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JP2008247721A - 光学素子成形方法 - Google Patents

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JP2008247721A JP2007094943A JP2007094943A JP2008247721A JP 2008247721 A JP2008247721 A JP 2008247721A JP 2007094943 A JP2007094943 A JP 2007094943A JP 2007094943 A JP2007094943 A JP 2007094943A JP 2008247721 A JP2008247721 A JP 2008247721A
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Masanori Utsuki
正紀 宇津木
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Abstract

【課題】外観不良を抑制しつつ成形工程の省力化が可能な光学素子成形方法を提供する。
【解決手段】一対の成形型22、24により光学素子6を成形するための光学素子成形方法であって、溶融ガラス2を受け型10に設けられた受け面12に滴下または流入させ、所定の温度まで冷却してガラス素材4を作製する作製工程と、ガラス素材を転写面23を備えた第1の成形型に載置する載置工程と、ガラス素材を加熱軟化した状態で転写面25を備えた第2の成形型により加圧し、ガラス素材に第1および第2の成形型の転写面を転写する転写工程と、を含む光学素子成形方法が提供される。本方法において、光学素子の光軸Pを通る断面に対応する受け面の断面は、光学機能面の該当する部分の断面形状を縮小もしくは拡大した形状または縮小もしくは拡大した形状を2次以下の関数曲線および直線の少なくともいずれかにより近似した形状で構成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、光学素子成形方法に係り、より詳しくは一対の成形型により光学素子を成形するための光学素子成形方法に関する。
近年の光学機器の小型軽量化および多機能化に伴い、光学系に用いられる様々な光学レンズが開発されている。特に、DVD(Digital Versatile Disk)など、光学機器に用いられるピックアップレンズを始めとする光ディスク用レンズを使用する製品では、光学レンズの高NA化が要求されている。さらに、「次世代DVD」規格とされるブルーレイディスク(大容量相変化光ディスク)では、高密度なデータ記録を実現するために短波長の青紫色レーザとともに高NAレンズが用いられており、光学レンズに対する高NA化の要求は今後とも一層高まるものと予想されている。
光学素子、例えば光学レンズの成形方法としては、光学機能転写面を含む転写面を備えた一対の成形型と、成形型が内挿される胴型とにより、プリフォームと称される固形ガラス塊を素材とするガラス素材から光学素子を成形するプレス成形法(リヒートプレスとも称する。)が多用されている。プレス成形法では、予め製作されたガラス素材を第1の成形型に載置し、ガラス素材を加熱軟化した状態で第1および第2の成形型により加圧してガラス素材に転写面を転写し、冷却して所望の光学素子が成形される。
ここで、光学素子の光学機能面とは、光学素子の有効径(その光学素子を用いる光学系で有効な光線を通過または反射させる範囲の径)の範囲を含む外側までの範囲で、有効径の範囲とともに光学素子としての機能を実現するための所定の設計形状に従って成形される範囲を意味する。
一般的に、単一レンズで高NA化の要求を満たすためには、光学機能面の曲率半径を小さくし、レンズ構成面の傾斜を大きくすることが必要となるので、光学素子の成形厚が大きくなる。このため、ガラス素材の曲率半径が転写面の曲率半径より大きい場合などには、第1の成形型にガラス素材を載置した状態でガラス素材と機能転写面との間に密閉された空間が形成され、この状態で転写面を転写すると、光学素子の光学機能面にエア溜りが形成され易くなる。一方、ガラス素材の曲率半径が転写面の曲率半径より小さい場合などには、第1の成形型にガラス素材を安定的に載置できず、位置決め精度の確保が困難となり、この状態で転写面を転写すると、光学素子の光学機能面に過充填や転写不良が形成され易くなる。
この種の問題の解消策として、下記特許文献1は、複数に分割されたガラス素材から光学素子を成形するプレス成形法を開示している。本プレス成形法では、まず、第1の成形型に第1のガラス素材を載置し、第1のガラス素材を加熱軟化した状態で第1および第2の成形型により加圧することで、第1の成形型に備えられた転写面を転写し、第1のガラス素材を所定の温度まで冷却する。次に、第1のガラス素材の上に第2のガラス素材を載置し、第1および第2のガラス素材を加熱軟化した状態で再び加圧することで、第1および第2の成形型に備えられた転写面を転写し、第1および第2のガラス素材を所定の温度まで冷却する。
かかるプレス成形法によれば、ガラス素材を複数に分割することにより、始めの載置工程に際して、第1の成形型に備えられた転写面との間に密閉空間を形成しないように第1のガラス素材が載置されるので、エア溜りの問題が幾分解消される。また、ガラス素材が分割されるので、各々のガラス素材の形状を工夫することにより、位置決め精度の不足に伴う過充填や転写不良の問題も幾分解消される。
しかしながら、上記プレス成形法では、ガラス素材に対して載置−転写−冷却工程を2サイクルで施して光学素子を成形するので、成形工程が複雑となり、生産性の向上を阻害する要因となる場合がある。また、ガラス素材に対して転写工程を2サイクルで施すので、2回目の転写工程時にガラス素材中に含まれるガス成分などが溶出して転写面に付着し、光学素子の光学機能面に微細なエア溜りが形成されて表面クモリなど外観不良の原因となる場合がある。
さらに、単一レンズで高NA化の要求を満たすためには、光学素子の形状が複雑となり易く、転写工程時にはガラス素材の変形量が大きくなるので、変形量がガラス素材の許容変形量を上回る場合には、カン(クラックやひびの総称)やカケ(微小部分の欠落)などが生じ易くなる。
このため、光学素子の外観不良を抑制しつつ成形工程の省力化を図る上では、ガラス素材と光学素子との間の形状差を抑えることが重要となる。ここで、下記特許文献2には、溶融ガラスと濡れ性の異なる少なくとも2種類以上の材料により構成された受け皿で溶融ガラス塊を受け、受け皿上で所定の温度まで冷却しガラス素材を作製するガラス素材の製造方法が開示されている。
かかる製造方法によれば、溶融ガラス塊と受け皿との接触面は、濡れ性の良い材料と接する中心部では、受け皿の鏡面が溶融ガラス塊に転写され、濡れ性の悪い材料と接する外周部では、受け皿の平滑面が所望の面積だけ溶融ガラス塊に転写される。そして、濡れ性の良い材料を凹凸形状に加工すれば、光学素子の形状に適したガラス素材を作製することが可能であるとしている。
特開2004−10456号公報 特開平6−127955号公報
しかしながら、光学素子のプレス成形に適したガラス素材の形状については記述されておらず、また、プレス成形に適したガラス素材の形状を得るために準備する受け皿の形状をどのようにすれば、その加工が容易となるかについても記述されていない。すなわち、ガラス素材の形状や受け皿の形状をどのようにすれば、成形工程を通じて加工性に優れたガラス素材が得られ、結果的に面精度や品質の高い光学素子を得ることができるかという点については何ら記述されていない。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光学素子の外観不良を抑制しつつ成形工程の省力化が可能な、新規かつ改良された光学素子成形方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、一対の成形型により光学素子を成形するための光学素子成形方法であって、溶融ガラスを受け型に設けられた受け面に滴下または流入させ、所定の温度まで冷却してガラス素材を作製する作製工程と、ガラス素材を転写面を備えた第1の成形型に載置する載置工程と、ガラス素材を加熱軟化した状態で転写面を備えた第2の成形型により加圧し、ガラス素材に第1および第2の成形型の転写面を転写する転写工程と、を含む光学素子成形方法が提供される。
本光学素子成形方法において、光学素子の光軸を通る断面に対応する受け面の断面は、光軸を通る断面に含まれる光学素子の光学機能面に対応する部分の少なくとも一部において以下のように構成される。すなわち、受け面の当該断面は、光学機能面が凸面の場合には、光学機能面の該当する部分の断面形状を縮小した形状または縮小した形状を2次以下の関数曲線および直線の少なくともいずれかにより近似した形状で構成される。一方、受け面の当該断面は、光学機能面が凹面の場合には、光学機能面の該当する部分の断面形状を拡大した形状または拡大した形状を2次以下の関数曲線および直線の少なくともいずれかにより近似した形状で構成される。
かかる方法によれば、光学素子の光軸を通る断面に対応する受け面の断面は、光軸を通る断面に含まれる光学素子の光学機能面に対応する部分の少なくとも一部において、光学機能面の該当する部分の断面形状を縮小または拡大した形状で構成される。ここで、光学機能面に対応する部分の少なくとも一部とは、特に、光学素子の有効径の範囲内または少なくとも光軸近傍を含む有効径の範囲の一部に対応する部分として規定されるが、有効径外の範囲に対応する部分を含むようにしてもよい。あるいは、受け面の当該断面は、上記縮小または拡大した形状を2次以下の関数曲線および直線の少なくともいずれかにより近似した形状でも構成されうる。なお、光学機能面の該当する部分の断面形状を縮小するか拡大するかは、光学素子の形状に応じて選択され、例えば、光学素子の光学機能面が凸状の場合では縮小され、光学機能面が凹状の場合では拡大される。これにより、プレス成形時にエア溜りの問題を生じないなど、成形工程を通じて加工性に優れたガラス素材が得られ、結果的に面精度や品質の高い光学素子を得ることができる。また、受け面の形状を光学機能面の形状に近似させるので、光学機能面の形状が複雑な場合でも、受け面を比較的容易に加工することができる。
また、エア溜りを形成する要因となる密閉空間の形成やカンやカケなどを発生する要因となるガラス素材の過剰な変形が抑えられるので、光学素子の外観不良を抑制することができる。この場合、光学機能面の該当する部分の断面形状を縮小または拡大した形状さらに縮小または拡大した形状に近似した形状が適用される受け面の範囲は、一般的に広いほど好ましいが、所望とされる効果が得られるような範囲として決定されうる。すなわち、当該受け面の範囲は、光学素子の光学機能面に対応する部分の全てに限らず、光学機能面に対応する部分の一部でもよい。さらに、ガラス素材に対して載置−転写−冷却工程を1サイクルのみ施すことにより所定の形状を有する光学素子が得られ易くなるので、成形工程の省力化が図られるとともに、再転写に伴う表面クモリなど光学素子の外観不良を抑制することができる。
また、上記光学機能面の該当する部分の断面形状を、光学機能面が凸面の場合には、光軸と直交する方向に所定の縮小率で縮小し、光学機能面が凹面の場合には、光軸と直交する方向に所定の拡大率で拡大するようにしてもよい。
かかる方法によれば、受け面の断面は、光学機能面に対応する部分の少なくとも一部において、光学機能面の該当する部分の断面形状を、光学素子の光軸と直交する方向において所定の縮小率または拡大率で縮小または拡大した形状さらに縮小または拡大した形状に近似した形状で構成される。これにより、成形型に載置した状態でガラス素材と成形型の転写面との間、特にガラス素材の構成面および成形型の転写面における傾斜の大きい部分には適度な空間が確保され、エア溜りを形成する要因となる密閉空間の形成が抑制される。
また、上記光学機能面の該当する部分の断面形状を、光学機能面が凸面の場合には、光軸上の一点を基準として所定の縮小率で縮小し、光学機能面が凹面の場合には、光軸上の一点を基準として所定の拡大率で拡大するようにしてもよい。
かかる方法によれば、受け面の断面は、光学機能面に対応する部分の少なくとも一部において、光学機能面の該当する部分の断面形状を、光学素子の光軸上の一点を基準として所定の縮小率または拡大率で縮小または拡大した形状さらに縮小または拡大した形状に近似した形状で構成される。これにより、成形工程を通じて加工性に優れたガラス素材を得ることができる。
また、上記所定の縮小率および所定の拡大率が5%以下、特に1%以下であるようにしてもよい。
かかる方法によれば、受け面の断面は、光学機能面に対応する部分の少なくとも一部において、光学機能面の該当する部分の断面形状を、5%以下、特に1%以下の縮小率または拡大率で縮小または拡大した形状さらに縮小または拡大した形状に近似した形状で構成される。
また、上記受け面の断面は、2次以下の関数曲線および/または2次以下の関数曲線と直線との間が滑らかに接続され、かつ、光学機能面の該当する部分の断面形状と光学機能面の該当する部分の断面形状を縮小または拡大した形状との間の形状として構成されるようにしてもよい。
かかる方法によれば、比較的汎用性の高い加工装置を用いる場合には、複雑な光学機能面の形状に合致した形状の受け面を加工できなくても、成形工程を通じて加工性に優れたガラス素材を作製することができる。また、高性能の加工装置を用いる場合には、加工が容易であるので、加工処理の単純化や加工時間の短縮化を図ることができる。ここで、関数曲線同士または関数曲線と直線との間を滑らかに接続するとは、接続される曲線間または曲線と直線との間で接線の傾きが連続的に変化することを意味する。
また、上記光学素子の体積と同一体積を有する球と比較した場合に、光学素子の光学機能面の最小曲率半径が球の半径よりも小さく成形されるようにしてもよい。
かかる方法によれば、光学素子の体積と同一体積を有する球と比較した場合に、光学素子の光学機能面の最小曲率半径が球の半径よりも小さい、すなわち、光学機能面の曲率半径が小さい光学素子において、外観不良を抑制しつつ成形工程の省力化を図ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、光学素子の外観不良を抑制しつつ成形工程の省力化が可能な光学素子成形方法を提供することができる。
以下に、添付した図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る光学素子成形方法を模式的に示す説明図である。図1には、光学素子6の成形工程が、溶融ガラス2からガラス素材4を作製する製作工程a〜eと、ガラス素材4から光学素子6を成形する成形工程f〜lとに区分して示されている。
図1に示すように、製作工程では、例えば、ベルトコンベア40上に載置された受け型10を用いて、溶融ガラス2からガラス素材4が製作される。製作工程では、まず、受け型10をヒータ30により予め所定温度に加熱し(工程a)、溶融炉34で溶融したガラス2をヒータ32により所定の温度に保持した滴下口/流入口から受け型10に滴下または流入させる(工程b)。そして、受け型10上の溶融ガラス塊2を冷却ガス36によりガラス転移点より低い温度まで冷却し(工程c)、次いで室温まで冷却し(工程d)、製作されたガラス素材4を搬出入装置38により受け型10から取出す(工程e)。これにより、受け型10に形成された受け面12の形状が転写されたガラス素材4が得られる。
成形工程では、例えば、ベルトコンベア40上に載置された一対の成形型22、24を用いて、ガラス素材4から光学素子6が成形される。成形工程では、まず、胴型26に内挿された第1の成形型22の転写面23に搬出入装置38によりガラス素材4を載置し(工程f)、ガラス素材4上に配置されるようにして、胴型26に第2の成形型24を内挿する(工程g)。次に、ガラス素材4を成形型22、24を介してヒータ30によりガラス屈服点より高い温度まで加熱し(工程h)、ヒータ30により所定の温度を保持した状態で第2の成形型24により所定のプレス力でプレスする(工程i)。そして、ガラス素材4を所定のプレス力を保持した状態でガラス転移点より低い温度まで徐冷し(工程j)、さらに冷却ガス36により室温まで急冷し(工程k)、成形された光学素子6を搬出入装置38により第1の成形型22から取出す(工程l)。これにより、成形型22、24に形成された光学機能面を含む転写面23、25の形状が転写された光学素子6が得られる。
ところで、単一レンズで高NA化の要求を満たすためには、曲率半径の小さな非球面で構成される光学機能面とともに、コバやフランジなど光学機能面とは形状が大きく異なる部分を同時に成形することになるので、一般的にガラス素材4の面と第1の成形型22の転写面23との間では形状差の発生が避けられない。これにより、前述したように、エア溜りを形成する要因となる密閉空間が形成されたり、カンやカケなどを発生する要因となるガラス素材4の過剰な変形が生じたりする。また、相対的に大きな形状差を解消するためには、ガラス素材4に対して載置−転写−冷却工程を複数サイクルで施す必要性が生じる。
このため、本発明に係る光学素子成形方法は、光学素子6の外観不良を抑制しつつ成形工程の省力化を行おうとするものである。以下では、本発明に特有の作製工程で用いられる受け型10、10’について説明する。
図2および図3は、本発明の一実施形態に係る光学素子成形方法で用いられる受け型10、10’を部分的に示す説明図である。なお、図2および図3には、光学素子6,6’の光軸Pを通る断面に対応する断面として、受け面12、12’が示されている。以下では、受け面12、12’の形状について、当該断面を参照しながら説明する。
図2(a)および図3(a)には、受け型10、10’に形成された異なる形状の受け面として受け面12および受け面12’が光学素子6、6’の形状(2点鎖線で示される。)と対比して各々に示されている。
光学素子6、6’は、光学機能面と光学機能面の外縁に設けられたコバやフランジ面とを含んで構成される。光学機能面は、光学素子6、6’の所定の光学特性を満たすように、ガラス素材4にプレス成形を施すことにより、非球面式で表される形状として成形される。
受け型10、10’は、例えば3次元精密加工装置などを用いて、光学素子6、6’の光学機能面に対応する部分の少なくとも一部に相当する受け面12、12’を、2次以下の関数曲線および直線の少なくともいずれかにより、光学機能面の断面形状を所定の縮小率で縮小した形状に近似させるように形成されている。ここで、所定の縮小率としては、経験的に10%以下、特に5%以下が望ましく、さらに光軸Pの近傍では1%以下が望ましい。
受け面12は、図2に示すように、光学素子6の光軸Pに対して対称となるように区分された区間A〜区間Dで構成されており、図2(b)に示すように、区間AおよびBが曲率半径RaおよびRbの円弧、区間Cが光軸Pに対する角度Dcの直線、区間Dが光軸Pに略直交する直線で構成される。ここで、光学素子6の光学機能面に対応するガラス素材4の面は、受け面12の区間AおよびBの円弧により形成される。
そして、区間A〜区間Cの各区間境界では、隣接区間同士が滑らかに接続されるように形成され、区間Cと区間Dとの区間境界では、尖点を避けるために曲率半径Rで面取り部が形成されている。受け面12では、区間Aの円弧の中心Caが光軸P上に設定されている一方で、区間Bの円弧の中心Cbが光軸Pから所定の距離で離隔した位置に設定されている。また、区間Cの直線が、区間Bとの区間境界で区間Bの円弧の接線として形成されている。これにより、区間Aと区間Bとの区間境界では、隣接区間同士が滑らかに接続されるように形成されている。
ここで、区間A〜区間Cの円弧および直線は、光学素子6の光学機能面の断面形状を所定の縮小率で縮小した形状に近似するように形成され、区間Dの直線は、光学素子6に設けられるフランジ面の断面形状を所定の縮小率で縮小した形状に近似するように形成されている。
また、受け面12’は、図3に示すように、光学素子6’の光軸Pに対して対称となるように区分された区間A〜区間Cで構成されており、図3(b)に示すように、区間AおよびBが曲率半径RaおよびRbの円弧、区間Cが光軸に対する角度Dcの直線で構成される。ここで、光学素子6’の光学機能面に対応するガラス素材4の面は、受け面12’の区間AおよびBの円弧により形成される。
そして、区間A〜区間Cの各区間境界では、隣接区間同士が滑らかに接続されるように形成されている。ここで、区間A〜区間Cの円弧および直線は、光学素子6’の光学機能面の断面形状を光軸Pに直交する方向において所定の縮小率で縮小した形状に近似するように形成されている。
ここで、受け面12、12’の断面形状は、2次以下の関数曲線間および/または2次以下の関数曲線と直線との間が滑らかに接続され、かつ、光学機能面の該当する部分の断面形状と光学機能面の該当する部分の断面形状を縮小または拡大した形状との間の形状として構成されている。なお、隣接区間同士を滑らかに接続するように、隣接区間同士の接線の傾きの変化は、30°以内に制限されることが望ましい。これにより、比較的汎用性の高い加工装置を用いる場合には、複雑な光学機能面の形状に合致した形状の受け面12、12’を加工できなくても、成形工程を通じて加工性に優れたガラス素材4を作製することができる。
なお、図2および図3には受け面12、12’が円弧からなる曲線を含んで構成される場合を示すが、受け面は、円弧に限らず、楕円、放物線、双曲線など、加工が容易ないかなる曲線を含んで構成されるようにしてもよい。また、受け面は、隣接区間同士が滑らかに接続される限りにおいて、曲線の代わりに、曲線に近似するように形成された複数の直線のみで構成されるようにしてもよい。
ここで、光学素子6の光学機能面に対応する部分の少なくとも一部に相当する受け面12の断面は、光学機能面の断面形状を、光学素子6の光軸P上の一点を基準として所定の縮小率で縮小した形状に近似するように成形されている。これにより、成形工程を通じて加工性に優れたガラス素材4を得ることができる。なお、図2(a)では、受け面12と光学素子6との間の形状差を明確に表すために、光学機能面の断面形状を誇張気味に縮小して表している。
一方、光学素子6’の光学機能面に対応する部分の少なくとも一部に相当する受け面12’の断面は、光学機能面の断面形状を光学素子6’の光軸Pに直交する方向において所定の縮小率で縮小した形状に近似するように成形されている。これにより、成形型22に載置した状態でガラス素材4と成形型22の転写面23との間には適度な空間が確保され、エア溜りを形成する要因となる密閉空間の形成が抑制される。なお、図3(a)では、受け面12’と光学素子6’との間の形状差を明確に表すために、光学機能面の断面形状を誇張気味に縮小して表している。
以上説明したように、本実施形態に係る光学素子成形方法によれば、光学素子6、6’の光軸Pを通る断面に対応する受け面12、12’の断面は、光軸Pを通る断面に含まれる光学素子6、6’の光学機能面に対応する部分の少なくとも一部において、光学機能面の該当する部分の断面形状を縮小した形状で構成される。あるいは、当該受け面12、12’の断面は、当該縮小した形状を2次以下の関数曲線および直線の少なくともいずれかにより近似した形状で構成される。これにより、プレス成形時にエア溜りの問題を生じないなど、成形工程を通じて加工性に優れたガラス素材4が得られ、結果的に面精度や品質の高い光学素子6、6’を得ることができる。また、受け面12、12’の形状を光学機能面の形状に近似させるので、光学機能面の形状が複雑な場合でも、受け面12、12’を比較的容易に加工することができる。
また、エア溜りを形成する要因となる密閉空間の形成やカンやカケなどを発生する要因となるガラス素材4の過剰な変形が抑えられるので、光学素子6、6’の外観不良を抑制することができる。この場合、光学機能面の該当する部分の断面形状を縮小した形状さらに当該縮小した形状に近似した形状が適用される受け面12、12’の範囲は、一般的に広いほど好ましいが、所望の効果が得られるような範囲として決定されうる。また、ガラス素材4に対して載置−転写−冷却工程を1サイクルのみ施すことにより所定の形状を有する光学素子6、6’が得られ易くなるので、成形工程の省力化が図られるとともに、再転写に伴う表面クモリなど光学素子6、6’の外観不良を抑制することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記説明では、光学素子6、6’の光学機能面に対応する部分の少なくとも一部において、光学機能面の該当する部分の断面形状を縮小した形状に近似するように、受け面12、12’の断面が構成される場合について説明した。しかしながら、本発明の適用は、受け面12、12’の断面が光学機能面の該当する部分の断面形状を縮小した形状自体として構成される場合にも同様に及ぶものである。これにより、プレス成形時にエア溜りの問題を生じないなど、成形工程を通じて加工性に優れたガラス素材が得られ、結果的に面精度や品質の高い光学素子を得ることができる。
また、図2および図3では、光学素子6、6’の光学機能面に対応する部分において、光学機能面の断面形状を所定の縮小率で縮小した形状に近似するように、受け面12、12’の断面が形成される場合について説明した。しかしながら、本発明の適用は、光学機能面に対応する部分の一部(例えば、光学素子6,6’の有効径の範囲内、特に光軸P近傍)においてのみ、光学機能面の断面形状を所定の縮小率で縮小した形状に近似するように、受け面12、12’の断面が形成される場合についても同様に及ぶものである。
また、上記説明では、本発明に係る光学素子成形方法が、凸状の光学機能面を有する光学素子6、6’の成形に適用される場合について説明したが、本発明の適用は、凹状の光学機能面を有する光学素子の成形にも同様に及ぶものである。この場合、受け面の断面は、光学機能面に対応する部分の少なくとも一部において、光学機能面の該当する部分の断面形状を縮小した形状で構成される代わりに、拡大した形状で構成される。これにより、特に、ガラス素材の凹面と成形型の凸状の転写面との間では、エア溜りを形成する要因となる密閉空間の形成が抑えられる。
また、上記説明では、本発明に係る光学素子成形方法が、光学素子6、6’の体積と同一体積を有する球と比較した場合に、光学素子6、6’の光学機能面の最小曲率半径が球の半径よりも小さい、すなわち、光学機能面の曲率半径が小さい光学素子6、6’の成形に適用される場合について説明した。しかしながら、本発明の適用は、かかる場合に限定されるものではなく、光学機能面の曲率半径が比較的大きい光学素子の成形にも同様に及ぶものである。
また、上記説明では、製作工程および成形工程において、ベルトコンベア40上を移動する受け型10および成形型22、24を用いて各種の処理を順次施す場合について示したが、移動する受け型10および成形型22、24を用いる代わりに、固定された受け型および成形型を用いて各種の処理を順次施す場合についても同様である。
本発明の一実施形態に係る光学素子成形方法を模式的に示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る光学素子成形方法で用いられる受け型を部分的に示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る光学素子成形方法で用いられる受け型を部分的に示す説明図である。
符号の説明
2 溶融ガラス
4 ガラス素材
6、6’ 光学素子
10、10’ 受け型
12、12’ 受け面
22 第1の成形型
23、25 転写面
24 第2の成形型
26 胴型
30、32 ヒータ
34 溶融炉
36 冷却ガス
38 搬出入装置
40 ベルトコンベア

Claims (7)

  1. 一対の成形型により光学素子を成形するための光学素子成形方法であって、
    溶融ガラスを受け型に設けられた受け面に滴下または流入させ、所定の温度まで冷却してガラス素材を作製する作製工程と、
    前記ガラス素材を転写面を備えた第1の成形型に載置する載置工程と、
    前記ガラス素材を加熱軟化した状態で転写面を備えた第2の成形型により加圧し、前記ガラス素材に前記第1および第2の成形型の転写面を転写する転写工程と、
    を含む前記光学素子成形方法において、
    前記光学素子の光軸を通る断面に対応する前記受け面の断面は、前記光軸を通る断面に含まれる前記光学素子の光学機能面に対応する部分の少なくとも一部において、
    前記光学機能面が凸面の場合には、前記光学機能面の該当する部分の断面形状を縮小した形状または前記縮小した形状を2次以下の関数曲線および直線の少なくともいずれかにより近似した形状で構成され、
    前記光学機能面が凹面の場合には、前記光学機能面の該当する部分の断面形状を拡大した形状または前記拡大した形状を2次以下の関数曲線および直線の少なくともいずれかにより近似した形状で構成されることを特徴とする、光学素子成形方法。
  2. 前記光学機能面の該当する部分の断面形状を、前記光学機能面が凸面の場合には、前記光軸と直交する方向に所定の縮小率で縮小し、前記光学機能面が凹面の場合には、前記光軸と直交する方向に所定の拡大率で拡大することを特徴とする、請求項1に記載の光学素子成形方法。
  3. 前記光学機能面の該当する部分の断面形状を、前記光学機能面が凸面の場合には、前記光軸上の一点を基準として所定の縮小率で縮小し、前記光学機能面が凹面の場合には、前記光軸上の一点を基準として所定の拡大率で拡大することを特徴とする、請求項1に記載の光学素子成形方法。
  4. 前記所定の縮小率および前記所定の拡大率が5%以下であることを特徴とする、請求項2または3に記載の光学素子成形方法。
  5. 前記所定の縮小率および前記所定の拡大率が1%以下であることを特徴とする、請求項4に記載の光学素子成形方法。
  6. 前記受け面の断面は、前記2次以下の関数曲線および/または前記2次以下の関数曲線と前記直線との間が滑らかに接続され、かつ、前記光学機能面の該当する部分の断面形状と前記光学機能面の該当する部分の断面形状を縮小または拡大した形状との間の形状として構成されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の光学素子成形方法。
  7. 前記光学素子の体積と同一体積を有する球と比較した場合に、前記光学素子の前記光学機能面の最小曲率半径が前記球の半径よりも小さく成形されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の光学素子成形方法。
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