脂の配合により、ABS樹脂基材との密着性とヒートシール性を向上させることができる。
本発明で用いるポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(B)は、その単量体として、アクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルを含有するものであれば特に限定されないが、ラミネート強度の点から、メタクリル酸アルキルエステルの単独または共重合樹脂であることが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数は1〜20の範囲であることが好ましく、1〜10の範囲であることがより好ましく、1〜4の範囲であることがさらに好ましい。単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリルが挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合させるモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のカルボン酸類、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等のアミド類、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、スチレン、メチルスチレン等のオレフィン類、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル化合物類等が挙げられるが、上記の中でも、スチレン、(メタ)アクリロニトリル、アクリル酸等との共重合体が好ましく、スチレンとの共重合体が最も好ましい。
ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(B)の重量平均分子量は、1万〜500万の範囲であることが好ましく、3万〜300万の範囲であることがより好ましく、5万〜100万の範囲であることがさらに好ましい。重量平均分子量が1万未満であると、十分な接着性が発現しない場合があり、重量平均分子量が500万を超えると接着性が低下する場合がある。ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(B)の重量平均分子量は、GPC分析などにより分析することができる。
ポリオレフィン樹脂(A)とポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(B)との質量比(A)/(B)は100/5〜100/50とする必要があり、接着性、ヒートシール性との点から、100/5〜100/40が好ましく、100/5〜100/30がより好ましく、100/5〜100/25がさらに好ましく、100/5〜100/20が特に好ましい。(A)100質量部に対する(B)の含有量が5質量部未満の場合には、ABS基材との接着性が低下し、50質量部を超える場合には、ABS樹脂基材以外の熱可塑性樹脂基材との接着性が低下する傾向がある。
次に、粘着付与剤について説明する。
本発明の水性接着剤は、粘着付与剤を配合する必要があり、配合することで、ABS樹脂基材との密着性、ヒートシール性を向上させることができる。
粘着付与剤(C)としては、天然樹脂や石油樹脂などの粘着性を有する樹脂が例示でき、より具体的には、ロジン類、ロジン誘導体、テルペン系樹脂、ブタジエン樹脂等が挙げられる。これらの1種を単独又は2種以上を混合物して使用できる。ロジン類としてはガムロジン、ウッドロジンもしくはトール油ロジンの原料ロジンまたは前記原料ロジンを不均化もしくは水素添加処理した安定化ロジンや重合ロジン等があげられる。また、ロジン誘導体としてはロジンエステル類、ロジンフェノール類があげられる。ロジンエステル類としては前記ロジン類と多価アルコールとをエステル化反応させて得られたロジンエステル、原料ロジンを部分的にフマル化もしくはマレイン化し、次いでエステル化して得られる部分マレイン化もしくは部分フマル化ロジンの多価アルコールエステル、原料ロジンを部分的にフマル化もしくはマレイン化させた後、不均化し、次いでエステル化して得られる部分マレイン化もしくは部分フマル化不均化ロジンの多価アルコールエステル等をいう。また、ロジンフェノール類とはロジン類にフェノール類を付加させ熱重合したもの、または次いでエステル化したものをいう。なお、前記エステル化に用いられる多価アルコールは、特に限定はされず、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ペンタエリスリトール等を例示できる。また、テルペン系樹脂としてはα−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂や、α−ピネン、β−ピネン等のテルペン類とスチレン等の芳香族モノマーを共重合させた芳香族変性のテルペン系樹脂およびこれらの水素化物等を例示できる。ブタジエン樹脂としては、1,2−ブタジエン、1,3−ブタジエンまたはこれらの共重合体などが例示できる。これら粘着付与剤の中でも、基材への良好な接着性、密着性を発現させることから、ロジンエステル類またはテルペン系樹脂を用いることが好ましい。
ポリオレフィン樹脂(A)と粘着付与剤(C)との質量比(A)/(C)は100/5〜100/50とする必要があり、ヒートシール性の観点から、10〜65質量部がより好ましく、20〜60質量部がさらに好ましく、20〜50質量部が特に好ましい。5質量部未満の場合には、ABS基材との接着性の向上がなく、50質量部を超える場合には、ABS樹脂基材との接着性が低下する傾向がある。
本発明の水性接着剤においては、(B)と(C)の両方の成分を含有していてもよい。この場合、(B)と(C)の総量が(A)100質量部に対して5〜50質量部の範囲であればよく、10〜65質量部がより好ましく、20〜60質量部がさらに好ましく、20〜50質量部が特に好ましい。
本発明の水性接着剤は、前記した(A)〜(C)成分が、水性媒体に分散したものである。水性媒体としては、作業者や作業環境への安全性の観点から、本来そのすべてが水であることが最も好ましいが、ポリオレフィン樹脂(A)や(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(B)、粘着付与剤(C)の水性化や、乾燥負荷低減などの目的のために、「水系」としての特徴を逸脱しない範囲であれば、水以外に親水性の有機溶剤が含まれていても差し支えない。このような有機溶剤として、例えばメチルエチルケトン、アセトン、ジエチルケトン等のケトン類、プロパノ−ル、ブタノ−ル、メタノール、エタノール等のアルコール類、テトラヒドロフランやジオキサン等の環状エーテル類、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコール誘導体などがある。これらの有機溶剤が水性接着剤全量に占める量は40質量%以下が好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。また、水性媒体は、酸変性ポリオレフィン樹脂等を水性化する際に添加される水溶性の塩基性化合物を含む場合もある。
本発明の水性接着剤の製造方法を説明する。
本発明の水性接着剤の製造方法としては、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)と(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(B)または粘着付与剤(C)が水性媒体中に均一に混合されて、それらを分散または溶解可能な方法であれば、特に限定されるものではない。たとえば、それぞれ予め調製された酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の水性分散体と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(B)または粘着付与剤(C)の水性分散体とを混合したり、さらに必要に応じて水または親水性溶媒などを添加する方法が挙げられる。また、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)と(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(B)または粘着付与剤(C)との原料樹脂を混合し、水や溶媒と共に撹拌・加熱を行って水性接着剤を得る方法が挙げられる。水性媒体を留去したり、水や有機溶媒により希釈して固形分濃度を調整することもできる。
予め調整された水性分散体は市販品が入手可能である。酸変性ポリオレフィン樹脂の水性分散体としては、日本製紙ケミカル社製のスーパークロンシリーズ(E−723、E−503など)、住友精化社製のザイクセンシリーズ(ザイクセンA、ザイクセンL)、三井化学社製のケミパールシリーズ(SA−100、S−75Nなど)、ユニチカ社製のアローベースシリーズ(SB−1200、SE−1200など)等が挙げられ、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂としては、楠本化成社製のネオコールシリーズ(A−5045)が挙げられ、粘着付与剤としては、ヤスハラケミカル社製のナノレットシリーズ(R−1050、G−1250など)、荒川化学工業社製のスーパーエステルシリーズ(E−720、E−730−55など)など等が挙げられる。
本発明の水性接着剤における樹脂含有率は、この水性接着剤を用いたときの成膜条件、目的とする樹脂塗膜の厚さやその性能等により適宜選択でき、特に限定されるものではない。しかし、コーティング組成物の粘性を適度に保ち、かつ良好な塗膜形成能を発現させる点で、1〜60質量%であることが好ましく、3〜55質量%であることがより好ましく、5〜50質量%であることがさらに好ましく、5〜45質量%であることが特に好ましい。
なお、本発明の水性接着剤には、乳化剤等の不揮発性の水性化助剤を使用してもよいが、接着性、密着性の観点から、最終的な水性接着剤の5質量%以下とすることが好ましく、使用しないことが最も好ましい。不揮発性の水性化助剤としては、乳化剤、保護コロイド作用を有する化合物、変性ワックス類、高酸価の酸変性化合物、水溶性高分子などが挙げられる。
乳化剤としては、カチオン性乳化剤、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、あるいは両性乳化剤が挙げられ、一般に乳化重合に用いられるもののほか、界面活性剤類も含まれる。例えば、アニオン性乳化剤としては、高級アルコールの硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、高級カルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート塩、ビニルスルホサクシネート等が挙げられ、ノニオン性乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体などのポリオキシエチレン構造を有する化合物やポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのソルビタン誘導体等が挙げられ、両性乳化剤としては、ラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。保護コロイド作用を有する化合物、変性ワックス類、高酸価の酸変性化合物、水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、変性デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸およびその塩、カルボキシル基含有ポリエチレンワックス、カルボキシル基含有ポリプロピレンワックス、カルボキシル基含有ポリエチレン−プロピレンワックスなどの数平均分子量が通常は5000以下の酸変性ポリオレフィンワックス類およびその塩、アクリル酸−無水マレイン酸共重合体およびその塩、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等の不飽和カルボン酸含有量が10質量%以上のカルボキシル基含有ポリマーおよびその塩、ポリイタコン酸およびその塩、アミノ基を有する水溶性アクリル系共重合体、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン等、一般に微粒子の分散安定剤として用いられている化合物が挙げられる。
本発明の水性接着剤には、巻取り時または巻き出し時の貼り付きを防止する為にブロッキング防止剤を添加することが好ましい。ブロッキング防止剤としては、例えば、ステアリン酸アミド、カプリル酸アミド、カプリン酸アミド、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、アラギジン酸アミド、ベヘン酸アミド等の飽和脂肪酸モノアミド類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド等の不飽和脂肪酸モノアミド類、N−ラウリルラウリン酸アミド、N−パルミチルパルミチン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−オレイルオレイン酸アミド、N−ステアリルオレイン酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、N−オレイルパルミチン酸アミド、N−ステアリル12ヒドロキシステアリン酸アミド、N−オレイル12ヒドロキシステアリン酸アミド等の置換アミド類等やメチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスラウリン酸アミド、メチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスカプリル酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスイソステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサンメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、N,N−ジステアリルアジピン酸アミド、N−ジステアリルセバシン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、m−キシリレンビスステアリン酸アミド等のビスアマイド類、メチロールステアリン酸アミド、メチロールベヘン酸アミド等のメチロールアミド類、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、ライスワックス、カルナバワックス等のワックス類などが挙げられる。ブロッキング防止剤の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)100質量部に対して0.1〜50質量部とすることが好適であり、耐ブロッキング性と接着性との点から、0.1〜30質量部が好ましく、0.1〜20質量部がより好ましく、0.1〜10質量部がさらに好ましく、1〜5質量が特に好ましい。ブロッキング防止剤の含有量が0.1質量部未満の場合には、耐ブロッキング性の向上の効果が小さく、50質量部を超える場合には、ヒートシール性が低下する傾向がある。
本発明の水性接着剤には、耐水性や塗膜強度を向上させる為に架橋剤を添加してもよい。架橋剤としては、自己架橋性を有する架橋剤、カルボキシル基と反応する官能基を分子内に複数個有する化合物、多価の配位座を有する金属錯体等を用いることができ、このうちイソシアネート化合物、メラミン化合物、尿素化合物、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン基含有化合物、アジリジン化合物、ジルコニウム塩化合物、シランカップリング剤等が好ましい。また、これらの架橋剤を組み合わせて使用しても良い。架橋剤の中でも、耐水性などの各種の塗膜性能向上の点から、イソシアネート化合物、エポキシ化合物が好ましく、イソシアネート化合物が特に好ましい。イソシアネート化合物としては、多官能イソシアネート化合物が好ましく、水性(水溶性もしくは水分散性)のものがさらに好ましい。架橋剤の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)100質量部に対して0.1〜50質量部とすることが好適であり、膜の強度と接着性との点から、0.1〜40質量部が好ましく、0.1〜30質量部がより好ましく、0.1〜20質量部がさらに好ましく、1〜10質量が特に好ましい。架橋剤の含有量が0.1質量部未満の場合には、膜の強度の向上や接着性の向上の効果が小さく、50質量部を超える場合には、接着性が低下する傾向がある。
本発明の水性接着剤には、必要に応じて、レベリング剤、消泡剤、ワキ防止剤、顔料分散剤、紫外線吸収剤等の各種薬剤を添加してもよい。
本発明の水性接着剤には、必要に応じてさらに他の重合体の水性分散体を添加することができる。他の重合体の水性分散体としては、特に限定されない。例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビリニデン、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、変性ナイロン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂等の水性分散体を挙げることができる。これらは、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明の水性接着剤を用いて貼り合わせる基材は特に限定されないが、例えばポリエチレン基材、ポリプロピレン基材、ポリブテン基材、ポリメチルペンテン基材等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体基材又はその鹸化物、エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体基材等のポリオレフィン系共重合体、ポリエチレンテレフタレート基材、ポリブチレンテレフタレート基材、ポリエチレンナフタレート基材、ポリアリレート基材、ポリカーボネート基材等のポリエステル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル基材等のアクリル系樹脂、6−ナイロン基材、6、6−ナイロン基材、6、10−ナイロン基材等のポリアミド系樹脂、ポリスチレン樹脂基材、AS樹脂基材、ABS樹脂基材等のスチレン系樹脂、セルロースアセテート基材、ニトロセルロース基材等の繊維素誘導体、ポリ塩化ビニル基材、ポリ塩化ビニリデン基材等の塩素系樹脂、ポリフッ化ビニル基材、ポリフッ化ビニリデン基材、ポリテトラフロロエチレン基材、エチレン−テトラフロロエチレン共重合体基材等のフッ素系樹脂等、又はこれらから選ばれる2種又は3種以上の共重合体や混合物、複合体、積層体等を使用することができる。特にABS基材に対する高い接着性を有するため、ABS基材同士の貼り合わせ、ABS基材と上記した他の基材との貼り合わせに有利である。他の基材としては、成形性の点からポリプロピレン基材またはポリエチレンテレフタレート基材を使用すること好適である。基材の厚さは特に限定されるものではないが、通常0.05〜10mm、好ましくは0.5〜7mm、より好ましくは1〜5mm、特に好ましくは1〜3mmである。
本発明の水性接着剤を基材に塗工する方法は特に限定されるものではないが、グラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法等が採用できる。水性接着剤の塗布量については、基材によって適宜、決定すればよい。塗膜の厚みは、基材が熱可塑性樹脂フィルムの場合、ヒートシール性を十分高めるためには少なくとも0.1μmより厚くすることが好ましく、0.1〜10μmであることがより好ましく、0.2〜8μmがさらに好ましく、0.3〜7μmが特に好ましい。
本発明の水性接着剤の乾燥温度は、特に限定されず、基材の耐熱温度等によって適宜、決定すればよいが、通常、50〜150℃であればよく、60〜100℃がより好ましく、70〜90℃がさらに好ましい。乾燥温度が50℃未満の場合、水性媒体を十分、揮発させることができない、あるいは揮発させるのに時間を要するため良好な接着性能を発現させることが困難になる。一方、乾燥温度が150℃を超えると接着性能が低下してしまう傾向がある。
以下に実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお、各種の特性については以下の方法によって測定または評価した。
1. 水性分散体の特性
(1)水性分散体の固形分濃度
水性分散体を適量秤量し、これを150℃で残存物(固形分)の質量が恒量に達するまで加熱し、固形分濃度を求めた。
2. 被膜の特性
以下の評価においては、基材として、ABSフィルム(株式会社三洋社製、ハイフレックス、厚み100μm)、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ユニチカ社製エンブレットPET12、厚み12μm)、未延伸ポリプロピレン(PP)フィルム(東セロ社製、厚み50μm)を用いた。
(1)テープ剥離試験(密着性)
2軸延伸PETフィルムのコロナ処理面、未延伸PPフィルムのコロナ処理面、ABS基材に、それぞれ水性接着剤を乾燥後の膜厚が1μmになるようにマイヤーバーを用いて塗布した後、100℃で2分間、乾燥させた。得られた積層フィルムは室温で1日放置後、評価した。接着剤面にセロハンテープ(ニチバン社製TF−12)を貼り付け、テープを一気に剥がした場合の剥がれの程度を次の基準で目視評価した。
○:全く剥がれなし
△:一部、剥がれた
×:全て剥がれた
(2)耐ブロッキング性評価
2軸延伸PETフィルムのコロナ処理面、未延伸PPフィルムのコロナ処理面、ABS基材のそれぞれに本発明の水性接着剤を乾燥後の膜厚が5μmになるようにメイヤーバーでコートし、70℃で5分間乾燥した。それぞれの基材のコート面同士を重ね合わせた状態で、0.1MPaの負荷をかけ、30℃、65%RHの雰囲気下で24時間放置後、その耐ブロッキング性を次の3段階で評価した。
○:軽く持ち上げる程度で剥離する。
△:引っ張ることで剥離する。
×:塗膜の界面あるいは凝集剥離が認められる。
(3)接着性
水性接着剤を、2軸延伸PETフィルムのコロナ処理面、未延伸PPフィルムのコロナ処理面、ABS基材のそれぞれに、乾燥後の膜厚が5μmになるように塗布し、70℃で5分間、乾燥させた。得られた積層フィルムのコート層とABS基材とを貼り合わせ、ヒートプレス機(シール圧0.2MPaで5秒間)にて100℃でプレスした。このサンプルを15mm幅で切り出し、1日後、引張試験機(インテスコ株式会社製インテスコ精密万能材料試験機2020型)を用い、引張速度200mm/分、引張角度180度で被膜の剥離強度を測定した。
(4)耐水性
水性接着剤をABS基材に乾燥後の膜厚が5μmになるようにメイヤーバーでコートし、70℃で5分間乾燥した。その後、25℃の水に24時間浸漬した後乾燥し、コート面の状態を観察した。耐水性を次の3段階で評価した。
○:変化なし
△:少し剥がれが見られる。
×:全体に剥がれが見られる。
(酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1)
ユニチカ社製SB-1200(酸変性共重合ポリエチレンの固形分濃度25質量%、イソプロピルアルコール20質量%、水分60質量%)を使用した。
(酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−2)
住友精化社製ザイクセンA(エチレンアクリル酸共重合物中和塩、固形分濃度24質量%)を使用した。
(酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−3)
三井化学社製ケミパールSA−100(変性アイオノマー、固形分濃度35質量%)を使用した。
(酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−4)
日本製紙ケミカル社製スーパークロンE−723(塩素化ポリプロピレン、固形分濃度30質量%)を使用した。
(ポリメタクリル酸アルキルエステル樹脂水性分散体A−1)
楠本化成社製NeoCryl A−5045(スチレンとメタクリル酸アルキルエステルの共重合体、固形分濃度46質量%)を使用した。
(ポリアクリル樹脂水性分散体A−2)
楠本化成社製NeoCryl A−6075(スチレンとアクリロニトリルの共重合体、固形分濃度45質量%)を使用した。
(粘着付与剤水性分散体T−1)
ヤスハラケミカル社製ナノレットR−1050(テルペン系粘着付与剤、固形分濃度50質量%)を使用した。
(粘着付与剤水性分散体T−2)
次のようにして調製した。
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、50.0gのロジン変性特殊合成樹脂〔ハリマックMSR−4,ハリマ化成社製〕、96.7gのイソプロパノール(以下、IPA)、53.3g(樹脂中の無水マレイン酸のカルボキシル基に対して3.0倍当量)のトリエチルアミンをガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を60〜80℃に保ってさらに20分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、赤褐色の透明な粘着付与剤溶液T−2を得た。T−2の固形分濃度は25.0質量%、IPA濃度は48.4質量%であった。
(ブロッキング防止剤)
中京油脂社製G−110(エチレンビスステアリン酸アミド、固形分濃度26.5質量%)を使用した。
(架橋剤)
BASF社製HW−100(イソシアネート化合物、固形分濃度100質量%)を水で希釈して固形分濃度10質量%希釈液としたものを使用した。
実施例1
E−1とA−1とをE−1の固形分100質量部に対してA−1の固形分が5質量部となるように室温にてメカニカルスターラーで攪拌(100rpm)・混合し、水性接着剤J−1を調製した。
実施例2〜13
表1または2に示すように、水性分散体の組合せや混合比を変えた以外は、実施例1と同様の操作を行って水性接着剤J−2〜J−13を得た。
実施例14
E−1とA−1とG−110とを、E−1の固形分100質量部に対してA−1の固形分が20質量部、G−110の固形分が10質量部となるように室温にてメカニカルスターラーで攪拌(100rpm)・混合し、水性接着剤J−14を調製した。
実施例15
E−1とT−1とG−110とを、E−1の固形分100質量部に対して、T−1の固形分が20質量部、G−110の固形分が10質量部となるように室温にてメカニカルスターラーで攪拌(100rpm)・混合し、水性接着剤J−15を調製した。
実施例16
E−1とA−1とHW−100希釈液とを、E−1の固形分100質量部に対してA−1の固形分が20質量部、HW−100が5質量部となるように室温にてメカニカルスターラーで攪拌(100rpm)・混合し、水性接着剤J−16を調製した。
実施例17
E−1とT−1とHW−100希釈液とを、E−1の固形分100質量部に対してT−1の固形分が20質量部、HW−100が5質量部となるように室温にてメカニカルスターラーで攪拌(100rpm)・混合し、水性接着剤J−17を調製した。
実施例1〜17の評価結果を表1、表2に示す。
比較例1
ポリメタクリル酸アルキルエステル樹脂水性分散体または粘着付与剤を添加せずに、ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1を単独で使用し、これをH−1とした。
比較例2〜5
表3に示すように、ポリオレフィン樹脂水性分散体とアクリル樹脂水性分散体A−1または粘着付与剤T−1の樹脂成分の混合比を変えた以外は、実施例1と同様の操作を行って、それぞれ水性接着剤H−2〜H−5を得た。
比較例6、7
ポリオレフィン樹脂水性分散体を添加せずに、アクリル樹脂水性分散体A−1、粘着付与剤T−1をそれぞれ単独で使用し、これをそれぞれH−6、H−7とした。
比較例8
E−1とA−2とを、E−1の固形分100質量部に対してA−2の固形分が5質量部となるように室温にてメカニカルスターラーで攪拌(100rpm)混合し、水性接着剤H−8を調製した。
比較例1〜8の評価結果を表3に示す。
実施例1〜17では、水性分散体から得られる被膜は、ABS、PET、PPいずれの基材との密着性も良好であった。さらに、ABS基材とABS基材、ABS基材と他の基材との接着性が良好であった。実施例14、15では接着性を維持しつつ耐ブロッキング性が良好に発現しており、本発明の水性接着剤を塗布したフィルムを良好に巻取ることができることを示している。実施例16、17では架橋剤の添加により、接着性を維持しつつ塗膜に耐水性を付与できることが示された。
これに対し、比較例1はポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル樹脂、粘着付与剤のいずれをも含有していないためABS基材をはじめとする各種基材との密着性や基材同士の接着性に問題があった。また、比較例2〜5は、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル樹脂または粘着付与剤の含有量が本発明の範囲外であるため、ABS基材との接着性が劣っていた。比較例6、7は、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル樹脂または粘着付与剤を単体で用いたが、接着性が発現しなかった。比較例8は、アクリル系樹脂の樹脂成分がポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル樹脂ではなく、本発明の範囲外であるため、接着性が劣っていた。

Claims (5)

  1. 酸変性ポリオレフィン樹脂(A)およびポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(B)を含有し、(A)と(B)の質量比が100/5〜100/50の範囲であることを特徴とする水性接着剤。
  2. 酸変性ポリオレフィン樹脂(A)および粘着付与剤(C)を含有し、(A)と(C)の質量比が100/5〜100/50の範囲であることを特徴とする水性接着剤。
  3. さらにブロッキング防止剤を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の水性接着剤。
  4. さらに架橋剤を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の水性接着剤。
  5. アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂基材用である請求項1〜4いずれかに記載の水性接着剤。
JP2007106475A 2007-04-13 2007-04-13 水性接着剤 Pending JP2008260903A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007106475A JP2008260903A (ja) 2007-04-13 2007-04-13 水性接着剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007106475A JP2008260903A (ja) 2007-04-13 2007-04-13 水性接着剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008260903A true JP2008260903A (ja) 2008-10-30

Family

ID=39983626

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007106475A Pending JP2008260903A (ja) 2007-04-13 2007-04-13 水性接着剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008260903A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010251679A (ja) * 2009-03-23 2010-11-04 Unitika Ltd 太陽電池モジュール用接着剤、封止用保護シートおよび太陽電池モジュール
WO2010147130A1 (ja) * 2009-06-18 2010-12-23 サンスター技研株式会社 水性接着剤組成物
JP2011074230A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Dainippon Printing Co Ltd 熱接着シート及びシートロール
JP2013117006A (ja) * 2011-12-05 2013-06-13 Sekisui Chem Co Ltd 粘着剤組成物、および表面保護フィルム
JP2014074149A (ja) * 2012-09-14 2014-04-24 Fujifilm Corp 易接着シート、太陽電池用保護シート、絶縁シート、太陽電池用バックシート部材、太陽電池用バックシート及び太陽電池モジュール
WO2017091671A1 (en) * 2015-11-27 2017-06-01 Dow Global Technologies Llc Adhesive formulations for fabric/poe adhesion
CN111247222A (zh) * 2017-11-06 2020-06-05 综研化学株式会社 粘合剂组合物、粘合剂及粘合片
JPWO2022014313A1 (ja) * 2020-07-16 2022-01-20
CN118667480A (zh) * 2024-08-08 2024-09-20 江阴纳力新材料科技有限公司 一种高强高延伸的导电胶水及其制备方法

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010251679A (ja) * 2009-03-23 2010-11-04 Unitika Ltd 太陽電池モジュール用接着剤、封止用保護シートおよび太陽電池モジュール
WO2010147130A1 (ja) * 2009-06-18 2010-12-23 サンスター技研株式会社 水性接着剤組成物
JP2011001444A (ja) * 2009-06-18 2011-01-06 Sunstar Engineering Inc 水性接着剤組成物
CN102459488A (zh) * 2009-06-18 2012-05-16 新时代技研株式会社 水性粘接剂组合物
US9359536B2 (en) 2009-06-18 2016-06-07 Sunstar Giken Kabushiki Kaisha Aqueous adhesive agent composition
JP2011074230A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Dainippon Printing Co Ltd 熱接着シート及びシートロール
JP2013117006A (ja) * 2011-12-05 2013-06-13 Sekisui Chem Co Ltd 粘着剤組成物、および表面保護フィルム
JP2014074149A (ja) * 2012-09-14 2014-04-24 Fujifilm Corp 易接着シート、太陽電池用保護シート、絶縁シート、太陽電池用バックシート部材、太陽電池用バックシート及び太陽電池モジュール
JP2019504126A (ja) * 2015-11-27 2019-02-14 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 布地/poe接着剤のための接着剤配合物
CN108349196A (zh) * 2015-11-27 2018-07-31 陶氏环球技术有限责任公司 用于织物/poe粘附的粘合剂配制物
WO2017091671A1 (en) * 2015-11-27 2017-06-01 Dow Global Technologies Llc Adhesive formulations for fabric/poe adhesion
US10752770B2 (en) 2015-11-27 2020-08-25 Dow Global Technologies Llc Adhesive formulations for fabric/POE adhesion
CN108349196B (zh) * 2015-11-27 2020-09-04 陶氏环球技术有限责任公司 用于织物/poe粘附的粘合剂配制物
AU2016361445B2 (en) * 2015-11-27 2021-09-16 Dow Global Technologies Llc Adhesive formulations for fabric/POE adhesion
CN111247222A (zh) * 2017-11-06 2020-06-05 综研化学株式会社 粘合剂组合物、粘合剂及粘合片
CN111247222B (zh) * 2017-11-06 2022-08-05 综研化学株式会社 粘合剂组合物、粘合剂及粘合片
JPWO2022014313A1 (ja) * 2020-07-16 2022-01-20
WO2022014313A1 (ja) * 2020-07-16 2022-01-20 綜研化学株式会社 粘着剤組成物および粘着シート
CN116194545A (zh) * 2020-07-16 2023-05-30 综研化学株式会社 粘合剂组合物以及粘合片材
JP7499335B2 (ja) 2020-07-16 2024-06-13 綜研化学株式会社 粘着剤組成物および粘着シート
CN118667480A (zh) * 2024-08-08 2024-09-20 江阴纳力新材料科技有限公司 一种高强高延伸的导电胶水及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008260903A (ja) 水性接着剤
JP2008266446A (ja) 水性コート剤および積層体
JP5933543B2 (ja) 水性分散体、ならびにそれを用いてなる積層体、履物用接着剤および履物
CN108026421B (zh) 用于热封涂层的包含聚氨酯和烯属共聚物的水性分散体
JP2009235289A (ja) 水性分散体および積層体
CN102399501B (zh) 再剥离性粘着片
JP2007204671A (ja) 水性分散体および積層体
TWI804473B (zh) 氯丁二烯橡膠乳膠接著劑組合物
JP4615927B2 (ja) 水性分散体および水性ヒートシール剤
KR20100014868A (ko) 프라이머 조성물 및 접착성 기재
JP4717463B2 (ja) 水性分散体および積層体
JP5247199B2 (ja) 積層フィルム
JP2011195691A (ja) 水性分散体及び塗膜、積層体並びに水性分散体の製造方法
JP5184216B2 (ja) 水性分散体および積層体
JP2017137433A (ja) ポリエチレン用接着コート剤およびポリエチレン製品の製造方法
JP4822898B2 (ja) 水性分散体および積層体
JP5183048B2 (ja) 水性接着剤およびそれを用いた積層体
JP2011057804A (ja) 植毛用水性接着剤
JPH03149256A (ja) 架橋性組成物、その用途及び架橋方法
JP2006131882A (ja) 水性分散体、塗膜および積層体
JP4270791B2 (ja) 合成紙用水性接着剤及び積層体
JP2001163984A (ja) 水性分散液
JP2010065196A (ja) 水性接着剤、ヒートシール材及び積層体
JP2009102453A (ja) 液晶樹脂基材用接着剤および積層体
JP2025014435A (ja) 粘着シート