JP2008233490A - 車載用オーディオ再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車室内において生じる音声を的確に把握し、運転手及び同乗者にそれぞれ所望の音響空間を提供できる車載用オーディオ再生装置を提供する。
【解決手段】車載用オーディオ再生装置において、第1音源(例えば、オーディオCDやラジオ放送)に基づく音声信号を第1スピーカに出力するとともに、第2音源(例えば、オーディオCDやラジオ放送、第1音源と同じである場合を含む)に基づく音声信号を第2スピーカに出力可能な音声出力部と、前記第1スピーカ及び第2スピーカの略中間に配置され、車室内の音声を集音する音声入力部と、前記音声入力部から入力された音声信号の極性を反転させた逆位相音声信号を生成するとともに、前記音声出力部から前記第1スピーカ又は第2スピーカに前記逆位相音声信号を出力させる制御部と、を備えるようにした。
【選択図】図1
【解決手段】車載用オーディオ再生装置において、第1音源(例えば、オーディオCDやラジオ放送)に基づく音声信号を第1スピーカに出力するとともに、第2音源(例えば、オーディオCDやラジオ放送、第1音源と同じである場合を含む)に基づく音声信号を第2スピーカに出力可能な音声出力部と、前記第1スピーカ及び第2スピーカの略中間に配置され、車室内の音声を集音する音声入力部と、前記音声入力部から入力された音声信号の極性を反転させた逆位相音声信号を生成するとともに、前記音声出力部から前記第1スピーカ又は第2スピーカに前記逆位相音声信号を出力させる制御部と、を備えるようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、AVN装置等の車載用オーディオ再生装置に関する。
AVN(オーディオ・ビジュアル・ナビゲーション)装置等の車載用オーディオ再生装置は、前部座席側(例えば、左右のフロントドア側部)に設けられたフロントスピーカや、後部座席側(例えば、左右のリアドア側部)に設けられたリアスピーカ等、複数のスピーカから音声を出力可能に構成される。また、従来の車載用オーディオ再生装置は、左右スピーカの音量バランスや、前後スピーカの音量バランスを調整したり、それぞれのスピーカから出力される音量を調整したりできるようになっている(いわゆるフェーダー機能)。
従来は、このフェーダー機能を利用することで、運転手及び同乗者の双方が所望の視聴形態をできるだけ享受できるようにしている。例えば、前部座席に着座した運転手はオーディオ再生装置でオーディオCDを再生して音楽を聴きたいが、後部座席の同乗者は音楽を聴かずに静かに過ごしたいという要望がある場合、フロントスピーカからのみ所望の音量で音声を出力させ、リアスピーカからは音声を出力させないことで対処する。
また、特許文献1には、同一空間内の所定位置に存在する複数の利用者に対して異なる種類の音声を快適に提供するための音響空間を創出しうる音響制御装置が提案されている。具体的には、一方の音源から音声を出力する(例えば、リアスピーカからDVDプレイヤーの再生音声を出力する)際に、当該一方の音源からの音声を利用者が聴取する位置に合わせて、他方の音源の音声(例えば、フロントスピーカからのCDプレイヤーの再生音声)の波形とほぼ逆位相でかつほぼ同振幅の疑似音声を生成してリアスピーカから出力することにより、後部座席に着座する利用者が聴取する位置において当該他方の音源による音声が打ち消されるようにしている。
特開2006−53435号公報
しかしながら、車載用オーディオ再生装置のフェーダー機能を利用して、フロントスピーカからだけ音声を出力させ、リアスピーカから音声を出力させないようにしたとしても、車室内は極めて狭い空間であるため、後部座席の同乗者にもフロントスピーカからの音声が少なからず聴こえてしまい、後部座席側の静音性を保持することは困難である。
例えば、前部座席の運転手が理想とする音量に設定すると、後部座席にも無視できない音量で伝達されてしまう。逆に、後部座席の同乗者の要望に合わせてフロントスピーカからの音量を小さく調整すると、前部座席の人は満足できない音量となってしまう。
また、音声を聴きたい人又は聴きたくない人の何れかがヘッドホンを装着することで対応することも可能であるが、この場合、利用人数分のヘッドホンを用意したり、装着する手間がかかったりする上、装着時に不快感を伴うという問題がある。
一方、上記特許文献1では、一方のスピーカから逆位相音を出力することにより、他方のスピーカから出力される音声を消音することができるが、この逆位相音は前記他方のスピーカから出力される音声の音源に基づいて生成されるものであるため、当該他方のスピーカから出力される音声以外の音声(例えば、会話や走行ノイズ等の音声)を消去することはできないという欠点がある。
例えば、後部座席で幼児が寝ている場合等は安眠を妨げないために静音性が要求され、走行ノイズはもちろんのこと、前部座席における会話も騒音となりかねないが、特許文献1に記載の技術では、このような要求に対処することができない。
また、一般的な車室内の音響空間について考えた場合、車室内に響く音声は複雑であるため、特許文献1のように一方のスピーカから出力される音声の音源に基づいて生成した逆位相音を他方のスピーカから出力しても、車室内に生じている音声を効果的に消音することはできない。
図7は、一般的な車室内の音響空間について示した説明図である。図7に示すように、一般的な車室内200において、フロントスピーカFSは、例えば、運転席210R側のフロントドア側部と、助手席210L側のフロンドア側部に設けられ、リアスピーカRSは、例えば、後部座席220側の左右のリアドア側部に設けられる。
このような音響空間において、フロントスピーカFSとリアスピーカRSのスピーカ特性は異なるため、それぞれのスピーカFS、RSから同一音源に基づく音声を出力した場合でも、フロントスピーカFSから出力される音声の周波数成分と、リアスピーカRSから出力される音声の周波数成分は必ずしも同一にはならない。また、車室内200では、スピーカからの直接音と反射音が複雑に混在するうえ、車室内200の固定共振周波数点の影響も考えられる。
このように、車室内200において実際に生じている音声は複雑であるため、例えば、フロントスピーカFSから出力する音声の音源に基づいて逆位相音声信号を生成し、リアスピーカRSからこの逆位相音声を出力するだけでは、後部座席220における消音効果は不十分である。
本発明は、車室内において生じる音声を的確に把握し、運転手及び同乗者にそれぞれ所望の音響空間を提供できる車載用オーディオ再生装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するため、第1音源(例えば、オーディオCDやラジオ放送)に基づく音声信号を第1スピーカに出力するとともに、第2音源(例えば、オーディオCDやラジオ放送、第1音源と同じである場合を含む)に基づく音声信号を第2スピーカに出力可能な音声出力部と、前記第1スピーカ及び第2スピーカの略中間に配置され、車室内の音声を集音する音声入力部と、前記音声入力部から入力された音声信号の極性を反転させた逆位相音声信号を生成するとともに、前記音声出力部から前記第1スピーカ又は第2スピーカに前記逆位相音声信号を出力させる制御部と、を備えることを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車載用オーディオ再生装置において、前記制御部は、前記音声出力部から、前記第1スピーカ又は第2スピーカの何れか一方に前記第1音源又は第2音源に基づく音声信号を出力させ、他方に前記逆位相音声信号を出力可能であることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の車載用オーディオ再生装置において、前記第1スピーカは車室内の前部座席側に設けられ、前記第2スピーカは後部座席側に設けられていることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の車載用オーディオ再生装置において、前記第1スピーカは前部座席のヘッドレストに設けられ、前記第2スピーカは後部座席のヘッドレストに設けられていることを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の車載用オーディオ再生装置において、前記制御部は、前記音声入力部から入力された所定の周波数帯の音声信号の極性を反転させた逆位相音声信号を生成可能であることを特徴としている。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の車載用オーディオ再生装置において、前記制御部は、前記逆位相音声信号の出力レベルを調整可能であることを特徴としている。
本発明によれば、車室内に生じる音声を的確に把握し、運転手及び同乗者にそれぞれ所望の音響空間を提供できる。
具体的には、音声入力部(集音マイク)から入力された音声信号の極性を反転させた逆位相音声信号を生成し、例えば、第2スピーカから逆位相音声を出力させることで、第1スピーカから出力される音声を消音できるとともに、車室内の第1スピーカ近傍で生じた会話等の音声(すなわち、第1スピーカ側から第2スピーカ側に伝播する音声)も消音できるので、第2スピーカ近傍の清音性を確保できる。
具体的には、音声入力部(集音マイク)から入力された音声信号の極性を反転させた逆位相音声信号を生成し、例えば、第2スピーカから逆位相音声を出力させることで、第1スピーカから出力される音声を消音できるとともに、車室内の第1スピーカ近傍で生じた会話等の音声(すなわち、第1スピーカ側から第2スピーカ側に伝播する音声)も消音できるので、第2スピーカ近傍の清音性を確保できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る車載用オーディオ再生装置の一例としてのAVN(オーディオ・ビジュアル・ナビゲーション)装置の全体構成を示すブロック図であり、図2は車室内における消音効果の一例を示す説明図である。
このAVN装置100は、例えば、2DINタイプのものであり、ダッシュボードの所定の取り付けスペースに設置される。
図1は本発明に係る車載用オーディオ再生装置の一例としてのAVN(オーディオ・ビジュアル・ナビゲーション)装置の全体構成を示すブロック図であり、図2は車室内における消音効果の一例を示す説明図である。
このAVN装置100は、例えば、2DINタイプのものであり、ダッシュボードの所定の取り付けスペースに設置される。
図1に示すように、AVN装置100は、ディスクドライブ10と、信号処理部20と、表示部30と、音声出力部40と、操作部50と、音声入力部(集音マイク)60と、制御部70と、を備えて構成される。
ディスクドライブ10は、CDやDVD等のディスク状記憶媒体Mを装着可能に構成されている。具体的には、装着されたディスク状記憶媒体Mを回転するスピンドルモータ、ディスク状記憶媒体Mに記録されている情報を読み取る光ピックアップなどを備える。
信号処理部20は、ディスク状記憶媒体Mから読み出されたオーディオ情報又はビデオ情報に伸張・復号化処理を施す。
表示部30は、例えば、タッチパネル付き液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)で構成される。この表示部30では、AVN装置100の利用モード(例えば、オーディオモード、ビデオモード、ナビゲーションモード等)に対応した種々の表示が行われる。
音声出力部40は、信号処理部20で伸張・復号化されたディジタルオーディオ情報をアナログ変換するとともに、増幅してアナログオーディオ信号をフロントスピーカFS及びリアスピーカRSに出力する。
ここで、図2に示すように、フロントスピーカFSは、例えば、運転席210R側のフロントドア側部と、助手席210L側のフロンドア側部に設けられている。一方、リアスピーカRSは、例えば、後部座席220側の左右のリアドア側部に設けられている。
また、音声出力部40は、第1音源に基づく音声信号をフロントスピーカFSに出力するとともに、第2音源に基づく音声信号をリアスピーカRSに出力可能に構成される。ここで、第1音源及び第2音源は、例えば、ディスクドライブ10に装着されるオーディオCDに記録されているオーディオ情報であり、通常は、第1音源と第2音源は同じとなる。ただし、ディスクドライブ10及び信号処理部20の構成よっては、フロントスピーカFSからオーディオCDの再生音声を出力させ、リアスピーカRSからDVDの再生音声を出力させる、すなわち第1音源と第2音源を異なる音源とすることもできる。
一方、例えば後部座席側の消音設定がなされた場合には、フロントスピーカFSからは第1音源としてのオーディオCDに記録されているオーディオ情報に基づく音声が出力され、リアスピーカRSからは後述する制御部70によって生成された逆位相音声信号に基づく音声が出力される。これにより、利用者は、前部座席側ではオーディオCDの再生音声を所望の音量で視聴でき、後部座席側では静音性を保持することができる。なお、消音制御処理についての詳細は後述する。
操作部50は、電源ボタンや音量ボタン、利用モードに応じた操作ボタン等の各種操作ボタンを備えて構成される。例えば、操作部50は、AVN装置100本体の枠体に設けられた操作パネル及び表示部30としてのタッチパネル付きLCDに配置された操作ボタン群により構成される。
利用者が操作部50を操作すると、操作信号が制御部70に出力され、制御部70はこの操作信号に基づいてAVN装置100の各ブロックの動作を制御する。利用者は、操作部50により所定の操作を行うことで、例えば、消音制御に関する種々の設定を入力することができる。
音声入力部60は、例えば、車室内200において実際に生じている音声を集音可能な集音マイクであり、フロントスピーカFSとリアスピーカRSの略中間に配置される。これにより、車室内200において生じる音声を的確に把握できる。
本実施形態では、車室内200の音響空間を前部座席側と後部座席側に分割し、前部座席側で生じた音声を後部座席側で消音可能に、また、後部座席側で生じた音声を前部座席側で消音可能とするために、フロントスピーカFSとリアスピーカRSの略中間位置として、前部座席と後部座席の間に音声入力部60を設けるようにしている。
この音声入力部60により車室内200の音声が集音され、後述する制御部70ではこの集音された音声に基づいて逆位相音声信号が生成される。そして、フロントスピーカFS又はリアスピーカRSから逆位相音声を出力することで、前部座席側又は後部座席側で生じた音声を効果的に消音する。
制御部70は、CPU71、ROM72、RAM73を有し、CPU71は、例えば、ROM72に格納されている制御プログラム等を実行してAVN装置100の各ブロックを駆動制御する。
具体的には、CPU71は、利用者の操作に伴い操作部50から操作信号が入力されると、ROM72に記録されたオーディオプレイヤー用の各種制御プログラムやアプリケーションプログラムなどを読み出してRAM73内のプログラム格納領域に展開し、各種処理を実行する。この処理に際して生じる各種データは、RAM73内に形成されるワークエリア(データ格納領域)に一時的に記憶される。
本実施形態では、制御部70は、音声入力部60から入力された音声信号の極性を反転させた逆位相音声信号を生成する。この逆位相音声信号は、例えば、利用者によって予め設定された消音設定にしたがって生成される。
また、制御部70は、音声出力部40からフロントスピーカFS又はリアスピーカRSの何れか一方に(利用者によって設定される)、ディスクドライブ10に装着された、例えばオーディオCDに記録されたオーディオ情報に基づく音声信号を出力させ、他方に前記逆位相音声信号を出力させる。
つまり、例えば前部座席側で生じた音声(フロントスピーカFSから出力される音声を含む)が音声入力部60を通過して後部座席に到達するまでに、音声入力部60で集音された音声に基づいて生成された逆位相音声信号がリアスピーカRSに出力され、リアスピーカRSから逆位相音声が出力されるので、後部座席近傍(例えば、図2の網掛け領域)では前部座席側で生じた音声は消音されることとなる。
次に、本実施形態のAVN装置100において実行される消音設定処理及び消音制御処理について説明する。なお、この消音設定処理及び消音制御処理は、制御部70によって実行される。
以下の説明において、簡単のため、逆位相音声を出力するスピーカを消音スピーカと称し、ディスクドライブ10に装着された、例えばオーディオCDの再生音声を出力するスピーカを再生スピーカと称することとする。
図3は、AVN装置100における消音設定処理の一例を示すフローチャートである。また、図4は、消音設定の一例を示す説明図である。例えば、表示部30としてのタッチパネル付きLCDにおいて図4に示す画面を表示させ、利用者が操作部50としてのタッチパネルを操作・選択することによって各種設定が行われる。なお、この設定方法は一例であり、特に制限されるものではない。
図4では、消音制御のための各項目において選択された設定を網掛けで示している。なお、この消音設定処理は、後述する消音制御処理を実行するための初期設定を行うための処理である。
図3において、まず、ステップS101では、後述する消音制御処理において逆位相音声を出力させる消音スピーカを設定する。利用者は、例えば、前部座席における静音性を要求する場合は消音スピーカとして「フロントスピーカ」を選択し、後部座席における静音性を要求する場合は消音スピーカとして「リアスピーカ」を選択する。図4では、消音スピーカとして「リアスピーカ」が設定されたことを示している。
ステップS102では、制御部70によって逆位相音声信号を生成するときの対象とする音源を設定する。例えば、音声入力部60から入力された音声信号をもとに逆位相音声信号を生成する場合は対象音源として「音声入力部」を設定し、ディスクドライブ10に装着された、例えばオーディオCDに記録されているオーディオ情報をもとに逆位相音声信号を生成する場合は対象音源として「ディスクドライブ」を設定する。図4では、対象音源として「音声入力部」が設定されたことを示している。
本発明は、音声入力部60から入力された音声信号をもとに逆位相音声信号を生成し、出力することを特徴とするが、再生スピーカから出力される音声だけを消音して、会話等の音声は消音させたくない場合もあるので、逆位相音声信号を生成する音源を選択できるようにしている。再生スピーカから出力される音声だけを消音する場合は、再生音源(ここでは、オーディオCDに記録されているオーディオ情報)に基づいて逆位相音声信号を生成することで、再生音声を効果的に消音することができる。
ステップS103では、再生スピーカから出力される音声のモードを選択する。例えば、再生スピーカからステレオ音声を出力させる場合は「ステレオ」を設定し、モノラル音声を出力させる場合は「モノラル」を設定する。図4では、音声モードとして「モノラル」が設定されたことを示している。
再生スピーカから出力される音声のモードにかかわらず、音声入力部60から入力される音声信号はモノラル信号となるが、再生スピーカから出力される音声がモノラル音声かステレオ音声かによって、音声入力部60から入力される音声信号の波形の複雑さは異なる。すなわち、再生スピーカから出力される音声がモノラル音声である場合に、精度よく逆位相音声信号を生成できるので、より高い消音効果を期待できる。そこで、再生スピーカら出力される音声のモードを設定できるようにしている。
ステップS104では、後述する消音制御処理において消音させる音声の周波数帯を設定する。つまり、本実施形態では、利用者が特に不快に感じる音声(例えば、低音)だけを選択的に消音できるようにしている。
例えば、中心周波数が100Hzの低周波数帯の音声を消音したいときは「BASS」を設定し、中心周波数が1kHzの中低周波数帯の音声を消音したいときは「MID−BASS」を設定し、中心周波数が10kHzの高周波数帯の音声を消音したいときは「TREBLE」を設定し、全周波数帯の音声を消音したいときは「ALL」を設定する。図4では、周波数帯として「BASS」が設定されたことを示している。
ステップS101〜S104の消音設定処理により、後述する消音制御処理を行うための初期設定が完了する。後述する消音制御処理では、この初期設定にしたがって逆位相音声信号を生成する際の信号処理や、生成された逆位相音声信号の出力が制御されることとなる。
図5は、AVN装置100における消音制御処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS201では、操作部50からの操作信号(例えば、消音ボタンの操作を示す信号)に基づいて、消音指示がなされたか判定する。そして、ステップS201で消音指示があったと判定した場合はステップS202に移行し、消音指示がないと判定した場合は処理を終了する。
まず、ステップS201では、操作部50からの操作信号(例えば、消音ボタンの操作を示す信号)に基づいて、消音指示がなされたか判定する。そして、ステップS201で消音指示があったと判定した場合はステップS202に移行し、消音指示がないと判定した場合は処理を終了する。
ステップS202では、音声入力部(集音マイク)60から音声を取得する。なお、図3の消音設定処理により、対象音源として「ディスクドライブ」が選択された場合は、このステップS202の処理は省略される。
次いで、ステップS203では、図3の消音設定処理によって設定された消音設定にしたがって逆位相音声信号を生成する。
例えば、図3の消音設定処理により図4に示す消音設定がなされた場合、対象音源として「音声入力部」が選択されているので、音声入力部60から入力された音声信号に基づいて逆位相音声信号が生成されることとなる。
例えば、図3の消音設定処理により図4に示す消音設定がなされた場合、対象音源として「音声入力部」が選択されているので、音声入力部60から入力された音声信号に基づいて逆位相音声信号が生成されることとなる。
また、周波数帯として「BASS」が設定されているので、低周波数帯の音声だけを消音させるための逆位相音声信号が生成されることとなる。つまり、音声入力部60から入力された所定の周波数帯の音声信号の極性を反転させた逆位相音声信号を生成する。これにより、利用者は、特に不快に感じる音声(例えば、低音)だけを選択的に消音させることができる。
ステップS204では、ステップS203で生成された逆位相音声信号を選択された消音スピーカに出力し、消音スピーカから逆位相音声を出力させる。例えば、図4に示す消音設定がなされた場合、消音スピーカとして「リアスピーカ」が選択されているので、リアスピーカRSから逆位相音声を出力させる。これにより、図2に示すような、後部座席近傍の静音性を保持した消音効果が得られる。
また、このとき、消音スピーカから出力する逆位相音声の音量(出力レベル)は、一般的な出力音量の調整と同様に、音量ボタン(音量つまみ)によって調整することができる。例えば、消音効果を大きくしたい場合は逆位相音声の音量を大きくし、消音効果を小さくしたい場合は逆位相音声の音量を小さくすればよい。
また、消音効果を最大とする逆位相音声の音量を容易に設定することも可能となる。さらに、リアスピーカRSから逆位相音声を出力する場合、逆位相音声の音量を大きくしすぎると前部座席における音響に影響を与えてしまう虞があるが、逆位相音声の音量を調整することでこの問題を極力回避することができる。
また、消音効果を最大とする逆位相音声の音量を容易に設定することも可能となる。さらに、リアスピーカRSから逆位相音声を出力する場合、逆位相音声の音量を大きくしすぎると前部座席における音響に影響を与えてしまう虞があるが、逆位相音声の音量を調整することでこの問題を極力回避することができる。
以上説明したように、本実施形態のAVN装置100によれば、車室内200に生じる音声を的確に把握し、運転手及び同乗者にそれぞれ所望の音響空間を提供できる。
具体的には、音声入力部(集音マイク)60から入力された音声信号の極性を反転させた逆位相音声信号を生成し、例えば、リアスピーカRSから逆位相音声を出力させることで、フロントスピーカFSから出力される音声を消音できるとともに、車室内200のフロントスピーカFS近傍で生じた会話等の音声(すなわち、フロントスピーカFS側からリアスピーカRS側に伝播する音声)も消音できるので、リアスピーカ近傍、すなわち後部座席における清音性を確保できる。逆に、フロントスピーカFSから逆位相音声を出力させる設定とすることで、リアスピーカRSから出力される音声を消音できるとともに、車室内200のリアスピーカRS近傍で生じた会話等の音声も消音できるので、フロントスピーカ近傍、すなわち前部座席における静音性を確保できる。
さらに、本実施形態では、消音スピーカから出力する逆位相音声について、周波数帯や音量の設定を変更することができるので、いろいろなタイプの消音効果を得ることができる。
図6は、車室内における消音効果の他の一例を示す説明図である。
図6では、後部座席220の左右のヘッドレスト221L、221Rに逆位相音声を出力するための専用のスピーカ(ヘッドレストスピーカ)HRSを設けている。図3の消音設定により消音スピーカとしてヘッドレストスピーカHRSが選択されると、このヘッドレストスピーカHRSから逆位相音声が出力される。このとき、後部座席220の左右のヘッドレスト221L,221R近傍という比較的狭い空間において高い消音効果が得られることとなる(例えば、図6の網掛け領域)。
図6では、後部座席220の左右のヘッドレスト221L、221Rに逆位相音声を出力するための専用のスピーカ(ヘッドレストスピーカ)HRSを設けている。図3の消音設定により消音スピーカとしてヘッドレストスピーカHRSが選択されると、このヘッドレストスピーカHRSから逆位相音声が出力される。このとき、後部座席220の左右のヘッドレスト221L,221R近傍という比較的狭い空間において高い消音効果が得られることとなる(例えば、図6の網掛け領域)。
つまり、ヘッドレストスピーカHRSは、後部座席に着座する利用者の耳元に極めて近い位置に配置されているため、逆位相音声の音量を小さくしても高い消音効果を得ることができるうえ、前部座席における音響に逆位相音声が悪影響を及ぼすのを効果的に回避できる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
上記実施形態では、ディスクドライブ10に装着されたディスク状記憶媒体Mに記録されるオーディオ情報を音源とする場合について説明したが、ディスクドライブ10の代わりに、オーディオ情報が記録されたハードディスクドライブや、フラッシュメモリ等の可搬型記憶媒体にアクセス可能な読み取り手段を備える構成としてもよいし、ラジオ/テレビ放送信号を受信可能なチューナを備える構成としてもよい。また、これらを組み合わせた構成とすることもできる。
また、上記実施形態では、音声入力部60を車室内200の略中央に設けた場合に、前部座席210L,210R側と後部座席220側における音響空間について消音効果が得られることを説明したが、音声入力部60の設置位置によっては、車室内をさらに細かい音響空間に分割し、それぞれの音響空間において所望の消音効果を得ることもできる。
例えば、運転席210Rと助手席210Lの中間に音声入力部60を設けた場合、助手席側のフロントスピーカを再生スピーカとして、運転席210R側のフロントスピーカを消音スピーカとして設定すれば、助手席側210Lでは再生音声を視聴でき、運転席210R側では静音性を保持できることとなる。
また、座席が3列或いはそれ以上となっている車室内においても、音声入力部60の設置位置と再生スピーカ及び消音スピーカの設定を適宜変更することで、所望の空間において消音効果を得ることができるものと考えられる。なお、音声入力部60の数は制限されず、複数の位置に設けて、その中から選択的に使用するようにしてもよい。
また、座席が3列或いはそれ以上となっている車室内においても、音声入力部60の設置位置と再生スピーカ及び消音スピーカの設定を適宜変更することで、所望の空間において消音効果を得ることができるものと考えられる。なお、音声入力部60の数は制限されず、複数の位置に設けて、その中から選択的に使用するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、図3の消音設定処理により消音制御のための設定を行う場合について説明したが、この初期設定(例えば、図4に示す消音設定)を予め複数登録しておき、消音制御を行う際に最適な消音設定を選択できるようにしてもよい。
さらに、消音設定及び逆位相音声の音量については自動制御(オートコントロール)できるようにしてもよい。
さらに、消音設定及び逆位相音声の音量については自動制御(オートコントロール)できるようにしてもよい。
10 ディスクドライブ
20 信号処理部
30 表示部(タッチパネル付きLCD)
40 音声出力部
50 操作部
60 音声入力部(集音マイク)
70 制御部
71 CPU
72 ROM
73 RAM
100 車載用AVN装置
M ディスク状記憶媒体
FS フロントスピーカ
RS リアスピーカ
20 信号処理部
30 表示部(タッチパネル付きLCD)
40 音声出力部
50 操作部
60 音声入力部(集音マイク)
70 制御部
71 CPU
72 ROM
73 RAM
100 車載用AVN装置
M ディスク状記憶媒体
FS フロントスピーカ
RS リアスピーカ
Claims (6)
- 第1音源に基づく音声信号を第1スピーカに出力するとともに、第2音源に基づく音声信号を第2スピーカに出力可能な音声出力部と、
前記第1スピーカ及び第2スピーカの略中間に配置され、車室内の音声を集音する音声入力部と、
前記音声入力部から入力された音声信号の極性を反転させた逆位相音声信号を生成するとともに、前記音声出力部から前記第1スピーカ又は第2スピーカに前記逆位相音声信号を出力させる制御部と、を備えることを特徴とする車載用オーディオ再生装置。 - 前記制御部は、前記音声出力部から、前記第1スピーカ又は第2スピーカの何れか一方に前記第1音源又は第2音源に基づく音声信号を出力させ、他方に前記逆位相音声信号を出力可能であることを特徴とする請求項1に記載の車載用オーディオ再生装置。
- 前記第1スピーカは車室内の前部座席側に設けられ、前記第2スピーカは後部座席側に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車載用オーディオ再生装置。
- 前記第1スピーカは前部座席のヘッドレストに設けられ、前記第2スピーカは後部座席のヘッドレストに設けられていることを特徴とする請求項3に記載の車載用オーディオ再生装置。
- 前記制御部は、前記音声入力部から入力された所定の周波数帯の音声信号の極性を反転させた逆位相音声信号を生成可能であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の車載用オーディオ再生装置。
- 前記制御部は、前記逆位相音声信号の出力レベルを調整可能であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の車載用オーディオ再生装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2007072330A JP2008233490A (ja) | 2007-03-20 | 2007-03-20 | 車載用オーディオ再生装置 |
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JP2007072330A JP2008233490A (ja) | 2007-03-20 | 2007-03-20 | 車載用オーディオ再生装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103818290A (zh) * | 2012-11-16 | 2014-05-28 | 黄金富 | 一种用于汽车司机与老板的隔声装置 |
JP5917765B2 (ja) * | 2013-02-13 | 2016-05-18 | パイオニア株式会社 | 音声再生装置、音声再生方法及び音声再生プログラム |
JP2018137912A (ja) * | 2017-02-22 | 2018-08-30 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 洗濯機のモータ駆動装置 |
CN114374914A (zh) * | 2022-03-23 | 2022-04-19 | 远峰科技股份有限公司 | 智能座舱域音场多音区控制方法、装置及电子设备 |
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2007
- 2007-03-20 JP JP2007072330A patent/JP2008233490A/ja active Pending
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