JP2008230549A - 車両の操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 異常発生時における操作手段の自由な操作を確保するとともに消費電力を低減可能なステアバイワイヤ方式の車両の操舵装置を提供すること。
【解決手段】 操舵反力付与ユニット20は、バネ反力機構23とクラッチ24を備えている。バネ反力機構23は、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して弾性反力を付与するものである。クラッチ24は、摩擦板24fによって発生する摩擦力と弾性反力に抗して入力された操作力との力学的なバランスに基づいて、機構23のケース23aのハウジング22に対する相対的な回転を許容または禁止するものである。これにより、弾性反力を付与するためにクラッチ24に対して電力を供給することがなく、無駄な電力の消費をなくすことができる。また、摩擦力以上の操作力を入力することにより、運転者は、操舵ハンドル11を自由に回動操作することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】 操舵反力付与ユニット20は、バネ反力機構23とクラッチ24を備えている。バネ反力機構23は、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して弾性反力を付与するものである。クラッチ24は、摩擦板24fによって発生する摩擦力と弾性反力に抗して入力された操作力との力学的なバランスに基づいて、機構23のケース23aのハウジング22に対する相対的な回転を許容または禁止するものである。これにより、弾性反力を付与するためにクラッチ24に対して電力を供給することがなく、無駄な電力の消費をなくすことができる。また、摩擦力以上の操作力を入力することにより、運転者は、操舵ハンドル11を自由に回動操作することができる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、運転者によって操作される操作手段と、転舵輪を転舵するための転舵手段と、前記操作手段の操作に応じた転舵力を発生するとともに同転舵力を前記転舵手段に伝達する転舵力発生手段と、前記操作手段と前記転舵手段とを連結または連結を解除する連結手段とを備えたステアバイワイヤ方式の車両の操舵装置に関する。
近年、運転者によって操作される操作手段と転舵輪を転舵する転舵手段との連結が解除されたステアバイワイヤ方式の車両の操舵装置の開発は盛んに行われている。この種の操舵装置においては、操作手段と転舵手段(すなわち転舵輪)との連結が解除されているため、操作手段(例えば、操舵ハンドル)に対して入力された操作量を検出し、この操作量に対して、操作ハンドルの操作量と転舵輪の転舵量との比すなわちゲインを加味した転舵量で転舵力発生手段(例えば、電動モータ)を作動させることによって転舵輪を転舵させることができる。これにより、転舵輪を大きく転舵させるために必要な操作ハンドルの操作量を小さくすることができ、運転時の負担を軽減することができる。
そして、このようなステアバイワイヤ方式の車両の操舵装置として、従来から、例えば、下記特許文献1に示された車両の操舵装置は知られている。この従来の車両の操舵装置は、直進操舵位置での剛性感を確保するために、ステアリングホイールを直進操舵位置に復帰させる弾力を付与する弾性部材を有する弾力付与機構を備えている。この弾力付与機構は、変位不能に固定されたストッパによって決定される操舵限界内にてステアリングホイールを直進操舵位置に復帰させる弾力を付与するようになっている。
また、従来から、例えば、下記特許文献2に示された車両用操舵装置も知られている。この従来の車両用操舵装置は、ステアリングホイールの回転に追従して移動する移動体と、この移動体と当接あるいは係合してステアリングホイールの回転を阻止する阻止体とを備えている。そして、この従来の車両用操舵装置には、阻止体の位置を移動させるアクチュエータが設けられており、アクチュエータの作動によって阻止体を移動させることにより、ステアリングホイールのロック位置を変更するようになっている。
ところで、このようなステアバイワイヤ方式の車両の操舵装置においては、上述したように、通常は操作手段と転舵手段との連結が解除されているため、例えば、転舵力発生手段の作動に異常が発生した場合には、運転者による操作手段の操作を直接的に転舵輪に伝達して転舵させる必要がある。このため、ステアバイワイヤ方式の車両の操舵装置においては、異常発生に対応するために、操作手段と転舵手段とを物理的に連結するフェールセーフ機構が設けられる場合がある。そして、このフェールセーフ機構が設けられている場合には、運転者は、操作手段をより多く操作して、物理的に連結された転舵輪を転舵させるようになる。
しかしながら、上記特許文献1,2に示された操舵装置においては、ストッパや阻止体によって、操作手段としてのステアリングホイールの操作範囲(回転範囲)が規制される可能性がある。そして、ストッパや阻止体による規制に抗してステアリングホイールを操作した場合には、操舵装置の故障を引き起こす可能性もある。
このことに関し、従来から、例えば、下記特許文献3に示されたステアリングシステムが知られている。この従来のステアリングシステムは、弾性体を備えており、ステアリングホイールの操舵位置に応じた弾性体の変形によって発生する弾性力をステアリングホイールに付与するまたは付与しない構造とされた弾性反力付与機構を備えている。そして、弾性反力付与機構は、電磁アクチュエータを備えており、この電磁アクチュエータに電力が供給された状態で弾性力をステアリングホイールに付与し、電磁アクチュエータに電力が供給されていない状態で弾性力をステアリングホイールに付与しないようになっている。
さらに、従来から、例えば、下記特許文献4に示された車両用操舵装置も知られている。この車両用操舵装置は、ステアリングホイールの回転許容量を規制する定常状態と規制しない特殊状態とに変更可能とする回転規制機構を備えている。そして、この回転規制機構は、ステアリングホイールおよび操舵軸と一体的に回転する移動片と、移動片と接触するストッパと、ストッパを定常状態または特殊状態に応じて移動させる駆動機構とから構成されている。そして、定常状態にて駆動機構に電力が供給されることにより、ストッパは移動片の回転変位を規制し、特殊状態にて駆動機構への電力の供給が遮断されることにより、ストッパは移動片の回転変位を規制しないようになっている。
特開2000−53008号公報
特開2004−249934号公報
特開2006−131007号公報
特開2005−178460号公報
ところで、上記特許文献3,4に示された装置においては、フェールセーフ機構を用いて運転者が転舵輪を直接的に転舵させる場合であっても、ステアリングホイール(操作手段)の操作が規制されることはない。すなわち、上記特許文献3に示されたステアリングシステムにおいては、異常の発生に伴い電磁アクチュエータへの電力の供給を遮断すれば、弾性力が付与されないため、運転者はステアリングホイールを自由に操作することができ、転舵輪を直接的に転舵させることができる。また、上記特許文献4に示された車両用操舵装置においても、異常の発生に伴い駆動機構への電力の供給を遮断すれば、移動片とストッパとの接触が回避されるため、運転者はステアリングホイールを自由に操作することができ、転舵輪を直接的に転舵させることができる。
しかしながら、上記特許文献3,4に示された装置においては、フェールセーフ機構を用いない場合、すなわち、例えば、転舵力発生手段が正常に作動している場合において、常に、電磁アクチュエータや駆動機構に電力を供給し続けなければならない。このため、消費電力が増大する問題がある。なお、上記特許文献4には、定常状態で電力の供給を遮断し、特殊状態で電力を供給するとの記載があるが、この場合、例えば、電力供給に異常が発生し、運転者がフェールセーフ機構を用いて転舵輪を転舵させる場合には、移動片とストッパとの接触が回避できないため、ステアリングホイールの自由な操作が阻害される。
本発明は、上記した問題に対処するためになされたものであり、その目的は、異常発生時における操作手段の自由な操作を確保するとともに消費電力を低減可能なステアバイワイヤ方式の車両の操舵装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、運転者によって操作される操作手段と、転舵輪を転舵するための転舵手段と、前記操作手段の操作に応じた転舵力を発生するとともに同転舵力を前記転舵手段に伝達する転舵力発生手段と、前記操作手段と前記転舵手段とを連結または連結を解除する連結手段とを備えたステアバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、前記操作手段の操作量に応じて弾性変形し、同弾性変形に伴って運転者による前記操作手段の操作に対して弾性反力を付与する弾性反力付与手段と、運転者によって前記操作手段が所定の操作力未満で操作されたときに前記操作手段の操作可能範囲を予め設定した設定操作可能範囲内で機械的に制限し、運転者によって前記設定操作可能範囲を超える方向に前記所定の操作力以上で前記操作手段が操作されたときに前記操作手段の操作可能範囲に対する制限を解除する制限手段とを備えたことにある。
この場合、前記制限手段は、前記連結手段によって前記操作手段と前記転舵手段とが連結されたときに、前記操作手段の操作可能範囲に対する制限を解除するとよい。そして、この場合には、前記転舵力発生手段の作動異常を検出する異常検出手段を備えており、前記連結手段は、前記異常検出手段によって前記転舵力発生手段に作動異常が発生したときに、前記操作手段と前記転舵手段とを連結するとよい。
これらによれば、弾性反力付与手段は、操作手段の操作量に応じて弾性反力を付与することができる。また、制限手段は、運転者によって操作手段が付与された弾性反力に抗して所定の操作力未満で操作されているときには、機械的にすなわち電力の供給の有無に関わらず操作手段に入力される操作力と弾性反力との力学的なバランスによって、操作手段の操作を予め設定された設定操作可能範囲内で制限することができる。一方、制限手段は、例えば、異常検出手段による検出に基づいて転舵力発生手段の作動に異常が発生しており、連結手段によって操作手段と転舵手段とが連結されている状況において、運転者によって操作手段が設定操作可能範囲を超える方向に所定の操作力以上で操作されたときには、操作手段の操作可能範囲に対する制限を解除することができる。
したがって、弾性反力を付与して操作手段の操作可能範囲を制限するために無駄な電力を消費することがなく、操舵装置全体における電力の消費を低減することができる。また、操舵装置の作動に異常が発生した状況において、運転者が設定操作可能範囲を超えて操作手段を操作するときには、所定の操作力以上で操作手段を操作することにより、操作手段の操作が阻害されることがない。したがって、運転者は、必要に応じて、操作手段を自由に操作することができる。
また、この場合、前記制限手段は、前記設定操作可能範囲を超える方向に前記所定の操作力以上で前記操作手段が操作されたときに、前記操作手段の操作量の増大に伴う前記弾性反力付与手段による前記弾性反力の増大を抑制して、前記操作可能範囲の制限を解除するとよい。これによれば、制限手段が操作手段の操作可能範囲の制限を解除した後に、運転者が操作手段を操作する場合には、弾性反力付与手段によって付与される弾性反力の増大を抑制することができるため、運転者は適切な大きさの操作力により極めて容易に操作手段を操作することができる。したがって、運転者は、操作手段をより自由に操作することができる。
また、これらの場合、前記制限手段は、前記設定操作可能範囲を超える方向に前記所定の操作力以上で前記操作手段が操作されたときに、前記所定値以上の操作力によって滑りが発生するクラッチであるとよい。これによれば、簡単な構成により、所定の操作力未満の操作であれば操作手段の操作可能範囲を設定操作可能範囲内に制限することができるとともに、所定の操作力以上の操作であれば操作手段の操作可能範囲に対する制限を解除することができる。したがって、この場合においても、運転者は、操作手段を自由に操作することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記操作手段に設けられた電気アクチュエータの作動を制御し、運転者による前記操作手段の操作に対して前記電気アクチュエータによるアクチュエータ反力を付与するアクチュエータ反力付与手段を備え、前記アクチュエータ反力付与手段は、前記操作手段が前記設定操作可能範囲内で操作されているときに、前記操作手段の中立位置方向に前記電気アクチュエータによるアクチュエータ反力を付与することにもある。
これによれば、運転者によって操作手段が設定操作可能範囲内で操作されている状況、すなわち、例えば、転舵力付与手段に異常が発生しておらず、操作手段と転舵手段とが連結されていない状況においては、アクチュエータ反力付与手段が中立位置(例えば、車両を直進走行状態に維持するための操作手段の操作位置)方向にアクチュエータ反力を付与することができる。したがって、設定操作可能範囲を超えて操作手段を操作するために必要な所定の操作力を大きくすることができて、操作手段の操作可能範囲を設定操作可能範囲内で適切に制限することができる。
この場合、前記アクチュエータ反力付与手段は、前記設定操作可能範囲を決定する操作位置近傍にて前記操作手段が運転者によって操作されているときに、急峻に増大するアクチュエータ反力を付与するとよい。これによれば、運転者によって操作手段が設定操作可能範囲内で操作されている状況、すなわち、例えば、転舵力付与手段に異常が発生しておらず、操作手段と転舵手段とが連結されていない状況において、操作手段が設定操作可能範囲の終端近傍まで操作されているときには、アクチュエータ反力付与手段は、急峻に増大するアクチュエータ反力を付与することができる。したがって、設定操作可能範囲を超えて操作手段を操作するために必要な所定の操作力をより大きくすることができて、操作手段の操作可能範囲を設定操作可能範囲内でより適切に制限することができる。
以下、本発明の実施形態に係る操舵装置について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る車両の操舵装置を概略的に示した全体概略図である。
この車両の操舵装置は、運転者によって操舵操作される操舵操作装置10と、転舵輪としての左右前輪FW1,FW2を運転者の操舵操作に応じて転舵する転舵手段としての転舵装置30とを機械的に分離したステアバイワイヤ方式を採用している。操舵操作装置10は、運転者によって回動操作される操作手段としての操舵ハンドル11を備えている。操舵ハンドル11は、操舵入力軸12の上端に固定され、操舵入力軸12の下端には操舵反力付与ユニット20が接続されている。
操舵反力付与ユニット20は、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して所定の反力を付与するものであり、図1および図2に示すように、電気アクチュエータとしての操舵反力用電動モータ21を備えている。操舵反力用電動モータ21は、周知の減速機構を介して、操舵入力軸12に対してアクチュエータ反力としての所定のモータ反力を付与する。また、操舵反力付与ユニット20は、図2に示すように、例えば、車体に固定されたハウジング22に内包された弾性反力付与手段としてのバネ反力機構23を備えている。
バネ反力機構23は、ハウジング22に対して、ベアリングを介して相対回転可能とされたケース23aを備えている。ケース23aは、その内周面に固定された2個一対のベアリングを介して操舵入力軸12を回転可能に収容する。そして、ケース23a内に収容された操舵入力軸12の外周面には、操舵入力軸12と一体的に回転する移動片23bが組み付けられている。移動片23bには、操舵入力軸12の外周に配置されて一端がケース23aの内周面に固定されたストッパ23cに接続されたバネ23dの他端が当接するようになっている。これにより、移動体23bが回転移動することにより、バネ23dが捩じられて所定のバネ反力を付与するようになっている。
さらに、移動片23bには、凸部23b1が形成されており、移動片23bが操舵入力軸12とともに所定量(例えば、回転方向にて180゜)だけ移動すると、言い換えれば、操舵ハンドル11が予め設定された設定操作可能範囲内で最大操作されると、凸部23b1とストッパ23cとが当接するようになっている。そして、操舵ハンドル11が設定操作可能範囲を超えることにより、操舵入力軸12および移動片23bの回転力が凸部23b1を介してケース23aに伝達されるようになっている。なお、バネ反力機構23の態様は、特に限定されず、ハウジング22に相対回転可能に設けられたケース23aに対して操舵入力軸12の回転力がバネ23dを介して伝達されるものであれば、バネ23dを伸縮させたり、捩じったりして弾性反力を発生させる態様とすることができる。
また、操舵反力付与ユニット20は、バネ反力機構23のケース23aのハウジング22に対する相対回転を許容または禁止する制限手段としてのクラッチ24を備えている。クラッチ24は、図3に示すように、ハウジング22を介して車体に固定されたクラッチケース24aを備えている。クラッチケース24a内には電磁コイル24bが収容されており、この電磁コイル24bが、クラッチケース24aとの間に板状の弾性部材24cを介装して組み付けられた第1プレート24dを吸引または離間するようになっている。また、クラッチケース24aには、所定の間隙を有して第2プレート24eが組み付けられており、第1プレート24dと第2プレート24eとの間には、摩擦板24fが配置されている。摩擦板24fは、バネ反力機構23のケース23aの外周面に対して一体的に固定されている。
このように構成されたクラッチ24は、電力が供給されると、電磁コイル24bが励磁状態となり、第1プレート24dを板状の弾性部材24cによる弾性的な付勢力に抗してクラッチケース24aの方向に吸引する。これにより、第1プレート24dと第2プレート24eとの間の間隔が広がって摩擦板24fによる摩擦力が解除され、バネ反力機構23のケース23aがハウジング22に対して相対回転可能な状態となる。
一方、電力の供給が遮断されると、電磁コイル24bが消磁状態となり、第1プレート24dは、板状の弾性部材24cによる弾性的な付勢力によってクラッチケース24aから離間する方向に変位する。これにより、摩擦板24fが第1プレート24dと第2プレート24eとによって狭持されて所定の大きさの摩擦力を生じるようになる。ここで、摩擦板24fが第1プレート24dと第2プレート24eとによって狭持されることにより生じる摩擦力の大きさは、バネ反力機構23が発生する弾性反力の大きさよりも大きくなるように設定されている。
これにより、移動片23bに形成された凸部23b1がストッパ23cに当接するまですなわち操舵ハンドル11が設定回動操作可能範囲内で操作されるときは、ケース23aがハウジング22に対して相対的に回転することが防止されるため、バネ反力機構23は、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して弾性反力を付与する。そして、移動片23bに形成された凸部23b1がストッパ23cに当接し、さらに、クラッチ24の摩擦板24fが発生する摩擦力以上の操作力で移動片23bが回転移動すると、すなわち、操舵ハンドル11が設定回動操作可能範囲を超えて操作されると、ケース23aに操作力が伝達されて、ケース23aは摩擦板24fによる摩擦力に抗してハウジング22に対して相対的に回転するようになる。これにより、バネ反力機構23のバネ23dの弾性変形量の変化が抑制され、その結果、バネ反力機構23が付与する弾性反力が増大することが抑制される。また、ケース23aがハウジング22に対して相対的に回転することができるため、運転者は操舵ハンドル11を自由に回転すなわち多回転できるようになる。
転舵装置30は、図1に示すように、車両の左右方向に延びて配置された転舵軸31を備えている。この転舵軸31の両端には、タイロッド32a,32bおよびナックルアーム33a,33bを介して、左右前輪FW1,FW2が転舵可能に接続されている。また、転舵軸31の外周には、転舵軸31に所定の転舵力を付与する転舵力発生手段としての転舵用電動モータ34が組み付けられている。
転舵用電動モータ34は、図示省略の減速機構およびねじ送り機構を介して転舵軸31に組み付けられている。そして、運転者による操舵ハンドル11の操作に応じて、転舵用電動モータ34が所定の転舵力を発生すると、減速機構およびねじ送り機構によって電動モータ34の回転が減速されるとともに転舵軸31の軸線方向の変位に変換される。これにより、転舵軸31は、伝達された転舵力によって軸線方向に変位し、この転舵軸31の変位に伴って左右前輪FW1,FW2が左右に転舵される。
また、操舵操作装置10と転舵装置30との間には、これら装置10,30間を連結または非連結状態とする連結手段としてのバックアップ機構35が設けられている。このバックアップ機構35は、操舵システムが正常なときに、操舵操作装置10と転舵装置30との間の連結を解除し、例えば、転舵用電動モータ34の作動異常など操舵システムに異常が発生したときに、操舵操作装置10と転舵装置30とを機械的に連結する。これにより、操作システムに異常が発生したときには、運転者は操舵ハンドル11の回動操作(操作力)を転舵装置30に伝達して左右前輪FW1,FW2を左右方向に転舵できるようになっている。
このバックアップ機構35は、転舵軸31の一部に形成されたラック歯31aと噛み合うピニオンギア35aと、このピニオンギア35aに対して回転を伝達する伝達軸35bとから構成されている。そして、バックアップ機構35の伝達軸35bは、図1および図2に示すように、フレキシブルケーブルKおよび所定のクラッチ機構Hを介して、操舵入力軸12に接続されている。なお、クラッチ機構Hの作動に関しては、周知の制御方法が利用できるため、その説明を省略する。
次に、操舵反力用電動モータ21、クラッチ24および転舵用電動モータ34の作動を制御する電気制御装置40について説明する。電気制御装置40は、操舵角センサ41、操舵トルクセンサ42、転舵角センサ43および車速センサ44を備えている。
操舵角センサ41は、操舵入力軸12に組み付けられていて、操舵入力軸12すなわち操舵ハンドル11の中立位置からの回転角を検出して操舵角θ(変位量)として出力する。操舵トルクセンサ42も、操舵入力軸12に組み付けられていて、運転者によって操舵ハンドル11に入力されたトルクを検出して操舵トルクT(操作力)として出力する。転舵角センサ43は、転舵軸31の外周上にて図示しないハウジングに組み付けられていて、転舵軸31の軸線方向の変位量を検出して左右前輪FW1,FW2の実転舵角δ(実転舵量)として出力する。車速センサ44は、車速Vを検出して出力する。
なお、上述した中立位置とは、車両を直進状態に維持するための操舵ハンドル11、操舵入力軸12、転舵軸31および左右前輪FW1,FW2の位置をいう。そして操舵角θおよび実転舵角δは、中立位置にて「0」として出力され、右方向の回転角を正の値で表すとともに左方向の回転角を負の値で表す。また、操舵トルクTは、右方向に付与されるトルクを正の値で表すとともに左方向に付与されるトルクを負の値で表す。
これらのセンサ41〜44は、図1に示すように、電子制御ユニット45に接続されている。電子制御ユニット45は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とするもので、所定のプログラムの実行により操舵反力用電動モータ21、クラッチ24および転舵用電動モータ34の作動をそれぞれ制御する。電子制御ユニット45の出力側には、操舵反力用電動モータ21、クラッチ24および転舵用電動モータ34の作動を制御するための制御回路46,47,48がそれぞれ接続されている。制御回路46,47,48は、それぞれ、バッテリ50に接続されており、操舵反力用電動モータ21、クラッチ24および転舵用電動モータ34に対して所定の駆動電流を供給することによって作動を制御するようになっている。
次に、上記のように構成した実施形態に係る操舵装置の作動について説明する。運転者によって図示しないイグニッションスイッチがオン状態とされると、電子制御ユニット45は、モータ反力を付与する操舵反力用電動モータ21の作動基準位置と弾性反力を付与するバネ反力機構23の作動基準位置とを一致させる。すなわち、電子制御ユニット45は、まず、操舵角センサ41によって検出された操舵角θが操舵ハンドル11の中立位置を表す所定の範囲内にあるときに、制御回路46を制御して、モータ反力が略「0」となる操舵反力用電動モータ21の回転位置を作動基準位置として設定する。次に、電子制御ユニット45は、制御回路47を制御して、クラッチ24の電磁コイル24bに所定の電力を供給し、電磁コイル24bを励磁状態とする。これにより、上述したように、バネ反力機構23のケース23aが車体に固定されたハウジング22対して相対回転可能な状態となり、その結果、バネ23dによって付与される弾性反力が略「0」となる。そして、この状態において、電子制御ユニット45は、ふたたび、クラッチ24の電磁コイル24bへの電力の供給を遮断してバネ反力機構23のケース23aのハウジング22(詳しくは、車体)に対する相対回転を禁止することにより、操舵反力用電動モータ21とバネ反力機構22の作動基準位置を一致させる。
また、電子制御ユニット45は、図示しないイグニッションスイッチがオン状態とされると、操作システムの作動チェック、より詳しくは、転舵用電動モータ34の作動チェックを繰り返し実行する。すなわち、電子制御ユニット45は、図示しない予め設定されたチェックプログラムを実行し、制御回路48を制御して、例えば、転舵用電動モータ34に流れる駆動電流値を監視する。そして、この転舵用電動モータ34に流れる駆動電流値に基づいて同電動モータ34の作動が正常であれば、電子制御ユニット45は、バックアップ機構35による操舵操作装置10と転舵装置30との機械的な連結を解除する。一方、転舵用電動モータ34に流れる駆動電流値に基づいて同電動モータ34の作動に異常が発生していれば、電子制御ユニット45は、バックアップ機構35による操舵操作装置10と転舵装置30との機械的な連結を維持するようになっている。
このように、転舵用電動モータ34の作動チェックにより、同電動モータ34の作動が正常であり、バックアップ機構35による連結が解除された状態において、電子制御ユニット45は、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に応じて、操舵反力用電動モータ21および転舵用電動モータ34を通常の作動態様で制御する。以下、この通常の作動態様を説明する。
電子制御ユニット45は、操舵角センサ41から出力された検出操舵角θを入力すると、同入力した検出操舵角θに基づいて、図4に示す変化特性を有する目標反力を決定する。すなわち、電子制御ユニット45は、検出操舵角θと予め設定された所定の関係となるように、検出操舵角θに対する目標反力を決定する。ここで、決定される目標反力は、操舵反力用電動モータ21によって付与されるモータ反力とバネ反力機構23によって付与される弾性反力とを互いに加算したものとなる。したがって、電子制御ユニット45は、目標反力から弾性反力分を減じた反力が操舵反力用電動モータ21によって付与されるように、同電動モータ21に対して、制御回路46を介して所定の駆動電流を供給する。これにより、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に応じた目標反力が付与され、運転者は、この付与された目標反力を知覚しながら、操舵ハンドル11を回動操作できる。
また、電子制御ユニット45は、操舵角センサ41から出力された検出操舵角θを入力すると、同入力した検出操舵角θに応じた左右前輪FW1,FW2の目標転舵角δdを、例えば、下記式1に従って計算する。
δd=θ・G …式1
ここで、前記式1中のGは、操舵角θに対する転舵角δの比すなわち操舵ゲインである。ここで、操舵ゲインGは、図5に示すように、車速センサ44によって検出された車速Vに応じて、その大きさが変化するように決定される。すなわち、車速Vが小さい場合には、操舵ゲインGは大きく設定されるため、前記式1に従い検出操舵角θに対して大きな目標転舵角δdが計算される。また、車速Vが大きい場合には、操舵ゲインGは小さく設定されているため、前記式1に従い検出操舵角θに対して小さな目標転舵角δdが計算される。
δd=θ・G …式1
ここで、前記式1中のGは、操舵角θに対する転舵角δの比すなわち操舵ゲインである。ここで、操舵ゲインGは、図5に示すように、車速センサ44によって検出された車速Vに応じて、その大きさが変化するように決定される。すなわち、車速Vが小さい場合には、操舵ゲインGは大きく設定されるため、前記式1に従い検出操舵角θに対して大きな目標転舵角δdが計算される。また、車速Vが大きい場合には、操舵ゲインGは小さく設定されているため、前記式1に従い検出操舵角θに対して小さな目標転舵角δdが計算される。
そして、電子制御ユニット45は、左右前輪FW1,FW2が前記計算した目標転舵角δdとなるように、制御回路48を介して転舵用電動モータ34の回転を駆動制御する。具体的には、電子制御ユニット45は、転舵角センサ43によって検出される実転舵角δが計算した目標転舵角δdと一致するまで、転舵用電動モータ34に対して所定の駆動電流を供給する。これにより、転舵軸31に所定の転舵力が伝達され、左右前輪FW1,FW2が計算された目標転舵角δdに転舵される。したがって、運転者は、低速走行時においては小さな操舵ハンドル11の回動操作量で左右前輪FW1,FW2を大きく転舵させることができ、中・高速走行時においては操舵ハンドル11の回動操作に対して左右前輪FW1,FW2を緩やかに転舵させることができて、車両を容易に旋回させることができる。
ところで、上述したように、ステアバイワイヤ方式を採用した車両の操舵装置においては、運転者による操舵ハンドル11の回動操作可能範囲を制限して、言い換えれば、一般的な車両に比して小さな操舵ハンドル11の回動操作によって、車両を容易に旋回させることができる。ここで、操舵ハンドル11の回動操作可能範囲を制限するにあたり、電子制御ユニット45は、図4の変化特性に示すように、通常の作動態様における操舵ハンドル11の設定回動操作可能範囲を決定する左右方向の終端位置(すなわち、エンド位置)近傍で、大きな反力が付与されるように、操舵反力用電動モータ21によって付与されるモータ反力を大きくする。
具体的に説明すると、電子制御ユニット45は、操舵角センサ41から検出操舵角θを入力し、この入力した検出操舵角θに基づいて、運転者による操舵ハンドル11の回動操作位置が通常の作動態様において予め設定されたエンド位置の近傍まで操作されているか否かを判定する。この判定により、運転者によって操舵ハンドル11がエンド位置の近傍まで回動操作されていれば、電子制御ユニット45は、制御回路46を介して、操舵反力用電動モータ21を駆動させて、操舵ハンドル11がエンド位置を越える方向に回動操作されない程度の大きなモータ反力を付与させる。これにより、運転者は、通常の作動態様において、設定回動操作可能範囲内で操舵ハンドル11を回動操作することができて、小さな操舵ハンドル11の回動操作量で車両を容易に旋回させることができる。
一方、転舵用電動モータ34の作動チェックにより、同電動モータ34の作動に異常が発生している状態において、電子制御ユニット45は、操舵反力用電動モータ21および転舵用電動モータ34の作動を停止させる。そして、電子制御ユニット45は、バックアップ機構35によって操舵操作装置10と転舵装置30とを機械的に連結させる。これにより、運転者は、操舵ハンドル11を回動操作することにより、直接的に左右前輪FW1,FW2を転舵させる。
そして、この状態においては、転舵用電動モータ34によって左右前輪FW1,FW2が転舵されないため、左右前輪FW1,FW2を転舵させて車両を旋回させるために、運転者は、通常の作動態様の場合に比して、操舵ハンドル11をより多く回動させて左右前輪FW1,FW2を転舵させて車両を旋回させる必要がある。
ところで、上述したように、バネ反力機構23においては、一端部がケース23aに固定されるとともに他端部が移動片23bと当接するバネ23dが操舵入力軸12の回転に伴って捩じられることにより、弾性反力を発生する。そして、バネ反力機構23のケース23aは、クラッチ24の摩擦板24fによる摩擦力によってハウジング22(すなわち車体)に対して相対回転不能に維持される。これにより、図6に示すように、運転者が操舵ハンドル11を設定回動操作可能範囲内すなわち通常時のエンド位置までの間で回動操作するとバネ反力機構23による弾性反力が付与される。
そして、運転者が操舵ハンドル11を、設定回動操作可能範囲すなわち通常時のエンド位置を超える方向に摩擦力以上の操作力で回動操作すると、操舵入力軸12と一体的に回転する移動片23bに形成された凸部23b1とケース23a内に一体的に固設されたストッパ23cとが当接し、ケース23aは摩擦板24fによる摩擦力に抗して操舵入力軸12と一体的に回転するようになる。すなわち、クラッチ24において、第1プレート24dおよび第2プレート24eと摩擦板24fとの間で滑りが発生することにより、ケース23aはハウジング22に対して相対的に回転することができる。これにより、ケース23aがハウジング22に対して相対的に回転することができ、図6に示すように、バネ反力の増大が防止される。そして、このようにバネ反力の増大が防止されることにより、運転者は、クラッチ24の摩擦板24fによる摩擦力以上の操作力で運転者は車両を旋回させるために必要な分だけ操舵ハンドル11を多く回動操作することができる。
以上の説明からも理解できるように、この実施形態によれば、操舵反力用電動モータ21は、通常の作動態様、すなわち、転舵用電動モータ34の作動に異常が発生しておらず、バックアップ機構35によって操舵操作装置10と転舵装置30とが連結されていない状況においては、中立位置方向にモータ反力を付与することができる。したがって、設定回動操作可能範囲を超えて操舵ハンドル11を操作するために必要な所定の操作力を大きくすることができ、また、クラッチ24の滑りを小さくすることができて、操舵ハンドル11の回動操作可能範囲を設定回動操作可能範囲内で適切に制限することができる。さらに、操舵反力用電動モータ21は、エンド位置近傍にて急峻に増大するモータ反力を付与することもできる。したがって、設定回動操作可能範囲を超えて操舵ハンドル11を操作するために必要な所定の操作力をより大きくすることができて、操舵ハンドル11の回動操作可能範囲を設定回動操作可能範囲内でより適切に制限することができる。
また、この通常の作動態様であるときには、バネ反力機構23が弾性反力を付与するために、クラッチ24の電磁コイル24bに対して電力を供給する必要がない。したがって、無駄な電力を消費することがなく、操舵装置全体における電力の消費を低減することができる。
また、クラッチ24は、転舵用電動モータ34の作動に異常が発生しており、バックアップ機構35によって操舵操作装置10と転舵装置30とが連結されている状況において、運転者によって操舵ハンドル11が設定回動操作可能範囲を超える方向に摩擦力以上の操作力で操作されたときには、操舵ハンドル11の回動操作可能範囲に対する制限を解除することができる。これにより、操舵システムに異常が発生した状況において、運転者が設定回動操作可能範囲を超えて操舵ハンドル11を操作するときには、摩擦力以上の操作力で操作することにより、操舵ハンドル11の操作が阻害されることがない。したがって、運転者は、必要に応じて、操舵ハンドル11を自由に操作することができる。
また、摩擦力以上の操作力が入力されることによってクラッチ24に滑りが生じると、バネ反力機構23によって付与される弾性反力の増大を抑制することができる。このため、運転者は適切な大きさの操作力により極めて容易に操舵ハンドル11を操作することができ、運転者は、操舵ハンドル11をより自由に操作することができる。
本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、制限手段としてバネ反力機構23の中立位置を調整するクラッチ24を利用し、操舵入力軸12およびバネ反力機構23のバネ23dを介してケース23aに入力される操作力とクラッチ24の摩擦部材24fによる摩擦力との力学的なバランスに基づいて、設定か回動操作可能範囲を決定するように実施した。しかし、バネ反力機構23のケース23aに作用する力学的なバランスに基づいて設定回動操作可能範囲を決定できるものであれば、例えば、カム機構など、いかなるものを採用してもよい。この場合であっても、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
また、上記実施形態においては、操舵操作装置10と転舵装置30との間に設けられるバックアップ機構35をフレキシブルケーブルKを用いて構成して実施した。これにより、操作装置の車両への搭載性を良好に確保しつつ、異常発生時に運転者による操舵ハンドル11の回動操作を転舵装置30に確実に伝達できるようにした。しかし、フレキシブルケーブルKに代えて、例えば、剛性を有するシャフトを用いてもよいし、その他、運転者による操舵ハンドル11の回動操作を転舵装置30に伝達できるものであれば、いかなるものを用いてもよい。これによっても、異常発生時に運転者による操舵ハンドル11の回動操作を転舵装置30に確実に伝達することができる。
また、上記実施形態においては、操舵システムに発生する異常として転舵用電動モータ34に作動異常が発生した場合を例示して実施したが、操舵反力用電動モータ21の作動異常や、電子制御ユニット45の異常、電力供給の遮断などが発生した場合にも、バックアップ機構35によって操舵操作装置10と転舵装置30とを連結するようにして実施してもよい。この場合、操舵反力用電動モータ21の作動に異常が発生したときには、例えば、転舵用電動モータ34を適宜駆動制御して、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対してモータ反力を付与するようにするとよい。また、転舵用電動モータ34の作動異常を含む操舵装置の異常が発生していない場合であっても、必要に応じて、操舵操作装置10と転舵装置30とを連結するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、車両を操舵するために回動操作される操舵ハンドル11を用いるようにした。しかし、これに代えて、例えば、直線的に変位するジョイスティックタイプの操舵ハンドルを用いてもよいし、その他、運転者によって操作されるとともに車両に対する操舵を指示できるものであれば、いかなるものを用いてもよい。
さらに、上記実施形態においては、転舵用電動モータ34が転舵軸31に組み付けられており、この転舵軸31をリニアに変位させることによって、左右前輪FW1,FW2を転舵するようにした。しかしながら、これに代えて、転舵軸31のラック歯31aに噛み合うピニオンギアを下端に固定した転舵入力軸を設け、この転舵入力軸に対して転舵用電動モータ34が回転を伝達するようにしてもよい。
FW1,FW2…左右前輪、10…操舵操作装置、11…ハンドル、12…操舵入力軸、13…反力アクチュエータ、20…操舵反力付与ユニット、21…操舵反力用電動モータ、22…ハウジング、23…バネ反力機構、23a…ケース、23b…移動片、23c…ストッパ、23d…バネ、24…クラッチ、24a…クラッチケース、24b…電磁コイル、24c…弾性部材、24d…第1プレート、24e…第2プレート、24f…摩擦板、30…転舵装置、31…転舵軸、34…操舵用電動モータ、35…バックアップ機構、40…電気制御装置、45…電子制御ユニット、46,47,48…制御回路
Claims (7)
- 運転者によって操作される操作手段と、転舵輪を転舵するための転舵手段と、前記操作手段の操作に応じた転舵力を発生するとともに同転舵力を前記転舵手段に伝達する転舵力発生手段と、前記操作手段と前記転舵手段とを連結または連結を解除する連結手段とを備えたステアバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、
前記操作手段の操作量に応じて弾性変形し、同弾性変形に伴って運転者による前記操作手段の操作に対して弾性反力を付与する弾性反力付与手段と、
運転者によって前記弾性反力に抗して前記操作手段が所定の操作力未満で操作されたときに前記操作手段の操作可能範囲を予め設定した設定操作可能範囲内で機械的に制限し、運転者によって前記設定操作可能範囲を超える方向に前記所定の操作力以上で前記操作手段が操作されたときに前記操作手段の操作可能範囲に対する制限を解除する制限手段とを備えたことを特徴とする車両の操舵装置。 - 請求項1に記載した車両の操舵装置において、
前記制限手段は、
前記設定操作可能範囲を超える方向に前記所定の操作力以上で前記操作手段が操作されたときに、前記操作手段の操作量の増大に伴う前記弾性反力付与手段による前記弾性反力の増大を抑制して、前記操作可能範囲の制限を解除することを特徴とする車両の操舵装置。 - 請求項1または請求項2に記載した車両の操舵装置において、
前記制限手段は、
前記設定操作可能範囲を超える方向に前記所定の操作力以上で前記操作手段が操作されたときに、前記所定値以上の操作力によって滑りが発生するクラッチであることを特徴とする車両の操舵装置。 - 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか一つに記載した車両の操舵装置において、
前記制限手段は、
前記連結手段によって前記操作手段と前記転舵手段とが連結されたときに、前記操作手段の操作可能範囲に対する制限を解除することを特徴とする車両の操舵装置。 - 請求項4に記載した車両の操舵装置において、
前記転舵力発生手段の作動異常を検出する異常検出手段を備えており、
前記連結手段は、前記異常検出手段によって前記転舵力発生手段に作動異常が発生したときに、前記操作手段と前記転舵手段とを連結することを特徴とする車両の操舵装置。 - 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか一つに記載した車両の操舵装置において、
さらに、前記操作手段に設けられた電気アクチュエータの作動を制御し、運転者による前記操作手段の操作に対して前記電気アクチュエータによるアクチュエータ反力を付与するアクチュエータ反力付与手段を備え、
前記アクチュエータ反力付与手段は、
前記操作手段が前記設定操作可能範囲内で操作されているときに、前記操作手段の中立位置方向に前記電気アクチュエータによるアクチュエータ反力を付与することを特徴とする車両の操舵装置。 - 請求項6に記載した車両の操舵装置において、
前記アクチュエータ反力付与手段は、
前記設定操作可能範囲を決定する操作位置近傍にて前記操作手段が運転者によって操作されているときに、急峻に増大するアクチュエータ反力を付与することを特徴とする車両の操舵装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007076397A JP2008230549A (ja) | 2007-03-23 | 2007-03-23 | 車両の操舵装置 |
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JP2007076397A JP2008230549A (ja) | 2007-03-23 | 2007-03-23 | 車両の操舵装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013001183A (ja) * | 2011-06-14 | 2013-01-07 | Jtekt Corp | 車両用操舵装置 |
WO2017043537A1 (ja) * | 2015-09-11 | 2017-03-16 | Ntn株式会社 | 車両用操舵装置 |
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- 2007-03-23 JP JP2007076397A patent/JP2008230549A/ja active Pending
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