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JP2008259704A - プレフィルド型シリンジ - Google Patents

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JP2008259704A JP2007105282A JP2007105282A JP2008259704A JP 2008259704 A JP2008259704 A JP 2008259704A JP 2007105282 A JP2007105282 A JP 2007105282A JP 2007105282 A JP2007105282 A JP 2007105282A JP 2008259704 A JP2008259704 A JP 2008259704A
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隆明 義永
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一則 牟田
Tetsuo Tateishi
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Abstract

【課題】より安全に且つ有効に薬液を投与可能なプレフィルド型シリンジを提供する。
【解決手段】ヒアルロン酸溶液の粘性は、リドカイン溶液の粘性よりも十分に高く設定されており、リドカインの排出が終了すると、ヒアルロン酸溶液を注射針14の先端から流出させるのに必要な力f(N)が急激に増加し、処置者の手にある種の衝撃、一瞬、プランジャー12が静止するような感覚が生じる。リドカイン溶液を排出するのに要する力f(N)をPとし、ヒアルロン酸溶液を排出するのに必要な力f(N)をPとすると、P<Pの関係がある。(P−P)/P>0.2の場合、処置者が十分に衝撃を感じることが可能となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、薬剤等を予め充填したプレフィルド型シリンジに関する。
注射型医薬品は、医薬品の剤型の一つとして知られており、プレフィルド型シリンジ等として医療現場へ供給されている。このプレフィルド型シリンジは、密封容器を兼用する注射筒内に所望の注射薬剤が予め充填されている使い捨てタイプの注射器である。そして、このプレフィルド型シリンジは簡便に使用でき、緊急時でも所望の注射薬剤を誤用することなく正確な投与量で投与でき、しかも衛生性が高く、細菌などの微生物汚染を回避できるなど種々の利点があるため、近年多用される傾向にある。
この種のプレフィルド型シリンジ用の注射器の構造として、例えば特許文献1には、予め1種の注射薬剤を注射筒内に密閉状態で充填しておくことができる注射器の構造が開示されている。また、例えば特許文献2には、予め2種の注射剤を注射筒内に分離して充填しておき、その2種の注射薬剤を順次注射できるようにした分注方式の注射器の構造が開示されている。
一方、変形性関節症、慢性関節リウマチ等の各種関節症疾患の治療に関しては、関節液の潤滑作用、関節軟骨表面の保護作用の低下に起因する運動障害や疼痛症状の発生を緩和するために、ヒアルロン酸溶液を薬剤として疾患関節部位へ注入する方法が採用されており、ある程度の効果を示している(例えば特許文献3、非特許文献1参照)。
他方、ヒアルロン酸ナトリウムを患者の患部の関節腔内に投与する際、または投与直後に一過性の疼痛が患部に認められるという問題が指摘されている。これに関連して、特許文献4にはヒアルロン酸ナトリウム水溶液を注射する際の患者の苦痛を予め予防できるキット製剤として、リドカイン水溶液を第1の薬液とし、ヒアルロン酸ナトリウム水溶液を第2の薬液とした直列順次分注型注射器を用いたキットが開示されている。
しかしながら一般には安全性が確認されている投与方法、すなわち、リドカイン水溶液は関節腔外に投与し、リドカイン水溶液を全て関節腔外に投与し終わった後にヒアルロン酸水溶液は関節腔内に投与することが好ましいにも拘わらず、上記に開示された直列順次分注型注射器では、リドカイン水溶液を全て投与しつくしたタイミングを目視により観察する以外なく、その利便性に不都合があった。
特公昭62−58745公報 特開平8−308928号公報 国際公開WO2004/016275 特開2003−299734号公報 「炎症・再生」、日本炎症・再生医学会、2001年11月、Vol.21、No.6、p653〜658
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、リドカイン水溶液(第1薬液)とヒアルロン酸水溶液(第2薬液)を順次投与するプレフィルド型シリンジにおいて、より安全に且つ有効に薬液を投与可能なプレフィルド型シリンジを提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく本発明者らが鋭意研究を行なった結果、薬液の粘度及び前室の薬液と後室の薬液を押し出す際のエンドストッパの押圧力を、特定の範囲にすることで、解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明に係るプレフィルド型シリンジは、バレルと、バレルの一端を封止するエンドストッパと、バレルの一端と他端との間に介在し、バレル内を前室と後室に分離するミドルストッパと、前室内に封入されたリドカイン溶液と、後室内に封入されたヒアルロン酸溶液とを備えたプレフィルド型ダブルシリンジを対象とする。
ここで、リドカイン溶液の25℃における粘度ηLD(mPas)、リドカイン溶液の質量パーセント濃度CLD(wt%)、ヒアルロン酸溶液の25℃における粘度ηHA(mPas)、ヒアルロン酸溶液の質量パーセント濃度CHA(wt%)、エンドストッパを上記他端方向に押すことで、ミドルストッパをバレル内で摺動させ、エンドストッパ及びミドルストッパにバレルの内面からの動摩擦力が与えられながら、前室に封入されたリドカイン溶液をバレルの他端から押し出すのに要する力P(N)、及び、エンドストッパを他端方向に押すことで、エンドストッパにバレルの内面からの動摩擦力が与えられながら、後室に封入されたヒアルロン酸溶液をバレルの他端から押し出すのに要する力P(N)を、パラメータとして用いる。
これらのパラメータは、以下の関係式(A)〜(C)を満たしている。
(A) 0.5≦ηLD≦5
(B) 10≦ηHA≦600
(C) (P−P)/P>0.2
本発明の構造によれば、粘度が上述のように設定されているので、前室に封入されたリドカイン溶液を押し出し終わると、後室に封入されたヒアルロン酸溶液を押し出すのに明らかに大きな力が必要となる。これは、リドカイン溶液の粘度が相対的に低く、ヒアルロン酸溶液の粘度が相対的に明らかに高いため、同じ押圧力では後室のヒアルロン酸溶液を押し出すことが困難となるからである。したがって、前室のリドカイン溶液の注入終了直後に、処置者の手は衝撃を感じることとなる。
また、粘度調整によって、押圧力の差分比率((P−P)/P)が0.2を超える場合には、処置者が十分に衝撃を感じることが可能となる。各粘度は上記の如く所定値以下に設定されているので、流出に支障なく薬液を押し出すことができる。また、薬効のあるリドカイン溶液の粘度は0.5mPas以上である。
なお、溶液の押し出しに必要な力P、Pは、それぞれエンドストッパのストロークによって若干の変動を行うが、これらの力P、Pは、それぞれに対応するストロークの範囲内において、動摩擦力が働きながらストッパが移動する際に要する力P、Pの平均値で与えられるものとする。
したがって、例えば、関節腔への注射を行う場合、処置者は、体感する衝撃によって、リドカイン溶液の関節腔外への注入終了を知ることができるため、しかる後、ヒアルロン酸溶液を関節腔内へ容易に注射することができるようになる。したがって、より安全に且つ有効に薬液を投与することが可能となる。なお、本発明のシリンジは、関節腔への薬剤投与時にのみ利用可能なものではなく、眼内レンズ挿入術や全層角膜移植術時などのように、ヒアルロン酸溶液を補助剤や目薬とし、局所麻酔薬としてのリドカイン溶液と共に用いる場合にも適用できることは言うまでもない。
なお、リドカイン溶液は、主成分としてリドカインを含む溶液であれば、その薬効を損なわない程度に他の成分を含有していてもよく、塩酸リドカイン等のリドカインの塩酸塩の溶液も含むものである。なお、リドカインは、ナトリウムイオンの透過を阻害して、活動電位を不活性化することにより、神経伝達を遮断する薬理作用があるものとして知られている。
また、ヒアルロン酸溶液は、ヒアルロン酸を含む溶液であれば、その薬効を損なわない程度に他の成分を含有していてもよく、ヒアルロン酸ナトリウム等のヒアルロン酸のナトリウム塩の溶液も含むものである。ヒアルロン酸ナトリウムは、各種関節疾患の治療薬や保湿剤としても知られている。
薬液の粘度は、その濃度に密接に関連し、濃度が高いほど粘度が高くなる傾向にある。また、溶液の濃度が希薄になれば薬効が薄れるという傾向にある。したがって、薬効を維持しつつ上述の粘度の差分比率を達成して処置者に確実に衝撃を与えるためには、以下の関係式(D)、(E)を満たすことが好ましい。
(D) 0.5≦CLD≦2、
(E) 0.5≦CHA≦2
また、上述のパラメータは、以下の関係式(F)、(G)を満たすことが更に好ましい。
(F) P−P>2、
(G) P<40、
式(F)を満たす場合には、これらの押圧力差が2Nを越えているので、処置者がその衝撃を更に確実に感知することが可能となるが、必要な押圧力が過度に高い場合には、注射行為自体を円滑に行うことができない。そこで、後室のヒアルロン酸溶液を押し出す際に要する力P(N)は40(N)未満とし、円滑な注射が行えるようにした。
本発明によれば、より安全に且つ有効に薬液を投与可能なプレフィルド型シリンジを提供することができる。
以下、実施の形態に係るプレフィルド型シリンジについて説明する。なお、同一要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1はプレフィルド型シリンジの斜視図である。
本実施形態に係るダブルシリンジタイプのプレフィルド型シリンジ10は、バレル11と、バレル11の一端を封止するエンドストッパ12Aを有するプランジャー12と、バレル11の上記一端と他端との間に介在し、バレル11内を前室と後室に分離するミドルストッパ15と、前室内に封入された第1薬液(リドカイン溶液)Aと、後室内に封入された第2薬液(ヒアルロン酸溶液)Bを備えている。エンドストッパ12A及びミドルストッパ15は、バレル11の内周面上を摺動する。
プランジャー12は、ピストン本体部18を含み、このピストン本体部18の先端部にエンドストッパ12Aが螺合等により取付けられている。一般に、使い捨てタイプのシリンジは、バレルとピストンについてはポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)等により形成されているが、本実施形態のシリンジ10では、バレル11及びピストン本体部18は、特に、耐熱性があり、且つ汚染性がないCOP樹脂(環状オレフィン系樹脂)により形成されている。
COP樹脂は、次の二つに大別される。
第1のタイプのCOP樹脂は、(a)環状オレフィンと(b)非環状オレフィンの共重合体である。
第2のタイプのCOP樹脂は、環状オレフィン開環メタセシス重合体((a)環状オレフィンを開環メタセシス重合したもの)又は環状オレフィン開環メタセシス重合体水素化物((a)環状オレフィンを開環メタセシス重合した後、重合体を水素化したもの)である。
(a)環状オレフィンとしては、ノルボルネン環を有する多環状オレフィン類(ノルボルネン類、ジシクロペンタジエン類、テトラシクロドデセン類等)、単環状オレフィン類、環状ジオレフィン類が挙げられる。
(b)非環状オレフィンとしては、ビニル基を有する化合物(α−オレフィン等)、(メタ)アクリロイル基を有する化合物が挙げられる。
本実施形態におけるCOP樹脂としては、上記のうち環状オレフィン開環メタセシス重合体水素化物が最も好ましい。
エンドストッパ12Aは、気密性を維持するために、ゴム、熱可塑性エラストマー等の弾性体により形成されることが多い。
ゴムとしては特に制限されるところはないが、例えば、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、イソプレン−イソブチレンゴム類、ニトリルゴム等の合成ゴムや天然ゴムを主原料とし、それに充填剤、架橋剤等を配合したものが挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、溶液重合型スチレンブタジエンゴム、(SBSブロックコポリマー)、ポリエステル又はポリエーテルウレタンゴム、ポリエーテル芳香族ポリエステルブロックの共重合体(ポリエステルゴム)、ポリオレフィンブロック共重合体、高トランス−14−ポリイソプレン、ポリエチレンブチルグラフト共重合体、シンジオタクチックポリブタジエン等も用いることができる。
上記のほか、比較的軟質なプラスチック、例えばコポリマータイプのポリプロピレン、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のようなコポリマータイプでポリプロピレンとほぼ同程度の耐熱性(好ましくは130〜140℃程度)を有するプラスチックも用いることができる。
ダブルシリンジタイプのプレフィルド型シリンジ10は、バレル11と、このバレル11内に摺動自在に挿入されるエンドストッパ12Aを有するプランジャー12のエンドストッパ12Aと先端の間に、前室および後室を区画形成するようにミドルストッパ15が挿入されている。
ミドルストッパ15は、例えば短円柱状のゴム弾性体などで構成されており、その前部の外周には、弾性変形可能なリング状のリップ部15Aがバレル11の内周面に摺接するように形成されている。なお、ミドルストッパ15の後端部の外周には、バレル11の内周面に摺接することでリップ部15Aと共働してミドルストッパ15の軸線の傾きを防止する複数のガイド突起15Bが形成されている。
ミドルストッパ15は、気密性を維持するために、ゴム、熱可塑性エラストマー等の弾性体により形成されることが多い。ゴムとしては特に制限されるところはないが、例えばイソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、イソプレン−イソブチレンゴム類、ニトリルゴム等の合成ゴムや天然ゴムを主原料とし、それに充填剤、架橋剤等を配合したものが挙げられる。
バレル11の前端部の内面には、針装着部11A内の注射口11Bの周囲からバレル11の内周面に向かって等角度間隔で放射状に延びる3対のバイパス用突条11Cが形成されている。
図2は、図1に示したシリンジの使用時の縦断面図である。
プレフィルド型シリンジ10の未使用状態では、バレル11の先端部に形成された小径の針装着部11Aに密封用のトップキャップ13(図1参照)が被着されているが、トップキャップ13が取り外されたプレフィルド型シリンジ10の使用時には、トップキャップ13の代わりに注射針14が針装着部11Aに装着される。なお、臨床現場では22G〜23G(内径0.48mm〜0.40mm)の寸法の注射針14が良く用いられる。
また、バレル11の内周面、エンドストッパ12Aの表面、ミドルストッパ15の表面は、それぞれシリコーンゲル層で被覆することができる。シリコーンゲル層20を形成するためのシリコーンは、ケイ素原子に結合した有機基の種類により、(a)ストレートシリコーンと(b)変性シリコーンとに大別できる。
(a)ストレートシリコーンとは、メチル基、水素原子を置換基として結合したものをいう。
(b)変性シリコーンとは、ストレートシリコーンから二次的に誘導された構成部分を持つものをいい、ビニル基、(メタ)アクリロイル基等の不飽和基を少なくとも1(好ましくは2)有するオルガノポリシロキサンが挙げられる。
本実施形態においては、これらシリコーンに限定されることなく、ストレートシリコーンあるいは変性シリコーンどちらでも可能である。例えば、ガンマ線による硬化の知られたストレートシリコーンであるダウ・コーニング360(ダウコーニング社製)や、紫外線硬化性の変性シリコーンゲルとして市販されているスリーボンド3167、3168(スリーボンド社製)などを使用することができる。ここで最適には、ダウ・コーニング360(ダウコーニング社製)を用いるのが好ましい。
このシリンジでは、バレル11の内周面および/またはストッパ(エンドストッパ12A、ミドルストッパ15)の表面にシリコーンゲル層20が設けられているため、バレル11とストッパとの摺動性を確保することができる。また、バレル11の樹脂からシリコーンが経時的に分離・剥離するおそれを低減することができ、バレル11内で液体をより安定的に収容することが可能となる。
エンドストッパ12Aを有するプランジャー12を注射針14の方向に押すと、第2薬液Bがミドルストッパ15を押圧し、押されたミドルストッパ15が第1薬液Aを押圧し、注射口11B及び注射針14を介して、第1薬液Aが外部に流出する。第1薬液Aが流出し終わると、凸条11Cがミドルストッパ15の外周面を変形させてバイパス通路を形成し、エンドストッパ12Aを有するプランジャー12を更に注射針14の方向に押すと、エンドストッパ12Aが第2薬液Bを押圧し、第2薬液Bがバイパス通路、注射口11B及び注射針14を介して、外部に流出する。
図3は、図2に示したシリンジのIII−III断面図である。
ミドルストッパ15がバレル11の先端方向へ移動した場合、図1及び図2に示した3対のバイパス用突条11Cがミドルストッパ15の外周面に接触し、バレル11の内周面に延出する部分がミドルストッパ15のリップ部15Aを弾性変形させることにより、ミドルストッパ15の後方の後室と注射口11Bとを連通するバイパス通路を形成する。
粘性の高い第2液薬Bが細いバイパス通路内を通過する場合、バイパス通路の出口付近で渦流を生じ、押圧力Pを上昇させる。図3に示すバレル11の長手方向に垂直な断面内において、バレル11の内径によって規定される開口断面積S11は、本例では120mmであり、ミドルストッパ15の外周面とバレル11の内面との間に形成される隙間としてのバイパス通路の総断面積をSBTとする。隣接する凸条11Cによって形成される断面台形のバイパス通路の1つの断面積をSとし、本例では3箇所に断面台形のバイパス通路が形成されているので、その総断面積は3×Sである。図3の構造では断面積Sを規定すると総断面積SBTも規定される。
上述の衝撃を生じるためには、総断面積SBTは、開口断面積S11の10%(12mm)以下であることが好ましく、断面積S11の8%(9.6mm)以下であることが更に好ましく、断面積S11の3%(3.6mm)以下であることがより好ましい。
また、上述の衝撃を生じるためには、断面積Sは1mm以下、その総断面積は5mm以下であることが好ましい。
バイパス通路が細すぎる場合には、スムーズに薬液の流通を行うことができないため、断面積Sは0.03μm以上、その内径寸法最小値は0.2μm以上であることが好ましく、断面積Sは0.1mm以上であることが更に好ましい。
薬液の流通をスムーズに行うため、総断面積SBTも0.03μm以上であることが好ましく、1mm以上であることが更に好ましい。
このような構造を有するプレフィルド型シリンジ10において、バレル11内のミドルストッパ15の前方に区画される前室には、所定量のリドカイン溶液が第1薬液Aとして予め充填されている。また、バレル11内のミドルストッパ15の後方に区画される後室には、所定量のヒアルロン酸溶液が第2薬液Bとして予め充填されている。
図4は、エンドストッパ12Aを有するプランジャー12のストローク(任意定数)と、エンドストッパ12Aを押す力f(N)の関係を模式的に示すグラフである。なお、プランジャー12とエンドストッパ12Aとは機械的に結合しているので、これらを押す力f(N)とストロークは同一である。
エンドストッパ12Aのストロークが大きいほど、エンドストッパ12Aはバレル11の先端部(注射口11B)に近くなる。エンドストッパ12Aが第2薬液Bを押し、第2薬液Bがミドルストッパ15を押し、ミドルストッパ15が第1薬液Aを押し、注射針14の先端から第1薬液Aが排出される。エンドストッパ12Aの押し始めにおいては、各ストッパ12A,15とバレル11の内面との間に大きな静摩擦力が働くが、かかる力は本発明の原理とは直接的には関係ないため、同図では示していない。各ストッパ12A,15が動き始めると、各ストッパ12A,15とバレル11の内面との間には動摩擦力が働き、ストッパ12A,15は、薬液からの圧力とバレル11の内面からの動摩擦力に抗してバレル11の先端部の方へ押されることになる。
動摩擦力はほぼ一定であって比較的小さいので、ストッパ12A,15を押すのに要する力は、薬液からの圧力に依存する。薬液からの圧力は、注射針14から流出する薬液の粘性に律則される。
第2薬液Bの粘性は、第1薬液Aの粘性よりも十分に高く設定されており、第1薬液Aの排出が終了すると、第2薬液Bを注射針14の先端から流出させるのに必要な力f(N)が急激に増加し、処置者の手にある種の衝撃、すなわち、一瞬、プランジャー12が静止するような感覚が生じる。上記動摩擦力が働きながら第1薬液Aを排出するのに要する力f(N)をPとし、第2薬液Bを排出するのに必要な力f(N)をPとすると、P<Pの関係がある。
これらの押圧力の差(ΔP=P−P)は2(N)よりも大きく設定されており、第1薬液Aの排出が終了し、第2薬液Bが排出され始めることを処置者が検知し易くなっている。また、Pは0.8×Pよりも小さく(P<0.8×P)、相対的な押圧力の差が明確に感じられるようになっている。すなわち、P<0.8×Pを満たす場合には、(P−P)/P>0.2が成立する。この場合、処置者が十分に衝撃を感じることが可能となる。
第1薬液(リドカイン溶液)A、第2薬液(ヒアルロン酸溶液)B及び押圧力のパラメータの定義は以下の通りである。
・ηLD(mPas):リドカイン溶液の25℃における粘度
・CLD(wt%):リドカイン溶液の質量パーセント濃度
・ηHA(mPas):ヒアルロン酸溶液の25℃における粘度
・CHA(wt%):ヒアルロン酸溶液の質量パーセント濃度
・P(N):エンドストッパ12Aをバレル11の先端部方向に押すことで、ミドルストッパ15をバレル11内で摺動させ、エンドストッパ12A及びミドルストッパ15にバレルの内面からの動摩擦力が与えられながら、前室に封入されたリドカイン溶液をバレル11の先端部から押し出すのに要する力
・P(N):エンドストッパをバレル11の先端部方向に押すことで、エンドストッパ12Aにバレル11の内面からの動摩擦力が与えられながら、後室に封入されたヒアルロン酸溶液をバレル11の先端部から押し出すのに要する力
この実施形態では、以下の関係式を満たしている。
(A) 0.5≦ηLD≦5
(B) 10≦ηHA≦600
(C) (P−P)/P>0.2
この構造によれば、粘度が上述のように設定されているので、前室に封入されたリドカイン溶液を押し出し終わると、後室に封入されたヒアルロン酸溶液を押し出すのに明らかに大きな力が必要となる。これは、リドカイン溶液の粘度が相対的に低く、ヒアルロン酸溶液の粘度が相対的に明らかに高いため、同じ押圧力では後室のヒアルロン酸溶液を押し出すことが困難となるからである。したがって、前室のリドカイン溶液の注入終了直後に、処置者の手は衝撃を感じることとなる。
また、粘度調整によって、押圧力の差分比率((P−P)/P)が0.2を超える場合には、処置者が十分に衝撃を感じることが可能となる。また、各薬液の粘度は上記の如く所定値以下に設定されているので、流出に支障なく薬液を押し出すことができる。また、薬効のあるリドカイン溶液の粘度ηLDは0.5mPas以上である。なお、後室のヒアルロン酸溶液の押圧時の衝撃を更に高い感度で感じるためには、前室のリドカイン溶液の粘度ηLDは、0.5≦ηLD≦2を満たすことが更に好ましい。
なお、溶液の押し出しに必要な力P、Pは、それぞれエンドストッパ12Aのストロークによって若干の変動を行うが、これらの力P、Pは、それぞれに対応するストロークの範囲内において、動摩擦力が働きながらストッパ12A,15が移動する際に要する力P、Pの平均値で与えられるものとする。なお、ストッパ12A,15の動摩擦力は、薬液が注射針14から流出する際の流動摩擦よる抵抗力よりも十分に小さい。
この構造では、関節腔への注射を行う場合、処置者は、体感する衝撃によって、リドカイン溶液の関節腔外への注入終了を知ることができるため、しかる後、ヒアルロン酸溶液を関節腔内へ容易に注射することができるようになる。したがって、より安全に且つ有効に薬液を投与することが可能となる。なお、上記シリンジ10は、関節腔への薬剤投与時にのみ利用できるものではなく、眼内レンズ挿入術や全層角膜移植術時などのように、ヒアルロン酸溶液を補助剤や目薬とし、局所麻酔薬としてのリドカイン溶液と共に用いる場合にも適用できる。
薬液の粘度は、その濃度に密接に関連し、濃度が高いほど粘度が高くなる傾向にある。また、溶液の濃度が希薄になれば薬効が薄れるという傾向にある。したがって、薬効を維持しつつ上述の粘度の差分比率((P−P)/P>0.2)を達成して処置者に確実に衝撃を与えるためには、以下の関係式(D)、(E)を満たすことが好ましい。
(D) 0.5≦CLD≦2、
(E) 0.5≦CHA≦2
また、上述のパラメータは、以下の関係式(F)、(G)を満たすことが更に好ましい。
(F) P−P>2、
(G) P<40、
式(F)を満たす場合には、これらの押圧力差が2Nを越えているので、処置者がその衝撃を更に確実に感知することが可能となるが、必要な押圧力が過度に高い場合には、注射行為自体を円滑に行うことができない。そこで、後室のヒアルロン酸溶液を押し出す際に要する力P(N)は40(N)未満とし、処置する手に無用の力が入ることなく、円滑な注射が行えるようにした。
次に、第1薬液A及び第2薬液Bについて具体的に説明する。
第1薬液Aは、0.5〜2wt%のリドカイン溶液である。かかる溶液は特に限定はされないが、本例の溶液は、リドカインの他、塩化ナトリウム、塩酸、水酸化ナトリウム、注射用蒸留水等の組成物からなる水溶液である。このリドカイン水溶液の粘度は0.5mPas〜5mPasである。なお、この粘度は、室温(25℃)における試料をB型粘度計(デジタル粘度計(型式RVDV−III:BROOKFIELD社製)で測定したものである。
なお、リドカイン溶液は、主成分としてリドカインを含む溶液であれば、その薬効を損なわない程度に他の成分を含有していてもよく、塩酸リドカイン等のリドカインの塩酸塩の溶液であるものなども含むものである。なお、リドカインは、ナトリウムイオンの透過を阻害して、活動電位を不活性化することにより、神経伝達を遮断する薬理作用があるものとして知られている。リドカイン溶液は、リドカイン及び/又はその薬学的に許容できる塩を局所麻酔剤として含有している。リドカイン溶液のpHは、5.0〜7.0に調整されているのが好ましい。
第2薬液Bは、0.5〜2wt%のヒアルロン酸溶液である。ヒアルロン酸溶液は、ヒアルロン酸を含む溶液であれば、その薬効を損なわない程度に他の成分を含有していてもよく、ヒアルロン酸ナトリウム等のヒアルロン酸のナトリウム塩の溶液であるものなども含むものである。本例では、1wt%ヒアルロン酸溶液を用い、これは例えばヒアルロン酸ナトリウムを変形性関節症、慢性関節リウマチ等の各種関節症疾患の治療薬として含有する溶液である。本例のヒアルロン酸溶液に含まれる組成物は、ヒアルロン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩酸、注射用蒸留水である。ヒアルロン酸溶液のpHは、6.8〜7.8に調整されているのが好ましい。ヒアルロン酸ナトリウムは、各種関節疾患の治療薬や保湿剤としても知られている。
ヒアルロン酸溶液は濃度調整によって粘度が大きく変動する。また、粘度は分子量にも依存する。本例のヒアルロン酸溶液は、ヒアルロン酸ナトリウム溶液であって、この溶液に含まれるヒアルロン酸ナトリウムは、分子量が60万〜400万のもの、好ましくは、分子量が60万〜120万のものが用いられる。このとき、ヒアルロン酸ナトリウム水溶液の粘度は、粘性に基づく薬液の流動摩擦力により押圧力P,Pを上述の範囲とするためにも10mPas〜600mPasとすることが好ましい。
このように、上記シリンジにおいては、前室に含まれる第1薬液(リドカイン溶液)A及び後室に含まれる第2薬液(ヒアルロン酸溶液)Bの粘度を所定の粘度とすることで、注射針14を通して薬液を押し出すのに要する力を特定の範囲に調整することができ、リドカイン溶液を投与し終わった後に処理者の手に、プランシャが一瞬止まる感覚を与えることが可能となる。
さらに上記式の全て満たすことにより、処置者が注射を患者に施す際にシリンジを持つ手に、より確実に衝撃を与え、第1薬液Aの投与が終了したことを処置者に知らしめることが可能となる。そして、処置者はかかる衝撃を得た後、注射針を抜くことなく、目視することなく、関節腔内に第2薬液Bであるヒアルロン酸ナトリウムを投与することが可能となる。
なお、滅菌処理について説明しておく。
通常、注射用の薬液を滅菌する際は、薬液の段階や注射デバイスとのアセンブリ後に高圧蒸気滅菌が行われるが、かかる滅菌ではヒアルロン酸ナトリウムが分解し分子量が低くなり結果としてヒアルロン酸ナトリウム水溶液の粘度が低下する場合がある。
また、ヒアルロン酸ナトリウムの分子量に殆ど変動がない、または、あってもヒアルロン酸ナトリウム溶液の粘度に殆ど影響しない滅菌法であれば、上記シリンジの製造時に利用できる滅菌処理に利用できる。すなわち、このような滅菌法であれば、高圧蒸気滅菌、濾過滅菌等から適宜選択することができる。この中でも、ヒアルロン酸ナトリウムの分子量が変化しない観点から、下記に示す濾過滅菌を用いることで、粘度の低下が殆どなく、10mPas〜600mPasという所望の粘度を有するヒアルロン酸ナトリウム水溶液を入手することができるので、より好ましい。
上記の濾過滅菌の方法は、上記ヒアルロン酸溶液(例:ヒアルロン酸ナトリウム水溶液)の粘度が得られれば特に限定はされないが、温度が40〜80℃、圧力100−500kPaの条件下でなされ、しかもポアサイズ0.2μmの親水性ポリエーテルスルホン、親水性ポリビニリデンジフルオライドから選択されるメンブレンフィルターにより濾過することが好ましい。
濾過滅菌温度を40〜80℃とした場合、高圧蒸気滅菌で懸念される分解は生じないか、ほとんど生じないこととなる。濾過滅菌温度が30℃以下である場合、濾過速度は遅くなる傾向が見られ、フィルターの目詰まりが生じる場合があるため好ましくない。一方、濾過滅菌温度が80℃以上である場合、ヒアルロン酸は分解していく傾向が見られ好ましくない。
濾過圧力は、100〜500kPaである。さらに好ましくは、濾過圧力は300〜350kPaである。濾過圧力が100kPa以下であると、濾過速度が遅くなり作業効率上好ましくない。濾過圧力が500kPa以上であると十分な滅菌効果が得られなくなる傾向があり好ましくない。
濾過フィルターは、ポアサイズ0.2μmの親水性ポリエーテルスルホン、親水性ポリビニリデンジフルオライドから選択される。かかるフィルターであれば、粘性のあるヒアルロン酸溶液でも目詰まりすることなく濾過が可能となる。特に好ましくは親水性ポリエーテルスルホンからなるフィルターを用いることにより、効率的に上記粘度のヒアルロン酸ナトリウム水溶液を入手することができる。
プレフィルド型シリンジ10は、バレル11の材質をCOP樹脂、エンドストッパ12A、ミドルストッパ15の材質をゴムとし、それぞれにシリコーンゲル層でコーティングを施したものである。図3の構造におけるバイパス通路の断面積Sは0.5mmとした。
上記実施形態のプレフィルド型シリンジ10の前室に第1薬液Aとしてリドカイン水溶液を、後室に第2薬液Bとしてヒアルロン酸ナトリウム水溶液を充填した。
第1薬液Aの成分と質量(mg)を図5に示す。第1薬液Aは0.5wt%のリドカイン溶液2.0ml(粘度0.9mPas)からなる。
第2薬液Bの成分と質量(mg)を図6に示す。第2薬液Bは、第1薬液Aとは異なる粘度と質量パーセント濃度CHA(wt%)のヒアルロン酸ナトリウム溶液2.5mlからなる。
なお、各薬液は、溶媒として注射用蒸留水を含んでおり、更に必要に応じて塩酸及び水酸化ナトリウムを加えてほぼ中性となるようにpH調整が行われている。
以上の組成からなる粘度の異なるプレフィルド型シリンジを5種(図7の試料番号(1)〜(5))、ヒアルロン酸の含有量が0wt%のプレフィルド型シリンジを1種(図7の試料番号(6))準備した。なお、試料番号(1)のヒアルロン酸ナトリウムの分子量は320万、試料番号(2)〜(5)のヒアルロン酸ナトリウムの分子量は100万とした。
図7は、粘度(mPas)及び質量パーセント濃度CHA(wt%)の異なるヒアルロン酸溶液を用いた試料番号(1)〜(6)のプレフィルド型シリンジにおける押圧力P,P,押圧力差P−P,差分比率(P−P)/Pの測定結果を示す表である。
測定にあたっては、圧縮試験装置として機能する精密万能試験機オートグラフ(型式AG−IS:株式会社島津製作所製)を用い、負荷容量1kN、ロードセル50N、ストローク速度100mm/minとし、注射針としては22G×1・1/2のものを用い、測定温度25℃とした。なお、薬液は注射針14の先端から空気中に流出させた。
図8〜13は、試料番号(1)〜(6)のサンプルにおけるストローク(mm)とf(N)の関係を示すグラフである。
また、図14は、4名の処置者A〜Dがプランジャーを押した結果を示す。なお、二重丸印は上述の衝撃を感じることで、薬液の切り替えが確実にわかる旨を示し、一重丸印は切り替えがわかる旨を示す、三角印は切り替えがわかりづらい旨を示し、バツ印は切り替えがわからない旨を示している。
4名の処置者が全て切り替えの判別ができるのは、差分比率(P−P)/Pが0.3以上であり、1名が分かり2名がかろうじて分かるのは差分比率(P−P)/Pが0.2のときである。粘度ηHAが10以上の場合、すなわち、試料番号(1)〜(4)の場合には、差分比率(P−P)/Pが0.2よりも大きく、0.3以上となる。なお、差分比率(P−P)/Pが0.25の場合にも、0.3と同一の結果が得られた。
図8〜図12のグラフを参照すると、試料番号(1)〜(4)の場合には、ストローク10mm近傍の薬液切り替わり前後の領域において、f(N)が大きく変化しているのに対し、試料番号(5)の場合には、あまり変化しておらず、図13を参照すると、粘性の殆どないものを用いた場合(試料番号(6))には、f(N)の変化は殆ど観察されなかった。
プレフィルド型シリンジの斜視図である。 図1に示したシリンジの使用時の縦断面図である。 図2に示したシリンジのIII−III断面図である。 エンドストッパ12Aを有するプランジャー12のストローク(任意定数)と、エンドストッパ12Aを押す力f(N)の関係を模式的に示すグラフである。 第1薬液Aの成分と質量(mg)を示す表である。 第2薬液Bの成分と質量(mg)を示す表である。 粘度(mPas)と質量パーセント濃度CHA(wt%)の異なるヒアルロン酸溶液を用いた試料番号(1)〜(6)のプレフィルド型シリンジにおける押圧力P,P,押圧力差P−P,差分比率(P−P)/Pの測定結果を示す表である。 試料番号(1)のサンプルにおけるストローク(mm)とf(N)の関係を示すグラフである。 試料番号(2)のサンプルにおけるストローク(mm)とf(N)の関係を示すグラフである。 試料番号(3)のサンプルにおけるストローク(mm)とf(N)の関係を示すグラフである。 試料番号(4)のサンプルにおけるストローク(mm)とf(N)の関係を示すグラフである。 試料番号(5)のサンプルにおけるストローク(mm)とf(N)の関係を示すグラフである。 試料番号(6)のサンプルにおけるストローク(mm)とf(N)の関係を示すグラフである。 4名の処置者A〜Dがプランジャー(押し子)を押した結果を示す表である。
符号の説明
10・・・プレフィルド型シリンジ、11・・・バレル、11A・・・針装着部、11B・・・注射口、11C・・・凸条、12A・・・エンドストッパ、12・・・プランジャー、13・・・トップキャップ、14・・・注射針、15・・・ミドルストッパ、15A・・・リップ部、15B・・・ガイド突起、18・・・ピストン本体部、20・・・シリコーンゲル層、A・・・第1薬液、B・・・第2薬液。

Claims (3)

  1. バレルと、
    前記バレルの一端を封止するエンドストッパと、
    前記バレルの前記一端と他端との間に介在し、前記バレル内を前室と後室に分離するミドルストッパと、
    前記前室内に封入されたリドカイン溶液と、
    前記後室内に封入されたヒアルロン酸溶液と、
    を備え、
    前記リドカイン溶液の25℃における粘度ηLD(mPas)、
    前記ヒアルロン酸溶液の25℃における粘度ηHA(mPas)、
    前記エンドストッパを前記他端方向に押すことで、前記ミドルストッパを前記バレル内で摺動させ、前記エンドストッパ及び前記ミドルストッパに前記バレルの内面からの動摩擦力が与えられながら、前記前室に封入されたリドカイン溶液を前記バレルの前記他端から押し出すのに要する力P(N)、及び、
    前記エンドストッパを前記他端方向に押すことで、前記エンドストッパに前記バレルの内面からの動摩擦力が与えられながら、前記後室に封入されたヒアルロン酸溶液を前記バレルの前記他端から押し出すのに要する力P(N)、
    は、以下の関係式:
    0.5≦ηLD≦5、
    10≦ηHA≦600、
    (P−P)/P>0.2、
    を満たすプレフィルド型シリンジ。
  2. 前記リドカイン溶液の質量パーセント濃度CLD(wt%)、及び、
    前記ヒアルロン酸溶液の質量パーセント濃度CHA(wt%)、
    は、以下の関係式:
    0.5≦CLD≦2、
    0.5≦CHA≦2、
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載のプレフィルド型シリンジ。
  3. 以下の関係式:
    −P>2、
    <40、
    を更に満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載のプレフィルド型シリンジ。
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