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JP2008247789A - クローン病に伴う腸管狭窄の進展抑制用医薬組成物 - Google Patents

クローン病に伴う腸管狭窄の進展抑制用医薬組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】クローン病に伴う腸管狭窄の進展抑制用の経口医薬組成物を提供する。
【解決手段】
本発明は、N−(3,4−ジメトキシシンナモイル)アントラニル酸(一般名:トラニラスト)またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、クローン病に伴う腸管狭窄の進展抑制用医薬組成物に関するものである。すなわち、本発明は、内科的療法用のクローン病に伴う腸管狭窄の進展抑制剤として有用な医薬組成物を提供することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、トラニラスト(化学名:N−(3,4−ジメトキシシンナモイル)アントラニル酸)またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、クローン病に伴う腸管狭窄の進展抑制用医薬組成物に関するものである。
クローン病は非特異性炎症性腸疾患の一つで、消化管のあらゆる部位に生じる浮腫と線維化潰瘍を伴う肉芽腫性の炎症性病変からなる原因不明の難治性長期慢性疾患であり、根治療法は未だ確立されていない。
クローン病の診断基準は1996年に厚生省特定疾患難治性炎症性腸管障害調査研究班によって大きく改訂され、臨床的観察所見が強調されるようになった。主要所見として、A)縦走潰瘍、B)敷石像、C)非乾酪性類上皮細胞肉芽種の3項目が、副所見として、a)縦列する不整形潰瘍またはアフタ、b)上部消化管と下部消化管の両者に認められる不整形潰瘍またはアフタの2項目が挙げられており、この5項目の所見に基づいて診断される。
クローン病と共に非特異性炎症性腸疾患に分類されている難治性疾患として、潰瘍性大腸炎があるが、種々の研究の集積により、両者の臨床像、病理像、内視鏡像、X線像も全く異なることが解明されており、免疫面からも異なる成績が得られている。そのため、その診断基準も異なり、治療についても互いに異なる治療指針が示されている。
クローン病の治療は基本的に内科的療法を主体とする対症療法であり、上記臨床所見の症状を抑え、症状が落ち着いている緩解状態を維持し、再発・再燃を防止し、早く社会復帰させることを第一の目標として行われている。
内科的療法には栄養療法と薬物療法がある。薬物療法用剤としては、サラゾスルファピリジン、メサラジン等の5−アミノサリチル酸製剤、プレドニゾロン等の副腎皮質ステロイド、アザチオプリン、6−メルカプトプリン等の免疫抑制剤、メトロニダゾール、シプロフロキサシン等の抗菌剤、インフリキシマブ等の抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤等が用いられている。
このような内科的療法によっても症状が改善せず、病勢が重篤で、高度な合併症が改善しない場合やむを得ず外科的な病変部位の切除手術が行われるが、術後の再発率が高く、再手術、再々手術を要することが多く、ついには短腸症候群をきたし、継続的な中心静脈栄養が必要となる可能性が極めて高い。そのため、外科的手術は最終的手段とされ、絶対的適用も、腸閉塞、穿孔、大量出血、中毒性巨大結腸症、癌合併に限定されている。
クローン病は、腸管狭窄、ろう孔、穿孔、癒着等を伴うことが多く、特に、腸管狭窄は、クローン病の治療において重要な問題である。既存の内科的療法用剤は、主に、クローン病の主症状である炎症症状を抑え、十分な栄養状態を保つことを目的とするもののみで、腸管狭窄に対する作用を目的としたものではない。
腸管狭窄に対しては、2006治療指針案に、外科手術の前に内視鏡的拡張術を試みることが加えられている。しかしながら、このような物理的な拡張術は、外科手術と同様に、再発(再狭窄)の可能性が高く、さらに、重症化が進行して腸閉塞になり、最終的には外科的手術に至らざるを得ないことが多い。そして、外科手術に至った場合は、上記のように、短腸症候群をきたすおそれが高い。従って、内科的療法用のクローン病に伴う腸管狭窄の進展を抑制する薬剤の開発が嘱望されている。
トラニラストは、ケミカルメディエーター遊離抑制作用あるいはコラーゲン過剰合成抑制作用等を有し、アレルギー性気管支喘息、鼻炎、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎等のアレルギー性疾患治療剤として、さらに、ケロイド・肥厚性瘢痕等のコラーゲン過剰合成疾患治療剤として広く使用されており、しかも、長期連用においても重篤な副作用の発現が少なく、極めて安全であることが確認されている。その外、トラニラストを有効成分とする疾患治療剤として、経皮的冠動脈形成術後の再狭窄、動脈硬化症等の血管内膜細胞過剰増殖に起因する疾患予防治療剤、粥状動脈硬化抑制剤、クラミジア疾患予防治療剤、血管新生抑制剤、角膜上皮下混濁抑制剤、後発白内障抑制剤、翼状片の進行および術後の再発抑制剤、網膜色素上皮細胞過剰増殖に起因する疾患予防治療剤および心不全予防治療剤等が報告されている(特許文献1〜9参照)。
このように、トラニラストは種々の疾患に対する予防治療効果を示すことが報告されている。しかしながら、上記文献においても腸管狭窄に対する作用効果は全く報告されておらず、これまで、クローン病に伴う腸管狭窄の進展抑制剤として有用であることは、記載も示唆もされていない。さらに、上記特許文献記載の作用効果の中に、血管の狭窄に関連する疾患に対する効果として、経皮的冠動脈形成術後の再狭窄、動脈硬化症等の血管内膜細胞過剰増殖に起因する疾患の予防治療作用および粥状動脈硬化の抑制作用が含まれているが、このような血管狭窄と本発明の腸管狭窄は病態も全く異なり、明確に区別されるものであり、従って、作用効果として全く異なるものであり、互いに類推できるものでもない。
他方、クローン病と共に非特異性炎症性腸疾患に分類されている潰瘍性大腸炎の治療において、トラニラストを副腎皮質ステロイド剤やサラゾサルファピリジンと併用することにより、ステロイド剤の減量、再燃防止、緩解維持に有効であったという報告がなされている(非特許文献1〜4参照)。しかしながら、上記のように、クローン病は潰瘍性大腸炎と共に非特異性炎症性腸疾患に分類されてはいるものの、臨床像、病理像、内視鏡像、X線像および免疫面から両者は明確に区別され、その治療についても異なる治療指針が提唱されている。さらに、クローン病では腸管狭窄の併発が重要な問題とされるが、潰瘍性大腸炎は腸管狭窄に至ることはまれであることからも明らかなように、潰瘍性大腸炎の治療に有効であるとしてもクローン病に伴う腸管狭窄の進展抑制に有効であると予測することはできない。
しかも、上記非特許文献1〜4には、トラニラストの潰瘍性大腸炎治療効果について、トラニラストの肥満細胞の脱顆粒を抑制する肥満細胞安定化作用に基づくものであり、肥満細胞から放出されるヒスタミンやセロトニン等のケミカルメディエーターによる潰瘍性大腸炎の再燃や増悪を抑制することによると示されているだけで、トラニラストがクローン病に伴う腸管狭窄の進展遅延または抑止作用を有することについては、全く記載も示唆もされていない。
また一方、クローン病の治療症例において、経腸栄養剤と低残査食の併用に加え、ステロイド剤に代えてトラニラストを投与した症例で、3年間、クローン病症状の再燃がなく、緩解が維持されたという1例の報告がなされている(非特許文献5参照)。しかしながら、この症例は、ステロイド剤の副作用の問題により、ステロイド剤の代替品として、抗炎症の目的でトラニラストが使用されたものである。さらに、同時に整腸剤のメペンゾレートブロマイド(mepenzolate bromide)が併用され、上記のように、経腸栄養剤と低残査食も併用されているなど、多くの一般的なクローン病治療剤を組合せて使用されており、トラニラストが本症例のクローン病再燃防止および緩解維持効果にどのように関与しているか全く不明であり、当然、トラニラスト単独の作用効果を示したものとは言い難い。
しかも、上記非特許文献5には、本トラニラストの効果について、作用機序は明らかでないが、クローン病の病因および増悪因子に何らかの食餌抗原の存在が想定されていることから、トラニラストの抗アレルギー作用が関係したものと推測できると示されているだけであり、上記非特許文献1〜4と同様に、トラニラストがクローン病に伴う腸管狭窄の進展遅延または抑止剤として有用であることについては、全く、記載も示唆もされていない。
特開平6−135829号公報 特開平9−227371号公報 特開平10−139686号公報 国際公開97/29744号パンフレット 国際公開98/13038号パンフレット 国際公開98/16214号パンフレット 国際公開98/35668号パンフレット 国際公開98/47504号パンフレット 特開2001−64202号公報 井上幹夫、蓑田智憲著、臨床消化器内科、1989年、第4巻、p.1527−1534 松本誉之、他著、診察と新薬、1985年、第22巻、p.657−666 米井嘉一、他著、診察と新薬、1985年、第22巻、p.1755−1761 牧山和也、他著、大腸肛門誌、1988年、第41巻、p.819−825 菊地武志、他著、日本消化器病学会雑誌、1997年、第94巻、第3号、p.195−199
本発明の目的は、従来の内科的療法用剤では達成が困難であった、クローン病に伴う腸管狭窄の進展抑制剤として有用な医薬組成物を提供することである。
本発明者は、従来の内科的療法用剤の栄養療法用剤および薬物療法用剤では達成が困難であった、クローン病に伴う腸管狭窄の進展に対して奏効する薬剤を見出すべく鋭意研究した結果、トラニラストが、クローン病に伴う腸管狭窄の進展を顕著に遅延または抑止することを見出し、トラニラストまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物が、当該クローン病に伴う腸管狭窄の進展抑制剤として極めて有用であるという知見を得、本発明を成すに至った。
すなわち、クローン病と診断され、腸管狭窄が認められるが症候があらわれていない患者に、1日当たり600mg(200mg×3回)のトラニラストを連続投与したところ、トラニラストを投与しなかった群に比べ、腸管狭窄による腸狭窄症状の出現率が顕著に抑えられることを見出した。本発明は、このような知見に基づくものである。
本発明は、クローン病に伴う腸管狭窄の進展遅延または抑止用医薬に関するものである。更に詳しく述べれば、本発明は、
〔1〕有効成分として、トラニラストまたはその薬理学的に許容される塩を含有する、クローン病に伴う腸管狭窄の進展抑制用医薬組成物;
〔2〕経口剤である、前記〔1〕記載の医薬組成物;
〔3〕1日投与用量として、トラニラスト150mg〜900mgに相当するトラニラストまたはその薬理学的に許容される塩を含有する、前記〔1〕又は〔2〕記載の医薬組成物;
〔4〕1日投与用量として、トラニラスト300mg〜600mgに相当するトラニラストまたはその薬理学的に許容される塩を含有する、前記〔3〕記載の医薬組成物;
〔5〕1回200mg、1日3回経口投与することからなる、前記〔4〕記載の医薬組成物;等に関するものである。
本発明は、内科的療法用クローン病に伴う腸管狭窄の進展抑制剤として有用な医薬組成物を提供することができる。
本発明の医薬組成物において、クローン病に伴う腸管狭窄の進展抑制とは、クローン病に伴う腸管狭窄の進行を遅延させること、腸管閉塞を予防すること、腸管狭窄もしくは腸管閉塞に伴う症状の発現を予防もしくは軽減すること等を含む。
本発明の医薬組成物の有効成分であるトラニラストまたはその薬理学的に許容される塩は、公知の方法、またはそれらに準じた方法により容易に製造することができる。
トラニラストの薬理学的に許容される塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等の無機塩基との塩、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン等の有機アミンあるいはアミノ酸等との塩を挙げることができる。
本発明の医薬組成物を実際の治療に用いる場合、用法に応じ種々の剤型のものが使用される。このような剤型としては、例えば、散剤、顆粒剤、細粒剤、ドライシロップ剤、錠剤、カプセル剤等の経口剤を挙げることができ、経口剤が好ましい。
本発明の医薬組成物は、その剤型に応じ調剤学上使用される手法により適当な賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、希釈剤、緩衝剤、等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤等の医薬品添加物と適宜混合または希釈・溶解し、常法に従い調剤することにより製造することができる。また、他の薬剤を組み合わせて使用する場合は、それぞれの活性成分を同時に或いは別個に上記同様に製剤化することにより製造することができる。
錠剤は、例えば、トラニラストまたはその塩に、必要に応じ、適当な賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤等を加え常法に従い打錠して錠剤とすることもできる。錠剤はまた必要に応じ、コーティングを施し、フィルムコート錠、糖衣錠、腸溶性皮錠等にすることができる。
カプセル剤は、例えば、トラニラストに、必要に応じ、適当な賦形剤、滑沢剤等を加えよく混和した後、適当なカプセルに充填してカプセル剤とすることもできる。更に、常法により顆粒あるいは細粒とした後充填してもよい。
また、本発明の医薬組成物は、クローン病治療に用いられている栄養療法用剤および/または薬物療法用剤、さらに、その他の抗炎症剤、鎮痛剤、抗潰瘍剤等と適宜組み合わせて使用することもできる。栄養療法用剤としては、成分栄養剤の「エレンタール」(登録商標)、消化態栄養剤の「エンテルード」(登録商標)、「ツインライン」(登録商標)等が挙げられる。薬物療法用剤としては、サラゾスルファピリジン、メサラジン等の5−アミノサリチル酸製剤、プレドニゾロン等の副腎皮質ステロイド、アザチオプリン、6−メルカプトプリン等の免疫抑制剤、メトロニダゾール、シプロフロキサシン等の抗菌剤、インフリキシマブ等の抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤等が挙げられる。
本発明の医薬組成物を、上記の他の薬剤の1種類またはそれ以上と組み合わせて使用する場合、本発明は、単一の製剤としての同時投与、別個の製剤としての同一または異なる投与経路による同時投与、および別個の製剤としての同一または異なる投与経路による間隔をずらした投与のいずれの投与形態も含む。
本発明の医薬組成物を実際の治療に用いる場合、その有効成分であるトラニラストまたはその薬理学的に許容される塩の投与量は、患者の体重、年齢、性別、疾患の程度等により適宜決定されるが、1日投与用量で、概ねトラニラスト150mg〜900mgに相当するトラニラストまたはその薬理学的に許容される塩を、好ましくは、トラニラスト300mg〜600mgに相当するトラニラストまたはその薬理学的に許容される塩を投与する。
投与方法は、例えば、1日1〜3回、経口投与する。また、上記の他の薬剤を組み合わせて使用する場合、本発明の当該化合物の投与量は、他の薬剤の投与量に応じて減量してもよい。投与期間は、クローン病と診断された時点から、また、既にクローン病の治療が開始されている場合は随時、特に、外科手術または内視鏡的拡張術を行った場合は施術前から投与を開始し、有害事象が発現しない限り、長期間、継続的に投与することが好ましい。また、腸管狭窄がある場合には、自覚症状がない状態又は緩解状態のときも、継続投与することが好ましい。
本発明の内容を以下の実施例および比較例により更に詳細に説明するが、本発明はその内容に限定されるものではない。
〔実施例1〕 トラニラストのクローン病に伴う腸管狭窄の進展抑制効果
無症候性の腸管狭窄が確認されたクローン病患者24例について、トラニラスト投与群とトラニラスト非投与群の腸管狭窄進展を比較し、トラニラストによる、クローン病に伴う腸管狭窄進展に対する効果を検討した。
試験方法
1)患者背景
対象とした24症例の患者背景を表1に示した。群間において患者背景に有意な差は認めらなかった。
Figure 2008247789
2)投与方法
24例の症例を無作為にトラニラスト投与群(12例)とトラニラスト非投与群(12例)の2群にわけた。トラニラスト投与群には、トラニラスト1回200mgを1日3回、毎食後投与し、トラニラスト非投与群にはトラニラストを投薬しなかった。
3)評価項目
バルーン拡張術または外科手術を要する重度の腸管狭窄症状が発現した症例の比率を累積非狭窄発現率とし、主要評価項目とした。また、観察開始時点の狭窄径(開始径)と観察終了時点の狭窄径(最終径)を測定し、開始径に対する最終径の比により、1ヶ月当たりの狭窄進展率を求め、副次評価項目とした。
結果
1)累積非狭窄発現率
重度の腸管狭窄によるバルーン拡張術を要した例数は、トラニラスト投与群で1例、トラニラスト非投与群で5例であり、累積非狭窄発現率は、トラニラスト投与群で有意に腸管狭窄による腸閉塞症状の発現率が低いことが確認された(p=0.0034)。
2)狭窄径
観察開始時点の狭窄径(開始径)の平均値は、トラニラスト投与群で6.40mm、トラニラスト非投与群で6.35mmであり、観察終了時点の狭窄径(最終径)の平均値は、トラニラスト投与群で5.60mm、トラニラスト非投与群で5.05mmであった。また、1ヶ月当たりの狭窄進展率(%)は、トラニラスト投与群で0.48%、トラニラスト非投与群で−0.86%であり、トラニラスト非投与群では狭窄径の短縮傾向が観察されたのに対して、トラニラスト投与群では狭窄径の短縮は少なかった。
3)その他
観察期間の中央値は、トラニラスト投与群で782日、トラニラスト非投与群で559日であった。また、トラニラスト投与群の12例中1例は、末梢白血球数減少による投薬中止により脱落した。なお、観察期間中、トラニラスト投与群の1例およびトラニラスト非投与群の2例についてインフリキシマブの点滴投与を、トラニラスト投与群の2例およびトラニラスト非投与群の1例についてプレゾニドロンの経口投与を、トラニラスト投与群の6例およびトラニラスト非投与群の7例について免疫抑制剤(アザチオプリンまたは6−メルカプトプリン)の投与を、それぞれ行った。これらの薬物投与における特別の影響は観察されなかった。
以上のように、本発明の医薬組成物は、クローン病に伴う腸管狭窄の進展抑制剤として、極めて有用であることが示された。
本発明の医薬組成物は、クローン病に伴う腸管狭窄の進展抑制用剤として有用である。
横軸は試験開始からの経過期間(日)を示し、縦軸は累積非狭窄発現率をそれぞれ示した。実線はトラニラスト投与群、点線はトラニラスト非投与群のデータをそれぞれ示す。

Claims (5)

  1. 有効成分として、トラニラストまたはその薬理学的に許容される塩を含有する、クローン病に伴う腸管狭窄の進展抑制用医薬組成物。
  2. 経口剤である、請求項1記載の医薬組成物。
  3. 1日投与量として、トラニラスト150mg〜900mgに相当するトラニラストまたはその薬理学的に許容される塩を含有する、請求項1又は2記載の医薬組成物。
  4. 1日投与量として、トラニラスト300mg〜600mgに相当するトラニラストまたはその薬理学的に許容される塩を含有する、請求項3記載の医薬組成物。
  5. 1回200mg、1日3回経口投与することからなる、請求項4記載の医薬組成物。
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