JP2008235193A - 有機電界発光素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可撓性基板上に下部電極、少なくとも1層の発光層を含む有機化合物層、および背面電極を有する有機電界発光素子であって、前記可撓性基板が光不透過性かつ低光反射性であり、前記背面電極側より光が取り出されることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
しかしながら、実用的にこれらの分野で従来ディスプレイに代わって用いられるためには、発光輝度と色調、広い使用環境条件下での耐久性、安価で大量生産性など多くの技術改良が課題となっている。
特にプラスチックフィルなどの可撓性基板は、ガラス基板に比較して水分や酸素に対するバリア性が劣るため、その対策が重要な課題であった。
特許文献2には、金属箔の片面もしくは両面に絶縁層を設けた可撓性基板が開示されている。
<1> 可撓性基板上に下部電極、少なくとも1層の発光層を含む有機化合物層、および背面電極を有する有機電界発光素子であって、前記可撓性基板が光不透過性かつ低光反射性であり、前記背面電極側より光が取り出されることを特徴とする有機電界発光素子。
<2> 前記可撓性基板が光不透過層と該光不透過層と前記下部電極の間に光反射防止層とを有することを特徴とする<1>に記載の有機電界発光素子。
<3> 前記光不透過層が金属箔もしくは金属層であることを特徴とする<2>に記載の有機電界発光素子。
<4> 前記光反射防止層が、光吸収物質もしくは光散乱性物質を含有する層であることを特徴とする<2>または<3>に記載の有機電界発光素子。
<5> 前記光吸収物質もしくは光散乱性物質が、金属または金属酸化物であることを特徴とする<4>に記載の有機電界発光素子。
<6> 前記光反射防止層が、絶縁層であることを特徴とする<2>〜<5>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
<7> 前記可撓性基板と前記下部電極の間に前記光反射防止層と平坦化層とを有することを特徴とする<1>〜<6>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
<8> 前記光反射防止層が、平坦化層であることを特徴とする<2>〜<6>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
以下に、1)可撓性基板、2)電極、発光層を含む有機化合物層、および3)封止層について説明する。
本発明における可撓性基板は、光不透過性かつ低光反射性であり、好ましくは、光不透過層と該光不透過層と光反射防止層とを有する。さらに好ましくは、前記光不透過層はバリア層であって、有機EL素子を水分や酸素などから保護することが出来る層である。
本発明における光不透過層は、金属もしくは金属酸化物を含む層であり、より好ましくは金属箔もしくは金属層である。
本発明における光反射防止層は、好ましくは光吸収物質もしくは光散乱物質を含む層である。本発明における光反射防止層は、絶縁層や平坦化層を兼ねることもできる。
可撓性特性を有する基材の具体的例として、例えば、アルミ箔、亜鉛箔、および鉛箔などの金属箔、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカ−ボネ−ト、ポリエ−テルスルホン、ポリアリレ−ト、アリルジグリコ−ルカ−ボネ−ト、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、およびポリ(クロロトリフルオロエチレン)等のプラスチック材料等が挙げられる。プラスチック材料は、無色透明であっても、着色していても、黒色あるいは不透明であっても良い。
本発明に用いられる基材は、好ましくは、金属箔もしくはプラスチック材料である。
金属箔を基材として用いた場合は、基材自体が十分な光不透過性を有し、また、十分な水分や酸素に対するバリア性を有するので、光不透過層もしくはバリア層を特に設ける必要はないが、その表面は高い反射率を有し鏡面となるため光反射防止層を設ける必要がある。
プラスチック材料を基材として用いた場合は、基材自体の光不透明性が不十分であり、また、水分や酸素に対するバリア性もが十分ではないので、バリア性を有しかつ不透明化する層を設けるのが好ましい。バリア性を有しかつ不透明化する層としては金属もしくは金属酸化物を含む層が好ましい。また、金属もしくは金属酸化物を含む層は、その表面が高い反射率を有し鏡面となるため光反射防止層を設けるのが好ましい。
基材が金属箔の場合は、上記のように、基材自体が十分な光不透過性とバリア性を有するため、特に設ける必要はない。
プラスチック材料を基材として用いた場合は、上記のように、バリア性を有しかつ不透明性である光不透化層を設けるのが好ましい。バリア性を有しかつ不透明化する層としては金属もしくは金属酸化物を含む層が好ましい。金属もしくは金属酸化物としては、アルミニウム、亜鉛、鉛などの金属、ZrO2やTa2O3などの金属酸化物を用いることが出来る。特に好ましくは、蒸着による設置の容易さからアルミニウムである。
本発明における光反射防止層は、光吸収性物質もしくは光散乱性物質を含有する層である。本発明における光吸収性物質もしくは光散乱性物質としては、金属もしくは金属酸化物を含む層が好ましい。金属もしくは金属酸化物としては、クロム、酸化クロム、Ni系合金などを用いることが出来る。特に好ましくはクロムである。
光反射防止層は、鏡面を形成しないよう設置することが肝要である。例えば、蒸着方法法によって設置する場合は、蒸着条件を調整して、蒸着物が連続層を形成し、バルクの金属特性を発揮しないように不連続層もしくは不連続の結晶性を有する層となるように設けられる。また、これらの光反射防止層は、湿式方法で塗布により設けることも出来る。膜形成後に表面をエッチング等で粗らすことも可能である。
本発明における基板には、必要に応じて下部電極と面する側に絶縁層を設けることができる。絶縁層の材料としては、窒化珪素、酸化珪素などの無機物が好適に用いられる。該絶縁層は、例えば、高周波スパッタリング法などにより形成することができる。
本発明における絶縁層の厚みは、0.01μm以上10μm以下が好ましく。より好ましくは、0.1μm以上1μm以下である。厚過ぎるとフレキシブル性が無くなる点で好ましくなく、薄過ぎると十分な絶縁性が得られなくなるので好ましくない。
本発明における有機電界発光素子は、発光層の他に、正孔輸送層、電子輸送層、ブロック層、電子注入層、および正孔注入層などの従来知られている有機化合物層を有しても良い。
1)層構成
<電極>
本発明の有機電界発光素子の一対の電極は、一方は基板に面した下部電極であり、もう一方は背面電極となる。本発明においては、背面電極側から光が取り出されるが、そのためには背面電極が光透過性であることが好ましい。
<有機化合物層の構成>
前記有機化合物層の層構成としては、特に制限はなく、有機電界発光素子の用途、目的に応じて適宜選択することができるが、前記下部電極上に又は前記背面電極上に形成されるのが好ましい。この場合、有機化合物層は、前記下部電極又は前記背面電極上の前面又は一面に形成される。
有機化合物層の形状、大きさ、および厚み等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
・陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極、
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極、
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極、
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極。
2)正孔輸送層
本発明に用いられる正孔輸送層は正孔輸送材を含む。前記正孔輸送材としては正孔を輸送する機能、もしくは陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれかを有しているもので有れば特に制限されることはなく用いることが出来る。本発明に用いられる正孔輸送材としては、低分子正孔輸送材、および高分子正孔輸送材のいずれも用いることができる。
本発明に用いられる正孔輸送材の具体例として、例えば以下の材料を挙げることができる。
これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明おいては、正孔輸送層と陽極の間に正孔注入層を設けることができる。
正孔注入層とは、陽極から正孔輸送層に正孔を注入しやすくする層であり、具体的には前記正孔輸送材の中でイオン化ポテンシャルの小さな材料が好適用いられる。例えばフタロシアニン化合物、ポルフィリン化合物、及びスターバースト型トリアリールアミン化合物等を挙げることができ、好適に用いることができる。
正孔注入層の膜厚は、1nm〜30nmが好ましい。
本発明に用いられる発光層は、少なくとも一種の発光材料を含み、必要に応じて正孔輸送材、電子輸送材、ホスト材を含んでもよい。
本発明に用いられる発光材料としては特に限定されることはなく、蛍光発光材料または燐光発光材料のいずれも用いることができる。発光効率の点から燐光発光材料が好ましい。
上記オルトメタル化錯体の中でも、三重項励起子から発光する化合物が本発明においては発光効率向上の観点から好適に使用することができる。
燐光発光材料は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、蛍光発光材料と燐光発光材料を同時に用いてもよい。
ホスト材の発光層における含有量としては0質量%〜99.9質量%が好ましく、さらに好ましくは0質量%〜99.0質量%である。
本発明においては、発光層と電子輸送層との間にブロック層を設けることができる。ブロック層とは発光層で生成した励起子の拡散抑制する層であり、また正孔が陰極側に突き抜けることを抑制する層である。
本発明においては電子輸送材を含む電子輸送層を設けることができる。
電子輸送材としては電子を輸送する機能、もしくは陽極から注入された正孔を障壁する機能のいずれかを有しているもので有れば制限されることはなく、前記ブロック層の説明時に挙げた電子輸送材を好適に用いることができる。
前記電子輸送層の厚みとしては、10nm〜200nmが好ましく、20nm〜80nmがより好ましい。
本発明おいては、電子輸送層と陰極の間に電子注入層を設けることができる。
電子注入層とは、陰極から電子輸送層に電子を注入しやすくする層であり、具体的にはフッ化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム等のリチウム塩、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、フッ化セシウム等のアルカリ金属塩、酸化リチウム、酸化アルミニウム、酸化インジウム、又は酸化マグネシウム等の絶縁性金属酸化物等を好適に用いることができる。
電子注入層の膜厚は0.1nm〜5nmが好ましい。
前記有機化合物層は、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、ディッピング、スピンコ−ト法、ディップコ−ト法、キャスト法、ダイコ−ト法、ロ−ルコ−ト法、バ−コ−ト法、又はグラビアコ−ト法等の湿式製膜法いずれによっても好適に製膜することができる。
中でも発光効率、耐久性の点から乾式法が好ましい。
本発明に用いられる陽極としては、通常、前記有機化合物層に正孔を供給する陽極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極の中から適宜選択することができる。
陽極の抵抗値としては、103Ω/□以下が好ましく、102Ω/□以下がより好ましい。
陽極は、無色透明であっても、有色透明であってもよい。
本発明に用いることの出来る陰極としては、通常、前記有機化合物層に電子を注入する陰極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極の中から適宜選択することができる。
例えば、前記陰極の材料として、金属等を選択する場合には、その1種又は2種以上を同時又は順次にスパッタ法等に従って行うことができる。
陰極が上部電極である場合、該陰極側から発光を取り出すためには、該陰極は透明性が高いことが好ましく、その光透過率は、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。この透過率は、分光光度計を用いた公知の方法に従って測定することができる。
透明な陰極は、前記陰極の材料を1nm〜10nmの厚みに薄く製膜し、更に前記ITOやIZO等の透明な導電性材料を積層することにより形成することができる。
また、陰極と有機化合物層との間に電子注入促進層として、アルカリ金属(たとえば、Li、Na、K、またはCs等)又はアルカリ土類金属(たとえばMg、Ca等)のフッ化物等を0.1nm〜5nmの厚みで挿入するのが好ましい。
なお、該電子注入促進層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法等により形成することができる。
本発明の有機電界発光素子は、封止層を有するのが好ましい。本発明に用いられる封止層は、無機封止層および有機封止層の複合層が好ましく、背面電極の上に設けられ、発光素子が水分や酸素等のガスの侵入によって劣化するのを防止する層である。無機封止層および有機封止層の複合層が特に好ましい。
本発明に用いられる無機封止層は、背面電極の上に設けられる絶縁層であって、かつ発光素子が水分や酸素等のガスの侵入によって劣化するのを防止する層である。
本発明に用いられる無機封止層の素材としては、窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化珪素、および炭化珪素が好ましく用いられる。
本発明に用いられる無機封止層は、CVD法、イオンプレーティング法、スパッタリング法もしくは蒸着法により形成することが出来る。
また、10μmより厚いと製膜に時間がかかり、工程上好ましくない。また膜応力が大きくなる場合があり、膜剥がれ等が生じ好ましくない。さらに厚い膜を得るには製膜を複数回繰り返すことにより可能である。
本発明における有機電界発光素子は無機封止層と有機封止層の二層の封止層で発光層を含む有機化合物層が水分や酸素などのガス成分による影響から封止されていることを特徴とする。
本発明における有機封止層は、無機封止層の上に積層され、無機封止層のピンホールなどの欠陥を補い、封止をより完全なものにする機能を有する。さらに、フレキシブルな有機電界発光素子として折り曲げられたときの応力を緩和して素子への亀裂発生を防止する機能を有する。
本発明における有機封止層は、フッ素樹脂を含有する。本発明におけるフッ素樹脂としては、フルオロエチレンポリマーおよびそれと他のコモノマ−とを含む共重合体、あるいは共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体が好ましく、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン及びジクロロジフルオロエチレン、およびこれらを有する子ポリマーが好ましい。特に好ましくは、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)であり、市販のフレキシブルシートをそのまま用いることができる。例えば、日東電工(株)製のニトフロンシートを挙げることができる。
有機封止層の厚みは特に限定されることはないが、10μm以上1mm以下が好ましい。これよりも薄いと、水分侵入を防止する機能が薄れることになり好ましくない。また、これよりも厚いと、電界発光素子自体の厚みが厚くなり、有機電界発光素子の特徴である薄膜性を損なうことになる。
本発明における有機封止層は、前記無機封止層の上に熱融解性接着剤(ホットメルト型接着剤)によって熱圧着されて配されるのが好ましい。
本発明に係る有機封止層は、PCTFEフィルムとフィルム状ホットメルト接着剤を重ね合わせ、加熱加圧により両者を接合一体化する方法、あるいはPCTFEフィルムの片面上にホットメルト接着剤成分を溶融押出する方法等により得ることができる。なお、PCTFE層とホットメルト接着剤層との接合強度向上のために、PCTFE層表面にスパッタエッチング処理(例えば、特公昭53−22108号公報、特公昭56−1337号公報等に開示されている)、プライマー塗布処理のような接着処理を施すこともできる。
封止剤に添加されるフィラーとしては、SiO(酸化ケイ素)、SiON(酸窒化ケイ素)またはSiN(窒化ケイ素)等の無機材料もしくはAg、Ni(ニッケル)またはAl(アルミニウム)等の金属材料が好ましい。フィラーの添加により、封止剤の粘度が上昇し、加工適正が向上し、および耐湿性が向上する。
次に、有機EL素子の実施の形態を具体的に説明する。
図1は、本発明による有機EL素子の一例の概略断面図である。有機EL素子10は、可撓性基板20の上に下部電極、発光層および背面電極を含む有機化合物層30を有する。
該有機化合物層30は、具体的には、下部電極(陽極)、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、ブロック層、電子輸送層、電子注入層、および背面電極(陰極)などの積層構造を有する。背面電極の上には、無機封止層41および有機封止層42を有する。可撓性基板20は、光不透過性かつ低光反射性であり、背面電極は光透過性である。電極間に電流を通じると発光層で発光し、その光は背面電極を透過して素子の外部に取り出される。可撓性基板20の下部電極に面する側は低光反射性であり、発光部以外は黒い背景を形成し、発光部と非発光部との境界が鮮明に識別される。
図2は金属箔等の光不透過性基材21の一面に光反射防止層22を有する可撓性基板である。該光反射防止層22が絶縁性である場合、この上に下部電極が配置される。図3は金属箔等の光不透過性基材21の一面に光反射防止層22および絶縁層23を有する可撓性基板である。該光反射防止層22が絶縁性が不十分であっても絶縁層23により可撓性基板との電気絶縁性が保たれるので、この上に下部電極が配置される。
図4〜図6は、プラスチック基材を用いた可撓性基板例である。図4では、プラスチック基材25の一面に光反射防止層22および光不透過層24を有し、他方の面に下部電極が設置される。図5は、プラスチック基材25の一面に光反射防止層22、他方の面に光不透過層24を有する構成で、光反射防止層22を有する面に下部電極が設置される。図6は、プラスチック基材25の一面に光反射防止層22および絶縁層23を有し、他方の面に光不透過層24を有する構成で、絶縁層23を有する面に下部電極が設置される。光反射防止層22自体が十分な絶縁性を有する場合は図5の構成、一方、光反射防止層22自体絶縁性が充分でない場合は、図6の構成を用いることが好ましい。
図7は、下部電極がストライプ電極であって、平坦化層を用いる場合の好ましい構成を示すものである。可撓性基材27(金属箔等の光不透過性基材、または、プラスチック基材)が十分な平坦性を持っていない場合、平坦化層を用いる必要性がある。図7では、可撓性基板20の一面に平坦化層26を有し、その上に光反射防止層22を有して、さらにその上に下部電極が設置される。光反射防止層22自体を平坦化層とすることも可能である。
1.有機EL素子の作製
<可撓性基板の作製>
基材として厚みが200μmのアルミ箔を用い、下記条件で光反射防止層および絶縁層を設け、図3に示す構成の可撓性基板を作製した。
可撓性基板真空チャンバー内に導入し、金属クロムターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタ(条件:基材温度60℃)により、光反射防止層を可撓性基板上に金属クロムを0.05μm製膜して形成した。さらに絶縁層として、RFマグネトロンスパッタ(条件:基材温度50℃)によりSiO2を0.05μm製膜して形成した。
この可撓性基板を真空チャンバー内に導入し、SnO2含有率が10質量%であるITOターゲット(インジウム:錫=95:5(モル比))を用いて、DCマグネトロンスパッタ(条件:基材温度150℃、酸素圧1×10−3Pa)により、透明電極としてITO薄膜(厚み0.2μm)を基板上に形成した。ITO薄膜の表面抵抗は10Ω/□であった。
次に、透明電極を形成した基板を洗浄容器に入れ、IPA洗浄した後、これにUV−オゾン処理を30分行った。
<有機化合物層>
この透明電極上に正孔注入層として銅フタロシアニンを真空蒸着法にて1nm/秒の速度で蒸着して0.01μm設けた。
その上にブロック層を設けた。ブロック層に用いる電子輸送材としてはアルミニウム(III)ビス(2−メチル−8−キノリナート)4−フェニルフェノレート(Balq2)を用い、真空蒸着法にて1nm/秒の速度で蒸着して0.01μmのブロック層を設けた。
さらにその上に、電子輸送材としてトリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(Alq3)を用い、真空蒸着法にて1nm/秒の速度で蒸着して0.04μmの電子輸送層を設けた。
さらにこの電子注入層上にパターニングしたマスク(発光面積が2mm×2mmとなるマスク)を設置し、Agを0.015μm蒸着し、透明背面電極を形成した。
上記下部電極及び上記背面電極より、それぞれアルミニウムのリード線を結線し、発光積層体を形成した。
上記発光積層体の背面電極の上に、下記の無機封止層を設けた。
アルバック(株)製CVD製膜装置を用い、製膜速度200nm/分でSiN(1μm)/SiON(3μm)/SiN(1μm)の無機膜5μmを製膜した。
厚さ200μmのPCTFEフィルムとホットメルト接着剤として厚さ50μmのエチレン−アクリル酸共重合体(エチレン含量88モル%)フィルムの各1枚を重ね合わせ、温度160℃、圧力5kg/cm2の条件で5分間加熱加圧することにより複合フィルムを作製した。
なお、PCTFEフィルムにおける共重合体フィルム接合面は、雰囲気ガスとしてアルゴンガスを用い、圧力を5×10−3Torrとし、13.56MHzの高周波電圧を印可し、放電電力20Watt/cm2の条件で2秒間スパッタエッチング処理して用いた。
得られた複合フィルムのホットメルト接着面を上記発光積層体の無機封止層面と向かい合うように配置して、温度を150℃、圧力7kg/cm2の条件で、1分間圧着して、本発明の有機電界発光素子1を製作した。
得られた素子サンプルに電流を通じて発光状態を明るい外光の下で観察した。その結果、本発明の素子では未発光部では外光の反射がなく黒色背景を成し、発光部が際立って輝いて観察された。一方、比較サンプルでは、未発光部で外光の反射があって、発光部とのコントラストが低下して、発光領域が曖昧となった。
実施例1における可撓性基板を下記に変更した。
基材として厚みが200μmの2軸延伸PETフィルムを用い、下記条件で光反射防止層および光不透過層を設け図4の構成の可撓性基板を作製した。
PET基板を真空チャンバー内に導入し、金属クロムターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタ(条件:基材温度60℃)により、光反射防止層をPET基板上に金属クロム0.05μm製膜して形成した。
PET基板を真空チャンバー内に導入し、金属アルミターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタ(条件:基材温度60℃)により、光不透過層を可撓性基板上に金属アルミ1μm製膜して形成した。
実施例1における可撓性基板を下記に変更した。
基材として厚みが200μmの2軸延伸PETフィルムを用い、一方の面に下記条件で光反射防止層および他方の面に光不透過層を設け図5の構成の可撓性基板を作製した。
PET基板を真空チャンバー内に導入し、金属クロムターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタ(条件:基材温度60℃)により、光反射防止層をPET基板上に金属クロム0.05μm製膜して形成した。
PET基板を真空チャンバー内に導入し、金属アルミターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタ(条件:基材温度60℃)により、光反射防止層と反対面に、光不透過層を可撓性基板上に金属アルミ1μm製膜して形成した。
実施例1における可撓性基板を下記に変更した。
基材として厚みが200μmの2軸延伸PETフィルムを用い、一方の面に下記条件で光反射防止層および他方の面に光不透過層および絶縁層を設け図6の構成の可撓性基板を作製した。
PET基板を真空チャンバー内に導入し、金属クロムターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタ(条件:基材温度60℃)により、光反射防止層をPET基板上に金属クロム0.05μm製膜して形成した。
PET基板を真空チャンバー内に導入し、金属アルミターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタ(条件:基材温度60℃)により、光反射防止層と反対面に、光不透過層を可撓性基板上に金属アルミ1μm製膜して形成した。
RFマグネトロンスパッタ(条件:基材温度60℃)により、SiO2ターゲットを用いて、光反射防止層の上に絶縁層としてSiO2を0.05μm製膜して形成した。
実施例2〜4の光反射防止層を除いた試料を作製した。
実施例1と同様に、比較試料B〜D、および実施例2〜4の素子に電流を通じて発光状態を明るい外光の下で観察した。その結果、実施例1と同様に、本発明の素子では未発光部では外光の反射がなく黒色背景を成し、発光部が際立って輝いて観察された。一方、比較サンプルでは、未発光部で外光の反射があって、発光部とのコントラストが低下して、発光領域が曖昧となった。
20:可撓性基板
30:有機電界発光素子積層体
41:無機封止層
42:接着剤層
21:光不透過基材
22:光反射防止層
23:絶縁層
24:光不透過層
25:プラスチック基材
26:平坦化層
27:可撓性基材
Claims (8)
- 可撓性基板上に下部電極、少なくとも1層の発光層を含む有機化合物層、および背面電極を有する有機電界発光素子であって、前記可撓性基板が光不透過性かつ低光反射性であり、前記背面電極側より光が取り出されることを特徴とする有機電界発光素子。
- 前記可撓性基板が光不透過層と該光不透過層と前記下部電極の間に光反射防止層とを有することを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
- 前記光不透過層が金属箔もしくは金属層であることを特徴とする請求項2に記載の有機電界発光素子。
- 前記光反射防止層が、光吸収物質もしくは光散乱性物質を含有する層であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の有機電界発光素子。
- 前記光吸収物質もしくは光散乱性物質が、金属または金属酸化物であることを特徴とする請求項4に記載の有機電界発光素子。
- 前記光反射防止層が、絶縁層であることを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
- 前記可撓性基板と前記下部電極の間に前記光反射防止層と平坦化層とを有することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
- 前記光反射防止層が、平坦化層であることを特徴とする請求項2〜請求項6のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
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