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JP2008222937A - 重合体及びそれを用いた感光性樹脂組成物 - Google Patents

重合体及びそれを用いた感光性樹脂組成物 Download PDF

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JP2008222937A
JP2008222937A JP2007065919A JP2007065919A JP2008222937A JP 2008222937 A JP2008222937 A JP 2008222937A JP 2007065919 A JP2007065919 A JP 2007065919A JP 2007065919 A JP2007065919 A JP 2007065919A JP 2008222937 A JP2008222937 A JP 2008222937A
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Shigeto Asano
重人 浅野
Takashi Chiba
隆 千葉
Akio Saito
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Abstract

【課題】高膜厚塗布が可能であるとともに、アルカリ現像が可能で、解像性が高く、硬化後の残留応力が小さく、耐溶剤性、熱衝撃性、密着性等の諸特性に優れた硬化物を調製可能な感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される構造を有する繰り返し単位(Rは、4価の脂環式炭化水素基、又は炭素数1〜4のアルキル基を有する4価のアルキル脂環式炭化水素基を示し、Aは、所定の2価の基を示す)と、下記一般式(2)で表される構造を有する繰り返し単位(Rは、前記一般式(1)中のRと同義であり、Bは、水酸基を有する2価の基を示す)と、を有する重合体である。
Figure 2008222937

【選択図】なし

Description

本発明は、半導体素子の層間絶縁膜(パッシベーション膜)、表面保護膜(オーバーコート膜)、高密度実装基板用絶縁膜等に用いられる感光性樹脂組成物、及びこのような感光性樹脂組成物に使用される重合体に関する。
従来、電子機器の半導体素子に用いられる表面保護膜、層間絶縁膜等には耐熱性や機械的特性等に優れたポリイミド系樹脂が広く使用されている。また、半導体素子の高集積化によって膜形成精度の向上のために感光性を付与した感光性ポリイミド系樹脂が種々提案されている。例えば、特許文献1には、アクリル側鎖を有する芳香族ポリイミド前駆体を用いた感光性組成物が開示されている。しかしながら、特許文献1で開示された感光性組成物を用いた系は、光透過率の問題から高膜厚には対応できないのみならず、硬化後の残留応力が大きく、更に、溶剤現像のために環境や安全への問題もあった。
これらの問題を解決するために、従来から多数の提案がなされている。例えば、特許文献2には、アルカリ現像可能なポジ型感光性ポリイミド組成物が提案されている。しかしながら、硬化後の残留応力や耐溶剤性に問題があった。また、特許文献3には、アルカリ現像可能なネガ型感光性ポリイミド組成物が提案されている。しかしながら、塗布性に問題があり、解像度が低く実用には耐えなかった。その他にも多数の特許が出願されているが、半導体素子の高集積化、薄型化等による要求特性を十分に満足することが困難になっている。特に、硬化後の残留応力が大きいことによる半導体素子の反りが無視できなくなってきており、工業的には使用し難いという問題が指摘されている。
特開昭63−125510号公報 特開平3−209478号公報 特開2000−26603号公報
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、高膜厚塗布が可能であるとともに、アルカリ現像が可能で、解像性が高く、硬化後の残留応力が小さく、耐溶剤性、熱衝撃性、密着性等の諸特性に優れた硬化物を調製可能な感光性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、以下の構成とすることによって、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示す重合体、感光性組成物、及び硬化膜が提供される。
[1]下記一般式(1)で表される構造を有する繰り返し単位と、下記一般式(2)で表される構造を有する繰り返し単位と、を有する重合体。
Figure 2008222937
前記一般式(1)中、Rは、4価の脂環式炭化水素基、又は炭素数1〜4のアルキル基で置換されたアルキル脂環式炭化水素基を示す(但し、Rが前記アルキル脂環式炭化水素基である場合には、同一のアルキル基から同時に二以上置換された4価の基を除く)。また、Aは、下記一般式(3)で表される2価の基を示す。
Figure 2008222937
前記一般式(2)中、Rは、前記一般式(1)中のRと同義であり、Bは、水酸基を有する2価の基を示す。
Figure 2008222937
前記一般式(3)中、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を示し、mは、1〜10の整数を示し、nは、1〜30の整数を示す。
[2]前記一般式(3)中、n=1である前記[1]に記載の重合体。
[3](A)前記[1]又は[2]に記載の重合体、(B)感光性酸発生剤、及び(C)架橋剤、を含有する感光性樹脂組成物。
[4]前記(C)架橋剤が、アルコキシアルキル化されたアミノ基を有する化合物である前記[3]に記載の感光性樹脂組成物。
[5]前記[3]又は[4]に記載の感光性樹脂組成物を用いて形成される硬化膜。
本発明の重合体は、高膜厚塗布が可能であるとともに、アルカリ現像が可能で、解像性が高く、硬化後の残留応力が小さく、耐溶剤性、熱衝撃性、密着性等の諸特性に優れた硬化物を調製可能な感光性樹脂組成物を提供できるといった効果を奏するものである。
本発明の感光性樹脂組成物は、高膜厚塗布が可能であるとともに、アルカリ現像が可能で、解像性が高く、硬化後の残留応力が小さく、耐溶剤性、熱衝撃性、密着性等の諸特性に優れた硬化物を得ることができるといった効果を奏するものである。また、本発明の感光性樹脂組成物は、表面保護膜用途、層間絶縁膜用途、及び高密度実装基板用絶縁膜用途に適したものである。
本発明の硬化膜は、耐溶剤性、熱衝撃性、密着性等の諸特性に優れたものであり、表面保護膜、層間絶縁膜、及び高密度実装基板用絶縁膜等として好適である。
以下、本発明の実施の最良の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
1.(A)重合体:
前記一般式(1)及び(2)中のRは、4価の脂環式炭化水素基、又は炭素数1〜4のアルキル基を有する4価のアルキル脂環式炭化水素基である。但し、Rが「4価のアルキル脂環式炭化水素基」である場合には、この「4価のアルキル脂環式炭化水素基」には、同一のアルキル基から同時に二以上置換された4価の基は含まれない。これらの4価の脂環式炭化水素基及び4価のアルキル脂環式炭化水素基は、具体的には、脂環式炭化水素やアルキル脂環式炭化水素等の母骨格(炭素骨格)の4つの水素が置換された基である。
脂環式炭化水素の具体例としては、単環式炭化水素、二環式炭化水素、及び三環式以上の炭化水素等を挙げることができる。
単環式炭化水素の具体例としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロオクタン等を挙げることができる。二環式炭化水素としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン等を挙げることができる。また、三環式以上の炭化水素としては、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−4−エン、アダマンタン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン等を挙げることができる。
アルキル脂環式炭化水素の具体例としては、上記の脂環式炭化水素を、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基で置換したもの等を挙げることができる。
上記の単環式炭化水素及びアルキル脂環式炭化水素の具体例のなかでも、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン、メチルシクロペンタン等が好ましい。
として特に好ましいのは、
Figure 2008222937
である。
前記一般式(1)中のAは、前記一般式(3)で表される2価の基である。また、前記一般式(3)中のRは、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基である。炭素数1〜3のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基を挙げることができる。なかでも、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基が更に好ましい。また、「置換基を有してもよいアリール基」の「アリール基」具体例としては、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。なかでも、フェニル基が好ましい。置換基を有するアリール基の具体例としては、上記「アリール基」の水素が、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等で置換された基を挙げることができる。なかでも、メチル基又はヒドロキシル基で置換された基が好ましい。
前記一般式(3)中のmは、1〜10の整数であり、好ましくは1〜7の整数、更に好ましくは1〜5の整数である。また、前記一般式(3)中のnは、1〜30の整数であり、好ましくは1〜20の整数、更に好ましくは1〜15の整数である。なお、前記一般式(3)中、n=1であることが最も好ましい。
前記一般式(2)中のBは、水酸基を有する2価の基である。Bの具体例としては、
Figure 2008222937
等の水酸基を1つ有する2価の基、
Figure 2008222937
等の水酸基を2つ有する2価の基、
Figure 2008222937
等の水酸基を3つ有する2価の基、及び
Figure 2008222937
等の水酸基を4つ有する2価の基等を挙げることができる。これらのうち、水酸基を2つ有する2価の基が好ましく、
Figure 2008222937
が更に好ましい。
本発明の(A)重合体は、通常、下記一般式(4)で表されるモノマー(以下、「モノマー4」ともいう)、下記一般式(5)で表されるモノマー(以下、「モノマー5」ともいう)、及び下記一般式(6)で表されるモノマー(以下、「モノマー6」ともいう)を重合溶剤中で反応させてポリアミド酸を合成し、更にイミド化反応を行うことにより得ることができる。ポリアミド酸の合成手順は、一般的には、以下の二種類の方法が知られている。即ち、(1)モノマー5とモノマー6とを重合溶剤に溶解し、モノマー4を反応させる方法と、(2)モノマー4を重合溶剤に溶解した後、モノマー5を反応させ、更にモノマー6を反応させる方法である。いずれの方法を用いてもよいが、モノマー5の反応性が高い場合には(1)の方法で、モノマー5の反応性が低い場合には(2)の方法で反応させることが好ましい。なお、(A)重合体は、前記一般式(1)及び(2)で示される構造を有する繰り返し単位を含有していればよい。従って、(A)重合体は、ブロック共重合体とランダム共重合体のいずれの重合体であってもよい。
Figure 2008222937
モノマー5の市販品としては、例えば、東芝シリコーン社製の商品名「TSL9386」、「TSL9346」、「TSL9306」、東レ・ダウコーニング社製の商品名「BY16−853C」、「BY16−871EG」、信越化学工業社製の商品名「X−22−161AS」、日本ユニカー社製の商品名「F2−053−01」、チッソ社製の商品名「サイラプレーンFM3325」、「同FM3321」、「同FM3311」等を挙げることができる。
重合溶剤としては、通常、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性溶剤;メタクレゾール等のプロトン性溶剤が使用される。また、必要に応じてこれらの溶剤に、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール等のアルコール溶剤;ジグライム、トリグライム等のエーテル溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤を加えてもよい。反応は、通常、20℃〜130℃で、1〜48時間行う。
イミド化反応は、通常、加熱イミド化反応と、化学イミド化反応が知られている。但し、加熱イミド化反応によって(A)重合体を合成することが好ましい。加熱イミド化反応は、通常、ポリアミド酸合成溶液を120℃〜210℃で、1〜16時間加熱することにより行う。なお、必要に応じて、トルエン、キシレン等の共沸溶剤を使用して系内の水を除去しながら反応を行ってもよい。
(A)重合体の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定したポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」ともいう)は、通常、2,000〜500,000であり、好ましくは3,000〜250,000である。Mwが2,000未満であると、絶縁膜として十分な機械的特性が得られなくなる傾向にある。一方、Mwが500,000超であると、溶剤や現像液に対する溶解性が乏しくなる傾向にある。
(A)重合体を構成する全モノマーに含まれるモノマー4のモル比率は、通常、40〜60モル%であり、好ましくは45〜55モル%である。全モノマーに占めるモノマー4のモル比率が40モル%未満又は60モル%超であると、(A)重合体の分子量が低下する傾向にある。
モノマー5とモノマー6の合計に対する、モノマー5のモル比率は、通常、1〜80モル%であり、好ましくは5〜70モル%である。モノマー5のモル比率が上記範囲内にあると、透明性向上、反り低減、及びアルカリ現像性向上の点で好ましい。
2.感光性樹脂組成物、及びそれを用いた硬化膜:
((B)感光性酸発生剤)
本発明の感光性樹脂組成物に含有される(B)感光性酸発生剤は、放射線の照射(以下、「露光」ともいう)により酸を発生する化合物である。このような化合物としては、化学増幅系の感光性酸発生剤とナフトキノンジアジド(NQD)系の感光性酸発生剤がある。
化学増幅系の感光性酸発生剤の具体例としては、ヨードニウム塩化合物、スルホニウム塩化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、ハロゲン含有化合物、スルホンイミド化合物、ジアゾメタン化合物等を挙げることができる。また、ナフトキノンジアジド(NQD)系の感光性酸発生剤の具体例としては、ジアゾケトン化合物等を挙げることができる。
ヨードニウム塩化合物の具体例としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムカンファースルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート等を挙げることができる。
スルホニウム塩化合物の具体例としては、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、4−ヒドロキシフェニル・ベンジル・メチルスルホニウムp−トルエンスルホネート、4−(フェニルチオ)フェニル・ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロフォスフェート、4,7−ジ−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4,7−ジ−n−ヒドロキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4,7−ジ−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムヘキサフルオロフォスフェート、4−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート等を挙げることができる。
スルホン化合物の具体例としては、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンや、これらのα−ジアゾ化合物等を挙げることができる。より具体的には、フェナシルフェニルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン、4−トリスフェナシルスルホン等を挙げることができる。
スルホン酸エステル化合物の具体例としては、アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等を挙げることができる。より具体的には、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリストリフルオロメタンスルホネート、ピロガロールメタンスルホン酸トリエステル、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート、α−メチロールベンゾイントシレート、α−メチロールベンゾインオクタンスルホネート、α−メチロールベンゾイントリフルオロメタンスルホネート、α−メチロールベンゾインドデシルスルホネート等を挙げることができる。
ハロゲン含有化合物の具体例としては、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有複素環式化合物等を挙げることができる。より好ましいハロゲン含有化合物の具体例としては、1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン、フェニル−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、4−メトキシフェニル−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、スチリル−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、4−メトキシスチリル−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、ナフチル−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン等のS−トリアジン誘導体を挙げることができる。
ジアゾケトン化合物の具体例としては、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物等を挙げることができる。より好ましいジアゾケトン化合物の具体例としては、フェノール類の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル化合物を挙げることができる。
ジアゾメタン化合物の具体例としては、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン等を挙げることができる。
これらの感光性酸発生剤のうち、スルホニウム塩化合物、スルホン化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホンイミド化合物、ジアゾメタン化合物が好ましく、スルホニウム塩化合物、ハロゲン含有化合物が更に好ましい。特に好ましいのは、4−(フェニルチオ)フェニル・ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロフォスフェート、4,7−ジ−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4,7−ジ−n−ヒドロキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4,7−ジ−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシフェニル−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、スチリル−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、4−メトキシスチリル−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジンである。
これらの(B)感光性酸発生剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。また、(B)感光性酸発生剤の含有量は、(A)重合体100質量部に対して、通常、0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部、更に好ましくは0.5〜3質量部である。(B)感光性酸発生剤の含有量が、(A)重合体100質量部に対して0.1質量部未満であると、露光によって発生した酸の触媒作用による化学変化を十分に生起させることが困難となるおそれがある。一方、20質量部超であると、感光性樹脂組成物を塗布する際に塗布むらが生じたり、硬化後の絶縁性が低下したりするおそれがある。
((C)架橋剤)
本発明の感光性樹脂組成物に含有される(C)架橋剤は、熱や酸の作用により、樹脂等の配合組成物や他の架橋剤分子との結合を形成する化合物である。本発明の感光性樹脂組成物には、この(C)架橋剤を、一種単独で又は二種以上を組み合わせて含有させることができる。(C)架橋剤の具体例としては、多官能(メタ)アクリレート化合物、エポキシ化合物、ヒドロキシメチル基置換フェノール化合物、アルコキシアルキル化されたアミノ基を有する化合物等を挙げることができる。
多官能(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エチレングルコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングルコールジ(メタ)アクリレート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
エポキシ化合物の具体例としては、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。
ヒドロキシメチル基置換フェノール化合物の具体例としては、2−ヒドロキシメチル−4,6−ジメチルフェノール、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、3,5−ジヒドロキシメチル−4−メトキシトルエン[2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール]等を挙げることができる。
アルコキシアルキル化されたアミノ基を有する化合物の具体例としては、(ポリ)メチロールメラミン、(ポリ)メチロールグリコールウリル、(ポリ)メチロールベンゾグアナミン、(ポリ)メチロールウレア等の、1分子内に複数個の活性メチロール基を有する含窒素化合物において、この活性メチロール基の水酸基の水素原子の少なくとも一つがメチル基やブチル基等のアルキル基によって置換された化合物等を挙げることができる。これらの化合物のうち、(C)架橋剤として好ましいのはアルコキシアルキル化されたアミノ基を有する化合物である。
上記の「アルコキシアルキル化されたアミノ基を有する化合物」には、複数の置換化合物が混在した混合物や、一部自己縮合してなるオリゴマー成分を含むものも存在する。これらのいずれも、「アルコキシアルキル化されたアミノ基を有する化合物」として使用することができる。アルコキシアルキル化されたアミノ基を有する化合物の更なる具体例としては、ヘキサメトキシメチルメラミン(商品名「サイメル300」、三井サイアナミッド社製)、テトラブトキシメチルグリコールウリル(商品名「サイメル1170」、三井サイアナミッド社製)、テトラメトキシメチルグルコールウリル(商品名「サイメル1174」、三井サイアナミッド社製)等のサイメルシリーズの商品、マイコートシリーズの商品、UFRシリーズの商品、その他を挙げることができる。これらの化合物のうち、ヘキサメトキシメチルメラミンが特に好ましい。
(C)架橋剤の含有量は、通常、感光性樹脂組成物によって形成される膜が十分に硬化する量とすることが必要である。(C)架橋剤の含有量は、(A)重合体100質量部に対して、通常、5〜50質量部、好ましくは10〜40質量部、更に好ましくは10〜20質量部である。(C)架橋剤の含有量が、(A)重合体100質量部に対して5質量部未満であると、形成される絶縁層の耐溶剤性や耐めっき液性が不十分となるおそれがある。一方、50質量部超であると、この感光性樹脂組成物によって形成される薄膜が、十分な現像性を有するものとならないおそれがある。
(溶剤)
本発明の感光性樹脂組成物には、取り扱い性を向上させたり、粘度や保存安定性を調節したりするために溶剤を添加することができる。このような用途で添加される溶剤の種類は特に制限されるものではないが、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性溶剤やメタクレゾール等のフェノール性プロトン性溶剤が使用される。
下記の群から選択される、常圧での沸点が100℃以上の溶剤を少なくとも一種の溶剤(特定溶剤)を用いることが好ましい。また、このような特定溶剤を、全溶剤中10質量%以上含有させると、このような溶剤が感光性組成物として作用するために更に好ましい。また、全溶剤中に含有される特定溶剤の割合は、30質量%以上であることが更に好ましく、50質量%以上であることが特に好ましい。なお、全溶剤中に含有される特定溶剤の割合が10質量%未満であると、塗布性に問題を生じたり、解像度が低下したりする傾向にある。
群:プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、脂肪族アルコール類、乳酸エステル類、脂肪族カルボン酸エステル類、アルコキシ脂肪族カルボン酸エステル類、ケトン類。
プロピレングリコールモノアルキルエーテル類の具体例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等を挙げることができる。また、プロピレングリコールジアルキルエーテル類の具体例としては、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等を挙げることができる。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類の具体例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等を挙げることができる。また、脂肪族アルコール類の具体例としては、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ヘキサノール等を挙げることができる。
乳酸エステル類の具体例としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル等を挙げることができる。また、脂肪族カルボン酸エステル類の具体例としては、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル等を挙げることができる。
アルコキシ脂肪族カルボン酸エステル類の具体例としては、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等を挙げることができる。また、ケトン類の具体例としては、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等を挙げることができる。なかでも、乳酸エチル、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ブチルが更に好ましく、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルが特に好ましい。これらの特定溶剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。溶剤は、通常、溶剤以外の成分の合計量が1〜60質量%になるように使用される。
(その他の添加剤)
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲内で各種の添加剤を配合することができる。配合可能な添加剤としては、塩基性化合物、密着助剤、及び界面活性剤等を挙げることができる。
塩基性化合物の具体例としては、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリ−n−ドデシルアミン、n−ドデシルジメチルアミン等のトリアルキルアミン類;ピリジン、ピリダジン、イミダゾール等の含窒素複素環化合物等を挙げることができる。塩基性化合物は、(A)重合体100質量部に対して、通常、5質量部以下、好ましくは3質量部以下配合される。塩基性化合物の配合量が、(A)重合体100質量部に対して5質量部超であると、(B)感光性酸発生剤が十分に機能しなくなる傾向にある。
密着助剤は、基板との密着性を向上させるために配合される添加剤である。密着助剤の具体例としては、カルボニル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基等の反応性置換基を有する官能性シランカップリング剤を挙げることができる。このような官能性シランカップリング剤の具体例としては、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。密着助剤の配合量は、(A)重合体100質量部に対して10質量部以下とすることが好ましい。
界面活性剤は、塗布性、消泡性、レベリング性等を向上させるために配合される添加剤である。界面活性剤の具体例としては、フッ素系界面活性剤等を挙げることができる。フッ素系界面活性剤のより具体的な例としては、以下、商品名で、「BM−1000」、「BM−1100」(以上、BMケミー社製)、「メガファックF142D」、「同F172」、「同F173」、「同F183」(以上、大日本インキ化学工業社製)、「フロラードFC−135」、「同FC−170C」、「同FC−430」、「同FC−431」(以上、住友スリーエム社製)、「サーフロンS−112」、「同S−113」、「同S−131」、「同S−141」、「同S−145」(以上、旭硝子社製)、「SH−28PA」、「同−190」、「同−193」、「SZ−6032」、「SF−8428」(以上、東レダウコーニングシリコーン社製)等を挙げることができる。
界面活性剤の配合量は、(A)重合体100質量部に対して、5質量部以下とすることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、特に、半導体素子の表面保護膜や層間絶縁膜等の硬化膜を形成するための材料として好適に使用することができる。以下、硬化膜の形成方法について一例を挙げつつ説明する。
本発明の感光性樹脂組成物を、樹脂付き銅箔、銅張り積層板や金属スパッタ膜を付けたシリコンウエハー、アルミナ基板等の支持体に塗工し、乾燥して溶剤等を揮発させて塗膜を形成する。その後、所望のマスクパターンを介して露光し、加熱処理(以下、この加熱処理を「PEB」ともいう)を行って、フェノール環と(C)架橋剤との反応を促進させる。次いで、アルカリ性現像液により現像して、未露光部を溶解、除去することにより所望のパターンを形成することができる。更に、絶縁膜特性を発現させるための加熱処理を行うことにより、硬化膜を形成することができる。
感光性樹脂組成物を支持体に塗工する方法としては、例えば、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、及びスピンコート法等の塗工方法を挙げることができる。また、形成される塗膜の厚さは、塗布手段、感光性樹脂組成物の固形分濃度や粘度を調節することにより、適宜制御することができる。
感光性樹脂組成物を塗工した後は、溶剤を揮発させるため、通常、プリベーク処理を行う。プリベーク処理の条件は、感光性樹脂組成物の配合処方や塗膜の厚さ等によって異なるが、通常、70〜150℃、好ましくは80〜140℃で、1〜60分程度である。
露光に用いられる放射線としては、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、g線ステッパー、i線ステッパー等の紫外線、電子線、レーザー光線等を挙げることができる。露光量は、使用する光源や塗膜の厚さ等によって適宜選定されるが、例えば、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射する場合、塗膜の厚さ=10〜50μmでは、100〜5,000mJ/cm程度である。
露光後は、発生した酸によるフェノール環と(C)架橋剤との硬化反応を促進させるためにPEBの処理を行う。PEBの条件は、感光性樹脂組成物の配合処方や塗膜の厚さ等によって異なるが、通常、70〜150℃、好ましくは80〜140℃で、1〜60分程度である。
その後、アルカリ性現像液により現像して、未露光部を溶解、除去することによって所望のパターンを形成する。現像方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、浸漬現像法、パドル現像法等を挙げることができる。現像条件は、通常、20〜40℃で1〜10分程度である。
アルカリ性現像液の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等のアルカリ性化合物を、濃度が1〜10質量%程度になるように水に溶解したアルカリ性水溶液を挙げることができる。なお、アルカリ性水溶液には、例えば、メタノール、エタノール等の水溶性の有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。アルカリ性現像液で現像した後は、水で洗浄し、乾燥する。
絶縁膜としての特性を十分に発現させるために、現像後、加熱処理を行うことによって形成される硬化膜を十分に硬化させることができる。硬化条件は特に制限されるものではないが、硬化膜の用途に応じて、100〜400℃の温度で、30分〜10時間程度加熱すればよい。
また、硬化を十分に進行させたり、得られたパターン形状の変形を防止したりするために、多段階で加熱することも好ましい。例えば、二段階で加熱を行う場合、第一段階では、50〜200℃の温度で、5分〜2時間程度加熱する。更に、第二段階では、100〜400℃の温度で、10分〜10時間程度加熱する。
このような硬化条件であれば、加熱設備としてホットプレート、オーブン、赤外線炉、マイクロ波オーブン等を使用することができる。
次に、本発明の感光性樹脂組成物を用いた半導体素子について、図面により説明する。図1は、本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成された絶縁樹脂層を有する半導体素子の一例を模式的に示す断面図である。図1に示すように、パターン状の金属パッド2が形成された基板1上に、本実施形態の感光性樹脂組成物を用いてパターン状の絶縁膜3を形成する。次いで、金属パッド2と接続するように金属配線4を形成すれば、半導体素子を得ることができる。
また、図2に示すように、金属配線4上に、本実施形態の感光性樹脂組成物を用いてパターン状の絶縁膜5を形成してもよい。上述のようにして、本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成された絶縁樹脂層(硬化膜)を有する半導体素子を作製することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。また、各種物性値の測定方法、及び諸特性の評価方法を以下に示す。
[重量平均分子量(Mw)]:東ソー社製のGPCカラム(商品名「TSKgelα−M」:1本、商品名「TSKgelα−2500」:1本)を使用し、流量:1.0ml/分、溶出溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド、カラム温度:35℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
[混合性]:合成例及び比較合成例で得た樹脂を用いて評価用サンプルを調製したときに、均一溶液になった場合を「良好」、均一溶液にならなかった場合を「不良」と評価した。
[塗布性]:6インチのシリコンウエハーに感光性樹脂組成物をスピンコートした後、ホットプレートで110℃、3分間加熱し、20μm厚の均一な塗膜を作製した。作製した塗膜を目視により観察し、クラック等の欠陥が発生したものを「不良」、クラック等の欠陥が発生しなかったものを「良好」と評価した。
[解像性]:アライナー(商品名「MA−150」、Suss Microtec社製)を使用し、パターンマスクを介して高圧水銀灯からの紫外線を、波長350nmにおける露光量が1,000〜5,000mJ/cmとなるように、前述の「塗布性」の評価で得られた塗膜付ウエハーを露光した。次いで、ホットプレートで110℃、3分間加熱(PEB)し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド水溶液を用いて23℃で60秒間、浸漬現像した。得られたパターンの最小寸法(μm)を「解像性」とした。
[残留応力]:8インチのシリコンウエハーに感光性樹脂組成物をスピンコートした後、ホットプレートで110℃、3分間加熱し、20μm厚の均一な塗膜を作製した。更に、アライナー(商品名「MA−150」、Suss Microtec社製)を使用し、高圧水銀灯からの紫外線を、波長350nmにおける露光量が2,000mJ/cmとなるように全面露光を行った。次いで、ホットプレートで110℃、3分間加熱(PEB)し、オーブンで300℃、2時間加熱して硬化膜を形成した。形成した硬化膜の成膜前後のウエハー曲率の変化を、商品名「FLX−2320−S」(東朋テクノロジー社製)で測定し、残留応力(MPa)を算出した。
[i線透過率]:6インチのガラス基板に感光性樹脂組成物をスピンコートし、ホットプレートで110℃、3分間加熱し、20μm厚の均一な塗膜を作製した。UV測定器(商品名「V−550 UV/VIS Spectrophotometer」、JAS.CO社製)でUV透過率を測定し、波長365nmの透過率(i線透過率(%))を求めた。
[耐溶剤性]:6インチのシリコンウエハーに感光性樹脂組成物をスピンコートし、ホットプレートで110℃、3分間加熱し、20μm厚の均一な塗膜を作製した。更に、アライナー(商品名「MA−150」、Suss Microtec社製)を使用し、高圧水銀灯からの紫外線を、波長350nmにおける露光量が2,000mJ/cmとなるように全面露光を行った。次いで、ホットプレートで110℃、3分間加熱(PEB)し、オーブンで300℃、2時間加熱して硬化膜付ウエハーを得た。得られた硬化膜付ウエハーを60℃に温めたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に30分間浸漬し、膜厚の変化率を調査した。膜厚の変化率が3%以上であった場合を「不良」、3%未満であった場合を「良好」と評価した。
[耐熱衝撃性]:感光性樹脂組成物を図3および図4に示すような基材6に塗布し、ホットプレートで110℃、3分間加熱し、導体上で10μm厚の樹脂塗膜を作製した。なお、図3及び図4中、符号7は基板、符号8は銅箔をそれぞれ示す。その後、アライナーを使用し、高圧水銀灯からの紫外線を、波長350nmにおける露光量が2,000mJ/cmとなるように全面露光した。次いで、ホットプレートで110℃、3分間加熱(PEB)し、オーブンで300℃、2時間加熱して硬化膜を形成し硬化膜付の基板を得た。得られた基板を冷熱衝撃試験器(タバイエスペック社製)で−55℃/30分〜150℃/30分を1サイクルとして500サイクルの耐熱衝撃性試験を行った。硬化膜を目視観察し、クラック等の欠陥が発生した場合を「不良」、クラック等の欠陥が発生しなかった場合を「良好」と評価した。
[靭性]:PETフィルム上に感光性樹脂組成物をスピンコートした後、オーブンで110℃、10分間加熱した。更に、アライナーを使用し、高圧水銀灯からの紫外線を、波長350nmにおける露光量が2,000mJ/cmとなるように全面露光を行った。次いで、オーブンで110℃、10分間加熱(PEB)し、更にオーブンで300℃、2時間加熱して硬化膜を形成した。形成した硬化膜をPETフィルムから剥がして短冊状に切り、5cm×1cm×40μmの試験片を作製した。作製した試験片の両端を重ねた際に、試験片が割れた場合を「不良」、試験片が割れなかった場合を「良好」と評価した。
(合成例1)
容量2Lのセパラブルフラスコに、下記式(4−1)で表されるモノマー4−1を145.7g、及びNMP600gを加えた。撹拌下、下記式(5−1)で表されるジアミノポリシロキサン(商品名「BY16−853C」、東レ・ダウコーニング社製、アミン当量:400(以下、「モノマー5−1」ともいう))156.0gを仕込み、次いで、下記式(6−1)で表される4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル(以下、「モノマー6−1」ともいう)98.4gを仕込んだ。60℃で8時間撹拌した後、200℃に昇温させて5時間脱水反応を行った。反応終了後、反応混合物を水中に投じ、生成物を再沈、ろ過、真空乾燥をすることによって、310gの重合体を得た。得られた重合体の重量平均分子量は151000であった。また、IR分析を行い、イミドを示す1778cm−1の吸収があることを確認した。
Figure 2008222937
(合成例2〜6、比較合成例2〜4)
前記式(4−1)、下記式(4−2)〜(4−6)、前記式(5−1)、下記式(5−2)、前記式(6−1)、及び下記式(6−2)〜(6−3)で表されるそれぞれのモノマー(モノマー4−1〜4−6、モノマー5−1〜5−2、及びモノマー6−1〜6−3)を、表1及び2に示す組み合わせと配合量で用いたこと以外は前述の合成例1の場合と同様の操作により、重合体を得た。得られた重合体の収量、及び重量平均分子量を表2に示す。なお、IR分析を行い、いずれの重合体についてもイミドを示す1778cm−1の吸収があることを確認した。
(比較合成例1)
容量2Lのセパラブルフラスコに、下記式(6−1)で表される4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル(以下、「モノマー6−1」ともいう)98.2g、及びNMP800gを仕込んだ。撹拌下、下記式(4−1)で表されるモノマー4−1を101.8g加え、60℃で8時間撹拌した後、200℃に昇温させて5時間脱水反応を行った。反応終了後、反応混合物を水中に投じ、生成物を再沈、ろ過、真空乾燥をすることによって、165gの重合体を得た。得られた重合体の重量平均分子量は104000であった。また、IR分析を行い、イミドを示す1778cm−1の吸収があることを確認した。
Figure 2008222937
Figure 2008222937
Figure 2008222937
Figure 2008222937
Figure 2008222937
(実施例1)
合成例1で得た重合体100部、乳酸エチル120部、スチリル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン20部、及びヘキサメトキシメチルメラミン(商品名「サイメル300」、三井サイテック社製)1.5部を混合することにより、感光性樹脂組成物(実施例1)を調製した。混合性の評価結果は「良好」であった。また、塗布性は「良好」、解像性(最小寸法)は30μm、残留応力は9MPa、i線透過率は81%、耐溶剤性は「良好」、耐熱衝撃性は「良好」、及び靭性は「良好」であった。
(実施例2〜6、比較例1〜4)
表3に示す配合処方としたこと以外は、前述の実施例1と同様にして感光性樹脂組成物(実施例2〜6、比較例1〜4)を調製した。各種物性値の測定結果及び評価結果を表4に示す。
<溶剤>
EL:乳酸エチル
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
GBL:γ−ブチロラクトン
<架橋剤>
C−1:ヘキサメトキシメチルメラミン(商品名「サイメル300」、三井サイテック社製)
C−2:テトラメトキシメチルグルコールウリル(商品名「サイメル1174」、三井サイテック社製)
<感光酸発生剤>
D−1:スチリル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン
D−2:4,7−ジ−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート
Figure 2008222937
Figure 2008222937
本発明の重合体を含有する感光性樹脂組成物は、高膜厚塗布が可能であるとともに、アルカリ現像が可能で、解像性が高く、硬化後の残留応力が小さく、耐溶剤性、熱衝撃性、密着性等の諸特性に優れた硬化物を得ることができるので、表面保護膜用途、層間絶縁膜用途、及び高密度実装基板用絶縁膜用途に適し、産業上極めて有益である。
本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成された絶縁樹脂層を有する半導体素子の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成された絶縁樹脂層を有する半導体素子の他の例を模式的に示す断面図である。 本発明の感光性樹脂組成物が塗布される基材の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の感光性樹脂組成物が塗布される基材の一例を模式的に示す上面図である。
符号の説明
1:基板、2:金属パッド、3:絶縁膜、4:金属配線、5:絶縁膜、6:基材、7:基板、8:銅箔

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表される構造を有する繰り返し単位と、
    下記一般式(2)で表される構造を有する繰り返し単位と、
    を有する重合体。
    Figure 2008222937
    (前記一般式(1)中、Rは、4価の脂環式炭化水素基、又は炭素数1〜4のアルキル基を有する4価のアルキル脂環式炭化水素基を示す(但し、Rが前記アルキル脂環式炭化水素基である場合には、同一のアルキル基から同時に二以上置換された4価の基を除く)。また、Aは、下記一般式(3)で表される2価の基を示す)
    Figure 2008222937
    (前記一般式(2)中、Rは、前記一般式(1)中のRと同義であり、Bは、水酸基を有する2価の基を示す)
    Figure 2008222937
    (前記一般式(3)中、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を示し、mは、1〜10の整数を示し、nは、1〜30の整数を示す)
  2. 前記一般式(3)中、n=1である請求項1に記載の重合体。
  3. (A)請求項1又は2に記載の重合体、
    (B)感光性酸発生剤、及び
    (C)架橋剤、
    を含有する感光性樹脂組成物。
  4. 前記(C)架橋剤が、アルコキシアルキル化されたアミノ基を有する化合物である請求項3に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 請求項3又は4に記載の感光性樹脂組成物を用いて形成される硬化膜。
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