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JP2008235193A - 有機電界発光素子 - Google Patents

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JP2008235193A JP2007076888A JP2007076888A JP2008235193A JP 2008235193 A JP2008235193 A JP 2008235193A JP 2007076888 A JP2007076888 A JP 2007076888A JP 2007076888 A JP2007076888 A JP 2007076888A JP 2008235193 A JP2008235193 A JP 2008235193A
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雄一郎 板井
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Abstract

【課題】本発明の課題は、明るい環境の下でのコントラスト低下が改良された可撓性有機電界発光素子を提供するものである。
【解決手段】可撓性基板上に下部電極、少なくとも1層の発光層を含む有機化合物層、および背面電極を有する有機電界発光素子であって、前記可撓性基板が光不透過性かつ低光反射性であり、前記背面電極側より光が取り出されることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、有機電界発光素子に関する。特に、明るい環境の下でのコントラスト低下が改良された可撓性有機電界発光素子に関する。
電流を通じることによって励起され発光する薄膜材料を用いた有機電界発光素子が知られている。有機電界発光素子は、低電圧で高輝度の発光が得られるために、携帯電話ディスプレイ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、コンピュータディスプレイ、自動車の情報ディスプレイ、TVモニター、あるいは一般照明を含む広い分野で幅広い潜在用途を有し、それらの分野でデバイスの薄型化、軽量化、小型化、および省電力のなどの利点を有する。このため、将来の電子ディスプレイ市場の主役としての期待が大きい。
しかしながら、実用的にこれらの分野で従来ディスプレイに代わって用いられるためには、発光輝度と色調、広い使用環境条件下での耐久性、安価で大量生産性など多くの技術改良が課題となっている。
一方、プラスチックフィルなどの可撓性基板にもちいた電子ディスプレイが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。該プラスチックフィルムとしてポリクロロトリフルオロエチレン樹脂が電気絶縁性の点から好ましい材料として開示されている。
有機電界発光素子の重要な問題点の一つは、水分や酸素に極めて弱く、具体的には、金属電極と有機層との界面が水分の影響で変質したり、電極が剥離したり、金属電極が酸化して高抵抗化したり、有機材料自体が水分により変質したりというような現象が起こる。これにより、駆動電圧の上昇、ダークスポット(非発光欠陥)の発生及び成長または発光輝度の減少等が発生し、十分な信頼性を保てない問題があった。
特にプラスチックフィルなどの可撓性基板は、ガラス基板に比較して水分や酸素に対するバリア性が劣るため、その対策が重要な課題であった。
特許文献2には、金属箔の片面もしくは両面に絶縁層を設けた可撓性基板が開示されている。
しかしながら、上記の可撓性基板は、表面が鏡面のような高い反射特性を有するため、これらの素子を用いた表示装置を明るい環境の下では作動させると画像濃度およびコントラストが低下する。特許文献3には光透過性かつ光反射性の可撓性基板を用いたボトムエミッション型表示装置が開示されているが、十分なバリア性を保つことが困難であり、光反射性に関しても外光の影響を十分に防止するのは困難であった。
特開平5−116254号公報 特開2003−282257号公報 特開2006−235590号公報
本発明の課題は、明るい環境の下でのコントラスト低下が改良された可撓性有機電界発光素子を提供することである。
本発明の上記課題は、下記の手段によって解決された。
<1> 可撓性基板上に下部電極、少なくとも1層の発光層を含む有機化合物層、および背面電極を有する有機電界発光素子であって、前記可撓性基板が光不透過性かつ低光反射性であり、前記背面電極側より光が取り出されることを特徴とする有機電界発光素子。
<2> 前記可撓性基板が光不透過層と該光不透過層と前記下部電極の間に光反射防止層とを有することを特徴とする<1>に記載の有機電界発光素子。
<3> 前記光不透過層が金属箔もしくは金属層であることを特徴とする<2>に記載の有機電界発光素子。
<4> 前記光反射防止層が、光吸収物質もしくは光散乱性物質を含有する層であることを特徴とする<2>または<3>に記載の有機電界発光素子。
<5> 前記光吸収物質もしくは光散乱性物質が、金属または金属酸化物であることを特徴とする<4>に記載の有機電界発光素子。
<6> 前記光反射防止層が、絶縁層であることを特徴とする<2>〜<5>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
<7> 前記可撓性基板と前記下部電極の間に前記光反射防止層と平坦化層とを有することを特徴とする<1>〜<6>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
<8> 前記光反射防止層が、平坦化層であることを特徴とする<2>〜<6>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
本発明により、明るい環境の下でのコントラスト低下が改良された可撓性有機電界発光素子が提供される。さらに、水分や酸素に対する耐久性が改良された可撓性有機電界発光素子が提供される。
本発明の有機電界発光素子は、可撓性基板上に下部電極、少なくとも1層の発光層を含む有機化合物層、および背面電極を有する有機電界発光素子であって、前記可撓性基板が光不透過性かつ低光反射性であり、前記背面電極側より光が取り出されることを特徴とする。
以下に、1)可撓性基板、2)電極、発光層を含む有機化合物層、および3)封止層について説明する。
1.可撓性基板
本発明における可撓性基板は、光不透過性かつ低光反射性であり、好ましくは、光不透過層と該光不透過層と光反射防止層とを有する。さらに好ましくは、前記光不透過層はバリア層であって、有機EL素子を水分や酸素などから保護することが出来る層である。
本発明における光不透過層は、金属もしくは金属酸化物を含む層であり、より好ましくは金属箔もしくは金属層である。
本発明における光反射防止層は、好ましくは光吸収物質もしくは光散乱物質を含む層である。本発明における光反射防止層は、絶縁層や平坦化層を兼ねることもできる。
1)基材
可撓性特性を有する基材の具体的例として、例えば、アルミ箔、亜鉛箔、および鉛箔などの金属箔、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカ−ボネ−ト、ポリエ−テルスルホン、ポリアリレ−ト、アリルジグリコ−ルカ−ボネ−ト、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、およびポリ(クロロトリフルオロエチレン)等のプラスチック材料等が挙げられる。プラスチック材料は、無色透明であっても、着色していても、黒色あるいは不透明であっても良い。
本発明に用いられる基材は、好ましくは、金属箔もしくはプラスチック材料である。
金属箔を基材として用いた場合は、基材自体が十分な光不透過性を有し、また、十分な水分や酸素に対するバリア性を有するので、光不透過層もしくはバリア層を特に設ける必要はないが、その表面は高い反射率を有し鏡面となるため光反射防止層を設ける必要がある。
プラスチック材料を基材として用いた場合は、基材自体の光不透明性が不十分であり、また、水分や酸素に対するバリア性もが十分ではないので、バリア性を有しかつ不透明化する層を設けるのが好ましい。バリア性を有しかつ不透明化する層としては金属もしくは金属酸化物を含む層が好ましい。また、金属もしくは金属酸化物を含む層は、その表面が高い反射率を有し鏡面となるため光反射防止層を設けるのが好ましい。
基材の厚みは、10μm以上1mm以下が好ましく。より好ましくは、100μm以上700μm以下である。厚過ぎるとフレキシブル性が無くなる点で好ましくなく、薄過ぎると取り扱いが困難になる点で好ましくない。
基板の形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、発光素子の用途、目的等に応じて適宜選択することができる。一般的には、前記形状としては、フィルム状である。
2)光不透過層
基材が金属箔の場合は、上記のように、基材自体が十分な光不透過性とバリア性を有するため、特に設ける必要はない。
プラスチック材料を基材として用いた場合は、上記のように、バリア性を有しかつ不透明性である光不透化層を設けるのが好ましい。バリア性を有しかつ不透明化する層としては金属もしくは金属酸化物を含む層が好ましい。金属もしくは金属酸化物としては、アルミニウム、亜鉛、鉛などの金属、ZrOやTaなどの金属酸化物を用いることが出来る。特に好ましくは、蒸着による設置の容易さからアルミニウムである。
光不透過層の厚みは、10μm以上1mm以下が好ましく。より好ましくは、100μm以上700μm以下である。厚過ぎるとフレキシブル性が無くなる点で好ましくなく、薄過ぎると十分な光不透過性とバリア性が得られなくなるので好ましくない。
3)光反射防止層
本発明における光反射防止層は、光吸収性物質もしくは光散乱性物質を含有する層である。本発明における光吸収性物質もしくは光散乱性物質としては、金属もしくは金属酸化物を含む層が好ましい。金属もしくは金属酸化物としては、クロム、酸化クロム、Ni系合金などを用いることが出来る。特に好ましくはクロムである。
光反射防止層は、鏡面を形成しないよう設置することが肝要である。例えば、蒸着方法法によって設置する場合は、蒸着条件を調整して、蒸着物が連続層を形成し、バルクの金属特性を発揮しないように不連続層もしくは不連続の結晶性を有する層となるように設けられる。また、これらの光反射防止層は、湿式方法で塗布により設けることも出来る。膜形成後に表面をエッチング等で粗らすことも可能である。
本発明における光反射防止層の厚みは、0.001μm以上100μm以下が好ましく、より好ましくは、0.005μm以上0.1μm以下である。厚過ぎるとフレキシブル性が無くなる点で好ましくなく、薄過ぎると十分な光反射防止効果が得られなくなるので好ましくない。
3)絶縁層
本発明における基板には、必要に応じて下部電極と面する側に絶縁層を設けることができる。絶縁層の材料としては、窒化珪素、酸化珪素などの無機物が好適に用いられる。該絶縁層は、例えば、高周波スパッタリング法などにより形成することができる。
本発明における絶縁層の厚みは、0.01μm以上10μm以下が好ましく。より好ましくは、0.1μm以上1μm以下である。厚過ぎるとフレキシブル性が無くなる点で好ましくなく、薄過ぎると十分な絶縁性が得られなくなるので好ましくない。
本発明における基板には、さらに必要に応じて、ハ−ドコ−ト層、およびアンダ−コ−ト層などを設けてもよい。
2.電極および有機化合物層
本発明における有機電界発光素子は、発光層の他に、正孔輸送層、電子輸送層、ブロック層、電子注入層、および正孔注入層などの従来知られている有機化合物層を有しても良い。
以下、詳細に説明する。
1)層構成
<電極>
本発明の有機電界発光素子の一対の電極は、一方は基板に面した下部電極であり、もう一方は背面電極となる。本発明においては、背面電極側から光が取り出されるが、そのためには背面電極が光透過性であることが好ましい。
<有機化合物層の構成>
前記有機化合物層の層構成としては、特に制限はなく、有機電界発光素子の用途、目的に応じて適宜選択することができるが、前記下部電極上に又は前記背面電極上に形成されるのが好ましい。この場合、有機化合物層は、前記下部電極又は前記背面電極上の前面又は一面に形成される。
有機化合物層の形状、大きさ、および厚み等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
具体的な層構成として、下記が挙げられるが本発明はこれらの構成に限定されるものではない。
・陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極、
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極、
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極、
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極。
以下に各層について詳細に説明する。
2)正孔輸送層
本発明に用いられる正孔輸送層は正孔輸送材を含む。前記正孔輸送材としては正孔を輸送する機能、もしくは陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれかを有しているもので有れば特に制限されることはなく用いることが出来る。本発明に用いられる正孔輸送材としては、低分子正孔輸送材、および高分子正孔輸送材のいずれも用いることができる。
本発明に用いられる正孔輸送材の具体例として、例えば以下の材料を挙げることができる。
カルバゾ−ル誘導体、トリアゾ−ル誘導体、オキサゾ−ル誘導体、オキサジアゾ−ル誘導体、イミダゾ−ル誘導体、ポリアリ−ルアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリ−ルアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾ−ル)誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマ−、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマ−、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、及びポリフルオレン誘導体等の高分子化合物等が挙げられる。
これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
正孔輸送層の厚みとしては、10nm〜200nmが好ましく、20nm〜80nmがより好ましい。前記厚みが、200nmを越えると駆動電圧が上昇することがあり、10nm未満であると該発光素子が短絡することがあるので好ましくない。
3)正孔注入層
本発明おいては、正孔輸送層と陽極の間に正孔注入層を設けることができる。
正孔注入層とは、陽極から正孔輸送層に正孔を注入しやすくする層であり、具体的には前記正孔輸送材の中でイオン化ポテンシャルの小さな材料が好適用いられる。例えばフタロシアニン化合物、ポルフィリン化合物、及びスターバースト型トリアリールアミン化合物等を挙げることができ、好適に用いることができる。
正孔注入層の膜厚は、1nm〜30nmが好ましい。
4)発光層
本発明に用いられる発光層は、少なくとも一種の発光材料を含み、必要に応じて正孔輸送材、電子輸送材、ホスト材を含んでもよい。
本発明に用いられる発光材料としては特に限定されることはなく、蛍光発光材料または燐光発光材料のいずれも用いることができる。発光効率の点から燐光発光材料が好ましい。
蛍光発光材料としては、例えばベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、ペリレン誘導体、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、スチリルアミン誘導体、芳香族ジメチリデン化合物、8−キノリノール誘導体の金属錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、及びポリフルオレン誘導体等の高分子化合物等が挙げられる。これらは1種または2種以上を混合して用いることができる。
燐光発光材料としては特に限定されることはないが、オルトメタル化金属錯体、又はポルフィリン金属錯体が好ましい。
上記オルトメタル化金属錯体とは、例えば山本明夫著「有機金属化学−基礎と応用−」、150頁〜232頁、裳華房社(1982年発行)やH.Yersin著「Photochemistry and Photophisics of Coodination Compounds」、71〜77頁、135〜146頁、Springer−Verlag社(1987年発行)等に記載されている化合物群の総称である。該オルトメタル化金属錯体を発光材料として発光層に用いることは、高輝度で発光効率に優れる点で有利である。
上記オルトメタル化金属錯体を形成する配位子としては、種々のものがあり、上記文献にも記載されているが、その中でも好ましい配位子としては、2−フェニルピリジン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体、2−(2−チエニル)ピリジン誘導体、2−(1−ナフチル)ピリジン誘導体、及び2−フェニルキノリン誘導体等が挙げられる。これらの誘導体は必要に応じて置換基を有してもよい。また、上記オルトメタル化金属錯体は、上記配位子のほかに、他の配位子を有していてもよい。
本発明で用いるオルトメタル化金属錯体は、Inorg Chem.,1991年,30号,1685頁、同1988年,27号,3464頁、同1994年,33号,545頁、Inorg.Chim.Acta,1991年,181号,245頁、J.Organomet.Chem.,1987年,335号,293頁、J.Am.Chem.Soc.1985年,107号,1431頁等、種々の公知の手法で合成することができる。
上記オルトメタル化錯体の中でも、三重項励起子から発光する化合物が本発明においては発光効率向上の観点から好適に使用することができる。
また、ポルフィリン金属錯体の中ではポルフィリン白金錯体が好ましい。
燐光発光材料は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、蛍光発光材料と燐光発光材料を同時に用いてもよい。
ホスト材とは、その励起状態から、蛍光発光材料または燐光発光材料へエネルギー移動を起こし、その結果、蛍光発光材料または燐光発光材料を発光させる機能を有する材料のことである。
ホスト材としては、励起子エネルギーを発光材料にエネルギー移動させることのできる化合物ならば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、具体的にはカルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン系化合物、ポルフィリン系化合物、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾ−ル)誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、及びポリフルオレン誘導体等の高分子化合物等が挙げられる。これらの化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ホスト材の発光層における含有量としては0質量%〜99.9質量%が好ましく、さらに好ましくは0質量%〜99.0質量%である。
5)ブロック層
本発明においては、発光層と電子輸送層との間にブロック層を設けることができる。ブロック層とは発光層で生成した励起子の拡散抑制する層であり、また正孔が陰極側に突き抜けることを抑制する層である。
ブロック層に用いられる材料は、電子輸送層より電子を受け取り、発光層にわたす事のできる材料で有れば特に限定されることはなく、一般的な電子輸送材を用いることができる。例えば以下の材料を挙げることができる。トリアゾ−ル誘導体、オキサゾ−ル誘導体、オキサジアゾ−ル誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノ−ル誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾ−ルやベンゾチアゾ−ルを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマ−、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマ−、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化合物を挙げることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
6)電子輸送層
本発明においては電子輸送材を含む電子輸送層を設けることができる。
電子輸送材としては電子を輸送する機能、もしくは陽極から注入された正孔を障壁する機能のいずれかを有しているもので有れば制限されることはなく、前記ブロック層の説明時に挙げた電子輸送材を好適に用いることができる。
前記電子輸送層の厚みとしては、10nm〜200nmが好ましく、20nm〜80nmがより好ましい。
前記厚みが、200nmを越えると駆動電圧が上昇することがあり、10nm未満であると該発光素子が短絡することがあり好ましくない。
7)電子注入層
本発明おいては、電子輸送層と陰極の間に電子注入層を設けることができる。
電子注入層とは、陰極から電子輸送層に電子を注入しやすくする層であり、具体的にはフッ化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム等のリチウム塩、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、フッ化セシウム等のアルカリ金属塩、酸化リチウム、酸化アルミニウム、酸化インジウム、又は酸化マグネシウム等の絶縁性金属酸化物等を好適に用いることができる。
電子注入層の膜厚は0.1nm〜5nmが好ましい。
8)有機化合物層の形成方法
前記有機化合物層は、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、ディッピング、スピンコ−ト法、ディップコ−ト法、キャスト法、ダイコ−ト法、ロ−ルコ−ト法、バ−コ−ト法、又はグラビアコ−ト法等の湿式製膜法いずれによっても好適に製膜することができる。
中でも発光効率、耐久性の点から乾式法が好ましい。
次に、本発明の有機電界発光素子に用いられる電極について説明する。
9)陽極
本発明に用いられる陽極としては、通常、前記有機化合物層に正孔を供給する陽極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極の中から適宜選択することができる。
陽極の材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、有機導電性化合物、またはこれらの混合物を好適に挙げられ、仕事関数が4.0eV以上の材料が好ましい。具体例としては、アンチモンやフッ素等をド−プした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の半導性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物または積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロ−ルなどの有機導電性材料、およびこれらとITOとの積層物などが挙げられる。
陽極は例えば、印刷方式、コ−ティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式、などの中から前記材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って前記基板上に形成することができる。例えば、陽極の材料として、ITOを選択する場合には、該陽極の形成は、直流あるいは高周波スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレ−ティング法等に従って行うことができる。また陽極の材料として有機導電性化合物を選択する場合には湿式製膜法に従って行うことができる。
陽極の前記発光素子における形成位置としては、特に制限はなく、該発光素子の用途、目的に応じて適宜選択することができるが、前記基板上に形成されるのが好ましい。この場合、該陽極は、前記基板における一方の表面の全部に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。
なお、前記陽極のパタ−ニングは、フォトリソグラフィ−などによる化学的エッチングにより行ってもよいし、レ−ザ−などによる物理的エッチングにより行ってもよく、また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法により行ってもよい。
陽極の厚みとしては、前記材料により適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常10nm〜50μmであり、50nm〜20μmが好ましい。
陽極の抵抗値としては、10Ω/□以下が好ましく、10Ω/□以下がより好ましい。
陽極は、無色透明であっても、有色透明であってもよい。
陽極については、沢田豊監修「透明電極膜の新展開」シ−エムシ−刊(1999)に詳述があり、これらを本発明に適用することができる。耐熱性の低いプラスティック基材を用いる場合は、ITOまたはIZOを使用し、150℃以下の低温で製膜した陽極が好ましい。
10)陰極
本発明に用いることの出来る陰極としては、通常、前記有機化合物層に電子を注入する陰極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極の中から適宜選択することができる。
陰極の材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物などが挙げられ、仕事関数が4.5eV以下のものが好ましい。具体例としてはアルカリ金属(たとえば、Li、Na、K、またはCs等)、アルカリ土類金属(たとえばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、およびイッテルビウム等の希土類金属、などが挙げられる。これらは、単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点からは、2種以上を好適に併用することができる。
これらの中でも、電子注入性の点で、アルカリ金属やアルカリ度類金属が好ましく、保存安定性に優れる点で、アルミニウムを主体とする材料が好ましい。アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、又はアルミニウムと0.01質量%〜10質量%のアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属との合金若しくは混合物(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)をいう。
陰極の材料については、特開平2−15595号公報、特開平5−121172号公報に詳述されていて、これらを本発明に適用することができる。
陰極の形成法は、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができる。例えば、印刷方式、コ−ティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式、などの中から前記材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って前記基板上に形成することができる。
例えば、前記陰極の材料として、金属等を選択する場合には、その1種又は2種以上を同時又は順次にスパッタ法等に従って行うことができる。
陰極のパタ−ニングは、フォトリソグラフィ−などによる化学的エッチングにより行ってもよいし、レ−ザ−などによる物理的エッチングにより行ってもよく、また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法により行ってもよい。
陰極の有機電界発光素子における形成位置としては、特に制限はなく、該発光素子の用途、目的に応じて適宜選択することができるが、有機化合物層上に形成されるのが好ましい。この場合、該陰極は、前記有機化合物層上の全部に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。
陰極が上部電極である場合、該陰極側から発光を取り出すためには、該陰極は透明性が高いことが好ましく、その光透過率は、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。この透過率は、分光光度計を用いた公知の方法に従って測定することができる。
透明な陰極は、前記陰極の材料を1nm〜10nmの厚みに薄く製膜し、更に前記ITOやIZO等の透明な導電性材料を積層することにより形成することができる。
また、陰極と有機化合物層との間に電子注入促進層として、アルカリ金属(たとえば、Li、Na、K、またはCs等)又はアルカリ土類金属(たとえばMg、Ca等)のフッ化物等を0.1nm〜5nmの厚みで挿入するのが好ましい。
なお、該電子注入促進層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法等により形成することができる。
3.封止層
本発明の有機電界発光素子は、封止層を有するのが好ましい。本発明に用いられる封止層は、無機封止層および有機封止層の複合層が好ましく、背面電極の上に設けられ、発光素子が水分や酸素等のガスの侵入によって劣化するのを防止する層である。無機封止層および有機封止層の複合層が特に好ましい。
1)無機封止層
本発明に用いられる無機封止層は、背面電極の上に設けられる絶縁層であって、かつ発光素子が水分や酸素等のガスの侵入によって劣化するのを防止する層である。
本発明に用いられる無機封止層の素材としては、窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化珪素、および炭化珪素が好ましく用いられる。
本発明に用いられる無機封止層は、CVD法、イオンプレーティング法、スパッタリング法もしくは蒸着法により形成することが出来る。
本発明に用いられる無機封止層の厚みは、0.01μm〜10μmが好ましい。0.01μmより薄いと絶縁機能および水分やガス防止機能が不十分となるため好ましくない。
また、10μmより厚いと製膜に時間がかかり、工程上好ましくない。また膜応力が大きくなる場合があり、膜剥がれ等が生じ好ましくない。さらに厚い膜を得るには製膜を複数回繰り返すことにより可能である。
2)有機封止層
本発明における有機電界発光素子は無機封止層と有機封止層の二層の封止層で発光層を含む有機化合物層が水分や酸素などのガス成分による影響から封止されていることを特徴とする。
本発明における有機封止層は、無機封止層の上に積層され、無機封止層のピンホールなどの欠陥を補い、封止をより完全なものにする機能を有する。さらに、フレキシブルな有機電界発光素子として折り曲げられたときの応力を緩和して素子への亀裂発生を防止する機能を有する。
<素材>
本発明における有機封止層は、フッ素樹脂を含有する。本発明におけるフッ素樹脂としては、フルオロエチレンポリマーおよびそれと他のコモノマ−とを含む共重合体、あるいは共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体が好ましく、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン及びジクロロジフルオロエチレン、およびこれらを有する子ポリマーが好ましい。特に好ましくは、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)であり、市販のフレキシブルシートをそのまま用いることができる。例えば、日東電工(株)製のニトフロンシートを挙げることができる。
有機封止層の厚みは特に限定されることはないが、10μm以上1mm以下が好ましい。これよりも薄いと、水分侵入を防止する機能が薄れることになり好ましくない。また、これよりも厚いと、電界発光素子自体の厚みが厚くなり、有機電界発光素子の特徴である薄膜性を損なうことになる。
<熱融解性接着剤>
本発明における有機封止層は、前記無機封止層の上に熱融解性接着剤(ホットメルト型接着剤)によって熱圧着されて配されるのが好ましい。
熱融解性接着剤として、従来一般に知られているホットメルト接着剤より温度等が適したものを選んで用いることができるが、エチレン−アクリル酸共重合体またはエチレン−メタクリル酸共重合体であってエチレン含量が85モル%〜99モル%(特に好ましくは88モル%〜97モル%)である共重合体を主成分とするものを好ましく用いることが出来る。勿論、これら両共重合体の混合物であってもよい。これら共重合体におけるエチレン含量が85モル%よりも少ないと防湿性の低下傾向を生じ、また99モル%よりも多いとPCTFE層との接着力が乏しくなり実用性を有する複合フィルムを得難くなるので、いずれも好ましくない。なお、これら両共重合体におけるエチレン含量がこの範囲内である場合、エチレン含量が多いほど(アクリル酸またはメタクリル酸含量が少ないほど)ホットメルト接着剤の防湿性は優れる。
本発明におけるホットメルト接着剤はこれら共重合体のみで構成してもよいが、これら共重合体に酸化防止剤、充填剤、粘着付与剤、紫外線吸収剤等の添加剤を適量配合したものであってもよい。また、これら共重合体を架橋する場合には、ジアシルパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル等の有機過酸化物を配合することもできる。この架橋により、ホットメルト接着剤は高温に曝されても軟化および凝集破壊をし難くなり、高温環境下における防湿性がより改善される。
エチレンを一方の成分とする共重合体、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体あるいはエチレン−エチルアクリレート共重合体は前記した如く既にホットメルト接着剤として用いられているが、本発明に用いる共重合体は酢酸ビニルあるいはエチルアクリレートとは異なるモノマーとエチレンとを共重合させたものであり、従来公知のホットメルト接着剤とは異なるものである。また、エチレン−アクリル酸共重合体をホットメルト接着剤として用いることも前記した如く、特開平2−297893号公報に記載されているが、該公報にはこの共重合体を構成するモノマーの組成比についての言及はない。本発明はエチレン−アクリル酸共重合体における防湿性について研究し、両者の組成比を前記特定範囲にすることにより所期の目的を達成することができたものであり、この点においても従来のホットメルト接着剤とは異なる。
<PCTFEフィルムと熱融解性接着剤の積層体>
本発明に係る有機封止層は、PCTFEフィルムとフィルム状ホットメルト接着剤を重ね合わせ、加熱加圧により両者を接合一体化する方法、あるいはPCTFEフィルムの片面上にホットメルト接着剤成分を溶融押出する方法等により得ることができる。なお、PCTFE層とホットメルト接着剤層との接合強度向上のために、PCTFE層表面にスパッタエッチング処理(例えば、特公昭53−22108号公報、特公昭56−1337号公報等に開示されている)、プライマー塗布処理のような接着処理を施すこともできる。
また、上記PCTFEフィルムと熱融解性接着剤の少なくとも一方の材料にフィラーを添加することも好ましい。
封止剤に添加されるフィラーとしては、SiO(酸化ケイ素)、SiON(酸窒化ケイ素)またはSiN(窒化ケイ素)等の無機材料もしくはAg、Ni(ニッケル)またはAl(アルミニウム)等の金属材料が好ましい。フィラーの添加により、封止剤の粘度が上昇し、加工適正が向上し、および耐湿性が向上する。
4.有機EL素子の実施の形態
次に、有機EL素子の実施の形態を具体的に説明する。
図1は、本発明による有機EL素子の一例の概略断面図である。有機EL素子10は、可撓性基板20の上に下部電極、発光層および背面電極を含む有機化合物層30を有する。
該有機化合物層30は、具体的には、下部電極(陽極)、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、ブロック層、電子輸送層、電子注入層、および背面電極(陰極)などの積層構造を有する。背面電極の上には、無機封止層41および有機封止層42を有する。可撓性基板20は、光不透過性かつ低光反射性であり、背面電極は光透過性である。電極間に電流を通じると発光層で発光し、その光は背面電極を透過して素子の外部に取り出される。可撓性基板20の下部電極に面する側は低光反射性であり、発光部以外は黒い背景を形成し、発光部と非発光部との境界が鮮明に識別される。
図2〜図6は、本発明による有機EL素子に用いることのできる可撓性基板のいくつかの例の概略断面図である。
図2は金属箔等の光不透過性基材21の一面に光反射防止層22を有する可撓性基板である。該光反射防止層22が絶縁性である場合、この上に下部電極が配置される。図3は金属箔等の光不透過性基材21の一面に光反射防止層22および絶縁層23を有する可撓性基板である。該光反射防止層22が絶縁性が不十分であっても絶縁層23により可撓性基板との電気絶縁性が保たれるので、この上に下部電極が配置される。
図4〜図6は、プラスチック基材を用いた可撓性基板例である。図4では、プラスチック基材25の一面に光反射防止層22および光不透過層24を有し、他方の面に下部電極が設置される。図5は、プラスチック基材25の一面に光反射防止層22、他方の面に光不透過層24を有する構成で、光反射防止層22を有する面に下部電極が設置される。図6は、プラスチック基材25の一面に光反射防止層22および絶縁層23を有し、他方の面に光不透過層24を有する構成で、絶縁層23を有する面に下部電極が設置される。光反射防止層22自体が十分な絶縁性を有する場合は図5の構成、一方、光反射防止層22自体絶縁性が充分でない場合は、図6の構成を用いることが好ましい。
図7は、下部電極がストライプ電極であって、平坦化層を用いる場合の好ましい構成を示すものである。可撓性基材27(金属箔等の光不透過性基材、または、プラスチック基材)が十分な平坦性を持っていない場合、平坦化層を用いる必要性がある。図7では、可撓性基板20の一面に平坦化層26を有し、その上に光反射防止層22を有して、さらにその上に下部電極が設置される。光反射防止層22自体を平坦化層とすることも可能である。
以下に実施例によって、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、以下に記載する実施例によって制限されるものではない。
実施例1
1.有機EL素子の作製
<可撓性基板の作製>
基材として厚みが200μmのアルミ箔を用い、下記条件で光反射防止層および絶縁層を設け、図3に示す構成の可撓性基板を作製した。
可撓性基板真空チャンバー内に導入し、金属クロムターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタ(条件:基材温度60℃)により、光反射防止層を可撓性基板上に金属クロムを0.05μm製膜して形成した。さらに絶縁層として、RFマグネトロンスパッタ(条件:基材温度50℃)によりSiOを0.05μm製膜して形成した。
<下部電極>
この可撓性基板を真空チャンバー内に導入し、SnO含有率が10質量%であるITOターゲット(インジウム:錫=95:5(モル比))を用いて、DCマグネトロンスパッタ(条件:基材温度150℃、酸素圧1×10−3Pa)により、透明電極としてITO薄膜(厚み0.2μm)を基板上に形成した。ITO薄膜の表面抵抗は10Ω/□であった。
次に、透明電極を形成した基板を洗浄容器に入れ、IPA洗浄した後、これにUV−オゾン処理を30分行った。
<有機化合物層>
この透明電極上に正孔注入層として銅フタロシアニンを真空蒸着法にて1nm/秒の速度で蒸着して0.01μm設けた。
次にこの上に正孔輸送層を設けた。正孔輸送材としてはN,N'−ジナフチル−N,N'−ジフェニルベンジジン(NPD)を真空蒸着法にて蒸着して0.3μmの正孔輸送層を設けた。
この上に燐光発光材料であるトリス(2−フェニルピリジル)イリジウム錯体(Ir(ppy))、およびホスト化合物として、4,4'−N,N'−ジカルバゾールビフェニル(CBP)を蒸着比5/100で真空蒸着法で共蒸着し0.03μmの発光層を設けた。
その上にブロック層を設けた。ブロック層に用いる電子輸送材としてはアルミニウム(III)ビス(2−メチル−8−キノリナート)4−フェニルフェノレート(Balq)を用い、真空蒸着法にて1nm/秒の速度で蒸着して0.01μmのブロック層を設けた。
さらにその上に、電子輸送材としてトリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(Alq)を用い、真空蒸着法にて1nm/秒の速度で蒸着して0.04μmの電子輸送層を設けた。
さらにこの上に電子注入層としてLiFを1nm/秒の速度で蒸着して0.002μmの電子注入層を設けた。
<背面電極>
さらにこの電子注入層上にパターニングしたマスク(発光面積が2mm×2mmとなるマスク)を設置し、Agを0.015μm蒸着し、透明背面電極を形成した。
上記下部電極及び上記背面電極より、それぞれアルミニウムのリード線を結線し、発光積層体を形成した。
<無機封止層の形成>
上記発光積層体の背面電極の上に、下記の無機封止層を設けた。
アルバック(株)製CVD製膜装置を用い、製膜速度200nm/分でSiN(1μm)/SiON(3μm)/SiN(1μm)の無機膜5μmを製膜した。
<有機封止層の形成>
厚さ200μmのPCTFEフィルムとホットメルト接着剤として厚さ50μmのエチレン−アクリル酸共重合体(エチレン含量88モル%)フィルムの各1枚を重ね合わせ、温度160℃、圧力5kg/cmの条件で5分間加熱加圧することにより複合フィルムを作製した。
なお、PCTFEフィルムにおける共重合体フィルム接合面は、雰囲気ガスとしてアルゴンガスを用い、圧力を5×10−3Torrとし、13.56MHzの高周波電圧を印可し、放電電力20Watt/cmの条件で2秒間スパッタエッチング処理して用いた。
得られた複合フィルムのホットメルト接着面を上記発光積層体の無機封止層面と向かい合うように配置して、温度を150℃、圧力7kg/cmの条件で、1分間圧着して、本発明の有機電界発光素子1を製作した。
比較のために、有機電界発光素子1において、光反射防止層を除いた比較の素子Aを作製した。
2.性能評価
得られた素子サンプルに電流を通じて発光状態を明るい外光の下で観察した。その結果、本発明の素子では未発光部では外光の反射がなく黒色背景を成し、発光部が際立って輝いて観察された。一方、比較サンプルでは、未発光部で外光の反射があって、発光部とのコントラストが低下して、発光領域が曖昧となった。
実施例2
実施例1における可撓性基板を下記に変更した。
基材として厚みが200μmの2軸延伸PETフィルムを用い、下記条件で光反射防止層および光不透過層を設け図4の構成の可撓性基板を作製した。
PET基板を真空チャンバー内に導入し、金属クロムターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタ(条件:基材温度60℃)により、光反射防止層をPET基板上に金属クロム0.05μm製膜して形成した。
PET基板を真空チャンバー内に導入し、金属アルミターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタ(条件:基材温度60℃)により、光不透過層を可撓性基板上に金属アルミ1μm製膜して形成した。
得られた可撓性基板の光反射防止層および光不透過層を有する面とは反対面に実施例1と同様に下部電極およびその他の機能層等を設けて有機EL素子2を作製した。
実施例3
実施例1における可撓性基板を下記に変更した。
基材として厚みが200μmの2軸延伸PETフィルムを用い、一方の面に下記条件で光反射防止層および他方の面に光不透過層を設け図5の構成の可撓性基板を作製した。
PET基板を真空チャンバー内に導入し、金属クロムターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタ(条件:基材温度60℃)により、光反射防止層をPET基板上に金属クロム0.05μm製膜して形成した。
PET基板を真空チャンバー内に導入し、金属アルミターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタ(条件:基材温度60℃)により、光反射防止層と反対面に、光不透過層を可撓性基板上に金属アルミ1μm製膜して形成した。
得られた可撓性基板の光反射防止層を有する面に実施例1と同様に下部電極およびその他の機能層等を設けて有機EL素子3を作製した。
実施例4
実施例1における可撓性基板を下記に変更した。
基材として厚みが200μmの2軸延伸PETフィルムを用い、一方の面に下記条件で光反射防止層および他方の面に光不透過層および絶縁層を設け図6の構成の可撓性基板を作製した。
PET基板を真空チャンバー内に導入し、金属クロムターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタ(条件:基材温度60℃)により、光反射防止層をPET基板上に金属クロム0.05μm製膜して形成した。
PET基板を真空チャンバー内に導入し、金属アルミターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタ(条件:基材温度60℃)により、光反射防止層と反対面に、光不透過層を可撓性基板上に金属アルミ1μm製膜して形成した。
RFマグネトロンスパッタ(条件:基材温度60℃)により、SiOターゲットを用いて、光反射防止層の上に絶縁層としてSiOを0.05μm製膜して形成した。
得られた可撓性基板の光反射防止層および絶縁層を有する面に実施例1と同様に下部電極およびその他の機能層等を設けて有機EL素子4を作製した。
<比較試料B〜Dの作製>
実施例2〜4の光反射防止層を除いた試料を作製した。
<性能評価>
実施例1と同様に、比較試料B〜D、および実施例2〜4の素子に電流を通じて発光状態を明るい外光の下で観察した。その結果、実施例1と同様に、本発明の素子では未発光部では外光の反射がなく黒色背景を成し、発光部が際立って輝いて観察された。一方、比較サンプルでは、未発光部で外光の反射があって、発光部とのコントラストが低下して、発光領域が曖昧となった。
本発明の実施の形態に係る有機電界発光素子の概略断面図である。 本発明に用いられる可撓性基板実施の形態に係る1例の概略断面図である。 本発明に用いられる可撓性基板実施の形態に係る1例の概略断面図である。 本発明に用いられる可撓性基板実施の形態に係る1例の概略断面図である。 本発明に用いられる可撓性基板実施の形態に係る1例の概略断面図である。 本発明に用いられる可撓性基板実施の形態に係る1例の概略断面図である。 本発明に用いられる可撓性基板実施の形態に係る1例の概略断面図である。
符号の説明
10:有機電界発光素子
20:可撓性基板
30:有機電界発光素子積層体
41:無機封止層
42:接着剤層
21:光不透過基材
22:光反射防止層
23:絶縁層
24:光不透過層
25:プラスチック基材
26:平坦化層
27:可撓性基材

Claims (8)

  1. 可撓性基板上に下部電極、少なくとも1層の発光層を含む有機化合物層、および背面電極を有する有機電界発光素子であって、前記可撓性基板が光不透過性かつ低光反射性であり、前記背面電極側より光が取り出されることを特徴とする有機電界発光素子。
  2. 前記可撓性基板が光不透過層と該光不透過層と前記下部電極の間に光反射防止層とを有することを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
  3. 前記光不透過層が金属箔もしくは金属層であることを特徴とする請求項2に記載の有機電界発光素子。
  4. 前記光反射防止層が、光吸収物質もしくは光散乱性物質を含有する層であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の有機電界発光素子。
  5. 前記光吸収物質もしくは光散乱性物質が、金属または金属酸化物であることを特徴とする請求項4に記載の有機電界発光素子。
  6. 前記光反射防止層が、絶縁層であることを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  7. 前記可撓性基板と前記下部電極の間に前記光反射防止層と平坦化層とを有することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  8. 前記光反射防止層が、平坦化層であることを特徴とする請求項2〜請求項6のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
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